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JP2509260B2 - 車両用駆動力制御装置 - Google Patents

車両用駆動力制御装置

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Publication number
JP2509260B2
JP2509260B2 JP62288959A JP28895987A JP2509260B2 JP 2509260 B2 JP2509260 B2 JP 2509260B2 JP 62288959 A JP62288959 A JP 62288959A JP 28895987 A JP28895987 A JP 28895987A JP 2509260 B2 JP2509260 B2 JP 2509260B2
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JP
Japan
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wheel speed
drive wheel
driving wheel
past
final
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JP62288959A
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JPH01130020A (ja
Inventor
実 田村
晃清 村上
真二 片寄
徹 岩田
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
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Publication of JPH01130020A publication Critical patent/JPH01130020A/ja
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  • Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、駆動輪のスリップを抑制する車両用駆動力
制御装置に関する。
(従来の技術) 従来の車両用駆動力制御装置としては、例えば、特開
昭60−43133号公報に記載されている装置が知られてい
る。
この従来装置は、駆動輪のスリップ率が設定スリップ
率を越えると現在のスロットル開度を閉方向に制御して
スリップを収束させようとするものであった。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、このような車両用駆動力制御装置にあ
っては、駆動輪速検出手段及び非駆動輪速検出手段とし
て用いられる車輪速センサの出力から直接にタイヤー路
面間のスリップ率を演算し、この演算スリップ率に基づ
いて駆動力制御を行なう構成となっていた為、ラフなア
クセル操作(急踏み.急戻し)や、ラフなクラッチミー
トによって生じる車両のガクガク振動(駆動系のネジ
れ)により車輪速(タイヤ回転数)を誤検出してしま
い、意図しないスリップ抑制制御をしてしまうという問
題点があった。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、上述のような問題点を解決することを目的
としてなされたもので、この目的達成のために本発明で
は以下に述べる解決手段とした。
本発明の解決手段を、第1図に示すクレーム対応図に
より説明すると、 現在駆動輪速を検出する現在駆動輪速検出手段aと、 過去駆動輪速を記憶する過去駆動輪速記憶手段bと、 前記現在駆動輪速と過去駆動輪速に、それぞれ重み係
数を掛けて足し合わせることで最終駆動輪速を演算する
最終駆動輪速演算手段cと、 現在非駆動輪速を検出する現在非駆動輪速検出手段d
と、 過去非駆動輪速を記憶する過去非駆動輪速記憶手段e
と、 前記現在非駆動輪速と過去非駆動輪速に、それぞれ重
み係数を掛け足し合わせることで最終非駆動輪速を演算
する最終非駆動輪速演算手段fと、 アクセル操作変化量が車両のガクガク振動が起きるか
どうかを基準として決めた設定アクセル操作変化量以上
の操作時と駆動系を断接するクラッチの断接操作時によ
り車両のガクガク振動を招く可能性のある運転者の操作
を検出するガクガク振動操作検出手段gと、 ガクガク振動を招く可能性のない運転者の操作時には
現在駆動輪速及び現在非駆動輪速を主体とする重み係数
を設定し、ガクガク振動を招く可能性のある運転者の操
作時には過去駆動輪速及び過去非駆動輪速を主体とする
重み係数を設定する重み係数設定手段hと、 前記最終駆動輪速と最終非駆動輪速とによってタイヤ
ー路面間の実スリップ率を演算する実スリップ率演算手
段iと、 前記実スリップ率が所定の設定スリップ率を越えた時
に、スリップを抑制するべく駆動力を低減させる制御を
行なう駆動力制御手段jと、 を備えていることを特徴とする。
尚、前記駆動力制御手段jとは、駆動力を低減させる
ことの出来る手段で、具体的には、スロットル弁開閉制
御装置,燃料カット装置,添加時期制御装置,ブレーキ
装置等のうち1つ又は2つ以上を組合わせた手段をい
う。
(作 用) クラッチを締結させたままでアクセルペダルを動かさ
ない時にように、ガクガク振動を招かない操作時には、
重み係数設定手段hにおいて現在駆動輪速及び現在非駆
動輪速を主体とする重み係数が設定され、この重み係数
に基づいてスリップ率が演算により求められる。そし
て、駆動輪スリップが発生し、スリップ率が設定スリッ
プを越えたら、駆動力制御手段jにおいて駆動力を低減
させる制御がほぼリアルタイムで行なわれ、駆動輪スリ
ップが有効に抑制される。
尚、このような通常走行時において、電気的なノイズ
等により現在駆動輪速及び現在非駆動輪速の検出値が誤
検出値であったとしても、その最終駆動輪速及び最終非
駆動輪速に対する影響度合は、現在と過去の車輪速を足
し合わせる重み平均方式とすることで直接影響が避けら
れ、小さいものとなる。
クラッチの断接時やアクセルの急踏みや急戻し時等の
ように、ガクガク振動を招きやすい操作時には、重み係
数設定手段hにおいて過去駆動輪速及び過去非駆動輪速
を主体とする重み係数が設定され、この重み係数に基づ
いてスリップ率が演算により求められる。そして、駆動
輪スリップが発生し、スリップ率が設定スリップ率を越
えたら、駆動力制御手段jにおいて駆動力を低減させる
制御がほぼ1次遅れで行なわれ、駆動輪スリップが有効
に抑制される。
尚、ガクガク振動により現在駆動輪速及び現在非駆動
輪速の検出値が誤検出値であったとしても、スリップ率
演算の入力情報となる最終駆動輪速及び最終非駆動輪速
は誤検出影響をぼ排除した値となる。
従って、電気的なノイズ発生時やガクガク振動発生時
等で現在駆動輪速及び現在非駆動輪速の検出値が誤検出
となる場合でも、本来のスリップ抑制制御を行なうこと
が出来る。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に詳述する。
尚、この実施例を述べるにあたって、後輪駆動者に適
用した駆動力制御装置を例にとる。
まず、実施例の構成を説明する。
実施例の駆動力制御装置Aが適用される後輪駆動車の
パワートレーンPは、第2図に示すように、エンジン1
0、トランスミッション11、プロペラシャフト12、リヤ
ディファレンシャル13、リヤドライブシャフト14,15、
後輪16,17を備えている。
前輪18,19は非駆動輪である。
実施例の駆動力制御装置Aは、アクセル操作子である
アクセルペダル20と、前記エンジン10の吸気系であるス
ロットルチャンバ21に設けられるスロットル弁22とを機
械的に非連結とし、アクセルコントロールワイヤ等の機
械的な連結手段に代えてアクセルペダル20とスロットル
弁22との間に設けられる制御装置で、入力センサとし
て、後輪回転数センサ30、右前輪回転数センサ31、左前
輪回転数センサ32、アクセルポテンショメータ33、クラ
ッチ断接スイッチ36(クラッチペダル37に付加)を備
え、演算処理手段としてスロットル弁制御回路34を備
え、スロットルアクチュエータとしてステップモータ35
を備えている。
前記後輪回転数センサ30は、駆動輪速の検出手段で、
前記リヤディファレンシャル13の入力軸部に設けられ、
後輪回転速度VRに応じた後輪回転信号(vr)を出力す
る。
尚、後輪回転数センサ30としては光感知センサや磁気
感知センサ等が用いられ、後輪回転信号(vr)としてパ
ルス信号が出力される場合には、スロットル弁制御回路
34内の入力インタフェース回路341において、F/Vコンバ
ータでパルス信号の周波数に応じた電圧に変換され、さ
らにA/Dコンバータで電圧値がデジタル値に変換され、C
PU342やメモリ343に読み込まれる。
前記右前輪回転数センサ31及び左前輪回転数センサ32
は、車体速の検出手段で、前記前輪18.19のそれぞれの
アクスル部に設けられ、右前輪回転速度VFR及び左前輪
回転速度VFLに応じた右前輪回転信号(vfr)及び左前輪
回転信号(vfl)を出力する。
尚、両前輪回転数センサ31,32からの出力信号をスロ
ットル弁制御回路34のCPU342で読み込むための信号変換
は、前記後輪回転数センサ30と同様になされる。
前記アクセルポテンショメータ33は、絶対アクセル操
作量lの検出手段で前記アクセルペダル20の位置に設け
られ、絶対アクセル操作量lに応じた絶対アクセル操作
量信号(l)を出力する。
尚、このアクセルポテンショメータ33からの出力信号
は、電圧値によるアナログ信号であるため、入力インタ
ーフェース回路341のA/Dコンバータにてデジタル値に変
換され、CPU342やメモリ343に読み込まれる。
前記スロットル弁制御回路34は、前記入力センサから
の入力情報や、メモリ343に一時的あるいは予め記憶さ
れている情報を、所定の演算処理手順に従って処理し、
スロットルアクチュエータであるステップモータ35に対
してパルス制御信号(c)を出力するマイクロコンピュ
ータを中心とする電子回路で、内部回路として、入力イ
ンタフェース回路341、CPU(セントラル・プロセシング
・ユニット)342、メモリ(RAM.ROM)343、出力インタ
フェース回路344を備えている。
前記ステップモータ35は、前記スロットル弁22を開閉
作動させるアクチュエータで、回転子と励磁巻線を有す
る複数の固定子とを備え、励磁巻線へのパルスの与え方
で正転方向及び逆転方向に1ステップずつ回転する。
次に、実施例の作用を説明する。
まず、CPU342におけるスロットル弁開閉制御作動の流
れを、第3図に示すメインルーチンのフローチャート図
と第4図に示すサブルーチンのフローチャート図とによ
って述べる。
尚、第3図のメインルーチンでの処理は、図示してい
ないオペレーティングシステムにより所定周期(例えば
20msec)で起動される定時間割り込み処理であり、第4
図のサブルーチンでの処理は、この定時間割り込みによ
り決定されるステップモータ35への信号力周期に応じて
メインルーチン内で適宜起動されるoci(アウトプット
・コンペア・インタラプト)割り込み処理である。
(イ)初期設定 第3図に示すメインルーチンは、キーシリンダへエン
ジンキーを差し込み、イグニッションスイッチをOFFか
らONに切り換えた時点から起動が開始され、第1回目の
処理動作時には、最初かどうかの判断がなされ(ステッ
プ100)、次のイニシャライズステップ100′に進む。
このイニシャライズステップ100′では、前回の走行
時に設定された情報を全てクリアにする。
(ロ)重み係数設定処理 ステップ101ではアクセルポテンショメータ33からの
信号により現在アクセル操作量lNOWが読み込まれ、ステ
ップ102ではアクセル操作変化量Δlが演算により求め
られる。
尚、Δlの演算式は、Δl=|lOLD−lNOW|であり、l
OLDとしては、例えば、100msec前のアクセル操作量を用
いる。
ステップ103では、アクセル操作変化量Δlが車両の
ガクガク振動が起きるかどうかを基準として決めた設定
アクセル操作変化量Δl0以上であるかどうかが判断され
る。そして、Δl≧Δl0の時には、ステップ104へ進
み、重み係数としてA=0.3.B=0.7が設定される。
また、Δl<Δl0の時には、ステップ105へ進み、ク
ラッチ断接スイッチ36からのスイッチ信号CSが読み込ま
れ、ステップ106でクラッチ断かどうかが判断され、ク
ラッチ断であれば、前記ステップ104へ進み、クラッチ
接であればステップ107へ進み、重み係数としてA=0.
7,B=0.3で設定される。ステップ108では、現在アクセ
ル操作量lNOWが次の演算で使うまでlOLDとして記憶され
る。
(ハ)スリップ率演算処理 タイヤー路面間のスリップ率Sの演算処理は、ステッ
プ109〜ステップ117で行なわれる。
ステップ109では、後輪回転数センサ30からの入力信
号に基づいて後輪回転速度VR NOWが読み込まれ、ステッ
プ110では、この後輪回転速度VR NOWと、1制御周期前
の後輪回転速度VR OLDとから重みつき平均値が算出さ
れ、この値を最終駆動輪速VRとする。
演算式は、VR=A*VR NOW+B*VR OLDである。
ステップ111では、右前輪回転数センサ31からの入力
信号に基づいて右前輪回転速度VFR NOWが読み込まれ、
ステップ112では、この右前輪回転速度VFR NOWと、1制
御周期前の右前輪回転速度FR OLDとから重みつき平均値
が算出され、この値を最終右前輪VFRとする。
演算式は、VFR=A*VFR NOW+B*VFR OLDである。
ステップ113では、左前輪回転数センサ31からの入力
信号に基づいて左前輪回転速度VFR NOWが読み込まれ、
ステップ112では、この左前輪回転速度VFL NOWと、1制
御周期前の左前輪回転速度VFL OLDとから重みつき平均
値が算出され、この値を最終左前輪輪速VFLとする。
演算式は、VFL=A*VFL NOW+B*VFL OLDである。
ステップ115では、ステップ109,111,113で読み込まれ
たVR NOW,VFR NOW,VFL NOWを次の制御サイクルで使用す
るためにそれぞれVR OLD,VFR OLD,VFL OLDとして記憶す
る。
ステップ116では、最終右前輪回転速度VFRと最終左前
輪回転速度VFLとから最終非駆動輪速VFが演算される。
尚、最終非駆動輪速VFの演算式は、 であり、平均値により求めている。
ステップ117では、前記最終駆動輪速VRと最終非駆動
輪速VFとからスリップ率Sが演算される。
尚、スリップ率Sの演算式は、 ある。
(ニ)スロットル弁開閉制御処理 ステップ118では、内部メモリ343から実ステップ数ST
EPが読み込まれる。
ステップ119では、スリップ率Sが設定スリップ率S0
(例えば、0.1)を越えているかどうかが判断され、S
>S0でありYESと判断されば、ステップ120へ進み、全閉
方向にスロットル弁22を閉じるスリップ抑制制御である
ことで、目標ステップ数STEPがゼロに設定される。
また、S≦S0であり、ステップ119でNOと判断されれ
ば、通常制御パターンとしてステップ121へ進み、前記
ステップ101で読み込まれたアクセル操作量lNOWに基づ
いて、目標ステップ数STEPが特性線に示す値として演
算により求められる。
このようにして目標ステップ数STEPが決まったら、
実ステップ数STEPを目標ステップSTEPに一致させる方
向にスロットル弁22を作動させる処理が第3図でのステ
ップ122〜124と、第4図のサブルーチンでのステップ30
0〜304で行なわれる。
まず、偏差εが目標ステップ数STEPから実ステップ
数STEPを差し引くことで演算された(ステップ122)、
この演算により得られた偏差εに基づいてステップモー
タ35のモータスピードの算出,正転,逆転,保持の判
断、さらにはoci割り込みルーチンの起動周期が求めら
れ(ステップ123)、このステップ123で設定されたステ
ップモータ35の作動制御内容に従ってoci割り込みルー
チン(第4図)が起動される(ステップ124)。
次に、第4図によりoci割り込みルーチンのフローチ
ャート図について述べる。
まず、ステップモータ35の状態をそのまま保持する保
持指令出力時かどうかの判断がなされ(ステップ30
0)、保持指令が出力されている時にはステップモータ3
5の固定子側励磁状態を保持する(ステップ301)。
また、保持指令出力時以外の場合は、ステップモータ
35を逆転させる逆転指令出力時かどうかの判断がなされ
(ステップ302)、逆転指令が出力されている時には、S
TEPをSTEP−1にセットし(ステップ303)、STEP−1が
得られるパルス信号をステップモータ35に出力する(ス
テップ301)。さらに、ステップモータ35を正転させる
正転指令出力時には、STEPをSTEP+1にセットし(ステ
ップ304)、STEP+1が得られパルス信号をステップモ
ータ35に出力する(ステップ301)。
尚、このoci割り込みルーチンは、前記ステップ117で
設定された起動周期に従ってメインルーチンの起動周期
内で繰り返される。
従って、スリップ率がS≦S0で駆動輪スリップの発生
がない時は、ステップ119からステップ121→ステップ12
2へと進む通常制御パターンの流れとなり、アクセルペ
ダル20の踏み込み位置に応じた開度にスロットル弁22が
開閉制御される。
また、スリップ率がS>S0で駆動輪スリップの発生し
ている時は、ステップ119からステップ120→ステップ12
2へと進むスリップ抑制制御パターンの流れとなり、ス
ロットル弁22の閉作動が行なわれ、駆動力を低減させる
ことで駆動輪スリップが抑制される。
次に、走行時における作用を述べる。
クラッチを締結させたままでアクセルペダルを動かさ
ない時にように、ガクガク振動を招かない操作時には、
現在後輪速VR NOW及び現在前輪速VFR NOW,VFL NOWを主
体とする重み係数A=0.7,B=0.3が設定され(ステップ
107)、この重み係数A=0.7,B=0.3に基づいてスリッ
プ率Sが演算により求められる(ステップ117)。そし
て、駆動輪スリップが発生し、スリップ率Sが設定スリ
ップ率S0を越えたら、スロットツ弁22を閉方向に作動さ
せて駆動力を低減させる制御がほぼリアルタイムで行な
われ、駆動輪スリップが有効に抑制される。
尚、このような通常走行時において、電気的なノイズ
等により現在後輪速VR NOW及び現在前輪速VFR NOW,VFL
NOWの検出値が誤検出値であったとしても、その最終駆
動輪VR及び最終非駆動輪速VFに対する影響度合は、現在
と過去の車輪速を足し合わせる重み平均方式とすること
で直接影響が避けられ、小さいものとなる。
クラッチの断接時やアクセルの急踏みや急戻し時等の
ように、ガクガク振動を招きやすい操作時には、過去後
輪速VR OLD及び過去前輪速VFR OLD,VFL OLDを主体とす
る重み係数A=0.3,B=0.7が設定され(ステップ10
4)、この重み係数A=0.3,B=0.7に基づいてスリップ
率Sが演算により求められる(ステップ117)。そし
て、駆動輪スリップが発生し、スリップ率Sが設定スリ
ップ率S0を越えたら、スロットル弁22を閉方向に作動さ
せて駆動力を低減させる制御がほぼ1次遅れで行なわ
れ、駆動輪スリップが有効に抑制される。
尚、ガクガク振動により現在後輪速VR NOW及び現在前
輪速VFR NOW,FFL NOWの検出値が誤検出値であったとし
ても、スリップ率演算の入力情報となる最終駆動輪速VR
及び最終非駆動輪速VFは誤検出影響をほぼ排除した値と
なる。
即ち、入力となる現在後輪速VR NOW及び現在前輪速V
FR NOW,FFL NOWと、出力となる最終駆動輪速VR及び最終
非駆動輪速VFとは、第5図に示すように、車輪速情報の
1次遅れ制御系のブロック図として書き表すことが出来
(yn=A*xn+B*yn-1)、その重み係数A,Bの設定に
よって遅れ度合をコントロールすることが出来る。
尚、重み係数A,Bの数値は、適宜設定出来るし、ま
た、実施例のように固定値ではなく、ガクガク振動の発
生度合に応じた可変値とすることも出来る。
従って、電気的なノイズ発生時やガクガク振動発生時
等で現在後輪速VR NOW及び現在前輪速VFR NOW,UFL NOW
の検出値が誤検出となる場合でも、本来のスリップ抑制
制御を行なうことが出来る。
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、
具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっ
ても本発明に含まれる。
例えば、実施例では駆動力制御手段として、スロット
ル弁開閉制御装置とフューエルカット装置とを併用した
例を示したが、その一方のみを用いたり、点火時期を調
整したエンジン出力を低下させたり、ブレーキにより車
輪に制動力を付与する等、他の手段により駆動力を低減
させるようにしてもよい。
また、実施例では、スリップ抑制制御をスロットル全
閉を主体として行なう例を示したが、本出願人が先に出
願昭61−157389号等の明細書に記載されているような、
マップ落ち制御によりスリップ抑制を行なう装置にスロ
ットル全閉を付加するようにしても適応出来る。
(発明の効果) 以上説明してきたように、本発明の車両用駆動力制御
装置にあっては、アクセル操作変化量が車両のガクガク
振動が起きるかどうかを基準として決めた設定アクセル
操作変化量以上の操作時に駆動系を断接するクラッチの
断接操作時により車両のガクガク振動を招く可能性のあ
る運転者の操作を検出するガクガク振動操作検出手段
と、ガクガク振動を招く可能性のない運転者の操作時に
は現在駆動輪速及び現在非駆動輪速を主体とする重み係
数を設定し、ガクガク振動を招く可能性のある運転者の
操作時には過去駆動輪速及び過去非駆動輪速を主体とす
る重み係数を設定する重み係数設定手段と、現在駆動輪
速と過去駆動輪速と設定された重み係数を用いて演算さ
れる最終駆動輪速と最終非駆動輪速とによってタイヤー
路面間の実スリップ率を演算する実スリップ率演算手段
と、前記実スリップ率が所定の設定スリップ率を越えた
時に、スリップを抑制するべく駆動力を低減させる制御
を行なう駆動力制御手段と、を備えていることを特徴と
する装置としたため、電気的なノイズ発生時やガクガク
振動発生時で検出される現在駆動輪速及び現在非駆動輪
速にノイズやガクガク振動を原因とする速度成分を含む
ことがある場合、その原因に応じて誤検出成分を未然に
排除し、見かけ上の駆動輪スリップを除いた精度の高い
スリップ情報を常に確保することで、ノイズ発生やガク
ガク振動発生に影響されずに駆動力制御要求に対して的
確に応答する本来のスリップ抑制制御を達成することが
できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の車両用駆動力制御装置を示すクレーム
対応図、第2図は本発明実施例の駆動力制御装置を示す
全体図、第3図は実施例のスロットル弁制御回路での制
御作動のメインルーチンを示すフローチャート図、第4
図は実施例のスロットル弁制御回路での制御作動のサブ
ルーチンを示すフローチャート図、第5図は実施例装置
での車輪速情報の1次遅れ制御系のブロック図である。 a……現在駆動輪速検出手段 b……過去駆動輪速記憶手段 c……最終駆動輪速演算手段 d……現在非駆動輪速検出手段 e……過去非駆動輪速記憶手段 f……最終非駆動輪速演算手段 g……ガクガク振動操作検出手段 h……重み係数設定手段 i……実スリップ率演算手段 j……駆動力制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 徹 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−205849(JP,A) 特開 昭61−85225(JP,A) 実開 昭57−200950(JP,U) 実開 昭60−159648(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】現在駆動輪速を検出する現在駆動輪速検出
    手段と、 過去駆動輪速を記憶する過去駆動輪速記憶手段と、 前記現在駆動輪速と過去駆動輪速に、それぞれ重み係数
    を掛けて足し合わせることで最終駆動輪速を演算する最
    終駆動輪速演算手段と、 現在非駆動輪速を記憶する現在非駆動輪速記憶手段と、 過去非駆動輪速を検出する過去非駆動輪速検出手段と、 前記現在非駆動輪速と過去非駆動輪速に、それぞれ重み
    係数を掛けて足し合わせることで最終非駆動輪速を演算
    する最終非駆動輪速演算手段と、 アクセル操作変化量が車両のガクガク振動が起きるかど
    うかを基準として決めた設定アクセル操作変化量以上の
    操作時と駆動系を断接するクラッチの断接操作時により
    車両のガクガク振動を招く可能性のある運転者の操作を
    検出するガクガク振動操作検出手段と、 ガクガク振動を招く可能性のない運転者の操作時には現
    在駆動輪速及び現在非駆動輪速を主体とする重み係数を
    設定し、ガクガク振動を招く可能性のある運転者の操作
    時には過去駆動輪速及び過去非駆動輪速を主体とする重
    み係数を設定する重み係数設定手段と、 前記最終駆動輪速と最終非駆動輪速とによってタイヤ−
    路面間の実スリップ率を演算する実スリップ率演算手段
    と、 前記実スリップ率が所定の設定スリップ率を越えた時
    に、スリップを抑制するべく駆動力を低減させる制御を
    行なう駆動力制御手段と、 を備えていることを特徴とする車両用駆動力制御装置。
JP62288959A 1987-11-16 1987-11-16 車両用駆動力制御装置 Expired - Lifetime JP2509260B2 (ja)

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