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JP2023087543A - 光電変換装置及び機器 - Google Patents

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JP2023087543A JP2021201993A JP2021201993A JP2023087543A JP 2023087543 A JP2023087543 A JP 2023087543A JP 2021201993 A JP2021201993 A JP 2021201993A JP 2021201993 A JP2021201993 A JP 2021201993A JP 2023087543 A JP2023087543 A JP 2023087543A
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Abstract

【課題】AD変換の精度を向上する。【解決手段】光電変換装置は、複数の画素回路と、複数の画素回路から読み出されたアナログ信号をAD変換期間にAD変換することによってデジタルデータを生成する複数のAD変換回路と、複数のAD変換回路によって生成されたデジタルデータを記憶する複数のメモリ回路と、複数のメモリ回路のうちの2つ以上のメモリ回路にそれぞれが接続されている複数の出力回路と、複数の出力回路の何れかを選択し、選択された出力回路に接続されている2つ以上のメモリ回路の何れかを選択することによって、選択されたメモリ回路に記憶されているデジタルデータを出力線に読み出す走査回路と、を備える。走査回路は、AD変換期間の長さをTとして、AD変換期間の開始から0.35T経過してから0.65T経過するまでの期間を少なくとも含む禁止期間中に、複数の出力回路からの出力回路の選択を変更しない。【選択図】図7

Description

本発明は、光電変換装置及び機器に関する。
光電変換装置からデータを高速に読み出すための様々な技術が提案されている。特許文献1は、画素列ごとにAD変換回路及びメモリ回路を備える光電変換装置を提案する。メモリ回路からデジタルデータを読み出している間に、次の画素行からのアナログ信号をAD変換することによって、データ読出しが高速化される。また、複数のメモリ回路は、複数のブロックに分割されており、各ブロックに含まれる2つ以上のメモリ回路が共通の出力回路に接続される。水平走査回路は、複数の出力回路の何れかを選択し、選択された出力回路に接続された2つ以上のメモリ回路の何れかを選択することによって、選択されたメモリ回路からデータ出力線にデジタルデータを読み出す。
特開2015-198365号公報
特許文献1に記載された光電変換装置において、出力回路の選択状態を変更する際に、2つ以上のメモリ回路がデータ出力線に接続されたり、接続解除されたりする。この接続状態の変化によって生じる電源変動は、AD変換動作に影響を与えうる。本発明は、AD変換の精度を向上することを目的とする。
上記課題に鑑みて、複数の画素回路と、前記複数の画素回路から読み出されたアナログ信号をAD変換期間にAD変換することによってデジタルデータを生成する複数のAD変換回路と、前記複数のAD変換回路によって生成された前記デジタルデータを記憶する複数のメモリ回路と、前記複数のメモリ回路のうちの2つ以上のメモリ回路にそれぞれが接続されている複数の出力回路と、前記複数の出力回路の何れかを選択し、前記選択された出力回路に接続されている2つ以上のメモリ回路の何れかを選択することによって、前記選択されたメモリ回路に記憶されている前記デジタルデータを出力線に読み出す走査回路と、を備え、前記走査回路は、前記AD変換期間の長さをTとして、前記AD変換期間の開始から0.35T経過してから0.65T経過するまでの期間を少なくとも含む禁止期間中に、前記複数の出力回路からの出力回路の選択を変更しない、光電変換装置が提供される。
上記手段により、AD変換の精度が向上する。
第1実施形態の撮像装置の構成例を示すブロック図。 第1実施形態の光電変換装置の構成例を示すブロック図。 第1実施形態の画素回路及び列回路の構成例を示す等価回路図。 第1実施形態のメモリブロック及びその周辺の回路の構成例を示すブロック図。 第1実施形態の光電変換装置の動作例の概要を示すタイミング図。 第1実施形態の光電変換装置の動作例の詳細を示すタイミング図。 第1実施形態の光電変換装置の動作例の詳細を示すタイミング図。 第2実施形態の光電変換装置の構成例を示すブロック図。 第2実施形態の光電変換装置の動作例の詳細を示すタイミング図。 第1実施形態の光電変換装置の動作例の詳細を示すタイミング図。 その他の実施形態の構成例を示すブロック図。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
以下に述べる光電変換装置は、撮像を行うイメージセンサ(例えばCMOSイメージセンサ)であってもよい。ただし、撮像を行うイメージセンサに限られるものではなく、他の例にも適用可能である。例えば、測距装置(焦点検出やTOF(Time Of Flight)を用いた距離測定等の装置)、測光装置(入射光量の測定等の装置)などがある。
<第1実施形態>
図1を参照して、第1実施形態に係る撮像装置100の構成例について説明する。撮像装置100は、例えば、図1に示す構成要素を備える。光電変換装置101は、複数の画素回路が2次元配置された画素領域を備え、入射光に応じた撮像信号データを出力することが可能である。光電変換装置101の詳細構成は後述する。全体制御回路102は、撮像装置100の各構成要素の動作を制御する。また、撮像信号データに対して記録・再生用画像を生成するための現像や圧縮等の信号処理を行う。入力装置103は、ユーザ等による外部から全体制御回路102への、撮影の実行指示や、撮像装置100の駆動モード設定などに関する入力を受け付ける。
タイミング発生回路104は、全体制御回路102からの制御信号に従って、光電変換装置101及び信号処理回路107を駆動するためのタイミング信号を生成する。撮影レンズ105は、被写体の光学像を光電変換装置101に結像させる。撮影レンズ105は、撮像装置100の本体から着脱可能であってもよいし着脱不能であってもよい。レンズ駆動機構106は、撮影レンズ105を駆動し、具体的に、全体制御回路102からの制御信号に従って、フォーカス制御や、ズーム制御、絞り制御等を行う。信号処理回路107は、光電変換装置101から出力される撮像信号データに対して、補正等の信号処理を行う。
表示装置108は、再生用画像や、撮像装置100の駆動モード設定などの情報を表示する。記録装置109は不図示の記録媒体を備え、記録用画像データを記録する。記録媒体として、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリが用いられる。記録媒体は記録装置109から着脱可能であってもよいし着脱不能であってもよい。
図2を参照して、上述の光電変換装置101の構成例について説明する。画素領域200に、複数の画素回路201が行列状に配置されている。本実施形態では、説明を簡易化するために、10行×16列の画素回路201を備える例を示しているが、画素回路201の行数及び列数はこれに限定されない。画素回路201は、光電変換部を備え、入射光に応じたアナログ信号を画素信号として出力可能である。さらに、画素回路201は、リセット状態にある場合のアナログ信号を出力可能である。画素領域200のうち、上端の一行及び左端の二列(図2の網掛け部分)に含まれる画素回路201は遮光されたOB(オプティカルブラック)画素回路201aである。OB画素回路201aの出力は、他の画素回路201の信号補正に利用される。
垂直走査回路202は、画素領域200に対し、行単位で画素信号の読み出しタイミングを制御する。画素領域200の複数の画素列に対応して複数の列回路203が設けられる。図2の例では、16列の画素列に対応して16個の列回路203が設けられており、画素列と列回路203とが1対1に対応している。列回路203は、AD(アナログ・デジタル)変換回路を含む。AD変換回路は、各画素列の画素回路201から読み出されたアナログ信号をAD変換することによってデジタルデータを生成する。複数の列回路203に共通にカウンタ回路204が設けられている。カウンタ回路204から出力されたカウント信号が列回路203のAD変換回路で参照され、AD変換に利用される。
複数の列回路203に対応して、複数のメモリ回路205が設けられる。図2の例では、列回路203とメモリ回路205とが1対1に対応している。メモリ回路205は、列回路203のAD変換回路によって生成されたデジタルデータを一時的に記憶する。列回路203に対応してメモリ回路205を設けることによって、列回路203における画素信号のAD変換動作と並行してメモリ回路205からデジタルデータの出力を行うことが可能となる。複数のメモリ回路205は、複数のメモリブロック206に分割されている。図2の例では、4列分のメモリ回路205によって1つのメモリブロック206が構成される。
複数のメモリブロック206のそれぞれに対して、ブロックデジタル出力線207が設けられている。メモリ回路205に保持された信号データは、対応するメモリブロック206のブロックデジタル出力線207を介して出力される。複数のブロックデジタル出力線207のそれぞれに対して、出力回路208が設けられている。出力回路208は、ブロックデジタル出力線207と共通デジタル出力線209との間に設けられ、共通デジタル出力線209とブロックデジタル出力線207との電気的な接続状態をメモリブロック206単位で制御するために使用される。1つの出力回路208は、対応するメモリブロック206に含まれる2つ以上(図2の例では4つ)のメモリ回路205にブロックデジタル出力線207を介して接続されている。共通デジタル出力線209を通じて、デジタルデータが光電変換装置101の外部に出力される。水平走査回路210は、出力回路208による共通デジタル出力線209とブロックデジタル出力線207との電気的な接続状態、及び、各メモリ回路205の出力タイミングを制御する。
図3を参照して、画素回路201及び列回路203の回路構成例について説明する。画素回路201はフォトダイオードPDを備える。フォトダイオードPDは、光電変換部として機能し、入射光に応じた電荷を蓄積可能である。また、画素回路201は、転送トランジスタM1と、リセットトランジスタM2と、フローティングディフュージョンFDと、増幅トランジスタM3と、選択トランジスタM4とを有する。フローティングディフュージョンFDは、電荷保持部として動作可能である。トランジスタM1~M4のゲートにはそれぞれ制御信号が垂直走査回路202から入力される。トランジスタM1~M4は、制御信号がハイレベルの間にオン状態となり、ローレベルの間にオフ状態となる。各制御信号は、画素領域200の画素行単位で共通に入力され、同一画素行に配された画素回路201同士は共通の制御信号によって同時に駆動される。
転送トランジスタM1は制御信号PTXによって制御される。転送トランジスタM1がオン状態の間に、フォトダイオードPDに蓄積された電荷がフローティングディフュージョンFDへ転送される。リセットトランジスタM2は制御信号PRESによって制御される。リセットトランジスタM2がオン状態となることによって、フローティングディフュージョンFDの電位が電源電位VDDによってリセットされる。また、制御信号PRESと制御信号PTXとを同時にオン状態とすることで、フォトダイオードPDの蓄積電荷をリセット可能である。選択トランジスタM4は制御信号PSELによって制御される。フローティングディフュージョンFDの電荷量に応じて増幅トランジスタM3が増幅変換した信号電圧は、増幅トランジスタM3がオン状態の間に、垂直信号線VLへ画素信号として伝達される。
列回路203は、AD変換回路を備える。図3の例では、AD変換回路としてスロープ型のAD変換回路を備えた例を示す。これに代えて、逐次比較型などの他のAD変換回路が使用されてもよい。AD変換回路は、比較器301及びラッチ回路302、303を含む。画素回路201から垂直出力線VLを介して入力された信号電圧は、比較器301に入力される。比較器301は入力信号Vinと参照信号RAMPとを比較し、比較結果を比較信号COMPとして出力する。参照信号RAMPは、不図示のランプ生成回路によって生成されるランプ電圧であり、各列の比較器301に共通に供給される。比較器301は入力信号Vinと参照電圧RAMPとの大小を比較する。比較器301は、入力信号Vinが参照信号Rampを下回る場合はローレベル、入力信号Vinが参照信号RAMPを上回る場合はハイレベルを、比較信号COMPとして出力する。
ラッチ回路302、303には、比較信号COMPと、カウンタ回路204から供給されるカウント値を示す複数ビットのデータとが入力される。さらに、ラッチ回路302には選択信号SEL_Nが入力される。ラッチ回路302は、選択信号SEL_Nがハイレベルの間、比較信号COMPの入力を受け付ける。ラッチ回路302は、比較信号COMPがハイレベルからローレベルに切り替わったタイミングで、カウンタ回路204から入力されるカウント値の各ビットデータを信号データとしてラッチする。また、ラッチ回路303には選択信号SEL_Sが入力される。ラッチ回路303は選択信号SEL_Sがハイレベルの間、比較信号COMPの入力を受け付ける。ラッチ回路303は、比較信号COMPがハイレベルからローレベルに切り替わったタイミングで、カウンタ回路204から入力されるカウント値の各ビットデータを信号データとしてラッチする。図3の例では、カウント回路13からカウント値としてnビットのデータが出力され、ラッチ回路302、303がそれぞれnビットのデータをラッチ可能な構成が示される。これに代えて、ラッチ可能なデータのビット数はラッチ回路302とラッチ回路303とで異なっていてもよい。
図4を参照して、メモリ回路205から共通デジタル出力線209までの構成例を説明する。図4の例では、各メモリブロック206が4画素列分のメモリ回路205を有する。複数の列回路203のうち特定の1つを参照する場合に、添え字xを付して列回路203_xのように表す。複数のメモリ回路205のうち特定の1つを参照する場合に、添え字xを付してメモリ回路205_xのように表す。複数のメモリブロック206のうち特定の1つを参照する場合に、添え字iを付してメモリブロック206_iのように表す。複数のブロックデジタル出力線207のうち特定の1つを参照する場合に、添え字iを付してブロックデジタル出力線207_iのように表す。複数の出力回路208のうち特定の1つを参照する場合に、添え字iを付して出力回路208_iのように表す。添え字xは、x番目の画素列に対応する要素であることを示し、1以上、画素列数以下の整数である。添え字iは、i番目のメモリブロックに対応する要素であることを示し、1以上、(画素列数/4)以下の整数である。
メモリ回路205_xは列回路203_xのラッチ回路302、303が出力する各ビットデータを、各画素列に共通に与えられるメモリ転送信号MTXに従って保持する。メモリ回路205_xの出力端に列選択回路400_xが接続されている。列選択回路400_xは、メモリ回路205_xを、水平走査回路210から列ごとに入力される読み出し信号READ_xに従って、ブロックデジタル出力線207_iに接続する。ブロックデジタル出力線207_iはメモリブロック206_iごとに設けられ、接続されたデジタルメモリから各ビットデータを伝送可能である。
出力回路208iは、水平走査回路210からメモリブロックごとに入力されるブロック選択信号BSEL_iがハイレベルの間、ブロックデジタル出力線207_iを共通デジタル出力線209に接続する。共通デジタル出力線209は、複数のメモリブロック206に共通に設けられ、出力回路208_iを介して接続されたメモリブロック206_iの各ビットデータを伝送可能である。
図5及び図6を参照して、光電変換装置101からのデジタルデータの読み出し動作例について説明する。図5には、特定の画素行(以降、y行目とする)とその前後の画素行とについて、各画素行の動作の時間的な前後関係を示している。1つの画素行に対する処理は、画素回路201から読み出されたアナログ信号に対応するデジタルデータを生成するデータ生成動作と、生成されたデジタルデータを外部に出力するデータ出力動作とを含む。データ生成動作では、同一の画素行に含まれる複数の画素回路201について並行してデジタルデータが生成される。データ出力動作では、同一の画素行に含まれる複数の画素回路201について順番にデジタルデータが出力される。光電変換装置101は、y行目の画素行についてのデータ生成動作とy-1行目の画素行についてのデータ出力動作とが時間的に重畳するように構成される。また、光電変換装置101は、y+1行目の画素行についてのデータ生成動作とy行目の画素行についてのデータ出力動作とが時間的に重畳するように構成される。
図6を参照して、は、画素信号のAD変換を含むデータ生成動作と、メモリ回路205からのデータ出力動作の詳細について説明する。時刻T00~T10にy行目の画素回路201についてのデータ生成動作を示し、時刻T11~T14にメモリ回路205からy行目の画素回路201についてのデータ出力動作を示す。時刻T00~T10に、y行目の画素回路201についてのデータ生成動作と並行して、y-1行目の画素回路201についてのデータ出力動作が行われる。また、時刻T11~T14に、y+1行目の画素回路201についてのデータ生成動作と並行して、y行目の画素回路201についてのデータ出力動作が行われる。制御信号PSEL、PRES及びPTXは、画素行ごとに異なるタイミングでレベルが切り替わる。そこで、各画素行の画素回路201に供給される制御信号を添え字を付すことによって区別する。例えば、y行目の画素回路201に供給される制御信号PSELをPSEL_yと表す。
y行目の画素回路201についてのデータ生成動作は、時刻T00に、制御信号PSEL_yがハイレベルに切り替わることによって開始される。これによって、y行目の画素回路201の選択トランジスタM4がオン状態となり、増幅トランジスタM3が垂直出力線VLに接続される。
時刻T01に、制御信号PRES_yがローレベルに切り替わることによって、リセットトランジスタM2がオフ状態に遷移し、フローティングディフュージョンFDのリセットが解除される。その後、所定の時間が経過後の時刻T02に、画素のリセットレベルに対するAD変換動作が開始される。時刻T01~T02の間隔は、リセット解除後に垂直出力線VLの電圧が安定すると想定される長さに設定されている。
AD変換動作は、AD変換回路の比較器301に対してランプ信号RAMPの供給が開始されることによって開始される。ランプ信号RAMPとは、時間の結果とともに一定の比率で電圧レベルが変化する信号のことである。ランプ信号RAMPの供給開始とともに、カウンタ回路204は、時刻T02からカウントを開始し、ランプ信号RAMPが供給されている間の時間をカウントする。ランプ信号RAMPの供給開始及びカウンタ回路204のカウント開始とともに、選択信号SEL_Nがハイレベルに切り替わる。これによって、ラッチ回路302が比較信号COMPの入力の受け付けを開始する。
比較器301は、垂直出力線VLを介して入力される入力電圧Vinと、ランプ信号RAMPとの電圧レベルとの大小を比較する。このとき、入力電圧Vinは、画素回路201のフローティングディフュージョンFDのリセットレベルに基づく電圧レベルに安定している。この時点の入力電圧Vinは、リセット状態である画素回路201から読み出されるアナログ信号である。このようなアナログ信号を、以下ではN信号と表す。ランプ信号RAMPの電圧レベルが時間の経過とともに低下し、入力電圧Vinを下回ると、比較信号COMPがローレベルに切り替わる。この時刻をT03とする。比較信号COMPのローレベルへの変化に応じて、ラッチ回路302は、カウンタ回路204によるカウント値の各ビットデータをラッチする。このときラッチされたデジタルデータは、画素回路201から読み出されたN信号を表す。以下、N信号を表すデジタルデータをN信号データと表す。
時刻T04に、AD変換回路の比較器301に対するランプ信号RAMPの供給が終了する。これによって、画素回路201のN信号のAD変換動作が終了する。AD変換回路の比較器301に対するランプ信号RAMPの供給の終了とともに、選択信号SEL_Nがローレベルに切り替わる。これによって、ラッチ回路302による比較信号COMPの受け付けを停止する。また、AD変換回路の比較器301に対するランプ信号RAMPの供給の終了とともに、カウンタ回路204は、カウントを停止する。ランプ信号RAMP及びカウンタ回路204は、次のAD変換動作の前にそれぞれリセットされる。
時刻T05に、制御信号PTX_yがハイレベルに切り替わり、時刻T06までハイレベルに維持される。これによって、フォトダイオードPDに蓄積された信号電荷がフローティングディフュージョンFDに転送される。フォトダイオードPDには、以前の読み出しが終了してからここまでに画素回路201(具体的には、そのフォトダイオードPD)に入射した光量に応じた電荷が蓄積されている。フォトダイオードPDから転送された電荷量に応じてフローティングディフュージョンFDの電位が変動する。これに応じて、入力電圧Vinは、フローティングディフュージョンFDの電位に基づく電圧レベルに変化する。この時点の入力電圧Vinは、入射光に応じた電荷が蓄積された状態の画素回路201から読み出されるアナログ信号である。このようなアナログ信号を、以下ではS信号と表す。S信号は、画素回路201のリセットレベルに光信号レベルが重畳した値を有する。フォトダイオードに光が入射していない場合に(例えば、OB画素回路201aについて)、S信号は、図6の破線で示すようにN信号と概略等しい値となる。
時刻T06に、制御信号PTX_yがローレベルに切り替わる。これによって、フォトダイオードPDからの信号電荷の転送が終了する。これと同時に、入力電圧Vinに対するAD変換動作が再び開始される。時刻T06から開始されるAD変換動作は、時刻T02から開始された上述のAD変換動作と同様である。ただし、今回のAD変換動作では、結果をラッチ回路302に保持させるために、AD変換動作の開始とともに、選択信号SEL_Sがハイレベルに切り替わる。フォトダイオードPDに光が入射しなかった場合に(例えば、OB画素回路201aについて)比較信号COMPが反転した時刻をT07aで表す。また、何らかの光量が入射した場合に比較信号COMPが反転した時刻をT07bで表す。このときラッチされたデジタルデータは、画素回路201から読み出されたS信号を表す。以下、S信号を表すデジタルデータをS信号データと表す。
時刻T08に、AD変換回路の比較器301に対するランプ信号RAMPの供給が終了する。これによって、画素回路201のS信号のAD変換動作が終了する。AD変換回路の比較器301に対するランプ信号RAMPの供給の終了とともに、選択信号SEL_Sがローレベルに切り替わる。これによって、ラッチ回路303による比較信号COMPの受け付けを停止する。また、AD変換回路の比較器301に対するランプ信号RAMPの供給の終了とともに、カウンタ回路204は、カウントを停止する。ランプ信号RAMP及びカウンタ回路204は、次のAD変換動作の前にそれぞれリセットされる。
時刻T09に、制御信号PRES_yがハイレベルに切り替わる。これによって、リセットトランジスタM2がオン状態に遷移し、フローティングディフュージョンFDのリセットが開始される。時刻T10に、制御信号PSEL_yがローレベルに切り替わる。これによって、y行目の画素回路201の選択トランジスタM4がオフ状態となり、増幅トランジスタM3の垂直出力線VLへの接続が解除される。以上のように、制御信号PSEL_yがローレベルに切り替わることによって、y行目の画素回路201についてのデータ生成動作の動作が終了する。
S信号に対するAD変換動作の終了後、時刻T08からT11までの間の任意のタイミングで、メモリ回路205に供給されるメモリ転送信号MTXが一時的に(図6の例では時刻T09~T10の間)ハイレベルに切り替わる。これによって、ラッチ回路302にラッチされたN信号データと、ラッチ回路303にラッチされたS信号データとが、メモリ回路205に記憶される。以下では、N信号データとS信号データとを合わせて信号データと表す。
y行目の画素回路201についての信号データがメモリ回路205に記憶された後、時刻T11から、y行目の画素回路201についてのデータ出力動作が開始される。具体的に、メモリ回路205に記憶されたデジタルデータが共通デジタル出力線209を通じて光電変換装置101の外部(例えば、図1の信号処理回路107)へ出力される。
時刻TB1~TB2の間、ブロック選択信号BSEL_1がハイレベルとなる。これによって、メモリブロック206_1が選択され、ブロックデジタル出力線207_1が共通デジタル出力線209に接続される。ブロック選択信号BSEL_1がハイレベルの間に、読み出し信号READ_1~READ_4が順次送られ、メモリ回路205_1~205_4が順に選択される。メモリ回路205_1~205_4がブロックデジタル出力線207_1に順次接続されることで、メモリ回路205_1~205_4に記憶された信号データが順に共通デジタル出力線209から出力される。
同様にして、時刻TB2~TB3の間に、メモリブロック206_2が選択され、メモリ回路205_5~205_8に記憶された信号データが順に共通デジタル出力線209から出力される。時刻TB3~TB4の間に、メモリブロック206_3が選択され、メモリ回路205_9~205_12に記憶された信号データが順に共通デジタル出力線209から出力される。時刻TB4~TB5の間に、メモリブロック206_4が選択され、メモリ回路205_13~205_16に記憶された信号データが順に共通デジタル出力線209から出力される。すべてのメモリ回路205からデジタルデータが読み出されることによって、y行目の画素回路201についてのデータ出力動作が終了する。
光電変換装置101の外部に出力された信号データは、信号処理回路107において処理される。例えば、信号処理回路107は、S信号データからN信号データを減算することで、S信号データに含まれるノイズ成分を除去し、入射光に応じた成分を抽出する。減算処置を行う機能は、光電変換装置101に設けられた回路によって行われてもよい。
図7を参照して、水平走査回路210の動作の詳細について説明する。図7は、図6のタイミング図の一部の信号及び一部の期間に着目した図である。上述のように、水平走査回路210は、複数の出力回路208に制御信号BSELを供給することによって、複数の出力回路208から特定の出力回路208を選択する。
特定の出力回路208が選択されると、その出力回路208に接続されたブロックデジタル出力線207と共通デジタル出力線209とが接続される。特定の出力回路208の選択が解除されると、その出力回路208に接続されたブロックデジタル出力線207と共通デジタル出力線209とが切断される。このような接続状態の変化により、電源配線を介して、列回路203や垂直出力線VLに電源変動が発生する。このような電源変動がAD変換動作中の比較器301の出力の反転(すなわち、デジタルデータのビット値の確定)の付近で発生してしまうと、AD変換で得られる値に誤差が発生してしまう。特に、N信号や、OB画素回路201aからのS信号のような比較的小さな値を有する信号がこのような電源変動の影響を受けやすい。
そこで、本実施形態の水平走査回路210は、N信号に対するAD変換動作中の比較器301の出力の反転の付近で、複数の出力回路208からの出力回路の選択を変更しないように動作する。出力回路208の選択の変更とは、新たに出力回路208を選択することと、出力回路208の選択を解除することとを含む。新たに出力回路208を選択することは、出力回路208へ供給する制御信号BSELをハイレベルに切り換えることによって行われる。出力回路208の選択を解除することは、出力回路208へ供給する制御信号BSELをローレベルに切り換えることによって行われる。複数の出力回路208からの出力回路208の選択を変更しない期間のことを禁止期間と表す。すなわち、水平走査回路210は、禁止期間中に出力回路208の選択を変更せず、他の期間に出力回路208の選択を変更する。
まず、N信号に対するAD変換動作の禁止期間について説明する。N信号に対するAD変換動作が行われる期間をAD変換期間1と表す。AD変換期間1に含まれる禁止期間を禁止期間1と表す。上述のように、AD変換期間1は、AD変換動作を行うためにランプ信号が変化している期間であってもよい。光電変換装置101は、N信号に対するAD変換動作中の比較器301の出力が反転する時刻がAD変換期間1の中央に位置するように設計される。そこで、禁止期間1に、AD変換期間1(時刻T02~T04)の中央の時刻TC4を含める。また、実際のN信号の値によって、比較器301の出力が反転する時刻は変化する。そこで、禁止期間1は、ある程度の長さを有する。
禁止期間1の中央は、AD変換期間1(時刻T02~T04)の中央(時刻TC4)に一致してもよいし、そこからずれていてもよい。AD変換期間1の長さをTとして、禁止期間1の長さは、例えばTの30%であってもよいし、50%であってもよい。禁止期間1の長さをTの30%とした場合に、禁止期間1は、AD変換期間1の開始から0.35T経過してから0.65T経過するまでの期間であってもよい。禁止期間1の長さをTの50%とした場合に、禁止期間1は、AD変換期間1の開始から0.25T経過してから0.75T経過するまでの期間であってもよい。
禁止期間1が長いほど、比較器301の出力が反転する時刻が禁止期間1に含まれる可能性が高くなる。一方、禁止期間1が長いほど、出力回路208の選択の変更が制限される期間が長くなる。そのため、禁止期間1の長さは、両者のトレードオフを考慮して設計される。禁止期間1は、AD変換期間1よりも短くてもよいし、AD変換期間1と同じであってもよい。
図7の例において、水平走査回路210は、時刻T00で、制御信号BSEL_1をハイレベルに切り換えることによって、出力回路208_1を選択する。その後、水平走査回路210は、時刻TC2で、制御信号BSEL_1をローレベルに切り換えることによって、出力回路208_1の選択を解除するとともに、制御信号BSEL_2をハイレベルに切り換えることによって、出力回路208_2を選択する。その後、時刻TC3で禁止期間1が開始するため、水平走査回路210は、出力回路208の選択を変更しない。具体的に、水平走査回路210は、出力回路208_2が選択された状態を維持する。
時刻TC4で、禁止期間1が終了する。その後、水平走査回路210は、時刻T04で、制御信号BSEL_2をローレベルに切り換えることによって、出力回路208_2の選択を解除するとともに、制御信号BSEL_3をハイレベルに切り換えることによって、出力回路208_3を選択する。上述の例では、N信号データが確定する時刻T03が禁止期間1に含まれる。
続いて、S信号に対するAD変換動作の禁止期間について説明する。S信号に対するAD変換動作が行われる期間をAD変換期間2と表す。AD変換期間2に含まれる禁止期間を禁止期間2と表す。上述のように、AD変換期間2は、AD変換動作を行うためにランプ信号が変化している期間であってもよい。
上述のように、AD変換されるアナログ信号の値が大きければ、電源変動の影響を受けにくい。そこで、AD変換期間2の前半に禁止期間2が設定される。禁止期間2の長さは、禁止期間1の長さと同じであってもよい。また、AD変換期間2の開始から禁止期間2の開始までの長さは、AD変換期間1の開始から禁止期間1の開始までの長さと同じであってもよい。AD変換期間1の長さをTとして、禁止期間2の長さは、例えばTの30%であってもよいし、50%であってもよい。禁止期間1の長さをTの30%とした場合に、禁止期間2は、AD変換期間2の開始から0.35T経過してから0.65T経過するまでの期間であってもよい。禁止期間2の長さをTの50%とした場合に、禁止期間2は、AD変換期間2の開始から0.25T経過してから0.75T経過するまでの期間であってもよい。
図7の例において、水平走査回路210は、時刻TC5で、制御信号BSEL_3をローレベルに切り換えることによって、出力回路208_3の選択を解除する。また、水平走査回路210は、時刻TC5で、制御信号BSEL_4をハイレベルに切り換えることによって、出力回路208_4を選択する。その後、時刻TC6で禁止期間2が開始するため、水平走査回路210は、出力回路208の選択を変更しない。具体的に、水平走査回路210は、出力回路208_4が選択された状態を維持する。
時刻TC7で、禁止期間2が終了する。その後、水平走査回路210は、時刻TC8で、制御信号BSEL_4をローレベルに切り換えることによって、出力回路208_4の選択を解除する。上述の例では、OB画素回路201aについてS信号データが確定する時刻T07aが禁止期間2に含まれる。
電源変動がAD変換動作に与える影響をN信号とS信号とで近くなるように出力回路208の選択が変更されてもよい。例えば、AD変換期間1の開始から、禁止期間1の開始までに出力回路208の選択が最後に変更されるまでの時間(TC2-T02)は、AD変換期間2の開始から、禁止期間2の開始までに出力回路208の選択が最後に変更されるまでの時間(TC5-T06)に等しくてもよい。
以上、本実施形態によれば、出力回路208の選択の変更がAD変換に与える影響を軽減できる。それにより、AD変換の精度が向上する。
また、比較器301にAD変換期間1に先立ってオフセットを保持させることで、N信号のAD変換における比較信号COMPのローレベルへの変化タイミングを制御してもよい。このような動作はオートゼロ動作とも呼ばれる。例えば、特開2021-64859号公報の図2に記載の構成で、同公報図3に記載の時刻t1~t12までの動作によって複数の比較器301にオフセットを付与し、当該オフセットを保持させるようにしてもよい。この場合には、N信号のAD変換において、典型的にはAD変換期間1の中央付近に比較信号COMPのローレベルへの変化タイミングが設定される。このため、本実施形態のように、禁止期間1をAD変換期間1の中央付近(AD変換期間の長さをTとして、開始してから0.35T経過してから0.65Tを経過するまでの期間)に設ける。これにより、本実施形態の効果を得やすくすることができる。また、禁止期間1を、AD変換期間1の開始から0.25T経過してから0.75T経過するまでの期間とすることによっても、複数の出力回路208からの出力回路の選択を変更する動作と、比較信号COMPのローレベルへの変化タイミングとが重なりにくくすることができる。
<第2実施形態>
第1実施形態は、すべてのメモリ回路205からデータが読み出される動作モードで光電変換装置101が動作する場合について説明した。このような動作モードを全メモリモードと呼ぶ。第2実施形態において、光電変換装置101は、全メモリモードに代えて又はこれに加えて、一部のメモリ回路205からのみデータが読み出される動作モードで動作可能である。このように、選択される出力回路208の個数が少ない動作モードを部分メモリモードと呼ぶ。例えば、隣接する画素列の信号をビニングして読み出す場合や、一部の画素列のみから信号を読み出す場合(すなわち、クロップ読み出しの場合)に、光電変換装置101は部分メモリモードで動作する。
以下では、部分メモリモードの一例として、クロップ読み出しによって、複数の画素回路201のうち、図8の領域800に含まれる10行4列の画素回路201のみから画素信号を読み出す場合について説明する。図8は、図2に示される光電変換装置101に、領域800の説明が追加された図である。この例では、領域800に含まれる画素回路201に対応するメモリ回路205(具体的に、メモリ回路205_1~205_4)のみが使用され、他のメモリ回路205(具体的に、メモリ回路205_5~205_16)は使用されない。
全メモリモードでの光電変換装置101の動作は図6で説明したものと同様である。図9を参照して部分メモリモードでの光電変換装置101の動作を説明する。図6との共通部分について説明を省略する。この例では、メモリブロック206_2~206_4に含まれるメモリ回路205が選択されない。そのため、水平走査回路210は、制御信号BSEL_2~BSEL_4及びREAD_5~READ_16をローレベルに維持する。部分メモリモードでは、出力回路208の選択の変更の回数が、全メモリモードよりも少ない。そのため、出力回路208の選択の変更が禁止される禁止期間を長くすることができる。
図10を参照して、水平走査回路210の動作の詳細について説明する。図10は、図9のタイミング図の一部の信号及び一部の期間に着目した図である。部分メモリモードにおける禁止期間1の開始は、全メモリモードにおける禁止期間1の開始と同じタイミングであってもよい。一方、部分メモリモードにおける禁止期間1の終了は、全メモリモードにおける禁止期間1の終了よりも遅いタイミングであってもよい。すなわち、部分メモリモードにおける禁止期間1は、全メモリモードにおける禁止期間1よりも長い。部分メモリモードにおける禁止期間1は、AD変換期間1の終了まで継続してもよい。
部分メモリモードにおける禁止期間2の開始は、全メモリモードにおける禁止期間2の開始と同じタイミングであってもよい。一方、部分メモリモードにおける禁止期間2の終了は、全メモリモードにおける禁止期間2の終了よりも遅いタイミングであってもよい。すなわち、部分メモリモードにおける禁止期間2は、全メモリモードにおける禁止期間2よりも長い。部分メモリモードにおける禁止期間2は、AD変換期間2の終了まで継続してもよい。図10の例では、禁止期間1の前に出力回路208_1が選択されている。出力回路208_1は、他の期間、例えば図9において破線で示すような期間に選択されてもよい。
<その他の実施形態>
図11(a)を参照しながら、半導体装置1103を備える機器1100に係る実施形態について詳細に説明する。半導体装置1103は、上述の何れの実施形態の光電変換装置であってもよい。半導体装置1103は、半導体デバイス1101と、半導体デバイス1101を収容するパッケージ1102とを含んでもよい。パッケージ1102は、半導体デバイス1101が固定された基体と、半導体デバイス1101に対向するガラスなどの蓋体と、を含んでもよい。パッケージ1102は、基体に設けられた端子と半導体デバイス1101に設けられた端子(ボンディングパッド)とを接続するボンディングワイヤやバンプなどの接合部材をさらに含んでもよい。
機器1100は、光学装置1104、制御装置1105、処理装置1106、表示装置1107、記憶装置1108、および機械装置1109の少なくともいずれかを備えてもよい。光学装置1104は、例えばレンズやシャッター、ミラーである。制御装置1105は、半導体装置1103を制御する。制御装置1105は、例えばFPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの半導体装置である。
処理装置1106は、半導体装置1103から出力された信号を処理する。処理装置1106は、AFE(アナログフロントエンド)あるいはDFE(デジタルフロントエンド)を構成するための、CPU(Central Processing Unit)やASICなどの半導体装置である。表示装置1107は、半導体装置1103で得られた情報(画像)を表示する、EL(Electro-Luminescence)表示装置や液晶表示装置である。記憶装置1108は、半導体装置1103で得られた情報(画像)を記憶する、磁気デバイスや半導体デバイスである。記憶装置1108は、SRAM(Static Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリ、又はフラッシュメモリやハードディスクドライブなどの不揮発性メモリである。
機械装置1109は、モーターやエンジンなどの可動部又は推進部を有する。機器1100では、半導体装置1103から出力された信号を表示装置1107に表示したり、機器1100が備える通信装置(不図示)によって外部に送信したりする。そのために、機器1100は、半導体装置1103が有する記憶回路や演算回路とは別に、記憶装置1108や処理装置1106をさらに備えてもよい。機械装置1109は、半導体装置1103から出力され信号に基づいて制御されてもよい。
また、機器1100は、撮影機能を有する情報端末(例えばスマートフォンやウェアラブル端末)やカメラ(例えばレンズ交換式カメラ、コンパクトカメラ、ビデオカメラ、監視カメラ)などの電子機器に適する。カメラにおける機械装置1109は、ズーミングや合焦、シャッター動作のために光学装置1104の部品を駆動してもよい。これにかえて、カメラにおける機械装置1109は防振動作のために半導体装置1103を移動してもよい。
また、機器1100は、車両や船舶、飛行体などの輸送機器であり得る。輸送機器における機械装置1109は移動装置として用いられてもよい。輸送機器としての機器1100は、半導体装置1103を輸送するものや、撮影機能により運転(操縦)の補助および/または自動化を行うものであってもよい。運転(操縦)の補助および/または自動化のための処理装置1106は、半導体装置1103で得られた情報に基づいて移動装置としての機械装置1109を操作するための処理を行ってもよい。これにかえて、機器1100は、内視鏡などの医療機器や、分析測距センサなどの計測機器、電子顕微鏡のような分析機器、複写機などの事務機器であってもよい。
図11(b)及び図11(c)を用いて、撮像システム及び移動体に係る実施形態について説明する。図11(b)は、車載カメラに関する撮像システム1110の一例を示したものである。撮像システム1110は、光電変換装置1111を有する。光電変換装置1111は、上述の実施形態の何れの光電変換装置であってもよい。撮像システム1110は、光電変換装置1111により取得された複数の画像データに対し、画像処理を行う処理装置である画像処理部1112を有する。また、撮像システム1110は、光電変換装置1111により取得された複数の画像データから視差(視差画像の位相差)の算出を行う処理装置である視差取得部1113を有する。さらに、撮像システム1110は、算出された視差に基づいて対象物までの距離を算出する処理装置である距離取得部1114と、算出された距離に基づいて衝突可能性があるか否かを判定する処理装置である衝突判定部1115と、を有する。ここで、視差取得部1113や距離取得部1114は、対象物までの距離情報等の情報を取得する情報取得部の一例である。すなわち、距離情報とは、視差、デフォーカス量、対象物までの距離等に関する情報である。衝突判定部1115はこれらの距離情報のいずれかを用いて、衝突可能性を判定してもよい。上述した各種の処理装置は、専用に設計されたハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアモジュールに基づいて演算を行う汎用のハードウェアによって実現されてもよい。また、処理装置は、FPGA、ASIC等によって実現されてもよいし、これらの組合せによって実現されてもよい。
撮像システム1110は、車両情報取得装置1116と接続されており、車速、ヨーレート、舵角などの車両情報を取得することができる。また、撮像システム1110は、衝突判定部1115での判定結果に基づいて、車両に対して制動力を発生させる制御信号を出力する制御装置である制御ECU1117に接続されている。すなわち、制御ECU1117は、距離情報に基づいて移動体を制御する移動体制御部の一例である。また、撮像システム1110は、衝突判定部1115での判定結果に基づいて、ドライバーへ警報を発する警報装置1118にも接続されている。例えば、衝突判定部1115の判定結果として衝突可能性が高い場合に、制御ECU1117はブレーキをかける、アクセルを戻す、エンジン出力を抑制するなどして衝突を回避、被害を軽減する車両制御を行う。警報装置1118は音等の警報を鳴らす、カーナビゲーションシステムなどの画面に警報情報を表示する、シートベルトやステアリングに振動を与えるなどしてユーザに警告を行う。
本実施形態では、車両の周囲、例えば前方又は後方を撮像システム1110で撮像する。図11(c)に、車両前方(撮像範囲1119)を撮像する場合の撮像システム1110を示した。車両情報取得装置1116は、撮像システム1110を動作させ撮像を実行させるように指示を送る。
以上の説明では、他の車両と衝突しないように制御する例を述べたが、他の車両に追従して自動運転する制御、車線からはみ出さないように自動運転する制御等にも適用可能である。更に、撮像システムは、自動車等の車両に限らず、例えば、船舶、航空機あるいは産業用ロボットなどの移動体(輸送機器)に適用することができる。移動体(輸送機器)における移動装置はエンジン、モーター、車輪、プロペラなどの各種の移動部である。加えて、移動体に限らず、高度道路交通システム(ITS)等、広く物体認識を利用する機器に適用することができる。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
101 光電変換装置、203 列回路、205 メモリ回路、208 出力回路、210 水平走査回路

Claims (14)

  1. 複数の画素回路と、
    前記複数の画素回路から読み出されたアナログ信号をAD変換期間にAD変換することによってデジタルデータを生成する複数のAD変換回路と、
    前記複数のAD変換回路によって生成された前記デジタルデータを記憶する複数のメモリ回路と、
    前記複数のメモリ回路のうちの2つ以上のメモリ回路にそれぞれが接続されている複数の出力回路と、
    前記複数の出力回路の何れかを選択し、前記選択された出力回路に接続されている2つ以上のメモリ回路の何れかを選択することによって、前記選択されたメモリ回路に記憶されている前記デジタルデータを出力線に読み出す走査回路と、を備え、
    前記走査回路は、前記AD変換期間の長さをTとして、前記AD変換期間の開始から0.35T経過してから0.65T経過するまでの期間を少なくとも含む禁止期間中に、前記複数の出力回路からの出力回路の選択を変更しない、光電変換装置。
  2. 前記走査回路は、前記AD変換期間のうちの前記禁止期間に含まれない期間中に、前記複数の出力回路からの出力回路の選択を変更する、請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 前記走査回路は、前記AD変換期間の開始から前記禁止期間の開始までの期間中に、前記複数の出力回路からの出力回路の選択を変更する、請求項1に記載の光電変換装置。
  4. 前記禁止期間の長さは、前記AD変換期間の長さよりも短い、請求項1乃至3の何れか1項に記載の光電変換装置。
  5. 前記複数のAD変換回路は、
    第1AD変換期間に、リセット状態の前記複数の画素回路から読み出された第1アナログ信号をAD変換し、
    第2AD変換期間に、入射光に応じた電荷が蓄積された状態の前記複数の画素回路から読み出された第2アナログ信号をAD変換し、
    前記AD変換期間は、前記第1AD変換期間であり、
    前記走査回路は、前記第1AD変換期間の長さをTとして、前記第1AD変換期間の開始から0.35T経過してから0.65T経過するまでの期間を少なくとも含む第1禁止期間中に、前記複数の出力回路からの出力回路の選択を変更しない、請求項1乃至4の何れか1項に記載の光電変換装置。
  6. 前記走査回路は、前記第1AD変換期間の長さをTとして、前記第2AD変換期間の開始から0.35T経過してから0.65T経過するまでの期間を少なくとも含む第2禁止期間中に、前記複数の出力回路からの出力回路の選択を変更しない、請求項5に記載の光電変換装置。
  7. 前記第1AD変換期間の開始から、前記第1禁止期間の開始までに前記複数の出力回路からの出力回路の選択が最後に変更されるまでの時間は、前記第2AD変換期間の開始から、前記第2禁止期間の開始までに前記複数の出力回路からの出力回路の選択が最後に変更されるまでの時間に等しい、請求項6に記載の光電変換装置。
  8. 前記光電変換装置は、第1動作モードと、前記第1動作モードよりも、前記複数の出力回路のうち選択される出力回路の個数が少ない第2動作モードとで動作可能であり、
    前記第2動作モードにおける前記第2禁止期間は、前記第1動作モードにおける前記第2禁止期間よりも長い、請求項6又は7に記載の光電変換装置。
  9. 前記第2動作モードにおいて、前記第1禁止期間は、前記第1AD変換期間の終了まで継続し、前記第2禁止期間は、前記第2AD変換期間の終了まで継続する、請求項8に記載の光電変換装置。
  10. 前記禁止期間が、前記AD変換期間の開始から終了までの期間である、請求項1に記載の光電変換装置。
  11. 前記禁止期間が、前記AD変換期間の開始から0.25T経過してから0.75T経過するまでの期間を少なくとも含む期間である、請求項1に記載の光電変換装置。
  12. ランプ信号が入力され、前記ランプ信号と前記アナログ信号との比較結果を示す信号を出力する比較器を前記AD変換回路は有し、
    前記AD変換期間は、前記ランプ信号の電圧レベルの変化の開始から、前記変化の終了までの期間である、請求項1乃至11の何れか1項に記載の光電変換装置。
  13. 前記比較器は前記AD変換期間に先立ってオフセットが保持される、請求項12に記載の光電変換装置。
  14. 請求項1乃至13の何れか1項に記載の光電変換装置と、
    前記光電変換装置に対応した光学装置、
    前記光電変換装置を制御する制御装置、
    前記光電変換装置から出力された信号を処理する処理装置、
    前記光電変換装置で得られた情報を表示する表示装置、
    前記光電変換装置で得られた情報を記憶する記憶装置、及び
    前記光電変換装置で得られた情報に基づいて動作する機械装置、の少なくともいずれかと、を備える機器。
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