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JP2709360B2 - ポリイミド樹脂三次元網目構造を有する成形体及びその製造方法 - Google Patents

ポリイミド樹脂三次元網目構造を有する成形体及びその製造方法

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Publication number
JP2709360B2
JP2709360B2 JP1245863A JP24586389A JP2709360B2 JP 2709360 B2 JP2709360 B2 JP 2709360B2 JP 1245863 A JP1245863 A JP 1245863A JP 24586389 A JP24586389 A JP 24586389A JP 2709360 B2 JP2709360 B2 JP 2709360B2
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polyamic acid
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polyimide resin
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康久 永田
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東邦レーヨン株式会社
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、耐熱性樹脂として知られているポリイミド
樹脂の成形体に関し、その前駆体であるポリアミック酸
の状態で三次元的な網目構造、所謂ゲル状の構造を与え
る新規なポリアミック酸の成形体を調製し、これを脱水
・環化させて得られるポリイミド樹脂の三次元網目構造
を有する成形体及びその製造方法に関するものである。
〔従来技術〕
テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンを有機溶
媒中で重縮合させて得られたポリアミック酸を前駆体と
し、加熱脱水又は脱水剤による化学的脱水反応により脱
水・環化を進め、ポリイミド樹脂を得る方法は公知であ
り、数多くの特許出願がなされている。
ポリイミド樹脂は、その優れた耐熱性、耐摩耗性、耐
薬品、電気絶縁性、機械的特性から、電気・電子材料、
接着剤、塗料、複合材料、繊維又はフィルム材料等に広
く使用されている。
一般には、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミッ
ク酸のポリマー濃度が5〜20重量%となるように有機溶
媒中で重縮合反応を進め、有機溶媒に均一に溶解した高
分子量のポリアミック酸溶液を脱溶媒させてフィルム又
はその他の成形物を得、更に、高温処理又は化学的処理
により脱水・環化反応を進め、ポリイミド樹脂のフィル
ム又はその他の成形物を得ている。
しかしながら、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリア
ミック酸に関し、多量の溶媒を含んだ状態で流動を起こ
さず形状を保持できるような自己支持性の三次元的な網
目構造、所謂ゲル状の構造を有する成形体を調製し、こ
れを高温処理又は化学的処理により脱水・環化反応を進
め、ポリイミド樹脂の三次元網目構造を有する成形体を
与えるような報告はなされていない。
〔発明の目的〕 本発明は、テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミ
ンを主成分とするポリイミド樹脂の成形体に関し、その
前駆体であるポリアミック酸の成形体において分子鎖の
三次元網目構造を形成させ、有機溶媒の出入りにより容
易に膨潤・収縮を繰り返すことができ、且つ自己支持性
のある所謂高分子ゲル状のポリアミック酸の成形体を調
製し、更に、脱水・環化反応を進め、ポリイミド樹脂の
三次元網目構造を有する成形体を調製すべく検討を行
い、本発明に至ったものである。
〔発明の構成及び効果〕
本発明のポリイミド樹脂の三次元網目構造を有する成
形体を製造する方法は、下記〔A〕〔B〕〔C〕成分が
有機溶媒中で重合されてなるポリアミック酸の〔A〕/
〔B〕/〔C〕のモル比が(100)/(80〜100)/(2
〜10)であり、且つ次式0.95×〔(Bのモル数)+2×
(Cのモル数)〕<(Aのモル数)<1.05×〔(Bのモ
ル数)+2×(Cのモル数)〕を満足する濃度3重量%
〜40重量%のポリアミック酸溶液を賦形処理してポリア
ミック酸の三次元網目構造を有する有機溶媒含有自己支
持性ゲル成形体とし、該有機溶媒含有自己支持性ゲル成
形体を脱水・環化反応させることを特徴とする。
〔A〕テトラカルボン酸二無水物 〔B〕芳香族ジアミン 〔C〕下式で表されるテトラアミノ化合物の単独又は2
種以上の組合せ 〔式中Aは を表わし、 Rは−O−、−CH2−、−CO−、−SO2−を表す。〕 上記とは別の本発明のポリイミド樹脂三次元網目構造
を有する成形体を製造する方法は、上記〔A〕、
〔B〕、〔C〕成分が有機溶媒中で重合されてなるポリ
アミック酸の〔A〕/〔B〕/〔C〕のモル比が(10
0)/(80〜100)/(2〜10)であり、且つ次式0.95×
〔(Bのモル数)+2×(Cのモル数)〕<(Aのモル
数)<1.05×〔(Bのモル数)+2×(Cのモル数)〕
である濃度3重量%〜40重量%のポリアミック酸溶液を
ポリアミック酸の三次元網目構造を有する有機溶媒含有
自己支持性ゲルとし、得られた有機溶媒含有自己支持性
ゲルを70℃以上の温度雰囲気下でポリアミック酸のゾル
溶液に転化させ、次いで賦形処理してポリアミック酸の
三次元網目構造を有する有機溶媒含有自己支持性ゲル成
形体とし、得られた有機溶媒含有自己支持性ゲル成形体
を脱水・環化反応させることを特徴とする。
本発明における〔A〕成分のテトラカルボン酸二無水
物の代表例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3′,
4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2′,3,3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
2′,6,6′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,
3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6
−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス
(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビ
ス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、
ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水
物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ナ
フタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフ
タレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、ベンゼ
ン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、エチレング
リコールビス(アンヒドロトリメリテート)などが挙げ
られる。これらは、単独又は2種以上の混合物で用いる
ことができる。
〔B〕成分の芳香族ジアミンの代表例としては、メタ
フェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4′
−ジアミノジフェニルプロパン、4,4′−ジアミノジフ
ェニルメタン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、4,
4′−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスル
ホン、3,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジ
アミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジフェニ
ルエーテル、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,
4′−ジアミノベンゾフェノン、3,3′−ジアミノベンゾ
フェノン、2,2′−ビス(4−アミノフェニル)プロパ
ン、ベンジジン、3,3′−ジアミノビフェニル、2,6−ジ
アミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、3,4−ジアミ
ノピリジン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕エーテル、2,2′−ビス〔4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2′−ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、4,4′−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニ
ル、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3
−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2′−ビ
ス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフ
ロロプロパン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミ
ノナフタレン及びこれらの誘導体等が挙げられる。これ
らは、単独又は2種以上の混合物で用いることができ
る。
〔C〕成分のテトラアミノ化合物は、下式で表される
ものである。
〔式中Aは を表わし、 Rは−O−、−CH2−、−CO−、−SO2−を表す。〕 代表例としては、3,3′,4,4′−テトラアミノジフェ
ニルエーテル、3,3′,4,4′−テトラアミノジフェニル
メタン、3,3′,4,4′−テトラアミノベンゾフェノン、
3,3′,4,4′−テトラアミノジフェニルスルホン、3,
3′,4,4′−テトラアミノビフェニル、1,2,4,5−テトラ
アミノベンゼンが挙げられる。
これらは、単独又は2種以上の混合物で用いることが
できる。また、これらの化合物の塩酸塩、例えば、3,
3′,4,4′−テトラアミノビフェニル・四塩酸塩等も用
いることができる。
〔A〕〔B〕〔C〕成分からなるポリアミック酸の構
造体は、有機極性溶媒中、0〜80℃の温度条件下、特に
好ましくは5〜50℃の温度範囲で反応させて得ることが
できる。反応は10時間以内、好ましくは5時間以内であ
る。
反応時に使用する有機溶媒の量は、得られるポリアミ
ック酸が有機溶媒中に3〜40重量%、好ましくは5〜30
重量%含まれるように調整することが取扱性の面で好ま
しい。ポリアミック酸の濃度が3重量%未満では、得ら
れたゲルの自己支持性が悪く、40重量%超では固形分濃
度が高過ぎるため、重合途中で溶液粘度が上昇し、重合
反応が思うように進まない傾向がある。
用いる有機溶媒は、反応に対して不活性であると同時
に、反応させる〔A〕〔B〕〔C〕成分を溶解させるこ
とが必要で、代表的なものとして、N,N−ジメチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチル
ホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ジメチル
スルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジ
メチルメトキシアセトアミド、ヘキサメチルホスホアミ
ド、ピリジン、ジメチルスルホン、テトラメチレンスル
ホン、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェ
ノール類や、ベンゼン、トルエン、キシレン、ベンゾニ
トリル、ジオキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
これらの溶媒は、単独又は2種以上混合して使用され
る。
反応させる〔A〕/〔B〕/〔C〕のモル比は、(10
0)/(80〜100)/(2〜10)であることが好ましく、
特に好ましくは、(100)/(90〜100)/(2〜5)の
範囲である。
一般にテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンか
らポリアミック酸を調製する場合、分子量を上げるため
に両成分をできる限り等モルで反応させることが好まし
く、本発明でも重合度を高めるため、〔A〕/〔B〕成
分のモル比を(100)/(80〜100)、〔A〕/〔B〕/
〔C〕のモル比を、(100)/(80〜100)/(2〜10)
の範囲内に留め、且つテトラカルボン酸二無水物とアミ
ン類の反応基のモル比を±5%以内に合わせるために、
0.95×〔(Bのモル数)+2×(Cのモル数)〕<(A
のモル数)<1.05×〔(Bのモル数)+2×(Cのモル
数)〕にすることが必要である。
〔A〕/〔B〕成分のモル比が(100)/(80〜100)
の範囲を外れると、重合度が上がらず、三次元網目構造
も不完全なものとなる。更に、これに対する〔C〕成分
のモル比が2より小さいと三次元網目構造を生成せず、
所謂ゲル化を起こさない。
〔C〕成分のモル比が10より大きいと、反応が早いた
めか、ゲル状物の小片が溶媒中に浮遊した状態となり、
均一なものが得られない。従って、〔C〕成分のモル比
は2〜10の範囲内がよい。また、〔C〕成分の配合割合
が多くなってくると、脱水・環化反応によって得られる
ポリイミド樹脂の耐熱性が低下してくるので、〔C〕成
分のモル比は、好ましくは5以下である。
〔A〕〔B〕〔C〕成分の反応は、〔A〕成分と
〔B〕〔C〕成分の反応であり、調製方法としては、窒
素ガスのような不活性雰囲気下、〔B〕〔C〕成分を有
機溶媒で溶解させた溶液中に〔A〕成分を加えればよ
い。〔A〕成分は、固形で加えても、溶媒で溶解させた
液状で加えてもかまわない。〔A〕成分を有機溶媒で溶
解させた溶液中に〔B〕〔C〕成分を加えていく方法で
もかまわない。また、〔A〕成分と〔B〕成分を反応さ
せている途中で〔C〕成分を加えてもかまわない。但
し、予め所定量の〔A〕成分と〔C〕成分を反応させた
系に〔B〕成分を加えた場合、調製条件によっては反応
が進まず、ゲル化しない場合もあるので注意する必要が
ある。
〔A〕〔B〕〔C〕成分の他に、少量のトリメリット
酸等の多価カルボン酸若しくはカルボン酸無水物又はそ
の誘導体、トリアミン化合物等の多価アミン類が含まれ
てもかまわない。また、ポリアミック酸の三次元網目構
造中には溶媒以外の他の物質、例えば、各種金属化合
物、低分子有機化合物、高分子化合物、無機充填剤、着
色剤、強化繊維等が含まれてもかまわない。
ポリアミック酸を脱水・環化反応させてポリイミド樹
脂を得る方法に関しては、一般に知られているように、
高温処理又は脱水剤等による化学的な脱水処理によりイ
ミド化が完結する。
ポリアミック酸のゲルは、約70℃以上の温度雰囲気下
でゲルよりゾルに転移する。従って、室温においては自
己支持性のあるゲル状物となり、高温処理により均一な
ポリイミドフィルムを形成させることもでき、特異的な
使用方法も可能で、その応用範囲は広いものと思われ
る。ポリアミック酸の三次元網目構造(自己支持性ゲ
ル)を或る程度保持させたままイミド化を進めることに
より、特異な立体構造を有するポリイミド樹脂が調製さ
れる。
三次元網目構造(ゲル)を或る程度保持させたままイ
ミド化を進める方法としては、ポリアミック酸のゲルを
脱水剤に浸漬するか又は脱水剤を含ませることにより、
化学的に脱水・環化させる方法がある。また、ゲルを脱
溶媒させるか又は貧溶媒で溶媒置換させた後、高温処理
又は化学的な処理をしてもよい。
化学的な脱水反応において、アミン類を触媒として酸
無水物を用いるのが効果的である。酸無水物の例として
は、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などの脂肪
族酸無水物や無水安息香酸無水物がある。これらは、単
独又は2種以上の混合物として用いることができる。
触媒としてのアミン類の例としては、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、トリブ
チルアミン、ジメチルアニリン、ピリジン、α−ピコリ
ン、β−ピコリン、γ−ピコリン、イソキノリン、ルチ
ジン等の第3級アミンの中から選ばれる少なくとも一種
のアミン類である。
化学的脱水反応において添加する酸無水物の量は、ポ
リアミック酸に存在するカルボキシル基1当量に対して
1〜5当量、好ましくは1〜3当量である。触媒の量
は、ポリアミック酸に存在するカルボキシ基1当量に対
して0.01〜1.5当量、好ましくは0.2〜1当量である。
以上のように、〔A〕〔B〕〔C〕成分の反応により
ポリアミック酸の三次元網目構造を有する自己支持性ゲ
ルが得られ、この前駆体の脱水・環化反応より特異な立
体構造を有するポリイミド樹脂が調製される。調製条件
によっては、上述の有機溶媒を50〜80重量%含んだポリ
イミド樹脂の三次元網目構造体を得ることも可能であ
る。
本発明で得られた新規なポリイミド樹脂の三次元網目
構造を有する成形体は、溶媒の出入りにより膨潤、収縮
を繰り返し、また、温度等の外的刺激により状態を変化
させることも可能である。更に、ポリイミド樹脂の優れ
た耐熱性も兼ね備えるため、物質分離能、刺激応答作用
又は触媒的作用等を有する機能性高分子の成形体とし
て、その応用が期待される。
〔実施例及び比較例〕
以下、本発明を実施例により説明する。
実施例1 500mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、0.038モル
(7.608g)の精製した4,4′−ジアミノジフェニルエー
テル(B成分、略称:4,4′−DPE)と0.001モル(0.214
g)の3,3′,4,4′−テトラアミノビフェニル(C成分、
略称:TAB)を採取し、115gの蒸溜されたN,N−ジメチル
アセトアミド(溶媒、略称:DMAc)を加え、撹拌し溶解
させた。窒素雰囲気の下、外部水槽の温度を15℃にコン
トロールし、上記溶液を撹拌しながら0.04モル(8.732
g)の精製した無水のピロメリット酸二無水物(A成
分、略称:PMDA)を固形のまま、溶液の温度が上がらな
いように注意しながら徐々に添加した。
PMDAを全て添加し終わった後、撹拌をやめ静置した。
得られたポリアミック酸はゲル状(寒天状)であった。
このゲル状のポリアミック酸をガラス板上で150℃で1
時間、200℃で1時間、300℃で1時間、370℃で1時間
の条件で連続的に加熱処理することにより、ゾル状のポ
リアミック酸、次いでポリアミック酸のフィルムを経由
した後、均一なポリイミド樹脂フィルムを得た。
このポリイミド樹脂フィルムの赤外線吸収スペクトル
を調べたところ、1780cm-1、1720cm-1のイミド基の特性
吸収帯が観測され、イミド化が確認された。
また、熱重量分析による、このフィルムの5%重量減
少温度は、550℃であった。
実施例2 500mlの四つ口セパラブルフラスコを用い、前記実施
例1と同様なモノマー組成及び反応条件で調製を進め、
ポリマーがゲル化する前に溶液をガラス板上に流延し、
ポリアミック酸のゲル・フィルムを作製した。
得られたポリアミック酸のゲル・フィルムを、DMAc24
0ml、無水酢酸24.2g、ピリジン6.3gが含まれる溶液中に
浸漬し、ゲル・フィルムが反らないように固定しながら
室温で24時間処理した。ポリアミック酸はイミド化が進
み、寒天状のゲル・フィルムが有機溶媒を含んだ硬質の
ゲル・フィルムに変化した。
この硬質のポリイミド樹脂の三次元網目構造を有する
ゲル・フィルムは、有機溶媒の出入りにより膨潤、収縮
を繰り返すことが確認された。
また、このポリイミド樹脂の三次元網目構造を有する
ゲル・フィルムを脱溶媒させた後、前記実施例1と同様
な条件で加熱処理した後のゲル・フィルムに関し、熱重
量分析から求めた5%重量減少温度は、550℃であっ
た。
このポリイミド樹脂の三次元網目構造を有するゲル・
フィルムの赤外線吸収スペクトルを調べたところ、1780
cm-1、1720cm-1にイミド基の特性吸収帯が観測され、イ
ミド化が確認された。
比較例1(モル比が本発明範囲外) 500mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、0.039モル
(7.80g)の精製した4,4′−DPEと0.0005モル(0.107
g)のTABを採取し、115gの蒸溜されたDMAcを加え、撹拌
し溶解させた。
後は、前記実施例1と同様な方法でポリアミック酸の
調製を行ったが、得られたポリマーはゲル化せず、粘稠
な液体であった。30℃での固有粘度は、1.58dl/gであっ
た。
このポリマーを、前記実施例1と同様な条件で加熱処
理した後のフィルムに関し、熱重量分析から求めた5%
重量減少温度は、560℃であった。
実施例3〜8、並びに、比較例2(C成分不使用)及び
比較例3、4(モル比が本発明範囲外) 500mlの四つ口セパラブルフラスコ中に、下記の第1
表に示す種類と量の各種モノマーと溶媒を仕込み、前記
実施例1と同様の方法でポリアミック酸の調製を行っ
た。ポリアミック酸のゲル・フィルムの調製は前記実施
例2と同様の方法で行った。次いで、前記実施例2と同
様の方法で化学的脱水反応を行わせ、ポリイミド樹脂の
三次元網目構造を有するゲル・フィルムを調製した。調
製後の樹脂については、赤外線吸収スペクトルからポリ
イミド樹脂化が確認された。
実施例3〜8においてはポリアミック酸のゲル・フィ
ルムからポリイミド樹脂の三次元網目構造を有するゲル
・フィルムが調製され、それぞれについて測定された5
%重量減少温度を下記の第1表に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−190227(JP,A) 特公 昭50−36479(JP,B2) 特公 昭48−11826(JP,B1) 特公 昭40−12846(JP,B1) 特公 昭46−30499(JP,B1) 特公 昭45−6555(JP,B1) 特公 昭42−16256(JP,B1)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記〔A〕〔B〕〔C〕成分が有機溶媒中
    で重合されてなるポリアミック酸の〔A〕/〔B〕/
    〔C〕のモル比が(100)/(80〜100)/(2〜10)で
    あり、且つ次式0.95×〔(Bのモル数)+2×(Cのモ
    ル数)〕<(Aのモル数)<1.05×〔(Bのモル数)+
    2×(Cのモル数)〕を満足する濃度3重量%〜40重量
    %のポリアミック酸溶液を賦形処理してポリアミック酸
    の三次元網目構造を有する有機溶媒含有自己支持性ゲル
    成形体とし、 該有機溶媒含有自己支持性ゲル成形体を脱水・環化反応
    させることによりポリイミド樹脂の三次元網目構造を有
    する成形体を製造する方法。 〔A〕テトラカルボン酸二無水物 〔B〕芳香族ジアミン 〔C〕下式で表されるテトラアミノ化合物の単独又は2
    種以上の組合せ 〔式中Aは を表わし、 Rは−O−、−CH2−、−CO−、−SO2−を表す。〕
  2. 【請求項2】下記〔A〕〔B〕〔C〕成分が有機溶媒中
    で重合されてなるポリアミック酸の〔A〕/〔B〕/
    〔C〕のモル比が(100)/(80〜100)/(2〜10)で
    あり、且つ次式0.95×〔(Bのモル数)+2×(Cのモ
    ル数)〕<(Aのモル数)<1.05×〔(Bのモル数)+
    2×(Cのモル数)〕を満足する濃度3重量%〜40重量
    %のポリアミック酸溶液をポリアミック酸の三次元網目
    構造を有する有機溶媒含有自己支持性ゲルとし、 該有機溶媒含有自己支持性ゲルを70℃以上の温度雰囲気
    下でポリアミック酸のゾル溶液に転化させ、次いで賦形
    処理してポリアミック酸の三次元網目構造を有する有機
    溶媒含有自己支持性ゲル成形体とし、 該有機溶媒含有自己支持性ゲル成形体を脱水・環化反応
    させることによりポリイミド樹脂三次元網目構造を有す
    る成形体を製造する方法。 〔A〕テトラカルボン酸二無水物 〔B〕芳香族ジアミン 〔C〕下式で表されるテトラアミノ化合物の単独又は2
    種以上の組合せ 〔式中Aは を表わし、 Rは−O−、−CH2−、−CO−、−SO2−を表す。〕
  3. 【請求項3】前記ポリアミック酸溶液は、 〔B〕成分及び〔C〕成分を有機溶媒で溶解させた溶
    液中に〔A〕成分を加えるか、或いは 〔A〕成分を有機溶媒で溶解させた溶液中に〔B〕成
    分及び〔C〕成分を加えるか、或いは 〔A〕成分と〔B〕成分を反応させている途中で
    〔C〕成分を加えるか、 の上記、及びの何れか一つの方法により重縮合反
    応させて得られたものである請求項1又は2記載のポリ
    イミド樹脂の三次元網目構造を有する成形体を製造する
    方法。
  4. 【請求項4】前記ポリアミック酸溶液を賦形処理する方
    法は、0〜80℃の温度条件で行うことを特徴とする請求
    項1記載のポリイミド樹脂三次元網目構造を有する成形
    体を製造する方法。
  5. 【請求項5】請求項1又は2記載の製造方法により得ら
    れたポリイミド樹脂の三次元網目構造を有する成形体。
  6. 【請求項6】請求項1又は2記載の製造方法により得ら
    れたポリイミド樹脂の三次元網目構造を有する成形体中
    に溶媒が全量の50〜80重量%となるように含まれている
    ことを特徴とする溶媒保持成形体。
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