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JP2884245B2 - 印刷機の刷版保持装置 - Google Patents

印刷機の刷版保持装置

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JP2884245B2
JP2884245B2 JP1315380A JP31538089A JP2884245B2 JP 2884245 B2 JP2884245 B2 JP 2884245B2 JP 1315380 A JP1315380 A JP 1315380A JP 31538089 A JP31538089 A JP 31538089A JP 2884245 B2 JP2884245 B2 JP 2884245B2
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plate
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cylinder
vise
lever
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博幸 杉山
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Komori Corp
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Komori Corp
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Publication date
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Priority to DE69018036T priority patent/DE69018036T3/de
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は印刷機において、両端を刷版保持装置で固定
されて版胴の周面に装着された旧版を新版と交換する場
合にこの旧版と新版とを保持する刷版保持装置に関する
ものである。
〔従来の技術〕
印刷機の版胴外周部には、胴の全長におよぶ断面ほゞ
長方形状の切欠きが設けられており、この切欠き内に
は、刷版(以下、単に版という)のくわえ側端部をくわ
えるくわえ側版万力と、これにくわえられたのち胴周面
に巻付けられた版の尻側端部をくわえる尻側版万力とか
らなる刷版固定装置が、切欠き底面に固定されて胴軸方
向に延設されている。
従来におけるこれらくわえ側,尻側の版万力は、胴軸
方向に延びる長尺の万力台と、この万力台の端縁部に複
数個のボルトで揺動自在に枢支されその揺動により開閉
して万力台との間で版をくわえたり放したりする複数個
のくわえ板と、これら各くわえ板の端縁部切欠きと係合
する複数個のカムとを備えており、複数個のカムは回動
自在なカム軸上に並列して固定されてる。また、万力台
とくわえ板との間には、くわえ板を開方向に付勢する複
数個の圧縮コイルばねが介装されている。
このように構成されていることにより、版をくわえる
場合には、カム軸を回動操作すると、胴長方向へ複数個
に分割されたくわえ板は、カムの係合から解放されて圧
縮コイルばねの弾発力によりいっせいに開くので、くわ
え板と万力台との間へ版の端を挿入したのち、カム軸を
先程とは逆方向へ回動させると、くわえ板はカムの作用
により圧縮コイルばねの弾発力に抗し揺動して閉じ、版
の端をくわえる。
また、例えば特開平1−127346号公報に開示されてい
る装置は、従来版胴の円周方向に形成されていた版の尻
側くわえ面が、版胴の半径方向に形成されるように万力
台とくわえ板とが版胴の半径方向に延設されており、ま
た、版の端部が別に設けた版曲げ機によって直角状に曲
げられている。このように構成されていることにより、
くわえ側のくわえ側端部をくわえられて胴周面に巻付け
られた版の尻側端部は、折り曲げ部を万力台とくわえ板
との間へ挿入され、カム機構でくわえ板を揺動させるこ
とにより、版の折り曲げ片がくわえられるので、このあ
と、尻側版万力全体を円周方向へ移動させることによ
り、版が均一に張られて胴周面に密着する。
ところで、このような従来の印刷機において、印刷物
の仕様が変って版を旧版から新版に交換する場合には、
カム軸の回動操作により尻側版万力を開き、くわえから
解放された版の一端を保持しながら版胴を回転させたの
ち、カム軸の回動操作によりくわえ側版万力を開いて版
の他端をくわえから解放させることにより旧版が取り外
される。このあと、同様にして版万力の開閉と版胴の回
動操作とを繰返すことにより新版が装着される。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、このような従来における刷版の交換に
おいては、上記のようにカム軸の回動操作と版胴の回転
操作を手動または押ボタン操作で行わなければならず、
とくに旧版と新版とを手で保持しながら作業を行うこと
は、労力の負担がきわめて大きく熟練を必要とする。さ
らに、印刷作業中に新版を版胴への装着位置に準備して
おくことができず、また、取り外した旧版を版の交換作
業中に機外へ除去しなければならないので、準備時間が
延長し、生産性が低下するばかりでなく、この版保持の
ために版交換作業全体の自動化が阻害されるという問題
がある。
〔課題を解決するための手段〕
このような課題を解決するために本発明では、版胴の
外周切欠き内に配設され胴周に巻付けられた刷版の両端
を固定する刷版固定装置を備えた複数の印刷ユニットか
らなる印刷機において、前記刷版固定装置の開放と版胴
の回動とで排出される旧版を受け入れて保持する旧版保
持機構と、前記旧版と交換して前記版胴へ供給する新版
を保持する新版保持機構とを備えた略扁平状を呈する刷
版保持部材を、版交換を行う印刷ユニットに隣接する印
刷ユニットの上部にその先端を版胴の周面に接近・離間
するように揺動自在に支持させる。
〔作 用〕
版の交換に際しては、印刷作業中にあらかじめ新版を
保持させておいた刷版保持装置の先端部を版胴の周面に
対接させたのち、尻側版万力が刷版保持装置の先端部に
対向する位置で版胴を停止させ、くわえ側版万力と尻側
版万力を開いて旧版のくわえを解放したのち、版胴をほ
ゞ1回転させると、旧版は刷版保持装置内へ進入して保
持される。そこで、版胴を回動させてくわえ側版万力を
刷版保持装置の先端部に対向させて新版を押出すと、版
万力が閉じて印版の一端が版万力にくわえられるので、
版胴をほゞ1回転させたのち他方の版万力を閉じると、
新版の装着が終了する。
〔実施例〕
第1図ないし第12図は本発明に係る刷版保持装置を自
動刷版交換装置に実施した例を示し、第1図はこれを実
施した版胴の平面図、第2図は第1図のII−II断面図、
第3図は第1図のIII−III断面図、第4図は第1図のIV
−IV断面図、第5図は第1図のV−V断面図、第6図は
版くわえ前における尻側版万力の縦断面図、第7図は版
万力開閉装置の側面図、第8図は刷版保持装置上半部の
一部破断側面図、第9図は刷版保持装置下半部の一部破
断側面図、第10図は刷版保持装置の側面図、第11図は本
発明を実施した刷版交換装置全体の概要側面図、第12図
(a)〜(h)は刷版交換動作を説明するために示す刷
版交換装置全体および要部の概要側面図である。図にお
いて、版胴1の外周部には、断面をほゞ長方形状に形成
された切欠き2が、胴のほゞ全長にわたって設けられて
おり、この切欠き2の両端部には、鞍形状に形成された
ガイド3,4が切欠き底面にボルト止めされている。全体
を符号5で示すくわえ側版万力は、断面をほゞ正方形状
に形成されて胴軸方向に延びる万力台6を備えており、
この万力台6の両端薄肉部6aは、前記左右のガイド3,4
に上下動を規制されかつ円周方向へわずかに移動を許さ
れて嵌合されている。なお、万力台6は切欠き2の底面
に固定された図示しない複数個のガイドにより中間部を
摺動自在に押えられて浮上がりを規制されている。万力
台6の長手方向複数箇所には、第4図に断面を示すねじ
孔6bが設けられていて、このねじ孔6bには、先端部にテ
ーパ加工が施された調節ねじ7が螺入されており、この
調節ねじ7に対応する箇所のピン孔には、鍔部を万力台
6と切欠き2の壁面との間隙に係入させた鍔付きピン8
が先端を調節ねじ7のテーパ加工面に当接させて摺動自
在に挿入されている。こうすることにより、調節ねじ7
を回動させると、テーパ加工面の作用で万力台6が円周
方向へ微量だけ移動調節されるように構成されている。
第5図に符号9で示すものは、万力台6側のスタッド10
と切欠き2の凹孔2a壁面との間に介装され版万力5全体
を円周方向外方へ付勢する圧縮コイルばねである。
万力台6の傾斜面複数箇所には、第5図に示すL字状
のくわえ板ホルダ11がボルト12、13で固定されていて、
このくわえ板ホルダ11から水平状に突出するピン11aに
は、万力台6と全長が同長で胴軸方向に3分割された断
面ほゞくの字状のくわえ板14が揺動自在に支持されてお
り、そのくわえ面14aは万力台6のくわえ面と対向して
いる。なお、図示しないが、くわえ面14aには複数条の
凸条が形成されていて、対向くわえ面の凹溝と係合して
いる。万力台6の底面には第2図に断面を示す複数個の
スタッド15が、胴軸方向に並列し切欠き2の凹孔2a内へ
突出して植設されており、これら各スタッド15のねじ孔
に螺入されたばね受けピン16と、くわえ板14の下端凹孔
との間には、くわえ板14をそのくわえ面14aが閉じる方
向に付勢する圧縮コイルばね17が介装されている。
一方、切欠き2の底面中央部には、直方形状に形成さ
れた複数個の軸受18が胴軸方向に並列してボルトで固定
されていて、これらの軸受18には断面6角形のカム軸19
が、円形断面部を嵌合させて回動自在に軸支されてお
り、このカム軸19上には、大径部と小径部とを有する複
数個の版くわえカム20が、軸方向に並列して軸着されて
いる。そして各版くわえカム20のカム面は各くわえ板14
の垂直面に対接されており、カム軸19を後述する駆動装
置で回動させることにより、版くわえカム20の大径部が
圧縮コイルばね17の弾発力に抗してくわえ板14を図の反
時計方向に揺動させ、くわえ面14aを開かせるように構
成されている。
切欠き2内には、全体を符号30で示す尻側版万力がく
わえ側万力5に平行して設けられている。この尻側版万
力30は、胴長とほゞ同じ長さに形成されて垂直面を軸受
18の垂直面に添接させたばね受けバー31を備えており、
このばね受けバー31は、複数個のボルト32によって切欠
き2の底面に固定されている。ばね受けバー31は版胴1
の半径方向に延びる規制面31aを備えていて、この規制
面31aと切欠き2の壁面2bとの間には、支持軸33が両端
を版胴1両端の円板状ベアラ34に近接させて延接されて
おり、それぞれ胴軸方向に3分割された万力台35とくわ
え板36とは、版胴1の半径方向に延在するくわえ面35a,
36aを対向させて、これらくわえ面35a,36aが離間・接近
するように、反くわえ面側を中心としてこの支持軸33で
揺動自在とされている。37は3分割された万力台35同士
を連結する調節ねじであって、右ねじと左ねじとをそれ
ぞれの万力台35のねじ孔に螺合されており、両万力台35
の間に位置して一体形成されたカラー部37aの孔に工具
を挿入して回動させることにより、両万力台35間の間隔
が調節されるように構成されている。
切欠き2の壁面2bに形成された凹部2c内には、平面状
の小径部38aと円弧状の大径部38bとで棒状に形成された
カム38が、前記ベアラ34に回動自在に軸支されており、
そのベアラ34からの突出部38cは、6角状に形成されて
いる。また、40はカム38の回動を案内するガイドであっ
て、ボルト41で切欠き壁面2bの凹部2cに固定されてい
る。さらに、万力台35の反くわえ側端部に形成された複
数個のばね孔底面と、前記ばね受けバー31に形成された
複数個のばね孔底面との間には、これら万力台35とばね
受けバー31とを互いに離間させる方向に付勢する圧縮コ
イルばね42が介装されており、また、ばね受けバー31上
部のばね孔31b内に摺動自在に設けられてダブルナット4
3で移動端限を規制されたばね軸44の鍔部と、ばね孔31b
の底面との間には、くわえ板36をばね受けバー31から離
間させる方向に付勢する圧縮コイルばね45が装填されて
いる。また、万力台35上部のばね孔内には、万力台35を
くわえ板36から離間させる方向に付勢する圧縮コイルば
ね46が装填されている。47は版胴1に対接するゴム胴で
ある。
次にカム軸19とカム38とを回動させて版くわえ面を開
閉させる開閉駆動装置について説明する。この開閉駆動
装置は、前記版胴1やゴム胴47等を軸支する左右のフレ
ーム50に近接してそれぞれ設けられているが、以下給紙
装置側から見て右側(以下、単に右側という。ただし第
1図では作図の都合上向って左側となっている。)のフ
レーム50側のものについて説明する。フレーム50の上端
面には、駆動装置としてのエアシリンダ51がブラケット
52を介して揺動自在に枢支されており、一方、前記くわ
え側のカム軸19と尻側のカム38とには、レバー53とレバ
ー54とがベアラ45とフレーム50との間に位置して割締め
固定されていて、これらのレバー53,54とエアシリンダ5
1との間には、全体を符号55で示すリンク機構が設けら
れている。すなわち、エアシリンダ51のピストンロッド
56に連結されたロッド57の先端部は、フレーム50の上面
にブラケット58を介して回動自在に支持されたL字レバ
ー59の遊端部に枢着されており、L字レバー59の他方の
遊端部に上端を枢着されたロッド60の下端部は、フレー
ム50側のスタッド61に枢支されたレバー62の遊端部に枢
着されている。レバー62には,レバー63が一体形成され
ており、このレバー63の遊端部は、ころレバー64の一端
に枢着されている。65は左右のフレーム間に軸方向への
移動を規制されて回動自在に軸支されたレバー軸であっ
て、このレバー軸65には、レバー66が軸方向への移動を
規制されて回動自在に支持されており、このレバー66の
遊端部は、ころレバー64の中央部に枢着されている。す
なわち、レバー63,66,ころレバー64によって4節リンク
が形成されており、エアシリンダ51側から駆動されてレ
バー62が揺動することにより、ころレバー64がレバー6
3,66を伴って版胴1の半径方向へ進退するように構成さ
れている。このようなころレバー64の先端部には、版胴
1の回動位相にしたがってレバー53,54のいずれかに選
択的に対応するころ67が枢着されており、ころレバー64
が進退することにより、レバー53またはレバー54が図に
実線と鎖線とで示す範囲内で揺動してカム軸19またはカ
ム38が回動するように構成されている。
そして、この右側の装置においては、レバー53が実線
位置にあるときには、くわえ側版万力5の版くわえ面が
閉じ、レバー54が実線位置にあるときには、尻側版万力
30の版くわえ面が開くように構成されている。
さらに、給紙装置から見て左側(以下単に左側とい
う。第1図では向って右側)のフレーム側にも上記と同
構成で第7図では図示しない開閉駆動装置が設けられて
おり、この開閉駆動装置は、上記エアシリンダ51からこ
ろ67までは、第7図で示すものと全く同構成であって、
レバー53,54のみが異なっている。すなわち、第1図お
よび第7図において右側のレバー53,54はカム軸19およ
びカム38から図の上方へ向って先端を指向させている
が、左側の開閉駆動装置においては、第1図に符号53A,
54Aで示すレバーが、カム軸19およびカム38から図の下
方へ向って先端を指向させている。すなわち、左側のく
わえ側レバー53Aの先端部と右側の尻側レバー54の先端
部とが円周方向に同位相となって同時に両側のころ67に
対向するように構成されている。この結果、左右のエア
シリンダ51が同時に作動してレバー54が右側のころ67で
押されると、尻側版万力30の版くわえ面が開くと同時に
レバー53Aが左側のころで押され、右側のレバー54が鎖
線位置へ移動してくわえ側版万力5の版くわえ面が開く
ように構成されている。
第11図に符号70で示すものは版胴1の周面前方を全長
にわたって覆うカバーであって、フレーム50上端面にブ
ラケット71を介して回動自在に枢支されたL字レバー72
の遊端部に枢着されており、L字レバー72には、フレー
ム50側に枢支されたエアシリンダ73のピストンロッド74
の作用端が枢着されている。こうすることにより、制御
装置からの指令でエアシリンダ73が作動することにより
図に実線と鎖線とで示す範囲で開閉するように構成され
ている。
このように構成された版万力装置とその開閉装置に
は,使用済の旧版とこれから使用する新版とを交換する
刷版交換装置が付設されている。すなわち、フレーム50
の前方に隣接する印刷ユニットに設けられた左右のフレ
ーム80の上端後部には、左右一対のブラケット81が版胴
1の斜め上方に位置して固定されており、これらのブラ
ケット81に回動自在に軸支された揺動支軸82には、正面
視を版胴1とほゞ同長の横長長方形状に形成された刷版
保持部材としてのローダ83が、基端部を固定されて揺動
自在に設けられている。一方、左右のフレーム80には、
制御装置に接続されたエアシリンダ84が、ブラケット81
に近接して揺動自在に枢支されており、そのピストンロ
ッド85の作用端には、フレーム80側に枢着されたレバー
86と、ローダ83側に枢着されたレバー87とが枢着されて
いる。こうすることにより、エアシリンダ84のピストン
ロッド85が進退すると、レバー86,87を介してローダ83
が揺動し、図に実線で示す垂下姿勢と、鎖線で示す傾動
姿勢との間で揺動し、先端部が版胴1の周面に対する遠
近方向に移動するように構成されている。
第9図に示すように、ローダ83の下半部には、入口部
をV字状に形成された2枚のガイド板88が上下方向に延
設されており、このガイド板88の間には、尻側版万力30
が開くことによりくわえから解放されたのち版胴1の回
動によって巻き戻される版89が矢印方向に進入するよう
に構成されている。一方、ローダ83の上端部には、小判
形に形成された2枚を1組とする複数組のブラケット90
が、管状の揺動支軸82に固定されてローダ83を幅方向に
ほゞ3等分する位置に設けられており、これら各組のブ
ラケット90には、コンベックス91が支持されている。コ
ンベックス91は巻取り方向にばね力で付勢された帯状の
板ばね92を備えており、この板ばね92の巻戻し端部に
は、全体を符号93で示す版尻保持装置が固定されてい
る。この版尻保持装置93には、板ばね92端部のホルダ94
に揺動自在に枢支されたL字状の版掛け95がねじりコイ
ルばね96により実線で示す起立姿勢となるように付勢さ
れて設けられており、この版掛け95の鉤状部には、前記
ガイド板88間へ進入してきた版89の折曲げ端が引っ掛け
られるように構成されている。すなわち、版89の交換作
業の開始に先立ち、版尻保持装置93全体は、板ばね92を
伴いローダ83の中央部待機位置まで手動で引き下げられ
ているとともに、この待機位置に設けられたエアシリン
ダ97のピストンロッド98を押ボタン操作で前進させるこ
とにより、版掛け95がねじりコイルばね96の弾発力に抗
して鎖線位置を占めるように開いており、版掛け95の上
端でホルダ94をカバー99に押圧することにより、版尻保
持装置93全体が板ばね92の引っ張り力に抗して上昇を係
止されるように構成されている。100は投光器と受光器
とからなりエアシリンダ97に近接して設けられたセンサ
であって、ガイド板88間に進入してきた版89の先端をこ
れで検知することによりエアシリンダ97のピストンロッ
ド98を後退させて版掛け95をねじりコイルばね96の弾発
力で実線状態に起立させるように構成されている。この
結果、版89の折曲げ端が版掛け95に引っ掛けられるとと
もに、ホルダ94の係止が解かれて板ばね92の引っ張り力
で版尻保持装置93全体が版89を伴って上昇し、版89をロ
ーダ83内へ引き込んで収納するように構成されている。
さらに、ローダ83の上端部に版かけ95と対応して設けら
れたブロック101のピン孔には、ピン102が圧縮コイルば
ね103でブロック101から抜ける方向に付勢されて摺動自
在に支持されており、このピン102を圧縮コイルばね103
の弾発力に抗して押すことにより、版掛け95の上端部を
押してこれを鎖線で示すように傾動させ、版89の折曲げ
部を保持から解放してローダ83からの取外しを可能にす
るように構成されている。
次に給版装置について説明する。ローダ83の表面に
は、吸引エア源に接続され旧版89の代りに版胴1へ供給
する新版105を吸着して保持する1段複数個ずつ複数
段、本実施例では3段(中段のものは図示せず)の吸着
パット104が設けられており、このうち下段の吸着パッ
ト104は上下方向へ移動自在に形成されている。すなわ
ち下段の吸着パッド104の上方には、左右一対のエアシ
リンダ106がローダ83の両側板にブラケット107を介して
支持されていて、吸着パット104はこのエアシリンダ106
のピストンロッド108に両端部を固定されたバー109上に
並列して装着されており、ピストンロッド108が前進す
ることにより、新版105を保持したバー109が図に実線で
示す位置から鎖線で示す位置へ移動し、新版105を、そ
の先端に対向して開いているくわえ側版万力5へ供給す
るように構成されている。110はローダ83の左右の側板
に固定されてバー109両端のピニオン111と噛合いバー10
9の進退を円滑にするラックである。また、112は別のバ
ー113のピン孔に摺動自在に嵌合されて圧縮コイルばね1
14で突出方向に付勢され、新版105の基準孔と嵌合して
この新版105を位置決めする基準ピンである。
一方、ローダ83の下端部には、アーム軸115が回動自
在に支架されていて、このアーム軸115のローダ83から
の両側突出部には、ころアーム116が固定されており、
これら両アーム116の遊端部間に固定状に支架されたこ
ろ軸117上には、複数個の例えばブラシ状に形成された
ころ118が回動自在に並設されている。そして、ローダ
の幅方向一端にブラケット119を介して固定されたエア
シリンダ120のピストンロッド121の作用端には、連結板
122を介してレバー123が固定されており、レバー123の
下端部には、前記アーム軸115に固定されたレバー124の
遊端部が枢着されている。こうすることにより、エアシ
リンダ120のピストンロッド121が進退すると、アーム11
6が第9図に実線で示す収納位置と鎖線で示す使用位置
との間で回動し、使用位置では、ころ118が版胴1上の
版105に圧接されてこの版105を版胴1の周面に密着させ
るとともに、版105の尻側折曲げ端を、開いている尻側
版万力30へ挿入させるように構成されている。さらに前
記アーム軸115上には、版万力5へ供給される新版105を
摺接させて案内する例えばブラシ状に形成された複数個
のころ125が並設されている。126は版胴1上の版面に対
接され版面にインキを付着させるインキ装置の着ローラ
であって、一般に4個以上設けられている。
以上のように構成された各装置と版胴1を回動させる
例えばサーボモータとは、図示しない制御装置に接続さ
れており、これらが所定のタイミングで作動するように
構成されている。
以上のような刷版保持装置を備えた刷版交換装置の動
作を説明する。印刷作業中には、第12図(a)に示すよ
うにローダ83は揺動支軸82から垂下されており、この状
態で新版105を複数段の吸着パット104に吸着させ、かつ
基準孔を基準ピン112に嵌合させることにより位置決め
されてローダ83に装着される。また、ローダ83内の版尻
保持装置93を手動で押し下げ、エアシリンダ97を押ボタ
ン操作で作動させると、ピストンロッド98が前進して版
掛け95を押すので、版掛け95は第8図に鎖線で示すよう
に傾動して開かれる。
印刷作業が終了したのち旧版89を新版105に交換する
場合には、スタートボタンを押すと、エアシリンダ73が
作動し、L字レバー72を介してカバー70が第11図に鎖線
で示すように開くとともに、エアシリンダ84が作動して
レバー86,87を介しローダ83が第12図(b)に示す版交
換位置へ傾動する。またサーボモータが回転して版胴1
が排版位置を占めるまで所定角度だけ回動する。この場
合、第12図(c)および第9図に示すように尻側版万力
30がローダ83の先端部に対面するとともに、第7図に示
すように右側のころ67がカム軸38上のレバー54の先端部
に対接する。また、左側のころは、先端部がレバー54と
同位相にあるカム軸19上のレバー53Aに対向し、この状
態で左右のエアシリンダ51が同時に作動するので、カム
軸38,19の回転によりくわえ側版万力5と尻側版万力30
とが同時に開く。
この状態で旧版89の尻側端部が尻側版万力30の開いて
いるくわえ面から飛び出し、第12図(c)に示すガイド
130に当たり、そののち版胴1が第9図の反矢印方向に
回動するので、旧版89の尻側がローダ83のガイド板88間
に進入する。進入した旧版89がセンサ100を通過する
と、センサ100がこれを検知してエアシリンダ97を作動
させ、ピストンロッド98を進退させるので、版掛け95が
第8図に実線で示すように起立する。この結果、版掛け
95が旧版89の尻側折曲げ端を引っ掛けるとともに、ホル
ダ94の係止が解かれるので、版尻保持装置93全体がコン
ベックス91に設けた板ばね92に蓄積された引っ張り力で
上昇し、版掛け95に保持された旧版89は、ローダ83内へ
引き込まれて収納される。第12図(d)は旧版89の排出
途中の状態を示している。
このようにして排版が終わるとサーボモータが作動し
て版胴1がわずかに回動し、第9図に示すようにくわえ
側版万力5の開いた版くわえ面がローダ83に保持された
新版105の延長線上にきた位置で停止するとともに、エ
アシリンダ106が作動してラック110上でピニオン111を
回動させながらバー105が下降するので、下降の吸着パ
ット104で保持された新版105はころ125に摺接して案内
されながら下降し、新版105はそのくわえ側端部をくわ
え側版万力5に挿入される。このとき、第7図に示すレ
バー53がころ67に対向するので、エアシリンダ51が作動
すると、レバー53とともにカム軸19が回動して、新版10
5はくわえ側版万力5にくわえられる。第12図(e)は
この状態を示している。
この状態でサーボモータが回動して版胴1が矢印方向
に回動し、新版105は版胴1の周面に巻付けられてその
尻側折曲げ端がころ118に対応した位置で停止する。こ
のあとエアシリンダ120が作動してピストンロッド121が
後退し、レバー123,124を介しアーム116が回動してブラ
シ状のころ118が版胴1の周面に圧接され、新版105の尻
側折曲げ端は尻側版万力30に挿入される。この版胴1の
回動に際しては、ころ125が新版105の表面に圧接されな
がら回動するので、新版105は版胴1の周面に密着され
る。第12図(f)は版胴1の回動途中の状態を示してお
り、また、第12図(g)は回動後停止した状態を示して
いる。新版105の尻側端部が尻側版万力30に挿入される
と、左側のエアシリンダが作動してころがレバー54Aを
押下げるので、カム38の回動により尻側版万力30が閉じ
て新版105の挿入端をくわえる。そしてカム38の回動終
期においては万力台35とくわえ板36とが一体となって版
胴1の円周方向に移動するので、新版105が張られて版
胴1の周面に密着する。
このあとエアシリンダ84のピストンロッド85が後退し
てレバー86,87を引っ張るので、ローダ83が第12図
(h)に示すように垂下して格納状態になり、またエア
シリンダ73の作動によってカバー70が閉じるので、印刷
作業を再開することができる。
印刷作業を再開させたのち、適当なときにローダ83の
正面に立ってピン102を押すと、版掛け95が傾動して旧
版89を保持から解放するので、旧版89をローダ83から取
り出すことができ、また、前述したように、印刷作業中
に新版105をローダ83に装着して準備することができ
る。そして、ローダ83が格納された状態における印刷ユ
ニット間のスペースが縮小されることがない。
なお、本実施例は本発明を自動刷版交換装置に実施し
た例を示したが、これに限定するものではなく、この刷
版保持装置を押ボタン操作等で操作するようにしてもよ
い。
〔発明の効果〕
以上の説明により明らかなように本発明によれば印刷
機において、刷版固定装置の解放と版胴の回転とで排出
される旧版を受け入れて保持する旧版保持機構と、旧版
と交換して版胴へ供給する新版を保持する新版保持機構
とを備えた刷版保持装置を設けたことにより、版の交換
時間外に、新版の準備と、版胴からの旧版の取外しとを
行うことができるので、準備時間が大幅に短縮されて生
産性が向上するとともに、版を手で保持する必要がない
ので、労力が軽減される。また、略扁平状を呈する刷版
保持部材を、版交換を行う印刷ユニットに隣接する印刷
ユニットの上部にその先端を版胴の周面に接近・離間す
るように揺動自在に支持させたことにより、刷版保持部
材の先端を版胴の周面に接近・離間させるための駆動源
が1個となり、かつ簡単な駆動機構で行うことができる
ので、部品点数が大幅に削減され、構造が簡易となると
ともに、刷版保持部材の版胴周面への接近・離間動作が
単純化されるので、動作時間が短縮されて、刷版の交換
に要する作業時間が短縮される。また、刷版保持部材
が、版交換を行う印刷ユニットに隣接する印刷ユニット
の外面に沿うように位置付けられるから、版の交換作業
やインキ替え、保守の作業が容易であり、作業性を低下
させることがないとともに、印刷時には安全カバーとし
ても機能する。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第12図は本発明に係る刷版保持装置の実施
例を示し、第1図はこれを実施した版胴の平面図、第2
図は第1図のII−II断面図、第3図は第1図のIII−III
断面図、第4図は第1図のIV−IV断面図、第5図は第1
図のV−V断面図、第6図は版くわえ前における尻側版
万力の縦断面図、第7図は版万力開閉装置の側面図、第
8図は刷版保持装置上半部の一部破断側面図、第9図は
刷版保持装置下半部の一部破断側面図、第10図は刷版保
持装置の側面図、第11図は本発明を実施した刷版交換装
置全体の概要側面図、第12図(a)〜(h)は刷版交換
動作を説明するために示す刷版交換装置全体および要部
の概要側面図である。 1……版胴、2……切欠き、5……くわえ側版万力、30
……尻側版万力、82……揺動支軸、83……ローダ、89…
…旧版、93……版尻保持装置、104……吸着パット、105
……新版。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】版胴の外周切欠き内に配設され胴周に巻付
    けられた刷版の両端を固定する刷版固定装置を備えた複
    数の印刷ユニットからなる印刷機において、前記刷版固
    定装置の開放と版胴の回動とで排出される旧版を受け入
    れて保持する旧版保持機構と、前記旧版と交換して前記
    版胴へ供給する新版を保持する新版保持機構とを備えた
    略扁平状を呈する刷版保持部材を、版交換を行う印刷ユ
    ニットに隣接する印刷ユニットの上部にその先端を版胴
    の周面に接近・離間するように揺動自在に支持させたこ
    とを特徴とする印刷機の刷版保持装置。
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