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JP2593088Y2 - 合成樹脂スラスト軸受 - Google Patents

合成樹脂スラスト軸受

Info

Publication number
JP2593088Y2
JP2593088Y2 JP1993057361U JP5736193U JP2593088Y2 JP 2593088 Y2 JP2593088 Y2 JP 2593088Y2 JP 1993057361 U JP1993057361 U JP 1993057361U JP 5736193 U JP5736193 U JP 5736193U JP 2593088 Y2 JP2593088 Y2 JP 2593088Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
annular
synthetic resin
bearing
outer peripheral
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1993057361U
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English (en)
Other versions
JPH0722124U (ja
Inventor
司 岸園
英二 佐藤
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Oiles Corp
Original Assignee
Oiles Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Oiles Corp filed Critical Oiles Corp
Priority to JP1993057361U priority Critical patent/JP2593088Y2/ja
Publication of JPH0722124U publication Critical patent/JPH0722124U/ja
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Publication of JP2593088Y2 publication Critical patent/JP2593088Y2/ja
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は相対回転する二つの物体
間に配されて当該回転を円滑に許容する合成樹脂スラス
ト軸受、具体的には四輪自動車のストラット型サスペン
ション(マクファーソン式)に組込まれて好適な合成樹
脂スラスト軸受に関するものである。
【0002】
【従来技術】一般にストラット型サスペンションは、主
として四輪自動車の前輪に用いられ、主軸と一体となっ
た外筒の中に油圧式ショックアブソーバを内蔵したスト
ラットアッセンブリにコイルバネを組合せたサスペンシ
ョンである。上記サスペンションには、ステアリング操
作によりストラットアッセンブリがコイルバネとともに
回るさい、該アッセンブリのピストンロッドが回るもの
と、該ピストンロッドが回らない型式のものとがある
が、いずれの型式においてもストラットアッセンブリの
回転を円滑に許容するべく車体の取付部材とコイルバネ
の上部バネ座シートとの間に軸受が必要とされる。
【0003】そして、従来よりこの個所の軸受にはボー
ルあるいはニードルを使用した転がり軸受あるいは合成
樹脂製すべり軸受が使用されている。しかるに、従来使
用されている合成樹脂製すべり軸受においては摺動面へ
の塵埃等の侵入を防止する目的で、該すべり軸受の外周
面にゴム弾性体からなるダストシールが装着されてお
り、このダストシールは回転する摺動面間に密に摺接さ
せて配されるため、ステアリング操作時にはその摺動摩
擦力が高く操舵力を増大させるという欠点がある。上記
従来技術における合成樹脂製すべり軸受の欠点を解決す
るべく、本出願人は先に実願昭61−133931号
(実公平4−52488号:以下「先行技術」という)
において、ゴム弾性体からなるダストシールを使用する
ことなく摺動面への塵埃等の侵入を防止し、ステアリン
グ操作時の操舵力の増大を防止できる合成樹脂スラスト
軸受を提案した。この先行技術の合成樹脂スラスト軸受
は合成樹脂製上、下部ケースと該上、下部ケース内に配
される合成樹脂軸受片から成り、該上部ケースは下部ケ
ースの外周面に弾性装着されて組合わされ、該弾性装着
にラビリンス作用による密封部を形成するものである。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上述した先行技術から
成る合成樹脂スラスト軸受は、上記従来の合成樹脂製す
べり軸受の欠点であったステアリング操作時の操舵力の
増大を防止し、円滑な操舵力を長期間にわたって維持す
ることができるものであった。しかしながら、当該スラ
スト軸受が組込まれるストラット型サスペンションを構
成するコイルバネのバネ力等は車種によって異なるた
め、該スラスト軸受が組込まれる車種によっては該スラ
スト軸受の上、下部ケースを形成する合成樹脂と該上、
下部ケース内に配される軸受片を形成する合成樹脂との
組合せにおいて、該上部ケースと軸受片との間あるいは
下部ケースと軸受片との間で摩擦変動を惹起し、当該摩
擦変動に伴い円滑な操舵感(フィーリング)に変化をき
たすという問題が提起された。そこで、本考案者らはこ
の摩擦変動を惹起させる原因について、さらに実験を試
みた結果、軸受片に上、下部ケースを形成する合成樹脂
よりも剛性の低い合成樹脂を使用することにより、摩擦
変動を起こすことなく円滑な操舵感を維持できることを
知見した。しかし、剛性の低い合成樹脂で軸受片を形成
したものは耐クリープ性に劣り、時間の経過とともに軸
受片にクリープを生じ、上、下部軸受ケース間の相対回
転を円滑に許容しがたいという新たな問題が提起され
た。本考案者らは先行技術の利点に鑑み、かつ上記知見
に基づきクリープの発生を極力抑えることのできる構成
を採ることにより上述した問題を解決することを見出
し、本考案をなすに至ったもので、本考案は上記先行技
術の改良に係わり、摩擦変動を惹起させることなく円滑
な操舵感を維持することのできる合成樹脂スラスト軸受
を得ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案によれば上記目的
は、内面に挿通孔を有する円筒部と該円筒部の下端外周
面に径方向外方に延設された幅広の環状鍔部と該環状鍔
部の外周縁に上方に延設され前記円筒部と環状鍔部上
面とで環状凹部を画定する環状突出部と該環状突出部の
外周面に形成された係合部と該環状凹部の底面に形成さ
れた環状凹溝とを備えた合成樹脂製下部軸受ケースと、
前記環状凹溝に一方の端面を該環状凹溝の開口部より
出させて埋設された合成樹脂製軸受体と、円筒ブロック
部と該円筒ブロック部の上端内周面に径方向内方に延設
された内側環状鍔部と該円筒ブロック部の上端外周面に
径方向外方に延設された外側環状鍔部と該外側環状鍔部
の外周縁に下方に延設され前記円筒ブロック部外周
面と外側環状鍔部下面とで環状溝を画定する環状垂下
部と該環状垂下部の内周面に形成された係合フック部と
を備えた合成樹脂製上部軸受ケースと、から成り、該上
部軸受ケースは該円筒ブロック部の下面を該下部軸受ケ
ースの環状凹溝に埋設された該軸受体の突出端面に摺接
させると共に環状垂下部の係合フック部を該下部軸受
ースの環状突出部の係合部に弾性装着させ、該弾性装着
部にラビリンス作用による密封部を形成して組合されて
おり、該軸受体は該上、下部軸受ケースを形成する合成
樹脂よりも剛性の低い合成樹脂で形成されてなる合成樹
脂スラスト軸受によって達成される。
【0006】また、本考案によれば上記目的は、内面に
挿通孔を有する円筒部と該円筒部の下端外周面に径方向
外方に延設された幅広の環状鍔部と該環状鍔部の外周縁
に上方に延設され前記円筒部と環状鍔部上面とで環状
凹部を画定する環状突出部と該環状突出部の外周面に形
成された係合部とを備えた合成樹脂製下部軸受ケース
と、円筒ブロック部と該円筒ブロック部の上端内周面に
径方向内方に延設された内側環状鍔部と該円筒ブロック
部の上端外周面に径方向外方に延設された外側環状鍔部
と該外側環状鍔部の外周縁に下方に延設され前記円筒
ブロック部の外周面と外側環状鍔部の下面とで環状溝を
画定する環状垂下部と該環状垂下部の内周面に形成され
た係合フック部と該円筒ブロックの下面に形成された環
状凹溝を備えた合成樹脂製上部軸受ケースと、前記環状
凹溝に一方の端面を該環状凹溝の開口部より突出させて
埋設され、該上、下部軸受ケースを形成する合成樹脂よ
りも剛性の低い合成樹脂で形成された合成樹脂製軸受体
と、から成り、該上部軸受ケースは該円筒ブロック部下
の環状凹溝に埋設された該軸受体の突出端面を該下部
軸受ケースの環状凹部の底面に摺接させると共に環状垂
下部の係合フック部を該下部軸受ケースの環状突出部の
係合部に弾性装着させ、該弾性装着部にラビリンス作用
による密封部を形成して組合されてなる合成樹脂スラス
ト軸受によっても達成される。
【0007】上述した構成からなる合成樹脂スラスト軸
受において、合成樹脂製軸受体は中央部に円孔を有する
円板からなり、該円板の一方の端面を環状凹溝の開口部
より突出させて該環状凹溝に埋設されている。また、他
の態様において合成樹脂製軸受体は、中央部に円孔を有
する円板状部と該円板状部の一方の端部の内、外周面に
それぞれ延設された環状鍔部とを備え、該環状鍔部を環
状凹溝より突出させ、該円板状部を該環状凹溝に埋設さ
せて配されている。さらに、合成樹脂スラスト軸受にお
いて、上、下部軸受ケースを形成する合成樹脂として
は、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂が推奨され、
また軸受体を形成する合成樹脂としては上記上、下部軸
受ケースを形成する合成樹脂よりも剛性の低い合成樹脂
で形成され、ポリオレフィン樹脂、例えば高分子量また
は超高分子量ポリエチレン樹脂、ふっ素樹脂、例えば四
ふっ化エチレン樹脂または四ふっ化エチレン・六ふっ化
プロピレン共重合体などが推奨される。
【0008】
【作用】合成樹脂製軸受体は該上、下部軸受ケースを形
成する合成樹脂よりも剛性の低い合成樹脂で形成されて
おり、該軸受体はその一方の端面を合成樹脂製下部軸受
ケースの環状凹部に形成された環状凹溝あるいは合成樹
脂製上部軸受ケースの円筒ブロック部下面に形成された
環状凹溝に埋設し、その他方の端面を該環状凹溝の開口
部より突出させて配されているため、該軸受体の開放
面、換言すれば該環状凹溝の開口部より突出した突出部
分の外周面、を極力小さくでき、結果として該軸受体の
耐クリープ性が高められる。したがって、耐クリープ性
が高められた軸受体を介しての上部軸受ケースと下
部軸受ケースとの相対回転は、該軸受体と上部軸受ケ
ースあるいは該軸受体と下部軸受ケースとの摩擦摩耗
特性に優れた合成樹脂同志の組合せにより、両者間に摩
擦変動を惹起することなく円滑に許容され、長期間にわ
たって円滑な操舵感が維持される。
【0009】
【実施例】以下、本考案をその実施例を示す添付図面に
よって説明する。図1乃至第3図は第一の実施例を示
す。合成樹脂スラスト軸受1は、合成樹脂製下部軸受ケ
ース2と合成樹脂製上部軸受ケース3と該下部軸受ケー
ス2に固定された合成樹脂製軸受体4から構成されてい
る。該下部軸受ケース2は、内面に挿通孔21を有する
円筒部22と該円筒部22の下端外周面に径方向外方に
延設された幅広の環状鍔部23と該環状鍔部23の外周
縁に上方に延設され前記円筒部22と環状鍔部の上面と
で環状凹部24を画定する環状突出部25と該環状突出
部25の外周面に形成された係合部26と該環状凹部2
4の底面27に形成された環状凹溝28とを備えてい
る。該環状鍔部23の下面には径方向に相対向して突起
29が形成されており、該突起29は後述する合成樹脂
スラスト軸受1をストラットアッセンブリーに組込み固
定するさいの位置決めの役割を果たす。該環状突出部2
5の外周面に形成された係合部26は、該環状突出部2
5の外周端部から外方に向けて拡がるテーパー面部26
aと該テーパー面部26aと連続し、内方に向けて収束
して該環状鍔部23の外周円筒面に連なるテーパー面部
26bとからなる。
【0010】該上部軸受ケース3は、円筒ブロック部3
1と該円筒ブロック部31の上端内周面に径方向内方に
延設された内側環状鍔部32と該円筒ブロック部31の
上端外周面に径方向外方に延設された外側環状鍔部33
と該外側環状鍔部33の外周縁に下方に延設され前記円
筒ブロック部外周面と外側環状鍔部下面とで環状溝34
を画定する環状垂下部35と該環状垂下部35の内周面
に形成された係合フック部36とを備えている。該内側
環状鍔部32の内面は前記下部軸受ケース2の円筒部2
2の挿通孔21の径と同径に形成されている。該環状垂
下部35の内周面に形成された係合フック部36は、環
状溝34の外周端から外方に向けて拡がるテーパー面部
36aと該テーパー面部36aと連続し内方に向けて収
束するテーパー面部36bと該テーパー面部36bと連
続する円筒面部36cとからなる。
【0011】合成樹脂軸受体4は、前記上、下部軸受
ケース3、2を形成する合成樹脂よりも剛性の低い合成樹
脂で形成された中央部に円孔41を有する円板からなり、
その一方の端面には該円孔41の周縁部から外周面に貫通
する複数個の溝42が円周方向に等間隔に形成されてい
る。該溝42はグリース等の潤滑剤の溜まり部となる。そ
して、該軸受体4は前記下部軸受ケース2の環状凹部24に
形成された環状凹溝28に埋設され、溝42が形成された側
の端面を該凹溝28の開口部より突出させて配されてい
る。
【0012】上記構成から成る合成樹脂上部軸受ケー
ス3は該円筒ブロック部31の下面を該下部軸受ケース2
の環状凹部24に形成された環状凹溝28に一方の端面を
環状凹溝28の開口部より突出させて埋設された該軸受体
4の突出端面に摺接させると共に該環状垂下部35の係合
フック部36を該下部軸受ケース2の環状突出部25の係合
部26に弾性装着させ、該弾性装着部にラビリンス作用に
よる密封部を形成して組合されて合成樹脂スラスト軸受
1が構成される。
【0013】図3は上述した構成から成る合成樹脂スラ
スト軸受1をストラットアッセンブリーAに組み込んだ
状態を示すものである。下部軸受ケース2の円筒部22
の挿通孔21と上部軸受ケース3の内側環状鍔部32の
内面とをストラット5の上部バネ座シート7の平面部7
1中央に形成された挿通孔72を挿通して配されたピス
トンロッド6の外周面に挿通し、該下部軸受ケース2の
環状鍔部23の下面に相対向して形成された突起29を
該上部バネ座シート7の平面部71に形成された孔73
に嵌合させるとともに該環状鍔部23の下面を該平面部
71に当接させ、該上部軸受ケース3の上面を車体側取
付部材8に当接させて合成樹脂スラスト軸受1を上部バ
ネ座シート7と車体側取付部材8との間に配置するもの
である。このように合成樹脂スラスト軸受1を組込んだ
ストラットアッセンブリーAにおいて、ステアリング操
作により車体側取付部材8と上部バネ座シート7との間
に相対回転が生じた場合、合成樹脂スラスト軸受1の下
部軸受ケース2に固定された軸受体4と上部軸受ケース
3の円筒ブロック部31下面との摺接により、当該回転
は許容される。
【0014】合成樹脂製軸受体4は該上、下部軸受ケー
スを形成する合成樹脂よりも剛性の低い合成樹脂で形成
され、かつ該下部軸受ケース2の環状凹部24に形成され
た環状凹溝28にその一方の端面を該環状凹溝の開口部よ
突出させて埋設されているため、該軸受体4の耐クリ
ープ性は高められている。そのため、該軸受体4と上部
軸受ケース3の円筒ブロック部31下面との間に摩擦変動
をきたすことなく上部軸受ケース3と下部軸受ケース2と
の相対回転は小さな摩擦抵抗(低摩擦係数)で許容さ
れ、円滑な操舵感が長期間にわたって維持される。
【0015】図4は上述した構成から成る合成樹脂スラ
スト軸受1の他の実施例を示すもので、この実施例は前
記スラスト軸受1における下部軸受ケース2の環状鍔部
23下面に形成された相手取付部への位置決め用の突起
29に代えて、該下部軸受ケース2の環状鍔部23の下
面に、該円筒部22の挿通孔21と連通して円筒突出部
29aを形成したものである。この実施例から成る合成
樹脂スラスト軸受1は、該円筒突出部37を前記上部バ
ネ座シート7の平面部71中央に形成された孔72に圧
入固定される。
【0016】図5はさらに他の実施例を示すもので、こ
の実施例は下部軸受ケース2の環状凹部24に形成された
環状凹溝28に一方の端面を該環状凹溝28の開口部より
突出させて埋設された合成樹脂製軸受体4の他の実施例
を示すものである。すなわち、該軸受体4は中央部に円
孔41を有する円板状部43と該円板状部43の一方の端部の
内、外周面にそれぞれ延設された環状鍔部44、45と該環
状鍔部44、45の上面を含む円板状部43の上面に内側環
状鍔部44の周縁から外側環状鍔部45の周縁を貫通して円
周方向に等間隔に形成され複数個の溝(図示せず)を
備えているもので、該軸受体4は該環状鍔部44、45を下
部軸受ケース2の環状凹部24に形成された環状凹溝28よ
り突出させ、該円板状部43を該環状凹溝28に埋設させて
配されている。この図5に示す実施例においても、下部
軸受ケースの環状鍔部23下面に形成された相手取付部
への位置決め用の突起29に代えて、前記図4に示すよう
に、環状鍔部23の下面に円筒部22の挿通孔21と連通する
円筒突出部を形成することもできる。
【0017】図6はさらに他の実施例を示すもので、こ
の実施例は前述した構成から成る合成樹脂スラスト軸受
1における合成樹脂製軸受体4を上部軸受ケース3の円
筒ブロック部下面に埋設固定したものである。すなわ
ち、合成樹脂製下部軸受ケース2は、内面に挿通孔21
を有する円筒部22と該円筒部22の下端外周面に径方
向外方に延設された幅広の環状鍔部23と該環状鍔部2
3の外周縁に上方に延設され前記円筒部22と環状鍔部
の上面とで環状凹部24を画定する環状突出部25と該
環状突出部25の外周面に形成された係合部26とを備
えている。該環状鍔部23の下面には径方向に相対向し
て突起29が形成されており、該突起29は前記実施例
と同様、合成樹脂スラスト軸受1をストラットアッセン
ブリーに組込み固定するさいの位置決めの役割を果た
す。該環状突出部25の外周面に形成された係合部26
は、該環状突出部25の外周端部から外方に向けて拡が
るテーパー面部26aと該テーパー面部26aと連続
し、内方に向けて収束して該環状鍔部23の外周円筒面
に連なるテーパー面部26bとからなる。
【0018】合成樹脂製上部軸受ケース3は、円筒ブロ
ック部31と該円筒ブロック部31の上端内周面に径方
向内方に延設された内側環状鍔部32と該円筒ブロック
部31の上端外周面に径方向外方に延設された外側環状
鍔部33と該外側環状鍔部33の外周縁に下方に延設さ
れ前記円筒ブロック部外周面と外側環状鍔部下面とで環
状溝34を画定する環状垂下部35と該環状垂下部35
の内周面に形成された係合フック部36と該円筒ブロッ
ク部31の下面に形成された環状凹溝38とを備えてい
る。該内側環状鍔部32の内面は前記下部軸受ケース2
の円筒部22の挿通孔21の径と同径に形成されてい
る。該環状垂下部35の内周面に形成された係合フック
部36は、環状溝34の外周端から外方に向けて拡がる
テーパー面部36aと該テーパー面部36aと連続し内
方に向けて収束するテーパー面部36bと該テーパー面
部36bと連続する円筒面部36cとからなる。
【0019】合成樹脂製軸受体4は、前記上、下部軸受
ケースを形成する合成樹脂よりも剛性の低い合成樹脂で
形成された中央部に円孔41を有する円板からなり、その
一方の端面には該円孔41の周縁部から外周面に貫通する
複数個の溝(図示せず)が円周方向に等間隔に形成され
ている。該溝はグリース等の潤滑剤の溜まり部となる。
そして、該軸受体4は前記上部軸受ケース3の円筒ブロッ
ク部31の下面に形成された環状凹溝38に埋設され、溝が
形成された側の端面を該環状凹溝38の開口部より突出さ
せて配されている。上記構成から成る合成樹脂製上部軸
受ケース3は該円筒ブロック部31の下面に形成された環
状凹溝38にその一方の端面を該環状凹溝38の開口部より
突出させて埋設された軸受体4の突出端面を、合成樹
脂製下部ケース2の環状凹部24の底面27に摺接させると
共に環状垂下部35の係合フック部36を該下部軸受ケース
2の環状突出部25の係合部26に弾性装着させ、該弾性装
着部にラビリンス作用による密封部を形成して組合され
て合成樹脂スラスト軸受1が構成される。この図6に示す
実施例においても、該下部軸受ケースの環状鍔部23
面に形成された相手取付部への位置決め用の突起29に代
えて、前記図4に示すように、環状鍔部23の下面に円筒
部22の挿通孔21と連通する円筒突出部を形成することも
できる。
【0020】図7は上記図6に示した構成から成る合成樹
脂スラスト軸受1において、上部軸受ケース3の円筒ブ
ロック部31の下面に形成された環状凹溝38に一方の端面
該環状凹溝38の開口部より突出させて埋設された合成
樹脂製軸受体4の他の実施例を示すものである。すなわ
ち、該軸受体4は中央部に円孔41を有する円板状部43と
該円板状部43の一方の端部の内、外周面にそれぞれ延設
された環状鍔部44、45と該環状鍔部44、45の上面を含む
円板状部43の上面に内側環状鍔部44の周縁から外側
鍔部45の周縁を貫通して円周方向に等間隔に形成され
複数個の溝(図示せず)を備えているもので、該軸受
体4は該環状鍔部44、45を上部軸受ケース3の円筒ブロッ
ク31下面に形成された環状凹溝38より突出させ、該円板
状部43を該環状凹溝38に埋設させて配されている。
【0021】この図7に示す実施例においても、前記図4
に示すように下部軸受ケース2の環状鍔部23下面に形
成された相手取付部への位置決め用の突起29に代えて、
該下部軸受ケース2の環状鍔部23の下面に、該円筒部22
の挿通孔21と連通する円筒突出部を形成することもでき
る。
【0022】
【考案の効果】以上のように本考案の合成樹脂スラスト
軸受によれば、合成樹脂製上、下部軸受ケース間に配さ
れる合成樹脂製軸受体は合成樹脂製下部ケースの環状
凹部に形成された環状凹溝あるいは合成樹脂製上部軸受
ケースの円筒ブロック部下面に形成された環状凹溝に埋
設されその一方の端面を該環状凹溝の開口部より突出さ
せて配されているため、該軸受体の開放面、換言すれば
該環状凹溝の開口部より突出した突出部分の外周面、を
極力小さくでき、結果として該軸受体の耐クリープ性が
高められるので、該軸受体を形成する合成樹脂として該
上、下部軸受ケースを形成する合成樹脂よりも剛性の低
い合成樹脂の使用を可能とする。その結果、該軸受体を
介する上、下部軸受ケースの相対回転は摩擦変動をきた
すことなく円滑に許容され、長期間にわたって円滑な操
舵感が維持される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案による合成樹脂スラスト軸受の好ましい
実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1における合成樹脂製下部軸受ケースと合成
樹脂製軸受体とを示す平面図である。
【図3】図1に示す合成樹脂スラスト軸受をストラット
アッセンブリに組み込んだ状態を示す縦断面図である。
【図4】図1に示す合成樹脂スラスト軸受の他の実施例
を示す縦断面図である。
【図5】図1に示す合成樹脂スラスト軸受の他の実施例
を示す縦断面図である。
【図6】本考案による合成樹脂スラスト軸受の他の実施
例を示す縦断面図である。
【図7】図6に示す合成樹脂スラスト軸受の他の実施例
を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 合成樹脂スラスト軸受 2 合成樹脂製下部軸受ケース 22 円筒部 23 環状鍔部 24 環状凹部 25 環状突出部 26 係合部 28 環状凹溝 3 合成樹脂製上部軸受ケース 31 円筒ブロック部 35 環状垂下部 36 係合フック部 38 環状凹溝 4 合成樹脂製軸受体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16C 17/04 F16C 33/20 B60G 15/06

Claims (6)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に挿通孔(21)を有する円筒部(2
    2)と該円筒部の下端外周面に径方向外方に延設された
    幅広の環状鍔部(23)と該環状鍔部の外周縁に上方に延
    設され前記円筒部と環状鍔部上面とで環状凹部(24)
    を画定する環状突出部(25)と該環状突出部の外周面に
    形成された係合部(26)と該環状凹部の底面(27)に形
    成された環状凹溝(28)とを備えた合成樹脂製下部軸受
    ケース(2)と、 前記環状凹溝(28)に一方の端面を該環状凹溝(28)の
    開口部より突出させて埋設された合成樹脂製軸受体
    (4)と、 円筒ブロック部(31)と該円筒ブロック部の上端内周面
    に径方向内方に延設された内側環状鍔部(32)と該円筒
    ブロック部の上端外周面に径方向外方に延設された外側
    環状鍔部(33)と該外側環状鍔部の外周縁に下方に延設
    され前記円筒ブロック部外周面と外側環状鍔部
    面とで環状溝(34)を画定する環状垂下部(35)と該環
    状垂下部の内周面に形成された係合フック部(36)とを
    備えた合成樹脂製上部軸受ケース(3)と、 から成り、該上部軸受ケース(3)は該円筒ブロック部
    (31)の下面を該下部軸受ケース(2)の環状凹溝(2
    8)に埋設された該軸受体(4)の突出端面に摺接させる
    と共に環状垂下部(35)の係合フック部(36)を該下部
    軸受ケース(2)の環状突出部(25)の係合部(26)に
    弾性装着させ、該弾性装着部にラビリンス作用による密
    封部を形成して組合されており、該軸受体(4)は該
    上、下部軸受ケース(3)、(2)を形成する合成樹脂よ
    りも剛性の低い合成樹脂で形成されていることを特徴と
    する合成樹脂スラスト軸受。
  2. 【請求項2】 合成樹脂製軸受体(4)は、中央部に円
    孔(41)を有する円板からなり、該円板の一方の端面
    環状凹溝(28)の開口部より突出させて該環状凹溝に埋
    設されている請求項1に記載の合成樹脂スラスト軸受。
  3. 【請求項3】 合成樹脂製軸受体(4)は、中央部に円
    孔(41)を有する円板状部(43)と該円板状部の一方の
    端部の内、外周面にそれぞれ延設された環状鍔部(4
    4)(45)とを備え、該環状鍔部を環状凹溝(28)よ
    り突出させ、該円板状部(43)を該環状凹溝に埋設させ
    て配されている請求項1に記載の合成樹脂スラスト軸
    受。
  4. 【請求項4】 内面に挿通孔(21)を有する円筒部(2
    2)と該円筒部の下端外周面に径方向外方に延設された
    幅広の環状鍔部(23)と該環状鍔部の外周縁に上方に延
    設され前記円筒部と環状鍔部上面とで環状凹部(24)
    を画定する環状突出部(25)と該環状突出部の外周面に
    形成された係合部(26)とを備えた合成樹脂製下部軸受
    ケース(2)と、 円筒ブロック部(31)と該円筒ブロック部の上端内周面
    に径方向内方に延設された内側環状鍔部(32)と該円筒
    ブロック部の上端外周面に径方向外方に延設された外側
    環状鍔部(33)と該外側環状鍔部の外周縁に下方に延設
    され前記円筒ブロック部の外周面と外側環状鍔部の下
    面とで環状溝(34)を画定する環状垂下部(35)と該環
    状垂下部の内周面に形成された係合フック部(36)と該
    円筒ブロック部(31)の下面に形成された環状凹溝(3
    8)を備えた合成樹脂製上部軸受ケース(3)と、 前記環状凹溝(38)に一方の端面を該環状凹溝(38)の
    開口部より突出させて埋設され、該上、下部軸受ケース
    (3)、(2)を形成する合成樹脂よりも剛性の低い合成
    樹脂で形成された合成樹脂製軸受体(4)と、 から成り、該上部軸受ケース(3)は該円筒ブロック部
    (31)下面の環状凹溝(38)に埋設された該軸受体
    (4)の突出端面を該下部軸受ケース(2)の環状凹部の
    底面(27)に摺接させると共に環状垂下部(35)の係合
    フック部(36)を該下部軸受ケース(2)の環状突出部
    (25)の係合部(26)に弾性装着させ、該弾性装着部に
    ラビリンス作用による密封部を形成して組合されている
    ことを特徴とする合成樹脂スラスト軸受。
  5. 【請求項5】 合成樹脂製軸受体(4)は、中央部に円
    孔(41)を有する円板からなり、該円板の一方の端面
    環状凹溝(38)の開口部より突出させて該環状凹溝に埋
    設されている請求項4に記載の合成樹脂スラスト軸受。
  6. 【請求項6】 合成樹脂製軸受体(4)は、中央部に円
    孔(41)を有する円板状部(43)と該円板状部の一方の
    端部の内、外周面にそれぞれ延設された環状鍔部(4
    4)(45)とを備え、該環状鍔部を環状凹溝(38)よ
    り突出させ、該円板状部(43)を該環状凹溝に埋設させ
    て配されている請求項4に記載の合成樹脂スラスト軸
    受。
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