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JP2022071120A - 硬貨処理システムおよび硬貨処理方法 - Google Patents

硬貨処理システムおよび硬貨処理方法 Download PDF

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JP2022071120A JP2022032314A JP2022032314A JP2022071120A JP 2022071120 A JP2022071120 A JP 2022071120A JP 2022032314 A JP2022032314 A JP 2022032314A JP 2022032314 A JP2022032314 A JP 2022032314A JP 2022071120 A JP2022071120 A JP 2022071120A
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Abstract

Figure 2022071120000001
【課題】予備硬貨収納体に収納されている硬貨を硬貨処理装置の収納繰出部に補充することにより、操作者の作業の効率化を図ることができる硬貨処理システムおよび硬貨処理方法を提供する。
【解決手段】硬貨処理システム10は、硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を繰り出し可能な収納部(例えば、収納繰出部34)を有する硬貨処理装置20と、硬貨処理装置20の収納繰出部34から繰り出された硬貨のうち硬貨処理装置20から出金される硬貨以外の硬貨が送られて収納される予備硬貨収納体(例えば、予備硬貨収納カセット60)と、硬貨処理装置20の収納繰出部34に硬貨を補充する旨の指令が与えられたときに、予備硬貨収納体に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能かを判定する判定手段90とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を繰り出し可能な収納部を有する硬貨処理装置を備えた硬貨処理システムおよびこのような硬貨処理システムによる硬貨処理方法に関する。
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の商業施設の店舗において、商品棚が設置されるフロント領域の精算所には貨幣釣銭機がPOSレジスタとともに設置されている。ここで、フロント領域の精算所に設置される貨幣釣銭機は、商品と引き換えに顧客から店員に手渡された貨幣の入金処理を行うとともに、釣銭としての貨幣の出金処理を行うことができるよう構成されている。このような貨幣釣銭機として、例えば特許文献1等に開示される貨幣処理装置が知られている。
特許文献1に開示される貨幣処理装置では、硬貨処理部や紙幣処理部の下方に第1収納ドロアおよび第2収納ドロアが当該貨幣処理装置の幅方向に並ぶよう設けられている。そして、硬貨処理部において入金された硬貨の量が所定の適正上限額を超えたときにはこの適正上限額を超えた分の硬貨が硬貨処理部から第1収納ドロアの回収硬貨収納トレーに送られて収納されるようになっている。また、第2収納ドロアには、包装硬貨を収納する棒金収納部が設けられている。
特開2017-123056号公報
特許文献1に開示される貨幣処理装置では、硬貨処理部において釣銭としての硬貨が不足する場合に当該硬貨処理部に硬貨を補充する必要がある。ここで、硬貨処理部に硬貨を補充する際に、従来では、第2収納ドロアの棒金収納部から包装硬貨を取り出し、この取り出された包装硬貨の包装紙を解いてバラ硬貨とした後に、バラ硬貨を硬貨処理部に投入していた。しかしながら、このような硬貨の補充方法では、混雑が予想されるために予め多めの釣銭としての硬貨を貨幣処理装置に補充して準備しておきたいが、硬貨処理部において釣銭として不足する硬貨の枚数が例えば40枚程度である場合には、包装硬貨1本分の硬貨(例えば50枚の硬貨)を補充すると端数の硬貨(この場合は10枚)がでてしまうため、硬貨処理部にて収納フル状態となってしまう。そして、このような収納フル状態を解除するために、別途、端数分の硬貨を回収する回収処理を行い、これらの端数分の硬貨を別途、別の装置(ドロアなど)に収納する等の手間がかかるという問題があった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、予備硬貨収納体に収納されている硬貨を硬貨処理装置の収納部に補充することにより、操作者の作業の効率化を図ることができる硬貨処理システムおよび硬貨処理方法を提供することを目的とする。
本発明の硬貨処理システムは、硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を繰り出し可能な収納部を有する硬貨処理装置と、前記硬貨処理装置とは別に設けられ、当該硬貨処理装置の前記収納部から繰り出された硬貨のうち前記硬貨処理装置から出金される硬貨以外の硬貨が送られて収納される予備硬貨収納体と、前記硬貨処理装置の前記収納部に硬貨を補充する旨の指令が与えられたときに、前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨を前記硬貨処理装置の前記収納部に補充可能かを判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
このような硬貨処理システムによれば、硬貨処理装置の収納部に硬貨を補充する旨の指令が与えられたときに、予備硬貨収納体に収納されている硬貨を硬貨処理装置の収納部に補充可能かが判定されるため、予備硬貨収納体に収納されている硬貨を硬貨処理装置の収納部に補充することにより、操作者の作業の効率化を図ることができる。
本発明の硬貨処理システムは、前記硬貨処理装置から前記予備硬貨収納体に送られた硬貨の金種毎の枚数を計数する計数手段を更に備えていてもよい。
この場合、本発明の硬貨処理システムは、前記硬貨処理装置に補充されるべき硬貨の金種毎の枚数と、前記計数手段による計数結果とを比較する比較手段を更に備え、前記判定手段は、前記比較手段による比較結果に基づいて、前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨を前記硬貨処理装置の前記収納部に補充可能かを判定してもよい。
また、本発明の硬貨処理システムは、包装硬貨を収納する包装硬貨収納装置を更に備え、前記判定手段は、前記比較手段による比較結果に加えて、前記包装硬貨収納装置に収納されている包装硬貨の金種毎の本数を参照して、前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨を前記硬貨処理装置の前記収納部に補充可能かを判定してもよい。
また、本発明の硬貨処理システムは、包装硬貨を収納する包装硬貨収納装置を更に備え、前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨および前記包装硬貨収納装置に収納されている包装硬貨のうち何れの硬貨を前記硬貨処理装置の前記収納部に補充するかを選択するための操作手段が設けられていてもよい。
また、本発明の硬貨処理システムは、前記判定手段による判定結果を報知する報知手段を更に備えていてもよい。
この場合、前記報知手段は前記予備硬貨収納体に設けられていてもよい。
また、前記硬貨処理装置は、硬貨を筐体内に投入するための投入部を更に有しており、前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨が前記硬貨処理装置の前記収納部に補充される際に、当該予備硬貨収納体に収納されている硬貨が前記投入部から前記硬貨処理装置の前記筐体内に投入されてもよい。
この場合、前記予備硬貨収納体は前記硬貨処理装置の前記投入部に装着可能となっており、前記予備硬貨収納体が前記投入部に装着されたときに、前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨が前記投入部から前記硬貨処理装置の前記筐体内に投入されてもよい。
また、前記予備硬貨収納体は、当該予備硬貨収納体に収納されている硬貨を外部に繰り出す繰出機構を有しており、前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨が前記硬貨処理装置の前記収納部に補充される際に、当該予備硬貨収納体に収納されている硬貨が前記繰出機構により前記硬貨処理装置の内部に繰り出されてもよい。
また、前記硬貨処理装置は、前記収納部から繰り出された硬貨を収納する追加収納部を有しており、前記追加収納部から前記予備硬貨収納体に硬貨が送られるようになっていてもよい。
また、本発明の硬貨処理システムは、前記予備硬貨収納体を位置固定でロックするためのロック機構を更に備え、前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨を前記硬貨処理装置の前記収納部に補充可能であると前記判定手段により判定されたときに前記ロック機構による前記予備硬貨収納体のロックが解除されてもよい。
本発明の硬貨処理方法は、硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を繰り出し可能な収納部を有する硬貨処理装置の前記収納部から硬貨を繰り出し、繰り出された硬貨のうち出金されるべき硬貨以外の硬貨を予備硬貨収納体に送って収納する工程と、前記硬貨処理装置の前記収納部に硬貨を補充する旨の指令が与えられたときに、前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨を前記硬貨処理装置の前記収納部に補充可能かを判定する工程と、を備えたことを特徴とする。
このような硬貨処理方法によれば、硬貨処理装置の収納部に硬貨を補充する旨の指令が与えられたときに、予備硬貨収納体に収納されている硬貨を硬貨処理装置の収納部に補充可能かが判定されるため、予備硬貨収納体に収納されている硬貨を硬貨処理装置の収納部に補充することにより、操作者の作業の効率化を図ることができる。
本発明の硬貨処理システムおよび硬貨処理方法によれば、予備硬貨収納体に収納されている硬貨を硬貨処理装置の収納部に補充することにより、操作者の作業の効率化を図ることができる。
本発明の実施の形態による貨幣処理システムの構成を示す斜視図である。 図1に示す貨幣処理システムにおける硬貨処理装置の内部を上方から鉛直方向下方に向かって見たときの構成を示す構成図である。 図1に示す貨幣処理システムにおける予備硬貨収納カセットの構成を示す斜視図である。 図3に示す予備硬貨収納カセットを図1に示す硬貨処理装置の硬貨投入部に装着したときの状態を示す斜視図である。 図1に示す貨幣処理システムにおける包装硬貨収納装置の構成を示す上面図である。 図1に示す貨幣処理システムにおける制御系の構成を示す機能ブロック図である。 図1に示す貨幣処理システムにおいて硬貨処理装置への硬貨の補充処理が行われる際の動作を示すフローチャートである。 図7に示すフローチャートに引き続く、図1に示す貨幣処理システムにおいて硬貨処理装置への硬貨の補充処理が行われる際の動作を示すフローチャートである。 変形例に係る貨幣処理システムの構成を示す斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図9は、本実施の形態に係る貨幣処理システムを示す図である。このうち、図1は、本実施の形態による貨幣処理システムの構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示す貨幣処理システムにおける硬貨処理装置の内部を上方から鉛直方向下方に向かって見たときの構成を示す構成図である。また、図3は、図1に示す貨幣処理システムにおける予備硬貨収納カセットの構成を示す斜視図であり、図4は、図3に示す予備硬貨収納カセットを図1に示す硬貨処理装置の硬貨投入部に装着したときの状態を示す斜視図である。また、図5は、図1に示す貨幣処理システムにおける包装硬貨収納装置の構成を示す上面図である。また、図6は、図1に示す貨幣処理システムにおける制御系の構成を示す機能ブロック図であり、図7および図8は、図1に示す貨幣処理システムにおいて硬貨処理装置への硬貨の補充処理が行われる際の動作を示すフローチャートである。また、図9は、変形例に係る貨幣処理システムの構成を示す斜視図である。
スーパーマーケット等の商業施設の店舗において、顧客が立ち入ることができるフロント領域には様々な商品が陳列された商品棚が設置されているとともに、このフロント領域の精算所には図1に示すような貨幣処理システム10が設置されている。ここで、貨幣処理システム10は、左右に並ぶよう配置された硬貨処理装置20および紙幣処理装置70を有している。硬貨処理装置20は、売上金としての硬貨の入金処理および釣銭としての硬貨の出金処理を行うようになっている。また、紙幣処理装置70は、売上金としての紙幣の入金処理および釣銭としての紙幣の出金処理を行うようになっている。また、硬貨処理装置20の下方には、予備硬貨収納カセット60が着脱自在に装着されるカセット装着部54が配置されており、紙幣処理装置70の下方には、包装硬貨を収納する包装硬貨収納装置72が配置されている。また、図1における貨幣処理システム10の上面の参照符合Pで示す領域にはPOSレジスタを載置することができるようになっている。顧客がこのような精算所で精算処理を行う際に、店員は、顧客から受け取った商品の代金としての硬貨や紙幣を硬貨処理装置20や紙幣処理装置70に入金したり、釣銭としての硬貨や紙幣を硬貨処理装置20や紙幣処理装置70から出金して顧客に返却したりするようになっている。また、POSレジスタにより、顧客が購入した商品に係る情報、および硬貨処理装置20や紙幣処理装置70に収納されている硬貨や紙幣に係る情報等の管理が行われるようになっている。このような貨幣処理システム10における硬貨処理装置20および予備硬貨収納カセット60の詳細について図1乃至図8を用いて説明する。
図1等に示すように、硬貨処理装置20は略直方体形状の筐体21を備えており、この筐体21の前面側には、硬貨の入金処理を行う際に操作者によって硬貨が投入される硬貨投入部22と、硬貨の出金処理を行う際に硬貨が払い出される硬貨払出部50と、硬貨の入金処理を行う際にリジェクト硬貨が払い出されるリジェクト部52とがそれぞれ設けられている。また、筐体21の内部には、硬貨を金種毎に収納する複数の収納繰出部34が設けられている。ここで、複数の収納繰出部34は筐体21の奥行き方向(すなわち、図2の上下方向)に沿って並列に並ぶよう配置されており、各収納繰出部34にはそれぞれ500円硬貨、100円硬貨、50円硬貨、10円硬貨、5円硬貨および1円硬貨が図2における下から順に収納されるようになっている。また、筐体21の上面には、操作者が様々な指令を入力したり、硬貨処理装置20や紙幣処理装置70等の内部に収納されている貨幣の在高等の様々な情報を表示したりするためのタッチパネル等の操作表示部82が設けられている。
硬貨投入部22には、操作者により硬貨が投入される硬貨投入口22aが形成されており、硬貨投入口22aに投入された硬貨は当該硬貨の自重により落下して硬貨受入部24(図2参照)に送られるようになっている。また、硬貨受入部24には残留検知センサ(図示せず)が設けられており、硬貨受入部24に受け入れられた硬貨は残留検知センサによって検知されるようになっている。また、硬貨受入部24には、図2における左方向に移動する繰出ベルト等からなる硬貨繰出機構24a(図6参照)が設けられており、硬貨受入部24に受け入れられた硬貨が残留検知センサによって検知されるとこの硬貨繰出機構24aが駆動されることにより当該硬貨繰出機構24aによって硬貨が硬貨受入部24から1枚ずつ繰り出されるようになっている。また、筐体21の内部には、硬貨繰出機構24aによって硬貨受入部24から繰り出された硬貨を1枚ずつ搬送する入金搬送部26が設けられている。
図2に示すように、入金搬送部26の途中には、硬貨の金種、真偽、正損、表裏、新旧、搬送状態等の識別を行う識別部28が設けられている。また、入金搬送部26による硬貨の搬送方向における識別部28の下流側の箇所には、当該識別部28により正常な硬貨ではないと識別された硬貨や識別部28により識別することができなかった硬貨を入金搬送部26から分岐させてリジェクトシュート32によりリジェクト部52に送るための第1分岐部30が設けられている。
図2に示すように、入金搬送部26による硬貨の搬送方向における第1分岐部30の更に下流側の箇所には、各収納繰出部34に対応して複数の金種別分岐部(図示せず)が直列に並ぶよう設けられている。これらの金種別分岐部により、入金搬送部26により搬送される硬貨について、識別部28により識別された金種に基づいて、各収納繰出部34に割り当てられている金種に対応する硬貨が金種別分岐部により各収納繰出部34に送られるようになる。また、各収納繰出部34には、これらの収納繰出部34に収納されている硬貨を1枚ずつ図2における右方向に繰り出す硬貨繰出機構34a(図6参照)がそれぞれ設けられている。また、各収納繰出部34には、硬貨繰出機構34aにより収納繰出部34から繰り出される硬貨を検知する硬貨検知センサ34b(図6参照)が設けられている。このような硬貨検知センサ34bによる硬貨の検知情報により、後述する制御部80は、収納繰出部34から繰り出された硬貨の金種毎の枚数に係る情報を取得することができるようになる。
図2に示すように、筐体21の内部には、各収納繰出部34から硬貨繰出機構34aにより繰り出された硬貨を硬貨払出部50に搬送する出金搬送部36が設けられている。より詳細には、図2において各収納繰出部34から硬貨繰出機構34aにより硬貨が右方向に繰り出されるようになっており、出金搬送部36は各収納繰出部34から繰り出された硬貨を下方向に搬送して硬貨払出部50に送るようになっている。また、硬貨払出部50は筐体21の外部に露出しており、操作者はこの硬貨払出部50に集積されている硬貨を手で掴んで筐体21の外部に取り出すことができるようになっている。
また、出金搬送部36の途中には、当該出金搬送部36から硬貨を分岐させる第2分岐部38が設けられており、第2分岐部38により出金搬送部36から分岐させられた硬貨は分岐搬送部40により硬貨受入部24に送られるようになっている。また、分岐搬送部40の途中には、当該分岐搬送部40から硬貨を分岐させる第3分岐部42が設けられており、第3分岐部42により分岐搬送部40から分岐させられた硬貨は追加収納部44に送られてこの追加収納部44に収納されるようになっている。また、追加収納部44には、当該追加収納部44に収納されている硬貨を1枚ずつ繰り出す硬貨繰出機構44a(図6参照)が設けられており、硬貨繰出機構44aにより追加収納部44から繰り出された硬貨は第4分岐部46に送られるようになっている。第4分岐部46は、硬貨繰出機構44aにより追加収納部44から繰り出された硬貨を、出金搬送部36および硬貨排出口48のうちいずれか一方に振り分けるようになっている。硬貨繰出機構44aにより追加収納部44から繰り出された硬貨のうち、第4分岐部46により硬貨排出口48に振り分けられた硬貨は、当該硬貨の自重によって硬貨排出口48から筐体21の下方に排出されるようになる。
次に、硬貨処理装置20の下方に配置されているカセット装着部54およびこのカセット装着部54に着脱自在に装着される予備硬貨収納カセット60の構成について図1、図3および図4を用いて説明する。
図3に示すように、カセット装着部54に着脱自在に装着される予備硬貨収納カセット60は、略直方体形状のケーシングを有しており、このケーシングの上面および下面にはそれぞれ開口62、64が形成されている。また、ケーシングの上面および下面には、各開口62、64をそれぞれ開閉するためのシャッター62a、64aがそれぞれ設けられている。ここで、各シャッター62a、64aは互いに独立して駆動されるようになっている。また、予備硬貨収納カセット60がカセット装着部54から取り外されているときの状態では、各シャッター62a、64aにより開口62、64がそれぞれ閉じられるようになっている。一方、予備硬貨収納カセット60がカセット装着部54に装着されると、シャッター62aが駆動されて開口62が開かれるようになっている。また、予備硬貨収納カセット60がカセット装着部54に装着されると、当該予備硬貨収納カセット60の開口62は硬貨処理装置20の硬貨排出口48の真下に位置するようになっている。このため、予備硬貨収納カセット60がカセット装着部54に装着されているときに、硬貨処理装置20において第4分岐部46により硬貨排出口48に振り分けられた硬貨が当該硬貨の自重によって硬貨排出口48から筐体21の下方に排出されると、硬貨排出口48から排出された硬貨は開口62を通って予備硬貨収納カセット60の内部に収納されるようになる。
また、本実施の形態の貨幣処理システム10では、カセット装着部54から取り外された予備硬貨収納カセット60を硬貨処理装置20の硬貨投入部22に装着することができるようになっている。図4は、カセット装着部54から取り外された予備硬貨収納カセット60が硬貨処理装置20の硬貨投入部22に装着されたときの状態を示す斜視図である。図4に示すように予備硬貨収納カセット60が硬貨投入部22に装着されると、シャッター64aが駆動されて開口64が開かれるようになっている。また、予備硬貨収納カセット60が硬貨投入部22に装着されると、当該予備硬貨収納カセット60の開口64は硬貨処理装置20の硬貨投入口22aの真上に位置するようになっている。このため、予備硬貨収納カセット60が硬貨投入部22に装着されると、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨が当該硬貨の自重により開口64から落下して硬貨投入口22aに入り、硬貨受入部24に受け入れられるようになる。
また、図6に示すように、カセット装着部54には、当該カセット装着部54に装着されている予備硬貨収納カセット60をロックするロック機構56が設けられている。ロック機構56により予備硬貨収納カセット60がロックされると、カセット装着部54から予備硬貨収納カセット60を取り外すことができなくなる。一方、ロック機構56による予備硬貨収納カセット60のロックが解除されると、カセット装着部54から予備硬貨収納カセット60を手前側に取り外すことができるようになる。また、図1や図3等に示すように、予備硬貨収納カセット60のケーシングの前面にはLEDランプ66が設けられている。
次に、硬貨処理装置20の隣に配置されている紙幣処理装置70の構成について簡単に説明する。図1に示すように、紙幣処理装置70は略直方体形状の筐体を備えており、この筐体の前面には紙幣投入口70aおよび紙幣払出口70bがそれぞれ形成されている。紙幣処理装置70において紙幣の入金処理が行われる際に、操作者は紙幣投入口70aに投入するようになっている。また、紙幣処理装置70において紙幣の出金処理が行われる際に、紙幣払出口70bから紙幣が払い出されるようになっている。このような紙幣処理装置70の構成の詳細については説明を省略する。
次に、紙幣処理装置70の下方に配置されている包装硬貨収納装置72の構成について図1および図5を用いて説明する。
図1および図5に示すように、包装硬貨収納装置72は、手前側の側面が開口している略直方体形状の筐体72aと、筐体72a内に収容可能となっているとともに当該筐体72aから手前側に引き出し可能な収納ドロア78とを備えており、収納ドロア78には各金種の包装硬貨が例えば2列で収納されるようになっている(図5において、収納ドロア78に収納された各金種の包装硬貨を斜線で示している)。ここで、収納ドロア78には、包装硬貨を1本ずつ収納する収納部(ポケット)が複数個形成されており、各収納部に収納される包装硬貨の金種毎の収納本数および位置が予め設定されている。具体的には、図5において参照符号Aで示す領域には8本の100円の包装硬貨が収納可能となっており、参照符号Bで示す領域には1本の500円の包装硬貨が収納可能となっており、参照符号Cで示す領域には1本の50円の包装硬貨が収納可能となっている。また、図5において参照符号Dで示す領域には6本の10円の包装硬貨が収納可能となっており、参照符号Eで示す領域には4本の1円の包装硬貨が収納可能となっており、参照符号Fで示す領域には1本の5円の包装硬貨が収納可能となっている。
また、図6に示すように、包装硬貨収納装置72の筐体72aの内部には、収納ドロア78が筐体72aに完全に収容されたときに当該収納ドロア78を筐体72a内にロックするためのロック機構74が設けられている。ここで、ロック機構74が収納ドロア78を筐体72aの内部にロックしたときには、この収納ドロア78を筐体72aから手前側に引き出すことができなくなり、よって収納ドロア78から包装硬貨を取り出すことができなくなる。
また、包装硬貨収納装置72の筐体72aにおける前面開口の近傍には、収納ドロア78が筐体72aから手前側に引き出されたり筐体72aの内部に戻されたりする際に当該収納ドロア78に収納されている包装硬貨の金種毎の本数を検知する検知手段76が設けられている。具体的には、図5に示すように、検知手段76は左右一対の光センサ76aおよび筐体72aからの収納ドロア78の引き出し量を検知するロータリエンコーダ76bを有している。ここで、各光センサ76aは発光素子および受光素子を有しており、発光素子から発せられた光は、包装硬貨収納装置72の幅方向(図5における左右方向)に延びる光軸を通って受光素子に送られるようになっている。そして、収納ドロア78が筐体72aの内部に完全に収容されていたり当該収納ドロア78が筐体72aから完全に引き出されたりしているときには、各光センサ76aにおいて発光素子から発せられた光は受光素子により受けられる。一方、収納ドロア78が筐体72aから手前側に引き出されたり筐体72aの内部に戻されたりする際に、発光素子から発せられた光が収納ドロア78内に収納された包装硬貨により遮られることにより受光素子に届かなくなり、このことにより包装硬貨の孔の有無や直径の大きさが検知されるようになる。前述したように、収納ドロア78において、収納される包装硬貨の金種毎の収納本数および位置が予め設定されているため、光センサ76aにより検知された包装硬貨の孔の有無や直径の大きさ、ならびにロータリエンコーダ76bにより検知された筐体72aからの収納ドロア78の引き出し量に基づいて、収納ドロア78に収納された包装硬貨の金種毎の本数、および各包装硬貨が収納ドロア78内の所定の位置に正しく収納されているか否か等が検知されるようになっている。
また、図1に示すように、収納ドロア78の前面にはLEDランプ79が設けられている。
なお、本実施の形態による包装硬貨収納装置72は上記の構成のものに限定されることはない。他の構成の包装硬貨収納装置72において、収納ドロア78に収納されている包装硬貨の金種毎の本数を検知する検知手段76として、収納ドロア78の収納部に収納される包装硬貨の有無および金種を検出するセンサを全ての収納部に配置するような方式のものが用いられてもよい。
次に、このような構成からなる貨幣処理システム10の制御系の構成について図6を用いて説明する。本実施の形態の貨幣処理システム10には、硬貨処理装置20、紙幣処理装置70、カセット装着部54および包装硬貨収納装置72の制御をそれぞれ行う制御部80が設けられている。具体的には、制御部80には、硬貨処理装置20の硬貨繰出機構24a、入金搬送部26、識別部28、第1分岐部30、各収納繰出部34に設けられている硬貨繰出機構34aおよび硬貨検知センサ34b、出金搬送部36、第2分岐部38、分岐搬送部40、第3分岐部42、追加収納部44に設けられている硬貨繰出機構44aおよび第4分岐部46等が接続されている。ここで、識別部28による硬貨の識別結果に係る情報や、各硬貨検知センサ34bによる硬貨の検知結果に係る情報は制御部80に送られるようになっている。また、硬貨処理装置20の各構成部材に制御部80から指令信号が送られることによりこれらの構成部材の制御が行われるようになっている。また、制御部80には紙幣処理装置70の各構成部材が接続されており、当該紙幣処理装置70の各構成部材に制御部80から指令信号が送られることによりこれらの構成部材の制御が行われるようになっている。また、制御部80にはカセット装着部54のロック機構56が接続されており、このロック機構56に制御部80から指令信号が送られることにより当該ロック機構56の制御が行われるようになっている。また、制御部80には包装硬貨収納装置72のロック機構74および検知手段76がそれぞれ接続されており、検知手段76による包装硬貨の検知結果が制御部80に送られるようになっている。また、ロック機構74に制御部80から指令信号が送られることにより当該ロック機構74の制御が行われるようになっている。
また、図6に示すように、制御部80には操作表示部82、記憶部84及び通信部86がそれぞれ接続されている。上述したように、操作表示部82は例えばタッチパネル等から構成されており、硬貨処理装置20、紙幣処理装置70および包装硬貨収納装置72の内部に収納されている貨幣の在高等の様々な情報が操作表示部82に表示されるようになっている。また、操作者は操作表示部82により様々な指令を制御部80に入力することができるようになっている。また、記憶部84には、硬貨処理装置20や紙幣処理装置70における硬貨や紙幣の入金処理や出金処理等の処理履歴や、硬貨処理装置20、紙幣処理装置70および包装硬貨収納装置72の内部に収納されている貨幣の在高等に関する情報が記憶されるようになっている。また、制御部80は通信部86を介して本実施の形態による貨幣処理システム10とは別に設けられた外部装置(具体的には、例えばPOSレジスタ)に対して信号の送受信を行うことができるようになっている。
また、本実施の形態では、制御部80には判定手段90、計数手段92および比較手段94がそれぞれ接続されている。判定手段90は、硬貨処理装置20の収納繰出部34に硬貨を補充する旨の指令が制御部80に与えられたときに、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能かを判定するようになっている。また、計数手段92は、各硬貨検知センサ34bによる検知結果に基づいて、硬貨処理装置20から予備硬貨収納カセット60に送られた硬貨の金種毎の枚数(すなわち、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨の金種毎の枚数)を計数するようになっている。また、比較手段94は、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の金種毎の枚数と、計数手段92による計数結果とを比較するようになっており、判定手段90は、比較手段94による比較結果に基づいて、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能かを判定するようになっている。これらの判定手段90、計数手段92および比較手段94の機能の詳細については後述する。
次に、このような構成からなる硬貨処理装置20の動作について説明する。なお、以下に示すような硬貨処理装置20の動作は、制御部80が硬貨処理装置20の各構成部材を制御することにより行われるようになっている。
まず、硬貨処理装置20において硬貨の入金処理が行われる際の動作について説明する。硬貨処理装置20において硬貨の入金処理が行われる際に、操作者は最初に筐体21の上面手前側に設けられた硬貨投入口22aに硬貨を投入する。硬貨投入口22aに投入された硬貨は硬貨受入部24に受け入れられるようになる。そして、硬貨受入部24に受け入れられた硬貨が残留検知センサにより検知されると、硬貨繰出機構24aが駆動されることにより当該硬貨繰出機構24aによって硬貨が硬貨受入部24から1枚ずつ図2における左方向に繰り出される。そして、硬貨繰出機構24aによって硬貨受入部24から繰り出された硬貨は入金搬送部26により1枚ずつ搬送され、識別部28によりその金種、真偽、正損、表裏、新旧、搬送状態等の識別が行われる。ここで、識別部28により正常であると識別された硬貨は第1分岐部30により入金搬送部26から分岐させられることなく当該入金搬送部26により筐体21の奥側の領域に送られ、各金種別分岐部により金種毎に入金搬送部26から分岐させられることにより各収納繰出部34に金種毎に収納されるようになる。一方、識別部28により正常な硬貨ではないと識別された硬貨や識別部28により識別することができなかった硬貨はリジェクト硬貨として第1分岐部30により入金搬送部26から分岐させられ、この分岐させられたリジェクト硬貨はリジェクトシュート32によりリジェクト部52に送られる。また、上述したように、リジェクト部52は筐体21の前面側からアクセス可能となっているため、リジェクト部52に送られたリジェクト硬貨を操作者は筐体21の前面側から当該筐体21の外部に取り出して硬貨投入口22aに再投入等することができるようになる。
また、上述した硬貨の入金処理が行われる途中で、ある収納繰出部34がフル状態またはニアフル状態になると、硬貨繰出機構24aによる硬貨受入部24からの硬貨の繰り出し動作や入金搬送部26による硬貨の搬送動作が中断される。そして、フル状態またはニアフル状態になった収納繰出部34から一部の硬貨が硬貨繰出機構34aによって出金搬送部36に繰り出され、この出金搬送部36により硬貨が搬送される。そして、出金搬送部36により搬送される硬貨が第2分岐部38に到達すると、当該第2分岐部38により出金搬送部36から硬貨が分岐搬送部40に分岐させられ、分岐させられた硬貨は分岐搬送部40により搬送される。また、分岐搬送部40により搬送される硬貨は第3分岐部42により追加収納部44に分岐させられる。このことにより、収納繰出部34から繰り出された硬貨は追加収納部44に収納されるようになる。このような収納繰出部34から追加収納部44に硬貨を送る動作は、収納繰出部34における硬貨の収納枚数が所定の閾値よりも小さくなるまで行われる。その後、追加収納部44から硬貨繰出機構44aにより硬貨が1枚ずつ第4分岐部46に繰り出され、繰り出された硬貨はこの第4分岐部46により硬貨排出口48に振り分けられる。このことにより、硬貨排出口48から排出された硬貨は予備硬貨収納カセット60に収納される。また、収納繰出部34から硬貨繰出機構34aによって出金搬送部36に繰り出される硬貨は当該収納繰出部34に設けられている硬貨検知センサ34bによって検知される。このことにより、計数手段92は、硬貨検知センサ34bによる硬貨の検知結果に基づいて、硬貨処理装置20(具体的には、収納繰出部34)から予備硬貨収納カセット60に送られた硬貨の金種毎の枚数を計数するようになる。なお、予備硬貨収納カセット60がカセット装着部54から取り外されている場合には、収納繰出部34から追加収納部44に送られた硬貨は当該追加収納部44に保留される。そして、予備硬貨収納カセット60がカセット装着部54に装着されると、追加収納部44から硬貨繰出機構44aにより硬貨が1枚ずつ第4分岐部46に繰り出される。このようにして、追加収納部44から繰り出された硬貨が第4分岐部46により硬貨排出口48に振り分けられることにより、硬貨排出口48から排出された硬貨が予備硬貨収納カセット60に収納される。その後、硬貨繰出機構24aによる硬貨受入部24からの硬貨の繰り出し動作や入金搬送部26による硬貨の搬送動作が再開される。
次に、硬貨処理装置20において硬貨の出金処理が行われる際の動作について説明する。操作者が操作表示部82によって出金されるべき硬貨の金種毎の枚数や合計金額等の出金処理に係る情報を制御部80に入力したり、外部装置から通信部86を介して制御部80に出金されるべき硬貨の金種毎の枚数や合計金額等の出金処理に係る情報が送られたりすると、出金されるべき硬貨の金種に対応する収納繰出部34において硬貨繰出機構34aにより当該収納繰出部34から出金されるべき枚数分の硬貨が出金搬送部36に繰り出される。また、硬貨繰出機構34aにより収納繰出部34から繰り出された硬貨は硬貨検知センサ34bにより検知される。そして、出金搬送部36に繰り出された硬貨は当該出金搬送部36により硬貨払出部50に搬送される。なお、この際に出金搬送部36により搬送される硬貨は第2分岐部38により分岐搬送部40に分岐させられることはない。また、上述したように、硬貨払出部50は筐体21の前面側からアクセス可能となっているため、操作者は硬貨払出部50に手を入れることにより出金硬貨を筐体21の前面側から当該筐体21の外部に取り出すことができるようになる。
次に、硬貨処理装置20において硬貨の精査処理が行われる際の動作について説明する。なお、硬貨の精査処理とは、各収納繰出部34に収納されている硬貨の在高(具体的には、各収納繰出部34に収納されている硬貨の金種毎の枚数や合計金額)を確認する処理のことをいう。操作者が操作表示部82によって硬貨の精査処理開始の指令を制御部80に入力したり、外部装置から通信部86を介して制御部80に硬貨の精査処理開始の指令が送られたりすると、複数の収納繰出部34のうちある収納繰出部34から硬貨繰出機構34aにより硬貨が1枚ずつ出金搬送部36に繰り出され、この出金搬送部36により硬貨が搬送される。そして、出金搬送部36により搬送される硬貨が第2分岐部38に到達すると、当該第2分岐部38により出金搬送部36から硬貨が分岐搬送部40に分岐させられ、分岐させられた硬貨は分岐搬送部40により搬送される。また、分岐搬送部40により搬送される硬貨は第3分岐部42により追加収納部44に分岐させられる。このことにより、収納繰出部34から繰り出された硬貨は追加収納部44に収納されるようになる。
そして、ある収納繰出部34から硬貨が全て追加収納部44に送られ、この収納繰出部34が空状態になると、追加収納部44から硬貨繰出機構44aにより硬貨が1枚ずつ第4分岐部46に繰り出され、繰り出された硬貨はこの第4分岐部46により出金搬送部36に振り分けられる。また、第4分岐部46により出金搬送部36に振り分けられた硬貨は当該出金搬送部36により搬送され、第2分岐部38により分岐搬送部40に分岐させられた後、当該分岐搬送部40により硬貨受入部24に搬送される。そして、分岐搬送部40から硬貨受入部24に送られた硬貨が当該硬貨受入部24に設けられている残留検知センサにより検知されると、硬貨繰出機構24aが駆動されることにより当該硬貨繰出機構24aによって硬貨が硬貨受入部24から1枚ずつ入金搬送部26に繰り出される。その後、入金搬送部26により硬貨が1枚ずつ搬送され、識別部28によりその金種、真偽、正損、表裏、新旧、搬送状態等の識別が行われる。そして、識別部28により識別が行われた硬貨は入金搬送部26により筐体21の奥側の領域に送られ、各金種別分岐部により金種毎に入金搬送部26から分岐させられることにより元の収納繰出部34に戻されるようになる。このような動作が全ての収納繰出部34において収納繰出部34毎に行われる。このようにして、識別部28による硬貨の識別結果に基づいて各収納繰出部34に収納されている硬貨の在高を確認することができるようになる。
次に、硬貨処理装置20において硬貨の補充処理が行われる際の動作について図7および図8に示すフローチャートを用いて説明する。本実施の形態では、カセット装着部54に装着されている予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨、および包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨のうちいずれか一方の硬貨が硬貨投入口22aに投入されることによって各収納繰出部34に硬貨が補充されるようになっている。より詳細には、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の金種毎の枚数や合計金額等の情報が操作者によって操作表示部82により制御部80に入力されたり、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の金種毎の枚数や合計金額等の情報が外部装置から通信部86を介して制御部80に送られたりすることにより、硬貨処理装置20の各収納繰出部34に硬貨を補充する旨の指令が制御部80に与えられると(STEP1のYES)、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の金種毎の枚数と、計数手段92による計数結果に基づいた、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨の金種毎の枚数とが比較手段94により比較される。そして、判定手段90は、比較手段94による比較結果に基づいて、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能かを判定する。また、本実施の形態では、判定手段90は、比較手段94による比較結果に加えて、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨の金種毎の本数を参照して、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能かを判定するようになっている。
より詳細に説明すると、比較手段94による比較結果において、硬貨の各々の金種について、計数手段92による計数結果に基づいた予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨の枚数が、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の枚数以上である場合には(STEP2の「YES」)、判定手段90は、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能であると判定する(STEP3)。そして、この場合には、カセット装着部54においてロック機構56による予備硬貨収納カセット60のロックが解除され(STEP4)、操作者はカセット装着部54から予備硬貨収納カセット60を取り外すことができるようになる。また、予備硬貨収納カセット60に設けられているLEDランプ66が点灯することにより(STEP5)、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨を硬貨処理装置20に補充する旨のガイダンスが操作者に報知される。
その後、図4に示すように、操作者がカセット装着部54から予備硬貨収納カセット60を取り外し、この予備硬貨収納カセット60を硬貨処理装置20の硬貨投入部22に装着すると(STEP6の「YES」)、予備硬貨収納カセット60のシャッター64aが駆動されて開口64が開かれる。このことにより、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨が当該硬貨の自重により開口64から落下して硬貨投入口22aに入り、硬貨受入部24に受け入れられる(STEP7)。その後、硬貨受入部24に受け入れられた硬貨が識別部28により識別された後に各収納繰出部34に金種毎に収納される(STEP8)。このようにして、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨が硬貨処理装置20に補充されるようになる。
なお、上述した硬貨の補充処理が行われる途中で、ある収納繰出部34がフル状態またはニアフル状態になると(STEP15の「YES」)、硬貨繰出機構24aによる硬貨受入部24からの硬貨の繰り出し動作や入金搬送部26による硬貨の搬送動作が中断される。そして、フル状態またはニアフル状態になった収納繰出部34に収納されている硬貨のうち一部の硬貨が硬貨繰出機構34aによって出金搬送部36に繰り出され、この出金搬送部36により硬貨が搬送される(STEP16)。そして、出金搬送部36により搬送される硬貨が第2分岐部38に到達すると、当該第2分岐部38により出金搬送部36から硬貨が分岐搬送部40に分岐させられ、分岐させられた硬貨は分岐搬送部40により搬送される。また、分岐搬送部40により搬送される硬貨は第3分岐部42により追加収納部44に分岐させられる。このことにより、収納繰出部34から繰り出された硬貨は追加収納部44に収納されるようになる(STEP16)。このような収納繰出部34から追加収納部44に硬貨を送る動作は、収納繰出部34における硬貨の収納枚数が所定の閾値よりも小さくなるまで行われる。その後、カセット装着部54から取り外されていた予備硬貨収納カセット60がカセット装着部54に装着されると(STEP17の「YES」)、追加収納部44から硬貨繰出機構44aにより硬貨が1枚ずつ第4分岐部46に繰り出され、追加収納部44から繰り出された硬貨がこの第4分岐部46により硬貨排出口48に振り分けられる。このことにより、硬貨排出口48から排出された硬貨が予備硬貨収納カセット60に収納される(STEP18)。その後、硬貨繰出機構24aによる硬貨受入部24からの硬貨の繰り出し動作や入金搬送部26による硬貨の搬送動作が再開される。
一方、比較手段94による比較結果において、ある一つの金種でも、計数手段92による計数結果に基づいた予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨の枚数が、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の枚数より少ない場合には(STEP2の「NO」)、判定手段90は、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能ではないと判定する(STEP9)。また、この場合には、硬貨の各々の金種において、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨を構成する硬貨の枚数が、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の枚数以上である場合には(STEP10の「YES」)、判定手段90は、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能であると判定する(STEP11)。そして、この場合には、包装硬貨収納装置72においてロック機構74による収納ドロア78のロックが解除され(STEP12)、操作者は包装硬貨収納装置72の筐体72aから収納ドロア78を手前側に引き出すことができるようになる。また、収納ドロア78の前面に設けられているLEDランプ79が点灯することにより(STEP13)、収納ドロア78に収納されている硬貨を硬貨処理装置20に補充する旨のガイダンスが操作者に報知される。
その後、操作者が収納ドロア78から包装硬貨を取り出し、この取り出された包装硬貨の包装紙等を解くことによってバラ硬貨とした後、バラ状態とされた硬貨を硬貨投入口22aに投入する(STEP14の「YES」)。このことにより、硬貨受入部24に受け入れられた硬貨が識別部28により識別された後に各収納繰出部34に金種毎に収納される(STEP8)。このようにして、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨が硬貨処理装置20に補充されるようになる。
また、ある一つの金種でも、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨を構成する硬貨の枚数が、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の枚数より少ない場合には(STEP10の「NO」)、判定手段90は、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能ではないと判定する(STEP19)。この場合には、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨として、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨および包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨の何れも数が不十分であるため、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨を貨幣処理システム10の外部から持ってくることを操作者に促す旨のメッセージ等が操作表示部82に表示される(STEP20)。このことにより、操作者は、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨や、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨以外の硬貨を貨幣処理システム10の外部から持ってきてこの硬貨を硬貨投入口22aに投入するようになる(STEP21の「YES」)。この場合でも、硬貨受入部24に受け入れられた硬貨が識別部28により識別された後に各収納繰出部34に金種毎に収納される(STEP8)。
なお、硬貨の各々の金種について、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨を構成する硬貨の枚数および予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨の枚数の合計が、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の枚数より多い場合には、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨および予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨の両方を硬貨処理装置20に補充することを操作者に促す旨のメッセージが操作表示部82に表示されてもよい。この場合には、カセット装着部54のロック機構56による予備硬貨収納カセット60のロックおよび包装硬貨収納装置72のロック機構74による収納ドロア78のロックがそれぞれ解除される。また、LEDランプ66およびLEDランプ79の両方が点灯する。このことにより、操作者は、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨の包装紙等を解いてバラ硬貨としたものおよび予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨の両方を硬貨処理装置20に補充するようになる。
また、上述したように、判定手段90は、比較手段94による比較結果に基づいて、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能かを判定するようになっているが、このような判定手段90による判定結果にかかわらず、操作者は操作表示部82によって予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨および包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨のうち何れの硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充するかを選択することができるようになっていてもよい。具体的には、硬貨処理装置20の収納繰出部34に硬貨を補充する旨の指令が制御部80に入力されると、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨の金種毎の枚数と、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨の金種毎の本数とがそれぞれ操作表示部82に表示される。そして、操作者は操作表示部82に表示される画面を参照しながら、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨および包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨のうち何れの硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充するかを操作表示部82により選択する。
ここで、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充することが操作表示部82により選択された場合には、カセット装着部54においてロック機構56による予備硬貨収納カセット60のロックが解除され、操作者はカセット装着部54から予備硬貨収納カセット60を取り外すことができるようになる。また、予備硬貨収納カセット60に設けられているLEDランプ66が点灯する。その後、操作者がカセット装着部54から予備硬貨収納カセット60を取り外し、この予備硬貨収納カセット60を硬貨処理装置20の硬貨投入部22に装着すると、予備硬貨収納カセット60のシャッター64aが駆動されて開口64が開かれる。このことにより、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨が硬貨受入部24に受け入れられ、その後、硬貨受入部24に受け入れられた硬貨が識別部28により識別された後に各収納繰出部34に金種毎に収納される。
また、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充することが操作表示部82により選択された場合には、包装硬貨収納装置72においてロック機構74による収納ドロア78のロックが解除され、操作者は包装硬貨収納装置72の筐体72aから収納ドロア78を手前側に引き出すことができるようになる。また、収納ドロア78の前面に設けられているLEDランプ79が点灯する。その後、操作者が収納ドロア78から包装硬貨を取り出し、この取り出された包装硬貨の包装紙等を解くことによってバラ硬貨とした後、バラ状態とされた硬貨を硬貨投入口22aに投入する。このことにより、硬貨受入部24に受け入れられた硬貨が識別部28により識別された後に各収納繰出部34に金種毎に収納される。
また、本実施の形態では、比較手段94による比較結果において、硬貨の各々の金種について、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨の枚数が、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の枚数以上である場合でも、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の枚数が、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨を構成するバラ硬貨の枚数の整数倍であるときには、判定手段90は、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能であると判定するようになっていてもよい。具体的には、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨について、当該包装硬貨の金種が1円、5円、10円、50円および100円である場合には、当該包装硬貨は50枚のバラ硬貨から構成される。また、包装硬貨の金種が500円である場合には、当該包装硬貨は20枚のバラ硬貨から構成される。そして、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨として、例えば10円硬貨が100枚であるという情報が制御部80に入力された場合には、判定手段90は、予備硬貨収納カセット60に収納されている10円硬貨の枚数が100枚以上であるときでも、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨ではなく包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能であると判定する。また、更に別の例として、このような場合に、操作者は操作表示部82によって予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨および包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨のうち何れの硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充するかを選択することができるようになっていてもよい。
以上のような構成からなる本実施の形態の貨幣処理システム10(硬貨処理システム)によれば、硬貨処理装置20の収納繰出部34から繰り出された硬貨のうち硬貨処理装置20から出金される硬貨以外の硬貨が送られて収納される予備硬貨収納体として予備硬貨収納カセット60が硬貨処理装置20とは別に設けられており、判定手段90は、硬貨処理装置20の収納繰出部34に硬貨を補充する旨の指令が与えられたときに、予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34(収納部)に補充可能かを判定するようになっている。このような貨幣処理システム10によれば、予備硬貨収納体としての予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充することにより、操作者の作業の効率化を図ることができる。
より詳細に説明すると、従来の貨幣処理システムでは、硬貨処理装置の収納繰出部に硬貨を補充する際に、包装硬貨収納装置の収納ドロアから包装硬貨を取り出し、この取り出された包装硬貨の包装紙を解いてバラ硬貨とした後に、バラ硬貨を硬貨処理装置の硬貨投入口に投入していた。しかしながら、このような硬貨の補充方法では、収納繰出部において釣銭として不足する硬貨の枚数が例えば数枚程度であり、包装硬貨1本分の硬貨(具体的には、例えば50枚の硬貨)を収納繰出部に補充する必要がない場合でも、包装硬貨収納装置の収納ドロアから取り出された包装硬貨を収納繰出部に必ず補充していた。しかしながら、このような硬貨の補充方法では、包装硬貨の包装紙を解く作業は操作者にとって手間がかかるという問題があった。これに対し、本実施の形態の貨幣処理システム10では、予備硬貨収納体としての予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34(収納部)に補充することができ、この場合には包装硬貨収納装置72の収納ドロア78から取り出された包装硬貨の包装紙等を解く手間を省くことができるため、操作者の作業の効率化を図ることができる。
なお、本実施の形態による貨幣処理システムは、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、図1に示す貨幣処理システム10は、硬貨処理装置20、紙幣処理装置70、カセット装着部54および包装硬貨収納装置72から構成されているが、本実施の形態による貨幣処理システムはこのような態様のものに限定されることはない。本実施の形態による貨幣処理システムにおいて紙幣処理装置70が省略されており、硬貨のみの処理が当該貨幣処理システムにおいて行われるようになっていてもよい。この場合には、硬貨処理装置20、カセット装着部54および包装硬貨収納装置72から構成される貨幣処理システムが本発明に係る硬貨処理システムとして機能する。また、本実施の形態による貨幣処理システムにおいて包装硬貨収納装置72が省略されており、バラ硬貨のみの処理、あるいはバラ硬貨およびバラ紙幣のみの処理が当該貨幣処理システムにおいて行われるようになっていてもよい。包装硬貨収納装置72が省略されている場合には、包装硬貨の包装紙等を解くことによってバラ硬貨とした後にこのバラ硬貨を硬貨処理装置20の硬貨投入口22aに投入することができなくなるが、この場合でもカセット装着部54から取り外された予備硬貨収納カセット60に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の硬貨受入部24に受け入れさせることによって各収納繰出部34に硬貨を補充することができるようになる。
また、硬貨処理装置20の下方にカセット装着部54を設ける代わりに、硬貨を収納する硬貨収納トレーが引き出し可能に収容されるトレー収容部が硬貨処理装置20の下方に設けられていてもよい。このような変形例に係る貨幣処理システム10aについて図9を用いて説明する。
図9に示すように、変形例に係る貨幣処理システム10aでは硬貨処理装置20の下方にトレー収容部57が設けられており、このトレー収容部57には硬貨を収納する硬貨収納トレー58(予備硬貨収納体)が引き出し可能に収容されている。また、トレー収容部57はその上面が開口している。このため、硬貨収納トレー58がトレー収容部57に収容されているときに、硬貨処理装置20において第4分岐部46により硬貨排出口48に振り分けられた硬貨が当該硬貨の自重によって硬貨排出口48から筐体21の下方に排出されると、硬貨排出口48から排出された硬貨は開口62を通ってトレー収容部57に収納されるようになる。
また、トレー収容部57には、当該トレー収容部57に収容されている硬貨収納トレー58をロックするロック機構(図示せず)が設けられている。ロック機構により硬貨収納トレー58がロックされると、トレー収容部57から硬貨収納トレー58を引き出すことができなくなる。一方、ロック機構による硬貨収納トレー58のロックが解除されると、トレー収容部57から硬貨収納トレー58を手前側に引き出すことができるようになる。また、図9に示すように、硬貨収納トレー58の前面にはLEDランプ59が設けられている。
また、図9に示す貨幣処理システム10aでは、計数手段92は、硬貨処理装置20から硬貨収納トレー58に送られた硬貨の金種毎の枚数を計数するようになっている。
次に、図9に示す貨幣処理システム10aの硬貨処理装置20において硬貨の補充処理が行われる際の動作について説明する。図9に示す貨幣処理システム10aでは、トレー収容部57に収容されている硬貨収納トレー58に収納されている硬貨、および包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨のうちいずれか一方の硬貨が硬貨投入口22aに投入されることによって各収納繰出部34に硬貨が補充されるようになっている。より詳細には、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の金種毎の枚数や合計金額等の情報が操作者によって操作表示部82により制御部80に入力されたり、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の金種毎の枚数や合計金額等の情報が外部装置から通信部86を介して制御部80に送られたりすることにより、硬貨処理装置20の各収納繰出部34に硬貨を補充する旨の指令が制御部80に与えられると、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の金種毎の枚数と、計数手段92による計数結果に基づいた、硬貨収納トレー58に収納されている硬貨の金種毎の枚数とが比較手段94により比較される。そして、判定手段90は、比較手段94による比較結果に基づいて、硬貨収納トレー58に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能かを判定する。また、図9に示す貨幣処理システム10aでは、判定手段90は、比較手段94による比較結果に加えて、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨の金種毎の本数を参照して、硬貨収納トレー58に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能かを判定するようになっている。
より詳細に説明すると、比較手段94による比較結果において、硬貨の各々の金種について、計数手段92による計数結果に基づいた硬貨収納トレー58に収納されている硬貨の枚数が、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の枚数以上である場合には、判定手段90は、硬貨収納トレー58に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能であると判定する。そして、この場合には、トレー収容部57においてロック機構による硬貨収納トレー58のロックが解除され、操作者はトレー収容部57から硬貨収納トレー58を手前側に引き出すことができるようになる。また、硬貨収納トレー58に設けられているLEDランプ59が点灯することにより、硬貨収納トレー58に収納されている硬貨を硬貨処理装置20に補充する旨のガイダンスが操作者に報知される。
その後、操作者がトレー収容部57から硬貨収納トレー58を手前側に引き出し、この引き出された硬貨収納トレー58から硬貨を取り出して硬貨処理装置20の硬貨投入口22aに投入すると、硬貨投入口22aに投入された硬貨が硬貨受入部24に受け入れられる。その後、硬貨受入部24に受け入れられた硬貨が識別部28により識別された後に各収納繰出部34に金種毎に収納される。このようにして、硬貨収納トレー58に収納されている硬貨が硬貨処理装置20に補充されるようになる。
なお、上述した硬貨の補充処理が行われる途中で、ある収納繰出部34がフル状態またはニアフル状態になると、硬貨繰出機構24aによる硬貨受入部24からの硬貨の繰り出し動作や入金搬送部26による硬貨の搬送動作が中断される。そして、フル状態またはニアフル状態になった収納繰出部34に収納されている硬貨のうち一部の硬貨が硬貨繰出機構34aによって出金搬送部36に繰り出され、この出金搬送部36により硬貨が搬送される。そして、出金搬送部36により搬送される硬貨が第2分岐部38に到達すると、当該第2分岐部38により出金搬送部36から硬貨が分岐搬送部40に分岐させられ、分岐させられた硬貨は分岐搬送部40により搬送される。また、分岐搬送部40により搬送される硬貨は第3分岐部42により追加収納部44に分岐させられる。このことにより、収納繰出部34から繰り出された硬貨は追加収納部44に収納されるようになる。このような収納繰出部34から追加収納部44に硬貨を送る動作は、収納繰出部34における硬貨の収納枚数が所定の閾値よりも小さくなるまで行われる。その後、トレー収容部57から引き出されていた硬貨収納トレー58がトレー収容部57の内部に戻されると、追加収納部44から硬貨繰出機構44aにより硬貨が1枚ずつ第4分岐部46に繰り出され、追加収納部44から繰り出された硬貨がこの第4分岐部46により硬貨排出口48に振り分けられる。このことにより、硬貨排出口48から排出された硬貨が硬貨収納トレー58に収納される。その後、硬貨繰出機構24aによる硬貨受入部24からの硬貨の繰り出し動作や入金搬送部26による硬貨の搬送動作が再開される。
一方、比較手段94による比較結果において、ある一つの金種でも、計数手段92による計数結果に基づいた硬貨収納トレー58に収納されている硬貨の枚数が、硬貨処理装置20に補充されるべき硬貨の枚数より少ない場合には、判定手段90は、硬貨収納トレー58に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能ではないと判定する。また、この場合には、包装硬貨収納装置72に収納されている包装硬貨の包装紙等が解かれてバラ硬貨とされた後にこのバラ硬貨が硬貨処理装置20の硬貨投入口22aに投入されるか、貨幣処理システム10aの外部から持ち込まれた硬貨が硬貨処理装置20の硬貨投入口22aに投入されることにより、各収納繰出部34に硬貨が金種毎に収納されるようになる。
また、別の変形例に係る貨幣処理システムとして、硬貨処理装置20の下方に、硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を繰出可能な収納繰出部(図示せず)が予備硬貨収納体として設けられているものが用いられてもよい。このような貨幣処理システムでは、硬貨処理装置20において第4分岐部46により硬貨排出口48に振り分けられた硬貨が当該硬貨の自重によって硬貨排出口48から筐体21の下方に排出されると、硬貨排出口48から排出された硬貨は開口62を通って硬貨処理装置20の下方に設けられている収納繰出部に収納されるようになる。また、硬貨処理装置20の下方に設けられている収納繰出部には、当該収納繰出部に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の硬貨受入部24または入金搬送部26に繰り出す硬貨繰出機構が設けられている。
このような別の変形例に係る貨幣処理システムにおいて、硬貨処理装置20への硬貨の補充処理が行われる際に、硬貨処理装置20の収納繰出部34に硬貨を補充する旨の指令が制御部80に与えられると、硬貨処理装置20の下方に設けられている収納繰出部に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能かが判定手段90により判定される。また、硬貨処理装置20の下方に設けられている収納繰出部に収納されている硬貨を硬貨処理装置20の収納繰出部34に補充可能であると判定手段90により判定されると、収納繰出部に収納されている硬貨が当該収納繰出部に設けられている硬貨繰出機構によって硬貨処理装置20の硬貨受入部24または入金搬送部26に繰り出されることにより各収納繰出部34に金種毎に収納されるようになる。
10、10a 貨幣処理システム
20 硬貨処理装置
21 筐体
22 硬貨投入部
22a 硬貨投入口
24 硬貨受入部
24a 硬貨繰出機構
26 入金搬送部
28 識別部
30 第1分岐部
32 リジェクトシュート
34 収納繰出部
34a 硬貨繰出機構
34b 硬貨検知センサ
36 出金搬送部
38 第2分岐部
40 分岐搬送部
42 第3分岐部
44 追加収納部
44a 硬貨繰出機構
46 第4分岐部
48 硬貨排出口
50 硬貨払出部
52 リジェクト部
54 カセット装着部
56 ロック機構
57 トレー収容部
58 硬貨収納トレー
59 LEDランプ
60 予備硬貨収納カセット
62、64 開口
62a、64a シャッター
66 LEDランプ
70 紙幣処理装置
70a 紙幣投入口
70b 紙幣払出口
72 包装硬貨収納装置
72a 筐体
74 ロック機構
76 検知手段
76a 光センサ
76b ロータリエンコーダ
78 収納ドロア
79 LEDランプ
80 制御部
82 操作表示部
84 記憶部
86 通信部
90 判定手段
92 計数手段
94 比較手段

Claims (13)

  1. 硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を繰り出し可能な収納部を有する硬貨処理装置と、
    前記硬貨処理装置とは別に設けられ、当該硬貨処理装置の前記収納部から繰り出された硬貨のうち前記硬貨処理装置から出金される硬貨以外の硬貨が送られて収納される予備硬貨収納体と、
    前記硬貨処理装置の前記収納部に硬貨を補充する旨の指令が与えられたときに、前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨を前記硬貨処理装置の前記収納部に補充可能かを判定する判定手段と、
    を備えた、硬貨処理システム。
  2. 前記硬貨処理装置から前記予備硬貨収納体に送られた硬貨の金種毎の枚数を計数する計数手段を更に備えた、請求項1記載の硬貨処理システム。
  3. 前記硬貨処理装置に補充されるべき硬貨の金種毎の枚数と、前記計数手段による計数結果とを比較する比較手段を更に備え、前記判定手段は、前記比較手段による比較結果に基づいて、前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨を前記硬貨処理装置の前記収納部に補充可能かを判定する、請求項2記載の硬貨処理システム。
  4. 包装硬貨を収納する包装硬貨収納装置を更に備え、前記判定手段は、前記比較手段による比較結果に加えて、前記包装硬貨収納装置に収納されている包装硬貨の金種毎の本数を参照して、前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨を前記硬貨処理装置の前記収納部に補充可能かを判定する、請求項3記載の硬貨処理システム。
  5. 包装硬貨を収納する包装硬貨収納装置を更に備え、
    前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨および前記包装硬貨収納装置に収納されている包装硬貨のうち何れの硬貨を前記硬貨処理装置の前記収納部に補充するかを選択するための操作手段が設けられている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硬貨処理システム。
  6. 前記判定手段による判定結果を報知する報知手段を更に備えた、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の硬貨処理システム。
  7. 前記報知手段は前記予備硬貨収納体に設けられている、請求項6記載の硬貨処理システム。
  8. 前記硬貨処理装置は、硬貨を筐体内に投入するための投入部を更に有しており、
    前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨が前記硬貨処理装置の前記収納部に補充される際に、当該予備硬貨収納体に収納されている硬貨が前記投入部から前記硬貨処理装置の前記筐体内に投入される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の硬貨処理システム。
  9. 前記予備硬貨収納体は前記硬貨処理装置の前記投入部に装着可能となっており、
    前記予備硬貨収納体が前記投入部に装着されたときに、前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨が前記投入部から前記硬貨処理装置の前記筐体内に投入される、請求項8記載の硬貨処理システム。
  10. 前記予備硬貨収納体は、当該予備硬貨収納体に収納されている硬貨を外部に繰り出す繰出機構を有しており、
    前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨が前記硬貨処理装置の前記収納部に補充される際に、当該予備硬貨収納体に収納されている硬貨が前記繰出機構により前記硬貨処理装置の内部に繰り出される、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の硬貨処理システム。
  11. 前記硬貨処理装置は、前記収納部から繰り出された硬貨を収納する追加収納部を有しており、
    前記追加収納部から前記予備硬貨収納体に硬貨が送られるようになっている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の硬貨処理システム。
  12. 前記予備硬貨収納体を位置固定でロックするためのロック機構を更に備え、
    前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨を前記硬貨処理装置の前記収納部に補充可能であると前記判定手段により判定されたときに前記ロック機構による前記予備硬貨収納体のロックが解除される、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の硬貨処理システム。
  13. 硬貨を収納するとともに収納されている硬貨を繰り出し可能な収納部を有する硬貨処理装置の前記収納部から硬貨を繰り出し、繰り出された硬貨のうち出金されるべき硬貨以外の硬貨を予備硬貨収納体に送って収納する工程と、
    前記硬貨処理装置の前記収納部に硬貨を補充する旨の指令が与えられたときに、前記予備硬貨収納体に収納されている硬貨を前記硬貨処理装置の前記収納部に補充可能かを判定する工程と、
    を備えた、硬貨処理方法。
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