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JP3141691B2 - 冷却赤外線固体撮像素子の製造方法 - Google Patents

冷却赤外線固体撮像素子の製造方法

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Publication number
JP3141691B2
JP3141691B2 JP06189137A JP18913794A JP3141691B2 JP 3141691 B2 JP3141691 B2 JP 3141691B2 JP 06189137 A JP06189137 A JP 06189137A JP 18913794 A JP18913794 A JP 18913794A JP 3141691 B2 JP3141691 B2 JP 3141691B2
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ccd
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昌宏 正田
圭一 赤川
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Nikon Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷却を必要とする冷却
赤外線固体撮像素子の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】固体撮像素子は、光電変換部と電荷転送部
からなる画素を複数有し、産業用ビデオカメラのみなら
ず、広く、民生用ビデオカメラにまで使用されている。
光電変換部は、感知する光の種類により構造を異にす
る。電荷転送部は、MOS型固体撮像素子のように配線
にて構成されることもあるが、一般にはCCD(電荷結
合素子)で構成される。
【0003】初期のCCDは、半導体基板表面に沿って
信号電荷を転送する表面チャネル型と称されるものであ
った。このCCDは、転送できる信号電荷量が大きい利
点が有るものの、転送効率(信号電荷を失う事なく転送
できる割合)が低く、現在、一般に使用されている35
万以上の画素からなる固体撮像素子には好ましくない。
そこで、埋め込みチャネル型と呼ばれるCCDが開発さ
れた。埋め込みチャネル型CCDは、半導体基板の導電
型(第1導電型)とは逆の導電型(第2導電型)の不純
物を拡散した領域(埋め込みチャネル)を電荷の転送路
とし、この領域と半導体基板の間に逆バイアスを印加
し、埋め込みチャネル上の絶縁膜を介して配置した転送
電極に印加する電圧を順次変化させて半導体基板の表面
から離れた埋め込みチャネル中に信号電荷を蓄え、転送
するものである。埋め込みチャネル型のCCDは、転送
できる信号電荷量が少ないものの、転送効率が高く、多
数の画素を含む固体撮像素子に適する。
【0004】まず、可視光線を感知するのに室温で用い
られる従来の固体撮像素子(以下、室温可視固体撮像素
子と称す)を説明する。図14は、インターライントラ
ンスファー型と呼ばれる室温可視固体撮像素子の平面概
念図である。基板上に光電変換部18が垂直および水平
方向にマトリクス状に配置されている。それに隣接して
複数列の垂直CCD19が配置されており、これは、光
電変換部18で光電変換された信号電荷を垂直方向に転
送するものである。垂直CCD19の一端は、水平CC
D20と接続されており、垂直CCD19からの信号電
荷を水平方向に転送させる。なお、垂直、水平と言う位
置関係は、相対的なものであり、例えば、素子の向きを
変えて逆に表現しても構わない。しかし、一般には、光
電変換部に隣接したものを垂直CCDと称し、また、そ
れより信号電荷を転送されるものを水平CCDと称す。
ここでも、その慣用的な表現に従う。
【0005】各CCDは、基板とは逆導電型(第2導電
型)の埋め込みチャネルとその上に絶縁膜を介して配置
された転送電極(図示されていない)からなる。光電変
換部18にて生じた信号電荷は、この電極に加える電圧
を順次変化させることにより、順次転送される。垂直C
CD19の埋め込みチャネル(以下、第1埋め込みチャ
ネルと言う)と、水平CCD20の埋め込みチャネル
(以下、第2埋め込みチャネルと言う)は、工程を簡略
にするため同時に形成される。その拡散深さは、現在、
一般に使用されている35万画素以上のもので0.6μ
m以下である。
【0006】次に、CCDの駆動方法について説明す
る。垂直CCD19は一般に4相駆動方式が、水平CC
D20は一般に2相駆動方式が採用されている。これ
は、第1に固体撮像素子の性能を向上させるためであ
り、第2に製造を容易にするためである。4相駆動方式
は、4つの転送電極を1グループとし、それぞれの転送
電極に時系列的にずれた4種類のパルスを与え、転送電
極下に形成されるポテンシャル井戸を移動させ信号電荷
を転送させる。2相駆動方式は、2種類のパルスで信号
電荷を転送させる。ただし、信号電荷の転送方向を定め
るため、各々のパルス信号は、それぞれ2つの転送電極
に印加されるのが一般的である。そして、この2つの転
送電極の下に形成されるポテンシャルの高さには、差を
生じさせる。このようにすれば、見かけ上4相駆動方式
と同様4つの転送電極が1グループとなる。
【0007】固体撮像素子は、近年、可視光領域での撮
像に使用されるだけでなく、赤外線固体撮像素子として
赤外線領域での撮像にも使用されている。赤外線固体撮
像素子は、光電変換部18を白金シリサイド(PtS
i)ショットキー接合にて形成し、この光電変換部で赤
外線を信号電荷に変換する。変換された信号電荷は、垂
直CCD19、水平CCD20に順次転送され読み出さ
れる。すなわち、赤外線固体撮像素子は、室温可視固体
撮像素子のCCD部をそのまま転用し、光電変換部18
だけを赤外線の感知可能な構造に置換したものに相当す
る。赤外線固体撮像素子は、一般に、液体窒素温度程度
(77ケルビン)まで冷却して使用される。そこで、冷
却して使用するものを特に「冷却型赤外線固体撮像素
子」と呼ぶ。ここでは、単にこれを略してIR固体撮像
素子と呼ぶ。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のIR固体撮像素
子は、液体窒素温度程度まで冷却して使用すると、CC
Dの転送効率が低いと言う問題点を有していた。また、
いわゆるニジミという現象が発生した。ニジミ現象と
は、高温物体を撮像し、CRT等に画像として表示せさ
ると、高温物体が実際の寸法より大きく表示(特に画像
の下側)されてしまう現象を言う。このため、高温物体
は、歪んで表示され、画像が見にくいという問題点があ
った。
【0009】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、転送効率
が低下するのは、IR固体撮像素子の垂直CCDではな
く、水平CCDであることを突き止めた。そして、水平
CCDの埋め込みチャネルにおける不純物拡散濃度と深
さの様々な組み合わせのIR固体撮像素子と室温可視固
体撮像素子を試作し転送効率を評価した。その結果、驚
くべきことに、従来は、転送効率が濃度に強く依存する
と考えられていたのであるが、転送効率は濃度依存性が
小さく、深さ依存性を強く受けることが判明した。更
に、本発明者らは、IR固体撮像素子における好適な埋
め込みチャネルの深さを突き止めた。
【0011】また、本発明者らは、ニジミ現象が垂直C
CDの最大電荷転送量が少ないために生ずることを突き
止めた。最大電荷転送量とは、転送できる信号電荷の最
大量である。最大電荷転送量が少ないと、信号電荷はポ
テンシャルの井戸から漏れる。漏れた信号電荷は、別の
ポテンシャルの井戸に入りノイズとなり、ニジミ現象が
生じたのである。最大電荷転送量は、一つ一つの転送電
極の面積と、埋め込みチャネルの拡散濃度及び深さによ
って規定される。一般に、最大電荷転送量は、転送電極
の面積が大きく、埋め込みチャネルの拡散濃度が濃く、
その拡散深さが浅いほど、増大すると考えられていた。
そこで、本発明者らは、垂直CCDの最大電荷転送量に
関しても検討した。その結果、最大電荷転送量は、転送
効率とは逆で、深さ依存性が小さく、濃度依存性を強く
受けることを突き止めた。すなわち、埋め込みチャネル
の不純物拡散濃度が濃いほど、最大電荷転送量を増大で
きることは、従来知られていた通りであったものの、そ
の深さは、最大電荷転送量に大きな影響を与えていなか
ったのである。
【0012】従って、本発明者等は、これらの冷却赤外
線固体撮像素子の製造方法を発明した。本発明は、第1
に「第1導電型の半導体基板を準備し、光電変換を行う
ための光電変換部をマトリックス状に形成する工程と、
第2導電型の第1埋め込みチャネルを有する垂直CCD
と第2導電型の第2埋め込みチャネルを形成する水平C
CDを形成する冷却赤外線固体撮像素子の製造方法であ
って、第1に前記第1及び第2埋め込みチャネルに共通
の同一の拡散深さを有する低濃度領域を形成する工程、
第2にCCDチャネル間の素子分離領域を形成する工
程、第3に第1埋め込みチャネルの表面には第2埋め込
みチャネルより高濃度の第2導電型の高濃度領域を形成
する工程としたことを特徴とする冷却赤外線固体撮像素
子の製造方法(請求項1)」を提供する。
【0013】また、本発明は、第2に「第1導電型の半
導体基板を準備し、光電変換を行うための光電変換部を
マトリックス状に形成する工程と、第2導電型の第1埋
め込みチャネルを有する垂直CCDと第2導電型の第2
埋め込みチャネルを形成する水平CCDを形成する冷却
赤外線固体撮像素子の製造方法であって、前記垂直CC
D及び前記水平CCDを形成する工程が、(a)第1埋め
込みチャネルを形成する予定の第1領域及び第2埋め込
みチャネルを形成する予定の第2領域を開口部とする第
1レジストパターンを形成する工程;(b)第2導電型の
不純物をイオン注入する第1イオン注入工程;(c)第1
レジストパターンを除去する工程;(d)熱処理すること
により前記第1及び第2埋め込みチャネルに共通の同一
の拡散深さを有する低濃度領域を形成する工程;(e)C
CDチャネル間の素子分離領域を形成する工程;(f)前
記第1領域を開口部とする第2レジストパターンを形成
する工程;(g)第2導電型の不純物をイオン注入する第
2イオン注入工程;(h)前記第2レジストパターンを除
去する工程;(i)熱処理することにより、前記第1埋め
込みチャネルの表面に前記第2埋め込みチャネルより高
濃度の第2導電型の高濃度領域を形成する工程;及び
(j)転送電極を形成する工程;からなることを特徴とす
る冷却赤外線固体撮像素子の製造方法(請求項2)」を
提供する。
【0014】また、本発明は、第3に「第1導電型の半
導体基板を準備し、光電変換を行うための光電変換部を
マトリックス状に形成する工程と、第2導電型の第1埋
め込みチャネルを有する垂直CCDと第2導電型の第2
埋め込みチャネルを形成する水平CCDを形成する冷却
赤外線固体撮像素子の製造方法であって、前記垂直CC
D及び前記水平CCDを形成する工程が、(a)第1埋め
込みチャネルを形成する予定の第1領域及び第2埋め込
みチャネルを形成する予定の第2領域を開口部とする第
1レジストパターンを形成する工程;(b)第2導電型の
不純物を後に実施する第2イオン注入工程で使用するイ
オンより拡散定数が大きなイオンを使用し1回以上イオ
ン注入する第1イオン注入工程;(c)第1レジストパタ
ーンを除去する工程;(d)前記第1領域を開口部とする
第2レジストパターンを形成する工程;(e)第2導電型
の不純物を前記第1イオン注入に使用するイオンより拡
散定数の小さなイオンを使用し1回以上イオン注入する
第2イオン注入工程;(f)第2レジストパターンを除去
する工程;(g)熱処理することにより前記第1及び第2
埋め込みチャネルに共通の同一の拡散深さを有する低濃
度領域と、前記第1埋め込みチャネルの表面に前記第2
埋め込みチャネルより高濃度の第2導電型の高濃度領域
を同時に形成する工程;(h)CCDチャネル間の素子分
離領域を形成する工程;及び(i)転送電極を形成する工
程;からなることを特徴とする冷却赤外線固体撮像素子
の製造方法(請求項3)」を提供する。
【0015】また、本発明は、第4に「第1導電型の半
導体基板を準備し、光電変換を行うための光電変換部を
マトリックス状に形成する工程と、第2導電型の第1埋
め込みチャネルを有する垂直CCDと第2導電型の第2
埋め込みチャネルを形成する水平CCDを形成する冷却
赤外線固体撮像素子の製造方法であって、前記垂直CC
D及び前記水平CCDを形成する工程が、(a) 第1埋め
込みチャネルを形成する予定の第1領域及び第2埋め込
みチャネルを形成する予定の第2領域を開口部とする第
1レジストパターンを形成する工程;(b) 第2導電型の
不純物をイオン注入する第1イオン注入工程;(c) 第1
レジストパターンを除去する工程;(d) 熱処理すること
により前記第1及び前記第2埋め込みチャネルに共通の
同一の拡散深さを有する低濃度領域を形成する工程;
(e)CCDチャネル間の素子分離領域を形成する工程;
(f) 前記第1領域及びそれに連なる第2領域の一部を開
口部とする第2レジストパターンを形成する工程;(g)
第2導電型の不純物をイオン注入する第2イオン注入工
程;(h) 前記第2レジストパターンを除去する工程;
(i) 熱処理することにより、前記第1埋め込みチャネル
の表面と第2埋め込みチャネル表面の一部に前記第2埋
め込みチャネルより高濃度の第2導電型の高濃度領域を
形成する工程;及び(j) 転送電極を形成する工程;から
なることを特徴とする冷却赤外線固体撮像素子の製造方
法(請求項4)」を提供する。
【0016】更に、本発明は、第5に「第1導電型の半
導体基板を準備し、光電変換を行うための光電変換部を
マトリックス状に形成する工程と、第2導電型の第1埋
め込みチャネルを有する垂直CCDと第2導電型の第2
埋め込みチャネルを形成する水平CCDを形成する冷却
赤外線固体撮像素子の製造方法であって、前記垂直CC
D及び前記水平CCDを形成する工程が、(a) 第1埋め
込みチャネルを形成する予定の第1領域及び第2埋め込
みチャネルを形成する予定の第2領域を開口部とする第
1レジストパターンを形成する工程;(b) 第2導電型の
不純物をイオン注入する第1イオン注入工程;(c) 第1
レジストパターンを除去する工程;(d) 熱処理すること
により前記第1及び前記第2埋め込みチャネルに共通の
同一の拡散深さを有するの低濃度領域を形成する工程;
(e)CCDチャネル間の素子分離領域を形成する工程;
(f) 少なくとも前記垂直CCDと隣接する前記水平CC
Dの転送電極を形成する工程;(g) 前工程で形成された
転送電極及び前記第1領域を開口部とする第3レジスト
パターンを形成する工程;(h) 第2導電型の不純物をイ
オン注入する第2イオン注入工程;(i) 前記第3レジス
トパターンを除去する工程;(h) 熱処理することによ
り、前記第2埋め込みチャネルより高濃度の第2導電型
の高濃度領域を形成する工程;及び(j) 残りの転送電極
を形成する工程;からなることを特徴とする冷却赤外線
固体撮像素子の製造方法(請求項5)」を提供する。
【0017】
【作用】ショットキー型のIR固体撮像素子は、液体窒
素温度程度(77ケルビン)まで冷却して使用する。冷
却しなければ、暗電流が大きくなり、赤外線を信号とし
て検出できない。一方、IR固体撮像素子の光電変換部
と電荷転送部は、分離することができない。従って、光
電変換部18のみならず、電荷転送部であるCCDも冷
却されてしまう。しかし、77ケルビン近辺の温度で
は、CCDの転送効率は、室温で動作させたときに比べ
て低い(悪い)。また、転送効率は、転送速度によって
も変化し、転送速度が速いほど低い。
【0018】転送効率が低いと、CCDにおいて、信号
電荷が各転送電極下に形成されるポテンシャルの井戸に
取り残され、次に送られてくる信号電荷と混合してしま
う。取り残された信号電荷はノイズとして作用する。こ
のため、信号とノイズの大きさの比であるS/N比が小
さくなり、固体撮像素子の特性は低下してしまうのであ
る。垂直CCD19は、水平CCD20に比べて転送速
度を遅くして使用するため、低温で使用することによる
転送効率の低下は障害とならない。しかし、垂直CCD
19より高速で信号電荷を転送する水平CCD20にお
いては、S/N比の低下をきたし、固体撮像素子の特性
が悪化してしまう。
【0019】そこで、水平CCD20における埋め込み
チャネルの不純物濃度と拡散深さを様々に変えたIR固
体撮像素子と室温可視用固体撮像素子を試作し、転送効
率を評価した。その結果、いずれの固体撮像素子におい
ても転送効率は、拡散深さに強く依存し、埋め込みチャ
ネルの深さをより深くすれば転送効率が高まることを初
めて見い出した。それに対して、不純物濃度は、拡散深
さほど転送効率に影響を与えない。しかし、濃度は、低
い方が転送効率を高め、これは、従来知られている通り
であった。
【0020】他方、ニジミ現象が生ずるのは、最大電荷
転送量が不足するためであった。IR固体撮像素子は、
室温可視光線用固体撮像素子と異なり、常温物体である
背景からの赤外線輻射(背景光)によって生ずる電荷が
多い。従って、垂直CCD19及び水平CCD20は、
最大電荷転送量を大きくせねばならない。ところで、P
tSiショットキー接合からなる光電変換部18は、可
視光の光電変換部18として一般に用いられるシリコン
PN接合に比較して光を信号電荷に変換する効率(量子
効率又は感度と同義)が低い。一般に、感度を高めるた
めには、光電変換部18の面積を広くすれば良い。しか
し、IR固体撮像素子の寸法は、製造プロセスからの制
約や、レンズなどの光学系からの制約により、小さい方
が望ましい。従って、光電変換部18の面積もいきおい
小さくなる。また、IR固体撮像素子の解像度を上げる
には光電変換部18の面積を小さくせねばならない。
【0021】この相反する要求を取り入れるため、IR
固体撮像素子の各画素の面積と各画素における光電変換
部18の面積との比(この割合を開口率と言う)を大き
くすることが一般に行われる。開口率を大きくするため
には、画素内で光電変換部18以外の占める面積を小さ
くしなければならない。従って、垂直CCD19の転送
路の幅(即ち、第1埋め込みチャネルの幅)を狭くせね
ばならない。ところが、水平CCD20は、図2からも
明らかなように、画素には含まれないため、水平CCD
20の埋め込みチャネル(第2埋め込みチャネル)の幅
は広くとれ、上述の制約はない。すなわち、水平CCD
20の最大電荷転送量は、その面積を大きくすること
で、増大させることができるが、垂直CCD19の最大
電荷転送量は、この手段を用いることができない。従っ
て、IR固体撮像素子の最大電荷転送量は、垂直CCD
19によって制限され、ニジミの現象を発生させていた
のである。以上のように、最大電荷転送量は、CCDの
転送路幅に比例するので、最大電荷転送量を多くするに
は、CCDの埋め込みチャネルの幅を広くしたい。しか
し、前記のように、開口率の制約が有り、垂直CCD1
9は、できるだけ狭い幅の第1埋め込みチャネルで最大
電荷転送量が多くなるようにしなければならない。
【0022】CCDの最大電荷転送量は、埋め込みチャ
ネルの不純物濃度を濃くすれば大きくできることが知ら
れている。そこで、垂直CCD19の埋め込みチャネル
の不純物濃度と拡散深さを様々に変えたIR固体撮像素
子を製造し、最大電荷転送量を評価した。その結果、最
大電荷転送量は、転送効率とは逆で、拡散深さに余り依
存せず、不純物濃度に大きく依存していた。従って、I
R固体撮像素子において、垂直CCD19の最大電荷転
送量を多くするには、第1埋め込みチャネルの不純物濃
度を濃くすればよいことが判った。
【0023】以上、まとめてみると、問題点は、水平
CCD20の転送効率が低いことと垂直CCD19の
最大電荷転送量が少ないことに帰結する。そして、水平
CCD20の転送効率が低いことは、第2埋め込みチャ
ネルの不純物濃度を低くし、且つ、拡散深さを深くすれ
ば解決し、垂直CCD19の最大電荷転送量が少ないこ
とは、第1埋め込みチャネルの不純物濃度を濃くすれば
解決する。従って、低温で使用するIR固体撮像素子で
は水平CCD20と垂直CCD19の埋め込みチャネル
の形成条件を個別に適正化することが肝要なのである。
【0024】室温可視固体撮像素子においては、第1、
第2埋め込みチャネルを別々に形成することが特開昭6
2−39056号(以下、先行技術と称す)に開示され
ている。これは、垂直CCDの狭チャネル幅効果を改善
するものである。狭チャネル幅効果とは、第2導電型で
ある第1埋め込みチャネルの幅が2μm以下になると、
分離酸化膜下に形成されたチャネルカット用の第1導電
型の高濃度拡散領域からの横方向拡散により、埋め込み
チャネルの濃度が低下し、垂直CCDの電位ポテンシャ
ルが低くなる効果を言う。先行技術の表現をそのまま引
用すると、「埋め込みチャネルの形成条件を垂直転送部
(垂直CCD)と水平転送部(水平CCD)とで異なら
せるようにしたものである。好ましくは垂直転送部(垂
直CCD)の埋め込みチャネルは水平転送部(水平CC
D)の埋め込みチャネルの深さより浅くされる。また、
垂直転送部(垂直CCD)の埋込みチャネルの不純物濃
度が水平転送部(水平CCD)のそれより高くされる。
垂直転送部(垂直CCD)の埋込みチャネルとなるn型
拡散層の深さ(接合深さ)を水平転送部(水平CCD)
のそれより浅く形成したので、垂直転送部(垂直CC
D)において狭チャネル幅効果を抑制し、電位ポテンシ
ャルの低下を補償することができる。」とあり、さら
に、「垂直転送部(垂直CCD)のn型拡散層のみを浅
くした」との記載がある。
【0025】図12は、先行技術による固体撮像素子の
転送部を説明する断面図である。第1領域(垂直転送
部)15aの埋め込みチャネル155と第2領域(水平
転送部)16aの埋め込みチャネル156は個別に形成
され、前者の拡散深さは後者の拡散深さより浅くされ
る。10から13は転送部に形成される電極である。5
はチャネルカットである。先行技術は、室温可視固体撮
像装置の狭チャネル幅効果を改善するものであり、水平
CCDの埋め込みチャネルの拡散深さを従来のままと
し、垂直CCDの埋め込みチャネルの拡散深さを浅くし
て且つ濃度を高くしたものである。従って、IR固体撮
像装置の低温での水平CCDの転送効率を改善するもの
ではなく、また、垂直CCDの最大電荷転送量を改善し
たものではない。
【0026】更に、先行技術は、IR固体撮像装置に使
用されても、垂直CCDから水平CCDへの信号電荷の
転送が困難である。先行技術で開示されている方法で
は、第1、第2埋め込みチャネルの形成は、完全に独立
に行っており、各々の埋め込みチャネルにイオン注入す
るためのフォトリソ工程は、別々に行う。このため、製
造誤差によるレジストマスクの位置ずれが発生し、垂直
CCDと水平CCDのそれぞれの埋込みチャネルがずれ
てしまうのである。その結果、例えば、図13に示すよ
うに、第1領域の埋め込みチャネルと第2領域の埋め込
みチャネルの間に埋込みチャネルの無い部分21が生じ
る。このような場合は、信号電荷が通る「道」が途切れ
てしまい、垂直CCDから水平CCDへの信号電荷の転
送は、困難になる。また、これとは逆に、第1、第2埋
め込みチャネルが重なる場合には、この埋め込みチャネ
ルが重なる部分において不純物濃度が濃くなるので、ポ
テンシャルの谷が発生する。このため、転送される信号
電荷は、このポテンシャルの谷に取り残され、転送が困
難になる。
【0027】本発明のIR固体撮像素子は、第1埋め込
みチャネルと第2埋め込みチャネルに共通の低濃度領域
を配置する。低濃度領域は、室温可視固体撮像素子の埋
め込みチャネルより深い。好ましくは、0.8μm以上
1.5μm以下である。これにより、水平CCDの転送
効率が向上し、また、先行技術に付随する問題点も解決
する。低濃度領域は、半導体基板とは逆導電型(第2導
電型)のイオンを半導体基板に注入し、熱処理すること
によって形成される。この低濃度領域を形成するための
イオン注入工程を第1イオン注入工程と呼ぶ。熱処理
は、イオン注入による半導体基板の結晶欠陥を回復さ
せ、所定の不純物濃度分布を形成するために行う。
【0028】更に、本発明のIR固体撮像素子は、第1
埋め込みチャネルの表面に高濃度領域を配置する。これ
により、垂直CCDの最大電荷転送量は多くなる。垂直
CCDの最大電荷転送量が多くなれば、より多くの信号
電荷が転送される。これにより、ニジミが生じること無
く、より明るい物体の画像(赤外線撮像素子においては
高温物体の画像)まで撮像できるのである。また、も
し、明るい物体の画像を対象としないのなら、第1埋め
込みチャネルの幅は、より狭くしても信号電荷を転送で
きる。このため、受光部領域は広く(開口率を大きく)
でき、IR固体撮像素子の感度が向上する。高濃度領域
は、第2導電型のイオンを第1埋め込みチャネルの表面
に注入し、熱処理することによって形成される。この高
濃度領域を形成するためのイオン注入工程を第2イオン
注入工程と呼ぶ。
【0029】イオンが半導体基板中に拡散される深さ
は、イオンの拡散定数によっても変化する。拡散定数が
大きいほど、この深さは深くなる。従って、請求項8に
記載したように、第1イオン注入に使用するイオンより
第2イオン注入に使用するイオンの拡散定数の方が小さ
ければ、一回の熱処理によって第1イオン注入のイオン
の方が深く拡散される。このため、熱処理を第2イオン
注入工程後に行えば、低濃度領域と高濃度領域は同時に
形成され、工程は簡略になる。更に、請求項3に記載し
たように、拡散定数の異なるイオンを使用する場合、第
1イオン注入工程と第2イオン注入の工程順を入れ換え
てもよい。
【0030】このようにすれば、水平CCDでの転送効
率は向上し、垂直CCDでの最大電荷転送量は多くな
る。しかし、高濃度領域の一部を第2埋め込みチャネル
まで延在させれば、転送効率は、さらに向上する。この
ことを図14を引用して説明する。図14は、埋め込み
チャネルの後に形成する転送電極10、11、12、1
3が製造ムラにより図面上で右にずれた場合を示すIR
固体撮像素子の断面図である。この図は、図11のA−
B断面に相当する。図15は、このポテンシャル状態図
である。図15において、縦軸はポテンシャルを表し、
下がポテンシャルの低い方向を表している。横軸は位置
を表し、各図上部に転送電極の位置を示す。また、Q1
からQ3 は、信号電荷を示す。
【0031】図14において、第1導電型のシリコン基
板(半導体基板)1上に、第2導電型の不純物濃度の低
い埋め込みチャネル(低濃度領域)80が、第1領域1
5に相応する第1埋め込みチャネル(垂直CCDの埋め
込みチャネル)と第2領域16に相応する第2埋め込み
チャネル(水平CCDの埋め込みチャネル)に渡って共
通に配置される。第1埋め込みチャネルには、不純物濃
度の濃い埋め込みチャネル(高濃度領域)90が配置さ
れている。
【0032】ここで、第1埋め込みチャネルには、低濃
度領域80の一部分81が存在する(垂直CCDの最終
転送電極12の下部)。このため、81のポテンシャル
は高くなる。図15(a)は、垂直CCDの転送電極1
0と11下に信号電荷Q1 を蓄積させたときのポテンシ
ャル状態図である。転送電極12下には、81によって
生ずるポテンシャルの高い部分82が存在する。図15
(b)は、転送電極12下のポテンシャルを低くさせた
ときのポテンシャル状態図である。信号電荷Q1 は、一
部水平CCD20へ転送される。次に、転送電極10
下、11下、12下の順にポテンシャルを順次高くす
る。そして、信号電荷Q1 を水平CCDに転送させる。
【0033】図15(c)は、この3つの転送電極1
0、11、12下のポテンシャルを全部高くさせたとき
のポテンシャル状態図である。信号電荷Q1 は、転送電
極12下にポテンシャルの高い部分82が存在するため
に全量が転送されず、信号電荷の内、Q3 のみが転送さ
れる。そして、水平CCDには転送されない信号電荷Q
2 が生じる。このため、電荷転送量は、転送できない電
荷Q2 (Q2 は既に信号電荷ではない) の量だけ減少し
てしまう。更に、この電荷Q2 は、ポテンシャルの低い
領域に移動し、次に転送される信号電荷と混合し、ノイ
ズとなるのである。
【0034】よって、製造ムラを考えると、高濃度領域
90の一部は、第2埋め込みチャネルに延在させるのが
好ましいのである。図7は、高濃度領域9cを第2埋め
込みチャネルに延在させたIR固体撮像素子の断面図で
ある(実施例3)。延在の長さを22で示してある。延
在の結果、高濃度領域9cの一部は、水平CCDの転送
電極13と酸化膜2を介してオーバーラップしている。
このため、図14における81の部分は存在しない。
【0035】ただし、延在の長さ22は、余り長いこと
は好ましくない。なぜならば、水平CCDの埋め込みチ
ャネル(第2埋め込みチャネル)は、前記のように、不
純物濃度の低い方が転送効率を高めるのである。更に、
高濃度領域9cと水平CCDの転送電極13をオーバー
ラップさせると、図16のように、ポテンシャルの低い
部分83が生じ、この部分83に信号電荷が捕らわれる
恐れがある。しかし、オーバーラップの量(つまり延在
の長さ)22がフリンジング効果の及ぶ長さであるな
ら、このポテンシャルの低い部分は消滅し、より好まし
い。
【0036】フリンジング効果とは、一つのCCDの転
送電極に電圧を印加したときにできる電界が、それと隣
接する転送電極下のポテンシャルを変化させる効果をい
う。図7において、垂直CCDの転送電極12は、水平
CCDの転送電極13に隣接する。例えば、埋め込みチ
ャネルがN型ならば転送電極12に負(マイナス)電圧
が印加されると、フリンジング効果により、転送電極1
3下のポテンシャルは高められる。このため、上記の恐
れは解消する。
【0037】オーバーラップの量(延在の長さ)22
は、請求項4に記載した製造方法に従えば、フリンジン
グ効果の及ぶ範囲に形成される。これは、自己整合によ
って第2イオン注入工程を行うものである。自己整合と
は、レジストパターンによるイオン注入のマスクを必要
としない拡散領域形成方法を言う。電極や酸化膜等がイ
オン注入のマスクに使用される。ここでは、水平CCD
の転送電極13をマスクとして、高濃度領域を形成する
ためのイオン注入を行うのである。このようにすれば、
オーバーラップ量22は、その後に行う熱拡散による横
方向拡散分の量となる。その寸法は、製造条件により変
わるが、およそ、0.4〜0.6μmである。
【0038】本発明における光電変換部は、白金シリサ
イドのショットキー型に限るものではなく、例えば、I
rSi、PdSi等のショットキー型であっても良く、
更に、ショットキー型以外の光電変換部であっても、冷
却された状態で赤外線を信号電荷に変換できるものであ
るなら、使用することができる。
【0039】
【実施例】以下、図を引用して、本発明を実施例により
具体的に説明する。しかし、本発明は、これらの例に限
られるものではない。なお、いずれの実施例において
も、平面図は、従来の室温可視固体撮像素子と同一にな
る(図11)。 (実施例1) 図1は、本発明の第1の実施例に係るIR固体撮像素子
の各製造工程を示す断面図である。図11のA−Bの断
面に相当する。また、本実施例は請求項2記載の製造方
法に相当する。不純物濃度8×1014cm-3のP型(第1
導電型)シリコン基板(半導体基板)1上に、100n
mの薄い酸化膜2を熱酸化法により形成した。次に、水
平CCDと垂直CCDの埋め込みチャネル(第2、第1
埋め込みチャネル)を形成する予定の第1領域15と第
2領域16を開口部とし、それ以外を覆うように第1レ
ジストパターン3を形成した。
【0040】次に、第1埋め込みチャネルと第2埋め込
みチャネルに共通の低濃度領域8を形成するため、この
第1レジストパターン3をマスクとして、リンをシリコ
ン基板1にイオン注入した。 イオン注入(4)の条件
は、注入量1.5×1012/cm2 、加速エネルギー16
0KeVである。なお、リンは、N型(第2導電型)の
不純物である。このイオン注入の工程が第1イオン注入
工程であり、この状態を示したのが図1(a)である。
【0041】次に、第1レジストパターン3を除去し、
窒素雰囲気にて、1125℃、30分の熱処理を行っ
た。この熱処理により、低濃度領域8が形成される。低
濃度領域8は、この後に実行する様々な熱処理によっ
て、更に拡散深さが深くなる。次に、公知のLOCOS
法を用いて、P型不純物拡散によるチャネルカット5と
厚い酸化膜6からなる素子分離領域を形成した。次に、
第1埋め込みチャネルに相応する第1領域15を開口部
とする第2レジストパターン7を形成した。次いで、高
濃度領域9を形成するため、第2レジストパターン7を
マスクとしてリンをイオン注入した。イオン注入(1
7)の条件は、注入量1.5×1012/cm2 、加速エネ
ルギー100KeVである。注入量は、これに限らず第
1領域15の表面が低濃度領域8より高濃度になれば良
い。このイオン注入の工程が第2イオン注入工程であ
る。この状態を示したのが図1(b)である。
【0042】次に、第2レジストパターン7を除去し、
窒素雰囲気にて、1125℃、2.5分の熱処理を行っ
た。これは、シリコン基板1表面の結晶性を回復させ、
また、注入したイオンを活性化させるためである。この
状態を示したのが図1(c)である。これにより、第1
埋め込みチャネルに相応する第1領域15の表面には高
濃度領域9が形成される。次に、転送電極を形成するた
めの所定の処理を施し、垂直CCDの転送電極10〜1
2と水平CCDの転送電極13を形成した。これらの転
送電極10〜13は、いずれもポリシリコンを配置し
た。次に、光電変換部18(図示されていない)を形成
した。光電変換部18には、赤外線を信号電荷に変換す
るPtSiショットキー接合を配置した。最後に、保護
膜14を形成し、本実施例によるIR固体撮像素子が完
成した〔図1(d)〕。保護膜14は、CVDによるS
iO2を配置した。図2は、本実施例によって製造され
たIR固体撮像素子の垂直CCD部分の断面図である。
図11のC−D断面に相当する。このように、第1埋め
込みチャネルの表面には、不純物濃度の濃い高濃度領域
9が全幅にわたって形成されている。
【0043】図3は、実施例1で製造した素子の、第2
領域における深さ方向の不純物濃度分布図である。横軸
は第2領域表面からの深さを示し、単位はμmである。
縦軸は不純物濃度(1立方センチメートルあたりの不純
物濃度)を示す。8で示した部分が第2埋め込みチャネ
ルの部分であり、低濃度領域である。第2埋め込みチャ
ネルは、表面濃度1×1016/cm3 を有したなだらか
な不純物分布である。不純物濃度は、およそ1μmの深
さで急激に変化している。これは、シリコン基板1と第
2埋め込みチャネル(ここでは低濃度領域)とのPN接
合位置(すなわち低濃度領域の拡散深さ)を示し、本実
施例ではおよそ1μmが低濃度領域の拡散深さである。
この値は、室温可視固体撮像素子の値(0.6μm)の
およそ、1.6倍である。また、1で示した領域がP型
のシリコン基板1である。
【0044】図4は、実施例1で製造した素子の第1領
域における深さ方向の不純物濃度分布図である。横軸は
第1領域表面からの深さを示し、単位はμmである。縦
軸は不純物濃度を示す。8+9で示した部分が第1埋め
込みチャネルの部分であり、低濃度領域上に高濃度領域
が配置された部分である。第1埋め込みチャネルの表面
濃度(高濃度領域の表面濃度)は6×1016/cm3
度であり、第2埋め込みチャネルの表面濃度1×1016
/cm3よりも濃度の濃いことがわる。また、1は、シ
リコン基板1を示す。第1埋め込みチャネルとシリコン
基板1とのPN接合位置は、およそ、1μmであった。
また、図3と比較すると、濃度分布は、0.7μm以上
の深さにおいて同じであった。すなわち、低濃度領域上
に高濃度領域が配置されていることがこれによっても証
明された。これらの事実により、低濃度領域8は、第1
埋め込みチャネルと第2埋め込みチャネルに渡って同一
の深さであり、第1埋め込みチャネルの表面には、第2
イオン注入工程と熱処理で形成された浅くて不純物濃度
の濃い高濃度領域9が形成されていることが判る。
【0045】(実施例2) 図5は、本発明の第3の実施例に係るIR固体撮像素子
の各製造工程を示す断面図である。図11のA−Bの断
面に相当する。また、本実施例は請求項8記載の製造方
法に相当する。不純物濃度8×1014cm-3のP型(第1
導電型)シリコン基板(半導体基板)1上に、100n
mの薄い酸化膜2を熱酸化法により形成した。次に、垂
直CCDと水平CCDの埋め込みチャネル(第1、第2
埋め込みチャネル)を形成する予定の第1領域15と第
2領域16を開口部とし、それ以外を覆うように第1レ
ジストパターン3bを形成した。
【0046】次に、第1埋め込みチャネルと第2埋め込
みチャネルに共通の低濃度領域8bを形成するため、こ
の第1レジストパターン3bをマスクとして、リンをシ
リコン基板1にイオン注入した。イオン注入(4b)の
条件は、注入量1.5×1012/cm2 、加速エネルギー
160KeVである。これにより、シリコン基板1表面
にはイオンの注入された領域〔図5(b)8b’〕が形
成された。このイオン注入の工程が第1イオン注入工程
であり、この工程を示したのが図5(a)である。
【0047】第1レジストパターン3bを除去した後、
第1埋め込みチャネルに相応する第1領域15を開口部
とする第2レジストパターン7bを形成した。次いで、
高濃度領域9bを形成するため、第2レジストパターン
7bをマスクとしてひ素をイオン注入した。イオン注入
(17b)の条件は、注入量1.8×1012/cm2 、加
速エネルギー360KeVである。このイオン注入の工
程が第2イオン注入工程である。この状態を示したのが
図5(b)である。第2イオン注入工程に使用するイオ
ンは、リンより拡散係数の小さい第2導電型の不純物で
あるなら何でもよい。
【0048】次に、第2レジストパターン7bを除去
し、窒素雰囲気にて、1125℃、2.5分の熱処理を
行った。これは、シリコン基板表面の結晶性を回復さ
せ、また、注入したイオンを活性化させるためである。
次に、公知のLOCOS法を用いて、P型不純物拡散に
よるチャネルカット5と厚い酸化膜6からなる素子分離
領域を形成した。この状態を示したのが図5(c)であ
る。これにより、第1埋め込みチャネルと第2埋め込み
チャネルには共通の低濃度領域8bが、第1埋め込みチ
ャネル表面には高濃度領域9bが同時に形成された。
【0049】次に、転送電極を形成するための所定の処
理を施し、垂直CCDの転送電極10〜12と水平CC
Dの転送電極13を形成した。転送電極は、いずれもポ
リシリコンを配置した。次に、光電変換部18を形成し
た。光電変換部18には、赤外線を信号電荷に変換する
PtSiショットキー接合を配置した。最後に、保護膜
14を形成し、本実施例によるIR固体撮像素子が完成
した〔図5(d)〕。保護膜14は、CVDによるSi
O2 を配置した。(実施例3) 図6は、本発明の第3の実施例に係るIR固体撮像素子
の各製造工程を示す断面図であり、図11は、同じく完
成した素子の断面図である。これらの断面図は、図11
のA−Bの断面に相当する。また、本実施例は請求項4
記載の製造方法に相当する。不純物濃度8×1014cm-3
のP型(第1導電型)シリコン基板(半導体基板)1上
に、500nmの薄い酸化膜2を熱酸化法により形成し
た。次に、水平CCDと垂直CCDの埋め込みチャネル
(第2、第1埋め込みチャネル)を形成する予定の第1
領域15と第2領域16を開口部とし、それ以外を覆う
ように第1レジストパターン3cを形成した。
【0050】次に、第1埋め込みチャネルと第2埋め込
みチャネルに共通の低濃度領域8cを形成するため、こ
の第1レジストパターン3cをマスクとして、リンをシ
リコン基板1にイオン注入した。イオン注入(4c)の
条件は、注入量1.5×1012/cm2 、加速エネルギー
150KeVである。なお、リンは、N型(第2導電
型)の不純物である。このイオン注入の工程が第1イオ
ン注入工程であり、この工程を示したのが図6(a)で
ある。
【0051】次に、第1レジストパターン3cを除去
し、窒素雰囲気にて、1125℃、30分の熱処理を行
った。この熱処理により、低濃度領域8cが形成され
た。低濃度領域8cは、この後に実行する様々な熱処理
によって、更に拡散深さが深くなる。次に、公知のLO
COS法を用いて、P型不純物拡散によるチャネルカッ
ト5と厚い酸化膜6からなる素子分離領域を形成した。
この状態を示したのが図6(b)である。
【0052】次に、第1埋め込みチャネルに相応する第
1領域、及びそれに連なる第2埋め込みチャネルに相応
する第2領域の一部を開口部とする第2レジストパター
ン7cを形成した。次いで、高濃度領域9cを形成する
ため、第2レジストパターン7cをマスクとしてリンを
イオン注入した。イオン注入(17c)の条件は、注入
量1.5×1012/cm2 、加速エネルギー150KeV
である。注入量は、これに限らず第1領域と一部の第2
領域が低濃度領域8cより高濃度になれば良い。このイ
オン注入の工程が第2イオン注入工程である。この状態
を示したのが図6(c)である。
【0053】次に、第2レジストパターン7cを除去
し、窒素雰囲気にて、1125℃、2.5分の熱処理を
行った。これは、シリコン基板1表面の結晶性を回復さ
せ、また、注入したイオンを活性化させるためである。
この状態を示したのが図6(d)である。これにより、
第1埋め込みチャネルに相応する第1領域と第2埋領域
の一部の表面には高濃度領域9cが形成される。高濃度
領域9cの一部は、第2埋め込みチャネルに延在されて
いる。延在の長さ22(図7参照)は、設計上(フォト
レジストを露光する際に使用するレチクル上)におい
て、0.1μmとした。しかし、露光装置のアライメン
ト精度や熱処理における横方向拡散によって、延在の長
さ22の実測値は、設計値とは差が生じ、0.8μmで
あった。
【0054】次に、転送電極を形成するための所定の処
理を施し、垂直CCDの転送電極10〜12と水平CC
Dの転送電極13を形成した。これらの転送電極は、い
ずれもポリシリコンを配置した。次に、光電変換部18
を形成した。光電変換部18には、赤外線を信号電荷に
変換するPtSiショットキー接合を配置した。最後
に、保護膜14を形成し、本実施例によるIR固体撮像
素子が完成した(図11)。保護膜14は、CVDによ
るSiO2 を配置した。なお、第1イオン注入工程と第
2イオン注入工程は、それぞれ、異なる加速エネルギー
にて複数回注入を行ってもよく、また、拡散定数の異な
るイオンを使用してもよい。 本実施例で製造したIR
固体撮像素子は、第1、第2埋め込みチャネルに共通の
低濃度領域8cの拡散深さが1μmであった。これは、
従来の室温可視固体撮像素子における埋め込みチャネル
の拡散深さ(およそ0.6μm)よりも、深いものであ
る。また、その表面濃度は、1×1016cm-3であった。
高濃度領域9cは、その表面の不純物濃度が1.6×1
16cm-3、拡散深さが0.6μmであった。
【0055】(実施例4) 図8は、本発明の第4の実施例に係るIR固体撮像素子
の各製造工程を示す断面図であり、図9は、同じく完成
した素子の断面図である。これらの断面図は、図11の
A−Bの断面に相当する。また、本実施例は請求項5記
載の製造方法に相当する。不純物濃度8×1014cm-3
P型(第1導電型)シリコン基板(半導体基板)1上
に、500nmの薄い酸化膜2を熱酸化法により形成し
た。次に、垂直CCDと水平CCDの埋め込みチャネル
(第1、第2埋め込みチャネル)を形成する予定の第1
領域15と第2領域16を開口部とし、それ以外を覆う
ように第1レジストパターン3dを形成した。
【0056】次に、第1埋め込みチャネルと第2埋め込
みチャネルに共通の低濃度領域8dを形成するため、こ
の第1レジストパターン3dをマスクとして、リンをシ
リコン基板1にイオン注入した。イオン注入(4d)の
条件は、注入量1.5×1012/cm2 、加速エネルギー
150KeVである。このイオン注入の工程が第1イオ
ン注入工程であり、この工程を示したのが図8(a)で
ある。
【0057】次に、第1レジストパターン3dを除去
し、窒素雰囲気にて、1125℃、30分の熱処理を行
った。この熱処理により、低濃度領域8dが形成され
る。低濃度領域8dは、この後に実行する様々な熱処理
によって、更に拡散深さが深くなる。次に、公知のLO
COS法を用いて、P型不純物拡散によるチャネルカッ
ト5と厚い酸化膜6からなる素子分離領域を形成した。
この状態を示したのが図8(b)である。
【0058】次に、ポリシリコンによる水平CCDの転
送電極13a、13cを形成した(13cは図10参
照)。なお、水平CCDの転送電極(13a、13b、
13c、13d)は、第1埋め込みチャネルと隣接して
配置されるもの(13a)と、そうでないもの(13
b、13c、13d)がある。図10は、この実施例で
完成したIR固体撮像素子における水平、垂直CCDの
平面拡大図を示す。13a、13b、13c、13dは
水平CCDの転送電極を示し、10、11、12は、垂
直CCDの転送電極を示す。水平CCDの転送電極の
内、13aは第1埋め込みチャネルと隣接し、垂直CC
Dから転送される信号電荷を受け取り水平方向に転送さ
せる。残りの転送電極13b、13c、13dは信号電
荷を水平方向に転送させる。本実施例では、第1埋め込
みチャネルと隣接する水平CCDの転送電極を第2イオ
ン注入工程での自己整合のマスクとしても使用する。従
って、ここでは、少なくとも転送電極13aを形成すれ
ばよい。しかし、転送電極13cを転送電極13aと同
時に形成すれば工程は、簡略化する。
【0059】次に、前工程で形成した水平CCDの転送
電極13a及び第1埋め込みチャネルに相応する第1領
域を開口部とする第3レジストパターン7dを形成し
た。次いで、高濃度領域9dを形成するため、第3レジ
ストパターン7dをマスクとしてリンをイオン注入し
た。イオン注入(17d)の条件は、注入量1.5×1
12/cm2 、加速エネルギー150KeVである。注入
量は、これに限らず低濃度領域9dより高濃度になれば
良い。このイオン注入の工程が第2イオン注入工程であ
る。この工程を示したのが図8(c)である。これによ
り、水平CCDの転送電極13aと高濃度領域9dとの
オーバーラップ量(すなわち延在の長さ22)は、この
後に行う熱拡散による横方向拡散分の量となる。
【0060】次に、第3レジストパターン7dを除去
し、窒素雰囲気にて、1125℃、2.5分の熱処理を
行った。これは、シリコン基板表面の結晶性を回復さ
せ、また、注入させたイオンを活性化させるためであ
る。この状態を示したのが図8(d)である。これによ
り、第1埋め込みチャネルには、高濃度領域9dが形成
された。この高濃度領域9dは、第2埋め込みチャネル
の一部にまで延在し、その延在の長さ22は、熱処理に
よって生じた横方向拡散の長さであり、実測値は0.5
μmであった。
【0061】次に、転送電極を形成するための所定の処
理を施し、垂直CCDの転送電極10〜12と水平CC
Dの転送電極13b、13dを形成した。これらの転送
電極は、いずれもポリシリコンを配置した。次に、光電
変換部18を形成した。光電変換部18には、赤外線を
信号電荷に変換するPtSiショットキー接合を配置し
た。最後に、保護膜14を形成し、本実施例によるIR
固体撮像素子が完成した(図10)。保護膜14は、C
VDによるSiO2を配置した。なお、第1イオン注入
工程と第2イオン注入工程は、それぞれ、異なる加速エ
ネルギーにて複数回注入を行っても、また、拡散定数の
異なるイオンを使用してもよい。
【0062】本実施例で製造したIR固体撮像素子は、
第1、第2埋め込みチャネルに共通の低濃度領域8dの
拡散深さが1μmであった。これは、従来の室温可視固
体撮像素子における埋め込みチャネルの拡散深さ(およ
そ0.6μm)よりも、深いものである。また、その表
面濃度は、1×1016cm-3であった。高濃度領域9d
は、その表面の不純物濃度が1.6×1016cm-3、拡散
深さが0.6μmであった。
【0063】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、水平C
CDの埋め込みチャネル(第2埋め込みチャネル)と垂
直CCDの埋め込みチャネル(第1埋め込みチャネル)
をそれぞれ別々の条件で形成するので、水平CCDでの
転送効率は向上し、垂直CCDでの最大電荷転送量は増
大する。このため、77ケルビン程度まで冷却するIR
固体撮像素子においても、転送効率の悪化が防止でき
る。また、最大転送量を増大させることにより、ニジミ
の発生無しに観察できる最高温度をあげることができ
る。最大電荷転送量を同一にするなら、開口率を向上さ
せることができるので、温度分解能が向上する。
【0064】また、第1埋め込みチャネルの高濃度領域
を第2埋め込みチャネルの一部に延在させれば、製造ム
ラがあっても垂直CCDから水平CCDへの信号電荷の
転送が確実に行われる。その結果、転送効率はさらに高
まる。更に、高濃度領域を自己整合によって形成すれ
ば、延在の長さはフリンジング効果の及ぶ範囲に限定さ
れるので、転送効率はさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るIR固体撮像素子
の各製造工程を示す断面図である。
【図2】本実施例によって製造されたIR固体撮像素子
の垂直CCD部分の断面図である。
【図3】実施例1で製造した素子の、第2領域における
深さ方向の不純物濃度分布図である。
【図4】実施例1で製造した素子の、第1領域における
深さ方向の不純物濃度分布図である。
【図5】本発明の第2の実施例に係るIR固体撮像素子
の各製造工程を示す断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例に係るIR固体撮像素子
の各製造工程を示す断面図である。
【図7】第3の実施例により完成したIR固体撮像素子
の断面図である。
【図8】本発明の第4の実施例に係るIR固体撮像素子
の各製造工程を示す断面図である。
【図9】第4の実施例により完成したIR固体撮像素子
の断面図である。
【図10】第4の実施例により完成したIR固体撮像素
子における水平、垂直CCDの平面拡大図を示す。
【図11】インターライントランスファー型固体撮像素
子の平面概念図である。
【図12】先行技術による固体撮像素子の転送部を説明
する断面図である。
【図13】先行技術による固体撮像素子の転送部を説明
する断面図である。
【図14】埋め込みチャネルの後に形成する転送電極が
製造ムラにより図面上で右にずれた場合を示すIR固体
撮像素子の断面図である
【図15】図14の場合におけるポテンシャル状態図で
ある。
【図16】延在の長さが長いときのポテンシャル状態図
である。
【符号の説明】
1・・・P型シリコン基板。 2・・・薄い熱酸化膜 3、3a、3b、3c、3d・・・第1レジストパター
ン 4、4a、4b、4c、4d・・・第1イオン注入 5・・・チャネルカット 6・・・厚い熱酸化膜 7、7a、7b、7c、7d・・・第2レジストパター
ン 8、8a、8b、8c、8d・・・低濃度領域 8b’・・・第1イオン注入によってイオンが打ち込ま
れた領域 9、9a、9b,9c,9d・・・高濃度領域 10、11、12、・・・垂直CCDの転送電極 13、13a、13b、13c、13d・・・水平CC
Dの転送電極 14・・・保護膜15、15a・・・第1領域 16、16a・・・第2領域 17、17a、17b、17c、17d・・・第2イオ
ン注入 18・・・光電変換部 19・・・垂直CCD 20・・・水平CCD 21・・・埋め込みチャネルの無い部分 22・・・延在の長さ(オーバーラップ量) 80・・・低濃度領域 81・・・第1埋め込みチャネルの低濃度領域 82・・・ポテンシャルの高い部分 83・・・ポテンシャルの低い部分 100・・・垂直CCDを形成する部位の濃度分布 101、102・・・リンを第2イオン注入で複数回注
入したときの各濃度分布 103、104、105・・・リンを第1イオン注入で
複数回注入したときの各濃度分布 110・・・水平CCDを形成する部位の濃度分布 155、156・・・埋め込みチャネル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/339 H01L 27/14 - 27/148 H01L 29/762 - 29/768 H04N 5/335

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板を準備し、光電
    変換を行うための光電変換部をマトリックス状に形成す
    る工程と、第2導電型の第1埋め込みチャネルを有する
    垂直CCDと第2導電型の第2埋め込みチャネルを形成
    する水平CCDを形成する冷却赤外線固体撮像素子の製
    造方法であって、第1に前記第1及び第2埋め込みチャネルに共通の同一
    の拡散深さを有する低濃度領域を形成する工程、第2に
    CCDチャネル間の素子分離領域を形成する工程、第3
    に第1埋め込みチャネルの表面には第2埋め込みチャネ
    ルより高濃度の第2導電型の高濃度領域を形成する工程
    としたことを特徴とする冷却赤外線固体撮像素子の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 第1導電型の半導体基板を準備し、光電
    変換を行うための光電変換部をマトリックス状に形成す
    る工程と、第2導電型の第1埋め込みチャネルを有する
    垂直CCDと第2導電型の第2埋め込みチャネルを形成
    する水平CCDを形成する冷却赤外線固体撮像素子の製
    造方法であって、 前記垂直CCD及び前記水平CCDを形成する工程が、
    (a)第1埋め込みチャネルを形成する予定の第1領域及
    び第2埋め込みチャネルを形成する予定の第2領域を開
    口部とする第1レジストパターンを形成する工程;(b)
    第2導電型の不純物をイオン注入する第1イオン注入工
    程;(c)第1レジストパターンを除去する工程;(d)熱処
    理することにより前記第1及び第2埋め込みチャネルに
    共通の同一深さの拡散深さを有する低濃度領域を形成す
    る工程;(e)CCDチャネル間の素子分離領域を形成す
    る工程;(f)前記第1領域を開口部とする第2レジスト
    パターンを形成する工程;(g)第2導電型の不純物をイ
    オン注入する第2イオン注入工程;(h)前記第2レジス
    トパターンを除去する工程;(i)熱処理することによ
    り、前記第1埋め込みチャネルの表面に前記第2埋め込
    みチャネルより高濃度の第2導電型の高濃度領域を形成
    する工程;及び(j)転送電極を形成する工程;からなる
    ことを特徴とする冷却赤外線固体撮像素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 第1導電型の半導体基板を準備し、光電
    変換を行うための光電変換部をマトリックス状に形成す
    る工程と、第2導電型の第1埋め込みチャネルを有する
    垂直CCDと第2導電型の第2埋め込みチャネルを形成
    する水平CCDを形成する冷却赤外線固体撮像素子の製
    造方法であって、 前記垂直CCD及び前記水平CCDを形成する工程が、
    (a)第1埋め込みチャネルを形成する予定の第1領域及
    び第2埋め込みチャネルを形成する予定の第2領域を開
    口部とする第1レジストパターンを形成する工程;(b)
    第2導電型の不純物を後に実施する第2イオン注入工程
    で使用するイオンより拡散定数が大きなイオンを使用し
    1回以上イオン注入する第1イオン注入工程;(c)第1
    レジストパターンを除去する工程;(d)前記第1領域を
    開口部とする第2レジストパターンを形成する工程;
    (e)第2導電型の不純物を前記第1イオン注入に使用す
    るイオンより拡散定数の小さなイオンを使用し1回以上
    イオン注入する第2イオン注入工程;(f)第2レジスト
    パターンを除去する工程;(g)熱処理することにより前
    記第1及び第2埋め込みチャネルに共通の同一の拡散深
    さを有する低濃度領域と、前記第1埋め込みチャネルの
    表面に前記第2埋め込みチャネルより高濃度の第2導電
    型の高濃度領域を同時に形成する工程;(h)CCDチャ
    ネル間の素子分離領域を形成する工程;及び(i)転送電
    極を形成する工程;からなることを特徴とする冷却赤外
    線固体撮像素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 第1導電型の半導体基板を準備し、光電
    変換を行うための光電変換部をマトリックス状に形成す
    る工程と、第2導電型の第1埋め込みチャネルを有する
    垂直CCDと第2導電型の第2埋め込みチャネルを形成
    する水平CCDを形成する冷却赤外線固体撮像素子の製
    造方法であって、 前記垂直CCD及び前記水平CCDを形成する工程が、
    (a) 第1埋め込みチャネルを形成する予定の第1領域及
    び第2埋め込みチャネルを形成する予定の第2領域を開
    口部とする第1レジストパターンを形成する工程;(b)
    第2導電型の不純物をイオン注入する第1イオン注入工
    程;(c) 第1レジストパターンを除去する工程;(d) 熱
    処理することにより前記第1及び前記第2埋め込みチャ
    ネルに共通の同一の拡散深さを有する低濃度領域を形成
    する工程;(e)CCDチャネル間の素子分離領域を形成
    する工程;(f) 前記第1領域及びそれに連なる第2領域
    の一部を開口部とする第2レジストパターンを形成する
    工程;(g) 第2導電型の不純物をイオン注入する第2イ
    オン注入工程;(h) 前記第2レジストパターンを除去す
    る工程;(i) 熱処理することにより、前記第1埋め込み
    チャネルの表面と第2埋め込みチャネル表面の一部に
    記第2埋め込みチャネルより高濃度の第2導電型の高濃
    度領域を形成する工程;及び(j) 転送電極を形成する工
    程;からなることを特徴とする冷却赤外線固体撮像素子
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 第1導電型の半導体基板を準備し、光電
    変換を行うための光電変換部をマトリックス状に形成す
    る工程と、第2導電型の第1埋め込みチャネルを有する
    垂直CCDと第2導電型の第2埋め込みチャネルを形成
    する水平CCDを形成する冷却赤外線固体撮像素子の製
    造方法であって、 前記垂直CCD及び前記水平CCDを形成する工程が、
    (a) 第1埋め込みチャネルを形成する予定の第1領域及
    び第2埋め込みチャネルを形成する予定の第2領域を開
    口部とする第1レジストパターンを形成する工程;(b)
    第2導電型の不純物をイオン注入する第1イオン注入工
    程;(c) 第1レジストパターンを除去する工程;(d) 熱
    処理することにより前記第1及び前記第2埋め込みチャ
    ネルに共通の同一の拡散深さを有するの低濃度領域を形
    成する工程;(e)CCDチャネル間の素子分離領域を形
    成する工程;(f) 少なくとも前記垂直CCDと隣接する
    前記水平CCDの転送電極を形成する工程;(g) 前工程
    で形成された転送電極及び前記第1領域を開口部とする
    第3レジストパターンを形成する工程;(h) 第2導電型
    の不純物をイオン注入する第2イオン注入工程;(i) 前
    記第3レジストパターンを除去する工程;(h) 熱処理す
    ることにより、前記第2埋め込みチャネルより高濃度の
    第2導電型の高濃度領域を形成する工程;及び(j) 残り
    の転送電極を形成する工程;からなることを特徴とする
    冷却赤外線固体撮像素子の製造方法。
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