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JP3709939B2 - 合成樹脂軸受 - Google Patents

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JP3709939B2
JP3709939B2 JP24522595A JP24522595A JP3709939B2 JP 3709939 B2 JP3709939 B2 JP 3709939B2 JP 24522595 A JP24522595 A JP 24522595A JP 24522595 A JP24522595 A JP 24522595A JP 3709939 B2 JP3709939 B2 JP 3709939B2
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は合成樹脂軸受、特に四輪自動車におけるストラット型サスペンション(マクファーソン式)に組込まれて好適な合成樹脂軸受に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にストラット型サスペンションは主として四輪自動車の前輪に用いられ、主軸と一体になった外筒の中に油圧式ショックアブソーバを内蔵したストラットアッセンブリにコイルバネを組合せた構造をもっている。かかるサスペンションには、▲1▼ストラットの軸線に対してコイルバネの軸線を積極的にオフセットさせ、該ストラットに内蔵されたショックアブソーバのピストンロッドの摺動を円滑に行わせる構造と、▲2▼ストラットの軸線に対してコイルバネの軸線を同一軸線上に配置させる構造のものとがある。いずれの構造においても、ステアリング操作によりストラットアッセンブリがコイルバネとともに回転するさい、当該回転を円滑に許容するべく車体の取付部材とコイルバネの上部バネ座シートとの間に軸受が配置されている。
【0003】
そして、この軸受には車体荷重(スラスト荷重)を支持すると同時に前記サスペンション構造に起因するラジアル荷重、すなわち前者の構造においてはコイルバネの軸線がストラットの軸線に対してオフセットされているため、静止状態においてもコイルバネのストラット軸線方向への復元力によって生じるラジアル荷重を、また後者の構造においてはストラットの軸線とコイルバネの軸線とを同一軸線上に配置するという製作上の困難性に起因するミスアライメントによって生じるラジアル荷重を円滑に許容する性能が要求される。しかして、上述した性能を満足するべく従来より、当該軸受にはボールを使用したころがり軸受あるいは合成樹脂製すべり軸受が使用されている。
【0004】
しかしながら、ころがり軸受は微小揺動、振動荷重等によりボールに疲労破壊を生じる恐れがあり、円滑なステアリング操作を長期間にわたって維持しがたいという問題がある。また合成樹脂製すべり軸受は上記ころがり軸受に比べて摩擦係数が高くステアリング操作を重くするという問題がある。さらに、いずれの軸受においても軸受摺動面への塵埃等異物の混入を防止するべく装着されたゴム弾性体から成るダストシールの摩擦力が高いことに起因するステアリング操作を重くするという問題、特に合成樹脂すべり軸受においてはステアリング操作を一層重くするという問題がある。
【0005】
上記従来技術における合成樹脂からなるすべり軸受の問題点を解決するべく、本出願人は、先に、実願昭61−133931号(実公平4−52488号)において、ゴム弾性体からなるダストシールを使用することなく摺動面への塵埃等異物の侵入を防止し、ステアリング操作時の操舵力の増大を防止できる合成樹脂スラスト軸受を提案した。
【0006】
ここで、実願昭61−133931号(実公平4−52488号)で提案した技術を図11に基づいて説明する。図11に示す合成樹脂スラスト軸受Aは、合成樹脂下部ケースBと、合成樹脂上部ケースCと、円板状の合成樹脂軸受片Dとから成り、該合成樹脂下部ケースBは内面に挿通孔1を有する円筒部2と該円筒部2の外周面に該円筒部の一部2aを突出させて一体に形成された環状幅広鍔部3と該円筒部の一部突出部と該鍔部上面とで環状凹部4を形成して該鍔部外周縁に突設された環状係合突出部5を備えており、該合成樹脂上部ケースCは円板状の平面部6と該平面部の中央部に形成された円孔7と該平面部6の外周縁に一体に形成された環状係合垂下部8を備えており、該軸受片Dは該下部ケースBの環状凹部4にその下面を摺接させて配され、該下部ケースBには上部ケースCがその環状係合垂下部8を該下部ケースBの環状係合突出部5に弾性装着させ、該弾性装着部にラビリンス作用による密封部を形成して相対回転可能に組み合わされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した構成の合成樹脂スラスト軸受Aは、図12に示されるように、挿通孔1、円孔7にストラットのピストンロッドRを挿通して、下部ケースBおよび上部ケースCをピストンロッドRの外周面に装着され、下部ケースBの円筒部2外周面を上部バネ座シートSの孔S1に嵌合固定すると共に下部ケースBの環状幅広鍔部3下面を上部バネ座シートSの平面部S2に当接させ、上部ケースCの円板状平面部6上面を車体取付部材Fの下面に当接させて、上部バネ座シートSと車体取付部材Fとの間に配置される。
【0008】
このように配置された合成樹脂スラスト軸受Aは、上部バネ座シートSと車体取付部材Fとの相対回転を円滑に許容し、ステアリング操作を円滑に行わせるものである。しかしながら、上部バネ座シートSと車体取付部材Fとの間に配置された合成樹脂スラスト軸受Aに、前述したラジアル荷重が作用した場合、当該ラジアル荷重は下部ケースBの円筒部挿通孔1とこれを挿通するピストンロッドRとの摺接、換言すれば合成樹脂と金属との摺接によって許容されることになるため、摺動抵抗が大きく、円滑に許容し難いという問題がある。
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであって、スラスト荷重ならびにラジアル荷重を摺動摩擦抵抗の小さい合成樹脂同志の組合せによって円滑に許容することができ、またゴム弾性体から成るダストシールを使用することなく軸受摺動面への塵埃等の侵入を防止できる合成樹脂軸受を得ることを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば上記目的は、合成樹脂製の下部ケースと、この下部ケースに組合わされた合成樹脂製の上部ケースと、上部ケースと下部ケースとの間に形成された合成樹脂製のスラストすべり軸受手段とを具備しており、該下部ケースは内面を挿通孔とした円筒部と該円筒部の端部外周面に延設された環状幅広鍔部と該環状幅広鍔部の上面に該円筒部と環状溝を形成して立設された環状突出部と該環状突出部と該環状幅広鍔部上面とで環状凹部を形成して該環状幅広鍔部の外周縁に立設された環状係合突出部とを備えており、該上部ケースは円筒部と該円筒部の端部外周面に延設された環状幅広鍔部と該円筒部の他端に径方向内側に延設された環状鍔部と該環状幅広鍔部の外周縁に垂下した環状係合垂下部とを備えており、該上部ケースはその円筒部内周面と前記下部ケースの円筒部外周面との間に軸受隙間を保持してラジアル軸受部を形成し、かつ環状鍔部下面を該下部ケースの円筒部端面に対面させるとともに環状係合垂下部を前記下部ケースの環状係合突出部に弾性装着させて該下部ケースに組合わされており、スラストすべり軸受手段は下部ケースの環状凹部と該環状凹部に対面する上部ケースの環状幅広鍔部の下面との間の空間に形成されている合成樹脂軸受によって達成される。
【0010】
また、上記構成において、下部ケースは環状幅広鍔部の上面に、該環状係合突出部と径方向内側に環状溝を形成して立設された外側環状突出部をさらに備えており、該上部ケースは環状幅広鍔部の下面に、環状係合垂下部と径方向内側に環状溝を形成して垂下した環状垂下部をさらに備えており、上部ケースはその円筒部内周面と前記下部ケースの円筒部外周面との間に軸受隙間を保持してラジアル軸受部を形成し、かつ環状鍔部下面を該下部ケースの円筒部端面に対面させ、環状垂下部の端部を該下部ケースの外側環状突出部の端部とその径方向に重畳させて該重畳部にラビリンス作用による密封部を形成して係合させるとともに環状係合垂下部を前記下部ケースの環状係合突出部に弾性装着させて該下部ケースに組み合わされている合成樹脂軸受とすることもできる。
【0011】
さらに、本発明によれば上記目的は、合成樹脂製の下部ケースと、この下部ケースに組合わされた合成樹脂製の上部ケースと、上部ケースと下部ケースとの間に形成された合成樹脂製のスラストすべり軸受手段とを具備しており、該下部ケースは内面を挿通孔とした円筒部と該円筒部の端部外周面に延設された環状幅広鍔部と該円筒部の外周面に拡径環状肩部を介して下方に延設された円筒状壁部と該環状幅広鍔部の上面に該円筒状壁部と環状溝を形成して立設された環状突出部と該環状突出部と該環状幅広鍔部の上面とで環状凹部を形成して該環状幅広鍔部の外周縁に立設された環状係合突出部とを備えており、上部ケースは円筒部と該円筒部の端部外周面に延設された環状幅広鍔部と該円筒部の他端に径方向内側に延設された環状鍔部と該円筒部の内周面に拡径環状肩部を介して下方に延設され、該環状幅広鍔部の下面に垂下する内側環状垂下部と該環状幅広鍔部の外周縁に垂下した環状係合垂下部とを備えており、該上部ケースはその円筒部内周面と前記下部ケースの円筒部外周面との間に軸受隙間を保持してラジアル軸受部を形成し、かつ環状鍔部下面を該下部ケースの円筒部端面に、拡径環状肩部を該下部ケースの拡径環状肩部にそれぞれ対面させ、内側環状垂下部の端部を該下部ケースの環状突出部の端部とその径方向に重畳させて該重畳部にラビリンス作用による密封部を形成して係合させるとともに環状係合垂下部を該下部ケースの環状係合突出部に弾性装着させ該下部ケースに組み合わされており、スラストすべり軸受手段は下部ケースの環状凹部と該環状凹部に対面する上部ケースの環状幅広鍔部の下面との間の空間に形成されている合成樹脂軸受によっても達成される。
【0012】
また、上記構成において、下部ケースは環状幅広鍔部の上面に、該環状係合突出部と径方向内側に環状溝を形成して立設された外側環状突出部をさらに備えており、該上部ケースは環状幅広鍔部の下面に、該環状係合垂下部と径方向内側に環状溝を形成して垂下した環状垂下部をさらに備えており、該上部ケースはその円筒部内周面と前記下部ケースの円筒部外周面との間に軸受隙間を保持してラジアル軸受部を形成し、かつ環状鍔部下面を該下部ケースの円筒部端面に、拡径環状肩部を該下部ケースの拡径環状肩部にそれぞれ対面させ、内側環状垂下部の端部を該下部ケースの環状突出部の端部と、環状垂下部の端部を該下部ケースの外側環状突出部の端部と、それぞれその径方向に重畳させて該重畳部にラビリンス作用による密封部を形成して係合させるとともに環状係合垂下部を前記下部ケースの環状係合突出部に弾性装着させて該下部ケースに組合わされている合成樹脂軸受とすることもできる。
【0013】
スラストすべり軸受手段は、下部ケースの環状凹部と該環状凹部に対面する上部ケースの環状幅広鍔部の下面との間の空間に配され、環状凹部の底面と環状幅広鍔部の下面に対して摺動自在に配された合成樹脂製の環状スラスト軸受体によって形成されるか、または下部ケースの環状凹部と該環状凹部に対面する上部ケースの環状幅広鍔部の下面との間の空間に配され、環状凹部の底面に対して摺動自在に配された該環状幅広鍔部下面に一体に形成された環状のスラスト軸受によって形成されている。
【0014】
本発明の合成樹脂軸受における上部および下部ケースを構成する合成樹脂は、耐摩耗性、耐衝撃性、耐クリープ性等の摺動特性および機械的特性に優れていることが好ましく、また上部および下部ケース間に配されるスラストすべり軸受手段を構成する合成樹脂はとくに自己潤滑性を有することが好ましく、例えばポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等の熱可塑性ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂等が良好に使用される。
【0015】
上部および下部ケースには、スラストすべり軸受手段を構成する合成樹脂と同様の合成樹脂が使用されるが、とくにスラストすべり軸受手段に使用される合成樹脂と摺動摩擦特性の良好な組合せであって、しかも比較的剛性の高い合成樹脂であることが望ましい。その望ましい組合せについて例示すると、上部ケースにポリアセタール樹脂を、下部ケースにポリアミド樹脂を、スラストすべり軸受手段にポリオレフィン樹脂を使用する組合せ、スラストすべり軸受手段として上部ケースの環状幅広鍔部下面に一体に形成された環状スラスト軸受部を具備した上部ケースにポリアセタール樹脂を、下部ケースにポリアミド樹脂あるいはPBTを使用する組合せがある。
【0016】
本発明の合成樹脂軸受は、四輪自動車におけるストラット型サスペンション(マクファーソン式)に組込まれ、車体の取付部材とストラットアッセンブリの上部バネ座シートとの間に配されて使用される。そして、ステアリング操作によりストラットアッセンブリが回動されると、上部ケースに対して下部ケースが回転され、この下部ケースの回転は、上部ケースと下部ケースとの間に形成される合成樹脂製のスラストすべり軸受手段によって円滑に許容され、ステアリング操作も円滑に行われる。合成樹脂軸受にラジアル荷重が作用した場合でも、当該ラジアル荷重は上部ケースの円筒部の内周面と下部ケースの円筒部の外周面との間に軸受隙間を保持して形成されたラジアル軸受部における合成樹脂同志の摺接によって円滑に許容される。
【0017】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明の実施の形態を、図に示す好ましい実施例に基づいてさらに詳細に説明する。本発明はこれら実施例に何ら限定されないのである。
【0018】
【実施例】
図1において、本例の合成樹脂軸受10は、合成樹脂製の下部ケース20と、この下部ケースに組合わされた合成樹脂製の上部ケース30と、上部ケースと下部ケースとの間に形成された合成樹脂製のスラストすべり軸受手段40とを具備している。
【0019】
該下部ケース20は内面21を係合孔とした円筒部22と該円筒部22の端部外周面に延設された環状幅広鍔部23と該環状幅広鍔部23の上面に該円筒部22と環状溝24を形成して立設された環状突出部25と該環状突出部25と環状幅広鍔部上面とで環状凹部26を形成して該幅広鍔部23の外周縁に立設された環状係合突出部27とを備えている。該環状係合突出部27はその外周面に、該突出部27の端部から外方に向けて傾斜するテーパ面部と該テーパ面部と連続し、環状凸角部を形成して該幅広鍔部23の外周面に連なるテーパ面部とから成る係合部28を具備している。
【0020】
該上部ケース30は円筒部31と該円筒部31の端部外周面に延設された環状幅広鍔部32と該円筒部31の他端に径方向内側に延設された環状鍔部33と該幅広鍔部32の外周縁に垂下した環状係合垂下部34を備えている。該環状係合垂下部34はその内周面に、基部から外方に向けて傾斜するテーパ面部と該テーパ面部と連続し、環状凹角部を形成して該垂下部34の下端に連なるテーパ面部とから成る係合フック部35を具備している。
【0021】
該上部ケース30はその円筒部31の内周面と前記下部ケース20の円筒部22の外周面との間に軸受隙間を保持してラジアル軸受部を形成し、かつ環状鍔部33の下面を該下部ケース20の円筒部22の端面に対面させるとともに環状係合垂下部34の係合フック部35を該下部ケース20の環状係合突出部27の係合部28に弾性装着させて該下部ケース20に組合わされている。このように組合わされた上部および下部ケース30、20間には外周側の弾性装着部と内周側の環状鍔部33の下面と下部ケース20の円筒部22の端面との対面部に、外部から軸受摺動面への塵埃等異物の侵入を防止する密封部が形成されている。
【0022】
スラストすべり軸受手段40は、下部ケース20の環状凹部26と該環状凹部26に対面する上部ケース30の環状幅広鍔部32下面との間の空間に、これら環状凹部26の底面と環状幅広鍔部32下面に対して摺動自在に配され、前記下部ケース20の環状突出部25の外径より大きい内径を有し、環状係合突出部27の内径より小さい外径を有する環状スラスト軸受体41から成る。該軸受体41の両端面には、その内径側の周縁にリング溝42が形成されていると共に該リング溝42から外径側に開口する複数個の放射状溝43が円周方向に等間隔に、かつ30度の位相差をもって形成されている。該リング溝42および放射状溝43はグリースなどの潤滑剤の溜り部となる。
【0023】
図3は他の具体例を示すもので、本例の合成樹脂軸受10は前述の合成樹脂軸受において、下部ケース20の環状幅広鍔部23の上面に、該環状係合突出部27と径方向内側に環状溝29を形成して立設された外側環状突出部25aをさらに備えており、また該上部ケース30は環状幅広鍔部32の下面に、該環状係合垂下部34と径方向内側に環状溝36を形成して垂下した環状垂下部37をさらに備えている。そして、該上部ケース30はその円筒部31の内周面と該下部ケース20の円筒部22の外周面との間に軸受隙間を保持してラジアル軸受部を形成し、かつ環状鍔部33の下面を該下部ケース20の円筒部22の端面に対面させ、環状垂下部37の端部を該下部ケース20の外側環状突出部25aの端部とその径方向に重畳させて該重畳部にラビリンス作用による密封部を形成して係合させるとともに環状係合垂下部34の係合フック部35を下部ケース20の環状係合突出部27の係合部28に弾性装着させて該下部ケース20に組合わされている。

【0024】
このように組合わされた上部および下部ケース30、20間には、その外周側に弾性装着部と環状垂下部37の端部と該下部ケース20の外側環状突出部25aの端部との重畳部に形成されたラビリンス作用による密封部が形成され、またその内周側に環状鍔部33の下面と下部ケース20の円筒部22端面との対面部に密封部が形成され、これら密封部により外部から軸受摺動面への塵埃等の侵入を防止している。
【0025】
このように構成された合成樹脂軸受10は、図4に示すストラットアッセンブリに組込まれる。すなわち、軸受10は、下部ケース20の円筒部内面21をストラットアッセンブリの上部バネ座シートSの円筒状突出部S1の外周面に嵌合させるとともに環状幅広鍔部23の下面を該上部バネ座シートSの平面部S2に着座させ、上部ケース30の円筒部31を車体側取付部材Fの孔F1に嵌合させるとともに上部ケース30の環状幅広鍔部32上面を該車体側取付部材Fの下面に当接させて上部バネ座シートSと車体側取付部材Fとの間に配置される。なお、図4中、符号Rはストラットアッセンブリのピストンロッド、符号Bはコイルスプリングを示す。
【0026】
上部バネ座シートSと車体側取付部材Fとの間に配置された合成樹脂軸受10に、サスペンションの構造に起因するラジアル荷重が作用した場合は、当該ラジアル荷重は上部ケース30の円筒部31の内周面と下部ケース20の円筒部22の外周面との間に軸受隙間を保持して形成されたラジアル軸受部における合成樹脂同志の摺動によって円滑に許容される。また、車体重量は、下部ケース20の環状凹部26と該環状凹部26に対面する上部ケース30の環状幅広鍔部32の下面との間の空間に配され、該環状凹部26の底面と環状幅広鍔部32の下面に対して摺動自在に配された合成樹脂製の環状スラスト軸受体41で形成されたスラストすべり軸受手段40によって支持されるとともにスラスト荷重は下部ケース20の環状凹部26と環状スラスト軸受体41と上部ケース30の環状幅広鍔部32の下面との間の合成樹脂同志の摺動によって円滑に許容される。
【0027】
図5は他の具体例を示すもので、本例の合成樹脂軸受10は、前述した図1に示す合成樹脂軸受において、該下部ケース20は円筒部22の外周面に拡径環状肩部22aを介して下方に延設された円筒状壁部22bをさらに備えており、環状突出部25は該円筒状壁部22bと環状溝24を形成して該環状幅広鍔部23の上面に立設されている。また、上部ケース30は円筒部31の内周面に拡径環状肩部31aを介して下方に延設され、該環状幅広鍔部32の下面に垂下する内側環状垂下部37aをさらに備えている。そして、該上部ケース30はその円筒部31の内周面と該下部ケース20の円筒部22の外周面との間に軸受隙間を保持してラジアル軸受部を形成し、かつ環状鍔部33の下面を該下部ケース20の円筒部22の端面に、拡径環状肩部31aを該下部ケース20の拡径環状肩部22aにそれぞれ対面させ、内側環状垂下部37aの端部を該下部ケース20の環状突出部25の端部とその径方向に重畳させて該重畳部にラビリンス作用による密封部を形成して係合させるとともに環状係合垂下部34の係合フック部35を該下部ケース20の環状係合突出部27の係合部28に弾性装着させて該下部ケース20に組合わされている。このように組合わされた上部ケース30と下部ケース20との間には外周側の弾性装着部と内周側の環状鍔部33の下面と下部ケース20の円筒部22の端面との対面部及び内側環状垂下部37aの端部と該下部ケース20の環状突出部25の端部との径方向の重畳部に、外部から軸受摺動面への塵埃等異物の侵入を防止する密封部が形成されている。
【0028】
図6はさらに他の具体例を示すもので、本例の合成樹脂軸受10は、上記図5に示す合成樹脂軸受において、下部ケース20は環状幅広鍔部23の上面に、該環状係合突出部27と径方向内側に環状溝29を形成して立設された外側環状突出部25aをさらに備えており、また該上部ケース30は環状幅広鍔部32の下面に、該環状係合垂下部34と径方向内側に環状溝36を形成して垂下した環状垂下部37をさらに備えている。そして、該上部ケース30はその円筒部31の内周面と該下部ケース20の円筒部22の外周面との間に軸受隙間を保持してラジアル軸受部を形成し、かつ環状鍔部33の下面を該下部ケース20の円筒部22の端面に、拡径環状肩部31aを該下部ケース20の拡径環状肩部22aにそれぞれ対面させ、内側環状垂下部37aの端部を該下部ケース20の環状突出部25の端部と、環状垂下部37の端部を該下部ケース20の外側環状突出部25aの端部と、それぞれその径方向に重畳させて該重畳部にラビリンス作用による密封部を形成して係合させるとともに環状係合垂下部34の係合フック部35を下部ケース20の環状係合突出部27の係合部28に弾性装着させて該下部ケース20に組合わされている。
【0029】
このように組合わされた上部および下部ケース30、20間にはその外周側に弾性装着部と環状垂下部37の端部と該下部ケース20の外側環状突出部25aの端部との重畳部に形成されたラビリンス作用による密封部が形成され、またその内周側に環状鍔部33の下面と下部ケース20の円筒部22端面との対面部と内側環状垂下部37aの端部と該下部ケース20の環状突出部25の端部との重畳部にラビリンス作用による密封部が形成され、これらにより外部から軸受摺動面への塵埃等の侵入を防止している。
【0030】
ところで上述した図1、図3、図5および図6に示した具体例では、下部ケース20の環状凹部24と該環状凹部24に対面する上部ケース30の環状幅広鍔部33下面との間の空間に、環状スラスト軸受体41からなるスラストすべり軸受手段40を構成したが、これに代えて図7ないし図10に示すように、スラストすべり軸受手段40を、上部ケース30の環状幅広鍔部32の下面に一体に形成され、下部ケース20の環状突出部25の外径より大きい内径を有し、環状係合突出部27あるいは外側環状突出部25aの内径より小さい外径を有する環状のスラスト軸受突部44から構成してもよい。この図7ないし図10に示す合成樹脂軸受10の構成において、スラストすべり軸受手段40を除く他の構成は前述した図1、図3、図5および図6に示した構成と同様である。
【0031】
この図7ないし図10に示す合成樹脂軸受10においては、スラスト荷重は環状のスラスト軸受突部44の端面と下部ケース20の環状凹部25底面との摺動で許容される。この場合、環状のスラスト軸受突部44の端面にリング溝と放射状溝が形成されている。
【0032】
【発明の効果】
本発明の合成樹脂軸受では、サスペンションの構造に起因するラジアル荷重が作用した場合でも、当該ラジアル荷重は上部ケースの円筒部外周面と下部ケースの円筒部内周面との間に軸受隙間を保持して形成されたラジアル軸受部における合成樹脂同志の摺動によって円滑に許容される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成樹脂軸受の断面図である。
【図2】図1に示す合成樹脂軸受におけるスラストすべり軸受体の平面図である。
【図3】本発明の合成樹脂軸受の更に他の具体例を示す断面図である。
【図4】図3に示す合成樹脂軸受をストラットアッセンブリに組込んだ状態の断面図である。
【図5】本発明の合成樹脂軸受の他の具体例を示す断面図である。
【図6】本発明の合成樹脂軸受の他の具体例を示す断面図である。
【図7】本発明の合成樹脂軸受の他の具体例を示す断面図である。
【図8】本発明の合成樹脂軸受の他の具体例を示す断面図である。
【図9】本発明の合成樹脂軸受の他の具体例を示す断面図である。
【図10】本発明の合成樹脂軸受の他の具体例を示す断面図である。
【図11】従来技術の合成樹脂軸受の断面図である。
【図12】図11に示す合成樹脂軸受をストラットアッセンブリに組込んだ状態の断面図である。
【符号の説明】
10 合成樹脂軸受
20 下部ケース
21 内面
22 円筒部
23 環状幅広鍔部
25 環状突出部
26 環状凹部
27 環状係合突出部
30 上部ケース
31 円筒部
32 環状幅広鍔部
33 環状鍔部
34 環状係合垂下部
40 スラストすべり軸受手段
41 環状スラスト軸受体

Claims (6)

  1. 合成樹脂製の下部ケース(20)と、この下部ケースに組合わされた合成樹脂製の上部ケース(30)と、上部ケースと下部ケースとの間に形成された合成樹脂製のスラストすべり軸受手段(40)とを具備しており、該下部ケース(20)は内面(21)を挿通孔とした円筒部(22)と該円筒部の端部外周面に延設された環状幅広鍔部(23)と該環状幅広鍔部の上面に該円筒部と環状溝(24)を形成して立設された環状突出部(25)と該環状突出部と該環状幅広鍔部上面とで環状凹部(26)を形成して該環状幅広鍔部の外周縁に立設された環状係合突出部(27)とを備えており、該上部ケース(30)は円筒部(31)と該円筒部の端部外周面に延設された環状幅広鍔部(32)と該円筒部の他端に径方向内側に延設された環状鍔部(33)と該環状幅広鍔部の外周縁に垂下した環状係合垂下部(34)とを備えており、該上部ケース(30)その円筒部(31)の内周面と前記下部ケース(20)の円筒部(22)の外周面との間に軸受隙間を保持してラジアル軸受部を形成し、かつ環状鍔部(33)の下面を該下部ケースの円筒部(22)の端面に対面させるとともに環状係合垂下部(34)を前記下部ケースの環状係合突出部(27)に弾性装着させて該下部ケースに組合わされており、スラストすべり軸受手段(40)は下部ケースの環状凹部(26)該環状凹部に対面する上部ケースの環状幅広鍔部(32)の下面との間の空間に形成されていることを特徴とする合成樹脂軸受。
  2. 下部ケース(20)は環状幅広鍔部(23)の上面に、該環状係合突出部(27)と径方向内側に環状溝(29)を形成して立設された外側環状突出部(25a)をさらに備えており、該上部ケース(30)は環状幅広鍔部(32)の下面に、環状係合垂下部(34)と径方向内側に環状溝(36)を形成して垂下した環状垂下部(37)をさらに備えており、上部ケースはその円筒部(31)の内周面と前記下部ケース(20)の円筒部(22)の外周面との間に軸受隙間を保持してラジアル軸受部を形成し、かつ環状鍔部(33)の下面を該下部ケースの円筒部(22)の端面対面させ、環状垂下部(37)の端部を該下部ケースの外側環状突出部(25a)の端部とその径方向に重畳させて該重畳部にラビリンス作用による密封部を形成して係合させるとともに環状係合垂下部(34)を前記下部ケースの環状係合突出部(27)に弾性装着させて該下部ケースに組み合わされている請求項1に記載の合成樹脂軸受。
  3. 合成樹脂製の下部ケース(20)と、この下部ケースに組合わされた合成樹脂製の上部ケース(30)と、上部ケースと下部ケースとの間に形成された合成樹脂製のスラストすべり軸受手段(40)とを具備しており、該下部ケース(20)は内面(21)を挿通孔とした円筒部(22)と該円筒部の端部外周面に延設された環状幅広鍔部(23)と該円筒部の外周面に拡径環状肩部(22a)を介して下方に延設された円筒状壁部(22b)と該環状幅広鍔部の上面に該円筒状壁部と環状溝(24)を形成して立設された環状突出部(25)と該環状突出部と該環状幅広鍔部の上面とで環状凹部(26)を形成して該環状幅広鍔部の外周縁に立設された環状係合突出部(27)とを備えており、上部ケース(30)は円筒部(31)と該円筒部の端部外周面に延設された環状幅広鍔部(32)と該円筒部の他端に径方向内側に延設された環状鍔部(33)と該円筒部の内周面に拡径環状肩部(31a)を介して下方に延設され、該環状幅広鍔部の下面に垂下する内側環状垂下部(37a)と該環状幅広鍔部の外周縁に垂下した環状係合垂下部(34)とを備えており、該上部ケース(30)その円筒部(31)の内周面と前記下部ケース(20)の円筒部(22)の外周面との間に軸受隙間を保持してラジアル軸受部を形成し、かつ環状鍔部(33)の下面を該下部ケースの円筒部(22)の端面に、拡径環状肩部(31a)を該下部ケースの拡径環状肩部(22a)にそれぞれ対面させ、内側環状垂下部(37a)の端部を該下部ケースの環状突出部(25)の端部とその径方向に重畳させて該重畳部にラビリンス作用による密封部を形成して係合させるとともに環状係合垂下部(34)を該下部ケースの環状係合突出部(27)に弾性装着させ該下部ケースに組み合わされており、スラストすべり軸受手段(40)は下部ケースの環状凹部(26)該環状凹部に対面する上部ケースの環状幅広鍔部(32)の下面との間の空間に形成さ れていることを特徴とする合成樹脂軸受。
  4. 下部ケース(20)は環状幅広鍔部(23)の上面に、該環状係合突出部(27)と径方向内側に環状溝(29)を形成して立設された外側環状突出部(25a)をさらに備えており、該上部ケース(30)は環状幅広鍔部(33)の下面に、該環状係合垂下部(34)と径方向内側に環状溝(36)を形成して垂下した環状垂下部(37)をさらに備えており、該上部ケースはその円筒部(31)の内周面と前記下部ケース(20)の円筒部(22)の外周面との間に軸受隙間を保持してラジアル軸受部を形成し、かつ環状鍔部(33)の下面を該下部ケースの円筒部(22)の端面に、拡径環状肩部(31a)を該下部ケースの拡径環状肩部(22a)にそれぞれ対面させ、内側環状垂下部(37a)の端部を該下部ケースの環状突出部(25)の端部と、環状垂下部(37)の端部を該下部ケースの外側環状突出部(25a)の端部と、それぞれその径方向に重畳させて該重畳部にラビリンス作用による密封部を形成して係合させるとともに環状係合垂下部(34)を前記下部ケースの環状係合突出部(27)に弾性装着させて該下部ケースに組合わされている請求項3に記載の合成樹脂軸受。
  5. スラストすべり軸受手段(40)下部ケース(20)の環状凹部(26)該環状凹部(26)に対面する上部ケース(30)の環状幅広鍔部(32)の下面との間の空間に配され、環状凹部(26)の底面と環状幅広鍔部(32)の下面に対して摺動自在に配された合成樹脂製の環状スラスト軸受体(41)によって形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の合成樹脂軸受。
  6. スラストすべり軸受手段(40)は、下部ケース(20)の環状凹部(26)該環状凹部(26)に対面する上部ケース(30)の環状幅広鍔部(32)の下面との間の空間に配され、環状凹部(26)の底面に対して摺動自在に配された該環状幅広鍔部(32)の下面に一体に形成された環状のスラスト軸受(44)によって形成されている請求項1から4のいずれか一項に記載の合成樹脂軸受。
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