JP2023140796A - 建物の制振構造 - Google Patents
建物の制振構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2023140796A JP2023140796A JP2022046817A JP2022046817A JP2023140796A JP 2023140796 A JP2023140796 A JP 2023140796A JP 2022046817 A JP2022046817 A JP 2022046817A JP 2022046817 A JP2022046817 A JP 2022046817A JP 2023140796 A JP2023140796 A JP 2023140796A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- brace
- specific
- column
- floor
- floors
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000013016 damping Methods 0.000 title claims abstract description 33
- 230000002787 reinforcement Effects 0.000 claims description 10
- 230000003014 reinforcing effect Effects 0.000 claims description 10
- 230000000694 effects Effects 0.000 abstract description 12
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 15
- 238000006073 displacement reaction Methods 0.000 description 8
- 230000001747 exhibiting effect Effects 0.000 description 2
- 238000000034 method Methods 0.000 description 2
- 230000005540 biological transmission Effects 0.000 description 1
- 230000008602 contraction Effects 0.000 description 1
- 230000003247 decreasing effect Effects 0.000 description 1
- 239000011229 interlayer Substances 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Joining Of Building Structures In Genera (AREA)
- Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
Abstract
【課題】2以上の階層に亘るV形又は逆V形のブレースを柱梁架構の前後両側に階層毎にずらしながら配置した建物の制振構造において、他の一般階層よりも階高が大きい特定階層を含む複数の階層を有する建物に適用する場合に、ブレースによる制振効果を各階層において十分に発揮させる。
【解決手段】2以上の一般階層1A,1Bに亘る一般ブレース10Aと2以上の一般階層1B及び特定階層1Cに亘る特定ブレース10Bとを備え、一般ブレース10Aの両端部11bの夫々が一般階層1A,1Bの柱梁架構における柱梁仕口部4に接続され、特定ブレース10Bを構成するブレース部材11が一般ブレース10Aを構成するものと略同じ長さのものであり、特定ブレース10Bの両端部11bの夫々が特定階層1Cの柱梁架構における柱2の中間位置に接続され、特定階層1Cにおいて特定ブレース10Bの両端部11bの夫々を連結する連結部材15が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】2以上の一般階層1A,1Bに亘る一般ブレース10Aと2以上の一般階層1B及び特定階層1Cに亘る特定ブレース10Bとを備え、一般ブレース10Aの両端部11bの夫々が一般階層1A,1Bの柱梁架構における柱梁仕口部4に接続され、特定ブレース10Bを構成するブレース部材11が一般ブレース10Aを構成するものと略同じ長さのものであり、特定ブレース10Bの両端部11bの夫々が特定階層1Cの柱梁架構における柱2の中間位置に接続され、特定階層1Cにおいて特定ブレース10Bの両端部11bの夫々を連結する連結部材15が設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の階層を有する建物の制振構造に関する。
従来での建物の制振構造として、複数の階層を有する建物において、2以上の階層に亘るブレースを柱梁架構の前後両側に階層毎にずらしながら配置して構成されており、前記ブレースが、柱側に接続された両端部の夫々から梁側に接続された頂部に亘る2つのブレース部材からなるV形又は逆V形に構成されているものが知られている(特許文献1を参照。)。
このような建物の制振構造では、ブレースが2以上の階層に亘るものとなるので、地震や強風による建物の水平振動によりブレースに作用する水平方向の変位量を比較的大きくすることができるので、当該変形ブレースに対して設けた制振ダンパにより建物の振動エネルギを効果的に減衰させることができる。また、このように2以上の階層に亘るブレースを採用するにあたり、そのブレースを柱梁架構の前後両側に階層毎にずらしながら配置することで、各ブレースを省スペースで合理的に配置しながら、各階層に対して確実に制振効果を発揮させることができる。
特許文献1記載の建物の制振構造では、各ブレースの両端部の夫々を、各階層の柱梁架構における柱梁仕口部に接続している。このことから、他の一般階層よりも階高が大きい特定階層を含む複数の階層を有する建物に適用する場合においても同様に、各ブレースの両端部の夫々を各階層の柱梁架構における柱梁仕口部に接続するものと考えられる。そして、このような構成では、特定階層を含む2以上の階層に亘る特定ブレースを構成するブレース部材の長さが、特定階層を含まない2以上の階層に亘る一般ブレースを構成するブレース部材の長さよりも長くなる。すると、このような特定ブレースを構成するブレース部材の長尺化により、当該特定ブレースによる制振効果を十分に発揮できない恐れがあった。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、複数の階層を有する建物において、2以上の階層に亘るブレースを柱梁架構の前後両側に階層毎にずらしながら配置して構成されており、前記ブレースが、柱側に接続された両端部の夫々から梁側に接続された頂部に亘る2つのブレース部材からなるV形又は逆V形に構成されている建物の制振構造において、他の一般階層よりも階高が大きい特定階層を含む複数の階層を有する建物に適用する場合に、ブレースによる制振効果を各階層において十分に発揮するための技術を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、複数の階層を有する建物において、2以上の階層に亘るブレースを柱梁架構の前後両側に階層毎にずらしながら配置して構成されており、
前記ブレースが、柱側に接続された両端部の夫々から梁側に接続された頂部に亘る2つのブレース部材からなるV形又は逆V形に構成されている建物の制振構造であって、
前記複数の階層が、階高が他の一般階層よりも大きい特定階層を含むと共に、
前記ブレースとして、前記特定階層を含まない2以上の階層に亘る一般ブレースと、前記特定階層を含む2以上の階層に亘る特定ブレースとを備え、
前記一般ブレースの両端部の夫々が、前記一般階層の前記柱梁架構における柱梁仕口部に接続されており、
前記特定ブレースを構成するブレース部材が、前記一般ブレースを構成するブレース部材と略同じ長さのものであると共に、当該特定ブレースの両端部の夫々が、前記特定階層の前記柱梁架構における柱の中間位置に接続されており、
前記特定階層において前記特定ブレースの両端部の夫々を連結する連結部材が設けられている点にある。
前記ブレースが、柱側に接続された両端部の夫々から梁側に接続された頂部に亘る2つのブレース部材からなるV形又は逆V形に構成されている建物の制振構造であって、
前記複数の階層が、階高が他の一般階層よりも大きい特定階層を含むと共に、
前記ブレースとして、前記特定階層を含まない2以上の階層に亘る一般ブレースと、前記特定階層を含む2以上の階層に亘る特定ブレースとを備え、
前記一般ブレースの両端部の夫々が、前記一般階層の前記柱梁架構における柱梁仕口部に接続されており、
前記特定ブレースを構成するブレース部材が、前記一般ブレースを構成するブレース部材と略同じ長さのものであると共に、当該特定ブレースの両端部の夫々が、前記特定階層の前記柱梁架構における柱の中間位置に接続されており、
前記特定階層において前記特定ブレースの両端部の夫々を連結する連結部材が設けられている点にある。
本構成によれば、他の一般階層よりも階高が大きい特定階層を含まない2以上の階層に亘る一般ブレースについては、柱梁仕口部に接続された両端部の夫々から梁側に接続された頂部に亘る2つのブレース部材からなるものとして構成されている。一方、他の一般階層よりも階高が大きい特定階層を含む2以上の階層に亘る特定ブレースについては、柱梁仕口部ではなく特定階層の柱梁架構における柱の中間位置に接続された両端部の夫々から梁側に接続された頂部に亘る2つのブレース部材からなるものとして構成されており、この構成を採用することにより、特定ブレースを構成するブレース部材の長さが一般ブレースを構成するブレース部材の長さと略同じものに設定されている。よって、一般ブレースと特定ブレースの夫々において、地震や強風による建物の水平振動によりブレースに作用する水平方向の変位量を略同等のものにできる。更に、柱の中間位置に接続された特定ブレースの両端部の夫々が上記連結部材により連結されているので、特定ブレースの両端部の夫々が接続された柱の中間位置における特定ブレースから伝達される軸力による撓みを抑制し、当該撓みに起因する特定ブレースによる制振効果の減少を効果的に防止することができる。これらのことから、一般ブレースと特定ブレースとにより各階層に対して同等で十分な制振効果を発揮させることができる。
従って、本発明により、複数の階層を有する建物において、2以上の階層に亘るブレースを柱梁架構の前後両側に階層毎にずらしながら配置して構成されており、前記ブレースが、柱側に接続された両端部の夫々から梁側に接続された頂部に亘る2つのブレース部材からなるV形又は逆V形に構成されている建物の制振構造において、他の一般階層よりも階高が大きい特定階層を含む複数の階層を有する建物に適用する場合に、ブレースによる制振効果を各階層において十分に発揮するための技術を提供することができる。
従って、本発明により、複数の階層を有する建物において、2以上の階層に亘るブレースを柱梁架構の前後両側に階層毎にずらしながら配置して構成されており、前記ブレースが、柱側に接続された両端部の夫々から梁側に接続された頂部に亘る2つのブレース部材からなるV形又は逆V形に構成されている建物の制振構造において、他の一般階層よりも階高が大きい特定階層を含む複数の階層を有する建物に適用する場合に、ブレースによる制振効果を各階層において十分に発揮するための技術を提供することができる。
本発明の第2特徴構成は、前記ブレースの頂部が、梁の近傍配置された状態でその側方に位置する柱梁仕口部に対して制振ダンパを介して接続されている点にある。
本構成によれば、梁の近傍に配置された状態のブレースの頂部がその側方に位置する柱梁仕口部に対して制振ダンパを介して接続されているので、ブレースの頂点とその近傍に配置された梁の側端部側の柱梁仕口部との間の水平方向の変位を制振ダンパにより適切に抑制して、建物の振動エネルギを効果的に減衰させることができる。
本発明の第3特徴構成は、前記特定階層において、前記特定ブレースの両端部が設けられた柱梁架構の構面である特定構面の側方に隣接する柱梁架構の構面である隣接構面に、隣接構面補強用ブレースが設けられており、
前記隣接構面補強用ブレースが、前記特定構面に設けられた特定ブレースの端部が接続された柱の中間位置を補強するものとして構成されている点にある。
前記隣接構面補強用ブレースが、前記特定構面に設けられた特定ブレースの端部が接続された柱の中間位置を補強するものとして構成されている点にある。
本構成によれば、他の一般階層よりも階高が大きい特定階層の上記隣接構面に隣接構面補強用ブレースが設けられているので、当該特定階層の層間変位を小さくして、特定ブレースの両端部が接続された柱を含む特定階層の柱の撓みを抑制することができる。更に、特定構面に設けられた特定ブレースの両端部が上述した連結部材により連結されている上に、その両端部の少なくとも一方が接続された柱の中間位置が、その特定構面に隣接する隣接構面に設けられた隣接構面補強用ブレースにより補強されている。よって、特定ブレースの両端部の夫々が接続された柱の中間位置における特定ブレースから伝達される軸力による撓みを一層良好に抑制して、当該撓みに起因する特定ブレースによる制振効果の減少を一層効果的に防止することができる。
本発明の実施形態に係る建物の制振構造について図面に基づいて説明する。
尚、図1及び図2は、本実施形態に係る制振構造が構築された建物1において複数の階層1A,1B,1Cの部分を示す立面図及び側面図である。図3は、図1のA-A断面図、即ち建物1において複数の階層1A,1B,1Cのうち最も上の階層1Cの上下中間位置における水平断面を示す図である。また、以下の説明において、図1における手前側、図2における左側、及び図3における下側を、前方側と呼び、図1における奥側、図2における右側、及び図3における上側を、後方側と呼ぶ場合がある。
尚、図1及び図2は、本実施形態に係る制振構造が構築された建物1において複数の階層1A,1B,1Cの部分を示す立面図及び側面図である。図3は、図1のA-A断面図、即ち建物1において複数の階層1A,1B,1Cのうち最も上の階層1Cの上下中間位置における水平断面を示す図である。また、以下の説明において、図1における手前側、図2における左側、及び図3における下側を、前方側と呼び、図1における奥側、図2における右側、及び図3における上側を、後方側と呼ぶ場合がある。
本実施形態の制振構造は、例えば、オフィスビルやマンション等の複数の階層1A,1B,1Cを有する建物1等に適用され、地震時や強風時等に建物1に作用する地震エネルギや振動エネルギを吸収して減衰させるためのものである。
尚、本実施形態において、上下方向に連続する3つの階層1A,1B,1Cに対して制振構造を構築した例を示す。以下の説明において、3つの階層1A,1B,1Cのうち、最も下の階層を第1階層1Aと呼び、その直上の階層を第2階層1Bと呼び、その直上の階層を第3階層1Cと呼ぶ。
図1及び図2に示すように、建物1は、柱2と大梁3とで構成される柱梁架構の構面5A,5B,5Cが複数の階層1A,1B,1Cに亘って上下方向に連続する構造を有する。これら複数の柱梁架構の夫々において、所定間隔を隔てて配設された左右一対の柱2同士を接続する状態で上方の大梁3が備えられ、その大梁3にて各階層1A,1B,1Cのスラブ25が支持されている。
建物1において、複数の階層1A,1B,1Cは、階高が他の一般階層1A,1Bよりも大きい特定階層1Cを含む。即ち、第1階層1Aと第2階層1Bが、階高が略同じ一般階層であるのに対し、第3階層1Cが、これら一般階層1A,1Bよりも階高が大きい特定階層である。
尚、本実施形態において、上下方向に連続する3つの階層1A,1B,1Cに対して制振構造を構築した例を示す。以下の説明において、3つの階層1A,1B,1Cのうち、最も下の階層を第1階層1Aと呼び、その直上の階層を第2階層1Bと呼び、その直上の階層を第3階層1Cと呼ぶ。
図1及び図2に示すように、建物1は、柱2と大梁3とで構成される柱梁架構の構面5A,5B,5Cが複数の階層1A,1B,1Cに亘って上下方向に連続する構造を有する。これら複数の柱梁架構の夫々において、所定間隔を隔てて配設された左右一対の柱2同士を接続する状態で上方の大梁3が備えられ、その大梁3にて各階層1A,1B,1Cのスラブ25が支持されている。
建物1において、複数の階層1A,1B,1Cは、階高が他の一般階層1A,1Bよりも大きい特定階層1Cを含む。即ち、第1階層1Aと第2階層1Bが、階高が略同じ一般階層であるのに対し、第3階層1Cが、これら一般階層1A,1Bよりも階高が大きい特定階層である。
これら3つの階層1A,1B,1Cの構面5A,5B,5Cには、3つのブレース10A,10B,10Cが設けられている。夫々のブレース10A,10B,10Cは、図1及び図2に示すように、柱2側に接続された両端部11bの夫々から大梁3側に接続された頂部11aに亘る2つのブレース部材11からなるV形又は逆V形に構成されている。更に、夫々のブレース10A,10B,10Cの頂部11aは、大梁3の近傍に配置された状態でその側方に位置する柱梁仕口部4に対してオイルダンパ等の制振ダンパ12を介して接続されている。このことで、ブレース10A,10B,10Cの頂点とその近傍に配置された大梁3の側端部側の柱梁仕口部4との間の水平方向の変位は、制振ダンパ12により適切に抑制されて、建物1の振動エネルギが効果的に減衰される。
これら3つのブレース10A,10B,10Cの夫々は、図2に示すように柱梁架構の前後(図2における左右)両側に階層1A,1B,1C毎にずらしながら配置されている。また、これら3つのブレース10A,10B,10Cのうち、2つの第1ブレース10A及び第2ブレース10Bは、2つの階層1A,1B,1Cに亘るものとして構成されている。
即ち、第1ブレース10Aは、第1階層1Aの構面5Aとその直上にある第2階層1Bの構面5Bに亘る逆V形のものとして構成されており、図2に示すようにそれら構面5A,5Bにおける後方側(図2の右側)に配置されている。即ち、第1ブレース10Aは、特定階層1Cを含まずこの特定階層1Cよりも階高が小さい2つの一般階層1A,1Bに亘る一般ブレース10Aである。
第2ブレース10Bは、第2階層1Bの構面5Bとその直上にある第3階層1Cの構面5Cに亘るV形のものとして構成されており、図2に示すようにそれら構面5B,5Cにおける前方側(図2の左側)に配置されている。即ち、第2ブレース10Bは、特定階層1Cを含む2つの一般階層1B及び特定階層1Cに亘る特定ブレース10Bである。
一方、第3ブレース10Cは、第3階層1Cの構面5C内に収められた逆V形のものとして構成されており、図2に示すようにそれら構面5A,5Bにおける後方側(図2の右側)に配置されている。
即ち、第1ブレース10Aは、第1階層1Aの構面5Aとその直上にある第2階層1Bの構面5Bに亘る逆V形のものとして構成されており、図2に示すようにそれら構面5A,5Bにおける後方側(図2の右側)に配置されている。即ち、第1ブレース10Aは、特定階層1Cを含まずこの特定階層1Cよりも階高が小さい2つの一般階層1A,1Bに亘る一般ブレース10Aである。
第2ブレース10Bは、第2階層1Bの構面5Bとその直上にある第3階層1Cの構面5Cに亘るV形のものとして構成されており、図2に示すようにそれら構面5B,5Cにおける前方側(図2の左側)に配置されている。即ち、第2ブレース10Bは、特定階層1Cを含む2つの一般階層1B及び特定階層1Cに亘る特定ブレース10Bである。
一方、第3ブレース10Cは、第3階層1Cの構面5C内に収められた逆V形のものとして構成されており、図2に示すようにそれら構面5A,5Bにおける後方側(図2の右側)に配置されている。
図2に示すように、各階層1A,1B,1Cの大梁3は、柱梁架構の前後(図2における左右)両側に階層1A,1B,1C毎にずらしながら配置されている。このことで、2つの階層1A,1B,1Cに亘る第1ブレース10A及び第2ブレース10B並びに第3ブレース10Cとの干渉が回避されている。即ち、第1階層1Aの構面5Aの下側の大梁3と、第3階層1Cの構面5Cの下側の大梁3(第2階層1Bの構面5Bの上側の大梁3)とが、柱2の幅内における後方側に配置されている。一方、第2階層1Bの構面5Bの下側の大梁3(第1階層1Aの構面5Aの上側の大梁3)と、第3階層1Cの構面5Cの上側の大梁3とが、柱2の幅内における前方側に配置されている。
以下、特定階層1Cよりも階高が小さい2つの一般階層1A,1Bに亘る一般ブレース10Aと、特定階層1Cを含む2つの一般階層1B及び特定階層1Cに亘る特定ブレース10Bに関する詳細構成について説明を加える。
一般ブレース10A及び特定ブレース10Bの夫々は、2つの階層1A,1B又は2つの階層1B,1Cに亘るものであるので、地震や強風による建物1の水平振動によりこれらブレース10A,10Bに作用する水平方向の変位量が比較的大きくなる。このことで、これらブレース10A,10Bに対して設けた制振ダンパ12により建物1の振動エネルギを効果的に減衰させることができる。また、このように2以上の階層1A,1B,1Cに亘るブレース10A,10Bを採用するにあたり、そのブレース10A,10Bを柱梁架構の前後両側に階層1A,1B,1C毎にずらしながら配置されている。このことで、ブレース10A,10Bが省スペースで合理的に配置されると共に、各階層1A,1B,1Cに対して確実に制振効果が発揮されることになる。
一般ブレース10A及び特定ブレース10Bの夫々は、2つの階層1A,1B又は2つの階層1B,1Cに亘るものであるので、地震や強風による建物1の水平振動によりこれらブレース10A,10Bに作用する水平方向の変位量が比較的大きくなる。このことで、これらブレース10A,10Bに対して設けた制振ダンパ12により建物1の振動エネルギを効果的に減衰させることができる。また、このように2以上の階層1A,1B,1Cに亘るブレース10A,10Bを採用するにあたり、そのブレース10A,10Bを柱梁架構の前後両側に階層1A,1B,1C毎にずらしながら配置されている。このことで、ブレース10A,10Bが省スペースで合理的に配置されると共に、各階層1A,1B,1Cに対して確実に制振効果が発揮されることになる。
逆V形の一般ブレース10Aの頂部11aは、一般階層である第2階層1Bの構面5Bにおける上側の大梁3の略中央の近傍に配置されている。その一般ブレース10Aの両端部11bの夫々は、一般階層である第1階層1Aの構面5Aにおける下側の左右両側の柱梁仕口部4に接続されている。
一方、V形の特定ブレース10Bは、上記一般ブレース10Aを構成するものと同じ長さのブレース部材11が採用されている。その特定ブレース10Bの頂部11aは、一般階層である第2階層1Bの構面5Bにおける下側の大梁3の略中央の近傍に配置されている。その特定ブレース10Bの両端部11bの夫々は、上記一般階層よりも階高が大きい特定階層である第3階層1Cの構面5Cにおける左右両側の柱2の中間位置に接続されている。更に、特定階層である第3階層1Cにおいて特定ブレース10Bの両端部11bの夫々は、水平姿勢の小梁として構成された連結部材15により連結されている。尚、構面5Cにおける柱2の中間位置とは、当該柱2の中心位置のみならず、当該柱2の上下の柱梁仕口部4を除き、それらに挟まれた位置も含む。
一方、V形の特定ブレース10Bは、上記一般ブレース10Aを構成するものと同じ長さのブレース部材11が採用されている。その特定ブレース10Bの頂部11aは、一般階層である第2階層1Bの構面5Bにおける下側の大梁3の略中央の近傍に配置されている。その特定ブレース10Bの両端部11bの夫々は、上記一般階層よりも階高が大きい特定階層である第3階層1Cの構面5Cにおける左右両側の柱2の中間位置に接続されている。更に、特定階層である第3階層1Cにおいて特定ブレース10Bの両端部11bの夫々は、水平姿勢の小梁として構成された連結部材15により連結されている。尚、構面5Cにおける柱2の中間位置とは、当該柱2の中心位置のみならず、当該柱2の上下の柱梁仕口部4を除き、それらに挟まれた位置も含む。
このような構成により、一般ブレース10Aと特定ブレース10Bの夫々において、地震や強風による建物1の水平振動によりブレース10A,10B,10Cに作用する水平方向の変位量が略同等のものになる。更に、柱2の中間位置に接続された特定ブレース10Bの両端部11bの夫々が、連結部材15により連結されているので、特定ブレース10Bの両端部11bの夫々が接続された柱2の中間位置における特定ブレース10Bから伝達される軸力による撓みが抑制されて、当該撓みに起因する特定ブレース10Bによる制振効果の減少が効果的に防止される。これらのことから、一般ブレース10Aと特定ブレース10Bとにより各階層1A,1B,1Cに対して同等で十分な制振効果が発揮されることになる。
更に、図1及び図3に示すように、特定階層である第3階層1Cにおいて、特定ブレース10Bの両端部11bが設けられた特定構面5Cの側方に隣接する隣接構面5Cnには、隣接構面補強用ブレース21が設けられている。この隣接構面補強用ブレース21は、隣接構面5Cnにおいて、柱2の幅内における後方側に配置されており、4隅の柱梁仕口部4を繋ぐ略X形のブレース部材21Aを有する。更に、隣接構面補強用ブレース21には、ブレース部材21Aの中心部に接続されて左右両側の柱2の中間位置同士を繋ぐ水平姿勢の小梁として構成された水平部材21Bを有する。即ち、この隣接構面補強用ブレース21において、水平部材21Bは、特定構面5Cに設けられた特定ブレース10Bの端部11bが接続された柱2の中間位置とブレース部材21Aの中心部、及び特定構面5C側とは反対側の柱2の中間位置とを繋ぐものとなる。
よって、隣接構面5Cnに設けられた隣接構面補強用ブレース21は、このような水平部材21Bを採用することで、それに隣接する特定構面5Cに設けられた特定ブレース10Bの端部11bが接続された柱2の中間位置を補強するものとなる。
よって、隣接構面5Cnに設けられた隣接構面補強用ブレース21は、このような水平部材21Bを採用することで、それに隣接する特定構面5Cに設けられた特定ブレース10Bの端部11bが接続された柱2の中間位置を補強するものとなる。
即ち、他の第1階層1A及び第2階層1Bよりも階高が大きい第3階層1Cの上記隣接構面5Cnに隣接構面補強用ブレース21が設けられているので、当該第3階層1Cの層間変位が小さくなって、特定ブレース10Bの両端部11bが接続された柱2を含む第3階層1Cの柱2の撓みが抑制される。更に、特定構面5Cに設けられた特定ブレース10Bの両端部11bが上述した連結部材15により連結されている上に、その両端部11bの少なくとも一方が接続された柱2の中間位置が、その特定構面5Cに隣接する隣接構面5Cnに設けられた隣接構面補強用ブレース21の特に水平部材21Bにより補強されている。よって、特定ブレース10Bの両端部11bの夫々が接続された柱2の中間位置における特定ブレース10Bから伝達される軸力による撓みが一層良好に抑制されて、当該撓みに起因する特定ブレース10Bによる制振効果の減少が一層効果的に防止されることになる。
〔別実施形態〕
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
本発明の他の実施形態について説明する。尚、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用することに限らず、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記実施形態では、夫々のブレース10A,10B,10Cの頂部11aを、大梁3の近傍に配置された状態でその側方に位置する柱梁仕口部4に対してオイルダンパ等の制振ダンパ12を介して接続したが、制振ダンパ12の配置や種類については適宜改変可能である。例えば、頂部11aと大梁3との間に粘性式の制振ダンパを介装させたり、ブレース10A,10B,10Cの軸方向の伸縮に対して効く制振ダンパをブレース10A,10B,10C自身に設けることも可能である。
また、このような制振ダンパを省略して、ブレース10A,10B,10Cの頂部11aを直接大梁3等に接合しても構わない。
また、このような制振ダンパを省略して、ブレース10A,10B,10Cの頂部11aを直接大梁3等に接合しても構わない。
(2)上記実施形態では、隣接構面5Cnに隣接構面補強用ブレース21を設けた例を説明したが、この隣接構面補強用ブレース21は適宜省略又は改変可能である。
(3)上記実施形態では、上下に連続する3つの階層1A,1B,1Cに対して制振構造を構築した例を説明したが、4つ以上の階層に対して制振構造を採用することもできる。また、一般ブレース10A及び特定ブレース10Bを、2つの階層1A,1B又は2つの階層1B,1Cに亘るものとして構成したが、これらのブレースを3以上の階層に亘るものとして構成しても構わない。
(4)上記実施形態では、上記水平部材21Bを、隣接構面5Cnにおいて左右両側の柱2の中間位置同士を繋ぐ水平姿勢の小梁として構成したが、この水平部材21Bは、特定構面5Cに設けられた特定ブレース10Bの一方側の端部11bが接続された柱2の中間位置と、隣接構面5Cnに設けられた隣接構面補強用ブレース21の中心部とを繋ぐものであればよく、隣接構面5Cnにおいて特定ブレース10Bの一方側の端部11bが接続されたものとは反対側の柱2に対して接続しなくても構わない。
また、隣接構面補強用ブレース21を省略した場合において、上記水平部材21Bを、隣接構面5Cnにおいて左右両側の柱2の中間位置同士を繋ぐ水平姿勢の小梁として設けることもできる。
また、隣接構面補強用ブレース21を省略した場合において、上記水平部材21Bを、隣接構面5Cnにおいて左右両側の柱2の中間位置同士を繋ぐ水平姿勢の小梁として設けることもできる。
(5)上記実施形態では、特定構面補強用ブレース21及びそれが有する水平部材21Bを、隣接構面5Cnにおいて柱2の幅内における後方側に配置したが、柱2の幅内における当該特定構面補強用ブレース21や当該水平部材21Bの配置箇所については適宜変更可能であり、柱2の幅内における前方側や中間位置に配置することもできる。例えば、隣接構面5Cnにおいて上記水平部材21Bを、それに隣接する特定構面5Cにおける特定ブレース10Bと同様に、柱2の幅内における前方側に配置すれば、水平部材21B及び特定ブレース10Bの端部11bの夫々が、柱2に対して幅内における同じ位置に接続されることになる。このことで、特定ブレース10Bから柱2に伝達される力を、柱2のねじり力を発生させることなくそのまま水平部材21Bに伝達させて好適に支持することができる。
1 建物
1A 第1階層(一般階層)
1B 第2階層(一般階層)
1C 第3階層(特定階層)
2 柱
3 大梁(梁)
4 柱梁仕口部
5A 第1構面
5B 第2構面
5C 第3構面(特定構面)
5Cn 隣接構面
10A 第1ブレース(一般ブレース)
10B 第2ブレース(特定ブレース)
10C 第3ブレース
11 ブレース部材
11a 頂部
11b 端部
12 制振ダンパ
15 連結部材
21 隣接構面補強用ブレース
21A ブレース部材
21B 水平部材
1A 第1階層(一般階層)
1B 第2階層(一般階層)
1C 第3階層(特定階層)
2 柱
3 大梁(梁)
4 柱梁仕口部
5A 第1構面
5B 第2構面
5C 第3構面(特定構面)
5Cn 隣接構面
10A 第1ブレース(一般ブレース)
10B 第2ブレース(特定ブレース)
10C 第3ブレース
11 ブレース部材
11a 頂部
11b 端部
12 制振ダンパ
15 連結部材
21 隣接構面補強用ブレース
21A ブレース部材
21B 水平部材
Claims (3)
- 複数の階層を有する建物において、2以上の階層に亘るブレースを柱梁架構の前後両側に階層毎にずらしながら配置して構成されており、
前記ブレースが、柱側に接続された両端部の夫々から梁側に接続された頂部に亘る2つのブレース部材からなるV形又は逆V形に構成されている建物の制振構造であって、
前記複数の階層が、階高が他の一般階層よりも大きい特定階層を含むと共に、
前記ブレースとして、前記特定階層を含まない2以上の階層に亘る一般ブレースと、前記特定階層を含む2以上の階層に亘る特定ブレースとを備え、
前記一般ブレースの両端部の夫々が、前記一般階層の前記柱梁架構における柱梁仕口部に接続されており、
前記特定ブレースを構成するブレース部材が、前記一般ブレースを構成するブレース部材と略同じ長さのものであると共に、当該特定ブレースの両端部の夫々が、前記特定階層の前記柱梁架構における柱の中間位置に接続されており、
前記特定階層において前記特定ブレースの両端部の夫々を連結する連結部材が設けられている建物の制振構造。 - 前記ブレースの頂部が、梁の近傍配置された状態でその側方に位置する柱梁仕口部に対して制振ダンパを介して接続されている請求項1に記載の建物の制振構造。
- 前記特定階層において、前記特定ブレースの両端部が設けられた柱梁架構の構面である特定構面の側方に隣接する柱梁架構の構面である隣接構面に、隣接構面補強用ブレースが設けられており、
前記隣接構面補強用ブレースが、前記特定構面に設けられた特定ブレースの端部が接続された柱の中間位置を補強するものとして構成されている請求項1又は2に記載の建物の制振構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022046817A JP2023140796A (ja) | 2022-03-23 | 2022-03-23 | 建物の制振構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022046817A JP2023140796A (ja) | 2022-03-23 | 2022-03-23 | 建物の制振構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023140796A true JP2023140796A (ja) | 2023-10-05 |
Family
ID=88205379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022046817A Pending JP2023140796A (ja) | 2022-03-23 | 2022-03-23 | 建物の制振構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023140796A (ja) |
-
2022
- 2022-03-23 JP JP2022046817A patent/JP2023140796A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2017150179A (ja) | 減振構造を有する柱梁構造 | |
JP2009052251A (ja) | 制振建物、建物の制振方法、鉄筋コンクリート造の建物、鉄筋コンクリート造の建物の長周期化方法 | |
JP2023140796A (ja) | 建物の制振構造 | |
JP5940416B2 (ja) | 建物 | |
JP5059687B2 (ja) | 建物の連結制震構造 | |
JP7154328B2 (ja) | 制振建物 | |
JPH10280725A (ja) | 制振躯体構造 | |
JPH10280727A (ja) | 複合型ダンパーによる制振架構及び制振方法 | |
JP7024334B2 (ja) | 構造物及び構造物の設計方法 | |
JP5369626B2 (ja) | 複合制振架構 | |
JP4994009B2 (ja) | 鉄骨制振架構を有する建築物 | |
JP5180559B2 (ja) | 制震構造及び建物 | |
JP5348860B2 (ja) | 制震構造物 | |
JP7379800B2 (ja) | 建物 | |
JP4368504B2 (ja) | 柱梁架構における制振装置 | |
JP7438154B2 (ja) | 制振建物 | |
JP4846424B2 (ja) | 構造物の制振構造 | |
JP5053554B2 (ja) | 制振装置 | |
JP7367453B2 (ja) | 制震構造 | |
JP6364728B2 (ja) | 制振構造 | |
JP2010242381A (ja) | 建物の制振構造及びこれを備えた建物 | |
JP2024030823A (ja) | 制振建物 | |
JP2011006987A (ja) | ユニット建物 | |
JP2010189903A (ja) | 建物の制振架構 | |
JP2009197501A (ja) | 建物の制震構造 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20241219 |