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JP2869623B2 - ホーニング治具および自動ホーニング装置 - Google Patents

ホーニング治具および自動ホーニング装置

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Publication number
JP2869623B2
JP2869623B2 JP7246729A JP24672995A JP2869623B2 JP 2869623 B2 JP2869623 B2 JP 2869623B2 JP 7246729 A JP7246729 A JP 7246729A JP 24672995 A JP24672995 A JP 24672995A JP 2869623 B2 JP2869623 B2 JP 2869623B2
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JP
Japan
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honing
work
jig
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closing
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Application number
JP7246729A
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JPH0966461A (ja
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竜彦 坂根
秀次郎 赤松
隆明 山本
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NITSUSHIN SEISAKUSHO KK
Original Assignee
NITSUSHIN SEISAKUSHO KK
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Publication date
Application filed by NITSUSHIN SEISAKUSHO KK filed Critical NITSUSHIN SEISAKUSHO KK
Priority to JP7246729A priority Critical patent/JP2869623B2/ja
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  • Gripping On Spindles (AREA)
  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はホーニング治具お
よび自動ホーニング装置に関し、さらに詳細には、フロ
ーティング構造により工作物を三次元方向へ揺動可能に
保持するとともに、工作物の搬入および搬出を自動的に
行う構造を備えたホーニング加工技術に関する。
【0002】
【従来の技術】円筒工作物(以下、ワークと称する)の
内周面のホーニング加工においては、一般に、ホーニン
グツールとワークを相対的に浮動の状態におき、ホーニ
ングツールに回転と往復運動を与えるとともに、ホーニ
ングツールの砥石を拡張機構により拡張させながら、ワ
ーク内周面に精密仕上げを行う。
【0003】小寸法で軽量のワーク、例えば図18に示
すような薄肉円筒形状のワークWに対するホーニング加
工においては、ワークWの方を浮動状態におくのが一般
的である。この目的のために用いられる従来のホーニン
グ治具の一例が、図19〜図21に示されている。
【0004】この治具は自動ホーニング加工用のもので
あって、治具ベースa上に起立状に設けられた支柱b,
bに、中間リングcがX−Xクロスピンd,dを介して
揺動可能に支持され、この中間リングcに、ワークWを
固定保持するワークホルダeがY−Yクロスピンf,f
を介して揺動可能に支持されている。このワークホルダ
eは、その中央部に、ワークWを収容保持する収容部g
を備えるとともに、この収容部gの上部には、ワーク固
定用の固定キャップhが着脱可能に螺合されてなる。
【0005】そして、固定キャップhを取り外して、ワ
ークWを上記収容部gに収納した後、再び固定キャップ
hを螺合させることにより、ワークWはその上下端面を
上下方向へ締付け固定されて、ワークホルダeと一体化
され、このワークWの内周面Waに対して、上側から図
外のホーニングツールによるホーニング加工が行われ
る。
【0006】この場合、ワークホルダeは、直交する二
つのクロスピンd,fにより3次元方向へ揺動可能とさ
れ、ワークWは上記ホーニングツールの動きに追随して
精密なホーニング加工が確保され得る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな保持構造では以下に列挙するような種々の問題があ
り、さらなる改良が要望されていた。
【0008】(1) ワークW自体が横方向に出っ張り部分
等の全くない単純な円筒形状で、回り止めがないことか
ら、このワークWの保持固定(上下方向および回転方向
の固定)は、専ら固定キャップhの螺合によるワーク上
下端面の締付け固定によりなされている。ところが、こ
のような上下方向の締付けのみによる固定方法では、特
にワークWの回り止め作用が不十分で、ホーニングツー
ルの回転力の大きさによっては、ワークW自体がワーク
ホルダeの収容部g内で、その軸線まわりに回ってしま
うこともあり、高精度なホーニング加工を期待できない
ことになる。
【0009】(2) このようなワークWの回転を防止する
ためには、固定キャップhによる螺合力(締付け力)を
大きくすることも考えられが、図18に示すような薄肉
円筒形状のワークWでは、この強い締付け力によって、
ワークW自体に歪みを生じてしまう危険がある。
【0010】(3) ホーニング加工の完全自動化を実現す
るためには、上記固定キャップhの着脱作業も機械的に
自動で行う必要があるところ、このような固定キャップ
hの自動着脱装置は構造が大変複雑で大がかりなものと
なってしまい、装置コストの高騰をも招くことになる。
しかも、このような自動着脱装置には、ワークW自体の
形状保持の観点等から、固定キャップhの締付力に対す
るトルク管理が必然的に要求されることとなり、この点
からも装置コストの上昇を招く。
【0011】したがって、このような従来のホーニング
治具を採用した自動ホーニング装置においては、ワーク
Wのホーニング治具に対する取付け取外しが相変わらず
手作業で行われているのが実情であり、未だ完全自動化
は実現していない。
【0012】本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなさ
れたものであって、その目的とするところは、円筒形状
のワークについて、その肉厚の如何にかかわらず、ワー
クの着脱が簡単な装置により自動化することが可能な構
造を備えたホーニング治具を提供することにある。
【0013】さらに本発明は、このホーニング治具を備
えて完全自動化がなされた自動ホーニング装置を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のホーニング治具は、円筒状のワークを保持
して、自動ホーニング装置のワーク搬送装置により搬送
されるものであって、このワーク搬送装置の搬送路上に
移動可能に載置される治具ベースと、この治具ベースに
三次元方向へ揺動可能に設けられた揺動体と、この揺動
体に設けられたワークホルダとを備えてなり、このワー
クホルダは、ワークの外周面全周を着脱可能にチャッキ
ング支持する円筒チャッキング面を有する締付けスプリ
ング手段を備え、この締付けスプリング手段は、前記円
筒チャッキング面を内径部に有する円筒状のコイルスプ
リングと、このコイルスプリングを巻回方向へ変形させ
て前記円筒チャッキング面を拡縮動作させる開閉部とを
備えてなることを特徴とする。
【0015】好適には、前記コイルスプリングは、その
巻回基端部が固定側に接続されるとともに、その巻回先
端部が前記開閉部に接続されてなり、この開閉部による
コイルスプリングの巻回方向への変形動作により、前記
円筒チャッキング面が拡縮するように構成されている。
【0016】また、本発明の自動ホーニング装置は、前
記ホーニング治具を備えるものであって、さらに、この
ホーニング治具をホーニング加工部に沿って搬送し位置
決めするワーク搬送装置と、このワーク搬送部のワーク
搬入、搬出位置に配置されて、前記ホーニング治具の締
付けスプリング手段を拡縮動作させるチャック開閉装置
と、前記ワーク搬送部のワーク搬入、搬出位置に配置さ
れて、前記ホーニング治具に対してワークを搬入、搬出
するワーク搬入出装置と、前記ワーク搬送部のホーニン
グ加工位置に配置されて、前記ワーク搬送装置により搬
送されるワークにホーニング加工を施す少なくとも一つ
のホーニング盤と、前記ワーク搬送部の計測位置に配置
されて、ワークの加工径を計測する少なくとも一つの計
測装置と、前記ワーク搬送装置、チャック開閉装置、ワ
ーク搬入出装置、ホーニング盤および計測装置を相互に
連動して自動制御する制御装置とを備えてなることを特
徴とする。
【0017】好適には、前記チャック開閉装置は、水平
方向へ往復直線運動して、前記ホーニング治具の締付け
スプリング手段の操作部材に係脱可能に係合する開閉ロ
ッドと、この開閉ロッドを往復動作させる往復シリンダ
とを備えてなり、前記ホーニング治具の開閉部の操作部
材は、前記開閉リング部材から水平方向外方へ突出した
操作レバーの形態とされ、前記開閉ロッドにより前記操
作レバーが回動されて、前記開閉リング部材が回転操作
される。
【0018】本発明のホーニング治具を用いた自動ホー
ニング装置においては、制御装置の自動制御プログラム
に従って、以下の一連の加工工程が相互に連動して実行
される。
【0019】まず、ワーク搬送部の工作物搬入、搬出位
置において、ワーク搬入出装置が、ワークをワーク搬送
装置のホーニング治具にセットした後、ワーク搬送装置
が、このワークのセットされたホーニング治具を、ホー
ニング位置まで搬送して、ホーニング盤による所定のホ
ーニング加工が施される。このホーニング加工におい
て、ワークは、ホーニング治具により三次元方向へ揺動
可能に保持されているため、ホーニング盤のホーニング
ツールの動きに円滑に追随して、精密なホーニング加工
が保証される。ホーニング加工が完了すると、ワーク搬
送装置が、再びワークをワーク搬送部の工作物搬入、搬
出位置まで搬送し、ワーク搬入出装置が、このワークを
ホーニング治具から取り出す。
【0020】なお、ホーニング加工後のワークについて
は、順次計測装置がそのワーク加工径を計測し、その計
測結果は、ワークの良否判定に利用されるとともに、ホ
ーニング盤の制御部へフィードバックされて次のホーニ
ング加工を制御する。
【0021】また、上記工作物搬入、搬出位置におい
て、ワーク搬入出装置によるワークのホーニング治具へ
のセットに際しては、まず、チャック開閉装置がホーニ
ング治具の締付けスプリング手段を操作して、その円筒
チャッキング面を拡開させ,この拡開状態で、ワーク搬
入出装置がワークをホーニング治具にセットした後、再
びチャック開閉装置が締付けスプリング手段を操作し
て、その円筒チャッキング面を縮閉させ、ワークの外周
面全周をチャッキング支持する。
【0022】このように、締付けスプリング手段がワー
クの外周面全周をチャッキング支持する構成にあって
は、上述したような具体的かつ好適なチャッキング構造
を採用することができ、従来の固定キャップによる固定
支持構造に比較して、その自動化のための機械構造が簡
素かつ小型にでき、ワークに対するチャッキング力の設
定管理も格段に容易となる。
【0023】また、締付けスプリング手段のコイルスプ
リング内径部の円筒チャッキング面により、ワークの外
周面全周をチャッキング支持することにより、円筒状の
ワークについて、その肉厚の如何にかかわらず、その保
持固定特に回転方向の固定が確実であり、ワーク自体に
歪みを生じることもない。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0025】実施形態1 本発明に係るホーニング治具が図1ないし図3に示され
ており、このホーニング治具Jは、具体的には図10に
示す自動ホーニング装置に装備されるものである。この
自動ホーニング装置は、図18に示すような薄肉円筒状
のワークWの内周面Waをホーニング加工するものであ
って、ワーク搬送装置1、パーツフィーダ2、ワーク搬
入出ロボット(ワーク搬入出装置)3、チャック開閉装
置4、下穴検出装置(計測装置)5、第1加工用ホーニ
ング盤6、第1計測装置(計測装置)7、第2加工用ホ
ーニング盤8、第2計測装置(計測装置)9、ワーク選
別装置10および制御装置11を主要部として構成され
ている。これら各構成装置については後述する。
【0026】ホーニング治具Jは、上記ワークWを保持
して、上記ワーク搬送装置1により搬送されるものであ
って、図示のごとく、治具ベース15、揺動体16およ
びワークホルダ17を主要部として構成されている。
【0027】治具ベース15は、図1に示すような平面
略正方形状とされ、ワーク搬送装置1の搬送路20上に
移動可能に載置される。治具ベース15の各辺中央部に
は係止凹部(係止部)15a〜15dがそれぞれが設け
られており、対向する一対の係止凹部15a,15bま
たは15c,15dが、それぞれ上記ワーク搬送装置1
の位置決め装置21と弾発的に係止する。
【0028】すなわち、この位置決め装置21は、具体
的には図1に示すように、係止ボール21aと弾発スプ
リング21bからなるボールプランジャの形態で、ワー
ク搬送装置1の搬送路20に設けられている。位置決め
装置21は、上記下穴検出装置5の検出位置、各ホーニ
ング盤6,8の加工位置、および計測装置7,9の計測
位置において、上記搬送路20における案内溝20aの
両側壁部20b,20bにそれぞれ対向状に左右一対設
けられている。そして、これら各位置決め装置21,2
1の係止ボール21a,21aが、上記治具ベース15
の係止凹部15a,15bまたは15c,15dに弾発
的に係止して、ホーニング治具Jを位置決め固定する。
【0029】揺動体16は、治具ベース15に三次元方
向へ揺動可能に設けられるものであって、第1揺動部3
0と第2揺動部31とからなる。
【0030】第1揺動部30は、中央部分に円筒状の収
納空間32が設けられた環状のもので、上記治具ベース
15の一対の支持柱33,33にX−クロスピン34,
34を介して吊持状にかつ揺動可能に設けられている。
また、第2揺動部31は短円柱状のもので、第1揺動部
30の収納空間32に、Y−クロスピン35,35を介
して吊持状にかつ揺動可能に設けられている。
【0031】これらY−クロスピン35,35は、上記
X−クロスピン34,34と直交するように配置されて
おり、これにより、第2揺動部31は、X−クロスピン
34,34の動き(X−X軸回りの回転)に、Y−クロ
スピン35,35の動き(Y−Y軸回りの回転)が加わ
って、三次元方向へ揺動可能とされている。
【0032】さらに、上記X−クロスピン34は、図2
に示すように、その外端部が支持柱33に取付け固定さ
れるとともに、その内端部が、その軸方向への移動を許
容するラジアル軸受36を介して、第1揺動部30に軸
支されている。一方、上記Y−クロスピン35は、図3
に示すように、その外端部が第1揺動部30に取付け固
定されるとともに、その内端部が、その軸方向への移動
を許容するラジアル軸受37を介して、第2揺動部31
に軸支されている。
【0033】しかして、第2揺動部31は、上述した三
次元方向への揺動に加えて、上記X−クロスピン34お
よびY−クロスピン35の軸方向、つまり、X−X軸方
向およびY−Y軸方向へもそれぞれ水平移動可能とされ
ている。これら水平方向の許容移動量は、例えば、各ク
ロスピン34,35部分における、支持柱33と第1揺
動部30およびこの第1揺動部30と第2揺動部31の
間の間隙寸法により設定されている。あるいは、この目
的のため、その他の適宜の移動量規制手段が特別に設け
られてもよい。
【0034】また、このようなラジアル軸受36,37
の使用により、第2揺動部31さらにはここに取り付け
られるワークホルダ17の動きが軽くなるとともに、X
−X軸回りとY−Y軸回りの揺動性(回転抵抗)がほぼ
均一となる。この結果、後述するように、ホーニングツ
ール80に対する良好かつ均一な追従性が確保されて、
加工精度差の発生が防止されるとともに、高精度なホー
ニング加工を確保することができる。
【0035】なお、上記ラジアル軸受36,37として
は、図示のものにおいてはブッシュ(含油軸受またはテ
フロンコーティングブッシュを含む)が用いられている
が、ボール軸受などのより円滑な動きを担保する軸受構
造を採用してもよい。
【0036】ワークホルダ17はワークWを位置決め保
持するもので、第2揺動部31の中央部に設けられてい
る。このワークホルダ17は、図4ないし図6に示すよ
うに、保持ベース40と締付けスプリング機構(締付け
スプリング手段)41を主要部として備えてなる。
【0037】保持ベース40はワークWを収納保持する
もので、図7および図8に示すような円筒外周面を有す
る形状とされ、上記第2揺動部31の中央部に、その軸
心まわりに回転可能に支持されている。42はワークホ
ルダ17全体の重量バランスをとるためのバランサを示
し、このバランサ42は第2揺動部31に一体的に固定
されて、上記保持ベース40およびコイルスプリング4
5の支持部材としても機能する。
【0038】上記保持ベース40とバランサ42の中央
部には、ワークWを収納するワーク収納部43が設けら
れている。このワーク収納部43は、具体的には図6に
示すように、両部材40,42の中央部にそれぞれ連続
してかつ同心状に設けられた円筒穴から構成されてお
り、その上部および下部円筒内周面43a,43bがワ
ークWの外径寸法よりも若干大きなほぼ同一内径寸法を
有するとともに、その中間部43cがこれら両円筒内周
面43a,43bよりも大径とされてスプリング収納部
が形成されている。また、ワーク収納部43の下部43
bの下端には、係止肩部43dが設けられて、ワークW
の軸方向位置を規定する位置決め部を形成している。
【0039】締付けスプリング機構41は、ワークWを
着脱可能にチャッキング支持するもので、上記ワーク収
納部43に同軸状に配置されるとともに、上記保持ベー
ス40と協働する構成とされている。
【0040】この締付けスプリング機構41は、具体的
には、ワークWの外周面全周を着脱可能にチャッキング
支持するコイルスプリング45と、このコイルスプリン
グ45拡縮動作させる開閉部46とを備えてなる。
【0041】上記コイルスプリング45は、図6および
図7に示すような円筒状のもので、より具体的には、断
面矩形状の線材が軸方向に密接した状態で円筒状に巻回
されてなり、この線材の螺旋状内径面から形成される円
筒内径面47が、ワークWの外周面全周に面接触する円
筒チャッキング面とされている。また、コイルスプリン
グ45の巻回基端部45aおよび巻回先端部45bは、
それぞれコイルスプリング45の円筒外周面の同一接線
方向へ延びて設けられている。
【0042】コイルスプリング45は、上記ワーク収納
部43のスプリング収納部43cに下側から収納され
て、その円筒チャッキング面47とワーク収納部43の
円筒内周面43a,43bが同軸状に配置されている。
【0043】前記コイルスプリング45の巻回構成は、
その円筒チャッキング面47がワークWの外周面Wb全
周を着脱可能にチャッキング支持し得るように設定され
ている。具体的には、円筒チャッキング面47の拡開状
態(開放状態)において、ワークWの上下方向への着脱
が円滑になされること、円筒チャッキング面47の縮閉
状態(チャッキング状態)において、コイルスプリング
45の締付力により薄肉のワークWに歪みが生じないこ
と、および、同じく円筒チャッキング面47のチャッキ
ング状態において、ホーニング加工時のホーニング回転
力によりワークWがその軸線まわりに回転されないこと
等の基本条件を考慮して、円筒チャッキング面47の内
径寸法が設定される。
【0044】また、コイルスプリング45の巻回方向
は、ホーニングツール80の回転により、その円筒チャ
ッキング面47の内径寸法が縮閉するように設定されて
いる。つまり、コイルスプリング45の巻回方向は、図
9(a) の理論構成図において、その巻回基端部45aを
起点として、ホーニングツール80の回転方向と同じ時
計方向とされている。これにより、ホーニング加工中の
ホーニングツール80の回転力が、ワークWさらにはコ
イルスプリング45に作用すると、コイルスプリング4
5が縮閉動作して、ホーニングツール80の回転力に応
じた締付力(コイルスプリング45自体の持つ締付力よ
りも大きな力)をもってワークWをクランプすることと
なる。
【0045】図示のものにおいては、コイルスプリング
45が常態(つまり最大縮閉状態)にあるとき、その円
筒チャッキング面47の径寸法がワークWの外周面Wb
の径寸法よりも小さく、コイルスプリング45が後述す
る開閉部46により拡開された状態において、その円筒
チャッキング面47の径寸法がワークWの外周面の径寸
法よりも大きく、かつ上記ワーク収納部40の円筒内周
面43a,43bの径寸法とほぼ同じになるように設定
されている。また、これら径寸法の大小の程度(範囲)
は、上述した基本条件を満たすように設定されることは
もちろんである。
【0046】上記コイルスプリング45は、上記リング
収納部43cに収納された状態において、その巻回基端
部45aが固定側の第2揺動部31に接続されるととも
に、その巻回先端部45bが回転側の保持ベース40に
接続されている。
【0047】具体的には、上記保持ベース40にスプリ
ング係止溝50が設けられており、このスプリング係止
溝50は、図8(a) の底面図に示すように、上記スプリ
ング収納部43cの円筒内周面に対して接線方向へ伸び
る直線溝とされるとともに、その深さ寸法は、図8(b),
(c) に示すように、スプリング収納部43cの軸方向の
長さと等しく設定されている。また、固定側の第2揺動
部31には、スプリング係止溝51が上記スプリング係
止溝50に連続して設けられるとともに、その外端近傍
には係止孔52が設けられている。
【0048】そして、上記コイルスプリング45の巻回
基端部45aは、上記両スプリング係止溝50,51に
挿入係止されるとともに、その屈曲された先端部が上記
係止孔52に挿入係止され、一方、上記巻回先端部45
bは上記スプリング係止溝50に挿入係止されている。
これにより、コイルスプリング45は、開閉部46によ
る第2揺動部31と保持ベース40の相対的な回転によ
り、後述する拡縮動作が行われる。
【0049】開閉部46は、コイルスプリング45を拡
縮動作させるもので、開閉リング部材55、操作部材5
6および復帰スプリング57を主要部として備えてな
る。
【0050】開閉リング部材55は、第2揺動部31か
ら上方へ突出した上記保持ベース40の上半部に一体的
に固定されている。これにより、開閉リング部材55は
保持ベース40と共に、第2揺動部31に対して、上記
コイルスプリング45の軸線まわりに自由回転可能に軸
支されている。
【0051】操作部材56は、開閉リング部材55を回
転操作するもので、この開閉リング部材55から水平方
向外方へ突出した操作レバーの形態とされ、後述するチ
ャック開閉装置4により回動操作される。なお、図示の
ものにおいては、図1に示すように、開閉リング部材5
5の一直径線方向へ延びる一対の操作レバー56,56
を備え、ホーニンク治具Jのワーク搬送装置1上におけ
る配置の方向性に自由度が与えられている。
【0052】復帰スプリング57は、開閉リング部材5
5を回転方向に弾発的に付勢するもので、その一端57
aが第2揺動部31上の支持ピン58に係止されるとと
もに、その他端57bが上記操作レバー55に係止され
ている。図示例においては、上記開閉リング部材55
が、コイルスプリング45の縮閉方向(常態位置方向)
へ弾発的に付勢されている。また、図示しないが、この
開閉リング部材55の回転角度範囲を規定する規制構造
を備えており、上記コイルスプリング45の過度の拡縮
動作により、その弾発付勢力が劣化するのが防止されて
いる。
【0053】しかして、締付けスプリング機構41は、
後述するチャック開閉装置4によって次のように拡縮動
作される。
【0054】 開閉部46の操作レバー56が、チャ
ック開閉装置4により、復帰スプリング57の付勢力
(およびコイルスプリング45の弾性力)に抗してチャ
ッキング解除方向(スプリング拡開方向)Aへ回動され
ると、開閉リング部材55およびこれと一体となった保
持ベース40も、第2揺動部31に対して上記チャッキ
ング解除方向Aへ回転することとなる。これにより、コ
イルスプリング45が拡開動作して、その円筒チャッキ
ング面47が拡開される(図9(b) の二点鎖線参照) 。
【0055】この拡開状態において、コイルスプリング
45の円筒チャッキング面47の径寸法は、前述したよ
うに、上記ワーク収納部40の円筒内周面43a,43
bの径寸法とほぼ同じとなり(つまりワークWの外周面
の径寸法よりも大きくなり)、ワーク収納部43に対す
るワークWの挿脱が可能となる。
【0056】 チャック開閉装置4により上記操作レ
バー56に加えられた力が解除されると、復帰スプリン
グ57の付勢力(およびコイルスプリング45の弾性
力)により、操作レバー56、開閉リング部材55およ
び保持ベース40が、第2揺動部31に対してチャッキ
ング方向B(スプリング縮閉方向)へ回動復帰されるこ
ととなり、これに伴って、コイルスプリング45も常態
位置へ回転復帰して、その円筒チャッキング面47が縮
閉される。
【0057】この場合、ワーク収納部43にワークWが
収納されていると、コイルスプリング45はワークWを
締付けていき、その円筒チャッキング面47がワークW
の外周面Wbに密接状に沿ったところで、その回転復帰
動作(戻り)を止める(図9(b) の実線参照) 。
【0058】これにより、ワークWは、その外周面Wb
をコイルスプリング45の円筒チャッキング面47によ
り面接触状態でチャッキング保持される。この場合のチ
ャッキング力は、前述したコイルスプリング45の常態
にあるときの円筒チャッキング面47の径寸法と、ワー
クWの外周面Wbの径寸法との差に対応する。
【0059】続いて、以上のように構成されたホーニン
グ治具Jを備える自動ホーニング装置の前述した他の構
成装置について、図10ないし図16を参照して説明す
る。
【0060】A.ワーク搬送装置1:ワーク搬送装置1
は、上記ホーニング治具Jを一連のホーニング工程に従
って搬送するもので、ホーニング治具Jの搬送経路を構
成する前記搬送路20、この搬送路20に沿ってホーニ
ング治具Jを搬送するワーク搬送手段60、およびホー
ニング治具Jを所定位置に位置決めする前記位置決め装
置21を主要部として備えてなる。
【0061】搬送路20は、図10に示すように、チャ
ック開閉装置4に対応したワーク搬入出位置Pから始ま
って、下穴検出装置5、第1加工用ホーニング盤6、第
1計測装置7、第2加工用ホーニング盤8および第2計
測装置9を経た後、再び上記ワーク搬入出位置Pへ戻る
矩形ループ状に形成されている。
【0062】また、この搬送路20は図1に示すよう
に、ホーニング治具Jを案内する案内溝20aを備えて
なる案内レールの形態とされるとともに、その経路途中
箇所には、上記ホーニング治具Jを位置決めするための
位置決め装置がそれぞれ設けられている。
【0063】すなわち、上記案内レール20の経路直線
部分である、下穴検出装置5の検出位置、各ホーニング
盤6,8の加工位置および第1計測装置7の計測位置に
あっては、図1に示すように、その両側壁部20b,2
0bに、前述した位置決め装置21がそれぞれ設けられ
ている。
【0064】また、上記案内レール20の経路曲折部分
である、チャック開閉装置4の開閉操作位置つまりワー
ク搬入出位置Pおよび第2計測装置9の計測位置にあっ
ては、図11に示すように、一対の昇降ストッパ22
a,22bを備える位置決め装置22がそれぞれ設けら
れている。これら昇降ストッパ22a,22bは、その
具体的な構成は図示しないが、案内レール20の案内溝
20a内において昇降可能に設けられるとともに、弾発
スプリング(図示省略)によって常時上昇方向へ付勢さ
れている。そして、ホーニング治具Jが上記所定位置に
あるとき、上流側昇降ストッパ22aと上流側昇降スト
ッパ22bが、図示のごとく、治具ベース15の側部を
それぞれ係止保持して、案内レール20の側壁部20
b,20bと共にホーニング治具Jを位置決めする。一
方、ホーニング治具Jがこれらストッパ22a,22b
上を通過する際には、治具ベース15との係合により両
昇降ストッパ22a,22bがそれぞれ弾発的に降下さ
れて、ホーニング治具Jの通過を許容する構造とされて
いる。
【0065】ワーク搬送手段60は、矢符(1) のごと
く、ホーニング治具Jをワーク搬入出位置Pから、ホー
ニング加工部の入口つまり下穴検出装置5の検出位置P
1 を経て、出口P2 まで搬送するトランスファ装置60
a、矢符(2) のごとく、出口P2 から第1待機位置Qま
で搬送する搬出装置60b、矢符(3) のごとく、第1待
機位置Qから第2待機位置Rまで搬送する帰還装置60
c、および矢符(4)のごとく、ホーニング治具Jを第2
待機位置Rから上記ワーク搬入出位置Pまで搬送する搬
入装置60dから構成され、これら各装置60a〜60
dはいずれも油圧シリンダからなる。
【0066】トランスファ装置60aは、複数(図示例
では5つ)のホーニング治具J,J,…を、上記チャッ
ク開閉装置4、下穴検出装置5、第1加工用ホーニング
盤6、第1計測装置7、第2加工用ホーニング盤8、お
よび第2計測装置9つまりホーニング加工部の出口P2
まで、順次連続してタクト送りするように駆動制御され
る。その他の装置60a,60c,60dは、各ホーニ
ング治具Jを一つずつ搬送するように駆動制御される。
なお、ワーク搬送手段60の各構成装置60a〜60d
は、上述した油圧シリンダに替えてエアシリンダから構
成されてもよい。
【0067】B.パーツフィーダ2:パーツフィーダ2
は、ワークWをワーク搬入出ロボット3の受取り位置S
まで供給するもので、具体的には、ワークW,W,…の
方向を変換する方向変換装置2a、ワークW,W,…を
分離する分離装置2b、およびワークWの姿勢を所定の
姿勢に整える姿勢変換装置2cを備える。しかして、パ
ーツフィーダ2に投入されたワークW,W,…は、これ
ら各装置2a〜2bにより、その方向を変換されるとと
もに分離されて、順次連続して受取り位置Cまで搬送さ
れ、ここでその姿勢を整えられて、ワーク搬入出ロボッ
ト3を待機する。
【0068】C.ワーク搬入出ロボット3:ワーク搬入
出ロボット3は、上記ホーニング治具Jに対してワーク
Wを搬入・搬出するもので、ワーク搬送装置1のワーク
搬入出位置Pに対応して配置されている。このワーク搬
入出ロボット3は、図13に示すように、装置本体65
とワークチャック66から構成されている。
【0069】装置本体65は、その基端部が揺動可能に
枢支された揺動アームの形態とされ、図示しない駆動源
により、水平方向90°の範囲で往復揺動可能とされて
いる。
【0070】図示のものにおいては、図10に示すよう
に、二本の揺動アーム65,65が水平方向に90°の
角度をもって一体に配置されており、左側の揺動アーム
65は、ワーク供給部つまりパーツフィーダ2の受取り
位置Sと、ワーク搬送装置1のワーク搬入出位置Pとの
間で、また、右側の揺動アーム65は、ワーク搬入出位
置Pとワーク選別装置10の受取り位置Uとの間で、そ
れぞれ往復揺動可能とされる。
【0071】ワークチャック66は具体的にはコレット
チャックの形態で、上記揺動アーム65の先端部に垂直
下向きに設けられており、揺動アーム65内に配置され
た図示しない駆動源により、垂直上下方向へ昇降可能と
されている。そして、ワークチャック66の先端チャッ
ク部66aは、その縮閉時においてワークWの被加工穴
である内周面Wa内に挿入可能とされるとともに、その
拡開時において内周面Waを内側からチャッキングする
ように構成されている。
【0072】しかして、ワーク搬入出ロボット3のワー
クチャック66は、上記各位置S,P,Uで昇降動作お
よび拡縮動作して、ワークWを着脱するとともに、これ
ら各位置S,P,U間でワークWをチャッキング支持し
たまま水平方向へ搬送して、ワークWの搬入および搬出
を同時に行う。つまり、右側の揺動アーム65が、ワー
ク搬入出位置Pのホーニング治具Jからワーク選別装置
10の受取り位置Uへ加工後のワークWを搬出し、これ
と同時に、左側の揺動アーム65が、パーツフィーダ2
の受取り位置Sから上記ホーニング治具Jに加工前のワ
ークWを搬入する。
【0073】D.チャック開閉装置4:チャック開閉装
置4は、ホーニング治具Jの締付けスプリング機構41
を開閉動作させて、ワーク搬入出ロボット3によるワー
クWの搬入出動作を補助するものであり、ワーク搬送装
置1のワーク搬入出位置Pに対応して配置されている。
このチャック開閉装置4は、図11および図12に示す
ように、開閉ロッド70と往復シリンダ71を主要部と
して備えてなる。
【0074】開閉ロッド70は、装置本体75の上面部
に設けられた移動体としてのシリンダ本体76に取付け
固定されている。具体的には、ガイドロッドとしてのピ
ストンロッド77が、装置本体75の上に水平方向へ延
びて架設支持され、このピストンロッド77上を、上記
シリンダ本体76が摺動可能とされている。上記開閉ロ
ッド70は、このシリンダ本体76に取付本体78を介
して取り付けられており、これにより上記ピストンロッ
ド77に沿って水平方向へ往復直線運動する構成とされ
ている。
【0075】また、この開閉ロッド70とホーニング治
具Jとの高さ配置関係は、図12に示すように、ワーク
搬入位置Pにホーニング治具Jがあるとき、上記開閉ロ
ッド70の先端押圧部70aの移動経路上に、上記締付
けスプリング機構41の操作レバー56が位置するよう
に設定されている。またこの場合において、開閉ロッド
70が後退位置にあるとき、図11および図12に実線
で示されるように、その先端押圧部70aが、上記操作
レバー56から離隔しており、開閉ロッド70が前進位
置にあるとき、同図における二点鎖線で示されるよう
に、上記先端押圧部70aが上記操作レバー56を押圧
して、スプリング拡開位置へ回動させるように構成され
ている。
【0076】往復シリンダ71は上記開閉ロッド70を
往復動作させるもので、具体的には、油圧シリンダまた
はエアシリンダから構成されており、そのシリンダ本体
76のピストンロッド77に沿った往復移動により、開
閉ロッド70が前後水平方向へ往復直線運動する。した
がって、開閉ロッド70の上記移動ストロークLは、上
記シリンダ本体76の往復ストロークにより決定され
る。
【0077】しかして、ホーニング治具Jがワーク搬入
位置Pにあるとき、上記チャック開閉装置4の開閉ロッ
ド70の前進動作により、上記操作レバー56がスプリ
ング拡開方向へ回動されて、円筒チャッキング面47が
拡開動作され、一方、上記開閉ロッド70の後退動作に
より、上記操作レバー56がスプリング縮閉方向へ回動
復帰されて、円筒チャッキング面47が縮閉動作(チャ
ッキング動作)される。
【0078】E.ホーニング盤6,8:第1および第2
加工用のホーニング盤6,8は、具体的には図14に示
すような立形のもので、前者が荒加工用のもの、後者が
仕上加工用のものである。これらホーニング盤6,8は
従来周知の構造を備え、例えば、先端にホーニングツー
ル80を備える回転主軸81、主軸回転駆動部82、主
軸往復駆動部83、砥石駆動部84および制御部85な
どを主要部として備えてなる。86は電源を示す。
【0079】ホーニングツール(いわゆるホーニングマ
ンドレルないしホーニングヘッド)80は、回転主軸8
1の先端に交換可能に装着され、その内部には、径方向
へ拡縮可能に配された複数のホーニング砥石90,9
0,…と、これを拡張動作または復帰動作させるための
従来周知の拡張機構とを備える。
【0080】回転主軸81は、その下端に上記ホーニン
グツール80を備えるとともに、駆動軸91,駆動モー
タ92等を含む上記主軸回転駆動部82と、スライド本
体95,油圧シリンダ96等を含む上記主軸往復駆動部
83とにそれぞれ連係されている。つまり、回転主軸8
1はスライド本体95に回転可能に軸支されており、こ
のスライド本体95が、機体97上の上下方向へ延びる
案内ロッド98上に昇降可能に設けられるとともに、機
体97に取り付けられた油圧シリンダ96のピストンロ
ッド96aに連結されている。そして、この油圧シリン
ダ96のピストンロッド96aが昇降動作することによ
り、スライド本体95を介して、回転主軸81つまりは
ホーニングツール80が昇降動作されることとなる。
【0081】また、回転主軸81の上端部は、機体97
のヘッド部97aに回転可能に設けられた駆動軸91に
キー嵌合またはスプライン嵌合されて、この駆動軸91
に対して、上下方向(軸線方向)へ相対的に移動可能で
かつ一体回転可能に連結されている。
【0082】駆動軸91の上端部には伝動プーリ99a
が取り付けられ、この伝動プーリ99aが、伝動ベルト
100を介して、駆動モータ92のモータ軸に取り付け
られた伝動プーリ99bに連結されている。そして、こ
の駆動モータ92の回転駆動により、駆動軸91を介し
て、回転主軸81つまりはホーニングツール80が回転
駆動されることとなる。
【0083】砥石駆動部84は、上記ホーニング砥石9
0,90,…に切込み動作を与えるもので、上記ホーニ
ングツール80の上記拡張機構、この拡張機構を上下動
させる切込み駆動機構105、および駆動源である切込
みモータ106等を備える。
【0084】切込み駆動機構105は従来周知の構造
で、機体97のヘッド部97aに設けられた回転伝達機
構107を介して、上記切込みモータ106のモータ軸
に連結されている。そして、この切込みモータ106の
正逆回転駆動により、上記切込み駆動機構105さらに
は上記ホーニングツール80内の拡張機構が作動して、
ホーニング砥石90,90,…が拡張または縮閉動作さ
れる。
【0085】なお、ホーニング砥石90,90,…の拡
縮量を駆動制御する切込みモータ106としては、具体
的にはステッピングモータが用いられており、その回転
量がロータリエンコーダ等の位置検出器108により検
出される。
【0086】制御部85は、ホーニング盤6,8の各駆
動部の動作を相互に連動して自動制御するもので、具体
的には、CPU,ROM,RAMおよびI/Oポートな
どからなるマイクロコンピュータで構成されている。
【0087】この制御部85には、ホーニング加工を実
行させるための加工プログラム等が組み込まれており、
図15に示すように、主制御部85a、主軸回転駆動部
82を制御する主軸回転制御部85b、主軸往復駆動部
83を制御する主軸往復制御部85c、および砥石駆動
部84を制御する砥石制御部85dなどから構成され
る。
【0088】主制御部85aには、上記各駆動部82〜
84の駆動に必要な種々の情報がNC(数値制御)デー
タとして予めまたはキーボード等により適宜選択的に入
力設定されており、これらのデータに従って上記各制御
部85b〜85dを制御する。また、これら各制御部8
5b〜85dには、駆動モータ92、油圧シリンダ96
の油圧制御弁96b、切込みモータ106および位置検
出器108のほか、スライド本体95の位置を検出する
位置検出器95a、ならびにその他の駆動部等が電気的
に接続されており、これらから得られる実際値情報が、
上記主制御部85aにより予め設定された上記各種設定
値と比較演算されて、その演算結果に基づき上記各駆動
部82〜84の動作が駆動制御される。
【0089】しかして、以上のように構成されたホーニ
ング盤6,8は、ワーク搬送装置1の途中箇所に配置さ
れて、その駆動部82〜84が、制御部85により以下
に述べるように相互に関連して自動制御され、ワーク搬
送手段60により搬送されるワークWに所定のホーニン
グ加工を施す。
【0090】F.下穴検出装置5、計測装置7,9:
れら装置5,7,9はワークWの内周面Waの内径、つ
まり下穴検出装置5にあっては加工前の内周面Waの内
径(下穴内径)を、計測装置7,9にあっては加工後の
内径(仕上内径)を計測するもので、具体的にはエアー
マイクロメータを備える。このエアーマイクロメータ
は、図16に示すように、計測ヘッド110が主軸11
1の先端に一体的に取り付けられてなり、この主軸11
1が、ワークWの内周面Waの軸線方向つまり上下方向
へ往復移動可能とされている。
【0091】上記計測ヘッド110は、ワークWの内周
面Waの内径よりも小さい外径寸法を有する円筒状のも
ので、その外周面には、計測用空気を噴射するエアーノ
ズル110a,110aが径方向外方へ向けて設けられ
ている。
【0092】そして、計測ヘッド110がワークWの内
周面Wa内に挿入された状態において、エアーノズル1
10a,110aから計測用空気が噴射され、内周面W
aの内径面と計測ヘッド110の外周面間のギャップに
よる上記計測用空気の圧力変化から内周面Waの内径寸
法が計測される。
【0093】図示例の場合、エアーマイクロメータによ
って計測される内径寸法は、図16に示すように、内周
面Waにおける軸方向の複数か所のもの(d1 〜dn
であり、これら計測値d1 〜dn は、図示しないエアー
マイクロメータの演算制御部へ送られて、ワークWの内
周面Waの内径形状モードが比較演算される。そして、
下穴検出装置5においては、この演算結果から、ワーク
Wの内周面Waの下穴内径がホーニング可能範囲内にあ
るか否かが判定されて、その判定結果に基づいた制御信
号が上記ホーニング盤6,8の各制御部85やワーク選
別装置10へ送られる。また、計測装置7,9において
は、上記演算結果が、それぞれホーニング盤6,8の制
御部85へフィードバックされて、これに基づいたホー
ニング加工が行われる。さらに、計測装置7,9の演算
結果は、上記ワーク選別装置10へもワークWの加工結
果(良品であればOK信号、不良品であればNG信号)
として送られる。
【0094】なお、計測装置7,9の計測ヘッド110
が、上下方向への往復移動に加えて回転動作するように
駆動されて、内周面Waの真円度も計測される構成とし
てもよい。
【0095】G.ワーク選別装置10:ワーク選別装置
10は、ワーク搬入出ロボット3により搬出される加工
後のワークWを選別するもので、下穴検出装置5からの
検出信号(下穴NG信号)および計測装置7,9からの
計測信号(良品であればOK信号、不良品であればNG
信号)を受け取って、所定の選別動作を行う。
【0096】具体的には、ワーク選別装置10には、図
10に示すように、下穴NG箱10a,NG箱10bお
よび良品シュート10cと、ワークWをこれらへ選択的
に案内制御する案内機構10dが設けられている。この
案内機構10dは、ワークWをワーク搬入出ロボット3
から受取り位置Uで受け取るとともに、下穴NG信号を
受け取った時は、ワークWを下穴NG箱10aへ排出
し、NG信号を受け取った時は、ワークWをNG箱10
bへ排出し、また、OK信号を受け取った時は、ワーク
Wを良品シュート10cへ排出する。
【0097】なお、図示しないが、第2計測装置9から
のOK信号をさらに細分化するとともに、上記良品シュ
ート10cをこのOK信号の種類に対応して複数に分割
し、ワークWが良品である場合には、さらにその寸法精
度に等級(ランク)を付けて、この等級毎にワークWを
選別排出するように構成してもよい。
【0098】H.制御装置11:制御装置11は、ワー
ク搬送装置1およびこの搬送経路途中に配された上記各
装置2〜10を相互に連動して自動制御するもので、具
体的には、CPU,ROM,RAMおよびI/Oポート
などからなるマイクロコンピュータで構成されている。
【0099】この制御装置11は、ホーニング治具Jが
ワーク搬送装置1のワーク搬入出位置Pに搬送された時
点から、所定のホーニング加工等を経て再びワーク搬入
出位置Pへ戻ってくるまでの一連の工程プログラムが組
み込まれており、具体的には、各装置1〜10の動作タ
イミングなどがNCデータとして予めまたはキーボード
により適宜選択的に入力設定されており、これらのデー
タに従って各装置1〜10をシーケンス制御する。
【0100】次に、以上のように構成された自動ホーニ
ング装置を用いたホーニング加工について図10を参照
しながら説明する。以下の一連の加工工程は、上記制御
装置11の自動制御プログラムに従って、相互に連動し
て実行されることになる。
【0101】I.ワークWの搬入:パーツフィーダ2に
投入されたワークW,W,…は、方向変換装置2aによ
りその方向を変換された後、分離装置2bにより分離さ
れて、順次連続して受け取り位置Cまで搬送され、ここ
で姿勢変換装置2cにより姿勢を整えられる。そして、
この受取り位置Cで、ワークWは一ずつ、ワーク搬入ロ
ボット3によりチャッキングされて、ワーク搬送装置1
のワーク搬入出位置Pに待機するホーニング治具Jのワ
ークホルダ17にセットされる。
【0102】この場合の具体的な動作は、まず、チャッ
ク開閉装置4が、前述した要領で、ホーニング治具Jの
締付けスプリング機構41を拡開操作して、その円筒チ
ャッキング面47を拡開させる。この円筒チャッキング
面47の拡開状態で、上記ワーク搬入出ロボット3が、
ワークWをワークホルダ17のワーク収納部43内に上
方から挿入し収納する。この後、再び上記チャック開閉
装置4が、前述した要領で、締付けスプリング機構41
を縮閉操作して、その円筒チャッキング面47を縮閉さ
せ、ワークWの外周面Wb全周をチャッキング支持す
る。
【0103】これにより、ワークWは、ホーニング治具
Jのフローティング構造により三次元方向へ揺動可能に
保持される。
【0104】II. ワークWの自動ホーニング: i)ワーク搬入出位置Pのホーニング治具Jに対するワ
ークWのセット工程が完了すると、トランスファ装置6
0aが作動して、このホーニング治具J(以下ワーク
W)を、ホーニング加工部の入口P1 つまり下穴検出装
置5の検出位置まで搬送して、位置決め装置21による
位置決めがなされた後、上記下穴検出装置5がワークW
の内周面Waの下穴内径を前述した要領で検出し、この
検出結果を各ホーニング盤6,8の制御部85へ送る。
【0105】ii) この場合、ワーク内周面Waの下穴内
径がホーニング可能範囲内にあれば、各ホーニング盤
6,8による所定のホーニングが以下の要領で実行され
る。すなわち、入口P1 に位置するワークWは、トラン
スファ装置60aにより、第1加工用ホーニング盤6→
第1計測装置7→第2加工用ホーニング盤8→第2計測
装置9とタクト送りされるとともに、各装置の位置で位
置決め装置21により位置決めされて、前述した所定の
工程が順次実行される。
【0106】iii)一方、範囲外であればホーニングは実
行されず、同時にワーク選別装置10へも下穴NG信号
が送られる。
【0107】II.ワークWの搬出:一連のホーニング加
工を経てまたはホーニング加工を経ないで出口P2 まで
搬送されたワークWは、搬出装置60b、帰還装置60
cおよび搬入装置60dにより、順次搬送されてワーク
搬入出位置Pまで送られる。ここで、チャック開閉装置
4とワーク搬入出ロボット3が前述した要領で協働し
て、ワークWがホーニング治具Jのワークホルダ17か
ら取り外され、ワーク選別装置10の受取り位置Uへ搬
出される。
【0108】一方、ワークWが取り外されたホーニング
治具Jは、このワーク搬入出位置Pにおいて、ワーク搬
入出ロボット3により次のワークWをほぼ同時にセット
されることとなる。
【0109】III .ワークWの選別と排出:ワーク選別
装置10は、上記受取り位置Uへ搬出されてくるワーク
Wについての加工情報、つまり下穴検出装置5からの検
出信号(下穴NG信号)または計測装置7,9からの計
測信号(良品であればOK信号、不良品であればNG信
号)を予め受け取っており、案内機構10dが、この情
報に従って前述した要領で、ワークWを下穴NG箱10
a,NG箱10bおよび良品シュート10cのいずれか
へ選別排出する。
【0110】しかして、以上のように構成された自動ホ
ーニング装置においては、ワークWの搬入からホーニン
グ加工完了後の搬出までが自動で行われ、ホーニング加
工の省力化が図られている。特に、チャッキング動作が
自動化されたホーニング治具Jが採用されていることか
ら、上記一連の工程が人間による手作業が全く介在しな
い完全自動化が実現する。
【0111】また、各ホーニング盤6,8によるホーニ
ングに際しては、ワークWがホーニング治具Jにより三
次元方向へ揺動可能に保持されて、フローティング状態
にあるため、ワークWはホーニング盤6,8のホーニン
グツール80に対する追従性が良好に保たれて、高精密
なホーニング加工が保証される。
【0112】さらに、ホーニング治具Jのワークホルダ
17においては、そのワーク収納部43にワークWが収
納された状態で、締付けスプリング機構41の円筒チャ
ッキング面47が、ワークWの外周面Wb全周をチャッ
キング支持するため、従来の固定キャップによる固定支
持構造(図19〜図21参照)に比較して、その自動化
のための機械構造が簡素かつ小型であり、ワークWに対
するチャッキング力の設定管理も格段に容易である。
【0113】しかも、締付けスプリング機構41の円筒
チャッキング面47により、ワークWの外周面Wb全周
をチャッキング支持するから(図9(a) 参照)、図18
に示されるような回り止めがなくかつ薄肉の円筒形状の
ワークWについても、ワークW自体に歪みを生じること
なく、その保持固定とりわけ回転方向の固定が確実であ
る。
【0114】さらに、ホーニング加工中、ホーニングツ
ール80の回転力がワークWに伝わり、ワークWは回転
力(ホーニング加工抵抗)を受けることになるが、上記
締付けスプリング機構41のコイルスプリング45の巻
回方向が、前述したように、ホーニングツール80の回
転により、その円筒チャッキング面47の内径寸法が縮
閉するように設定されているから、コイルスプリング4
5はこのホーニングツール80の回転力に応じた締付け
を行うこととなる。
【0115】すなわち、図9(a) を参照して、ホーニン
グ加工の開始により、ホーニングツール80が回転を始
めると、ワークWには徐々に回転力が働き、この回転力
はワークWの外周面Wbとコイルスプリング45の円筒
チャッキング面47間の摩擦により、コイルスプリング
45が締まる方向へ回転しようとする。この結果、コイ
ルスプリング45は、上記ホーニングツール80の回転
力に応じた力でワークWをクランプする。
【0116】実施形態2 この実施の形態は図17に示されており、ワーク搬送装
置1によるホーニング治具JつまりワークWの搬送位置
決め構成がインデックスタイプとされたものである。
【0117】すなわち、ワーク搬送装置1は、図17
(a) に示すように、外周部にホーニング治具J,J,…
が取り付けられてなる割出し円盤120を主要部として
備えてなり、この割出し円盤120がステッピングモー
タ等の駆動源(図示省略)によって割出し回転される構
成とされている。
【0118】図示しないが、割出し円盤120の周囲に
は、ワーク加工部を構成するホーニング盤や計測装置の
ほか、前述したパーツフィーダ2、ワーク搬入出ロボッ
ト3、チャック開閉装置4あるいはワーク選別装置10
などのワーク搬入出用の周辺装置などが配置されてい
る。
【0119】これに対応して、上記ホーニング治具Jの
治具ベース125は、図17(b) に示すような円板形状
とされ、この治具ベース125が上記割出し円盤120
の所定箇所に取付け固定される。
【0120】しかして、以上のように構成された自動ホ
ーニング装置において、割出し円盤120に取り付けら
れた各ホーニング治具J,J,…は、上記駆動源による
割出し円盤120の回転動作により、上記ワーク加工部
の各装置や周辺装置に沿って回転搬送されるとともに、
これら各装置に対応したワーク搬入搬出位置、ホーニン
グ加工位置および計測位置等にそれぞれ割出されて、そ
こに収納保持されるワークWに前述した一連のホーニン
グ加工が施される。その他の構成および作用は実施形態
1と同様である。
【0121】なお、上述した実施形態はあくまでも本発
明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれ
に限定されることなく、種々設計変更可能である。一例
として以下のような改変が可能である。
【0122】(1) 例えば、ホーニング治具Jについて、
前述した実施形態1,2においては、コイルスプリング
45の構成線材の断面形状は矩形状とされているが、こ
の断面形状は、要求される加工精度等により最適なもの
が選択され、目的によっては円形状のものも採用され得
る。
【0123】すなわち、前述の実施形態においては、対
象となるワークWが薄肉円筒形状であることから、円筒
チャキング面47がワークWの外周面Wbに面接触し
て、外周面Wb全体にわたり均等な締付け力が得られる
矩形断面のものが望ましいが、一方、厚肉円筒形状のワ
ークWの場合には、戻り力が大きく、外周面Wbに対し
て大きな締付け力が得られる円形断面のものが望まし
い。
【0124】この場合、コイルスプリング45は、図9
(c) に示すように、断面円形状の線材が軸方向に密接し
た状態で円筒状に巻回されてなり、その円筒チャッキン
グ面47がワークWの外周面Wb全周に螺旋状に線接触
することとなる。
【0125】(2) また、コイルスプリング45と開閉部
46の相対的な具体的構造も、図示例に限定されず、同
様な動作を行う他の構成が採用され得ることはもちろん
である。
【0126】(3) さらに、ホーニング装置を構成する各
装置の具体的構造も、図示のものに限定されることなく
変更可能である。
【0127】例えば、前述した実施形態1,2において
は、計測装置7,9がホーニング盤と独立したステーシ
ョンに配置されているが、これらがホーニング盤6,8
と一体的に(同じステーションにある場合を含む)配置
されて、インプロセスで計測が行われる構成としてもよ
い。また、図16に示すエアーマイクロメータの計測ヘ
ッド110に替えて、栓ゲージ(図示省略)が設けられ
てもよい。
【0128】さらに、ワークWの搬入と搬出を交互に行
う構成としたり、あるいは別個独立した位置で行う構成
としてもよい。この場合、前者にあっては、一つの揺動
アーム65によりワークWの搬入と搬出が行われ、一
方、後者にあっては、ワーク搬入とワーク排出のみを専
用に行う搬入または搬出ロボットががそれぞれ独立して
配置されるとともに、これら専用ロボットに対応して、
チャック開閉装置4もそれぞれ対応して2台配置される
こととなる。
【0129】また、チャック開閉装置4自体の具体的構
造も、上記ホーニング治具Jの開閉部46との相対的関
係を考慮して設計変更可能である。
【0130】(4) また、ホーニング加工の対象となるワ
ークWの形状も、図18に示されるような薄肉円筒形状
のほか、前述した厚肉円筒形状、あるいは他の回り止め
のない形状、さらには保持が困難なその他の形状など、
コイルスプリング45の円筒チャッキング面47が適用
可能な外周面を有するワークであれば種々の形状に適用
可能である。
【0131】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のホーニン
グ治具は、円筒状のワークを保持して、自動ホーニング
装置のワーク搬送装置により搬送されるものであって、
このワーク搬送装置の搬送路上に移動可能に載置される
治具ベースと、この治具ベースに三次元方向へ揺動可能
に設けられた揺動体と、この揺動体に設けられたワーク
ホルダとを備えてなり、このワークホルダは、ワークの
外周面全周を着脱可能にチャッキング支持する円筒チャ
ッキング面を有する締付けスプリング手段を備え、この
締付けスプリング手段は、上記円筒チャッキング面を内
径部に有する円筒状のコイルスプリングと、このコイル
スプリングを巻回方向へ変形させて前記円筒チャッキン
グ面を拡縮動作させる開閉部とを備えてなるから、円筒
形状のワークについて、ワークの着脱が簡単な装置によ
り自動化することが可能となる。
【0132】すなわち、従来の固定キャップによる固定
支持構迭においては、固定キャップhの自動着脱装置の
構造が大変複雑かつ大型であり、締付力に対するトルク
管理も必要でコスト高になる等の理由から、理論上はと
もかく、実際上は採用不可能で、完全な自動化が実現し
ていなかったところ、上記のような円筒状のコイルスプ
リングと開閉部とからなる締付けスプリング手段による
固定構造では、上記従来の固定支持構造に比較して、そ
の自動化のための機械構造が簡素かつ小型にでき、ワー
クに対するチャッキング力の設定管理も格段に容易とな
り、ワークの着脱が簡単な装置により自動化することが
できる。
【0133】また、コイルスプリング内径部の円筒チャ
ッキング面により、ワークの外周面全周をチャッキング
支持する構成とされているから、ワーク自体が横方向に
出っ張り部分等の全くない単純な円筒形状でも、その肉
厚の如何にかかわらず、その保持固定とりわけ回転方向
の固定が確実であり、しかもワーク自体に歪みを生じる
こともない。これにより、従来不可能とされていた回り
止めのない円筒状のワークについても、そのホーニング
加工の完全自動化が容易かつ安価に実現し得る。
【0134】さらに、本発明の自動ホーニング装置によ
れば、上記ホーニング治具およびこれを開閉操作するチ
ャック開閉装置を備えるとともに、制御装置により、こ
のチャック開閉装置、ワーク搬送装置、ワーク搬入出装
置、ホーニング盤および計測装置が相互に連動して自動
制御される構成とされているから、上記ホーニング治具
による前述した効果がいかんなく発揮されて、ワークの
搬入からホーニング加工完了後の搬出までの工程が自動
化され、さらにはその後の選別作業の自動化も可能とな
り、ホーニング加工において、人間による手作業が全く
介在しない完全自動化と省力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施態様である自動ホーニング
装置用のホーニング治具を示す平面図である。
【図2】同ホーニング治具を図1のII-II 線にほぼ沿っ
て示す縦断面図である。
【図3】同ホーニング治具を図1のIII-III 線にほぼ沿
って示す縦断面図である。
【図4】同ホーニング治具を図1のIV-IV 線にほぼ沿っ
て切開した状態を示す斜視図である。
【図5】同ホーニング治具のワークホルダを示す縦断面
図である。
【図6】同ワークホルダの要部を拡大して示す縦断面図
である。
【図7】同ワークホルダの要部である保持ベースと締付
けスプリング機構のコイルスプリングとの組付け前の状
態を示す下方からの斜視図である。
【図8】同保持ベースを示し、図8(a) は底面図、図8
(b) は左側面図、図8(c) は右側面図および図8(d) は
図8(a) におけるVIII-VIII 線に沿った縦断面図であ
る。
【図9】同ワークホルダのコイルスプリングによる工作
物のチャッキング構成についての理論説明図で、図9
(a) はコイルスプリングの巻回構成とホーニングツール
の回転方向との関係を示す平面図、図9(b) は図9(a)
におけるIX-IX 線に沿った縦断面図、図9(c) はコイル
スプリングの他の変形例における図9(b) に対応した縦
断面図である。
【図10】同ホーニング治具を備える自動ホーニング装
置の概略構成を示す平面図である。
【図11】同自動ホーニング装置におけるホーニング治
具とチャック開閉装置との関係を示す平面図である。
【図12】同じく同ホーニング治具とチャック開閉装置
との関係を一部断面で示す側面図である。
【図13】同自動ホーニング装置におけるホーニング治
具とワーク搬入出ロボットとの関係を一部断面で示す側
面図である。
【図14】同自動ホーニング装置のホーニング盤を一部
断面で示す概略構成図である。
【図15】同ホーニング盤の制御部の構成を示すブロッ
ク図である。
【図16】同自動ホーニング装置の計測装置の要部構成
を示す縦断面図である。
【図17】本発明に係る自動ホーニング装置の他の実施
態様を示し、図17(a) はインデックスタイプのワーク
搬送装置の概略構成を示す平面図、図17(b) は同ワー
ク搬送装置に設置されるホーニング治具を示す平面図で
ある。
【図18】本発明に係る自動ホーニング装置の加工対象
である薄肉円筒形状の工作物を示し、図18(a) は平面
図、図18(b) は図18(a) におけるXVIII-XVIII 線に
沿った縦断面図である。
【図19】従来のホーニング治具を示す平面図である。
【図20】同じく従来のホーニング治具を図19のXX-X
X 線に沿って示す縦断面図である。
【図21】同じく従来のホーニング治具を図1のXXI-XX
I 線に沿って示す縦断面図である。
【符号の説明】
W ワーク Wa ワークの内周面 Wb ワークの外周面 J ホーニング治具 1 ワーク搬送装置 2 パーツフィーダ 3 ワーク搬入出ロボット(ワーク搬入
出装置) 4 チャック開閉装置 5 下穴検出装置(計測装置) 6,8 ホーニング盤 7,9 計測装置 10 ワーク選別装置 11 制御装置 15,125 治具ベース 16 揺動体 17 ワークホルダ 20 搬送路 21 位置決め装置 22 位置決め装置 30 第1揺動部 31 第2揺動部 34 X−クロスピン 35 Y−クロスピン 40 保持ベース 41 締付けスプリング機構(締付けスプ
リング手段) 43 ワーク収納部 43d 位置決め部 45 コイルスプリング 45a コイルスプリングの巻回基端部 45b コイルスプリングの巻回先端部 46 開閉部 47 円筒チャッキング面 55 開閉リング部材 56 操作レバー(操作部材) 57 復帰スプリング 60 ワーク搬送手段 70 チャック開閉装置の開閉ロッド 71 チャック開閉装置の往復シリンダ 80 ホーニングツール 120 割出し円盤
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B24B 33/10 B24B 33/02 B23B 31/08

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の工作物を保持して、自動ホーニ
    ング装置のワーク搬送装置により搬送されるものであっ
    て、 このワーク搬送装置の搬送路上に移動可能に載置される
    治具ベースと、この治具ベースに三次元方向へ揺動可能
    に設けられた揺動体と、この揺動体に設けられたワーク
    ホルダとを備えてなり、 このワークホルダは、工作物の外周面全周を着脱可能に
    チャッキング支持する円筒チャッキング面を有する締付
    けスプリング手段を備え、 この締付けスプリング手段は、前記円筒チャッキング面
    を内径部に有する円筒状のコイルスプリングと、このコ
    イルスプリングを巻回方向へ変形させて前記円筒チャッ
    キング面を拡縮動作させる開閉部とを備えてなる ことを
    特徴とするホーニング治具。
  2. 【請求項2】 前記揺動体は、第1揺動部と第2揺動部
    とからなり、 前記第1揺動部は、X−クロスピンを介して、前記治具
    ベースに吊持状かつ揺動可能に設けられ、 前記第2揺動部は、上記X−クロスピンと直交するY−
    クロスピンを介して、 前記第1揺動部に吊持状かつ揺動可能に設けられ、 この第2揺動部の中央部に、前記ワークホルダが設けら
    れていることを特徴とする請求項1に記載のホーニング
    治具。
  3. 【請求項3】 前記ワークホルダは、工作物を収納する
    円筒状のワーク収納部を備え、このワーク収納部内に、
    前記締付けスプリング手段が同軸状に配置されているこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のホーニング治
    具。
  4. 【請求項4】 前記コイルスプリングは、その巻回基端
    部が固定側に接続されるとともに、その巻回先端部が前
    記開閉部に接続されてなり、 この開閉部によるコイルスプリングの巻回方向への変形
    動作により、前記円筒チャッキング面が拡縮するように
    構成されていることを特徴とする請求項1に記載のホー
    ニング治具。
  5. 【請求項5】 前記開閉部は、前記第2揺動部に、前記
    コイルスプリングの軸線まわりに自由回転可能に軸支さ
    れた開閉リング部材と、この開閉リング部材を回転方向
    に弾発的に付勢する復帰スプリングと、前記開閉リング
    部材を回転操作する操作部材とを備えてなり、 前記コイルスプリングは、その巻回基端部が固定側の前
    記第2揺動部に接続されるとともに、その巻回先端部が
    回転側の前記開閉リング部材に接続されていることを特
    徴とする請求項4に記載のホーニング治具。
  6. 【請求項6】 前記コイルスプリングは、断面矩形状の
    線材が軸方向に密接した状態で円筒螺旋状に巻回されて
    なり、その円筒チャッキング面が工作物の外周面全周に
    面接触するように構成されていることを特徴とする請求
    項4に記載のホーニング治具。
  7. 【請求項7】 前記コイルスプリングは、断面円形状の
    線材が軸方向に密接した状態で円筒螺旋状に巻回されて
    なり、その円筒チャッキング面が工作物の外周面全周に
    螺旋状に線接触するように構成されていることを特徴と
    する請求項4に記載のホーニング治具。
  8. 【請求項8】 前記コイルスプリングの巻回方向は、ホ
    ーニングツールの回転により、その円筒チャッキング面
    が縮閉するように設定されていることを特徴とする請求
    項6または7に記載のホーニング治具。
  9. 【請求項9】 前記コイルスプリングは、常態におい
    て、その円筒チャッキング面の径寸法が工作物の外周面
    の径寸法よりも小さく設定されるとともに、前記開閉部
    により拡開された状態において、その円筒チャッキング
    面の径寸法が工作物の外周面の径寸法よりも大きく、か
    つ前記ワーク収納部の径寸法とほぼ同じに設定されてい
    ることを特徴とする請求項4に記載のホーニング治具。
  10. 【請求項10】 前記ワーク収納部の底部に、工作物の
    軸方向位置を規定する位置決め部が形成されていること
    を特徴とする請求項3に記載のホーニング治具。
  11. 【請求項11】 請求項1から10のいずれか一つに記
    載のホーニング治具と、 このホーニング治具をホーニング加工部に沿って搬送し
    位置決めするワーク搬送装置と、 このワーク搬送装置のワーク搬入、搬出位置に配置され
    て、前記ホーニング治具の締付けスプリング手段を拡縮
    動作させるチャック開閉装置と、 前記ワーク搬送部のワーク搬入搬出位置に配置されて、
    前記ホーニング治具に対して工作物を搬入、搬出するワ
    ーク搬入出装置と、 前記ワーク搬送部のホーニング加工位置に配置されて、
    前記ワーク搬送装置により搬送される工作物にホーニン
    グ加工を施す少なくとも一つのホーニング盤と、 前記ワーク搬送部の計測位置に配置されて、工作物の加
    工径を計測する少なくとも一つの計測装置と、 前記ワーク搬送装置、チャック開閉装置、ワーク搬入出
    装置、ホーニング盤および計測装置を相互に連動して自
    動制御する制御装置とを備えてなることを特徴とする自
    動ホーニング装置。
  12. 【請求項12】 前記ワーク搬送装置は、ホーニング加
    工部に沿ってループ状に設けられたワーク搬送路と、こ
    のワーク搬送路上で前記ホーニング治具を搬送する搬送
    手段と、この搬送手段により搬送される前記ホーニング
    治具を前記ワーク搬入、搬出位置、ホーニング加工位置
    および計測位置にそれぞれ位置決めする位置決め装置と
    を備えてなることを特徴とする請求項11に記載の自動
    ホーニング装置。
  13. 【請求項13】 前記ワーク搬送装置は、ホーニング加
    工部に沿って回転可能に設けられた割出し円盤を備えて
    なり、この円盤上に載置された前記ホーニング治具を前
    記ワーク搬入搬出位置、ホーニング加工位置および計測
    位置にそれぞれ割出し搬送するインデックス式とされて
    いることを特徴とする請求項11に記載の自動ホーニン
    グ装置。
  14. 【請求項14】 前記チャック開閉装置は、水平方向へ
    往復直線運動して、前記ホーニング治具の締付けスプリ
    ング手段の操作部材に係脱可能に係合する開閉ロッド
    と、この開閉ロッドを往復動作させる往復シリンダとを
    備えてなり、 前記ホーニング治具の開閉部の操作部材は、前記開閉リ
    ング部材から水平方向外方へ突出した操作レバーの形態
    とされ、 前記開閉ロッドにより前記操作レバーが回動されて、前
    記開閉リング部材が回転操作されることを特徴とする
    求項11に記載の自動ホーニング装置。
  15. 【請求項15】 前記ワーク搬入出装置により搬出され
    た加工後の工作物を選別するワーク選別装置を備える
    求項11に記載の自動ホーニング装置。
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