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JP3157264B2 - 自動循環式索道における搬器の一時停止運行方法 - Google Patents

自動循環式索道における搬器の一時停止運行方法

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JP3157264B2
JP3157264B2 JP9027192A JP9027192A JP3157264B2 JP 3157264 B2 JP3157264 B2 JP 3157264B2 JP 9027192 A JP9027192 A JP 9027192A JP 9027192 A JP9027192 A JP 9027192A JP 3157264 B2 JP3157264 B2 JP 3157264B2
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Japan
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cableway
carriage
rail
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point
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隆智 井上
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日本ケーブル株式会社
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動循環式索道設備の
停留場において、車椅子利用乗客等の乗車した搬器を乗
降場において一時停止するための自動循環式索道におけ
る搬器の一時停止運行方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】索道設備は両端の停留場に配設された滑
車と滑車との間に支曳索または曳索等の索条を無端状に
張架循環させ、搬器を懸垂した握索機を用いて索条を握
索させ索条の移動と共に搬器を運行し輸送を行うもの
で、山岳傾斜地における観光用やスキーリゾート地にお
ける輸送用等に多用されることは汎く知られている。ま
た近時は都市あるいは地域輸送用の中量ないし少量輸送
機関としての用途にも注目されている。このような構成
の索道設備のうち、最も多用されているのは一条の支曳
索のみを用いた単線自動循環式索道であるが、近時は二
条の支曳索を用いてかつ比較的大型の搬器を用いた形式
の自動循環式索道も注目されている。
【0003】これらの単線自動循環式索道の停留場ない
し乗降場の構成の従来例を客車式搬器を用いた場合につ
いて述べれば、次の如くである。
【0004】図5は、自動循環式索道の停留場設備の配
設関係を示した平面図である。停留場101に滑車10
2が枢設されており、支曳索ないし索条103は索道線
路108より停留場101内に導入され滑車102に巻
き掛けられ反転誘導され再び索道線路108方向に誘導
されている。停留場101内において、放索点である
A’点からB’,C’,D’,E’,F’点及びG’点
を経て握索点であるH’点に到る間に亘っては、ほぼ
「U」字状に軌条104が懸架固設されている。この軌
条104に沿ってA’点〜B’点間には減速移送装置1
05が配設され、G’点〜H’点間には加速移送装置1
06が配設されている。かつ、軌条104に沿ってB’
点からC’,D’,E’,F’点を経てG’点に到る間
には回送移送装置107が配設されている。このような
軌条104のC’点からD’点に到る区間の外側には降
車場121が定められ、またほぼE’点からF’点に到
る区間の外側には乗車場122が定められている。 搬
器110は索道線路108より索条103の移動と共に
矢印109a方向に進行し停留場101に到着すると、
握索機111が放索点A’点付近で索条103を放索
し、軌条104に沿って転走を開始すると共に減速移送
装置105によって索道線路108運行の全速から緩速
に減速される。B’点付近においてこの減速動作は完了
し、次いで握索機111は回送移送装置107によって
緩速ないし回送速度を以て転向誘導されてG’点付近ま
で回送移送される。次いでG’点付近から加速移送装置
106によって索条103と等速まで加速移送され、握
索点であるH’点付近において握索機111は索条10
3を握索して索道線路108に向かって矢印109b方
向に出発する。
【0005】この間に、軌条104に沿ってほぼC’点
〜D’点間の区間の外側には降車場121が設けられ、
ここで回送移送中の搬器110からの乗客の降車が行わ
れる。また、軌条104に沿ってほぼE’点〜F’点間
の区間外側には乗車場122が設けられ、ここで、図に
示されているように乗車場122から回送移送中の搬器
110への乗車が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これまでの自
動循環式索道設備は主として山岳地、特に山岳積雪地等
でスキーヤー輸送用等に設備されてきたので、乗客は主
として壮健者または一般乗客であって、前記のような移
動中の搬器に乗降する乗降方式においても安全に乗降が
可能で、これまでに特に問題を生じていなかった。
【0007】ところが、前記のごとく今後索道設備を都
市、または地域交通用の輸送機関として利用しようとす
る場合には、一般乗客または壮健者のみでなく、老幼者
や車椅子利用者等のいわゆる交通弱者も安全に乗降出来
るものであることが必要である。このような乗客に対す
る配慮としては、搬器の一時停止措置を行って乗降させ
ればよいことは明らかである。
【0008】しかし、よく知られているように自動循環
式索道設備は、小型ないし比較的小型の搬器を短い発車
間隔ごとに次々に運行して所要の輸送能力を保有するよ
うになされているので、搬器運行列中の特定の搬器を一
時停止させると後続の搬器に渋滞を生じて円滑な循環運
行が不能になるという問題があった。
【0009】本発明はこのような問題点を解消して、老
幼者や車椅子利用の乗客等が乗車した特定搬器を一時停
止して安全に乗降できるようにし、かつ一般搬器の循環
運行の整合を乱さないための運行方法を提案することを
目的としてなされたものである。
【0010】
【問題を解決するための手段】この目的に対応して本発
明は、両端停留場間を循環する索条に握索機で搬器を握
索させて索道線路中の搬器運行を行い、前記停留場にお
いては握索機から索条を放索させて本線軌条に導き搬器
を転送させると共に減速区間、回送区間、及び加速区間
を経てのち再び索条を握索させて索道線路中に出発させ
るようにし、前記回送区間において乗降客扱いを行い、
このようにして複数の搬器を次々に循環運行するように
なした自動循環式索道設備において、前記回送区間には
前記本線軌条から前記回送区間の少なくとも外周側領域
に分岐して再び本線軌条に合流する分岐側線軌条を設
け、前記分岐側線軌条に沿って乗降場を設け、該分岐側
線軌条には移送の断続を可能とした分岐側線移送装置を
具えると共に該分岐側線軌条に沿って乗降場を具えてな
るものを用いて、特定乗客の乗降のために前記乗降場で
一時停止すべき特定搬器は連続状に循環運行する搬器列
から分岐側線軌条に分岐させ乗降場位置に停止させて乗
降客扱いを行ってのち再び前記搬器列の間合に還流させ
るようにした、自動循環式索道における搬器の一時停止
運行方法、としたものである。
【0011】
【作用】自動循環式索道の停留場においては索条を握索
して索道線路中を運行してきた搬器が該索条を放索する
放索点付近から、再び索条を握索して索道線路に向かっ
て出発する握索点付近に到る間に亘って、ほぼ「U」字
状に本線軌条が懸架固設されている。この軌条に沿っ
て、搬器の到着側には減速移送装置を具えた減速区間が
あり、搬器の出発側には加速移送装置を具えた加速区間
が設けられ、また減速区間と加速区間との間には回送移
送装置を具えた回送区間が設けられている。この回送区
間の搬器周回の少なくとも外側領域には分岐側線軌条が
設けられ、該分岐側線軌条は本線軌条から分岐して再び
本線軌条に合流する搬器の側線経路を形成している。か
つ、該分岐側線軌条に沿っては特定搬器の運転を断続で
きるようにした分岐側線移送装置が設けられ、また分岐
側線軌条に沿っては乗降場が設けられている。
【0012】本発明の自動循環式索道における搬器の一
時停止運行方法は前記のような構成をなす設備を用いて
行われる。一般の搬器はは索道線路中から停留場に到着
すると、握索機の握索が解かれ、搬器は本線軌条に沿っ
て転走する。先ず、減速区間においては減速移送装置に
よって搬器は緩速に減速され、次いで回送区間において
は回送移送装置によって緩速で回送移送されると共に本
線軌条の「U」字状の曲線に沿って誘導転向される。こ
の回送区間内において搬器の扉が開放されて、移動中の
搬器から一般乗客の降車扱いが行われ、また、移動中の
搬器への乗車扱いが行われる。搬器の閉扉が行われて後
に、加速区間において加速移送装置によって搬器は索条
速度と均等の速度に加速され、握索機によって索条を握
索して索条の移動と共に索道線路中に出発する。複数台
の搬器は、次々に前記と同様の動作を行って、搬器は連
続的に運行される。
【0013】次に、一時停止を必要とする特定搬器を運
行する場合には、停留場に到着した該特定搬器は前記の
一般搬器の場合と同様に索条を放索した後に減速区間に
おいて減速させ、ここで分岐側線軌条に入線させ、分岐
側線移送装置で移送し乗降場位置において一時停止さ
せ、老幼者または車椅子利用乗客の乗降客扱いを行うよ
うにする。前記の乗降場に対応して特定搬器にはこの乗
降場に対応した扉を設備しておき、特定搬器床面と乗降
場との間にはほぼ段差ないような設備とする。よって、
乗降は安全に行うことができる。乗降が完了したら、特
定搬器を再び分岐軌条の前途に沿って移送し、本線軌条
との合流箇所において本線軌条に還流させ一般搬器の運
行列中に復帰させる。よって搬器の循環運行の整合を乱
すことなく、索道の循環運動を円滑に継続することがで
きる。
【0014】
【実施例】
(実施例1)図1は本発明の自動循環式索道搬器の一時
停止運行方法を適用する停留場の全体配設関係を示した
ものである。この実施例においては、本発明の適用対象
とする各形式の自動循環式索道のうち最も多用されてい
る単線自動循環式索道設備に適用した場合について説明
する。
【0015】停留場1の領域内には索条3が索道線路8
より矢印9aの方向に導入されて滑車2に巻き掛けられ
て折り返され、矢印9b方向に再び索道線路8に循環し
ている。この索条3に沿って、放索点であるA点付近か
らB,C,D点及びI点を経て更にE,F,G点を経て
再び索条3の経路に沿ったH点付近に到る間には、本線
軌条4が平面視ほぼU字状をなして架設されている。本
線軌条4はA点付近からB,C,点を経てD点に到る間
は直線状をなし、D点からI,E点間は曲線ないし円弧
状をなしており、E点からF,G点を経てH点に到る間
は直線状をなしている。
【0016】ここで、本線軌条4のA点付近からB点付
近に到る間は減速区間5でありここには減速移送装置5
aが配設されており、これは索条3を放索した握索機1
1ないし搬器10を索道線路8中における全速から緩速
に減速するためのものである。また、本線軌条4のG点
付近からH点付近に到る間は加速区間6でありここには
加速移送装置6aが配設されており、これは握索機11
ないし搬器10を緩速から索条3の循環速度と均等の速
度まで加速するためのものである。また、本線軌条4の
B点からC,D,I,E,F点を経てG点に到る直線及
び円弧状よりなる区間は回送区間7であり、ここには回
送移送装置7aが配設され、これは握索機11ないし搬
器10を緩速で折り返し移送するためのものである。ま
た、回送区間7の本線軌条4に沿ってC点〜D点間には
降車場21が設けられており、また、E点〜F点間には
乗車場22が設けられている。これらの降車場21、乗
車場22は一般の乗客の降車または乗車に用いられる。
【0017】前記の減速移送装置5a及び加速移送装置
6aには、ゴムタイア車輪等を用いた移送車輪を搬器経
路に沿って回動可能に複数輪を並設してなるもので、移
送車輪の周縁の接線速度が互いに隣合う車輪ごとに漸減
し、または漸増するような関係に並設して、これらの移
送車輪周縁を握索機11に押圧当接させて摩擦力で抑速
ないし減速移送し、または増速ないし加速移送するよう
にしたものである。また、前記の回送移送装置7aにお
いても同様にゴムタイア車輪よりなる移送車輪を直線ま
たは曲線状の移送経路に沿って多数輪を並設して、これ
らの移送車輪の周縁部で握索機11を摩擦力で回送移送
するものが用いられる。または、この回送移送装置7a
の場合には、搬器の経路に沿って無端状のチェンを循環
させて、チェンに間欠的に具えさせたラチェット等によ
って握索機11ないし搬器10に係合させて移送する形
式のものも利用可能である。
【0018】ここまで記述したような自動循環式索道の
停留場の構成は既に一般的に用いられているものと均等
であるが、以下の記述に関しては本発明の方法に特有の
ものである。
【0019】図1において、ほヾU字状をなす本線軌条
4の少なくとも外周側領域には分岐側線区間30が設け
られている。本実施例においては本線軌条4の曲線部の
後方ないし外周側にこの分岐側線区間30が設けられて
いる場合について説明する。即ち、分岐側線区間30に
は本線軌条4のD点から分岐側線軌条31を分岐させJ
点を経て円弧状に折り返し再び本線軌条4に合流するよ
うに架設されている。
【0020】ここでD点付近とE点付近とには分岐器3
2aまたは32bが用いられている。これらの分岐器3
2a,32bには、例えば特公昭60−2241号公報
「自動循環式索道のターミナルにおける平行リンク式分
岐装置」、または特開平2−108654号公報「自動
循環式索道の昇降式分岐装置」等において提案されてい
るもの等が利用できるが、その他、分岐動作が敏速なも
のであればその他の形式のものでも好適に用いることが
できる。次に前記分岐側線軌条31に沿っては分岐側線
移送装置33が設けられている。分岐側線移送装置33
は基本的には回送移送装置7aと同様に、移送車輪3
4,34…の複数輪を並列に枢設してこれらの移送車輪
34,34…の各々の周縁部によって握索機11を摩擦
移送するようにした構成であるが、搬器移送を断続出来
るように駆動断続手段35を具えていて、自動または手
動切替え操作によってこれらの移送車輪34,34…の
回動の断続が可能となっている。即ち、例えば自動また
は手動の切り替え操作によって電動機運転の断続を行い
または駆動伝導系統にクラッチ手段を挿入して用い、ク
ラッチ手段の入り切りによって回転の断続を行うもの等
が用いられる。
【0021】前記の分岐側線区間30ないし分岐側線軌
条31に沿っては図2の如く乗降場40が設備されてい
る。乗降場40は少なくとも分岐側線区間30を経過す
る特定搬器10Aの床面13と同一水準高のプラットフ
ォームで、かつ特定搬器10Aの床面13との間には間
隙14が少ないように設備する。
【0022】本発明の自動循環式索道における搬器の一
時停止運行方法は前記のごとき構成の設備ないし装置を
用いて行うのであるが、次にこの運行方法による運行動
作ないし作用について以下に説明する。
【0023】先ず、一般の乗客が乗車する搬器10,1
0…の運行については通常の自動循環式索道の運行様式
と同様に行われる。一般の搬器10,10…のみが運行
されているときは、分岐器32a,32bを定位に開通
させておき、即ち、分岐器32aは本線軌条4のC点か
らD点を経てI点の方向に搬器10が通過できるように
開通されている。また、分岐器32bは本線軌条4のI
点からE点を経てF点方向に搬器が通過できるように開
通させる。また、分岐側線区間30の分岐側線移送装置
33は駆動断続手段35によって「断」の状態として分
岐側線移送装置33の移送車輪34,34…は停止させ
ておく。
【0024】搬器10は握索機11で索条3を握索して
索条3の移動と共に索道線路8を矢印9aの方向に進行
し、停留場1に到達すると放索点であるA点付近で握索
機11は索条3を放索すると共に以後は本線軌条4に沿
って転走を開始する。かつ、減速区間5に入って減速移
送装置5aによって緩速に減速され、B点付近から回送
区間7に入り緩速で回送移送されC点,D点を経て進行
する。この途中に於いて搬器10の扉12が開かれ緩速
で移動中の搬器10から降車場21への乗客の降車が行
われ、乗客は矢印23の方向に外部に誘導され退出す
る。ここで前記のように分岐器32aは定位に開通して
いるので搬器10は本線軌条4のD点からI点を経てE
点に向かって進行し、更に分岐器32bは定位に開通し
ているのでE点、F点を経て前途に進行する。矢印24
の方向に乗車場22に誘導された乗客はこの間に乗車場
22から移動中の搬器10に乗車し、その後に扉12が
閉鎖される。更に搬器10はF点からG点に移送され、
G点付近から加速区間6に進入して加速移送装置6aに
よって索条3の速度と均等速度まで加速されて、H点付
近において握索機11が索条3を握索する。こうして搬
器10は索条3の移動と共に矢印9bの方向に索道線路
8に向かって出発するのである。複数台の他の搬器1
0,10… も所定の発車間隔を保って同様に次々に運
行される。
【0025】次に、車椅子利用者等の乗客が乗車した特
定搬器の運行は次のように行われる。特定搬器10Aは
前記の如き一般の搬器10,10…の運行列中に挿入さ
れて、索道設備の相手方停留場から索道線路8中を運行
して停留場1に到達する。A点付近において握索機11
は索条3を放索して減速区間5で減速されB点付近に到
達し、更にC点,D点を経て進行する。該特定搬器10
Aについては降車場21に於いての降車客扱いはここで
行わないようにする。特定搬器10AがD点付近に接近
したときには、該特定搬器10Aに先行した一般の搬器
10がD点を通過し終わったことを条件としてこの後
に、分岐器32aを反位に切り替えると共に、分岐側線
移送装置33の運転を開始して移送車輪34,34…の
回動を開始する。特定搬器10Aは、ここで本線軌条4
から反位の分岐器32aを経て分岐側線区間30の分岐
側線軌条31に進路を分岐し、分岐側線移送装置33の
移送車輪34,34…により摩擦移送されて転走する。
特定搬器10AがJ点に到達したら駆動断続手段35を
自動または手動操作して分岐側線移送装置33の運転を
停止し、移送車輪34,34…の回動を停め、特定搬器
10AをJ点付近の乗降場40に対応した位置に停止さ
せる。停止した特定搬器10Aの扉12を開放して乗客
を特定搬器10Aから乗降場40に降車させ、または乗
降場40から特定搬器10Aに乗車させる。前記のとお
り、乗降場40は特定搬器10Aの床面13とほぼ同一
水準高に形成され、相互間の間隙14は少なく形成され
ており、かつ、特定搬器10Aは停止しており乗降場4
0との間には相対速度差がないので、老幼者や車椅子利
用の乗客も安全に降車または乗車することができる。乗
客は乗降場40から例えば矢印42aの方向に段差なく
連絡した入退出路41を経て外部に退出させるようにす
る。乗降客扱いが完了した特定搬器10Aは次の運行ま
での間、乗降場40付近に待機させておくようにする。
一方、先のD点においては直ちに分岐器32aを定位に
復帰開通させ後続の搬器10,10…を本線軌条4の回
送区間7に移送するのである。
【0026】また一方、本線軌条4のE点においては常
時は分岐器32bが定位に開通して搬器10,10…I
点からF点を経てG点の方向に進行しているが、ここで
特定搬器10Aを搬器の運行列中に挿入ないし割り込み
させるべき搬器間合ないし機会が到来したときには、先
行の搬器10が分岐器32bを通過し終わったことを条
件として、分岐器32bを反位に切換え開通させると共
に駆動断続手段35を操作して分岐側線移送装置33の
駆動を再開し移送車輪34,34…を回動させる。特定
搬器10Aは移送車輪34,34…によって摩擦駆動さ
れ分岐側線軌条31に沿って進行し、分岐器32bから
本線軌条4の回送区間7中に合流ないし還流し、回送移
送装置7aによってG点まで回送される。以後は、一般
搬器10,10…と同様に加速区間6において加速され
て索道線路8に向かって出発するのである。
【0027】特定搬器10AがF点において一般の搬器
経路に合流した後には駆動断続手段35を操作して分岐
側線移送装置33の運転を停止し移送車輪34,34…
の回動を停止すると共に分岐器32bを定位に復帰させ
て本線軌条4の相互間を開通させる。この後、本線軌条
4を回送移送中の搬器10,10…はD,I,E,F,
G点を経て加速区間6で加速されて索道線路へ次々に出
発する。
【0028】このように特定搬器10Aは一般の搬器1
0,10の運行列から抜去されてから再び搬器運行列の
中に組み入れられて運行し、他端の停留場においても同
様に動作させるのである。
【0029】なお、ここで特定搬器10Aとして運行す
る搬器には少なくとも車椅子が出入りできる扉間口を有
するものが必要である。または、一般運行に供する搬器
10,10…のすべてに前記のような扉の間口寸法を保
有させている場合には、必要に応じて一般搬器運行と特
定搬器運行との何れにも共用することが可能である。
【0030】(実施例2)前記の実施例は本発明の運行
方法の要部を説明するためのものであったが、次にここ
では、前記の運行方法を用いてこれを効果的に運用でき
るようにするため特定搬器が搬器運行列から離脱し再び
本線軌条に還流する時に割り込むべき搬器間合が良好に
維持されているようにした応用的態様について記載す
る。
【0031】図3は、索道線路全体の搬器の運行列を略
図で示したもので、白丸で示したものは一般の搬器1
0,10…である。本実施例の運行方法においては、搬
器10,10…の運行列中に予め特定搬器10Aを挿入
して運行すべき搬器間合kを、全運行列中に少なくとも
1箇所以上設けて、循環運行させるようにする。この、
図3においては、搬器間合kは搬器の全運行列中に1箇
所のみ設定した場合を示したもので、搬器間合kは索道
線路8中を矢印9a方向に進行している。また、黒丸で
示した特定搬器10Aは停留場1の分岐側線区間30に
待機している。
【0032】図4は、前記の図3の搬器間合kが停留場
1内に回帰してきた場合を示している。この状態となっ
たとき、特定搬器10Aを搬器間合kの中に挿入して搬
器運行列中に加入して運転を行うようにする。このよう
に、予め、搬器運行列中に1箇所以上の搬器間合kを常
時設定しておくようにすれば、必要に応じて特定搬器1
0Aの抜去、挿入を容易に行い、本発明の自動循環式索
道における搬器の一時停止運行方法を具現することが可
能であり、かつ、搬器の運行列に擾乱や渋滞を生じな
い。
【0033】
【発明の効果】自動循環式索道設備はこれまで主として
山岳地、特に山岳積雪地等でスキーヤー輸送用等に多用
されてきたので、乗客は主として壮健者または一般乗客
であって、移動中の搬器に乗降する乗降方式においても
安全に乗降が可能で、特に問題を生じていなかった。し
かし、索道設備を都市、または地域交通用の輸送機関と
して利用する場合には、一般乗客または壮健者のみでな
く、老幼者や車椅子利用者等のいわゆる交通弱者も安全
に乗降出来るものであることが求められる。このような
乗客に対する配慮としては、搬器の一時停止措置を行っ
て乗降させればよいことは明らかである。
【0034】しかし、よく知られているように自動循環
式索道設備は、小型ないし比較的小型の搬器を短い発車
間隔ごとに次々に運行して所要の輸送能力を保有するよ
うになされているので、搬器運行列中の特定の搬器を一
時停止させると後続の搬器に渋滞を生じて円滑な循環運
行が不能になるという問題があった。
【0035】本発明は、自動循環式索道設備の停留場に
おける本線上の回送区間から回送区間のすくなくとも外
周側領域に分岐して再び本線軌条に合流する分岐側線軌
条を設け、この分岐側線軌条に沿って乗降場を具えた設
備を用いて、特定搬器を一時停車させて安全に乗降車さ
せるようにしたものである。分岐側線軌条に於いて停車
させるので、本線軌条の一般搬器運行列を乱さずに運行
することが可能であり、乗車の終了した特定搬器は再び
一般搬器の運行列中の搬器間合に還流させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動循環式索道搬器の一時停止運行方
法を適用する自動循環式索道の停留場を示す平面図であ
る。
【図2】特定搬器と乗降場との関係を示す側面図であ
る。
【図3】実施例2における自動循環式索道の搬器の運行
列を略図で示した平面図である。
【図4】実施例2における自動循環式索道の搬器の運行
列を略図で示した平面図である。
【図5】従来の自動循環式索道の停留場の配設関係を示
す平面図である。
【符号の説明】
1 停留場 2 滑車 3 索条 4 本線軌条 5 減速区間 5a 減速移送装置 6 加速区間 6a 加速移送装置 6 回送区間 7a 回送移送装置 8 索道線路 9a,9b 矢印 10 搬器 10A 特定搬器 11 握索機 12 扉 13 床面 14 間隙 21 降車場 22 乗車場 23 矢印 24 矢印 30 分岐側線区間 31 分岐側線軌条 32a,32b 分岐器 33 分岐側線移送装置 34 移送車輪 35 駆動断続手段 40 乗降場 40a 乗降場床面 41 入退出路 42a 矢印 42b 矢印 43 手摺 A,B,C,D…H 点 I 点 J 点 k 搬器間合 101 停留場 102 滑車 103 索条 104 軌条 105 減速移送装置 106 加速移送装置 107 回送移送装置 108 索道線路 109a,109b 矢印 110 搬器 111 握索機 121 降車場 122 乗車場 A’B’,C’,D’…H’ 点

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端停留場間を循環する索条に握索機で搬
    器を握索させて索道線路中の搬器運行を行い、前記停留
    場においては握索機から索条を放索させて本線軌条に導
    き搬器を転送させると共に減速区間、回送区間、及び加
    速区間を経てのち再び索条を握索させて索道線路中に出
    発させるようにし、前記回送区間において乗降客扱いを
    行い、このようにして複数の搬器を次々に循環運行する
    ようになした自動循環式索道設備において、 前記回送区間には前記本線軌条から前記回送区間の少な
    くとも外周側領域に分岐して再び本線軌条に合流する分
    岐側線軌条を設け、前記分岐側線軌条に沿って乗降場を
    設け、該分岐側線軌条には移送の断続を可能とした分岐
    側線移送装置を具えると共に該分岐側線軌条に沿って乗
    降場を具えてなるものを用いて、 特定乗客の乗降のために前記乗降場で一時停止すべき特
    定搬器は連続状に循環運行する搬器列から分岐側線軌条
    に分岐させ乗降場位置に停止させて乗降客扱いを行って
    のち再び前記搬器列の間合に還流させるようにした、自
    動循環式索道における搬器の一時停止運行方法。
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