JP2833234B2 - 用紙反転装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機やプリンター等
の画像形成装置において、コピーとして作成された用紙
を、反転排出するための装置に関し、特に、反転路内で
用紙に斜め送り等の状態が発生し、その後の用紙の搬送
に支障が生じないようにする装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】複写機やプリンター等の画像形成装置に
おいては、例えば、裏面複写が可能な装置では、該装置
の用紙搬送路の途中に用紙反転機構を設け、片面コピー
として作成した用紙を反転させて、再び画像記録部に向
けて送り出し、裏面にも複写を行い得るように構成して
いる。また、コピーとして作成された用紙を、反転させ
て排出する機構を、排出路の途中の部分に設ける場合が
ある。前記反転排出機構を用いることは、コピーの頁を
揃えたり、コピー面を任意の方向に向けた状態で排出ト
レイに収容させる場合に用いられる。

【０００３】例えば、実開昭６３−３７６６７号公報等
に示される従来例では、用紙搬送路の途中の部分にイン
バータシュートを設け、前記シュートによりコピーを反
転させるような手段が用いられている。また、前記従来
例では、反転用のシュートの入り口の部分にトリロール
装置を配置するとともに、シュートの途中の部分に反転
ローラを設けている。そして、前記シュートに対して、
トリロール装置の一方のローラによるニップ部分を介し
て用紙の挿入し、他方のローラによる送り出し部分を介
して、用紙の送り出し作用を行うとともに、シュート内
の用紙に対して、反転ローラを用いて用紙をシュートか
ら排出させる方向に付勢させるようにしている。

【０００４】前記従来例に示される装置においては、反
転ローラ装置を付勢手段を介して設けており、用紙をシ
ュート内に挿入する作用によって、前記反転ローラ装置
の付勢手段に設けたスプリングに力を蓄積させるように
している。そして、用紙を送り出す際に、前記スプリン
グによる押し出し作用により、用紙を反転状態で送り出
すことができるようにし、前記シュートからの用紙の送
り出しの作用を正確に行い得るようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たようなインバータトレイにおいて、用紙がトレイの中
央部を基準にして案内されるタイプの装置の場合には、
搬送路に配置する搬送ローラ装置のローラを、搬送路の
中心線の両側に、同一の間隔で配置することにより、用
紙を安定した状態で搬送出来ることになる。ところが、
複写機がサイドレジ方式の装置として構成されている場
合には、すべてのサイズの用紙は、その一方の側部が基
準線に沿って案内されることになる。

【０００６】したがって、搬送ローラ装置等のローラの
配置間隔をどのように設定しても、ある特定のサイズの
用紙に対しては、ローラによる搬送力が、用紙の巾方向
に均一に発揮され得ないという問題がある。そして、例
えば、用紙搬送路内で、搬送ローラ装置により用紙を搬
送する場合でも、用紙の両側での搬送力と抵抗とがバラ
ンスせずに、一方の側にのみ特に強く搬送力が作用する
ことにより、用紙に斜め送り等の不都合な状態が生じる
という問題が発生しやすい。

【０００７】前記用紙の斜め送りの問題は、用紙路内で
用紙を搬送する場合のみでなく、反転装置による用紙の
反転を行う際等にも、反転ローラ装置による用紙の送り
の作用に対して、大きな影響を与える原因となる。つま
り、反転路内で用紙を往復移動させ、用紙を反転させた
状態で排出する動作を行う場合に、用紙に対する搬送力
が、その用紙の一方にかたよって作用することがあり、
用紙が受ける斜め方向の作用が、大きく増幅された状態
で発生することになる。

【０００８】

【発明の目的】本発明は、前述したような反転装置にお
いて、ローラ装置により用紙が斜めに送られる方向に、
ガイド板を配置しておき、用紙が基準線から離れること
を防止し、用紙の反転作用を良好に行い得るようにする
装置を提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための構成および作用】本発明は、用
紙反転路２と、当該用紙反転路２の入出力部分に設けら
れ駆動ローラ４と入力従動ローラ６と出力従動ローラ５
からなるトリロール装置と、当該用紙反転路２に設けら
れた反転ローラ７を設けた用紙反転装置に関する。

【００１０】本発明においては、用紙搬送の側部基準線
Ｌに合わせて前記用紙反転路２の一方の側部にガイド部
材２０を設け、前記出力従動ローラ５は、搬送する用紙
において前記側部基準線Ｌ側の搬送力が大きくなるよう
に当該側部基準線Ｌ側に寄った位置に構成され、前記駆
動ローラ４と前記出力従動ローラ５の作用により、用紙
の側部を前記ガイド部材２０に沿わせて前記用紙反転路
２から当該用紙を出力することができる。

【００１１】前述したように構成することにより、本発
明の反転装置においては、トリロール装置により用紙を
反転させる際に、用紙の基準線側の側面をガイド部材に
沿わせて送り出すので、用紙に斜め送り等の不都合な状
態が発生することがなく、排出路に向けて、用紙を正常
な姿勢のままで送り出すことが出来る。また、本発明の
装置では、反転路内に設ける反転ローラ装置での、ロー
ラの位置等を特に厳密に設定することなしに、用紙の斜
め送りが発生することを防止出来るので、装置の構成等
が複雑になったりすることを防止出来る。

【００１２】

【実施例】図示される例にしたがって、本発明の反転装
置を説明する。図１に示されるように、本発明の装置
は、複写機等のコピー排出路に配置されて、コピーを直
接排出する作用と、反転装置１を介して反転排出する経
路との、２つの排出方式を用いることができるように構
成される。本発明の装置では、反転装置１を従来の反転
装置の場合と同様に、入り口部分にトリロール装置３を
配置し、反転路２の途中の部分に反転ローラ装置７を設
けている。

【００１３】また、前記反転装置１に対して用紙を搬送
する複写機の用紙搬送系では、定着器からコピーを排出
する搬送ローラ装置１３と、複写機から排出トレイに向
けて送り出すための排出ローラ１５とを設け、搬送ロー
ラ装置１３からの排出部分にゲート部材１２を配置して
いる。前記ゲート部材１２は、コピーを反転装置１に向
けて案内する挿入路１０と、直接排出口１６に向けて案
内する経路とに、コピーを案内するもので、直接排出す
る経路の途中の部分には、搬送ローラ装置１４を設けて
いる。そして、反転排出を行うものに対しては、ゲート
部材１２を介してコピーを分岐し、挿入路１０を介して
反転装置１に導入させるようにする。

【００１４】前記反転装置１において、トリロール装置
３は中央部の駆動ローラ４に対して、その上下に入力従
動ローラ６と出力従動ローラ５を配置しているもので、
駆動ローラ４が一方向に常時駆動されるようにされる。
前記反転装置１に用紙を挿入する際には、その駆動ロー
ラ４の下部に配置される入力従動ローラ６と、駆動ロー
ラ４との間に用紙をニップする状態で、用紙を反転路２
に向けて送り込む。そして、前記反転路から、用紙を送
り出す場合には、駆動ローラ４と出力従動ローラ５とに
よるニップ部分を介して用紙を排出口１６に向けて送り
出すようにしている。

【００１５】本発明の反転装置１において、反転路２の
所定の位置に配置される反転ローラ装置７は、用紙を排
出方向に駆動される駆動ローラ８と、該駆動ローラに向
けて、所定の圧力で押圧されるウエイトローラ９とから
構成される。そして、トリロール装置３の下部のローラ
によるニップ位置から、用紙が挿入される際には、反転
路２に向けて送り込まれる用紙に対して、駆動ローラが
逆方向の駆動力を付与することになる。その際に、前記
該反転ローラ装置７を、従来の反転ローラ装置の場合と
同様に、用紙に対して軽く搬送力を付与する機構のもの
として構成することにより、トリロール装置により送り
込まれる用紙は、反転路２の内部に容易に挿入される。

【００１６】そして、トリロール装置３を介して挿入さ
れる用紙の後端部が、駆動ローラ４と従動ローラ６とに
よるップ部分を通過し終えると、反転ローラ装置７によ
りその用紙に対して排出方向の駆動力が付与された状態
となる。そして、反転路２内で、反転ローラ７により用
紙を排出するような作用が加えられ、該用紙は、トリロ
ール装置３の駆動ローラ４と従動ローラ５によるニップ
部分を介して、排出路１１に向けて送り出され、排出ロ
ーラ１５を経て排出口１６から反転状態でトレイに向け
て送り出される。

【００１７】前述した構成を有する本実施例の反転装置
においては、図１に示されるように、反転路２の側部に
ガイド部材２０を設けており、該ガイド部材により用紙
の側部の規制を行うようにしている。前記ガイド部材２
０は、図２に示されるように配置されているもので、複
写機における用紙の端部の規制のための側部基準線Ｌの
部分に設けており、前記ガイド部材２０により規定され
る基準線側では、図示されるように、唯一の出力従動ロ
ーラ５を巾の広いローラとし、更に側部基準線Ｌ側に寄
った位置に構成している。また、前記ガイド部材２０
は、反転ローラ装置７の下流部に対して配置されるもの
で、その反転ローラ装置側の先端部を外側に向けて拡開
した状態に形成され、用紙の基準線側の側部が、基準線
よりも外側にある状態で、反転路２に向けて送り込まれ
る場合でも、その用紙の側部がガイド部材に引っ掛かっ
たりすることがないようにされる。

【００１８】前記図２に示される例においては、トリロ
ール装置３の各ローラと、反転ローラ装置７の各ローラ
とは、それぞれの支持軸に対して、任意の間隔で配置す
ることが出来る。そして、例えば、反転装置がセンター
レジ方式の装置として構成されたものであっても、前記
ガイド部材を反転路に対して設けることにより、用紙の
送りの作用を良好な状態で行うことができる。

【００１９】また、本発明の反転装置においては、前記
図２に示されたようなガイド部材２０に加えて、図３に
示されるような移動ガイド部材２３を設けることも出来
る。前記図３に示される例では、反転路２の基準線側の
側部にガイド部材２０を配置するとともに、用紙の他側
部に対応させて移動ガイド部材２３を配置している。前
記移動ガイド部材２３は、反転路２を規定する上下のガ
イド板のうち、下のガイト板に対して案内溝２４を設
け、該溝２４に沿わせて移動ガイド部材のガイド部材を
移動させ得るように構成している。

【００２０】前記移動ガイド部材２３に対しては、任意
の駆動手段を接続し、用紙トレイから排出される用紙の
サイズ等の情報によって、移動ガイド部材２３を移動さ
せるようにして、反転装置に案内される用紙の両側を規
制することができる。なお、前記移動ガイド部材２３に
対する駆動手段としては、モータ等を反転路に対応させ
て配置し、用紙サイズの検知情報に従って、移動ガイド
部材をあらかじめ移動させて待機させるような手段の他
に、任意の駆動機構を用いることができる。また、前記
移動ガイド部材２３とガイド部材２０とにより規定され
る用紙の位置決めの間隔を、その対象とする用紙の巾に
正確に対応するように設定すると、反転路内での用紙の
位置決めの作用を良好な状態で行わせることが可能にな
る。

【００２１】したがって、前記図３に示されるように、
反転路の両側の部分に固定ガイド部材と移動ガイド部材
とを配置したことにより、ローラ装置による搬送力が、
用紙の両側で異なった力が作用した場合でも、用紙が斜
め送りの状態で反転装置から排出されたり、基準線から
外れた位置で送り出されることを防止できる。

【００２２】なお、前述した本発明の実施例において
は、反転装置を用紙の排出部に配置する場合を例にとっ
て説明しているが、本発明の反転装置は、例えば、自動
両面複写機において、用紙を反転させた状態で、裏面の
複写に向けて搬送する場合等にも用いることができるも
のであるから、その場合には、反転装置を用紙の裏面複
写に向けて搬送する用紙路の所定の位置に配置すること
も出来る。

【００２３】

【発明の効果】本発明の反転装置では、出力従動ローラ
を、搬送する用紙において側部基準線側の搬送力が大き
くなるように当該側部基準線側に寄った位置に構成し、
駆動ローラと前記出力従動ローラの作用により、用紙の
側部をガイド部材に沿わせて用紙反転路から用紙を出力
することができる。その結果、装置の構成を複雑化する
ことなく、用紙の斜め送りを防止した正常な姿勢で用紙
を送り出すことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の用紙排出路の構成を示す側面図であ
る。

【図２】本発明の反転路の平面図である。

【図３】本発明の反転路の別の実施例の平面図である。

【図中の符号】１ 反転装置 ３ トリロール装置 ４ 駆動ローラ ７ 反転ローラ装置 ８ 駆動ローラ １３・１４ 搬送ローラ装置 ２０ ガイド部材 ２３ 移動ガイド部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B65H 29/58 B65H 9/00

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙反転路２と、当該用紙反転路２の入
   出力部分に設けられ駆動ローラ４と入力従動ローラ６と
   出力従動ローラ５からなるトリロール装置と、当該用紙
   反転路２に設けられた反転ローラ７を設けた用紙反転装
   置であって、 用紙搬送の側部基準線Ｌに合わせて前記用紙反転路２の
   一方の側部にガイド部材２０を設け、 前記出力従動ローラ５は、搬送する用紙において前記側
   部基準線Ｌ側の搬送力が大きくなるように当該側部基準
   線Ｌ側に寄った位置に構成され、 前記駆動ローラ４と前記出力従動ローラ５の作用によ
   り、用紙の側部を前記ガイド部材２０に沿わせて前記用
   紙反転路２から当該用紙を出力すること、を特徴とする
   用紙反転装置。