JP2021113225A - 2−ヒドロキシ−6−((2−(1−イソプロピル−1h−ピラゾール−5−イル)ピリジン−3−イル)メトキシ)ベンズアルデヒドの遊離塩基の結晶多形 - Google Patents
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Abstract
Description
ラゾール-5-イル)ピリジン-3-イル)メトキシ)ベンズアルデヒドなどの治療剤、又はその塩の結晶形が、長期にわたり、且つ薬剤の様々な製造バッチ間で、その多形の及び化学的な安定性、溶解度、及び他の物理化学的特性を保つことが重要である。物理化学的特性が時間とともに及びバッチ間で変化する場合、治療有効用量の投与が問題となり、毒性の副作用又は効果のない治療がもたらされ、特に所与の多形が使用前に分解する場合には化合物は活性が低下し、不活性となり、又は毒性となる。従って、安定な、再現性良く製造される、且つ治療剤としてのその使用に有利な物理化学的特性を有する結晶性薬剤の形を選択することが重要である。
本発明は、一部には、化合物1のHCl塩が不均化し又はHClを失い、水中における化合物1のHCl塩の不均化により遊離塩基が発生するという発見から生じるものであり、不均化は、湿式粉砕で高湿度に曝露したとき、及び水と直接接触させると(例えばスラリー)容易であった。化合物1の硫酸塩もまた、水で沈殿させるとき、ジメチルスルホキシド及びメタノールなどのある種の溶媒から不均化する。HClの揮発は、乾燥状態に曝露する数時間の間に明瞭に認められた。例えば、30℃で12時間以内に遊離塩基への部分変換が観察された。従って、化合物1の遊離塩基は、対応するHCl又は硫酸塩及びその他の塩と比較して安定性がより高い化学物質をもたらす。
リジン-3-イル)メトキシ)ベンズアルデヒド(又は化合物1)、即ち化合物1の遊離塩基は、1つ以上の結晶性無溶媒和物形として得られ得ることが発見されており、それらのうちのいくつかは、ここでは結晶フォームI、フォームII及びマテリアルNと称される。好ましい実施形態において、化合物1の遊離塩基は、結晶性無水形などの結晶性無溶媒和物である。化合物1の遊離塩基は、その対応する塩形態、例えば化合物1のHCl塩から得ることができる。
一実施形態において、化合物1の結晶性遊離塩基は結晶フォームIを含み、フォームIは、示差走査熱量測定により計測したとき(97±2)℃の吸熱ピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、結晶性化合物1の遊離塩基の結晶フォームIは、示差走査熱量測定により計測したとき(97±2)℃の吸熱ピーク未満の温度で実質的に熱イベントがないことによって特徴付けられる。別の実施形態において、結晶性化合物1の遊離塩基の結晶フォームIは、12.82°、15.74°、16.03°、16.63°、17.60°、25.14°、25.82°及び26.44°±0.2°2θの1つ以上の粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられる。別の実施形態において、結晶性化合物1の遊離塩基の結晶フォームIは、図3のものと実質的に同様の粉末X線回折パターン(Cu Kα線)によって特徴付けられる。
2°及び26.44°(各々±0.2°2θ)から選択される少なくとも1つの粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられる。別の実施形態において、結晶性化合物1の遊離塩基の結晶フォームIは、12.82°、15.74°、16.03°、16.63°、17.60°、25.14°、25.82°及び26.44°(各々±0.2°2θ)から選択される少なくとも2つの粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられる。別の実施形態において、結晶性化合物1の遊離塩基の結晶フォームIは、12.82°、15.74°、16.03°、16.63°、17.60°、25.14°、25.82°及び26.44°(各々±0.2°2θ)から選択される少なくとも3つの粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられる。
別の実施形態において、結晶性化合物1遊離塩基は結晶フォームIIを含み、フォームIIは、示差走査熱量測定により計測したとき(97±2)℃の吸熱ピークによって特徴付けられる。別の実施形態において、結晶性化合物1の遊離塩基の結晶フォームIIは、示差走査熱量測定により計測したとき(97±2)℃の吸熱ピーク未満の温度で熱イベントが実質的にないことによって特徴付けられる。別の実施形態において、結晶性化合物1
の遊離塩基の結晶フォームIIは、13.37°、14.37°、19.95°又は23.92°2θの1つ以上の粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられる。別の実施形態において、結晶性化合物1の遊離塩基の結晶フォームIIは、図5のものと実質的に同様の粉末X線回折パターン(Cu Kα線)によって特徴付けられる。
基を含むスラリーから調製され、このスラリーから結晶フォームIIが形成され、ろ過される。
別の実施形態において、結晶性化合物1遊離塩基は結晶マテリアルNを含み、マテリアルNは、示差走査熱量測定により計測したとき(95±2)℃の吸熱ピークによって特徴付けられる。用語「マテリアルN」、「フォームN」及び「多形フォームN」は、本明細書では同義的に使用される。別の実施形態において、結晶性化合物1の遊離塩基の結晶マテリアルNは、示差走査熱量測定により計測したとき(95±2)℃の吸熱ピーク未満の温度で熱イベントが実質的にないことによって特徴付けられる。別の実施形態において、結晶性化合物1の遊離塩基の結晶マテリアルNは、11.65°、11.85°、12.
08°、16.70°、19.65°又は23.48°2θの1つ以上の粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられる。別の実施形態において、結晶性化合物1の遊離塩基の結晶マテリアルNは、図7のものと実質的に同様の粉末X線回折パターン(Cu Kα線)によって特徴付けられる。
本発明は、一部には、化合物1の遊離塩基の無溶媒和多形が、種々の溶媒、好ましくは特定の炭化水素溶媒、水及びエーテル類以外の溶媒と溶媒和多形を形成するという発見から生じるものである。
プロピルエーテル(IPE)、tert-メチルブチルエーテル(MTBE)及びトルエ
ンなどの、溶媒和物を形成し難い溶媒で溶媒和物をスラリー化又は洗浄するステップが含まれ得る。
本明細書で使用されるとき、以下の用語は以下の意味を有する。
ル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-イル)メトキシ)ベンズアルデヒドの遊離塩基の結晶固体形である。フォームI、フォームII又はマテリアルNの結晶格子の各々は、実質的に結晶化溶媒を含まない。しかしながら、存在するいかなる溶媒も結晶格子内に
は含まれず、溶媒は結晶格子外にランダムに分布する。従って、フォームI、フォームII又はマテリアルNのバルク結晶は、1つ以上の溶媒、例えばその合成又は結晶化に用いられる溶媒を結晶格子外に少量含有し得る。上記で用いられているとおりの「実質的に含まない」及び「少量」は、好ましくは10,000百万分率(ppm)未満、又はより好ましくは500ppm未満の溶媒の存在を指す。
晶固体形であり、ここでは結晶格子が1つ以上の結晶化溶媒を含む。
示差走査熱量測定(DSC)、固体13C-NMR、熱重量測定(TG)、融点、及びホ
ットステージ顕微鏡法がある。
グラフである。このパターン内のピークを使用して結晶固体形を特徴付け得る。あらゆるデータ測定と同様に、XRPDデータには変動性がある。データは多くの場合に、ピークの強度を含めるよりむしろ、専らピークの回折角によって表され、これは、ピーク強度が試料調製に特に敏感であり得るため(例えば、粒度、含水量、溶媒含量、及び好ましい配向効果が、どれだけ敏感かに影響する)、従って異なる条件下で調製された同じ物質の試料が僅かに異なるパターンを生み出し得る(この変動性は通常、回折角の変動性より大きい)という理由からである。回折角の変動性もまた、試料調製に敏感であり得る。他の変動性要因は、装置パラメータ及び生のX線データの処理に由来する:異なるX線装置は異なるパラメータを使用して動作し、それらが同じ固体形からの僅かに異なるXRPDパターンをもたらし、同様に、異なるソフトウェアパッケージが異なる形でX線データを処理し、これもまた変動性をもたらす。これらの及び他の変動性要因は、製薬技術分野の当業者に公知である。かかる変動性要因のため、XRPDパターンの回折角に±0.2°2θの変動性を割り当てることが通例である。
of)」は、組成物及び方法を定義するために用いられるとき、記載される目的上その組み合わせにとって本質的に重要な他の要素を排除することを意味するものとする。従って、本明細書に定義するとおりの要素から本質的になる組成物は、特許請求される発明の基本的な且つ新規の1つ又は複数の特徴に実質的に影響を及ぼさない他の材料又はステップを排除しない。「〜からなる(consisting of)」は、他の成分及び実質的な方法ステップの痕跡量を超える要素を排除することを意味するものとする。これらの移行句の各々により定義される実施形態は、本発明の範囲内にある。
化合物1のHCl塩を様々なストレス条件に供すると、水中でのHCl塩の不均化が遊離塩基を生じることが観察された。遊離塩基の少なくとも3つの無水結晶形が同定されており、遊離塩基フォームI、II、及びマテリアルNと称される。遊離塩基フォームIの核形成が概して最初に起こること、及びスラリー時間を長くすると、遊離塩基フォームIから、フォームIと比べて熱力学的安定性がより高い相である遊離塩基フォームIIへの転移が引き起こされることが見出された。さらに、室温では、フォームI及びIIと比べて遊離塩基マテリアルNが最も安定した形と見られることが見出された。遊離塩基マテリ
アルNはフォームIIに対してエナンチオトロピック活性を有することが分かり、特定の転移温度(本明細書では約42℃と推定される)で可逆的に転移し得る。転移温度より上では、フォームI及びマテリアルNと比べて遊離塩基フォームIIが最も安定した形と見られる。
一実施形態において、本発明は、化合物1の遊離塩基結晶性無溶媒和物を提供する。化合物1の遊離塩基結晶性無溶媒和物は、フォームI、フォームII及び/又はマテリアルN多形のうちの1つ以上を含み得る。一部の実施形態では、化合物1の遊離塩基結晶性無溶媒和物はフォームII多形を含み得る。好ましくは、化合物1の遊離塩基結晶性無溶媒和物はフォームII及び/又はマテリアルN多形を含み得る。より好ましくは、化合物1の遊離塩基結晶性無溶媒和物はマテリアルN多形を含み得る。さらにより好ましくは、化合物1の遊離塩基結晶性無溶媒和物は化合物1遊離塩基の溶媒和多形を実質的に含まない。さらになおもより好ましくは、化合物1の遊離塩基結晶性無溶媒和物は化合物1遊離塩基の他の無溶媒和物多形を実質的に含まない。構成成分を「実質的に含まない」とは、本明細書で使用されるとき、当該の構成成分の最大約5%、より好ましくは約3%、及びさらにより好ましくは約1%を含有することを指す。本明細書で使用されるとき、溶媒和物には水和物形態も同様に含まれる。
)及びトルエンを含む4つの溶媒によっては化合物1の遊離塩基からの溶媒和物は観察されなかった。アセトン(マテリアルE)、アセトニトリル(マテリアルF)、ジクロロメタン(マテリアルG)、ジオキサン(マテリアルH)、エタノール(マテリアルJ)、イソプロピルアルコール又は水とイソプロピルアルコールとの混合物(マテリアルK)、テトラヒドロフラン(マテリアルL)、メチルエチルケトン「MEK」(マテリアルM)、酢酸エチル(マテリアルO)及びジメチルスルホキシド「DMSO」(マテリアルP)を
含む9つの溶媒においては、化合物1の遊離塩基から溶媒和物が観察された。溶媒和物の大部分(即ち、マテリアルE〜H、J〜M、O及びP)は同形であることが企図される。一部の実施形態では、結晶性溶媒和物は、マテリアルE、マテリアルF、マテリアルG、マテリアルH、マテリアルJ、マテリアルK、マテリアルL、マテリアルM、マテリアルO又はマテリアルPのうちの1つ以上を含む。
トルエンなどの、溶媒和物を形成し難い溶媒で溶媒和物を洗浄するステップを含むいくつかの方法で化合物1の遊離塩基結晶性無溶媒和物を再生成し得る。
その組成物の実施形態の別の一つにおいて、本発明は、薬学的に許容可能な賦形剤と、好ましくはフォームI、フォームII及び/又はマテリアルN多形のうちの1つ以上を含む、化合物1の結晶性遊離塩基無溶媒和物とを含む医薬組成物を提供する。
、ポリグリコール、ジメチルスルホキシド、脂肪アルコール、トリグリセリド、グリセリンの部分エステルなどを使用して調製され得る。
ェロール、アラビアゴム、及び/又はヒドロキシプロピルセルロースの1つ以上を含む。
在下にさらに含む。好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロースは10,000〜100,000の平均分子量(MW)を有する。より好ましい実施形態において、ヒドロキシプロピルセルロースは5,000〜50,000の平均MWを有する。
。明らかに、かかる投与は最も有利には、本発明における新規医薬組成物中の両方の活性成分を同時に送達することにより実施する。
無溶媒和物
別の態様において、本発明は、化合物1の結晶性遊離塩基無溶媒和物の調製方法を提供する。一実施形態において、本明細書には、化合物1のHCl塩を水とスラリー化し又は接触させるステップと、HClの解離により化合物1の遊離塩基を生じさせるステップとを含む、化合物1の結晶性遊離塩基の調製方法が提供される。一実施形態において、調製される化合物1の結晶性遊離塩基無溶媒和物は、フォームI、フォームII及びマテリアルNの1つ以上を含む。
別の態様において、本発明は、化合物1の結晶性遊離塩基溶媒和物の調製方法を提供する。一部の実施形態では、化合物1の本明細書に記載されるとおりの(例えば、化合物1のHCl塩を水中にスラリー化することにより得られるとおりの)遊離塩基無溶媒和物を、溶媒の混合物を含めた、本明細書に提供されるとおりの溶媒と接触させて、溶媒和物を調製する。溶媒又は溶媒の混合物。従って、溶媒は単一の溶媒又は実質的に単一の溶媒又は溶媒の混合物であってもよい。溶媒の混合物が使用される場合、その溶媒混合物の個々の構成溶媒の1つ以上を有する溶媒和物が生成され得る。一部の実施形態では、溶媒には、モノ、ジ又はそれより多価のアルコール又はアルカノールなどのアルコール溶媒が含まれる。一部の実施形態では、溶媒には、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩化溶媒が含まれる。一部の実施形態では、溶媒には、アルカノン及びシクロアルカノンなどのケトン溶媒が含まれる。特定の溶媒としては、限定なしに、場合により水を含む、メタノール、
エタノール、2-プロパノール、2-メチル-1-プロパノール、1-ブタノール、アセトニ
トリル、アセトン、ジクロロメタン、ジオキサン、又はテトラヒドロフラン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
DSC 示差走査熱量測定
DVS 動的蒸気収着
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
NA 該当なし
ND 未検
Q 単位時間当たりに溶解した割合
RH 相対湿度
RSD 残差標準偏差
RRT 相対保持時間
SS-NMR 固体核磁気共鳴
TGA 熱重量分析
TG-IR 熱重量赤外分析
XRPD 粉末X線回折
VT-XRPD 可変温度粉末X線回折
0℃でDCM(50ml)中2-ブロモベンゼン-1,3-ジオール(5g、26.45
mmol)の溶液に、DIPEA(11.54mL、66.13mmol)及びMOMCl(4.42mL、58.19mmol)を添加した。混合物を0℃で1.5時間撹拌し、次に室温に加温した。溶液をDCMで希釈し、飽和NaHCO3、ブラインで洗浄し、乾燥させて濃縮すると粗生成物が得られ、これをカラム(ヘキサン/EtOAc=4:1)で精製することにより、所望の生成物15.58g(90%)を得た。
-78℃でTHF(150mL)中2-ブロモ-1,3-ビス(メトキシメトキシ)ベンゼン(15)(19.9g、71.8mmol)の溶液に、BuLi(2.5M、31.6mL、79.0mmol)を滴下して添加した。この溶液を-78℃で25分間撹拌し(
白濁した混合物が生じる)、次にそれを0℃に加温し、25分間撹拌した。反応混合物はゆっくりと均一になった。この溶液に0℃でDMFを添加した。25分後、HPLCは反応の完了を示した。混合物を飽和NH4Cl(150mL)でクエンチし、エーテル(300mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をエーテル(2×200mL)でさらに抽出し、有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させて濃縮すると粗生成物が得られ、これを粉砕することにより、14.6gの所望の生成物を得た。次にろ液を濃縮し、カラムで精製することにより、さらなる0.7gを得た。全質量は15.3gである。
機械的スターラーを備えた三つ口丸底フラスコに、窒素雰囲気下で0.22molのNaH(鉱油中50%懸濁液)を入れた。NaHを2部分量(100mL)のn-ヘキサン
、次に300mLの乾燥ジエチルエーテルで洗浄した;次に80mLの無水DMFを添加した。次に100mLのジエチルエーテル中に溶解した0.09molのレソルシノール11を滴下して添加し、混合物を撹拌下に室温で30分間放置した。次に0.18molのMOMClをゆっくりと添加した。撹拌下室温で1時間後、250mLの水を添加し、有機層をジエチルエーテルで抽出した。抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、次に濃縮すると粗生成物が得られ、これをシリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより、化合物12(93%収率)を得た。
BuLi及び9.4mLのテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)を入れた。この混合物を-10℃で冷却し、0.079molのビス-フェニルエーテル12をゆっくりと添加した。得られた混合物を-10℃で2時間、磁気撹拌下に放置した。次に温度を0℃
に上昇させ、0.067molのDMFを滴下して添加した。1時間後、pHが酸性になるまでHCl水溶液を添加した;次に混合物をエチルエーテルで抽出した。合わせた抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮することにより、アルデヒド13(84%)を得た。
2,6-ビス(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(13):融点58〜59℃(n-ヘキサン);IR(KBr)n:1685(C=O)cm-1;1H-NMR(400MHz,CDCl3)δ3.51(s,6H,2 OCH3),5.28(s,4H,2 OCH2O),6.84(d,2H,J=8.40Hz,H-3,H-5),7.41(t,1H,J=8.40Hz,H-4),10.55(s,1H,CHO);MS,m/e(
相対強度)226(M+,3),180(4),164(14),122(2),92(2),45(100);分析C11H14O5計算値:C,58.40;H,6.24.実測値:C,57.98;H,6.20.
THF(105mL)(溶媒はN2でパージした)中2,6-ビス(メトキシメトキシ
)ベンズアルデヒド(13)(15.3g、67.6mmol)の溶液に、濃HCl(12N、7mL)をN2下で添加し、次にそれをN2下で1.5時間さらに撹拌した。この溶液に、ブライン(100mL)及びエーテル(150ml)を添加した。有機層を分離し、水層をエーテル(2×200mL)でさらに抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させて濃縮すると粗生成物が得られ、これをカラム(300g、ヘキサン/EtOAc=85:15)で精製することにより、所望の生成物16(9.9g)を黄色の液体として得た。
DMF(120mL)(DMF溶液はN2で10分間パージした)中2-ヒドロキシ-6-(メトキシメトキシ)ベンズアルデヒド(16)(10.88g、59.72mmol
)の溶液に、K2CO3(32.05g、231.92mmol)及び3-(クロロメチ
ル)-2-(1-イソプロピル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジンヒドロクロリド(10
)(15.78g、57.98mmol)を添加した。この混合物を65℃で1.5時間加熱し、室温に冷却し、氷水(800mL)中に流し込んだ。沈殿した固体をろ過によって単離し、乾燥させて濃縮することにより、所望の生成物(17、18g)を得た。
THF(135mL、溶液はN2でパージした)中2-((2-(1-イソプロピル-1H-ピラゾール-5-イル)ピリジン-3-イル)メトキシ)-6-(メトキシメトキシ)ベンズ
アルデヒド(17)(18g、47.19mmol)の溶液に、濃HCl(12N、20mL)を添加した。溶液を室温で3時間撹拌したところでHPLCが反応の完了を示した。この混合物を水(1.2L)中NaHCO3(15g)の溶液に添加し、得られた沈殿物をろ過によって回収し、乾燥させることにより粗固体を得て、これをカラム(DCM/
EtOAc=60:40)によりさらに精製することにより、純粋生成物(15.3g)を得た。
化合物(I)遊離塩基(40g)を、光延条件下でのアルコール中間体7と2,6-ジ
ヒドロキシベンズアルデヒド9とのカップリングから得た。以下にも手順を提供する:
窒素不活性雰囲気でパージし及び維持した2000mL三つ口丸底フラスコに、テトラヒドロフラン(1000mL)中[2-[1-(プロパン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]ピリジン-3-イル]メタノール(7)(70g、322.18mmol、1.00当量)の溶液を入れた。この反応混合物に、2,6-ジヒドロキシベンズアルデヒド(9
)(49.2g、356.21mmol、1.10当量)及びPPh3(101g、385.07mmol、1.20当量)を添加した。続いてテトラヒドロフラン(200ml)中DIAD(78.1g、386.23mmol、1.20当量)の溶液を撹拌しながら滴下して添加した。得られた溶液を室温で一晩撹拌した。得られた溶液を500mLのH2Oで希釈した。得られた溶液を3×500mLのジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させて真空下で濃縮した。この残渣を、EA:PE(1:50-1:3)を溶離液として含むシリカゲルカラムに加え、粗生成物を生じさせた。こ
の粗生成物を1/1.5の比のi-プロパノール/H2Oから再結晶化させた。これによ
り、40g(37%)の2-ヒドロキシ-6-([2-[1-(プロパン-2-イル)-1H-ピ
ラゾール-5-イル]ピリジン-3-イル]メトキシ)ベンズアルデヒドが淡黄色の固体として得られた。この化合物は80〜82℃の融点を呈した。MS(ES,m/z):338.1[M+1].1H NMR(300MHz,DMSO-d6)δ11.72(s,1
H),10.21(s,1H),8.76(d,J=3.6Hz,1H),8.24(d,J=2.7Hz,1H),7.55(m,3H),6.55(m,3H),5.21(s,2H),4.65(m,1H),1.37(d,J=5.1Hz,6H).1H NMR(400MHz,CDCl3)δ11.96(s,1H),10.40(s,1H),8.77(dd,J=4.8,1.5Hz,1H),8.00(d,J=7.8Hz,1H),7.63(d,J=1.8Hz,1H),7.49-7.34(m,2H),6
.59(d,J=8.5Hz,1H),6.37(d,J=1.8Hz,1H),6.29(d,J=8.2Hz,1H),5.10(s,2H),4.67(sep,J=6.7Hz,1H),1.50(d,J=6.6Hz,6H).
あり、これはビスアルキル化副産物の可能性を効果的になくす。2つの出発点、ブロモレゾルシノール(14)又はレソルシノール(11)から2,6-ジヒドロキシベンズアル
デヒド(16)のモノ-MOMエーテルを得ることができる[手順はJournal o
f Organic Chemistry,74(11),4311-4317;200
9に記載される]。ステップ及び手順を全て、以下に提供する。フェノール系アルデヒド
基が存在するため、フェノール及び/又はアルデヒド基の酸化を回避するよう注意しなければならない(即ち、全ての反応を窒素などの不活性ガス下で行う)。
により凍結して凍結乾燥させ、化合物I HCl塩(59.4g)を得た。
指数付け:XRPDパターンは有標SSCIソフトウェアを使用して指数付けする。図中に赤色のバーで示される許容されるピーク位置と、観察されたピークとの間の一致が、整合性のある単位胞の決定を示す。指数付け及び構造の精緻化は、「SSCI非cGMP活性のための手順(Procedures for SSCI Non-cGMP Ac
tivities)」に基づき実施される計算機による研究である。仮の指数付けの解を確認するためには、結晶学的単位胞内の分子充填モチーフを決定しなければならない。分子充填の試みは実施しなかった。
VS)データを収集した。校正標準としてNaCl及びPVPを使用した。分析前に試料は乾燥させなかった。窒素パージ下10%RHずつの増分で5から95%RHまでの範囲にわたり吸着及び脱着データを収集した。分析に用いた平衡の判定基準は5分間で0.0100%未満の重量変化とし、最大平衡時間は3時間とした。試料の初期含水量に関してデータは補正しなかった。
ホットステージ顕微鏡法:SPOT Insight(商標)カラーディジタルカメラを備えたLeica DM LP顕微鏡に取り付けたLinkamホットステージ(FTIR 600)を使用して、ホットステージ顕微鏡法を実施した。温度校正はUSP融点標準を使用して実施した。試料をカバーガラス上に置き、その試料の上に第2のカバーガラスを置いた。ステージの加熱に伴い、直交偏光子及び一次赤色補正板を有する20×0.40N.A.長作動距離対物レンズを使用して各試料を目視で観察した。画像は、SPOTソフトウェア(v.4.5.9)を使用して取得した。
SSCI:NMR分光法用の試料を適切な重水素化溶媒中の約5〜50mg溶液として
調製した。具体的な取得パラメータは、SSCIでランを行った試料のデータセクションにある各試料の第1フルスペクトルのプロット上に掲載される。
=399.8MHz)において周囲温度で取得された。具体的な取得パラメータは、スペクトルデータシート上及び試料のスペクトルの各データプロット上に掲載される。
TA Instruments 2950熱重量分析器を使用してTG分析を実施した。温度校正はニッケル及びAlumel(商標)を使用して実施した。各試料をアルミニウムパンに置き、TGファーネスに挿入した。ファーネスを窒素パージ下で加熱した。データ取得パラメータは、この報告のデータセクション中、各サーモグラムの上に表示される。サーモグラム上の方法コードは、開始及び終了温度並びに加熱速度の略記である;例えば、25-350-10は、「25℃から350℃まで、10℃/分」を意味する。初期温度として0の使用は、周囲温度で開始された試料ランを示す。
INEL:Inel XRG-3000回折計でXRPDパターンを収集した。Cu
Kα線の入射ビームは微小焦点管及び放物面グレーデッド多層膜ミラーを使用して生成した。分析前に、シリコン標準(NIST SRM 640d)を分析してSi 111ピーク位置を確認した。試料の標本を薄壁ガラス毛管に充填し、ビームストップを使用して空気からのバックグラウンドを最小限に抑えた。回折パターンは、Windif v.6.6ソフトウェア及び120°の2θレンジの湾曲型位置敏感Equinox検出器を使用して透過配置で収集した。各パターンのデータ取得パラメータは、この報告のデータセクション中にある画像の上に表示される。
ターノ配置を使用して構成した。分析前にシリコン標本(NIST SRM 640d)を分析して、観察されたSi 111ピーク位置がNIST認証位置と一致することを確認した。試料の標本は、シリコンゼロバックグラウンド基板の中心に置いた薄い環状の層として調製した。散乱線除去スリット(SS)を使用して、空気から生じるバックグラウンドを最小限に抑えた。入射ビーム及び回折ビームにソーラースリットを使用して、軸発
散からの広がりを最小限に抑えた。試料から240mmに位置する走査型位置敏感検出器(X’Celerator)及びData Collectorソフトウェアv.2.2bを使用して回折パターンを収集した。各パターンのデータ取得パラメータは、発散スリット(DS)及び入射ビームSSを含め、この報告のデータセクション中にある画像の上に表示される。
水中におけるHCl塩の不均化を利用して遊離塩基を生じさせた。初めに遊離塩基フォームIの核形成が起こる。スラリー時間を長くすると、フォームI、遊離塩基フォームIIと比べて熱力学的安定性がより高い相への転移が引き起こされる。
・水との接触により、材料の淡黄色から白色への可視的な色の変化が生じた;物理的変化もまた顕微鏡によって観察された。即時の不均化が起こる。XRPD分析により、水スラリー(約5分)から得られた材料が遊離塩基フォームIであると同定された。スラリーである時間を長くした場合には、遊離塩基フォームIIもまた明らかになる。
・乾燥状態に曝露して数時間以内にHClの揮発が明らかであった。XRPDにより、30℃(12時間後)、40℃(6時間後)、及び40℃/48mmHg(6時間後)で遊離塩基フォームIへの変換が観察された。
・遊離塩基マテリアルCは、高温を伴うより極限的な条件で明らかになる。HClフォームIを125℃まで加熱すると、酸性の揮発性物質の損失(試料の上に保持したpH試験紙を用いることにより目視で判断される)が引き起こされる。XRPD分析により、得られた試料は、HClフォームI、遊離塩基フォームI、及び遊離塩基マテリアルCの混合物であると同定される。HCl塩を真空下で60℃に6日間曝露すると、同じ結果がもたらされる。マテリアルCの性質は確立されていない。
・20mlバイアルに266.4mgのHClフォームIを入れ、10mLの水と接触させた。淡黄色の材料の色が白色に変化するまで試料を超音波処理した。得られた固体をろ過により収集し(水を吸引する)、10mLの水でリンスした。窒素パージを試料に約10分間吹き付けた後、乾固するまで周囲温度で真空に一晩曝露した。得られた材料をXRPDによって分析し、遊離塩基フォームIであると決定した。
・250ml三角フラスコに6.0250グラムのHClフォームIを入れ、220mLの水と接触させた。試料を約5分間超音波処理して材料を分散させた。音波処理中、黄色の材料の色が白色に変化した。撹拌子を加え、試料を700RPMで約10分間撹拌した。固体をろ過によって収集し、220mLの水でリンスした後、続いて試料を約10分間窒素パージした後、周囲温度で真空に曝露した。試料をこの条件で約24時間乾燥させて、5.1834グラムの材料を生じさせた。得られた材料をXRPDによって分析し、遊離塩基フォームIと遊離塩基マテリアルDとの混合物であると決定した(マテリアルDの性質は確立されていない)。
・20mlバイアルに477.5mgのHClフォームIロット20を入れ、20mLの水と接触させた。淡黄色の材料の色が白色に変化するまで試料を超音波処理した。少量の試料(遊離塩基フォームIとIIとの混合物)をシードとして添加した。撹拌子を加え、試料を200RPMで8日間撹拌した。得られた固体をろ過によって収集し(水を吸引する)、15mLの水でリンスした。試料を乾固するまで周囲温度で真空に一晩曝露した。得られた材料をXRPDによって分析し、遊離塩基フォームIIであると決定した。
基本手順:MEK(5vol)中の化合物1の遊離塩基の溶液を濃HCl(1.5eq)でゆっくりと処理する。得られたスラリーを0〜5℃に1時間冷却し、ろ過する。固体をMEK(1vol)で洗浄する。30〜35℃で真空乾燥させる。
基本手順:DIW(10vol)中の化合物1のHCl塩のスラリーを5分間〜2時間激しく撹拌する。スラリーをろ過し、DIW(2×1vol)で洗浄し、漏斗上で乾燥させ、次に30〜35℃でさらに真空乾燥させる。
基本手順:認められた溶媒(例えばヘプタン又は水)(10vol)中に化合物1フォームIの遊離塩基のスラリーを1〜7日間撹拌する。スラリーをろ過し、DIW(2×1vol)で洗浄し、漏斗上で乾燥させ、次に30〜35℃でさらに真空乾燥させる。
ン(10vol)中に撹拌した。4日後、XRPDは、材料がフォームIIであることを示した。スラリーをろ過し、乾燥させることにより、110gのオフホワイトの固体が提供された。
とにより、4.745kgのフォームIIがオフホワイトの固体として提供された。
基本手順:化合物1、フォームIの遊離塩基のスラリーを室温で少なくとも4日間、MTBE(4vol)中に撹拌する。4日後、このスラリーをろ過することにより、オフホワイトの固体が提供される。XRPDを得て多形がマテリアルNであると確認する。
化合物1の遊離塩基の最も安定した形を決定するため、迅速な溶媒ベースのスクリーニングを実施した。この試験は、これらの材料が様々な結晶形で存在する傾向についての予備的評価もまた提供する。生成された固体は偏光顕微鏡法(PLM)により観察し、及び/又は粉末X線回折(XRPD)により分析して、得られたXRPDパターンを化合物1の既知のパターンと比較した。
フォームI
遊離塩基フォームIは、遊離塩基の準安定性の無水相であり、水中でのHCl塩の不均化から直ちに形成される。フォームIの代表的なXRPDパターンの指数付けに成功しており、単位胞体積は無水遊離塩基と一致する。XRPDパターンと、提供される遊離塩基の過去のパターンとの目視比較は、材料が同様であり得ることを示している;しかしながら、過去のパターンは潜在的な混合物からのさらなるピークを呈するように見える。
。
遊離塩基フォームIIは遊離塩基の無水相である。フォームIIはマテリアルNとエナンチオトロピックな関係にあり、ここでフォームIIは、42℃の推定転移温度より上で熱力学的に安定した形である。フォームIIは、既知の溶媒和物を形成しない溶媒;例えばヘプタン、IPE、MTBE、又はトルエン中で;フォームIの短時間スラリー変換(ここでは結晶化動力学により、安定性がより高い形の核形成が遅延する)又は高温スラリー(42℃を上回る)によって生じさせることができる。フォームIIの代表的なXRPDパターンの指数付けが成功したとともに、単位胞体積は化合物1の無水遊離塩基と一致する。
遊離塩基マテリアルNは、遊離塩基の無水相である。マテリアルNはフォームIIとエナンチオトロピックな関係にあり、ここでマテリアルNは、42℃の推定転移温度未満で熱力学的に安定した形である。場合により、マテリアルNは既知の溶媒和物を形成しない溶媒;例えばヘプタン、IPE、MTBE、又はトルエン中のスラリーによって;42℃未満の温度で生じさせることができる。以下は、遊離塩基マテリアルNを生じさせるために用いられる実験室規模の手順の例である。
・53.0mgの遊離塩基フォームIを2mLのIPE/遊離塩基溶液(濃度13mg/ml)と接触させた。撹拌子を加え、試料を周囲条件で7日間スラリー化した。溶液を試料からデカントし、残った固体を窒素下で短時間乾燥させた。特徴付けデータは、マテリアルNがユニークな結晶相であることを示している。
特徴付けデータは、フォームI、II、及びマテリアルNがユニークな結晶相であることを示している;しかしながら、指数付けにより相純度を確認することに成功したのは、フォームI及びIIのXRPDパターンのみであった。従って、これらの材料間に提案されるいずれの熱力学的関係も作業仮説であり、ここではマテリアルNの相純度が仮定される。
得る。DSCにおいて観察される吸熱に先行してフォームIからフォームIIへの相変化が起こった可能性があるため、フォームIとマテリアルN又はフォームIIのいずれとの関係も、融解熱法則によっては確証的に決定することができない。しかしながら、様々な相互変換スラリーによって、フォームIは6℃からTN-IIの間で最も熱力学的安定性
が低い形であることが示された。加えて、フォームIが高温でDSCにおいて(観察される融解より前に)自発的にフォームIIに変換したと仮定すると、フォームIIもまたTN-IIより上でフォームIより安定しているということになるはずである。
図17のエネルギー-温度図は、ギブズ-ヘルムホルツ式の半定量的図解法であり、ここでは各形のエンタルピー(H)及び自由エネルギー(G)等圧線が温度の関数として表される。
上記のエネルギー-温度図によって示される多形間の熱力学的関係を裏付けるため、相
互変換実験を実施した。相互変換又は競合的スラリー実験は、溶液により媒介されるプロセスであり、可溶性の低い(安定性の高い)結晶が、可溶性のより高い結晶形であることを犠牲にして成長する経路を提供する。熱力学的に安定性の高い多形ほど低いエネルギー、従って低い溶解度を有するため、溶媒和物の形成又は分解は別として、相互変換実験から得られるより安定性の高い多形は、使用される溶媒と独立していることが企図される。溶媒の選択は多形変換の動力学に影響を及ぼし、多形結晶形間の熱力学的関係には影響を及ぼさない。
ラリーを、フォームI及びIIを使用して周囲温度、6℃、及び57℃で調製した。これらの実験の大部分からフォームIIが得られ、この温度範囲内でフォームIIがフォームIと比べてより安定していることが確認された。
ケッティングする温度でフォームIIとマテリアルNとの間のさらなる相互変換スラリーを実施し、フォームIIとマテリアルNとがエナンチオトロピックな関係を有することを確認した。
3つの多形フォームI、II及びマテリアルNについて取得した13C及び15Nスペクトル。図10及び図11を参照のこと。スペクトルは253Kで取得し、計測中に起こる任意の低温転移を防止し、多形結晶形毎に取得パラメータを最適化した。
主に遊離塩基フォームIで(遊離塩基マテリアルDを伴い)構成される混合物を安定性条件に供し、物理的及び化学安定性を評価した。3つの条件を用いた;開放して25℃/60%RH、開放して40℃/75%RH、及び閉鎖して60℃。物理的安定性はXRPDにより評価した。化学安定性は、適用可能な場合、UPLC及び1H NMRによって決定した。材料は曝露から1、7、及び14日後に試験した。
遊離塩基安定性試料について、UPLCにより極めて低レベルの不純物の存在が示された。14日の経時後、不純物レベルの有意な上昇はなかった。これは、安定性評価に用いた条件に対する良好な化学的安定性を示すものと思われる。60℃(14日)に曝露された試料の1H NMRスペクトルもまた、この結論と一致した。
化合物1の遊離塩基は、XRPDによれば、25℃/60%RHで変化しないままであった。しかしながら、他の2つの条件では違いが観察された。遊離塩基マテリアルDによるものである僅かな小さいピークはもはや観察されなかったことから、マテリアルDが準安定であり、高温で持続しないことが示される。加えて、7日の経時後に遊離塩基フォームIIが観察された。これは、本明細書で考察される結論と一致し、遊離塩基フォームIIは遊離塩基フォームIと比べてこれらの温度で安定性が高い。
DSCを低速基礎加熱速度で調整し、続いて粉末X線回折を行った。0.02℃ min-1の低速基礎加熱速度を使用した。温度はフォームNが80℃及びフォームIIが9
0℃であった。曝露は本質的に等温で、物理的形の変化を検出する感度の温度範囲を網羅した。得られた材料を粉末X線回折によって調べた。多形フォームII又は多形フォームN(即ち、マテリアルN)のいずれについても、物理的形の変化は観察されなかった。
多形フォームIIとフォームNとの1:1w/w混合物で長期溶媒媒介性成熟試験を実施した。ヘキサンが溶媒評価に良好な媒体を提供した。用いた温度には、-20℃、-10℃、0℃、10℃、20℃、30℃、40℃及び50℃が含まれる。30℃、40℃及び50℃で有意な溶解度の上昇が観察された。-20℃、-10℃、0℃、10℃、20℃での成熟から生じた固体を粉末X線回折によって分析した。いずれの場合も、フォームNへの有意な変換が観察された。
多形フォームNのバッチの初期試験は針状形態を示す。
Claims (19)
- 化合物1の溶媒和多形を実質的に含まない、請求項1に記載の結晶性無溶媒和物。
- 請求項1に記載の結晶性無溶媒和物を含む組成物。
- 前記結晶性無溶媒和物が、フォームI、フォームII又はマテリアルNのうちの1つ以上を含み、ここで、
フォームIは、12.82°、15.74°、16.03°、16.63°、17.60°、25.14°、25.82°及び26.44°(各々±0.2°2θ)から選択される少なくとも1つの粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられ;
フォームIIは、13.37°、14.37°、19.95°及び23.92°2θ(各々±0.2°2θ)から選択される少なくとも1つの粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられ;及び
マテリアルNは、11.65°、11.85°、12.08°、16.70°、19.65°及び23.48°2θ(各々±0.2°2θ)から選択される少なくとも1つの粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられる、請求項1に記載の結晶性無溶媒和物。 - フォームIIを含む、請求項4に記載の結晶性無溶媒和物。
- マテリアルNを含む、請求項4に記載の結晶性無溶媒和物。
- 化合物1の塩を溶媒中にスラリー化するステップと、前記化合物1塩を不均化させるステップであって、それにより前記結晶性無溶媒和物を形成するステップを含む、請求項1に記載の結晶性無溶媒和物の調製方法。
- ヘモグロビンSの酸素親和性を増加させるための、請求項1に記載の結晶性無溶媒和物の治療有効量の使用。
- ヘモグロビンSの酸素親和性を増加させるための、請求項3に記載の組成物の治療有効量の使用。
- 鎌状赤血球貧血に関連する酸素欠乏を治療するための、請求項1に記載の結晶性無溶媒和物の治療有効量の使用。
- 鎌状赤血球貧血に関連する酸素欠乏を治療するための、請求項3に記載の組成物の治療有効量の使用であって、前記方法が、それを必要としている対象に投与するステップを含む、使用。
- 化合物1の無溶媒和多形を実質的に含まない、請求項12に記載の結晶性溶媒和物。
- 請求項12又は13に記載の結晶性溶媒和物を含む組成物。
- マテリアルE、マテリアルF、マテリアルG、マテリアルH、マテリアルJ、マテリアルK、マテリアルL、マテリアルM、マテリアルO又はマテリアルPのうちの1つ以上を含む、請求項12に記載の結晶性溶媒和物。
- マテリアルEが、8.69、11.73、12.10、15.26、16.11、17.45、22.39、22.55及び23.70±0.20から選択される少なくとも1つ、2つ、又は3つの粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられ;
マテリアルFが、8.47、8.81、12.75、13.17、14.92、15.63、17.01 23.73、及び24.07±0.20から選択される少なくとも1つ、2つ、又は3つの粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられ;
マテリアルGが、8.47、11.45、12.62、14.66、15.69、17.01、18.47、20.32、22.61、23.08、23.43及び23.70±0.20から選択される少なくとも1つ、2つ、又は3つの粉末X線回折ピーク(Cu
Kα線)によって特徴付けられ;
マテリアルHが、8.61、11.67、15.33、16.28、17.28、22.58、23.51及び25.77±0.20から選択される少なくとも1つ、2つ、又は3つの粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられ;
マテリアルJが、8.52、8.88、12.79、15.04、15.61、17.11、22.81、23.87、24.17、24.62及び26.44±0.20から選択される少なくとも1つ、2つ、又は3つの粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられ;
マテリアルKが、8.52;8.83、11.35、15.04、15.74、17.11、23.46、23.58、24.08及び25.99±0.20から選択される少なくとも1つ、2つ、又は3つの粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられ;
マテリアルLが、8.61、8.78、11.67、14.94、15.28、16.14、17.30、22.75、23.71及び26.05±0.20から選択される少なくとも1つ、2つ、又は3つの粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付け
られ;及び
マテリアルMが、7.74、10.05、12.82、15.33、16.80、20.82、21.14、25.80及び26.97±0.20から選択される少なくとも1つ、2つ、又は3つの粉末X線回折ピーク(Cu Kα線)によって特徴付けられる、請求項15に記載の結晶性溶媒和物。 - 化合物1の遊離塩基無溶媒和物を溶媒と接触させるステップを含む、請求項12に記載の結晶性溶媒和物の調製方法。
- ヘモグロビンSの酸素親和性を増加させるための、請求項12に記載の結晶性溶媒和物の治療有効量の使用。
- 鎌状赤血球貧血に関連する酸素欠乏を治療するための、請求項12に記載の結晶性溶媒和物の治療有効量の使用。
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