JP2000042878A - 円筒研削盤及びそのワーク軸と砥石軸、並びにこの円筒研削盤による平錐の加工方法 - Google Patents
円筒研削盤及びそのワーク軸と砥石軸、並びにこの円筒研削盤による平錐の加工方法Info
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Abstract
供し、ワークの供給搬出を含めて完全に自動化すること
ができ、平錐の加工等を含む各種の円筒研削加工を行え
る円筒研削盤を提供する。並びにこの円筒研削盤による
平錐の加工方法を提供する。 【解決手段】 Y軸方向に摺動するY軸摺動台と、Y軸
摺動台上に配置され、鉛直なA軸を中心として旋回する
A軸旋回台と、A軸旋回台上に水平に配置された回転可
能な前記ワーク軸と、Y軸に直交するX軸方向に摺動す
るX軸摺動台と、X軸摺動台上に配置され、鉛直なB軸
を中心として旋回するB軸旋回台と、B軸旋回台上に、
ワーク軸と同じ高さで水平に配置された回転可能な砥石
軸とを有し、Y軸摺動台とX軸摺動台、A軸旋回台とB
軸旋回台、及びワーク軸の割り出し回転とが、いずれも
数値制御装置によって制御される。
Description
に関するものであり、特に、小径のピンや平錐の加工に
適したテーパ面加工の可能な小型の円筒研削盤に関する
ものである。
パ面加工の可能な小型の円筒研削盤として、従来使用さ
れていた円筒研削盤の1例を図9及び図10に示す。図
9は、この円筒研削盤の平面図であり、図10は、正面
図である。この従来例の円筒研削盤は、図9及び図10
に示すように、脚100の上面に設けられた扇形に広が
るベース101を有し、このベース101の左側の上面
にワーク軸台102が配置されている。このワーク軸台
102は、ベース101の上面に固定されたワーク軸台
取付台103と、このワーク軸台取付台103の上面に
軸方向の位置が調整可能に固定されるワーク軸台本体1
04とを有し、このワーク軸台本体104に、ワーク軸
105が回転可能に配置されており、ワーク軸105の
先端には、コレットチャック106を介してワーク10
7が把持される。
石軸台108が、ワーク軸105の先端部に位置する設
計上の加工位置として設定された旋回中心Dを中心にし
てベース101の右端部に設けられた案内溝109に沿
って旋回可能に設けられている。砥石軸台108は、こ
の旋回範囲の中央位置にあるときにワーク軸105の中
心線に平行なX軸方向に摺動するX軸摺動台110と、
このX軸摺動台110に直交する方向に摺動するY軸摺
動台111とを有し、X軸摺動台110はハンドル11
2の回転で、Y軸摺動台111はハンドル113の回転
で、図示しない送りねじを回転することによって、それ
ぞれX軸方向及びY軸方向に送られる。そして、Y軸摺
動台111の上面には、砥石軸114を回転可能に支持
し、鉛直なE軸を中心として旋回する砥石軸台本体11
5が配置され、砥石軸114の先端には、砥石軸114
と共に回転可能に砥石116が固定されている。
行う際には、砥石軸台108を旋回中心Dを中心とする
旋回範囲の中央位置(図9に示す位置)に配置して固定
し、ワーク軸105及び砥石軸114を回転駆動して、
ハンドル112を回転することによってX軸摺動台11
0を円筒研削の研削送り方向に、ハンドル113を回転
することによってY軸摺動台111を砥石の切り込み方
向に送って所定の円筒研削加工を行い、テーパ面加工を
行う際には、X軸摺動台110が所定のテーパ面となる
角度に沿って移動するように砥石軸台108を旋回中心
Dを中心とする旋回範囲の任意の位置(所定のテーパ角
度となる位置)に配置して固定し、ワーク軸105及び
砥石軸104を回転駆動して、円筒切削の際と同様に、
ハンドル112の回転でX軸摺動台110を研削送り方
向に、ハンドル113の回転でY軸摺動台111を砥石
の切り込み方向に送ることによって所定のテーパ面加工
を行うものである。
工を行うもので、生産性が非常に悪いと共に、作業者の
技能によって製品の品質にバラツキが生じるので、本出
願人は、この作業工程を自動化した円筒研削盤を特開平
7−178664号公報として開示した。この第2の従
来例の円筒研削盤の平面図を図11に示す。この円筒研
削盤は、図11に示すように、脚120の上面に、Y軸
方向に摺動するY軸摺動台121と、Y軸方向に直交す
るX軸方向に摺動するX軸摺動台122とが独立して設
けられており、Y軸摺動台121の上面には、ワーク1
23を保持して回転するワーク軸124を回転可能に支
持するワーク軸台125が、X軸摺動台122の上面に
は、砥石軸126を支持する砥石軸台127が配置され
ている。この砥石軸台127は、X軸摺動台122の上
面に旋回中心Fを中心として旋回可能に配置されてお
り、この砥石軸台127に回転可能に支持されている砥
石軸126の先端には、砥石軸126と共に一体となっ
て回転可能な砥石128が固定されている。
は、研削加工したワークの外径寸法を自動測定する自動
測定装置129と、研削加工に使用した砥石128をド
レッシングするためのドレッシング装置130とが、1
個のXY摺動台131の上面に配置されており、所定の
タイミングでワーク123の外径寸法を自動測定して残
りの削り代を確認し、或いは、砥石128をドレッシン
グして所定の形状に整形し、又は砥石128の切刃を再
生するように構成されているが、本発明には直接関係し
ないので、その詳細の説明は省略する。
削を行う際には、砥石軸台127を基準位置(図11に
示すように、砥石軸126の中心線がY軸に平行な位
置)に配置して固定し、ワーク軸124及び砥石軸12
6を回転駆動し、数値制御装置によってX軸摺動台12
2を円筒研削の研削送り方向に、Y軸摺動台121を砥
石の切り込み方向に送ることによって所定の円筒研削加
工を行い、テーパ面加工を行う際には、砥石軸台127
を旋回範囲の所定の位置(所定のテーパ面に対して砥石
128が正対する位置)に配置して固定し、ワーク軸1
24及び砥石軸126を回転駆動し、数値制御装置によ
ってX軸摺動台122とY軸摺動台121とを所定のテ
ーパ面となるように同期補間して移動し、研削方向及び
砥石の切り込み方向に送ることによって所定のテーパ面
加工を行うものである。
の従来技術の円筒研削盤では、テーパ面加工を含む円筒
研削作業の作業工程を自動化することを達成したが、依
然として、テーパ面加工における砥石の位置決め及び加
工するワークの供給、加工済みの製品の取り出し等は手
動で行うものであり、完全な自動化を達成したものでは
なく、また、平錐の刃先角のように傾斜の大きいテーパ
面を加工可能とするためには、X軸摺動台とY軸摺動台
との摺動するストロークを大きくしなければならず、加
工するワークに比較して大型の装置とならざるを得ない
ものであった。
使用する砥石は1個のみであり、粗加工と仕上げ加工と
を行う場合には、粗加工用の砥石と仕上げ加工用の砥石
とを手動で交換しなければならず、粗加工用の砥石と仕
上げ加工用の砥石との交換を避けるためには、粗加工用
の砥石を取り付けた砥石軸と仕上げ加工用の砥石を取り
付けた砥石軸との2個の砥石軸を設け、粗加工又は仕上
げ加工を行う際には、加工に使用する砥石軸のみを前進
させて他方の砥石軸は後退させて加工することとなり、
それぞれの砥石軸に摺動台が必要となるとともに、使用
しない側の砥石軸を後退させておくスペースも必要とな
って、更に大型で高価な円筒研削盤とならざるを得なか
った。
筒研削盤を提供することを目的とするものであり、更
に、ワークの供給、搬出を含めて完全に自動化すること
を可能にすると共に、数値制御装置によって制御する制
御軸の数を最小にしながら、平錐の加工等のテーパ面の
加工を含む各種の円筒研削加工を全て行えるようにした
円筒研削盤を提供することを目的とするものであり、そ
のためのワーク軸台と砥石軸台の構成、並びにこの円筒
研削盤による平錐の加工方法を提供することを目的とす
るものである。
を解決するために、ワーク軸台と砥石軸台とを有し、該
ワーク軸台と該砥石軸台とが少なくともX軸方向とY軸
方向に相対的に移動し、且つ、前記ワーク軸台と前記砥
石軸台とにそれぞれ回転可能に配置されたワーク軸と砥
石軸とを具備する円筒研削盤において、前記ワーク軸台
は、Y軸方向に摺動するY軸摺動台と、該Y軸摺動台上
に配置され、鉛直なA軸を中心として旋回するA軸旋回
台と、該A軸旋回台上に水平に配置された回転可能な前
記ワーク軸とを有し、前記砥石軸台は、前記Y軸に直交
するX軸方向に摺動するX軸摺動台と、該X軸摺動台上
に配置され、鉛直なB軸を中心として旋回するB軸旋回
台と、該B軸旋回台上に、前記ワーク軸とほぼ同じ高さ
で水平に配置された回転可能な前記砥石軸とを有し、前
記Y軸方向に摺動する前記Y軸摺動台と前記X軸方向に
摺動する前記X軸摺動台と、鉛直な軸を中心として旋回
する前記A軸旋回台と前記B軸旋回台、及び回転可能な
前記ワーク軸の割り出し回転とが、いずれも数値制御装
置によって制御されている円筒研削盤を提供するもので
ある。
ーク軸の高速で回転する回転駆動と低速で割り出し回転
する位置決め制御の双方が数値制御装置によって一元的
に制御されることが望ましい。また、この円筒研削盤の
ワーク軸は、圧縮空気による静圧軸受によって軸受けさ
れていることが望ましい。
ワーク軸台と該砥石軸台とが少なくともX軸方向とY軸
方向に相対的に移動し、且つ、前記ワーク軸台と前記砥
石軸台とにそれぞれ回転可能に配置されたワーク軸と砥
石軸とを具備する円筒研削盤において、前記ワーク軸の
高速で回転する回転駆動と低速で割り出し回転する位置
決め制御の双方が数値制御装置によって一元的に制御さ
れ、前記ワーク軸は、ワークを把持する開閉可能なコレ
ットチャックと、該コレットチャックと相対的に回転す
ることによって前記コレットチャックを開閉するドロー
バーと、該ドローバーを前記ワーク軸台に回転不能に固
定するブレーキ手段とを有し、前記ドローバーを前記ブ
レーキ手段によって前記ワーク軸台に回転不能に固定
し、前記ワーク軸を前記数値制御装置による制御の下
に、正、逆転方向に回転することによって前記コレット
チャックを開閉する円筒研削盤のワーク軸を提供するも
のである。
ワーク軸台と該砥石軸台とが少なくともX軸方向とY軸
方向に相対的に移動し、且つ、前記ワーク軸台と前記砥
石軸台とにそれぞれ回転可能に配置されたワーク軸と砥
石軸とを具備する円筒研削盤において、前記砥石軸台に
は前記砥石軸が水平方向に配置されており、且つ前記砥
石軸のほぼ中央を中心として水平面内を旋回可能であっ
て、前記砥石軸は、圧縮空気による静圧軸受によって軸
受けされ、且つ前記砥石軸の両端にそれぞれ砥石が取り
付けられている円筒研削盤の砥石軸を提供するものであ
る。
有し、該ワーク軸台と該砥石軸台とが少なくともX軸方
向とY軸方向に相対的に移動し、且つ、前記ワーク軸台
と前記砥石軸台とにそれぞれ回転可能に配置されたワー
ク軸と砥石軸とを具備する円筒研削盤において、前記ワ
ーク軸台は、Y軸方向に摺動するY軸摺動台と、該Y軸
摺動台上に配置され、鉛直なA軸を中心として旋回する
A軸旋回台と、該A軸旋回台上に水平に配置された回転
可能な前記ワーク軸とを有し、前記砥石軸台は、前記Y
軸に直交するX軸方向に摺動するX軸摺動台と、該X軸
摺動台上に配置され、鉛直なB軸を中心として旋回する
B軸旋回台と、該B軸旋回台上に、前記ワーク軸とほぼ
同じ高さで水平に配置された回転可能な前記砥石軸とを
有し、前記砥石軸を前記X軸に平行に配置し、前記ワー
ク軸を加工する平錐の刃先角度又は切刃の逃げ面の角度
に対応する位置に旋回し、前記ワーク軸を割り出し位置
決めして平錐の刃先又は切刃の逃げ面を加工する工程
と、前記砥石軸を前記Y軸に平行に配置し、前記ワーク
軸を加工する平錐の外径が所定の逆テーパとなる位置に
旋回し、前記ワーク軸を回転駆動して平錐の外径を加工
する工程と、前記砥石軸を前記Y軸に平行に配置し、前
記ワーク軸を加工する平錐の2面幅が所定のテーパとな
る位置に旋回し、前記ワーク軸を割り出し位置決めして
平錐の2面幅を加工する工程とからなる平錐の加工方法
を提供するものである。
に基づいて説明する。図1及び図2は、本発明の円筒研
削盤の1実施例を示し、図1は平面図、図2は正面図で
ある。図において、本発明の円筒研削盤は、脚1の上面
の左側にワーク軸台2が、ほぼ中央の手前側に砥石軸台
3が設けられている。ワーク軸台2は、Y軸方向(図1
では上下方向)に摺動するY軸摺動台4と、このY軸摺
動台4の上面に配置されており鉛直なA軸を中心として
旋回するA軸旋回台5とを有しており、このA軸旋回台
5は、水平方向に配置されたワーク軸6を回転可能に支
持している。そして、このワーク軸6は、円筒研削の際
に所定の回転数で回転するばかりでなく、C軸として回
転角度を制御することが可能となっている。
けられている砥石軸台3は、Y軸方向に直交するX軸方
向(図1では左右方向)に摺動するX軸摺動台7と、こ
のY軸摺動台7の上面に配置されており鉛直なB軸を中
心として旋回するB軸旋回台8とを有しており、このB
軸旋回台8には、水平方向に配置された砥石軸9がワー
ク軸6とほぼ同じ高さに回転可能に支持されており、円
筒研削の際に所定の回転数で砥石10を回転する。
ように、ワーク軸6の中心線の標準位置がX軸方向に平
行であり、砥石軸9の中心線の標準位置がY軸方向に平
行となっており、ワーク軸6に把持されたワーク11
は、砥石軸9に固定された砥石10の端面で研削するこ
とによって円筒研削が行われる。そして、ワーク軸台2
がY軸方向に移動することによって砥石の切り込み方向
の送り(直径方向の寸法調整)が行われ、砥石軸台3が
X軸方向に移動することによって砥石10の研削送りが
行われる。また、テーパ面の研削を行うときには、ワー
ク軸6をA軸旋回台5によって所定の角度だけ時計回り
に旋回することによってテーパ面の研削が行われる。
11の外径寸法を自動測定する自動測定装置12がY軸
方向に進退可能に設けられており、その先端部に接近し
て、小径のワーク11の場合にワーク11を支持するワ
ークレスト13が設けられている。そして、その右側に
は、使用後の砥石10をドレッシングして所定の形状に
整形し、又は砥石10の切刃を再生するドレッシングホ
ィール14が回転可能なドレッシング軸15に固定さ
れ、ドレッシング装置16を構成している。そして、自
動測定装置12、ワークレスト13及びドレッシング装
置16は、いずれもX軸方向及びY軸方向に摺動可能な
XY摺動台17上に配置されている。
方向に摺動するX軸摺動台7、ワーク軸6をY軸方向に
摺動するY軸摺動台4、ワーク軸6を旋回するA軸旋回
台5、砥石軸9を旋回するB軸旋回台8、ワーク軸6の
回転角度を制御するC軸、及び外径測定装置12、ワー
クレスト13及びドレッシング装置16をXY両軸方向
に摺動するXY摺動台17は、それぞれ、X軸、Y軸、
A軸、B軸、C軸及びX’軸、Y’軸として図示しない
数値制御装置によって数値制御されている。
軸9について、以下に詳述する。図3は、本発明の円筒
研削盤のワーク軸6の構成の1実施例の詳細を示す部分
断面図であって、A軸旋回台5の上面にワーク軸台本体
20が固定されており、このワーク軸台本体20にワー
ク軸6が組み込まれている。ワーク軸6は、前部に設け
られた前部ラジアル静圧軸受21及びスラスト静圧軸受
22と、ほぼ中央部のやや後方寄りに設けられた後部ラ
ジアル静圧軸受23とによって回転可能に支持されてい
る。ここで、本実施例では、これらの静圧軸受は圧縮空
気による静圧軸受を採用している。圧縮空気による静圧
軸受は、圧縮空気源を要するのみで格別の付帯設備を必
要とせず、安価に使用することができるばかりでなく、
使用後の圧縮空気を大気中に放出しても環境に影響を与
えない長所を有しており、負荷容量は比較的小さいが、
小型の円筒研削盤のように高速で回転し、且つ、研削負
荷の小さいものには、この欠点も格別の障害とならな
い。
タ制御のビルトインモータ24によって回転駆動され、
円筒研削加工時の高速で連続回転する回転駆動と、割り
出し位置決め時のC軸の位置決め制御による低速回転の
双方が、数値制御装置によって一元的に制御されてお
り、連続回転する回転駆動は第1の検出リング25によ
って検出されて回転速度が制御され、割り出し位置決め
時のC軸の位置は第2の検出リング26によって検出さ
れてC軸の位置決め制御が行われる。
は、ワーク27を把持するコレットチャック28がワー
ク軸6に対して回転不能に挿入されており、後方から、
ドローバー29が貫通してコレットチャック28に螺合
している。このドローバー29は、後端に設けられたハ
ンドル30を回転することによって手動でコレットチャ
ック28を開閉することが可能となっており、更に、電
気的に制御されるブレーキ手段31によってワーク軸台
本体20に対して回転不能に固定し、ワーク軸6をビル
トインモータ24で正、逆転することによってコレット
チャック28を開閉することが可能となっている。
ー29をワーク軸台本体20に対して固定し、ビルトイ
ンモータ24によってワーク軸6を逆回転させると、ド
ローバー29に螺合しているコレットチャック28がワ
ーク軸6と共に逆回転してワーク27を把持し、ワーク
軸6を正回転させるとワーク27を開放する。従って、
任意のワークの自動供給搬出装置(図示しない)を設置
することによって、ワークの自動供給、自動搬出を行う
ことができる。
構成の1実施例の詳細を示す部分断面図であって、B軸
旋回台8の上面に砥石軸台本体40が固定されており、
この砥石軸台本体40に砥石軸9が組み込まれている。
砥石軸9は、前部に設けられた前部ラジアル静圧軸受4
1及びスラスト静圧軸受42と、後部に設けられた後部
ラジアル静圧軸受43とによって回転可能に支持されて
いる。本実施例では、これらの静圧軸受は圧縮空気によ
る静圧軸受を採用している。圧縮空気による静圧軸受の
メリットは前述したワーク軸6の軸受部と同様なので、
ここでは詳述しない。
に、インバータ制御のビルトインモータ44によって回
転駆動されている。しかし、この砥石軸9では、研削加
工時の高速で連続回転する回転駆動のみであってC軸の
位置決め制御は行われない。また、本実施例の砥石軸9
は、その両端部に砥石10a及び10bが固定されてお
り、鉛直なB軸(図示しない)を中心にしてB軸旋回台
8が180度旋回することによって、砥石10a及び1
0bが交互に加工位置に配置される。この砥石10a、
10bは、通常は仕上げ加工用砥石と粗加工用砥石とを
取り付けるものであり、発熱による砥石軸9の伸びの影
響の少ないスラスト静圧軸受42側(図示左側)に仕上
げ加工用砥石10aを取り付けることが望ましい。
工するワークの一例として平錐を示し、図5は正面図、
図6は側面図を示す。図に示すように、平錐50は、シ
ャンク部51と錐部52とからなり、錐部52は、先端
の頂角が通常120度の切刃53とこの切刃53の逃げ
面(図示しない)、通常1度以下の逆テーパとなってい
る外径部54及び外径部54に通常1〜2度以下のテー
パを付けて設けた2面幅55からなっている。そして、
この平錐は、ツイストドリルが使用できない小径の穴加
工(通常は1mm以下の径の穴加工)に専ら使用されて
おり、シャンク部51の直径の超硬金属の棒材から研削
加工によって製造される。
の研削加工について、図7及び図8を参照して説明す
る。図7及び図8は、図1の要部のみを拡大して描いた
図であって、図7は平錐50の外径部54及び2面幅5
5を研削加工する際のワーク軸6と砥石軸9の配置を示
す図であり、図8は平錐50の切刃53及び切刃53の
逃げ面を研削加工する際のワーク軸6と砥石軸9の配置
を示す図である。
加工は次のように行われる(図3及び図5、図6も参
照)。先ず、加工前のワーク27である超硬金属の棒材
をワーク軸6に供給してコレットチャック28で把持す
る。この際、手動で供給するときには、ワーク軸6の回
転を止めてドローバー29を逆回転することによってコ
レットチャック28を開放し、加工前のワーク27を所
定の位置まで挿入してドローバー29を正回転してコレ
ットチャック28に加工前のワーク27を把持させる。
自動で加工前のワーク27を供給するときには、ブレー
キ手段31でドローバー29を回転不能に固定し、ワー
ク軸6を正回転させてコレットチャック28を開放し、
加工前のワーク27を図示しない自動供給装置で供給
し、ワーク軸6を逆回転してコレットチャック28でワ
ーク27を把持することによって行われる。
53の研削加工を行う。切刃53の研削加工は、図8に
示すように、A軸旋回台5を刃先の角度(通常120
度)及び切刃53のすくい角に対応する角度(本実施例
では35度)だけA軸に沿って旋回して停止するととも
に、B軸旋回台8によって砥石軸9を−90度の位置に
旋回して粗加工用砥石10bを選択し、ワーク軸6をC
軸の回りに94度割り出し回転して位置決めして、片方
の切刃の粗研削加工を行い、片方の切刃の粗研削加工が
終了すると、ワーク軸6をC軸の回りに更に180度割
り出し回転して274度の位置に位置決めし、他方の切
刃の粗研削加工を行う。双方の切刃の粗研削加工が終了
すると、砥石軸を90度の位置に旋回して仕上げ加工用
砥石10aを選択し、先に他方の切刃の仕上げ研削加工
を行い、C軸を180度戻して片方の切刃の仕上げ研削
加工を行って切刃53の研削加工が終了する。
削加工を行う。逃げ面の研削加工では、A軸旋回台5の
旋回角度を40度の位置とし、ワーク軸6をC軸の回り
に123度及び303度の位置に割り出し回転して位置
決めする点が異なるのみで、切刃53の研削加工と全く
同様にして粗研削加工及び仕上げ研削加工を行うことに
よって、切刃53の逃げ面の研削加工を行う。
面の研削加工を行う。このときは、A軸旋回台5を逆テ
ーパの角度(通常1度以下)だけ標準位置からA軸を中
心に旋回して停止するとともに、B軸旋回台8によって
砥石軸9を図7に示すように0度の位置(標準位置)に
旋回して粗加工用砥石10bを選択し、ワーク軸6を連
続回転させながら研削することによって逆テーパの粗研
削加工を行い、砥石軸9を180度の位置に旋回して仕
上げ加工用砥石10aを選択して仕上げ研削加工を行
う。ここで、この逆テーパ面の粗研削加工は1工程のみ
で行われるとは限らず、平錐50のシャンク部51の直
径と外径部54の直径の差によっては、必要に応じて複
数回の粗研削加工を行うことは従来技術と同様である。
同様に、仕上げ研削加工も1工程のみで行われるとは限
らず、必要に応じて複数回の仕上げ研削加工を行うこと
も多い。
外径部54との交点の外径寸法の精度)は、平錐50の
使用時における穴加工精度に直接影響するので、本実施
例では、最後の仕上げ研削加工の前に、自動測定装置1
2で平錐50の外径部54の直径(切刃53と外径部5
4との交点の外径寸法)を測定し、この寸法の誤差を補
正して最後の仕上げ研削加工を行うことによって平錐5
0の精度を保証するようになっている。前述したよう
に、自動測定装置12は、図1に示すXY摺動台17の
上面に配置されており、XY摺動台17によってワーク
11に接近するとともに、自動測定装置12がY軸方向
に前進して、平錐50の外径部54の直径を接触又は非
接触(本実施例では非接触)して測定する。尚、自動測
定装置12による平錐50の外径寸法の測定は、この1
回に限られるものではなく、任意のタイミングで任意の
回数だけ行うことができることは勿論である。
錐50の2面幅55の研削加工を行う。2面幅55は、
僅かにシャンク部51側が厚いテーパした面となってい
るので、A軸旋回台5をテーパの角度(通常1〜2度以
下)だけA軸に沿って旋回して停止するとともに、B軸
旋回台8によって砥石軸9を図7に示すように0度の位
置に旋回して粗加工用砥石10bを選択し、ワーク軸6
をC軸の回りに0度の位置に割り出し回転して位置決め
して、片方の2面幅の粗研削加工を行い、片方の2面幅
の粗研削加工が終了すると、ワーク軸6をC軸の回りに
180度の位置に割り出し回転して位置決めし、他方の
2面幅の粗研削加工を行う。2面幅の粗研削加工が終了
すると、砥石軸を180度の位置に旋回して仕上げ加工
用砥石10aを選択し、先に他方の2面幅の仕上げ研削
加工を行い、C軸を0度の位置に戻して片方の2面幅の
仕上げ研削加工を行って平錐50の研削加工の工程が終
了する。この工程でも、複数回の粗研削加工を行い、或
いは2面幅の厚さを自動測定装置12で測定することが
あることは、外径部54の逆テーパ面の研削加工と同様
である。
再度、平錐50の外径部54の直径を測定して製品の良
否を判定する。ここで、外径部54の直径が許容誤差内
にあるときには良品として取り出され、直径が許容誤差
より大きいときには外径部54の仕上げ研削加工の工程
に戻り、小さいときには不良品として排出される。この
製品の取り出し工程も、ワークの供給工程と同様に、手
動でドローバー29を回転して行うことも可能であり、
ブレーキ手段31でドローバー29を固定し、ビルトイ
ンモータ24の回転でコレットチャック28を開閉し、
図示しない自動搬出装置によって製品を取り出すように
することも可能である。
て砥石10a又は10bのドレッシングが行われる。こ
のドレッシング工程は、使用して磨耗した砥石10a又
は10bをドレッシングして所定の形状に整形し、又は
切刃を再生する工程であって、ワークの複数個の加工毎
に1回行うものであり、製品の搬出工程が終了して次の
ワークの供給工程の前に行われる。ドレッシングが終了
し、又はドレッシングを行わないときには製品の搬出工
程が終了するとすぐに、次のワークを供給する供給工程
が開始され、次の平錐の研削加工工程が始まる。
ので、小型で且つ安価な円筒研削盤を提供することがで
きる。また、ワークの供給、搬出を含めて完全に自動化
することを可能にすると共に、数値制御装置によって制
御する制御軸の数を最小にしながら、平錐の加工等のテ
ーパ面の加工を含む各種の円筒研削加工を全て行えるよ
うにした円筒研削盤を提供することができる。
ドローバーをワーク軸台本体に固定して、ビルトインモ
ータでワーク軸を回転することによってコレットチャッ
クを自動で開閉可能にし、任意の自動供給搬出装置を設
けることによって全自動運転の円筒研削盤を構成するこ
とができる。また、本発明の円筒研削盤の砥石軸は、両
端部に砥石が取付可能となっているので、粗研削加工と
仕上げ研削加工とで砥石を交換する必要がなく、1個の
砥石軸のみで粗研削加工と仕上げ研削加工が可能とな
り、小型で安価な円筒研削盤を構成することが可能とな
る。
用した平錐の加工方法を提供するものであり、小型で安
価な円筒研削盤による完全に自動化することが可能であ
ると共に、作業者の技能によって製品の品質にバラツキ
が生じない平錐の加工方法を提供するものである。
る。
る。
断面図である。
面図である。
図である。
図である。
ーク軸と砥石軸の配置を示す図1の要部拡大図である。
のワーク軸と砥石軸の配置を示す図1の要部拡大図であ
る。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 ワーク軸台と砥石軸台とを有し、該ワー
ク軸台と該砥石軸台とが少なくともX軸方向とY軸方向
に相対的に移動し、且つ、前記ワーク軸台と前記砥石軸
台とにそれぞれ回転可能に配置されたワーク軸と砥石軸
とを具備する円筒研削盤において、 前記ワーク軸台は、Y軸方向に摺動するY軸摺動台と、
該Y軸摺動台上に配置され、鉛直なA軸を中心として旋
回するA軸旋回台と、該A軸旋回台上に水平に配置され
た回転可能な前記ワーク軸とを有し、 前記砥石軸台は、前記Y軸に直交するX軸方向に摺動す
るX軸摺動台と、該X軸摺動台上に配置され、鉛直なB
軸を中心として旋回するB軸旋回台と、該B軸旋回台上
に、前記ワーク軸とほぼ同じ高さで水平に配置された回
転可能な前記砥石軸とを有し、 前記Y軸方向に摺動する前記Y軸摺動台と前記X軸方向
に摺動する前記X軸摺動台と、鉛直な軸を中心として旋
回する前記A軸旋回台と前記B軸旋回台、及び回転可能
な前記ワーク軸の割り出し回転とが、いずれも数値制御
装置によって制御されていることを特徴とする円筒研削
盤。 - 【請求項2】 ワーク軸の高速で回転する回転駆動と低
速で割り出し回転する位置決め制御の双方が数値制御装
置によって一元的に制御されることを特徴とする請求項
1記載の円筒研削盤のワーク軸。 - 【請求項3】 ワーク軸は、圧縮空気による静圧軸受に
よって軸受けされていることを特徴とする請求項1記載
の円筒研削盤のワーク軸。 - 【請求項4】 ワーク軸台と砥石軸台とを有し、該ワー
ク軸台と該砥石軸台とが少なくともX軸方向とY軸方向
に相対的に移動し、且つ、前記ワーク軸台と前記砥石軸
台とにそれぞれ回転可能に配置されたワーク軸と砥石軸
とを具備する円筒研削盤において、 前記ワーク軸の高速で回転する回転駆動と低速で割り出
し回転する位置決め制御の双方が数値制御装置によって
一元的に制御され、 前記ワーク軸は、ワークを把持する開閉可能なコレット
チャックと、該コレットチャックと相対的に回転するこ
とによって前記コレットチャックを開閉するドローバー
と、該ドローバーを前記ワーク軸台に回転不能に固定す
るブレーキ手段とを有し、 前記ドローバーを前記ブレーキ手段によって前記ワーク
軸台に回転不能に固定し、前記ワーク軸を前記数値制御
装置による制御の下に、正、逆転方向に回転することに
よって前記コレットチャックを開閉することを特徴とす
る円筒研削盤のワーク軸。 - 【請求項5】 ワーク軸台と砥石軸台とを有し、該ワー
ク軸台と該砥石軸台とが少なくともX軸方向とY軸方向
に相対的に移動し、且つ、前記ワーク軸台と前記砥石軸
台とにそれぞれ回転可能に配置されたワーク軸と砥石軸
とを具備する円筒研削盤において、 前記砥石軸台には前記砥石軸が水平方向に配置されてお
り、且つ前記砥石軸のほぼ中央を中心として水平面内を
旋回可能であって、 前記砥石軸は、圧縮空気による静圧軸受によって軸受け
され、且つ前記砥石軸の両端にそれぞれ砥石が取り付け
られていることを特徴とする円筒研削盤の砥石軸。 - 【請求項6】 ワーク軸台と砥石軸台とを有し、該ワー
ク軸台と該砥石軸台とが少なくともX軸方向とY軸方向
に相対的に移動し、且つ、前記ワーク軸台と前記砥石軸
台とにそれぞれ回転可能に配置されたワーク軸と砥石軸
とを具備する円筒研削盤において、 前記ワーク軸台は、Y軸方向に摺動するY軸摺動台と、
該Y軸摺動台上に配置され、鉛直なA軸を中心として旋
回するA軸旋回台と、該A軸旋回台上に水平に配置され
た回転可能な前記ワーク軸とを有し、 前記砥石軸台は、前記Y軸に直交するX軸方向に摺動す
るX軸摺動台と、該X軸摺動台上に配置され、鉛直なB
軸を中心として旋回するB軸旋回台と、該B軸旋回台上
に、前記ワーク軸とほぼ同じ高さで水平に配置された回
転可能な前記砥石軸とを有し、 前記砥石軸を前記X軸に平行に配置し、前記ワーク軸を
加工する平錐の刃先角度又は切刃の逃げ面の角度に対応
する位置に旋回し、前記ワーク軸を割り出し位置決めし
て平錐の刃先又は切刃の逃げ面を加工する工程と、 前記砥石軸を前記Y軸に平行に配置し、前記ワーク軸を
加工する平錐の外径が所定の逆テーパとなる位置に旋回
し、前記ワーク軸を回転駆動して平錐の外径を加工する
工程と、 前記砥石軸を前記Y軸に平行に配置し、前記ワーク軸を
加工する平錐の2面幅が所定のテーパとなる位置に旋回
し、前記ワーク軸を割り出し位置決めして平錐の2面幅
を加工する工程とからなることを特徴とする平錐の加工
方法。
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JP21513998A JP4015291B2 (ja) | 1998-07-30 | 1998-07-30 | 円筒研削盤及びそのワーク軸、並びにこの円筒研削盤による平錐の加工方法 |
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