JP3052248U - ランドセルの背護版 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 意匠的に優れるとともに体裁を整えることが
でき、しかも、商品価値を向上させられるランドセルの
背護版の提供。 【解決手段】 本考案に係るランドセルの背護版Ａは、
主版５の外面を外装版６で被覆してなるものであり、そ
の外装版６の中央部に装飾部体Ｂを取り付けた構成のも
のである。また、上記外装版６の中央部に凹処Ａ′を形
成して、その外装版６と主版５との間に弾性材９を介挿
してもよく、さらに、その外装版６の中央部に補強版１
０を重合縫着し、その補強版１０を介して装飾部体Ｂを
取り付けるようにしてもよい。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ランドセルを背負ったときに背中に当接する背護版に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図８に示すように、ランドセルの背護版１は、これの上側辺部に、別に作った 蓋版２の基端辺部を重合縫着するとともに、その背護版１の左右側辺部と、同じ く別に作った底版３及び左右襠４，４の後側辺部とを重合縫着することにより所 要のランドセル本体を構成するものである。

【０００３】 上記背護版１は、主版１ａと外装版１ｂとの間にスポンジ等の弾性材（図示し ない）を所要の配置にして介挿するとともに、それら主版１ａと外装版１ｂを重 合接着してなるものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の背護版１は、スポンジ等の弾性材を主版１ａと外装 版１ｂの間に介挿した場合にも外装版１ｂに凹凸が現れるにすぎず、意匠的に見 て単調かつ不体裁であり、従って、商品価値の向上に寄与するものではない。

【０００５】 そこで本考案は、意匠的に優れるとともに体裁を整えることができ、しかも、 商品価値を向上させられるランドセルの背護版を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案に係るランドセルの背護版Ａは、主版５の外面を外装版６で被覆してな り、その外装版６の中央部に装飾版部Ｂａを取り付けた構成のものである。

【０００７】 上記外装版６の中央部に凹処Ａ′を形成して、その外装版６と主版５との間に 弾性材９を介挿してもよく、また、その外装版６の外面中央部に補強版１０を重 合縫着し、その補強版１０を介して装飾部体Ｂを取り付けるようにしてもよい。

【０００８】 上記補強版１０を、表装版１１の内面に、該表装版１１と装飾部体Ｂの装飾版 部Ｂａとを重合した板厚寸法よりも厚く形成した中版１２を重合接着し、その中 版１２に装飾部体Ｂの装飾版部Ｂａを嵌合する嵌合孔１２ａを形成してもよい。

【０００９】 上記装飾部体Ｂの取付け用脚Ｂｂ，Ｂｂを、表装版１１，中版１２，外装版６ 及び主版５を重合した版厚寸法よりも長く形成しておき、その取付け用脚Ｂｂ， Ｂｂを、それら表装版１１，中版１２，外装版６及び主版５に貫通形成した脚挿 通孔１４，１４に挿入し、かつ、その突出した先端部側を折り曲げることにより 、該装飾部体Ｂを背護版Ａに取り付けるようにしてもよい。

【００１０】

【考案の実施の形態】

本考案について図面を参照して説明する。 Ａは本考案に係るランドセルの背護版であり、それは、主版５の外面に外装版 ６を、また、内面に内装版７をそれぞれ重合接着するとともに、それらのうち、 外装版６と主版５の辺縁部を縫い糸８によって縫着している（図１，２）。

【００１１】 ９はスポンジ等の弾性材であり、上記外装版６の中央部にＶ字形の凹処Ａ′を 形成し、かつ、その凹処Ａ′の両側に略直角三角形の膨出部分Ａ″，Ａ″を形成 するようにして、上記主版５と外装版６との間に介挿されている。

【００１２】 １０は上記凹処Ａ′と同じ大きさのＶ字形に形成した補強版であり、それは、 凹処Ａ′と同形の表装版１１の内面に、後述する装飾部体Ｂの装飾版部Ｂａを嵌 合する嵌合孔１２ａを中央上部に形成した中版１２を重合接着してなるものであ る（図１〜４）。 中版１２は、装飾版部Ｂａと表装版１１とを重合した版厚寸法よりも厚く、か つ、表装版１１よりもやや小さく形成されている。

【００１３】 補強版１０は、表装版１１の辺縁部を内側に折り返した端伏せ状態にして、そ の辺縁部を上記外装版６，主版５とともに縫い糸１３によって縫着している。

【００１４】 また、補強版１０をなす表装版１１と中版１２、及び背護版Ａをなす外装版６ と主版５には、中版１２に形成した嵌合孔１２ａに対応する部分に、装飾部体Ｂ の取付け用脚Ｂｂ，Ｂｂを挿通する脚挿通孔１４，１４が貫通形成されている（ 図２，３）。

【００１５】 装飾部体Ｂは、装飾版部Ｂａの内面に細長い板状の取付け用脚Ｂｂ，Ｂｂを一 体に突設したものであり、たとえば金属やプラスチックからなる板材をプレス成 型したプレス成型品である（図５〜７）。 装飾版部Ｂａは任意の形状にし、また、外面に所望の模様を現すことができる が、本実施形態においては正面逆台形に形成しているとともに、外面にはアルフ ァベットの文字Ｖを立体的に図案化して現している。

【００１６】 取付け用脚Ｂｂは、表装版１１，中版１２、外装版６及び主版５を重合した版 厚寸法の２倍以上の長さにして形成されており、また、中間部に幅狭にした折曲 部Ｂｂ′を形成している。すなわち、幅狭にした折曲部Ｂｂ′には、取付け用脚 Ｂｂを折り曲げるときに加えられる外力が集中しやすくなり、この折曲部Ｂｂ′ から先端部側を容易に折り曲げられるようにしている。

【００１７】 装飾部体Ｂの取付け用脚Ｂｂ，Ｂｂを背護版Ａに形成した脚挿通孔１４，１４ に挿入すると、これの先端部側が主版５の内面側に突出した状態になる。従って 、その先端部側を折曲部Ｂｂ′，Ｂｂ′で折り曲げることにより、装飾版部Ｂａ と折り曲げた取付け用脚Ｂｂ，Ｂｂの先端部との間に、表装版１１，中版１２， 外装版６及び主版５を挟み込んだ状態にすることができ、これにより装飾部体Ｂ を背護版Ａにしっかりと取り付けることができるようになる。

【００１８】 また、取付け用脚Ｂｂ，Ｂｂの折り曲げに従って、装飾版部Ｂａが中版１２の 嵌合孔１２ａに嵌入し、該装飾版部Ｂａの外面が表装版１１の外面と面一になる かあるいはその外面よりもやや没した状態になる。従って、ランドセルを背負う 児童の背中に、背護板Ａに取り付けた装飾版部Ｂａが当接することはない。

【００１９】 なお、本考案は前述した実施形態に限るものではなく、その要旨の範囲内で様 々な変形実施が可能である。 上記では、装飾部体の装飾版部を、逆台形に形成しているとともに外面にアル ファベットの文字Ｖを図案化して現したものについて示したが、たとえば装飾版 部を動植物，キャラクター，花等の形状にし、また、その外面にそれらを描画す るようにしてもよい。

【００２０】

【考案の効果】

請求項１〜７に記載したランドセルの背護版によれば、外装版の中央部に装飾 部体を取り付けているので、意匠的に優れるとともに体裁を整えることができ、 しかも、商品価値を向上させることができる。

【００２１】 請求項１〜７で得られる共通の効果の他、各請求項に記載したランドセルの背 護版によれば、次の効果を得ることができる。

【００２２】 請求項２に記載したランドセルの背護版によれば、外装版の中央部に凹処を形 成するようにして、その外装版と主版との間に弾性材を介挿しているので、たと え装飾部体が外装版の外面よりも突出するときにも、その装飾部体が、ランドセ ルを背負う児童の背中に当接することがない。

【００２３】 請求項３に記載したランドセルの背護版によれば、外装版の中央部に補強版が 重合縫着されており、その補強版を介して装飾部体を取り付けているので、装飾 部体を取り付けた部分を補強できる。

【００２４】 請求項４に記載したランドセルの背護版によれば、装飾部体を、装飾版部の内 面に取付け用脚を一体に突設しているのでプレス成型に適し、従って、容易にし かも安価に製造することができる。

【００２５】 請求項５に記載したランドセルの背護版によれば、補強版が、表装版と中版と を重合接着したものであり、その中版に装飾部体の装飾版部を嵌合する嵌合孔を 形成しているので、装飾版部を補強版内に嵌入した状態にして取り付けることが できる。従って、装飾部体の位置決めを容易に行うことができる。

【００２６】 請求項６に記載したランドセルの背護版によれば、中版を、装飾部体の装飾版 部と表装版とを重合した版厚寸法よりも厚く形成しているので、主版と外装版と の間に弾性材が介挿されているか否かに拘らず、装飾版部が補強版の外面から突 出することがなく、従って、該装飾版部がランドセルを背負う児童の背中に当接 することを防止できる。

【００２７】 請求項７に記載したランドセルの背護版によれば、装飾部体の取付け用脚が、 表装版，中版，外装版及び主版を重合した版厚寸法よりも長く形成されており、 その取付け用脚を、それら表装版，中版，外装版及び主版に貫通形成した脚挿通 孔に挿入し、かつ、その突出した先端部側を折り曲げているので、該装飾部体を 背護版にしっかりと取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るランドセルの背護版の正面図であ
る。

【図２】図１に示すＩ−Ｉ線での断面図である。

【図３】図２の包囲線ＩＩで示す部分の拡大断面図であ
る。

【図４】補強版をなす中版の正面図である。

【図５】装飾部体の拡大正面図である。

【図６】その側面図である。

【図７】その上面図である。

【図８】従来公知のランドセルの斜視図である。

【符号の説明】

５ 主版 ６ 外装版 ９ 弾性材 １０ 補強版 １１ 表装版 １２ 中版 １２ａ 嵌合孔 １４ 脚挿通孔 Ａ′ 凹処 Ｂ 装飾部体 Ｂａ 装飾版部 Ｂｂ 取付け用脚

Claims (7)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 主版の外面を外装版で被覆してなるラン
   ドセルの背護版において、上記外装版の中央部に装飾部
   体を取り付けたことを特徴とするランドセルの背護版。
2. 【請求項２】 上記外装版の中央部に凹処を形成して、
   その外装版と主版との間に弾性材を介挿している請求項
   １記載のランドセルの背護版。
3. 【請求項３】 上記外装版の外面中央部に補強版が重合
   縫着されており、その補強版を介して装飾部体を取り付
   けている請求項１又は２記載のランドセルの背護版。
4. 【請求項４】 上記装飾部体は、装飾版部の内面に取付
   け用脚を一体に突設してなる請求項１，２又は３記載の
   ランドセルの背護版。
5. 【請求項５】 上記補強版は、表装版の内面に中版を重
   合接着したものであり、その中版に装飾部体の装飾版部
   を嵌合する嵌合孔を形成している請求項３又は４記載の
   ランドセルの背護版。
6. 【請求項６】 上記中版を、装飾部体の装飾版部と表装
   版とを重合した版厚寸法よりも厚く形成している請求項
   ５記載のランドセルの背護版。
7. 【請求項７】 上記装飾部体の取付け用脚は、表装版，
   中版，外装版及び主版を重合した版厚寸法よりも長く形
   成されており、その取付け用脚を、それら表装版，中
   版，外装版及び主版に貫通形成した脚挿通孔に挿入し、
   かつ、その突出した先端部側を折り曲げることにより、
   該装飾部体を背護版に取り付けている請求項４，５又は
   ６記載のランドセルの背護版。