JP3066979B2 - 高度に耐久性がある印画、とくに特殊な光反射性および着色領域の組み合わせを含む印画で表面を装飾する転写体、およびその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、表面装飾についての転写体に関し、好まし
くは布地またはその他の柔軟性基材に、極めて耐久性が
あり、熱水洗浄およびドライクリーニングに耐え得る印
画を装飾する転写体に関する。特に本発明は、任意の形
状の光−反射領域および色と着色した非−反射領域との
任意の組み合わせを含む印画で表面を装飾する転写体に
関する。本発明はまたそのような転写体の作成法に関す
る。

適当な印画法により、例えばシルクスクリーン法など
であるが、種々の色に模様を印画することにより布地を
装飾することが知られている。使用に際し耐久性があ
り、ならびに繰り返しの洗濯に対して良い堅牢度を有す
べきそのような模様に関しては、印画に使用されるイン
クが良好な接着を有し、はがれたり、とれたりしないこ
と、ならびに基材は伸縮性があるのでその伸長および収
縮について行けること、さらにひびが入ったり、または
はげたりしない事が重要である。

いわゆるプラスチゾルインクは、この目的のために開
発され、エラストマー性の樹脂に基づいており、しばし
ばポリ塩化ビニル（PVC）で修飾されるが、高沸騰の有
機溶媒に溶解された。これらのプラスチゾルインクは、
これらはまたガム印画インクとも呼ばれるが、染色によ
るすべての色調が可能である。

これらのプラスチゾルインクを使用することにより、
いわゆる転写体を作成することは知られており、すなわ
ち与えられた印画の適当な基材上（好ましくはシリコー
ンまたはワックス処理紙）への鏡像−反転様式による印
画である。次に模様は使用者によって、例えば遷移工場
で、そのような転写体から熱を適用することにより（す
なわち転写体はインク面を布地に対して配置され、130
から200℃、一般的には160から180℃で、100から800pK
a、一般的には約500pKaの圧力下で、10から30秒、一般
的には15から20秒間）転写されることもできる。この使
用する温度、圧力および処理時間は、もちろん適用する
プラスチゾルの種類および性質によるが、一般的により
高い温度はより短時間の処理が関与するであろうし、そ
の逆も言える。

国際特許出願公開WO 80/00462は、表面（例えば衣類
表面）へ金属被覆および／または染色した装飾を記載
し、これは意図する装飾の形を有する従来のインク転写
体をはじめに提供し、それからの印画の転写を表面に熱
および圧力の適用により従来法で適用し、次に金属被覆
および／または染色した被覆を有するホイルを該印画に
重ねあわせ、ホイルを熱および／または圧力に供してそ
れが印画に接着するようにし、そしてホイルをはがすこ
とからなる工程によって金属被覆、または染色した印画
に接着した被覆を提供し、それは印画と共通の領域にあ
る。ホイル上の金属被覆、または染色した印字は、選択
的に意図する印画の適用について、面上に熱または圧力
感受性の接着剤を提供してもよく、これは印画物質に対
する親和性を有し、かつ印画が適用される基材面には脱
親和性を有するように選択されるものである。金属被覆
および／または染色した被覆は意図する印画の適用に関
して反対の面上に被覆層を有することもできる。しかし
いずれの場合においても、このいわゆる「熱分離法」
（hot split method）は、すでに既知の転写体から従来
法で転写した印画全体に金属被覆および／または染色し
た被覆を適用するにすぎない。

さらに例えば布地に大きな光反射容量の、いわゆるレ
トロ−反射フィルム（再帰性反射フィルム、retro−ref
lecting film）を作成することが知られている。これは
第一に、そして最も重要なことには安全性の理由からで
ある。これらのレトロ−反射フィルムまたは反射フィル
ムは主にふたつのタイプに分けられる。ひとつは高い反
射率を持つ大量の数の小さなガラスビーズが基体シート
中の反射基質に埋め込まれている（ガラスビーズタイ
プ）、そしてもう一つはシート中の大量のプリズムであ
る。両方のタイプともガラスビーズまたはプリズムは表
面に暴露され形成されるか（開放型）または選択的に透
明層に包含されるか（セミ−開放型）または閉鎖空隙中
にトラップされた空気とともに最終的にカプセル化され
る（閉鎖型）ことができる。反射フィルムは反射転写フ
ィルムとして、布地上へ熱で転写することを意図する熱
−活性化接着剤で形成できる。ガラスビーズタイプの反
射転写フィルムはその上極めて伸縮性の物質で作成され
ることもでき、これにより柔軟性素材への適用に特別に
適当なものとなる。

米国特許明細書第3 836 227から、このようなガラス
タイプミクロスフェア（約40および80μｍの間の直径を
有する微小球）の単層を、その直径の約40％までを担体
シート（ポリエチレンを約140℃に加熱して裏紙上のポ
リエチレン被覆からなる）に埋め込むことにより、ガラ
スビーズタイプのレトロ−反射フィルムを製造すること
が知られる。白色光の波長の1/4の厚さを有する硫酸亜
鉛の透明の鏡のような被覆はミクロスフェアの露出表面
に蒸気被覆され、その後露出したガラスミクロスフェア
を、エチレン、塩化ビニルおよびアクリルアミドの可塑
性の熱−活性性接着剤ポリマー、ならびに任意にさらに
メチルメタクリレート、アクリル酸エチルおよびメタア
クリル酸のような可塑性の熱−活性性接着剤ポリマーを
含む結合剤物質の水性分散物で、完全にミクロスフェア
を被覆する乾燥された層を残すために充分な厚さで被覆
する。この層を93℃で10分間乾燥する。任意にアクリル
酸およびアクリル酸エステルに基づく可塑性の熱−活性
性接着剤ポリマーを含む第二層を任意に適用してもよ
い。生成したシート材料はボール紙のような基材上に、
露出した結合剤の表面をボール紙に対して配置し、そし
て次に中間結合剤層およびボール紙を組み合わせて120
−132℃に加熱する高熱ラミネーションロール間に瞬間
通過させることにより付着できる。ラミネートが室温に
まで冷却したら、ポリエチレン−被覆担体シートをはぎ
とる。

既知の反射転写フィルムの使用において、例えば活字
（文字やメッセージ）およびロゴのような反射する図お
よびサインに適用するとき、各別個の活字／図を穴空け
または切断しそれらを手で適用する必要があったことは
重大な欠点であった。たとえ十分な資金がコンピュータ
ー制御切断機に投資されたとしても、活字の周りおよび
中の余分な物質を手で除去することが必要であり、これ
は労働を必要とし、かつ大量の物質の損失を意味する。
もうひつとの欠点は、以前は単色波長の反射転写フィル
ムのみが可能であったことである。誠に、透明色で反射
転写フィルムをガラスビーズ表面にプリントし、種々の
模様および光効果を作り出すことは知られているが、こ
の方法は、個々の活字／図を穴空けまたは切断する事な
く生産できる可能性を提供するものではない。

これらの欠点の幾つかを除く試みがデンマーク国特許
出願公開第155 888（対応する国際特許出願公開WO 88/0
8793）においてなされ、その中の方法によれば、特別な
プラスチゾル反射転写体が、従来のプラスチゾル転写体
をプラスチゾルインクに適合性のある、および反射転写
体フィルムの表面層に適合性のエラストマータイプの顆
粒物（例えばポリアクリルアミドに基づく）で被覆す
る。そして顆粒物はプラスチゾル印画に加熱により融合
され、次いで模様の輪郭に切断された反射転写フィルム
をエラストマー処理プラスチゾルプリントに対して内側
に向けて配置し、極めてわずかな圧力下で簡単に加熱す
ることにより、それを接着する方法により特別なプラス
チゾル転写体を調製する。このように形成されたプラス
チゾル反転転写体は次に所望の基体に、とくに布地であ
るが、従来の熱適用によって転写されることができる。
この手段により、布地または他の素材（好ましくは柔軟
である）を、各光反射の小片を別個に切断する必要な
く、着色された面積により限定される強力な光反射領域
からなる模様で装飾することが可能である。しかし、手
による作業は、従来のプラスチゾル転写体上に結合させ
る反射転写フィルムより規則正しい片を穴空け又は切断
するために未だに要求され、そして光反射の小片は少な
くとも部分的に着色面積により限定されなければならな
い。

米国特許明細書第4 102 562はレトロ−反射グラフィ
ク印画に関する基体上への転写シート物質を開示する。
該シート物質は支持体シート、濃密（dense）な透明ミ
クロスフェアの単層（部分的および除去可能で支持体シ
ートに埋め込まれ、その深さの平均のその約直径の1/4
から1/2の間である）、上記支持体シートから露出して
いるミクロスフェアの表面の被覆する鏡のように反射す
る層、および印画に関する模様のようにミクロスフェア
の層上にプリントされた転写層からなる。これは模様の
無いミクロスフェア層の領域を残し、転写層の厚さはプ
リントされた領域中の支持体シートに露出しているミク
ロスフェアの表面がその中に埋め込まれる程度である。
そして転写層は印画に関する模様を保持しながら基体に
接着し得るので、転写層が基体に接着し、支持体シート
が剥ぎ取られた時、転写層は基体の同じ場所に残る。こ
の時、ミクロスフェアは支持体シートから抜かれ、かつ
部分的に転写層に埋め込まれており、印画全体にわたり
レトロ−反射性を形成する。ビニルプラスチゾルインク
を含む転写層、および透明の誘電体鏡を含むミクロスフ
ェア上の鏡のような反射性層についても述べているが、
もし透明性が必要でない場合、アルミニウムのような蒸
気被覆金属であってもよい。さらに、ポリウレタンまた
はシランからなる薄い接着促進層を鏡のような反射性層
と転写層の間に設けることもできるとも述べている。

しかしこの種の転写層は、接着促進剤が鏡のように反
射する層と転写層の間に適用された時でも、ミクロスフ
ェアの十分な接着を確実とせず、布地のような柔軟性基
体に十分接着しない。したがってその米国特許4 102 56
2の実施例１から、特許明細書によれば衣類に転写され
た反射印画は、熱水を使用して自動洗濯機、特許明細書
によれば衣類に転写された反射印画は、熱水を使用して
自動洗濯機で５回洗濯した後のレトロ−反射強度の60％
が失われたことがわかる。そのうえ、ビニルプラスチゾ
ルを基本とするインクはドライクリーニングに耐性がな
い。これらの欠点は、なぜこの種の反射転写体は1976年
に発明されて以来現実に使用されなかったのかの理由で
ある。

本発明によれば、すべての種類の布地に、極めて耐久
性がありそして熱水およびドライクリーニングに耐える
ことができる印画を装飾するための転写体を、ナイロ
ン、ポリエステル、ポリアルケンおよびシリコン処理し
た表面のような難しい素材上に印画するために特別に開
発されたカラーおよび増量剤の２−成分を使用して製造
することが可能である。そのような２−成分のカラーお
よび増量剤はこれまで転写体をつくるためには全く使用
されなかった。それは凝固後、それらが熱−活性性では
なく、ならびに通常再び移動することができないくらい
大変強く支持体シート（普通はシリコンまたはワックス
処理した紙またはポリエチレンホイル）に着いてしまう
からである。同時にそれは綿などの普通の布地に対して
接着性が悪い。発明者らは、上記の２−成分増量剤に代
わりポリエステル−基体接着剤を使用することが可能で
あることを見いだした。

最も広範な観点において、本発明による転写体は、上
に印画に関する模様を有する支持体シート、ポリエステ
ル樹脂の基本とする２−成分のカラーのひとつまたはそ
れ以上の層、およびイソシアネート硬化剤、そしてひと
つ以上の色層がある場合はその最上に対応する２−成分
増量剤またはポリエステル−基本接着剤から成り、カラ
ー層または増量剤のカラー量は、それが未だ間湿潤状態
である間にカラー層または増量剤層に適用され、カラー
層または増量剤およびカラー層中に融合されたポリエス
テルまたはポリアミド基本エラストマーを含有する。

本発明によればそのような転写体は以下の工程からな
る方法により製造される： （ａ）支持体シート上にポリエステル樹脂を基本とする
ひとつまたはそれ以上の２−成分のカラー層およびイソ
シアネート硬化剤が模様に関してプリントされ、 （ｂ）もし一色以上がプリントされるのならば、各カラ
ー層は、次の層を適用する前に別個に乾燥され、そして
すべての層の上に対応する２−成分増量剤またはポリエ
ステル−基本接着剤をプリントし、 （ｃ）単色層または増量剤層が未だ湿潤状態である間
に、ポリエステルまたはポリアミドを基本とするエラス
トマーの粉末を適用し、そしてこの粉末は色層または増
量剤と色層中に融合される。

例えば従来のプラスチゾル色のような、通常布地への
熱可塑性転写色の接着を向上させるために使用されるエ
ラストマー粉末を使用することにより、本発明による特
別な使用法において、通常の方法で布地へ熱−転写でき
る転写体に適するようにするために、難しい基体上に直
接プリントするために開発された凝固するカラー物質を
応用することが可能となり、これが極めて耐久性の高い
印画を提供することは、たいへん驚くべきことである。

転写体にプリントするとき、従来の転写インクによれ
ば次の層を適用する前に各色層は160−180℃で15−25秒
間乾燥されなければなかったのに対して、本発明により
各色層を50−60℃で15−25秒間、乾燥すれば十分である
ことが達成される。これによって、支持体シートのいか
なる縮みまたは破砕が避けられ、より正確で詳細なプリ
ントが可能となる。

本発明の態様によれば、支持体シートは例えばワック
スまたはシリコンで被覆された裏紙または迅速−凝固ポ
リウレタン（rapid−setting polyurethane）のような
従来の転写担体である。

本発明の独特の特徴は、転写体中のカラー層および転
写層として２−成分のカラーおよび対応するポリエステ
ルを基本とする増量剤、ならびにイソシアネート硬化剤
の使用を含み、これらは通常難しい素材へのプリンティ
ングに使用される。本発明の転写体を製造するために有
用なカラーおよび増量剤の２−成分の例には、“Vispro
x TCI 8700"系および透明色系である“TCI 8790"と対応
する増量剤および硬化剤“8700硬化剤”があり、これら
はオランダのハーレム、ビスプロックスB.V.（Visprox
B.V.）で製造されており、ならびにカラー系“Nylobag
NB"および“Nylotexg NX"と対応する増量剤および硬化
剤“NB Catalyst"があり、これらは英国、ケトンCT102P
A,ブロードスターズ、イーストウッドストリートのセリ
コールグループ社（Sericol Group Limited）により製
造されている。

もうひとつの本発明の独特の特徴は、ポリエステルま
たはポリアミド基本としたエラストマー粉末の使用であ
り、これは未だ湿潤状態の増量剤層に適用され、増量剤
および色層中に融合される。この融合化は、例えば赤外
線の手段により130−250℃に20−30秒間加熱することに
より達成できる。色および増量剤の２−成分に基づく転
写体はこのエラストマーの包含無くしては熱活性化の性
質をすぐに失うであろうが、エラストマーの包含により
転写の耐久性が確実となり、また長期保存も確実なもの
となることが分かった。エラストマーは転写体と布地と
の間の接着を有意に増加させ、同時に色および増量剤量
と支持体シートとの接着を減少させ、後者は布地に印画
を転写した後にはがすことを可能とする。本発明の転写
体を製造するために有用なエラストマー粉末の例とし
て、ポリアミド樹脂粉末である。“FT−409転写用粉
末”があり、これは英国、ケントCT102PA,ブロードスタ
ーズ、イーストウッドストリートのセリコールグループ
社により製造されており、ならびにポリエステル樹脂粉
末である（ポリジオール ジカルボン酸塩）“Avabond
48E"であり、これは英国、ロンドンSW1P3JF,ミルバンク
のインペリアルケミカルハウスにより製造されている。

本発明の転写体中の２−成分増量剤量の代替として
は、“TR Glue"と呼ばれる転写接着剤として日本のユニ
チカバークライト社（Unitika Sparklite Co.,Ltd.,）
により販売されているようなポリエステル−基本層を使
用できることが分かった。この接着剤の粗原料は： （Ａ）粉末状のポリエチレンテレフタレート樹脂の飽和
結晶 融点:110℃ 商品名：“Vylon GN−915P" 製造元：東洋紡 （Ｂ）液体状の飽和ポリエチレンテレフタレート樹脂 成分：ブロック状の50％飽和 ポリエステル樹脂 50％シクロヘキサノン（溶媒） 粘度:20℃で5000センチポイズ 商品名“Vylon RV−51CS" 製造元：東洋紡 転写接着剤は:A（25重量％）をＢ（75重量％）に加え
て、接着剤を撹拌して調製され、生成された接着剤は20
℃で90 000センチポイズの粘度であり、62.5重量％の樹
脂含量を有する。

飽和ポリエステルのこのような接着剤は、その機能の
ために硬化剤を必要とはしないが、色および増量剤の２
−成分よりも乾燥するために幾分時間がかかる。例え
ば、乾燥オーブン中で50−60℃で３−５時間、または室
温で数日を要する。それらは、装飾された布地に見合う
べき特別な耐久性および洗濯特性の要求がなければ、層
中に融合されたエラストマー粉末に基づくポリエステル
またはポリアミドを有することなく使用できる。しか
し、もし作業服および／または50℃以上の温度で洗濯を
しなければならない装飾された布地について使用された
転写である場合、上記したように層中に融合されるエラ
ストマー粉末で接着剤層を被覆することを薦める。

本発明によれば、本発明の特別な処理と関連させた上
記カラーおよび増量剤は転写物を反射させる転写層とし
て有用であることも分かった。そしてこれは層中の反射
ガラスビーズの固体保持ならびに、その上の層が転写さ
れる支持体への強固な接着を提供する。これによって転
写された印画は洗濯およびドライクリーニングに耐え
る。ここでもまた、ポリエステルを基本とした接着剤を
２−成分増量剤の代わりに使用してもよい。この関連に
おいて、単純な印画法の剥離剤の使用により、生成した
転写物が反射および非−反射領域の両方を含むように達
成できることが可能であることが分かった。

本発明によれば、したがって単純なグラフィック法に
より布地の装飾に関する転写物を生成することが可能で
あり、その印画は任意の形状の光−反射領域および色と
着色した非−反射領域との任意の組み合わせを含み、こ
の印画は耐久性が高く、かつその反射強度を洗濯および
ドライクリーニングの両方から保護する。

本発明の転写体によりこれは達成され、転写体は： （ａ）透明なミクロスフェアがその直径の約1/4から1/2
の間の深さまで部分的に支持体シートに埋め込まれてい
るミクロスフェアの単層を有する支持体シート、 （ｂ）支持体シート上に露出されたミクロスフェアの表
面部分を被覆する鏡のように反射する層、 （ｃ）任意に、非−反射印画を所望する場所でミクロス
フェア層上の原画に関してプリントされた剥離剤の被
覆、 （ｄ）ポリエステル樹脂を基本とする２−成分カラーの
ひとつ以上の被覆、およびイソシアネート硬化剤、なら
びにミクロスフェア層上の原画にプリントされた種々の
顔料、およびもしあれば剥離剤、 （ｅ）支持体シート上の上記ガラスビーズが完全に埋め
込まれる厚さとなるように２−成分色に対応する増量剤
（しかし顔料は含まない）の転写層、またはミクロスフ
ェアおよび色の層上に原画にプリントされたポリエステ
ルを基本とする接着剤の転写層、 （ｆ）増量剤層が未だ湿潤状態である時に適用され、そ
して増量剤およびカラー層中に融合されたポリエステル
またはポリアミドを基本とするエラストマーを含有する
増量剤およびカラー層、から成る。

本発明のそのような転写体の製造方法は次の工程から
成る： （ａ）透明なミクロスフェアがその直径の約1/4から1/2
の間の深さまで部分的に支持体シートに埋め込まれてい
るミクロスフェアの単層を有する支持体シートを上記支
持体上に露出しているミクロスフェアの表面を被覆する
鏡のように反射する層で被覆し、 （ｂ）もし転写すべき印画が反射しないのであれば、対
応するミクロスフェアの層の部分上に剥離剤の被覆をプ
リントし、 （ｃ）ポリエステル樹脂を基本とする２−成分カラーの
ひとつ以上の被覆、およびイソシアネート硬化剤、なら
びに種々の顔料はミクロスフェアの層上の原画の模様に
ついてプリントされ、および任意に剥離剤を原画の模様
にプリントし、そして各色の被覆は乾燥され、 （ｄ）支持体シート上の上記ガラスビーズが完全に埋め
込まれる厚さとなるように２−成分カラーに対応する増
量剤の転写層（しかし顔料は含まない）、またはポリエ
ステルを基本とする接着剤の転写層をミクロスフェアお
よびカラー層上にプリントし、 （ｅ）増量剤層が未だ湿潤状態である間にポリエステル
またはポリアミドを基本とするエラストマーの粉末で被
覆し、そしてこの粉末は増量剤およびカラー層中に融合
される。

本発明の本態様に使用される透明なミクロスフェアの
単層を有する支持体シートは、既知のガラスビーズタイ
プの反射転写ホイルの製造方法において最初の工程で製
造される種類のガラスビーズ剥離シートでもよい。担体
は、例えばポリエチレンなどの熱可塑性物質がガラスビ
ーズを平均その直径の1/4から1/2の深さで埋め込むこと
ができる十分な厚さを有して被覆されて提供され、例え
ば裏紙またはポリエステルホイルでよい。有利には、熱
可塑性物質はシリコンのような試薬で被覆され、これは
ガラスビーズのその物質への接着を制御する。次にガラ
スビーズの単層を、支持体の加熱により柔軟化した熱可
塑性物質にビーズがその中に埋め込まれることが確実に
なるように適用する。

ガラスビーズの露出部に適用される鏡のように反射す
る層は、透明な誘電体または、透明性が必要でなければ
アルミニウムのような金属で既知のようにつくることが
できる。もし反射強度が決定的に重要でなければ、ガラ
スビーズは重密（dence）連続層を形成する必要はない
が、支持体シートに減少した密度で適用されることがで
き、これによりたとえビーズがアルミニウムで被覆され
たとしても、最終的な印画中のカラーおよび複数のカラ
ーをビーズ間に見ることができる。

本発明の特別な特徴は、カラーおよび増量剤量を適用
する前にガラスビーズの層の部分に選択的に剥離剤の被
覆を適用することである。この剥離剤は次の性質を有さ
なければならない。それはそこに適用されたガラスビー
ズが、任意にシリコン被覆を適用された支持体シートよ
りもより容易にカラーおよび増量剤層に行く性質であ
る。これによって、転写−印画が熱による活性化で基体
に転写された時、ガラスビーズはすでに剥離剤で被覆さ
れた領域を除き、ガラスビーズは支持体がはがされた時
にカラーおよび増量剤層中に接着して留まるだろう。剥
離剤は例えばシリコンまたは迅速凝固ポリウレタンなど
でよい。適当な剥離剤は“Dipersion CAS 4A′75％”の
タイプのシリコンでありローヌプランから販売されてい
る。

本発明の態様のひつとの重大な利点は、剥離剤を印画
に関してプリンティングすることにより、転写模様の反
射すべき部分を決めることができ、つぎに上述した印画
工程中で各別個の数種類の色を印画に関してプリンティ
ングすることによって多色の転写模様を形成できること
である。これらの各プリンティング工程の後、適用され
た被覆を室温から最大約60℃で、５から10秒間、好まし
くは50−60℃で15−25秒間空気乾燥する。もうひとつの
印画に関するプリンティング工程により、カラー被覆お
よびさらにカラーがなく反射するように所望される領域
は増量剤の層により被覆され、この層が未だ湿潤状態で
ある間に既に述べた種類のエラストマー粉末によって被
覆され、そして粉末は、130−250℃で約10−40秒、好ま
しくは180℃で約20秒間加熱することにより増量剤およ
びカラー層中に融合される。したがって、単に単純なプ
リンティング工程により、従来の熱適用により、反射お
よび非−反射領域を有する多着色された印画を任意の形
状で転写できる転写体を製造することができる。

しかし、もし単色しか有さない印画を所望する場合
は、増量剤または接着剤層を選択的に排除してもよく、
カラーは結合剤および転写層として使用される。カラー
は支持体層上のガラスビーズの露出部が、完全に埋め込
まれるように十分な厚さで適用される。そしてカラー層
が未だ湿潤状態である間に、エラストマー粉末を適用し
て上述したようにカラー層に融合する。

一方、色被覆および任意の剥離剤プリンティングを排
除して、２−成分増量剤またはポリエステルを基本とす
る接着剤の層を、ミクロスフェアの層上の原画に直接プ
リンティングして、転写印画が着色されていない反射領
域だけを含むようにすることも可能である。

通常のプリンティング工程（例えばシルクスクリー
ン）を使用する代わりに、色被覆の適用に関して２−成
分トナーのカラーコピを使用することも可能である。数
色を使用する時は、すべての色がしたがって一回の操作
で適用できる。いかなる場合も色被覆は、色のない２−
成分増量剤層で引き続き被覆されなければならず、これ
は未だ湿潤状態である間に上述の種類のエラストマー粉
末で被覆され、粉末はこの層に融合される。適当なカラ
ーコピーは、例えば、“キャノンカラーレザーコピー50
0"である。これは、イエロー、マゼンタ、シアンおよび
ブラック、またはその中のひとつの色の２−成分トナー
で、トナー放射によって生成された全色または単色の間
接的静電コピー、そして熱いローラーを通過することに
より作動する。このレーザーカラーコピーは日本国、東
京、163新宿区西新宿２−７−１のキャノンから製造さ
れる。

本発明による転写体は、有利にいわゆるロールからロ
ールの（roll to roll）転写機で大量に生産できる。

そのような機械は、幅が最大90cmの大きなロールで提
供されるシリコン紙で作動している。この紙は連続的に
シルクスクリーンプリンティング機を通過し、引き続き
もうひとつのオーブン中で乾燥される。したがって、も
し４つの場所が可能であれば、４−色の転写体を製造で
きる。転写体はロールから切り取られる。

反射−転写体の態様において、ロール形態の反射−裏
付は支持体として使用され、最後のプリンティング場所
は増量剤層をプリンティングするために使用され、これ
は引き続きエラストマー粉末を適用する粉末適用ユニッ
トを湿潤状態で通過する。融合は引き続き赤外線乾燥オ
ーブン中で達成される。時間および温度は通常の転写体
生産と同様である。

このように生産された転写ロールから転写模様を連続
的に布地の長さに転写することも可能である。所謂、サ
ブリスタティク法（sublistatic method）からの既知の
技術の利用もなされ、これにおいては模様が着色紙から
の連続カレンダー−工程において、連続工程の加熱およ
び圧力の手段により布地の長さに転写される。転写機は
対応する通常の適用条件の温度、圧力、時間をこのタイ
プの転写に調製することができる。

これによって別個の反射転写体の適用によって合理的
に得ることができなかった反射模様を作り出すことが可
能である。その結果、衣料業界に新たなデザインの可能
性を提供できる。

実施例 使用された支持体シートは米国特許明細書第4 102 56
2号、カラム３、33−53行に記載されているものであ
り、添付の図面において1,2,3、および４の部分から成
るものであった。シート材料はクラフト−ペーパー（Kr
aft−paper）基材シート１が低密度ポリエチレンの熱可
塑性層２で被覆され、この中の透明なガラスミクロスフ
ェア３は加熱により埋め込まれ、このミクロスフェアの
反射率は約1.92であり、直径は70−100μｍの範囲にあ
る。ポリエチレン層２には全たく埋め込まれていないミ
クロスフェア３の部分の上に、クリオライトの蒸気−被
覆層およびその層の上に硫酸亜鉛の蒸気−被覆層から成
る透明の誘電体鏡４が提供されている。各層はその光学
的厚さが（製品の物理的厚さ、及び反射率）白色光の1/
4、すなわち約140nmである。

シルクスクリーンプリンティング機において、以下の
層がこの支持体シート上に印画に関して反転してプリン
トされた： 1.非−反射性転写印画を与えることを意図する支持体シ
ートのそのような領域に、迅速凝固ポリウレタンから成
るきれいな光沢層をプリントし、そしてこの層は赤外線
ジェット−ドライ（Jet−drying）オーブン中で約60℃
にて60秒乾燥され、その後ポリウレタンはすでに熱活性
性ではないが、支持体シートと強固な結合を形成し、な
らびにガラスビーズをそこに結合させる。同時に光沢層
は次のカラーおよび増量剤の２−成分が反応しない硬
く、滑らかな表面を有し、結果としてこれらの層に対す
る剥離層として作用する。

2.ガラスビーズおよび剥離層の上に、所望のカラー層
（図では５により示される）が次に、各別個の作業にお
いて、セリコールグループ社で生産されている１−５％
（v/v）の硬化剤“NB Catalyst"と混合されたカラー系
“Nylotex NX"から選択された２−成分カラーでプリン
トされた。各プリントした後、カラー層は赤外線ジェッ
ト−ドライ（Jet−drying）オーブン中で約60℃にて約2
0秒乾燥された。

3.これらすべてのカラー層および任意にそれを越えて、
もし転写印画が無着色反射領域も含むのであれば、“Ny
lotex NX"増量剤ベース（base）の層がカラーに対応し
てプリントされるが、色素沈着無く、結果として透明で
あり、図で６に与えられたガラスビーズ（乾燥後40−75
μｍ）の露出部を完全に埋める厚さである。

4.増量剤層が未だ湿潤状態である間に、ポリジオールジ
カルボン酸エラストマーである“Avabond 48E Powder"
が被覆され、これはインベリアル化学ハウスから製造さ
れ、図では７が相当する。粉末は増量剤層中に沈み、即
座に引き続き赤外線オーブン中で約180℃にて約20秒乾
燥されることによりエラストマー粉末は増量剤およびカ
ラー層中に融合される。この結果が本発明の最終転写体
である。

5.転写印画はポリエステル／綿混合物の布地に対して転
写され、転写体は粉末処理増量剤層を布地に対して配置
して、310kPaの圧力を160℃で12秒使用する加熱と加圧
の組み合わせを導入することにより行った。冷却した
後、支持体シートをはがす。これによってガラスミクロ
スフェアは、転写された模様上に留まり、それらはカラ
ー及び増量剤層中に固定され、一方剥離層が重ねられた
ような所及び転写模様の周りの余分な部分では、支持体
に接着する。

転写された印画は、所望するカラーの中に非−反射性
領域を含み、またガラスミクロスフェアの反射性領域は
暗中、強いレトロ−反射を提供するが、日光は通過し
て、下の色をキラキラ輝くようにする事から成るデザイ
ンを示す。印画は極めてよく布地に接着し、熱水洗浄
（95℃）ならびにジクロロエチレンおよび同様の試薬で
のドライクリーニングの両方に耐える。

フロントページの続き (72)発明者 ストランド，アイリフ ノルウェー国，エン−3030 ドランメ ン，ルグデバイエン 25 (56)参考文献 特開 平２−270600（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−128401（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) D06Q 1/12

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】支持体の上にレトロ−反射物品を設けた転
   写体であって、 （ａ）支持体シート（1,2） （ｂ）支持体シート（1,2）に直径の約1/4から1/2の範
   囲で埋め込まれている透明なミクロスフェア（３、微小
   球）の単層、 （ｃ）支持体シート（1,2）から突起しているミクロス
   フェア（３）の部分に設けられた鏡のように反射する層
   （４）、並びに （ｄ）鏡のように反射する層（４）の上に設けられた像
   を結ぶ膜（５、imagewise coating）であって、この膜
   （５）はポリエステル樹脂及びイソシアネートから基本
   的に成るものである、を包含した前記転写体。
2. 【請求項２】鏡のように反射する層（４）は透明な誘電
   鏡であり、また像を結ぶ膜（５）は着色されている請求
   項１記載の転写体。
3. 【請求項３】更に、少なくとも像を結ぶ膜（５）を覆っ
   ている増量剤の層（６）を含み、この層はポリエステル
   樹脂及びイソシアネートから基本的に成るものである請
   求項２記載の転写体。
4. 【請求項４】更に、ポリエステル又はポリアミドから基
   本的に成るエラストマー（７）を含み、このものは増量
   剤の層に融合している請求項３記載の転写体。
5. 【請求項５】更に、鏡のように反射する層と像を結ぶ膜
   との間に剥離剤を含み、この剥離剤は支持体シートを転
   写体から分離した後、この剥離剤が設けられている部分
   での微小球を支持体シートに残存する請求項１記載の転
   写体。