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JP3320589B2 - 固体撮像素子及びその製造方法 - Google Patents

固体撮像素子及びその製造方法

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Publication number
JP3320589B2
JP3320589B2 JP13031795A JP13031795A JP3320589B2 JP 3320589 B2 JP3320589 B2 JP 3320589B2 JP 13031795 A JP13031795 A JP 13031795A JP 13031795 A JP13031795 A JP 13031795A JP 3320589 B2 JP3320589 B2 JP 3320589B2
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克也 石川
隆男 黒田
祐二 松田
雅彦 庭山
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Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
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Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Priority to CN96110466A priority patent/CN1132252C/zh
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Publication of JPH08330562A publication Critical patent/JPH08330562A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体撮像素子およびその
製造方法に関し、特に画素部の微細化に際して転送電荷
量の低下をまねくことのない固体撮像素子およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10は従来のビデオカメラ等に固体撮
像素子として使用されているCCD固体撮像素子の一画
素部におけるフォトダイオード部(光を光電変換により
電荷として蓄える部分)と垂直CCD部の構成を示す断
面図である。図において、N(100)シリコン基板1
に第1p型ウエル2が形成され、第1p型ウエル2内に
第2p型ウエル3とフォトダイオードn層8が形成され
ている。前記第2p型ウエル3内に垂直CCDn+ 層4
が形成され、前記フォトダイオードn層8内に埋め込み
フォトダイオードp+ 層9が形成されている。前記第1
p型ウエル2(第2p型ウエル3)内の前記垂直CCD
n+ 層4に隣接する一方の領域にはフォトダイオードn
層8から垂直CCDn+ 層4への電荷の読み出し制御を
担うp- 領域16が形成され、他方の領域には前記垂直
CCDn+ 層4とこれに隣接するフォトダイオードn層
8との電気的分離を担うp+ 領域15が形成されてい
る。そして、n型シリコン基板1表面にゲート絶縁膜6
が形成され、ゲート絶縁膜6の垂直CCD部(第2p型
ウエル3,垂直CCDn+ 層4)を覆っている部分の表
面にポリシリコン電極7が形成されている。ここで、埋
め込みフォトダイオードp+ 層9は暗電流対策のために
形成されたものであり、ポリシリコン電極7は垂直CC
D部におけるフォトダイオード部からの電荷の読み出し
と,読み出された電荷の転送の両方を制御する電極、即
ち、読み出し兼転送電極として機能する。また、垂直C
CDn+ 層4は高い転送効率が得られるように、通常、
砒素とリンの2重注入によって形成されている。なお、
この図10はポリシリコン電極7まで形成した状態を示
しており、通常、ポリシリコン電極を形成した後、図示
しない層間絶縁膜と遮光膜が形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図11は上記図10に
示した従来の固体撮像素子の画素部における垂直CCD
+ 層(垂直CCDn+ 領域とも呼ぶ。)4とその周辺
領域における不純物の拡散状態を示した概念図である。
この図に示すように、上記図11に示した従来の固体撮
像素子において、p- 領域16及びp+ 領域15を垂直
CCDn+ 領域4に隣接するよう形成する場合、p-
域16及びp+ 領域15から垂直CCDn + 領域4にp
型不純物が拡散し、垂直CCDn+ 領域4からp- 領域
16及びp + 領域15にn型不純物が拡散する。従っ
て、実際には、図中のA−B線に対応して、A側から真
のp+ 領域15,p+ 領域15と垂直CCDn+ 領域4
が重なった不純物拡散領域4a,真の垂直CCDn+
域4,垂直CCDn+ 領域4とp- 領域16が重なった
不純物拡散領域4b,真のp- 領域16が形成されたも
のとなる。このため、画素部を微細化するために垂直C
CDn+ 領域4の面積を縮小していくと、上記のp-
域16およびp+ 領域15と垂直CCDn+ 領域4間の
不純物の相互の拡散、すなわち、不純物拡散領域4a及
び不純物拡散領域4bが、垂直CCD部(垂直CCDn
+ 領域4)の中央部の電位ポテンシャルに影響を与え、
空乏化電圧の低下と有効チャネル体積の減少を生じ、そ
の結果、垂直CCD部の飽和電荷容量が低下して、垂直
CCD部における転送電荷量が減少してしまうという問
題点があった。
【0004】本発明は上記のような問題点を解消するた
めになされたものであり、画素部を微細化しても、垂直
CCD部における転送電荷量の低下を招くことのない素
子構造を備えた固体撮像素子およびその製造方法を提供
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる固体撮像
素子は、半導体基板に、暗電流防止層を有するフォトダ
イオード部と、当該フォトダイオード部に蓄積された電
荷を読み出し、転送する垂直転送部と、前記フォトダイ
オード部と前記垂直転送部との間で前記電荷の読み出し
の制御を行う読み出し制御部を有する画素部が行列
に配置して形成され、隣接する2つの前記画素部間にお
ける前記フォトダイオード部と前記垂直転送部の分離
を行う分離部が形成された固体撮像素子において、前記
基板表面部における前記垂直転送部の形成領域と前記垂
直転送部の周辺領域とに、前記垂直転送部を構成する不
純物原子とは反対導電型の不純物原子がドープされた不
純物層が、前記暗電流防止層よりも前記基板深くまで
成され、当該不純物層の前記垂直転送部の一方の側に隣
接する部分を前記分離部にし、他方の側に隣接する部分
を前記読み出し制御部にしたことを特徴とする。
【0006】に、本発明にかかる固体撮像素子の製造
方法は、半導体基板に、各々がフォトダイオード部,当
該フォトダイオード部に蓄積された電荷を読み出し、転
送するための垂直転送部,及び前記フォトダイオード部
前記垂直転送部との間で前記電荷の読み出しの制御を
行う読み出し制御部を有する複数の画素部がアレイ状に
配置して形成され、かつ、前記複数の画素部の隣接する
2つの画素部間における前記フォトダイオード部と前記
垂直転送部の分離を行う分離部が形成された固体撮像素
子を製造する方法において、前記垂直転送部を前記基
の所定領域に形成した後、前記垂直転送部を構成する不
純物原子とは反対導電型の不純物原子を、前記基板の表
における前記垂直転送部の形成領域と前記垂直転送
の周辺領域を含む基板領域にのみ選択的にイオン注
入して、前記垂直転送部の両側隣接部に前記分離部と前
記読み出し制御部を同時形成することを特徴とする。
【0007】
【0008】上記製造方法においては、前記基板の第1
領域に砒素を注入し、前記第1領域の当該第1領域よ
りも狭い幅の第2領域にリンを注入し、この後、前記基
板のアニールを行うことにより、前記垂直転送部を前記
基板の所定領域に形成するのが好ましい。
【0009】
【0010】
【作用】前記した本発明の固体撮像素子の構成によれ
ば、電荷の読み出しの制御を行う読み出し制御部及び垂
直転送部とフォトダイオード部との分離を行う分離部か
らの垂直転送部における不純物(原子)の拡散状態に与
える影響が小さくなり、画素部(垂直転送部)を微細化
しても、垂直転送部のエッジ領域における不純物(原
子)濃度の急峻な変化が保たれることとなり、その結
果、ナローチャンネル効果により空乏化電圧が低下した
り,有効チャンネル体積が減少してしまうことを防止で
き、垂直転送部における飽和電荷容量の低下を防止する
ことができる。
【0011】次に、前記した本発明の固体撮像素子の製
造方法の構成によれば、半導体基板に、各々がフォトダ
イオード部,当該フォトダイオード部に蓄積された電荷
を読み出し、転送するための垂直転送部,及び前記フォ
トダイオード部と垂直転送部との間で前記電荷の読み出
しの制御を行う読み出し制御部を有する複数の画素部が
アレイ状に配置して形成され、かつ、前記複数の画素部
の隣接する2つの画素部間における前記フォトダイオー
ド部と前記垂直転送部の分離を行う分離部が形成された
固体撮像素子を製造する方法において、前記垂直転送部
を前記半導体基板の所定領域に形成した後、前記垂直転
送部を構成する不純物原子とは反対導電型の不純物原子
を、前記半導体基板の表面層における前記垂直転送部の
形成領域とこれの周辺領域を含む基板領域にのみ選択的
にイオン注入して、前記垂直転送部の両側隣接部に前記
分離部と前記読み出し制御部を同時形成することによ
り、前記の垂直転送部における飽和電荷容量の低下を生
じることなく,画素部(垂直転送部)の微細化が図られ
た固体撮像素子を、従来よりも少ないマスク及び工程数
で製造することができる。
【0012】
【0013】また、前記製造方法の好ましい例によれ
ば、前記垂直転送部のエッジ領域における不純物(原
子)濃度の変化がより一層急峻な変化となり、画素部
(垂直転送部)の微細化による垂直転送部の飽和電荷容
量の低下がより確実に防止される。
【0014】
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図について説明す
る。 (実施例1)図1は本発明の実施例1によるCCD固体
撮像素子の一画素部におけるフォトダイオード部と垂直
CCD部の構成を示す断面図であり、図において、図9
と同一符号は同一または相当する部分を示し、5は垂直
CCDn+ 部4とフォトダイオードn層8間の電気的分
離と、フォトダイオードn層8から垂直CCDn+ 部4
への電荷の読み出し制御とを担うp- 層で、これはN
(100)シリコン基板1の上層部分に第2p型ウエル
3及び垂直CCDn+ 層4の一部を含むように形成され
ている。5aは前記p- 層5のうちの垂直CCDn+
4とフォトダイオードn層8間の電気的分離を行う部分
(分離部)、5bは前記p- 層5のうちのフォトダイオ
ードn層8から垂直CCDn+ 部4への電荷の読み出し
制御を行う部分(読み出し制御部)である。なお、ここ
では、前記のように、p- 層5が、第2p型ウエル3の
一部を含むように形成されているが、このp- 層5は前
記第2p型ウエル3の一部を含まないように形成されて
いてもよい。図2は上記図1に示した本実施例のCCD
固体撮像素子の製造工程を示す工程別断面図であり、図
において、図1と同一符号は同一または相当する部分を
示している。以下この図2に基づいて製造工程を説明す
る。
【0016】先ず、図2(a)に示すように、N(10
0)シリコン基板1に第1p型ウエル(キャリア濃度:
1014〜1015cm-3)2と第2p型ウエル(キャリア濃
度:1015〜1016cm-3)3を形成した後、前記第2p
型ウエル3内に垂直CCDn + 領域(キャリア濃度:1
16〜1017cm-3)4を形成する。次に図2(b)に示
すように、基板1の表面にレジストパターン10を形成
した後、このレジストパターン10をマスクにして基板
1のフォトダイオードを形成すべき領域以外の,前記垂
直CCDn+ 部4および第2p型ウエル3の上層部を含
む領域に、ボロンをドーズ量5×1011-2程度で注入
し、p- 層(キャリア濃度:1016cm-3程度)5形成す
る。次に、図2(c)に示すように、例えばSiO2
らなるゲート絶縁膜6を形成した後、このゲート絶縁膜
6上にポリシリコンを堆積し、ドライエッチング法を用
いて読み出し兼転送電極であるポリシリコン電極7を形
成する。次に、図2(d)に示すように、前記ポリシリ
コン電極7をマスクにして埋め込みフォトダイオードn
層(キャリア濃度:5×1015〜5×1016cm-3)8お
よび埋め込みフォトダイオードp+ 層(キャリア濃度:
1017〜1020cm-3)9をイオン注入によりセルフアラ
インで形成した後、図示しない層間絶縁膜および遮光膜
を必要に応じて形成し、CCD固体撮像素子を完成す
る。ここで、p - 層5を1度のイオン注入工程で形成す
るため、従来素子の分離用p+ 層15と同等のキャリア
濃度の分離領域を形成することはできないが、ポリシリ
コン電極7と分離領域とのオーバーラップ寸法を小さく
したり、また、フォトダイオードn層8と垂直CCDn
+ 層4間の距離を大きくすることにより、垂直CCDn
+層4とフォトダイオードn層8間の電気的分離を行う
ことができる。なお、前記各層のキャリア濃度は素子完
成時、すなわち、不純物原子のドーピング後、基板アニ
ールにより拡散した状態での濃度である。
【0017】次に、本実施例のCCD固体撮像素子の素
子構造により、画素部を微細化した際の垂直CCD部に
おける転送電荷量の低下を抑制することができる理由に
ついて説明する。図7は上記図1に示した本実施例のC
CD固体撮像素子の画素部における垂直CCDn+ 領域
4とその周辺領域における不純物の拡散状態を示した概
念図である。また、図9は前記図10に示した従来のC
CD固体撮像素子の図11中のA−B線で特定した領域
の不純物濃度分布,本実施例のCCD固体撮像素子の図
7中のA′−B′線で特定した領域の不純物濃度分布及
び後述の図5に示す実施例3のCCD固体撮像素子の図
8中のA″−B″線で特定した領域の不純物濃度分布を
示した図である。
【0018】図9から分かるように、従来の素子(図中
実線)では垂直CCD部(垂直CCDn+ 領域4)のエ
ッジ領域周辺における不純物濃度の変化が非常に緩やか
であり、また、分離領域(p+ 層15)と読み出し領域
(p- 領域16)の不純物濃度に差があるため、図11
中のA点およびB点付近の不純物濃度変化の傾きに差が
生じている。これに対し、本実施例の素子(図中点線)
では垂直CCD部(垂直CCDn+ 領域4)のエッジ領
域周辺における不純物濃度の変化が急峻である。通常、
不純物濃度の変化と電位ポテンシャルの変化は対応関係
にある。従って、従来の素子では垂直CCD部のエッジ
領域における電位ポテンシャルの変化も緩やかで、これ
が画素部の微細化により垂直CCD部(垂直CCDn+
領域4)を微細に形成した場合に、垂直CCD部中央の
電位ポテンシャルに影響を与え、ナローチャンネル効果
により、垂直CCD部の空乏化電圧の低下と有効チャネ
ル体積の減少をまねくことになっていたが、本実施例の
素子では、垂直CCD部のエッジ領域周辺における不純
物濃度の変化が急峻であり、垂直CCD部のエッジ領域
周辺における電位ポテンシャルの変化も急峻になるの
で、画素部の微細化により垂直CCD部(垂直CCDn
+ 領域4)を微細に形成した場合に、垂直CCD部中央
の電位ポテンシャルは影響を受けることなく、すなわ
ち、ナローチャンネル効果の影響が従来よりも緩やかに
なり、垂直CCD部の空乏化電圧の低下と有効チャネル
体積の減少を従来構造よりも軽減することができる。こ
のため、本実施例の素子では、画素部の微細化による垂
直CCD部(垂直CCDn+ 領域4)の転送電荷量の低
下を防止することができる。 (実施例2)図3は本発明の実施例2によるCCD固体
撮像素子の構成を示す断面図であり、図において、図1
と同一符号は同一または相当する部分を示し、5′は垂
直CCDn+ 部4とフォトダイオードn層8間の電気的
分離と、フォトダイオードn層8から垂直CCDn+
4への電荷の読み出し制御とを担うp- 層である。本発
明の固体撮像素子は、p- 層5′をウエハ(N(10
0)シリコン基板1)の全面に対してボロンをイオン注
入することにより形成して構成されたものである。
【0019】図4は上記図3に示した本実施例のCCD
固体撮像素子の製造工程を示す工程別断面図であり、図
において、図3と同一符号は同一または相当する部分を
示している。以下この図3に基づいて製造工程を説明す
る。
【0020】先ず、図4(a)に示すように、実施例1
と同様に、N(100)シリコン基板1に第1p型ウエ
ル2と第2p型ウエル3を形成した後、前記第2p型ウ
エル3内に垂直CCDn+ 部4を形成する。次に、図4
(b)に示すように、N(100)シリコン基板1の全
面にボロン原子をドーズ量5×1011-2程度で注入し
て、p-層5′を形成する。次に、図4(c)に示すよ
うに、例えばSiO2からなるゲート絶縁膜6を形成し
た後、このゲート絶縁膜6上にポリシリコンを堆積し、
ドライエッチング法を用いて読み出し兼転送電極である
ポリシリコン電極7を形成する。次に、図4(d)に示
すように、前記ポリシリコン電極7をマスクにして埋め
込みフォトダイオードn層8および埋め込みフォトダイ
オード p+層9をイオン注入によりセルフアラインで形
成した後、図示しない層間絶縁膜および遮光膜を必要に
応じて形成して、CCD固体撮像素子を完成する。な
お、以上の工程において、p- 層5′を形成する際のイ
オン注入工程における加速エネルギーは、素子形成工程
終了時(図4(d))にこのp- 層5′が埋め込みフォ
トダイオードp+ 層9中に取り込まれてしまうような加
速エネルギーに設定している。もしp- 層5′を形成す
る際のイオン注入工程における加速エネルギーが、埋め
込みフォトダイオードp+ 層9より深い位置まで当該p
- 層5′が形成されてしまうようなものである場合は、
埋め込みフォトダイオードn層8を形成する際の不純物
原子のドーズ量を大きくして、フォトダイオード部にお
けるp- 層5′の影響を無くする。
【0021】このように本実施例では、垂直CCDn+
部4とフォトダイオードn層8間の電気的分離と、フォ
トダイオードn層8から垂直CCDn+ 部4への電荷の
読み出し制御とを担うp- 層5′を選択的に形成せず、
N(100)シリコン基板1の全面に対して形成するの
で、前記実施例1のようなレジストマスク(レジストパ
ターン10)を形成する必要がなく、前記実施例1に比
して、製造工程を簡略化することができる。 (実施例3)図5は本発明の実施例3によるCCD固体
撮像素子の構成を示す断面図であり、図において、図3
と同一符号は同一または相当する部分を示し、12は垂
直CCD砒素注入層、14は垂直CCDリン注入層であ
る。図6は上記図5に示した本実施例のCCD固体撮像
素子の製造工程を示す工程別断面図であり、図におい
て、図5と同一符号は同一または相当する部分を示し、
11,13はレジストパターンである。以下この図6に
基づいて製造工程を説明する。
【0022】先ず、図6(a)に示すように、N(10
0)シリコン基板1に第1p型ウエル2と第2p型ウエ
ル3を形成した後、基板1の表面にレジストパターン1
1を形成し、このレジストパターン11をマスクにして
前記第2p型ウエル3内に砒素原子をイオン注入し、垂
直CCDn+ 層4の一方の構成要素である垂直CCD砒
素注入層12を形成する。次にレジストパターン11を
除去した後、図6(b)に示すように、基板1の表面に
新たにレジストパターン13を形成し、このレジストパ
ターン13をマスクにして前記砒素注入層12の内側に
リン原子をイオン注入し、垂直CCDn+ 層4の他方の
構成要素である垂直CCDリン注入層14を形成する。
次に、図6(c)に示すように、基板1の全面に対して
ボロンをドーズ量5×1011-2程度で注入し、p-
域5′を形成する。次に図6(d)に示すように、例え
ばSiO2 からなるゲート絶縁膜6を形成した後、この
ゲート絶縁膜6上にポリシリコンを堆積し、ドライエッ
チング法を用いて読み出し兼転送電極であるポリシリコ
ン電極7を形成し、この後、ポリシリコン電極7をマス
クにして埋め込みフォトダイオードn層8および埋め込
みフォトダイオードp+ 層9をイオン注入によりセルフ
アラインで形成し、さらに、図示しない層間絶縁膜およ
び遮光膜を必要に応じて形成して、CCD固体撮像素子
を完成する。なお、以上の工程で、垂直CCDリン注入
層14は、注入当初、垂直CCD砒素注入層12の内側
に形成されるが、素子形成工程終了時(図6(c))、
すなわち、基板アニール後にそのエッジが垂直CCD砒
素注入層12のエッジに重なるように、注入当初の注入
領域を設定している。また、前記実施例2と同様に、p
- 層5′を形成する際のイオン注入工程における加速エ
ネルギーは、素子形成工程終了時(図4(d))に、こ
のp- 層5′が埋め込みフォトダイオードp+ 層9中に
取り込まれてしまうような加速エネルギーに設定してい
る。もしp- 層5′を形成する際のイオン注入工程にお
ける加速エネルギーが、埋め込みフォトダイオードp+
層9より深い位置 までp- 層5′が形成されてしまう
ようなものである場合は、埋め込みフォトダイオードn
層8を形成する際の不純物原子のドーズ量を大きくし
て、フォトダイオード部におけるp- 層5′の影響を無
くしている。
【0023】次に、本実施例のCCD固体撮像素子の素
子構造により、画素部を微細化した際の垂直CCD部に
おける転送電荷量の低下を防止できる理由について説明
する。図8は本実施例のCCD固体撮像素子の画素部に
おける垂直CCDn+ 領域4(垂直CCDリン注入層1
4と垂直CCD砒素注入層12)とその周辺領域におけ
る不純物の拡散状態を示した概念図である。本実施例の
素子は、前記実施例1,2と同様の作用により、垂直C
CD部のエッジ領域における電位ポテンシャルの変化が
急峻になり、垂直CCD部の空乏化電圧の低下と有効チ
ャネル体積の減少をまねくことはなく、転送電荷量の低
下を防止することができる。そして、本実施例の素子で
は、その熱拡散係数が砒素原子の熱拡散係数より大きい
リン原子の注入領域(垂直CCDリン注入層14)を砒
素原子の注入領域(垂直CCD砒素注入層12)より狭
くし、基板アニール後に各々のエッジが同一位置に重な
るようにして、垂直CCDn+ 領域4を形成しているの
で、垂直CCDn+ 領域4のエッジの不純物濃度(キャ
リア濃度)を、単に砒素原子とリン原子を不純物原子と
して用いて垂直CCDn+ 領域4を形成している(すな
わち、砒素原子とリン原子の熱拡散係数の違いを考慮す
ることなく,同一基板領域に砒素原子とリン原子を注入
して垂直CCDn+ 領域4を形成している)前記実施例
1,2の素子の垂直CCDn+ 領域4のそれに比して、
高く保持することができる。従って、垂直CCD部エッ
ジ領域周辺の不純物濃度の変化がより急峻となり、前記
実施例1,2の素子に比して、より高いレベルで垂直C
CD部の空乏化電圧の低下と有効チャネル体積の減少を
防止することができ、画素部(垂直転送部)の微細化に
よる垂直転送部の飽和電荷容量の低下がより確実に防止
される。
【0024】なお、前記実施例1〜3では、p- 層5,
5′を形成する際のp型不純物原子としてボロンを用い
たが、本発明では、アルミニウムやガリウム等のボロン
以外の他のp型不純物原子を使用できることは言うまで
もない。
【0025】また、前記実施例1〜3では、垂直CCD
部を形成した後、p- 層5,5′を形成したが、本発明
ではこれらを逆の順序で形成しても同様の効果を得るこ
とができる。
【0026】また、前記実施例1〜3ではn型半導体基
板を用い、垂直CCD領域がn+ 領域からなる固体撮像
素子について説明したが、本発明がp型半導体基板を用
いた前記実施例1〜3の固体撮像素子とは逆導電型の固
体撮像素子に適用できることは言うまでもない。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明の固体撮像素子に
よれば、半導体基板に、各々がフォトダイオード部,当
該フォトダイオード部に蓄積された電荷を読み出し、転
送するための垂直転送部,及び前記フォトダイオード部
と垂直転送部との間で前記電荷の読み出しの制御を行う
読み出し制御部を有する複数の画素部がアレイ状に配置
して形成され、かつ、前記複数の画素部の隣接する2つ
の画素部間における前記フォトダイオード部と前記垂直
転送部の分離を行う分離部が形成された固体撮像素子に
おいて、前記基板表面層における前記垂直転送部の形成
領域とこれの周辺領域を含む基板領域に、前記垂直転送
部を構成する不純物原子とは反対導電型の不純物原子が
ドープされた低濃度不純物層が形成され、当該低濃度不
純物層の前記垂直転送部の一方の側に隣接する部分を前
記分離部にし、他方の側に隣接する部分を前記読み出し
制御部にしたので、電荷の読み出しの制御を行う読み出
し制御部及び垂直転送部とフォトダイオード部との分離
を行う分離部からの垂直転送部における不純物(原子)
の拡散状態に与える影響が小さくなり、画素部(垂直転
送部)を微細化しても、垂直転送部のエッジ領域におけ
る不純物(原子)濃度の急峻な変化が保たれ、ナローチ
ャンネル効果により空乏化電圧が低下したり,有効チャ
ンネル体積が減少してしまうことがなく、垂直転送部に
おける飽和電荷容量の低下を防止することができる。従
って、画素部を微細化しても、垂直CCD部における転
送電荷量の低下を招くことのない固体撮像素子を得るこ
とができる。
【0028】次に、本発明の固体撮像素子の製造方法に
よれば、半導体基板に、各々がフォトダイオード部,当
該フォトダイオード部に蓄積された電荷を読み出し、転
送するための垂直転送部,及び前記フォトダイオード部
と垂直転送部との間で前記電荷の読み出しの制御を行う
読み出し制御部を有する複数の画素部がアレイ状に配置
して形成され、かつ、前記複数の画素部の隣接する2つ
の画素部間における前記フォトダイオード部と前記垂直
転送部の分離を行う分離部が形成された固体撮像素子を
製造する方法において、前記垂直転送部を前記半導体基
板の所定領域に形成した後、前記垂直転送部を構成する
不純物原子とは反対導電型の不純物原子を、前記半導体
基板の表面層における前記垂直転送部の形成領域とこれ
の周辺領域を含む基板領域にのみ選択的にイオン注入し
て、前記垂直転送部の両側隣接部に前記分離部と前記読
み出し制御部を同時形成するので、前記の垂直転送部に
おける飽和電荷容量の低下を生じることなく,画素部
(垂直転送部)の微細化が図られた固体撮像素子を、従
来よりも少ないマスク及び工程数で製造することができ
る。
【0029】更に、本発明の固体撮像素子の製造方法に
よれば、半導体基板に、各々がフォトダイオード部,当
該フォトダイオード部に蓄積された電荷を読み出し、転
送するための垂直転送部,及び前記フォトダイオード部
と垂直転送部との間で前記電荷の読み出しの制御を行う
読み出し制御部を有する複数の画素部がアレイ状に配置
して形成され、かつ、前記複数の画素部の隣接する2つ
の画素部間における前記フォトダイオード部と前記垂直
転送部の分離を行う分離部が形成された固体撮像素子を
製造する方法において、前記垂直転送部を前記半導体基
板の所定領域に形成した後、前記垂直転送部を構成する
不純物原子とは反対導電型の不純物原子を、前記半導体
基板の表面層全域にイオン注入して、前記垂直転送部の
両側隣接部に前記分離部と前記読み出し制御部を同時形
成するので、前記製造方法に比して更に製造工程数を削
減でき、製造効率をより一層向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1によるCCD固体撮像素子の
一画素部におけるフォトダイオード部と垂直CCD部の
構成を示す断面図である。
【図2】図1に示したCCD固体撮像素子の製造工程を
示す工程別断面図である。
【図3】本発明の実施例2によるCCD固体撮像素子の
一画素部におけるフォトダイオード部と垂直CCD部の
構成を示す断面図である。
【図4】図3に示したCCD固体撮像素子の製造工程を
示す工程別断面図である。
【図5】本発明の実施例3によるCCD固体撮像素子の
一画素部におけるフォトダイオード部と垂直CCD部の
構成を示す断面図である。
【図6】図5に示したCCD固体撮像素子の製造工程を
示す工程別断面図である。
【図7】図1に示したCCD固体撮像素子の画素部にお
ける垂直CCDn+ 領域とその周辺領域における不純物
の拡散状態を示した概念図である。
【図8】図5に示したCCD固体撮像素子の画素部にお
ける垂直CCDn+ 領域とその周辺領域における不純物
の拡散状態を示した概念図である。
【図9】本発明の実施例1〜3によるCCD固体撮像素
子,および従来のCCD固体撮像素子における垂直CC
Dn+ 領域とその周辺領域における不純物濃度の分布を
示した図である。
【図10】従来のCCD固体撮像素子の一画素部におけ
るフォトダイオード部と垂直CCD部の構成を示す断面
図である。
【図11】図10に示したCCD固体撮像素子の画素部
における垂直CCDn+ 領域とその周辺領域における不
純物の拡散状態を示した概念図である。
【符号の説明】
1 n型シリコン基板(N(100)シリコン基板) 2 第1p型ウエル 3 第2p型ウエル 4 垂直CCDn+ 層 5,5′p- 層 5a 分離部 5b 読み出し制御部 6 ゲート絶縁膜 7 ポリシリコン電極 8 埋め込みフォトダイオードn層 9 埋め込みフォトダイオードp+ 層 10,11,13 レジストパターン 12 垂直CCD部砒素注入層 14 垂直CCD部リン注入層 15 垂直CCD部とこれに隣接するフォトダイオード
部との電気的分離を担うp+ 領域(層) 16 フォトダイオード部から垂直CCD部への電荷の
読み出し制御を担うp- 領域(層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 庭山 雅彦 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−152675(JP,A) 特開 平6−53472(JP,A) 特開 平6−314780(JP,A) 特開 平5−291553(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/148

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板に、暗電流防止層を有する
    ォトダイオード部と、当該フォトダイオード部に蓄積さ
    れた電荷を読み出し、転送する垂直転送部と、前記フォ
    トダイオード部と前記垂直転送部との間で前記電荷の読
    み出しの制御を行う読み出し制御部を有する画素部が
    行列状に配置して形成され、隣接する2つの前記画素部
    間における前記フォトダイオード部と前記垂直転送部
    の分離を行う分離部が形成された固体撮像素子におい
    て、 前記基板表面部における前記垂直転送部の形成領域と
    記垂直転送部の周辺領域とに、前記垂直転送部を構成す
    る不純物原子とは反対導電型の不純物原子がドープされ
    た不純物層が、前記暗電流防止層よりも前記基板深くま
    形成され、当該不純物層の前記垂直転送部の一方の側
    に隣接する部分を前記分離部にし、他方の側に隣接する
    部分を前記読み出し制御部にしたことを特徴とする固体
    撮像素子。
  2. 【請求項2】 半導体基板に、各々がフォトダイオード
    部,当該フォトダイオード部に蓄積された電荷を読み出
    し、転送するための垂直転送部,及び前記フォトダイオ
    ード部と前記垂直転送部との間で前記電荷の読み出しの
    制御を行う読み出し制御部を有する複数の画素部がアレ
    イ状に配置して形成され、かつ、前記複数の画素部の隣
    接する2つの画素部間における前記フォトダイオード部
    と前記垂直転送部の分離を行う分離部が形成された固体
    撮像素子を製造する方法において、 前記垂直転送部を前記基板の所定領域に形成した後、前
    記垂直転送部を構成する不純物原子とは反対導電型の不
    純物原子を、前記基板の表面における前記垂直転送部
    の形成領域と前記垂直転送部の周辺領域を含む基板領
    域にのみ選択的にイオン注入して、前記垂直転送部の両
    側隣接部に前記分離部と前記読み出し制御部を同時形成
    することを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基板の第1領域に砒素を注入し、前
    記第1領域の当該第1領域よりも狭い幅の第2領域に
    リンを注入し、この後、前記基板のアニールを行うこと
    により、前記垂直転送部を前記基板の所定領域に形成す
    ることを特徴とする請求項2に記載の固体撮像装置の製
    造方法。
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