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JP2765196B2 - 二軸配向積層ポリエステルフイルム - Google Patents

二軸配向積層ポリエステルフイルム

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Publication number
JP2765196B2
JP2765196B2 JP2163110A JP16311090A JP2765196B2 JP 2765196 B2 JP2765196 B2 JP 2765196B2 JP 2163110 A JP2163110 A JP 2163110A JP 16311090 A JP16311090 A JP 16311090A JP 2765196 B2 JP2765196 B2 JP 2765196B2
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Japan
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polyester film
laminated
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JP2163110A
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聡 西野
晃一 阿部
秀仁 南沢
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TORE KK
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は二軸配向積層ポリエステルフイルムに関する
ものである。
[従来の技術] 二軸配向ポリエステルフイルムとしては、ポリエステ
ルにコロイド状シリカに起因する実質的に球形のシリカ
粒子を含有せしめたフイルムが知られている(たとえば
特開昭59−171623号公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかし、フイルムの加工工程、たとえば包装用途にお
ける印刷工程、磁気媒体用途における磁性層塗布・カレ
ンダー工程などの工程速度の増大にともない、上述の如
き従来のポリエステルフイルムでは、接触するロールな
どでフィルムの表面が削られることにより、加工工程
上、製品性能上のトラブルとなるという欠点が、最近、
問題となってきている。更に、たとえば磁気記録媒体、
特にビデオテープとしたときに樹脂ガイドピンとの走行
性が著しく悪く、かつ樹脂ガイドピンにも深い傷を付け
てしまうという欠点もまた最近問題となってきている。
本発明はかかる問題点を改善し、耐削れ性に優れかつ
樹脂ガイドピンとの走行性が良好であり樹脂ガイドピン
自体にも傷を付けることがないフイルムを提供すること
を課題とする。
[課題を解決するための手段] 少なくとも3層からなる積層構造を有する二軸配向積
層ポリエステルフイルムにおいて、その少なくとも片面
の最表層積層部に球状有機粒子Aを含有し、その含有量
ΦA1が0.01〜2.0重量%、該粒子Aの平均粒径dAが0.1〜
1.5μm、該最表層積層部の積層厚さt1が下式を満足
し、かつ、基層部にも粒子を含有しており、該基層部の
粒子の含有量が最表層積層部の粒子Aの含有量より少な
いことを特徴とする二軸配向積層ポリエステルフイル
ム。
0.20dA≦t1≦5.0dA ・・・・・ まず、本発明のポリエステルフイルムは少なくとも3
層以上の積層構造である必要がある。3層以上であれ
ば、4層でも5層でもかまわないが3層構造の場合に本
発明の効果がより一層良好となり好ましい。しかし、単
層や2層構造のフイルムでは耐削れ性や樹脂ガイドピン
との走行性、傷を満足させることはできない。
次に、本発明のポリエステルフイルムはそのうちの少
なくとも一層が二軸に配向している必要がある。3層以
上の積層構造の内、全部の層が二軸に配向していると特
に好ましい。全ての層が無配向や一軸配向では本発明の
特性を満足することはできない。
本発明を構成するポリエステルは特に限定されない
が、エチレンテレフタレート、エチレンα,β−ビス
(2−クロルフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボキ
シレート、エチレン2,6−ナフタレート単位から選ばれ
た少なくとも一種の構造単位を主要構成成分とする場合
に特に好ましい。中でもエチレンテレフタレートを主要
構成成分とするポリエステルの場合が特に好ましい。な
お、本発明を阻害しない範囲内で、2種以上のポリエス
テルを混合しても良いし、共重合ポリマを用いても良
い。
本発明のポリエステルフイルムの少なくとも片面の最
表層積層部には、球状有機粒子Aが含有されている必要
がある。かかる有機粒子としては、例えばシリコン粒
子、ポリイミド粒子、架橋(スチレン−ジビニルベンゼ
ン)共重合体粒子、架橋(エチルスチレン−ジビニルベ
ンゼン)共重合体粒子、架橋ポリエステル粒子、テフロ
ン粒子などが挙げられるが特に架橋(エチルスチレン−
ジビニルベンゼン)共重合体粒子が好ましい。架橋(エ
チルスチレン−ジビニルベンゼン)共重合体粒子の中で
もジビニルベンゼンが30%以上共重合されていると特に
好ましい。
粒子の製造方法は特に限定されないが、乳化重合特に
シード法を用いて製造すると特に好ましい。
また該有機粒子Aは架橋されていると好ましく、架橋
度は、25%以上、特に好ましくは35%以上であると走行
性がより一層良好となる。
更に該有機粒子Aの耐熱温度は350℃以上、好ましく
は380℃以上であると走行性により一層良好である。
また該粒子Aはポリエステルと実質的に反応しないほ
うが好ましい。実質的に反応いない粒子とは、粒子がポ
リエステル中に含有されているときにポリエステルと化
学反応を起こすことなく、かつ、粒子とポリエステルの
間に共有結合やイオン結合などの化学的結合を持たない
粒子のことを示す。
該粒子Aに表面処理を行なうことは耐削れ性を良好と
するのに特に有効である。表面処理の方法としては、カ
ルボキシル基やカルボキシメチル基などをもつポリマを
用いると特に有効である。
次に該有機粒子Aは球状である必要がある。ここでい
う球状とは、粒子の長径と短径の比が1.1以下であるこ
とを意味する。有機粒子が球状でない場合には、走行性
が不良となるので好ましくない。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフイルムは、その
少なくとも片面の最表層積層部の該球状有機粒子Aの該
層における含有量ΦA1が0.01〜2.0重量%、好ましくは
0.05〜1.0重量%の範囲である必要がある。最表層積層
部の球状有機粒子Aの含有量ΦA1が0.01重量%未満では
走行性が不良となるので好ましくなく、また、2.0重量
%を超えても耐削れ性が不良となるので好ましい。
また、基層部(最表層積層部以外の積層部を構成する
少なくとも一層)にも粒子を含有していることが好まし
く、このときは該粒子の該基層部における含有量Φ
が、最表層積層部の含有量ΦA1より少ないと樹脂ガイ
ドピンとの走行性をより一層良好とできるので好まし
く、さらにΦとΦA1の関係が下式、特に好ましくは
下式を満足すれば走行性が更に良好となる。
Φ≦0.5×ΦA1 ・・・・・ Φ≦0.2×ΦA1 ・・・・・ 更に、もう一方の最表層積層部の粒子Aの含有量をΦ
A2とした時にΦA1とΦA2の関係が下式を満足している
ことが走行性の点で非常に好ましい。
0.8≦ΦA1A2≦1.2 …… 本発明のポリエステルフイルムに含有される球状有機
粒子Aの平均粒径dAは0.1〜1.5μm、好ましくは0.3〜
1.0μmの範囲であることが必要である。平均径が上記
範囲より小さいと、走行性が不良となり好ましくなく、
大きいと耐削れ性が不良となるので好ましくない。
更に、該最表層積層部の少なくとも片面の積層厚さt1
は下式、好ましくは下式を満足している必要があ
る。
0.20dA≦t1≦5.0dA …… 0.50dA≦t1≦3.0dA …… 積層厚さが上記範囲より小さい場合には耐削れ性が不
良となり、大きい場合には走行性が不良となるので好ま
しくない。
最表層積層部の片面の積層厚さt1と、もう一方の最表
層積層部の積層厚さt2は下式を満足していると走行性
がより一層良好となるので特に好ましい。
0.5≦t1/t2≦2.0 …… 本発明のポリエステルフイルムの最表層積層部に含有
される球状有機粒子Aの粒径の相対標準偏差が0.6以
下、好ましくは0.5以下の場合に走行性が良好となるの
で望ましい。
本発明のポリエステルフイルムの最表層積層部に含有
される球状有機粒子Aの結晶化促進係数は特に限定され
ないが、−15〜15℃、好ましくは−5℃〜10℃の場合
に、耐削れ性がより一層良好となるので特に望ましい。
本発明の二軸配向積層ポリエステルフイルムの最表層
積層部には、球状有機粒子A以外にも粒子が同時に含有
されていても良いが、モース硬度6以上で、平均一次粒
径が5〜300nm、平均凝集度が3〜300である粒子Bを同
時に含有すると耐削れ性がより一層良好となるので特に
好ましい。粒子Bの該層における含有量は0.03〜1.0重
量%、好ましくは0.05〜0.5重量%の範囲であると耐削
れ性がより一層良好となるので好ましい。かかるモース
硬度6以上の粒子Bとしては、結晶形態がδ、βまたは
γ型であるアルミナや窒化チタン、ジルコニア、数珠状
のシリカなどが挙げられる。これらの粒子を用い、メデ
ィア分散法やフィルターの種類、および延伸温度、延伸
倍率を最適化することにより、上記粒子の凝集形態を得
ることが好ましい。
また本発明のフイルム中に本発明の目的を阻害しない
範囲内で、他種ポリマをブレンドしてもよいし、また酸
化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの有機添
加剤が通常添加させる程度添加されていてもよい。
本発明の積層ポリエステルフイルムの最表層積層部の
ポリマIVは0.5〜0.9の範囲であると耐削れ性をより一層
良好とするので特に好ましい。さらに基層部とのポリマ
IVの差が0.1以内であるとより一層耐削れ性が良好とな
るので非常に好ましい。
本発明のフィルムの15nm以上の突起個数が3000〜1500
00個/mm2の範囲内であると走行性がより一層良好となる
ので好ましい。また、フィルム表面の平均突起高さh
が40〜300nmの間であると走行性、耐削れ性を共に良好
とするのに好適である。さらに、フィルム表面の突起高
さ分布の標準偏差をσで表わしたときにσ/hが0.3〜
1.0の範囲であると、走行性と耐削れ性を共に良好とす
るのに有効である。
次に本発明フイルムの製造方法について説明する。
まず、ポリエステルに球状有機粒子Aを含有せしめる
方法としては、例えばジオール成分であるエチレングリ
コールにスラリーの形で分散せしめ、このエチレングリ
コールを所定のジカルボン酸成分と重合せしめる方法が
好ましい。球状有機粒子を添加する際には、例えば、乳
化重合などで得られた水ゾルを一旦乾燥させる事無く添
加すると粒子の分散性が非常によく、耐削れ性、走行性
を共に良好とすることができる。
また乳化重合などで得られた球状有機素子の水スラリ
ーを直接所定のポリエステルペレットと混合し、ベント
方式の2軸混練押出機に供給しポリエステルに練り込む
方法も本発明の効果をより一層良好とするのに非常に有
効である。
粒子の含有量を調節する方法としては、上記方法で高
濃度の粒子マスターを作っておき、それを製膜時に粒子
を実質的に含有しないポリエステルで希釈して粒子の含
有量を調節する方法が有効である。
次にこのポリエステルのペレットを用いて3層以上の
積層構造を持ったポリエステルフイルムとする。
上記の方法にて得られたポリエステルのペレットを所
定の割合で混合し、乾燥したのち、公知の溶融積層用押
出機に供給し、スリット状のダイからシート状に押出
し、キャスティングロール上で冷却固化せしめて未延伸
フイルムを作る。すなわち、2または3台3以上の押出
し機、3層以上のマニホールドまたは合流ブロックを用
いて積層し、口金から3層以上のシートを押し出し、キ
ャスティングロールで冷却して未延伸フイルムを作る。
この場合ポリマ流路にスタティックミキサー、ギヤポン
プを設置する方法は有効である。また、最表層積層部側
のポリマーを押出す押出機の溶融温度を基層部側より5
〜30℃高くすることが、有効である。
次にこの未延伸フイルムを二軸延伸し、二軸配向せし
める。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時二
軸延伸法を用いることができる。ただし、最初に長手方
向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸法を用い、
長手方向の延伸を3段階以上に分けて、総縦延伸倍率を
3.5〜6.5倍で行なう方法は特に好ましい。長手方向延伸
温度はポリエステルの種類によって異なり一概には言え
ないが、通常、その1段目を50〜130℃とし2段目以降
はそれより高くすることが有効である。長手方向延伸速
度は5000〜50000%/分の範囲が好適である。幅方向の
延伸方法としてはステンタを用いる方法が一般的であ
る。延伸倍率は、3.0〜5.0倍の範囲が適当であり、特に
幅方向に多段延伸を行なうことは好ましい。幅方向の延
伸速度は、1000〜20000%/分、温度は80〜160℃の範囲
が好適である。次にこの延伸フイルムを熱処理する。こ
の場合の熱処理温度は170〜220℃、特に180〜200℃、時
間は0.2〜20秒の範囲が好適である。
[作用] 本発明は、特定の積層構造を持ったポリエステルフイ
ルムにおいて、その特定の積層部に含有される粒子の種
類、大きさ、及び含有量を特定の範囲とし、かつ粒子径
と積層厚さの関係を特定範囲としたので、フイルムの表
面形態が特異な状態となり、本発明の効果が得られたも
のと推定される。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次
の通りである。
(1)球状有機粒子Aの平均粒径、相対標準偏差 球状有機粒子Aを含有したフイルムを厚さ方向に1000
Å〜8000Å程度の超薄切片とし、透過型電子顕微鏡(例
えば日本電子製JEM−1200EXなど)を用いて、2000〜20
万倍程度の倍率で粒子を観察する。100視野について各
粒子の円相当径を測定し、その平均粒径、相対標準偏差
を求めた。また粒子の短径、長径も同様な方法にて測定
した。
(2)粒子Bの平均一次粒径、平均凝集度 上記と同様に粒子Bを含有したフイルムを厚さ方向に
1000Å〜8000Å程度の超薄切片とし、透過型電子顕微鏡
(例えば日本電子製JEM−1200EXなど)を用いて粒子B
を観察する。10万倍程度の倍率で粒子Bを観察するとこ
れ以上粒子を分割できない最小の粒子径(一次粒子径)
を観察することができる。この観察を100視野について
行ない、平均した値を平均一次粒径とした。また同様に
して観察された一つの凝集粒子が、いくつかの一次粒子
からできているかを数え、100視野について平均した値
を平均凝集度とした。
(3)粒子の含有量 ポリエステルを溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子をポリエステルから遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
また、粒子が2種以上混合されている場合など必要に応
じて熱分解ガスクロマトグラフィーや赤外分光法や、蛍
光X線分析法、ラマン散乱、SEM−XMAなどを利用して定
量することもできる。
(4)有機粒子の耐熱温度 島津製作所製TG−30Mを用い、昇温速度10℃/分、窒
素気流下(50ml/分)にて微分熱重量分析を行ない、最
大の熱減量ピークを有機粒子の耐熱温度とした。
(5)表面突起の平均高さh、標準偏差σ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリオ
ニクス(株)製]においてフイルム表面の平坦面の高さ
を0として走査した時の突起の高さ測定値を画像処理装
置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に送り、画像
処理装置上にフイルム表面突起画像を再構築する。次
に、この表面突起画像で突起部分を2値化して得られた
個々の突起の面積から円相当径を求めこれをその突起の
平均径とする。また、この2値化された個々の突起部分
の中で最も高い値をその突起の高さとし、これを個々の
突起について求める。この測定を場所をかえて500回繰
返し、突起個数を求め、測定された全突起についてその
高さの平均値を平均高さとした。また個々の突起の高さ
データをもとに、高さ分布の標準偏差を求めた。また走
査型電子顕微鏡の倍率は、1000〜80000倍の間の値を選
択する。
(6)ポリマIV o−クロロフェノールを溶媒として25℃にて測定し
た。
(7)樹脂ガイドピンとの走行性、傷 フイルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機SFT−700型((株)横浜システ
ム研究所製)を使用し、40℃、80%RH雰囲気で走行さ
せ、50パス目の摩擦係数を下記の式より求めた(フイル
ム幅は1/2インチとした)。
μk=0.733log(T2/T1) ここでT1は入側張力、T2は出側張力である。ガイド径
は6mmφであり、ガイド材質はポリオキシメチレン(表
面粗さ20〜40nm程度のもの)、巻き付け角は90゜、走行
速度は3.3cm/秒、繰り返しストロークは15cmである。こ
の測定によって得られたμkが0.35以下の場合は走行
性:良好、0.35を越える場合は走行性:不良と判定し
た。このμkはフイルムを磁気記録媒体、コンデンサ、
包装用などの加工する時のハンドリング性を左右する臨
界点である。
また同様の条件で50パス走行を繰り返したときの樹脂
ガイドピンの表面を微分干渉顕微鏡にて観察し、傷の入
り具合を判定する。表面に全く傷が入らない場合を5
点、深い傷が多数入る場合を1点とし、その間を5段階
に分け評価した。4点以上を傷良好、4点未満を傷不良
とした。
(8)耐削れ性 フイルムを幅1/2インチにテープ状にスリットしたも
のに片刃を垂直に押しあて、さらに0.5mm押し込んだ状
態で200m走行させる(走行張力:100g、走行速度:250m/
分)。この時片刃の先に付着したフイルム表面の削れ物
の高さを顕微鏡で読みとり、削れ量とした(単位はμ
m)。少なくとも片面について、この削れ量が100μm
以下の場合は耐削れ性:良好、100μmを越える場合は
耐削れ性:不良と判定した。この削れ量:100μmという
値は、印刷工程やカレンダー工程などの加工工程で、フ
イルム表面が削れることによって、工程上、製品性能上
のトラブルがおこるか否かを判定するための臨界点であ
る。
[実施例] 次に実施例に基づき、本発明の実施態様を説明する。
実施例1(第1表) 粒子の耐熱温度が462℃、長径と短径の比が1.06、平
均粒径dAが0.60μmの架橋(エチルスチレン−ジビニル
ベンゼン)共重合体粒子A(表面をポリアクリル酸で表
面処理)の10重量%の水スラリーを粒子を含有しないポ
リエチレンテレフタレートのペレットと共にベント式二
軸混練押出機に供給し粒子Aのマスターペレットを得
た。ポリエステルに対する粒子Aの含有量・は、1.0重
量%であった。
次に、モース硬度が7.5、結晶形態がγ型であるアル
ミナをメディア分散法を用いてエチレングリコール中に
均一に分散させ、上記と同様にして粒子Bのマスターペ
レットを得た。
上記粒子Aのマスターペレットを20重量部、粒子Bの
マスターペレットを30重量部、さらに粒子を含有しない
ポリエチレンテレフタレートのペレットを50重量部混ぜ
合わせ、ベント式二軸混練押出機1に供給し、280℃で
溶融した(ポリマI)。更に、もう一台の押出機2を用
意し、粒子Aのマスターペレット2重量部と粒子を含有
しないペレット98重量部を混ぜ合わせた後、180℃で3
時間減圧乾燥(3Torr)し、押出機に供給して290℃で溶
融した(ポリマII)。この2つのポリマを、それぞれ高
精度瀘過した後、矩形積層部を備えた3層合流ブロック
にて、基層部にポリマIIを、両面表層積層部にポリマI
がくるように積層し、フィッシュテール型の口金よりシ
ート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用い
て表面温度30℃とキャスティングドラムに巻きつけて冷
却固化し、厚さ約150μmの未延伸フイルムを作った。
この時のドラフト比は6.7であった。
この未延伸フイルムを長手方向に3段階に分け、123
℃で1.2倍、126℃で1.45倍、114℃で2.3倍それぞれ延伸
した。この一軸フイルムをステンタを用いて幅方向に2
段階に分け、110℃で3.6倍、112℃で1.2倍延伸し、定長
下で200℃にて5秒間熱処理し、厚さ12μmのフイルム
を得た。
最表層積層部の積層厚さt1は、t1=1.6×dAであっ
た。また表層部両面の粒子Aの濃度と積層厚さはそれぞ
れ同じであった。
粒子Bの平均一次粒径は11nm、平均凝集度は14であっ
た。
更に、最表層積層部のポリマIVは0.605、基層部のポ
リマIVは0.610であり、その差は0.005であった。
またこのフイルムの平均突起高さhは190nm、σ/h
は0.5であった。
このフイルムの耐削れ性を測定すると、45μmであり
良好であった。また、樹脂ガイドピンとの走行性は0.2
6、傷も5点といずれも良好であった。
このように、最表層積層部に含有される粒子の種類、
粒子径、含有量、及び積層厚さが本発明の範囲内である
場合には、耐削れ性、走行性ともに良好なフイルムとす
ることができる。
実施例2〜6、比較例1〜9(第1表) 実施例1と同様にして、最表層積層部に含有される粒
子Aの種類、粒子径、含有量、及び積層厚さを種々変え
て二軸配向積層ポリエステルフイルムとした。
最表層積層部に含有される粒子の種類、粒子径、含有
量、及び積層厚さの関係が本発明の範囲内でない場合に
は、耐削れ性、走行性ともに良好なフイルムとすること
ができなかった。
[効果] 本発明フィルムは、特定の積層構造を持ち、含有され
る粒子の種類、大きさ、含有量、積層厚さを特定の範囲
としたのでフィルム表面が特異な形態となり、次のごと
き優れた効果を奏するものである。
フィルムの加工工程で、加工速度が増大しても、フ
ィルム表面が削られにくく、削れ物によるトラブルもな
くなる。
特に樹脂ガイドピンとの走行性が良く、樹脂ガイド
ピンに傷を付けることがない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 5/18

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも3層からなる積層構造を有する
    二軸配向積層ポリエステルフイルムにおいて、その少な
    くとも片面の最表層積層部に球状有機粒子Aを含有し、
    その含有量ΦA1が0.01〜2.0重量%、該粒子Aの平均粒
    径dAが0.1〜1.5μm、該最表層積層部の積層厚さt1が下
    式を満足し、かつ、基層部にも粒子を含有しており、
    該基層部の粒子の含有量が最表層積層部の粒子Aの含有
    量より少ないことを特徴とする二軸配向積層ポリエステ
    ルフイルム。 0.20dA≦t1≦5.0dA ・・・・・
  2. 【請求項2】両面の最表層積層部に球状有機粒子Aを含
    有しており、片面の最表層積層部の粒子Aの含有量ΦA1
    と、もう一方の最表層積層部の粒子Aの含有量ΦA2の関
    係が下式を満足していることを特徴とする請求項
    (1)に記載の二軸配向積層ポリエステルフイルム。 0.8≦ΦA1A2≦1.2 ・・・・・
  3. 【請求項3】片面の最表層積層部の積層厚さt1と、もう
    一方の最表層積層部の積層厚さt2が下式を満足してい
    ることを特徴とする請求項(1)または(2)に記載の
    二軸配向積層ポリエステルフイルム。 0.5≦t1/t2≦2.0 ・・・・・
  4. 【請求項4】少なくとも片面の最表層積層部に球状有機
    粒子Aと同時にモース硬度6以上の粒子Bを含有し、該
    粒子Bの一次粒子径dBが5〜300nm,粒子Bの平均凝集度
    が3〜300、かつ粒径Bの含有量が0.03〜1.0重量%であ
    ることを特徴とする請求項(1)〜(3)のいずれかに
    記載の二軸配向積層ポリエステルフイルム。
  5. 【請求項5】少なくとも3層からなる積層構造を有する
    二軸配向積層ポリエステルフイルムにおいて、その少な
    くとも片面の最表層積層部に球状有機粒子Aを含有し、
    その含有量ΦA1が0.01〜2.0重量%、該粒子Aの平均粒
    径dAが0.1〜1.5μm、該最表層積層部の積層厚さt1が下
    式を満足し、かつ、 少なくとも片面の最表層積層部に球状有機粒子Aと同時
    にモース硬度6以上の粒子Bを含有し、該粒子Bの一次
    粒子径dBが5〜300nm,粒子Bの平均凝集度が3〜300、
    粒径Bの含有量が0.03〜1.0重量%であることを特徴と
    する二軸配向積層ポリエステルフイルム。 0.20dA≦t1≦5.0dA ・・・・・
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