JP2958518B2 - 意匠織物 - Google Patents
意匠織物Info
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- JP2958518B2 JP2958518B2 JP9159633A JP15963397A JP2958518B2 JP 2958518 B2 JP2958518 B2 JP 2958518B2 JP 9159633 A JP9159633 A JP 9159633A JP 15963397 A JP15963397 A JP 15963397A JP 2958518 B2 JP2958518 B2 JP 2958518B2
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- Japan
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- yarn
- coating
- polyvinyl alcohol
- fabric
- sheet
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は意匠織物、特に、イ
ンキジェット法即ちインキジェットプリンタによるカラ
ー絵付けがされた意匠織物に関する。
ンキジェット法即ちインキジェットプリンタによるカラ
ー絵付けがされた意匠織物に関する。
【0002】本明細書で本発明に関し「意匠織物」と
は、特許請求の範囲の項の記載を含め、絵画調絵柄とか
模様等を施された織物のことである。本明細書で「カラ
ー絵付け」とは、「多色(二色を含む)の絵画調絵柄と
か模様等の施工」のことである。
は、特許請求の範囲の項の記載を含め、絵画調絵柄とか
模様等を施された織物のことである。本明細書で「カラ
ー絵付け」とは、「多色(二色を含む)の絵画調絵柄と
か模様等の施工」のことである。
【0003】近時、インキジェット法によるカラープリ
ントが出現するに至った。この方式のカラープリント
は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒色の微細なインキ
の点の集合でカラーを現出するカラープリントである。
ントが出現するに至った。この方式のカラープリント
は、イエロー、マゼンタ、シアン、黒色の微細なインキ
の点の集合でカラーを現出するカラープリントである。
【0004】
【従来の技術】従来、この方式のカラープリントは、良
好な色の発現を得るには、或る特殊なインキを用いて、
或る特定の用紙にしか達成されないのが実状であり、織
物のカラー絵付けにまで応用されるには至っていない。
その理由は次にある。
好な色の発現を得るには、或る特殊なインキを用いて、
或る特定の用紙にしか達成されないのが実状であり、織
物のカラー絵付けにまで応用されるには至っていない。
その理由は次にある。
【0005】現存するインキジェットプリンタ用のイン
キは、通常の織物にインキジェット法でプリントする
と、織物上でインキの微細な粒子が混ざり合い、良好な
色が発現されない。因みに、本発明者の実験結果では、
多色のカラー絵付けの場合で、黒づんだという粗悪な色
の発現しか得られなかった。色が黒づんでいるというこ
とは、織物上の色の異なるインキ粒子が混ざり合ってい
ることに他ならない。黒色はイエロー、マゼンタ、シア
ンの3色が混ざって発現される。
キは、通常の織物にインキジェット法でプリントする
と、織物上でインキの微細な粒子が混ざり合い、良好な
色が発現されない。因みに、本発明者の実験結果では、
多色のカラー絵付けの場合で、黒づんだという粗悪な色
の発現しか得られなかった。色が黒づんでいるというこ
とは、織物上の色の異なるインキ粒子が混ざり合ってい
ることに他ならない。黒色はイエロー、マゼンタ、シア
ンの3色が混ざって発現される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、前示
の問題なしに、また色滲みの問題もなしに、インキジェ
ットプリンタにより織物にカラー絵付けをすることを達
成しようというものである。この課題達成が得られる
と、インキジェットプリンタによりカラープリントする
ことの有用性即ち、少ロット多品種のカラープリントに
特に好適、多色の絵画調絵柄や複雑な模様を低コストで
施し得る等の特性を織物のカラー絵付けに活用できる。
の問題なしに、また色滲みの問題もなしに、インキジェ
ットプリンタにより織物にカラー絵付けをすることを達
成しようというものである。この課題達成が得られる
と、インキジェットプリンタによりカラープリントする
ことの有用性即ち、少ロット多品種のカラープリントに
特に好適、多色の絵画調絵柄や複雑な模様を低コストで
施し得る等の特性を織物のカラー絵付けに活用できる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のため本発
明は、(1)架橋ポリビニルアルコールの厚さ5μm以
上のコーティングを表面に施したシート状基材を裁断し
て得られた糸で織成した織物にインキジェット法により
カラー絵付けをしたこと、或いは(2)架橋ポリビニル
アルコールの厚さ5μm以上のコーティングを表面に施
したシート状基材を裁断して得られた糸、これと同じ糸
を芯糸に撚合わせた糸の一と天然素材の糸を併用して織
成した織物に、インキジェット法によりカラー絵付けを
したこと、或いは(3)架橋ポリビニルアルコールの厚
さ5μm以上のコーティングを表面に施し、そのコーテ
イング表面にインキジェット法によりカラー絵付けをし
たシート状基材を裁断して得られた糸、またはこれと同
じ糸を芯糸に撚合わせた糸を絵経及び/又は絵緯、即ち
絵経及び絵緯の双方、又は絵経或いは絵緯の何れかに充
てて織物を織成したことを特徴とする。
明は、(1)架橋ポリビニルアルコールの厚さ5μm以
上のコーティングを表面に施したシート状基材を裁断し
て得られた糸で織成した織物にインキジェット法により
カラー絵付けをしたこと、或いは(2)架橋ポリビニル
アルコールの厚さ5μm以上のコーティングを表面に施
したシート状基材を裁断して得られた糸、これと同じ糸
を芯糸に撚合わせた糸の一と天然素材の糸を併用して織
成した織物に、インキジェット法によりカラー絵付けを
したこと、或いは(3)架橋ポリビニルアルコールの厚
さ5μm以上のコーティングを表面に施し、そのコーテ
イング表面にインキジェット法によりカラー絵付けをし
たシート状基材を裁断して得られた糸、またはこれと同
じ糸を芯糸に撚合わせた糸を絵経及び/又は絵緯、即ち
絵経及び絵緯の双方、又は絵経或いは絵緯の何れかに充
てて織物を織成したことを特徴とする。
【0008】これら(1)、(2)、(3)においてシ
ート状基材は、その手触りのこわ(強)さが平箔(雁皮
紙または鳥の子紙に金箔或いは銀箔を漆で貼り付けたも
の)のそれと同等であることが好ましい。シート状基材
の手触りの風合いが、そうでないと、織物に施されたイ
ンキジェット法による良好な色発現のカラー絵付けの有
用さが低減される、即ち得られる意匠織物の商品価値が
低くなる。
ート状基材は、その手触りのこわ(強)さが平箔(雁皮
紙または鳥の子紙に金箔或いは銀箔を漆で貼り付けたも
の)のそれと同等であることが好ましい。シート状基材
の手触りの風合いが、そうでないと、織物に施されたイ
ンキジェット法による良好な色発現のカラー絵付けの有
用さが低減される、即ち得られる意匠織物の商品価値が
低くなる。
【0009】本発明においては、表面に架橋ポリビニル
アルコールのコーティングを施したシート状基材から得
られた糸(これを糸イとする)を芯糸に撚合わせた糸
(これを糸ロとする)で織物を織った場合、或いは糸イ
と糸ロの何れかと天然素材の糸の併用で織物を織った場
合、カラー絵付けに先立ち、織物表面に架橋ポリビニル
アルコールのコーティングを形成しておく。それは、こ
の後者コーティングをしないで、カラー絵付けをした場
合に、前記芯糸或いは天然素材の糸に起こる色滲みを回
避するためである。
アルコールのコーティングを施したシート状基材から得
られた糸(これを糸イとする)を芯糸に撚合わせた糸
(これを糸ロとする)で織物を織った場合、或いは糸イ
と糸ロの何れかと天然素材の糸の併用で織物を織った場
合、カラー絵付けに先立ち、織物表面に架橋ポリビニル
アルコールのコーティングを形成しておく。それは、こ
の後者コーティングをしないで、カラー絵付けをした場
合に、前記芯糸或いは天然素材の糸に起こる色滲みを回
避するためである。
【0010】本発明において、架橋ポリビニルアルコー
ルのコーティングを表面に施したシート状基材を裁断し
て得られた糸、またはこれと同じ糸を芯糸に撚合わせた
糸を絵経及び/又は絵緯に充てて織物を織る場合、その
糸使いは従来法と同様でよく、引箔に充てる場合の糸使
いも、従来の引箔技法と同様でよい。
ルのコーティングを表面に施したシート状基材を裁断し
て得られた糸、またはこれと同じ糸を芯糸に撚合わせた
糸を絵経及び/又は絵緯に充てて織物を織る場合、その
糸使いは従来法と同様でよく、引箔に充てる場合の糸使
いも、従来の引箔技法と同様でよい。
【0011】本発明において、ポリビニルアルコールの
ための架橋剤は、熱処理により活性イソシアネート基を
再生するブロック化イソシアネートタイプのポリイソシ
アネート系架橋剤であり、京都市の第一工業製薬株式会
社製 エラストロン BNー08(商品名)を例として
挙げることができる。
ための架橋剤は、熱処理により活性イソシアネート基を
再生するブロック化イソシアネートタイプのポリイソシ
アネート系架橋剤であり、京都市の第一工業製薬株式会
社製 エラストロン BNー08(商品名)を例として
挙げることができる。
【0012】この架橋剤はポリビニルアルコール水溶液
に添加して加熱すると、ブロック剤を解離して、活性イ
ソシアネート基が再生し、ポリビニルアルコールの官能
基と架橋反応する。所要の加熱は、前記架橋剤を添加し
たポリビニルアルコール水溶液をシート状基材に塗工し
た後に行う。ポリビニルアルコールに対する前記架橋剤
の添加量は、微量例えば、ポリビニルアルコール水溶液
がポリビニルアルコール原液と水の等量配合の場合で、
2〜5重量%でよい。カラー絵付けに先立ち、織物表面
に架橋ポリビニルアルコールのコーティングを形成して
おく場合についての加熱も前示と同様である。またこの
後者コーティングのためのポリビニルアルコールに添加
する架橋剤及びその添加量も、前示と同様でよい。
に添加して加熱すると、ブロック剤を解離して、活性イ
ソシアネート基が再生し、ポリビニルアルコールの官能
基と架橋反応する。所要の加熱は、前記架橋剤を添加し
たポリビニルアルコール水溶液をシート状基材に塗工し
た後に行う。ポリビニルアルコールに対する前記架橋剤
の添加量は、微量例えば、ポリビニルアルコール水溶液
がポリビニルアルコール原液と水の等量配合の場合で、
2〜5重量%でよい。カラー絵付けに先立ち、織物表面
に架橋ポリビニルアルコールのコーティングを形成して
おく場合についての加熱も前示と同様である。またこの
後者コーティングのためのポリビニルアルコールに添加
する架橋剤及びその添加量も、前示と同様でよい。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態につき、添付図
面を参照して、次に説明する。
面を参照して、次に説明する。
【0014】図で参照符号1を付したのが、本発明に係
る意匠織物Iのための糸の素材としてのシート状基材で
ある。
る意匠織物Iのための糸の素材としてのシート状基材で
ある。
【0015】シート状基材1は和紙、正絹紙(正絹繊維
を混ぜて漉いた和紙についての当業者称呼)、フィル
ム、金属化和紙乃至は金属化正絹紙、金属化フィルム等
による基材a(図1,3,5,6,7,8)、或いはフ
ィルム乃至は金属化フィルムの両面に薄葉和紙を積層し
た複合フィルムによる基材a’(図2,4)の表面に、
架橋ポリビニルアルコールの少なくとも厚さ5μmのコ
ーティングbを施したものである。コーティングbの膜
厚は15μmもあれば十二分であり、一般的には7〜1
0μmである。ここで、金属化和紙、金属化正絹紙、金
属化フィルムとは、表面にそれ自体公知の方法によって
金属膜、例えば金箔乃至は銀箔様の外観の金属膜を形成
した和紙、正絹紙、フィルムのことである。
を混ぜて漉いた和紙についての当業者称呼)、フィル
ム、金属化和紙乃至は金属化正絹紙、金属化フィルム等
による基材a(図1,3,5,6,7,8)、或いはフ
ィルム乃至は金属化フィルムの両面に薄葉和紙を積層し
た複合フィルムによる基材a’(図2,4)の表面に、
架橋ポリビニルアルコールの少なくとも厚さ5μmのコ
ーティングbを施したものである。コーティングbの膜
厚は15μmもあれば十二分であり、一般的には7〜1
0μmである。ここで、金属化和紙、金属化正絹紙、金
属化フィルムとは、表面にそれ自体公知の方法によって
金属膜、例えば金箔乃至は銀箔様の外観の金属膜を形成
した和紙、正絹紙、フィルムのことである。
【0016】架橋ポリビニルアルコールのコーティング
bは、基材a,a’については、その片面に施すと、両
面に施すとを問わない。片面に施したのが図1,2,
5,6の基材であり、両面に施したのが図3,4,7,
8の基材である。
bは、基材a,a’については、その片面に施すと、両
面に施すとを問わない。片面に施したのが図1,2,
5,6の基材であり、両面に施したのが図3,4,7,
8の基材である。
【0017】基材a,a’表面にコーティングbを施す
には、エラストロン BNー08(商品名)と称されて
いる架橋剤をポリビニルアルコール水溶液に微量添加し
た塗材をコータ(ドクタ、ロール、スクリーン等)によ
る方法やスプレー方式により塗工する仕様を例として挙
げることができる。この塗材には無機質微粉末の顔料を
微量添加してもよい。
には、エラストロン BNー08(商品名)と称されて
いる架橋剤をポリビニルアルコール水溶液に微量添加し
た塗材をコータ(ドクタ、ロール、スクリーン等)によ
る方法やスプレー方式により塗工する仕様を例として挙
げることができる。この塗材には無機質微粉末の顔料を
微量添加してもよい。
【0018】コータやスプレーによる仕様でコーティン
グbを施す場合、基材表面が和紙や正絹紙の地であれ
ば、架橋剤を添加したポリビニルアルコールによる塗材
を基材表面に直接塗工して、必要とする付着強度の塗工
が得られる。金属化和紙、金属化正絹紙、フィルムの場
合、コータやスプレーによる前記塗材の塗工の必要付着
強度は低いが、プライマコートをすれば、必要付着強度
の塗工が達成される。コーティングbの施工は、下記の
転写法で行ってもよい。
グbを施す場合、基材表面が和紙や正絹紙の地であれ
ば、架橋剤を添加したポリビニルアルコールによる塗材
を基材表面に直接塗工して、必要とする付着強度の塗工
が得られる。金属化和紙、金属化正絹紙、フィルムの場
合、コータやスプレーによる前記塗材の塗工の必要付着
強度は低いが、プライマコートをすれば、必要付着強度
の塗工が達成される。コーティングbの施工は、下記の
転写法で行ってもよい。
【0019】転写法;剥離紙或いはプラスチックフィル
ムの剥離面に架橋ポリビニルアルコールのコーティング
を形成した転写紙乃至はフィルムを、その架橋ポリビニ
ルアルコールのコーティングがシート状基材1表面側と
なるようこれに重ね、加熱下加圧して、該転写紙乃至は
フィルム上の架橋ポリビニルアルコールのコーティング
をシート状基材1表面に転写する方法。この転写に必要
とする接着剤は、転写紙乃至はフィルムの架橋ポリビニ
ルアルコールのコーティング表面に施されたもの、或い
はシート状基材1表面に形成されたものが充てられる。
接着剤は、架橋ポリビニルアルコールのコーティングが
水溶性であるので、これに悪影響を与えないよう、溶剤
型のものを用いるのがよい。
ムの剥離面に架橋ポリビニルアルコールのコーティング
を形成した転写紙乃至はフィルムを、その架橋ポリビニ
ルアルコールのコーティングがシート状基材1表面側と
なるようこれに重ね、加熱下加圧して、該転写紙乃至は
フィルム上の架橋ポリビニルアルコールのコーティング
をシート状基材1表面に転写する方法。この転写に必要
とする接着剤は、転写紙乃至はフィルムの架橋ポリビニ
ルアルコールのコーティング表面に施されたもの、或い
はシート状基材1表面に形成されたものが充てられる。
接着剤は、架橋ポリビニルアルコールのコーティングが
水溶性であるので、これに悪影響を与えないよう、溶剤
型のものを用いるのがよい。
【0020】以上に述べたのが、意匠織物Iのための糸
の素材としての基材に関する、請求項1から3に係る本
発明に共通する実施態様である。
の素材としての基材に関する、請求項1から3に係る本
発明に共通する実施態様である。
【0021】請求項1から3に係る本発明の実施態様;
シート状基材1は箔糸と同様な幅に裁断する。こうして
得られた糸(図示せず)、またはこれと同じ糸を芯糸に
撚合わせた糸を経緯として織物を織る。或いは同様にし
て得られた糸、これと同じ糸を芯糸に撚合わせた糸の一
と天然素材の糸を併用して即ち、ここに述べた最前者の
糸と天然素材の糸とを併用、或いは最前者の糸とこれと
同じ糸を芯糸に撚合わせた糸とを併用して織物を織る。
シート状基材1がフィルム乃至は金属化フィルムの場
合、織成される織物の風合を一般的な織物の風合と同じ
ようにするために、当該シート状基材から得られた糸
は、天然繊維による糸と併用する。
シート状基材1は箔糸と同様な幅に裁断する。こうして
得られた糸(図示せず)、またはこれと同じ糸を芯糸に
撚合わせた糸を経緯として織物を織る。或いは同様にし
て得られた糸、これと同じ糸を芯糸に撚合わせた糸の一
と天然素材の糸を併用して即ち、ここに述べた最前者の
糸と天然素材の糸とを併用、或いは最前者の糸とこれと
同じ糸を芯糸に撚合わせた糸とを併用して織物を織る。
シート状基材1がフィルム乃至は金属化フィルムの場
合、織成される織物の風合を一般的な織物の風合と同じ
ようにするために、当該シート状基材から得られた糸
は、天然繊維による糸と併用する。
【0022】前記織物にインキジェット法によりカラー
絵付け2をする。こうして織物は意匠織物Iとなる。イ
ンキジェット法によるカラー絵付けは、それ自体公知の
方法に従えばよい。
絵付け2をする。こうして織物は意匠織物Iとなる。イ
ンキジェット法によるカラー絵付けは、それ自体公知の
方法に従えばよい。
【0023】表面に架橋ポリビニルアルコールの所定厚
さのコーティングを施したシート状基材から得られた糸
(この糸を糸A1という)を芯糸に撚合わせた糸(この
糸を糸A2という)で織物を織った場合、或いは糸A
1、糸A2の何れかと天然素材の糸(この糸を糸A3と
いう)の併用で織物を織った場合、カラー絵付けに先立
ち、織物表面に架橋ポリビニルアルコールのコーティン
グを形成しておく。これの必要性は、前述の如くであ
る。この後者コーティングの厚さは、2〜3μm程度で
よい。
さのコーティングを施したシート状基材から得られた糸
(この糸を糸A1という)を芯糸に撚合わせた糸(この
糸を糸A2という)で織物を織った場合、或いは糸A
1、糸A2の何れかと天然素材の糸(この糸を糸A3と
いう)の併用で織物を織った場合、カラー絵付けに先立
ち、織物表面に架橋ポリビニルアルコールのコーティン
グを形成しておく。これの必要性は、前述の如くであ
る。この後者コーティングの厚さは、2〜3μm程度で
よい。
【0024】得られた意匠織物Iの表面には、カラー絵
付け後に、意匠織物の糸における架橋ポリビニルアルコ
ールのコーティングの耐水性付与のため、ポリウレタン
等の疎水性樹脂の保護コーティングをし、その上からシ
リコン、テフロン等の保護コーティングを施すことが好
ましい。当該保護コーティングは、塗材の1回または数
回の塗工で施せばよい。
付け後に、意匠織物の糸における架橋ポリビニルアルコ
ールのコーティングの耐水性付与のため、ポリウレタン
等の疎水性樹脂の保護コーティングをし、その上からシ
リコン、テフロン等の保護コーティングを施すことが好
ましい。当該保護コーティングは、塗材の1回または数
回の塗工で施せばよい。
【0025】請求項4に係る本発明の実施態様;シート
状基材1表面にインキジェト法によりカラー絵付けをし
たものを箔糸と同様な幅に裁断する。ここに得られた
糸、またはこれと同じ糸を芯糸に撚合わせた糸を絵経及
び絵緯又は絵経或いは絵緯の何れかに充てて織物を織
る。こうして、織物は意匠織物Iとなる。
状基材1表面にインキジェト法によりカラー絵付けをし
たものを箔糸と同様な幅に裁断する。ここに得られた
糸、またはこれと同じ糸を芯糸に撚合わせた糸を絵経及
び絵緯又は絵経或いは絵緯の何れかに充てて織物を織
る。こうして、織物は意匠織物Iとなる。
【0026】この後者実施態様では、表面にインキジェ
ット法でカラー絵付けをしたシート状基材1から得られ
た糸上の架橋ポリビニルアルコールのコーティングの耐
水性付与のため、当該コーティングに施したカラー絵付
けの上からポリウレタン等の疎水性樹脂の保護コーティ
ングをし、その上にシリコン、テフロン等の保護コーテ
ィングをするか、ポリエステルの極薄(2〜9μm)フ
ィルムを貼付することが好ましい。前記保護コーティン
グは、塗材の1回または数回の塗工で施せばよい。
ット法でカラー絵付けをしたシート状基材1から得られ
た糸上の架橋ポリビニルアルコールのコーティングの耐
水性付与のため、当該コーティングに施したカラー絵付
けの上からポリウレタン等の疎水性樹脂の保護コーティ
ングをし、その上にシリコン、テフロン等の保護コーテ
ィングをするか、ポリエステルの極薄(2〜9μm)フ
ィルムを貼付することが好ましい。前記保護コーティン
グは、塗材の1回または数回の塗工で施せばよい。
【0027】請求項1から3に係る本発明において、意
匠織物の出発原料乃至は中間製品である織物のための糸
としては、表面に架橋ポリビニルアルコールの厚さ5μ
m以上のコーティングを施したシート状基材を裁断して
得られた糸、或いはこれと同じ糸を芯糸に撚合わせた糸
を充てている、或いは前二者と同じ糸の一と天然素材の
糸を併用している。そして、表面に架橋ポリビニルアル
コールのコーティングを施したシート状基材から得られ
た糸を芯糸に撚合わせた糸で織物を織った場合、或いは
当該撚合わせ糸における前者糸と同じ糸、これと同じ糸
を芯糸に撚合わせた糸の一と天然素材の糸の併用で織物
を織った場合、カラー絵付けに先立ち、織物表面に架橋
ポリビニルアルコールのコーティングを形成している。
匠織物の出発原料乃至は中間製品である織物のための糸
としては、表面に架橋ポリビニルアルコールの厚さ5μ
m以上のコーティングを施したシート状基材を裁断して
得られた糸、或いはこれと同じ糸を芯糸に撚合わせた糸
を充てている、或いは前二者と同じ糸の一と天然素材の
糸を併用している。そして、表面に架橋ポリビニルアル
コールのコーティングを施したシート状基材から得られ
た糸を芯糸に撚合わせた糸で織物を織った場合、或いは
当該撚合わせ糸における前者糸と同じ糸、これと同じ糸
を芯糸に撚合わせた糸の一と天然素材の糸の併用で織物
を織った場合、カラー絵付けに先立ち、織物表面に架橋
ポリビニルアルコールのコーティングを形成している。
【0028】これによれば、前記出発原料乃至は中間製
品である織物にインキジェット法によりカラー絵付けを
すると、異なる色のインキ粒子が混ざることがなく、良
好な色を発現したカラー絵付けが得られる。
品である織物にインキジェット法によりカラー絵付けを
すると、異なる色のインキ粒子が混ざることがなく、良
好な色を発現したカラー絵付けが得られる。
【0029】この効果は、前記糸A1、A2、A3上の
架橋ポリビニルアルコールのコーティングに起因して奏
功される。因みに、一般的な織物にインキジェット法で
カラー絵付けを行った場合、色の発現が不良となること
は前述した通りであるし、また架橋されてないポリビニ
ルアルコールのコーティングを施した基材を裁断して得
た糸でも、同様に色発現の不良なものになる。コーティ
ングが架橋ポリビニルアルコールでも、その厚さが5μ
m以上でないと、コーティングに施したインキジェト法
によるカラー絵付けは、インキが滲んで良好な色の発現
が得られない。
架橋ポリビニルアルコールのコーティングに起因して奏
功される。因みに、一般的な織物にインキジェット法で
カラー絵付けを行った場合、色の発現が不良となること
は前述した通りであるし、また架橋されてないポリビニ
ルアルコールのコーティングを施した基材を裁断して得
た糸でも、同様に色発現の不良なものになる。コーティ
ングが架橋ポリビニルアルコールでも、その厚さが5μ
m以上でないと、コーティングに施したインキジェト法
によるカラー絵付けは、インキが滲んで良好な色の発現
が得られない。
【0030】請求項4係る本発明では、架橋ポリビニル
アルコールの厚さ5μm以上のコーティングを表面に施
し、そのコーティング表面にインキジェット法によりカ
ラー絵付けをしたシート状基材を裁断して得られた糸、
またはこれと同じ糸を芯糸に撚合わせた糸を絵経及び/
または絵緯に充てて意匠織物を織っている。
アルコールの厚さ5μm以上のコーティングを表面に施
し、そのコーティング表面にインキジェット法によりカ
ラー絵付けをしたシート状基材を裁断して得られた糸、
またはこれと同じ糸を芯糸に撚合わせた糸を絵経及び/
または絵緯に充てて意匠織物を織っている。
【0031】これによる意匠織物は、インキジェット法
によるカラー絵付けをする対象が架橋ポリビニルアルコ
ールのコーティングを施した基材である点を除いて、請
求項1から3に係る本発明の意匠織物と実質的に構成が
同じである。従って、請求項4に係る本発明も請求項1
から3に係る本発明と同様な効果が得られる。
によるカラー絵付けをする対象が架橋ポリビニルアルコ
ールのコーティングを施した基材である点を除いて、請
求項1から3に係る本発明の意匠織物と実質的に構成が
同じである。従って、請求項4に係る本発明も請求項1
から3に係る本発明と同様な効果が得られる。
【0032】本発明に従い織物或いはシート状基材に施
したカラー絵付けは定着性も良好であることが、実験結
果から認められた。
したカラー絵付けは定着性も良好であることが、実験結
果から認められた。
【0033】本発明において、意匠織物の出発原料乃至
は中間製品である織物のための糸の基材にシート状のも
のを充てるのは、糸の基材がシート状であれば、これに
架橋ポリビニルアルコールのコーティングの塗工を工業
的に量産下に達成できるし、そのコーティングの所要厚
さでの調製も容易であるからである。
は中間製品である織物のための糸の基材にシート状のも
のを充てるのは、糸の基材がシート状であれば、これに
架橋ポリビニルアルコールのコーティングの塗工を工業
的に量産下に達成できるし、そのコーティングの所要厚
さでの調製も容易であるからである。
【0034】
【発明の効果】上記のように本発明は、異なる色のイン
キ粒子が混ざる問題なしに、また色滲みの問題もなし
に、インキジェットプリンタにより織物にカラー絵付け
をすることの課題達成が得られる。
キ粒子が混ざる問題なしに、また色滲みの問題もなし
に、インキジェットプリンタにより織物にカラー絵付け
をすることの課題達成が得られる。
【図1】本発明に係るシート状基材の一例を模式的に示
す断面図である。
す断面図である。
【図2】本発明の係るシート状基材の他例の模式的断面
図を示す。
図を示す。
【図3】本発明のシート状基材の別の例を示す模式的断
面図である。
面図である。
【図4】更に他の本発明シート状基材の例を模式的に示
す断面図である。
す断面図である。
【図5】上記と別の本発明シート状基材の例の模式的断
面図を示す。
面図を示す。
【図6】更に他例の本発明シート状基材を示す模式的断
面図である。
面図である。
【図7】上記と異なる本発明シート状基材の模式的断面
図を示す。
図を示す。
【図8】更に別の本発明シート状基材を示す模式的断面
図である。
図である。
【図9】意匠織物の斜視図を示す。
I 意匠織物 1 シート状基材 2 意匠織物のカラー絵付け a シート状基材の基材 a’シート状基材の基材 b コーティング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D06Q 1/00 D06P 5/00 D06B 11/00
Claims (4)
- 【請求項1】架橋ポリビニルアルコールの厚さ5μm以
上のコーティングを表面に施したシート状基材を裁断し
て得られた糸で織成した織物にインキジェット法により
カラー絵付けをしたことを特徴とする意匠織物。 - 【請求項2】架橋ポリビニルアルコールの厚さ5μm以
上のコーティングを表面に施したシート状基材を裁断し
て得られた糸を芯糸に撚合わせた糸で織成した織物表面
に架橋ポリビニルアルコールのコーティングを形成し、
その上からインキジェット法によりカラー絵付けをした
ことを特徴とする意匠織物。 - 【請求項3】架橋ポリビニルアルコールの厚さ5μm以
上のコーティングを表面に施したシート状基材を裁断し
て得られた糸、これと同じ糸を芯糸に撚合わせた糸の一
と天然素材の糸を併用して織成した織物表面に架橋ポリ
ビニルアルコールのコーティングを形成し、その上から
インキジェット法によりカラー絵付けをしたことを特徴
とする意匠織物。 - 【請求項4】架橋ポリビニルアルコールの厚さ5μm以
上のコーティングを表面に施し、そのコーテイング表面
にインキジェット法によりカラー絵付けをしたシート状
基材を裁断して得られた糸、またはこれと同じ糸を芯糸
に撚合わせた糸を絵経及び/又は絵緯に充てて織成した
ことを特徴とする意匠織物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9159633A JP2958518B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 意匠織物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9159633A JP2958518B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 意匠織物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1112965A JPH1112965A (ja) | 1999-01-19 |
JP2958518B2 true JP2958518B2 (ja) | 1999-10-06 |
Family
ID=15697985
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9159633A Expired - Lifetime JP2958518B2 (ja) | 1997-06-17 | 1997-06-17 | 意匠織物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2958518B2 (ja) |
-
1997
- 1997-06-17 JP JP9159633A patent/JP2958518B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1112965A (ja) | 1999-01-19 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19990608 |