JP3349446B2 - 金属コード及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
金属コード及びそれを用いた空気入りタイヤInfo
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Description
クト化しつつフィラメント内へのゴム浸透性を高めうる
ゴム補強用の金属コード及びそれを用いた空気入りタイ
ヤに関する。
のゴム材料、例えば空気入りタイヤのベルト層には、複
数本の金属フィラメントを撚り合わせた金属コードが多
用されている。このような金属コードとしては、例えば
図10に示すように金属フィラメントf、f間に隙間を
形成することなく撚り合わせたコンパクトコードaなど
が使用されている。
では、各フィラメントf、fには表面メッキ処理が施さ
れているとはいえ、フィラメントf、f間にゴムが浸透
し得ない空間が形成されるため、水分の影響によりコー
ド内での錆の発生ないし広がりが生じ、コードとゴムの
接着力の低下や、コードの強度の低下、さらにはコード
の破断をきたす等の問題点があった。
善するために、図11に示すように、金属フィラメント
f、f間に隙間が発生する様に撚り合わせたいわゆるオ
ープンコードbや、図12に示すように、3次元のスパ
イラル状の型付けをした型付けフィラメントf1と、非
型付けフィラメントf2とを撚り合わせることによっ
て、金属フィラメント間に隙間を形成して、コード内部
にゴムの浸透性を高めた金属コードcなどが提案されて
いる。
たコードb、cでは、充分なゴムの浸透性を確保するた
めには、おのずとコード径が大きくなるという不具合が
ある。
れたもので、2種類以上が含まれる2〜3本の型付けフ
ィラメントを束ねかつ比較的長いピッチで捻ることによ
りフィラメント束を複数本構成するとともに、これらの
フィラメント束を所定の最終撚りピッチで捻りながら撚
り合わせることを基本として、コード径をコンパクト化
しつつフィラメント間へのゴムの浸入性を確保しうる金
属コード及びそれを用いた空気入りタイヤを提供するこ
とを目的としている。
ントに施された型付けの波高さ、波ピッチなどをフィラ
メントの線径に対して特定範囲に限定することにより、
最終的に撚り合わされたコードの強度低下とゴム浸入性
を両立させることも目的としている。
載の発明は、線径dが0.30〜0.45mmであるn本
(n=8,9,10)の金属フィラメントから構成さ
れ、前記全ての金属フィラメントは、撚り合わされる前
の状態で、波の山部と谷部との間に直線部を有する2次
元の波状に型付けされた型付けフィラメントからなり、
かつ型付けフィラメントは、少なくとも前記波ピッチP
wが異なる2種類以上の型付けフィラメントを含む一
方、種類が異なるフィラメント毎の前記型付けの波ピッ
チPw、波高さhを同一とし、しかも前記型付けフィラ
メントの前記線径d、型付けの波ピッチPw、波高さh
は下記式〜の関係を満足するとともに、 5.0d≦Pw≦30.0d … 0.2d≦h≦3.0d … 0.014≦d×h/Pw≦0.028 … Pw:型付けフィラメントの波ピッチ(mm) h :型付けフィラメントの波高さ(mm) d :型付けフィラメントの線径(mm) 2種類以上が含まれる2〜3本の前記型付けフィラメン
トを束ねかつ最終の撚りピッチPcの3〜20倍のピッ
チPfで捻られることによりフィラメント束の複数本を
構成するとともに、このフィラメント束を以下のi)〜
vi)の組合せで撚り合わせ、かつ前記撚りピッチPcを
10〜40mmとしてなる金属コードである。 n=8のとき i) 2本の互いに異なる型付けフィラメントからなる
2本フィラメント束を4本 ii) 2本の同じ型付けフィラメントと1本の異なるピ
ッチの型付けフィラメントからなる3本フィラメント束
の2本、及び2本の互いに異なる型付けフィラメントか
らなる2本フィラメント束を1本 n=9のとき iii) 2本の互いに異なる型付けフィラメントからなる
2本フィラメント束を3本、及び2本の同じ型付けフィ
ラメントと、1本の異なるピッチの型付けフィラメント
からなる3本フィラメント束の1本 iv) 2本の同じ型付けフィラメントと、1本の異なる
ピッチの型付けフィラメントからなる3本フィラメント
束の3本、 n=10のとき v) 2本の互いに異なる型付けフィラメントからなる
2本フィラメント束を5本 vi) 2本の同じ型付けフィラメントと1本の異なるピ
ッチの型付けフィラメントからなる3本フィラメント束
の2本、及び2本の互いに異なる型付けフィラメントか
らなる2本フィラメント束を2本
ント束は、捻りながら前記撚り合わされることを特徴と
する請求項1記載の金属コードである。
フィラメント束は、その中に3本の型付けフィラメント
からなる3本フィラメント束を少なくとも2本以上含む
ことを特徴とする請求項1又は2記載の金属コードであ
る。
求項1乃至3のいずれか1記載の金属コードを用いたこ
とを特徴とする空気入りタイヤである。
面に基づき説明する。本実施形態では、空気入りラジア
ルタイヤのベルト層に用いられるタイヤ補強用の金属コ
ードを例示しており、該金属コードは、線径dが0.3
0〜0.45mmである8〜10本の金属フィラメントか
ら構成される。
に用いられた金属コードとしては、例えば1×5、1×
4、2+2構成のものが多く、またトラック、バスなど
に使用される重荷重用ラジアルタイヤのベルト層に用い
られている金属コードとしては、3+6構成(トータル
フィラメント本数9本、2種類のフィラメントの線径を
含む)、2+7構成(トータルフィラメント本数9本、
フィラメントの線径1種類)、3+9+15構成(トー
タルフィラメント本数27本、フィラメントの線径1種
類)等が多く使用されてきた。
の本数を減らすことは、コード製造時のコストや生産性
の面で有利である。またコードの性能面でも、フィラメ
ント本数が少ない方がゴムのコード内部への浸透度を上
げやすいという利点がある。
アルタイヤのベルト層に多用されている前記3+9+1
5構成(フィラメント合計27本)の金属コードの代替
となり、フィラメント本数を減じたものとして特に好ま
しく実施しうるよう、線径dを0.30〜0.45mmと
した金属フィラメントを8〜10本(本数をnとすると
き、n=8、9,又は10本)を用いて構成している。
30mm未満の場合、例えば8〜10本のフィラメント本
数では重荷重用ラジアルタイヤのベルト層の補強コード
材として必要な剛性を得ることが難しくなり、かつ後述
のようにフィラメントに波状の型付けを行ってもコード
に撚る前に付けた型付けが撚り時に元に戻りやすく、ゴ
ム浸透性が不充分になりやすい。逆に線径dが0.45
mmを超える場合には、波状の型付けを施した際の歪みが
大きくなりすぎてフィラメントの強度の低下が大きく、
タイヤ製造時に必要となるコードのしなやかさも得られ
ない。
又は樹脂など各種のメッキが施されているものが好まし
く、また本実施形態ではコードを構成する全てのフィラ
メントが同じ線径からなるものを例示している。
全ての金属フィラメント2は、撚り合わせる前の状態
で、波の山部Uと谷部Dとの間に直線部3を有する2次
元の波状に型付けされた型付けフィラメント2A1、…
2An(以下単に総称するときなど「型付けフィラメン
ト2A」ということがある。)から構成される。
前記波ピッチPwが異なる2種類以上、本例では2種類
の型付けフィラメント2A1、2Anを含むものを例示
している。ただし、種類が異なるフィラメント毎の前記
型付けの波ピッチPw、波高さhは実質的に同一として
いる。なお波ピッチPw、波高さhは、図1に示すよう
に測定する。
付けフィラメント2Aから構成した理由は、一部の金属
フィラメント2のみに型付けを行った場合には、型付け
がなされていない非型付けフィラメントに、より多くの
荷重が作用しコード全体の強度を低下させる不具合が生
じるからである。
の型付けを直線部3を有する2次元の波状に限定するこ
とによって、フィラメント間に隙間を形成するのが容易
となり、例えば3次元のスパイラル状に型付けされたも
のに比して、型付けされた波の高さhなどが比較的小さ
くてもコード内部へのゴムの浸透性を十分に確保しう
る。また多数本のフィラメントを有する場合であって
も、コード径をコンパクトとしつつもゴム浸透性を高め
うる。なお型付けの波状に前記直線部3が含まれていな
いとコード内部へのゴムの浸透性が低下し所期の目的を
達成し得ない。
とも前記波ピッチPwが異なる2種以上のフィラメント
を含まないと、8〜10本という比較的多数本の金属フ
ィラメントを撚り合わせる場合には、図9に示すように
例えば型付けフィラメント2A1、2A1の前記型付け
の波の直線部3などが互いに重なりやすくなり、ゴムの
浸透率を低下させるため好ましくない。
すように、2種類以上が含まれる2〜3本の前記型付け
フィラメント2Aを束ねかつ最終の撚りピッチPcの3
〜20倍のピッチPfで捻ることによりフィラメント束
4の複数本を構成するとともに、このフィラメント束4
を本例では捻りながら、かつ10〜40mmの撚りピッチ
Pcで撚り合わせて形成することを特徴の一つとしてい
る。
種類以上が含まれる型付けフィラメント2Aを2〜3本
に束ねて最終の撚りピッチPcの3〜20倍という比較
的長いピッチPfで軽く捻って束ねておくことにより、
例えば図3に示すように該型付けフィラメント2An、
2An、2A1の型付けの波が重なり合うのを効果的に
防止でき、かつフィラメント間に隙間5を多く形成で
き、内部へのゴムの浸透性を高めうる金属コード1が得
られる。また、本例のように、フィラメント束4を、捻
りながら前記撚り合わせた場合には、コード径をよりコ
ンパクト化しつつコード内部へのゴムの浸透性をより高
めうる点で好ましい。
前記フィラメント束4を構成すると、図9に示したよう
に型付けフィラメント2A同士の型付けの波が重なり易
くなり、該重なり合う型付けフィラメント2Aの直線部
3にてゴムの浸透しない閉空間が形成される傾向がある
などゴムの浸透率が低下する。またフィラメント束4
が、1種類の型付けフィラメント2Aからなる場合にも
これと同様の不具合を生じる。
際の前記ピッチPfが、最終の撚りピッチPcの3倍未
満であると、フィラメント束4に形成される隙間5が少
なくなりゴム浸透率を低下させ、逆に20倍を超える
と、フィラメント束4を形成しても型付けフィラメント
2A、2A同士の型付けの波が重なり易くなる。
〜10本使用するため、前記フィラメント束4の本数構
成は、例えば図4〜6に示すようになる。図4には8本
の型付けフィラメントを用いた例であり、同図(A)で
は、型付けフィラメント2A1、2Anを1本ずつ束ね
た2本フィラメント束4Aを4本含んでいる。
メント2A1の1本と、前記フィラメントとは波ピッチ
が異なる型付けフィラメント2Anの2本とを束ねた3
本フィラメント束4Bを2本含むとともに、前記2本フ
ィラメント束4Aを1本含んでいる。即ち、n=8のと
き、2本の互いに異なる型付けフィラメントからなる2
本フィラメント束を4本、又は2本の同じ型付けフィラ
メントと1本の異なるピッチの型付けフィラメントから
なる3本フィラメント束の2本、及び2本の互いに異な
る型付けフィラメントからなる2本フィラメント束を1
本を撚り合わせる。
用いた例であり、同図(A)では、3本フィラメント束
4Bの1本と、2本フィラメント束4Aの3本とから構
成している。また図5(B)では、3本フィラメント束
4Bの3本を含んでいる。即ち、n=9のとき、2本の
互いに異なる型付けフィラメントからなる2本フィラメ
ント束を3本、及び2本の同じ型付けフィラメントと、
1本の異なるピッチの型付けフィラメントからなる3本
フィラメント束の1本、又は2本の同じ型付けフィラメ
ントと、1本の異なるピッチの型付けフィラメントから
なる3本フィラメント束の3本を撚り合わせる。
いた例であり、同図(A)では、2本フィラメント束4
Aの5本のみから構成している。また図6(B)では、
3本フィラメント束4Bの2本を含むとともに、2本フ
ィラメント束4Aの2本を含むものを例示している。即
ち、n=10のとき、2本の互いに異なる型付けフィラ
メントからなる2本フィラメント束を5本、又は2本の
同じ型付けフィラメントと1本の異なるピッチの型付け
フィラメントからなる3本フィラメント束の2本、及び
2本の互いに異なる型付けフィラメントからなる2本フ
ィラメント束を2本を撚り合わせる。なお各フィラメン
ト束4においては、図示の例以外にも型付けフィラメン
ト2A1と2Anの本数比を変えることは勿論差し支え
ない。
成する場合、図4〜図6の各(B)に示すように、その
中に3本の型付けフィラメント2Aからなる前記3本フ
ィラメント束4Bを少なくとも2本以上含むことが特に
好ましく、これによって、特に型付けフィラメント2A
の型付けの波が重なり合うのを効果的に防止し、フィラ
メント間により多くの隙間を形成しうる点で好ましい。
ト束4A又は4Bを捻りながら撚り合わせて形成された
9本の金属フィラメントからなる金属コード1の断面図
を示し、同図(b)には、8本の金属フィラメントから
なる金属コード1の断面図を示している。
ながら撚り合わせるとともに、波状の型付けの形状を限
定することにより、本実施例ではコード径をよりコンパ
クト化しつつ効率良くゴムの浸透率を大きくできる。ま
た本発明の金属コード1は、ゴム浸透率を大きく確保す
る為に短い撚りピッチにする必要は無く、10mm〜40
mmというフィラメントの線径dに比して比較的長い撚り
ピッチを採用することができ、ひいてはコードの生産性
をも向上しうる点で好ましい。
ィラメント束4を形成する為の捻る方向と、最終の撚り
方向とを同一方向としているが、これらを逆方向として
も所期の目的を達成しうる。
された線径dを有しかつ特定本数の型付けフィラメント
2Aを含むコードを製造する場合には前記型付けフィラ
メント2の前記線径d、型付けの波ピッチPw、波高さ
hは下記式〜の関係を満足することが重要であるこ
とを見出した。 5.0d≦Pw≦30.0d … 0.2d≦h≦3.0d … 0.014≦d×h/Pw≦0.028 … Pw:型付けフィラメントの波ピッチ(mm) h :型付けフィラメントの波高さ(mm) d :型付けフィラメントの線径(mm)
付けフィラメント2の線径dの5.0倍未満になると、
波ピッチが小さくなりすぎ、その型付け加工により型付
けフィラメント2Aが受けるダメージが大きくフィラメ
ントの強度低下の原因となる。逆に30倍を超えると、
波ピッチが小さくなりすぎ、ゴムの浸透率が低下する。
ラメント2の線径dの0.2倍未満になると、ゴム浸透
率を大とするのが困難となり、逆に3.0倍を超える
と、その型付け加工により型付けフィラメント2Aが受
けるダメージが大きくフィラメントの強度低下の原因と
なる。
に、d×h/Pwを種々変化させてコードの強度低下率
(%)とゴム浸透率(%)との関係を調べたところ、d
×h/Pwを0.014〜0.028の範囲に限定する
ことにより、顕著な効果が発揮されることを見出した。
ム浸透率(%)、前記パラメータd×h/Pwの関係を
示している。この図から明らかなように、d×h/Pw
が大きくなるとコードの強度低下率が大きく性能が悪化
する反面、ゴムの浸透率が向上することが判る。そこ
で、本発明では前記d×h/Pwの取りうる範囲を0.
014〜0.028、より好ましくは0.020〜0.
025の範囲に限定することにより、コードの強度低下
率を許容範囲内に抑え、かつ同時にゴムの浸透率を高め
ている。なお、ここでいう強度低下率(%)、ゴム浸透
率(%)は実施例(後述)での定義に従っている。
素含有量が0.65〜0.88wt%の硬鋼線材を用い
るのが好ましい。金属フィラメント2の炭素含有量が
0.65%を下回ると、フィラメントの強度が低下する
傾向があり、逆に0.88wt%を超えるとフィラメン
トの硬度が高すぎて型付けの際に強度低下が大きくなる
傾向がある。
等間隔で並列してトッピングゴムなどにより被覆されて
ゴム引きプライとなり、ラジアル構造カーカスの外側を
タガ締めするタイヤのベルト層に使用される。この際、
コードの長手方向と直角な方向のプライの単位長さ当た
りに含まれる金属コードの本数をタイヤの仕様に応じて
種々設定しうる。
ド本数が少なすぎると、タイヤに使用した際に加硫成形
時などにコード間隔が不均一になるなどコード配列に乱
れが生じやすく、逆にコードの間隔が小さくなりすぎる
とタイヤの走行により隣り合うコード間のゴムに発生す
る歪みが大きくなり、ゴム層内に亀裂が発生するなどタ
イヤの耐久性能の低下につながる。
ドを試作してこの金属コードの特性及び該金属コードを
タイヤのベルト層として用いたときのタイヤ性能につい
て比較評価を行った。なお表中の用語の定義は次の通り
である。
組成が同一)の材料かつ同じ本数の金属フィラメントを
使い、本発明の金属コードの最終の撚りピッチと同じ撚
りピッチで撚ったコンパクト構造のコード(以下、「比
較対象コード」という)に対する強度の低下率であり、
タイヤに使用する前の状態で測定したものである。数値
が小さいほど強度の低下が少なく良好である。
ベルト層を具えるタイヤを製造し、そのタイヤから金属
コードをトッピングゴムが付着した状態で取出す。この
ゴム付きコードの表面からできる限りゴムを除去した
後、断面からナイフを入れて8〜10本のフィラメント
の内、隣り合う2本のフィラメントを除去し、除去され
た2本のフィラメントと残りのフィラメントの束との間
に形成されている空隙にゴムが完全に充填されている部
分の長さを約10cmにわたり測定し、ゴムが充填されて
いる部分の長さの全長さに対する比率をもってゴムの浸
透率とする。上記測定を10本のコードについて行い、
平均値をもってそのコードの測定値とする。
の「V−5剛性試験機」を用いて金属コードの曲げ剛性
を測定した。
万km走行させた後、タイヤを解体して金属コードの錆
の発生状況を観察して比較対象コードと100とする指
数で表示している。数値が小さいほど錆の発生が少なく
良好である。
20万km走行させた後、タイヤを解体して金属コード
を取り出し、走行前のコードの強度を100とする指数
で表示している。数値が大きいほど良好である。テスト
の結果を表1に示す。
も線径dが0.38mmの9本の金属フィラメントからな
るコードであり、フィラメント束を形成する際の前記ピ
ッチPfは、比較例6、7、実施例2、3を除いて18
0mm(最終の撚りピッチPcの10倍)に統一し、フィ
ラメント束を形成する際の捻り方向と最終の撚り方向は
同一とした。
ード)、比較例2は全てのフィラメントが型付けされて
いないもの、比較例3は型付けが3次元のスパイラル状
をなすもの、比較例4は型付けフィラメントが1種類で
あり、フィラメント束を形成することなく撚り合わせた
もの、比較例5はd×h/Pwが0.028を超えるも
の、比較例6ないし7は最終の撚りピッチが規定範囲外
のもの、比較例8ないし9はd×h/Pwが規定範囲外
のもの、比較例10ないし11は、波高さが規定範囲外
のものである。
を例えば1.41〜1.45mmの範囲として比較例2
(スパイラル波)に比べてもコンパクト化していること
が確認できた。また、コードの強度、強度低下率、荷重
時伸度(50N時)、コードの曲げ剛性などが比較例1
のコンパクトコードに比較しても遜色無く、良好なコー
ド特性を発揮していることが確認できる。
クト化しつつも、ゴムの浸透率が90%以上確保されて
おり、タイヤでの錆の発生率も非常に低くきわめて良好
である。
ラメントに型付けがなされていなかったり、或いはなさ
れていても1種類だけであると、ゴムの浸透率は低下す
る。また比較例5、8、9のように、d×h/Pwが規
定範囲外であると、強度低下率とゴムの浸透率とを両立
できない。
りピッチが規定範囲外になると、荷重時伸度が大きすぎ
たり或いは小さすぎたりして、例えばタイヤの形状保持
性を損なうという不具合がある。
ラメントの線径と波高さhとの関係が本発明の範囲から
外れるとゴムの浸透率又は強度低下率で不具合を生じ
る。
0.30mmかつ9本用いたもの、実施例9は金属フィラ
メントの線径が0.45mmかつ9本用いたもの、実施例
10は金属フィラメントの線径が0.38mmかつ8本用
いたものでフィラメント束が2本フィラメント束と3本
フィラメント束からなるもの、実施例11は金属フィラ
メントの線径が0.30mmかつ10本用いたものであ
る。いずれの実施例もコード径のコンパクト化を図りつ
つも良好なゴム浸透率、強度保持率を具えている。
フィラメントを採用しているが、線径dが異なる複数種
類のフィラメントを混在させても良い。
の金属コードは、コード径をコンパクト化しつつもコー
ド内部へのゴム浸透度を高めることができ、コード内部
での錆の発生を大幅に減じ、耐久性を向上しうる。また
コードの強度、強度低下率、荷重時伸度(50N時)、
コードの曲げ剛性についてもコンパクトコードと遜色の
ない良好な特性を発揮しうる。また、フィラメント束
を、捻りながら撚り合わせた場合には、コード径をより
コンパクト化しつつコード内部へのゴムの浸透性をさら
に高めうる点で好ましい。
ィラメント束は、その中に3本の型付けフィラメントか
らなる3本フィラメント束を少なくとも2本以上含むこ
とによって、さらにフィラメント間に多くの隙間を形成
でき、ゴムの浸透性を高め、コード耐久性をより一層向
上しうる。
ルト層に前記金属コードを用いることによって、該金属
コードのタイヤ内部で錆の発生を抑制でき、コードの強
度低下や破断などを効果的に防止し、タイヤの耐久性、
形状保持性などを向上しうる。
示す平面図である。
る。
る場合のフィラメント束を例示する断面図である。
る場合のフィラメント束を例示する断面図である。
なる場合のフィラメント束を例示する断面図である。
ードの一例を示す断面図、 (b)は、8本のフィラメ
ントからなる金属コードの一例を示す断面図である。
Pwの関係を示すグラフである。
面図である。
ードの断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】線径dが0.30〜0.45mmであるn本
(n=8,9,10)の金属フィラメントから構成さ
れ、 前記全ての金属フィラメントは、撚り合わされる前の状
態で、波の山部と谷部との間に直線部を有する2次元の
波状に型付けされた型付けフィラメントからなり、 かつ型付けフィラメントは、少なくとも前記波ピッチP
wが異なる2種類以上の型付けフィラメントを含む一
方、種類が異なるフィラメント毎の前記型付けの波ピッ
チPw、波高さhを同一とし、 しかも前記型付けフィラメントの前記線径d、型付けの
波ピッチPw、波高さhは下記式〜の関係を満足す
るとともに、 5.0d≦Pw≦30.0d … 0.2d≦h≦3.0d … 0.014≦d×h/Pw≦0.028 … Pw:型付けフィラメントの波ピッチ(mm) h :型付けフィラメントの波高さ(mm) d :型付けフィラメントの線径(mm) 2種類以上が含まれる2〜3本の前記型付けフィラメン
トを束ねかつ最終の撚りピッチPcの3〜20倍のピッ
チPfで捻られることによりフィラメント束の複数本を
構成するとともに、このフィラメント束を以下の i)〜vi)の組合せで撚り
合わせ、かつ前記撚りピッチPcを10〜40mmとして
なる金属コード。n=8のとき i) 2本の互いに異なる型付けフィラメントからなる
2本フィラメント束を4本 ii) 2本の同じ型付けフィラメントと1本の異なるピ
ッチの型付けフィラメントからなる3本フィラメント束
の2本、及び2本の互いに異なる型付けフィラメントか
らなる2本フィラメント束を1本 n=9のとき iii) 2本の互いに異なる型付けフィラメントからなる
2本フィラメント束を3本、及び2本の同じ型付けフィ
ラメントと、1本の異なるピッチの型付けフィラメント
からなる3本フィラメント束の1本 iv) 2本の同じ型付けフィラメントと、1本の異なる
ピッチの型付けフィラメントからなる3本フィラメント
束の3本、 n=10のとき v) 2本の互いに異なる型付けフィラメントからなる
2本フィラメント束を5本 vi) 2本の同じ型付けフィラメントと1本の異なるピ
ッチの型付けフィラメントからなる3本フィラメント束
の2本、及び2本の互いに異なる型付けフィラメントか
らなる2本フィラメント束を2本
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