JP2904688B2 - 重荷重用空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
重荷重用空気入りラジアルタイヤInfo
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- JP2904688B2 JP2904688B2 JP5262519A JP26251993A JP2904688B2 JP 2904688 B2 JP2904688 B2 JP 2904688B2 JP 5262519 A JP5262519 A JP 5262519A JP 26251993 A JP26251993 A JP 26251993A JP 2904688 B2 JP2904688 B2 JP 2904688B2
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- Japan
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- cord
- belt
- wire
- steel cord
- diameter
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- Tires In General (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトラック、バスなどの重
荷重用空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは最
外層ベルト層に高伸度ワイヤを用いない場合でも高耐衝
撃性を得ることができる重荷重用空気入りラジアルタイ
ヤに関する。
荷重用空気入りラジアルタイヤに関し、更に詳しくは最
外層ベルト層に高伸度ワイヤを用いない場合でも高耐衝
撃性を得ることができる重荷重用空気入りラジアルタイ
ヤに関する。
【0002】
【従来の技術】重荷重用空気入りラジアルタイヤはカー
カス層上に通常複数のスチールコードからなるベルト層
を配置して、タイヤ走行中に受ける強い衝撃や荷重を負
担するよう構成されている。特に、重荷重用空気入りラ
ジアルタイヤのトレッドは、著しく大きな衝撃力を受け
るため、カット傷等の損傷を生じ易い。このような損傷
が発生すると、その損傷を通して外部の水分が内部に浸
透し、ベルト層に到達してスチールコードと接触する。
このため、スチールコードが錆びて腐食しやすくなり、
コードとゴムとの間の接着力が劣化し、トレッドとベル
ト層とのセパレーションが発生し、タイヤの耐久性を低
下させるという問題があった。
カス層上に通常複数のスチールコードからなるベルト層
を配置して、タイヤ走行中に受ける強い衝撃や荷重を負
担するよう構成されている。特に、重荷重用空気入りラ
ジアルタイヤのトレッドは、著しく大きな衝撃力を受け
るため、カット傷等の損傷を生じ易い。このような損傷
が発生すると、その損傷を通して外部の水分が内部に浸
透し、ベルト層に到達してスチールコードと接触する。
このため、スチールコードが錆びて腐食しやすくなり、
コードとゴムとの間の接着力が劣化し、トレッドとベル
ト層とのセパレーションが発生し、タイヤの耐久性を低
下させるという問題があった。
【0003】このような重荷重用空気入りラジアルタイ
ヤのベルト層に従来使用されているスチールコードとし
ては、例えば6本の比較的太径のスチールワイヤ素線で
3本の比較的細径の素線の周りを取り囲むように撚り合
わせた、所謂3+6のコード構造を有するものが一般に
使用されているが、かかる構造のコードは耐衝撃性及び
耐錆性に乏しく、特に耐衝撃性を付与する必要がある場
合には最外層(通常4番ベルト)のワイヤを4×4又は
1×5などの高伸度ワイヤに置き換えた構造が用いられ
ている。
ヤのベルト層に従来使用されているスチールコードとし
ては、例えば6本の比較的太径のスチールワイヤ素線で
3本の比較的細径の素線の周りを取り囲むように撚り合
わせた、所謂3+6のコード構造を有するものが一般に
使用されているが、かかる構造のコードは耐衝撃性及び
耐錆性に乏しく、特に耐衝撃性を付与する必要がある場
合には最外層(通常4番ベルト)のワイヤを4×4又は
1×5などの高伸度ワイヤに置き換えた構造が用いられ
ている。
【0004】しかしながら、このようなベルト構造は、
高伸度ワイヤの撚り構造上、強度分担率が極めて低く、
ベルト層に要求される強度を満足させるためには、内層
ベルト層の打ち込み本数を大きくしたり、素線径を太く
したり、より素線本数の大きな構造にしたりする必要が
あり、結果としてタイヤ重量が増加する欠点があり、ま
たワイヤ使用量の増加や高伸度ワイヤが高価であること
から、タイヤコストが高くなるという欠点もあった。
高伸度ワイヤの撚り構造上、強度分担率が極めて低く、
ベルト層に要求される強度を満足させるためには、内層
ベルト層の打ち込み本数を大きくしたり、素線径を太く
したり、より素線本数の大きな構造にしたりする必要が
あり、結果としてタイヤ重量が増加する欠点があり、ま
たワイヤ使用量の増加や高伸度ワイヤが高価であること
から、タイヤコストが高くなるという欠点もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は前記
した従来技術の問題点を解決して、最外層ベルト層に高
伸度ワイヤを用いない場合でも耐衝撃性が高く、また耐
錆性が改良され、更にベルトエッジセパレーションが抑
制された重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供するこ
とを目的とする。
した従来技術の問題点を解決して、最外層ベルト層に高
伸度ワイヤを用いない場合でも耐衝撃性が高く、また耐
錆性が改良され、更にベルトエッジセパレーションが抑
制された重荷重用空気入りラジアルタイヤを提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、素線径
が0.25〜0.40mm、素線の引張り強さが290Kg
f/mm2 以上で、シャルピー衝撃吸収量/切断荷重比が
0.28d+0.05(ここでdは素線径)以上である
1×6構造のスチールコードであって、ベルト層中にお
ける扁平スチールコードの長径方向がベルト幅方向に対
する絶対値の平均で10°以上であり、スチールコード
長手方向と直交するスチールコード断面におけるコード
の長径と短径の比が1.2〜2.0の範囲にあり、且つ
コードの5Kgf 荷重時の伸びが0.30〜0.85%で
あるスチールコードをカーカス層側から数えて、少なく
とも2番目及び3番目のベルト層に使用してなる重荷重
用空気入りラジアルタイヤが提供される。
が0.25〜0.40mm、素線の引張り強さが290Kg
f/mm2 以上で、シャルピー衝撃吸収量/切断荷重比が
0.28d+0.05(ここでdは素線径)以上である
1×6構造のスチールコードであって、ベルト層中にお
ける扁平スチールコードの長径方向がベルト幅方向に対
する絶対値の平均で10°以上であり、スチールコード
長手方向と直交するスチールコード断面におけるコード
の長径と短径の比が1.2〜2.0の範囲にあり、且つ
コードの5Kgf 荷重時の伸びが0.30〜0.85%で
あるスチールコードをカーカス層側から数えて、少なく
とも2番目及び3番目のベルト層に使用してなる重荷重
用空気入りラジアルタイヤが提供される。
【0007】ベルト用コードに要求される強度、耐錆性
を満たしながら、ベルト層全体で耐衝撃性を改善できれ
ば、高伸度ワイヤの必要がなくなり、上述のような欠点
が改善できる。本発明者はトラック・バス用タイヤとし
て多用されている3+6構造の改良により、強度性能を
確保しながら、耐錆性を付与し、かつ耐衝撃性を大きく
改善したコード構造を見出し、更にこれによってトラッ
ク・バス用タイヤの耐衝撃性を大きく改善できるタイヤ
構造を見出した。
を満たしながら、ベルト層全体で耐衝撃性を改善できれ
ば、高伸度ワイヤの必要がなくなり、上述のような欠点
が改善できる。本発明者はトラック・バス用タイヤとし
て多用されている3+6構造の改良により、強度性能を
確保しながら、耐錆性を付与し、かつ耐衝撃性を大きく
改善したコード構造を見出し、更にこれによってトラッ
ク・バス用タイヤの耐衝撃性を大きく改善できるタイヤ
構造を見出した。
【0008】本発明者らの研究によれば、3+6の1×
3の部分は衝撃に対する機能は小さいことが判った。即
ち、同一強度で耐衝撃性を高めるには、3+6の1×3
を除去し、1×3が持っていた強度を補うために外側の
6本の素線を増径すると耐衝撃性が向上することが判っ
た。更に1×6を扁平オープンコード構造とし、扁平率
と5Kgf 荷重時の伸びを特定の範囲とすることでコード
内部にゴムを均一に入れ、素線の引張り強さを290Kg
f/mm2 以上に高めると耐衝撃性が3+6のコード構造に
対し大きく改善されることが判った。
3の部分は衝撃に対する機能は小さいことが判った。即
ち、同一強度で耐衝撃性を高めるには、3+6の1×3
を除去し、1×3が持っていた強度を補うために外側の
6本の素線を増径すると耐衝撃性が向上することが判っ
た。更に1×6を扁平オープンコード構造とし、扁平率
と5Kgf 荷重時の伸びを特定の範囲とすることでコード
内部にゴムを均一に入れ、素線の引張り強さを290Kg
f/mm2 以上に高めると耐衝撃性が3+6のコード構造に
対し大きく改善されることが判った。
【0009】本発明者らは、この1×6のコード構造を
カーカス層側から数えて少なくとも2番及び3番ベルト
層(2B及び3B)に使うと、従来の3+6のコード構
造を用いたものに比べ、耐衝撃性が大きく改善されるこ
とを見出した。更に好ましくは、コードの単位強度当り
の耐衝撃性の指標としてシャルピー衝撃吸収量/切断荷
重が0.28d+0.05(ここではdは素線径)以上
の1×6の扁平オープンコード構造では、この改善効果
が更に大きくなり、4番ベルト層(4B)に高伸度ワイ
ヤを使ったものと同等の耐衝撃性が得られる。
カーカス層側から数えて少なくとも2番及び3番ベルト
層(2B及び3B)に使うと、従来の3+6のコード構
造を用いたものに比べ、耐衝撃性が大きく改善されるこ
とを見出した。更に好ましくは、コードの単位強度当り
の耐衝撃性の指標としてシャルピー衝撃吸収量/切断荷
重が0.28d+0.05(ここではdは素線径)以上
の1×6の扁平オープンコード構造では、この改善効果
が更に大きくなり、4番ベルト層(4B)に高伸度ワイ
ヤを使ったものと同等の耐衝撃性が得られる。
【0010】タイヤのベルト層はトレッド層の直ぐ下に
あり、タイヤトレッドが外傷を受けるとそこから水が浸
入するため錆びやすい。これを防ぐためにはゴム浸透の
良好なコードを使用すると効果的であるが、1×6の扁
平オープンコード構造はこの点でも、ベルト用コードと
して最適である。
あり、タイヤトレッドが外傷を受けるとそこから水が浸
入するため錆びやすい。これを防ぐためにはゴム浸透の
良好なコードを使用すると効果的であるが、1×6の扁
平オープンコード構造はこの点でも、ベルト用コードと
して最適である。
【0011】本発明において、1×6のコード構造に限
定したのは、3+6のコード構造の代替として1×5の
コード構造では強度が不足し、1×7以上のコード構造
では素線ワイヤがコードの中心部に落ち込み易く、撚り
が不安定になるため、1×6のコード構造でなければな
らない。1×6のコード構造で素線径が0.25mm未満
では必要な強度が確保できず、素線径が0.40mmを超
えると疲労性が低下するため、素線径は0.25〜0.
40mmである必要がある。
定したのは、3+6のコード構造の代替として1×5の
コード構造では強度が不足し、1×7以上のコード構造
では素線ワイヤがコードの中心部に落ち込み易く、撚り
が不安定になるため、1×6のコード構造でなければな
らない。1×6のコード構造で素線径が0.25mm未満
では必要な強度が確保できず、素線径が0.40mmを超
えると疲労性が低下するため、素線径は0.25〜0.
40mmである必要がある。
【0012】コードの扁平率(即ちスチールコード長手
方向と直交するスチールコード断面におけるコードの長
径と短径の比)が1.2未満ではコード長手方向のコー
ド径に太い部分と細い部分が周期的にでき、疲労性が低
下し、扁平率が2.0を超えると過度の扁平化によりや
はり疲労性が低下するため、扁平率は1.2〜2.0で
なければならない。好ましくは、扁平率は1.3以上が
好ましい。コードの5Kgf 荷重時の伸びが0.30%未
満では、コード内部にゴムを均一に入れることが難し
く、逆に0.85%を超えるとフィラメントが完全に離
散した部分が発生し易く、圧縮を受けた時に歪みが不均
一となり疲労耐久性が低下するので好ましくない。
方向と直交するスチールコード断面におけるコードの長
径と短径の比)が1.2未満ではコード長手方向のコー
ド径に太い部分と細い部分が周期的にでき、疲労性が低
下し、扁平率が2.0を超えると過度の扁平化によりや
はり疲労性が低下するため、扁平率は1.2〜2.0で
なければならない。好ましくは、扁平率は1.3以上が
好ましい。コードの5Kgf 荷重時の伸びが0.30%未
満では、コード内部にゴムを均一に入れることが難し
く、逆に0.85%を超えるとフィラメントが完全に離
散した部分が発生し易く、圧縮を受けた時に歪みが不均
一となり疲労耐久性が低下するので好ましくない。
【0013】本発明の1×6扁平コード構造は、コード
の扁平率が1.2〜2.0と扁平のため長径と短径が異
なる。図1に示すように、この扁平スチールコード1を
図1に示すように、長軸方向(図の一点破線参照)がベ
ルト2の幅方向に一致するように配置すると、コード/
コード間隔tが小さくなりベルトエッジセパレーション
を発生し易い場合がある。そこで、図2に示すように、
ベルト2中でのコード1の長軸方向(図の一点破線参
照)を適度に分散させると、長軸端での歪みが緩和さ
れ、ベルトエッジセパレーションの抑制に効果がある。
この目的を満たすには、ベルト2中でのコード1の長軸
方向とベルト幅方向のなす角が絶対値の平均(時計回
り、反時計回りを問わないの意味)で10°以上に分散
していると効果がある。
の扁平率が1.2〜2.0と扁平のため長径と短径が異
なる。図1に示すように、この扁平スチールコード1を
図1に示すように、長軸方向(図の一点破線参照)がベ
ルト2の幅方向に一致するように配置すると、コード/
コード間隔tが小さくなりベルトエッジセパレーション
を発生し易い場合がある。そこで、図2に示すように、
ベルト2中でのコード1の長軸方向(図の一点破線参
照)を適度に分散させると、長軸端での歪みが緩和さ
れ、ベルトエッジセパレーションの抑制に効果がある。
この目的を満たすには、ベルト2中でのコード1の長軸
方向とベルト幅方向のなす角が絶対値の平均(時計回
り、反時計回りを問わないの意味)で10°以上に分散
していると効果がある。
【0014】1×6のコード構造で3+6のコード構造
相当の強度を得るためには、素線径を太くする必要があ
るが、素線径を太くし過ぎるとコード重量が増加するた
め、素線の引張り強さを290Kgf/mm2 以上にする必要
がある。本発明に従ったラジアルタイヤはシャルピー衝
撃吸収量/切断荷重が0.28d+0.05(ここでd
は素線径)以上であるのが好ましい。これはシャルピー
衝撃吸収量/切断荷重が0.28d+0.05(ここで
dは素線径)以上になると、タイヤとしての耐衝撃性の
改善効果が著しいからである。この比の上限は特にな
く、高い程好ましい。なお、1×6コード構造及び3+
6コード構造におけるシャルピー衝撃吸収量/コード切
断荷重と素線径との関係は図3のグラフ図に示すとおり
である。図3において、2本の1点鎖線の間が1×6コ
ード構造の範囲であり、2本の実線の間が3+6コード
構造の範囲である。
相当の強度を得るためには、素線径を太くする必要があ
るが、素線径を太くし過ぎるとコード重量が増加するた
め、素線の引張り強さを290Kgf/mm2 以上にする必要
がある。本発明に従ったラジアルタイヤはシャルピー衝
撃吸収量/切断荷重が0.28d+0.05(ここでd
は素線径)以上であるのが好ましい。これはシャルピー
衝撃吸収量/切断荷重が0.28d+0.05(ここで
dは素線径)以上になると、タイヤとしての耐衝撃性の
改善効果が著しいからである。この比の上限は特にな
く、高い程好ましい。なお、1×6コード構造及び3+
6コード構造におけるシャルピー衝撃吸収量/コード切
断荷重と素線径との関係は図3のグラフ図に示すとおり
である。図3において、2本の1点鎖線の間が1×6コ
ード構造の範囲であり、2本の実線の間が3+6コード
構造の範囲である。
【0015】本発明に係る空気入りラジアルタイヤに用
いられるコードのスチールワイヤの線材材質は特に限定
されるものではないが、炭素量が0.77重量%未満で
は所定の引張り強さを得るのが難しいため、炭素量は
0.77重量%以上、更に好ましくは0.80重量%以
上が好適である。なお炭素量が1重量%を超えると、素
線が脆くなり、工業的な製造が難しい。
いられるコードのスチールワイヤの線材材質は特に限定
されるものではないが、炭素量が0.77重量%未満で
は所定の引張り強さを得るのが難しいため、炭素量は
0.77重量%以上、更に好ましくは0.80重量%以
上が好適である。なお炭素量が1重量%を超えると、素
線が脆くなり、工業的な製造が難しい。
【0016】ベルト層を構造するコートゴムの厚さは限
定されるものではないが、短径の2.0倍以上で、長径
の1.8倍以下が好ましい。短径の2倍未満では、コー
ドの長軸がベルト厚み方向に配向した際に、上下のコー
ド間隔が小さくなり、セパレーションを発生し易い。長
径の1.8倍を超えると、ベルト層間の距離が大きくな
りすぎ、ベルト剛性が低下して、操縦安定性が低下する
傾向にあるので好ましくない。
定されるものではないが、短径の2.0倍以上で、長径
の1.8倍以下が好ましい。短径の2倍未満では、コー
ドの長軸がベルト厚み方向に配向した際に、上下のコー
ド間隔が小さくなり、セパレーションを発生し易い。長
径の1.8倍を超えると、ベルト層間の距離が大きくな
りすぎ、ベルト剛性が低下して、操縦安定性が低下する
傾向にあるので好ましくない。
【0017】
【実施例】以下、実施例及び比較例に従って本発明を更
に詳しく説明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実
施例に限定するものでないことは言うまでもない。
に詳しく説明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実
施例に限定するものでないことは言うまでもない。
【0018】実施例1〜3並びに比較例1及び対照例1
〜2 表1に示すコード構造のスチールコードを作成し、表に
示すような構成のベルト層を用い、コード構造3+9+
15×0.175+1×0.15で打込み数28のスチ
ールコードを用いた共通のカーカス層と組み合わせてサ
イズが同じ1000R20 14PRタイヤを製作し
た。これらのタイヤにつき、JIS 100%荷重で悪
路10万km走行後の4番ベルトのワイヤの折れを目視観
測し、結果を表1に示した。なお、シャルピー衝撃吸収
量はJIS Z2242に準拠して測定した。
〜2 表1に示すコード構造のスチールコードを作成し、表に
示すような構成のベルト層を用い、コード構造3+9+
15×0.175+1×0.15で打込み数28のスチ
ールコードを用いた共通のカーカス層と組み合わせてサ
イズが同じ1000R20 14PRタイヤを製作し
た。これらのタイヤにつき、JIS 100%荷重で悪
路10万km走行後の4番ベルトのワイヤの折れを目視観
測し、結果を表1に示した。なお、シャルピー衝撃吸収
量はJIS Z2242に準拠して測定した。
【0019】
【表1】
【0020】表1において、1×6×0.37の素線の
引張り強さは295Kgf/mm2 であり、コードの5Kgf 荷
重時の伸びは0.40%である。
引張り強さは295Kgf/mm2 であり、コードの5Kgf 荷
重時の伸びは0.40%である。
【0021】表1において、対照例1は1B=16,2
B=22,3B=22,4B=20の打ち込み数/50
mmであり、対照例2並びに比較例1及び実施例1〜3は
1B=16,2B=27,3B=27,4B=20の打
ち込み数/50mmとした。対照例1〜2は従来の典型例
で、対照例1は4番ベルト(4B)に高伸度ワイヤを使
用したものである。
B=22,3B=22,4B=20の打ち込み数/50
mmであり、対照例2並びに比較例1及び実施例1〜3は
1B=16,2B=27,3B=27,4B=20の打
ち込み数/50mmとした。対照例1〜2は従来の典型例
で、対照例1は4番ベルト(4B)に高伸度ワイヤを使
用したものである。
【0022】悪路走行後の試験結果は、悪路10万km走
行後、タイヤを解体して4Bワイヤの折れを下記基準で
目視観察した。 ◎:折れなし ○:多少折れが認められるが実用上問題なし ×:折れ本数非常に多い
行後、タイヤを解体して4Bワイヤの折れを下記基準で
目視観察した。 ◎:折れなし ○:多少折れが認められるが実用上問題なし ×:折れ本数非常に多い
【0023】実施例3〜5(シャルピー衝撃値/切断荷
重とワイヤ折れとの関係) 前記実施例3のコード構造において、シャルピー衝撃吸
収量/切断荷重の異なるワイヤを用いて実施例3と同様
に悪路走行試験を行った。結果は表2に示す。
重とワイヤ折れとの関係) 前記実施例3のコード構造において、シャルピー衝撃吸
収量/切断荷重の異なるワイヤを用いて実施例3と同様
に悪路走行試験を行った。結果は表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】実施例6〜7及び比較例2 前記実施例3のコード構造において、1番ベルト(1×
6×0.37、打ち込み本数16、扁平率1.6)、2
番ベルト(1×6×0.37、打ち込み本数26、扁平
率1.6)、3番ベルト(1×6×0.37、打ち込み
本数27、扁平率1.6)及び4番ベルト(1×6×
0.37、打ち込み本数20、扁平率1.6)として、
表3に示すように平均配向度を変えてエッジセパレーシ
ョンを評価した。結果は表3に示す。
6×0.37、打ち込み本数16、扁平率1.6)、2
番ベルト(1×6×0.37、打ち込み本数26、扁平
率1.6)、3番ベルト(1×6×0.37、打ち込み
本数27、扁平率1.6)及び4番ベルト(1×6×
0.37、打ち込み本数20、扁平率1.6)として、
表3に示すように平均配向度を変えてエッジセパレーシ
ョンを評価した。結果は表3に示す。
【0026】
【表3】
【0027】表3においてエッジセパレーションは以下
の通りにして評価した。悪路10万km走行後、タイヤの
トレッドを最外ベルト層の上で剥ぎ、更に、2番・3番
ベルト層のコード端を露出させ、亀裂の入っている長さ
を測定した。従来タイヤと同等もしくは同等以上のもの
を良、従来タイヤ以下のものを悪とした。
の通りにして評価した。悪路10万km走行後、タイヤの
トレッドを最外ベルト層の上で剥ぎ、更に、2番・3番
ベルト層のコード端を露出させ、亀裂の入っている長さ
を測定した。従来タイヤと同等もしくは同等以上のもの
を良、従来タイヤ以下のものを悪とした。
【0028】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に従えば、耐
衝撃性に優れた1×6扁平コード構造を少なくとも2、
3番ベルトに用いることにより、最外層ベルト層に高伸
度ワイヤを用いない場合でも、高い耐衝撃性を付与する
ことができ、又、ゴム浸透性にも優れているため、耐錆
性をも向上できる。更に、ベルト中でのコードの長軸方
向を適度に分散させることでベルトエッジセパレーショ
ンを効果的に抑制することができる。
衝撃性に優れた1×6扁平コード構造を少なくとも2、
3番ベルトに用いることにより、最外層ベルト層に高伸
度ワイヤを用いない場合でも、高い耐衝撃性を付与する
ことができ、又、ゴム浸透性にも優れているため、耐錆
性をも向上できる。更に、ベルト中でのコードの長軸方
向を適度に分散させることでベルトエッジセパレーショ
ンを効果的に抑制することができる。
【図1】従来例におけるベルト層での扁平コードの配置
を示す説明図である。
を示す説明図である。
【図2】本発明におけるベルト層での扁平コードの配置
の一例を示す説明図である。
の一例を示す説明図である。
【図3】1×6のコード構造及び3+6のコード構造に
おけるシャルピー衝撃吸収量/コード切断荷重と素線径
との関係を示すグラフ図である。
おけるシャルピー衝撃吸収量/コード切断荷重と素線径
との関係を示すグラフ図である。
1…コード 2…ベルト層 t…コード間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60C 9/00 - 9/20 D07B 1/06
Claims (1)
- 【請求項1】 素線径が0.25〜0.40mm、素線の
引張り強さが290Kgf/mm2 以上で、シャルピー衝撃吸
収量/切断荷重比が0.28d+0.05(ここでdは
素線径)以上である1×6構造のスチールコードであっ
て、ベルト層中における扁平スチールコードの長径方向
がベルト幅方向に対する絶対値の平均で10°以上であ
り、スチールコード長手方向と直交するスチールコード
断面におけるコードの長径と短径の比が1.2〜2.0
の範囲にあり、且つコードの5Kgf 荷重時の伸びが0.
30〜0.85%であるスチールコードをカーカス層側
から数えて、少なくとも2番目及び3番目のベルト層に
使用してなる重荷重用空気入りラジアルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5262519A JP2904688B2 (ja) | 1993-10-20 | 1993-10-20 | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5262519A JP2904688B2 (ja) | 1993-10-20 | 1993-10-20 | 重荷重用空気入りラジアルタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07117406A JPH07117406A (ja) | 1995-05-09 |
JP2904688B2 true JP2904688B2 (ja) | 1999-06-14 |
Family
ID=17376939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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