JP2802035B2 - 真空排気装置 - Google Patents
真空排気装置Info
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- JP2802035B2 JP2802035B2 JP6069520A JP6952094A JP2802035B2 JP 2802035 B2 JP2802035 B2 JP 2802035B2 JP 6069520 A JP6069520 A JP 6069520A JP 6952094 A JP6952094 A JP 6952094A JP 2802035 B2 JP2802035 B2 JP 2802035B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空蒸着、真空溶解、
PVD、CVD等の高真空プロセスを含む各種装置に用
いられる真空排気装置に関する。
PVD、CVD等の高真空プロセスを含む各種装置に用
いられる真空排気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体、光学などの分野では真空排気装
置が広く使用されており、その一例としてPVD(phys
ical vapor deposition)装置がある。この装置では、高
真空中の放電によりAr+ などを加速し、このAr+ エ
ネルギを受けた電極物質を基板上に堆積して薄膜を形成
するスパッタ法が用いられる。
置が広く使用されており、その一例としてPVD(phys
ical vapor deposition)装置がある。この装置では、高
真空中の放電によりAr+ などを加速し、このAr+ エ
ネルギを受けた電極物質を基板上に堆積して薄膜を形成
するスパッタ法が用いられる。
【0003】上記の場合、薄膜を形成する物質を高度の
真空中で高エネルギイオンにするために真空チャンバが
使用され、真空チャンバ内の気体を排気するために排気
ポンプが使用される。
真空中で高エネルギイオンにするために真空チャンバが
使用され、真空チャンバ内の気体を排気するために排気
ポンプが使用される。
【0004】図14を参照して従来の真空排気装置(作
動領域:大気圧〜10-8Torr)を説明する。真空チ
ャンバ1に接続される第1のラインには、メインバルブ
(高真空バルブ)2を有する管路8を介して高真空ポン
プ3が接続されており、高真空ポンプ3には補助バルブ
4を介して低真空ポンプ5が接続されている。
動領域:大気圧〜10-8Torr)を説明する。真空チ
ャンバ1に接続される第1のラインには、メインバルブ
(高真空バルブ)2を有する管路8を介して高真空ポン
プ3が接続されており、高真空ポンプ3には補助バルブ
4を介して低真空ポンプ5が接続されている。
【0005】ここで、低真空ポンプとは、大気圧から約
10-3Torr程度の圧力領域で作動する排気ポンプの
ことであり、例えば、ロータリポンプ,メカニカルポン
プ,ドライポンプがある。また、高真空ポンプとは、約
10-3〜10-8Torrの圧力領域で作動する排気ポン
プのことであり、例えば、ターボポンプ,トラップ付タ
ーボポンプ,クライオポンプがある。構造上の制限か
ら、大気圧から10-8Torrの作動領域をカバーする
には、それぞれ作動領域の異なる2種類の真空ポンプが
必要である。図14に示される従来例では、低真空ポン
プ5としてロータリポンプが使用されており、高真空ポ
ンプ3としてはターボポンプが使用されている。
10-3Torr程度の圧力領域で作動する排気ポンプの
ことであり、例えば、ロータリポンプ,メカニカルポン
プ,ドライポンプがある。また、高真空ポンプとは、約
10-3〜10-8Torrの圧力領域で作動する排気ポン
プのことであり、例えば、ターボポンプ,トラップ付タ
ーボポンプ,クライオポンプがある。構造上の制限か
ら、大気圧から10-8Torrの作動領域をカバーする
には、それぞれ作動領域の異なる2種類の真空ポンプが
必要である。図14に示される従来例では、低真空ポン
プ5としてロータリポンプが使用されており、高真空ポ
ンプ3としてはターボポンプが使用されている。
【0006】真空チャンバ1に接続される別の管路7に
はチャンバラフバルブ6が接続されており、この管路7
の他端が上記高真空ポンプ3と低真空ポンプ5とを結ぶ
管路8aに接続されている。さらに、真空チャンバ1か
らは、管路9が導出されていて、その途中にチャンバベ
ントバルブ10が取り付けられている。
はチャンバラフバルブ6が接続されており、この管路7
の他端が上記高真空ポンプ3と低真空ポンプ5とを結ぶ
管路8aに接続されている。さらに、真空チャンバ1か
らは、管路9が導出されていて、その途中にチャンバベ
ントバルブ10が取り付けられている。
【0007】図14の真空排気装置により排気を行うに
は、まずチャンバベントバルブ10と、メインバルブ2
と補助バルブ4を閉じ、チャンバラフバルブ6を開き、
低真空ポンプ5を駆動して真空チャンバ1の荒引きを行
なう。このとき、真空チャンバ1内は、10-3Torr
程度の圧力状態になるまで排気される。
は、まずチャンバベントバルブ10と、メインバルブ2
と補助バルブ4を閉じ、チャンバラフバルブ6を開き、
低真空ポンプ5を駆動して真空チャンバ1の荒引きを行
なう。このとき、真空チャンバ1内は、10-3Torr
程度の圧力状態になるまで排気される。
【0008】次に、チャンバラフバルブ6を閉じ、メイ
ンバルブ2と補助バルブ4を開き、高真空ポンプ3を駆
動することにより、真空チャンバ1内が10-7〜10-8
Torrの圧力状態になるまで排気し真空チャンバ内を
高真空状態とする。
ンバルブ2と補助バルブ4を開き、高真空ポンプ3を駆
動することにより、真空チャンバ1内が10-7〜10-8
Torrの圧力状態になるまで排気し真空チャンバ内を
高真空状態とする。
【0009】上記のように従来の真空排気装置では、高
真空状態を形成するために必ず高真空ポンプ3が必要で
あり、しかも、この高真空ポンプ3を使用するときは、
荒引き用の補助ポンプとして低真空ポンプ5が必要であ
った。
真空状態を形成するために必ず高真空ポンプ3が必要で
あり、しかも、この高真空ポンプ3を使用するときは、
荒引き用の補助ポンプとして低真空ポンプ5が必要であ
った。
【0010】
【表1】
【0011】表1を参照して説明する。この表1におい
て、ロータリポンプ,メカニカルポンブ,ドライ
ポンプが低真空ポンプであり、この低真空ポンプは大気
圧(760Torr)から約10-3Torrの圧力領域
で作動する。また、表1でターボポンプ,トラップ
付きターボポンプ,クライオポンプが高真空ポンプで
あり、これら高真空ポンプは、約10-3〜10-8Tor
rの圧力領域で作動する。また、ターボ型排気ポンプ
は最近市販された排気ポンプで、大気圧からの到達圧力
10-5Torr〜10-6Torrで作動する。
て、ロータリポンプ,メカニカルポンブ,ドライ
ポンプが低真空ポンプであり、この低真空ポンプは大気
圧(760Torr)から約10-3Torrの圧力領域
で作動する。また、表1でターボポンプ,トラップ
付きターボポンプ,クライオポンプが高真空ポンプで
あり、これら高真空ポンプは、約10-3〜10-8Tor
rの圧力領域で作動する。また、ターボ型排気ポンプ
は最近市販された排気ポンプで、大気圧からの到達圧力
10-5Torr〜10-6Torrで作動する。
【0012】ところで、PVDなどの真空プロセスを含
む各種装置では、最も使用頻度が高い圧力領域が10-6
〜10-8Torrであり、この圧力領域をより簡易な真
空排気装置で実現するにはどのような構造の真空排気ポ
ンプが良いか、またどのような排気システムが望ましい
かという観点から種々の研究がなされてきた。しかし、
表1から理解されるように、1台の排気ポンプを用いて
大気圧から10-8Torrの圧力領域までの広範囲に亘
り作動できる排気ポンプは未だ開発されていない。この
ことから、大気圧から10-8Torrの作動圧力を確保
するには、必ず低真空ポンプと高真空ポンプを併用しな
ければならなかった。
む各種装置では、最も使用頻度が高い圧力領域が10-6
〜10-8Torrであり、この圧力領域をより簡易な真
空排気装置で実現するにはどのような構造の真空排気ポ
ンプが良いか、またどのような排気システムが望ましい
かという観点から種々の研究がなされてきた。しかし、
表1から理解されるように、1台の排気ポンプを用いて
大気圧から10-8Torrの圧力領域までの広範囲に亘
り作動できる排気ポンプは未だ開発されていない。この
ことから、大気圧から10-8Torrの作動圧力を確保
するには、必ず低真空ポンプと高真空ポンプを併用しな
ければならなかった。
【0013】つまり、排気ポンプを用いて真空排気を行
う場合、現在知られているどのタイプの排気ポンプを用
いても10-6Torrのあたりを境として、それよりも
高い圧力領域で作動する排気ポンプと、それよりも低い
圧力領域で作動する排気ポンプとは、機能的に別異なも
のとせざるを得ない。そして例えば、表1の,,
の高真空領域で作動する排気ポンプを使用しても低圧力
領域(大気圧〜10-3Torr)では排気能力を発揮で
きない。このことから、図14で説明したように、PV
D等において真空チャンバー内を10-6〜10-8Tor
rに排気するには、高真空ポンプ3と低真空ポンプ5を
併用して2段階排気方式とせざるを得なかったものであ
る。
う場合、現在知られているどのタイプの排気ポンプを用
いても10-6Torrのあたりを境として、それよりも
高い圧力領域で作動する排気ポンプと、それよりも低い
圧力領域で作動する排気ポンプとは、機能的に別異なも
のとせざるを得ない。そして例えば、表1の,,
の高真空領域で作動する排気ポンプを使用しても低圧力
領域(大気圧〜10-3Torr)では排気能力を発揮で
きない。このことから、図14で説明したように、PV
D等において真空チャンバー内を10-6〜10-8Tor
rに排気するには、高真空ポンプ3と低真空ポンプ5を
併用して2段階排気方式とせざるを得なかったものであ
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来の真空排気装置で
は、上述のように高真空ポンプと低真空ポンプが使用さ
れているために、構造が複雑となりコスト高となってい
た。
は、上述のように高真空ポンプと低真空ポンプが使用さ
れているために、構造が複雑となりコスト高となってい
た。
【0015】また、真空チャンバと高真空ポンプの間に
は一般にメインバルブが使用されているが、このメイン
バルブには高真空ベローズバルブが使用される。メイン
バルブの使用環境は、高真空領域と大気圧側領域の中間
なので気圧差が大きく、しかも高度の密閉が必要な場所
である。そのため、メインバルブの構造は一般に複雑に
ならざるを得ない。しかし、メインバルブの構造が複雑
になると、それだけバルブを構成する各部材の表面積が
大きくなる。このことは、バルブが高真空中に存在する
ことから、各部材の表面に付着する塵による発塵の原因
となっていた。
は一般にメインバルブが使用されているが、このメイン
バルブには高真空ベローズバルブが使用される。メイン
バルブの使用環境は、高真空領域と大気圧側領域の中間
なので気圧差が大きく、しかも高度の密閉が必要な場所
である。そのため、メインバルブの構造は一般に複雑に
ならざるを得ない。しかし、メインバルブの構造が複雑
になると、それだけバルブを構成する各部材の表面積が
大きくなる。このことは、バルブが高真空中に存在する
ことから、各部材の表面に付着する塵による発塵の原因
となっていた。
【0016】さらに、メインバルブが高真空中に存在す
るとバルブの各部材の素材から放出ガスが発生し、これ
が真空チャンバに流れ、真空チャンバ内部の高真空化を
妨げるという問題があった。
るとバルブの各部材の素材から放出ガスが発生し、これ
が真空チャンバに流れ、真空チャンバ内部の高真空化を
妨げるという問題があった。
【0017】本発明は上記の欠点を克服することを目的
とする。本発明者はこの種の真空排気装置において、構
造をより簡易化して製作コストを低減化し、なおかつ所
期の到達圧力を実現できる真空排気装置について種々の
研究を行った。その結果、1台の排気ポンプを真空排気
装置に組込むことにより、大気圧からの到達圧力が10
-6〜10-8Torrという広範囲領域で作動し得る真空
排気装置を提供するものである。
とする。本発明者はこの種の真空排気装置において、構
造をより簡易化して製作コストを低減化し、なおかつ所
期の到達圧力を実現できる真空排気装置について種々の
研究を行った。その結果、1台の排気ポンプを真空排気
装置に組込むことにより、大気圧からの到達圧力が10
-6〜10-8Torrという広範囲領域で作動し得る真空
排気装置を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、真空チャンバ内の気体を排気する真空排
気装置において、ポンプケース内に、主軸の外周に多段
の羽根列を設けて構成された羽根車が収容され、大気圧
から最大10-6Torrまでの範囲を作動圧力領域とするタ
ーボ型ドライポンプと、ポンプケースの吸気口側の内部
に配置されたトラップと、トラップを冷却すべくトラッ
プに熱伝導体を介して連結された冷却装置とを備え、ト
ラップは、ターボ型ドライポンプの主軸と同軸に配置さ
れた環状体と、環状体の中心に、ターボ型ドライポンプ
の主軸と同軸に配置されたテーパ形状の中央パネルと、
環状体及び中央パネルを連結する支持部材とから構成さ
れており、ターボ型ドライポンプの主軸の外周と羽根車
の外端縁の間の吸気有効部の寸法をa、主軸の直径寸法
をb、中央パネルの最大外周からトラップの環状体の内
周までの直径寸法をa1、中央パネルの最大直径をb1と
したとき、各寸法がa1≒a,b1≒bの関係となるよう
に構成されていることを特徴とする。
めに本発明は、真空チャンバ内の気体を排気する真空排
気装置において、ポンプケース内に、主軸の外周に多段
の羽根列を設けて構成された羽根車が収容され、大気圧
から最大10-6Torrまでの範囲を作動圧力領域とするタ
ーボ型ドライポンプと、ポンプケースの吸気口側の内部
に配置されたトラップと、トラップを冷却すべくトラッ
プに熱伝導体を介して連結された冷却装置とを備え、ト
ラップは、ターボ型ドライポンプの主軸と同軸に配置さ
れた環状体と、環状体の中心に、ターボ型ドライポンプ
の主軸と同軸に配置されたテーパ形状の中央パネルと、
環状体及び中央パネルを連結する支持部材とから構成さ
れており、ターボ型ドライポンプの主軸の外周と羽根車
の外端縁の間の吸気有効部の寸法をa、主軸の直径寸法
をb、中央パネルの最大外周からトラップの環状体の内
周までの直径寸法をa1、中央パネルの最大直径をb1と
したとき、各寸法がa1≒a,b1≒bの関係となるよう
に構成されていることを特徴とする。
【0019】また、中央パネルを複数とし、ターボ型ド
ライポンプの主軸と同軸に配列させてもよい。
ライポンプの主軸と同軸に配列させてもよい。
【0020】また、排気される気体の流れの状態に応じ
て、中央パネルの最大外周部分をターボ型ドライポンプ
向き或いはその反対方向向きとすることが装置のコンダ
クタンス劣化を抑制するのに有効である。
て、中央パネルの最大外周部分をターボ型ドライポンプ
向き或いはその反対方向向きとすることが装置のコンダ
クタンス劣化を抑制するのに有効である。
【0021】また、トラップ吸着面積を広げるべく、環
状体をターボ型ドライポンプに向かって拡径されるテー
パ形状としてもよく、さらに、トラップを熱伝導体のみ
によりポンプケース内にて支持することが、トラップの
吸着能力を向上させるので好適である。
状体をターボ型ドライポンプに向かって拡径されるテー
パ形状としてもよく、さらに、トラップを熱伝導体のみ
によりポンプケース内にて支持することが、トラップの
吸着能力を向上させるので好適である。
【0022】
【作用】本発明によれば、大気圧から最大10-6Torrま
での範囲を作動圧力領域とするターボ型ドライポンプが
用いられるので、従来の高真空ポンプ及び低真空ポンプ
の組み合わせによる2段引き方式と比較すると、発塵や
ガス放出の場所が少なくなるので、クリーンな真空雰囲
気が得られる。また、テーパ形状の中央パネルは上に述
べた寸法となるように配置構成されているので、トラッ
プを設けて有効吸着面積を増大させているにもかかわら
ず、それによってターボ型ドライポンプの有効吸気エリ
アがほとんど失われない。このため、ターボ型ドライポ
ンプのコンダクタンスが低下することはないので、真空
チャンバを短時間で真空排気することができる。
での範囲を作動圧力領域とするターボ型ドライポンプが
用いられるので、従来の高真空ポンプ及び低真空ポンプ
の組み合わせによる2段引き方式と比較すると、発塵や
ガス放出の場所が少なくなるので、クリーンな真空雰囲
気が得られる。また、テーパ形状の中央パネルは上に述
べた寸法となるように配置構成されているので、トラッ
プを設けて有効吸着面積を増大させているにもかかわら
ず、それによってターボ型ドライポンプの有効吸気エリ
アがほとんど失われない。このため、ターボ型ドライポ
ンプのコンダクタンスが低下することはないので、真空
チャンバを短時間で真空排気することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図を参照して説明
する。
する。
【0024】図1には実施例に係る真空排気装置が示さ
れている。同図において、真空チャンバ1とターボ型ド
ライポンプ11とは、管路8を介して直接接続されてい
る。管路8においてターボ型ドライポンプ11の上流側
真空チャンバ側にはトラップ12が設けられている。ま
た、ターボ型ドライポンプ11の排気口は管路8aと、
この管路8aに介設されたバルブ13を介して大気に開
放されている。真空チャンバ1からは管路9が導出され
ていて、この管路9にはチャンバベントバルブ10が取
り付けられている。
れている。同図において、真空チャンバ1とターボ型ド
ライポンプ11とは、管路8を介して直接接続されてい
る。管路8においてターボ型ドライポンプ11の上流側
真空チャンバ側にはトラップ12が設けられている。ま
た、ターボ型ドライポンプ11の排気口は管路8aと、
この管路8aに介設されたバルブ13を介して大気に開
放されている。真空チャンバ1からは管路9が導出され
ていて、この管路9にはチャンバベントバルブ10が取
り付けられている。
【0025】上記のターボ型ドライポンプ11は、最近
開発され、市販されるようになった排気ポンプである。
このターボ型ドライポンプ11は大気圧(760Tor
r)から10-5Torr〜10-6Torrの圧力領域で
作動するものであり、そのためポンプケース内に収容さ
れる羽根車の羽根の形状、間隔、角度、大きさ、回転速
度等が上記の圧力領域で作動させるべく構成されてお
り、これらの構造、寸法は繰返し試験の結果に基いて導
き出されている。(具体例として、ダイキン工業
(株)、商品名:ダイキンドライポンプ90、(株)日
立製作所、商品名:ターボ式ドライ真空ポンプSKYT
ORRなどがある。) 図2以下では、ターボ型ドライポンプ11と、それぞれ
構成が異なる複数種のトラップ12との組み合わせ例が
示されている。まず図2を参照して説明すると、図にお
いて、ポンプケース14内には、羽根車16bが配設さ
れている。羽根車16bは主軸部15と、この主軸部1
5に複数の羽根16を円周方向に間隙17をあけて配列
してなる多段に設けられた羽根列16aとから構成され
ている。また、各羽根列16aの間にはポンプケース1
4の内側に配設されたステータ羽根18が進入してい
る。
開発され、市販されるようになった排気ポンプである。
このターボ型ドライポンプ11は大気圧(760Tor
r)から10-5Torr〜10-6Torrの圧力領域で
作動するものであり、そのためポンプケース内に収容さ
れる羽根車の羽根の形状、間隔、角度、大きさ、回転速
度等が上記の圧力領域で作動させるべく構成されてお
り、これらの構造、寸法は繰返し試験の結果に基いて導
き出されている。(具体例として、ダイキン工業
(株)、商品名:ダイキンドライポンプ90、(株)日
立製作所、商品名:ターボ式ドライ真空ポンプSKYT
ORRなどがある。) 図2以下では、ターボ型ドライポンプ11と、それぞれ
構成が異なる複数種のトラップ12との組み合わせ例が
示されている。まず図2を参照して説明すると、図にお
いて、ポンプケース14内には、羽根車16bが配設さ
れている。羽根車16bは主軸部15と、この主軸部1
5に複数の羽根16を円周方向に間隙17をあけて配列
してなる多段に設けられた羽根列16aとから構成され
ている。また、各羽根列16aの間にはポンプケース1
4の内側に配設されたステータ羽根18が進入してい
る。
【0026】上記の構成からなるターボ型ドライポンプ
11では、駆動モータ(図示せず)により主軸部15を
回転させると羽根列16aが回転し、大気圧にある真空
チャンバ1内の気体分子を吸気口20から吸入したう
え、排気口21を通して大気に排気することができる。
11では、駆動モータ(図示せず)により主軸部15を
回転させると羽根列16aが回転し、大気圧にある真空
チャンバ1内の気体分子を吸気口20から吸入したう
え、排気口21を通して大気に排気することができる。
【0027】ところで、1台のターボ型ドライポンプ1
1を用いると、上述のように大気圧から作動開始できる
が、最大排気圧力は本来10-6Torrまでである。こ
のため、10-6Torr以下の真空度を実現するには別
の高真空ポンプを使用せざるを得ない。この点に関し、
本実施例では、ターボ型ドライポンプ11の上流側、図
示例ではターボ型ドライポンプ11の吸気口20の内側
にトラップ12を配設することにより、2台目のポンプ
を不要ならしめている。このトラップ12は、図2
(B)に示されるように環状トラップパネル12aを有
し、その内側には、環状中心部で交差するよう正面から
見て略十字状に補強フレーム12bが配設され、この補
強フレーム12bの外端が環状トラップパネル12aの
内周面に固定されている。
1を用いると、上述のように大気圧から作動開始できる
が、最大排気圧力は本来10-6Torrまでである。こ
のため、10-6Torr以下の真空度を実現するには別
の高真空ポンプを使用せざるを得ない。この点に関し、
本実施例では、ターボ型ドライポンプ11の上流側、図
示例ではターボ型ドライポンプ11の吸気口20の内側
にトラップ12を配設することにより、2台目のポンプ
を不要ならしめている。このトラップ12は、図2
(B)に示されるように環状トラップパネル12aを有
し、その内側には、環状中心部で交差するよう正面から
見て略十字状に補強フレーム12bが配設され、この補
強フレーム12bの外端が環状トラップパネル12aの
内周面に固定されている。
【0028】上記の環状トラップパネル12aと補強フ
レーム12bとはいずれもコールドパネル(被冷却板)
であって、排気すべき気体の大部分を占める水分子だけ
をトラップすることができ、水分子の急速な排気によ
り、排気時間を短縮できる。このため、環状トラップパ
ネル12aには、熱伝導率の高い銅などを使用した熱伝
導体22が結合されており、熱伝導体22の端部はヘリ
ウムガス小型冷凍機等の冷却装置23に結合されてい
る。
レーム12bとはいずれもコールドパネル(被冷却板)
であって、排気すべき気体の大部分を占める水分子だけ
をトラップすることができ、水分子の急速な排気によ
り、排気時間を短縮できる。このため、環状トラップパ
ネル12aには、熱伝導率の高い銅などを使用した熱伝
導体22が結合されており、熱伝導体22の端部はヘリ
ウムガス小型冷凍機等の冷却装置23に結合されてい
る。
【0029】そして、冷却装置23により熱伝導体22
を介してトラップ12の熱が吸収され、このトラップ1
2が冷却される。トラップ12の冷却温度は、このトラ
ップ12に対する熱負荷と、冷却能力とのバランスによ
り決まる。なお、冷却装置23は、ポンプケース14と
一体の保持ケース24の端部に取り付けられており、冷
却装置23の冷却部25と熱伝導体22は保持ケース2
4内に収容されている。
を介してトラップ12の熱が吸収され、このトラップ1
2が冷却される。トラップ12の冷却温度は、このトラ
ップ12に対する熱負荷と、冷却能力とのバランスによ
り決まる。なお、冷却装置23は、ポンプケース14と
一体の保持ケース24の端部に取り付けられており、冷
却装置23の冷却部25と熱伝導体22は保持ケース2
4内に収容されている。
【0030】本実施例に係る真空排気装置を用いて真空
チャンバ1内の気体分子を排気するには、チャンバベン
トバルブ10(図1参照)を閉じたうえ、トラップ型ド
ライポンプ11と、トラップ12を冷却する冷却装置2
3を同時に駆動する。このときトラップ型ドライポンプ
11は数分で定常回転となり、こうして、ターボ型ドラ
イポンプ11とトラップ12が共働して真空チャンバ1
内を高真空にすることができる。
チャンバ1内の気体分子を排気するには、チャンバベン
トバルブ10(図1参照)を閉じたうえ、トラップ型ド
ライポンプ11と、トラップ12を冷却する冷却装置2
3を同時に駆動する。このときトラップ型ドライポンプ
11は数分で定常回転となり、こうして、ターボ型ドラ
イポンプ11とトラップ12が共働して真空チャンバ1
内を高真空にすることができる。
【0031】すなわち、ターボ型ドライポンプ11を駆
動するとき、主軸部15と羽根16の回転により、大気
圧にある真空チャンバ1内の気体分子が吸気口20から
ポンプケース14内に吸引され、排気口21から排気さ
れる。排気される気体分子は、H2 ,N2 ,O2 等であ
り、真空チャンバ1内が大気圧(760Torr)から
10-6Torrの範囲では、上記各気体分子はターボ型
ドライポンプ11の真空引きにより排出される。しか
し、真空チャンバ1内が10-6Torrにまでなったと
きは、もはや、真空チャンバ1内に残在する水分子をタ
ーボ型ドライポンプ11で吸引することができず、した
がってターボ型ドライポンプ11のみでは真空チャンバ
1内を10-7Torr〜10-8Torrまで下げること
はできない。そして、このときは真空チャンバ1内に残
在する水分子をポンプケース14の入口において、環状
トラップパネル12aと補強フレーム12bとにより連
続凝集することで排気を行ない、真空チャンバ1内を1
0-7Torr〜10-8Torrまで減圧するのである。
こうして、ターボ型ドライポンプ11が1台のみでは大
気圧から10-6Torrまでしか排気能力がなかったも
のが、ターボ型ドライポンプ11とトラップ12を組合
わせることで10-8Torrまでの排気が可能となっ
た。しかも構造も簡潔である。
動するとき、主軸部15と羽根16の回転により、大気
圧にある真空チャンバ1内の気体分子が吸気口20から
ポンプケース14内に吸引され、排気口21から排気さ
れる。排気される気体分子は、H2 ,N2 ,O2 等であ
り、真空チャンバ1内が大気圧(760Torr)から
10-6Torrの範囲では、上記各気体分子はターボ型
ドライポンプ11の真空引きにより排出される。しか
し、真空チャンバ1内が10-6Torrにまでなったと
きは、もはや、真空チャンバ1内に残在する水分子をタ
ーボ型ドライポンプ11で吸引することができず、した
がってターボ型ドライポンプ11のみでは真空チャンバ
1内を10-7Torr〜10-8Torrまで下げること
はできない。そして、このときは真空チャンバ1内に残
在する水分子をポンプケース14の入口において、環状
トラップパネル12aと補強フレーム12bとにより連
続凝集することで排気を行ない、真空チャンバ1内を1
0-7Torr〜10-8Torrまで減圧するのである。
こうして、ターボ型ドライポンプ11が1台のみでは大
気圧から10-6Torrまでしか排気能力がなかったも
のが、ターボ型ドライポンプ11とトラップ12を組合
わせることで10-8Torrまでの排気が可能となっ
た。しかも構造も簡潔である。
【0032】ところで、トラップ12には水分子吸着面
積が可及的に大きいことが求められると共に、トラップ
12がターボ型ドライポンプ11の上流側に設けられる
ことから、このターボ型ドライポンプ11の吸気口20
の吸気有効面積の低下を最小限に抑えることが求められ
る。この2つの条件は本来相反する条件である。
積が可及的に大きいことが求められると共に、トラップ
12がターボ型ドライポンプ11の上流側に設けられる
ことから、このターボ型ドライポンプ11の吸気口20
の吸気有効面積の低下を最小限に抑えることが求められ
る。この2つの条件は本来相反する条件である。
【0033】図2に示されているトラップ12は、上記
の条件を満たすべく構成された一例である。すなわち上
述の通り、トラップ12は環状トラップパネル12aと
補強フレーム12bとから構成されていて、環状トラッ
プパネル12aは羽根列16aの外径部(つまり、吸気
口の内周面に近い位置)に位置しているので、水分子の
有効吸着面積の大きさに対比して、ターボ型ドライポン
プ11の有効吸気面積の低下も最小に抑えることができ
る。
の条件を満たすべく構成された一例である。すなわち上
述の通り、トラップ12は環状トラップパネル12aと
補強フレーム12bとから構成されていて、環状トラッ
プパネル12aは羽根列16aの外径部(つまり、吸気
口の内周面に近い位置)に位置しているので、水分子の
有効吸着面積の大きさに対比して、ターボ型ドライポン
プ11の有効吸気面積の低下も最小に抑えることができ
る。
【0034】補強フレーム12bも十文字状に配されて
いることにより、環状トラップパネル12aの補強作用
を十分に奏すると共に、ターボ型ドライポンプ11の有
効吸気面積の低下を最小に抑えることができる。
いることにより、環状トラップパネル12aの補強作用
を十分に奏すると共に、ターボ型ドライポンプ11の有
効吸気面積の低下を最小に抑えることができる。
【0035】図3〜図4には上記トラップの考えをさら
に発展させたものとして、本発明の第2実施例に係るト
ラップ12−1が示されている。この第2実施例のトラ
ップ12−1は第1実施例のトラップ12と同様の環状
トラップパネル12aと、第1例の補強フレーム12b
に相当する略十文字の支持フレーム12c及び、この支
持フレーム12cを介して支持された中央部トラップパ
ネル12dを有している。
に発展させたものとして、本発明の第2実施例に係るト
ラップ12−1が示されている。この第2実施例のトラ
ップ12−1は第1実施例のトラップ12と同様の環状
トラップパネル12aと、第1例の補強フレーム12b
に相当する略十文字の支持フレーム12c及び、この支
持フレーム12cを介して支持された中央部トラップパ
ネル12dを有している。
【0036】中央部トラップパネル12dは、支持フレ
ーム12cの中央部側面に固定されている。また、この
中央部トラップパネル12dは、羽根車の主軸部15の
断面形状と略同じ円板形状で、かつ主軸部15の直径と
略同一寸法に設けられている。さらに、中央部トラップ
パネル12dと主軸部15とは同一軸線上に設けられて
いる。この第2実施例のトラップ12−1でも環状トラ
ップパネル12aと支持フレーム12cと中央部トラッ
プパネル12dは、いずれもコールドパネルであって、
水分子だけをトラップすることができる。
ーム12cの中央部側面に固定されている。また、この
中央部トラップパネル12dは、羽根車の主軸部15の
断面形状と略同じ円板形状で、かつ主軸部15の直径と
略同一寸法に設けられている。さらに、中央部トラップ
パネル12dと主軸部15とは同一軸線上に設けられて
いる。この第2実施例のトラップ12−1でも環状トラ
ップパネル12aと支持フレーム12cと中央部トラッ
プパネル12dは、いずれもコールドパネルであって、
水分子だけをトラップすることができる。
【0037】第2実施例のトラップ12−1では、中央
部トラップパネル12dが付加されている分、第1実施
例のトラップ12に比べて水分子の有効吸着面積が増加
している。しかも、この中央部トラップパネル12d
は、主軸部15と同一軸線上にあり、その外径は主軸部
15の外径と略一致する大きさである。そして、主軸部
15は、円柱状であって、その外周に羽根16を取付け
るためのものであるから、この主軸部15の直径部分は
本来非吸入部分である。そして、中央部トラップパネル
12dはこの非吸入部分に位置しているので、中央部ト
ラップパネル12dの存在にも拘わらず、ターボ型ドラ
イポンプ11の吸入口20の有効吸入面積が低下しな
い。環状トラップパネル12aが熱伝導体22を介して
冷凍装置23に結合されている点は、第2実施例のトラ
ップ12と同じである。
部トラップパネル12dが付加されている分、第1実施
例のトラップ12に比べて水分子の有効吸着面積が増加
している。しかも、この中央部トラップパネル12d
は、主軸部15と同一軸線上にあり、その外径は主軸部
15の外径と略一致する大きさである。そして、主軸部
15は、円柱状であって、その外周に羽根16を取付け
るためのものであるから、この主軸部15の直径部分は
本来非吸入部分である。そして、中央部トラップパネル
12dはこの非吸入部分に位置しているので、中央部ト
ラップパネル12dの存在にも拘わらず、ターボ型ドラ
イポンプ11の吸入口20の有効吸入面積が低下しな
い。環状トラップパネル12aが熱伝導体22を介して
冷凍装置23に結合されている点は、第2実施例のトラ
ップ12と同じである。
【0038】第2実施例のトラップ12−1につき、図
5と図6を参照してさらに説明する。図5において、
“a”は羽根列16aの羽根16の存在するエリア(有
効吸気エリア)の寸法、“b”は羽根が存在しない主軸
部15のエリア(非有効吸気エリア)の寸法である。ま
た、図6において、“a1 ”は環状トラップパネル12
aの内側の空間エリア(有効吸気エリア)の寸法、“b
1 ”は中央部トラップパネル12dのあるエリア(非有
効吸気エリア)の寸法である。そして、a=a1、b=
b1 の位置関係のときターボ型ドライポンプ11に最大
排気コンダクタンスが得られる(但し、トラップ12と
羽根車16bは軸方向に極力近づけておくものとす
る)。
5と図6を参照してさらに説明する。図5において、
“a”は羽根列16aの羽根16の存在するエリア(有
効吸気エリア)の寸法、“b”は羽根が存在しない主軸
部15のエリア(非有効吸気エリア)の寸法である。ま
た、図6において、“a1 ”は環状トラップパネル12
aの内側の空間エリア(有効吸気エリア)の寸法、“b
1 ”は中央部トラップパネル12dのあるエリア(非有
効吸気エリア)の寸法である。そして、a=a1、b=
b1 の位置関係のときターボ型ドライポンプ11に最大
排気コンダクタンスが得られる(但し、トラップ12と
羽根車16bは軸方向に極力近づけておくものとす
る)。
【0039】第2実施例のトラップ12−1では、a1
≒b、b1≒bの寸法関係を容易に達成でき、有効吸気
エリアを犠牲にしないでトラップ12−1の有効吸着
(水分子を吸着冷却する)面積を最大にとることができ
る。
≒b、b1≒bの寸法関係を容易に達成でき、有効吸気
エリアを犠牲にしないでトラップ12−1の有効吸着
(水分子を吸着冷却する)面積を最大にとることができ
る。
【0040】次に、図7には、第3実施例に係る真空排
気装置が示されている。この第3実施例のトラップ12
−2は第2実施例のトラップ12−1の変形例であり、
中央部トラップパネル12dが同軸線上に複数設けられ
ている点が、この第2実施例のトラップ12−1と相違
する基本的な点である。第3実施例のトラップ12−2
では、環状トラップパネル12aが第2実施例のものよ
り軸方向に長く設けられている。また、環状トラップパ
ネル12aの内側に設けられる第2実施例と同じ形状の
第1と第2の支持フレーム12c1 、12c2 が所定の
間隔を置いて2つ設けられている。
気装置が示されている。この第3実施例のトラップ12
−2は第2実施例のトラップ12−1の変形例であり、
中央部トラップパネル12dが同軸線上に複数設けられ
ている点が、この第2実施例のトラップ12−1と相違
する基本的な点である。第3実施例のトラップ12−2
では、環状トラップパネル12aが第2実施例のものよ
り軸方向に長く設けられている。また、環状トラップパ
ネル12aの内側に設けられる第2実施例と同じ形状の
第1と第2の支持フレーム12c1 、12c2 が所定の
間隔を置いて2つ設けられている。
【0041】第1の支持フレーム12c1 の両側面に
は、第1と第2の中央部トラップパネル12d1 、12
d2 が固定されており、第2の支持フレーム12c2 の
両側面に第3と第4の中央部トラップパネル12d3 、
12d4 が固定されている。さらに、この第2と第3の
中央部トラップパネル12d3 、12d4 の中心部の間
に連結軸26が架設されていて、第5の中央部トラップ
パネル12d5 がこの連結軸26に支持されている。第
1〜第5の中央部トラップパネル12d1 〜12d5 の
直径はすべて主軸部15の直径と実質的に同一である。
は、第1と第2の中央部トラップパネル12d1 、12
d2 が固定されており、第2の支持フレーム12c2 の
両側面に第3と第4の中央部トラップパネル12d3 、
12d4 が固定されている。さらに、この第2と第3の
中央部トラップパネル12d3 、12d4 の中心部の間
に連結軸26が架設されていて、第5の中央部トラップ
パネル12d5 がこの連結軸26に支持されている。第
1〜第5の中央部トラップパネル12d1 〜12d5 の
直径はすべて主軸部15の直径と実質的に同一である。
【0042】したがって、第3実施例のトラップ12−
2においては、第1〜第5の中央部トラップパネル12
d1 〜12d5 の表面積の総計が、第1実施例の1枚の
中央部トラップパネル12dの表面積よりも大きく、そ
れだけ、水素分子の有効吸着面積が増大する。第1〜第
5の中央部トラップパネル12d1 〜12d5 は主軸部
15と軸方向に重なり合っている。
2においては、第1〜第5の中央部トラップパネル12
d1 〜12d5 の表面積の総計が、第1実施例の1枚の
中央部トラップパネル12dの表面積よりも大きく、そ
れだけ、水素分子の有効吸着面積が増大する。第1〜第
5の中央部トラップパネル12d1 〜12d5 は主軸部
15と軸方向に重なり合っている。
【0043】図8には第4実施例に係るトラップ12−
3が示されている。この第4実施例のトラップ12−3
において、環状トラップパネル12aの中央部に支持フ
レーム12cを介して1つの中央部トラップパネル12
dが設けられている点は第2実施例に係るトラップ12
−1と同じである。この第4実施例では、中央部トラッ
プパネル12dの気体分子が流れる上流側の側面に、複
数のテーパ形トラップパネル12e1 〜12e3 が中心
部を共通にしている点、かつその先細端部がトラップパ
ネル12dの側面に向けて配設されている点で第1実施
例〜第3実施例と相違している。
3が示されている。この第4実施例のトラップ12−3
において、環状トラップパネル12aの中央部に支持フ
レーム12cを介して1つの中央部トラップパネル12
dが設けられている点は第2実施例に係るトラップ12
−1と同じである。この第4実施例では、中央部トラッ
プパネル12dの気体分子が流れる上流側の側面に、複
数のテーパ形トラップパネル12e1 〜12e3 が中心
部を共通にしている点、かつその先細端部がトラップパ
ネル12dの側面に向けて配設されている点で第1実施
例〜第3実施例と相違している。
【0044】複数のテーパ形トラップパネル12e1 〜
12e3 を中央部トラップパネル12dの側面に取付け
る手段として、各テーパ形トラップパネル12e1 〜1
2e3 の中心を支持軸27が貫通しており、支持軸27
の端部が中央部トラップパネル12dに貫通支持されて
いる。
12e3 を中央部トラップパネル12dの側面に取付け
る手段として、各テーパ形トラップパネル12e1 〜1
2e3 の中心を支持軸27が貫通しており、支持軸27
の端部が中央部トラップパネル12dに貫通支持されて
いる。
【0045】また、テーパ形トラップパネル12e1 〜
12e3 はそれぞれテーパ壁の傾斜角度を異にしてい
て、中央部トラップパネル12dの側面から遠ざかるも
の程テーパ壁の中心軸に対する傾斜角度が小さくなる構
成とされている。したがって、多段に積層された各テー
パ形トラップパネル12e1 〜12e3 のテーパ壁の間
には十分な隙間が形成されて、この隙間を介して、テー
パ壁の両面が水分子の吸着面となり、それによりトラッ
プ12−3の水分子の有効吸着面積が増大する。
12e3 はそれぞれテーパ壁の傾斜角度を異にしてい
て、中央部トラップパネル12dの側面から遠ざかるも
の程テーパ壁の中心軸に対する傾斜角度が小さくなる構
成とされている。したがって、多段に積層された各テー
パ形トラップパネル12e1 〜12e3 のテーパ壁の間
には十分な隙間が形成されて、この隙間を介して、テー
パ壁の両面が水分子の吸着面となり、それによりトラッ
プ12−3の水分子の有効吸着面積が増大する。
【0046】また、各テーパ形トラップパネル12e1
〜12e3 の端縁部から中心までの距離は中央部トラッ
プパネル12d及び主軸部15の直径と略同一寸法に設
けられているので、多段のテーパ形トラップパネル12
e1 〜12e3 が存在するも、ターボ型ドライポンプ1
1の吸気口20の有効吸気面積の低下は最小限に抑えら
れることになる。
〜12e3 の端縁部から中心までの距離は中央部トラッ
プパネル12d及び主軸部15の直径と略同一寸法に設
けられているので、多段のテーパ形トラップパネル12
e1 〜12e3 が存在するも、ターボ型ドライポンプ1
1の吸気口20の有効吸気面積の低下は最小限に抑えら
れることになる。
【0047】図9には第5実施例に係るトラップ12−
4が示されている。この第5実施例のトラップ12−4
では、複数のテーパ形トラップパネル12e4 〜12e
6 が第4実施例と反対に中央部トラップパネル12dの
気体が流れる下流側に設けられている。このテーパ形ト
ラップパネル12e4 〜12e6 の配置を除けば、他の
構成は第4実施例のトラップ12−3と同じである。
4が示されている。この第5実施例のトラップ12−4
では、複数のテーパ形トラップパネル12e4 〜12e
6 が第4実施例と反対に中央部トラップパネル12dの
気体が流れる下流側に設けられている。このテーパ形ト
ラップパネル12e4 〜12e6 の配置を除けば、他の
構成は第4実施例のトラップ12−3と同じである。
【0048】第5実施例のトラップパネル12dの下流
側において、各テーパ形トラップパネル12e4 〜12
e6 のテーパ壁の両面に水分子が吸着される。しかもこ
の複数のテーパ形トラップパネル12e4 〜12e6 の
存在によっても、ターボ型ドライポンプ11の吸気口2
0における有効排気面積の低下は極力抑えられる。
側において、各テーパ形トラップパネル12e4 〜12
e6 のテーパ壁の両面に水分子が吸着される。しかもこ
の複数のテーパ形トラップパネル12e4 〜12e6 の
存在によっても、ターボ型ドライポンプ11の吸気口2
0における有効排気面積の低下は極力抑えられる。
【0049】図10には、第6実施例に係るトラップ1
2−5が示されている。この第6実施例のトラップ12
−5は、第4実施例に係るトラップ12−3と第5実施
例に係るトラップ12−4を一体化した構成に略相当す
る。すなわち、多段に積層された複数のテーパ形トラッ
プパネル12e1 〜12e3 及び12e4 〜12e
6は、中央部トラップパネル12dの上流側と下流側の
両側面に設けられていて、各テーパ形トラップパネル1
2e1 〜12e6 は、その中心部が中央部トラップパネ
ル12dの中心を貫通する支持軸27によって支持され
ている。
2−5が示されている。この第6実施例のトラップ12
−5は、第4実施例に係るトラップ12−3と第5実施
例に係るトラップ12−4を一体化した構成に略相当す
る。すなわち、多段に積層された複数のテーパ形トラッ
プパネル12e1 〜12e3 及び12e4 〜12e
6は、中央部トラップパネル12dの上流側と下流側の
両側面に設けられていて、各テーパ形トラップパネル1
2e1 〜12e6 は、その中心部が中央部トラップパネ
ル12dの中心を貫通する支持軸27によって支持され
ている。
【0050】第6実施例のトラップ12−5は、第4実
施例のトラップ12−3と第5実施例のトラップ12−
4の各水分子の有効吸着面積を足した吸着面積を有して
いるので、この吸着面積が増大した分だけ、水分子の吸
着能力が向上する。しかも、第4実施例、第5実施例の
トラップ12−3,12−4と同様、ターボ型ドライポ
ンプ11の吸気口20の有効吸入面積の低下は極力抑え
られる。
施例のトラップ12−3と第5実施例のトラップ12−
4の各水分子の有効吸着面積を足した吸着面積を有して
いるので、この吸着面積が増大した分だけ、水分子の吸
着能力が向上する。しかも、第4実施例、第5実施例の
トラップ12−3,12−4と同様、ターボ型ドライポ
ンプ11の吸気口20の有効吸入面積の低下は極力抑え
られる。
【0051】なお、第4実施例〜第6実施例のトラップ
12−3〜12−5では、テーパ形トラップパネル12
e1 〜12e6 が複数段配設されているが、これに限ら
ず、1個のテーパ形トラップパネル12e1 が中央部ト
ラップパネル12dの上流と下流側のいずれかの一側面
又は両側面に取付けられる構成であっても構わない。
12−3〜12−5では、テーパ形トラップパネル12
e1 〜12e6 が複数段配設されているが、これに限ら
ず、1個のテーパ形トラップパネル12e1 が中央部ト
ラップパネル12dの上流と下流側のいずれかの一側面
又は両側面に取付けられる構成であっても構わない。
【0052】図11には、第7実施例に係るトラップ1
2−6が示されている。この第6実施例に係るトラップ
12−6では、環状トラップパネル12aの中心部に、
円錐先端部を上流側に向けて配置されたテーパ形中央ト
ラップパネル12fが設けられている。このテーパ形中
央トラップパネル12fの大径側の基端部から半径方向
に支持フレーム12cが伸長していて、この支持フレー
ム12cの端部を環状トラップパネル12aの内周面に
固定することにより、テーパ形中央トラップパネル12
fが環状トラップパネル12aの中心部に支持されてい
る。
2−6が示されている。この第6実施例に係るトラップ
12−6では、環状トラップパネル12aの中心部に、
円錐先端部を上流側に向けて配置されたテーパ形中央ト
ラップパネル12fが設けられている。このテーパ形中
央トラップパネル12fの大径側の基端部から半径方向
に支持フレーム12cが伸長していて、この支持フレー
ム12cの端部を環状トラップパネル12aの内周面に
固定することにより、テーパ形中央トラップパネル12
fが環状トラップパネル12aの中心部に支持されてい
る。
【0053】また、テーパ形中央トラップパネル12f
は、羽根車16bの主軸部15と同一軸線上に設けられ
ており、かつその最大径部が主軸部15の直径と略同一
寸法に設けられている。
は、羽根車16bの主軸部15と同一軸線上に設けられ
ており、かつその最大径部が主軸部15の直径と略同一
寸法に設けられている。
【0054】したがって、この第7実施例のトラップ1
2−6によると、環状トラップパネル12aが羽根車1
6bの外径部に設けられていること及び、テーパ形中央
トラップパネル12fの円錐先端部が上流側に向けて配
置されていること、最大径部が主軸部15の直径部と略
同一寸法であること等により、気体分子のターボ型ドラ
イポンプ11への流れを出来る限り阻害しないで、テー
パ形中央トラップパネル12fの有効吸着面積を可及的
に大きくできる。
2−6によると、環状トラップパネル12aが羽根車1
6bの外径部に設けられていること及び、テーパ形中央
トラップパネル12fの円錐先端部が上流側に向けて配
置されていること、最大径部が主軸部15の直径部と略
同一寸法であること等により、気体分子のターボ型ドラ
イポンプ11への流れを出来る限り阻害しないで、テー
パ形中央トラップパネル12fの有効吸着面積を可及的
に大きくできる。
【0055】図12には、第8実施例に係るトラップ1
2−7が示されている。この第8実施例に係るトラップ
12−7では、第7実施例に係る全周が同一径の環状ト
ラップパネル12aに代えて、テーパ形環状トラップパ
ネル12a1 が使用されている点が当該第7実施例のト
ラップ12−6と相違し、他の構成は、第7実施例のト
ラップ12−6と同じである。
2−7が示されている。この第8実施例に係るトラップ
12−7では、第7実施例に係る全周が同一径の環状ト
ラップパネル12aに代えて、テーパ形環状トラップパ
ネル12a1 が使用されている点が当該第7実施例のト
ラップ12−6と相違し、他の構成は、第7実施例のト
ラップ12−6と同じである。
【0056】テーパ形環状トラップパネル12a1 は、
その拡径部を上流側に向けて配置されている。また、テ
ーパ形環状トラップパネル12a1 の径小端部の内径
が、羽根車16bの外径と略同一寸法に設けられてい
る。
その拡径部を上流側に向けて配置されている。また、テ
ーパ形環状トラップパネル12a1 の径小端部の内径
が、羽根車16bの外径と略同一寸法に設けられてい
る。
【0057】したがって、第8実施例のトラップ12−
7によると、テーパ形環状トラップパネル12a1 は、
その拡径側の端縁が気体分子の流れる上流に向けられて
いるので、吸気口20を流れる気体分子のうち水分子は
このテーパ形環状トラップパネル12a1 に吸着される
と共に、他の気体分子は、このテーパ形環状トラップパ
ネル12a1 にガイドされてその内側をスムーズに流
れ、羽根車16bの有効吸引領域に吸引されて排気され
る。
7によると、テーパ形環状トラップパネル12a1 は、
その拡径側の端縁が気体分子の流れる上流に向けられて
いるので、吸気口20を流れる気体分子のうち水分子は
このテーパ形環状トラップパネル12a1 に吸着される
と共に、他の気体分子は、このテーパ形環状トラップパ
ネル12a1 にガイドされてその内側をスムーズに流
れ、羽根車16bの有効吸引領域に吸引されて排気され
る。
【0058】図13には、第9実施例に係るトラップ1
2−8が示されている。この第9実施例に係るトラップ
12−8では、第8実施例のテーパ形中央トラップパネ
ル12fに代えて、円板状の中央トラップパネル12g
がテーパ形環状トラップパネル12a1 の中央部に配置
されている点が当該第8実施例のトラップ12−7と相
違し、他の構成は第8実施例のトラップ12−7と同じ
である。
2−8が示されている。この第9実施例に係るトラップ
12−8では、第8実施例のテーパ形中央トラップパネ
ル12fに代えて、円板状の中央トラップパネル12g
がテーパ形環状トラップパネル12a1 の中央部に配置
されている点が当該第8実施例のトラップ12−7と相
違し、他の構成は第8実施例のトラップ12−7と同じ
である。
【0059】したがって、第9実施例のトラップ12−
8によると、中央トラップパネル12gの有効吸着面積
は、第8実施例のテーパ形中央トラップパネル12fに
比して若干小さいが、その構造はテーパ形中央トラップ
パネル12fより簡易である。そして、この第9実施例
のトラップ12−8によっても、羽根車16bの有効吸
気面積の低下を出来るだけ抑え、かつ水分子の有効吸着
面積を可及的に大きくとることができる。
8によると、中央トラップパネル12gの有効吸着面積
は、第8実施例のテーパ形中央トラップパネル12fに
比して若干小さいが、その構造はテーパ形中央トラップ
パネル12fより簡易である。そして、この第9実施例
のトラップ12−8によっても、羽根車16bの有効吸
気面積の低下を出来るだけ抑え、かつ水分子の有効吸着
面積を可及的に大きくとることができる。
【0060】第2実施例〜第9実施例のいずれのトラッ
プ12−1〜12−8においても、環状トラップパネル
12a、12a1 には熱伝導体22を介して冷却装置2
3が接続されている。
プ12−1〜12−8においても、環状トラップパネル
12a、12a1 には熱伝導体22を介して冷却装置2
3が接続されている。
【0061】上記実施例の作用を説明する。
【0062】各実施例の真空排気装置で排気を行うに
は、チャンバベントバルブ10を閉じ、ターボ型排気ポ
ンプ11を駆動して真空チャンバ1内の排気を行なう。
ターボ型ドライポンプ11は数分で定常回転となり、さ
らに約1時間程度でトラップ12、12−1〜12−8
が定常温度となり、真空チャンバ1内を大気圧の状態か
ら10-8Torrの高真空状態にすることができる。
は、チャンバベントバルブ10を閉じ、ターボ型排気ポ
ンプ11を駆動して真空チャンバ1内の排気を行なう。
ターボ型ドライポンプ11は数分で定常回転となり、さ
らに約1時間程度でトラップ12、12−1〜12−8
が定常温度となり、真空チャンバ1内を大気圧の状態か
ら10-8Torrの高真空状態にすることができる。
【0063】ターボ型ドライポンプ11を駆動すると
き、図2に示されるように、羽根車16bの回転によ
り、真空チャンバ1内の気体分子が吸気口20からポン
プケース14内に吸引され、排気口21から排気され
る。このとき大気圧から粘性流の範囲では、水分子を含
む気体分子はターボ型ドライポンプ11で排気される。
そして、真空チャンバ1内が分子流の真空状態になった
とき、真空チャンバ1内に残留する水分子は、ポンプケ
ース14の入口において、環状トラップパネル12aと
補強フレーム12b、支持フレーム12c、中央部トラ
ップパネル12d,12d1 ,12d2 、テーパ形トラ
ップパネル12e1 〜12e6 等により凍結凝集され
て、排気が行なわれる。
き、図2に示されるように、羽根車16bの回転によ
り、真空チャンバ1内の気体分子が吸気口20からポン
プケース14内に吸引され、排気口21から排気され
る。このとき大気圧から粘性流の範囲では、水分子を含
む気体分子はターボ型ドライポンプ11で排気される。
そして、真空チャンバ1内が分子流の真空状態になった
とき、真空チャンバ1内に残留する水分子は、ポンプケ
ース14の入口において、環状トラップパネル12aと
補強フレーム12b、支持フレーム12c、中央部トラ
ップパネル12d,12d1 ,12d2 、テーパ形トラ
ップパネル12e1 〜12e6 等により凍結凝集され
て、排気が行なわれる。
【0064】このとき、環状トラップパネル12a,1
2a1 は、羽根列16aの外径部に位置しており、また
中央部トラップパネル12d,12d1 ,12d2 、テ
ーパ形トラップパネル12e1 〜12e6 、テーパ形中
央トラップパネル12fは軸方向に見て主軸部15と略
重なっているので、上記構成のトラップ12−1〜2−
8を設けたことによって吸気口20の吸気有効面積は殆
ど減少されず、ターボ型ドライポンプ11の排気特性が
阻害されることが少ない。
2a1 は、羽根列16aの外径部に位置しており、また
中央部トラップパネル12d,12d1 ,12d2 、テ
ーパ形トラップパネル12e1 〜12e6 、テーパ形中
央トラップパネル12fは軸方向に見て主軸部15と略
重なっているので、上記構成のトラップ12−1〜2−
8を設けたことによって吸気口20の吸気有効面積は殆
ど減少されず、ターボ型ドライポンプ11の排気特性が
阻害されることが少ない。
【0065】なお、上述したターボ型ドライポンプ11
とトラップ12、12−1〜12−8との共働による真
空排気装置では、大気圧である760Torrから略1
0-8Torrまでは真空引きが可能であるが10-8To
rr以下には真空引き出来ない。本発明によると、PV
Dなどの装置を含め使用頻度の高い大気圧から約10-6
〜10-8Torrを1台のポンプを用いて、かつ可及的
に簡単な構造の真空排気装置で実現することができる。
これに対して従来の真空排気装置は、止むを得ず必要以
上の性能を有する高真空ポンプを用いて、この高真空ポ
ンプと低真空ポンプの併用による複雑な構成で、かつコ
ストの高い装置を使用せざるを得なかったものであり、
本発明ではこの問題点が克服されている。
とトラップ12、12−1〜12−8との共働による真
空排気装置では、大気圧である760Torrから略1
0-8Torrまでは真空引きが可能であるが10-8To
rr以下には真空引き出来ない。本発明によると、PV
Dなどの装置を含め使用頻度の高い大気圧から約10-6
〜10-8Torrを1台のポンプを用いて、かつ可及的
に簡単な構造の真空排気装置で実現することができる。
これに対して従来の真空排気装置は、止むを得ず必要以
上の性能を有する高真空ポンプを用いて、この高真空ポ
ンプと低真空ポンプの併用による複雑な構成で、かつコ
ストの高い装置を使用せざるを得なかったものであり、
本発明ではこの問題点が克服されている。
【0066】なお、本発明は上記実施例により限定され
ない。実施例の各部の構成は、必要に応じて設計変更し
て構わない。例えば、各実施例では、環状トラップパネ
ル12aは、切離部のない円環形状であるが、これに限
らず、円弧状に切離された複数のパネル部材を間隔をお
いて環状に配設して構成されるものであっても構わない
(但し、図示省略)。さらに、中央部トラップパネルを
球面状に湾曲させること、又中央部トラップパネルの支
持フレームを図示以外の構造にしてもよい。
ない。実施例の各部の構成は、必要に応じて設計変更し
て構わない。例えば、各実施例では、環状トラップパネ
ル12aは、切離部のない円環形状であるが、これに限
らず、円弧状に切離された複数のパネル部材を間隔をお
いて環状に配設して構成されるものであっても構わない
(但し、図示省略)。さらに、中央部トラップパネルを
球面状に湾曲させること、又中央部トラップパネルの支
持フレームを図示以外の構造にしてもよい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る真空
排気装置では、大気圧から最大10-6Torrまでの範囲を
作動圧力領域とするターボ型ドライポンプが用いられる
ので、従来の高真空ポンプ及び低真空ポンプの組み合わ
せによる2段引き方式と比較すると、発塵やガス放出の
場所が少なくなるので、クリーンな真空雰囲気が得られ
る。また、テーパ形状の中央パネルは上に述べた寸法と
なるように配置構成されているので、トラップを設けて
有効吸着面積を増大させているにもかかわらず、それに
よってターボ型ドライポンプの有効吸気エリアがほとん
ど失われない。このため、ターボ型ドライポンプのコン
ダクタンスが低下することはないので、真空チャンバを
短時間で真空排気することができる。
排気装置では、大気圧から最大10-6Torrまでの範囲を
作動圧力領域とするターボ型ドライポンプが用いられる
ので、従来の高真空ポンプ及び低真空ポンプの組み合わ
せによる2段引き方式と比較すると、発塵やガス放出の
場所が少なくなるので、クリーンな真空雰囲気が得られ
る。また、テーパ形状の中央パネルは上に述べた寸法と
なるように配置構成されているので、トラップを設けて
有効吸着面積を増大させているにもかかわらず、それに
よってターボ型ドライポンプの有効吸気エリアがほとん
ど失われない。このため、ターボ型ドライポンプのコン
ダクタンスが低下することはないので、真空チャンバを
短時間で真空排気することができる。
【図1】本発明の実施例に係る真空排気装置の説明図で
ある。
ある。
【図2】本発明の第1実施例に係る真空排気装置を示す
図であり、同図(A)は本実施例のトラップの断面図、
同図(B)はトラップの取付け部を断面で示す本実施例
の真空排気装置を示す一部断面図、同図(c)は本実施
例に使用可能な羽根列を示す図である。
図であり、同図(A)は本実施例のトラップの断面図、
同図(B)はトラップの取付け部を断面で示す本実施例
の真空排気装置を示す一部断面図、同図(c)は本実施
例に使用可能な羽根列を示す図である。
【図3】図(A)は第2実施例のトラップの断面図、同
図(B)はトラップの取付け部を断面で示す本実施例の
真空排気装置を示す一部断面図である。
図(B)はトラップの取付け部を断面で示す本実施例の
真空排気装置を示す一部断面図である。
【図4】本発明の第2実施例に使用可能なトラップの1
個を示す図であり、同図(A)は斜視図、同図(B)は
同図(A)の4−4線の断面図である。
個を示す図であり、同図(A)は斜視図、同図(B)は
同図(A)の4−4線の断面図である。
【図5】図(A)は、羽根車とポンプケースの吸気口を
示す図、同図(B)は吸気口における羽根車の有効吸気
領域と非有効吸気領域を示す一部断面図である。
示す図、同図(B)は吸気口における羽根車の有効吸気
領域と非有効吸気領域を示す一部断面図である。
【図6】図(A)は第2実施例に係るトラップの正面
図、同図(B)はトラップの吸気口における羽根車の有
効吸気領域と非有効吸気領域を示す縦断面図である。
図、同図(B)はトラップの吸気口における羽根車の有
効吸気領域と非有効吸気領域を示す縦断面図である。
【図7】図(A)は第3実施例に係るトラップで、同図
(B)の7−7線の断面図、同図(B)は同図(A)の
トラップとターボ型ドライポンプとを組み合わせた真空
排気装置の一部断面図である。
(B)の7−7線の断面図、同図(B)は同図(A)の
トラップとターボ型ドライポンプとを組み合わせた真空
排気装置の一部断面図である。
【図8】図(A)は第4実施例に係るトラップの正面
図、同図(B)は同図(A)のトラップとターボ型ドラ
イポンプとを組み合わせた真空排気装置の一部断面図で
ある。
図、同図(B)は同図(A)のトラップとターボ型ドラ
イポンプとを組み合わせた真空排気装置の一部断面図で
ある。
【図9】図(A)は第5実施例に係るトラップの正面
図、同図(B)は同図(A)のトラップとターボ型ドラ
イポンプとを組み合わせた真空排気装置の一部断面図で
ある。
図、同図(B)は同図(A)のトラップとターボ型ドラ
イポンプとを組み合わせた真空排気装置の一部断面図で
ある。
【図10】図(A)は第6実施例に係るトラップの正面
図、同図(B)は同図(A)のトラップとターボ型ドラ
イポンプとを組み合わせた真空排気装置の一部断面図で
ある。
図、同図(B)は同図(A)のトラップとターボ型ドラ
イポンプとを組み合わせた真空排気装置の一部断面図で
ある。
【図11】図(A)は第7実施例に係るトラップの正面
図、同図(B)は同図(A)の11−11線に沿って切
断した図で、かつターボ型ドライポンプとの組合せ関係
を示す断面図である。
図、同図(B)は同図(A)の11−11線に沿って切
断した図で、かつターボ型ドライポンプとの組合せ関係
を示す断面図である。
【図12】図(A)は第8実施例に係るトラップの正面
図、同図(B)は同図(A)の12−12線に沿って切
断した図で、ターボ型ドライポンプとの組合せ関係を示
す断面図である。
図、同図(B)は同図(A)の12−12線に沿って切
断した図で、ターボ型ドライポンプとの組合せ関係を示
す断面図である。
【図13】図(A)は第9実施例に係るトラップの正面
図、同図(B)は同図(A)の13−13線に沿って切
断した図で、かつターボ型ドライポンプとの組合せ関係
を示す断面図である。
図、同図(B)は同図(A)の13−13線に沿って切
断した図で、かつターボ型ドライポンプとの組合せ関係
を示す断面図である。
【図14】従来例に係る真空排気装置の説明図である。
1…真空チャンバ、8…管路、11…ターボ型ドライポ
ンプ、12…トラップ、12d…中央部トラップパネ
ル、12e…テーパ形トラップパネル、15…主軸部、
16…羽根、16a…羽根列、16b…羽根車。
ンプ、12…トラップ、12d…中央部トラップパネ
ル、12e…テーパ形トラップパネル、15…主軸部、
16…羽根、16a…羽根列、16b…羽根車。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−168994(JP,A) 特開 平2−5792(JP,A) 実開 昭64−51795(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04D 19/04
Claims (6)
- 【請求項1】 真空チャンバ内の気体を排気する真空排
気装置において、 ポンプケース内に、主軸の外周に多段の羽根列を設けて
構成された羽根車が収容され、大気圧から最大10 -6 To
rrまでの範囲を作動圧力領域とするターボ型ドライポン
プと、 前記ポンプケースの吸気口側の内部に配置されたトラッ
プと、 前記トラップを冷却すべく前記トラップに熱伝導体を介
して連結された冷却装置と、 を備え、 前記トラップは、 前記ターボ型ドライポンプの前記主軸と同軸に配置され
た環状体と、 前記環状体の中心に、前記ターボ型ドライポンプの前記
主軸と同軸に配置されたテーパ形状の中央パネルと、 前記環状体及び前記中央パネルを連結する支持部材と、 から構成されており、 前記ターボ型ドライポンプの主軸の外周と前記羽根車の
外端縁の間の吸気有効部の寸法をa、前記主軸の直径寸
法をb、前記中央パネルの最大外周から前記トラップの
環状体の内周までの直径寸法をa 1 、前記中央パネルの
最大直径をb 1 としたとき、前記各寸法がa 1 ≒a,b 1
≒bの関係となるように構成されていることを特徴とす
る真空排気装置。 - 【請求項2】 前記中央パネルは複数あり、前記ターボ
型ドライポンプの前記主軸と同軸に配列されていること
を特徴とする請求項1に記載の真空排気装置。 - 【請求項3】 前記中央パネルの最大外周部分が前記タ
ーボ型ドライポンプに向けられていることを特徴とする
請求項1又は2に記載の真空排気装置。 - 【請求項4】 前記中央パネルの最大外周部分が前記タ
ーボ型ドライポンプとは反対の方向に向けられているこ
とを特徴とする請求項1又は2に記載の真空排気装置。 - 【請求項5】 前記環状体は前記ターボ型ドライポンプ
に向かって拡径されるテーパ形状となっていることを特
徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の真空排気
装置。 - 【請求項6】 前記トラップは前記熱伝導体により前記
ポンプケース内にて支持されていることを特徴とする請
求項1〜5のいずれか1項に記載の真空排気装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6069520A JP2802035B2 (ja) | 1994-04-07 | 1994-04-07 | 真空排気装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6069520A JP2802035B2 (ja) | 1994-04-07 | 1994-04-07 | 真空排気装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07279888A JPH07279888A (ja) | 1995-10-27 |
JP2802035B2 true JP2802035B2 (ja) | 1998-09-21 |
Family
ID=13405088
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6069520A Expired - Fee Related JP2802035B2 (ja) | 1994-04-07 | 1994-04-07 | 真空排気装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2802035B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3079367B2 (ja) | 1997-10-03 | 2000-08-21 | セイコー精機株式会社 | ターボ分子ポンプ |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52100216U (ja) * | 1976-01-28 | 1977-07-29 | ||
JPS62147362A (ja) * | 1985-12-20 | 1987-07-01 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | 地下水の微流速および流向測定装置 |
JPS62168994A (ja) * | 1985-12-26 | 1987-07-25 | Morihiko Kimata | 高真空排気装置 |
JP2503267B2 (ja) * | 1988-03-07 | 1996-06-05 | 株式会社東芝 | タ―ボ分子ポンプおよびその運転方法 |
JP3069744B2 (ja) * | 1990-10-29 | 2000-07-24 | 光洋精工株式会社 | 高真空ポンプ |
JPH0774635B2 (ja) * | 1990-11-20 | 1995-08-09 | 株式会社神戸製鋼所 | 真空排気装置 |
JP3155366B2 (ja) * | 1992-08-03 | 2001-04-09 | 日本真空技術株式会社 | ターボ分子ポンプ用クライオトラップ |
-
1994
- 1994-04-07 JP JP6069520A patent/JP2802035B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07279888A (ja) | 1995-10-27 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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