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JP2666381B2 - 脱酸素剤用包装フィルム - Google Patents

脱酸素剤用包装フィルム

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Publication number
JP2666381B2
JP2666381B2 JP63156863A JP15686388A JP2666381B2 JP 2666381 B2 JP2666381 B2 JP 2666381B2 JP 63156863 A JP63156863 A JP 63156863A JP 15686388 A JP15686388 A JP 15686388A JP 2666381 B2 JP2666381 B2 JP 2666381B2
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JP
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oxygen
film
package
oxygen scavenger
absorbing agent
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JP63156863A
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幸二 石川
寿紀 宮本
邦彦 水谷
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の属する技術分野] 本発明は脱酸素剤用包装フィルム、特に乾燥食品等に
使用される脱酸素剤用包装フィルムに関するもので、脱
酸素剤を製造する化学薬剤製造技術さらには食品保存技
術等に属するものである。
[従来の技術] 近年、食品を良好に保存し得る種々の脱酸素剤が開発
されてきている。これらの脱酸素剤は、通常、酸素吸収
性薬剤を通気性包装材料からなる包装体に収納した状態
で使用されている。通気性包装材料からなる包装体に収
納されてなる脱酸素剤は保存対象である食品と共にガス
バリアー性の高い包装材料からなる袋ないしは容器内で
密封状態で使用され、酸素吸収性薬剤の酸素吸収能によ
りガスバリアー性の袋内の酸素を吸収し、被保存物であ
る食品の酸化、腐敗を防止するのである。
通常、脱酸素剤は乾燥下では酸素吸収能力が低下する
という欠点を有し、湿度の極めて低い状態での使用には
適さないものである。そのため、自己反応型の脱酸素剤
も開発されてはいるが、極めて乾燥した食品の保存に使
用される際は、脱酸素剤としての十分な効果が発揮され
ず、容器内が完全には脱酸素されないとか、容器内の酸
素は除くことはできるが肝心の製品をしけらせるという
欠点を有しており使用が困難な場合が多い。
また、油分の多い食品に脱酸素剤を使用するとその使
用中に脱酸素剤の包装体に油染みが発生し、外観が非常
に悪くなるという欠点も有している。
これらの解決する方法として、紙に耐油性の薬剤をコ
ートし、耐油性を持たせた紙を通気性包装材料として使
用する方法が提案されているが、紙に充分な耐油性を付
与することが困難であるという問題点を有している。
さらに多数の細孔を有するプラスチックフィルムを使
用する提案(特公昭56−45644)もあるが、穴の部分か
ら油じみを生じるという問題点を有している。
従って、油分を多く含む食品の保存に際して脱酸素剤
を用いる場合には、脱酸素剤と食品とを直接触れること
がないようにする方法をとる必要がある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明の目的は、脱酸素剤の包装に用いられている通
気性包装材料の性能を改良し、上記従来の脱酸素剤包装
体の欠点を克服し、乾燥下での酸素吸収能力の低下を防
止し、水分活性が極めて低い食品に対しても適用可能で
あり、また、油分の多い食品に対しても適用できる脱酸
素剤を提供できる通気性包装材料を求めるべくしてなさ
れたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者等は、上記の様な優れた通気性包装材料を求
めるべく種々検討した結果、特定の構造の積層フイルム
が、前記問題点を解決し、優れた脱酸素利用の包装材料
となるとを見出して本発明を完成した。
即ち本発明は、紙あるいは不織布を中層とし、外層と
して実質的に非通気性で透湿度70g/m2・24Hr(JIS Z 02
08)以下のプラスチックフィルム、内層として通気性と
熱融着性とを有するプラスチックフィルムを積層してな
ることを特徴とする脱酸素剤用包装フィルムに関するも
のである。
○実質的に非通気性で透湿度70g/m2・24Hr(JIS Z 02
08)以下のプラスチックフィルム(以下(1)層ともい
う) 本発明における透湿度70g/m2・24Hr(JIS Z 0208)以
下のプラスチックフィルムとは、JIS−Z−0208(防湿
包装材料の透湿度試験方法)の規格により測定された透
湿度が、70g/m2・24Hr以下のプラスチック製のフィルム
のことである。なお、本発明にとり好ましいフィルムは
透湿度が30g/m2・24Hr(JIS Z 0208)以下のものであ
る。特に好ましいものとして実質的に水蒸気を透過しな
い性能を有するフィルムを挙げることができる。
透湿度が70g/m2・24Hr以上のプラスチック製のフィル
ムで包装された脱酸素剤は、乾燥食品に使用されると、
脱酸素剤中の水分の移動が激しく本発明の目的とする脱
酸素剤には到底なり得ないものである。
かかるプラスチックフィルムとしてはポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン/ブタジエ
ン共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン等を原材料とするフィルムある
いはそれらのフィルムの2種以上を積層した積層フィル
ム等であって透湿度を前記範囲内にはいるように膜厚が
調節されたものを挙げることができる。他の具体的なフ
ィルムの例としては塩化ビニリデン、ポリエステル等の
単体フィルム、延伸ポリプロピレン、ポリエステル、ビ
ニロン等に塩化ビニリデンをコートしたフィルムをあげ
ることができる。また、プラスチックフィルム表面に、
透湿度を低下させるためにアルミを蒸着したもの、アル
ミ箔をラミネートしたもの等も本発明における当該プラ
スチックフィルムとして挙げることができる。
前記プラスチックフィルムとして、ナイロン、セロハ
ン、ポリスチレン、ポリカーボネート等を原材料とする
単層のフィルムは、透湿度が大きいため使用は困難であ
るが、他のフィルムとの積層体もしくはポリ塩化ビニリ
デンをコートしたものとし、透湿度を前記範囲内に入る
ようにすれば、本発明において使用することができる。
これらのプラスチックフィルムの厚さは、材質および
目的とする透湿度に応じて必然的に定まるが、その厚さ
は、機能性及び経済性等にも考慮にいれると、5μ以上
50μ以下であることが好ましい。すなわち5μ以下では
強度が低すぎ、50μ以上では包材の腰が強くなりすぎ、
いずれも分包機での作業性が低下する様になる。
また、これらのプラスチックフィルムは実質的に非通
気性であることにより、本発明の目的とする効果をより
良く発揮する。
実質的に非通気性のプラスチックフィルムとは、JIS
−P−8117(紙及び板紙の透気度試験方法)の規格によ
り測定されたガーレ透気度が100,000秒/100ml以上であ
って、ガーレ透気度が実際上測定不能であるプラスチッ
ク製のフィルムのことである。
○紙あるいは不織布(以下(2)層ともいう) 本発明における紙あるいは不織布としては、一般的に
包装材料として使用されているものが適用され、例え
ば、紙の例としては、和紙、クラフト紙、純白ロール
紙、耐油紙、等を挙げることができるが、これだけに限
定されるものではない。
また、不織布としては後述する通気性と熱融着性とを
有するプラスチックフィルムよりも高融点のものでる
ば、原料繊維、製造法による制限を受けることなく使用
可能で、原料繊維としては、例えばポリエステル、ポリ
アミド、ポリプロピレン、ポリエチレン、アクリル等が
挙げられ、製造法としては、乾式法、湿式法、スパンボ
ンド法、ニードルパンチ法等が挙げられ、それらを組み
合わせて製造されたものが使用可能である。さらに、各
種の方法でフィルムに微細孔を形成させ微多孔膜と称し
て市販されているものも、本発明では紙あるいは不織布
として使用される。
紙としては透気度(JIS−P−8117)10,000秒/100ml
以下の通気性を有するもので、厚さ10μ以上500μ以
下、坪量10以上500g/m2以下なるものが好ましい。また
不織布としても、透気度(JIS−P−8117)10,000秒/10
0ml以下の通気性を有するもので、厚さ10μ以上500μ以
下、重量10以上500g/m2以下なるものが好ましい。
紙あるいは不織布は、その厚さ、種類を選択すること
により、通気性を調整することができるもので、本発明
の包装フィルムが最終的に脱酸素剤の包装材料として用
いられた際に、脱酸素剤の脱酸素速度を調整することを
可能にするものである。
○通気性と熱融着性とを有するプラスチックフィルム
(以下(3)層ともいう) 発明における通気性と熱融着性を有するプラスチック
フィルムは、脱酸素剤用包装体とされたとき、内層を構
成するもので、一般的にシーラントとして使用されるも
ので、熱シール出来るためには、外層を構成する透湿度
70g/m2・24Hr(JIS−Z−0208)以下のプラスチックフ
ィルムの軟化点よりも低い軟化点を有するものが好まし
く、また貫通孔により通気性を持たせたものが好まし
く、厚さとしては10μ以上500μ以下であるものが好ま
しい。
具体的なものとしては、ポリエチレンフィルム、ポリ
プロピレンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィ
ルム、アイオノマーフィルム等を挙げることができる。
細孔を貫通孔とするフィルムにおける、細孔の形状、
数等の条件として格別なものはないが、直径3mm以下好
ましくは0.5mm程度の細孔で、その数が好ましくは、1cm
2当り2から300個、より好ましくは2から100個あるも
のが本発明にとり好ましく、細孔の大きさと種類は、所
望する脱酸素速度に応じて選定できる。
○積層方法 本発明の脱酸素剤用包装フィルムは上記したフィルム
および紙または不織布よりなる積層フィルムであるが、
本発明のフィルムを得るための積層方法としては、通常
のフィルムの積層方法が適用できる。即ち、(1)−
(2)層間、(2)−(3)層間のそれぞれにウェット
ラミネーション、ドライラミネーション、ホットメルト
ラミネーション、押出ラミネーションの各方法が適用可
能である。また、(2)−(3)層間は(3)層が熱融
着性を有しているので熱のみによる接着(熱ラミネーシ
ョン)も可能である。
積層の順序は特に制限はなく、(1)層と(2)層を
貼り合わせてから(2)層と(3)層を貼り合わせて
も、(2)層と(3)層を貼り合わせてから(1)層と
(2)層を貼り合わせても、同時に3層を貼り合わせて
も良い。また、押出サンドラミネーションの様に(1)
層としての積層フィルムを形成しながら(2)層と貼り
合わせることも可能である。
○使用方法 本発明の脱酸素剤用包装フィルムを用いて脱酸素包装
体とする際は、上記積層フィルムを通気性と熱融着性を
有するプラスチックフィルムを内側にして折り込み酸素
吸収性薬剤を入れ三方をヒートシーラー等によりシール
し、袋状にする方法、または、通気性と熱融着性を有す
るプラスチックフィルムを内側にして対向させその間に
酸素吸収性薬剤を入れ四辺をシールする方法等が適用さ
れる。
本発明の脱酸素剤用包装フィルムは、酸素吸収性薬剤
が水を必須成分とする自己反応型酸素吸収性薬剤である
場合に、最も優れた効果を奏し得るものであり、自己反
応型酸素吸収性薬剤とは、通常広く用いられており、そ
れら公知のものに本発明の脱酸素剤用包装フィルムは有
効に用いられる。
自己反応型酸素吸収性薬剤としては、例えば鉄、NaC
l、水を主成分とする鉄粉系薬剤、アスコルビン酸、ア
ルカリ、水、あるいは多価アルコール、アルカリ、水を
主成分とする有機系薬剤等がある。
また、本発明の脱酸素剤用包装フィルムは、炭酸ガス
発生型酸素吸収性薬剤または炭酸ガス吸収型酸素吸収性
薬剤にも適用し得る。
[作用] 本発明の脱酸素剤用包装フィルムは、水を必須成分と
する自己反応型酸素吸収性薬剤に対して用いられた場合
は、構成成分の水分の蒸発を効率よく抑制するので、脱
酸素剤として機能が十分に維持され、さらに加えて乾燥
食品に対する水分の悪影響も防止することができ、本発
明の脱酸素剤用包装フィルムによって包装された脱酸素
剤は、乾燥食品に対して有効で優れた機能を発揮する。
また、本発明の脱酸素剤用包装フィルムを用いた脱酸
素剤包装体は包装体全面がプラスチックのフィルムで覆
われるているので油分の多い食品にも使用可能で有る。
本発明の脱酸素剤用包装フィルムを用いた脱酸素剤包
装体による脱酸素は、包装体のシールされた部分を通し
て行われる。つまり、包装体全面はプラスチックフィル
ムで覆われているが、シールされた部分は中間層の紙あ
るいは不織布の切断面が外部に露出しておりこの部分を
酸素が通って脱酸素される。したがって、脱酸素剤速度
は紙の厚さ、種類により調節され、また、内層のプラス
チックフィルムの通気性より調節される。
実施例1 ポリエステルフィルム12μ(ガーレ透気度100,000秒/
100ml以上;透湿度56g/m2・24Hr)と坪量50g/m2クラフ
ト紙をドライラミネーションにより貼り合わせ、さら
に、前記積層フィルムと孔の開いたポリエチレンフィル
ム30μをクラフト紙側から熱ラミネーションにより貼り
合わせ本発明の脱酸素剤用包装フィルムとした。
該フィルムのポリエチレンフィルム層を内側にして折
込み、酸素吸収性薬剤として鉄粉5g、塩化ナトリウム0.
5g、ケイソウ土5g、水2gの混合物を入れ、三方をヒート
シールして、縦80mm×横80mm、シール幅5mmの脱酸素剤
包装体を得た。
かくして得られた脱酸素剤包装体を、せんべい(水分
量3.5%)100gとともに脱酸素剤包装体とせんべいが密
着した状態でKOP/PE袋内に密封し、30℃下に放置した。
1週間後、袋内の酸素濃度を測定したところ0.0%であ
った。脱酸素剤のまわりのせんべいの水分量は3.5%で
あった。食品の味も良好であった。
比較例1 孔の開いたポリエステルフィルム12μと坪量50g/m2
ラフト紙をドライラミネーションにより貼り合わせ、さ
らに、前記積層フィルムと孔の開いたポリエチレンフィ
ルム30μをクラフト紙側から熱ラミネーションにより貼
り合わせた積層フィルムを脱酸素剤用包装フィルムとし
た。
該フィルムのポリエチレンフィルム層を内側にして折
込み、酸素吸収性薬剤として鉄粉5g、塩化ナトリウム0.
5g、ケイソウ土5g、水2gの混合物を入れ、三方をヒート
シールして、縦80mm×横80mm×シール幅5mmの脱酸素剤
包装体を得た。
かくして得られた脱酸素剤包装体を、せんべい(水分
量3.5%)100gとともに脱酸素剤包装体とせんべいが密
着した状態でKOP/PE袋内に密封し、30℃下に放置した。
1週間後、袋内の酸素濃度を測定したところ4.2%であ
った。脱酸素剤のまわりのせんべいの水分量は4.4%で
あった。食品の味はしけった感じであった。
参考例1 実施例1と同様にして脱酸素剤用包装フィルムを得、
実施例1と同様の試験をお茶(水分量4.0%)200gに対
して行った。1週間後、袋内の酸素濃度を測定したとこ
ろ0.0%であり、脱酸素剤のまわりのお茶の水分量は4.0
%、お茶の香味、滋味ともに良好であった。
比較例2 坪量50g/m2クラフト紙と穴の開いたポリエチレンフィ
ルム30μを熱ラミネーションにより貼り合わせた積層フ
ィルムを脱酸素剤用包装フィルムとした。
該フィルムを使用して、実施例1と同様の脱酸素剤包
装体を作り、該脱酸素剤包装体を使用して、参考例1と
同様の試験を行った。1週間後、袋内の酸素濃度は5.6
%であり、脱酸素剤のまわりのお茶の水分量は4.5%、
お茶の香味、滋味は普通であった。
参考例2 酸素吸収性薬剤としてカテコール2.0g、活性炭4.0g、
炭酸ナトリウム10g、水1.0gの混合物を使用する以外
は、実施例1と同様に試験を行った。1週間後の酸素濃
度を測定したところ、0.0%であった。
参考例3 酸素吸収性薬剤として、アスコルビン酸ナトリウム2.
0g、消石炭4.0g、水2.0gの混合物を使用する以外は実施
例1と同様に試験を行った。1週間後の酸素濃度を測定
したところ0.0%であった。
実施例2 KPET(塩化ビニルデンコートポリエステル)フィルム
12μ(ガーレ透気度100,000秒/100ml以上;透湿度15g/m
2・24Hr)と坪量50g/m2純白ロール紙をドライラミネー
ションにより貼り合わせ、さらに、前記積層フィルムの
純白ロール紙側から孔の開いたポリエチレンフィルム30
μをドライラミネーションにより貼り合わせ本発明の脱
酸素剤用包装フィルムとした。該フィルムのポリエチレ
ンフィルム層を内側にして折込み、酸素吸収性薬剤とし
て鉄粉5g、塩化ナトリウム0.5g、ケイソウ土5g、水1gの
混合物を入れ、三方をヒートシールして、縦80mm×横80
mm×シール幅5mmの脱酸素剤包装体を得た。かくして得
られた脱酸素剤包装体をバターピーナッツ200gとともに
脱酸素剤包装体とバターピーナッツが密着した状態でKO
P/PE袋内に密封し、30℃下に放置した。1週間後、袋内
の酸素濃度を測定したところ0.0%であった。食品の味
は良好であった。また、包材の表面に油じみはみられな
かった。
比較例3 坪量50g/m2純白ロール紙と孔の開いたポリエチレンフ
ィルム30μをドライラミネーションにより貼り合わせた
積層フィルムを脱酸素剤用包装フィルムとした。
該フィルムのポリエチレンフィルム層を内側にして折
込み、酸素吸収性薬剤として鉄粉5g、塩化ナトリウム0.
5g、ケイソウ土5g、水1gの混合物を入れ、三方をヒート
シールして、縦80mm×横80mm×シール幅5mmの脱酸素剤
包装体を得た。
かくして得られた脱酸素剤包装体をバターピーナッツ
200gとともに脱酸素剤包装体とバターピーナッツが密着
した状態でKOP/PE袋内に密封し、30℃下に放置した。1
週間後、袋内の酸素濃度を測定したところ2.3%であっ
た。食品の味はしけった感じであった。また、包材の表
面に油じみを認めた。
実施例3 KOP(塩化ビニリデンコート延伸ポリプロピレン)フ
ィルム25μ(ガーレ透気度100,000秒/100ml以上;透湿
度8g/m2・24Hr)と坪量50g/m2耐油紙をドライラミネー
ションにより貼り合わせ、さらに、前記積層フィルムの
耐油紙側から孔の開いたアイオノマー樹脂フィルム30μ
をドライラミネーションにより貼り合わせ本発明の脱酸
素剤用包装フィルムとした。
該フィルムのアイオノマー樹脂フィルム層を内側にし
て折込み、酸素吸収性薬剤として鉄粉5g、塩化ナトリウ
ム0.5g、消石炭5g、水0.5gの混合物を入れ、三方をシー
トシールして、縦80mm×横80mm×シール幅5mmの脱酸素
剤包装体を得た。
かくして得られた脱酸素剤包装体を煤煎直後のコーヒ
ー500gとともに脱酸素剤包装体とコーヒーが密着した状
態でKOP/PE袋内に密封し、30℃下に放置した。1ヶ月
後、袋内の酸素濃度を測定したところ0.0%であり、炭
酸ガス濃度は2.7%あった。袋はバキューム状態であっ
た。また、包材表面に油じみはみられなかった。
比較例4 坪量50g/m2クラフト紙と孔の開いたポリエステルフィ
ルム12μをドライラミネーションにより貼り合わせ、さ
らに、前記積層フィルムのクラフト紙側から孔の開いた
ポリエチレンフィルム30μをドライラミネーションによ
り貼り合わせた積層フィルムを脱酸素剤用包装フィルム
とした。
該フィルムのポリエチレンフィルム層を内側にして折
込み、酸素吸収性薬剤と鉄粉5g、塩化ナトリウム0.5g、
消石炭5g、水0.5gの混合物を入れ、三方をヒートシール
して、縦80mm×横80mm×シール幅5mmの脱酸素剤包装体
を得た。
かくして得られた脱酸素剤包装体を煤煎直後のコーヒ
ー500gとともに脱酸素剤包装体とコーヒーが密着した状
態でKOP/PE袋内に密封し、30℃下に放置した。1週間
後、袋内の酸素濃度を測定したところ2.1%であり、炭
酸ガス濃度は26.6%であった。袋が少し膨らんでいた。
また、包材の表面に油じみがみられた。
参考例4 実施例1と同様の脱酸素剤包装体を作り、該脱酸素剤
包装体をお茶200gとともに脱酸素剤包装体とお茶が密着
した状態でKOP/PE袋内に密封し、30℃下に放置した。2
ヶ月後、袋内の酸素濃度を測定したところ0.23%であっ
た。
実施例4 ポリエステルフィルム12μと坪量50g/m2クラフト紙を
押出サンドラミネーションによりポリエチレンを介して
貼り合わせた。このとき形成されたポリエステルとポリ
エチレンの積層フィルムの透湿度は28g/m2・24Hrであっ
た。
この三層積層フィルムと孔の開いたポリエチレンフィ
ルム30μをクラフト紙側からドライラミネーションによ
り貼り合わせ本発明の脱酸素剤用包装フィルムとした。
該フィルムを使用して、実施例1と同様の脱酸素剤包
装体を作り、該脱酸素剤包装体を使用して、参考例4と
同様の試験を行った。2ヶ月後、袋内の酸素濃度は0.05
%であった。
実施例5 塩化ビニリデンコートポリエステルフィルム12μと坪
量50g/m2クラフト紙を押出サンドラミネーションにより
ポリエチレンを介して貼り合わせた。
このとき形成された塩化ビニリデンポリエステルとポ
リエチレンの積層フィルムの透湿度は12g/m2・24Hrであ
った。この三層積層フィルムと孔の開いたポリエチレン
フィルム30μをクラフト紙側からドライラミネーション
により貼り合わせ本発明の脱酸素剤用包装フィルムとし
た。
該フィルムを使用して、実施例1と同様の脱酸素剤包
装体を作り、該脱酸素剤包装体を使用して、参考例4と
同様の試験を行った。2ヶ月後、袋内の酸素濃度は0.0
%であった。
比較例5 延伸ナイロンフィルム15μ(透湿度320g/m2・24Hr)
と坪量50g/m2クラフト紙をドライラミネーションにより
貼り合わせ、さらに、前記積層フィルムのクラフト紙側
から孔の開いたポリエチレンフィルム30μをドライラミ
ネーションにより貼り合わせた積層フィルムを酸素剤用
包装フィルムとした。
該フィルムを使用して、実施例1と同様の脱酸素剤包
装体を作り、該脱酸素剤包装体を使用して、参考例4と
同様の試験を行った。2ヶ月後、袋内の酸素濃度は4.2
%であった。
[効果] 本発明の脱酸素剤用包装フィルムを用いて作られた包
装体は、包装体中の水分の蒸発を効果的に抑制するので
乾燥食品に対しても適用可能な脱酸素剤を供給すること
ができる。
また該包装体は、表面全体をプラスチックのフィルム
で覆っているので、この面を油分の多い食品と接触させ
ても食品からの染みの移行を防止することができるた
め、油分の多い食品に対して適用可能な脱酸素剤を供給
できる。また、水分の多い食品に対しても、食品への染
みの移行を防止することができる。
本発明の脱酸素剤用包装フィルムは、好適な脱酸素剤
包装体となり得るものであるが、そのほか、乾燥剤用、
芳香剤用、発熱体用としても使用できる。
【図面の簡単な説明】
第1及び2図は、本発明の脱酸素剤用包装フィルムで包
装されてなる脱酸素剤の例の断面図である。図中の記号
は以下のものを示す。 1……外層(実質的に非通気性で透湿度70g/m2・24Hr
(JIS Z 0208)以下のプラスチックフィルム) 2……中層(紙または不織布) 3……内層(通気性と熱融着性を有するプラスチックフ
ィルム) 4……酸素吸収性薬剤 5……通気性を付与させるための貫通細孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙あるいは不織布を中層とし、外層として
    実質的に非通気性で透湿度70g/m2・24Hr(JIS Z 0208)
    以下のプラスチックフィルム、内層として通気性と熱融
    着性とを有するプラスチックフィルムを積層してなるこ
    とを特徴とする脱酸素剤用包装フィルム。
JP63156863A 1988-06-27 1988-06-27 脱酸素剤用包装フィルム Expired - Lifetime JP2666381B2 (ja)

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JP63156863A JP2666381B2 (ja) 1988-06-27 1988-06-27 脱酸素剤用包装フィルム

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JP63156863A JP2666381B2 (ja) 1988-06-27 1988-06-27 脱酸素剤用包装フィルム

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JPH026129A JPH026129A (ja) 1990-01-10
JP2666381B2 true JP2666381B2 (ja) 1997-10-22

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ID=15637036

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JP63156863A Expired - Lifetime JP2666381B2 (ja) 1988-06-27 1988-06-27 脱酸素剤用包装フィルム

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Cited By (1)

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