JP2525987Y2 - 建設用親綱支持金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、工事現場において親綱を支持する建設用
親綱支持金具に係るものである。

（従来の技術） 従来のこの種の建設用親綱支持金具は、第５図に示す
ようにパイプの支柱（イ）の上端部側面に上方が開口す
る掛け具（ロ）を取付けて構成する。

そして、建築物の鉄骨や枠組足場に支柱（イ）を適宜
に上方へ突出させてクランプ等により固着し、親綱
（ハ）を支柱（イ）の掛け具（ロ）内に通し張設して親
綱（ハ）の支持を行っている。

（考案が解決しようとする問題点） 上記従来の建設用親綱支持金具においては、 （イ） 長いパイプの支柱を使用するため高価であり、
且つ大型で嵩張り運搬、荷造り等の取扱い上不便である
上に、保管に広い場所を要する。

（ロ） 支柱の天端に切り口が現れているので、怪我を
する等作業上危険である。

等の点に問題がある。

（問題点を解決するための手段） この考案は、上記の問題点を解決するために、主体
（１）の一端部に締片（２）の基部を、他端部にボルト
（３）の基部をピン（４）、（５）によりそれぞれ枢着
し、そのボルト（３）を締片（２）の先端切欠溝（６）
内に抜き差し可能に嵌合し該ボルト（３）の先端突出部
にナット（７）を螺合して支柱（ａ）に締付けるクラン
プ（8）を形成し、そのクランプ（8）の主体（１）の上
端には上記支柱（ａ）の天端部に嵌合するキャップ
（９）を、側面には親綱（10）の掛け具（11）をそれぞ
れ固着してなる建設用親綱支持金具（ｂ）を構成する。

（作用） 建築物の鉄骨や枠組足場に支柱（ａ）を適宜に上方へ
突出させてクランプ等により固着し、その支柱（ａ）の
天端部に支持金具（ｂ）のキャップ（９）を嵌合して載
置した後、クランプ（8）の主体（１）と締片（２）に
より支柱（ａ）を挟みボルト（３）を締片（２）の先端
切欠溝（６）内に嵌合してナット（７）を締付けクラン
プ（8）を支柱（ａ）の上端部に固定して支柱（ａ）に
支持金具（ｂ）を取付ける。

そこで、親綱（10）を掛け具（11）内に通し張設して
親綱（10）の支持を行う。

（実施例） 第１図乃至第４図に示すこの考案の一実施例について
その構成を説明すれば、（ａ）は単管パイプより成る支
柱、（ｂ）は建設用親綱支持金具を示し、（8）は親綱
支持金具（ｂ）のクランプで、内方を凹弧状に形成形
主体（１）の一端部に外方への凸円弧状の締片（２）の
基部を、他端部にボルト（３）の基部をピン（４）、
（５）によりそれぞれ枢着し、そのボルト（３）を締片
（２）の先端切欠溝（６）内に抜き差し可能に嵌合し該
ボルト（３）の先端突出部にナット（７）を螺合して構
成する。（９）はキャップで、支柱（ａ）よりも適宜に
大径の短パイプの上端縁部を支柱（ａ）の天端に引掛る
ように内方へ彎曲（12）して成る。（10）は親網、（1
1）は親網（10）の掛け具で、線材をその両遊離端部が
親網（10）の通路（13）を形成して平行に重なり合う円
環状に彎曲して成る。（14）は三角形の補強金である。
そして、クランプ（8）の主体（１）の上面にキャップ
（９）の下縁一半部を、下面の中間部に補強金（14）の
上面一端部を、その主体（１）と補強金（14）にまたが
せて掛け具（11）をそれぞれ固着して親綱支持金具
（ｂ）を構成する。

（ｃ）は建設物のＩ形鋼より成る鉄骨、（ｄ）は支柱
取付金具で、クランプ（8）の主体（１）の外側面にコ
形金（15）を固着し、そのコ形金（15）の上片のねじ孔
にボルト（16）を螺通して成る。

次にその作用を説明する。第４図に示すように鉄骨
（ｃ）の適当箇所において上下対向させ上片および下片
の一側縁部にそれぞれ取付金具（ｄ）のコ形金（15）を
嵌合しボルト（16）を締付けて鉄骨（ｃ）に取付金具
（ｄ）を適当間隔に固定し、その後、支柱（ａ）を鉄骨
（ｃ）の上方へ適宜に突出させて上下の取付金具（ｄ）
のクランプ（8）により挾持し締付け固定して鉄骨
（ｃ）に支柱（ａ）を設ける。

次いで、各支柱（ａ）の天端部にそれぞれ支持金具
（ｂ）のキャップ（９）を嵌合して載置した後、クラン
プ（8）の主体（１）と締片（２）により支柱（ａ）を
挾みボルト（３）を締片（２）の先端切欠溝（６）内に
嵌合してナット（７）を締付けクランプ（8）を支柱
（ａ）の上端部に固定して支柱（ａ）に支持金具（ｂ）
を取付ける。

次いで、親綱（10）を通路（13）から掛け具（11）内
に挿入してその掛け具（11）内に通し張設して親綱（1
0）の支持を行う。

なお、枠組足揚げおいても、上記と同様に操作し、枠
組足場に支柱（ａ）を固定してその支柱（ａ）の天端部
に支持金具（ｂ）を取付けると親綱（10）を支持するこ
とができる。

（考案の効果） この考案の建設親綱支持金具は、下記のような顕著な
効果を有する。

（１） 建築物の鉄骨や枠組足場に支柱を固定し、その
支柱の天端部に親綱支持金具を取付けて該親綱支持金具
の掛け具により親綱を支持する。従って、 （イ） 支柱と親綱支持金具が別個で、それらの単品が
軽量である。

（ロ） 工事現場にある単管のパイプを支柱に使用して
親綱支持装置を構成することができ、作業上便利で打業
能率を向上する。

（ハ） 親綱支持装置の部材が小さいから、その保管場
所が少なくてよい。

（２） 親綱支持金具のキャップを支柱の天端部に嵌合
してクランプにより支柱に締付け固定する。従って、 （イ） 支柱の天端部がキャップにより覆われ、作業者
が当っても支柱の天端切口による怪我が防止されて危険
性が無い。

（ロ） 親綱支持金具の支柱への取付けが確実堅固であ
る。

（ハ） 万一、クランプの締付けがゆるんでも、親綱支
持金具が下降することは無くて安全上有益である。

（３） 構造が簡単で、容易安価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例に係る建設用親綱支持金具
の正面図、第２図は側面図、第３図は平面図、第４図は
その親綱支持金具を使用して建築物の鉄骨上方に親綱を
張設した状態の斜面図、第５図は従来の建設用親綱支持
金具の正面図である。 （ａ）…支柱、（ｂ）…親綱支持金具、（１）…主体、
（２）…締片、（３）…ボルト、（４）、（５）…ピ
ン、（６）…先端切欠溝、（７）…ナット、（8）…ク
ランプ、（９）…キャップ、（10）…親綱、（11）…掛
け具、

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】主体の一端部に締片の基部を、他端部にボ
   ルトの基部をピンによりそれぞれ枢着し、そのボルトを
   締片の先端切欠溝内に抜き差し可能に嵌合し該ボルトの
   先端突出部にナットを螺合して支柱に締付けるクランプ
   を形成し、そのクランプの主体の上端には上記支柱の天
   端部に嵌合するキャップを、側面には親綱の掛け具をそ
   れぞれ固着してなる建設用親綱支持金具。