本願開示の様々な態様は、コンポーネント及び/若しくは構造のシステムとして、方法として、又は1つ以上のコンピュータ可読プログラムコードが格納された非一時的コンピュータ可読記憶媒体として実施され得る。したがって、本願開示の様々な実施形態は、ハードウェア及びソフトウェアの実施形態を組み合わせた態様とし得るのであり、例えばこれには機械的構造に加えて電子的コンポーネントやコンピューティングコンポーネントや回路やマイクロコードやファームウェアやソフトウェア等が含まれる。
図1A~1Dは、実施形態による、異なるタイプ又はカテゴリの4階層の階層化ネットワークを備える国家レベルサプライチェーンエコシステムを示す。国家レベルサプライチェーンエコシステムは、輸送可能且つ連続的に追跡可能な格納ビンを用いるサプライチェーンワークフローを実行するように構成されている複数の相互接続されたエンティティのネットワークを備えるマルチノーダルサプライチェーンシステムを、実装する。実施形態では、マルチノーダルサプライチェーンシステムは、連続的且つ隣接的なFaaS(fulfilment as a service、役務としての充足)ネットワークとして実装される。開示のマルチノーダルサプライチェーンシステムは、予測的且つ規範的な協調的ネットワークであり、クラスベースドであり近接性ベースドな充足を実装するのであり、在庫アイテム又は製品は宛先住所に最も近いエンドポイントから充足される。図2A~2Bについての詳細な説明にて開示するように、相互接続されたエンティティには、ノード施設のネットワークと、ノード間輸送車両団と、ノード施設のネットワーク内に格納可能でありノード施設間で輸送可能でありマルチノーダルサプライチェーンシステムにてリアルタイムで連続的に追跡可能である複数の格納ビンとが含まれる。開示のマルチノーダルサプライチェーンシステムは、単一の連続的な有機体として実装されており、個々のトランザクショナルエンティティというよりは様々な異なる接続された目的を有する機関若しくはコンポーネントを伴っている。
本開示で使用されるように、「格納ビン」は、スマートな標準化された格納ユニットであってマルチノーダルサプライチェーンシステムにて在庫及び顧客注文を含有・格納・輸送するように構成された格納ユニットを指す。下流方向に向かう及び上流方向に向かう単一区画格納(SCS、single-compartment storage)ビン、マルチ区画格納(MCS、multi-compartment storage)ビン、ピック済み注文(PO、picked-order)ビンや完成注文(FO、finished-order)ビン等は、いずれも後述のようにスマートな格納ビンである。マルチノーダルサプライチェーンシステムは、格納ビンについての互換性・格納性・輸送性・移動性確保のために構成されている。開示の格納ビンは、例えばノード施設やノード間輸送車両団やロボティックハンドラー等のマルチノーダルサプライチェーンシステムの他の相互接続されたエンティティにとってのマスタとして機能する。格納ビンは自己のそれぞれのビン識別子を、例えば宛先の場所等のロジスティクス命令及び例えば環境要件等の処理レベル命令に関連付ける。実施形態では、開示の格納ビンは、単一のフォームファクター及び構造を有しており、これはマルチノーダルサプライチェーンシステムにて標準化されたコンプライアントロボティクス及びノード間輸送車両とインタフェースするためのものである。格納ビンは、マルチノーダルサプライチェーンシステムにおける自らのアクション・経路・行程に関して自律的に決する乃至は御するのであり、施設、ロボティックハンドラー、及びノード間輸送車両は格納ビンのコマンドを実現する主体として作用する。即ち、マルチノーダルサプライチェーンシステム内の全ての相互接続されたエンティティは、格納ビンを管理するように具体的に構成されたマテリアル捌き機材を統合している。
図1A~1Dに示すように、ノード施設のネットワークは、メガ施設10と、マクロ施設12と、マイクロ施設14と、ナノ施設16とを備える。図1Aは、実施形態による、マルチノーダルサプライチェーンシステムのメガ施設10及びマクロ施設12の国家的規模での分布を表す図である。 実施形態では、マルチノーダルサプライチェーンシステムは、国家レベルサプライチェーンネットワークとして構成されている。図1Bは、実施形態による、マルチノーダルサプライチェーンシステムのメガ施設10及びマクロ施設12の地域的規模での分布を表す図である。図1Cは、実施形態による、マルチノーダルサプライチェーンシステムのマクロ施設12及びマイクロ施設14の市町村的規模での分布を表す図である。図1Dは、実施形態による、マルチノーダルサプライチェーンシステムのマイクロ施設14及びナノ施設16の区レベルの規模での分布を表す図である。この秩序立ったマルチノーダルサプライチェーンシステムでは、各カテゴリのノード施設数は次カテゴリへと移るにつれて増大する一方で、各施設の個別的大きさは次カテゴリへ移るにつれて削減される。即ち、マクロ施設12よりも少数のメガ施設10があり、マイクロ施設14より少数のマクロ施設12があり、また、ナノ施設16より少数のマイクロ施設14がある。マクロ施設12はメガ施設10より小さく、マイクロ施設14はマクロ施設12より小さく、また、ナノ施設16はマイクロ施設14より小さい。実施形態では、メガ施設10は、製造者又はサプライヤからの在庫アイテム又は製品がノード施設のネットワークに先ず入るエントリ地点となり、ナノ施設16は在庫アイテム又は製品がノード施設のネットワークを出ていくエグジット地点となる。他の実施形態では、在庫アイテムはノード施設のネットワークを様々な地点で入出できる。別段の開示なき限り、「在庫アイテム」及び「製品」との用語は可換なものとして用いられる。
ノード施設のネットワークは、ノード施設間で在庫アイテムを輸送するために用いられるノード間輸送車両と共に、サプライチェーンエコシステムを集合的に形成するのであり、これは単一の運営エンティティによって所有及び運営され得るのであり、その制御及び責任下において在庫アイテムが外部サプライヤから初めて受領されてから顧客又は外部のラストマイル若しくは最終行程配達サービスに最終的に引き渡されるまで留まっていることができる。実施形態では、運営エンティティは、例えば顧客又は他の業者に販売するベンダ等の外部エンティティの代理として在庫及び注文充足の管理をなす契約を結んでいる。実施形態では、運営エンティティのサプライチェーンエコシステムは、運営エンティティと協業している又は契約している1つ以上のより大きなベンダの同様の機材を有するサプライチェーン若しくは流通チャンネル施設並びに/又は輸送車両によって、補完されて、それらの間で協調的に形成された大きな集約的サプライチェーンエコシステムが活用される。
例示目的で述べるに、開示のマルチノーダルサプライチェーンシステムは、図1A~1Dにて示す国家レベルサプライチェーンエコシステム内にて実装されるが;マルチノーダルサプライチェーンシステムのノード施設のネットワークが分布する特定の地理的エリア(geographic area)は、国家的規模のエリアには限定されず、また、国家的境界を越えて広がり得るのであり、また、より小さな広がりのサブ領域(sub-region)に限定され得るのであり、これはそのようなサブ領域が1つ以上の国際的境界を跨ぐかを問わない。実施形態では、少なくとも幾つかのメガ施設10は、主要海港付近の沿岸部に所在するのであり、それによって海上荷物で到着する製造者積荷又はサプライ積荷を受け付けることができる。実施形態では、マクロ施設12は、例えば都市部及び/又は主要海港等の大規模人口拠点の中又は付近に所在するのであり、施設数としてはそのような人口拠点又は海運ハブ1つ当たりに1つのマクロ施設12があてがわれ得る。また、ある実施形態では少なくとも1つのマイクロ(micro)施設14が、そして別の実施形態では複数のマイクロ施設14が、これらの大規模人口拠点に含まれる。より小さな都市はマクロ(macro)施設12を有するのであり、典型的には、比率としてはそのような都市に対して1つのマクロ施設12があてがわれるか顕著に近接した幾つかの都市間で1つのマクロ施設12が共有される。各都市は、該都市の中又は付近に所在するマクロ施設12の施設数を超える数の複数のマイクロ施設14を有するのであり、また、マイクロ施設14の施設数をさらに超える数の複数のナノ施設16を有する。
メガ施設10、マクロ施設12、及びマイクロ施設14はそれぞれ少なくとも1つの積み込みドックを備えており、ある実施形態では特にメガ施設10及びマクロ施設12に関しては複数の積み込みドックを備えており、これは複数の輸送車両について同時的に積み込み及び積み降ろしをなすため及び/又は到着及び出発積み込みドックにある輸送車両間でクロスドッキング操作をなすことを可能ならしめる機能を担い得る。開示のマルチノーダルサプライチェーンシステムでは、メガ施設10からナノ施設16に至るノード施設のネットワーク内の各ノード施設は、各々インデクスされた格納場所のアレイを備えるのであり、以下「インデクスされた格納アレイ」と称する。実施形態では、メガ施設10、マクロ施設12、及びマイクロ施設14の各々では、インデクスされた格納アレイは、図8に示すタイプの1つ以上の3次元グリッド格納構造によって少なくとも部分的には定義されており、これは「ロボティックハンドラー」と称されるロボティックな格納及び回収用車両団によるサービスを受けるのであり、これらはグリッド格納構造を3次元的に移動して3次元グリッド格納構造に関して格納ビンの預け入れ及び取り出しをなすように動作可能である。このような3次元グリッド格納構造、ロボティック格納及び回収車両及び互換性を有する格納ビンは、出願人の米国特許第15/568,646号、第16/374,123号、第16/374,143号、及び第16/354,539号にて開示されており、それら各々の全体が参照によって取り込まれる。
図2Aは、実施形態による、輸送可能な格納ビンを用いるサプライチェーンワークフローを実行するためのマルチノーダルサプライチェーンシステムについての機能的ブロック図である。マルチノーダルサプライチェーンシステム200は、マルチノーダルサプライチェーンシステム200にての格納ビン及び注文ビンの動きを監視及び制御するためのコンピュータ化サプライチェーン管理システム(CSCMS、computerized supply chain management system)201,204,216を備える。CSCMSは、マルチノーダルサプライチェーンシステム200において、格納ビン内に含まれる在庫の取り込み・格納・輸送・追跡並びにそこからの顧客注文の充足に関して、制御及び監視する。CSCMSは、高レベルプログラミング言語を用いてプログラム可能な複数のコンピュータシステムを備える。図2Aに示す実施形態では、CSCMSは、中央コンピューティングシステム201、各メガ施設10にて構成されているコンピュータ化施設管理サブシステム204、マクロ施設12、マイクロ施設14、及びナノ施設16、並びにノード間輸送車両215a,215b,215cの各々内にて構成されているコンピュータ化車両管理サブシステム216の組み合わせとされる。CSCMSは、プログラム済み且つ合目的なハードウェアを用いて実装される。
中央コンピューティングシステム201は、1つ以上のコンピュータを備え、これは、例えばインターネットや他の広域ネットワークなどの通信ネットワークに結合されたネットワークインタフェースに接続された例えばCPU202等の1つ以上のプロセッサと、非一時的コンピュータ可読記憶媒体又はメモリを備えた1つ以上のデータ記憶装置であってそれにはプロセッサによって実行されて開示の複数の処理を実行するための実行可能ソフトウェアが記憶されているデータ記憶装置とを備える。本開示で使用されるように、「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」はあらゆるコンピュータ可読媒体を指すのであり、例えば不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体が一時的な伝播する信号を除いて含まれる。不揮発性媒体には、例えばSSD、光学ディスク若しくは磁気ディスク、フラッシュメモリカード、ROM等が含まれ得る。揮発性媒体には、例えばレジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、RAM等が含まれ得る。伝送媒体には、例えば同軸ケーブル、銅線、光ファイバケーブル、モデム等が含まれ得るのであり、プロセッサに結合されたシステムバスを構成する配線類も含まれ得る。データ記憶装置は例えば中央データベース203等の1つ以上のデータベースであって、該データベースは後述の他のデータに加えて、図3E~3F及び図4A~4Bに示されるマルチノーダルサプライチェーンシステム200内の格納ビン及び注文ビン224a~224dの全ての一意的ビン識別子(Bin_IDs)と、マルチノーダルサプライチェーンシステム200内での在庫格納及び注文充足の目的で運営エンティティのサービスについて契約又は加盟した複数のベンダの一意的識別子(Vendor_IDs)とを記憶する、データベースと;ベンダが自己の顧客に提供する在庫アイテム又は製品であってマルチノーダルサプライチェーンシステム200内にて格納されているかそこで格納可能な在庫アイテム又は製品についての各々の在庫カタログとを含む。本開示で使用されるように、中央コンピューティングシステム201及びそれによってホスティングされている中央データベース203との関係での「中央」との用語は、マルチノーダルサプライチェーンシステム200の各ノード施設10,12,14,16及び各ノード間輸送車両215a,215b,215cと動作可能に結合された共有リソースとしての地位を意味するにすぎず、そのコンポーネント全てが共通の場所に所在するべきとのことは意味しない。
本開示で使用されるように、「通信ネットワーク」とは、例えば、インターネット、無線ネットワーク、Bluetooth Sig, Inc.社のBluetooth(登録商標)を実装する通信ネットワーク、Wi-Fi Alliance Corporation社のWi-Fi(登録商標)を実装する通信ネットワーク、ウルトラワイドバンド(UWB)通信ネットワーク、無線USB通信ネットワーク、ZigBee Alliance Corporation社のZigBee(登録商標)を実装する通信ネットワーク、GPRS(General Packet Radio Service)通信ネットワーク、GSM(Global System for Mobile)通信ネットワーク等の移動体通信網、CDMA(Code Division Multiple Access)ネットワーク、3Gモバイル通信ネットワーク、4Gモバイル通信ネットワーク、5Gモバイル通信ネットワーク、LTE(Long-term Evolution)モバイル通信ネットワーク、公衆電話ネットワーク等、LAN、WAN、インターネット接続ネットワーク、赤外線通信ネットワーク等、又はこれらのネットワークの任意の組合せで作られたネットワークの1つを指す。通信ネットワークは、施設管理サブシステム204が互いに通信すること及び中央コンピューティングシステム201と通信することを可能とする。
実施形態では、CSCMS201,204,216はクラウドコンピューティング環境で実装される。本開示で使用されるように、「クラウドコンピューティング環境」とは、構成可能なコンピューティング用の物理的及び論理的資源、例えばネットワーク、サーバ、記憶媒体、仮想マシン、アプリケーション、サービス等と、通信ネットワーク上に分散されたデータとを備える処理環境を指す。クラウドコンピューティング環境は、構成可能なコンピューティング用の物理的及び論理的資源の共有プールへのオンデマンドネットワークアクセスを提供する。CSCMS201,204,216は、輸送可能格納ビンを用いた2方向ロジスティクスを伴うサプライチェーンワークフローを実行するためのサービスとして実装されたクラウドコンピューティングベースドプラットフォームである。この実施形態では、中央コンピューティングシステム201及び中央データベース203は、それぞれクラウドベースドコンピュータプラットフォーム及びクラウドデータベースと称される。実施形態では、施設管理サブシステム204は、各ノード施設10,12,14,16の域内にあるコンピュータ上にインストールされて実行されているオンプレミス型ソフトウェアとして実装されている。実施形態では、車両管理サブシステム216は、各ノード間輸送車両215a,215b,215cの域内にあるコンピュータ上にインストールされて実行されているオンプレミス型ソフトウェアとして実装されている。
コンピュータ化施設管理サブシステム204は、マルチノーダルサプライチェーンシステム200内の各ノード施設10,12,14,16にてそれぞれインストールされている。各施設管理サブシステム204は、1つ以上のローカルコンピュータを備え、これは、例えばインターネットや他の広域ネットワークなどの通信ネットワークに結合されたネットワークインタフェースに接続された例えばCPU205等の1つ以上のプロセッサと、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備えた1つ以上のデータ記憶装置であってそれには1つ以上のプロセッサによって実行されて開示の複数の処理を実行するための実行可能ソフトウェアが記憶されているデータ記憶装置とを備える。データ記憶装置は、例えば各施設に関して関連性を有するデータを記憶するための各ローカル施設データベース207等の1つ以上のデータベースを、備える。施設管理サブシステム204のローカルコンピュータは、WANへの接続に加えて、施設の例えばローカル無線ネットワーク等の1つ以上のLAN206内に設けられており、それによってローカルコンピュータの1つ以上が施設の自動化ビン捌き機材と通信可能とされている。自動化ビン捌き機材には、例えば、メガ施設10、マクロ施設12、及びマイクロ施設14のロボティックハンドラー208、並びに様々なコンベヤ210及びいくつかの実施形態で後述される他の取り扱い機材が含まれる。LAN206を介して施設管理サブシステム204のローカルコンピュータの少なくとも1つが、ワークステーション並びに他の機材及び装置と通信するのであり、これには例えば人間の作業員による様々なタスクの履行について誘導するための静止型及び/若しくはモバイル型の人間-マシンインタフェース(HMI、human-machine interface)209、コンベヤ210、並びにマルチノーダルサプライチェーンシステム200の格納ビンが含まれる。実施形態では、マルチノーダルサプライチェーンシステム200は、各ノード施設10,12,14,16の施設管理サブシステム204と動作可能に通信する屋内位置決めシステム211をさらに備えるのであり、これは図2Bにて開示するように各格納ビンのリアルタイム追跡のためのものである。実施形態では、施設管理サブシステム204はビン捌き機材と動作可能且つ通信可能に結合されており、これには例えばビンカルーセル222cやドア213が含まれ、例えば図21A~21Cについての詳細な説明にて開示するように各ナノ施設16における開放可能配達ドア及び開放可能ピックアップドアとし得る。
コンピュータ化車両管理サブシステム216は、マルチノーダルサプライチェーンシステム200の各ノード間輸送車両215a,215b,215cにそれぞれインストールされている。各車両管理サブシステム216は、1つ以上のデータ記憶装置であってそれにはプロセッサによって実行されて開示の複数の処理を実行するための実行可能ソフトウェアが記憶されているデータ記憶装置に接続された1つ以上のプロセッサであって例えばCPU217等の1つ以上のプロセッサを備える1つ以上のローカルコンピュータを、備える。データ記憶装置は、特定の輸送車両及びその被輸送内容物とについて関連性を有するデータを記憶するそれぞれのローカル車両データベース220を備える。実施形態では、無線通信ユニットがノード間輸送車両215a,215b,215cのそれぞれに動作可能に結合されている。例えば広域通信装置218等の無線通信ユニットは、ノード間輸送車両215a,215b,215cのそれぞれの場所及び格納ビンいずれか1つの場所を、格納ビンがノード施設10,12,14,16間で輸送されるに際してCSCMSに伝達するように構成されている。例えば、車両管理サブシステム216のプロセッサは例えばセルラ通信装置等の無線広域通信装置218に接続されており、これは例えばセルラネットワーク等の無線広域通信を介して中央コンピューティングシステム201とモバイル通信するためのものである。実施形態では、例えばGPS装置219等の位置決めユニットがノード間輸送車両215a,215b,215c各々と動作可能に結合されている。位置決めユニットは、ノード間輸送車両215a,215b,215c各々の場所を決定し、そしてノード間輸送車両215a,215b,215c各々内にて輸送されている格納ビンいずれか1つの場所を決定するように構成されている。GPS装置219は、輸送車両215a,215b,215c各々の、少なくとも1つのローカルコンピュータの、少なくとも1つのプロセッサとも結合されており、これはGPSを介して輸送車両215a,215b,215c各々の動きを追跡するため及び輸送車両215a,215b,215c各々の算出済みGPS座標を各ローカルコンピュータに共有して中央コンピューティングシステム201へと伝達するためになされる。実施形態では、輸送車両215a,215b,215c各々のGPS装置219は、中央コンピューティングシステム201と直接的に通信してそこへとGPS座標を報告するのであり、これは車両管理サブシステム216のローカルコンピュータとは独立になされる。実施形態では、車両管理サブシステム216のローカルコンピュータはLAN221内に設けられており、これによってローカルコンピュータの少なくとも1つがマルチノーダルサプライチェーンシステム200の格納ビンと通信できる。実施形態では、車両管理サブシステム216は、例えば輸送車両215a,215b,215c内に設けられているビンカルーセル222a,222b等のビン捌き機材と動作可能且つ通信可能に結合されている。実施形態では、車両管理サブシステム216は、注文ビンをナノ施設16へと輸送する小規模輸送車両215c内に設けられている1つ以上の自動化ビンハンドラー223と、動作可能且つ通信可能に結合されている。
上述されたプロセッサは、マイクロプロセッサ、CPU装置、有限状態マシン、コンピュータ、マイクロコントローラ、DSP、ロジック、論理装置、ASIC、FPGA、チップ等、又はそれらの任意の組み合わせの1つ以上であってコンピュータプログラム又は一連のコマンド・命令・状態遷移を実行可能なものを指し得る。実施形態では、各プロセッサはプロセッサセットとして実装されており、これは例えばプログラム済みマイクロプロセッサ及び数値演算若しくはグラフィクス用コプロセッサとされ得る。CSCMSは、プロセッサを活用することに限られるわけではない。別の実施形態では、CSCMSは、コントローラ又はマイクロコントローラを活用する。
上述されるネットワークインタフェースについては、例えば、赤外線インタフェース、Wi-Fi Alliance Corporation社のWi-Fi(登録商標)を実装したインタフェース、USBインタフェース、Apple Inc.社のFireWire(登録商標)インタフェース、イーサネット(登録商標)インタフェース、フレームリレーインタフェース、ケーブルインタフェース、デジタル加入者線(DSL)インタフェース、トークンリングインタフェース、ペリフェラルコントローラインタコネクト(PCI)インタフェース、LANインタフェース、WANインタフェース、シリアルプロトコルを用いるインタフェース、パラレルプロトコルを用いるインタフェース、イーサネット通信インタフェース、非同期転送モード(ATM)インタフェース、高速シリアルインタフェース、ファイバー分散データインタフェース、TCP/IPを用いるインタフェース、衛星技術や高周波(RF)技術や近距離無線通信(NFC)等の無線通信技術を用いるインタフェース等のうちからの1つ以上とすることができる。
マルチノーダルサプライチェーンシステム200のデータベース、例えば中央データベース203、ローカル施設データベース207、及びローカル車両データベース220は、データ及びファイルを記憶するために用いられ得る任意の記憶域又は媒体を指す。データベースは、構造化クエリ言語(SQL)データストア又はNoSQL(not only SQL)データストアのいずれかとすることができ、例えば、Microsoft(登録商標)のSQL Server(登録商標)、Oracle(登録商標)サーバ、MySQL AB Limited CompanyのMySQL(登録商標)データベース、MongoDB, Inc.のmongoDB(登録商標)、Neo Technology CorporationのNeo4jグラフデータベース、Apache Software FoundationのCassandraデータベース、Apache Software FoundationのHBase(登録商標)データベース等とし得る。実施形態では、データベースはファイルシステム上の場所とすることもできる。別の実施形態では、CSCMS201,204,216が通信ネットワークを介してデータベースにリモートでアクセスできる。別の実施形態では、データベースは、クラウドコンピューティング環境にて実装されたクラウドベースドデータベースとして構成されており、この場合には通信ネットワークを介してサービスとしてコンピューティング資源が提供される。
図2Bは、実施形態による、マルチノーダルサプライチェーンシステム200内にて在庫及び顧客注文を収容・格納・輸送するための格納ビン224の構成・用法について示す機能的ブロック図である。格納ビン224は、2方向ロジスティクスを伴うサプライチェーンワークフローを実行するためのノード施設10,12,14,16及び輸送車両215a,215b,215cと動作可能に通信する。実施形態では、格納ビン224は、メガ施設10、マクロ施設12、及びマイクロ施設14におけるインデクスされた格納場所のアレイと互換性をもたらす所定のサイズ及び構成とされている。格納ビン224の一部は、ビン捌き機材との互換性をもたらすような注文ビンとして構成されており、例えばノード施設10,12,14,16間で移動する輸送車両215a,215b,215cのビンカルーセル222a,222b等とされ得る。実施形態では、格納ビン224は、次のカテゴリに分けられる:複数のベンダの在庫アイテムを保持するための格納ビン(storage bin)、ピック済み注文在庫アイテムを保持するためのピック済み注文ビン(POビン、picked-order bin)、及び完成注文を保持するための完成注文ビン(FOビン、finished-order bin)。
実施形態では、格納ビン224は次の格納ビンサブカテゴリにさらに分けられる:単一区画格納ビン(SCSビン、single-compartment storage bin)及びマルチ区画格納ビン(MCSビン、multi-compartment storage bin)。各SCSビンは単一の未分割内部的格納空間を備えるのであり、よって単一のアイテム若しくはその中のベンダ在庫の「個別品」(an "each")、又はベンダ在庫の複数のアイテム或いは幾つかの「個別品」("eaches")であって互いにアイテムタイプが一致するもののどれかを保持するように構成されている。各MCSビンの内部的(internal)格納空間は複数の区画に細分化されており、よって異なるアイテムタイプの混合在庫アイテムを保持するように構成されており、随意的には区画毎に整理されている。MCSビンは、異なるアイテムタイプの在庫アイテムを異なるそれぞれの区画内に個別的に保持するため、又は、異なるベンダに所有されている在庫アイテムを異なるそれぞれの区画内に個別的に保持するために、用いられる。実施形態では、POビンは、MCSビンと類似の細分化された内側(interior)空間を伴うマルチ区画ビン(multi-compartment bin)であり、各POビンは複数の顧客注文の内容物をその中にて受け入れるように構成されており、各顧客注文のそれぞれの内容物はPOビンの異なるサブセット内に置かれて顧客注文相互の物理的隔離を維持する。例えば、小規模な顧客注文については、各個別の顧客注文がPOの各区画の1つを占有する一方で、大規模な顧客注文については、個別の顧客注文がPOビンの複数の又は全ての区画を占有する。
注文ビンの第2のカテゴリについて述べるに、FOビンは、他のタイプの格納ビンとは異なるサイズとされており、随意的には異なる構成とされている。注文ビンについての当該第2のカテゴリは、各ナノ施設16のインデクスされた格納アレイ及び特にマイクロ施設14とナノ施設16との間で移動する輸送車両215cのインデクスされた格納アレイに関しての互換性のために特別にサイズ及び構成が定められている。実施形態では、FOビンは、その中に単一の個別の完成注文の内容物のみを受け入れるように構成された単一区画ビンであり、それは顧客又は配送員によるピックアップ(pickup)のために又は末端顧客へのラストマイル配達のために完成状態となるようにパッケージされ且つ詰められた(packaged and packed)されている。
上述した異なるカテゴリの格納ビン224は、電子的なスマートビンであり施設管理サブシステム204及び車両管理サブシステム216とデータ交換をすることができ、マルチノーダルサプライチェーンシステム200でのインテリジェントなビン駆動ナビゲーションを実行できる。実施形態では、図2Bに示すように、マルチノーダルサプライチェーンシステム200内の各格納ビン224は、各格納ビン224と動作可能に結合されたモバイルデータ記憶装置226を備える。モバイルデータ記憶装置226は、各格納ビン224の一意的ビン識別子と各格納ビン224に含まれる在庫アイテムと関連付けられているビンデータとを記憶するように構成されている非一時的コンピュータ可読記憶媒体を備える。例えば、モバイルデータ記憶装置226は、格納ビン224の静的なビン_IDを、任意の時点で格納ビン224によって搬送される内容物に関する他の可変データと共に、格納するように構成されたコンピュータ可読メモリを備える。実施形態では、各格納ビン224上のモバイルデータ記憶装置226は、無線通信ユニット225の一部である。実施形態では、無線通信ユニット225は、無線送受信機227とモバイルデータ記憶装置226及び無線送受信機227に接続されたローカルコンピュータプロセッサ228とをさらに備えるのであり、データを、任意のノード施設10,12,14,16又は任意の輸送車両215a,215b,215cにての、施設管理サブシステム204又は車両管理サブシステム216による格納ビン224のモバイルデータ記憶装置226からの読み出し及びそこへの書き込みは、無線的に(例えば施設管理サブシステム204のLAN206又は車両管理サブシステム216のLAN221を用いて)なされる。
ノード施設10,12,14,16がロボティックハンドラー208を用いて自己の各々のインデクスされた格納場所のアレイを担当させる実施形態では、施設管理サブシステム204の1つ以上のコンピュータが同じ無線ネットワーク(例えばLAN206)を用いてロボティックハンドラー208を無線的に制御する。実施形態では、各格納ビン224は、図2Aに示されるノード施設10,12,14の各々の屋内位置決めシステム211と協調的に無線通信する屋内位置決め装置229をさらに備えるのであり、これは、格納ビン224がそこのインデクスされた格納場所のアレイの外にて所在している又は動いている場合であってもノード施設10,12,14内での格納ビン224の動き及び所在を追跡するためである。屋内位置決め装置229は、各格納ビン224及び各ノード施設10,12,14に設けられている屋内位置決めシステム211と動作可能に結合されている。各格納ビン224内の屋内位置決め装置229は、屋内位置決めシステム211と動作可能に通信して各格納ビン224のリアルタイム追跡のために各ノード施設10,12,14における各格納ビン224の位置を決定及び報告するように構成されている。実施形態では、少なくとも1つのセンサ230が格納ビンの動きを検出するために各格納ビン224に動作可能に結合されており、検出された動きに応答して格納ビン224の各々に関してマルチノーダルサプライチェーンシステム200での位置追跡を開始する。格納ビン224と動作可能に結合されているセンサ230は格納ビン224の内容物や格納ビン224の施設間移転を追跡し、また、格納ビン224及びその内容物について要される処理の決定を可能とする。実施形態では、センサ230は、マルチノーダルサプライチェーンシステム200における自らのアクション・経路・行程に関して自律的に決するアクティブ型のIoTセンサであり、ノード施設10,12,14,16、ロボティックハンドラー208、及びノード間輸送車両215a,215b,215cは格納ビン224のコマンドを実現する主体として作用する。
図3A~3Bは、実施形態による、図2Aに示すマルチノーダルサプライチェーンシステムの中央データベースについて示す。中央データベース203の編成スキームについての実施形態では、中央データベース203は次の事項を含む:ベンダテーブル301、ベンダの製品テーブル303、ベンダのストック済み在庫テーブル304、施設テーブル306、輸送車両テーブル307、格納ビンテーブル308、格納ビン内容物テーブル309、格納場所テーブル310、ピック済み注文(picked-order)ビンテーブル311、ピッカー注文(PO、picker-order)ビン内容物テーブル312、完成注文(FO)ビンテーブル313、顧客テーブル314、顧客注文テーブル315、注文ラインアイテムテーブル316、供給品積荷テーブル317、及び積荷詳細テーブル318。ベンダテーブル301は、ベンダ識別子(ベンダ_ID)及び加盟するベンダの他の詳細事項を含むのであり、例えばベンダの正式法人名称、住所、請求先情報等がこれに含まれる。ベンダテーブル301にて識別された各ベンダについて、ベンダの製品テーブル303及びベンダのストック済み在庫テーブル304それそれが、中央データベース203にてその特定のベンダについてのベンダ製品カタログ305を協調的に定義する。ベンダが取り扱う各製品タイプについて、ベンダの製品テーブル303内のそれぞれの記録が、その特定の製品タイプについての少なくとも1つの一意的製品識別子を含む。一意的製品識別子は少なくとも1つのグローバル製品識別子(グローバル製品_識別子)を含み、例えばユニバーサル製品コード(UPC、universal product code)とし得るのであり、それによって特定の実施形態について後述する際に明らかとなろう目的に関して全ての加盟ベンダ302に対して製品タイプを認識可能とすることができる。実施形態では、例えば在庫管理単位(SKU、stock keeping unit)コード等のベンダ特有の製品識別子(ベンダ製品_ID)が、ベンダの製品テーブル303の各記録内に記憶されている。異なる加盟ベンダ302間での製品についての共有された識別可能性を要さない実施形態では、標準化されたフォーマットであり他の加盟ベンダ302によって可読なグローバル製品_IDを伴わずにしてSKUコード又は別のベンダ製品_IDが単独で用いられる。
実施形態では、ベンダの製品テーブル303内の各製品記録は:例えばサイズや色等の該当製品の製品属性を1つ以上や;製品がマルチノーダルサプライチェーンシステム200内を移動するに際して充足されなければならない特定のアクション又は条件を定義するベンダ特有の製品取り扱いデータや;ベンダ特有のカスタマイゼーションデータ付加価値サービス(VAS、value-added service)に基づいた運営エンティティによる1つ以上の製品改変(例えばそれによって提供される再パッケージング、ラベリング、価格タグ付け、セキュリティタグ付け等)の履行を定義するベンダ特有のカスタマイゼーションデータや;特定の製品についての制御環境要件又はその欠如についての環境データ(例えば製品自体の性質からして、その損傷・漏洩・劣化を防止するために又はそれによって発現する危険を回避・防止・最小化するため等に必要な事柄)等を含む。
製品取り扱いデータの例には次の事項に関するフラグ、コード又は命令が含まれる:重い又は容易に漏洩するアイテムをマルチアイテム注文(multi-item order)の底部に配置することや、軽い又は易損品をマルチ注文アイテム(multi-order item)の上層に配置することや、製品カテゴリに基づいてアイテムのグルーピング又は分離をなすこと等の製品詰め込み(packing)要件や;ティッシュ・気泡シート包装・贈答包装・他の包装材料で製品を包装すること、袋・箱・他の容器内に製品を配置すること、及び異なるブランド付け・様式化・サイズ決め・ゲージ決めがなされた包装材料・袋・箱・容器等についての選定をすること等の特定の製品についての特定のパッケージング(packaging)タイプの選定及び用途についてのパッケージング要件等。製品取り扱いデータの他の例としては:特別に整備された施設・施設ゾーン・施設ワークステーション・輸送車両{への送付/での処理/での取り扱い}を特に要する、揮発性・可燃性・他の事由由来の危険性を有するアイテムの格納及び/又は取り扱いに関する、フラグ、コード又は命令と;交差汚染回避目的のアレルギー的に安全な食品アイテム取り扱いのためのフラグ、コード又は命令とが含まれる環境データの例としては:冷凍食品アイテムについての冷凍格納要件についての指示や、チルドされているが非冷凍の食品アイテムについての冷蔵格納要件についての指示や、制御環境条件を特に要さない一般的アイテムについての常温格納許容性についての指示等が含まれる。実施形態では、CSCMSは、環境データを用いて、マルチノーダルサプライチェーンシステム200のノード施設及び輸送車両内の様々な環境的に異なる若しくは環境的に制御された格納ゾーン若しくは領域への製品の配置を決定及び制御する。
製品取り扱いデータ、カスタマイゼーションデータ、及び環境データのいずれか1つ以上は、フラグ付けされた注意及び規定された命令が了知若しくは遵守されるべきマルチノーダルサプライチェーンシステム200における異なる段階に応じて分類されるのであり、例えば、製品が合致する製品とグループ化され且つベンダの在庫の合致する製品に対して同じカスタマイゼーションタスク又はVASアクションが注文充足のためにそれをピッキングする前に単一区画格納(SCS、single-compartment storage)ビン内にて搬送される間になされるべきアクションと、完成された顧客注文の最終パッケージング及び詰め込みに適用されるパッケージング・詰め込み用のフラグ・コード・命令等のさらに下流にてなされるべき他のアクションとの区別を考え得る。
実施形態では、ベンダの製品テーブル303内の各製品記録は、ベンダの顧客に製品を販売することが意図されている顧客販売価格と、最大購入価格と、他のベンダに製品を例えばその在庫不足を充足するために販売することを申し出し得るベンダ販売価格とをさらに含む。実施形態では、ベンダの製品テーブル303内の各製品記録は、在庫の任意のタイミング制約についてのタイミングデータを含む。各ベンダのそれぞれの製品カタログ305についてのベンダのストック済み在庫テーブル304には、直接的又は中央データベース203の他のテーブルとの関連で特定の製品の数量及びベンダのためにサプライチェーンエコシステム内にて現在在庫が持たれている在庫有り製品の所在を特定するために十分なデータが、収められている。ベンダのストック済み在庫テーブル304内の各在庫記録は次の事項の全部又は一部を含み得る:ベンダの在庫有り製品の1つ以上が現在格納されている格納ビンの特定の区画の区画識別子(区画_ID);区画が属する格納ビンの各ビン_ID;格納ビンが現在所在する特定の施設の一意的施設識別子(施設_ID)若しくは格納ビンが現在所在する特定の輸送車両の一意的車両識別子(車両_ID);格納ビンの区画内の在庫有り製品1つ以上のベンダ及び/若しくはグローバル製品_ID;格納ビンの区画内の在庫有り製品1つ以上の数量;及びインデクスされた格納場所のアレイ内に収容されている場合には、格納ビンが施設又は輸送車両のインデクスされた格納場所のアレイ内にて所在する特定の格納場所の一意的場所識別子(場所_ID)。細分化されたマルチ区画格納(MCS、multi-compartment storage)ビンを用いる実施形態では、ベンダのストック済み在庫(stocked inventory)テーブル304内の各ストック記録(stock record)は最低限で製品_ID及び区画_IDを含み、これから上述の他の随意的記録内容は図3A~3Bに示す他のテーブルとの関係で導出できる。細分化されたMCSビンが用いられない実施形態では、区画_IDフィールドを省いて代わりに製品_IDにビン_IDを伴わせて含めることによって、機能的に等価な目的を充足できる。
図3Aでは、施設_ID/車両_ID、場所_ID、及びビン_IDがベンダのストック済み在庫テーブル304に含められており、特定の製品_IDについてのクエリに応答して中央データベース203からプルできる様々なデータを示すためにそれらは示されている。実施形態では、そのようなデータをベンダのストック済み在庫テーブル304に冗長的に含めることを要さずして、他のテーブルとの関係で該データをプルする。同様に、開示の他のテーブルにて示される冗長データは類似の説明的目的のものであり、実務的にはより正規化されたDB構造を実装してそのようなデータ冗長性を減じ得ることに留意されたい。
図3Aに示すように、中央データベース203の施設テーブル306は記録を含み、それぞれは、各施設の施設_IDを有する静的フィールドと、例えば所在地住所及び/又はそのGPS座標やある実施形態では施設が環境的に制御された格納機能を有するかを識別するための環境データ等の施設に関する追加的関連情報とを含む。実施形態では、マルチノーダルサプライチェーンシステム200の全ての施設が環境的に異なる格納ゾーンに関して等価な種別を有している場合、施設テーブル306から該環境データは省かれる。中央データベース203の輸送車両テーブル307は記録を備えるのであって、それぞれは少なくとも、マルチノーダルサプライチェーンシステム200の各輸送車両の車両_IDを伴う静的フィールドと、輸送車両が後に向かうことが定められている施設の施設_IDのための可変宛先フィールドとを含む。実施形態では、輸送車両の環境的に制御された格納性能に関する環境データについてのフィールドもある。実施形態では、マルチノーダルサプライチェーンシステム200の全ての輸送車両が環境的に異なる格納ゾーンに関して等価な種別を有している場合、輸送車両テーブル307から該環境データは省かれる。実施形態では、輸送車両テーブル307は、輸送車両のタイプ、輸送車両の現在若しくは最後のGPS座標、並びに/又は宛先施設における推定到着時刻(ETA、estimated time of arrival)が含まれる。
中央データベース203の格納ビンテーブル308はマルチノーダルサプライチェーンシステム200の格納ビン全てのビン_IDを格納するのであり、それぞれは各々の記録内にあり、それは次の事項も含む:各々の格納ビンが所在する施設の施設_ID若しくは各々の格納ビンが所在する輸送車両の車両_ID;並びに格納ビンが現在インデクスされた格納アレイ(indexed storage array)の1つに収容(stow)されている場合は施設又は輸送車両のインデクスされた格納アレイ内に所在する格納ビンの特定の格納場所又は格納ビンが置かれているか施設の内外にて動かされているロボティックハンドラー若しくはコンベヤ上での動的格納場所についての場所_ID。格納ビンがMCSビンとして構成されている実施形態では、各格納ビン記録は、MCSビンの各区画の各々の区画識別子(区画_ID)を記憶するための区画フィールドも含む。SCSビンのみが用いられる実施形態では、格納ビン記録は区画フィールドを含まない。実施形態では、格納ビンテーブル308は環境フラグを記憶し、これは環境条件又は格納ビンの内容物についての要件を示す。
実施形態では、中央データベース203の格納ビン内容物テーブル309は、各格納ビンの各区画の内容物を含みその追跡を可能とする。格納ビン内容物テーブル309の各記録は、次の事項を含む:特定の格納ビン区画の区画_ID;該特定の区画が属する格納ビンのビン_ID;格納ビンの区画内にある1つ以上の製品の製品_ID;格納ビンの区画内の製品の数量;及び製品を所有するベンダのベンダ_ID。MCSビンが用いられずにSCSビンのみが用いられる実施形態では、区画_IDフィールドの使用が省かれる。これらの実施形態では、図3Aに示す格納ビン内容物テーブル309の他のデータフィールドは格納ビンテーブル308内に直接的に記憶される。なぜならば、ベンダの在庫有り在庫の場所を追跡するために各ビンのビン_IDを用い得るからである。
中央データベース203のグローバル格納場所テーブル310は、全ての施設及び輸送車両のインデクスされた格納アレイの全インデクスされた格納場所を列挙する。したがって、このグローバル格納場所テーブル310内の各記録には、マルチノーダルサプライチェーンシステム200内での各格納場所の場所_IDと、格納場所が所在する施設の施設_ID若しくは格納場所が所在する輸送車両の車両_IDと、その格納場所が属する環境制御カテゴリを反映する環境状態インジケータと、あるならばその格納場所に現在格納されている格納ビン若しくは注文ビンのビン_IDとが含まれる。環境状態インジケータは、格納場所が所与の施設又は輸送車両の常温格納ゾーン・冷蔵格納ゾーン・冷凍格納ゾーンのどれに所在するかを示す。
したがって、全施設及び全輸送車両のインデクスされた格納アレイ(indexed storage array)は、マルチノーダルサプライチェーンシステム200の格納されたビン(stored bin)の場所のグローバルマッピングのために完全にインデクス付けされており、マルチノーダルサプライチェーンシステム200の個別の各インデクスされた格納場所(indexed storage location)は、その中の単一の格納ビン(storage bin)各々の配置及び格納に対応するように具体的にサイズ及び形状が定められているフットプリントを有しており、また、中央データベース203の記録内には各々の場所識別子又はアドレス(場所_ID)を有するのであってこれによって任意のインデクスされた格納アレイ内に収容(stowed)された任意の格納ビン(storage bin)の正確な所在をいつでも識別することができるのであり、このようなインデクスされた格納アレイが輸送車両内に含まれる故に施設間での移送中であってもこれをなし得る。このようにして、ベンダのストック済み在庫テーブル304と施設テーブル306と輸送車両テーブル307と格納ビンテーブル308と格納ビン内容物テーブル309とグローバル格納場所テーブル310とを組み合わせることによって、格納ビンに配置した在庫及び格納ビンに対応した任意のインデクスされた格納アレイ内へと取り込まれた在庫の全ての場所について記録及び追跡される。マルチノーダルサプライチェーンシステム200が常温格納のみを用いており環境的に制御された格納環境(例えば、冷蔵格納ゾーン及び/又は冷凍格納ゾーンを含む)を有さない場合、環境データはベンダの製品テーブル303及び施設テーブル306から省かれ、また、環境状態がグローバル格納場所テーブル310から省かれる。
ベンダ在庫を保持するための格納ビンに加えて、マルチノーダルサプライチェーンシステム200は、格納ビンと同じ標準化されたサイズ及び構成のPOビンをも用いるのであり、これによってこれらPOビン内に配置されたピック済み注文が、メガ施設・マクロ施設・マイクロ施設及びそれらの間で移動する輸送車両にあるインデクスされた格納場所に1対1のビン対場所の対応で同様にして格納可能とされる。したがって、中央データベース203のPOビンテーブル311は格納ビンテーブル308と類似の構造となっている。したがって、POビンテーブル311の各記録は静的フィールド即ち次の事項を有する:各POビンのビン_ID;POビンが現在所在する施設の可変施設_ID又は各POビンが現在所在する輸送車両の車両_ID;POビンが現在インデクスされた格納アレイの1つに収容されている場合は施設又は輸送車両のインデクスされた格納アレイ内に所在するPOビンの特定の格納場所又はPOビンが置かれているか施設の内外にて動かされているロボティックハンドラー若しくはコンベヤ上での動的格納場所についての場所_ID。
実施形態では、POビンはその中に複数の顧客注文を保持し得るMCSビンである。したがって、POビンテーブル311の各POビン記録は、各POビンの区画_IDを含む静的フィールドを含む。この実施形態では、中央データベース203の個別のPOビン内容物テーブル312は、各POビンの各区画の内容物を追跡する。したがって、POビン内容物テーブル312内の各記録は次の事項を含む:各POビン区画の区画_ID;該区画が属するPOビンのビン_ID;該区画内に所在する1つ以上の製品についての特定の顧客注文の注文番号(order number);該区画内の1つ以上の注文済み製品によって完全に又は部分的に充足される特定の顧客注文のラインアイテム番号;並びに該区画内の注文済み製品の数量(quantity)。ラインアイテム及び数量をPOビン内容物テーブル312に含めることによって、大きめな注文の内容物を複数の区画に散らしたりさらには複数のPOビンに散らしたりすることができる。POビンが複数の区画に細分化されていない実施形態では、POビンについての区画_IDの使用は省かれる。なぜならば、各注文ビンたった一つ区画を有するのであり、その場合ピック済み注文(picked order)の所在を識別するためにはビン_IDが用いられるこれらの実施形態では、POビン内容物テーブル312は完全に省かれ、代わりに、POビンテーブル311内に直接的に注文番号、ラインアイテム番号、及び数量が記録される。
POビン内容物テーブル312内に記録された注文番号は別個の顧客注文テーブル315から検索され且つ割り当てられるのであり、各記録は次の事項を含む:それぞれの顧客注文の注文番号、その顧客注文の充足対象たる顧客の一意的識別子(顧客_ID)、顧客注文を充足するベンダの一意的識別子(ベンダ_ID)、及び顧客注文に対してその作成時に適用された任意の配送選好。関連する注文ラインアイテムテーブル316では、各記録は次の事項を含む:ラインアイテム番号、該ラインアイテムが属する顧客注文の注文番号、顧客注文のラインアイテムを充足するのに要する製品タイプの製品_ID、及び該ラインアイテムについて充足するべき製品タイプの数量。各顧客の顧客_IDも別個の顧客テーブル314内に記憶されており、それと共に他の顧客アカウント情報も記憶されており、これには各顧客の氏名、住所、及び請求先情報が含まれる。
ピック済み(picked)注文が置かれるマルチ区画POビンに加えて、実施形態では、マルチノーダルサプライチェーンシステム200は単一区画FOビンも用いるのであり、顧客によるピックアップ又は顧客への配達のために個別の顧客注文が完成状態にパッケージングされたらば(packaged)これに詰められる(packed)。実施形態では、FOビンは格納ビン及びPOビンとは異なるより小さな標準化されたサイズとされ、例えばそれら他のビンの約半分のサイズとされる。より小さなFOビンは、メガ施設・マクロ施設・マイクロ施設・それらの間を移動する輸送車両のインデクスされた格納アレイとは互換性がなく、代わりに、ナノ施設にて用いられる異なるタイプのインデクスされた格納アレイ向けにサイズ及び構成が定められている。
中央データベース203のFOビンテーブル313は次の事項を含む静的フィールドを備える:FOビンのそれぞれ1つについてのビン_ID、FOビン内に所在する1つ以上の製品についての特定の顧客注文の注文番号;FOビンが現在所在する施設の施設_ID又は各FOビンが現在所在する輸送車両の車両_ID;FOビンが現在インデクスされた格納アレイの1つに収容されている場合は施設又は輸送車両のインデクスされた格納アレイ内に所在するFOビンの特定の格納場所又は格納ビンが置かれているか施設の内外にて動かされているロボティックハンドラー若しくはコンベヤ上での動的格納場所についての場所_ID。複数のFOビン間で大きな注文の分散を許容するために、実施形態では、FOビンテーブル313内の各記録は、FOビン内の1つ以上の注文済み製品によって完全に又は部分的に充足される特定の顧客注文のラインアイテム番号と、該FOビン内の注文済み製品の数量とをさらに含む。実施形態では、FOビンテーブル313は、顧客の一意的識別子(顧客_ID)並びに顧客注文の充足及び/若しくは返品状態をさらに記憶する。
中央データベース203の供給品積荷テーブル317には、新たな在庫をマルチノーダルサプライチェーンシステム200(典型的にはメガ施設)に配達するように予定された期待在庫供給品積荷についての事項が入っている。供給品積荷テーブル317の各記録には次の事項が含まれる:期待供給品積荷の一意的識別子(積荷_ID)、供給品積荷の源泉となるサプライヤの一意的識別子(サプライヤ_ID);運営主体によって代理受領されている積荷の受領者たるベンダ(即ち新たに到着する在庫を所有するベンダ)のベンダ_ID;及び供給品積荷の配達が予定されている施設の施設_ID。供給品積荷の内容物は別個の積荷詳細テーブル318において列挙されており、各記録は次の事項を含む:期待供給品積荷内の製品の各ケースについての一意的識別子(ケース_ID)、ケースが属する積荷の積荷_ID、ケース内に含まれる製品タイプの製品_ID、及びケース内にある製品タイプの数量。
図3C~3Dは、実施形態による、図2A~2Bに示すマルチノーダルサプライチェーンシステム200のローカル施設データベース207及びローカル車両データベース220について示す図である。マルチノーダルサプライチェーンシステム200のローカル施設データベース207の組織スキームについての実施形態では、ローカル施設データベース207は施設格納テーブル320aを含むのであり、これにおいては該特定の施設の格納アレイのそれぞれの格納場所のみがインデクス付けされるのであり、図3Bに示す中央データベース203のグローバル格納場所テーブル310(こちらはマルチノーダルサプライチェーンシステム200の全ての格納場所についてのグローバルインデクスを代わりに提供する)とは異なる。グローバル格納場所テーブル310と類似しており、施設格納テーブル320aの各記録は次の事項を含む:各格納場所についての場所_IDのための静的フィールド、該格納場所が属する環境制御カテゴリ(例えば、常温格納ゾーン・冷蔵格納ゾーン・冷凍格納ゾーン)を表す環境状態インジケータ、及び存在するならばその場所に現在格納されている格納ビンのビン_ID。
ローカル施設データベース207は自動化機材情報テーブル320bをさらに備えるのであり、これは、例えば特定の施設にて動作可能なロボティックハンドラーやコンベヤ等の自動化機材の各個の一意的識別子(機材_ID)のための静的フィールドを含む。ロボティックハンドラーは、インデクス付けされており、また、格納ビンを施設内外にて動かす際に格納ビンを配置及び位置決めするための動的格納場所を、定義する。実施形態では、コンベヤは、格納ビンの施設内での移転又は{施設/輸送車両}から{輸送車両/施設}への移転がなされる際の格納ビンの格納場所をも定義する。格納ビンがロボティックハンドラー又はコンベヤによって施設の内外にて移動される際に、機材_IDは格納ビンの場所_IDとして用いられて、格納ビンの連続的追跡を可能とする。自動化機材情報テーブル320bは、施設の内外にて現在ロボティックハンドラー又はコンベヤによって保持・移動されている格納ビンのビン_IDのための可変フィールドをさらに含む。自動化機材情報テーブル320bは、例えば機材タイプ(例えば、ロボティックハンドラー又はコンベヤ)や自動化機材のリアルタイムでの場所等他の情報も記憶している。別の実施形態では、例えばフォークリフト等の手動オペレーションズ機材も機材_IDへとマッピングされており、動的格納場所を定義する。この実施形態では、格納ビンが施設内にて手動オペレーションズ機材によって手動的に操作される際に、手動オペレーションズ機材の機材_IDは格納ビンの場所_IDとして用いられて、格納ビンの連続的追跡を可能とする。
ローカル施設データベース207は1つ以上のオンサイトビンテーブル322を含み、これは当該特定の施設の現地に現在ある全ての格納ビン及び/又は注文ビンのビン_IDを列挙する。実施形態では、ローカル施設データベース207のオンサイトビンテーブル322は次の事項を記憶するためのフィールドを有する:各格納ビンの空/占有中状態、環境フラグ、各格納場所の場所_ID、宛先施設_ID、及びタイミングデータ。複数のビンタイプを有する施設に関しては、実施形態では、各ビンタイプはそれぞれ自己のオンサイトビンテーブル322をローカル施設データベース207内にて有している。ローカル施設データベース207はワークステーション情報テーブル321をさらに含み、これには次の事項が含まれる:当該特定の施設に所在する異なるワークステーションの一意的識別子(ワークステーション_ID);各そのようなワークステーションについて、ワークステーションにて行われる作業オペレーションズのタイプを表すワークステーションタイプ(例えば、取り込みワークステーション、付加価値サービス(VAS、value-added service)ワークステーション、キット化ワークステーション、ピッキングワークステーション、詰め込みワークステーション等);施設内のワークステーションの場所(例えばこれは、ロボティックハンドラーを動かすように命令するアドレス形式並びに/又はコンベヤ若しくは他の自動化ビン捌き機材による格納ビンの移動若しくは搬送を命令するアドレス形式とされている);そのワークステーションにて備蓄されている作業用品(例えば、パッケージング、ラベリング、及びタグ付け用品)の識別事項;ある実施形態では、1つ以上のワークステーションカテゴリフィールドが含まれ、該フィールドは、他の同じタイプのワークステーションから該ワークステーションを区別する該ワークステーションにて提供される特化した何らかのオペレーティング特性又は機能を指定するカテゴリフィールドとされ得る(例えば、特定の製品クラスとの互換性又は非互換性を示すカテゴリフィールド(例えば、露出した食品の取り扱いのためのより厳格な衛生基準に準拠した食品級ワークステーションや;アレルギー誘発性製品が禁じられるアレルゲン禁制ワークステーションであって随意的にはサブカテゴリによって編成されたワークステーション(例えば、ピーナッツ禁制、木の実禁制、グルテン禁制、貝類禁制、乳製品禁制等)や;他のワークステーションカテゴリでは禁止される危険物のために特に設けられた危険物ワークステーション)。実施形態では、カテゴリ化はフラグ基準でなされ、特化したワークステーションのみが特別なカテゴリでフラグ付けされるのであり、任意のそのようなフラグの欠如は一般物品ワークステーションを示すのであってそこでは制限製品クラス(例えば、危険物や露出型食品等)以外のあらゆるものがその潜在的アレルゲン含有性を問わずに許容され得る。ローカル施設データベース207は施設情報テーブル319をさらに含み、これは図3Aに示す中央データベース203の施設テーブル306内のと同じ又は似た内容を記憶するためのものである。実施形態では、施設情報テーブル319は、随意的には、その施設に現在所在する空の及び占有中の格納ビンの数量を識別するビン数量データを記憶する。
図3Dに示すように、各ローカル車両データベース220は車両格納テーブル324を備え、これにおいては当該特定の輸送車両の格納アレイの各格納場所のみがインデクスされている。各ローカル施設データベース207の施設格納テーブル320aと類似しており、車両格納テーブル324の各記録は次の事項についての静的フィールドを有する:輸送車両のインデクスされた格納アレイ内の各格納場所についての場所_ID、該格納場所が属する環境制御カテゴリ(例えば、常温格納ゾーン・冷蔵格納ゾーン・冷凍格納ゾーン)を表す環境状態インジケータ、及び存在するならばその場所に現在格納されている格納ビンのビン_ID。実施形態では、ローカル車両データベース220は自動化機材情報テーブル324bをさらに備えるのであり、これは図3Cに示す自動化機材情報テーブル320bに類似しており輸送車両内に搭載されている自動化機材を記憶するためのものである。ローカル車両データベース220は1つ以上のオンボードビンテーブル325をさらに備えるのであり、これは現在輸送車両に搭載されている全ての格納ビン及び/又は注文ビンのビン_IDを列挙する。ローカル車両データベース220は車両情報テーブル323をさらに含み、これは図3Aに示す中央データベース203の輸送車両テーブル307内のと同じ又は似た内容を記憶するためのものである。実施形態では、車両情報テーブル323は、随意的には、その輸送車両に現在搭載されている空の及び占有中の格納ビン並びに/又は注文ビンの数量を識別するビン数量データを記憶する。
図3E~Fは、実施形態による、異なるカテゴリの格納ビン224a,224b,224c,224dに記憶されたローカルデータについて示す図である。データは格納ビン224a,224b,224c,224dのモバイルデータ記憶装置226上に記憶されており、例えば図2Aに示される中央コンピューティングシステム201の中央データベース203や施設管理サブシステム204のローカル施設データベース207や車両管理サブシステム216のローカル車両データベース220にて用いられているものに類似した表形式データベースフォーマットとされ得る。ベンダ在庫を保持する格納ビン224a,224bのモバイルデータ記憶装置226上において、ビン情報テーブル326は次の事項を記憶する:格納ビンの静的ビン_ID;格納ビンの区画_ID;並びに少なくとも環境的に特有な格納ビンが用いられる実施形態(例えば、冷温格納と常温格納とで及び/又は冷温格納の異なるクラス(例えば、冷蔵や冷凍)間で異なる材質又は異なる構成の格納ビンを用いる場合)では、施設及び輸送車両の異なる環境的に制御された格納ゾーンとの格納ビンの適合性の有無を指定する環境フラグ。実施形態では、ビン情報テーブル326は次の事項をさらに含む:ビン取り扱いデータであって、これは例えば、ビン取り扱いデータを、図3Aに示されたベンダの製品テーブル303からの製品取り扱いデータと、比較することによって所定の製品タイプについて特定の格納ビンを選択して、格納ビンが製品取り扱い要件に対応しているか否かをチェックすることに際して有用たり得るビン取り扱いデータ;図2A~2Bに示されるマルチノーダルサプライチェーンシステム200を通して格納ビンを輸送すべき特定の施設、地理的領域又は他の宛先を識別する宛先データ;及び格納ビンの意図された宛先への配達に関しての任意のタイミング制約に関するタイミングデータ。ビン情報テーブル326内のビン取り扱いデータについての1つの例としては、特定の格納ビンがアレルゲン禁制格納ビンであるとの指定を挙げ得るのであり、この場合、1つ以上の特定のアレルギー誘発性製品カテゴリのもの(例えば、ピーナッツ、木の実、グルテン、貝類、乳製品等)が置かれてはならないものとされる。
さらに、ベンダ在庫を保持する格納ビン224a,224bのモバイルデータ記憶装置226上では、内容物テーブル327が任意の時点における格納ビンの可変内容物について記録する。この内容物テーブル327の各記録は次の事項を含む:格納ビンの各区画の区画_ID、格納ビンの区画内に格納された製品タイプの製品_ID;格納ビンの区画内に格納された製品タイプの数量、及び各製品タイプの該数量が属する特定のベンダのベンダ_ID。SCSビン224aが用いられる実施形態では、区画_IDをビン情報テーブル326及び内容物テーブル327に含めることは随意的であり、省略可能である。また、ベンダ在庫を保持する格納ビン224a,224bのモバイルデータ記憶装置226上の製品情報テーブル328には、該格納ビンの1つ以上の区画内に含まれる製品の1つ以上のベンダのベンダ製品テーブル303のフィールドからの事項が入力される。格納ビン224a,224bの製品情報テーブル328内の各記録は、したがって内容物テーブル327からのそれぞれのベンダ及び/又はグローバル製品_ID、並びにそのベンダのベンダ製品テーブル303内の対応する製品記録からの全部又は一部のフィールドのコピーを含むのであり、例えば、1つ以上の施設内での取り扱い及びカスタマイゼーション並びに施設及び輸送車両両方内での環境的配置を定めるのに用いられる取り扱いデータ・カスタマイゼーションデータ・環境データが含まれる。
さらに、マルチ区画POビン224cのモバイルデータ記憶装置226の内容はMCSビン224bのそれと似ており、例えば、ビン情報テーブル326及び製品情報テーブル328の内容という側面で随意的には完全に又は実質的に同一とされ得るも、カスタマイゼーションデータが随意的に省略されたり内容物テーブル327の側面で異なったりし得るのであり、POビン224cはピック済み顧客注文を保持するためのものであり未だピックされていないベンダ在庫とされていない故にビン内容物は顧客注文によって識別される。POビン224cについては、内容物テーブル327内の各記録は次の事項を含む:POビン224cの各区画の区画_ID、区画内にピック済み製品タイプを有する特定の顧客注文の注文番号、該顧客注文の充足対象たる特定の顧客の顧客_ID、区画内のピック済み製品タイプによって充足された顧客注文内の各ラインアイテムを識別するラインアイテム番号、ピック済み製品タイプの製品_ID、区画内のピック済み製品タイプの数量、及びピック済み製品タイプのピック元となった特定のベンダのベンダ_ID。実施形態では、POビン224cのモバイルデータ記憶装置226内に記憶された内容物テーブル327内の各記録には、宛先データ及び注文タイミングデータが含まれる。
また、単一区画FOビン224dのモバイルデータ記憶装置226の内容はマルチ区画POビン224cのそれと似ており、例えば、ビン情報テーブル326・ビン内容物テーブル327・製品情報テーブル328の内容という側面で随意的には完全に又は実質的に同一とされ得るも、FOビン224dの単一の区画_IDは随意的に省略され得る。図3A~3Dに示される中央データベース203、ローカル施設データベース207、及びローカル車両データベース220並びに図3E~3Fに示される様々な格納ビン224a~224dのモバイルデータ記憶装置226内での特に例示されたデータの編成及び組織化並びにそれらの様々な記録内に含まれる特定のフィールドの特定の選択は、単に例示目的で供されているにすぎず、本明細書にて開示される実施形態の範囲を限定することは意図されていないことに留意されたい。識別された特定のフィールドは一般的には本明細書にて詳述された様々な実施形態の運用上の詳細事項に特に関するものであるも、追加の又は無関係の機能性のために追加のデータを他の実施形態が用いたり、特に詳述された実施形態内にて示されたフィーチャや機能のサブセットによって特徴付けられる他の実施形態に不要な随意的データを省いたりできる。
図4Aは、実施形態による、マルチノーダルサプライチェーンシステム200を順方向又は下流方向に向かうサプライ、在庫及び注文が入った格納ビンについてのワークフローについて示す図である。図4Aでは、一連のメガ施設・マクロ施設・マイクロ施設10,12,14における到着方向及び出発方向の輸送行為が例示されており、製造者、サプライヤ、及び/又は外部の・パートナーの・契約関係有りのエンティティによって運営される流通センタ(以下、「サプライヤ」という。)からの到着供給品積荷401a,401bがメガ施設10にて受領されることによってことが始まる。マルチノーダルサプライチェーンシステム200は、個別のノード施設10,12,14,16、並びに、供給品積荷と製品在庫と顧客注文とマルチノーダルサプライチェーンシステム200にてこれらを格納・輸送するために用いられる格納ビン・注文ビンとの関係でのそこにおける及びそれらの間でのワークフローを、管理する。メガ施設10に到着する到着供給品積荷の少なくとも1つの幾つかは典型的にはフルケース積荷401aであり、各ケース(例えば、段ボール箱、再利用可能トート、又は他の容器)は製品タイプを1つのみ(即ち、合致する製品_IDの製品のみ)を含む。本開示で使用されるように、「在庫管理単位(SKU、stock keeping unit)」との用語は、一意的製品識別子即ちグローバル製品識別子又はベンダ特有製品識別子を指すために用いられる。よって、単一SKUケース又は単一SKUビンとは、同じタイプの製品を含むケース又はビンを指すのであり、これら製品の等価性がそれらの製品によって共有される合致するSKU、合致するユニバーサル製品コード(UPC、universal product code)、又は合致する別のグローバル若しくはベンダ特有製品識別子のいずれによってもよい。フルケース積荷401aは多くの場合パレット化された形式(即ち、パレット402として)でサプライヤからメガ施設10に到着する。したがって、各メガ施設10は、フルケース積荷401aを脱パレット化するための脱パレット化ステーションを少なくとも1つ備える。他の到着するフルケース積荷401aはパレット化積荷ではなくばらケース型積荷たり得るのであり、その場合脱パレット化は要されず、また、メガ施設10内の脱パレット化ステーションは省かれるかバイパスされることができる。
パレット化されているもの又はばら状態のものであれ、従来型の製品パッケージング(例えば、段ボール箱や輸送用トート等)で受領されたフルケース積荷401aとの関係で追加的に又は代替的には、到着供給品積荷は随意的には予めビンされた積荷401b,401cを含むことができ、製品はメガ施設・マクロ施設・マイクロ施設10,12,14のそれぞれとの互換性を有する格納ビン224a,224bを用いてサプライヤから配達される。このような場合、サプライヤからメガ施設10に予めロードされた状態で来る到着格納ビン224aは、SCSビン224aとされ得るのであり、各々は、製品を到着したSCSビン224aから他のSCSビン224aへと移転する単一化(singulation)ステップを行うことを要せずにメガ施設10のインデクスされた格納アレイ内へと直接的に取り込まれ得る合致する製品タイプの製品のみを、含む。
メガ施設10にて詰められた又は予めビン入れされた積荷401bを介して受領されたSCSビン224a(以下、「単一SKUビン」ともいう。)は、下流に向かってマクロ施設12の1つへ輸送するためにメガ施設10から例えばセミトレーラトラック等の大型輸送車両215aに積み込まれる。マクロ施設12では、SCSビン224aはキットが入れられた下流に向かうマルチ区画格納ビン(DMCS、downstream-headed multi-compartment storage)を詰めるためにマクロ施設12にて用いられる。DMCSビン224b(「複数SKUビン」ともいう。)は、下流に向かってマイクロ施設14の1つへと輸送するために、マクロ施設12から例えばセミトレーラトラック等の大型輸送車両215bに積み込まれる。実施形態では、マイクロ施設14は、予めビン入れされた積荷401cからDMCSビン224bを受領する。マイクロ施設14にある格納ビンは、他の格納ビン224a,224bとは異なるより小さな標準化サイズ及びフットプリントを有する完成注文(FO、finished-order)ビン224dとされる。実施形態では、これらFOビン224dは他の格納ビン224a,224bの約願分のサイズ及びフットプリントとされており、各々については単一の顧客注文のみを含むことが意図されており、故にそれらの内部はDMCSビン224bのように細分化されていることを要さない。この実施形態では、これらのより小さなFOビン224dは、図2A~2Bに示されるメガ施設10、マクロ施設12、及びマイクロ施設14のインデクスされた格納アレイ及びロボティックハンドラー208並びに図2A~2Bに示される輸送車両215a,215bのビンカルーセル222aとは互換性を有しておらず、代わりに、ナノ施設16及び輸送車両215cにて用いられる異なるタイプのインデクスされた格納アレイ向けに特化されたサイズ及び構成とされている。
図4Bは、実施形態による、マルチノーダルサプライチェーンシステム200を逆方向又は上流方向に向かう空及び顧客返品格納ビン224a,224b,224dについてのワークフローについて示す図である。本明細書にて開示されるマルチノーダルサプライチェーンシステム200はサプライチェーンワークフローの自律的で整然とした管理を実施するのであり、格納ビン224a,224b,224dはエンドポイントを含む各ノード施設10,12,14,16にて1対1の対応(即ち1:1)で交換されて、マルチノーダルサプライチェーンシステム200を通じての順方向及び逆方向の格納ビン224a,224b,224dの流量が等価且つ連続的とされることが可能となる。マルチノーダルサプライチェーンシステム200は、したがって、ノード施設10,12,14,16及び対応する輸送車両215a,215b,215cにおける1:1でのトランザクションを可能とするのであり、それによって図4Bに示される格納ビン224a,224b、224dの逆行流量が図4Aに示される順行流量と同じになることが可能となり、それによってマルチノーダルサプライチェーンシステム200が整然としたものとなる。
図5は、実施形態による、図2A~2B,4A~4Bに示されるマルチノーダルサプライチェーンシステム200のメガ施設10のレイアウトについての上面図である。メガ施設10は到着積み込みドック501、出発積み込みドック502、及びグリッド格納構造507を有するインデクスされた格納アレイを備える。実施形態では、到着積み込みドック501及び出発積み込みドック502は、メガ施設10の対向する外縁又は端部に配置される。実施形態では、グリッド格納構造507は図8に示されるタイプのものであり、図8の詳細な説明にて開示されている。この実施形態では、グリッド格納構造507は環境的に異なる格納ゾーンに細分化されており、例えば主たる常温ゾーン507a、小さな冷蔵ゾーン507b、及び小さな冷凍ゾーン507cとされ得る。実施形態では、環境的に異なる格納ゾーンの個数及びそれらの相対的比率及びグリッド格納構造507における配置は、可変とされ得る。グリッド格納構造507を環境的に異なる格納ゾーン507a,507b,507cに細分化することによって、メガ施設10の環境的に異なる格納ゾーン507a,507b,507cは、グリッド格納構造507上にて運用されるロボティックハンドラー208の同じ共通フリートによって担当される。このタイプの細分化マルチゾーン格納構造の構造及び運用については、出願人の米国仮特許出願第62/891,549号に開示されており、当該出願の開示全体を参照して取り込む。別の実施形態では、メガ施設10のより異なる環境的に制御されたサブセクション内の小さな別個の格納構造が、環境的に隔離されて異なる格納ゾーンに細分化された単一グリッド格納構造507の代替として、採用されている。
隣り合う到着積み込みドック501は、各フィードコンベヤに隣り合う一連の各脱パレット化ステーション503である。脱パレット化ステーション503は、人間の作業員又はロボティックワーカ又は他の自動化機材がサプライヤからのパレット化フルケース積荷を個別のケースに解体乃至は脱パレット化することを、可能とする。パレット化積荷ではなく、ばらケース型積荷がメガ施設10に来た場合、脱パレット化は要されず、脱パレット化ステーション503は省かれるかバイパスされることができる。フィードコンベヤ504は共通到着コンベヤ505に流入し、次にこれが一連の取り込みワークステーションへと向かう。各取り込みワークステーション506は、グリッド格納構造507の下部トラック(track)レイアウトとの関係で隣接的に隣り合うように設けられており、取り込みワークステーション506にて格納ビンに置かれた在庫はグリッド格納構造507上にて作動しているロボティックハンドラー208のフリートによってインデクスされた格納アレイ内へと取り込まれる。実施形態では、格納ビンを出発積み込みドック502に全自動的若しくは部分自動的に移転すること、並びに、格納ビンを出発積み込みドック502にある出発輸送車両に全自動的若しくは部分自動的に積み込むこと、を支援するために、出発積み込みドック502は、トラック(track)レイアウト(例えば、グリッド格納構造507の下部トラック(track)レイアウト)の1つと直接的に接続されている積み込みグリッド構造509と、隣り合っているものとされるのであり、それによってグリッド格納構造507の拡張が形成されて、そこでロボティックハンドラー208の同じフリートがグリッド格納構造507を旅立って出発積み込みドック502のいずれか1つへと移動することができる。実施形態では、積み込みグリッド構造509は1つ以上の立抗を備える3次元的構造であり、該立抗ではロボティックハンドラー208は出発積み込みドック502の適切な高さへと昇降することができ、そこに駐機してある出発輸送車両{へ格納ビンをもたらし/から格納ビンをとる}ことができるのであって出発輸送車両のトレーラとの関係で様々な高さとし得る。
実施形態では、図5に示されるように、積み込みグリッド構造509は、グリッド格納構造507に関して到着積み込みドック501及び脱パレット化ステーション503と同じ側に存在する取り込みワークステーション506からグリッド格納構造507を挟んで配置されている。実施形態では、メガ施設10は、追加の排出ワークステーション508を備えるのであり、これは取り込みワークステーション506と似ていてグリッド格納構造507の下部トラック(track)レイアウトとの関係で隣接的に隣り合うように設けられており、グリッド格納構造507を通るロボティックハンドラー208によって排出ワークステーション508を直接的に担当するためにこのようにされている。これらの排出ワークステーション508は、格納ビンを複数の目的のためにグリッド格納構造507から抽出することと、格納ビンをロボティックハンドラー208によって積み込みグリッド構造509を介して出発輸送車両に届けることをなすために便利である。
実施形態では、取り込みワークステーション506及び排出ワークステーション508の各々は、グリッド格納構造507の下部トラック(track)レイアウトの拡張トラック上をロボティックハンドラー208が通るタイプのものであり、ロボティックハンドラー208は格納ビンをこれらワークステーション506,508の中に通させる。この方法では、同じロボティックハンドラー208のフリートが、ワークステーション506,508の作業{員/体}相互作用点と、格納ビンの預け入れ又は抽出がなされるグリッド格納構造507内の格納場所との間で格納ビンを動かすことを可能とする。実施形態では、各ワークステーション506,508は、各ワークステーション506,508のカウンタトップ作業面内に配置されたオープンポート506a,508aをそれぞれ備えており、これが、人間の作業員又はロボティックワーカが各ワークステーション506,508にてロボット的に搬送された格納ビンと相互作用して製品をその中に置くか製品をそこから取り出すことができる地点を、定義する。製品は典型的には取り込みワークステーション506にて格納ビンの中に置かれる(put)されるが故に取り込みワークステーション506のオープンポート506aは「プット(put)ポート」と呼ばれ、他方で、製品は典型的には排出ワークステーション508にて格納ビンから選ばれる(pick)されるが故に排出ワークステーション508のオープンポート508aは「ピック(pick)ポート」と呼ばれる。取り込みワークステーション506及び排出ワークステーション508それぞれは類似のカウンタトップタイプとされており、そのようなワークステーション506,508を担当しており且つこれらの作業面の開口部を用いてこれらのカウンタトップ作業面下で搬送又は動かされている格納ビンへのアクセスをなす任意の人間作業員によって用いられるための水平作業面が提供されるように構成されているが、別段の指定無き限り、「ピックポート」及び「プットポート」との用語は、一般的な意味合いで用いられており、ワークステーション506,508にて設けられているかそこを担当している人間作業員又はロボティックワーカがアクセスするために格納ビンが適切に位置決め及び向き決定された任意の相互作用点を意味するのであり、該アクセスがカウンタトップ又は他の包囲構造によって画定されたポート又は開口部を通してなされるか否かによらない。
図6は、実施形態による、図2A~2B,4A~4Bに示されるマルチノーダルサプライチェーンシステム200のマクロ施設12のレイアウトについての上面図である。マクロ施設12は到着積み込みドック601、出発積み込みドック602、及びメガ施設10のそれと似たグリッド格納構造603を有するインデクスされた格納アレイを備える。到着積み込みドック601及び出発積み込みドック602は、マクロ施設12の対向する外縁又は端部に配置される。実施形態では、マクロ施設12のグリッド格納構造603は、メガ施設10のそれより小規模なものとされている。実施形態では、マクロ施設12のグリッド格納構造603は環境的に異なる格納ゾーンに細分化された格納構造であり、例えば常温ゾーン603a、冷蔵ゾーン603b、及び冷凍ゾーン603cとされ得る。実施形態では、到着積み込みドック601及び出発積み込みドック602の両方は、各々の積み込みグリッド構造604,605とそれぞれ隣り合っている。実施形態では、マクロ施設12の積み込みグリッド構造604,605は、図5に示されるメガ施設10の出発積み込みドック502の積み込みグリッド構造509と似ている。
メガ施設10と似ていて、マクロ施設12は、グリッド格納構造603の下部トラック(track)レイアウトとの関係で接続及び隣接する配置にされている2つの異なるタイプのワークステーションを備えており、それによってグリッド格納構造603のロボティックハンドラー208がこれらのワークステーションを直接的に担当することを可能としている。マクロ施設12は、1つ以上の付加価値サービス(VAS)ワークステーション606及び1つ以上のキット化ワークステーション607を備える。実施形態では、VASワークステーション606は、付加価値サービス並びに顧客返品の検査及び処理等の他の目的の両方のために用いられる多目的ワークステーションである。したがって、これらのワークステーションは図6に示すように、VAS/返品ワークステーション606という。多目的機能が必須でない実施形態では、これらのワークステーションはVASワークステーション606として稼働する。VAS/返品ワークステーション606及びキット化ワークステーション607各々は2つのオープンアクセスポート606a,606b,607a,607bをそれぞれ備えるのであり、これは各ワークステーション606,607のカウンタトップ作業面内にあり、各ワークステーション606,607の人間作業員又はロボティックワーカがこれを通じてグリッド格納構造603からの格納ビンと相互作用する。実施形態では、VASワークステーション606及びキット化ワークステーション607それぞれの2つのポートの少なくとも1つ(606a若しくは606b並びに607a若しくは607b)は、グリッド格納構造603の下部トラック(track)レイアウトの拡張トラックによるサービスを受けており、ロボティックハンドラー208はVASワークステーション606及びキット化ワークステーション607を通じて移動してこの少なくとも1つのポート(606a若しくは606b並びに607a若しくは607b){へと/から}格納ビンを運ぶ。この実施形態では、他のポートはVASワークステーション606及びキット化ワークステーション607それぞれの内部コンベヤによるサービスを受けており、その上に格納ビンがグリッド格納構造603のロボティックハンドラー208によってドロップオフされ、その後VASワークステーション606及びキット化ワークステーション607それぞれの各コンベヤサービス被提供ポートかのアクセス可能位置へと搬送されまたそこから搬送された後にそれによってピックされる。1つのアクセスポートを通るトラック(track)ベースドドライブスルー移動経路及び他の格納ビンが他のアクセスポートを過ぎて搬送されるコンベヤベースド移動経路上を動くロボティックハンドラー208の組み合わせによるサービスを受けるそのようなワークステーション606,607の詳細は、2019年5月10日に出願された出願人の米国仮特許出願第62/846,295号に開示されており、当該出願の開示全体が参照しされて取り込まれる。
図7は、実施形態による、図2A~2B,4A~4Bに示されるマルチノーダルサプライチェーンシステム200のマイクロ施設14のレイアウトについての上面図である。マイクロ施設14は到着積み込みドック701、出発積み込みドック702、及び図6に示されたマクロ施設12のそれと同じグリッド格納構造703を有するインデクスされた格納アレイを備える。実施形態では、到着積み込みドック701及び出発積み込みドック702は、マイクロ施設14の対向する外縁又は端部に配置される。実施形態では、マイクロ施設14は、マクロ施設12と比較されるとより小規模である。実施形態では、マクロ施設12のグリッド格納構造703は環境的に異なる格納ゾーンに細分化された格納構造であり、例えば常温ゾーン703a、冷蔵ゾーン703b、及び冷凍ゾーン703cとされ得る。実施形態では、到着積み込みドック701は積み込みグリッド構造712と隣り合っているものとされるのであり、これは図5に示されるメガ施設10の出発積み込みドック502で並びに図6に示されるマクロ施設12の到着積み込みドック601及び出発積み込みドック602で採用されているものと同じタイプである。
実施形態では、マイクロ施設14は、 グリッド格納構造703の下部トラック(track)レイアウトとの関係で接続及び隣接する配置にされている異なるタイプのワークステーションを備えており、それによってロボティックハンドラー208がこれらのワークステーションを直接的に担当することを可能としている。ワークステーションは、少なくとも1つの返品ワークステーション704と、少なくとも1つの注文ピッキングワークステーション705と、少なくとも1つの注文詰め込みワークステーション706とを備える。注文準備処理の第1のマルチ注文ピッキング段階は注文ピッキングワークステーション705にてなされるのであり、図4Aに示される製品入りMCSビン224bは、そこに従前取り込まれていた場合にはマイクロ施設14のインデクスされた格納アレイのグリッド格納構造703から受領されるか、又は、図2A~2Bに示されるマイクロ施設14の施設管理サブシステム204による格納をバイパスするとの決定に基づいて(例えば、到着MCSビン224b内の製品が、既にマイクロ施設14にあった他の製品によって別の態様で充足できた顧客注文を充足するために必要とされた最後の残りの製品であるとの決定に基づいて)、MCSビン224bが到着した到着積み込みドック701から直接的に受領される。各注文ピッキングワークステーション705にはピック済み注文(PO)ビンの供給がもたらされており、実施形態では、それはマイクロ施設14のインデクスされた格納アレイのグリッド格納構造703内に格納されており、そこから回収されて、インデクスされた格納アレイのロボティックハンドラー208によってマルチ注文処理ステージに配達されるのであって、例えば図8に示されるタイプのグリッド格納構造703のグリッド下部トラック(track)レイアウトから出てくる拡張トラック(track)によってなされ得る。実施形態では、注文ピッキングワークステーション705及び注文詰め込みワークステーション706は、図6に示されるマクロ施設12のVAS/返品ワークステーション606及び/又はキット化ワークステーション607と同じタイプである。実施形態では、注文ピッキングワークステーション705は注文ピッキングワークステーション705のカウンタトップ作業面内の2つのオープンアクセスポート705a,705b備えるのであり、それを通じて注文ピッキングワークステーション705の人間作業員又はロボティックワーカがグリッド格納構造703からの格納ビンと相互作用する。実施形態では、注文詰め込みワークステーション706は注文詰め込みワークステーション706のカウンタトップ作業面内の1つのオープンアクセスポート706a備えるのであり、それを通じて注文詰め込みワークステーション706の人間作業員又はロボティックワーカがグリッド格納構造703からの格納ビンと相互作用する。
マイクロ施設14の出発積み込みドック702が積み込みグリッド構造上のロボティックハンドラー208によるサービスを受ける代わりに、実施形態では、マイクロ施設14は、注文詰め込みワークステーション706から出発積み込みドック702へと流れる1つ以上の出発コンベヤを備える。実施形態では、共通出発積み込みコンベヤ路709は、全ての出発積み込みドック502へと向かっており、合致する下部出発コンベヤ709bとの関係で上方に配置された上部出発コンベヤ709aを備える。積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dの各セットが、共通出発コンベヤ709と各出発積み込みドック702との間にわたる。このセットのうち、2つの上部積み込み/積み降ろしコンベヤ710a,710cは上部出発コンベヤ709aとリンクアップしており、上部積み込み/積み降ろしコンベヤ710a,710cの下に配置されており故に図7では隠れているも図19Cでは視認可能な2つの下部積み込み/積み降ろしコンベヤ710b,710dは下部出発コンベヤ709bとリンクアップしている。
実施形態では、1つ以上の戻りコンベヤも含まれており、これは上り格納ビンを出発積み込みドック702から上流方向に動かすためのものであり、該方向は出発コンベヤ路709によって搬送される下り格納ビンの搬送方向の逆である。実施形態では、共通到着コンベヤ路711は、積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dの各セットから流入を受けるのであり、出発積み込みドック702に面するグリッド格納構造703の同じ側で出発コンベヤ路709に沿って流れるのであり、同様に上部戻りコンベヤ711a及びその下の下部戻りコンベヤ711bを備える。各出発積み込みドック702では、上部戻りコンベヤ711aは上部積み込み/積み降ろしコンベヤ710a,710cにリンクされており、下部戻りコンベヤ711bは下部積み込み/積み降ろしコンベヤ710b,710dにリンクされている。上部戻りコンベヤ711aは戻り昇降機路711の垂直昇降機711cにて終わっており、そこから下部戻りコンベヤ711bが続いておりグリッド格納構造703の隣り合う側に沿って延びるのであり、そこには戻りワークステーション704、注文ピッキングワークステーション705、及び注文詰め込みワークステーション706が配置されており、グリッド格納構造703の向かい側となるこれらのワークステーション704,705,706の縁に沿っている。そして、この戻りコンベヤ711はフィードコンベヤ708と接続するのであり、該フィードコンベヤ708は同様に戻りワークステーション704、注文ピッキングワークステーション705、及び注文詰め込みワークステーション706(例えば、これらのワークステーション704,705,706とグリッド格納構造703の縁の各々との間)を通って、その先で出発コンベヤ路709の始端に接続する。様々な実施形態では、異なるワークステーションがグリッド格納構造703の異なる縁の様々な場所に配置されており、ワークステーション704,705,706から出発積み込みドック702への格納ビンの下りフロー並びに出発積み込みドック702から様々ワークステーション704,705,706の全て若しくはサブセットへの格納ビンの上りフローにサービスをもたらすために、出発及び戻りコンベヤが異なる配列とされる。
図8は、実施形態による、図2A~2B,4A~4Bに示されるマルチノーダルサプライチェーンシステム200のメガ・マクロ・マイクロ施設の各々内のインデクスされた格納場所についての3次元アレイを完全に又は部分的に定義するように構成された3次元グリッド格納構造800についての斜視図である。図8に示されるように、3次元グリッド格納構造800は、高位水平面内に配置されたグリッド上部トラック(track)レイアウト801を備えるのであり、これは地表面に近い下部水平面内に配置されており合致及び整列されたグリッド下部トラック(track)レイアウト802の上にある。これらの整列されたグリッド{上部/下部}トラックレイアウト801,802の間には、棚状格納場所の3次元アレイがあり、各々は格納ビン224をそれぞれその中に保持できる。格納場所は垂直カラム803として配列されており、そこでは等しいスクエアフットプリントの格納場所が互いの上に整列されている。そのような各垂直カラム803は棚及び格納ビン224を何ら有さない垂直方向に直立なシャフト804と隣接しており、それによってロボティックハンドラー208がそれ通って垂直移動を可能ならしめるのであり、隣り合う格納カラムの格納場所はこのオープンな垂直方向に直立なシャフト804からロボティックハンドラー208によってアクセス可能である。ロボティックハンドラー208のフリートは各トラックレイアウト801,802を2次元的に水平的に横切り、また、オープンな垂直方向に直立なシャフト804を介して2つのトラックレイアウト801,802の間を垂直的に横切るように構成されている。
トラックレイアウト801,802のそれぞれは、各々の水平平面のx方向に沿うx方向レールのセットと、x方向レールに直交して同じ水平平面のy方向に沿うy方向レールのセットとを備える。交差するレールは格納システムの水平基準グリッドを定義するのであり、各水平グリッド行は隣接するx方向レールのペアの間で画定され、また、各水平グリッドカラムは隣接するy方向レールのペアの間で画定される。水平グリッドカラムの1つと水平グリッド行の1つとの間の各交点は、各垂直カラム803又は各直立シャフト804の位置を規定する。即ち、各垂直カラム803及び各直立シャフト804は、基準グリッドの各デカルト座標点に所在するのであり、それはx方向レール2つとy方向レール2つとの間で境界確定された各エリアにある。どちらかのトラックレイアウトでの4つのレールの間で画されたそのような各エリアは、トラックレイアウトの各々の「スポット」ともいう。グリッド格納構造800内の各格納場所の3次元アドレス付けは、与えられた垂直レベルによって完成されるのであり、そこにて各格納カラム内の所与の格納場所が所在する。即ち、各格納場所の3次元アドレスは、3次元グリッド格納構造800内の格納場所の水平グリッド行、水平グリッドカラム、及び垂直カラムレベルによって決せられる。したがって、グリッド格納構造800は、格納場所についての3次元アレイを定義するのであり、各々はグリッド格納構造800内のそれぞれのデカルトアドレスによって識別可能である。実施形態では、拡張トラック及び他のグリッド構造は、グリッド格納構造800に結合されており、他のエリア(例えば、施設のワークステーションや積み込みドック等)に誘導及びサービスをもたらすのであり、それによってグリッド格納構造800とそのような他のエリアとの間及びそのような他のエリア同士の間で格納ビン224を搬送することが可能となる。
様々な実施形態では、図5~7に示されるメガ施設・マクロ施設・マイクロ施設10,12,14にて用いられるこのようなタイプのグリッド格納構造800及びロボティックハンドラー208に代わって、各施設にて所定サイズ及び構成の標準化格納ビン224を同様に受領・格納・取り出しできる他のタイプのインデクスされた格納アレイ及び協調型ロボティックハンドラーが用いられる。本開示で使用されるように、グリッド格納構造800及び対応するロボティックハンドラー208については、標準化格納ビン224の所定サイズは、ロボティックハンドラー208の上部プラットフォーム上並びにグリッド格納構造800内の角棚状格納場所のフットプリント及び領域内に収まるように構成されたサイズ及びフットプリントを指す。格納ビン224の構成はロボティックハンドラー208の伸縮可能なアームによるかみ合いをそこにてもたらすための適切な特徴を指すのであり、それによって格納ビン224を格納場所からロボティックハンドラー208上へと引き出すこと及び格納ビン224をロボティックハンドラー208から格納場所内へと押し込むことを可能とするように動作可能である。他のタイプの格納アレイ及びロボティックハンドラーが用いられる場合、標準化格納ビン224の所定のサイズ及び構成は、格納アレイ構造/環境の具体的詳細事項、及び構造/環境内にて運用されている協調型ロボティックハンドラーによって、定義される。
実施形態では、各施設は、常温/室温となっている常温格納エリア及び環境的に不安定な在庫のための1つ以上の環境的に制御された格納エリア(該エリアは、例えば常温未満の温度の冷蔵エリアやさらに低温の冷凍エリア等の1つ以上の寒冷格納エリアを備える。)の両方を備える。実施形態では、そのような各環境的に異なる格納エリアは、施設の全体のインデクスされた格納アレイのそれぞれの部分を含むのであり、例えばこれらの各環境的に異なる格納エリア内の別個のグリッド格納構造を伴ってアレイ全体の格納場所のそれぞれのサブセットを定義できる。別の実施形態では、環境的に異なる格納エリアは、本明細書にて例示される実施形態について後述される共有単一格納構造の環境的に隔離されたゾーンである。他の実施形態では、施設のサブセットのみが、相違する環境的条件の環境的に異なる格納エリアを複数有する。例えば、図4A~4Bに示されるマルチノーダルサプライチェーンシステム200の大きめな上層施設の全て(例えば、メガ施設10及びマクロ施設12等)は、各々が複数の環境的に異なる格納エリアを備えるのであり、一方、下層施設たるマイクロ施設14及びナノ施設16の部分的なサブセットのみが環境的に制御された格納エリアを備えるのであり、これら下層に属する他の施設は随意的には常温格納のみに割り当てられている。
図9A~9Bは、実施形態による、図2A~2B,4A~4B,5に示されるメガ施設10の到着積み込みドック501にての供給品積荷の積み降ろしと、そこからの在庫アイテムを格納ビンでマルチノーダルサプライチェーンシステム200内への取り込みとを管理するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。フローチャートは、到着供給品積荷401aの受領及びその中に含まれる新たなる在庫をメガ施設10のインデクスされた格納アレイ内に取り込むことを司るステップを含む。パレット化供給品積荷を含む輸送車両、例えばトラック(truck)や他の配送車両がメガ施設10の到着積み込みドック501に到着すると、ステップ902aにて、供給品積荷401aのパレット化ケース又はパレットは、輸送車両から積み降ろされる。ステップ903にて、パレット化ケースは脱パレット化されて到着コンベヤ505に移転されるのであって、直接的にそこ置かれるかフィードコンベヤ504によってそこに送られる。実施形態では、ステップ910bにて、ばらケース型積荷401aがメガ施設10の到着積み込みドック501に到着したらば、ステップ902bにて輸送車両からのばらケースが輸送車両から到着コンベヤ505に積み降ろされる。ステップ904にて、到着コンベヤ505は個別のケースを取り込みワークステーション506へと搬送する。取り込みワークステーション506に到着したらば、又は到着コンベヤ505にてそこへ接近するに際して、ステップ905にて、供給品積荷からのケースのケース_IDが例えば自動化スキャナ又は作業員操作型スキャナによって施設管理サブシステム204に例えばケース_IDがエンコードされているケース上のLPN(license plate number、番号札)バーコード等のコードをスキャンする等して施設管理サブシステム204にて検出又は入力をなす。その一方で、空のSCSビン224aが取り込みワークステーション506のプットポート506aにロボティックハンドラー208の1つによって図5に示されるグリッド格納構造507から届けられて、供給品積荷のスキャン済みケースからの新たなる製品在庫の留置を受け入れる。
また、図9Aのステップ905にて、施設管理サブシステム204は、スキャンされたケース_ID及び空のSCSビン224aのビン_IDを中央コンピューティングシステム201へと転送する。中央コンピューティングシステム201は、ケース_IDについて積荷詳細テーブル318に対してクエリを発するのであり、それによってケースが属する積荷の積荷_IDを識別するのであり、供給品積荷テーブル317からその積荷の受領者たるベンダのベンダ_IDをそこから導出する。MCSビン224bがSCSビン224aと同じ格納ビンテーブル308内に格納される実施形態では、中央コンピューティングシステム201が空のSCSビン224aの単一区画_IDに対して格納ビンテーブル308内で受領されたビン_IDを用いてルックアップをなす。この情報を用いて、ステップ906にて、コンピューティングシステム201は、識別されたベンダのベンダストック済み在庫テーブル304を、次の事項を含む記録をそこに追加することによって更新する:受領されたビン_ID及び/又は空のSCSビン224aの識別された区画_ID;スキャン済みケース_IDを用いて積荷詳細テーブル318から識別されるスキャン済みケースで供給された製品タイプの製品_ID及びその数量;施設管理サブシステム204から受信された施設_ID。したがって、ベンダのストック済み在庫テーブル304は自動的に更新されて、そのケースの製品内容物がそこに追加され、それら製品があるSCSビン224a及びそのSCSビン224aが所在する施設を識別する。
実施形態では、ベンダのストック済み在庫テーブル304の更新前に、随意的には環境チェックが行われて、SCSビン224aの環境フラグが該当する製品_IDについて規定されている環境データに合致するかを評価するのであり、即ち供給品積荷からもたらされた要冷蔵又は要冷凍の製品タイプが冷蔵又は冷凍対応のSCSビンにのみ置かれることを担保するためである。環境に関しての肯定的な合致があった場合、施設管理サブシステム204は、取り込みワークステーション506のロボティックワーカによって製品をケースからSCSビン224aへと自動的に移転することの開始を命令すること、或いは、手動的な移転を開始することを取り込みワークステーション506にいる人間の作業員に(例えば、取り込みワークステーション506に設けられているか例えばヘッドマウントディスプレイ等の人間の作業員に装着されている人間-機械インタフェース(HMI、human-machine interface)によって人間の作業員に伝達した可聴命令及び/又は可視命令を介する等して)合図すること、をなす。新たなる在庫製品タイプと取り込みワークステーション506のプットポート506aにあるSCSビン224aとの間に環境に関しての肯定的な合致なき場合、施設管理サブシステム204は、次の事項をなすようにロボティックハンドラー208に対して命令する:該当する製品_IDの環境データと合致する環境フラグを有する異なる空のSCSビン224aをグリッド格納構造507から回収することと;空の環境的に対応するSCSビン224aを取り込みワークステーション506のプットポート506aに届けること。なお、一方では、元の環境的に非対応のSCSビン224aが載っているロボティックハンドラー208の、プットポート506aからの出発を、命令することがなされる。
別の実施形態では、ロボットのサービスを受けるグリッド格納構造507の外に空のSCSビン224aが格納されている場合、環境に関しての肯定的な合致の不存在によって人間の作業員に対して環境的な不適合が通知されるのであり、HMIを介して可聴命令及び/又は可視命令を伝達して作業員に次のことを指図する:不適合なSCSビン224aをよけること及び該当する製品に合致する適切な環境タイプの異なるSCSビン224aを回収すること。先に回収された空のSCSビン224aに対して環境適合性チェックを行うのとは反対に、実施形態では施設管理サブシステム204は自動での又は人間による適合SCSビン224aの選定及び回収をオンデマンド態様でなすことを命令するように構成されており、供給品積荷からのケースがスキャンされて且つ該当する製品の環境データがそのようにして中央データベース203から検索された後にのみ、施設管理サブシステム204は空であり且つ環境的に適合しているオンサイトSCSビン224aについて自動化された回収又は人間による選定及び取り出しを命令する。この実施形態では、施設管理サブシステム204は、適切な環境フラグを有する空のSCSビン224aについてクエリをオンサイトビンテーブル322に対して発するのであり、そして、ロボティックハンドラー208に対して識別されており空であり適合したSCSビン224aをグリッド格納構造507から回収してそれを取り込みワークステーション506のプットポート506aに届けるように命令する。
供給品積荷のケースから移転される製品タイプと移転される製品タイプが移転されて入るSCSビンとの間での当該環境適合性チェックに加えて、実施形態では、施設管理サブシステム204は、それらの間で取り扱い適合性チェックを行う。この実施形態では、積荷詳細テーブル318に対して、施設管理サブシステム204からのケース_ID及びビン_IDについての受信についての回答関してクエリを発する場合、中央コンピューティングシステム201はそのクエリから返された製品_IDを用いて ベンダ製品テーブル303についてもクエリを発して、また、製品タイプが特定の適合格納ビンにのみ置くことができるとの要件を表す任意の取り扱いコード又はフラグの有無に関して当該製品タイプの取り扱いデータをチェックする。そのようなビン関連取り扱いデータが発見された場合、中央コンピューティングシステム201はビン関連データを環境データと共に施設管理サブシステム204へと送り戻すのであり、施設管理サブシステム204が既に開示した環境適合性チェックと同じ態様で取り扱い適合性チェックを行えるようにする。ビン関連取り扱いデータの一例としては、アレルギーコード又はフラグがあり、これには複数のカテゴリ(例えば、ピーナッツ禁制、木の実禁制、グルテン禁制、貝類禁制、乳製品禁制等)があるのであり、これは同じカテゴリについてアレルギー的に安全と指定された格納ビンにのみ製品を置くことができるということを示しており、格納ビンのビン情報テーブル326の取り扱いデータ内の合致するフラグ又はコードの格納によって表される。実施形態では、この取り扱い適合性チェックと同じことが環境適合性チェックと組み合わせて同様になされるのであり、その中に製品を入れるべきものとして格納ビンが選定された任意の時にこれがなされるのであり、開示された製品、注文及びビン取り扱いプロセスの全てについての一貫性を伴う。
ベンダの在庫記録を更新することに加えて、ステップ906には、中央コンピューティングシステム201が、積荷詳細記録からの製品_IDを用いてベンダ製品テーブル303の対応する製品記録についてルックアップを行う、ということも含まれる。中央コンピューティングシステム201は、ベンダ_ID、製品記録のコピー、及び検索された製品数量を施設管理サブシステム204へと転送するのであり、そしてステップ907においてそれはこのデータ全てを取り込みワークステーション506にあるSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226へと例えばメガ施設10のローカル無線ネットワーク206を介して伝達するのであり、それによってSCSビンの内容物テーブル327及び製品情報テーブル328にデータを追加する。適切な適合性を有するSCSビンの選定を保証するために事前に環境及び/又は取り扱い適合性チェックが行われる場合、ベンダ製品テーブル303からの製品記録の全部が中央コンピューティングシステム201によってケース_IDの受信に応答して単一の通信で施設管理サブシステム204へと転送されるのであり、適切なビンを選定するための環境及び取り扱い適合性チェックを完了するのに必要なデータ全てをそれによって施設管理サブシステム204に提供するのであり、これは後になされる被選定SCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226についてのデータ追加に加えてなされる。
ステップ907にてSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226に書き込まれる他のデータには、ビン情報テーブル326の諸フィールドの更新が含まれ、例えばSCSビン224aが別の施設に配達されるべきなのかやそのような配達がなされるべき具体的なタイムラインや緊急度があるのかを規律する宛先データやタイミングデータのフィールドが挙げられる。実施形態では、宛先データは以前中央データベース203内にて記憶されたベンダ特定詳細に基づいて定義されるのであり、例えばサプライヤへの自己の供給品積荷注文の手配時にベンダによって特定され、且つ、供給品積荷テーブル317又は供給品積荷詳細テーブル318内に記憶される宛先が含まれる。実施形態では、SCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226に書き込まれる宛先データは、マルチノーダルサプライチェーンシステム200内の様々な施設10,12,14にての所与の製品のベンダ在庫レベルについてのコンピュータ化サプライチェーン管理システムによるリアルタイム評価に、基づいているのであり、これはベンダのストック済み在庫テーブル304からクエリしたことによるか;顧客注文テーブル315内の製品到着待機中の係属中顧客注文に基づいているか;顧客注文テーブル315内又は中央データベース203内の別の所に記憶された別個の履歴的注文アーカイブ内に、記憶された履歴的注文充足記録からの予測顧客需要に基づいていることができる。実施形態では、宛先に向かってネットワークを搬送されるべき製品の緊急度に関するタイミングデータは、顧客注文テーブル315内の配送選好から識別された、その製品についての係属中顧客注文についての優先度状態又は目標配達日に基づいているか、製品自体の性質(例えば、肉、乳製品等や同様の短期棚上期限を有する製品等の短期有効期限を有する消費財についての緊急輸送が要される場合であってベンダ製品テーブル303が短期有効期限製品についてのフラグをタイミングデータフィールドにて含んでいる場合)に基づいている。
ステップ908では、ステップ905~907の後かそれらの間か前になされるかを問わず、取り込みワークステーション506に配備された人間又はロボットの作業員又は作業体は、スキャン済み供給品積荷ケースからの製品を取り込みワークステーション506のプットポート506aを通じて空のSCSビン224a内に置く。ステップ909では、同じ製品をもっと同じSCSビン224a内に置くことができるか否かがチェックされるのであり、例えばSCSビンの追加的残存容量(additional remaining capacity)についての人間又はマシンによる識別に基づいてこれがなされるのであり、取り込みワークステーション506に到着したかそこに接近しつつある供給品積荷ケースに対してのスキャン行為によって当該他のケースが同じ受領ベンダ向けと同じ製品タイプを含むかについて決定するのであって該決定は上述と同じ態様でスキャン済みケース_IDを用いてなされる。SCSビン224a内に利用可能な容量があり且つ供給品積荷の次のケースに同じ製品の更なる供給品がある場合、ステップ905~908は反復される。さらなるビン容量又はさらなる供給品のどちらについても否定の回答がもたらされた場合、SCSビン224aは取り込みワークステーション506から離脱してメガ施設10内の別の宛先へと輸送される準備が整ったこととなる。
図9Aに示すように、脱パレット化又はばらケース積荷の各単一SKUケースについては、該ケース内の特定製品についての複数の個別品が、メガ施設10のインデクスされた格納アレイに対応した標準化SCSビン224aの1つに置かれる。上記例はケースの内容物全部が単一のSCSビン内に収まりきると仮定しているのであり、したがって、積荷詳細テーブル318内のケース_IDから読み出された製品数量を数量として用いて、これをベンダのストック済み在庫テーブル304に加算し、また、SCSビンの内容物テーブル327内の記録に入力をなす。実施形態では、処理は、ケースからSCSビンへの実際の製品の物理的配置が格納ビンの最大容量に達するまでは、ベンダのストック済み在庫テーブル304及びSCSビンのオンボード内容物テーブル327への数量の値の割り当てを繰り延べるのであり、そうなった場合だけにSCSビンに配置された実際の数量をベンダのストック済み在庫テーブル304及びSCSビンのオンボード内容物テーブル327に記録する。
SCSビンの代替的経路指定が特に正当化されていない限り、ものが入れられたSCSビン224aは典型的にはロボティックハンドラー208の1つによってグリッド格納構造507に格納されるのであり、例えば、マルチノーダルサプライチェーンシステム200のどこか他の所でその特定の製品についての緊急な需要が生じると共に、その製品の意図された宛先へと或いはその方面に移動することが予定されている輸送車両がメガ施設10の出発積み込みドック502に現存するかもうすぐ到着することが予期されている場合等が事由として考えられる。そのような場合には、その製品を含む1つ以上のSCSビン224aは、別の施設への緊急輸送のためにその待機しているか予期されている輸送車両215a上にクロスドックされることができる。したがって、ステップ913では、(例えば、SCSビン224aを取り込みワークステーション506に持ってきてSCSビン224aが未だ所在している同じロボティックハンドラー208によって)SCSビン224aにものが入れられて離脱する準備が整ったらば、施設管理サブシステム204は、先行するステップにてSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226に書き込まれたのと同じ宛先、タイミング、取り扱い、及びカスタマイゼーションデータに基づいて、メガ施設10内の適切な宛先への移動をロボティックハンドラー208に命令する。例を挙げるに、宛先データ及びタイミングデータが、別の施設にてSCSビン224aの内容物が至急必要とされていると宣言している場合、ステップ916でロボティックハンドラー208はSCSビン224aを直接的に出発積み込みドック502へと搬送するのであり、例えばその下部トラック(track)レイアウト上でグリッド格納構造507にて水平に移動して取り込みワークステーション506からビン積み込みグリッド構造509へと移動することによってこれがなされ得るのであり、ロボティックハンドラー208はSCSビン224aを待機中か到着する輸送車両215aに出発積み込みドック502にて積み込む。
他方、ステップ913で宛先データ及びタイミングデータがSCSビン224aについて緊急クロスドッキングを宣言していない場合、ステップ914では、施設管理サブシステム204は、SCSビン224aを代わりにグリッド格納構造507内の利用可能格納場所内に置くようにロボティックハンドラー208に対して命令する。そのような利用可能格納場所のゾーンは、グローバル格納場所テーブル310又は施設格納テーブル320a内の格納場所について記録された環境状態インジケータがSCSビン224aのビン情報テーブル326内の環境フラグと合致するか否かについての確認に依存するのであり、これは、ベンダ製品テーブル303からの環境データとSCSビンの環境フラグとの事前クロスチェッキングに基づいて、格納場所がSCSビン224a内に置かれた製品タイプと環境的に適合していることを表す。ロボティックハンドラー208によってSCSビン224aが利用可能格納場所に置かれたことが確認されたらば、ステップ915では、施設管理サブシステム204は、そのSCSビン224aのビン_IDをローカル施設データベース207の施設格納テーブル320a内にて格納場所の場所_IDに対して記録するのであり、及び/又は、その格納場所の場所_IDをローカル施設データベース207のオンサイトビンテーブル322内に記録する。また、ステップ915では、施設管理サブシステム204は、同じ場所_ID及びビン_IDを、該場所_IDを置かれたSCSビン224aのビン_IDに対してグローバル格納ビンテーブル308内にて記録するために、中央コンピューティングシステム201へと転送するのであり、また、随意的には、場所_IDフィールドが複製されている場合には、ベンダのストック済み在庫テーブル304においてもそうする。この記録されたデータを用いて、SCSビン内に取り込まれた製品タイプについてのベンダのストック済み在庫テーブル304についてのクエリに応答して、次のことをなすようにデータベースソフトウェアは構成されている:製品タイプが発見される各SCSビンのビン_IDをルックアップすること、及び、SCSビン内の製品タイプの数量と、SCSビンが発見される施設の施設_IDと、施設内においてSCSビンが所在する特定の格納場所とを返すことであってこれはそのインデクスされた格納アレイ内にそれが現に収容されている場合にあたる。
到着供給品積荷401a,401bの形式(フルケースであるか混合ケースであるかや、パレット化ケースであるかばらケースであるか等)は問わず、取り込みワークステーション506にて到着供給品積荷からSCSビン224aへと製品を、(SCSビン毎に1つの製品タイプのみとする)単一SKU基準で、ディキャンティング(decanting)を伴う同じ一般的な処理が、メガ施設10にて行われる。到着供給品積荷401a,401bの全部又は一部は単一化(singulated)ベースでディキャンティングに付され、新たな在庫製品の個々の個別品(individual eaches)はSCSビン224a内に置かれて、また、メガ施設10のインデクスされた格納アレイ内へと取り込まれる。他の局面においては、新たな在庫製品を単一化する代わりに、ケース及びSCSビンの相対的寸法が単一化レベルではなくむしろケースレベルでのディキャンティングを可能とする場合、所与の製品タイプの1つ以上のフルケースがSCSビン224a内へと移転される。にもかかわらず、新たな在庫製品を到着供給品積荷401aからSCSビン224aへと入れる初期積み込み中においては、各SCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226のメモリにデータが読み込まれるのであり、例えばそのSCSビン224a内に置かれる特定の製品タイプの製品_IDや数量がその内容物テーブル327に入力されるのであり、ベンダ製品テーブル303からのその製品タイプについての対応する記録をもってSCSビンの製品情報テーブル328にも入力がなされる。実施形態では、ディキャンティング及びSCSビン224aへのデータアップロードの処理は取り込みワークステーション506にて行われるのであって、そしてそこにてSCSビン224aがロボティックハンドラー208によってグリッド格納構造507に取り込まれるか出発積み込みドック502の積み込みグリッド構造509へと直接的に搬送されるのであり、別の実施形態では、ディキャンティング処理は取り込みワークステーション506の上流側にて行われ得るのであり、例えば脱パレット化ステーション503又は別個のディキャンティングステーション(不図示)にてなされ得るのであり、これは脱パレット化ステーション503と取り込みワークステーション506との間に所在する。
フルケース積荷についての上述の例では、ケース_IDを用いて、積荷について中央データベース203にてルックアップをなして積荷が属する在庫の主たるベンダ並びにそのフルケース内にある製品タイプ及び数量の両方について識別するも、混合ケース積荷を受け入れる他の実施形態では、ケース_IDについてのそのような初期スキャンをLPNバーコードから行う術を用いるのであり、それに続いて混合ケース内にある個々の個別品からベンダ又はグローバル製品_IDについてスキャン又は他の入力がなされるのであり、例えば個別品上のユニバーサル製品コード(UPC、universal product code)やSKUコードをそれらがSCSビン224a内に置かれて行くに合わせてスキャンすることができ、また、SCSビン224aの内容物テーブル327及び中央データベース203内のストック済み在庫テーブル304をスキャン済みの個別品の製品_IDとスキャン済みの各製品_IDの数量得とに基づいて更新でき、それと共に中央データベース203内のベンダ製品テーブル303からの対応する記録をもってSCSビンの製品情報テーブル328に入力を行える。どちらであれ、SCSビン224aには自己の内容物に関しての専用のオンボード集計手段を伴うのであり、中央データベース203内のベンダ製品カタログ305はそれらのコンテンツ及びそれらが格納されているSCSビンのビン_IDを含むように更新されるのであり、上述の態様で供給品積荷からディキャンティングされた任意のカタログ済み製品について中央データベース203内のベンダのストック済み在庫テーブル304に対してのクエリは、次の事項の報告を返す:当該製品を収めている任意のSCSビン224aのビン_ID、そのようなSCSビン224aの各々内にある製品の数量、及びメガ施設10のインデクスされた格納アレイ内に現に収容されているならばそのSCSビン224aが所在する格納場所。
製品_ID、所有者ベンダ_ID、製品数量、全部又は一部の製品情報、宛先データ、及びタイミングデータ(以下、「ビンデータ」と総称。)についてSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226へのアップロード行為であって供給品積荷からのそれらの初期積み込み中になされるアップロード行為と同様の行為はメガ施設10だけではなく、後述のように、全体のサプライチェーンシステム200に新たな到着製品在庫が導入されている任意の他の施設か1つの格納ビンから別のビン(SCSビンであるか否かを問わない)へと製品が移転されている任意の場所であってもそれを用いることができる。実施形態では、ビンデータを格納ビンにアップロードすることは、ローディングがなされている格納ビンにて単一SKUベースで又は複数SKUベースでローディングがなされているかを問わずに、なされる。即ち、単一のベンダに所有される単一の製品タイプだけがロードされたSCSビン224aは、その内容物テーブル327に単一の記録しか有さずその製品情報テーブル328に単一の記録しか有さないが、実施形態では、随意的には、格納ビンのモバイルデータ記憶装置226上の内容物テーブル327及び製品情報テーブル328には複数の記録がロードされるのであり、各々は、格納ビン内に置かれる各々の製品タイプについて既述する各々のデータセットを有し、例えばマルチノーダルサプライチェーンシステム200内での同じ最終的又は中間的な、ビン情報テーブル326の宛先データフィールドに記録された、宛先を共有する、同一ベンダの製品カタログ305内の、複数の製品がそうである。同じ格納ビンに異なるタイプの複数の製品を置くことを伴う複数SKUローディング操作については、サプライチェーンワークフローの他の点との関係で後述する。
図4Aに示すように、従来的製品パッケージング(例えば、段ボール箱や配送要トート等)として受領された供給品積荷に対して、追加的に又は代替的には、パレット化されているかばらであるかに関わらず、供給品積荷は、随意的には、メガ施設・マクロ施設・マイクロ施設10,12,14のインデクスされた格納アレイと各々互換のスマート格納ビン224a,224bを用いて製品がサプライヤから届けられる予めビンされた積荷401bを、含む。実施形態では、メガ施設10に予めロードされた状態でサプライヤから来るこれらの到着格納ビンはSCSビン224aであり、各々は、製品が到着した格納ビンから他のSCSビンに製品を移転する単一化ステップを行うことを要さずにして、メガ施設10のインデクスされた格納アレイ内へと直接的に取り込まれることができる合致するタイプの製品のみを含む。
サプライヤからの予めロードされた格納ビンに関して述べるに、それらのモバイルデータ記憶装置226には、サプライヤが、マルチノーダルサプライチェーンシステム200のメガ施設12へ発送する前に、上述のビンデータを予めロードしておくことができる。実施形態では、施設管理サブシステム204は、メガ施設12にて到着する予めロードがなされた格納ビンから予めロードされたビンデータを受信するのであり、例えば図9Aのステップ911にて開示されるようにこれはそれが到着コンベヤ505に置かれてそれによって取り込みワークステーション506へと搬送された後のことたり得る。ステップ912では、予めロードされたビンデータの受信は、取り込みワークステーション506のプットポート506aにてロボティックハンドラー208上に予めロードされた格納ビンが置かれることを伴うのであり、予めロードされたビンの取り扱いはステップ913以降に関して上述された処理に準拠する。したがって、ステップ913では、予めロードされたビンデータからの宛先データ及びタイミングデータを用いて次のどちらかにするかを選択する:メガ施設10のインデクスされた格納アレイの格納場所内への取り込みステップであって予めロードされたビンデータによって規定される適切なその環境ゾーンに取り込みがなされるステップ、又は、クロスドッキング操作であって、予めロードされた格納ビンが置かれたロボティックハンドラー208に対して、予めロードされた格納ビンを別の施設へと緊急輸送するために出発積み込みドック502の積み込みグリッド構造509へと直接的に移動せよと命令することを伴う操作。したがって、ビンデータに関して次のいずれが該当しても、適切な経路指定に関する自動化決定(例えば、メガ施設10内に到着する製品に関して格納取り込みにするのかクロスドッキングにするのか)をなすためにビンデータを用いる:到着するパレット化又はばらケース供給品積荷からの新在庫のディキャンティング中に以前空だったSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226にビンデータをロードするために、ビンデータが施設管理サブシステム204によって中央データベース203からプルされている場合;又は予めビンされた供給品積荷のモバイルデータ記憶装置226からビンデータがプルされている場合。
格納ビン224aが施設10,12,14,16のいずれかに侵入したらば、格納ビン224a,224b上の無線通信ユニット225は、施設のLAN206との間で無線通信を確立して、自己のビン_IDを施設管理サブシステム204に報告するのであり、転じて該施設管理サブシステム204は中央コンピューティングシステム201と通信してその施設の施設_IDを中央データベース203の格納ビンテーブル308の各記録内に格納するのであり、随意的には、ストック済み在庫テーブル304内において施設_IDフィールドが複製されている場合にはその格納ビン内に製品を有している任意のベンダのストック済み在庫テーブル304にも格納をなし得る。どうであれ、施設_IDは、その格納ビン224a,224b内に含まれる製品のベンダのストック済み在庫テーブル304内に記憶されたビン_ID又は区画_IDと共に関連付けられて記憶されるのであり、その格納ビン224a,224bに格納された特定の製品に関してベンダの製品カタログ305についてクエリを発すると格納ビン224a,224b及び製品が現在所在する施設の施設_IDが報告される。
実施形態では、格納ビン224a,224b及び注文ビン224c,224dの各々は、無線通信ユニット225に統合又は接続された屋内位置決め装置229を備えるのであり、例えば上述の無線通信及びデータ交換のために用いられるコンピュータ可読メモリ、無線トランシーバ227、及びローカルコンピュータプロセッサ228とが共有され得る。メガ施設・マクロ施設・マイクロ施設10,12,14にある屋内位置決めシステム211は各々格納ビン224a,224b及び注文ビン224c,224dにある屋内位置決め装置229と無線的に協調するためのコンポーネントを備えており、その施設10,12,14内に現に所在する任意の格納ビンの現在の座標による位置を決定できる。実施形態では、各施設10,12,14内での格納ビンの屋内ナビゲーションのために音響ビーコンが用いられる。実施形態では、これらの施設ベースド位置決めコンポーネントは参照装置又はイニシエータ装置及び参照装置である。これらの装置は高速な無線周波数(RF)信号及びより遅い音響信号を最適な位置決め精度のために用いるも、実施形態では、他の屋内位置決め技術を用いてマルチノーダルサプライチェーンシステム200の施設10,12,14,16内における格納ビンの場所の決定を可能とする。
無線通信ユニット225及び屋内位置決め装置229の組み合わせによって、各格納ビンは自らを自らが到着した施設の施設管理サブシステム204に対して識別するのみならず、その施設内における自らの現在の場所についても識別するのであり、それによって格納ビン内に含まれる在庫について最適な高分解能追跡を可能とする。実施形態では、格納ビンの屋内位置決め装置229及び無線通信ユニット225は、格納ビンの位置を連続的に又は定期的に決定し、計算された位置を施設管理サブシステム204へと伝達するようにプログラムされており、それによって(例えば、クラウドベースドコンピューティングプラットフォームとして構成された)中央コンピューティングシステム201の中央データベース203内に記憶された位置が更新されるのであり、或いは、実施形態では、中央コンピューティングシステム201からビン_IDがクエリされるまでは更新された情報を施設でローカルにのみ記憶する。
実施形態では、屋内位置決め装置229及び無線通信ユニット225は機能削減スリープモードにデフォルト遷移するように構成されており、定期的にだけ復帰して格納ビンの位置を再決定して位置を施設管理サブシステム204又は中央コンピューティングシステム201に報告するのであり、例えば時的な間隔毎に又は施設のLAN206によって発せられた状態クエリ信号に応答してこれをなし得る。実施形態では、屋内位置決め装置229は、例えば加速度計及び/又はジャイロスコープ等の1つ以上の運動センサをさらに備えるのであり、これは、3次元空間において格納ビンの動きを検出し、また、先述のスリープモードから格納ビンの電子部品の復帰を発動するように動作可能である。これによって、例えば施設のインデクスされた格納アレイ内の格納場所にて静的に位置が留まっている場合の格納ビンの電子部品による電力消費が削減され、格納ビンのデータ記憶、通信及び屋内位置決めコンポーネントのオンボード電池ベースド電源の寿命を最大化でき、また、人間の作業員、ロボティックハンドラー208、又はコンベヤによって施設内を格納ビンが動かされているものと知られている場合に格納ビンの位置について連続的又は定期的な報告を担保することができる。
図10Bは、実施形態による、図4A~4Bに示されるマルチノーダルサプライチェーンシステム200のメガ・マクロ・マイクロ施設間10,12,14で格納ビンを輸送するための大型輸送車両215a,215bと、図5に示される積み込みグリッド構造509上のロボティックハンドラー208によって大型輸送車両215a,215bに関して自動化された積み込み及び積み降ろしを支援するために施設10,12,14の積み込みドックに設けられている協調する積み込みグリッド構造509とについての上面図である。図10Cは、実施形態による、図10A~10Bに示す大型輸送車両215a,215bの背面図である。図4Aに示すように、メガ施設10からのものが入ったSCSビン224aは、下流に向かってマクロ施設12の1つへと輸送するために、例えばセミトレーラトラック(truck)等の大型輸送車両215aに積み込まれる。図10A~10Cに示されるように、トレーラ1003又は輸送車両215a,215bの他のカーゴスペースは各々のインデクスされた格納場所のアレイ(array of indexed storage locations)を有しており、それぞれはメガ施設・マクロ施設・マイクロ施設10,12,14のインデクスされた格納アレイ(indexed storage array)として同じ格納ビン224a,224bと互換性を有するようにサイズ及び構成が定められている。「施設ベースドアレイ」及び「車両ベースドアレイ」との用語は、静的な施設10,12,14,16における格納アレイと輸送車両における格納アレイとを区別するために本明細書にて用いられる。図10A~10Cに示されるように、大型輸送車両215a,215bの車両ベースドアレイは、メガ施設・マクロ施設・マイクロ施設10,12,14にて用いられる図8に示されるロボット移動グリッド格納構造800とは異なるタイプのものである。
実施形態では、図11A~11Cに示される1つ以上のビンカルーセルは、図10A~10Cに示される大型輸送車両215a,215bのトレーラ1003内に設けられている。図11A~Cは、実施形態による、大型輸送車両215a,215b内にて格納ビン224a,224b及び注文ビン224cをインデクス付けして保持するためのビンカルーセル222aについての部分後方斜視図、側面図、及び上面図である。 各ビンカルーセル222aは閉じられたループ状ベルト又はチェーン1004a,1004bを備えるのであり、これらはトレーラの長手方向に、互いに横方向に間隔を介して、C字型のチャンネルガイドトラック(track)1001a,1001bの各ペア内において延びるのであり、各々は各々の滑車又はスプロケット1005のペアの周りに掛けてあり、これらは図10Bに示されるトレーラ1003の前端及び後端1003a,1003b付近のガイドトラック(track)の長手方向に離された前端及び後端の隣に各々配置されている。滑車又はスプロケット1005はベルト又はチェーン1004a,1004bを連続的な閉じられたループ状経路にて駆動するように回転可能に動作可能であり、これは、各々のガイドトラック(track)1001a,1001bによって表されており、滑車又はスプロケット1005の各1つの回転軸上にて半径方向にセンタリングされた弓形の接続セグメントによって各端部にて互いに繋げられている水平的に直線的なトップ及びボトムセグメントを有する。一連のカルーセルプラットフォーム1002が2つの閉じられたループ状ベルト/チェーン1004a,1004bの間にそれに沿って決まった間隔で懸架されており、これは各カルーセルプラットフォーム1002上にて各SCSビン224aを支持するためである。各カルーセルプラットフォーム1002のフットプリントは、SCSビン224aのサイズ及び形状に大体等しいのであり、カルーセルプラットフォーム1002はSCSビン224aを1:1のレシオで受け入れるように構成されている。したがって、ベルト/チェーン1004a,1004bの駆動によって、カルーセルプラットフォーム1002はトレーラ1003との関係で長手方向に変位されるのであってベルト/チェーン1004a,1004bの閉じられたループ状経路の上部と下部とで反対方向に動く。この実施形態はメガ施設10とマクロ施設12との間でのSCSビン224aの特定の輸送事案に関するも、同じ輸送車両及びカルーセルタイプは、フットプリント・サイズ・構成が等しいMCSビン224b及びPOビンと本質的に互換とされ、したがって、後述のように、似たように構成された輸送車両215bは他の施設間で他の格納ビンの輸送のために同様に用いられる。
輸送車両215a,215bの各ビンカルーセル222aを積み込むためには、SCSビン224aが1つの空のカルーセルプラットフォーム1002上に置かれるであって、カルーセルプラットフォーム1002がトレーラ1003の積み込み扉のすぐ内側にありその後端部1003bにあるビンカルーセル222aの後端部にある積み込み/積み降ろし位置Pに所在する間にこれがなされる。実施形態では、ビンカルーセル222aはインクリメンタルな態様で一様な距離に等しい短いインクリメンタルな距離ほど前進させられるのであって、隣接する2つのカルーセルプラットフォーム1002毎にビンカルーセル222aのベルト/チェーン1004a,1004bの閉じられたループ状経路に沿って互いに間隔を開けて配される。したがって、一旦SCSビン224aがカルーセルプラットフォーム1002上に積み込み/積み降ろし位置にて置かれたらば、ビンカルーセル222aのこのようなインクリメンタルな動きは、当該今となっては積み込みがなされたカルーセルプラットフォーム1002を前方にそしてトレーラ1003の対向する前端に向かっての動きを伴うのみならず、逐次的に次のカルーセルプラットフォーム1002の1つを後方にそして扉となりの積み込み/積み降ろし位置Pに向かって持ってくるように機能して別のSCSビン224aが当該次のカルーセルプラットフォーム1002上に置かれ得るようにする。完全に空のビンカルーセル222aで始まる場合、カルーセルプラットフォーム1002に積み込みを行ってインクリメンタルな態様でビンカルーセル222aを前進させる当該処理は、次のいずれかになるまで反復される:ビンカルーセル222aに対して完全に積み込みがなされた場合(即ち、各々のSCSビン224aによって全てのカルーセルプラットフォーム1002が占有された場合);又は現在の輸送オペレーションに関して意図されているSCSビン224aについての全体的数量によって左右される部分的容量まで積み込みがなされた場合。図2A~2Bに示される車両管理サブシステム216は、各コンベヤのモータ駆動機構に接続されておりその駆動オペレーションを制御及び監視するのであり、これと共に、ローカル車両データベース220の車両格納テーブル324内に各カルーセルプラットフォーム1002の一意的場所_IDを格納することによって、車両管理サブシステム216が積み込み/積み降ろし位置に任意の時点においてどのカルーセルプラットフォーム1002があるかを決定及び追跡することが可能となる。当該決定及び追跡と共にローカル車両データベース220のオンボードビンテーブル325内にて場所_IDに対してビン_IDを記録することによって、任意の積み込み/積み降ろしオペレーションにおいて任意の所与のカルーセルプラットフォーム1002{に/から}どのSCSビン224aが{積み込み/積み降ろし}されたかについての追跡を可能とするのであり、任意の時点において車両ベースドアレイのどこに各積み込み済みSCSビン224aが所在しているかを追跡できる。
実施形態では、SCSビン224aはトレーラ1003の高さに比して比較的小さいのであり、したがって、組織化されたアレイとしてトレーラ1003内に複数のビンカルーセル222aを設けることができる。図10A~10Cは、実施形態による、3つの並んで隣り合ってるビンカルーセル222aの列を示し、各列は高さが4つのビンカルーセルとされる。図10A~10Bは、実施形態による、メガ施設10の積み込みグリッド構造509を示す。積み込みグリッド構造509はマルチレベル構造であり、これは輸送車両215a,215bの車両ベースドアレイの各列内のビンカルーセル222aの個数に少なくとも匹敵する個数のレベル509a,509b,509c,509dを備える。図10A~10Bは、実施形態による、輸送車両215a,215bの車両ベースドアレイの各列内の4つのビンカルーセル222aと互換の4レベル積み込みグリッド構造509を示す。積み込みグリッド構造509の各レベル509a,509b,509c,509dは、メガ施設10のインデクスされた格納アレイのグリッド格納構造507のトップ及びボトムレベルにて用いられているのと同じタイプの2次元グリッドトラック(track)レイアウトを備えるのであり、積み込みグリッド構造509の各レベル509a,509b,509c,509dは交差するx方向及びy方向のレールのセットを備えるのであり、例えばx方向レール等のこれら2つの直交レールのセットの1つは、輸送車両215a,215bのトレーラ1003及びそこに設けられているビンカルーセル222aと共通する長手方向Lと、並行になっている。積み込みグリッド構造509の各レベル509a,509b,509c,509dは、ビンカルーセル222aの対応する車両ベースドアレイ内の各レベルに対応するのであり、ビンカルーセル222aの各レベルから少しの距離下がった所に所在する各々のグリッドトラック(track)レイアウトを有している。各ビンカルーセル222aの幅は、積み込みグリッド構造509の各スポットの幅とほぼ等しいのであり、各ビンカルーセル222aはスポットの列各々と整列するのであり、これは積み込みグリッド構造509のx方向レールの各ペアによってその各レベルにおいて画定される。
したがって、積み込みグリッド構造509の任意の所与のレベルにおけるロボティックハンドラー208は、x方向に向かってそのレベル内の任意の列の積み込みドック端の終端スポット内へと移動することができるのであり、それによって対応するビンカルーセル222aの積み込み/積み降ろし位置に所在するカルーセルプラットフォーム1002と隣り合う関係を獲得できるのであり、それによって積み込みグリッド構造509の対応する列の終端スポットに駐機されたロボティックハンドラー208によってSCSビン224aをそのビンカルーセル222aのそのカルーセルプラットフォーム1002に積み込むこと又はそこから積み降ろすことを可能とする。実施形態では、積み込みグリッド構造509上で作動しているロボティックハンドラー208は、メガ施設10のインデクスされた格納アレイのグリッド格納構造507を担当するロボティックハンドラー208のフリートと同じフリートに属するのであり、したがって、施設管理サブシステム204の無線コマンドによって操作可能となり、メガ施設10の出発積み込みドック502にある輸送車両215aに関して全自動化された積み込み及び積み降ろしを行い得る。
この自動化された積み込み/積み降ろしは図10A~10Bに示されており、積み込みグリッド構造509の最上レベル509aにある第1のロボティックハンドラー208aが最上レベル509aの第1列の終端スポットに駐機されている様が示されている。このロボティックハンドラー208aはSCSビン224aを搬送しているものとして示されており、輸送車両215aの第1のビンカルーセルの積み込み/積み降ろし位置にて空のカルーセルプラットフォーム1002を積み込むためであり、例えばビンカルーセル222aの最も左の列の最上ビンカルーセルが想定される。さらに、積み込みグリッド構造509の第2の最上レベル509bの第2のロボティックハンドラー208bがSCSビン224aを伴わずに第2の最上レベル509bの第2の列の終端スポットに駐機してあるものとして示されており、これは該機が自己の各SCSビン224aを、輸送車両215aの第2のビンカルーセルの積み込み/積み降ろし位置にて、従前空であったが今は占有中のカルーセルプラットフォーム1002に、オフロード(offload)した後に関するのであり、例えばビンカルーセル222aの中央列内の第2に最上のビンカルーセルが想定される。また、積み込みグリッド構造509の第2の最低レベル509cの第3のロボティックハンドラー208cが第2の最低レベル509cの第3の列の終端スポットに駐機してあるものとして示されており、これは該機が自己の各SCSビン224aを、輸送車両215aの第3のビンカルーセルの積み込み/積み降ろし位置にて、従前空であったが今は占有中のカルーセルプラットフォーム1002に、オフロード(offload)している最中に関するのであり、例えばビンカルーセル222aの最も右の列内の第2の最低のビンカルーセルが想定される。また、積み込みグリッド構造509の最低レベル509dの第4のロボティックハンドラー208dが最低レベル509dの第3の列の終端スポットに接近中のものとして示されており、また、各SCSビン224aを搬送しているものとして示されており、これはそこからそしてロボティックハンドラー208dから輸送車両215aの第4のビンカルーセルの積み込み/積み降ろし位置にて空のカルーセルプラットフォーム1002にオフロード(offload)されるものであり、例えばビンカルーセル222aの最も右の列内の最低ビンカルーセルが想定される。
まとめると、積み込みグリッド構造509の任意のレベルの任意の列の終端スポットに駐機されたロボティックハンドラー208は、輸送車両215aの各ビンカルーセル222aの積み込み/積み降ろし位置にアクセスすることができて、そこにSCSビン224aを積み込むことができる。同様に、積み込みグリッド構造509の任意のレベルの任意の列の終端スポットに駐機されたロボティックハンドラー208は、輸送車両215aの各ビンカルーセル222aの積み込み/積み降ろし位置にアクセスすることができて、ビンカルーセル222aの積み込み/積み降ろし位置Pへと駆動された任意のビン搬送中のカルーセルプラットフォーム1002からSCSビン224aを積み降ろして、SCSビン224aをメガ施設10の接続済みグリッド格納構造507内へと搬送して、SCSビン224aをグリッド格納構造507内の任意の利用可能格納場所へと置くことができるのであり、又は、SCSビン224aをグリッド格納構造507に接続された任意のワークステーションへと届けることができる。
x方向及びy方向のレールの交点においては、各レベルのレール509a,509b,509c,509dは類似のタイプのラック歯付きの直立フレーム部材510で垂直方向に相互接続されているがメガ施設・マクロ施設・マイクロ施設10,12,14のグリッド格納構造で用いられているものと比べると相当に高さが小さい。これらのより短い直立フレーム部材510は、その高さの相当な過半数的な割合に亘って垂直に配列されたラック歯を備えるが、直立フレーム部材510の狭められた下部端ではこの限りではない。したがって、積み込みグリッド構造509のレベル509a~509d中にある整列されたスポットについての任意のセットの4つの直立フレーム部材510は、各々のシャフトを定義するのであり、これらは垂直トラック(track)として機能し、それに乗ってロボティックハンドラー208はシャフトを通って昇降して積み込みグリッド構造509の任意の2つのレベル間で行き来できる。
グリッド格納構造でなされると同様に、そのような昇降は、ロボティックハンドラー208がシャフト通行モードに入っている間にロボティックハンドラー208の歯付きピニオンホイールをこれらの直立フレーム部材510と噛ませることによって達成されるのであり、該モードではロボティックハンドラー208のトラック(track)を走る搬送用車輪が歯付きピニオンホイールとの関係で内側に引っ込められて積み込みグリッド構造509のグリッドスポットより小さいサイズになるようにロボティックハンドラー208のフットプリントを最小化させてシャフトを通じて移動することを可能とする。実施形態では、直立フレーム部材510の歯無しの幅縮小下部ネックは、グリッドトラック(track)レイアウトのレール上を走行するためのロボティックハンドラー208のトラック走行搬送ホイールのためのクリアランスを提供するのであり、これはトラック走行搬送ホイールが外に向かってピニオンホイールを超えて伸ばされてより大きなハンドラーフットプリントのトラック走行モードにされている場合に関する。実施形態では、積み込みグリッド構造509は積み込みグリッド構造509の全レール交差点にてこのようなラック歯付きフレーム部材を用いるのであり、それによって積み込みグリッド構造509の全スポットへロボティックハンドラー208が昇降することを可能とするのであるが、場合によっては図10Aに示されるように輸送車両215aについての積み込み/積み降ろしがなされるその終端スポットが例外とされ得るかもしれないのであり、これら終端スポットでは積み込みグリッド構造509のその余の部分に対してオーバーハングするそれらのx方向レールの終端におけるフレーム部材が欠如している。
各ロボティックハンドラー208が、SCSビン224aが搬送される上部プラットフォームと、SCSビン224aがロボティックハンドラー208の上部プラットフォームへと引き込まれるかそこから押し出される伸長可能/縮小可能アームを伴う回転可能タレットとを備える実施形態では、輸送車両215aの各ビンカルーセル222aの各カルーセルプラットフォーム1002は、図11A~11Cに示されるような中央長手方向のスロット又はギャップ1002bを{備えることができる/を特徴とすることができる}。この中央長手方向のスロット又はギャップ1002bは、ビンカルーセル222aの積み込み/積み降ろし位置Pにての格納ビンのカルーセルプラットフォーム1002への積み込み及びそこからの積み降ろしがなされる間のロボティックハンドラー208のタレットアームの伸縮を許容する。
輸送車両215aのビンカルーセル222aは格納場所の動的アレイを形成するのであり、「動的格納アレイ」と称するのであり、各カルーセルプラットフォーム1002は一意的な場所_IDを有する各々の格納場所を表し、これはローカル車両データベース220の車両格納テーブル324内及び中央データベース203のグローバル格納場所テーブル310内に格納される。もっとも、車両ベースドアレイ内の各格納場所(storage location)は、ビンカルーセル222aの操作によって輸送車両215aのトレーラ1003内にて異なる位置(position)に動かすことが可能である。この点は、グリッド格納構造内の各格納場所が固定された静的な位置(fixed static position)にあり動的に可動な位置(dynamically movable position)とされないマルチノーダルサプライチェーンシステム200の施設10,12,14の静的インデクスされた格納アレイとは異なる。輸送車両215aにて動的格納アレイを用いることによって、トレーラ1003の後部扉より格納ビンを利便性良く積むことができる。他の実施形態では、輸送車両215a内にて異なるタイプのインデクスされた格納アレイを用いることができ、例えばメガ施設・マクロ施設・マイクロ施設10,12,14にて用いられるロボットによるサービスがなされるグリッド格納構造のミニチュア版や、人間又はロボットによるサービスがなされる格納ビン224a,224bの標準的サイズ及び形状に特別にフィットするように適切にサイズが定められた個別格納場所(例えば、棚や小さな収納スペース等)付きの別の格納アレイが想定されるのであり、各格納場所は各々の場所_IDによってローカル車両データベース220及び中央データベース203にてインデクス付けされる。例えばカルーセルプラットフォーム1002等の動的格納場所がトレーラ1003の後端1003bから直接的に積み込まれる実施形態では、メガ施設・マクロ施設・マイクロ施設10,12,14のいずれか内のグリッド格納構造からの拡張トラック(track)は積み込みドックに延びるのであり、これはグリッド格納構造にサービスをもたらすロボティックハンドラー208のフリートと同じフリートを用いて自動化した態様で輸送車両について直接的な積み込み及び積み降ろしをなすためになされるのであり、それによって格納ビンを他の自動化取り扱い機材又は人員に中継的に移転することを回避できるのであってそれらの拡張トラックが図10A~10Bに示すように複数の積み込みドックを担当する共有積み込みグリッド構造509の一部であろうと又は所定の施設の異なる積み込みドックに向かう明確に別個のトラックシステムであろうと変わらない。
実施形態では、輸送車両215aが複数のビンカルーセル222aを含む故に、それによって集合的に定義される輸送車両215aの全体的インデクスされた格納アレイは、隔離されており且つ環境的に異なる格納ゾーンであって相違する環境的制御パラメータによって特徴付けられる格納ゾーンに細分化されており、メガ施設10内の細分化グリッド格納構造507の異なるゾーンに似ている。したがって、実施形態では、各輸送車両215aは、常温ゾーン、冷蔵ゾーン、及び冷凍ゾーンのいずれか1つ以上を備えるのであり、それぞれは1つ以上のビンカルーセルを備える。例えば、2つの隣接するビンカルーセル222aの列の間に1つ以上の断熱障壁が建てられて、断熱障壁の片側の常温ゾーンを反対側の冷蔵ゾーン又は冷凍ゾーン等の空調ゾーンから断熱したり、又は、冷蔵ゾーン等の1つの空調ゾーンを冷凍ゾーン等の別の環境的に異なる空調ゾーンから隔離したりできる。実施形態では、断熱障壁は、垂直に建てられた障壁であり、マルチレベルカルーセル列を相互に水平方向に隔離するために構成されており、それによって各ゾーン内のカルーセル設備の保守・修理のために隔離ゾーンのビンカルーセル222aに利便性良く人員がアクセスすることが可能となる。実施形態では、各ゾーンは、その中に各々のカルーセル列を備えるのであって、そのような保守・修理のために利用可能な歩行空間がその列の両側にある。別の実施形態では、断熱バリア壁は水平障壁であって、任意のマルチレベル列(multi-level row)において2つの垂直的に隣接するビンカルーセル222aを隔離するか、又は、複数のマルチレベルカルーセル列(multiple multi-level carousel rows)において丸ごとのレベルを相互に隔離するように構成されている。
このような随意的な輸送車両215aのトレーラ1003の細分化によって別個の環境的に異なる格納ゾーンに分けることは図17A~17Cについての詳細な説明にて開示されているのであり、マイクロ施設及びナノ施設14,16間での輸送のために用いられる輸送車両215cのトレーラ1701についての参照を伴う。輸送車両215cは、輸送車両215aを小規模にした変種である。このようにしてトレーラ1003を環境的に異なる格納ゾーンに区画化できることに鑑みて、車両格納テーブル324の各記録内の環境状態フィールドは、車両格納テーブル324内の他の記録全てとは必ずしも同一であることを要さない。なぜならば単一の輸送車両215aは複数の環境的に異なる格納ゾーンを備えるからである。実施形態では、各輸送車両215aは例えば常温専用格納ゾーン、冷蔵専用ゾーン、又は冷凍専用ゾーン等の単一の環境ゾーンのみを備えるのであり、そして環境状態インジケータが車両格納テーブル324から省かれる。なぜならば、ローカル車両データベース220の車両情報テーブル323内の環境データが輸送車両215a上の全格納場所によって共有される共通環境状態を表すからである。
図2Aに示されるように、各車両管理サブシステム216は、格納ビン224a,224b,224c,224dの無線通信ユニット225が接続するローカル無線ネットワーク221を備える。したがって、輸送車両215aの車両管理サブシステム216は、メガ施設10から輸送車両215aに積み込み中のSCSビン224aの無線通信ユニット225と通信可能とされており、これは、これらSCSビン224aのビン_IDをそれらのモバイルデータ記憶装置226から受信するため、並びに、識別されたSCSビン224aのメガ施設10から輸送車両215aへの移転の中央データベース203にての記録を開始するためになされるのであり、例えば、積み込まれたSCSビン224aから受信された輸送車両215aの車両_ID及びビン_IDを中央コンピューティングシステム201に送信することによることができる。したがって、中央データベース203は自動的に更新されて、SCSビン224aの現在の場所を、格納ビンテーブル308内にて及び随意的にはSCSビン224a内の製品のベンダのストック済み在庫テーブル304内にて、変更して、それをSCSビン224aが出発するメガ施設10の施設_IDからSCSビン224aを現在輸送している輸送車両215aの車両_IDにする。実施形態では、SCSビン224aのメガ施設10から輸送車両215aへの移転のこの自動化記録は、車両管理サブシステム216ではなく施設管理サブシステム204によって開始されるのであり、例えば、次のステップによってこれをなす:輸送車両215aの車両_IDを図5に示したメガ施設10の出発積み込みドック502にて読み取り且つ記録するステップと、輸送車両215aに積み込み中のSCSビン224aのビン_IDを読み取り且つ記録するステップと、中央データベース203を適宜更新するステップ。別の実施形態では、SCSビン224aのメガ施設10から輸送車両215aへの移転についての当該記録動作は、施設管理サブシステム204及び車両管理サブシステム216の両者によって協調的に行われる2段階手続であり、施設管理サブシステム204はSCSビン224aがメガ施設10から出発したことを中央コンピューティングシステム201に報告して、メガ施設10の施設_IDを格納ビンテーブル308及びストック済み在庫テーブル304内のSCSビン224aの記録から削除させて、車両管理サブシステム216がSCSビン224aの受領を報告して削除されたばかりの施設_IDを車両_IDで代替させる。
実施形態では、格納ビンが下流方向(downstream direction)に移転されて施設から出発輸送車両へと向かうサプライチェーンワークフローの各点においては、1つ以上の格納ビンが逆の上流方向(reverse upstream direction)に移転される。例えば、メガ施設10からの製品入りSCSビン224aが、図6に示されるマクロ施設12の到着積み込みドック601にて到着したメガ-マクロ輸送車両215aからオフロードされている場合、マクロ施設12からの空のSCSビン224aは、到着する製品入りSCSビン224aの元となっているメガ施設10と同じ所へと送還するために、同じメガ-マクロ輸送車両215aに積み込まれる。そして、メガ施設10に帰着したならば、輸送車両215aは、マクロ施設12からの空のSCSビン224aのセットを降ろして、マクロ施設12又は輸送車両215aが次に向かうべきものとして予定されている別の宛先へとまた輸送すべきSCSビン224aの次なるセットを拾う。この実施形態では、同じメガ施設10への空のSCSビン224aの上流送還が参照されるのであり、輸送車両215aが以前行ったマクロ施設12からのことであり、その空のSCSビン224aが回収されるのであり、別の実施形態では、輸送車両215aは、このマクロ施設12を出発して、輸送車両215aの出発元とは異なる上流のメガ施設10へと向かう。即ち、輸送車両215aは空のSCSビン224aを、マクロ施設12から、同じ輸送車両215aがそのマクロ施設にものが入ったSCSビン224aを届けたばかりのとは異なるメガ施設10へと持って行く。したがって、SCSビン224aに関しての施設と輸送車両との間での任意の移転は、SCSビンについてのスワップ又は交換を伴うのであり、例えば空のSCSビン等の上流方向に向かう格納ビン及び例えばものが入ったSCSビン等の下流方向に向かう格納ビンが相互に交換される。
図12A~12Bは、実施形態による、メガ施設10とその出発積み込みドック502に図5~6に示される下流マクロ施設12から到着する輸送車両215aとの間での格納ビンの交換を管理するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。開示の方法では、メガ施設10からの下流方向に向かうSCSビン224aは、マクロ施設12へと仕向けられている出発輸送車両215a上に積み込まれるのであり、図4A~4Bに示されるように、メガ施設10の出発積み込みドック502に到着した空の(empty)上流方向に向かうSCSビン224aは同時に同じ輸送車両215aに積み降ろされる。例として、この輸送車両215aが、同じマクロ施設12からメガ施設10に到着した事案であってその後積み込み/積み降ろし後にもう一度そこへと輸送車両215aが出発する事案を想起されたい。ステップ1202では、輸送車両215aがメガ施設10の出発積み込みドック502に到着したらば(S1201)、輸送車両215aの車両管理サブシステム216は、自機の車両_IDを含む到着信号を、中央コンピューティングシステム201及び輸送車両215aが到着するメガ施設10の施設管理サブシステム204へと、送信する。ステップ1203では、中央コンピューティングシステム201が輸送車両215aの次の予定されている宛先の施設_IDを識別して、施設_IDを施設管理サブシステム204へと転送する。実施形態では、輸送車両215aは、次の宛先の施設_IDを到着信号内にて施設管理サブシステム204へと伝達する。即ち、到着時において、輸送車両215aは、先ず自機の宛先施設_IDを、輸送車両215aが到着したばかりの施設_IDから、輸送車両215aが出発して目指す次なる施設の施設_IDへと、車両情報テーブル323内にて更新する。この次なる施設の施設_IDを用いて、施設管理サブシステム204は、自己のローカル施設データベース207のオンサイトビンテーブル322に対してクエリを発して、輸送車両215aの次なる宛先へと輸送されるべき製品入りSCSビン224aを識別するのであり、オンサイト格納ビンのビン_IDとの関係で記憶されている宛先施設_IDの使用に基づいてこれがなされる。このクエリ処理は、輸送車両215aの次なる宛先に合致する施設_IDを返すのみならず、現在のメガ施設10からの既知の中間的中継点であるを 既知の輸送ルート上のさらに下流にある施設の施設_IDをも返すように構成されており、輸送車両215aの次の宛先は現在のメガ施設10からの既知の中間的中継点である。このクエリによって返される製品入りSCSビン224aは、下流方向に向かうSCSビン(DSCSビン、downstream-headed SCS bin)と呼ばれる。なぜならば、これらのSCSビン224aは、マルチノーダルサプライチェーンシステム200の下流方向にある別の施設へと移動することが宿命付けられているからである。ステップ1204では、クエリが、輸送車両215aのビン容量を超過するDSCSビン数量を返すならば、それらのDSCSビンについて記憶されているタイミングデータに基づいてフィルタリングがなされて、より高い優先度のものについては維持して、より低い優先度のものについては除外する。
ステップ1205では、メガ施設10の施設管理サブシステム204は、ロボティックハンドラー208に対して次のステップを行うように命令する:DSCSビン224aの1つをグリッド格納構造507から回収するステップと、回収されたDSCSビン224aを輸送車両215aが到着した出発積み込みドック502に届けるステップ。グリッド格納構造507内のDSCSビン224aの格納場所からDSCSビン224aが回収されたことが確認されたらば、そのDSCSビン224aのビン_IDは、メガ施設10の施設格納テーブル320a及び中央データベース203の格納場所テーブル310から削除されるのであり、DSCSビン224aが取り出された格納場所の場所_IDは中央データベース203の格納ビンテーブル308及びメガ施設10のオンサイトビンテーブル322から削除される。また、ロボティックハンドラー208によってDSCSビン224aの格納場所からDSCSビン224aが回収されたことが確認されたらば、DSCSビン224aの格納場所の場所_IDは、中央データベース203の格納ビンテーブル308内及びメガ施設10のオンサイトビンテーブル322内にて、ロボティックハンドラー208の機材_IDをもって更新されるのであり、それによって、DSCSビン224aはリアルタイムで追跡可能な場所_IDと関連付けられることが可能となる。施設管理サブシステム204はロボティックハンドラー208の各施設10,12,14における場所を常時検出できる故に、格納ビンが特定のロボティックハンドラー208によって回収された場合に特定のロボティックハンドラー208の機材_IDを格納ビンの場所として記録することによって、格納ビンは各施設10,12,14において常時追跡されることが可能となる。
施設管理サブシステム204は、環境フラグを回収されたDSCSビン224aから、到着した輸送車両215aの車両管理サブシステム216に伝達するのであり、ステップ1206にてそれは、この環境フラグを用いて図10A~10Bに示される自機のビンカルーセル222aのうちの1つの非占有(unoccupied)カルーセルプラットフォーム1002を識別するのであり、車両格納テーブル324内のその環境状態インジケータは環境フラグに合致するのであり、それによって、非占有カルーセルプラットフォーム1002により表されている各々の格納場所は、回収されたDSCSビン224a内の製品の環境要件に適合した輸送車両215aの環境ゾーン内に所在することが確認される。車両管理サブシステム216は、ビンカルーセル222aのその1つをアクティブ化して、非占有カルーセルプラットフォーム1002をビンカルーセル222aの後部の積み込み/積み降ろし位置Pに再配置するのであり、該再配置動作は該非占有カルーセルプラットフォーム1002がそのような位置に既に所在していない場合になされるのであり、ハンドオフ指定信号を施設管理サブシステム204に伝達して、これにより施設管理サブシステム204は積み込みグリッド構造509上の特定の終端スポットを識別するのであり、識別されたビンカルーセル222aと作用するためにロボティックハンドラー208に対してはそこへと向かうように命令することを要するのであり、そこへと行くように適宜ロボティックハンドラー208に対して命令する。輸送車両215aが12個のビンカルーセル222aを備えており且つそれに合わせて積み込みグリッド構造509が各出発積み込みドック502にて12個の対応する終端スポットを有するという事例では、ハンドオフ指定信号は12個の異なる一意的なインジケータのうちの1つを含むのであって、各々は各そのようなアレイの各々の構成部にマッピングされている。
ステップ1207では、回収されたDSCSビン224aがロボティックハンドラー208によって積み込みグリッド構造509の指定された終端スポットに到着するか到着した場合、回収されたDSCSビン224aの無線通信ユニット225は無線的に輸送車両215aのLAN221に接続するのであり、LAN221を介して自機のビン_IDを輸送車両215aの車両管理サブシステム216に伝達するのであり、それがビン_IDを、ビンカルーセル222aの積み込み/積み降ろし位置に前進された非占有カルーセルプラットフォーム1002の場所_IDに対して記録する。実施形態では、DSCSビン224aの車両管理サブシステム216への接続及びそれによる車両管理サブシステム216との通信は、メガ施設10のLAN206から接続解除して代わりに輸送車両215aのLAN221に接続せよと命じる施設管理サブシステム204からの無線命令に応答して開始される。実施形態では、この命令は、施設管理サブシステム204によってロボティックハンドラー208が向かうように命令された積み込みグリッド構造509の指定された終端スポットにロボティックハンドラー208が到着したことが確認されたことに応答して開始される。そして、積み込みグリッド構造509の指定された終端スポットへの到着が確認されたらば、ステップ1208では、ロボティックハンドラー208は、回収されたDSCSビン224aを、施設管理サブシステム204によって命令されたように、選択されたビンカルーセル222aの提示された空のカルーセルプラットフォーム1002上に置くか移転する。
ステップ1209では、回収されたDSCSビン224aが、ロボティックハンドラー208によって積み込み/積み降ろし位置Pにて提示されたカルーセルプラットフォーム1002上に置かれたことが確認されたらば、施設管理サブシステム204は、自己の記録を更新して、DSCSビン224aのメガ施設10から輸送車両215aへの移転を反映させるのであり、これをなすために、メガ施設10のオンサイトビンテーブル322からそのDSCSビン224aのビン_IDを除いて(remove)、また、施設情報テーブル319内の占有格納ビンの数量についてデクリメントを行う(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。このステップで、実施形態では、施設管理サブシステム204は、メガ施設10からオフロードされたばかりのDSCSビン224aのビン_IDと共に、ビン出発信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、格納ビンテーブル308内のこのDSCSビン224aについての記録から、メガ施設10の施設_IDを、削除(erase)するのであり、また、ベンダのストック済み在庫テーブル304内の対応する記録についてもそこに複製があるならば同様とする。ステップ1210では、車両管理サブシステム216は、同様にして自己の記録を更新して、DSCSビン224aのメガ施設10から輸送車両215aへの移転を反映させるのであり、これをなすために、そのDSCSビン224aのビン_IDを輸送車両215aのオンボードビンテーブル325に加えて、また、占有格納ビンの数量(即ち、空ではなく製品を含んでいる格納ビン)についてインクリメントを行う(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。また、車両管理サブシステム216は、そのDSCSビン224aが置かれたカルーセルプラットフォーム1002の場所_IDに対してDSCSビン224aのビン_IDを記録するのであり、及び/又はビン_IDに対してその格納場所の場所_IDをローカル車両データベース220のオンボードビンテーブル325内にて記録する。このステップで、実施形態では、車両管理サブシステム216は、輸送車両215aに受け付けられたばかりのDSCSビン224aのビン_IDと共に、ビン受付信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、格納ビンテーブル308内のこのDSCSビン224aについての記録に、輸送車両215aの車両_IDを、追加するのであり、また、ベンダのストック済み在庫テーブル304内の対応する記録についてもそこに複製があるならば同様とする。ビン受付信号は、託されたDSCSビン224aのビン_IDに対して、グローバル格納ビンテーブル308内及び(そこに複製があらならば)ベンダのストック済み在庫テーブル304内において記録するための場所_IDをも含む。
ステップ1204~1210はDSCSビン224a、即ち、図4Aに示されるマルチノーダルサプライチェーンシステム200のサプライチェーンワークフローの方向におけるメガ施設10の下流側に所在するマクロ施設12へ仕向けられている製品入りSCSビン、に関する。DSCSビン224aをドロップしたロボティックハンドラー208は今となっては何らの格納ビンによって占有されていないが故に、例えば空のSCSビン等の任意の上流方向に向かう格納ビンが輸送車両215aにあるかについてのチェックがなされるのであって、該ビンについてはメガ施設10にてのドロップが意図されており、したがって、利用可能なロボティックハンドラー208によってオフロードされて持って行かれることができる。この例では、このような上流方向に向かう格納ビンは、上流方向に向かう単一区画格納(USCS、upstream-headed single-compartment storage)ビンと称するのであるも、後述のように、上流方向に向かう格納ビンはSCSビンに限られることを要さない。したがって、ステップ1211では、車両管理サブシステム216は、自己のオンボードビンテーブル325に対して、輸送車両215aが到着したメガ施設10の施設_IDに合致する宛先施設_IDを有するUSCSビンについてのクエリを発するのであり、それによって、何らかのそのようなUSCSビンが、輸送車両215aに搭載されているかを確認する。クエリ結果がこのメガ施設に仕向けられている1つ以上のUSCSビンの存在について肯定的である場合、後述のステップ1214~1218が行われる。クエリ結果が否定的であり、何らかのそのようなUSCSビンが輸送車両215aに搭載されていないことが表されている場合、処理はステップ1212へと飛躍して、車両管理サブシステム216は搭載USCSビンの欠如に関して施設管理サブシステム204に通知するのであり、これに応答して、施設管理サブシステム204は、ステップ1204で生成されたリスト内に残存する追加のDSCSビン224aがあるかについてチェックするのであり、追加のDSCSビン224aがある場合はステップ1205~1210が繰り返されて、また別のそのようなDSCSビン224aを出発積み込みドック502へと届けて、また、DSCSビン224aを上述のようにして輸送車両215aに積み込む。
ステップ1211での輸送車両215aに搭載されているUSCSビンについてのクエリが肯定的な結果をもたらす場合、車両管理サブシステム216は、ステップ1214で、USCSビンを含むビンカルーセル222aの1つを識別し、また、カルーセルプラットフォーム1002が積み込み/積み降ろし位置に既になければ、USCSビンが搬送されているビンカルーセル222aをアクティブ化して、そのビンカルーセル222aの積み込み/積み降ろし位置へとそのUSCSビンを載せているカルーセルプラットフォーム1002を動かす。車両管理サブシステム216は、別のハンドオフ指定信号を施設管理サブシステム204へと送って、ロボティックハンドラー208がUSCSビン積載ビンカルーセル222aからUSCSビンを受け取らなければならない、積み込みグリッド構造509の特定の終端スポットを識別する。このハンドオフ指定信号が、ロボティックハンドラー208によってDSCSビンが輸送車両215aに以前積み込まれた際の積み込みグリッド構造509の終端スポットと同じ所を指定する場合、ロボティックハンドラー208はこの同じ終端スポットに駐機されたままとなる。そうでない場合、ロボティックハンドラー208は、施設管理サブシステム204に命令されて、車両管理サブシステム216からのハンドオフ指定信号に基づいて積み込みグリッド構造509の別の終端スポットへと再配置される。実施形態では、複数のビンカルーセル222a上にてUSCSビンが識別された場合、車両管理サブシステム216は次のことをなすように構成されている:DSCSビンが積み込まれたのと同じビンカルーセル222a上の任意のUSCSビンの選択を優先すること、及びビンカルーセル222aの積み込み/積み降ろし位置に最も近いカルーセルプラットフォーム1002上のUSCSビンを優先して、積み込み/積み降ろし効率の最適化のためにビンカルーセル及びロボティックハンドラーの動きを最小化すること。
ステップ1215では、USCSビンの無線通信ユニット225は、少なくとも1つの自機のビン_ID及び環境フラグを施設管理サブシステム204へと送信するのであり、例えば、輸送車両215aの例えば無線ネットワーク等のLAN221から切断して代わりにメガ施設10の例えば無線ネットワーク等のLAN206に接続してそのような通信を先方と行えと車両管理サブシステム216によって命令された場合が想定される。この受信された環境フラグに基づいて、施設管理サブシステム204は、自己の施設格納テーブル320aに対して、USCSビンの環境フラグに合致する環境状態のグリッド格納構造507の利用可能格納場所の場所_IDについて、クエリを発するのであり、それによってそのUSCSビンについてグリッド格納構造507の適切な環境ゾーンに所在していることを確認する。
したがって、ステップ1216では、施設管理サブシステム204は、次のことをなすように、USCSビンの積み込み/積み降ろし位置の隣の適切な終端スポットに既に駐機してあるロボティックハンドラー208に対して命令する:そのUSCSビンをカルーセルプラットフォーム1002から回収すること、及びUSCSビンをグリッド格納構造507の適切な環境ゾーン内の利用可能な環境的に適した格納場所へと搬送すること。ロボティックハンドラー208によってカルーセルプラットフォーム1002からUSCSビンが回収されたことが確認されたらば、USCSビンの格納場所の場所_IDは、中央データベース203の格納ビンテーブル308内及びメガ施設10のオンサイトビンテーブル322内にて、ロボティックハンドラー208の機材_IDをもって更新されるのであり、それによって、USCSビンはリアルタイムで追跡可能な場所_IDと関連付けられることが可能となる。ステップ1217では、ロボティックハンドラー208によってカルーセルプラットフォーム1002からUSCSビンが回収されたことが確認されたらば、車両管理サブシステム216は、自己の記録を更新して、USCSビンの輸送車両215aからメガ施設10への移転を反映させるのであり、これをなすために、そのUSCSビンのビン_IDを輸送車両215aのオンボードビンテーブル325から除いて、また、USCSビンが空の格納ビンである場合、車両情報テーブル323内の空の格納ビンの数量についてデクリメントを行う(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。このステップで、実施形態では、車両管理サブシステム216は、輸送車両215aからオフロードされたばかりのUSCSビンのビン_IDと共に、ビン出発信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、格納ビンテーブル308内のこのUSCSビンについての記録から、輸送車両215aの車両_IDを、削除する。ステップ1218では、施設管理サブシステム204は、自己の記録を更新して、USCSビンの輸送車両215aからメガ施設10への移転を反映させるのであり、これをなすために、そのUSCSビンのビン_IDをメガ施設10のオンサイトビンテーブル322に加えるのであり、USCSビンが空の格納ビンであるこの例では、施設情報テーブル319内にて空のビンの数量についてインクリメントを行う(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。このステップで、実施形態では、施設管理サブシステム204は、メガ施設10に受け付けられたばかりのUSCSビンのビン_IDと共に、ビン受付信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、格納ビンテーブル308内のこのUSCSビンについての記録に、メガ施設10の施設_IDを、追加する。
ステップ1216で以前命令したように、ロボティックハンドラー208は、ステップ1219で、グリッド格納構造507内の指定された格納場所内にUSCSビンを、置く。ステップ1220では、USCSビンがグリッド格納構造507の環境的に適したゾーン内の指定された格納場所内に置かれたことが確認されたらば、施設管理サブシステム204は、そのUSCSビンのビン_IDをローカル施設データベース207の施設格納テーブル320a内にて格納場所の場所_IDに対して記録するのであり、及び/又は、その格納場所の場所_IDをローカル施設データベース207のオンサイトビンテーブル322内に記録する。また、ステップ1220では、施設管理サブシステム204は、同じ場所_ID及びビン_IDを、該場所_IDを置かれたUSCSビン224aのビン_IDに対してグローバル格納ビンテーブル308内及び(そこに複製があらならば)ベンダのストック済み在庫テーブル304内において記録するために、中央コンピューティングシステム201へと転送する。今となってはグリッド格納構造507内にて格納されて且つそこで場所確認可能な空のUSCSビンは、今となっては図9A~9Bの詳細な説明に開示された在庫取り込み処理を後に実行するために用いるための候補たる空のSCSビンとなる。
したがって、ステップ1205~1220は、集合的に、単一のビンスワップ又はビン交換を行うのであり、出発輸送車両215aに乗ってメガ施設10を出発する1つのDSCSビン224aが、同じ輸送車両215aに乗ってメガ施設10に到着した1つの上流方向に向かう格納ビンと、交換される。そして、ステップ1212では、ステップ1204で生成されたリスト内に残存する追加的のDSCSビン224aがあるかについてチェックが行われ、また、追加のDSCSビン224aがある場合はステップ1205~1211が繰り返される。追加のDSCSビン224aがない場合、ステップ1213では、ステップ1211で以前行われたの同じチェックが繰り返されて、積み降ろすべきさらなるUSCSビンがあるかを識別(identify)するのであり、肯定的な決定(determination)がなされた場合にはステップ1214~1212が繰り返されるのであってステップ1213にてチェックが否定的な結論(finding)を結果としてもたらす迄これがなされるのであり、これがもたらされた場合には次のことが確認されたこととなる:全てのUSCSビンが、輸送車両215aから積み降ろされており、メガ施設10内にて受け付けられており、且つそのグリッド格納構造507内へと取り込まれたこと;並びに全てのDSCSビンが、輸送車両215aが次に向かうことが定められているマクロ施設12へと移動を進ませるために、輸送車両215a上に積み込まれたこと。
図12A~12Bに開示される方法は、ステップ1206で既に、出発積み込みドック502に到達するために第1のロボティックハンドラー208上で搬送されたDSCSビン224aを置くことができる、輸送車両215a上の非占有カルーセルプラットフォーム1002が少なくとも1つあるということを仮定しているも;他の実施形態では、任意のDSCSビンが輸送車両215aに積み込まれる前に、空のカルーセルプラットフォームを持たない完全積載の輸送車両215aから第1のUSCSビンを積み降ろすために、異なるビン無しロボティックハンドラーによるステップ1214~1220の先制的な実行が必要とされ得る。実施形態では、異なる施設における積み込み/積み降ろし処理は、ビンカルーセル222aに対して容量満杯まで積み込みをなさないように構成されているのであり、これにより少なくとも1つのカルーセルプラットフォーム1002が輸送中に空いているようにして、輸送車両215aの次の目的地にて積み込まれた第1の格納ビンを受け入れることができるようにする。輸送車両215aの少なくとも1つのカルーセルプラットフォーム1002が常時空いているようにしておくため、ステップ1204では実際の最大車両容量の代わりに実効的最大車両容量を用いるのであり、実効的最大車両容量は実際の容量(輸送車両に搭載されたカルーセルプラットフォームの個数)から1を減じた値とする。このようにして、ステップ1204で輸送車両215aに積み込むことができると指定されているDSCSビンの最大数は、輸送車両215aの真正なるビン容量引く1とされるのであり、これによって1つの空いたカルーセルプラットフォームが積み込み後に輸送車両215aに残される。
上述のように、図4A~4Bに示される各輸送車両215a,215b,215cには、輸送車両215a,215b,215cの動き及び場所を追跡するGPS装置219と、輸送車両215a,215b,215cの現在の場所を中央コンピューティングシステム201へと伝達する広域通信装置218とが装備されている。中央データベース203内のストック済み在庫テーブル304に対して、輸送車両215a,215bで現在輸送中の任意の格納ビン224a,224b内に格納された製品についてのクエリを発すると、その格納ビン224a,224bの現在のGPSによる場所が格納ビン224a,224bの乗っている輸送車両215a,215bのGPS座標に基づいて報告される。同様に、中央データベース203に対して、図4A~4Bに示される輸送車両215c上で現在輸送されているFOビンについてFOビンテーブル313に注文番号が記録されている任意の顧客注文についてのクエリを発すると、そのFOビン224dの現在のGPSによる場所が、FOビン224dの乗っている輸送車両215cのGPS座標に基づいて報告される。その結果、格納ビン及び注文ビンに関してのマルチノーダルサプライチェーンシステム200における包括的な監視及び追跡が達成される。
図13A~13Bは、実施形態による、マクロ施設12と図6に示されるマクロ施設12の到着積み込みドック601に図4A~4Bに示される上流メガ10施設から到着する輸送車両215aとの間での格納ビン224aの交換を管理するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。メガ施設10からのSCSビン224aが積み込まれた大きな輸送車両215aは、図4Aに示されるマクロ施設12の1つへと移動する。メガ施設10からの輸送車両215aは、マクロ施設12の到着積み込みドック601に到着するのであり、該ドックではメガ施設10から到着するDSCSビン224aが到着輸送車両215aからオフロードされるのであり、メガ施設10へと仕向けられている、空のUSCSビン及び/又は他の上流方向に向かう格納ビンは、図12A~12Bの詳細な説明にて開示されているように、メガ施設10の出発積み込みドック502にて行われる積み込み/積み降ろし処理と逆順で同じ輸送車両215a内に積み込まれる。図10A~10Bに示される大きな輸送車両215aのビンカルーセル222aは、それらが実質的にDSCSビンで一杯となっている場合、インクリメンタルな態様で各々が駆動されて、隣接するビン搬搭載中のカルーセルプラットフォーム1002を1つずつビンカルーセル222aの後端へと動かすのであり、各々のDSCSビン224aは例えば人間の作業員又はロボティックハンドラー208等によってカルーセルプラットフォーム1002からプルされるのであり、実施形態では、到着した到着輸送車両215aからDSCSビン224aを積み降ろす人間の作業員又はロボティックハンドラー208がビンスワップ又は交換処理の一環としてそこにUSCSビンを置くことも任される。この積み降ろし処理中においては、マクロ施設12の施設管理サブシステム204は、到着するDSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226からビン_ID並びに内容物テーブル327及び製品情報テーブル328の少なくとも一部のデータコンテンツを読み取るのであり、そして、ビン受付信号を中央データベース203へと送って、DSCSビン224aが到着したマクロ施設12の施設_IDに従って各DSCSビン224aの場所を更新する。ロボティックハンドラー208によって到着した到着輸送車両215aからDSCSビン224aが回収されたことが確認されたらば、DSCSビン224aの格納場所の場所_IDは、中央データベース203の格納ビンテーブル308内及びマクロ施設12のオンサイトビンテーブル322内にて、ロボティックハンドラー208の機材_IDをもって更新されるのであり、それによって、DSCSビン224aはリアルタイムで追跡可能な場所_IDと関連付けられることが可能となる。マクロ施設12のLAN206(例えば無線ネットワーク等)を介して施設管理サブシステム204によって受信された製品情報は、取り扱いデータ及びカスタマイゼーションデータを含み、これらは到着するDSCSビン224aのマクロ施設12内での取り扱い及び経路指定の決定のために用いられるのであり、また、グリッド格納構造603のロボティックハンドラー208及び/又は他の自動化取り扱い機材を制御するため、及び/又は適切に人間の作業員を指図するために用いられる。同時に、実施形態では、DSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226から読み出された情報には内容物テーブル327からの製品_ID及び数量が含まれるのであって、例えば施設管理サブシステム204によって用いられるためにマクロ施設12内へと取り込まれる製品の数量を示すのであり、中央データベース203の格納ビン内容物テーブル309へのアクセスが妨げられることになる中央コンピューティングシステム201での通信障害の場合であっても、手持ちの在庫について自動的に且つ正確に追跡をなし得る。中央コンピューティングシステム201との正常な通信が利用可能である場合、受付信号にて施設_ID及び到着した各DSCSビン224aのビン_IDが先述のように送信されたことによって、到着したDSCSビン224a内の各カタログ済み製品について、そのマクロ施設12にての手持ち在庫カウントに関して中央データベース203を更新するように動作させ得る。
図13A~13Bは、輸送車両215aに乗ってメガ施設10からマクロ施設12に到着するDSCSビン224aを積み降ろすこと及びメガ施設10へ輸送するためにマクロ施設12からのUSCSビンを同じ輸送車両215aに同時的に積み込むことに関しての処理を、開示するのであり、実施形態では、該メガ施設は到着した輸送車両215aが出てきたメガ施設10と同じである。輸送車両215aがマクロ施設12の到着積み込みドック601に到着したらば(S1301)、ステップ1302では、図2A~2Bに示される輸送車両215aの車両管理サブシステム216は、自機の車両_IDを含む到着信号を、中央コンピューティングシステム201及び輸送車両215aが到着するマクロ施設12の施設管理サブシステム204へと、送信する。次に、ステップ1303では、中央コンピューティングシステム201が輸送車両215aの次の予定されている宛先の施設_IDを識別して、施設_IDを施設管理サブシステム204へと転送する。実施形態では、施設_IDは、輸送車両215a自体からの到着信号内にて、マクロ施設12の施設管理サブシステム204へと、伝達される。この次なる施設の施設_IDを用いて、施設管理サブシステム204は、自己のローカル施設データベース207のオンサイトビンテーブル322に対してクエリを発して、輸送車両215aの次なる宛先へと移転されるべきUSCSビンを識別するのであり、オンサイト格納ビンのビン_IDとの関係で記憶されている宛先施設_IDの使用に基づいてこれがなされる。このクエリは、輸送車両215aの次の宛先に合致する施設_ID、及び/又は、輸送車両215aの次の宛先が中間的中継点であると知られている既知の移動経路上の他の施設の施設_IDを、返し得る。ステップ1305では、クエリが輸送車両215aのビン容量を超過する候補たるUSCSビンについての数量を返すならば、識別済みUSCSビンについてのリストは、それらの識別済みUSCSビンについて記憶されているタイミングデータに基づいてフィルタリングがなされて、より高い優先度のものについては維持されて、より低い優先度のものについては除外される。実施形態では、該ステップは、真正なる容量引く1として算出された実効的車両容量を用いることができ、それによって、輸送車両215aに積み込むものと指定されているUSCSビンの個数が、車両の真正なるビン容量引く1となることが保証されるのであり、これによって1つの空いたカルーセルプラットフォーム1002が積み込み後に図10A~10Bに示される輸送車両215aに残される。
ステップ1303で1つ以上のUSCSビンが識別された場合、ステップ1306では、マクロ施設12の施設管理サブシステム204は、ロボティックハンドラー208に対して次のステップを行うように命令する:識別されたUSCSビンをグリッド格納構造603から回収するステップと、回収されたUSCSビンを輸送車両215aが到着した到着積み込みドック601に届けるステップ。USCSビンがグリッド格納構造603内のその格納場所から回収されたことが確認されたらば、そのUSCSビンのビン_IDは、マクロ施設12の施設格納テーブル320a及び中央データベース203の格納場所テーブル310から削除されるのであり、USCSビンが回収された格納場所の場所_IDは中央データベース203の格納ビンテーブル308及びマクロ施設12のオンサイトビンテーブル322から削除される。また、ロボティックハンドラー208によってグリッド格納構造603からUSCSビンが回収されたことが確認されたらば、USCSビンの格納場所の場所_IDは、中央データベース203の格納ビンテーブル308内及びマクロ施設12のオンサイトビンテーブル322内にて、ロボティックハンドラー208の機材_IDをもって更新されるのであり、それによって、USCSビンはリアルタイムで追跡可能な場所_IDと関連付けられることが可能となる。
施設管理サブシステム204は、USCSビンのための環境フラグを、到着した輸送車両215aの車両管理サブシステム216に伝達するのであり、ステップ1307にてそれは、この環境フラグを用いて自機のビンカルーセル222aのうちの1つの非占有カルーセルプラットフォーム1002を識別するのであり、車両格納テーブル324内のその環境状態インジケータは環境フラグに合致するのであり、それによって、非占有カルーセルプラットフォーム1002により表されている各々の格納場所は、USCSビン及び(USCSビンが空のビンではない場合には)その任意の内容物の、環境フラグに適合した輸送車両215aの環境ゾーン内に所在することが確認される。車両管理サブシステム216は、輸送車両215aのビンカルーセル222aの1つをアクティブ化して、非占有カルーセルプラットフォーム1002を図11A~11Cに示されるビンカルーセル222aの後部の積み込み/積み降ろし位置Pに再配置するのであり、該再配置動作は該非占有カルーセルプラットフォーム1002がそのような位置に既に所在していない場合になされるのであり、ハンドオフ指定信号を施設管理サブシステム204に伝達して、輸送車両215aのそのビンカルーセル222aのために積み込みグリッド構造604の適切な終端スポットへと向かうようにロボティックハンドラー208に対して命令することを可能とする。ステップ1308では、回収されたUSCSビンが積み込みグリッド構造604のこの指定された終端スポットに到着する際又はそこに到着したらば、USCSビンの無線通信ユニット225は接続して、そのビン_IDを車両管理サブシステム216に伝達して、図12A~12Bの詳細な説明にて開示するようにビン_IDをカルーセルプラットフォーム1002の場所_IDに対して記録することを可能とする。ステップ1309では、ロボティックハンドラー208が指定された終端スポットに到着したことが確認されたらば、ロボティックハンドラー208は回収されたUSCSビン224aを選択されたビンカルーセル222aの提示された空のカルーセルプラットフォーム1002上に置くのであり、これは施設管理サブシステム204によって命令されるがままになされる。
ステップ1310では、USCSビンが、積み込み/積み降ろし位置Pにて提示されたカルーセルプラットフォーム1002上に置かれたことが確認されたらば、施設管理サブシステム204は、自己の記録を更新して、USCSビンのマクロ施設12から輸送車両215aへの移転を反映させるのであり、これをなすために、マクロ施設12のオンサイトビンテーブル322からそのUSCSビンのビン_IDを除いて、また、USCSビンが空の格納ビン224aである実施形態では、施設情報テーブル319内にて空の格納ビンの数量についてデクリメントを行う(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。このステップで、実施形態では、施設管理サブシステム204は、マクロ施設12からオフロードされたばかりのUSCSビンのビン_IDと共に、ビン出発信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、格納ビンテーブル308内のこのUSCSビンについての記録から、マクロ施設12の施設_IDを、削除する。一方で、ステップ1311では、車両管理サブシステム216は、自己の記録を更新して、USCSビンのマクロ施設12から輸送車両215aへの移転を反映させるのであり、これをなすために、そのUSCSビンのビン_IDを輸送車両215aのオンボードビンテーブル325に加えて、また、USCSビンが空の格納ビン224aである実施形態では、車両情報テーブル323内にて空の格納ビンの数量についてインクリメントを行う(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。また、車両管理サブシステム216は、そのUSCSビン224aが置かれたカルーセルプラットフォーム1002の場所_IDに対してUSCSビン224aのビン_IDを記録するのであり、及び/又はそのUSCSビン224aのビン_IDに対してその格納場所の場所_IDをローカル車両データベース220のオンボードビンテーブル325内にて記録する。このステップで、実施形態では、車両管理サブシステム216は、輸送車両215aに受け付けられたばかりのUSCSビンのビン_IDと共に、ビン受付信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、中央データベース203の格納ビンテーブル308内のこのUSCSビンについての記録に、輸送車両215aの車両_IDを、追加する。ビン受付信号は、グローバル格納ビンテーブル308内において預け入れられたUSCSビンのビン_IDに対して記録するための場所_IDをさらに含む。
上述のように、ステップ1303~1311は次の事項について扱う:マルチノーダルサプライチェーンシステム200のサプライチェーンワークフローの方向との関係でのマクロ施設12の上流側に所在するメガ施設10へ仕向けられているUSCSビン。USCSビンが輸送車両215aに移転されたらば、ステップ1312以降は、到着するDSCSビン224aを輸送車両215aからマクロ施設12内へと移転するためになされる。この例では、輸送車両215aから積み降ろすべきものとしては少なくとも1つのDSCSビン224aがあり、輸送車両215aのマクロ施設12への移動は格納ビンをメガ施設10から下流方向へと輸送する必要性によって定義されているが故にそうなるのであり、輸送車両215aに対しては、格納ビン(例えば、メガ施設10へと上流方向に返却されるUSCSビン等)をピックアップするためだけに空の状態でマクロ施設12へと行くような予定が定められない。実施形態では、ステップ1311とステップ1312との間で追加のステップが行われるのであって、該ステップでは、先ず輸送車両215aのローカル車両データベース220のオンボードビンテーブル325に対してクエリを発して、マクロ施設12に積み降ろすべき任意のDSCSビン224aが搭載されているかを先ず確認する。
ステップ1312で車両管理サブシステム216は、DSCSビンを含むビンカルーセル222aのうちの1つは識別して、カルーセルプラットフォーム1002が積み込み/積み降ろし位置に既になければ、DSCSビンが搬送されているビンカルーセル222aをアクティブ化して、そのビンカルーセル222aの積み込み/積み降ろし位置へとそのDSCSビンを載せているカルーセルプラットフォーム1002を動かす。一方で、車両管理サブシステム216は、別のハンドオフ指定信号を施設管理サブシステム204へと送って、ロボティックハンドラー208がDSCSビン224aが積載されているビンカルーセル222aからDSCSビン224aを受け取らなければならない、積み込みグリッド構造604の特定の終端スポットを識別する。このハンドオフ指定信号が、ロボティックハンドラー208によってUSCSビンが輸送車両215aに以前積み込まれた際の積み込みグリッド構造604の終端スポットと同じ所を指定する場合、ロボティックハンドラー208はこの同じ終端スポットに駐機されたままとなる。そうでない場合、ロボティックハンドラー208は、施設管理サブシステム204に命令されて、車両管理サブシステム216からのハンドオフ指定信号に基づいて積み込みグリッド構造604の別の終端スポットへと再配置される。実施形態では、複数のビンカルーセル222a上にてDSCSビン224aが識別された場合、車両管理サブシステム216はUSCSビンが積み込まれたばかりのと同じビンカルーセル222a上の任意のDSCSビン224aの選択を優先するように構成されており、ビンカルーセル222aの積み込み/積み降ろし位置に最も近いカルーセルプラットフォーム1002上のDSCSビンを優先して、積み込み/積み降ろし効率の最適化のためにカルーセル及びロボティックハンドラーの動きを最小化する。
ステップ1313では、DSCSビン224aの無線通信ユニット225は、自機のビン_ID、環境フラグ、並びに自機のビンデータであって自機の取り扱いデータ、カスタマイゼーションデータ、宛先データ、及びタイミングデータの少なくとも一部を含むビンデータの少なくとも一部を、施設管理サブシステム204へと送るのであり、例えば、輸送車両215aの例えば無線ネットワーク等のLAN221から切断して代わりにマクロ施設12の例えば無線ネットワーク等のLAN206に接続してそのような通信を先方と行えと車両管理サブシステム216によって命令された場合が想定される。受信された環境フラグに基づいて、施設管理サブシステム204は、自己の施設格納テーブル320aに対して、DSCSビン224aの環境フラグに合致する環境状態のグリッド格納構造603の利用可能格納場所の場所_IDについて、クエリを発するのであり、それによってそのDSCSビン224aの内容物たる製品についてグリッド格納構造603の適切な環境ゾーンに所在していることを確認する。
ステップ1314では、施設管理サブシステム204は、次のことをなすように、ビンカルーセル222aの積み込み/積み降ろし位置の隣の適切な終端スポットに既に駐機してあるロボティックハンドラー208に対して命令する:積み込み/積み降ろし位置にあるカルーセルプラットフォーム1002からDSCSビン224aを回収すること。ステップ1315では、ロボティックハンドラー208によってカルーセルプラットフォーム1002からDSCSビン224aが回収されたことが確認されたらば、車両管理サブシステム216は、自己の記録を更新して、DSCSビン224aの輸送車両215aからマクロ施設12への移転を反映させるのであり、これをなすために、輸送車両215aのオンボードビンテーブル325からそのDSCSビン224aのビン_IDを除いて、また、車両情報テーブル323内の占有格納ビンの数量についてデクリメントを行う(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。このステップで、実施形態では、車両管理サブシステム216は、輸送車両215aからオフロードされたばかりのDSCSビン224aのビン_IDと共に、ビン出発信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、格納ビンテーブル308内のこのDSCSビンについての記録から、輸送車両215aの車両_IDを、削除する。一方で、ステップ1316では、施設管理サブシステム204は、自己の記録を更新して、DSCSビン224aの輸送車両215aからマクロ施設12への移転を反映させるのであり、これをなすために、そのDSCSビン224aのビン_IDをマクロ施設12のオンサイトビンテーブル322に加えるのであり、施設情報テーブル319内の占有ビンの数量についてインクリメントを行う(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。このステップで、実施形態では、施設管理サブシステム204は、マクロ施設12に受け付けられたばかりのDSCSビン224aのビン_IDと共に、ビン受付信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、格納ビンテーブル308内のこのDSCSビン224aについての記録に、マクロ施設12の施設_IDを、追加する。
ロボティックハンドラー208によって輸送車両215aからDSCSビン224aが受領されたことが確認されたらば、DSCSビン224aの格納場所の場所_IDは、中央データベース203の格納ビンテーブル308内及びマクロ施設12のオンサイトビンテーブル322内にて、ロボティックハンドラー208の機材_IDをもって更新されるのであり、それによって、DSCSビン224aはリアルタイムで追跡可能な場所_IDと関連付けられることが可能となる。マクロ施設12のロボティックハンドラー208によるDSCSビン224aの受領が確認されたらば、マクロ施設12の施設管理サブシステム204は今度は、ステップ1313でDSCSビン224aより読み出された環境フラグ並びに取り扱いデータ及びカスタマイゼーションデータに準拠してどのようにマクロ施設12内にてDSCSビン224aを経路指定するのかについて評価するのであり、それらに基づいてマクロ施設12内の適切な宛先への移動をロボティックハンドラー208に命令する。ステップ1317では、施設管理サブシステム204は、ステップ1313にて受信された宛先データ及びタイミングデータをチェックして、別の施設への速やかな輸送のためにDSCSビン224aの即時のクロスドッキングが宛先データ及びタイミングデータによって示唆されるかを評価するのであって、例えば宛先データ及びタイミングデータを、図6に示されるマクロ施設12の出発積み込みドック602に輸送車両215bが存在するかそのまもなくの到着が予定されているかと比較する。DSCSビン224aの意図されている宛先たる施設が、DSCSビン224aが到着したばかりの現在のマクロ施設12ではないと、宛先データが示す場合、現在のマクロ施設12の施設管理サブシステム204は、自動化機材の制御及び/又は人間の作業員の誘導に用いるための経路指定命令又は命令を、生成して、輸送車両215bが既にあるかまもなく予定されているならば現在のマクロ施設12にてDSCSビン224aのクロスドッキングを惹起させる若しくは指示するか、又は、輸送車両215bが既にあるわけではないかまもなく予定されているわけではないならば現在のマクロ施設12のインデクスされた格納アレイ内にてのDSCSビン224aの一時的格納を惹起させる若しくは指示する。
そのような輸送車両215bによってDSCSビン224aが輸送先のこの他の施設は次のどちらかとされる:そのDSCSビン224aについての意図された宛先施設又は意図された宛先施設よりも近い中間施設。即ち、DSCSビン224aが到着する現在の施設が、DSCSビン224aがそこから進んで別の施設(意図された宛先施設であろうと別の中間的中継点であろうと)へと移転される中間的中継点として機能し得るのであり、DSCSビンの内容物についての何らの処理又は移転(例えば、VASカスタマイゼーションやMCSビンへのキット化等に関する事柄)を伴わない。このような態様で、マルチノーダルサプライチェーンシステム200の地理的な広がりの一方側の端っこにあるメガ施設10にてパッキングされたSCSビン224aは、マルチノーダルサプライチェーンシステム200の別の端っこの遠方のマクロ施設12へと直接的には輸送されないのであり、代わりに、元のメガ施設10と最終仕向地たるマクロ施設12との間に所在する複数の中間施設を介して中継される。様々な実施形態では、この施設を介してのビンの中継と同じことは、現在想定されたメガ-マクロ輸送段階以外の輸送段階でも生じ得るのであり、以下のいずれの一環としても可能である:例えばメガ-マクロ、マクロ-マイクロ、マイクロ-ナノ等のあるクラスの施設から別のクラスの施設へのクラス間輸送段階;及び例えばメガ-メガ、マクロ-マクロ、マイクロ-マイクロ等のクラス内輸送段階。実施形態では、輸送車両の全部又は一部は、2つの具体的な施設の間に専用の輸送レッグ或いはそれらが限定された施設群の間を移動する専用のサービスエリアを有する。専用輸送レッグの場合、各輸送車両の車両管理サブシステム216は、2つの既定値施設_ID、上流施設_ID及び下流施設_IDを記憶しており、施設管理サブシステム204との標準化データ交換が開始される前に、これら2つの施設のどちらかへの到着の際に、各々宛先施設_IDの値をこれらの値の間で自動的に切り替えるように構成されており、それを通じて施設が輸送車両の次の宛先を識別するのであり、これは施設のオンサイトビンテーブル322に対して輸送車両の次の宛先に届けられるものとされているものについてのクエリを発するためになされる。
ステップ1317でクロスドッキングすることの必要性が識別された場合、ステップ1318で実施形態では、DSCSビン224aについての全自動化クロスドッキングが実行されて、その場合には施設管理サブシステム204は既にそのDSCSビン224aを搬送しているロボティックハンドラー208に対してそのDSCSビン224aを直接的に出発積み込みドック602へと搬送するように命令するのであり、例えばその下部トラック(track)レイアウト上でグリッド格納構造603を移動して取り込み到着積み込みグリッド604から出発積み込みグリッド構造605へと横断することによってこれがなされ得るのであり、ロボティックハンドラー208はDSCSビン224aを待機中か到着する輸送車両215bに出発積み込みドック602にて積み込む。
即時クロスドッキングを要さない場合、ステップ1322で施設管理サブシステム204は、ステップ1313でDSCSビン224aから受信されたカスタマイゼーションデータをチェックして、DSCSビン224aをグリッド格納構造603内のインデクスされた格納場所ではなくVAS/返品ワークステーション606へと直接的に送るべきかについての評価においてカスタマイゼーションデータを用いる。実施形態では、該評価は、マクロ施設12のワークステーション情報テーブル321に対して、DSCSビン224aの内容物のVAS要件を充足するのに十分に取り計らわれた且つDSCSビン224aを受け入れるための即応的に若しくはまもなく活用できる容量があるVAS/返品ワークステーション606について、クエリを発することを伴う。ステップ1322でのVASクエリが肯定的である場合、ステップ1319で施設管理サブシステム204は、ロボティックハンドラー208に対してDSCSビン224aを利用可能なVAS/返品ワークステーション606へ向かって又はそこへ完全に搬送するように命令する。実施形態では、ロボティックハンドラー208は、積み込みグリッド構造604のカルーセルに隣接した終端スポットにある自機のピックアップ地点からグリッド格納構造603のグリッド下部トラック(track)レイアウトを介してのVAS/返品ワークステーション606へのDSCSビン224aの完全な配送を担当する。
ステップ1322にてDSCSビン224aについての即時のVAS処理(VAS processing)が要されない場合、ステップ1323で施設管理サブシステム204は、ステップ1313でDSCSビン224aから受信された環境フラグを用いて、DSCSビン224aの環境フラグに合致する環境状態を有するグリッド格納構造603内の利用可能格納場所の場所_IDについて、施設格納テーブル320aに対してクエリを発するのであり、ロボティックハンドラー208に対して、DSCSビン224aを、グリッド格納構造603内のこの利用可能且つ環境的に適合した格納場所に搬送してそこの中に置くように命令する。ステップ1324では、DSCSビン224aが環境的に適合した格納場所に置かれたことが確認されたらば、図12A-12Bの詳細な説明にて開示されたメガ施設10にてなされるビン取り込み処理と同様の通信及びデータベース更新が、それとの関連で述べられたのと同様の目的及び有益的結果のために、なされる。
実施形態では、施設管理サブシステム204によってDSCSビン224aの到着の際になされる経路指定決定ステップ1317及び1322は、次のことをなすように構成されている:読み出されたビンデータにカスタマイゼーションデータが含まれる任意のDSCSビン224aについて既定でDSCSビン224aをVAS/返品ワークステーション606へ配送することを命令すること、及び、ビンデータがカスタマイゼーションデータを含まない場合のみに処理のためのVAS/返品ワークステーション606への経路指定をバイパスすること。この場合、DSCSビン224aをグリッド格納構造603内に格納することが代わりに命令されるのであり、読み出されたビンデータからの環境フラグによってそれについての指示された所定の環境ゾーンで特に格納される。実施形態では、施設管理サブシステム204によってなされ得る経路指定決定は、インデクスされた格納アレイ内での格納をバイパスしてDSCSビン224a(例えば、単一SKUビン等)をキット化ワークステーション607へと直接的に仕向けるかについての決定をさらに含むのであり、これをなすために、到着DSCSビン224a内に含まれる製品タイプについての製品要求が施設管理サブシステム204によって受信されており且つ施設のオンサイトビンテーブル322内のオンサイトSCSビンが製品要求を充足するための該製品タイプのものを欠いているか該要求を充足するのに十分な数量を有していないが故にDSCSビン224aの到着を待っている場合であるかを、チェックする。キット化ワークステーション607におけるのそのような製品要求に関連するワークフローについては後述する。
したがって、ステップ1306~1324は、集合的に、単一のビンスワップを行うのであり、到着輸送車両215aに乗ってマクロ施設12に到着する1つのDSCSビン224aが、例えば同じ輸送車両215aにのってマクロ施設12を後に出発する空のSCSビン等の1つのUSCSビンと交換される。そのようなスワップの完了後、ステップ1320で施設管理サブシステム204は、ステップ1303~1205からのリストに残存する追加的なUSCSビンがあるかについてのチェックを行うのであり、追加のUSCSビンがある場合はステップ1306~1324が繰り返される。そうでない場合、ステップ1321で施設管理サブシステム204及び車両管理サブシステム216は、輸送車両215aにまだ積載されており且つロボティックハンドラー208によるオフローディングを待っている残存DSCSビン224aの存在について協調的にチェックするのであり、これによって、マクロ施設12にて現在手持ちとなっており且つ輸送車両215aが次に向かうこととなっているメガ施設10へ仕向けられているUSCSビンの個数を、到着DSCSビン224aの個数が、超過する局面に配慮する。ステップ1321で肯定的な決定がなされた場合にはステップ1312以降が繰り返されるのであって、ステップ1321でのチェックが否定的になる迄これがなされるのであり、それによって全てのDSCSビン224aビンが輸送車両215aから積み降ろされてマクロ施設12に受け入れられたことが確認される。
図13A~13Bに開示される方法では、ステップ1307で既に、到着積み込みドック601に到達するために第1のロボティックハンドラー208上で搬送されたUSCSビンを置くことができる、輸送車両215a上の非占有カルーセルプラットフォーム1002が少なくとも1つあるということが仮定されているも;他の態様では、任意のUSCSビンが輸送車両215aに積み込まれる前に、空のカルーセルプラットフォームを持たない完全積載の輸送車両215aから第1のDSCSビン224aを積み降ろすための異なるビン無しロボティックハンドラーによるステップ1312~1316の先制的な実行が必要とされ得る。様々な実施形態では、異なる施設における積み込み/積み降ろし処理は、ビンカルーセル222aに対して容量満杯まで積み込みをなさないように構成されているのであり、これにより少なくとも1つのカルーセルプラットフォーム1002が輸送中に常に空いているようにして、輸送車両215aの次の目的地にて積み込まれた第1の格納ビンを受け入れることができるようにする。
上記において開示されているように、各マクロ施設12は図6に示される1つ以上のVAS/返品ワークステーション606を備えるのであり、そこで付加価値サービスがメガ施設10から受け取られたDSCSビン224a内に含まれる製品に対して行われる。全部又は一部のDSCSビン224aは、マクロ施設12のグリッド格納構造603内へと直に取り込まれて、後で取り出すため及び必要とされた時にVAS/返品ワークステーション606へと仕向けられるためにそこにて一時蓄積されるのであり、実施形態では、VASサービス(VAS service)は、VAS/返品ワークステーション606の容量が許容するならば、DSCSビン224aがマクロ施設12のインデクスされた格納アレイのグリッド格納構造603内へと取り込まれる前に、随意的になされるのであり、これは図13A~13Bに例示された随意的ステップ1322及び1319が含まれた態様に準拠しており、到着DSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226から読み出されたビンデータがVASカスタマイゼーションデータを備えており且つ適切に設備が整っているVASワークステーション606が即時に又はまもなく利用可能となる場合、DSCSビン224aはVAS/返品ワークステーション606のいずれか1つへと直接的に経路指定される。インデクスされた格納アレイからプルされた場合でも、或いは、マクロ施設12からの到着の際にVAS/返品ワークステーション606へと直接的に経路指定された場合でも、VAS/返品ワークステーション606にてDSCSビン224aが受領されたらば、データ交換が行われるのであり、ビン_ID及びDSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226の製品情報テーブル328から読み出された製品情報の少なくとも一部が、施設管理サブシステム204によって読まれるのであり、読み出された製品情報内に含まれるカスタマイゼーションデータに従ってDSCSビン224aの内容物に対して適切なVASアクション(VAS action)が行われる。VAS/返品ワークステーション606が人間の作業員が番をしているものである場合、実施形態では、読み出されたカスタマイゼーションデータから導出された適切なVAS命令(VAS instruction)がVAS/返品ワークステーション606にてHMIによって表示される。例えばVAS命令は次のものに表示される:VAS/返品ワークステーション606内に設けられたHMIのディスプレイモニタ又は人間の作業員が装着したHMIの頭部装着ディスプレイ。実施形態では、VAS/返品ワークステーション606が全自動化されている場合、施設管理サブシステム204の命令下にて、自動化ロボティックワーカが、読み出されたカスタマイゼーションデータによって定義されたアクションを実行する。
VASアクション/命令の例としては次の事柄が含まれる:プラスチック袋等の元のパッケージングからの製品の取り出し;セキュリティタグ、値札、有効期限ラベル、例えば冷蔵を要する場合等の警告ラベル、並びに/又は所有者ベンダの名称及び/若しくはロゴ等のブランディングラベルの追加;並びに/又は製品についての例えば所有者ベンダのブランドが付されたパッケージング等の当初のではないパッケージングでの再パッケージング。実施形態では、異なるVAS/返品ワークステーション606には異なるベンダのベンダ特有の資材が配されており、この場合は施設管理サブシステム204は先述のデータ交換の際にSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226から所有者ベンダ_IDをも読み出すのであり、所有者ベンダ_IDを施設管理サブシステム204のローカル施設データベース207内に記憶されたワークステーション情報テーブル321と比較し(実施形態によって、代替的に又は追加的には、該テーブルは中央データベース203内に記憶されている)、マクロ施設12のVAS/返品ワークステーション606のうちのどれがそのベンダに特有の資材が配されているかを識別し、それによって、各SCSビン224aをどのVAS/返品ワークステーション606に経路指定するべきかを決定する。
図14は、実施形態による、図6に示されるマクロ施設12にある格納ビン224aの内容物に対しての付加価値サービス(VASサービス)の実施を管理するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。開示の方法は、図6に示されるマクロ施設12のVAS/返品ワークステーション606の1つでの、SCSビン224aについてのVASカスタマイゼーションに関する。ステップ1402では、SCSビン224aがVAS処理1401を要する場合、施設管理サブシステム204は、ロボティックハンドラー208に対して命令を発して、VAS/返品ワークステーション606の1つにて内容物に対してのVAS処理を要しているものとして識別された製品入りSCSビン224aを、VAS/返品ワークステーション606へと届けさせるのであり、また、マクロ施設12のグリッド格納構造603の別のロボティックハンドラー208に対して命令を発して、そこから空のSCSビン224aを回収させて、また、空のSCSビン224aを同じVAS/返品ワークステーション606へと配達させる。空のSCSビン224aは、その環境フラグが製品入りSCSビン224aのそれと合致していることを示しているとの条件に基づいて選択される。したがって、空のSCSビン224aは、製品入りSCSビン224aからの製品がそれらがVAS/返品ワークステーション606にて処理された後に戻されることとなるグリッド格納構造603の特定の環境ゾーンから、回収される。実施形態では、製品入りSCSビン224aの識別は例えば次のような事項に基づいている:SCSビン224aについて記憶されているカスタマイゼーションデータと図3Cに例示されているワークステーション情報テーブル321内に記憶されているベンダ特有のVAS資材についてのデータとの先述した比較。そのような比較及び命令によるビン配送が、図13A~13Bの詳細な説明にて開示されているマクロ施設12内へのSCSビンの取り込みのステップ1322にてなされているならば、製品入りSCSビン224aは到着積み込みグリッド構造604から直接的にVAS/返品ワークステーション606へと届けられるのであり、或いは、先の事柄が、グリッド格納構造603内に既にSCSビン224aが格納された後の別個であり後でなされるクエリとしてなされるならば、製品入りSCSビン224aはそこから命令されたロボティックハンドラー208によって回収される。実施形態では、異なる態様で資材/機材が配されたワークステーションについての異なる資材及び機材情報をオンサイトSCSビンのカスタマイゼーションデータと比較する代わりに、全てのVAS/返品ワークステーション606が等価な資材及び機材を有している場合、VASを要しているSCSビンの識別は次の事項の間で識別された区別を伴う評価に基づいている:任意の1つ以上のカスタマイゼーション要件(詳細事項は何であろうと良い)が追加されているカスタマイゼーションデータフィールドを伴うSCSビンと、そのようなカスタマイゼーション要件を欠くそれ。
移動コマンドステップ1403及び1404の並列実行において施設管理サブシステム204は、第1のロボティックハンドラー208に対して製品入りSCSビン224aを図6に示されるVAS/返品ワークステーション606のピックポート606bに特に届けるように命令し、また、第2のロボティックハンドラー208に対して空のSCSビン224aを図6に示されるVAS/返品ワークステーション606のプットポート606aに特に届けるように命令する。VAS/返品ワークステーション606に製品入りSCSビン224aが到着したらば、製品入りSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226からのカスタマイゼーションデータは、例えばLAN206等(例えばマクロ施設12の無線ネットワーク等)を介して施設管理サブシステム204へと伝達される。両方のSCSビン224aがそれぞれのロボティックハンドラー208によってVAS/返品ワークステーション606のそれぞれのポート606a,606bに成功裏に届けられたらば、製品入りSCSビン224aの内容物はそこからピックポート606bを通してピッキングされるのであり、その製品入りSCSビン224aから受信されたカスタマイゼーションデータによって定義されたVAS要件に従って処理されるのであり、これは、施設管理サブシステム204によるカスタマイゼーションデータの活用に基づいてVAS/返品ワークステーション606のロボティックワーカの自動制御を誘導する場合であろうと、VAS/返品ワークステーション606に設けられているか人間の作業員に装着されているHMIを介して伝達される可視及び/又は可聴命令を介してなされるVAS/返品ワークステーション606にいる人間の作業員に対しての命令を誘導する場合であろうとあてはまる。処理済み製品は、当初空だったSCSビン224a内にVAS/返品ワークステーション606のプットポート606aにて置かれる。
ピックポート606bに駐機されているSCSビン224aからの全内容物が、そこからピックされて、処理されて、また、プットポート606aに駐機されている今となっては製品入りとなったSCSビン224a内に置かれたことが、確認されたらば、ステップ1406で施設管理サブシステム204は、ピックポート606bに駐機された今となっては空のSCSビン224aの図3Eに示されるモバイルデータ記憶装置226の製品情報テーブル328からの、製品_ID、所有者ベンダ_ID、製品数量、宛先データ、タイミングデータ、及び全部又は一部の製品情報を複製するのであり、この複製されたビンデータをプットポート606aに駐機された今となっては製品が入れられたSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226へと移転するのであり、そして複製されたビンデータ及び随意的には未複製のその残部の両者を、ピックポート606bに駐機された今となっては空のSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226から削除するのであり、それによってモバイルデータ記憶装置226からSCSビン224aの内容物に応じて変わる任意の可変データをきれいにワイプするのであり、それによってSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226に対して将来において何らかの読み出しがなされてもSCSビン224aは施設管理サブシステム204にとっては一見して空のビンに見えるようになる。実施形態では、施設管理サブシステム204は、随意的には、VASカスタマイゼーションが既に行われた後に、最早必要とされていないカスタマイゼーションデータを、今となっては製品が入れられたSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226内へと複製せずに省略する。実施形態では、施設管理サブシステム204は、今となっては空のSCSビン224aの空であるとの状態をローカル施設データベース207内に記録するのであり、オンサイトビンテーブル322内の空/占有中状態フラグをこの今となっては空のSCSビン224aについてのそれぞれの記録内にて「空」に転換することによってこれがなされる。
当初においてものが入れられていたが今となっては空の第1のSCSビン224aから当初において空であったが今となってはものが入った第2のSCSビン224aへの製品及びビンデータのこの移転と関連して、ステップ1406で施設管理サブシステム204は中央コンピューティングシステム201とも通信して、ビンからビンへと移転された製品のベンダのストック済み在庫テーブル304内にて製品の移転元となったSCSビン224aのビン_IDを含む記録を見つけるのであり、また、製品の移転先のSCSビン224aのビン_ID及び区画_IDをもってこの記録のビン_ID及び区画_IDのフィールドを書き換える。したがって、ビンからビンへと移転された製品タイプについてベンダのストック済み在庫テーブル304に対する後のクエリは正しく次の事項を返す:製品の移転先たる新たにものが入れられたSCSビン224aのビン_ID。図3Cに示されるローカル施設データベース207のオンサイトビンテーブル322が各ビン_IDについてのものが入れられている/空であることについての状態識別子を備える実施形態では、製品の移転元となったSCSビン及び製品の移転先となったSCSビンについてのものが入っている/空であることについての状態識別子は、それぞれについてものが入れられているから空へと及び空からものが入れられているへと切り替えられる。
次に、並列とされているステップ1407及び1411では、2つのロボティックハンドラー208は2つのSCSビンをグリッド格納構造603内に収容するように命令される。ステップ1407では、第1のロボティックハンドラー208に対して、それに載っている今となっては空となったSCSビンをグリッド格納構造603内の任意の利用可能な格納場所、例えば今となっては空のSCSビンの環境フラグに合致するその環境ゾーン内へと戻すことをなすように命令するのであり、この当初はものが入れられていたが今となっては空のSCSビンがマクロ施設12内へと取り込まれるに際して到着積み込みドック601からリダイレクトされる代わりにグリッド格納構造603から回収されていた場合、それは従前の製品が入れられた状態で今となっては空になったSCSビンが以前回収された元と同じ環境ゾーンとなる。今や第1のロボティックハンドラー208上のこのSCSビンが空となったのであり、SCSビンが冷蔵可能な格納ビン又は冷凍可能な格納ビンである場合、実施形態では、SCSビンは随意的には空のときは常温ゾーンに格納されるのであるも、冷蔵又は冷凍ゾーン内にて格納不能な常温専用格納ビンに関しては逆は真とはならない。したがって、空の格納ビンが、空のビンの過去の回収元のとは異なる環境ゾーン内に設けられるのであってその空の格納ビンの環境フラグと合致しない状況の例はあり得る。ステップ1411では、第2のロボティックハンドラー208に対して、今となってはものが入れられているSCSビンをグリッド格納構造603内の任意の利用可能な格納場所、具体的には今となってはものが入れられているSCSビンの環境フラグに合致するその環境ゾーン内へと戻すことをなすように命令するのであり、この今となってはものが入れられているSCSビンが従前の空の状態である際にグリッド格納構造603から以前回収された場合には、通常はそれは当初の空の状態でこの今となってはものが入れられているSCSビンが回収された元と同じ環境ゾーンとなる。実施形態では、空の格納ビンがその環境フラグと合致しているゾーン内に明示的に格納されてはいない状況があり得る。実施形態では、2つのSCSビンを図6に示されるVAS/返品ワークステーション606に持ってくる(bring)2つのロボティックハンドラー208が、それらを運び去る(carry ... away)2つのロボティックハンドラー208と同じとされるが、これは必ずしも真であることを要せず、特に、ワークステーションのポート(即ち、ピックポート606b及びプットポート606a)の一方又は両方が、SCSビンをVAS/返品ワークステーション606を完全に貫くように搬送するロボティックハンドラー208によってドライブスルー方式でサービスをもたらしていないという状況下ではなおのことである。
ステップ1408では、SCSビンが利用可能な格納場所に置かれたことが確認されたらば、施設管理サブシステム204は、2つのSCSビンのビン_IDをローカル施設データベース207の施設格納テーブル320a内にてSCSビンが置かれた2つの格納場所の2つの場所_IDに対して記録し、及び/又は、それらの格納場所の2つの場所_IDをローカル施設データベース207のオンサイトビンテーブル322内に記録する。 また、ステップ1408にて、施設管理サブシステム204は、2つのSCSビンの場所_ID及びビン_IDを中央コンピューティングシステム201へと転送するのであり、これは各場所_IDを各々のSCSビンのビン_IDに対してグローバル格納ビンテーブル308内にて記録するためになされるのであり、随意的には、場所_IDフィールドがそこに複製されているならばベンダのストック済み在庫テーブル304内に今となってはものが入れられているSCSビン置かれた場所_IDの記録をなすためにもこれはなされる。したがって、ベンダのストック済み在庫テーブル304に対してビンからビンへと移転されたばかりの製品についてクエリを行うと、製品の移転元となった今となっては空のSCSビンのビン_IDではなく、新たにものが入れられたSCSビンのビン_IDが、返される。この更新されたビン_IDから、新たにものが入れられたSCSビンが現在格納されている格納場所の場所_IDが、格納ビンテーブル308から検索可能であり、或いは、実施形態によってはストック済み在庫テーブル304内にて複製されているならばそこから直接に検索可能であり、それによって格納場所が存するマクロ施設12の施設_IDも、グローバル格納場所テーブル310から検索可能であるか又はストック済み在庫テーブル304又は格納ビンテーブル308にて複製されているならばそこから直接に検索可能である。したがって、ベンダのストック済み在庫テーブル304についてクエリすることについては次の事項を識別する能力が維持される:製品タイプが発見される各SCSビンのビン_ID;SCSビン内の製品タイプの数量;SCSビンが発見される施設の施設_ID;及びそこのインデクスされた格納アレイ内に現在収容されているならばマクロ施設12内におけるSCSビンのある特定の格納場所。
VAS/返品ワークステーション606においては、SCSビン224aの製品たる内容物がSCSビン224aのカスタマイゼーションデータによって定義されたベンダ固有のVAS要件に基づいてラベル付け、タグ付け、再パッケージング、又は他の術によってカスタマイズされたらば、カスタマイズ済み製品は典型的にはマクロ施設12のインデクスされた格納アレイ内へと取り込まれる。随意的ステップたるステップ1409及び1410にて示される実施形態において、施設管理サブシステム204は、当初はものが入れられていたが今となっては空のSCSビンから読み出されて、当初空だったが今となってはものが入れられているSCSビンに後に複製された、宛先データ及びタイミングデータが、VAS処理完了後にインデクスされた格納ではなく即時出発ドッキングが要される緊急の優先度又は短期配達期限を意味するかをチェックする。これが肯定される場合、第2のロボティックハンドラー208が、今となってはものが入れられているSCSビンを出発積み込みグリッド構造605を介してマクロ施設12の出発積み込みドック602へと搬送するように命令されるのであり、これは、今となってはものが入れられているSCSビンを、SCSビンの宛先施設の施設_IDに合致する又は現在のマクロ施設12と宛先施設との間の既知の中継点である施設へ向けて出発することが指定されている輸送車両215bに至急で積み込むためになされる。
例示された事例、即ち、VAS/返品ワークステーション606が接続されている共有グリッド格納構造603の環境的に異なる格納ゾーンにわたってインデクスされた格納アレイが分布されており、全ての環境ゾーン及びワークステーションが1つの共有されたロボティックハンドラー208のフリートによるサービスを受ける事例に関して述べるに、環境的に異なる格納エリアがロボット的に相互に隔離された別個の格納構造を含む他の実施形態では、施設管理サブシステム204によって、被処理SCSビンを、マクロ施設12の特定の環境格納エリアであってSCSビンの環境フラグ及びそこに含まれる製品の環境データに対応する環境データによって定義される特定の環境格納エリアへと、仕向けること(direction)は、ロボティックハンドラー208に対して移動(travel)を命令するステップ以外を伴うことにも留意されたいのであり、例えば、コンベヤ及び関連する経路指定機材をコンピュータで自動制御してSCSビンを隔離された格納環境に搬送(convey)することや、1つ以上のHMIを介して視覚的及び/又は聴覚的に人間の作業員に命令を発してそのような移転(transfer)を行わせること(1つ以上の静止型のHMIを用いる場合であるか、1つ以上のモバイル型の作業員が装着するHMI(例えば、スマートフォン、タブレット、手首装着型ディスプレイ、頭部装着型ディスプレイ、ヘッドフォン等)を用いる場合であるかは問わない)が含まれ得る。
例示の実施形態では、VAS処理のためには2つのポートを備えるVAS/返品ワークステーション606を用いるのであり、製品の処理に際して製品を1つのSCSビン224aから別のものへと移転することを伴うが、他の実施形態では単一のSCSビン及び単一のポートを有するワークステーションが用いられることに留意されたいので有り、この場合、製品は、SCSビンからピックされて、カスタマイゼーションデータによって定義された特定VAS要件に従って処理されて、そして同じSCSビン内へと戻されるのであり、そしてそれはグリッド格納構造603へと返されるのでありそのSCSビンの回収元となったのと同じそこの中の格納場所へと返されるのか、グリッド格納構造603の同じ環境ゾーン内の異なる利用可能格納場所へと返されるのかは問われず、そして2つのビンを伴う処理に関してのステップ1408にて説明されたのと同様の態様でそれが記録される。
図4Aに示される大型輸送車両215aによって1つ以上のメガ施設10から輸送されたSCSビンを受領することに加えて、実施形態では、各マクロ施設12はSCSビン224aをマルチノーダルサプライチェーンシステム200の内外の他の施設からも随意的に受領するのであり、例えば1つ以上のベンダ及び/又は外部サプライヤによって所有及び運営されている、又は契約している外部流通センタからの予めビンされた供給品積荷401b等を含む。実施形態では、メガ施設10以外のそのような源泉から受領されたSCSビン224aは、到着積み込みドック601にて受領されるのであり、また、図13A~13Bを参照して開示されているのと同様の態様でそこから積み降ろされるのであり、空のSCSビン又は他の出発格納ビンについてのこの同時的な積み込みが図13A~13Bの詳細な説明のUSCSビンについて開示されているのと同様の態様でなされるか否かは問われない。
図6の詳細な説明にて開示されるVAS/返品ワークステーション606の存在に加えて、マクロ施設12は製品が入れられたSCSビン224aが持って行かれる1つ以上のキット化ワークステーション607を備えるのであり、通常は、グリッド格納構造603内へと取り込まれてそこにて暫し格納された後に持って行かれるのであり、これらのSCSビン224a内に格納された単一SKU製品についての1つ以上のマイクロ施設14における下流ニーズが、インデクスされた格納アレイからそれの取り出しを行ってそれら下流ニーズを充足することを根拠付ける前のことである。実施形態では、SCSビン224aは、SCSビン224aをグリッド格納構造603から取り出す役割を担う自動化ロボティックハンドラー208と同一のロボティックハンドラー208によって、これらのキット化ワークステーション607にもたらされるのであり、例えば、グリッド格納構造603の下部トラックレイアウトから出ておりそのようなキット化ワークステーション607{に至る及び/又はその中へと至る}拡張トラックによってなされる。各キット化ワークステーション607にはMCSビン224bも供給されるのであり、実施形態では、これらはSCSビン224aと同じフットプリント、外部寸法、及び構成を有しており、同様にメガ/マクロ/マイクロ施設10,12,14及びそれらの施設10,12,14間で格納ビンを搬送する輸送車両215a,215bで用いられるインデクスされた格納アレイのタイプと互換のものとされる。各MCSビン224bの内部空間は、複数のより小さな区画に分割されており、MCSビン224bに積み込まれている異なる製品は互いに物理的に離されている。
詳細な説明では、格納ビン224a,224bについての2つのカテゴリは次の観点から互いに区別されている:区画化の度合い、即ち非区画化SCSビンと区画化MCSビンとの違い;及びそこに置かれる製品の混合又は非混合性に関する特徴、即ち単一SKUSCSビン内に置かれる合致する製品_IDの単一製品タイプの非混合製品と複数SKUMCSビン224b内に置かれる合致しない製品_IDの複数製品タイプの混合製品との違い。もっとも、他の実施形態では、2つのカテゴリはいずれも区画化ビンを伴うのであり、その場合次の事項の任意の1つ以上に基づいて2つのカテゴリ間の区別がもたらされる:各カテゴリの格納ビンが有する区画の数量;各カテゴリの格納ビン内にて受領された内容物の混合/非混合性;及び図2A~2B及び図4A~4Bに示されるマルチノーダルサプライチェーンシステム200を通じての製品ワークフローにおいて各カテゴリのこれら格納ビンにものが入れられる順序、即ち、ベンダ在庫ニーズを充足するために供給品積荷としてマルチノーダルサプライチェーンシステム200に入ってくる「サプライヤ製品」が第1のカテゴリの格納ビン224aに入れられており、第1のカテゴリの格納ビン224a内でマルチノーダルサプライチェーンシステム200内へと以前取り込まれており且つ注文充足の際にピッキングの準備ができている既に在庫化された「ベンダ製品」が第2のカテゴリの格納ビン224bに入れられている。実施形態では、第1のカテゴリの格納ビン224aは、複数の区画を有する細分化された内部を伴う区画化ビンでもあるが、第2のカテゴリの格納ビン224bに比して有する区画の数量がより少ないのであり、それによって詳細な説明と同様の関係性が維持されるのであって、第2のカテゴリのMCSビン224bは第1のカテゴリのSCSビン224aよりも多い区画数を有する。
図15A~Bは、実施形態による、スマートビン化された製品をスマートビン化されたキットに図6及び図4A~4Bに示されるマクロ施設12にて集約して他の施設にて下流側製品要求を充足させることを管理するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。所定の任意のマクロ施設12にて、施設管理サブシステム204は、図2A~2Bに示される中央コンピューティングシステム201と通信するのであり、これが進行形でマルチノーダルサプライチェーンシステム200の様々な施設における様々なベンダの予測される在庫ニーズ又は現在の在庫ニーズを特定するのであり、それによって、マクロ施設12にて手持ちとなっている製品によって充足可能な、所与のマクロ施設12の下流に所在するマイクロ施設14での或いは随意的には他のマクロ施設12での在庫ニーズを、識別する。そのような製品充足ニーズの識別がなされたらば、この方法が開始される(S1501)。処理では、要される製品タイプがMCSビンに集められて、そのMCSビンがマクロ施設12の出発積み込みドック602へと仕向けられて、製品タイプが要されている他の施設(以下「入用施設」と称する)以遠へ向かっての輸送のためにこれがなされる。
ステップ1502では、中央コンピューティングシステム201はマクロ施設12の施設管理サブシステム204へとビン構成データについての少なくとも1つのセットを含む製品要求メッセージを送る。ビン構成データについての各セットは次の事項を含む:入用施設にて1つ以上の製品タイプを要する入用ベンダのベンダ_ID;それらの製品タイプの各々についての製品_ID;入用施設にて要される各製品タイプの数量;マクロ施設12にて製品タイプを必要量含んでいるSCSビン224aのビン_ID;入用施設の施設_ID;及び配達タイムライン制約又は製品ニーズの充足に関する緊急性に関するタイミング情報。入用施設の在庫ニーズを充足するべき所定のマクロ施設12を選択したら、中央コンピューティングシステム201は、入用ベンダの図3Aに例示されるストック済み在庫テーブル304に対してクエリを発することによって、所定のマクロ施設12にて必要とされる製品タイプを必要数量充足するための十分な手持ちの在庫がベンダにあると既に識別しており且つそのようなクエリでビン_IDが検索されている。
実施形態では、各ローカル施設データベース207が、そこの中にて図3Cに例示される自己のオンサイトビンテーブル322の格納ビン内の手持ちの在庫についてのローカル集計を維持するのであり、特定のSCSビン224aのビン_IDは中央コンピューティングシステム201によって送られたビン構成データのセットから省かれるのであり、どの特定のSCSビンを格納からプルすべきかについての決定は、施設管理サブシステム204に任されるのであり、必要とされる製品タイプの製品_IDについてのそのローカル手持ち在庫記録に対してのクエリにそれは基づいている。同様にして、実施形態では、ビン構成データのセットは次の事項を含む:図3Aに例示される格納ビンテーブル308内のビン_IDについて記録された環境フラグ、又はベンダの製品テーブル内の入用製品タイプについて記録された環境データ。別の実施形態では、そのような環境フラグ/データは、ビン構成データのセットが受信された後にローカル施設データベース207から施設管理サブシステム204によってプルされる。
ビン構成データを受信しており、並びに、SCSビン内に入用製品タイプを含むSCSビンのビン_ID及びビン構成データにて指定されていなければビン/製品タイプと関連付けられている環境フラグ/データを識別していれば、ステップ1503で、マクロ施設12の施設管理サブシステム204は、自己のオンサイトビンテーブル322に対して合致する環境フラグの空のMCSビンについてクエリを発して、グリッド格納構造603の第1のロボティックハンドラー208に対して次のことをなすように命令する:空のMCSビン224bを典型的には合致する環境フラグに対応するその環境ゾーンから回収すること、及び空のMCSビン224bを図6に示されるキット化ワークステーション607へと届けること。2つポート持ちのキット化ワークステーション607の実施形態では、ステップ1504で、第1のロボティックハンドラー208は回収された空のMCSビン224bをキット化ワークステーション607のプットポート607aへと届けるように具体的に命令される。別の実施形態では、グリッド格納構造603の外のどこかで空のMCSビン224bが格納されている場合、施設管理サブシステム204は、所定の環境フラグの特定された空のMCSビン224b又は不特定のMCSビン224bを回収及び配送をなすように人間の作業員に(例えば、キット化ワークステーション607に設けられている又はそのような作業員に装着されているHMIによって伝達される可視及び/又は可聴命令によって)指図するか;又は自動化コンベヤ及び関連する経路指定機材によってそのような特定の又は不特定のMCSビン224bのキット化ワークステーション607への自動化配送を発動する。
一方で、ステップ1505で、マクロ施設12の施設管理サブシステム204は、ビン_IDにより識別されたSCSビン224aの1つめをグリッド格納構造603内のそれらの格納場所から第2のロボティックハンドラー208によって取り出すように命令するのであり、これはビン_IDについてオンサイトビンテーブル322内にて記憶されている場所_IDによって識別されており、また、空のMCSビン224bが第1のロボティックハンドラー208によって配送されたか配送中のキット化ワークステーション607と同じキット化ワークステーション607へと、第1のSCSビン224aを第2のロボティックハンドラー208によって配送するように命令する。第1のSCSビン224aがグリッド格納構造603から第2のロボティックハンドラー208によって回収されたことが確認されたらば、第1のSCSビン224aの格納場所の場所_IDがロボティックハンドラー208の機材_IDをもって更新されるのであり、これは中央データベース203の格納ビンテーブル308及びマクロ施設12のオンサイトビンテーブル322内にてなされ、それによって、1つめのSCSビン224aはリアルタイムで追跡可能な場所_IDと関連付けられることが可能となる。2つポート持ちのキット化ワークステーション607を伴う例示された実施形態では、ステップ1506で、第2のロボティックハンドラー208は第1のSCSビン224aをキット化ワークステーション607のピックポート607bへと届けるように具体的に命令される。
次に、ステップ1507で、施設管理サブシステム204は、キット化ワークステーション607の人間の作業員又はロボットワーカに対して次のことを行うように命令する:ピックポート607bにて第1のSCSビン224aから製品を何らかの数量ピックすることであって、該数量はビン構成データのセットにてそのSCSビン224aの製品タイプについて指定された数量に基づくピックすることと、ピックされた数量の製品タイプをプットポート607aにてMCSビン224bの各々の区画内に置くこと。ステップ1508では、指定数量の製品をピックポート607bにある第1のSCSビン224aからプットポート607aにあるMCSビン224bへと移転したことの完了が確認されたらば、施設管理サブシステム204は中央コンピューティングシステム201に対してシグナリングを行って次のことをなすことによって中央データベース203内の在庫記録を更新させる:MCSビン224bに移転された数量を、第1のSCSビン224aについて格納ビン内容物テーブル309内に記録されている製品数量からデクリメントすること;及び製品の移転先樽MCSビン区画について格納ビン内容物テーブル309内に記録を付けるのであり、これは移転製品タイプの製品_ID及びその移転数量を書き込む際になされる。したがって、ベンダのストック済み在庫テーブル304及び格納ビン内容物テーブル309は適切に更新されてそれらの中に次の事項が記録される:SCSビン224a内に残存する製品の減じられた数量(残りがあれば)及びMCSビン224b内において新たに見出される製品の移転数量。SCSビン224aについてのデクリメント量がゼロである場合、実施形態では、中央コンピューティングシステム201は格納ビン内容物テーブル309の対応する記録内において製品_ID及び所有者ベンダ_IDを削除して、それによって第1のSCSビン224aの空の状態を反映させるのであり、施設管理サブシステム204は同様にしてローカル施設データベース207内にこのことを記録するのであり、これはオンサイトビンテーブル322内の空/占有中状態フラグを「空」に切り替えることによってなされる。
また、ステップ1508では、この時点でのデータ更新は、施設管理サブシステム204によって第1のSCSビン224a及びMCSビン224bの両方のモバイルデータ記憶装置226を更新することをさらに伴う。MCSビン224bの製品情報テーブル328に対してはMCSビン224bへと移転された製品タイプについての新たな記録がそこへと複製されるのであり、これは、SCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226上の製品情報テーブル328から複製されようと、又は、中央データベース203内のベンダの製品テーブル303から複製されようと関係ない。MCSビン224bのモバイルデータ記憶装置226上の格納ビン内容物テーブル309は同様に更新されるのであって、移転製品が置かれたMCSビン224bの特定の区画についてのビン内容物記録に対して製品_ID及び 移転製品タイプの移転数量が書き込まれるのであり、また、実施形態では、後述のようにベンダ共有されたMCSビンのマルチベンダキット化を可能とするベンダ_IDも書き込まれる。MCSビン224bのモバイルデータ記憶装置226に書き込まれるデータは次の事項をさらに含む:中央コンピューティングシステム201から受信されたビン構成データセットのサブセット(例えば、入用施設の施設_ID)であってMCSビン224bの宛先データフィールドに書き込まれるサブセットと;MCSビン224bのタイミングデータフィールドに書き込まれるタイミング情報。
一方で、施設管理サブシステム204は、SCSビン224aの格納ビン内容物テーブル327内の数量フィールドから移転数量をデクリメントするのであり、このデクリメントされた数量がゼロになれば、製品情報テーブル328を削除し、また、所有者ベンダ_ID及び製品_IDを格納ビン内容物テーブル327からも削除するのであり、それによって第1のSCSビン224aの空の状態を反映させるのであり、施設管理サブシステム204は実施形態では、ローカル施設データベース207内にこれが記録されるのであり、これはオンサイトビンテーブル322内の空/占有中状態フラグをこのSCSビン224aについて「空」に切り替えることによってなされる。第1のSCSビン224aが空であるこのような状況においては、実施形態では、ローカル施設管理サブシステム204は、施設情報テーブル319内において空のSCSビン224aの数量をインクリメントもする(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。似たように、ステップ1508の第1のインスタンスにおいて、施設管理サブシステム204は、施設情報テーブル319内において占有中のSCSビン224aの数量をインクリメントする(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。
データが、MCSビン224bのモバイルデータ記憶装置226上に追加されたその新たなコンテンツに関するものである故に、MCSビン224bはMCSビン224bの静的なビン_ID及びその静的な環境フラグのみならず、MCSビン224bの内容物の所有者のベンダ_ID、MCSビン224bの内容物についてのアップツーデートな宛先及びタイミングデータ、並びに内容物に関する製品情報をも含む。SCSビン224aから製品情報を複製するに際して、実施形態では、カスタマイゼーションデータは随意的には省かれるのであり、SCSビン224aからMCSビン224bへの製品の移転は任意のVAS処理完了後に遂行されるのであり、それは特に、MCSビン224bの潜在的にマルチSKUな文脈ではなくSCSビン224aの単一SKUな文脈の際に行われている。MCSビン224bがその異なる区画内において複数の異なる製品を含むことになってしまうこのようなマルチSKUな文脈では、モバイルデータ記憶装置226の格納ビン内容物テーブル327及び製品情報テーブル328に複数の記録が書き込まれることになってしまうのであり、ステップ1505~1510の繰り返しに関して後述するように各々はそこに含まれる製品の各々の異なる1つに関するものである。ビンデータをSCSビン224aにメガ施設10の取り込みワークステーション506にてロードすること及びビンデータの全部又は一部を1つのSCSビンから別のSCSビンへとマクロ施設12のVAS/返品ワークステーション606にて複製すること似ており、同一又は類似の、ビンデータの全部又は一部をMCSビン224bへ複製する営みは、マクロ施設12のキット化ワークステーション607にて行われるのであるが、ただ格納ビン内容物テーブル327内の記録の件数はより多く、また、製品情報テーブル328は随意的に書き込まれるのであり、これはMCSビン224bのマルチ区画性及び潜在的なマルチSKUな入れ込みがなされ得るからである。
ステップ1508について要約するに、SCSビン224aから製品が除かれると、そのSCSビン224a内に残置される各々の製品タイプの記録数量への変更について記録する動作がトリガされるのであり、それによって中央データベース203のストック済み在庫テーブル304内のベンダのカタログ済み製品エントリを更新するのであり、現在空の場合にはそのSCSビン224aのビン_IDを除くことも含まれ、その場合、施設管理サブシステム204は、次のこともなす:その空のSCSビン224aに「空ビン」の状態フラグを割り当てることと;以前記憶されたビンデータをそこからワイプすること。そして、実施形態では、メガ施設10の1つの施設_IDがその空のSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226の宛先フィールドに関して書き込まれるのであり、それによって、この空のSCSビン224aが認識可能なUSCSビンとして指定されるのであり、これはロボティックハンドラー208や例えば1つ以上のコンベヤ等の自動取り扱い機材や人間の作業員に対しての命令を発動する目的でなされて、そのUSCSビンを、そのようなメガ施設10へと仕向けられている輸送車両215aに積み込むために、積み込みドック601に届けるのであり、例えば、USCSビンを大型輸送車両215aに積み込むことに関するのであり、該大規模輸送車両215aは、マクロ施設12へとものが入れられているDSCSビンを届けるのであり且つ図13A~13Bの詳細な説明にて開示されるように輸送車両215aの出発元となったメガ施設10へと戻ることが予定されている。SCSビン224aの中に残存製品が未だある場合、中央データベース203内のベンダのカタログ済み製品エントリが更新されて適宜SCSビン224aのビン_IDと関連付けられている数量が変更される。同時に、SCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226上に記録された製品数量も同様にしてデクリメントを伴う態様で施設管理サブシステム204によって更新されるのであってそこから除かれた量に応じてSCSビン224aがマクロ施設12のインデクスされた格納アレイ内へと戻される前にことがなされる。
次に、ステップ1509で施設管理サブシステム204は、第2のロボティックハンドラー208に対して、第1のSCSビン224aを任意の利用可能な環境的に適合したグリッド格納構造603内の格納場所へと戻すように命令するのであり、典型的にこれはグリッド格納構造603から第1のSCSビン224aが回収されたのと同じその環境ゾーン内にある。実施形態では、この第1のSCSビン224aが空(empty)である場合、SCSビンの回収元と同じ環境ゾーン内に空とされた(emptied)SCSビンが明示的に格納されていないこともあり得るのであろう。ステップ1510では、第1のSCSビン224aがその環境フラグにとって適切な環境ゾーン内の利用可能格納場所内に置かれたことが確認されたらば、施設管理サブシステム204は第1のSCSビン224aのビン_IDを第1のSCSビン224aが置かれた格納場所の場所_IDに対してローカル施設データベース207の施設格納テーブル320a内に記録するのであり、及び/又は、その格納場所の場所_IDをローカル施設データベース207のオンサイトビンテーブル322内に記録する。また、ステップ1510で施設管理サブシステム204は、場所_IDをビン_IDに対してグローバル格納ビンテーブル308内にて記録するために、第1のSCSビン224aの場所_ID及びビン_IDを中央コンピューティングシステム201へと転送するのであり、また、随意的には、場所_IDフィールドが複製されている場合には、ベンダのストック済み在庫テーブル304内での場所_IDの記録についてもそうする。このようにして第1のSCSビン224aの所在が、それが空であっても残存製品によって占有されていても、コンピュータ化サプライチェーン管理システムにわたって完全に更新される。
ステップ1511で施設管理サブシステム204は、第1のSCSビン224aによって充足されたもの以外の、ビン構成データセットにて指定された追加的製品タイプがあるかをチェックする。これについて肯定であれば、1つ以上の追加のSCSビン224aについてステップ1505~1510が繰り返されるのであり、各反復回における異なる製品タイプはMCSビン224bの異なる区画内に置かれるのであり、現在のMCSビン224bについてのビン構成データセット内にて指定された全ての入用製品が2つ以上の回収されたSCSビンから充足される迄これがなされる。結果として得られる異なる製品タイプについてのMCSビン224b内の編成は、混合型の製品「キット」と呼ばれるのであり、入用施設へと届けられるべきものであり、したがって、ワークステーションはこのような「キット化」されたビンを編成するための「キット化」ワークステーションと呼ばれる。複数のSCSビン224aのセットからMCSビン224bを詰めるこれらのステップの繰り返しによって、マクロ施設12の施設管理サブシステム204は、ビンデータをそれらのSCSビン224aの各々からMCSビン224bへと移転するのであり、そのようにして複製されたビンデータのセットの各々をMCSビン224bの区画_IDの各1つと紐付けるのであって、例えば内容物テーブル327に、その区画に置かれた製品タイプの製品_ID、ベンダ_ID、及び数量を含む各区画について各々の記録を追加することによってこれがなされ得る。実施形態では、施設管理サブシステム204はビンデータをそのようなSCSビン224aの各々からMCSビン224bへと随意的に移転するのであり、これはこの段階で何らのVASカスタマイゼーションデータを要せずになされるのであり、なぜならば、以前VAS/返品ワークステーション606にてなされていたVASカスタマイゼーション処理との関係でこのキット化処理は下流関係性を有するからである。他方で、中央データベース203は更新されて、この新たにものが入れられたMCSビン224bのビン_IDが、直接又は間接的に、このMCSビン224b内に含まれる各製品についての各ベンダのストック済み在庫記録に対して、記録されるのであり、また、MCSビン224b内に含まれる各製品タイプの数量が記録されるのであり、それによってマルチノーダルサプライチェーンシステム200においてベンダの現在のストック済み在庫に関して正確な追跡を保ち続ける。キットがMCSビン224b内に置かれる実施形態では、MCSビン224b内に置かれた各製品タイプについての各区画_IDは、その製品についてのベンダのカタログエントリとの関係でも記録されるのであって、これは図3Aに示される中央データベース203内のストック済み在庫テーブル304、格納ビンテーブル308、及び格納ビン内容物テーブル309内に区画_IDフィールドが含まれていることからも分かる。
実施形態では、ビン構成データセットで規定される混合製品についての完全なキットをMCSビン224b内にもたらすのに十分な回数にわたってステップ1505~1511を繰り返した後、ものが入れられたMCSビン224bはマクロ施設12インデクスされた格納アレイ内へと戻されて、入用マイクロ施設又は他の入用宛先への将来的な輸送のために待機に入れられるのであってこれらのためにキットが編成されている。実施形態では、随意的なステップ1512及び1513で施設管理サブシステム204は、キットが入れられたMCSビン224bに記録された宛先及びタイミングデータがインデクスされた格納ではなく即時出発ドッキングが要される緊急の優先度又は短期配達期限を意味するかを先ずチェックするのであり、その場合、第1のロボティックハンドラー208は、キットが入れられたMCSビン224bを出発積み込みグリッド構造605を介して出発積み込みドック602へと搬送するように命令されるのであり、これは、入用施設へ向かって輸送するためにキットが入れられたMCSビン224bを輸送車両215bに至急で積み込むためになされる。
本明細書にて開示及び図表化された様々な格納/ドッキング決定ノードのいずれにおいても、タイミングデータが緊急の優先度又は短期配達期限を表している場合であっても、インデクスされた格納ではなく積み込みドックへと当該格納ビンを写す選択は宛先データのみに基づいてなされるのであり、例えば、次の宛先が、格納ビンの宛先データによって指定される宛先施設と合致するか該宛先に向かっての既知の中継点である、輸送車両215bがそこに所在しているかまもなく到着することが予定されているかについてチェックすることによってそれがなされる。
ステップ1513にて、キットが入れられたMCSビン224bに記録された宛先及びタイミングデータがそこから出発積み込みドック602への即時移転を発動しない場合、ステップ1514では、第1のロボティックハンドラー208は、キットが入れられたMCSビン224bを、そのキットが入れられたMCSビン224bの環境フラグに合致する環境状態のグリッド格納構造603内の任意の利用可能な格納場所へと搬送するように命令される。この当初空であったが今となってはものが入れられているMCSビン224bが、グリッド格納構造603該の別の空ビン貯留所からではなくグリッド格納構造603から回収されていた場合、キットが入れられたMCSビン224bを預ける格納場所は通常、その以前の空の状態でMCSビン224bが以前回収された回収元と同じ環境ゾーンにあることになるのであるが、上述のように、空の格納ビンがその環境フラグに合致しているゾーン内で明示的に格納されていない状況があり得る。
ステップ1515では、キットが入れられたMCSビン224bがその環境フラグにとって適切な環境ゾーン内の利用可能格納場所内に置かれたことが確認されたらば、施設管理サブシステム204は、キットが入れられたMCSビン224bのビン_IDをローカル施設データベース207の施設格納テーブル320a内にて格納場所の場所_IDに対して記録するのであり、及び/又は、その格納場所の場所_IDをローカル施設データベース207のオンサイトビンテーブル322内に記録する。また、ステップ1515で施設管理サブシステム204は、場所_IDをビン_IDに対してグローバル格納ビンテーブル308内にて記録するために、キットが入れられたMCSビン224bの場所_ID及びビン_IDを中央コンピューティングシステム201へと転送するのであり、また、随意的には、場所_IDフィールドが複製されている場合には、ベンダのストック済み在庫テーブル304内での場所_IDの記録についてもそうする。したがって、ベンダのストック済み在庫テーブル304に対してMCSビン224bへと移転されたばかりのいずれかの製品についてクエリを行うと、製品のキット元となったSCSビン224aのではなく新たにキットが入れられたMCSビン224bビンのビン_IDが、返される。中央データベース203内のこの更新されたビン_IDから、新たにキットが入れられたMCSビン224bが現在格納されている格納場所の場所_IDも格納ビンテーブル308から検索可能であるか又はストック済み在庫テーブル304にて複製されているならばそこから直接に検索されるのであり、それによって格納場所が存するマクロ施設12の施設_IDも、グローバル格納場所テーブル310から検索されるか又はストック済み在庫テーブル304又は格納ビンテーブル308にて複製されているならばそこから直接に検索される。したがって、ベンダのストック済み在庫テーブル304についてクエリすることについては次の事項を識別する能力が維持される:製品タイプが見つかる各格納ビン(SCSビン224a又はMCSビン224bであるかは問わない)のビン_ID;格納ビン内に見つかる製品タイプの数量;格納ビンが見つかる施設の施設_ID;及びそのインデクスされた格納アレイ内に現に収容されている場合には施設内において格納ビンが所在する特定の格納場所。
図15A~15Bの詳細な説明にて開示された先述の例は、1つ以上の他の施設における特定のベンダの在庫ニーズに基づいて、MCSビン224bを単一のベンダの製品カタログ305からの複数の製品と詰め込むことを伴うものであるも、MCSビン224bのマルチ区画性故にMCSビン224bに関してマルチベンダ詰め込みをなすことが可能となるのであり、MCSビン224bの各区画_IDには、カタログ済み製品アイテムがその区画に置かれる異なるベンダのベンダ_IDが割り当てられる。よって、実施形態では、部区数のベンダがいずれも現在の所与の施設から別の施設への在庫移転を要する場合、各々の内容物がそれらの異なるベンダに属する異なるSCSビン224aはキット化ワークステーション607に届けられるのであり、製品をこれらのベンダ特有のSCSビン224aからベンダ共有されたMCSビン224bの異なる区画へと移転するためにこれがなされる。そのようなビン共有を可能とするため、MCSビン224bのモバイルデータ記憶装置226上のビン内容物テーブル327内の各記録は、その区画内の製品の所有者たる各々のベンダのベンダ_IDを含む。異なるベンダのSCSビン224aからMCSビン224bへの製品移転の際、施設管理サブシステム204はしたがってSCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226からベンダ_IDを読み取るのであり、このベンダ_IDをMCSビン224bのモバイルデータ記憶装置226上にそのSCSビン224aからの製品が置かれる区画の各々の区画_IDとの関連で記録する。そのようなベンダ共有MCSビン224bの場合、中央コンピューティングシステム201によってそのベンダ共有MCSビン224bについてマクロ施設12へと送信されたビン構成データセットは複数のベンダ_IDを含み、各々は1つ以上の製品_IDと関連付けられており、各々はMCSビン224bの区画の各1つの区画に置かれるべきものとされる。
様々な実施形態では、各メガ施設10は、マクロ施設12について上述されたコンポーネントの全部又は一部を伴うのであり、VAS/返品ワークステーション606及びキット化ワークステーション607も含まれるのであり、これらは同じグリッド格納構造507を取り込みワークステーション506として共有し得る。換言するに、1つ以上のメガ施設10はその中に埋め込み型マクロ施設12を備える。全体的なサプライチェーンシステム200内へと供給品積荷を取り込むことに関しては、メガ施設10にてSCSビン224aで受領されるかSCSビン224a内に詰め込まれている到着する供給品積荷に着目しているが、実施形態では、到着する供給品積荷は取り込みワークステーション506でSCSビン224aへの配置をバイパスし得るのであり、代わりに、取り込みワークステーション506にてMCSビン224b内で到着するかMCSビン224b内に詰め込まれることができ、そこからMCSビン224bをマクロ施設12へと輸送することができ、そこのインデクスされた格納アレイ内にて図15A~15Bの詳細な説明にて開示されたようなそのようなマクロ施設12のキット化ワークステーション607にて積み込まれた他のMCSビン224bと共に格納するためになされる。
各マクロ施設12の出発積み込みドック602の出発積み込みグリッド構造605で遂行される下流方向に向かう格納ビンを輸送車両215bに積み込みまた上流方向に向かう格納ビンをそれらの輸送車両215bから積み降ろす処理は、メガ施設10の出発積み込みドック502に関しての図12A~12Bの詳細な説明に開示された処理と同様であるも唯一の違いは、マクロ施設12からの下流方向に向かう格納ビンは、通常は、非混合製品を含むSCSビンではなく、混合製品キットを含む下流方向に向かうMCSビン(DMCSビン、downstream-headed MCS bin)で構成され、上流方向に向かうビンは、通常は、マイクロ施設14から返される空の上流方向に向かうMCSビン(UMCSビン、upstream-headed MCS bin)で構成される。したがって、図4A又は4Bに示すように、マクロ施設12及びマイクロ施設14の間での輸送を主たる目的又は専らの目的としている輸送車両215bは、格納ビンをメガ施設10及びマクロ施設12の間で輸送するために用いられるのと同じ大型車両215aたり得る。したがって、輸送車両215bは車両ベースドインデクスされた格納アレイと車両管理サブシステム216とを搭載しており、該サブシステムは、GPS装置219と例えばセルラ通信装置等のモバイル広域無線通信装置218とを有しており、実施形態では、例えばMCSビン224b上の無線通信ユニット225と通信するための図2A~2Bに例示される無線ネットワーク等のLAN221とすることもできる。実施形態では、車両ベースド格納アレイは、図10A~10C及び図11A~11Cの詳細な説明に開示されているようなタイプの1つ以上のビンカルーセル222aを備えることができる。したがって、メガ施設10から出発する輸送車両215aにDSCSビンを積み込む及び同車両からUSCSビンを積み降ろす際の上述されたのと同じデータ交換ステップは、マクロ施設12から出発する輸送車両215bにDMCSビンを積み込む及び同車両からUMCSビンを積み降ろす際に、遂行されるのであり、それによって、施設_ID若しくは車両_ID並びに場所_IDにて各格納ビンの所在に関して中央データベース203を更新するのであり、また、施設間12,14での輸送に際して積み込まれたDMCSビンのGPS追跡を可能とする。「メガ-マクロ輸送車両」215a及び「マクロ-マイクロ輸送車両」215bとの用語は、メガ及びマクロ施設10,12間を移動する輸送車両を、マクロ及びマイクロ施設12,14間を移動する輸送車両から区別するために本明細書にて用いられる。実施形態では、これらの輸送車両は構成に関して相互に同一又は類似であり、主たる差異点又は専らの差異点はどの施設を担当するかという点に関する。
図16A~16Bは、実施形態による、複数の顧客注文をスマートビン化されたキットからピック済み注文ビン(POビン、picked-order bin)224cに向けてマイクロ施設14にてピッキング(picking)することと、顧客注文を個別に詰め込んで(packing)1つ以上のナノ施設16へ輸送する完成注文ビン(FOビン、finished-order bin)224dにすることとを管理するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。図4Aに示されるように、マクロ施設12からマクロ-マイクロ輸送車両215bに乗って移動しているキットが入れられたDMCSビン224bは、マイクロ施設14に到着するのであり、ここにてこれらDMCSビン224bはマクロ-マイクロ輸送車両215bからオフロード(offload)されるのであり、到着する到着DMCSビン224bの源泉たるマクロ施設12と同じ施設へ輸送するために、例えば空のMCSビン等の上流方向に向かう格納ビンが同じマクロ-マイクロ輸送車両215bに積み込まれる。この上流方向に向かう格納ビン及び下流方向に向かう格納ビンの交換は、図6に示されるマクロ施設12の到着積み込みドック601にてなされる車両の積み込み/積み降ろしに関しての、上述されまた図13A~13Bに示されるものと実質的に同じ態様でなされるも、ステップ1322では、到着DSCSビン224aを直接的にマクロ施設12のVAS/返品ワークステーション606に移転するかを評価する代わりに、決定ノードは、到着DMCSビン224bを図7に示されるマイクロ施設14の注文ピッキングワークステーション705に移転するべきかを評価するために用いられる。その余の場合、この積み込み/積み降ろし(loading/unloading)処理に際して行われるデータ交換は、図13A~13Bの詳細な説明にて開示されたのと実質的に同じであり、各DMCSビン224bの場所は図2Aに示される中央データベース203内にて更新されるのであってこれはマイクロ施設14の施設_ID又はDMCSビン224bの移転先のマクロ-マイクロ輸送車両215bの車両_IDに応じてなされるのであり、受領されたDMCSビン224bから読み出されたビンデータは図2A~2Bに示されるマイクロ施設14の施設管理サブシステム204によって用いられて、到着DMCSビン224bのマイクロ施設14内における適切な経路指定を決定すること並びに、適切に例えばロボティックハンドラー208やコンベヤ等の自動化取り扱い機材を制御すること又は1つ以上のHMIを介して施設の人員に対して視覚的及び/若しくは聴覚的に命令することのいずれかをなす。図4に示す実施形態では、予め積み込みがなされたMCSビン224bをマルチノーダルサプライチェーンシステム200の内外の他の施設からも受領するのであり、例えばベンダ及び/又は外部サプライヤの1つ以上によって所有及び運営されている、又は契約している外部流通センタからの予めビンされた供給品積荷401c等を含む。
実施形態では、各マイクロ施設14は注文準備の2つの異なる段階(例えば、初期のマルチ注文ピッキング段階及び下流での単一注文詰め込み段階等)を行うためのワークステーション機材を備える。マクロ施設12から受領された到着MCSビン224bに加えて、マイクロ施設14にある格納ビンは、メガ及びマクロ施設10,12にて以前ものが入れられたSCSビン224a及びMCSビン224bと標準化サイズ・フットプリント・構成が同じPOビン224cを含む。MCSビン224bと似ており、POビン224cは複数の区画に細分化されており、実施形態では、それぞれは典型的には、単一のベンダに所有される単一の製品タイプの複数の個別品を受領するのではなく、必要な製品を受領して各顧客注文を充足するように専業化している。マイクロ施設14にある格納ビンは、他の格納ビン224a,224bとは異なるより小さな標準化サイズ及びフットプリントを有するFOビン224dをさらに備える。実施形態では、これらのFOビン224dは他の格納ビン224a,224b,224cの約半分のサイズ及びフットプリントとされるのであり、各々は顧客注文を1つのみ内包するように意図されており、したがってMCSビン224bやPOビン224c等のようにその内部が細分化されていることを要さない。実施形態では、より小さなFOビン224dは、メガ・マクロ・マイクロ施設10,12,14のインデクスされた格納アレイ及びロボティックハンドラー208並びに図10A~10B及び図11A~11Cに示されるメガ-マクロ及びマクロ-マイクロ輸送車両215a,215bのビンカルーセル222aとは互換性を有しておらず、代わりに、図17A~17C及び図18A~18Cに示されるナノ施設16及びマイクロ-ナノ輸送車両215cにて用いられる異なるタイプのインデクスされた格納アレイ向けに特化されたサイズ及び構成とされている。SCSビン224a及びMCSビン224bと似ており、POビン224c及びFOビン224dはスマートビンであり、各々はモバイルデータ記憶装置226及び無線通信ユニット225を有しており、実施形態では図2Bに示される屋内位置決め装置229をも有する。
顧客注文テーブル315が図3Bに含まれていることから例示されるように、各ベンダの顧客注文は中央コンピューティングシステム201によって受信されるのであり、ベンダのeコマース販売プラットフォームが中央コンピューティングシステム201に統合されていて顧客注文が顧客から直接に来ようと、又は、ベンダの販売プラットフォームが中央コンピューティングシステム201に統合されておらず顧客注文がベンダから来ようと変わらない。マルチノーダルサプライチェーンシステム200内にて環境的に敏感な製品の環境的に適切な格納及び輸送を促進するために、中央データベース203内での顧客注文テーブル315及び注文ラインアイテムテーブル316に対しての当初のデータ追加は、顧客の注文済みラインアイテムを複数の別個の顧客注文に自動的に分割することを伴うのであり、各々には自己の注文番号が割り当てられるのであり、異なる注文済みラインアイテムがベンダの製品テーブル3103内の非合致環境データの製品タイプを指定する場合に特にそうである。各顧客データの作成に応答して、中央コンピューティングシステム201は、中央データベース203内の各ベンダについてのストック済み在庫テーブル304に対して顧客注文のラインアイテム内にて指定された製品_IDについてのクエリを発するのであり、顧客注文を充足するために適切なマイクロ施設14を識別するのであって、例えば顧客注文にて指定された顧客の住所又は別の配達宛先又はピックアップ地点に対してのマイクロ施設14の近接性に基づいて、又は、それに最も近いナノ施設16であって特定のマイクロ施設14がそのナノ施設16に充足された顧客注文を提供する責任を負うことになるナノ施設16の識別に基づいてこれがなされる。そして、注文ラインアイテムテーブル316からの顧客注文詳細事項は、識別されたマイクロ施設14の施設管理サブシステム204へと転送される。
ストック済み在庫クエリが、顧客注文を識別されたマイクロ施設14で充足するのに十分な手持ちの在庫を既にベンダが有していることを、判明させた場合、そのマイクロ施設14の施設管理サブシステム204へと注文詳細事項を転送することで、後述の処理を介して顧客注文を充足することが十分に可能なものとなる。注文された製品のいずれかが単一のマイクロ施設14にて手持ちとなっていないが、近くのマクロ施設12で1つ以上のSCSビン224a内にて手持ちとなっている場合、実施形態では、注文詳細事項は、依然としてマイクロ施設14の施設管理サブシステム204へと転送されるのであり、ローカル施設データベース207内にて記録されるのであり、顧客注文が充足準備の整った「詰め込み可能注文」になる前に、マクロ施設12で1つ以上の製品の到着を依然として待っている「オープン注文」としてフラグ付けされる。一方で、中央コンピューティングシステム201は、図15A~15Bに示されるステップ1502にて開示されるタイプの製品要求メッセージをそのマクロ施設12の施設管理サブシステム204へと送って、そのマクロ施設12にて顧客注文で必要とされる数量の必要とされる製品を1つ以上のMCSビン224bに入れることを発動する。その製品要求メッセージにおいてMCSビン224bについて指定された入用ベンダ施設_IDは識別されたマイクロ施設14の施設_IDであり、そのマクロ施設12からの要求製品はMCSビン224b内にて必要とされる数量でマイクロ施設14へと輸送される。図7に示されるマイクロ施設14の到着積み込みドック701での到着DMCSビン224bの積み降ろしの際、図13Bに示されるステップ1322と等価なステップでのデータトランザクションは即ち次のことを伴う:到着DMCSビン224bのビンデータを任意のオープン注文の注文詳細事項との対比でチェックして、到着DMCSビン224bの内容物がオープン注文のための必要とされる製品を含むかを決定すること。
このような手順を経て、全ての必要とされる製品がマイクロ施設14にて手持ちとなったらば、施設管理サブシステム204は注文の状態を「オープン」から「詰め込み可能」に変更する。したがって、実施形態では、マクロ施設12からマイクロ施設14の到着積み込みドック701に到着する輸送車両215bからの到着DMCSビン224bを積み降ろすことと、そのマクロ施設12又は別の施設への送還するためにUMCSビン224bをその輸送車両215bに積み込むこととを伴う処理は、図13A~13Bにて示されるマクロ施設12の到着積み込みドック601についての処理と実質的に同じであるも、ただ到着する下流方向に向かう格納ビンはDMCSビン224bであり、上流方向に向かう格納ビンは典型的にはUMCSビン224bとされ、ステップ1322及び1319に等価なステップにてマイクロ施設14のグリッド格納構造703内へとDMCSビン224bを取り込むことをバイパスするとの決定は、DMCSビン224bが即時のVASカスタマイゼーションを要しているかについての決定に基づいてはおらず、むしろDMCSビン224bがオープン注文を充足するために直ちに要されているかに基づくのであり、その場合は等価なステップたるステップ1319でロボティックハンドラー208は、DMCSビン224bを注文ピッキングワークステーション705へと搬送するように命令される。実施形態では、「オープン」な注文は中央コンピューティングシステム201によって保持されており、「詰め込み可能」な状態が達成される迄はマイクロ施設14の施設管理サブシステム204へと転送されないのであり、該状態達成は要されている製品をそれらが所在している格納ビンのビン_IDを介して追跡監視によって確認されるのであって、該追跡は要されている製品が利用可能と当初決定された施設から顧客注文が充足されるべき特定のマイクロ施設14迄へとわたる。すなわち、マイクロ施設14にDMCSビン224bが到着して且つ中央コンピューティングシステム201がその到着についてステップ1316に等価なステップにて通知されたらば、中央コンピューティングシステム201はこのDMCSビン224bのビン_IDがそのDMCSビン224bを待っている顧客注文についての「オープン注文」記録内にて想定されたビンとして格納されているかについてチェックする。全てのそのような想定されたDMCSビン224bのマイクロ施設14にての到着が中央コンピューティングシステム201によって確認されたらば、顧客注文は今となっては詰め込み可能となり、また、注文詳細事項はマイクロ施設14の施設管理サブシステム204へと転送される。
図16A~16Bは、図7に示されるマイクロ施設14にてなされる2段階充足についての処理がなされる様を示す。マイクロ施設14にて顧客注文に関して詰め込みを要する場合、ステップ1602でマイクロ施設14は注文詳細事項を受信する。受信された注文の全注文製品が識別されたマイクロ施設14にて既に手持ちとなっているのならば、又は、全注文製品が手持ち在庫を有する最寄りのマクロ施設12又はマイクロ施設14から到着したのならば、顧客注文の先述の詰め込み可能な状態が、顧客注文を、顧客注文のバッチピッキング候補として適格なものとする。ステップ1603では、各細分化されたPOビン224cが有する区画個数に等しい又はそれを少なくとも超過しない数量の詰め込み可能注文のバッチが、マイクロ施設14の施設管理サブシステム204によって、マイクロ施設14のローカル施設データベース207のワークステーション情報テーブル321にて識別されたピッキングワークステーション705の1つに、割り当てられる。顧客注文は、製品タイプが合致する環境データを有するものとなるグループにバッチ化されるのであり、それによって、冷蔵を要する製品を伴う顧客注文が、冷凍を要する製品又は常温対応の製品を伴う顧客注文と共にグループ化されないようにするのであり、同様に、冷凍を要する製品を伴う顧客注文が、冷凍を要する製品又は常温対応の製品を伴う顧客注文と共にグループ化されないようにする。
次にステップ1604で施設管理サブシステム204は、マイクロ施設14のグリッド格納構造703内に現在所在しており且つバッチ化された注文の製品によって共有される環境データに合致する環境フラグを有する空のPOビン224cを識別するためにクエリをマイクロ施設14のオンサイトビンテーブル322に対して発するのであり、インデクスされた格納アレイのロボティックハンドラー208の1つに対して次のことをなすように命令する:空のPOビン224cをグリッド格納構造703から回収することと、空のPOビン224cを割り当てられた注文ピッキングワークステーション705のプットポート705aに届けること。空のPOビン224cがグリッド格納構造703からロボティックハンドラー208によって回収されたことが確認されたらば、空のPOビン224cの格納場所の場所_IDは、中央データベース203の格納ビンテーブル308内及びマイクロ施設14のオンサイトビンテーブル322内にて、ロボティックハンドラー208の機材_IDをもって更新されるのであり、それによって、空のPOビン224cはリアルタイムで追跡可能な場所_IDと関連付けられることが可能となる。
実施形態では、空のPOビン224cがグリッド格納構造703の外に格納されている場合、施設管理サブシステム204は、HMIを介して人間の作業員による空のPOビン224cの配達又は自動化取り扱い機材(例えば、グリッド格納構造703のロボティックハンドラー208以外の1つ以上のコンベヤ等)に対してのコンピュータ制御による配達を命令する。完全に空のPOビン224cで利用可能なものがない又は現在のバッチ内の顧客注文の件数が各POビン224c内の区画数未満である場合、実施形態では、マイクロ施設14のインデクスされた格納アレイ内にて以前格納されており且つ現在のバッチ化された顧客注文の少なくとも1つを許容し得る少なくとも1つの非占有区画を有している部分的にものが入れられているPOビン224cが、代わりにロボティックハンドラー208によって回収されて注文ピッキングワークステーション705へと届けられる。部分的にものが入れられているPOビン224cがインデクスされた格納アレイからロボティックハンドラー208によって回収されたことが確認されたらば、部分的にものが入れられているPOビン224cの格納場所の場所_IDは、中央データベース203の格納ビンテーブル308内及びマイクロ施設14のオンサイトビンテーブル322内にて、ロボティックハンドラー208の機材_IDをもって更新されるのであり、それによって、部分的にものが入れられているPOビン224cはリアルタイムで追跡可能な場所_IDと関連付けられることが可能となる。
顧客注文のバッチを受けるために空の又は部分的に空のPOビン224cを選択することとの関係で、施設管理サブシステム204は、ステップ1605で、そのPOビン224cの区画_IDを識別するのであり、バッチ化された顧客注文の注文番号、ラインアイテム番号、及び注文製品数量を空のPOビン224cの識別された区画に割り当てる。実施形態では、施設管理サブシステム204は、1つより多い数の区画が占有されていない場合に各顧客注文を置くためのPOビン224cの区画をランダムに選択する。実施形態では、より大きな顧客注文は1つより多い数のPOビン224cの区画を占有する。一方で、ステップ1606で施設管理サブシステム204は、別のロボティックハンドラー208に対して次のことをなすように命令する:グリッド格納構造703からの選択された空のPOビン224cに割り当てられている1つ以上のバッチ化された顧客注文の1つ以上の要されている製品を含む製品が入れられたMCSビン224bを回収すること;また、ステップ1607にては、回収されたMCSビン224bを注文ピッキングワークステーション705のピックポートp705bに届けること。ステップ1608では、空のPOビン224c及びMCSビン224bが両方注文ピッキングワークステーション705に来たらば、施設管理サブシステム204は次のことのいずれかをなすように注文ピッキングワークステーション705のロボティックワーカに対して命令する:1つ以上のバッチ化された顧客注文のために必要とされる1つ以上の製品をそのMCSビン224bからピックポート705bにてピックすること、及びピック済みの製品をプットポート705aにてPOビン224cの割り当てられている区画に置くこと、又は、人間の作業員による必要とされる製品のピッキング及び配置行為を人間の作業員が装着しているか注文ピッキングワークステーション705に設けられているHMIを用いて誘導すること。人間の作業の場合、実施形態では、HMIは、各到着MCSビン224bについてピックポート705bにてピックツーライト(pick-to-light)誘導と、ものが入れられるべきPOビン224cが所在する所についてプットポート705aにてプットツーライト(put-to-light)誘導とを用いて人間の作業員を視覚的に命令して、MCSビン224bの各製品特有区画から適切な製品をピックさせるのであり、また、ピックされた製品をPOビン224cの各注文特有区画内に配置させる。実施形態では、オンスクリーン型のピック及び配置命令は、HMIのディスプレイモニタ又は頭部装着ディスプレイ上に表示される。注文ピッキングワークステーション705がロボット的に自動化されている場合、ロボティックワーカが製品を適切なMCSビン224b及びPOビン224c{に/から}自動的に{ピック/配置}するのであり、これは施設管理サブシステム204の命令下でなされる。
ステップ1609では、製品についてのそのようなピッキング及び配置の完了後又はその最中に、施設管理サブシステム204は中央コンピューティングシステム201に対してシグナリングを行って次のことをなさせる:中央データベース203内の在庫及び注文記録を更新することであって、例えば、製品が除かれたMCSビン224bの各区画について、格納ビン内容物テーブル309内に記録されている製品数量から、その区画から除かれてPOビン224cへと移転された数量を、デクリメントすることによってこれがなされ得る、更新することと;製品の移転先たるPOビン区画の各々についてPOビン内容物テーブル312内の記録に、移転された製品タイプの製品_ID及び移転されたその数量を、書き込むこと。このステップで、以前に行われていなければ、中央コンピューティングシステム201は、製品が配置された任意の区画についてPOビン内容物テーブル312内の記録に次の事項をも書き込む:その割り当てられた区画内に配置された製品についての顧客注文の注文番号と;区画に配置された製品によって充足される顧客注文のライン番号。MCSビン224bの任意の区画についてのデクリメントされた数量がゼロである場合、中央コンピューティングシステム201は格納ビン内容物テーブル309の対応する記録内において製品_ID及び所有者ベンダ_IDを削除して、それによってこの区画の空の状態を反映させる。現在に至ってMCSビン224bの全区画が空ならば、実施形態では、施設管理サブシステム204は、MCSビン224b全体の空であるとの状態をローカル施設データベース207内に記録するのであり、これはオンサイトビンテーブル322内の空/占有中状態フラグを「空」に切り替えることによってなされるのであり、この空のMCSビン224bは今となっては輸送車両215bに載せてマクロ施設12へと戻されることが可能なUMCSビンの候補となり、また、随意的には、施設情報テーブル319内において空のMCSビン224bの数量をインクリメントする(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。似たように、ステップ1609の第1のインスタンスにおいて、実施形態では、施設管理サブシステム204は、施設情報テーブル319内において占有中のPOビン224cの数量をインクリメントする(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。
また、ステップ1609では、この時点でのデータ更新は、施設管理サブシステム204によってMCSビン224b及びPOビン224cの両方のモバイルデータ記憶装置226の内容を更新することをさらに伴う。POビン224cの製品情報テーブル328に対してはPOビン224cへと移転された製品タイプについての新たな記録がそこへと複製されるのであり、例えば、これはMCSビン224bのモバイルデータ記憶装置226上の製品情報テーブル328から複製されたり、実施形態では、中央データベース203内の充足をなすベンダの製品テーブル303から複製されたりできる。POビン224cのモバイルデータ記憶装置226上の内容物テーブル327は更新されて各記録について次の事項が書き込まれる:移転された製品が配置されたPOビン224cの特定の区画;移転された製品タイプの製品_ID及び移転数量の全部又は一部;移転された製品タイプの源泉在庫となった充足ベンダのベンダ_ID;及び移転された製品タイプ及び数量によって充足される注文番号及びラインアイテム番号。一方で、施設管理サブシステム204は、MCSビン224bのビン内容物テーブル327の適切な区画記録内の数量フィールドから移転数量をデクリメントするのであり、今となってはこのデクリメントされた数量がゼロであれば、所有者ベンダ_ID及び製品_IDをこの記録から削除する。MCSビン224bの他の区画のどれもが、今となっては空の区画と同じ製品タイプを含まない場合、製品情報テーブル328内の対応する記録も削除できる。実施形態では、POビンの内容物テーブル327内の各記録に書き込まれたデータは次の事項も含む:その記録の対象ビン区画内に完全に又は分的に含まれる顧客注文を配達するべきナノ施設16の施設_IDを指定する宛先データと;例えば該当する顧客注文の優先度状態又は目標配達日等に基づいている関連するタイミングデータ。
処理はここまでで施設管理サブシステム204によってPOビンのモバイルデータ記憶装置226の自動更新について述べており、POビン224cの新規追加内容が反映されており、例えば、少なくとも、各々の顧客注文の注文番号等の一意的に識別子を、その顧客注文の全部又は一部が配置された区画の区画_IDとの関連で、モバイルデータ記憶装置226に書き込むことによってなされ得る。また、施設管理サブシステム204は、その顧客注文の各製品の製品情報328を、製品のピック元のMCSビン224bのモバイルデータ記憶装置226から、製品が配置されたPOビン224cのモバイルデータ記憶装置226へと、複製するのであり、それによって関連性のある取り扱いデータ、環境データ、及び製品レベルタイミングデータ(注文レベルタイミングデータと対比せよ)が保持されるのであり、製品情報328内に記憶される製品情報に含められた場合が想定され、例えば短い有効期限を有する製品が想定される。また、施設管理サブシステム204は、製品のプル元となったMCSビン224aのモバイルデータ記憶装置226上に記録された製品数量をデクリメントするのであり、随意的には、注文された製品をそこからプルした後に今となっては空となった任意の区画について記憶された記録を跡形もなくワイプして、それによってこの区画の空の状態を反映させる。施設管理サブシステム204は中央コンピューティングシステム201とも通信して、MCSビン224bから取り出された製品についてストック済み在庫テーブル304内のカタログ済み製品エントリを更新するのであり、例えば、注文された製品のプル元の任意の区画内に残存している製品数量に対してデクリメントを行うか、又は、そのカタログ済み製品に関してMCSビン224b又はその区画が空である場合にストック済み在庫テーブル304内のベンダのカタログエントリからビン_ID及び/又は区画_IDを削除する。
次に、ステップ1610では、ローカル施設管理サブシステム204がロボティックハンドラー208に対して、MCSビン224bをグリッド格納構造703内にありMCSビン224bの環境フラグに適合する任意の利用可能格納場所を返すように命令するのであり、該場所は典型的にはMCSビン224bがグリッド格納構造703から回収された元のと同じ環境ゾーン内にあるが、先述したようにこのMCSビン224bが今となっては空である場合、空にされたMCSビン224bが以前MCSビン224bが回収された元の環境ゾーンと同じものに明示的に格納されていないこともあり得るのであろう。注文ピッキングワークステーション705が、インデクスされた格納アレイのロボティックハンドラー208によってドライブスルー方式でそのピックポート705bがサービスを受けるタイプのものである場合には、これは以前MCSビン224bを注文ピッキングワークステーション705に届けたのと同じロボティックハンドラー208となるのであり、したがってMCSビン224bはこれに残っているのであろう。注文ピッキングワークステーション705のピックポート705bがドライブスルー方式でサービスを受けるものでない場合、実施形態では、これは以前MCSビン224bを注文ピッキングワークステーション705にドロップオフしていったのと同じ又は異なるロボティックハンドラー208となろう。ステップ1611では、MCSビン224bがその環境フラグにとって適切な環境ゾーンの利用可能格納場所内に置かれたことが確認されたらば、施設管理サブシステム204はMCSビン224bのビン_IDをMCSビン224bが置かれた格納場所の場所_IDに対してローカル施設データベース207の施設格納テーブル320a内に記録するのであり、及び/又は、その格納場所の場所_IDをローカル施設データベース207のオンサイトビンテーブル322内に記録する。また、ステップ1611で施設管理サブシステム204は、場所_IDをビン_IDに対してグローバル格納ビンテーブル308内にて記録するために、MCSビン224bの場所_ID及びビン_IDを中央コンピューティングシステム201へと転送するのであり、また、随意的には、場所_IDフィールドが複製されている場合には、ベンダのストック済み在庫テーブル304内での場所_IDの記録についてもそうする。このようにしてMCSビン224bの所在が、それが空であっても残存製品によって占有されていても、マルチノーダルサプライチェーンシステム200にわたって完全に更新される。
ステップ1612で施設管理サブシステム204は、現在のPOビン224cに割り当てられているバッチ化された顧客注文に関して、第1のMCSビン224bによって既に充足されたものを超えて追加の製品が未だ要されているかをチェックする。これについて肯定であれば、1つ以上の追加のMCSビン224bについてステップ1606~1611が繰り返されるのであり、現在のPOビン224cに割り当てられている全てのバッチ化された顧客注文について要されている製品全てについて充足される迄これがなされる。バッチ化された顧客注文の注文済み製品全てがPOビン224c内に置かれたらば、実施形態では、そのPOビン224cが例えばロボティックハンドラー208の1つによってマイクロ施設14のインデクスされた格納アレイ内へと置かれるのであってこれは後のファイナライゼーション及びナノ施設16への輸送迄はそこで一時的に格納されるためになされるのであってこれは例えばその間にファイナライゼーション及び輸送されることを要する高優先度顧客注文のためになされる。実施形態では、即時ファイナライゼーションのために、POビン224cは遅滞なく単一注文詰め込み段階へと前進させられる。このような決定がステップ1613にて示されており、該ステップにて施設管理サブシステム204はPOビン224cに編成される各顧客注文についてのタイミングデータをチェックするのであり、また、これらの顧客注文のいずれか1つ以上が注文詰め込みワークステーション706にての緊急第2段階注文処理を正当化するかを評価する。
そうでない場合、処理はステップ1623へと進行し、ロボティックハンドラー208は、POビン224cをグリッド格納構造703内にて且つPOビン224cの環境フラグによって指示され及びPOビン224c内に含まれる製品の環境データと合致する適切な環境ゾーン内にて、格納するように命令されるのであり、通常それはPOビン224cの回収元の環境ゾーンとなるが、当初の回収の際にビンが完全に空の状態であった場合はこの限りではなく、この場合、POビン224cが(POビン224cが今となっては注文が入れられた状態で置かれている)所定の環境ゾーン内にて当初格納されていなかったかもしれない場合もまたあり得る。このような収容が、インデクスされた格納アレイ内の注文が入れられたPOビン224cに関してなされた後、ステップ1624でPOビン224cの所在に関する記録は更新されるのであり、施設管理サブシステム204は、注文が入れられたPOビン224cのビン_IDをローカル施設データベース207の施設格納テーブル320a内にて格納場所の場所_IDに対して記録すること、及び/又は、その格納場所の場所_IDをローカル施設データベース207のオンサイトビンテーブル322内に記録することによってこれがなされる。また、ステップ1624で施設管理サブシステム204は、場所_IDをビン_IDに対してグローバルPOビンテーブル311内にて記録するために、注文が入れられたPOビン224cの場所_ID及びビン_IDを中央コンピューティングシステム201へと転送する。このような態様で収容されていた注文が入れられたPOビン224c内にある顧客注文の外部へ向かっての輸送の時が到来したらば、POビン224cをインデクスされた格納アレイからロボティックハンドラー208の1つによって取り出すことが施設管理サブシステム204によって命令されるのであり、これと共に取り出されたPOビン224cを割り当てられた注文詰め込みワークステーション706へと届けることも命令されるのであり、このことはグリッド格納構造703のグリッド下部トラックとの関連で注文詰め込みワークステーション706を貫く拡張トラックを介して直接的にロボティックハンドラー208によって担当される注文詰め込みワークステーション706に関するロボティックハンドラー208によって直接にこれがなされても、例えば別のロボティックハンドラー、人間の作業員、又はコンベヤ等の何らかの中間的搬送手段を通じてこれがなされても良い。POビン224cがインデクスされた格納アレイからロボティックハンドラー208によって回収されたことが確認されたらば、POビン224cの格納場所の場所_IDは、中央データベース203の格納ビンテーブル308内及びマイクロ施設14のオンサイトビンテーブル322内にて、ロボティックハンドラー208の機材_IDをもって更新されるのであり、それによって、POビン224cはリアルタイムで追跡可能な場所_IDと関連付けられることが可能となる。
ステップ1613での自動決定が、バッチピックされた顧客注文の1つ以上の緊急第2段階注文処理が要されるとする場合、施設管理サブシステム204はステップ1614で、そのような第2段階処理のためにPOビン224cを届けるべき特定の注文詰め込みワークステーション706を割り当てるのであって、少なくともマイクロ施設14のワークステーション情報テーブル321にて識別された複数の注文詰め込みワークステーション706がある状況に関してこれが妥当するのであり、他方で注文詰め込みワークステーション706を1つしか有さない状況に関しては、特定の注文詰め込みワークステーション706を選択することは不用である。次にステップ1615で、ロボティックハンドラー208は、POビン224cを割り当てられた注文詰め込みワークステーション706の例えばピックポート706aに届けるように命令されるのであり、そこにて、注文詰め込みワークステーション706の人間の作業員又はロボティックワーカが注文が入れられたPOビン224cの内容物にアクセスでき及びこれと相互作用できる。各々がピックポート705b及びプットポート705aを有するデュアルポート型注文ピッキングワークステーション705とは異なり、実施形態では、注文詰め込みワークステーション706は単一ポート型ワークステーションであり、ピックポート706aのみにPOビン224cがグリッド格納構造703から例えばドライブスルー方式でもたらされるのであり、POビン224cはグリッド格納構造703のロボティックハンドラー208によってピックポート706aに直行するように搬送されて人間の作業員又はロボティックワーカがPOビン224cと相互作用する間はロボティックハンドラー208に留まっている。
一方でステップ1616では注文詰め込みワークステーション706にて既に手持ちとなっていなければ、1つ以上の空のFOビン224dの供給が注文詰め込みワークステーション706にもたらされるのであり、例えばフィードコンベヤに乗ってそこに到着する。そのようなFOビン224dの1つがPOビン224cからの各々の顧客注文を受領するために選択されるのであり、ステップ1617では、選択されたFOビン224dのビン_IDが施設管理サブシステム204へと伝達されるのであり、ビン_IDがエンコードされているバーコード又は他のスキャン可能コードについての手動又は自動スキャンによってなされるか、視覚的にFOビン224dから読み取られたコードについて注文詰め込みワークステーション706に設置されている若しくは人間の作業員に装着されたHMIのキーボード又は他の入力装置を介して人間が入力することによってこれがなされる。注文詰め込みワークステーション706にいる人間又はロボティックワーカに対してHMIを介して施設管理サブシステム204が命令したり指示したりして、緊急顧客注文が入っているPOビン224cの1つ以上の区画から緊急顧客注文をピックさせる。施設管理サブシステム204は区画から取り除かれた製品についての取り扱いデータを検索するのであり、例えばPOビン224cの内容物テーブル327内の区画の区画_IDに対して記録された製品タイプについての製品情報テーブル328内の取り扱いデータを読み取ることによってこれがなされるのであり、それによってPOビン224cのモバイルデータ記憶装置226を介して完全にローカルで取り扱いデータを導出するのであるが、実施形態では、取り扱いデータは中央データベース203内のベンダの製品テーブル303内にてルックアップされる。施設管理サブシステム204はこの取り扱いデータを用いてステップ1618及び1620で製品に関してなされるべき詰め込み(packing)及びパッケージング(packaging)アクション等の取り扱いアクションを導出する。
ステップ1618では、施設管理サブシステム204の命令下で、詰め込みワークステーション706のロボティックワーカがPOビン224cの各区画から緊急顧客注文を取り除くか、又は、人間の作業員を誘導して又はそれに命令して、緊急顧客注文を区画から取り除かせるのであって、例えば注文詰め込みワークステーション706に設置されているか人間の作業員に装着されているHMIによって伝達される視覚的なピックツーライト(pick-to-light)又はオンスクリーンガイダンス及び/又は可聴命令によってこれがなされるのであり、これによって人間の作業員の誘導をして適切な区画からピックポート706aを介して緊急顧客注文を取り出させる。人間の作業員が注文詰め込みワークステーション706を担当している場合、このステップは、施設管理サブシステム204にその区画の製品についての取り扱い指示を視覚的に表示させるか聴覚的に伝達させることを含み、これは取り扱いデータから導出されたベンダ特有の取り扱い指示に即して製品に対してパッケージングアクションをなすように人間の作業員を誘導するためにHMIを用いることによってなされる。注文詰め込みワークステーション706は人間によって担当されておらずロボットが装備されている場合、施設管理サブシステム204は、そのようなパッケージング(packaging)アクションを注文詰め込みワークステーション706のロボティックワーカによって、読み取られた取り扱いデータから導出された取り扱い指示に基づいて自動的になすことを代わりに命令する。
一方で、ステップ1619で施設管理サブシステム204は、緊急顧客注文がPOビン224cからFOビン224dへと移転されることと関連付けられている様々な記録の更新を発動する。様々な記録の更新は次のことを含む:中央コンピューティングシステム201についてシグナリングをなして中央データベース203内のその記録を更新することであって、FOビンテーブル313内のFOビン224dのビン_IDに対して緊急顧客注文の注文番号を書き込むことによってなされる更新することと;顧客注文のピック元たるPOビン区画についてPOビン内容物テーブル312内の記録の例えば注文番号、ラインアイテム及び数量のフィールド等の可変な注文関連フィールドを削除すること。顧客注文のPOビン224cからFOビン224dへの移転を中央データベース203内に記録するこの動作に加えて、同時に、施設管理サブシステム204は、POビン224c及びFOビン224dのモバイルデータ記憶装置226を更新して、それらの改訂された内容物を反映させる。この更新ステップはFOビン224d内へと移転された各製品タイプについて新たな記録をFOビン224dの製品情報テーブル328内へと複製することを含むのであり、例えば、これはPOビン224cのモバイルデータ記憶装置226上の製品情報テーブル328から複製されたり、実施形態では、中央データベース203内のベンダの製品テーブル303から複製されたりできる。FOビン224dのモバイルデータ記憶装置226上の内容物テーブル327は更新されて、製品事項;移転された製品タイプの移転数量;並びに移転された製品によって完全に又は部分的に充足される顧客注文についての注文番号、ラインアイテム番号及び充足ベンダ_IDが書き込まれるのであり、これらは、製品の移転元たる区画についてのPOビン224cの内容物テーブル327内の区画特有の記録から、又は、中央データベース203のPOビン内容物テーブル312から複製される。実施形態では、各FOビン224dの内容物テーブル327又はビン情報テーブル326は、充足済み顧客注文と顧客返品との間で判別するために用いられる充足/返品状態インジケータについての可変フィールドを備えるのであり、実施形態に関しては後述されるのであり、これらと同じFOビン224dを介して取り扱われる。したがって、2段階注文充足処理のステップ1619は、この充足/返品状態インジケータに充足状態を割り当てることを伴う。実施形態では、中央データベース203のPOビン内容物テーブル312内に充足/返品状態フィールドが設けられており、したがってこのステップにても充足状態が割り当てられる。
また、ステップ1619では、POビン224cの内容物テーブル327も施設管理サブシステム204によって更新されるのであり、例えば注文番号、顧客_ID、ラインアイテム番号、製品_ID、数量、充足ベンダ_ID、及びタイミングデータ等の内容物テーブル327の区画記録内の全可変フィールドを、現在のFOビン224dに流し込んだ各区画について、削除することによってこれがなされる。同じ移転済み製品タイプがPOビン224cの他の任意の区画に残存していないのならば、施設管理サブシステム204はPOビン224cの製品情報テーブル328内の対応する製品記録も削除する。FOビン224dのモバイルデータ記憶装置226に書き込まれるデータはPOビンの内容物テーブル327の各区画記録からのタイミングデータをさらに含むのであり、実施形態では、これはFOビン224dの内容物テーブル327又はビン情報テーブル326へと複製される。なぜならば、このタイミングデータは、POビン224cに適用されるタイミングデータのようにFOビン224dの特定の1つの区画の内容物のみにではなく、FOビン224dの全体の内容物に適用されるからである。実施形態では、顧客注文の詰め込み/パッケージングが適宜に注文詰め込みワークステーション706にて既に遂行されているが、FOビン224dへと複製された製品情報テーブル328からの製品情報は各製品タイプについての取り扱いデータを未だ含んでいる。なぜならば、マルチノーダルサプライチェーンシステム200内にて顧客返品を取り扱う目的においてはこのような取り扱いデータを保持しておくことが有益だからである。マルチノーダルサプライチェーンシステム200外で顧客返品が取り扱われる他の実施形態では、取り扱いデータはこの段階で省かれる。
ステップ1620では、注文詰め込みワークステーション706を人間の作業員が担当している場合、施設管理サブシステム204は、その区画の製品についての取り扱い指示を、HMIを用いて視覚的及び/又は聴覚的に伝達し続けるのであり、このステップにおいては読み取られた取り扱いデータから導出された詰め込み指示を表示することが含まれるのであり、これはステップ1618で表示/伝達されたパッケージング指示との関係で追加的に又は代替的になされ得るのであり、これによって人間の作業員が顧客注文の随意的に今となってはパッケージングされた製品を適切にFOビン224d内にベンダの詰め込み仕様に準拠した態様で詰め込めるようにする。注文詰め込みワークステーション706は人間によって担当されておらずロボットが装備されている場合、施設管理サブシステム204は、そのような詰め込み(packing)アクションを注文詰め込みワークステーション706のロボティックワーカによって、読み取られた取り扱いデータから導出された詰め込み指示に基づいて自動的になすことを代わりに命令する。
パッケージング(packaging)と詰め込み(packing)活動を区別する幾つかの例について述べる。パッケージングアクション(action)には例えば次のものが含まれる:ティッシュ、気泡シート包装、贈答包装、又は他の包装材料で製品を包装すること;袋、箱、又は他の容器内に製品を配置すること等。詰め込み活動(activity)には次のものが含まれる:似た製品のグループ化及び異なる製品の隔離であって、例えば乾燥商品対液体商品、常温商品対チルド/冷凍商品、衣類対食料品等のカテゴリによってこれがなされるのであり、衣類は一緒に詰められて且つ食料品及び液体とは隔離されたり、及び/又は複数製品を伴う顧客注文に関して共有格納ビン又は共有容器内にて製品がレイヤリング/シーケンシングされたりするのであり、例えば、液体、肉類、冷凍品等の重め及び/又は漏洩しがちな製品が複数製品顧客注文の底部に配置されたり、及び/又は軽めのものだったり、繊細なものだったり、又は割れ物だったりするアイテムを複数製品顧客注文の上部に配置する等できる。図6に示されるVAS/返品ワークステーション606について上述したように、実施形態では、注文詰め込みワークステーション706にはベンダ特有な異なるベンダ用の資材がある。この実施形態では、POビン224cが注文詰め込みワークステーション706へと届けられる前に、施設管理サブシステム204は、詰められるべき顧客注文によって占有されているPOビン224cの各区画に対して記録されている一意的なベンダ識別子(ベンダ_ID)を読み取るのであり、これはPOビン224cのモバイルデータ記憶装置226又は中央データベース203からされても良いのであり、ベンダ_IDを施設管理サブシステム204のローカル施設データベース207内(或いは実施形態でクラウドベースド中央データベース203内に追加的に又は代替的に格納されている場合にはそのサブセクション内)のワークステーション情報テーブル321との関係で比較するのであり、それによってどの注文詰め込みワークステーション706にベンダのベンダ特有資材があるかを識別するのであり、POビン224cを経路指定すべき適切な注文詰め込みワークステーション706をそこから選択する。
異なる注文詰め込みワークステーション706が異なる詰め込み資材を有していることに加えて、実施形態では、特定の製品クラスについて具体的に特化した取り扱い又は除外を目的とした異なる注文詰め込みワークステーションカテゴリがあるのであり、例えば、特定の衛生要件に配慮して食料汚染のリスクを回避するために肉類又は他の食料品を具体的に仕向ける食料品グレード詰め込みワークステーションや、随意的にはサブカテゴリに編成されたアレルギー誘発制製品が禁止されているアレルゲン禁制ワークステーションや、特定の安全性要件が充足されなければならない危険物詰め込みワークステーションや、潜在的なアレルゲン内容に関係なくその余の製品タイプを仕向けることができる一般物品詰め込みワークステーションがあり得る。上述のように、実施形態では、様々な格納ビンのモバイルデータ記憶装置226上に及び様々なベンダの製品カタログ305の製品テーブル303内に記憶された取り扱いデータにはワークステーション関連の取り扱い指示が含まれているのであり、これらが格納ビンを様々な施設にて経路指定すべき具体的なワークステーションのカテゴリを規定する。
したがって、実施形態では、ステップ1614にて施設管理サブシステム204によってなされる、POビン224cを経路指定すべき適切な注文詰め込みワークステーション706を選択する上述の決定ノードは、次のステップをさらに含む:顧客注文の各々の区画に対して記録された取り扱いデータについてチェックするステップであって、それがモバイルデータ記憶装置226から検索されてようと中央データベース203から検索されてようと良い、ステップと;この取り扱いデータを施設管理サブシステム204のローカル施設データベース207内のワークステーション情報テーブル321と比較して、タイプ・手持ち資材・カテゴリが取り扱いデータに準拠しているワークステーションをそこから識別及び選択するステップ。実施形態では、ワークステーションについてのそのような随意的なカテゴリ分けは、マクロ施設12のVAS/返品ワークステーション606とマクロ施設12のキット化ワークステーション607とマイクロ施設14の注文ピッキングワークステーション705(図6~7)とにも適用されるのであり、SCSビン224a及びMCS格納ビン224bを経路指定すべき適切なワークステーションを選択するために似た態様で用いられるのであり、これは、そこのモバイルデータ記憶装置226上に記録されている及び/又は中央データベース203内にてそれに対して記録されている取り扱いデータに基づいて、なされる。
また、図16A~16Bでは、ステップ1620で各顧客注文が詰め込まれるFOビン224dは、ステップ1621で、注文詰め込みワークステーション706から、マイクロ施設14の出発積み込みドック702又は出発積み込みドック702の隣の集積エリアへと、移転されるのであり、これはマイクロ-ナノ輸送車両215cに積み込むためになされる。図7に示されるように、詰め込み済みFOビン224dの出発積み込みドック702又は隣の集積エリアへのこの移転は、フィードコンベヤ708に詰め込み済みFOビン224dを置くことによって行われるのであり、そこからFOビン224dは出発コンベヤ路709へと流入させられて、それによって各々の集積エリアへと又は随意的には直接的に出発積み込みドック702の積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dへと搬送される。FOビン224dがフィードコンベヤ708又は出発積み込みドック702の積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dの1つへと移転されたらば、詰め込み済みFOビン224dの格納場所の場所_IDが、各々のコンベヤに割り当てられた機材_IDをもって中央データベース203の格納ビンテーブル308及びマイクロ施設14のオンサイトビンテーブル322内にて更新されるのであり、それによって、詰め込み済みFOビン224dはリアルタイムで追跡可能な場所_IDと関連付けられることが可能となる。マイクロ施設14内のコンベヤは固定アセットであり且つその場所はマイクロ施設14内にて常時知られているが故に、特定のコンベヤに詰め込み済みFOビン224dが移転された際にその特定のコンベヤの機材_IDを詰め込み済みFOビン224dの場所として記録することによって、詰め込み済みFOビン224dを常時追跡することを可能とする。ステップ1622でマイクロ施設14の施設管理サブシステム204は、POビン224cが詰め込まれるべき1つ以上の追加の緊急顧客注文を含むかについてチェックする。肯定であれば、POビン224cが緊急注文を有さなくなるまでステップ1616~1621が繰り返される。
POビン224c内の全顧客注文が緊急注文である場合には、ステップ1616~1621の最終反復回において、POビン224cのモバイルデータ記憶装置226上の内容物テーブル327内の最終記録の可変フィールドがステップ1619で削除されるのであり、それと共に自己の情報テーブル328の最終記録も同様にされて、それによってPOビン224cの今となっては空の状態が反映される。実施形態では、施設管理サブシステム204は、この空ビン状態をローカル施設データベース207内に記録するのであり、これをなすためには、オンサイトビンテーブル322内の空/占有中状態フラグを「空」に切り替えて、また、マイクロ施設14の施設情報テーブル319内に関して空POビンカウントをインクリメントし、及び、占有中POビンカウントをデクリメントする(そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。このようにして、空ビンPOビン224cは、図16A~16Bに示される注文ピッキング及び詰め込み処理の次の実行の際にステップ1604での選択行為に関しての候補ビンとなる。
ステップ1622の最終反復回にてその「さらに緊急注文?」の決定ノードについて否定で回答された場合、ステップ1623では、ロボティックハンドラー208であって、特にドライブスルー方式ワークステーションの場合注文詰め込みワークステーション706のピックポート706aにある今となっては部分的又は完全に枯渇したPOビン224cを既に持っているロボティックハンドラー208は、ローカル施設管理サブシステム204によって、枯渇したPOビン224cをグリッド格納構造703内の任意の利用可能な格納場所へと戻すように命令されるのであり、典型的にはこの第1のPOビン224cが取り出されたのと同じその環境ゾーンが対象とされるのであるも、今となっては完全に空の場合には、上述のように、POビン224cが取り出されたのと同じ環境ゾーン内に明示的に格納されていない場合もあり得よう。ステップ1624では、枯渇POビン224cがその環境フラグにとって適切な環境ゾーンの利用可能格納場所内に置かれたことが確認されたらば、施設管理サブシステム204はPOビン224cのビン_IDを記録するのであって、ローカル施設データベース207の施設格納テーブル320a内にこの格納場所の場所_IDに対して記録がなされるのであり、及び/又は、この格納場所の場所_IDをローカル施設データベース207のオンサイトビンテーブル322内に記録する。このステップステップ1624には次のステップも含まれる:施設管理サブシステム204が場所_IDをビン_IDに対してPOビンテーブル311内にて記録するために、枯渇したPOビン224cの場所_ID及びビン_IDを中央コンピューティングシステム201へと転送するのであり、それによってこの枯渇POビン224cの記憶された所在が記録される。
枯渇POビン224cが完全に空ではなく且つピッキング及び詰め込み処理の後の実行の債のステップ1604に関しての候補たる空のビンと未だになっていない場合、枯渇POビン224cは後程注文詰め込みワークステーション706へとリコールされるのであり、ステップ1614~1624と同じ一連のステップを行う詰め込みのみの処理にて残る注文をそこに詰め込むためにこれがなされるのであり、主要な又は唯一の相違点はステップ1615が、ロボティックハンドラー208に対して次のことを命令することを伴うということである:枯渇POビン224cをグリッド格納構造703からそしてステップ1624でこのPOビン224cについて以前記憶された場所から取り出すこと。同様に、緊急ではないものと看做されてステップ1613での否定的結果による分岐によってより緊急性のある顧客注文を勝らせるために予防的に格納されたPOビン224cは、後程注文詰め込みワークステーション706に呼び出されてそのような詰め込みのみの処理を施されることになる。図16A~16Bに示されるピッキング及び詰め込み処理についての実施形態では、「緊急」注文の存在のみについて評価することの代わりに、ステップ1622では、POビン224c内において「任意」の注文の存在に関して緊急性を不問にして評価するのであり、この場合には処理はPOビン224cの全区画が空になる迄本質的にステップ1614~1624を繰り返す。
例示的実施形態では図16A~16Bの2段階処理が用いられるのであり、注文が注文ピッキングワークステーション705にてMCSビン224bから複数区画POビン224cへとバッチピッキングされてそして別個の注文詰め込みワークステーション706にて単一区画FOビン224dへと別途単一化されるものの、別の実施形態では、注文充足は単段処理で行われるのであり、単一の顧客注文がMCSビン224bから個別的にピックされてそして単一区画注文ビン内へと直接的に置かれる。実施形態では、個別にピックされた顧客注文は、マイクロ施設14のグリッド格納構造703と非互換なより小さなFOビン224d内へと直接的に置かれるのであり、この場合、取り扱いデータによって定義されるベンダによって規定されたパッケージング及び詰め込み行為は、注文済み製品がMCSビン224bからFOビン224d内へと移転されつつある注文ピッキングワークステーション705と同じ所で直接的になされる。別の実施形態では、個別にピックされた顧客注文は複数区画POビン224cと等しいのサイズ及びフットプリントの単一区画ミッド型注文ビン(MOビン、mid-order bin)内へと置かれるのであり、ピックされた顧客注文をこの中間的MOビンに入れて随意的に注文ピッキングワークステーション705からグリッド格納構造703へと預け入れることができるのであり、そしてその後、グリッド格納構造703から別個の注文詰め込みワークステーション706へとプルすることができるのであり、パッケージング及び詰め込み行為は個別の顧客注文が中間的MOビンから最終的FOビン224dへと移転されている最中になされるのであって、これはナノ施設16へとさらに輸送するためになされる。
図17A~17Cは、実施形態による、図2A~2B,4A~4Bに示されるマルチノーダルサプライチェーンシステム200のマイクロ及びナノ施設間14,16で注文ビンを輸送するための小規模輸送車両215cについての側面図、上面図、及び背面図である。実施形態では、マイクロ施設14の出発積み込みドック702からナノ施設16へと注文が入れられたFOビン224dを輸送するマイクロ-ナノ輸送車両215cは、図10A~10Cに示される大規模メガ-マクロ及びマクロ-マイクロ輸送車両215a,215bとは異なるクラスのより小さな車両である。マイクロ-ナノ輸送車両215cは例えばボックス型トラック(truck)やバン(van)とされる。このような規模の差があれども、マイクロ-ナノ輸送車両215cには他の輸送車両215a,215bと似た装備が付いている。実施形態では、これらのより小さなマイクロ-ナノ輸送車両215cの各々は、1つ以上のビンカルーセル222bを伴う車両ベースドインデクスされた格納アレイを備えるのであり、例えば図11A~11Cに示されるビンカルーセル222aよりも短いビンカルーセル222bとすることができるのであり、これについてはより少数とすることができる。より小さなマイクロ-ナノ輸送車両215cの各々は車両管理サブシステム216をさらに備えるのであり、該サブシステムは、中央コンピューティングシステム201と通信するための広域無線通信装置218と、輸送車両215cの場所を追跡するためのGPS装置219と、図2A~2Bに示されるような輸送車両215cに搭載されたFOビン224dの無線通信ユニット225と通信可能な例えば無線ネットワーク等のLAN221とを備える。マイクロ施設14の出発積み込みドック702では、メガ及びマクロ施設10,12の出発積み込みドック502,602にてなされたのと同様のデータ交換がなされて、FOビン224dのモバイルデータ記憶装置226から、それらが輸送車両215cに積み込まれる際にデータの読み取りと移転がなされるも、FOビン224dが積み込まれる輸送車両215cの車両_IDをもって格納ビンテーブル308を更新する代わりに、図3Bに示される中央データベース203内のFOビンテーブル313をその車両_IDで更新するのであり、FOビン224dが輸送車両215cに乗ってマイクロ施設14から出発する際にFOビン224d内の完成注文のGPS追跡を可能とする。マイクロ施設14の出発積み込みドック702にてなされる処理として、充足された顧客注文を含む下流方向に向かう完成注文(DFO、downstream-headed finished-order)ビン224dを上流方向に向かう完成注文(UFO、upstream-headed finished-order)ビン224d交換する処理がある。実施形態では、UFOビン224dは、製品をその中に何ら有さない空FOビン224d及び顧客の返品をその中に含む返品FOビンの両者を含む。
図18A~18Cは、実施形態による、図17A~17Cに示される小規模輸送車両及びナノ施設内にて注文ビンをインデクス付けして保持するためのビンカルーセル222bについての部分後方斜視図、側面図、及び上面図である。図18A~18Cに示されるように、マイクロ-ナノ輸送車両215cのより小さなビンカルーセル222bは、図10A~10C,11A~11Cに示されるより大きな輸送車両251a,251bのより大きなビンカルーセル222aとおおよその構成は同様であるが、小さな方のカルーセルプラットフォーム1801は、大きな方のビンカルーセル222aのカルーセルプラットフォーム1002の約半分となる(ビンカルーセル222bの長手方向に測られた)奥行きをそれぞれ有する。したがって、マイクロ-ナノ輸送車両215cの各カルーセルプラットフォーム1801のフットプリントは、SCSビン224a、MCSビン224b、及びPOビン224cの大きめなフルサイズフットプリントではなく、FOビン224dの小さめなハーフサイズフットプリントを適応的に受け入れるように具体的にサイジングされている。実施形態では、小さめなビンカルーセル222bのカルーセルプラットフォーム1801は、図10A~10C,11A~11Cに示される大きめな輸送車両251a,251bの大きめなカルーセルプラットフォーム1002の中央にあるスロット又はギャップ1002bを、欠いているのであり、FOビン224dに関しての、マイクロ-ナノ輸送車両215cの小さめなビンカルーセル222bのカルーセルプラットフォーム1801{への/からの}{積み込み/積み降ろし}は、マイクロ施設14のインデクスされた格納アレイのロボティックハンドラー208によってはなされないのであり、したがって、そのようなロボティックハンドラー208の伸縮可能なタレットアームを受け入れるためのそのようなスロット又はギャップ1002bが必要とされない。大きめな輸送車両251a,251bと似ており、各ビンカルーセル222bは、車両管理サブシステム216の1つ以上のローカルコンピュータによって(例えば、複数のモータの場合には同期して)制御された1つ以上の電気モータによって駆動される。カルーセルプラットフォーム1801はそこに沿って等長間隔で配されたベルト/チェーン1802a,1802bによって支持されている故に、このインクリメンタルな距離でインクリメンタルな態様でカルーセルモータを駆動することによってカルーセルプラットフォーム1801を1つずつ積み込み(loading)/積み降ろし(unloading)位置Pへと進めるのであり、これが、車両格納テーブル324に記憶された一意的場所_ID及びオンボードビンテーブル325内に記憶された現在輸送車両215cに搭載されたFOビン224dのビン_IDと合わさると、車両管理サブシステム216が、ビンカルーセル222bに乗っている任意のFOビン224dの物理的位置を追跡及び制御できるようになるのであり、したがって、積み込み位置PでのFOビン224dのビンカルーセル222bへのトラック(track)積み込み(loading)及びFOビン224dのそこからのオフローディング(offloading)ができ、どのカルーセルプラットフォーム1801(即ち、どのFOビン224d)が積み込み位置Pに任意の時点に置かれているかを追跡及び制御することによってこれがなされる。滑車又はスプロケット1804はベルト又はチェーン1802a,1802bを連続的な閉じられたループ状経路であって各々のガイドトラック(track)1803a,1803bによって表された経路にて駆動するように回転可能に動作可能であり、これは、滑車又はスプロケット1804の各1つの回転軸上にて半径方向にセンタリングされた弓形の接続セグメントによって各端部にて互いに繋げられている水平的に直線的なトップ及びボトムセグメントを有する。
図17Aに示されるマイクロ-ナノ輸送車両215cはそれらのビンカルーセル222bの積み込み及び積み降ろしに関してロボティックハンドラー208に頼っていないが故に、輸送車両215cは独自の専用の自動化ビンハンドラーのセットを有しており、例えば小さな再配置可能な移転コンベヤ223のセットとされ得るのであり、各々はビンカルーセル222bの各1つに対応する。実施形態では、輸送車両215cは、図17A~17Cに示されるように、4つのビンカルーセル222bを備える。各移転コンベヤ223は、輸送車両215cのトレーラ1701内にて枢動可能にトレーラ1701の後端1701bの隣の位置にて支持されており、即ち、図17Aに示されるように輸送車両215cの後部積み込み扉のすぐ内側である。各移転コンベヤ223は支えられており選択的移動によって、図17A~17Cに示される輸送車両215cの後部積み込み扉の後ろにて一般的には直立な態様で固定されている格納位置(storage position)と、図22A~22Bに示されるようにその後部積み込み扉が開放されている際に輸送車両215cのトレーラ1701から後方且つ外側へと延びた展開済み稼働位置(deployed working position)とを移る。各移転コンベヤ223の近位端223aはその枢動可能にマウントされた端を指す意味で用いられるのであり、これは、図17Aに示されるようにビンカルーセル222bの後端にある積み込み位置Pにカルーセルプラットフォーム1801がある際に 各々のビンカルーセル222bの任意のカルーセルプラットフォーム1801によって占有されるのとおおよそ等しい高さに所在する。したがって、各移転コンベヤ223が、輸送車両215cのトレーラ1701から後方へと延びる展開済み位置(deployed position)となるように折り畳まれると、その各々のビンカルーセル222bの積み込み位置Pに現在あるカルーセルプラットフォーム1801{に/から}FOビン224dを{積み込む及び積み降ろす}ために適切な位置に移転コンベヤ223があることになる。
図19A~19Cは、実施形態による、図7に示すマイクロ施設14の出発積み込みドック702にてなされる小規模輸送車両215cの異なる環境ゾーン1702a,1702b,1702cへ向かっての又はそこからの注文ビンの積み込み又は積み降ろしについて示す上面図、側面図、及び背面図である。図19Cは、トレーラ1701及び輸送車両215cのカルーセルベースドインデクスされた格納アレイが複数の環境的に異なる格納ゾーンに細分化されている様を示す。各ゾーンは、輸送車両215cのトレーラ1701のビンカルーセル222bの全体数量についての各々のサブセットを含む。図19A~19Cに示されるように、インデクスされた格納アレイは3つのゾーンに細分化されている、例えば、常温ゾーン1702a、冷蔵ゾーン1702b、及び冷凍ゾーン1702cであり、これはメガ・マクロ・マイクロ施設10,12,14の各々のグリッド格納構造503,603,703と同様である。トレーラ1701内のこれら3つのゾーンのうち、1つめの主たる常温ゾーン1702aは2つのビンカルーセル222bを含むのであり、2つめの冷蔵(refrigeration)ゾーン1702b及び3つめの冷凍(freezer)ゾーン1702cのそれぞれは、図19Cに示されるように、各々の個別のビンカルーセル222bを含む。断熱素材で出来た直立(upright)障壁1703aが、より大きな常温ゾーン1702aの2つのビンカルーセル222bと2つの冷温格納(cold-storage)ゾーン1702b,1702cとの間に垂直方向に直立(vertically upright)にたてられている。例えば、直立障壁1703aは輸送車両215cの格納空間の中央長手方向中間面内にあり、この長手方向においてトレーラ1701の長さ(図17A~17Bに示されるように、トレーラ1701の前端1701aからトレーラ1701の後端1701b迄)を完全に又は殆ど完全にわたるように広がる。したがって、直立障壁1703aは、常温ゾーン1702aを2つの冷温格納ゾーン1702b,1702cから物理的且つ熱的に隔離する。断熱素材でできたより小さな水平障壁1703bが、冷温格納ゾーン1702b,1702cの2つのビンカルーセル222bの間の高さで、トレーラ1701の長さに関して完全に又は殆ど完全に延びるのであり、それによって2つの冷温格納ゾーン1702b,1702cを相互に物理的且つ熱的に隔離する。図19A~19Cは、冷蔵又は冷凍格納容量よりもより多くの常温格納容量が要される典型的なシナリオについて例示しているも、異なる実施形態では、トレーラ1701及びビンカルーセル222bに関しての相対的サイジング及び選択される細分化態様は変えることができることを理解されたいのであり、環境的に異なる格納ゾーンの数についてもそうである。実施形態では、トレーラ1701はたった2つの環境的に異なる格納ゾーン(environmentally distinct storage zone)に細分化されており、例えば常温ゾーンと冷蔵ゾーンとされていたり又は常温ゾーンと冷凍ゾーンとされていたり又は冷蔵ゾーンと冷凍ゾーンとされていたりすることができ、それらの相対的大きさは等しくされたり等しくなくされたりすることができる。輸送車両215cの全部又は一部が3つより少ない環境ゾーン(environmental zone)を有する実施形態では、FOビン224dの環境フラグ又はFOビン224dの内容物に対して記録された環境データは、そのFOビン224dの宛先施設_IDと共に用いられて、FOビン224dが所与の輸送車両215cに積み込まれるべきか否かを決定するのであり、これはその輸送車両215cの次のあて先の施設_ID及びその輸送車両215cに関して記憶された環境データ(その環境ゾーンを規定するデータ)に基づいてなされる。
図19A~19Cは、実施形態による、FOビン224dをマイクロ-ナノ輸送車両215cの1つ{に積み込む/から積み降ろす}ためになされる、図7に示されるマイクロ施設14の出発積み込みドック702での各々の積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dの使用について例示する。実施形態では、マイクロ施設14の積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dは、輸送車両215cのビンカルーセル222bの数と等しい数量で設けられている。したがって、4つの積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dは例示的実施形態でもうけられている4つのビンカルーセル222bに対応する。4つの積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dは次のものを含む:輸送車両215cの常温ゾーン1702aの2つのビンカルーセル222bについて積み込み/積み降ろしをなすための、整列された関係で互いに重なるように配置された2つの常温ゾーン用の積み込み/積み降ろしコンベヤ710a,710bと;2つの常温ゾーン積み込み/積み降ろしコンベヤ710a,710bのうちの上位のもの710aと並んで配置された冷蔵ゾーン積み込み/積み降ろしコンベヤ710cと;2つの常温ゾーン積み込み/積み降ろしコンベヤ710a,710bのうちの下位のものと並んで且つ図19Cに示されるように冷蔵ゾーン積み込み/積み降ろしコンベヤ710cの下に整列された関係で配置された冷凍ゾーン積み込み/積み降ろしコンベヤ710d。
マイクロ施設14の出発積み込みドック702にマイクロ-ナノ輸送車両215cが到着したらば、マイクロ-ナノ輸送車両215cの後部積み込み扉が開放されるのであって、例えばこれは輸送車両215cの運転手によって又は図2A~2Bに示される車両管理サブシステム216によって自動的になされる。4つの移転コンベヤ223はそれらの展開済み位置に動かされるのであって、例えばこれは手動的に又は車両管理サブシステム216の自動制御下にてなされる。輸送車両215c内の移転コンベヤ223のレイアウト及び数量は、出発積み込みドック702の積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dのレイアウト及び数量に合致しており、したがって、移転コンベヤ223のこの展開によって、図19Bにあるように、各移転コンベヤ223の遠位端223bが、積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dの各1つの終端710e,710fとの関係で隣接するように配置される。本開示で使用されるように、積み込み/積み降ろしコンベヤの「終端」は、マイクロ施設14の共通の出発及び戻りコンベヤ路709,711から最遠且つ出発積み込みドック702のドアウェイに最近の端をいう。したがって、図19A~19Bに示されるように、輸送車両215cの展開済み移転コンベヤ223は積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dと端同士で連なっており、したがって、FOビン224dが、マイクロ施設14の積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dとマイクロ-ナノ輸送車両215cのビンカルーセル222bの積み込み位置Pとの間で移転されることを可能とする。
ビン取り扱い機材に関して単一のコンベヤを用いる事例を開示したのであり、注文を含んでいるDFOビン224dが自動的にマイクロ施設14の注文詰め込みワークステーション706から出発積み込みドック702へと移転されるのであり、空のUFOビン224d及び返品を含むUFOビン224dが自動的に出発積み込みドック702からそれぞれ注文詰め込みワークステーション706及び返品ワークステーション704へと移転されるのであり、そのようなDFOビン224dを出発積み込みドック702にてそのようなUFOビン224dと交換する処理については後述する。
図20は、実施形態による、マイクロ施設14とその出発積み込みドック702(図7に図示)に下流ナノ施設16(図4A~4Bに図示)から到着する輸送車両215cとの間での格納ビンの交換を管理するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。実施形態では、この輸送車両215cは輸送車両215cが再び向かうことになる所と同じナノ施設16からマイクロ施設14に到着する。輸送車両215cがマイクロ施設14の出発積み込みドック702に到着したらば(S2001)、ステップ2002では、図2A~2Bに示される輸送車両215cの車両管理サブシステム216は、自機の車両_ID及び輸送車両215cが次に向かうナノ施設16の施設_IDを含む到着信号を、輸送車両215cが到着するマイクロ施設14の施設管理サブシステム204へと、送信するのであり、随意的には中央コンピューティングシステム201にも送信がされる。図19A~19Bに示される輸送車両215c上の移転コンベヤ223が、図18A~18Cに示される輸送車両215cのビンカルーセル222b{へと/から}格納ビンを移転するため(即ち輸送車両215cのインデクスされた格納アレイ{へと/から}それらを移転するため)の自動化ビンハンドラーとして用いられる実施形態において、この準備段階では、これらの自動化ビンハンドラーはステップ2003で初期化されるのであり、これは出発積み込みドック702にて輸送車両215cのドッキングがなされている際又はその後に移転コンベヤ223をそれらの展開済み位置に降下させることによってなされる。
ステップ2004で輸送車両215cの車両管理サブシステム216は、そのオンボードビンテーブル325に対して、何らかのUFOビン224dが搭載されているかについてクエリを発するのであり、それによって、輸送車両215cから格納ビンを積み降ろすことが必要であるか又は輸送車両215cが既に空であるかについて評価するのであって、即ち、それらが輸送車両215cが次に向かうナノ施設16へとDFOビン224dを届けることに関して該ビンの詰め込み行為を受け付け得るのかが評価される。車両215cにUFOビン224dが搭載されていない場合、処理は後述のステップ2005へと続く。
車両215cにUFOビン224dが搭載されている場合、ステップ2011で輸送車両215cの車両管理サブシステム216は、UFOビン224dが載っているビンカルーセル222bをアクティブ化するのであり、それによって、そのUFOビン224dを載せているカルーセルプラットフォーム1801をビンカルーセル222bの積み込み/積み降ろし位置Pへと動かす(但し、カルーセルプラットフォーム1801が既に積み込み/積み降ろし位置Pにあった場合にはこの限りでない)。ステップ 2012では、そのビンカルーセル222bと関連付けられているビンハンドラーがアクティブ化されて、UFOビン224dをビンカルーセル222bのカルーセルプラットフォーム1801から積み降ろす。ビンハンドラーがビンカルーセル222bから後方に向かって延びる各々の移転コンベヤ223である実施形態では、このステップは、車両管理サブシステム216によってそのビンカルーセル222bについて各々の移転コンベヤ223をアクティブ化して、UFOビン224dをマイクロ施設14の出発積み込みドック702の各々の積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dへと搬送することを伴う。実施形態では、このコンベヤのアクティブ化は、UFOビン224dをビンカルーセル222bのカルーセルプラットフォーム1801から補助を伴ってずらすことを伴うのであり、これは出発積み込みドック702を担当している人間又はロボットのワーカによってなされるか又は輸送車両215cのトレーラ1701内に設けられておりその後端1701bの近くの場所にありカルーセルプラットフォーム1801の積み込み位置と協調可能であるアクチュエータ又は別の積み降ろし補助装置(不図示)の車両管理サブシステム216の自動的アクティブ化によってなされるのであり、UFOビン224dをカルーセルプラットフォーム1801から移転コンベヤ223へと押す又はカルーセルプラットフォーム1801を後方へと下向きに傾けてUFOビン224dを重力によって移転コンベヤ223上へと積み降ろす。実施形態では、各カルーセルプラットフォーム1801は自機上に自己の積み降ろしアクチュエータを備えており、カルーセルプラットフォーム1801の積み込み/積み降ろし位置Pにてアクティブ化された際にはUFOビン224dをカルーセルプラットフォーム1801の後方に動かす。輸送車両215cからマイクロ施設14へと移転コンベヤ223を解してUFOビン224dが移転されたらば、UFOビン224dの格納場所の場所_IDは、中央データベース203の格納ビンテーブル308内及びマイクロ施設14のオンサイトビンテーブル322内にて、移転コンベヤ223の機材_IDをもって更新されるのであり、それによって、UFOビン224dはリアルタイムで追跡可能な場所_IDと関連付けられることが可能となる。一方で、ステップ2013~2014では、施設管理サブシステム204及びUFOビン224dの無線通信ユニット225は相互に通信して、UFOビン224dを、そのビン_IDによって施設管理サブシステム204に対して識別し、また、その充足/返品状態インジケータからUFOビン224dが空であるか顧客返品を含むかについて評価する。実施形態では、UFOビン224dの無線通信ユニット225によるそのような通信は、UFOビン224dが積み込み/積み降ろし位置に置かれたことがビンカルーセル222bに関して確認されたらば車両管理サブシステム216からそこへと発せられる命令的信号に応答して開始される。命令的信号は、無線通信ユニット225に対して、輸送車両215cのLAN221から切断して、施設管理サブシステム204のLAN206に接続して、当該通信を行うことを、命令する。
ステップ2014で、施設管理サブシステム204が、受信された状態インジケータからUFOビン224dが空であると決定した場合、ステップ2015で施設管理サブシステム204は、戻りコンベヤ路711の自動制御を命令するのであり、これは図7に示される注文詰め込みワークステーション706又は付近の空ビン集積エリア707へのUFOビン224dの配送がなされる態様でなされる。実施形態では、このステップ2015は、UFOビン224dが輸送車両215cの各々の移転コンベヤ223から受領された各々の積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dの稼働を伴うのであり、それによってUFOビン224dを上部又は下部戻りコンベヤ711a,711bのどちらかに搬送する。各々の積み込み/積み降ろしコンベヤが上部戻りコンベヤ711aに流入する、それら710a,710cの上側の1つであった場合、施設管理サブシステム204は、UFOビン224dがそこに到着したら、戻りコンベヤ路711の垂直コンベヤ711cを自動的に動作させて、空のUFOビン224dを下部戻りコンベヤ711bに下げるように搬送するのであり、転じてそれは、空のUFOビン224dを空ビン集積エリア707へと進めるように搬送するか又はフィードコンベヤ708を解して注文詰め込みワークステーション706へとそこから直接的に進めるように搬送する。各々の積み込み/積み降ろしコンベヤが下部戻りコンベヤ711b(lower return conveyor 711b)に流入する、それら710b,710dの下部上側の1つ(lower upper one)であった場合、施設管理サブシステム204は空のUFOビン224dを下部戻りコンベヤ711bで搬送して、それによって垂直コンベヤ711cをバイパスする。
ステップ2014で施設管理サブシステム204が、受信された状態インジケータから、UFOビン224dは顧客返品を含む返品UFOビン224dであると決定した場合、ステップ2016で施設管理サブシステム204は、異なる態様で戻りコンベヤ路711の自動制御を命令するのであり、返品ワークステーション704の1つへ返品UFOビン224dが配送されることを惹起する。実施形態では、空のUFOビン224dであっても返品UFOビン224dであっても、初期のコンベヤベースド経路指定は同じであり、ただ、返品UFOビン224dが空ビン集積エリア707及び注文詰め込みワークステーション706へとつながる接続されたフィードコンベヤ708に届く前に下部返品コンベヤ711bへと迂回させられるという点で異なるにすぎない。他の実施形態では、異なるワークステーションタイプ間の具体的なレイアウト及びそれらのワークステーション又は関連する集積エリアへと空及び返品UFOビン224dを届けるための1つ以上のコンベヤ路の構成は、様々である。
一方で、ステップ2017では、車両管理サブシステム216は、自己の記録を更新して、UFOビン224dの輸送車両215cからマイクロ施設14への移転を反映させるのであり、これをなすために、そのUFOビン224dのビン_IDをオンボードビンテーブル325から除いて、また、車両情報テーブル323内の占有中又は空のFOビン224dの数量についてデクリメントを行う(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。このステップで、実施形態では、車両管理サブシステム216は、輸送車両215cからオフロードされたばかりのUFOビン224dのビン_IDと共に、ビン出発信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、FOビンテーブル313内のこのUFOビン224dについての記録から、輸送車両215cの車両_IDを、削除する。また、ステップ2018では、施設管理サブシステム204は、自己の記録を更新して、UFOビン224dの輸送車両215cからマイクロ施設14への移転を反映させるのであり、これをなすために、そのUFOビン224dのビン_IDをマイクロ施設14のオンサイトビンテーブル322に加えるのであり、また、施設情報テーブル319内において空の又は占有中のFOビンの数量をインクリメントする(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。このステップにおいて、実施形態では、施設管理サブシステム204は、マイクロ施設14に受け付けられたばかりのUFOビン224dのビン_IDと共に、ビン受付信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、FOビンテーブル313内のこのUFOビンについての記録に、マイクロ施設14の施設_IDを、追加する。したがって、ステップ2011~2018は、1つのUFOビン224dを、そのマイクロ施設14の出発積み込みドック702に到着するマイクロ-ナノ輸送車両215cから、マイクロ施設14へと移す単一の上流移転を集合的に行うのである。
一方で、ステップ2019では、車両管理サブシステム216は、輸送車両215c上に追加的なUFOビン224dが残存しているかについてチェックを行うのであり、追加のUFOビン224dがある場合はステップ2011~2019が繰り返される。輸送車両215cが複数のビンカルーセル222bを備える実施形態では次のことに留意されたい:ステップ2011~2019にて参照されたシーケンスに関して複数のインスタンスを(輸送車両215cのビンカルーセル222b毎に1つを)並列で実行できるのであり、それによってそのビンカルーセル222bの全てが一斉に積み降ろされる。ステップ2019で追加のUFOビンが識別されなかった場合、車両管理サブシステム216は施設管理サブシステム204に対してシグナリングをなして、ステップ2005から始まってDFOビン224dを輸送車両215cに積み込むことを開始させる。ステップ2005で施設管理サブシステム204は、DFOビン224dを積み込みドック702へと自動的に配送させるのであり、輸送車両215cが複数の環境的に異なる格納ゾーンを伴うならば、出発積み込みドック702の特定の引き渡し位置へと配送させるのであり、これはDFOビン224dの仕向先たる輸送車両215cの特定の環境ゾーンに応じており、DFOビン224d上に記録されているか同ビン対して記録されている環境フラグ又は環境データによってこれが規定されている。実施形態では、DFOビン224dを適切な引き渡し位置(hand-off position)へと移すこの経路指定行為は、積み込みドック702における出発コンベヤ路709及び積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dの各々のセットの自動制御によって実行される。DFOビン224dの仕向先たる積み込みドック702の積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dから未だ上流に所在する場合のDFOビン224dの地点において、施設管理サブシステム204はそのDFOビン224dについての記録されている環境フラグ又はデータについてクエリを発するのであり、例えば、そのモバイルデータ記憶装置226からそうしたり、実施形態によっては中央データベース203からそうしたり、ローカル施設データベース207内に保存されている場合にはローカル似て複製されている記録からそうしても良いのであり、それらに基づいて、図19A~19Cに示される輸送車両215cの所定の環境ゾーンのうちのどれにDFOビン224dを置くべきかを識別する。施設管理サブシステム204は出発コンベヤ路709を作動させて、DFOビン224dを適切な引き渡しポイント(hand-off point)に届けて、そこからDFOビン224dは輸送車両215cの所定の環境ゾーン内へと仕向けられる。様々な実施形態では、輸送車両215cの異なる環境ゾーンへのこれらの異なる引き渡しポイントは、出発積み込みドック702の外寄りに設けられ且つ輸送車両215cの環境ゾーンレイアウトに合致するレイアウトでもうけられた異なる積み込み/積み降ろしコンベヤ710a,710bの終端である。
一方で、ステップ2006で、DFOビン224dが積み込みドック702の適切な引き渡しポイントへそのようなコンベヤベースド経路指定によって送られる際、DFOビン224dの環境フラグ/データは車両管理サブシステム216に伝達されるのであり、これは施設管理サブシステム204からであっても或いはDFOビン224d自体の無線通信ユニット225からであっても良い。これに応答して、車両管理サブシステム216はこの環境フラグ/データを用いて、自己のカルーセルプラットフォーム1801の空となっている1つを識別するのであって車両格納テーブル324内のその環境状態インジケータは環境フラグ/データに合致するものとされ、それによって空のカルーセルプラットフォーム1801は予期されるDFOビン224dの環境要件に適合した輸送車両215cの環境ゾーン内にあることが確認される。車両管理サブシステム216は、適合した空のカルーセルプラットフォーム1801が属するビンカルーセル222bをアクティブ化して、適合した空のカルーセルプラットフォーム1801をそのビンカルーセル222bの後部積み込み/積み降ろし位置Pへと再配置するのであり、これはそのような位置に適合した空のカルーセルプラットフォーム1801が既に見当たらない場合になされる。
輸送車両215cの少なくとも1つのゾーンが1つ以上のビンカルーセル222bを有する実施形態では、施設管理サブシステム204がDFOビン224dを届ける特定の引き渡しポイントが、輸送車両215cがDFOビン224dを受け取る準備をしているビンカルーセル222bと、合致することを担保することは、様々な手法でなされる。実施形態では、施設管理サブシステム204は、輸送車両215cの特定のマルチカルーセルゾーン1702aへと仕向けられている全てのDFOビン224dをそのゾーンの複数の引き渡しポイントの特定の第1の所へと先ず届けるようにプログラムされているのであり、そこへと命じられるDFOビン224dの数量がその引き渡しポイントからフィードされる特定のビンカルーセル222bの既知の容量に達する迄これがなされるのであり、そうなった場合のみに同じゾーンの次のビンカルーセル222bにフィードする次の引き渡しポイントに切り替えて、DFOビン224dを当該第2の引き渡しポイントに届けるのであり、そのゾーンの対応する第2のビンカルーセル222bの容量に到達するまでこれがなされる。このような手順は第3の及び後続する任意のビンカルーセル222bについても繰り返されるのであり、ゾーンの全ビンカルーセル222bが満杯になる迄これがなされる。このような場合、車両管理サブシステム216は、そのマルチカルーセルゾーン内における複数のビンカルーセル222bの積み込みを制御するようにプログラムされており、施設管理サブシステム204によって遵守された引き渡しポイントシーケンスと合致する予め定められたシーケンスにて1つずつこれがなされる。別の実施形態では、マルチカルーセルゾーンの複数のビンカルーセル222bを同時的に積み込んで時間的効率性を向上させる
施設管理サブシステム204は、マイクロ施設14が各DFOビン224dを送りつける引き渡しポイントについて車両管理サブシステム216に対して報告するのであり、正しい合致するビンカルーセル222bが適宜アクティブ化されることを可能として、積み込み位置に利用可能な空のカルーセルプラットフォーム1801をもたらすのであり、施設管理サブシステム204はここでも再びマイクロ施設14が各引き渡しポイントへ幾つのDFOビン224dを送っているのかを追跡して、そこからフィードされる各々のビンカルーセル222bの容量を超過しないことを担保する。別の実施形態では、施設管理サブシステム204は、DFOビン224dの環境データを車両管理サブシステム216へと送って、車両管理サブシステム216が、自己の環境的に適合したビンカルーセル222bのうちから空の環境的に適合したビンカルーセル222bをまず選択することを可能として、これが施設管理サブシステム204に報告として戻されるのであって、適切なマルチカルーセルゾーン内のそれらからの輸送車両215cのビンカルーセル222bについての特定の選択に基づいて適切な引き渡しポイントの選択のためにこれがなされる。この実施形態では、施設管理サブシステム204ではなく、車両管理サブシステム216が、各ビンカルーセル222bに積み込まれるDFOビン224dの数量を各々の最大許容容量(maximum allowable capacity)まで追跡する。開示のように、実施形態では、ビンカルーセル222bの最大容量(maximum capacity)の測定は、そのビンカルーセル222b上のカルーセルプラットフォーム1801についての実際の個数に等しい真正最大容量(true maximum capacity)又は例えば真正容量(true capacity)から1を減じた等の真正最大容量(true maximum capacity)とは非等価な関係となる実効容量として反映され得る。
次に、ステップ2007では、引き渡しポイントにDFOビン224dが(例えば、積み込みドック702の積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dのうちから適切に選択された1つの終端に)到着したことが確認されたらば、自動化ビンハンドラー223はDFOビン224dを引き渡しポイントから輸送車両215cのビンカルーセル222bのもたらされたカルーセルプラットフォーム1801へと移転する。例示された実施形態では、このステップは、車両管理サブシステム216が、適切な積み込み/積み降ろしコンベヤ710a~710dの終端にある各々の移転コンベヤ223をアクティブ化することを伴うであって、それによってDFOビン224dをもたらされたカルーセルプラットフォーム1801上へと搬送する。他の実施形態では、マイクロ施設14と輸送車両215cとの間のこの最終移転ステップに用いられる特定のビン取り扱い機材は、特定のビン取り扱い機材がマイクロ施設14又は輸送車両215cの一部であるか即ち施設管理サブシステム204又は車両管理サブシステム216によって制御されているか否かにかかわらず、車両管理サブシステム216によって制御された例示されているコンベヤベースド(conveyor-based)ハンドラー223とは異なる。他の実施形態では、DFOビン224dの出発積み込みドック702へのコンベヤンスベースド(conveyance-based)経路指定の全部の一部(part of all of)及び輸送車両215cへの最終移転は、施設管理サブシステム204のHMIによってそこへと伝達された可視/可聴命令に基づいて人間の作業員によってなされる。別の実施形態では、経路指定の一部又は全部(part or all of)は、マイクロ施設14のグリッド格納構造703で用いられるのと類似の又は異なる設計のロボティックハンドラーによってなされるが、該ハンドラーは、フルサイズのFOビンが代替的に用いられている場合でない限り、より小さなFOビン224dとの互換性確保のために変更されている
ステップ2008では、DFOビン224dがマイクロ施設14から輸送車両215cへと引き渡されたことが確認されたらば、施設管理サブシステム204は、自己の記録を更新して、DFOビン224dのマイクロ施設14から輸送車両215cへの移転を反映させるのであり、これをなすために、マイクロ施設14のオンサイトビンテーブル322からそのDFOビン224dのビン_IDを除いて、また、施設情報テーブル319内の占有中のDFOビン224dの数量についてデクリメントを行う(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。このステップで、実施形態では、施設管理サブシステム204は、マイクロ施設14からオフロードされたばかりのDFOビン224dのビン_IDと共に、ビン出発信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、FOビンテーブル313内のこのDFOビンについての記録から、マイクロ施設14の施設_IDを、削除する。
また、ステップ2009で、車両管理サブシステム216は、DFOビン224dのビン_IDを、以前その環境データと共に受信していなければ、受信するのであり、例えば、これは施設管理サブシステム204からであっても或いはDFOビン224d自体の無線通信ユニット225からであっても良いのであり;車両管理サブシステム216は、自己の記録を更新して、DFOビン224dのマイクロ施設14から輸送車両215cへの移転を反映させるのであり、これをなすために、そのDFOビン224dのビン_IDを輸送車両215cのオンボードビンテーブル325に加えて、また、車両情報テーブル323内の占有中のDFOビンの数量についてインクリメントを行う(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。また、車両管理サブシステム216は、そのDFOビン224dが置かれたカルーセルプラットフォーム1801の場所_IDに対してDFOビン224dのビン_IDを車両格納テーブル324内に記録するのであり、及び/又はそのDFOビン224dのビン_IDに対してその格納場所の場所_IDをオンボードビンテーブル325内にて記録する。このステップで、実施形態では、車両管理サブシステム216は、輸送車両215cに受け付けられたばかりのDFOビン224dのビン_IDと共に、ビン受付信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、FOビンテーブル313内のこのDFOビン224dについての記録に、輸送車両215cの車両_IDを、書き込む。ビン受付信号は、中央データベース203のFOビンテーブル313内において預け入れられたUFOビン224dのビン_IDに対して記録するための場所_IDをさらに含む。このようにして、DFOビン224dの所在についてのあらゆる記録は、施設/車両レベル及び具体的格納場所レベルの両方に関して、マルチノーダルサプライチェーンシステム200の全般にわたって完全に更新される。
一方で、ステップ2010では施設管理サブシステム204によって、輸送車両215cに積み込むべきさらなるDFOビン224dがあるかについてチェックがなされるのであり、例えば、宛先施設_IDが輸送車両215cが向かうことが予定されているナノ施設16の施設_IDに合致するものが入れられたDFOビンについて、オンサイトビンテーブル322をクエリすることによってこれがなされるのであり、このような追加のDFOビン224dに関して輸送車両215cに余力容量があることが確認されることにこれが条件付けられており、例えば施設管理サブシステム204自身の既に輸送車両215cに積み込まれたDFOビン224dについての集計カウントによることができ、又は、その余力容量を確認するために車両管理サブシステム216と通信することができる。このような余力チェックは、複数の環境ゾーンを有する輸送車両215cについて、環境ゾーン毎になされることになろう。あり得るゾーンタイプの全てを有してはいない(例えば、常温・冷蔵・冷凍ゾーンのうち1つ又は2つを有するが全3種は有さない)輸送車両215cを用いる実施形態又は局面においては、輸送車両215cに積み込まれるべき追加のDFOビン224dに関してのチェックは、DFOビン224dの宛先施設_IDを輸送車両215cの次の予定されている宛先との関係でチェックすることのみならず、そのDFOビン224d{上で/に対して}記憶されている環境フラグ又はデータを輸送車両215cが有している環境ゾーンとの関係でチェックすることを伴い得る。実施形態では、これは、車両格納テーブル324内の環境状態フィールドに対してクエリすること、又は、より便利にするのならば、ローカル車両データベース220の車両情報テーブル323若しくは中央データベース203の輸送車両テーブル307に対してそれらに記憶されている環境データについてクエリすることに基づいており、その特定の輸送車両215cが有する環境ゾーンタイプを規定できる。ステップ2010にて輸送車両215cにさらに積み込むことを要するDFOビン224dがなければ、積み込み/積み降ろし処理は完了するのであり、その際には輸送車両215c上の移転コンベヤ223がそれらの格納位置へと戻されるのであり、輸送車両215cの後部積み込み扉が、例えば車両管理サブシステム216による自動制御下又は車両の操縦者若しくは施設作業員からの人的な動作履行/補助等の下で、閉じられるのであり、これによって輸送車両215cは宛先たるナノ施設16に向けて進む準備が整ったことになる。
輸送車両215cが複数のビンカルーセル222bを備える実施形態では次のことに留意されたい:ステップ2005~2010にて参照されたシーケンスに関して複数のインスタンスを相互に並列で、及び/又は、未だに完成されていないシーケンス2011~2019のインスタンスとの関係にて並列で、実行されるのであり、1つ以上のビンカルーセル222bの積み込みは、他のビンカルーセル222bの1つ以上の積み込み又は積み降ろしと同時になされる。
図21Aは、実施形態による、マルチノーダルサプライチェーンシステム200のナノ施設16についての上面図、側面図、及び背面図である。実施形態では、図2A~2B,4A~4Bに示されるメガ施設・マクロ施設・マイクロ施設10,12,14各々にて用いられるロボットによるサービスを受ける且つ静的であるグリッド格納構造507,603,703の代わりに、無人のナノ施設16は、マイクロ-ナノ輸送車両215cにあるのと同一又は類似の構成並びに等しい個数の1つ以上の動的格納ビンカルーセル222cを用いる。実施形態では、無人のナノ施設16は例えば図21A~21Cに示されるように4つのビンカルーセル222cを備える。
実施形態では、ナノ施設16は、小さな細長い収容所2101を備えるのであって、その第1の車両配達端2101aに1つ以上の開放可能配達扉を伴い、そこを通じてFOビン224dが小規模マイクロ-ナノ輸送車両215cとの間で交換されるのであり、また、細長い収容所2101の第2の長手方向に対向する側のピックアップ端2101bには1つ以上の開放可能ピックアップ扉があり、これは顧客注文をピックアップする顧客及び配送員によるアクセスのためのものである。したがって、各ビンカルーセル222cは、自己のカルーセルプラットフォーム2106の各々を、第1の車両配達端2101aの配達扉の隣のビン積み込み/積み降ろし位置PLと、第2のピックアップ端2101bのピックアップ扉の隣の注文ピックアップ位置PPとの間で、駆動するように動作可能である。この実施形態では、ピックアップ扉の個数はビンカルーセル222cの個数に等しく、各ピックアップ扉は各々のビンカルーセル222cの1つのみのピックアップ位置PPへのアクセス権を取得する。もっとも、ピックアップ扉は、細長い収容所2101の第2のピックアップ端2101bに配置されていることを要さないことに留意されたいのであり、故に、ピックアップ位置PPは細長い収容所2101の第2ピックアップ端2101bに配置されていることを要さない。実施形態では、ピックアップ扉は細長い収容所2101の側面に配置されて、そのサイドアクセスピックアップ扉と整列された所定のピックアップ位置にカルーセルプラットフォーム2106が静止して駐機された際に各々のビンカルーセル222cのカルーセルプラットフォーム2106へのサイドアクセスを可能とする。
別の実施形態では、ナノ施設16は小さな細長い収容所2101であって、その第1の配達端2101aに1つ以上の開放可能配達扉を伴い、そこを通じて注文ビンが小規模輸送車両215cとの間で交換されるのであるが、長手方向に対向する端部にビンカルーセル222cの個数とに対して1対1の関係でピックアップ扉のセットが提供されており、ピックアップ扉の1つ以上のカルーセル特有のセットが収容所2101の長辺の一方又は双方に沿って配列されている。各カルーセル特有のセットの各ピックアップ扉は、ビンカルーセル222cが静的な非運動状態(static non-moving state)にある場合に各々のビンカルーセル222cの異なるカルーセルプラットフォーム2106と整列する。実施形態では、全カルーセルプラットフォーム2106はいつでも個別的に且つ独立的にアクセス可能であり、ビンカルーセル222cは顧客又は配送員によるアクセスをもたらすために各カルーセルプラットフォーム2106を進めて達することを要する単一の所定のピックアップ位置PPを有さないものとされている。少なくとも2つのビンカルーセル222cが並んで所在している事例では、細長い収容所2101の両側面は、それらの並んでいるビンカルーセル222cの各1つへのアクセスを提供するためのピックアップ扉のセットを少なくとも1つ備えている。2つ以上のビンカルーセル222cが行の用に配列されており、各行は互いに上下に重なった少なくとも2つのビンカルーセル222を含む場合、異なる高さにおいて複数のセットのドアが設けられており、各々はビンカルーセル222cの各1つに合致する各々の高さにあり、そのカルーセルプラットフォーム2106はドアのそのセットからアクセス可能とされている。
実施形態では、図21A~21Cに示されるように、細長い収容所2101は嵩上げされたマウンティングパッド2104上に設けられておりこれは地表面2105から上方に浮かせての配置のためであり、嵩上げされたマウンティングパッド2104の高さは、それらのマイクロ-ナノ輸送車両215cと等しい又はおおよそ等しい高さに、細長い収容所2101のビンカルーセル222cが置かれることとなるように選択される。顧客又は配送員が細長い収容所2101のピックアップ扉にアクセスするために、アクセス斜面2103及び随意的な階段2102が設けられて地表面2105から嵩上げされたマウンティングパッド2104に達することができる。実施形態では、階段2102及び/又は斜面2103は、例えばコンクリート構造物等の一枚岩的な構造の一部として嵩上げされたマウンティングパッド2104に統合的に組み込まれている。階段2102及び斜面2103は、嵩上げされたマウンティングパッド2104の、細長い収容所2101の配達端2101aが設けられている側以外の側の外周領域に配置されている。細長い収容所2101の配達端2101aの下側においては、嵩上げされたマウンティングパッド2104は地表面2105への急な落差があり、輸送車両215cは嵩上げされたマウンティングパッド2104の外周エッジのこの落差にかなり近づいて、ナノ施設16の配達端2101aと正しくドッキングすることができる。
施設管理サブシステム204が、到着格納ビン及びビン内容物の監視及び追跡のみならず、それらの各々インデクスされた格納アレイのロボティックハンドラー208及び施設10,12,14内の例えばコンベヤ等の他の自動化取り扱い機材の動作を担当することになる、他の施設10,12,14と似ており、実施形態では、各ナノ施設16は全体のサプライチェーンシステム200に統合された施設管理サブシステム204を備える。ナノ施設16のこの施設管理サブシステム204は、ナノ施設16の自動化ビン取り扱い機材の制御を担当するのであり、これは例えば、カルーセルベースドな実施形態では、ビンカルーセル222cの電気モータを駆動すること、及び、ローカル施設データベース207の施設格納テーブル320a内に場所_ID(Location_ID)が記憶されているインデクスされたカルーセルプラットフォーム2106の位置(position)を監視することを含み、また、ナノ施設16のこの施設管理サブシステム204は、到着FOビン224d上に記憶されたデータの読み出し、及び、中央データベース203を更新してナノ施設16にそれが到着したことを反映させることを担当するのであり、これは顧客又は配送員が中央コンピューティングシステム201によって自動的に通知されるようになされるのであり、これは例えば特定のナノ施設16にて顧客注文のピックアップの準備が整ったことについての電子メール(eメール)、ショートメッセージサービス(SMS)メッセージ、又は他の通信とすることができる。
図22A~22Bは、実施形態による、ナノ施設16にドッキングされた図17A~17Cの小規模輸送車両215cについて上面図及び側面図をそれぞれ示すのであり、該車両は図4A~4Bに示されたマイクロ施設14からそこへとFOビンを届けるため、及び、マイクロ施設14へと戻すためにナノ施設16からの空のビン又は返品注文ビンを収集するためのものである。図22A~22Bに示されるように、マイクロ-ナノ輸送車両215cは、細長い収容所2101の第1の車両配達端2101aにある開放された配達扉を通じてナノ施設16にドッキングされており、輸送車両215cの移転コンベヤ223は、トレーラ1701の後端1701bから後方へと延びるように、輸送車両215cの開放されている積み込み扉及びナノ施設16の開放されている配達扉を通じて展開されている。したがって、各展開済み移転コンベヤ223の遠位端は、ナノ施設16内にて、密接して隣接的に、ナノ施設16のビンカルーセル222cの各1つの積み込み/積み降ろし位置PLとおおよそ等しい高さに、配置されており、それによってナノ施設16のビンカルーセル222cのこの積み込み/積み降ろし位置PLと輸送車両215cの各々のビンカルーセル222bとの間を架橋する。ナノ施設16のビンカルーセル222cが輸送車両215cのビンカルーセル222bのそれらの高さとおおよそ合致するように選択された高さにて設けられている例示の実施形態では、移転コンベヤ223の展開された位置は、2つのセットのビンカルーセル222c,222bの間にわたるのであり、それらによってそれらの間に水平な橋が形成される。
他の施設クラス即ちメガ・マクロ・マイクロ施設について開示された積み込み/積み降ろし(loading/unloading)手順と似ており、マイクロ施設14からのものが入れられたDFOビン224dがナノ施設16にて到着マイクロ-ナノ輸送車両215cからオフロード(offload)される際、ナノ施設16からの空のUFOビン224dは、例えば到着DFOビン224dの元となっているマイクロ施設14と同じマイクロ施設14への輸送のために同じマイクロ-ナノ輸送車両215cに積み込まれる。他の施設10,12,14と似ており、詳細を伴う事例は到着した輸送車両の元となった施設と同じ施設へ空の格納ビンを上流へと戻すことに関するが、他の事例では、輸送車両は、到着した輸送ビークの元となった施設とは異なる上流側施設へと向かう。
図23A~23Bは、実施形態による、ナノ施設16とそこに図4A~4B,22A~22Bに示されるマイクロ施設14から到着する輸送車両215cとの間での注文ビンの交換を管理するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。輸送車両215cがナノ施設16に到着した際になされる、輸送車両215cからの注文が入れられたDFOビン224dを、ナノ施設16からの空の又は返品含有UFOビン224dと交換する処理は、図23A~23Bに示されている。例として、この輸送車両215cは、輸送車両215cが後に再度向かうことになるのと同じマイクロ施設14からナノ施設16に到着したものかもしれない(S2301)。ステップ2302では、輸送車両215cがナノ施設16に到着したらば、図2A~2Bに示される輸送車両215cの車両管理サブシステム216は、自機の車両_ID及び輸送車両215cが次に向かうマイクロ施設14の施設_IDを含む到着信号を、輸送車両215cが到着するナノ施設16の施設管理サブシステム204へと、送信するのであり、実施形態では、随意的には中央コンピューティングシステム201へと送信される。輸送車両215cの積み込み扉及びナノ施設16の配達扉は開放されるのであって、これは輸送車両215cの運転手によって又は各々車両管理サブシステム216及び施設管理サブシステム204によって自動的になされても良く、輸送車両215cはナノ施設16とドッキング関係性を有するように後退させられる。輸送車両215c上の移転コンベヤ223が、ビンカルーセル222b{へと/から}DFOビン224dを移転するため(即ち輸送車両215cのインデクスされた格納アレイ{へと/から}それらを移転するため)の自動化ビンハンドラーとして用いられる実施形態において、この準備段階では、これらの自動化ビンハンドラーはステップ2303で初期化されるのであって、これはナノ施設16の配達扉にて輸送車両215cのドッキングがなされている際又はその後に移転コンベヤ223をそれらの展開済み位置に降下させることによってなされるのであり、これは手動的に又は車両管理サブシステム216の自動制御下のいずれかにてなされる。実施形態では、後部積み込み扉の開放及び移転コンベヤ223の展開は、随意的にはドッキング位置への輸送車両215cの後退を先行するのであり、それによって正しく整列された位置へと輸送車両215cが後退させられることを担保する。
ステップ2304で輸送車両215cの車両管理サブシステム216は、そのオンボードビンテーブル325に対して、何らかのDFOビン224dが搭載されているかについてクエリを発するのであり、それによってDFOビン224dを輸送車両215cから積み降ろすべきかを評価するのであり、又は、輸送車両215cが既にからでありそれ故に輸送車両215cが次に向かうマイクロ施設14へと輸送されることが予定されているUFOビン224dをそこに積み込むことを許容できるのかを評価する。車両215cにDFOビンが搭載されていない場合、処理は後述のステップ2310へと進む。
車両215cにDFOビン224dが搭載されている場合、ステップ2305では、輸送車両215cの車両管理サブシステム216は、DFOビン224dが輸送車両215cのどのビンカルーセル222bから引き渡されるのかを示す引き渡し指定信号を、ナノ施設16の施設管理サブシステム204へと送るのであり、それによって、ナノ施設16のどのビンカルーセル222bがそのDFOビン224dを受け付ける準備を整えるべきかが表すのであってこれは1対1のカルーセル比率及び輸送車両215cとナノ施設16とで共有される一致するカルーセルレイアウトに基づいている。一方で、輸送車両215cの車両管理サブシステム216は、DFOビン224dが載っているビンカルーセル222bをアクティブ化するのであり、それによって、既に積み込み/積み降ろし位置に所在していなければ、DFOビン224dを載せている図18A~18C,22A~22Bに示されるカルーセルプラットフォーム1801を積み込み/積み降ろし位置Pに動かす。一方で、ステップ2306で、ナノ施設16の施設管理サブシステム204は自己の施設格納テーブル320aに対してクエリを発して対応するビンカルーセル222c上にあり引き渡し指定信号によって指定された空のカルーセルプラットフォーム2106を識別するのであり、また、対応するビンカルーセル222cをアクティブ化して、既に積み込み/積み降ろし位置になければ、対応するビンカルーセル222cの識別された空のカルーセルプラットフォーム2106を積み込み/積み降ろし位置PLへと動かす。
ステップ2307で施設管理サブシステム204は、準備の整った空のビンカルーセル222cが積み込み/積み降ろし位置PLにあることを、車両管理サブシステム216にシグナリングするのであり、これに応答して車両管理サブシステム216は(例えば各々の移転コンベヤ223等の)自動化ビンハンドラーをアクティブ化して、DFOビン224dを、輸送車両215cのビンカルーセル222bのもたらされたカルーセルプラットフォーム1801から、ナノ施設16の対応するビンカルーセル222cのもたらされた空のカルーセルプラットフォーム2106上へと積み降ろすのであり、随意的にはビンカルーセル222bのカルーセルプラットフォーム1801からのDFOビン224dのずらしは補助を伴い、例えば自動化アクチュエータや他の積み降ろし支援装置によって補助され得る。一方で、ナノ施設16の施設管理サブシステム204のローカルコンピュータは、到着DFOビン224dのモバイルデータ記憶装置226と通信して、そのビン_IDを受信するのであって、随意的にはそこに所在している顧客注文の注文番号も受信されるのであり、例えば自動化ビンハンドラーによってインデクスされた格納アレイの各々の格納場所内にDFOビン224dが配置されている際であったり、例えば移転コンベヤ223によってナノ施設16のビンカルーセル222cの空のカルーセルプラットフォーム2106上へのDFOビン224dの配置の際になされ得る。実施形態では、施設管理サブシステム204とこの情報(例えば、ビン_IDや注文番号)を共有するためのDFOビン224dの接続及び通信は、車両管理サブシステム216からの無線指示信号に応答して開始されるのであって、該信号はDFOビン224dの無線通信ユニット225に対して輸送車両215cのLAN221(例えば、無線ネットワーク)から切断するように命令するのであり、代わりにナノ施設16のLAN206(例えば、無線ネットワーク206)に接続するように命令するのであり、そうしたらばそのような通信をそこへと発する。実施形態では、車両管理サブシステム216からのこの命令的信号及び結果として生じる施設管理サブシステム204とのDFOビン224dの通信は、自動化ビンハンドラー(例えば、輸送車両215cの移転コンベヤ223)の自動的な作動との関連で開始されるのであり、これが輸送車両215cからナノ施設16へ引き渡しがなされるDFOビン224dの最終引き渡しポイントを表すからである。
ステップ2308で、DFOビン224dが輸送車両215cのカルーセルプラットフォーム1801からオフロードされたことが確認されたらば、車両管理サブシステム216は、自己の記録を更新して、DFOビン224dの輸送車両215cからナノ施設16への移転を反映させるのであり、これをなすために、輸送車両215cのオンボード(onboard)ビンテーブル325からそのDFOビン224dのビン_IDを除いて、また、車両情報テーブル323内の占有FOビンの数量についてデクリメントを行う(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。このステップで、実施形態では、車両管理サブシステム216は、輸送車両215cからオフロードされたばかりのDFOビン224dのビン_IDと共に、ビン出発信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、FOビンテーブル313内のこのDFOビン224dについての記録から、輸送車両215cの車両_IDを、削除する。
ステップ2309で、ナノ施設16の施設管理サブシステム204は、注文番号及び/又はビン_IDを、DFOビン224dがナノ施設16のインデクスされた格納アレイ内に置かれる各々の格納場所の場所_IDとの関連で、記録するのであって、例えば、受領されたDFOビン224dが置かれているビンカルーセル222cのカルーセルプラットフォーム2106に割り当てられた場所_IDが想定される。実施形態ではまた、施設管理サブシステム204は、そのDFOビン224dが置かれたカルーセルプラットフォーム2106の場所_IDに対してDFOビン224dのビン_IDをローカル施設データベース207の施設格納テーブル320a内に記録するのであり、及び/又はそのDFOビン224dのビン_IDに対してその格納場所の場所_IDをローカル施設データベース207のオンサイト(on-site)ビンテーブル322内にて記録する。施設管理サブシステム204は、中央データベース203内において注文関連記録をも更新するのであり、例えば、ビン受付信号を、自己の施設_IDと、受け付けられたDFOビン224dのビン_IDと、格納場所(例えば、DFOビン224dが置かれたビンカルーセル222cのカルーセルプラットフォーム2106)の場所_IDとを伴わせて、中央コンピューティングシステム201へと送信する。これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、FOビンテーブル313内のこのDFOビン224dについての記録に、施設_ID及び場所_IDを、書き込む。
また、ステップ2309では、ナノ施設16からのこのビン受付信号に応答して、中央コンピューティングシステム201は、そのDFOビン224dと関連付けられている注文番号を用いて(たとえビン受付信号の一部として受信されていても受信されたビン_IDを用いてFOビンテーブル313から検索されていても)、その注文の顧客ついて顧客テーブル314又は顧客注文テーブル315から電子的連絡先情報(contact information)(例えば、電子メールアドレスや電話番号等)を調べるのであるか、又は、その注文に割り当てられたラストマイル配達サービスについて顧客注文テーブル315から電子的内容情報(content information)を調べる。この連絡先情報(contact information)を用いて、中央コンピューティングシステム201は、例えば電子メールやSMSメッセージ等の電子的ピックアップ通知を顧客又は配送員へと送るのであり、該通知は識別されたナノ施設16にて注文のピックアップ準備が整っていること告げるものである。電子的ピックアップ通知は例えばナノ施設16の場所についての詳細事項を含み得るのであり、例えば施設テーブル306に記憶された事項やオンライン地図リソース等のオンラインリソースへのリンクにそのような場所情報を伴わせたものとして送られ得る。電子的ピックアップ通知はさらに例えば注文ピックアップアクセスコードを含むことができ、ナノ施設16の施設管理サブシステム204によって生成されて中央コンピューティングシステム201へと転送されるものであったり、又は、中央コンピューティングシステム201によって生成されて施設管理サブシステム204へと転送されるものであることができ、これは注文番号又はビン_IDと共にそこに例えばオンサイトビンテーブル322内にて記憶され得る。電子的ピックアップ通知によって、顧客又は配送員が施設に留置されたFOビン224d内に含まれる顧客注文を後にピックアップすることを可能とする。ビン受付信号に応答して、実施形態では、中央コンピューティングシステム201は、FOビンテーブル313に対して、受信されたビン_IDのFOビン224dのみがその注文の充足製品を保持しているものであるかについてクエリするのであり、同じ注文に関して他のFOビンが識別された場合、同じ注文についての他のFOビンについての全てのビン受付信号がナノ施設16から受信される迄、電子的ピックアップ通知の送信が遅延される。
次に、ステップ2310で、施設管理サブシステム204は、自己のオンサイトビンテーブル322に対して、DFOビン224dが積み込まれたばかりのビンカルーセル222cと同じものに何らかのUFOビン224dが含まれるかについて、クエリする。なぜならば、DFOビン224dが輸送車両215cからオフロードされたカルーセルプラットフォーム1801は、そのビンカルーセル222bの積み込み/積み降ろし位置にて今となっては空になって留まっており、故にナノ施設16の対応するビンカルーセル222cにて任意の利用可能なUFOビン224dを受け入れる準備が整っているからである。ナノ施設16のビンカルーセル222c上でUFOビン224dが識別された場合、ステップ2313で、施設管理サブシステム204はUFOビン224dが載せられているビンカルーセル222cをアクティブ化して、それによって、そのUFOビン224dを載せているカルーセルプラットフォーム2106をナノ施設16のビンカルーセル222cの積み込み/積み降ろし位置PLへと動かす(その位置に既になければ)。UFOビン224dを積み込み/積み降ろし位置PLへと移すそのような再配置が完了されたらば、ステップ2314で各々の自動化ビンハンドラーがアクティブ化されて、UFOビン224dをナノ施設16のビンカルーセル222cから輸送車両215cの対応するビンカルーセル222bの待機中の空のプラットフォーム1801へと移転する。例示された事例では、このステップは、車両管理サブシステム216によって適切な移転コンベヤ223をアクティブ化することを伴うのであり、例えば、ナノ施設16の施設管理サブシステム204から発せられた移転準備完了信号に応答してなされ得るのであり、これはナノ施設16のビンカルーセル222cによってUFOビン224dが積み込み/積み降ろし位置PLに再配置されることが完了した際にもたらされる。実施形態では、このアクティブ化行為は、施設管理サブシステム204によって、ナノ施設16に随意的に設けられている自動化アクチュエータ又は他の積み降ろし補助装置をアクティブ化することを伴うのであり、これは輸送車両215cについて上述したのと同様の態様でなされるのであり、これによってUFOビン224dをそのカルーセルプラットフォーム2106から積み降ろすことを促進する。
また、ステップ2314でUFOビン224dは、自己のビン_IDを車両管理サブシステム216へと伝えるのであり、例えば、施設管理サブシステム204からの無線命令によって次の事項に関して命じられているものとされ得る:例えばナノ施設16の無線ネットワーク等のLAN206から切断し、例えば無線ネットワーク等の輸送車両215cのLAN221に代わりに接続し、ビン_IDについてのそのような通信をそこへと発すること。実施形態では、施設管理サブシステム204からのこの無線命令及びその結果UFOビン224dが施設管理サブシステム204となす通信は、ナノ施設16のビン搬送カルーセルプラットフォーム2106がその積み込み/積み降ろし位置PLへと到着することによって開始されるか、又は、UFOビン224dをそのカルーセルプラットフォーム2106から積み降ろすことを補助する随意的な自動化積み降ろし補助装置のアクティブ化によって開始される。なぜならば、これがナノ施設16から輸送車両215cへ引き渡しがなされるUFOビン224dの最終引き渡しポイントを表すからである。
一方で、ステップ2315で施設管理サブシステム204は、自己の記録を更新して、UFOビン224dのナノ施設16から輸送車両215cへの移転を反映させるのであり、これをなすために、ナノ施設16のオンサイトビンテーブル322からそのUFOビン224dのビン_IDを除いて、また、施設情報テーブル319内のオンサイトFOビンの数量についてデクリメントを行う(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。このステップで、実施形態では、施設管理サブシステム204は、ナノ施設16からオフロードされたばかりのUFOビン224dのビン_IDと共に、ビン出発信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、FOビンテーブル313内のこのUFOビン224dについての記録から、ナノ施設16の施設_IDを、削除する。
一方で、ステップ2316で車両管理サブシステム216は、自己の記録を更新して、UFOビン224dのナノ施設16から輸送車両215cへの移転を反映させるのであり、これをなすために、そのUFOビン224dのビン_IDを輸送車両215cのオンボードビンテーブル325に加えて、また、車両情報テーブル323内のFOビンの数量についてインクリメントを行う(但し、そのようなカウントがそこにて集計されている場合)。また、車両管理サブシステム216は、そのUFOビン224dが置かれたビンカルーセル222bのカルーセルプラットフォーム1801の場所_IDに対してUFOビン224dのビン_IDを車両格納テーブル324内に記録するのであり、及び/又はそのUFOビン224dのビン_IDに対してその格納場所の場所_IDをオンボードビンテーブル325内にて記録する。このステップで、実施形態では、車両管理サブシステム216は、輸送車両215cに受け付けられたばかりのUFOビン224dのビン_IDと共に、ビン受付信号を、中央コンピューティングシステム201へと送りもするのであり、これに応答して、中央コンピューティングシステム201は、FOビンテーブル313内のこのUFOビン224dについての記録に、輸送車両215cの車両_IDを、書き込む。ビン受付信号は、中央データベース203のFOビンテーブル313内において預け入れられたDFOビン224dのビン_IDに対して記録するための場所_IDをも含む。このようにして、UFOビン224dの所在についてのあらゆる記録は、マルチノーダルサプライチェーンシステム200の全般にわたって完全に更新される。
次に、ステップ2317で、輸送車両215cの車両管理サブシステム216は、自己のオンボードビンテーブル325に対して、UFOビン224dが積み込まれたばかりのビンカルーセル222bと同じものに何らかの残存するDFOビン224dが含まれるかについて、クエリする。なぜならば、UFOビン224dがナノ施設16からオフロードされたカルーセルプラットフォーム2106は、そのビンカルーセル222cの積み込み/積み降ろし位置PLにて今となっては空になって留まっており、故に輸送車両215cの対応するビンカルーセル222bに現在残存している任意の利用可能なDFOビン224dを受け入れる準備が整っているからである。DFOビン224dが輸送車両215cのビンカルーセル222b上にて識別された場合、ステップ2318で、車両管理サブシステム216はDFOビン224dが載せられているビンカルーセル222bをアクティブ化して、それによって、そのDFOビン224dを載せているカルーセルプラットフォーム1801をビンカルーセル222bの積み込み/積み降ろし位置Pへと動かす(その積み込み/積み降ろし位置に既になければ)。そして、処理はS2307に戻って、このDFOビン224dのナノ施設16への移転を完了させるのであり、そのような移転お及びDFOビン224dの新たに格納された場所を上述のように中央データベース203及びローカル施設データベース207の双方にて記録する。
ステップ2310に戻るに、ステップ2307でDFOビン224dが積み込まれていたナノ施設16のと同じビンカルーセル222bに何らのUFOビン224dが所在していないと識別された場合、ステップ2311で施設管理サブシステム204は、そのDFOビン224dが移転されたのと同じビンカルーセル222c上に1つ以上の空のカルーセルプラットフォーム2106があるかをチェックする。肯定であれば(即ち、ナノ施設16のビンカルーセル222cには少なくとも1つの追加のDFOビン224dを受ける容量があることが示されれば)、施設管理サブシステム204は車両管理サブシステム216に対してそのようなカルーセル余力容量についてシグナリングを行うのであり、これに応答して、車両管理サブシステム216は、対応するビンカルーセル222bに残存するDFOビン224dがあるかについてチェックすることを伴うステップ2317を繰り返す。ステップ2312では、ナノ施設16のビンカルーセル222cの識別された空のカルーセルプラットフォーム2106は、ステップ2311及び2317の間で積み込み/積み降ろし位置PLへと先制的に前進させられるも、この行為は、ステップ2317で輸送車両215cのビンカルーセル222bの残存するDFOビン224dについての肯定的な確認が、ナノ施設16のビンカルーセル222c上の空のカルーセルプラットフォーム2106についての前進に関するそのような必要性を示す迄は、繰り延べられることができることに留意されたい。
ステップ2304に戻るに、このステップにてクエリされている輸送車両215cの対象ビンカルーセル222b上に所在するものとして識別されたDFOビン224dが無い場合、処理はステップ2310へと続き、UFOビン224dがナノ施設16の対応するビンカルーセル222cにあるかについてチェックするのであり、その場合、処理は、輸送車両215cからのDFOビン224dの積み降ろしではなく、ナノ施設16からのUFOビン224dの積み降ろしから開始される。ステップ2317でのDFOビン224dについてのチェック、又は、ステップ2311でのナノ施設16のビンカルーセル222c上の2つ以上の空のカルーセルプラットフォーム2106についての実効カルーセル容量についてのチェックのどちらかが否定的な結果を返した場合、輸送車両215c及びナノ施設16のビンカルーセル222b,222cについての合致する所与のペアに関してのビン交換処理は完了されたことになる。輸送車両215cが複数のビンカルーセル222bを備えており、また、ナノ施設16が合致する数量の複数のビンカルーセル222cを備える実施形態では、次のことに留意されたい:ステップ2304~2312によって表されるシーケンスに関しての複数のインスタンスが並列で実行されるのであり、輸送車両215cとナノ施設16とについての合致するビンカルーセル222b,222cの各ペア毎に1つのインスタンスがあり、それによってビンカルーセル222b,222cの全てが一斉に積み込み/積み降ろされる。
実施形態では、図23A~23Bに示される完全自動化ビン交換処理は、到着する輸送車両215cがDFOビン224dを搭載している場合には既定でDFOビン224dの積み降ろしで始まるのであり、故に、ナノ施設16の各ビンカルーセル222c上の少なくとも1つのカルーセルプラットフォーム2106が常に空に保たれている実施例に頼るのであり、これは、何らかのUFOビンが輸送車両215cに移転される前に、到着する輸送車両215cからの第1のDFOビン224dの受領を受け入れるためである。したがって、実施形態では、ステップ2311でのナノ施設16のビンカルーセル222cの容量についてのチェックは、少なくとも1つの空のカルーセルプラットフォーム2106ではなく、2つ以上の空のカルーセルプラットフォーム2106についてチェックするように構成されており、これによって一番最後の空のカルーセルプラットフォーム2106に到着DFOビンが入れられないことを担保する。別の実施形態で処理は、ナノ施設16のビンカルーセル222cからのUFOビンの積み降ろしで開始するように再構成され、また、代わりに、輸送車両215c上で少なくとも1つのカルーセルプラットフォーム1801を常に空に保つことに頼る。別の実施形態では、輸送車両215cの運転手による人的介入又は機械化されたバッファリングソリューションが、ビンカルーセル222b,222cをそれらの容量の限界まで在庫を持つために用いられるのであり、人的に履行されるか人的に補助されるか完全に機械化されたバッファリングソリューションは、1つのビンカルーセル又はビンカルーセルのペアから第1の格納ビンを先ず除くために用いられて、格納ビンの交換が開始されることが可能となる。
ナノ施設16及び輸送車両215cのカルーセルベースド実施形態では、輸送車両215cのビンカルーセル222bに関して自己のカルーセルプラットフォーム1801の一連のものが複数のDFOビン224dを有しており、また、ナノ施設16のビンカルーセル222cに関して自己のカルーセルプラットフォーム2106の一連のものが複数のUFOビン224dを有している場合、ビンカルーセルはインデクス付けされた且つインクリメンタルな態様で駆動されることができ、それらのカルーセルプラットフォームを1つずつ交互になされる態様で積み込み/積み降ろし位置を過ぎていくように前進させることができ、開始時には一方のビンカルーセル上に空のカルーセルプラットフォームがあり他方のビンカルーセル上にはビンが占有しているカルーセルプラットフォームがあり、そして、後の各繰り返しにてインデクス付けされる移転コンベヤ223から格納ビンを移転する。
マイクロ-ナノ輸送車両215c及びナノ施設16の両者が、カルーセルベースドインデクスされた格納アレイ及び移転コンベヤ223のペアを採用する例示的実施形態では、これらは自動化ビンハンドラーとして提供されており各インデクスされた格納アレイ内にあるビンカルーセル222b,222cの数量との関係で1対1の比率で提供され、各々は、ビンカルーセル222b,222cについての1つの特定の合致するペアに関して物理的引き渡し及び輸送車両215cとナノ施設16との間dの格納ビンの預け入れを行うのであり、故に、各FOビン224dと、FOビン224dが引き渡されるナノ施設16の施設管理サブシステム204又は輸送車両215cの車両管理サブシステム216との間で行われたデータ交換は、FOビン224dに関する環境フラグ又は環境データに関しての通信を含むことを要さない。なぜならば、コンピュータ化サプライチェーン管理システムは、代わりに、輸送車両215c及びナノ施設16の両者によって共有される合致する環境ゾーンレイアウトに頼るのであり、それによって、本質的に、ビンカルーセル222b,222cの合致するペアの間で移転される任意のFOビン224dは、同じタイプの環境ゾーンに預け入れられることになる。下記の事項に関して異なる他の実施形態との関係で以下検討する:輸送車両215c及びナノ施設16の一方又は双方で用いられる格納アレイのタイプ;輸送車両215c及びナノ施設16での相対的環境ゾーンレイアウト;及び/又は格納ビンを輸送車両215cからナノ施設16へと或いはその逆方向へと引き渡す及び/若しくは預け入れるために用いられる自動化ビンハンドラーのタイプ及び構成。これらに関しては、FOビン224dの無線通信ユニット225からの、FOビン224dの移転先とされるナノ施設16の各々の施設管理サブシステム204若しくは輸送車両215cの車両管理サブシステム216への、無線通信は、FOビン224dからの環境フラグ又は環境データを含み得るのであり、これは輸送車両215c又はナノ施設16内の1つ以上のビンハンドラーの自動制御のために用いられて、受領されたFOビン224dを輸送車両215c又はナノ施設16の環境的に適合したゾーン内に預け入れる。実施形態では、移転されるFOビン224dの引き渡し及び/又は預け入れについて全部又は一部の役割を担う1つ以上のビンハンドラーが、FOビン224dの移転元たる輸送車両215c又はナノ施設16内に配置されている場合、輸送車両215c又はナノ施設16は、FOビン224dの環境フラグ又はそこに含まれている顧客注文の環境データを読み取るのであり、また、それらを用いて、自動化ビンハンドラーの動作を適宜制御して、FOビン224dを受領側たる輸送車両215c又はナノ施設16の適切な環境ゾーンへと移転する。
図21A~22Bに示される実施形態は、複数の水平的に向けられたビンカルーセル222cを備えるインデクスされた格納アレイを伴うナノ施設16を開示するが、他の実施形態では他の向きに配置された1つ以上のビンカルーセル222cを有することができる。例えば、実施形態では、ナノ施設16は、水平方向に伸びたものではなく垂直方向に伸びた収容所2101を用いるのであり、その場合、垂直方向に直立な1つ以上のビンカルーセル(複数のビンカルーセルがある場合にはサイドバイサイドに配置されている)がそこに配置されており、各マイクロ-ナノ輸送車両215c内の単一レベルカルーセルアレイ内の1つ以上のサイドバイサイドビンカルーセル(side-by-side bin carousel)に対して等しい数量が提供されている。この実施形態では、ナノ施設16の各ビンカルーセルの積み込み/積み降ろし位置は、その一方の側にあるビンカルーセルの底部端付近の位置を指すのであり、細長い収容所2101の一方の側に配達扉が所在するのであり、また、ピックアップ位置は、同様に底部端付近であるもその反対側にある対向する位置であってピックアップ扉は細長い収容所2101の反対側に所在する。カルーセルベースドナノ施設16についてのこのような垂直的構成は、経済的に有益である。なぜならば、所与の格納容量の体積当たりの不動産フットプリントが減じられるからである。
図24は、実施形態による、図21A~21C,22A~22Bに示されるナノ施設16にての顧客又は配送員への格納ビンの引き渡しを管理するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。図24は、受領された顧客注文をナノ施設16にて顧客又は最終工程/ラストマイル配送員へとなされる自動放出を制御する処理についての1つの例について例示する。顧客又は最終工程/ラストマイル配送員は本明細書にて「ユーザ」という。ナノ施設16での注文ピックアップについては(S2401)、ステップ2402でユーザがナノ施設16に到着したら、実施形態では、ナノ施設16内の1つ以上のFOビン224d内に含まれるユーザの注文に対してのアクセスが付与される前に、ナノ施設16の施設管理サブシステム204によってユーザが認証されることを要する。認証処理の実施形態では、図2Aに示される施設管理サブシステム204の電子アクセス装置212にて、ユーザは有効な注文ピックアップアクセスコードを入力することを要する。実施形態では、電子アクセス装置212は、細長い収容所2101の外部に又は外部付近にマウントされており、例えば、細長い収容所2101の第2の端部2101bにあって、第2の端部2101bにピックアップ扉が所在している実施形態ではピックアップ扉付近に所在するのであり、電子アクセス装置212は外部環境からアクセス可能である。施設管理サブシステム204は、ユーザが注文について正しい注文ピックアップアクセスコードを電子アクセス装置212に入力した場合にのみ、ナノ施設16内に格納された注文へのアクセスをユーザに与える。実施形態では、電子アクセス装置212は、ユーザが数字型又は英数型アクセスコードを入力する数字型又は英数型キーパッドである。別の実施形態では、電子アクセス装置212は、例えばスマートフォンやタブレット等のユーザのモバイル電子装置のディスプレイ画面上に表示される、又は、ユーザによってダウンロード及び印刷されたピックアップ券にある、バーコードを読み取るスキャナである。別の実施形態では、アクセスコードは、ユーザの電子装置からナノ施設16の電子アクセス装置212へと無線的に伝えられるのであり、例えば、NFCや他の近距離無線通信技術によってこれがなされる。
ステップ2403では、施設管理サブシステム204は自己のオンサイトビンテーブル322に対してクエリを発するのであって該行為は電子アクセス装置212からのユーザ入力されたアクセスコードに合致する記録された注文ピックアップアクセスコードを有する任意のビン_IDに関する。このステップの一部として、実施形態では、施設管理サブシステム204は、自己のオンサイトビンテーブル322に対してクエリするのであって、該高位はそこの中にある追加のFOビン224dであってそれに割り当てられたのと同じ顧客_IDを有するものに関するのであり、例えば、ナノ施設16のオンサイトビンテーブル322に顧客_IDを記憶しておくことによってこれが可能となるのであり、オンサイトビンテーブル322に列挙されたFOビン224dのモバイルデータ記憶装置226に対して無線的なポーリングによるのであり、又は、中央データベース203無いのFOビンテーブル313に対してクエリすることであってナノ施設16のオンサイトビンテーブル322内にて列挙されたビン_IDについてクエリすること及びそれに対して記録された顧客_IDをチェックすることによる。そのようにして識別された任意のFOビン224dであって同じ顧客_IDにリンクされているが注文番号が異なるものについては、記録された注文ピックアップアクセスコードがユーザ入力されたアクセスコードと合致するFOビン224dと共に随意的に編成されて、現在ナノ施設16にてオンサイトな1つ1つの注文についての各々の個別の注文ピックアップアクセスコードを入力させるのに代えて、それらの注文の1つについての単一の有効な注文ピックアップアクセスコードを介してそれらのオンサイトな注文全てについてのアクセスをユーザに提供する。したがって、このステップでは、ユーザがアクセスする権限を有するアクセス付与FOビンのリストが生成される。
ステップ2404で施設管理サブシステム204は、生成されたリストに関して、各アクセス付与FOビンの場所_IDを調べるのであって、そこから、アクセス付与FOビンに達するためにアンロックすることを要するナノ施設16の適切な1つ以上のピックアップ扉を、識別及びアンロックするのであるか実施形態によっては随意的にオープンする。ビンカルーセル222cのカルーセルプラットフォーム2106の全てが単一の扉からしかアクセスされない実施形態では、特定のビンカルーセル222cがそこにアクセス付与FOビンを有しているものとして識別された場合、ビンカルーセル222cはアクティブ化されて、その各々のピックアップ扉を解錠又は開放する前に、そのアクセス付与FOビンが載せられているカルーセルプラットフォーム2106を、そのビンカルーセル222cのピックアップ扉の隣のピックアップ位置PPへと前進させる。施設管理サブシステム204が、ピックアップ扉を電子的に解錠するようにのみ構成されており、その自動開放を惹起するようには構成されていない場合、ステップ2405では、そのような解錠行為には、ユーザに対してのユーザがどのピックアップ扉を開放すべきかについての視覚的ガイダンスの表示が、伴うのであり、例えば、ディスプレイ画面に示されたオンスクリーンガイダンスによってなされたり、解錠されたピックアップ扉にあるかその隣にあるように各々配置されたイルミネーション可能な「解錠済み」インジケータのアクティブ化によってなされたりできる。実施形態では、オンスクリーンガイダンスは、注文ピックアップアクセスコードが入力されたのと同じ電子アクセス装置212に統合されていることができる。そのビンカルーセル222c上にて1つより多いアクセス付与FOビンが識別された場合、FOビンからの注文アイテム(item)の回収後のピックアップ扉のユーザによる再閉鎖検出後、施設管理サブシステム204は、次のアクセス付与FOビンをピックアップ位置へと前進させるのであり、例えば、保安及びセキュリティのためにピックアップ扉を自動的に再施錠した後のみにそうでき、そして、同じピックアップ扉を再び解錠してその次のアクセス付与FOビンへのアクセスをユーザに付与するのであり、そのビンカルーセル222c上の全てのアクセス付与FOビンがアクセスされて且つそれらの注文製品(product)が除かれた状態に至るまで、諸ステップが繰り返される。同じ処理は、1つ以上のアクセス付与FOビンをその上に有している任意の他のビンカルーセル222cについて、繰り返される。ビンカルーセル222cに複数のアクセス付与FOビンが載っている場合、実施形態では、必要な時はいつでも、同じピックアップ扉にて別のFOビンが来るのを待機せよとユーザに命令するのであり、例えば、オンスクリーンガイダンス又はイルミネーション可能な「待機せよ」インジケータのアクティブ化によってこれをなせる。
各ビンカルーセル222cについてピックアップアクセスが、その端部2101bにある単一のピックアップ扉からではなく、代わりにナノ施設16の側面にある各々のピックアップ扉のアレイからなされる実施形態では、ナノ施設16の施設管理サブシステム204はステップ2404で、1つ以上のアクセス付与FOビンが所在している各1つ以上のカルーセルプラットフォームと整列する各1つ以上のアレイ化ピックアップ扉を代わりに解錠又は開放するのであり、また、ステップ2405でユーザに対してどのピックアップ扉を用いるべきかを再び視覚的に通知するのであり、これはそのような扉の自動観音開き動作、オンスクリーンガイダンス、又はイルミネーション可能インジケータによってなされて良い。ピックアップ扉又はアクセス開口部のアレイを有するこの実施形態では、複数のアクセス付与FOビンに達するために、ビンカルーセル222cのアクティブ化又は任意の1つのピックアップ扉の繰り返しての開閉を要さないのであり、代わりに1つ以上のアレイ化ピックアップ扉の一回限りの開閉で済む。
ステップ2406で、ナノ施設16の施設管理サブシステム204が各アクセス付与FOビン224dの注文内容物がピックアップされたことを確認するのであり、これは例えば、注文ピックアップアクセスコードのバリデーションによってのピックアップ扉についての当初の解錠/開放の後のピックアップ扉の閉鎖検出によってなされたり;カルーセルプラットフォーム2106又は注文が保持されていた他のインデクスされた格納場所での重量減少(例えば、空のFOビン224dの想定重量について予め定められる閾値迄重量が減ったこと等)によってなされたり;及び/又は他の確認手段によってなされることができるのであり、これがなされたらば、施設管理サブシステム204はピックアップ扉を再閉鎖/再施錠する。
一方で、ステップ2407では、施設管理サブシステム204は、ローカル及び中央データベース203に、FOビン224dの新たなる空の状態を記録するのであり、例えばFOビン224dの無線通信ユニット225とローカルで通信して、その内容物テーブル327及び製品情報テーブル328を削除(erase)するのであり、中央コンピューティングシステム201と通信してFOビンテーブル313内の可変フィールドを削除するのであり、また、ローカル施設データベース207で複製されているかもしれない類似の記録について抹消する(wipe)。実施形態では、このステップは、中央データベース203及びローカル施設データベース207の一方又は双方への更新をさらに含むのであり、それによって、各FOビンの状態識別子を、そこに注文が入れられていることを表す「入れられている」状態から、そこに注文が不在であることを表す「空」状態へと変更するのであり、(例えば、有効な注文番号の存在の有無に関して注文番号フィールドに対してクエリを行う等の他の手段に頼るのではなく、)そのような状態がそのような専用識別子によって追跡されている場合にこれがなされる。FOビン224dが空である実施形態では、FOビンはマイクロ施設14へと上流輸送されるように指定されており、それによって、マイクロ-ナノ輸送車両215cが次回到着したら、図23A~23Bに示されるビン積み込み/積み降ろし手順における候補UFOビン224dとなる。このため、図24のステップ2407では、施設管理サブシステム204は、FOビン224dのモバイルデータ記憶装置226のビン情報テーブル326内の以前記録された宛先データをも削除するのであり、また、該データを、空のFOビン224dが次に輸送されるべきマイクロ施設14の施設_IDで、置換する。実施形態では、ナノ施設16は単一の予め定められたマイクロ施設14からサービスされるのであり、それ故に、FOビン224dがユーザによって空にされたらば該ビンに再割り当てされるこのナノ施設16の施設_IDは、ナノ施設16によって記憶される静的で不変な施設_IDであり、一旦空にされたらばそこにある全FOビンに適用される。
他の実施形態では、動的又は静的な他の格納アレイタイプがナノ施設16にて図21A~21C、22A~22Bに示されているビンカルーセル222cの代わりに用いられる。例えば、より大きな施設10,12,14で用いられているグリッド格納構造507,603,703のミニチュア版が例えば単一のロボティックハンドラー208を伴って採用される。別の実施形態では、ナノ施設16は電子的に運用されるロッカー施設であり、これは単一の各注文ビンをそれぞれ受け付ける個別のロッカー又は収納スペースを伴うのであり、その注文についての正しい注文ピックアップアクセスコードを用いてのみ解錠して開けることできる。上述のように、実施形態では、ナノ施設16の引き延ばされたビンカルーセル222cは、水平方向ではなく垂直方向に沿っておりそれによってナノ施設16のフットプリントを減じているのであり、この場合、直立型ナノ施設16でのケース配達及びピックアップは、地表面に近く直立ビンカルーセル222cの底部端にある配達及びピックアップ扉を介して、実行される。
本明細書にて開示されるマルチノーダルサプライチェーンシステムは、複数のベンダが注文充足及び在庫管理のための国家規模又は他の大規模でのインフラを共有することを可能とする。ノード施設のネットワーク及びそれらの間を移動する輸送車両の双方を備えるマルチノーダルサプライチェーンシステム全体は、在庫が正確に追跡及び再分配される単一的格納環境を形成する。上述は、メガ施設からナノ施設への典型的な下流方向フロー経路について説明するものであるが、標準化格納ビンとメガ・マクロ・マイクロ施設及びそれらの間を移動する各輸送車両にて用いられる標準化格納アレイタイプとの互換性によって、任意のメガ・マクロ・マイクロ施設からの格納ビンが任意の他のそのような施設へと輸送されることが可能となる。したがって、任意のベンダの在庫は戦略的に分配されることができ、マルチノーダルサプライチェーンシステムの国家的規模の又は他の地理的規模の領域の任意の所への速達配送を可能とする。実施形態では、供給品積荷の単一化及びメガからマクロへのビン移転は通常24時間以内に達成され、複数SKUキット化及びマクロからマイクロへのビン移転は通常4~6時間以内に達成され、並びに注文キット化及びマイクロからナノへの移転は通常2時間以内に達成される。
様々な施設での積み込み/積み降ろし手順について先述された例は空の格納ビンの上流へのフローに関するものであるが、同様の態様で他の格納ビンを上流方向に輸送することもできる。例えば、ナノ施設にてドロップされた顧客返品を含む注文ビンを備える格納ビンは、マルチノーダルサプライチェーンシステム内の上流施設付近に所在するベンダ・サプライヤ・製造者に返品するために上流へと輸送されるか、又は、運営エンティティがベンダ・サプライヤ・製造者の代理で顧客返品を取り扱う契約を結んでいる場合には運営エンティティへと輸送される。例えば、顧客注文にて1つ以上の欠陥品・不適切にサイジングされた製品・不十分な製品を受け取った場合に製品返品をなす顧客は、ベンダ又は(ベンダの販売/返品プラットフォームが運営エンティティのプラットフォームに統合されている場合には)運営エンティティへと製品返品リクエストを送るのであり、それに応答して、製品返品エントリが図2Aに示されている中央データベース203にて生成されるのであり、これには顧客に最も近いナノ施設16の施設_IDが含まれており、これは例えば元の注文からの中央データベース203の顧客注文テーブル315内に記憶されている顧客住所に基づいており、或いは後に生成された返品エントリにて識別されるか、或いは自らの返品リクエストにて顧客によって指定された任意の他のナノ施設ともされ得る。
図2Aに示される中央コンピューティングシステム201は選択されたナノ施設16に空の注文ビンがあるかについてチェックするのであり、空の注文ビンを検出したらば、中央データベース203においてのその注文ビンの記録された状態を指定された「返品」ビンに更新するのであり、例えば図3Bに示されるFOビンテーブル313内の充足/返品状態フィールドによってこれがなされる。中央コンピューティングシステム201はこの状態変化について施設管理サブシステム204にもシグナリングをするのであり、次に、図3Fに示される指定返品ビンのモバイルデータ記憶装置226上の内容物テーブル327内の同じ充足/返品状態フィールドを無線的に更新するのであり、そのような状態がローカル施設データベース207に記憶されている場合には該データベースについても同様とされる。中央コンピューティングシステム201は、注文ピックアップアクセスコードについて上述した態様と同じようにして注文返品ドロップオフコードをユーザに送りもする。注文ピックアップアクセスコードについて上述されているように、注文返品ドロップオフコードは、指定された返品ビンのインデクスされた格納場所へのアクセスをユーザに与えるのであり、ユーザはそこにベンダ・サプライヤ・製造者へと返品されるべき製品を置く。ものが入ったFOビン224dを有するマイクロ-ナノ輸送車両215cがナノ施設16に今度到着し、且つ、それがそこから返品製品がマイクロ施設14へと向かってまた上流に向けて経路指定されて目的とされた図7に示される返品ワークステーション704へと或いはそこを介して輸送されることが予定されている場合、指定された返品ビンはそのマイクロ-ナノ輸送車両215c上に随意的には空のFOビン及び/又は他の指定返品ビンと共に積み込まれるのであり、例えば開示された図23A~23Bのビン積み込み/積み降ろし手順の一環としてこれがなされる。
したがって、ナノ施設16においても別の施設においても、実施形態では、施設と輸送車両との間での任意の格納ビン移転は、少なくとも1つの部分的又は完全的に自動的な態様で行われるビンスワップ又はビン交換を伴うのであり、例えば次のいずれかが想定される:専らものが入った格納ビンを専ら空の格納ビンとスワップすること(例えば、ものが入ったDFOビンを専ら空のUFOビンに代えること等);専らものが入った格納ビンを専らものが入った格納ビンとスワップすること(例えば、ものが入ったDFOビンを専ら返品UFOビンに代えること等);又は専らものが入った格納ビンをものが入った格納ビン及び空の格納ビンの組み合わせとスワップすること(例えば、ものが入ったDFOビンを空の及び返品のUFOビンに代えること等)。したがって、第1の施設にてドロップオフされる1つ以上の格納ビンの各グループ(例えば、空の格納ビン、ものが入った格納ビン又はこれらの組み合わせ)は、第2の施設へ出発する1つ以上の格納ビンのグループ(例えば、空の格納ビン、ものが入った格納ビン又はこれらの組み合わせ)と交換されるのであり、これは、そのような出発する格納ビンは第1の施設にて現在必要とされてはいないということに基づいているか、又は第2の施設における格納ビンに関しての不足若しくは需要に基づいている。
輸送車両は、例えばメガ-マクロ、マクロ-マイクロ、及びマイクロ-ナノ等のあるクラスの施設から別のへとなされる上流方向/下流方向のクラス間輸送に専従する必要はなく、実施形態では、同一クラス内の異なる施設間での水平的クラス内輸送に関与できる。したがって、上述の実施形態にて開示されたように、各々の輸送車両/施設についての移転段階における格納ビンの交換又はスワップは、下流方向に向かう格納ビンを上流方向に向かう格納ビンと交換することには限定されないのであり、「下流方向に向かう」ビン及び「上流方向に向かう」ビンとの語は、積み込みドックにおけるビンスワップ又は交換に関与する格納ビン2セット間での区別及びある施設の出発積み込みドックから別の施設の到着積み込みドックへの格納ビンの輸送する際の区別を確保する便宜のために用いられる。このようにして、「下流方向に向かう」格納ビンは、ある施設の出発積み込みドックを出発したときから別の施設の到着積み込みドックに着くまで一貫してそのように呼称されることができるのであり、「到着ビン」及び「出発ビン」と呼称する方式とは異なるのであり、後者ではビンについての同じセットが輸送中に呼称を変えることになる。したがって、輸送車両の積み込み及び積み降ろし中の格納ビンの似たようなスワップ若しくは交換並びに施設・輸送車両・格納ビン間でのデータ交換は、そのような交換がなされている具体的な施設及び輸送車両が向かう次の具体的な施設とは無関係になされる。
上述の詳細な実施形態はサプライチェーンエコシステム内にて実装されるマルチノーダルサプライチェーンシステムを指しており、該システムにおいては初期のサプライヤ/製造者についてのソーシングから最終的な顧客ピックアップ若しくはラスト行程/ラストマイル配達までのフルサービスが例えば運営エンティティ又はローカル配送人等の外部配送者によって提供されるが、先述の実施形態に見出される様々な利点は様々な文脈で活用され得ることに留意されたいのであり、当初の製品ソーシングから最終的な顧客ピックアップ若しくはラスト行程/ラストマイル配達までを完全に包括しない文脈も含まれる。したがって、本明細書にて開示される幾つかの実施形態は、上述された様々な施設の任意のサブセットに関連し得るのであり、これは完全なサプライチェーン経路の部分的セグメントのみに関与する製品流通チャンネルと形容することができ、他方で、他の例は本明細書にて開示される様々な実施形態から利点を得る単一の流通施設、倉庫施設、又は注文充足施設に関連し得る。
一部の実施形態は完全な4階層(メガ・マクロ・マイクロ・ナノ施設)施設ヒエラルキーを有さないことに留意して、本開示で使用される「ノード施設」との用語は、互いに同じ格納ビンと互換のインデクスされた格納アレイを共有する任意の施設(例えば、4階層ヒエラルキーのメガ・マクロ・マイクロ・ナノ施設のいずれか)を指すのであり、他方で、「ターミナル施設」又は「ターミナル」との用語は、より大きな格納ビンとは随意的には非互換であり代わりに顧客への最終的引き渡し地点にあるかそれに近い下流の場所にあるより小さいFOビンとの使用のために構成されている任意の施設を意味するために用いられる。例示された実施形態はメガからナノへと下流側に行くに従ってより小さくなる輸送車両を開示するも、実施形態では、そして「ノード」対「ターミナル」にまつわる上述の施設命名手法に鑑みれば、「ノード間輸送車両」とは、主に又は専ら「ノード施設」間で移動する輸送車両を指すのであり、故にそこにて取り扱われる格納ビンと互換であり、他方で、「ノード-ターミナル間輸送車両」とは、主に又は専らターミナル施設へ又はそこから移動する輸送車両を指すのであり、故により大きな格納ビンではなく異なるサイズの注文ビンと互換である。
直接的顧客注文充足に加えて、開示のサプライチェーンエコシステム内にて実装されるマルチノーダルサプライチェーンシステムは、事業者間活動(例えば、b2b商取引)又は在庫補充等の事業者内活動のために用いられる。このような実施形態では、顧客のため又はラスト行程/ラストマイル配達サービスピックアップのためにナノ施設へと輸送する代わりに、格納ビンは例えば、ベンダ、製造者、サプライヤ、又はそれらの法人顧客によって所有又は運営される小売店、倉庫、流通センタ、又は他の場所へと配達される。実施形態では、そのような場所各々にはマルチノーダルサプライチェーンシステムの格納ビンと互換な各々のインデクスされた格納アレイが配備されており、FOビンに加えて又はFOビンに代えて、メガ-マクロ又はマクロ-マイクロ輸送車両215a,215bを用いてメガ・マクロ・マイクロ施設からそのような場所へ輸送された他の格納ビン(例えば、SCSビン、MCSビン、及び/又はPOビン)が、追加的又は代替的に、そのような場所にて受け取られ及び格納されるのであり、随的には少なくとも部分的に自動化された態様でこれがなされるのであり、ある実施形態では完全に自動化された態様でなされるのであり、開示のコンポーネント、構造、機材、方法、及び処理を用いてなされる。各々のそのような配達処理は、次のステップを含むビン交換処理を伴う:施設又は似たように機材が設けられている事業場所へと輸送するために空の格納ビンをピックアップするステップ、及び/又は似たように機材が設けられている事業場所へと輸送するためにものが入った格納ビンをピックアップするステップ。また、これは開示された任意の積み込み/積み降ろし処理と似た又は等価な態様でなされる。事業場所に互換のインデクスされた格納アレイが配備されていない実施形態では、ビン互換の輸送車両を用いて格納ビンをそれらの場所に届けるのであり、そこにて製品が格納ビンから取り出される。実施形態では、輸送車両が場所を出発する前に場所にて空にされた任意のそのような格納ビンは、同じ輸送車両に乗ってそれらの源泉たる施設へと帰するためにそこに積み込み戻される。別の実施形態では、格納ビンは事後的ピックアップのためにオンサイトに留置されるのであり、例えば、同じ又は異なるビン互換の輸送車両による事後的な配達の際が想定される。
例示された実施形態では、図2A~2Bに示された施設管理サブシステム204及び車両管理サブシステム216の各々内の少なくとも1つのローカルコンピュータが、格納ビンのモバイルデータ記憶装置226に対してのデータの読み書きを、施設及び輸送車両の例えば無線ネットワーク等の各LAN206,221を介してなすように命令するのであり、それをなすに際して、中央コンピューティングシステム201の中央データベース203並びに施設管理サブシステム204のローカル施設データベース207若しくは車両管理サブシステム216のローカル車両データベース220についてデータの転送及び検索をなす。別の実施形態では、施設管理サブシステム204及び/又は車両管理サブシステム216は、随意的に、ローカル施設データベース207及びローカル車両データベース220の内容に関して省略又は削減を実施するのであり、代わりに、そのようなデータ交換を専ら格納ビンと中央データベース203との間で行うのであるが、ローカルでのデータ記憶による増強される冗長性は、広域通信のトラフィック量を削減すること及び通信障害若しくは中央システム障害の際のフェイルセーフ冗長性をもたらすことに関して有益であることにも留意されたい。更なる他の実施形態では、格納ビンとローカルコンピュータとの間でのデータ交換をやめて、代わりに格納ビンが中央コンピューティングシステム201と直接的に通信することを許す。
上述した実施形態の多くは、ビン内容物に変化があった場合、又は輸送車両から施設へと格納ビンが移転された場合若しくはその逆の移転がなされた場合に、その都度内容更新が行われるモバイルデータ記憶装置226を伴うも、他の実施形態では、そのような態様で内容を書換可能な動的に更新可能なデータ記憶装置を欠くことができるのであり、そうなったとしても開示のマルチノーダルサプライチェーンシステム及び様々な処理の全体的な他の観点から益し得る。実施形態では、ビン_IDのみを記憶及び送信するRFIDタグが、格納便乗の書換可能なデータ記憶装置の代わりに用いられる。この実施形態では、格納ビンに対して追加のデータを読み書きする代わりに、施設管理サブシステム204は、ビン_IDを、中央データベース203内の及び(複製されている又は補足されている場合には)ローカル施設データベース207内の製品及び注文記録に対して次の際に記録する:在庫取り込みの際(例えば、SCSビン内に製品を置く際);在庫ビン移転の際(例えば、SCSビンからMCSビンへのビン製品キット化の際);及び注文充足の際(例えば、MCSビンからPOビンへの注文ピッキング及びPOビンからFOビンへの注文詰め込みの際)。この場合、施設管理サブシステム204及び車両管理サブシステム216によって行われる後の処理はビン_IDを用いて、中央データベース203及び/又はローカルデータベース207,220にて製品及び注文の詳細についてルックアップ及び/又は更新をその後になすのであり、必要な際にはいつでも施設_ID又は車両_IDを更新する。別の実施形態では、ビン_IDのみを静的に記憶するためにバーコードを用いるのであり、これによって中央データベース203及び/又はローカルデータベース207,220にてビン_IDを定めることができ、在庫取り込み、在庫ビン移転、又は注文充足の際にそのビン_ID及び製品_ID若しくは注文番号を相互に対して記録でき、後で、開示される後続の処理の際に、そのビン_IDと関連付けられている製品又は注文データについてルックアップ又は更新をなし得る。
例示された実施形態は格納ビン即ち自らの内容物及び意図される宛先についてのデータを記憶しているスマートビンを用いるのであり、それによって関連性を有するデータについてのローカルな短距離無線通信が次の際に可能とされる:輸送車両と施設との間での格納ビンの移転;及び施設内での格納ビンの経路指定の際。これによって、中央コンピューティングシステム201又はサーバとなされるWANトラフィックが削減されるのであり、サプライチェーンエコシステム内での格納ビンの経路指定、輸送、格納、及び作業員等との相互作用に関して、格納ビン自体が自己にとっての自律的命令エージェントとなることによってこれがなされる。この点に関しては、他の実施形態では、格納ビンとのビン-車両及びビン-施設通信ではなく、輸送車両と施設との間でのビン移転の任意又は全部のポイントについては、施設管理サブシステム204と車両管理サブシステム216との間での直接的データ交換に頼ることがあるということに留意されたいのであり、これは例えばフェイルセーフ冗長性のために、格納ビンを敢えて用いてその内容物及び意図された宛先についてのオンボードデータ記憶を可能とする場合についても該当する。また、様々なワークステーションにて行われるデータ交換は、様々な実施形態でそのような自己命令原理をもって具体的には格納ビンと施設管理サブシステム204との間でなされないかもしれないのであるが、別の実施形態では、施設管理サブシステム204は、同じビンデータを中央コンピューティングシステム201若しくはサーバ又はローカル施設データベース207内にて作成及び記憶されている冗長的なローカル記録から取得できるのであり、例えばこれは、供給品積荷からサプライチェーンエコシステム内へと新たな在庫を取り込む処理の際又は到着する格納ビンを輸送車両から施設に積み降ろす際に作成されたものである。
ロボティックハンドラー208が格納ビンを1つの場所から別の場所へと(即ち、源泉たるA地点から宛先たるB地点へと)搬送するように命令される本願開示の任意の処理又は方法の任意のステップでは、実施形態では、そのような処理は、複数のロボティックハンドラー208に対してそのようなタスクを完了せよと命令することを伴うのであり、これをなすためには、例えば、1つのロボティックハンドラー208によって格納ビンを源泉たるA地点から中継点たる地点Cへと搬送すること、及び別のロボティックハンドラー208によって格納ビンを中継点たる地点Cから宛先たる地点Bへと搬送することを伴い得る。また、ロボティックハンドラーが格納ビンをワークステーションから運び去るように命令される本願開示の方法又は処理の任意のステップでは、運び先がインデクスされた格納アレイであろうと、別のワークステーションであろうと、積み込みドックの隣の積み込みグリッド構造であろうと、別の宛先であろうと、ロボティックハンドラーは、格納ビンを運び去ることがなされるべきワークステーションへと同じ格納ビンを以前届けたのと同じロボティックハンドラーそのものとされることもできるしそれ以外のものとされることもできる。例えば、ワークステーションが、格納ビンが取り出されるピックポート又はプットポートが、インデクスされた格納アレイのロボティックハンドラーがワークステーションを通って行く際のトラック(track)ベースドドライブスルー移動経路によってサービスを提供されるタイプである場合、格納ビンを持ち去るように命令されるロボティックハンドラーは、同じ格納ビンをそのポートに以前持ってきたのと同じロボティックハンドラーとなる。ワークステーションのピックポート又はプットポートがそのようなドライブスルー方式でのサービスを受けていない場合(例えば、代わりにワークステーションを通るコンベヤベースドビン移動経路によるサービスの提供を受けている場合)、格納ビンをワークステーションにてピックアップして運び去るロボティックハンドラーは、格納ビンをワークステーションのコンベヤベースドビン移動経路に以前ドロップオフしていったのと同じロボティックハンドラー又はそれとは違うものとされ得る。したがって、ロボット的に行われる複数のビン移動を伴う処理を参照する場合、実施形態では、全体的なロボティックハンドラー団の異なる「サブセット」によるステップの履行について言及するのであり、これは相互排他的なサブセットには限られず、重複を持っていたりさらには同一のものとなっているサブセットであってもよい。
実施形態において、ロボティックハンドラーについての第1のサブセットに対して格納ビンを格納域から回収し、また、格納ビンをワークステーションに届けるように命令することに続いて、ロボティックハンドラーについての第2のサブセットに対して同じ格納ビンをワークステーションから格納域に預け戻すように命令することは次の例示的シナリオのいずれかを包括し得る:(i)第1のロボティックハンドラーが、格納ビンを格納域から回収し、また、格納ビンをワークステーションに届けることと、同じロボティックハンドラーが格納ビンを格納域に戻すこと(即ち、諸々のサブセットは数量的に等しくまた同一である);(ii)第1のロボティックハンドラーが、格納ビンを格納域から回収し、また、格納ビンをワークステーションに届けることと、異なる第2のロボティックハンドラーがその後格納ビンをワークステーションから回収して、また、格納ビンを格納域に預け戻すこと(即ち、諸々のサブセットは数量的には等しいが、同一でも重複的でもない);(iii)第1のロボティックハンドラーが、格納ビンを格納域から回収し、また、格納ビンを異なる第2のロボティックハンドラーに引き渡して、該第2のロボティックハンドラーが格納ビンをワークステーションに届けることと、第3のロボティックハンドラーがその後格納ビンをワークステーションからピックアップして格納ビンを格納域に戻すこと、(即ち、諸々のサブセットは数量的には等しくなく、同一でも重複的でもない);(iv)第1のロボティックハンドラーが、格納ビンを格納域から回収し、また、格納ビンを異なる第2のロボティックハンドラーに引き渡して、該第2のロボティックハンドラーが格納ビンをワークステーションに届けることと、第1のロボティックハンドラーがその後格納ビンをワークステーションからピックアップして格納ビンを格納域に戻すこと、(即ち、諸々のサブセットは数量的に等しくなくまた同一でもないが、重複的ではある);(v)第1のロボティックハンドラーが、格納ビンを格納域から回収し、また、格納ビンを異なる第2のロボティックハンドラーに引き渡して、該第2のロボティックハンドラーが格納ビンをワークステーションに届けることと、第3のロボティックハンドラーがその後格納ビンをワークステーションからピックアップして格納ビンを第1のロボティックハンドラーに引き渡して、該第1のロボティックハンドラーが格納ビンを格納域に戻すこと、(即ち、諸々のサブセットは数量的に等しく互いに重複しているが、非同一である)。
図25は、実施形態による、輸送可能且つ連続的に追跡可能な格納ビンを用いるサプライチェーンワークフローを実行するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。開示の方法では、ノード施設のネットワークとノード間輸送車両団と複数の格納ビンとコンピュータ化サプライチェーン管理システム(CSCMS)とを含む複数のエンティティは、図1A~1D,2A~2b,4A~4Bの詳細な説明にて開示するようにマルチノーダルサプライチェーンシステムとして通信可能に接続されている(S2501)。図1A~1Dに示すように、ノード施設のネットワークは地理的領域にわたって分布する。図5~7,21A~21Cに示すように、ノード施設の各々はインデクスされた格納場所の施設ベースドアレイを備える。ノード間輸送車両団は、格納ビン内に含まれる複数の在庫アイテム又は製品をノード施設間で輸送する。図10A~10C,11A~11C,17A~17C,18A~18Cに示すように、ノード間輸送車両の各々はインデクスされた格納場所の車両ベースドアレイを備える。実施形態では、ノード間輸送車両団は専用サービス輸送車両を備えるのであって、各々は、ノード施設の特定ペアを担当するもの、及び/又はノード施設の限定されたサブセットを担当するもの、及び/又は2つ以上のノード施設を含む限定されたサービスエリアを担当するものに割り当てられている。ノード間輸送車両団は、格納ビンを自律的に積み込み及び積み降ろす。例を挙げるに、少なくとも1つの格納ビン内の少なくとも1つの製品は、中間の第2のノード施設を介して第1のノード施設から第3のノード施設へと移転されるのであり、これは、少なくとも1つの格納ビンを、第1及び第2のノード施設を少なくとも担当するように割り当てられた第1の専用サービス輸送車両内で第1のノード施設から中間の第2のノード施設へと輸送して、また、少なくとも1つの格納ビンを、第2及び第3のノード施設を少なくとも担当するように割り当てられた第2の専用サービス輸送車両内で中間の第2のノード施設から第3のノード施設へと輸送することによってなされる。実施形態では、第1の専用サービス輸送車両は第3のノード施設を担当するようには割り当てられておらず、また、第2の専用サービス輸送車両は第1のノード施設を担当するようには割り当てられていない。
格納ビンは、ノード施設のネットワーク内に格納可能であり且つノード間輸送車両によってノード施設間で輸送可能である。格納ビンの各々は、標準化されたサイズであり且つ在庫アイテムの複数の個別品の1つ以上を受領するように構成されている。施設にての初期取り込みがなされた後、実施形態では、サプライチェーンワークフローの実行における全トランザクションは、個別品(eaches)との関係でなされる。格納ビンが個別品の受領及び取り扱いをなせるということによって、サプライチェーンエコシステム内にて販売される在庫を「個別品」レベルで扱うことができ、「ケース」レベルで補充せずに「ぎりぎり十分」の在庫の補充をなすことで済む。例えば、マイクロ施設が特定の在庫アイテムに関して7個のみを必要としている場合、開示の方法では、丸ごと1つのケースを移転する代わりに、輸送可能な格納ビンを用いてその在庫アイテムを7単位だけマイクロ施設へと移転することができ、それによってマイクロ施設における格納要件を相当に減じることができる。さらに、格納ビンの各々は、ノード施設のいずれか1つにあるかノード間輸送車両のいずれか1つ内にあるかノード施設のいずれか1つとノード間輸送車両のいずれか1つとの間にある、格納ビンのいずれか1つについての選択的格納及び連続的追跡をなすために、インデクスされた格納場所の施設ベースドアレイ及びインデクスされた格納場所の車両ベースドアレイについて互換性がある構成とされる。格納ビンは、それらがマルチノーダルサプライチェーンシステムのノード施設のネットワーク及びノード間輸送車両団を順方向及び逆方向に移動する間に、自己の状態及びマルチノーダルサプライチェーンシステムにおける自己の場所をCSCMSに伝達する。実施形態では、格納ビンの各々は、ノード施設のいずれか1つにあるかノード間輸送車両のいずれか1つ内にあるかノード施設のいずれか1つとノード間輸送車両のいずれか1つとの間において、リアルタイム又は準リアルタイムで連続的に追跡可能である。実施形態では、格納ビンは、複数のベンダの1つ以上に所有される複数の在庫アイテムの1つ以上を含むようにさらに構成されている。
実施形態では、格納ビンは次のようにカテゴリ分けされる:一致するアイテムタイプの非混合在庫アイテムを含む第1カテゴリ格納ビンと、非一致のアイテムタイプの混合在庫アイテムを含む第2カテゴリ格納ビンと、注文を充足するための注文ビンとして構成された第3カテゴリ格納ビン。さらに、実施形態では、ノード施設のネットワークは、少なくとも1つのメガ施設と、少なくとも1つのマクロ施設と、図4A~4Bに示す少なくとも1つのマイクロ施設とを備える階層化ネットワークである。メガ施設は、第1カテゴリ格納ビンを格納するように構成されている。マクロ施設は、メガ施設から輸送された第1カテゴリ格納ビンの1つ以上を受領するように構成されているマクロ施設は、第1カテゴリ格納ビンの受領された1つ以上からの異なる在庫アイテムを所定個数の第2カテゴリ格納ビンに入れて別の1つ以上のノード施設の実際の在庫要求及び/又は予測された在庫要求のいずれかを充足するようにさらに構成されている。実施形態では、メガ施設及びマクロ施設の機能は1つの施設で組み合わされている。マイクロ施設は、少なくとも1つのマクロ施設から輸送された第2カテゴリ格納ビンの1つ以上を受領するように構成されている。マイクロ施設は、第2カテゴリ格納ビンの受領された1つ以上からの異なる在庫アイテムを所定個数の注文ビンに入れて注文を充足するようにさらに構成されている。実施形態では、ノード施設のネットワークは、図4A~4Bに示す少なくとも1つのナノ施設を備えるのであり、該ナノ施設は顧客及び/又は配送員のいずれかによって集荷されるための注文が入った注文ビンの1つ以上を受領するように構成されている。実施形態では、マクロ施設は在庫アイテムを流通させるように構成されており、他方でマイクロ施設は注文を充足させるように構成されている。実施形態では、マイクロ施設は、少なくとも1つのマイクロ施設の少なくとも1つのナノ施設への近さ及び/又は少なくとも1つのナノ施設についての顧客選好に基づいて注文を充足するように構成されている。
実施形態では、注文ビンは、格納ビンと同じ標準サイズ及び構成であるピック済み注文ビンとされる。ピック済み注文ビンには、マイクロ施設にて複数の注文の在庫アイテムの1つ以上が入れられ、また、マイクロ施設の施設ベースドアレイ内に取り込まれる。別の実施形態では、注文ビンは、完成注文ビンを備える。完成注文ビンは格納ビンとは異なる標準化サイズ及び構成とされており、また、個別の注文の在庫アイテムの1つ以上が少なくとも1つのマイクロ施設の施設ベースドアレイからのその取り出し後に入れられる。異なる標準サイズ及び構成の完成注文ビンは、少なくとも1つのナノ施設のインデクスされた格納場所の施設ベースドアレイとノード-ターミナル間輸送車両内のインデクスされた格納場所の車両ベースドアレイとについて互換性がある構成とされる。実施形態では、ベンダによって所有される在庫アイテムは、それぞれのベンダによってブランド済みのパッケージ(例えば、ベンダによってブランド済みの袋)に詰められ且つ該それぞれのベンダによってブランド済みのパッケージは完成注文ビンに入れられる。この実施形態では、詰め込みプロセス中にベンダのブランディングを維持するのであり、ブランドが付された袋を用いて顧客体験を向上させる。注文は、マクロ施設及び/又はマイクロ施設にて充足される。
実施形態では、マルチノーダルサプライチェーンシステムは、ノード施設の各々にて動作可能な1つ以上のロボティックハンドラーをさらに備える。各ロボティックハンドラーは格納ビンと互換性を有するように構成されており、格納ビンのいずれか1つをインデクスされた格納場所の施設ベースドアレイにて移動させるように構成されている。さらに、各ロボティックハンドラーは格納ビンいずれか1つをそこへと選択的に置くように構成されており、また、格納ビンいずれか1つをそこから取り出すように構成されている。また、1つ以上のロボティックハンドラーの各々は、格納ビンの各々に動的格納場所を提供するようにさらに構成されている。実施形態では、ロボティックハンドラーの各々には例えば機材_ID等の一意的識別子が割り当てられるのであり、これは格納ビンの動的格納場所の1つを示すように構成されており、それによって格納ビンのリアルタイム追跡を可能とする。実施形態では、図2A~2Bに示された施設管理サブシステム204は、ロボティックハンドラーに配置された1つ以上のセンサと通信して、ロボティックハンドラーのリアルタイム位置を識別して、その上に配置された格納ビンに関しての連続的追跡を可能とする。実施形態では、ロボティックハンドラーは格納ビンを輸送車両のビンカルーセル上に配置するのであり、輸送車両に入らずして輸送車両の外部からこれをなす。ビンカルーセルは、格納ビンへの直接的アクセスを可能とする。別の実施形態では、格納ビンは施設内のカセットにロードされる。これらのカセットは輸送車両内へと滑り込むように構成されている。実施形態では、少なくとも1つのノード施設は複数の環境的に異なる格納ゾーンを備えるのであり、それらの間で図5~7に示すようにインデクスされた格納場所の施設ベースドアレイが分布している。環境的に異なる格納ゾーンは、温度、湿度、及び/又は他の環境的条件において異なる。格納ビンは、環境的に異なる格納ゾーンにあるインデクスされた格納場所の施設ベースドアレイ内へと環境データに基づいて選択的に置かれる。環境データは、格納ビンの各モバイルデータ記憶装置及び/又はCSCMSから検索される。別の実施形態では、各輸送車両は、複数の環境的に異なる格納ゾーンを備えるのであり、それらの間で図19A~19Cに示すようにインデクスされた格納場所の車両ベースドアレイが分布している。格納ビンは、環境的に異なる格納ゾーンにあるインデクスされた格納場所の車両ベースドアレイ内へと環境データに基づいて選択的に置かれる。
CSCMSは、ノード施設のネットワークとノード間輸送車両団と格納ビンとに通信可能に結合されている。CSCMSは、少なくとも1つのプロセッサと該プロセッサと通信可能に結合された非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを備える。本明細書にて開示されるコンピュータ実装方法では、CSCMSは格納ビン各々に対して一意的ビン識別子を割り当てる(S2502)。CSCMSは、格納ビン各々のビンデータ及び一意的ビン識別子をCSCMSの1つ以上のデータベースに記憶する(S2503)。CSCMSは、施設ベースドアレイ及び車両ベースドアレイ及び格納ビンの動的格納場所内の格納ビンのインデクスされた格納場所の場所識別子をCSCMSの1つ以上のデータベースに記憶する(S2504)。本開示で使用されるように、「動的格納場所」は、格納ビンの場所であって施設内で格納ビンが動く際の及び施設と輸送車両との間での及びその逆向きでの格納ビンの移転の際の格納ビンの場所を指す。例えば、動的格納場所の1つは、格納ビンがロボティックハンドラー上に置かれてロボティックハンドラーによって施設内で動かされる場合には、格納ビンの場所とされる。別の例では、動的格納場所は、格納ビンを施設と輸送車両との間で及びその逆向きに移転するために用いられるコンベヤ上での格納ビンの場所とされる。また、CSCMSは、格納ビンがマルチノーダルサプライチェーンシステムのノード施設のネットワーク及びノード間輸送車両団を移動するに伴って施設ベースドアレイ及び車両ベースドアレイのインデクスされた格納場所の間を移転されるに際して場所識別子をデータベース内にて更新させる(S2505)。ノード施設のネットワーク、ノード間輸送車両団、及び格納ビンはCSCMSと動作可能に通信するのであり、これらは、1つ以上の個別品についてそれがマルチノーダルサプライチェーンシステムに投入されてから注文充足までに関して完全な追跡可能性を提供するように構成されている。
CSCMSはまた、格納ビンのビン識別子を自動的に記録及びリンクするのであって、次の事項へとリンクする:施設ベースドアレイ及び車両ベースドアレイ及び動的格納場所内のインデクスされた格納場所の場所識別子、格納ビン内に含まれる在庫アイテムのアイテム識別子、並びにデータベース内にて格納ビン内に含まれる在庫アイテムの複数のベンダのベンダ識別子。別の実施形態では、格納ビンのいずれか1つ以上は、複数のベンダの在庫アイテムを格納ビンのいずれか1つ以上内にて受け入れるように構成された複数の区画を備える。各区画は、区画識別子によって識別され、且つ、ベンダの対応する1つによって所有される在庫アイテムの1つ以上を受け入れるように構成されている。実施形態では、区画の各々は複数のベンダからの在庫アイテムを受け入れるように構成されており、例えば、在庫アイテムが同じユニバーサル製品コード(UPC、universal product code)を有する場合が挙げられる。CSCMSは、区画の各1つの区画識別子を自動的に記録及びリンクするのであって、次の事項へとリンクする: いずれか1つ以上の格納ビンに含まれる1つ以上の在庫アイテムのアイテム識別子、並びに、いずれか1つ以上の格納ビンに含まれる在庫アイテムのベンダのベンダ識別子。これらのマルチ区画格納ビンをもってして、マルチノーダルサプライチェーンシステムは、在庫アイテムの物理的所在及びその所有を追跡しつつ、マルチベンダ在庫を同一の格納ビン内で組み合わせる。
格納ビンと関連付けられているビンデータは:例えばベンダ製品カタログ等の在庫カタログと;格納ビンの各々に含まれる在庫アイテムの各々のアイテム識別子と数量と属性とを含む在庫アイテムデータと;含まれる在庫アイテムの宛先と関連付けられている宛先データと;格納ビンの各々に含まれる在庫アイテムがマルチノーダルサプライチェーンシステムを通じて宛先へ向かって搬送されるべきことに関してのタイムラインと緊急性とに関連付けられているタイミングデータと;格納ビンの各々に含まれる在庫アイテムに対してなされるべき付加価値サービスアクションと関連付けられている在庫カスタマイゼーションデータと;格納ビンの各々に含まれる在庫アイテムについての経路指定、取り扱い、及び/又は詰め込み要件と関連付けられている在庫取り扱いデータと;格納ビンの各々に含まれる在庫アイテムについての環境要件と関連付けられている環境データ、の少なくとも1つを含む。
CSCMSは、格納ビンの各々がマルチノーダルサプライチェーンシステムのノード施設のネットワーク及びノード間輸送車両団を順方向及び逆方向に移動する間に、格納ビンの各々からビンデータ及びコマンドを受信しまた処理させる。CSCMSはまた、ノード施設の1つ以上にて詰め込みアクション及び注文充足アクションを促進するためのタスクベースド命令をビンデータに基づいて生成させる。例えばマクロ施設等の施設が複数のSCSビンを施設のインデクスされた格納アレイで受領及び格納する場合であって、各SCSビンはその中の単一の製品又は在庫アイテムについての複数の個別品を含む、場合を検討されたい。施設のキッティングワークステーションでは、CSCMSは次のようにして複数のMCSビンに関して詰め込みをなすためのタスクベースド命令を生成する:MCSビン各々について、CSCMSは次のことをなすためのタスクベースド命令を生成する:インデクスされた格納アレイから抽出され且つ異なる製品をその中に含むSCSビンの一群を受領することと、個別品の1つ以上をSCS格納の群の各々から引き出すことと、引き出された個別品をMCSビン内に置くこと。例えばマイクロ施設等の別の施設で少なくとも1つの顧客注文を充足する際に、CSCMSは次のことをなすためのタスクベースド命令を生成する:顧客注文を充足するために必要とされる1つ以上の特定の製品を含む少なくとも1つのMCSビンを受領することと、MCSビンから1つ以上の特定の製品を引き出すことと、引き出された製品を、複数の別個の区画を備える注文ビンの各区画内に置くこと。なお、そのうち少なくとも1つの他の区画には、別の顧客注文の1つ以上の注文済み製品が含まれる。CSCMSはまた、次のことをなすためのタスクベースド命令を生成する:詰め込みワークステーションにて注文ビンを受領すること。なお、注文ビンの各区画から特定の製品が引き出されて配達のためにパッケージングがなされる。
CSCMSはまた、次のことをなすためのタスクベースド命令を生成する:ノード施設の1つ以上にて積み込みアクション及び積み降ろしアクションをビンデータに基づいて発動すること。実施形態では、ノード間輸送車両のいずれか1つからの到着格納ビンをノード施設のいずれか1つに積み降ろすのであり、出発格納ビンをいずれか1つのノード施設からいずれか1つのノード間輸送車両に再度積み込む。到着格納ビン及び出発格納ビンは、ノード間輸送車両のいずれか1つとノード施設のいずれか1つとの間で、1対1の対応で交換されるのであり、マルチノーダルサプライチェーンシステムを通じての順方向及び逆方向の格納ビンの流量が等価とされることが可能となる。ノード施設のいずれか1つからノード間輸送車両のいずれか1つに積み込まれた出発格納ビン各々の一意的ビン識別子が読み取られるのであり、一意的識別子をもってCSCMSの1つ以上のデータベースが更新されて、出発格納ビン各々のノード間輸送車両のいずれか1つへの移転が記録される。ノード間輸送車両のいずれか1つからノード施設のいずれか1つに積み降ろされた到着格納ビン各々の一意的ビン識別子が読み取られるのであり、一意的識別子をもってCSCMSの1つ以上のデータベースが更新されて、到着格納ビン各々のノード施設のいずれか1つへの移転が記録される。実施形態では、出発格納ビンの少なくとも1つは、空の格納ビンとされる。別の実施形態では、出発格納ビンの少なくとも1つは、在庫アイテムの少なくとも1つを含む空でない格納ビンとされる。別の実施形態では、空でない格納ビンは、要求される在庫アイテム又は顧客返品を含む。別の実施形態では、到着格納ビン及び出発格納ビンは、格納ビンと同じ標準サイズ及び構成とされる。
実施形態では、CSCMSは、ノード施設にて通信可能に相互結合された各施設管理サブシステムをさらに備える。各施設管理サブシステムは:そこに記憶されたビンデータを読み出すことと;そこに記憶されたビンデータを更新することと;ビンデータに少なくとも部分的に基づいて格納ビンに対して行われるべきアクションのためのコマンドを生成することと;生成されたコマンドに少なくとも部分的に基づいてノード施設における取り扱い機材を制御することと;アクションの遂行を指図するための作業員誘導命令を提供することと;格納ビンの各モバイルデータ記憶装置から読み出された環境データに基づいてなされる施設ベースドアレイ内の環境的に異なる格納ゾーンへの格納ビンの移転の実行をなすこと、の少なくとも1つに関して格納ビンの各モバイルデータ記憶装置と通信するように構成されている。格納ビンのモバイルデータ記憶装置は格納ビンの内容物に関するビンデータ(例えば、SKU、カウント、ベンダ所有者、場所等)を記憶するのであり、それによって各施設及び輸送車両にて格納ビンをチェックインする必要をなくすことができる。なぜならば、格納ビンがマルチノーダルサプライチェーンシステムを流通するに際して、各格納ビンは自己の状態を各施設及び輸送車両に自動的に報告するからである。実施形態では、CSCMSは、ノード間輸送車両にて各々の車両管理サブシステムをさらに備える。各々の車両管理サブシステムは、ノード施設における各々の施設管理サブシステムと、格納ビンの各々のモバイルデータ記憶装置と通信するように構成されており、これはノード施設からノード間輸送車両への及びその逆方向への格納ビンの移転を記録するためである。
図26は、実施形態による、2方向ロジスティクスを伴い且つ輸送可能且つ連続的に追跡可能な格納ビンを用いるサプライチェーンワークフローを実行するためのコンピュータ実装方法についてのフローチャートである。開示される方法では、ノード施設のネットワークとノード間輸送車両団と複数の格納ビンとコンピュータ化サプライチェーン管理システム(CSCMS)とを含む複数のエンティティは、図1A~1D,2A~2b,4A~4Bの詳細な説明にて開示されているように、マルチノーダルサプライチェーンシステム内において通信可能に接続されている(S2601)。開示の方法においては、ノード間輸送車両のいずれか1つからの在庫アイテムを含む到着格納ビンをノード施設のいずれか1つに積み降ろす(S2602)。いずれか1つのノード施設にある施設ベースドアレイのインデクスされた格納場所内に到着格納ビンが選択的に格納されて、いずれか1つのノード施設にて連続的に追跡される(S2603)。出発格納ビンをいずれか1つのノード施設からいずれか1つのノード間輸送車両に積み込まれる(S2604)。いずれか1つのノード間輸送車両にある車両ベースドアレイのインデクスされた格納場所内に出発格納ビンが選択的に格納されて、いずれか1つのノード間輸送車両にて連続的に追跡される(S2605)。CSCMSは、到着格納ビン及び出発格納ビンがサプライチェーンシステムのノード施設ネットワーク及びノード間輸送車両団を順方向及び逆方向に移動する間に、到着格納ビン及び出発格納ビンからのビンデータ及びコマンドを受信及び処理する(S2606)。
本明細書にて開示される非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、CSCMSの様々なプロセッサで実行可能なコンピュータプログラム命令を記憶しており、これは2方向ロジスティクスを伴い且つ輸送可能且つ連続的に追跡可能な格納ビンを用いるサプライチェーンワークフローを実行するためのものである。コンピュータプログラム命令は、上述された様々な実施形態のプロセスを実装するのであり、また、2方向ロジスティクスを伴い且つ輸送可能且つ連続的に追跡可能な格納ビンを用いるサプライチェーンワークフローを実行するために必要とされまたそのために想定され得る追加のステップを行う。コンピュータプログラム命令が様々なプロセッサによって実行されると、コンピュータプログラム命令は、プロセッサに、図25~26の詳細な説明で開示される、2方向ロジスティクスを伴い且つ輸送可能且つ連続的に追跡可能な格納ビンを用いるサプライチェーンワークフローを実行するための方法の諸ステップを実行させる。実施形態では、コンピュータプログラム命令を含むコンピュータプログラムコードの単一の塊は、図25~26の詳細な説明で開示されているコンピュータ実装方法の1つ以上のステップを実行する。プロセッサは、これらのコンピュータプログラム命令を検索及び実行する。
開示の方法では、標準化された注文ビンを使って、顧客注文を充足センタからラストマイルピックアップ地点(例えば、ナノ施設)に届けるのであり、それによって、ダンボール箱を廃して在庫アイテムをダンボール箱ではなく袋に入れて出荷することが可能となる。さらに、サプライチェーンエコシステム全体で標準化された格納ビンを用いることで、マルチノーダルサプライチェーンシステム内の全エンティティが単一の規格に特化して且つ効果的に取り扱うように構成され得るのであり、これによってエンティティ間の完全な互換性を確保できる。その結果、マルチノーダルサプライチェーンシステムの中で連続性及び隣接性が確保されるのであり、それと共に、マルチノーダルサプライチェーンシステムを地理的にも経時的にもスケーラブルなものとする。換言するに、マルチノーダルサプライチェーンシステム内の全機材が同じマテリアル捌き基準のセットに準拠するのならば、各格納ビンはマルチノーダルサプライチェーンシステム全体を、エンティティ間での直接的な物理的移転方法を用いて流通できるのであり、マテリアルのステージングのような従来型サプライチェーンの中間ステップを経ずにこれをなし得るのであり、エンティティ間の移転中に格納ビンの管理権が一時的にバッファ領域に割り当てられる。また、直接的な物理的移転により、例えばバーコードスキャンやRFIDスキャン等によって格納ビンを識別してエンティティ間での格納ビンの管理権の論理的移転を完成することを要することをなくせるのであり、それによって従来型物流のまた別の欠点を克服できる。
さらに、マルチノーダルサプライチェーンシステム内の各エンティティが実施するインデクスされた格納方法によれば、各格納ビンが各エンティティに管理されている間に、各格納ビンの場所を連続的に追跡できるようにできる。これに加えて、各格納ビンの物理的及び論理的な管理権をエンティティ間で直接移転できるということによって、マルチノーダルサプライチェーンシステム内のどこにおいても、格納ビンの場所を連続的に追跡できるようにできる。その結果、マルチノーダルサプライチェーンシステムは、到着集積領域から在庫アイテムを連続的にピックアップして出発集積領域に放出する別個のエンティティの集まりとしてではなく、1つの連結された有機体として作動する。本明細書で開示される格納ビンは、マルチノーダルサプライチェーンシステムにて連続的に追跡されるのであり、施設又は輸送車両に関して格納ビンをチェックイン及びチェックアウトするためのステージング領域を要さない。マルチノーダルサプライチェーンシステム内において出荷及び受け入れプロセス並びに関連するステージング領域を廃することによって、労働、不動産、及びリソース要件を大幅に減じるのであり、その一方でロジスティクスは効率化されるのであって、それによって従来型サプライチェーンのような雑然としたアプローチに比して、オペレーションはより秩序立ったものとなり、また、リアルタイムでの監視がより容易になる。
また、マルチノーダルサプライチェーンシステム全体における在庫アイテムの状態をリアルタイムで追跡できる。なぜならば、ロボティックハンドラー及び機械的手段で格納ビンが自律的に扱われて各格納ビンが場所にインデクスされるからである。これにより、マルチノーダルサプライチェーンネットワーク内の格納ビンの場所を連続的に識別及び追跡することができる。なぜならば、CSCMSによって行動を追跡できるロボティックハンドラーによって格納ビンが動かされるからである。故に、格納ビン自体に場所センサを設けておくことは要さない。なぜならば、格納ビンの場所を機械的手段で追跡しているからである。故に、格納ビンは、施設に対してチェックイン及びチェックアウトされることを要さないのであって、むしろ、格納ビンを施設や輸送車両に合致させる代わりに、格納ビンは連続的ネットワーク内のインデクスされた格納場所に合致される。
マルチノーダルサプライチェーンシステムは、マルチノーダルサプライチェーンシステムを順方向或いは下流方向及び逆方向或いは上流方向に流れる格納ビンについて、全エンティティ間で1対1で交換することを実装する。順方向流量と逆方向流量が同一である故に、ステージング領域においてマテリアルのあふれをバッファする必要がなくなるのであって、他方でマルチノーダルサプライチェーンシステムの秩序及び予測可能性がさらに高められる。逆方向に流れる格納ビンには、施設の階層の上方へと輸送されるべき在庫アイテムを積んで顧客返品を支援でき、従来型手法に比して逆行ロジスティクスがより費用対効果的に優れることとなる。順方向と同じインデクスされた格納方法を用いることで、返品された在庫アイテムがサプライチェーン階層を上がっていく過程を連続的に追跡できる。
ロジスティクス及び処理データに加えて、ビンデータベース構造は、在庫管理単位(SKU)、数量、所有者、場所等の概要を捉え、また、在庫マスタとして機能する。格納ビンはマルチノーダルサプライチェーンシステムの機関を通過する能動的主体である故に、施設及び輸送車両が使えるマスタが格納ビンである。この構成により、格納ビンに関連付けられたバーコード又はRFIDタグをスキャンして、格納ビンがあたかもその単一のエンティティに属するように施設又は輸送車両に受け取られたものとして格納ビンを割り当て及び登録すること、並びに、出荷時にエンティティにてスキャン/チェックアウトすること要さなくなり得る。本明細書で開示されている方法では、格納ビンはマルチノーダルサプライチェーンシステム内を移動し、自己の場所及び在庫状況を連続的に更新していく。
実施形態では、マルチノーダルサプライチェーンシステム内の各施設には所定のタスクを伴うクラスが割り当てられて、階層内の子ノードは指定された自己の親ノードからのみサービスを受ける。ドナーの子ノードから入用側子ノードに移転されるべき在庫は、マルチノーダルサプライチェーンシステムの逆行フローを用い先ず親ノードに返却されることを要し、そして順方向で入用側子ノードへと輸送されることを要する。よって、マルチノーダルサプライチェーンシステムは、例えばマイクロ施設等の最も近いエンドポイントから宛先住所まで製品を充足のために提供する。換言するに、代替的マイクロ施設から注文充足はなされない。代替の類似クラス施設(例えば別のマイクロ施設)から必要とされる任意の在庫アイテムは、階層上方へ向かってマクロ施設へと移転され、そして最も近いマイクロ施設へと下方へ向かって移転される。この階層化された構成によって、計画外出荷がなくなるため、諸プロセスがさらに効率的になり、予測可能性がさらに増大され、また、マルチノーダルサプライチェーンシステム内における輸送コストが減じられる。
マルチノーダルサプライチェーンシステム内における全行動を監視できること及びその予測可能性に富む性質故に、マルチノーダルサプライチェーンシステム内の全エンティティによってなされる行動の因果がマルチノーダルサプライチェーンシステム全体にわたって注意深く査定されることになる。故に、従来型サプライチェーン手法に比してシナリオ分析及びシミュレーションはより容易になし得るのであり、生成される知見はより効果的なものとなり、それによってマルチノーダルサプライチェーンシステムは増大した精緻性を伴って作動し得るのであり、運営コストが減じられる。また、マルチノーダルサプライチェーンシステムのマルチテナント性又はマルチベンダ性は、コストを減じると同時に、顧客サービスを昂進させる。
分散型マルチノーダルサプライチェーンシステムは膨大な数の格納ビンに対応するのであり、各々にはマルチノーダルサプライチェーンシステム内において独自の経路がもたらされ、それらの間でのインフラストラクチャの動的共有が可能とされる。各施設における施設管理サブシステム及び各輸送車両における車両管理サブシステムを備えるコンピュータ化サプライチェーンシステム管理システムによって実装されるマルチエージェント統制は、アダプティブ且つアジャイルなレイヤがサプライチェーンインフラストラクチャを効果的に統制することを可能として、ロジスティクスの条件が恒常的に変化するにもかかわらず各格納ビンがサプライチェーンエコシステムを最適に流通することを可能とする。
本明細書に開示されている様々な方法及びコンピュータ可読プログラムはコンピューティング装置用に適切にプログラミングされた非一時的コンピュータ可読記憶媒体にて実装されていることが、異なる実施形態において明らかとなろう。非一時的コンピュータ可読記憶媒体はデータ(例えば、コンピュータ、プロセッサ又は同様の装置によって読み取られる命令等)を提供することに関して貢献する。異なる実施形態では、「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」とは、コンピュータ、プロセッサ、又は同様の装置によって読み取られる1つ以上の命令セットを記憶する単一の媒体又は複数の媒体(例えば、集中型データベース、分散型データベース、及び/又は関連するキャッシュ及びサーバ)をも指す。「非一時的コンピュータ可読記憶媒体」とは、コンピュータ、プロセッサ又は同様の装置によって実行されるための命令のセットを記憶又はエンコードすることができ、また、本明細書に開示されている方法の任意の1つ以上のステップをコンピュータ、プロセッサ又は同様の装置に実行させることができる任意の媒体をも指す。実施形態では、本明細書に開示された方法及びアルゴリズムを実装するコンピュータプログラムは、例えばコンピュータ可読媒体等の様々な媒体を用いて様々な態様で記憶及び伝送される。実施形態では、固定配線回路又はカスタムハードウェアが、様々な実施形態のプロセスを実装するためのソフトウェア命令の代わりに、又はそれと組み合わせて使用される。よって、実施形態は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の特定の組み合わせに限定されはしない。ここで開示されている実施形態の様々な側面は、プログラム要素、又は非プログラム要素、又はそれらの任意の適切な組み合わせとして実装される。
図2A~2B及び図3A~3Dに例示されている中央データベース203、ローカル施設データベース207、及びローカル車両データベース220等のデータベースが記載されている場合、当業者ならば次のように理解できよう:(i)記載されているもの以外の代替的なデータベース構造を採用し得ること、及び(ii)データベース以外の他のメモリ構造も採用可能であること。本明細書にて開示されている任意のサンプルデータベースの図解又は説明は、情報の保存された表現についての例示的配置である。実施形態では、図面や他の場所にて示されたテーブルで示唆されたもの以外にも、幾つもの他の構成の任意のものを採用できる。同様に、データベースの図示されたエントリは例示的な情報のみを示し;当業者ならば、エントリ数やエントリ内容が本明細書にて開示されているものとは異なり得ることを理解できよう。別の実施形態では、データベースがテーブルとして表されているにもかかわらず、リレーショナルデータベース、オブジェクトベースドモデル、及び/又は分散データベースを含む他の形式が、本明細書で開示されているデータタイプを記憶及び操作するために用いられる。実施形態では、データベースのオブジェクト方法又は挙動を用いて、本明細書に開示されているような様々なプロセスを実装する。別の実施形態では、データベースは、既知の態様で、ローカルで又はそのようなデータベースのデータにアクセスする装置からリモートで、記憶されている。複数のデータベースがある実施形態では、データベースの1つでデータの更新があった場合にデータベース間でリンクされたデータの同時更新を可能とするために、データベースは相互通信するように統合されている。
本明細書で開示する実施形態は、通信ネットワークを介して1つ以上の装置と通信する1つ以上のコンピュータを備えるネットワーク環境で動作するように構成されている。実施形態では、コンピュータは、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)又はイーサネット、トークンリング等の有線媒体又は無線媒体を介して、又は任意の適切な通信媒体又は通信媒体の組み合わせを介して、直接的又は間接的に装置と通信する。各装置は、コンピュータと通信するために適応されたプロセッサを備える。実施形態では、各コンピュータは、ネットワーク通信デバイス(例えば、ネットワークインターフェースカード、モデム、又はネットワークに接続するのに適した他のネットワーク接続装置)を備えている。コンピュータ及び装置の各々は、OSを実行する。コンピュータのタイプによってOSは異なり得るが、OSはネットワークとの通信リンクを確立するための適切な通信プロトコルを提供する。コンピュータとは任意の数やタイプのマシンが通信していることができる。
本明細書で開示する実施形態は、特定のコンピュータシステムプラットフォーム、プロセッサ、OS、又は通信ネットワークに限定されるものではない。本明細書に開示されている1つ以上の実施形態は、1つ以上のコンピュータシステムの間で分散されており、例えば、1つ以上のクライアントコンピュータに1つ以上のサービスを提供するように構成された又は分散システムで完全なタスクを実行するように構成されたサーバ等がある。例えば、本明細書で開示される実施形態の1つ以上は、様々な実施形態に従って複数の機能を実行する1つ以上のサーバシステムに分散されたコンポーネントを備えるクライアント-サーバシステム上で実行される。これらのコンポーネントは、例えば、実行コード、中間コード、インタプリタコード等からなり、通信プロトコルを用いてネットワーク上で通信する。本明細書で開示する実施形態は、特定のシステム又はシステム群で実行可能であることには限定されておらず、また、特定の分散アーキテクチャ、ネットワーク、又は通信プロトコルに限定されない。
先述の例及び様々な実施形態についての例示的実装例は、単に説明のために提供されたものであり、決して本明細書に開示された実施形態を限定するものとしては解釈されてはならない。本実施形態は、様々な例示的な実装例、図面、及び手法への参照を伴って説明されたが、本明細書で使用される文言は、限定の文言ではなく、記述的及び例示的な文言であるものと理解されたい。また、特定の手段、材料、手法、及び実装例を参照して実施形態を説明したが、本明細書の実施形態は、本明細書に開示された特定のものに限定されることは意図されていないのであり;むしろ、実施形態は、添付の請求項の範囲内にあるような、全ての機能的に等価な構造、方法、及び用途に及ぶ。本明細書の教示の恩恵を受けた当業者は、本明細書に開示された実施形態の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書に開示された実施形態に修正を加え得るのであり、他の実施形態を実現し得るのであり、それに変更を加え得るということを理解できよう。