JP2520493B2 - 透明導電膜形成用タ―ゲット - Google Patents
透明導電膜形成用タ―ゲットInfo
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Landscapes
- Liquid Crystal (AREA)
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Manufacturing Of Electric Cables (AREA)
Description
本発明は透明導電膜の作成に使用するターゲットに関
する。
する。
近年、情報表示機器としてフラットディスプレイが多
用されるようになり、中でも液晶表示やエレクトロルミ
ネッセンスの利用による表示が主流となってきている。
これらの表示機器は、何れも表示素子を透明導電膜で挾
みこんだサンドイッチ構造とするように構成されてい
る。 この透明導電膜は、その低い抵抗性と高い透明性とか
ら、In2O3−SnO2膜(以下、ITO膜と呼ぶ。)が最適とさ
れている。 ITO膜を得る方法としては、In2O3に、1〜10重量%の
割合となるようにSnO2を混合し、この混合物をボールミ
ルを用いて粉砕、混合し、成型・焼結し、再度ボールミ
ルを用いて粉砕し、混合し、成型・焼結することを繰返
すことにより、あるいはホットプレスを用いることによ
りターゲットを得た後、このターゲットを用いて、300
℃程度に加熱した基板上に真空蒸着あるいはスパッタリ
ングにより成膜する。このようにして得られたITO膜
は、比抵抗が2.0×10-4Ω・cm以下となることが知られ
ている。
用されるようになり、中でも液晶表示やエレクトロルミ
ネッセンスの利用による表示が主流となってきている。
これらの表示機器は、何れも表示素子を透明導電膜で挾
みこんだサンドイッチ構造とするように構成されてい
る。 この透明導電膜は、その低い抵抗性と高い透明性とか
ら、In2O3−SnO2膜(以下、ITO膜と呼ぶ。)が最適とさ
れている。 ITO膜を得る方法としては、In2O3に、1〜10重量%の
割合となるようにSnO2を混合し、この混合物をボールミ
ルを用いて粉砕、混合し、成型・焼結し、再度ボールミ
ルを用いて粉砕し、混合し、成型・焼結することを繰返
すことにより、あるいはホットプレスを用いることによ
りターゲットを得た後、このターゲットを用いて、300
℃程度に加熱した基板上に真空蒸着あるいはスパッタリ
ングにより成膜する。このようにして得られたITO膜
は、比抵抗が2.0×10-4Ω・cm以下となることが知られ
ている。
【発明が解決しようとする課題】 近年、基板として300℃のような高温に加熱できない
フィルムやコーティング樹脂上にITO膜を形成すること
が要求されてきているが、従来のターゲットを用いた場
合、200℃程度の低い基板温度で製造されたITO膜の比抵
抗が高くなり、実用的な膜が得られていない。 本発明の目的は、200℃程度の低い基板温度であって
も、蒸着あるいはスパッタリングにより充分な比抵抗を
持つITO膜を得ることを可能とさせるターゲットの提供
にある。
フィルムやコーティング樹脂上にITO膜を形成すること
が要求されてきているが、従来のターゲットを用いた場
合、200℃程度の低い基板温度で製造されたITO膜の比抵
抗が高くなり、実用的な膜が得られていない。 本発明の目的は、200℃程度の低い基板温度であって
も、蒸着あるいはスパッタリングにより充分な比抵抗を
持つITO膜を得ることを可能とさせるターゲットの提供
にある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、用いるターゲッ
トの組成を選定すれば、基板温度を200℃程度に下げて
も、ITO膜の比抵抗が2.0×10-4Ω・cm以下となることを
見出し、本発明に至った。 すなわち、本願発明のターゲットは、(In2O3)
1-y(SnOx)yで示される組成を有し、xが1.2<x<2.
0の範囲にあり、yが0.08≦y≦0.20の範囲にあること
を特徴とする。
トの組成を選定すれば、基板温度を200℃程度に下げて
も、ITO膜の比抵抗が2.0×10-4Ω・cm以下となることを
見出し、本発明に至った。 すなわち、本願発明のターゲットは、(In2O3)
1-y(SnOx)yで示される組成を有し、xが1.2<x<2.
0の範囲にあり、yが0.08≦y≦0.20の範囲にあること
を特徴とする。
以下、図を用いて本発明を説明する。 (In2O3)1-y(SnOx)yのxとyとを変化させて得た
ターゲットを用いて、RFマグネトロンスパッタ法によ
り、基板温度を200℃とし、ガス圧0.5Pa、導入ガスAr:O
2=99:1、放電スパーク200W、ターゲット基板間距離40m
mとし、約3000μの膜厚になるように成膜した。 第1図は、この結果得られたITO膜の比抵抗とxとy
との関係を求め、これを示したものであり、第2図は、
このITO膜の透過率とxとyとの関係を示したものであ
る。 第1図において、x=2.0のものは従来のものであ
り、yが0.08〜0.20範囲で比抵抗は2.0×10-4Ω・cmよ
り僅かに低下することがわかる。また、第1図より、x
の低下により比抵抗は最初、急激に低下し、xがある範
囲内ではほぼ一定になり、更にxが小さくなると、比抵
抗が急激に上昇することがわかる。これは、xが2.0以
上、あるいは1.0以下では、得られるITO膜中に酸素量の
欠損が生じないため、充分な導電性が発現されないから
である。 また、第2図より、x=1.0となると、透過率が急激
に低下し、実用上問題となることがわかる。これは、x
=1.2以下では、得られるITO膜中の酸素欠損が多くなり
すぎ、膜自体が金属性を帯び、光の透過性が著しく低下
し、透明導電膜としての機能を果さなくなるからであ
る。本発明において、xを1.2<x<2.0の値とするの
は、上記理由からである。 第1図より、各曲線ともに、yが0.1のときに、比抵
抗が最小となる。各曲線がこのような挙動を示すのは、
yが小さすぎると、ITOの導電性の発現の原因の一つで
あるインジウムの錫による置換が効率的に行えず、結果
として低い抵抗値が得られないからであり、逆にyが大
きすぎると、ITO膜の基本であるIn2O3結晶構造を破壊し
てしまい、低い抵抗値を得ることができなくなるからで
ある。なお、成膜時の基板温度を常温から200℃程度と
する場合、比抵抗を安定的に2.0×10-4Ω・cm以下とす
るためには、yは0.08≦y≦0.20とすることが必要であ
る。 本発明の組成のターゲットを用いれば、基板温度が20
0℃以下であっても、充分な比抵抗を持つITO膜を形成す
ることが可能である。 本発明のターゲットを作成するに際しては、例えば、
In2O3粉末とSnO2粉末とを所定の割合で均一に混合し
て、この混合粉末を1t/cm2の圧力でプレス成形し、得ら
れた成形体を酸素濃度が10体積%以下の気流中で、1500
℃で焼結するか、あるいは酸素雰囲気中、1500℃で焼結
した後、減圧下で1200℃以上に加熱保持する。また、例
えばIn2O3粉末とSnO2粉末とSnO粉末とを所定の割合で均
一に混合し、同様に焼結処理をする。
ターゲットを用いて、RFマグネトロンスパッタ法によ
り、基板温度を200℃とし、ガス圧0.5Pa、導入ガスAr:O
2=99:1、放電スパーク200W、ターゲット基板間距離40m
mとし、約3000μの膜厚になるように成膜した。 第1図は、この結果得られたITO膜の比抵抗とxとy
との関係を求め、これを示したものであり、第2図は、
このITO膜の透過率とxとyとの関係を示したものであ
る。 第1図において、x=2.0のものは従来のものであ
り、yが0.08〜0.20範囲で比抵抗は2.0×10-4Ω・cmよ
り僅かに低下することがわかる。また、第1図より、x
の低下により比抵抗は最初、急激に低下し、xがある範
囲内ではほぼ一定になり、更にxが小さくなると、比抵
抗が急激に上昇することがわかる。これは、xが2.0以
上、あるいは1.0以下では、得られるITO膜中に酸素量の
欠損が生じないため、充分な導電性が発現されないから
である。 また、第2図より、x=1.0となると、透過率が急激
に低下し、実用上問題となることがわかる。これは、x
=1.2以下では、得られるITO膜中の酸素欠損が多くなり
すぎ、膜自体が金属性を帯び、光の透過性が著しく低下
し、透明導電膜としての機能を果さなくなるからであ
る。本発明において、xを1.2<x<2.0の値とするの
は、上記理由からである。 第1図より、各曲線ともに、yが0.1のときに、比抵
抗が最小となる。各曲線がこのような挙動を示すのは、
yが小さすぎると、ITOの導電性の発現の原因の一つで
あるインジウムの錫による置換が効率的に行えず、結果
として低い抵抗値が得られないからであり、逆にyが大
きすぎると、ITO膜の基本であるIn2O3結晶構造を破壊し
てしまい、低い抵抗値を得ることができなくなるからで
ある。なお、成膜時の基板温度を常温から200℃程度と
する場合、比抵抗を安定的に2.0×10-4Ω・cm以下とす
るためには、yは0.08≦y≦0.20とすることが必要であ
る。 本発明の組成のターゲットを用いれば、基板温度が20
0℃以下であっても、充分な比抵抗を持つITO膜を形成す
ることが可能である。 本発明のターゲットを作成するに際しては、例えば、
In2O3粉末とSnO2粉末とを所定の割合で均一に混合し
て、この混合粉末を1t/cm2の圧力でプレス成形し、得ら
れた成形体を酸素濃度が10体積%以下の気流中で、1500
℃で焼結するか、あるいは酸素雰囲気中、1500℃で焼結
した後、減圧下で1200℃以上に加熱保持する。また、例
えばIn2O3粉末とSnO2粉末とSnO粉末とを所定の割合で均
一に混合し、同様に焼結処理をする。
(実施例1) 酸化インジウム粉末と酸化錫粉末と亜酸化錫粉末との
所定量を混合して、その混合物の組成が(In2O3)4(S
nO1.5)となるようにし、ボールミルで粉砕しつつ混合
し、次いで、1t/cm2の圧力でプレス成形し、直径76mm、
厚さ5mmの円盤とし、Ar:O2=90:10の混合気流中で5時
間、1500℃で焼結して、(In2O3)0.8(SnO1.5)0.2の
ターゲットを得た。 このターゲットを用いて、RFマグネトロンスパッタ法
により、基板温度を200℃とし、ガス圧0.5Pa、導入ガス
Ar:O2=99:1、放電スパーク200W、ターゲット基板間距
離40mmの条件で、約3000μの膜厚のITO膜を形成した。 このITO膜における比抵抗と透過率とを測定したとこ
ろ、比抵抗が1.8×10-4Ω・cmで、透過率で85%であっ
た。 (実施例2) 酸化インジウム粉末と酸化錫粉末との所定量を混合
し、その混合物の組成が(In2O3)0.85(SnO2)0.15と
なるようにし、ボールミルで粉砕ししつつ混合し、次い
で、1t/cm2の圧力でプレス成形し、直径76mm、厚さ5mm
の円盤を作成し、この円盤をAr:O2=90:10の混合気流中
で5時間、1500℃で焼結させ、(In2O3)0.85(Sn
O1.9)0.15のターゲットを得た。 このターゲットを用いて実施例−1と同様にしてITO
膜を形成し、比抵抗と透過率とを測定したところ、比抵
抗は1.9×10-4Ω・cmであり、透過率は86%であった。 (実施例3) 実施例−2と同様にして、直径76mm、厚さ5mmの円盤
を作成し、この円盤を酸素気流中1500℃で5時間焼結
し、次いで、真空中で1200℃に1時間保持して、(In2O
3)0.85(SnO1.7)0.15のターゲットを得た。 このターゲットを用いて前記実施例と同様にしてITO
膜を形成し、比抵抗と透過率とを測定したところ、比抵
抗は1.9×10-4Ω・cmであり、透過率87%であった。
所定量を混合して、その混合物の組成が(In2O3)4(S
nO1.5)となるようにし、ボールミルで粉砕しつつ混合
し、次いで、1t/cm2の圧力でプレス成形し、直径76mm、
厚さ5mmの円盤とし、Ar:O2=90:10の混合気流中で5時
間、1500℃で焼結して、(In2O3)0.8(SnO1.5)0.2の
ターゲットを得た。 このターゲットを用いて、RFマグネトロンスパッタ法
により、基板温度を200℃とし、ガス圧0.5Pa、導入ガス
Ar:O2=99:1、放電スパーク200W、ターゲット基板間距
離40mmの条件で、約3000μの膜厚のITO膜を形成した。 このITO膜における比抵抗と透過率とを測定したとこ
ろ、比抵抗が1.8×10-4Ω・cmで、透過率で85%であっ
た。 (実施例2) 酸化インジウム粉末と酸化錫粉末との所定量を混合
し、その混合物の組成が(In2O3)0.85(SnO2)0.15と
なるようにし、ボールミルで粉砕ししつつ混合し、次い
で、1t/cm2の圧力でプレス成形し、直径76mm、厚さ5mm
の円盤を作成し、この円盤をAr:O2=90:10の混合気流中
で5時間、1500℃で焼結させ、(In2O3)0.85(Sn
O1.9)0.15のターゲットを得た。 このターゲットを用いて実施例−1と同様にしてITO
膜を形成し、比抵抗と透過率とを測定したところ、比抵
抗は1.9×10-4Ω・cmであり、透過率は86%であった。 (実施例3) 実施例−2と同様にして、直径76mm、厚さ5mmの円盤
を作成し、この円盤を酸素気流中1500℃で5時間焼結
し、次いで、真空中で1200℃に1時間保持して、(In2O
3)0.85(SnO1.7)0.15のターゲットを得た。 このターゲットを用いて前記実施例と同様にしてITO
膜を形成し、比抵抗と透過率とを測定したところ、比抵
抗は1.9×10-4Ω・cmであり、透過率87%であった。
本発明のターゲットを用いれば、基板温度が200℃以
下であっても比抵抗が2.0×10-4Ω・cm以下の良好なITO
膜が得られる。 したがって、従来技術より約100℃以上も低い温度でI
TO膜の作製が可能となり、許容温度の低いフィルムやコ
ーティング樹脂へITO膜作製の適用範囲が拡がるる。
下であっても比抵抗が2.0×10-4Ω・cm以下の良好なITO
膜が得られる。 したがって、従来技術より約100℃以上も低い温度でI
TO膜の作製が可能となり、許容温度の低いフィルムやコ
ーティング樹脂へITO膜作製の適用範囲が拡がるる。
第1図は、本発明の実施例にかかるターゲットを用いて
作成したITO膜の比抵抗とターゲットの組成との関係を
示したグラフ。 第2図は、第1図のITO膜の透過率とターゲットの組成
との関係を示したグラフ。
作成したITO膜の比抵抗とターゲットの組成との関係を
示したグラフ。 第2図は、第1図のITO膜の透過率とターゲットの組成
との関係を示したグラフ。
Claims (1)
- 【請求項1】(In2O3)1-y(SnOx)yで示される組成を
有し、xが1.2<x<2.0の範囲にあり、yが0.08≦y≦
0.20の範囲にあることを特徴とする透明導電膜形成用タ
ーゲット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2096256A JP2520493B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 透明導電膜形成用タ―ゲット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2096256A JP2520493B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 透明導電膜形成用タ―ゲット |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03295114A JPH03295114A (ja) | 1991-12-26 |
JP2520493B2 true JP2520493B2 (ja) | 1996-07-31 |
Family
ID=14160119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2096256A Expired - Lifetime JP2520493B2 (ja) | 1990-04-13 | 1990-04-13 | 透明導電膜形成用タ―ゲット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2520493B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE4413344A1 (de) * | 1994-04-18 | 1995-10-19 | Leybold Materials Gmbh | Verfahren zur Herstellung teilreduzierter Indiumoxid-Zinnoxid Targets |
JP2003517183A (ja) * | 1999-12-17 | 2003-05-20 | インスティチュート オブ マテリアルズ リサーチ アンド エンジニアリング | Oledデバイスの品質向上のために改善された透明電極材料 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54136224A (en) * | 1978-04-14 | 1979-10-23 | Matsushita Electronics Corp | Target electrode for color pick up tube and its manufacture |
JPS55131902A (en) * | 1979-04-02 | 1980-10-14 | Mitsubishi Electric Corp | Method of fabricating transparent conductive film |
-
1990
- 1990-04-13 JP JP2096256A patent/JP2520493B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03295114A (ja) | 1991-12-26 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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