JP3074704U - メガネフレームのツル継手構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ツル端部に形成した穴にバネ付きヒンジを嵌
め、一端に形成した継手片を介してヨロイと連結するツ
ル継手構造であり、このバネ付きヒンジが故障した場合
にはツルの穴から取外し出来るようにしたメガネフレー
ムのツル継手構造の提供。 【解決手段】 バネ付きヒンジのリングと基部間に形成
した空間に、ツルに螺合した止めネジ先端部を嵌め、該
止めネジを外すことでバネ付きヒンジをツルの穴から抜
取ることが出来る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案はツルを開いた状態から僅かに外方向へ押し開くバネ蝶番機能を備えた メガネフレームのツル継手構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般のメガネフレームツルは蝶番を介して折畳み可能に連結されている。ヨロ イはレンズを嵌めているリムの外側にロウ付けされていて、該蝶番を構成する両 蝶片はヨロイとツルの端部内側面にロウ付けされ、フロント部に固定されたヨロ イに対してツルは折畳み出来る。しかし小さな蝶番を介して繋がれたツルは安定 した折畳み動作を持続することは出来ない。すなわち、小さな蝶番はその軸ネジ が緩んだり、摺動面が磨耗したりしてガタ付き、その結果、ツルの安定性も損な われて、着用したメガネが位置ズレしたり又は外れたりする。

【０００３】 それに蝶番はそのサイズが小さいこともあって製作は面倒であり、しかも最も 開いた状態がヨロイの側片と一直線であって、それ以上は開かない継手構造と成 っている。勿論、単にメガネを顔に掛けるだけであればツルの開き度はこれで十 分であって、又ツルには多少のバネ性がある為に僅かに湾曲して顔にフィットす ることが出来る。

【０００４】 ただし、ツルのバネ特性だけで顔にフィットさせ、掛けているメガネがガタ付 かないのはメガネを購入して僅かの期間に過ぎない。上記ツル自体のバネ特性は 極端に曲げて塑性変形しない限りその材質によって常時一定で、力を除去すれば 元の形状に戻ることが出来るが、上記のように該ツルを連結している蝶番にガタ 付きを生じてしまう為に、従来の蝶番のみによるツルの継手構造では、フロント フレームに何らかの衝撃が加わった際に、該衝撃力を吸収する手段がなく、メガ ネは顔から落ちたり、レンズを破損したり、時にはフレーム自体を曲げてしまう といった事態も発生する。

【０００５】 ところで、このようなメガネフレームの問題点を解消する一手段として、ツル がヨロイ側片との直線状態(ツルが開いた状態)から、さらに僅かに外方向へ開く ことが出来る継手構造が望まれて一部で使用され、バネ蝶番と称されている。す なわち、該バネ蝶番の基本的な考えは、ヨロイに継手を介して連結したツルを押 し開く際には、ツル側に備えているコイルバネを圧縮変形させることが出来、こ の圧縮変形に伴うバネ力がツルに作用する。

【０００６】 図３はバネ蝶番を備えたメガネフレームであり、フロントフレーム(イ)の両側 にロウ付けされているヨロイ(ロ)、(ロ)にはツル(ハ)、(ハ)が取付けられ、同図 のようにツル(ハ)、(ハ)は開いた状態から、矢印の外方向へ僅かに押し開かれる 。図 ４はバネ蝶番の内部構造を示しているが、ツル端部に形成している穴には バネ付きサイドヒンジ(ニ)が収容されている。

【０００７】 図５はバネ付きサイドヒンジを示しているが、一端に設けている継手片(ホ)に は軸穴(ヘ)を有し、水平に延びる軸(ト)にはコイルバネ(チ)を取付け、軸先端に はストッパー(リ)が設けられてコイルバネ(チ)は軸(ト)から抜けないようになっ ている。そしてコイルバネ(チ)の他端にはリング(ヌ)が軸(ト)に嵌っていて、該 コイルバネ(チ)はストッパー(リ)とリング(ヌ)間に挟まれている。図４に示して いるように、該バネ付きサイドヒンジ(ニ)をツル端部に設けた穴(ル)に嵌め、カ シメて抜けないように取付けている。すなわち、ツル端に窪み(オ)を加工して、 バネ付きサイドヒンジ(ニ)の軸(ト)に取付けているリング(ヌ)がヨロイ側へ移動 しないようにカシメられる。

【０００８】 従って、穴(ル)に嵌めたバネ付きサイドヒンジ(ニ)は外れることはなく、継手 片(ホ)はヨロイ先端に設けている継手片と軸ネジ(ワ)を介して連結される。ツル (ハ)は軸ネジ(ワ)を中心として旋回することで折畳まれ、そして同図に示す開い た状態から僅かに押し開くことが出来る。すなわち、ツル(ハ)はヨロイ(ロ)と直 接連結しておらず、バネ付きサイドヒンジ(ニ)を介して連結していることから外 方向へ押し開くことが出来る。

【０００９】 ところが、上記バネ付きサイドヒンジ(ニ)を穴(ル)に嵌めてカシメてしまうこ とで、バネ付きサイドヒンジ(ニ)が故障した場合に取外して修理することも出来 ない。従って故障した際にはバネ付きサイドヒンジ(ニ)を収容したツルごと交換 しなくてはならない。また、カシメ時の力にてバネ付きサイドヒンジが損傷する 場合もあり、バネ蝶番として機能しない事態も発生する。さらに、穴(ル)に嵌め てカシメることでバネ付きサイドヒンジは抜けないようになるが、該カシメでツ ルの回り止め効果はなく、別に穴を異型断面とすることで回り止め対策をしなく てはならない。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

このように、従来のバネ付き蝶番には上記のごとき問題がある。本考案が解決 しようとする課題はこの問題点であり、ツルの穴に収容したバネ付きサイドヒン ジが故障した際には簡単に交換することが出来るメガネフレームのツル継手構造 を提供する。

【００１１】

【課題を解決する為の手段】

本考案のツル継手構造は従来のバネ蝶番と同じ作用・効果を備えるものであっ て、バネ付きサイドヒンジを備えている。しかし、このバネ付きサイドヒンジは ツル端部に形成した穴又は溝に嵌って取付けられるが、従来のようにカシメるこ とはなく、ネジ止めした止着構造としている。

【００１２】 バネ付きサイドヒンジの構造は前記図５に示しているものと基本構造は同じで あり、一端には継手片を有し、該継手片からは基部及び軸が延び、該軸にはリン グをスライド可能に嵌めると共に先端にはストッパーを固定し、リングとストッ パー間にはコイルバネを取り付けている。そしてツルに螺合した止めネジの先端 部を基部とリング間に形成した空間に嵌めて、該リングがヨロイ側へ移動しない ように拘束する。従って、止めネジを取外すならばバネ付きサイドヒンジは穴か ら抜取られる。また上記止めネジをリングに形成したネジ穴に直接螺合したり、 リングに形成した穴に嵌めることも可能である。以下、本考案に係る実施例を図 面に基づいて詳細に説明する。

【００１３】

【実施例】

図１は本考案のツル継手構造を示している実施例であり、1はヨロイ、2はツル 、3はバネ付きサイドヒンジをそれぞれ示している。ヨロイ1はメガネのフロント フレーム外側にロウ付けされ、ヨロイ先端にバネ付きサイドヒンジ３を介して連 結したツル2は、軸ネジ4を中心として旋回することで折畳み可能と成っている。 そして同図に示している状態からツル2は僅かに外方向へ押し開くことが出来る 。

【００１４】 ツル2の端部に形成した穴5に嵌っている上記バネ付きサイドヒンジ3の構造は 前記図５に示しているものと基本的には同じであり、軸６の先端に固定したスト ッパー７と該軸６に対してスライド可能に嵌っているリング８との間にはコイル バネ９が取付けられている。そして穴5に嵌ったバネ付きサイドヒンジ3が抜け出 さないように、止めネジ１０が螺合している。

【００１５】 図２は図1の部分拡大図を示している。上記コイルバネ9を取付けている軸6は 太くなっている段付き軸１４を基部側に有し、リング8は段付き軸１４に当って 停止し、基部１１との間には空間１２が形成され、この空間１２にツル２に螺合 した止めネジ１０の先端部が嵌っている。従って、穴5に嵌ったバネ付きサイド ヒンジ３は該止めネジ１０にリング８が当ることで抜け出すことはなくなる。

【００１６】 ところで、図１に示すようにツル２が開いた状態では先端１３はヨロイ端に当 接してその開き度が規制される。しかもツル２を外方向へ押し開くならば先端１ ３を基点としてツル２は旋回し、その結果バネ付きサイドヒンジ３の軸６が相対 的にヨロイ側へ移動することになる。しかし、リング８は止めネジ１０に当って 拘束されていることから、軸６と共にヨロイ側へ移動するストッパー７に押され てコイルバネ９は圧縮される。

【００１７】 このコイルバネ9の圧縮に伴うバネ力はツル2を元の位置に戻そうとする力とな って作用する。すなわち、ツル２を押し開いた状態でメガネを掛けるならば、バ ネ力によってツル２は適度な圧力が顔の側面に作用し、メガネは位置ズレするこ となく安定する。

【００１８】 そして、穴5に嵌ったバネ付きサイドヒンジ３は先端のストッパー7とリング８ が該穴に嵌合してガタ付くことはなく、しかも止めネジ１０の先端が段付き軸１ ４に形成した平坦部に当ることでツル2の回り止めが図られる。勿論、ツル2の回 り止めは基部１１を角型断面にすると共に、この部分の穴内周面を基部１１が回 転しない形状とすることも可能であるが、異型穴を加工することは比較的面倒と なる。

【００１９】 以上述べたように、本考案に係るバネ蝶番機能を備えたツル継手構造は、ツル 端部に形成した穴にバネ付きサイドヒンジを嵌めると共に、止めネジを螺合して バネ付きサイドヒンジが抜けないようにしたものであり、次のような効果を得る ことが出来る。

【００２０】

【考案の効果】

本考案のツル継手構造はバネ蝶番機能を備え、ツルを開いた状態からさらに僅 かに外方向へ押し開くことが出来る。そしてツル端部に設けている穴にはバネ付 きサイドヒンジを嵌め、ツルに螺合した止めネジにて抜けないようにしているが 、バネ付きサイドヒンジを交換する場合にはネジを取外すことで可能となる。ま た、従来のカシメによって取付ける場合のように、バネ付きサイドヒンをカシメ 力にて破損することもない。一方、ツルに螺合した止めネジの先端をバネ付きサ イドヒンジの段付き軸の平坦面に当接することで、ツルの回り止めを簡単に図る ことが出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のツル継手構造を示す実施例。

【図２】図１の部分拡大図。

【図３】メガネフレーム。

【図４】従来のツル継手構造。

【図５】ツル端部の穴にはまるバネ付きサイドヒンジ。

【符号の説明】

１ ヨロイ ２ ツル ３ バネ付きサイドヒンジ ４ 軸ネジ ５ 穴 ６ 軸 ７ ストッパー ８ リング ９ コイルバネ 10 止めネジ 11 基部 12 空間 13 先端 14 段付き軸

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ツルが開いた状態からさらに外方向へ僅
   かに押し開くことが出来るバネ蝶番機能を備えたツルの
   継手構造において、ツル端部に形成した穴や溝にはバネ
   付きサイドヒンジを嵌め、該バネ付きサイドヒンジは一
   端には軸ネジを介して連結される継手片を有すと共に基
   部及び軸を延ばし、軸にはリングをスライド可能に嵌合
   すると共に先端にはストッパーを固定し、該ストッパー
   とリング間にはコイルバネを取付け、そしてリングと基
   部間に形成した空間にはツルに螺合した止めネジの先端
   部を嵌めてバネ付きサイドヒンジが抜けないようにした
   ことを特徴とするメガネフレームのツル継手構造。
2. 【請求項２】 上記基部と軸間に形成される段付き軸の
   外周に設けた平坦部には螺合した軸止めネジの先端を押
   圧してツルの回り止めを図った請求項1記載のメガネフ
   レームのツル継手構造。
3. 【請求項３】 ツルが開いた状態からさらに外方向へ僅
   かに押し開くことが出来るバネ蝶番機能を備えたツルの
   継手構造において、ツル端部に形成した穴や溝にはバネ
   付きサイドヒンジを嵌め、該バネ付きサイドヒンジは一
   端には軸ネジを介して連結される継手片を有すと共に基
   部及び軸を延ばし、軸にはリングをスライド可能に嵌合
   すると共に先端にはストッパーを固定し、該ストッパー
   とリング間にはコイルバネを取付け、そして上記リング
   にはツルに螺合した止めネジの先端部を嵌めてバネ付き
   サイドヒンジが抜けないようにしたことを特徴とするメ
   ガネフレームのツル継手構造。
4. 【請求項４】 上記ツルに形成した穴に挿通した止めネ
   ジをリングに設けたネジ穴に螺合した請求項３記載のメ
   ガネフレームのツル継手構造。