JP3049537B2 - 生検試料の定着支持方法とその定着支持剤及び包埋カセット - Google Patents
生検試料の定着支持方法とその定着支持剤及び包埋カセットInfo
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Description
び治療法を決めるため、人体から採取した生検試料を病
理検査室等で顕微鏡検査することのできる薄切り標本に
するまでのいくつかの処理過程の中の一つである生検試
料を変質しないように定着すると共に包埋カセット内に
支持するための定着支持方法とそれに必要な包埋カセッ
ト及び定着支持剤に関する。
透明な多孔板で形成された蓋付きの偏平な包埋カセット
の中に生検試料を収容して蓋を閉じ、そのまま生検試料
の変質防止剤の入っているカプセルの中に入れて病理検
査室等に送る。
ットをカプセルから取り出して、包埋カセットの蓋をあ
けてその中に入っている生検試料とそこに添付されてい
る伝票の記載事項とを照合し、両者の同一性を確認して
から、その生検試料を再び包埋カセットの中に戻して、
そのままアルコールまたはキシレン等の入っている各容
器に夫々入れて、前記生検試料を順次脱水、脱脂、透徹
およびパラフィンまたは樹脂等からなる包埋剤に漬けて
各処理を行う。
包埋容器内からピンセット等で直接摘んで取り出して、
予め用意されている別の包埋皿上に載せ換え、その上に
若干空間を隔てて前記包埋カセットの多孔板で形成され
ている底板の部分を配置し、その上から熔融したパラフ
ィンまたは樹脂等からなる包埋剤を注ぎ込んで、該生検
試料を該包埋カセットの一部分と共に前記包埋剤で包埋
し、この状態で前記包埋剤を冷却して包埋カセットと生
検試料を前記包埋剤で一体的に固形化して包埋ブロック
を形成している。
おりであるので、病理検査室で生検試料を包埋剤で包埋
する際、生検試料を収容した包埋カセットの蓋を開け
て、その中から生検試料を取り出して予めそこに用意さ
れている別の包埋皿の上に載せ換えるため、そのとき生
検試料をピンセットで直接摘むので、それを局部的に挫
滅して検査試料を傷め、その結果生検試料の検査に支障
を来すおそれがある。
る複数の生検試料を所定の配置で収容した場合は、それ
を一つの包埋皿に載せ換える際、誤って前記所定の配置
と異なる配置で載せ換えることがある。そのため、各生
検試料間にコンタミ状態を生ずる機会が生じ、その後行
われるそれぞれの生検試料の顕微鏡検査の結果に重大な
影響を及すことがある。
出して別の包埋皿上に載せ換える際、その作業を行うも
のは該生検試料の検査面(薄切り面)が不明であるの
で、それを包埋皿上に正しく設置することが困難であ
り、臨床医の希望する生検試料の検査面に沿ってミクロ
トームで薄切りすることが極めて困難である。
埋カセットの蓋を開けた際、それに添付されている伝票
に記載されている通りの生検試料が包埋カセットの中に
見当たらない場合は伝票の記載が誤っているか臨床医が
所定の生検試料を入れ損なったか、或は検査室で包埋カ
セットの蓋を開けた際に脱落して紛失したか、または多
孔板の孔から流失したのか、確認することができず、生
検試料の再採取を行う際の責任の所在が不明になる。
せる際、ピンセット等で摘まんで、その生検試料を局部
的に挫滅して傷めたり、或は一つの包埋カセットの中に
複数の生検試料を所定の順番で配置した際、誤ってそれ
と異なる状態で包埋皿上に配置する機会をなくすること
である。
生検試料の薄切り面に沿ってその生検試料を包埋皿に設
置し、包埋後その薄切面に沿ってミクロトームで薄切り
することができるようにすることである。
容した生検試料の数をそれを包埋する前に、包理カセッ
トに予じめ添付されている伝票に記入されている生検試
料の数と一致しているか否かを確認する操作を容易にす
ると共に、その際生検試料を誤って紛失したり、該生検
試料が包埋カセットの多孔板の孔から流出することがな
いようにすることである。
蓋または底面の何れかが透明な多孔板で形成された偏平
な包埋カセットの内部に生検試料を収容し、該生検試料
の周囲にグルコマンナンと防腐剤とからなる定着支持剤
を充填して、生検試料を変質しないように定着すると共
に包埋カセット内で移動しないように支持し、これらを
カプセル中の変質防止剤を混入したアルコール類又はア
セトン等のゲル化剤に浸漬して該定着支持剤をゲル化す
ることによって生検試料を前記包埋カセット中に一体的
に支持する方法である。
された状態の生検試料はそれをそのままの状態でアルコ
ール中に浸漬して脱水、脱脂し、キシロールに漬けて脱
アルコール(透徹)し、さらにパラフィンまたは樹脂等
からなる包埋剤に漬けて包埋剤に置換し、その後包埋カ
セットの中から定着支持剤中に埋込まれているゲル状ブ
ロックの状態で取り出して、これをそのまま包埋皿上に
載置する。
いて前述の空になった包埋カセットの底面を配置し、こ
れらにその上方から熔融状態のパラフィンまたは樹脂等
からなる包埋剤を注入し、その後冷却することによって
冷却固化すると共にその包埋剤の中に定着支持剤と一緒
に生検試料を包埋カセットの底面と共に包埋するもので
ある。
マンナンの精粉を溶解することによって得られる生検試
料の定着支持剤である。
に偏平な容器の周囲を該平面状枠体の一側面に向けて突
設し、該容器の蓋と底面の少なくとも一方を透明な多孔
板で形成し、また同容器の開口部の周囲における平面状
枠体に突条縁を該平面状枠体の他側面に向けて突設し、
さらに該突条縁と前記容器の周囲との間における平面状
枠体にその両側面に通ずる排気用連通孔を形成した生検
試料の包埋カセットである。
それを蓋または底面の少なくとも一方が透明な多孔板で
形成された偏平な包埋カセットの内部に収容し、該生検
試料の上方及び周囲にグルコマンナンとホルマリン等の
試料保存兼防腐安定液とからなる定着支持剤を充填し、
これらをその状態でカプセルに入れてグルコマンナンの
ゲル化剤に浸漬して、該グルコマンナンをゲル化するこ
とによって、その生検試料を包埋カセット中にそれと一
体的に支持する。
徹、包埋剤の各処理剤で処理した後、包埋カセットから
グルコマンナンに埋設された状態で生検試料を取り出
し、それを包埋皿上に載置すると共にその上部に前記空
の包埋カセットを配置し、該包埋カセットを介して生検
試料の上から熔融状態の包埋剤を注入してその包埋剤で
生検試料を直接包埋し、該包埋剤を冷却して固化し、前
記包埋カセットの少なくとも一部分と定着支持剤に埋設
された状態の生検試料と包埋剤を一体的に固化して包埋
ブロックを形成する。
によって説明すると、まず図1に示すように底面1が透
明な多孔板2で形成された蓋3付きの偏平な合成樹脂製
包埋カセット4をシャーレ12の上に置いて、その包埋
カセット4の内部に生検試料5を収容し、該生検試料5
の上方及び全周囲に精製した水溶性繊維マンナン[天然
多糖グルコマンナン(Glucomannan)]と防腐剤、例えば
ホルマリンとからなる定着支持剤6を定着支持剤容器1
3から矢印A6に示すように流し込んで充填し、該生検
試料5を変質しないように定着すると共に包埋カセット
4に支持する。
査面16の面が図2の拡大図に示すようにその包埋カセ
ット4の底面1に接着するように予め前記定着支持剤6
で支持する。
図10〜12に示す如く、長方形の平面状枠体41の中
央部に偏平な容器42の下縁部43を該平面状枠体41
の下面に向けて突設し、該容器42の蓋3および底面1
の少なくとも一方を透明な多孔板2で形成している。
枠体41の上面に突条縁44を形成し、さらに前記容器
42の周囲における平面状枠体41にその上下両側面に
通ずる連通孔45を形成している。
46を、後端部に後方掛止片47を夫々形成し、これら
に前記蓋3を着脱自在に嵌合している。
剥いたこんやく芋の荒粉を搗いて、それを風選して得ら
れる精製マンナン8.4gをホルマリン原液100m
l、第1リン酸ナトリウム(NaH2PO4・H2O)
4.0g、無水第2リン酸ナトリウム(Na2HPO4)
6.5g、蒸留水900mlからなる10%中性緩衝ホ
ルマリン1000mlの溶媒に溶解して得られる。
である水溶性食物繊維は元来その構造及び性状が通液性
であり、多くの染色色素に染まらないので、生検標本を
染色した際生検試料との区別が明確になり染色状態の生
検標本の観察を妨げることがない。
利用して、生の組織を経時的に変質しないように固定
し、生検試料の各成分の形態を生前に近い状態に保つこ
とであり、また支持とは、生検試料を包埋カセット内の
底板上面に移動しないように確実に接着してその位置を
保つことである。
料5と定着支持剤6を図3に示すようにカプセル14と
その蓋15内に入れられている50%メタノールとホル
マリンからなるゲル化剤7に浸漬して、該定着支持剤6
をゲル化することによって生検試料5を前記包埋カセッ
ト4中に一体的に支持し、この状態で臨床医室から病理
室に郵送等で移動する。
は例えばアルコールホルマリン、アルコール、ポリエチ
レングリコール、グリセリン等のアルコール類及びアセ
トンが用いられる。それはゲル化剤としてカルシウム等
を使用するとそのカルシウムイオンが生検試料の中に入
り込んで、その検査結果を誤らせるという致命的な欠点
を避けるためである。
セット4に固定されている状態で生検試料5を取り出し
て、図4に示す様にそこに予め用意されている処理容器
9内のアルコール等の高脱水処理剤8aに浸して脱水処
理し、その後順次別の処理容器(図示していない)内の
脱脂、および透徹の各処理剤8b、8cに順次浸して、
脱水、脱脂、および透徹し、パラフィンまたは樹脂等か
らなる熔融包埋剤を浸透させる。
取り出し、さらにその包埋カセット4の中から前記熔融
包埋剤の浸透した生検試料5を図5に示すように定着支
持剤6中に埋設されているゲル状ブロック36の状態で
取り出して、そのまま図6に示すように包埋皿10上に
載置する。
前記空の包埋カセット4を配置し、その上からこれらに
包埋剤として熔融状態のパラフイン11を注入し、これ
を冷却することによって冷却固化し、その固化したパラ
フイン11の中に定着支持剤に埋設された生検試料5を
包埋カセット4の一部と共に包埋する。
ィン11は多孔板2の孔を通じて定着支持剤6と一体の
生検試料5で形成されているゲル状ブロック36の周囲
及び平面状枠体41の下面で閉じられた空間に流れ込
み、この部分を充填する。この際、該空間内の空気を排
気用連通孔45を通じて排出する。また、その際平面状
枠体41の下面を包埋皿10の内面に密着し、かつ平面
状枠体41の上面に突条縁44を形成しておくことによ
って、該平面状枠体41の上面に流れ込むことを防止で
きるので、パラフィンの冷却後、この部分にパラフィン
11が固着して、その後の薄切りに際して、ミクロトー
ムの支持台19に取り付ける際の妨げになることがな
い。
態の包埋皿10から包埋カセット4を取り除くことによ
って、図7に示すように包埋カセット4の底面1の多孔
板2をパラフイン11で鋳込んだ状態で、しかもその中
に生検試料5を包埋した生検試料の包埋ブロック18を
得る。
19で保持し、ミクロトームの刃17を矢印A17方向
に往復動して薄切りし、図9の生検試料の薄切り切片2
0を得る。
合成樹脂製の包埋カセット4の高さhは両側の支持台1
9、19で支持されている包埋ブロック18を刃17で
薄切りする際、包埋ブロック18が実用上変形しないよ
う剛性を保てるような高さ、例えば5mm以上にするこ
とが必要である。
1の多孔板2をパラフィン11等の包埋剤の中に埋め込
んでも、合成樹脂とパラフィン11の性質上、両者は剥
離し易いので、そのパラフィン11を多孔板2に剥離し
ないようにからめて固定するため、該包埋カセット4の
内側におけるパラフィン11の厚さt1は剥離しない程
度の厚さ、例えば3.5mm以上にすることが必要であ
る。
17で薄切りする際、各生検試料5の中の特定の生検試
料5aの所望の切断面S5を得たいときは該刃17を矢
印A17方向に対して若干傾斜θして矢印B17方向に
往復動しなければならないが、このときは刃17が支持
台19の上面に近づき、場合によっては支持台19によ
ってその運動を妨げられるので、包埋ブロック18にお
ける包埋カセット4の周囲の平面上枠体41から上部の
パラフィン11の厚さt2は、前記刃17の往復運動の
妨げにならない厚さ、例えば6mm以上にする必要があ
る。
tは包埋カセット4の高さhと、その包埋カセット4の
周囲の枠体41上におけるパラフィン11の厚さt2例
えば6mmから突出容器42の高さh1、例えば2.5
mmを除いたパラフィン11の厚さt3との和、即ち、
t=h+(t2−h1)・・・(1)で示される。例え
ば、t=5mm+(6mm−2.5mm)=8.5mm
になる。
ット34を用いた図15に示す包埋ブロック38は図8
に示す突出容器42に相当する部分がないため、その高
さh 1が全くないので、この場合の包埋ブロック38の
厚さtは前記(1)式において、h1=0であるので、
図15の包埋ブロック38の厚さtはh+t2となり、
前述の例で示せば、t=5mm+6mm=11mmにな
る。なお図13の多孔板32及び図14の蓋33は夫々
本発明の前記実施例の多孔板2及び蓋3に相当するもの
である。
tは従来例のそれと比較して、前例で示せば、11mm
−8.5mm=2.5mm、即ち、偏平容器42の高さ
h1だけ薄くなる。このため包埋ブロックの性質上多数
個(例えば万単位)保管しておく際、その保管場所の容
積を従来例と比較して著しく減少させることができる。
及び図10で説明したがこの発明はその実施例のみに限
定されるものでなく、本発明の要旨の範囲内においてそ
の構成を部分的に変更したり付加して実施することが可
能である。
施例のように透明な材料で形成する代わりに、図11に
示すように該底面1の中央部に格子22付の窓孔21を
形成し、その窓孔21に透明な多孔材で形成した通液性
のシート状薄片31を嵌合しておくこともできる。この
場合、通液性のシート状薄片31として通液性のクロス
または和紙等(図示してない)を用いることができる。
なお、この図11、後述の図12中前述の実施例で用い
た図面符号と同一の図面符号の部分はその部分の名称及
び機能についても同様である。
液性のシート状薄片31を嵌合する代りに図12に示す
如く窓孔21に多孔皿24を嵌合し、その周囲に張り出
すように形成した鍔23を該窓孔21の周縁に掛け止め
ておくこともできる。
ほかに黒皮部分を厚く剥いたこんにゃく芋の荒粉を搗い
て、それを風選して得られる精製マンナン8.4gをホ
ルマリン原液200ml、生理食塩水800mlからな
る20%ホルマリン生理食塩水1000mlの溶媒に溶
解して得ることも可能である。
いる防腐剤は前述の実施例のほかにホルムアルデヒド、
パラホルムアルデヒド、グルタールアルデヒド、氷酢
酸、チモール、クレオソート、クレゾール等を用いるこ
とができる。
の包埋剤として熔融状態のパラフィン11を注入し、こ
れを冷却固化して包埋する方法について述べているが、
この包埋方法もこれだけに限定されるものでなく、次の
ような二つの実施例のようにすることができる。
コライト(Paraplast−piccolyte)
二重包埋法と称するものであって、これはテルペン系β
−ピネンから合成された炭水化物樹脂で高い融点(摂氏
115度)をもつ白色物質のピッコライトを乳鉢で細か
くし、それを摂氏60度に熔かしたパラプラストに10
%の割合で熔かし、これを冷却して固化した状態で保存
し、これとは別に用意されたグルコマンナン(定着支持
剤)に支持された生検試料を前述の如く脱水・パラフィ
ン浸透後の最終包埋の段階で前記固化した状態の10%
ピッコライト混合パラプラストを摂氏60度以上に上げ
ないように再度熔かした液に入れて包埋する。
(ライカ社)包埋法と称するものであって、下記の〜
の工程からなっている。 生検試料をゲル化したグルコマンナンで固定した後、
脱水をアルコールかアセトンまたはグリコールメタクリ
レート(GMA)のいずれかで行なう。 ベーシックレジン(Basic Resin)(HE
MA:ジヒドロキシエチルメタクリレート及び可塑剤と
してのヒドロキシエーテル)100mlにアクチベータ
ベンゾールペロキシド(Activator benz
oylperoxide)(反応開始剤:ペルオキシド
ルシドールCH50)0.6gを混和させ摂氏4度に冷
却してヒストレジンプラス浸漬液を得る。 摂氏4度に冷却されたヒストレジンプラス浸漬液Aの
中に該定着支持剤で支持された生検試料を入れて浸漬す
る。 その後、ヒストレジンプラス浸漬液A(摂氏4度)3
0mlに硬化剤(Hardener)1mlを摂氏4度
で混和してヒストレジンプラス包埋液Bを得る。 摂氏4度にて浸漬後の該定着支持剤で支持されている
生検試料をヒストレジンプラス包埋液Bの中に入れて、
摂氏4度のまま5分間攪拌する。 予め、冷却しておいたヒストレジン包埋用モールドト
レイの中に摂氏4度のヒストレジンプラス包埋液Bを流
し込み該定着支持剤で支持された試料をその中に入れて
検査薄切面を下にして配置する。 そして素早くPEフォイル(フィルム)を試料の入っ
ている包埋樹脂の上に被せて完全に密封する。この際ヒ
ストレジンプラスは酸素により重合が阻害され固化しな
い(重合固化の時間は摂氏4度で3時間以上)。 その後、ブロックホルダー(支持台)に、試料の包埋
された重合固化した樹脂を支持固定する。
査室で生検試料をパラフィン等の包埋剤で包埋する前
に、包埋カセットの中から生検試料を取り出して別の包
埋皿の上に載せ換える際、生検試料を包埋カセットの中
から定着支持剤中に埋設されて一体的になっている熔融
包埋剤の浸透したゲル状ブロックの状態で取り出して、
そのまま包埋皿上に載置するので、そのとき生検試料を
ピンセットで直接摘ままないで定着支持剤を介して摘む
ことができ、その生検試料をピンセットで局部的に挫滅
して検査試料を傷めたり、或いは包埋剤をアルコール等
でゲル化しているので、そのゲル化剤によって検査試料
の中にカルシウムイオン等が入り込まず、その結果生検
試料の検査結果を狂わせるおそれがない。
支持剤中に埋設されて一体的になっている熔融包埋剤の
浸透したゲル状ブロックの状態で取り出して、そのまま
包埋皿上に載置するので、一つの包埋カセットの中に互
いに異なる複数の生検試料を所定の順番で配置した場合
でも、それを一つの包埋皿に載せ換える際、誤って前記
所定の配置と異なる配置で載せ換えて各検査試料相互間
にコンタミを発生させるおそれが全くなく、前記従来の
方法のようにその後のそれぞれの生検試料の検査の結果
に重大な影響を及すことがない。
検試料を収容し、該生検試料の周囲にグルコマンナンと
生検試料保存防腐安定液とからなる定着支持剤を流し込
んで充填するので、その際臨床医または病理医の希望す
る生検試料の検査面をミクロトームで薄切りできるよう
に、その検査面を包埋カセットの底面と平行に予め前記
定着支持剤で支持しておくことができ、臨床医または病
理医の検査したい検査面を生検試料の包埋作業者に正確
に指示することができる。
ともその何れかが透明な多孔板で形成された偏平な包埋
カセットの内部の生検試料の周囲にグルコマンナンと生
検試料保存防腐安定液とからなる透明な定着支持剤を充
填しているので、多孔板上に生検試料を設置する際、透
明な定着支持剤を透して見ながら行うことができ、所望
の検査面を多孔板の上面に正確に密着することができ
る。その包埋カセットの蓋を開けて包埋皿に載せ換える
前に、それに添付されている伝票に記載されている生検
試料の数と、前記透明な蓋又は底面を介して見える生検
試料の状態とその数を容易に比較できる。
けた際に生検試料のみが脱落して紛失することは生じな
いので、前記従来のように包埋皿に載せ換える際に該伝
票に記載されている数の生検試料が包埋カセットの中に
見当たらない場合は包埋作業者が蓋を開けた際に脱落し
て紛失する以外の作業で紛失したことを確認することが
でき、その生検試料を探す範囲が限定され、再採取を行
う必要性がそれだけ減少する。
枠体の中央部に偏平な容器の底面の多孔板を該平面状枠
体の一側面に向けて突設しているので、これをパラフィ
ン等の包埋剤中に埋設して包埋ブロックを形成する際、
その包埋剤を多孔板に充分固定し、かつ平面状枠体上の
包埋剤の厚さを刃の往復動の妨げにならないように従来
と等しくしても、包埋ブロック全体の厚さを前記平面状
枠体の突設高さに相当する厚さだけ薄くすることができ
る。
成した包埋ブロックはその全体の厚さが従来のものと比
較して薄くなるので、多数の臨床医から集荷された膨大
な数の包埋カセットをその中の生検試料が変質しないよ
うに保管しておく都合上、その容積が少なくてすみ、極
めて経済的である。
おける定着支持剤注入過程を示す縦断面図である。
である。
剤を浸透する各過程を示す縦断面図である。
検試料の状態を示す縦断面図である。
程を示す縦断面図である。
を示す縦断面図である。
図である。
である。
る。
る状態の縦断面図である。
図である。
における図8の状態に相当する縦断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】容器の蓋と底面の少なくとも一方を透明な
多孔板で形成された偏平な包埋カセットに生検試料を収
容し、その生検試料の周囲の空間にマンナンと防腐剤と
からなる透明な定着支持剤を注入して、その中に生検試
料を埋め込み、その状態の定着支持剤をアルコール類を
含むマンナン用のゲル化剤からなる液中に浸漬してゲル
化することを特徴とする生検試料の定着支持方法。 - 【請求項2】 水と防腐剤及びマンナンの精粉で構成さ
れていることを特徴とするマンナンと防腐剤とからなる
透明な定着支持剤。 - 【請求項3】 防腐剤の中に少なくともホルムアルデヒ
ドを含有していることを特徴とする請求項2記載の生検
試料の定着支持剤。 - 【請求項4】容器の蓋と底面の少なくとも一方を透明な
多孔板で形成した生検試料を収容する偏平な包埋カセッ
トであって、該容器の開口部の周縁に、そこから外周方
向に張出す平面状枠体を形成して、該容器の底面を該平
面状枠体の一側面に向けて突設し、また同容器の開口部
の周縁における該平面状枠体の他側面に向けて突条縁を
突設し、さらに該突条縁と前記容器の周囲との間におけ
る平面状枠体にその両側面に通ずる排気用連通孔を形成
することを特徴とする生検試料の包埋カセット。 - 【請求項5】 透明な多孔板で形成されている容器の底
面がその中央部に格子付き窓孔を形成され、その窓孔に
通液性のシート状薄片を嵌合されていることを特徴とす
る請求項4記載の生検試料の包埋カセット。 - 【請求項6】 偏平な容器の底面が、その中央部に形成
された格子付の窓孔に透明な合成樹脂製の多孔シートで
形成した通液性のシート状薄片を嵌合することによって
形成されていることを特徴とする請求項4記載の生検試
料の包埋カセット。 - 【請求項7】 偏平な容器の底面がその中央部に形成さ
れた格子付の窓孔に透明な織布で形成した通液性のシー
ト状薄片を嵌合することによって形成されていることを
特徴とする請求項4記載の生検試料の包埋カセット。 - 【請求項8】格子付の窓孔に嵌合される通液性の多孔シ
ート状薄片が、周囲に鍔を張り出している多孔皿で形成
されていることを特徴とする請求項6記載の生検試料の
包埋カセット。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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