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JP2023087475A - 圧縮空気圧回路ユニット - Google Patents

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JP2023087475A JP2021201879A JP2021201879A JP2023087475A JP 2023087475 A JP2023087475 A JP 2023087475A JP 2021201879 A JP2021201879 A JP 2021201879A JP 2021201879 A JP2021201879 A JP 2021201879A JP 2023087475 A JP2023087475 A JP 2023087475A
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Abstract

Figure 2023087475000001
【課題】 少なくともエアコンプレッサと、エアドライヤと、オイルミスト吸着装置が、エア配管を介して一の基板上に平面視略直線状に配設された圧縮空気圧回路ユニットを提供する。
【解決手段】 圧縮空気Aを生成する圧縮空気圧回路ユニット1であって、エアコンプレッサ10と、エアドライヤ20と、サイクロンセパレータ30と、エアフィルタ40と、オイルミスト吸着装置50とから構成される各種機器を備え、少なくともエアコンプレッサ10と、エアドライヤ20と、オイルミスト吸着装置50とがエア配管3を介して平面視略直線状に配設された状態で一の基板2上に固定されている。また、各種機器の全てが、基板2及び筐体4によりケーシングされている。
【選択図】図1


Description

本発明は、圧縮空気を生成する圧縮空気圧回路ユニットに関し、詳しくは、エアコンプレッサと、エアドライヤと、オイルミスト吸着装置とが同一基板上で固定され、サイクロンセパレータとエアフィルタを含めパッケージ化されて成る圧縮空気圧回路ユニットに関するものである。
エアコンプレッサにより生成された圧縮空気は、食料加工やレンズなど精密機器の仕上げ加工、清掃等の末端、その他各種用途にて使用されている。そして、かかる圧縮空気の用途によっては、エアコンプレッサから圧縮空気が吐出されるまでの空気圧回路の中間において、エアドライヤやサイクロンセパレータ、オイルミストフィルタといった各種機器が配設されることとなる。
しかしながら、従来の圧縮空気圧回路の構成によると、エアコンプレッサの後段に各種機器を配設する際は、必要スペースが増加すると共に、機器毎にメンテナンスのタイミングが異なるため、常に配設された各種機器の状態を把握しておく必要がある。また、夫々の機器配設箇所に向けエア配管を伸長して圧縮空気の流路を形成することになるため、エア配管の長さに比例して圧縮空気自体の圧力損失が生じてしまうといった問題があった。
上記問題を解決すべく、本出願人は、特許第3368429号(特許文献1)や特許第6713596号(特許文献2)に記載の技術提案を行っている。すなわち、特許文献1では、エアドライヤと油水分離装置を一体に構成し、エアコンプレッサにて生成された圧縮空気を、エアドライヤにて乾燥させると共に圧縮空気の含有水分をドレン水として凝縮・除去を行い、さらに、エアドライヤにて除去されたドレン水は、油水分離装置内を通過させることにより、清水として外部に排出させる手段を採用している。また、特許文献2では、サイクロンセパレータと油吸着装置を有し、エアコンプレッサにて生成された圧縮空気が、サイクロンセパレータにより含有水分を分離・除去され、後段の油吸着装置にてオイルミストの分離・除去を行い、清浄な圧縮空気として後段へ送気する手段を採用している。
しかしながら、特許文献1に記載の技術提案では、エアドライヤにて発生するドレン水の処理には有用であるものの、エアドライヤと油水分離装置のみが基板上等で一体となっているため、圧縮空気圧回路として必要な他の機器をエアドライヤより後段の基板外に配設する必要が生じ、そのための配管の敷設や機器の設置が煩雑になると共に、配管が外気に晒されることで圧縮空気自体の温度低下により水分が凝縮し、圧縮空気内に不要なドレン水が発生してしまう、といった問題が生じていた。
さらに、特許文献2に記載の技術提案では、サイクロンセパレータによる水分や異物の分離・除去、そして、油吸着装置によるオイルミストやオゾンの分離・除去には有用であるものの、送気される圧縮空気自体が高温のままであり、配管内や各機器内における圧縮空気自体の温度低下によって水分の凝縮が行われ、やはり圧縮空気内に不要な水分がドレン水として発生してしまう、といった問題が生じていた。
そこで、、より効率的に圧縮空気中の水分と塵埃やオイルミスト等の異物を除去しつつ、設置場所をコンパクトに纏め、設置が容易な圧縮空気圧回路のシステムが求められるところであった。
本出願人は、以上のような従来の圧縮空気圧回路において、圧縮空気が生成されてから、水分や異物を除去し、最終的に吐出されるまでの各機器の設置スペースの確保や、設置容易性の問題に着目し、より効率的に圧縮空気の水分と塵埃やオイルミスト等の異物を除去しつつ、設置場所をコンパクトに纏め、設置が容易となるシステムを提供できないものかという着想のもと、少なくともエアコンプレッサと、エアドライヤと、オイルミスト吸着装置とが、エア配管を介して一の基板上に平面視略直線状に配置された圧縮空気圧回路ユニットを開発し、本発明にかかる「圧縮空気圧回路ユニット」の提案に至るものである。
特許第3368429号公報 特許第6713596号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、少なくともエアコンプレッサと、エアドライヤと、オイルミスト吸着装置とが、エア配管を介して一の基板上に平面視略直線状に配設された圧縮空気圧回路ユニットを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、圧縮空気を生成する圧縮空気圧回路ユニットであって、エアコンプレッサと、エアドライヤと、サイクロンセパレータと、エアフィルタと、オイルミスト吸着装置と、から構成される各種機器を備え、少なくともエアコンプレッサと、エアドライヤと、オイルミスト吸着装置とがエア配管を介して平面視略直線状に配設された状態で一の基板上に固定されて成る手段を採る。
また、本発明は、前記圧縮空気圧回路ユニットが、基板及び筐体によりケーシングされて成る手段を採る。
さらに、本発明は、前記エアドライヤ、サイクロンセパレータ並びにエアフィルタにドレントラップが備えられ、各ドレントラップに備わるドレン排水管が合流して一の排出口に接続されると共に、各ドレン排水管が互いに平面視略直線状に配設されて成る手段を採る。
本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニットによれば、エアコンプレッサ、エアドライヤ、オイルミスト吸着装置が一の基板上にエア配管を介して平面視略直線状に配置されているため、経路中に横方向(水平方向)へ屈曲した部分がなく、且つ、エア配管の流路の長さが短縮されることとなって、送気される圧縮空気の圧力損失の低減に資すると共に、塵埃やオイルミストを含む異物の除去を効率的に行うことが可能となり、また、奥行方向の幅が短くなって設置箇所の省スペース化に資し、さらには、屈曲した複雑な流路構造ではないため、メンテナンス・清掃作業の効率化並びに簡略化と部品点数の削減に資することとなる。
また、本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニットによれば、各種機器の全てが基板と筐体によりケーシングされることで、各種機器をつなぐエア配管が外気に晒されず、圧縮空気自体の温度低下を防いでドレン水発生の抑制や塵埃による機器不良の低減に資すると共に、全体を一のユニットとして運搬・流通の便に資する、といった優れた効果を奏する。
さらに、本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニットによれば、前記エアドライヤやサイクロンセパレータ、エアフィルタにドレントラップが備えられ、夫々のドレン排水管が合流して一の排出口に接続されることで、各種機器から排出されるドレン水を一つにまとめて排出することが可能となって、ドレン水の排出処理が
本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニットの全体構成を示す側面透過図である。 本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニットの配設態様を示すブロック図である。 本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニットのドレン排出構造を示すブロック図である。
本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1は、圧縮空気Aの生成に必要な各種機器のうち、エアコンプレッサ10とエアドライヤ20とオイルミスト吸着装置50が、一の基板2上にエア配管3を介して平面視略直線状に配設されていることを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1の実施形態について、図面に基づき説明する。
尚、本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1は、以下に述べる実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、材質等の範囲内で適宜変更することができるものである。
図1は、本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1の全体構成を示す側面透過図である。また、図2は、本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1の配設態様を示すブロック図である。さらに、図3は、本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1のドレン排出構造を示すブロック図である。
本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1は、圧縮空気Aの生成に必要な各種機器、具体的には、少なくともエアコンプレッサ10と、エアドライヤ20と、サイクロンセパレータ30と、エアフィルタ40と、オイルミスト吸着装置50とから構成される各種機器を備えて成る。
圧縮空気圧回路ユニット1において、エアコンプレッサ10にて生成された圧縮空気Aは、エアドライヤ20にて乾燥された後、サイクロンセパレータ30により水分や異物が分離・除去され、さらにエアフィルタ40によって水分や油分、スラッジや微生物が分離・除去され、その後、オイルミスト吸着装置50にてオイルミストが吸着・除去され、清浄な圧縮空気Aを生成することとなる。生成された清浄な圧縮空気Aは、圧縮空気圧回路ユニット1の後段に送気され、各種用途に使用される。
エアコッンプレッサ10は、空気を圧縮して所定気圧以上の圧縮空気Aを生成する機械であって、該圧縮空気Aを生成するための構造によって、往復式や回転式、遠心式など種々の方式が存在する。本発明で使用するエアコンプレッサ10の方式については、特に限定はなく、いずれの方式・構造のものでも使用することが可能である。該エアコンプレッサ10は、生成した圧縮空気Aをエアドライヤ20へ送気するための中空管からなるエア配管3が接続されている。
エアドライヤ20は、エアコンプレッサ10にて生成されエア配管3を経由して送られてくる圧縮空気Aを乾燥させ、水分を取り除くための装置である。該エアドライヤ20は、水分の除去方式により、冷凍式や中空糸膜式、吸着式などが存在する。本発明で使用するエアドライヤ20は、冷凍式や中空糸膜式、吸着式のいずれかを問うものでなく、特に限定されるものではないが、一般的に繁用されているのは、冷凍式のエアドライヤ20である。冷凍式のエアドライヤ20は、冷媒の蒸着潜熱を利用して圧縮空気Aを冷却し、含有水分を凝縮して除去するための装置であって、比較的に安価に導入することができるため好適である。
また、冷凍式のエアドライヤ20は、圧縮空気A中の含有水分を凝縮・除去する過程において、冷却による飽和水蒸気量の低下によりドレン水Dがエアドライヤ20内に発生するため、ドレン水Dを外部へ送出すべくドレン水送出口25が備えられる。ドレン水送出口25の設置箇所は特に限定はないが、エアドライヤ20内に貯留したドレン水Dの送出が容易となる箇所に設けられる。該ドレン水送出口25には中空管からなるドレン排水管6の基端が接続可能となっており、ドレン水送出口25より流出したドレン水Dは、ドレン排水管6を経由して外部へと排水されることとなる。
水分が取り除かれ乾燥した圧縮空気Aは、サイクロンセパレータ30へエア配管3を介して送気され、塵埃などの異物やエアドライヤ20にて除去できなかったドレン水Dが分離・除去されることとなる。
サイクロンセパレータ30は、エアドライヤ20の後段に備えられ、エア配管3を経由して送られてくる圧縮空気Aから、塵埃などの異物や、エアドライヤ20にて除去しきれなかった水分を、遠心分離によって分離・除去するサイクロン式の装置である。
サイクロンセパレータ30の吸気口31からハウジング32内に流入した圧縮空気Aは、デフレクタを通ることによって遠心力を発生させ、その遠心力によって圧縮空気A中の油水分や固形物をハウジング32内壁に叩き付けて落下させ、エアのみ中央部に備えられるカートリッジ33を介して取り出される構造を有するものである。
また、ハウジング32内にて分離したドレン水Dは、重力に従いハウジング32の内壁に沿って垂下しハウジング32の下部に貯留するため、ドレン水Dを外部へ送出すべくハウジング32の下部所定箇所にドレン水送出口35が備えられる。ドレン水送出口35の設置箇所は特に限定はないが、ハウジング32の下部に貯留したドレン水Dの送出が容易となるよう、ハウジング32の最下部近傍に備える態様が好ましい。また、該ドレン水送出口35には中空管からなるドレン排水管6の基端が接続可能となっており、ドレン水送出口35より流出したドレン水Dは、ドレン排水管6を経由して外部へと排水されることとなる。
水分及び異物を除去された圧縮空気Aは、排気口34に接続されたエア配管3を経由して後段のエアフィルタ40へ送気され、圧縮空気A中に残存する水分や油分、異物(スラッジや微生物)が分離・除去されることとなる。
エアフィルタ40は、サイクロンセパレータ30の後段に備えられ、エア配管3を経由して送られてくる圧縮空気Aから、前段までに除去しきれなかったスラッジや微生物といった異物や油水分を、フィルタエレメント43で捕捉し分離・除去する装置である。フィルタエレメント43の具体的構造については、特に限定はなく、樹脂製若しくは紙製で網状乃至中空糸膜状のフィルタエレメント43、若しくは、活性炭を包んだフィルタエレメント43が用いられる。
エアフィルタ40の吸気口41からハウジング42内に流入した圧縮空気Aは、フィルタエレメント43を通過することで油水分や固形物が捕捉され、排気口44に接続されたエア配管3を経由して後段のオイルミスト吸着装置40へ送られ、圧縮空気A中に未だ残存しているオイルミストが分離・除去されることとなる。
尚、ハウジング42内にて分離したドレン水Dは、重力に従いハウジング42の内壁に沿って垂下しハウジング42の下部に貯留するため、ドレン水Dを外部へ送出すべくハウジング42の下部所定箇所にドレン水送出口45が備えられる。ドレン水送出口45の設置箇所は特に限定はないが、ハウジング42の下部に貯留したドレン水Dの送出が容易となるよう、ハウジング42の最下部近傍に備える態様が好ましい。また、該ドレン水送出口45には中空管からなるドレン排水管6の基端が接続可能となっており、ドレン水送出口45より流出したドレン水Dは、ドレン排水管6を経由して外部へと排水されることとなる。
オイルミスト吸着装置50は、エアフィルタ40の後段に備えられ、エア配管3を経由して送られてくる圧縮空気A内に残存されているオイルミストを、ハウジング52内に充填されたオイルミスト吸着材53によって分離・除去する装置である。
オイルミスト吸着装置50の流入口51からハウジング52内に流入した圧縮空気Aは、ハウジング52内に充填されたオイルミスト吸着材53を透過することにより圧縮空気A内に含有されたオイルミストが分離・除去され、流出口54に接続されたエア配管3から後段へ、清浄な圧縮空気Aとして送気され、各種用途へ使用されることとなる。
また、流入口51及び流出口54は、オイルミストの上方へ向かおうとする慣性を重力によって弱めるために、ハウジング52の下方所定箇所に流入口51を備えると共に、上方所定箇所に流出口54を備えた態様が望ましい。
オイルミスト吸着材53の材質については特に限定するものではなく、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等、従来から用いられている常法のものの中から選択される少なくとも一種若しくは複数種の不織布を含む繊維状物に、酸変性若しくは酸化させた高級脂肪酸あるいはポリオレフィンワックスを添加または塗布し、それを所定長さ・幅・厚さの立方体形状に成形したものを使用する態様が考え得る。この態様により、オイルミスト吸着材53の親油性・オイル保持力を高めることが可能となる。また、オイルミスト吸着材53を立方体形状に成形する際の寸法についても特に限定はなく、例えば、小型の直方体形状に成形したオイルミスト吸着材53を筒状体に充填することで、ハウジング52を透過する圧縮空気Aがオイルミスト吸着材53に接触する表面積を増加させると共に、圧縮空気Aが上昇する際の流路を複雑化させるといった態様が考え得る。
エア配管3は、圧縮空気Aを送気するための中空管であって、エアコンプレッサ10からエアドライヤ20、エアドライヤ20からサイクロンセパレータ30、サイクロンセパレータ30からエアフィルタ40、エアフィルタ40からオイルミスト吸着装置50、そして、オイルミスト吸着装置50から更に後段へ圧縮空気Aを送気させる配管である。
エア配管3の素材については、特に限定するものではなく、例えば銅や鉄等の金属素材や、ゴムやポリエチレン、塩ビ製の樹脂管あるいは炭素素材やガラス素材からなる繊維管など略柔軟性の素材で構成される。尚、後述するドレン排水管6の素材についても同様である。
これらエアコンプレッサ10と、エアドライヤ20と、サイクロンセパレータ30と、エアフィルタ40と、オイルミスト吸着装置50とで構成される各種機器のうち、エアコンプレッサ10とエアドライヤ20とオイルミスト吸着装置50は、一の基板2上に固定的に配設される。サイクロンセパレータ30とエアフィルタ40は、エア配管3に架設される態様で配設されるもので、基板2に固定されることはない。
基板2とは、かかる各種機器を配設するための土台であり、所要長さ・幅・厚さを有する略方形の平板である。該基板2の素材については、特に限定するものではなく、例えば金属製やコンクリート製などが考え得る。
エアコンプレッサ10とエアドライヤ20とオイルミスト吸着装置50は、基板2上において、平面視略直線状に配設され固定されている(図2)。すなわち、各種機器のうち少なくともエアコンプレッサ10とエアドライヤ20とオイルミスト吸着装置50とは、ほぼ一直線上に並んで配設されることになる。
このとき、サイクロンセパレータ30とエアフィルタ40とは、必ずしもエアコンプレッサ10やエアドライヤ20、オイルミスト吸着装置50と平面視略直線状に配設されることを要するものでないが(図2(b))、後述する様にエア配管3の横方向(水平方向)へ屈曲を少なくするためには、サイクロンセパレータ30とエアフィルタ40も含めた各種機器の全てが、平面視略直線状に配設される態様が好適である(図2(a))。
かかる各種機器の配設態様に併せて、各種機器間を繋ぐエア配管3についても、経路中に横方向(水平方向)へ屈曲した部分をなくすべく、平面視略直線状に接続される態様が好適である。圧縮空気Aがエア配管3を通過する際、屈曲部分に当たることで大きく圧損を生じることとなるが、各種機器の全体高さや圧縮空気Aの吸気口(流入口)及び排気口(流出口)の高さ位置は機器によって様々であり、故にエア配管3の縦方向(鉛直方向)への屈曲については構造上避け難い。そこで、可能な限り横方向(水平方向)の屈曲を減らすことが、圧縮空気Aの圧損を減少させることにつながることになるのであって、各種機器及びエア配管3を平面視略直線状に配設・接続する態様を採用することで、エア配管3の流路の長さが短縮され且つ横方向へ屈曲する部分がないことから、送気される圧縮空気Aの圧力損失の低減に資すると共に、塵埃やオイルミストを含む異物の除去を効率的に行うことが可能となる。併せて、ユニット全体の奥行幅が短くなるため、設置箇所の省スペース化に資すると共に、屈曲した複雑な流路構造でないことから、メンテナンスや清掃作業の効率化に資すると共に、部品点数の削減にも資することとなる。
エアドライヤ20、サイクロンセパレータ30、エアフィルタ40におけるドレン水送出口25,35,45には、発生したドレン水Dを機械的に外部へ排出するためのドレントラップ5を備える態様が好適である。ドレントラップ5には、その排出方法により電磁式やフロート式等が存在するが、本発明で使用するドレントラップ5の方式については、特に限定するものではない。各ドレントラップ5には、ドレン水Dを排出するためのドレン排水管6が接続されており、該ドレン排水管6の末端には、ドレン水Dを外部へ排出可能な排水口7が備えられることとなる。かかる排水口7について、エアドライヤ20とサイクロンセパレータ30とエアフィルタ40に備えられた各ドレントラップ5に接続されている夫々のドレン排水管6を合流させることで、一の排出口7を互いに共用させる態様も考え得る。
ドレン排水管6の合流態様については、例えば図1で示す様に、鉛直方向へ延伸した各ドレン排水管6の先端を水平方向に延伸した一のドレン合流管6aに接続し、該ドレン合流管6aの所定中間箇所にT字継手8の主管を継合する態様が考え得る。このとき、T字継手8の枝管の開口あるいは該開口に接続された配管の末端が排出口7として機能することとなる。かかる態様により、夫々のドレントラップ5から鉛直方向に排出されたドレン水Dは、ドレン排水管6からドレン合流管6aを介して水平方向に送られ、T字継手8内で合流した後、枝管の開口あるいは該開口に接続された配管の末端を排出口7として、最終的に外部へ排出されることとなる。
以上の構成から成る本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1について、基板2上に存する各種機器の全てが、筐体4によりケーシングされて成る構成が好適である。すなわち、基板2の上方に存するエアコンプレッサ10やエアドライヤ20、サイクロンセパレータ30、エアフィルタ40、オイルミスト吸着装置50といった各種機器の全てを囲う筐体4が被覆されることで、圧縮空気圧回路ユニット1が基板2と筐体4とでケーシングされ、一のパッケージ化されたユニットを構成する態様である。かかる筐体4の具体的な形状や素材については、特に限定するものではないが、例えば略方形の箱型形状を採用し、素材については金属製が考え得る。尚、筐体4には、エアコンプレッサ10へ外気を送る通気口や、各種機器の点検・メンテナンス等のための入出扉や点検窓などが備えられている。かかる態様を採用することで、各種機器をつなぐエア配管3が直接的に外気に晒されず、圧縮空気A自体の温度低下を防いでドレン水D発生の抑制や塵埃による機器不良の回避に資し、機器の長寿命化にも効果を発揮する。
以上の構成から成る圧縮空気圧回路ユニット1について、その主な動作及び作用を説明する。
まず、エアコンプレッサ10にて生成された圧縮空気Aは、エアコンプレッサ10からエア配管3を経由してエアドライヤ20へ送気される。この時の圧縮空気Aは、大気中の塵埃等の異物や水蒸気を含んだものになる。
次に、エアドライヤ20へ流入した圧縮空気Aは、エアドライヤ20内の乾燥作用により水分が取り除かれ、エア配管3を経由しサイクロンセパレータ30へ送気される。この時の圧縮空気Aは、大気中の塵埃等の異物や乾燥時に取り除かれなかった水蒸気を含んだものとなる。
そして、サイクロンセパレータ30へ流入した圧縮空気Aは、デフレクタにより高速の回転運動を行い、その遠心力によって圧縮空気A中の油水分や塵埃等の異物をハウジング32内壁に叩き付けて落下させる。油水分や異物が分離・除去された圧縮空気Aは、中央部に備えられるカートリッジ33を介して排気口34からエア配管3を経由しエアフィルタ40へ送気される。
エアフィルタ40へ流入した圧縮空気Aは、ハウジング42内に備わるフィルタエレメント43を通過することで、油水分やスラッジや微生物といった異物が捕捉される。油水分や異物が分離・除去された圧縮空気Aは、排気口44からエア配管3を経由しオイルミスト吸着装置50へ送気される。
最後に、オイルミスト吸着装置50の下部にある流入口51からハウジング52内へ流入した圧縮空気Aは、充填されたオイルミスト吸着材53を透過することにより、圧縮空気A中に含有されたオイルミストが分離・除去され、清浄な圧縮空気Aとしてオイルミスト吸着装置50の上部にある流出口54からエア配管3を経由し後段へ送気されることとなる。
上記圧縮空気の流れの中で、エアドライヤ20、サイクロンセパレータ30及びエアフィルタ40内にて発生したドレン水Dは、以下のとおり処理されることとなる。
すなわち、エアドライヤ20において圧縮空気Aを乾燥させる際に発生するドレン水Dは、ドレントラップ5によってドレン水送出口25からドレン排水管6へ機械的に排出される。同様に、サイクロンセパレータ30において圧縮空気Aを遠心分離にて分離された水分であるドレン水Dは、ドレントラップ5によってドレン水送出口35からドレン排水管6へ機械的に排出される。また同様に、エアフィルタ40において圧縮空気Aがフィルタエレメント43を通過する際に捕捉した水分であるドレン水Dは、ドレントラップ5によってドレン水送出口45からドレン排水管6へ機械的に排出される。
夫々のドレントラップ5から排出されたドレン水Dは、ドレン排水管6からドレン合流管6aを経由し、T字継手8の主管に流入後、T字継手8の枝管の開口あるいは該開口に接続された配管の末端を排出口7として、外部へ排出されることとなる。
以上、本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1の基本的構成態様、並びに、動作態様について説明したが、本発明は、上記実施形態や図面に示す構成態様に限定するものではない。例えば、上記実施形態では、エアコンプレッサ10とエアドライヤ20とが別体の機器として配設されて成る態様を示したが、エアコンプレッサ10とエアドライヤ20の機能を併せ持つ「エアドライヤ搭載型コンプレッサ」を使用する態様も可能であり、その場合に本発明における基板2に固定すべき機器は、エアドライヤ搭載型コンプレッサとオイルミスト吸着装置50のみとなる。
その他にも、サイクロンセパレータ30をエアドライヤ20の前段に新たに設け、エアドライヤ20にて発生するドレン水Dを減少させ乾燥効率を上げる態様や、オイルミスト吸着材43に活性炭等を積層させることにより、オゾン等も吸着・除去可能な装置とする態様など、必要に応じて他の各種機器を配設したり、各種機器の仕様を適宜変更することが可能である。
また、エアコンプレッサ10やエアドライヤ20、サイクロンセパレータ30、エアフィルタ40に、夫々圧力計9aを備える態様も好適である(図1)。かかる態様を採用することにより、各種装置へ送気する圧縮空気Aの圧力が数値として把握可能となり、エアコンプレッサ10から送気された当初の圧縮空気圧と中途機器における圧縮空気圧との差圧を検知して、各種機器の性能・故障診断に役立てたり、装置毎に起こり得る送気トラブルの診断に使用されることとなる。
さらに、エアドライヤ20に、露点計9bを備える態様も考え得る(図1)。かかる露点計9bは、エアドライヤ20における圧縮空気Aの乾燥度合を診断することが可能である。すなわち、乾燥が十分である場合には、露点計9bの計測結果は低い値となり、逆にエアドライヤ20の故障などで圧縮空気A中の乾燥が不十分な場合は、露点計9bの計測結果が高い値となる。かかる露点計9bの数値計測により、圧縮空気Aの乾燥状態を容易に把握することができ、エアドライヤ20の性能・故障診断が可能となる。
またさらに、オイルミスト吸着装置50に、差圧計9cを備える態様も好適である(図1)。かかる態様によれば、オイルミスト吸着装置50の流入口51及び流出口54における圧力の差が測定可能であって、オイルミスト吸着装置50内における圧力変化を数値として把握することができるため、充填されたオイルミスト吸着材53における異物による目詰まり等の不具合を診断することが可能となる。
以上のように、本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニット1は、一の基板2上において、各種装置やエア配管3を平面視略直線状に配置することによって、経路中に横方向へ屈曲した部分がなく、送気される圧縮空気Aの圧力損失の低減に資すると同時に、塵埃やオイルミストを含む異物の除去を効率的に行うことが可能となって、各種装置の運転効率の向上による清浄な圧縮空気Aの効率的生成に資し、また、奥行方向の幅が短くなって設置箇所の省スペース化に資し、さらには、屈曲した複雑な流路構造ではないため、メンテナンス・清掃作業の効率化並びに簡略化と部品点数の削減に資することとなる。また、エアドライヤ20やサイクロンセパレータ30、エアフィルタ40にて発生するドレン水Dについて、合流させて一箇所の排水口7でまとめて排水することで、簡便で効率的なドレン水Dの排水処理を可能にするものである。
本発明は、製造加工業や清掃業等、圧縮空気を使用するあらゆる分野において、圧力損失の少ない清浄な圧縮空気を送気可能であって、メンテナンス性においても優れた圧縮空気圧回路のシステムとして、パッケージ化された一つのユニットとして簡便に採用することが可能である。したがって、本発明にかかる「圧縮空気圧回路ユニット」の産業上の利用可能性は大であると思料する。
1 圧縮空気圧回路ユニット
2 基板
3 エア配管
4 筐体
5 ドレントラップ
6 ドレン排水管
6a ドレン合流管
7 排出口
8 T字継手
9a 圧力計
9b 露点計
9c 差圧計
10 エアコンプレッサ
20 エアドライヤ
25 ドレン水送出口
30 サイクロンセパレータ
31 吸気口
32 ハウジング
33 カートリッジ
34 排気口
35 ドレン水送出口
40 エアフィルタ
41 吸気口
42 ハウジング
43 フィルタエレメント
44 排気口
45 ドレン水送出口
50 オイルミスト吸着装置
51 流入口
52 ハウジング
53 オイルミスト吸着材
54 流出口
A 圧縮空気
D ドレン水

上記課題を解決するため、本発明は、圧縮空気を生成する圧縮空気圧回路ユニットであって、前段から順に、エアコンプレッサと、エアドライヤと、サイクロンセパレータと、エアフィルタと、オイルミスト吸着装置と、から構成される各種機器を備え、該各種機器はエア配管を介して平面視略直線状に配設されると共に、少なくともエアコンプレッサと、エアドライヤと、オイルミスト吸着装置とが一の基板上に固定されて成る手段を採る。
本発明にかかる圧縮空気圧回路ユニットによれば、各種機器が一の基板上にエア配管を介して平面視略直線状に配置されているため、経路中に横方向(水平方向)へ屈曲した部分がなく、且つ、エア配管の流路の長さが短縮されることとなって、送気される圧縮空気の圧力損失の低減に資すると共に、塵埃やオイルミストを含む異物の除去を効率的に行うことが可能となり、また、奥行方向の幅が短くなって設置箇所の省スペース化に資し、さらには、屈曲した複雑な流路構造ではないため、メンテナンス・清掃作業の効率化並びに簡略化と部品点数の削減に資することとなる。
各種機器すなわちエアコンプレッサ10とエアドライヤ20とサイクロンセパレータ30とエアフィルタ40とオイルミスト吸着装置50は、平面視略直線状に配設されることで、ほぼ一直線上に並んで配設されることになる。これら各種機器のうち少なくともエアコンプレッサ10とエアドライヤ20とオイルミスト吸着装置50とは、基板2上に固定されている(図2)
このとき、サイクロンセパレータ30とエアフィルタ40とは、必ずしもエアコンプレッサ10やエアドライヤ20、オイルミスト吸着装置50と平面視略直線状に配設されることを要しない態様とすることも考え得るが、後述する様にエア配管3の横方向(水平方向)へ屈曲を少なくするために、本発明では、サイクロンセパレータ30とエアフィルタ40も含めた各種機器の全てが、平面視略直線状に配設される態様を採用する
かかる各種機器の配設態様に併せて、各種機器間を繋ぐエア配管3についても、経路中に横方向(水平方向)へ屈曲した部分をなくすべく、平面視略直線状に接続される態様を採用する。圧縮空気Aがエア配管3を通過する際、屈曲部分に当たることで大きく圧損を生じることとなるが、各種機器の全体高さや圧縮空気Aの吸気口(流入口)及び排気口(流出口)の高さ位置は機器によって様々であり、故にエア配管3の縦方向(鉛直方向)への屈曲については構造上避け難い。そこで、可能な限り横方向(水平方向)の屈曲を減らすことが、圧縮空気Aの圧損を減少させることにつながることになるのであって、各種機器及びエア配管3を平面視略直線状に配設・接続する態様を採用することで、エア配管3の流路の長さが短縮され且つ横方向へ屈曲する部分がないことから、送気される圧縮空気Aの圧力損失の低減に資すると共に、塵埃やオイルミストを含む異物の除去を効率的に行うことが可能となる。併せて、ユニット全体の奥行幅が短くなるため、設置箇所の省スペース化に資すると共に、屈曲した複雑な流路構造でないことから、メンテナンスや清掃作業の効率化に資すると共に、部品点数の削減にも資することとなる。
CO2回収装置2は、大気中のCO2を回収し、その残余としてCO2が取り除かれた大気を排気する装置であって、大気(外気)Aを吸入する吸気口2aと、CO2を分離・回収する回収室2cと、CO2が取り除かれた大気を排出する排気口2bとが備わっている。吸気口2aから吸入された大気(外気)Aは、回収室2cに送られ、該回収室2cにてCO2とCO2が除去された大気(以下、「CO2除去大気」という。)とに分離され、CO2除去大気のみが排気口2bから排出されることとなる。回収室2cにて大気から分離されたCO2は、CO2タンクに送られ貯留されることとなる。CO2回収装置2の後段にはエアコンプレッサ3が配設され、CO2回収装置2の排気口2bとエアコンプレッサ3の吸気口3aとがエア配管5を介して連係されている(図1)。これにより、CO2回収装置2から排出されCO2除去大気は、エアコンプレッサ3へ送られることになる。

Claims (3)

  1. 圧縮空気を生成する圧縮空気圧回路ユニットであって、
    エアコンプレッサと、エアドライヤと、サイクロンセパレータと、エアフィルタと、オイルミスト吸着装置と、から構成される各種機器を備え、
    少なくともエアコンプレッサと、エアドライヤと、オイルミスト吸着装置とがエア配管を介して平面視略直線状に配設された状態で一の基板上に固定されて成ることを特徴とする圧縮空気圧回路ユニット。
  2. 前記圧縮空気圧回路ユニットが、基板及び筐体によりケーシングされて成ることを特徴とする請求項1に記載の圧縮空気圧回路ユニット。
  3. 前記エアドライヤ、サイクロンセパレータ並びにエアフィルタにドレントラップが備えられ、各ドレントラップに備わるドレン排水管が合流して一の排出口に接続されると共に、各ドレン排水管が互いに平面視略直線状に配設されて成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧縮空気圧回路ユニット。


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