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JP2021174621A - 電池及びその製造方法 - Google Patents

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JP2021174621A JP2020075998A JP2020075998A JP2021174621A JP 2021174621 A JP2021174621 A JP 2021174621A JP 2020075998 A JP2020075998 A JP 2020075998A JP 2020075998 A JP2020075998 A JP 2020075998A JP 2021174621 A JP2021174621 A JP 2021174621A
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誠司 西山
Seiji Nishiyama
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Abstract

【課題】発電要素と外装体との相対的な位置決めを容易に行うことができ、かつ、信頼性が高い電池を提供する。【解決手段】電池1は、正極層、負極層及び、正極層と負極層との間に位置する電解質層を含む発電要素10と、発電要素10を収容する可撓性を有する外装体100と、を備える。外装体100は、発電要素10の主面11に接しているフィルム状の底面部110と、発電要素10の少なくとも1つの側面に、直接、又は、底面部110を介して接している、底面部110に固定された固形部材130と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、電池及びその製造方法に関する。
従来の電池では、発電要素を外装体に封入する際に、外装体に対する発電要素の位置ずれが発生するという問題がある。この位置ずれを抑制するために接着層を用いる電池が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2019−164892号公報
しかしながら、従来の構成では、封入時の封止工程で接着剤中の揮発性物質が揮発することにより、発電要素の性能低下を引き起こす可能性がある。また、接着剤が硬化により収縮し、その際に発生する応力によって発電要素に歪みが発生する可能性がある。歪みは、発電要素の性能低下、発電要素の破損、又は、発電要素の接着部からの剥離による位置ずれなどの電池の信頼性を低下させる可能性がある。さらには、接着層が形成されている箇所への発電要素の位置決めを精度良く行う必要があり、工程が必要以上に煩雑になるといった課題が生じる。
本開示は、発電要素と外装体との相対的な位置決めを容易に行うことができ、かつ、信頼性が高い電池及びその製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る電池は、正極層、負極層、及び、前記正極層と前記負極層との間に位置する電解質層を含む発電要素と、前記発電要素を収容する可撓性を有する外装体と、を備え、前記外装体は、前記発電要素の主面に接しているフィルム状の第一部材と、前記発電要素の少なくとも1つの側面に、直接、又は、前記第一部材を介して接している、前記第一部材に固定された第二部材と、を備える。
本開示の一態様に係る電池の製造方法は、正極層、負極層、及び、前記正極層と前記負極層との間に位置する電解質層を含む発電要素を、可撓性を有する外装体の内部に収容する工程と、前記外装体を、内部に収容した前記発電要素に密着させる工程と、を含み、前記収容する工程では、前記外装体が備えるフィルム状の第一部材に対する前記発電要素の位置決めを行う。
本開示によれば、発電要素と外装体との相対的な位置決めを容易に行うことができ、かつ、信頼性が高い電池及びその製造方法を提供することができる。
図1は、実施の形態1に係る電池の概略構成を示す断面図である。 図2Aは、実施の形態1に係る電池の製造方法の一工程を示す断面図である。 図2Bは、実施の形態1に係る電池の製造方法の一工程を示す断面図である。 図2Cは、実施の形態1に係る電池の製造方法の一工程を示す断面図である。 図2Dは、実施の形態1に係る電池の製造方法の一工程を示す断面図である。 図3は、実施の形態2に係る電池の概略構成を示す断面図である。 図4は、実施の形態3に係る電池の概略構成を示す断面図である。 図5Aは、実施の形態3に係る電池の製造方法の一工程を示す断面図である。 図5Bは、実施の形態3に係る電池の製造方法の一工程を示す断面図である。 図5Cは、実施の形態3に係る電池の製造方法の一工程を示す断面図である。 図5Dは、実施の形態3に係る電池の製造方法の一工程を示す断面図である。 図6は、実施の形態4に係る電池の概略構成を示す断面図である。 図7は、実施の形態5に係る電池の概略構成を示す断面図である。 図8は、実施の形態6に係る電池の概略構成を示す断面図である。 図9は、実施の形態7に係る電池の概略構成を示す断面図である。 図10Aは、実施の形態1から3の変形例1に係る電池の概略構成を示す上面図である。 図10Bは、実施の形態1から3の変形例2に係る電池の概略構成を示す上面図である。 図10Cは、実施の形態1から3の変形例3に係る電池の概略構成を示す上面図である。 図11Aは、実施の形態4及び5の変形例1に係る電池の概略構成を示す上面図である。 図11Bは、実施の形態4及び5の変形例2に係る電池の概略構成を示す上面図である。 図11Cは、実施の形態4及び5の変形例3に係る電池の概略構成を示す上面図である。 図12Aは、実施の形態6及び7の変形例1に係る電池の概略構成を示す上面図である。 図12Bは、実施の形態6及び7の変形例2に係る電池の概略構成を示す上面図である。
(本開示の概要)
本開示の一態様に係る電池は、正極層、負極層、及び、前記正極層と前記負極層との間に位置する電解質層を含む発電要素と、前記発電要素を収容する可撓性を有する外装体と、を備える。前記外装体は、前記発電要素の主面に接しているフィルム状の第一部材と、前記発電要素の少なくとも1つの側面に、直接、又は、前記第一部材を介して接している、前記第一部材に固定された第二部材と、を備える。
これにより、外装体に対する発電要素の位置決めを、第二部材を利用して簡単に行うことができる。具体的には、発電要素の側面を第二部材に直接又は間接的に接触させるように発電要素を第一部材に配置することで、発電要素の位置決めを行うことができる。また、電池の製造工程において発電要素に外装体を収容する際に、発電要素の位置ずれを第一部材によって抑制することができる。
また、発電要素の位置決めに接着剤を利用しなくてよいので、封入工程で接着剤中の揮発性物質の揮発を抑制することができる。このため、揮発性物質に起因する発電要素の性能低下を抑制することができる。また、接着剤を利用しなくてよいので、接着剤の硬化に起因する発電要素の歪みも抑制することができる。
このように、本態様に係る電池によれば、発電要素と外装体との相対的な位置決めを容易に行うことができ、かつ、信頼性が高い電池を実現することができる。
また、例えば、前記第二部材は、前記第一部材の、前記発電要素側の第一面に固定されており、前記発電要素の側面に直接接していてもよい。
これにより、位置決めの精度を高めることができる。
また、例えば、前記第二部材は、前記第一部材とは異なる材料を含む芯材と、前記芯材を覆う樹脂層とを含んでもよい。前記樹脂層は、前記発電要素の側面に直接接していてもよい。
これにより、芯材と発電要素とが直接接触するのを避けることができる。例えば、芯材として発電要素よりも硬い部材を利用した場合に、発電要素と芯材とが直接接触することによる発電要素の破損を防ぐことができる。これにより、電池の信頼性を更に高めることができる。
また、例えば、前記第二部材は、前記第一部材の、前記発電要素側とは反対側の第二面に固定されており、前記発電要素の側面に前記第一部材を介して接していてもよい。
これにより、第二部材と発電要素とが直接接触するのを避けることができる。例えば、第二部材として発電要素よりも硬い部材を利用した場合に、発電要素と第二部材とが直接接触することによる発電要素の破損を防ぐことができる。これにより、電池の信頼性を更に高めることができる。
また、例えば、本開示の一態様に係る電池は、前記外装体は、前記第二部材を複数備えてもよい。
これにより、複数の方向への発電要素の位置ずれを抑制することができるので、電池の信頼性を更に高めることができる。
また、例えば、本開示の一態様に係る電池は、前記外装体は、少なくとも2つの前記第二部材を連結する連結部材をさらに備えてもよい。
これにより、2つの第二部材の位置関係を連結部材によって固定することができる。このため、位置決めの精度を更に高めることができる。
また、例えば、前記連結部材と、前記連結部材によって連結された少なくとも2つの前記第二部材とは、同一の材料を用いて一体的に形成されていてもよい。
これにより、連結部材と2つの第二部材とが一体的に形成されているので、連結部材と2つの第二部材との第一部材への固定を容易に行うことができる。
また、例えば、前記発電要素の平面視形状は、矩形であってもよい。前記発電要素は、第一側面と、当該第一側面の反対側の第二側面とを含む。複数の前記第二部材の1つは、前記第一側面に接しており、複数の前記第二部材の他の1つは、前記第二側面に接していてもよい。
これにより、2つの第二部材によって発電要素が挟まれるので、発電要素の位置ずれを抑制することができる。このため、信頼性の高い電池を実現することができる。
また、例えば、前記発電要素の平面視形状は、矩形であってもよい。前記第二部材は、平面視における前記発電要素の角に位置していてもよい。
これにより、発電要素の角で位置決めが可能であるので、発電要素の位置ずれを抑制することができる。例えば、2つの第二部材を発電要素の対角に配置した場合には、発電要素の位置ずれをほぼ確実に抑制することができる。このため、信頼性の高い電池を実現することができる。
また、例えば、前記電解質層は、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を含む固体電解質層であってもよい。
また、本開示の一態様に係る電池の製造方法は、正極層、負極層、及び、前記正極層と前記負極層との間に位置する電解質層を含む発電要素を、可撓性を有する外装体の内部に収容する工程と、前記外装体を、内部に収容した前記発電要素に密着させる工程と、を含む。前記収容する工程では、前記外装体が備えるフィルム状の第一部材に対する前記発電要素の位置決めを行う。
これにより、発電要素の位置決めに接着剤を利用しなくてよいので、収容工程で接着剤中の揮発性物質の揮発を抑制することができる。このため、揮発性物質に起因する発電要素の性能低下を抑制することができる。また、接着剤を利用しなくてよいので、接着剤の硬化に起因する発電要素の歪みも抑制することができる。このように、本態様によれば、発電要素と外装体との相対的な位置決めを容易に行うことができ、かつ、信頼性が高い電池を製造することができる。
また、例えば、前記収容する工程では、第二部材を覆うように前記第一部材を配置し、配置した前記第一部材を介して前記発電要素の側面を前記第二部材に接触させることで、前記位置決めを行ってもよい。
これにより、第一部材を介して第二部材に発電要素の側面を接触させるように発電要素を第一部材に配置することで、発電要素の位置決めを簡単に行うことができる。また、密着させる工程における、発電要素の位置ずれを第一部材によって抑制することができる。
また、例えば、前記収容する工程では、前記第一部材に固定された第二部材に前記発電要素の側面を接触させることで、前記位置決めを行ってもよい。
これにより、第二部材に発電要素の側面を接触させることで、発電要素の位置決めを簡単に行うことができる。また、密着させる工程における、発電要素の位置ずれを第一部材によって抑制することができる。
以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、平行又は直交などの要素間の関係性を示す用語、及び、長方形又は円形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
また、本明細書において「平面視」とは、電池における積層方向に沿って電池を見た場合を意味し、本明細書における「厚み」とは、電池及び各層の積層方向の長さである。
また、本明細書において「内側」及び「外側」などにおける「内」及び「外」とは、特に断りのない限り、電池の中心に近づく方向が「内」であり、電池の中心から離れる方向が「外」である。
また、本明細書において、電池の構成における「上」及び「下」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。また、「上方」及び「下方」という用語は、2つの構成要素が互いに間隔を空けて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合のみならず、2つの構成要素が互いに密着して配置されて2つの構成要素が接する場合にも適用される。
(実施の形態1)
[1.電池の概要]
まず、実施の形態1に係る電池の概要について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態1に係る電池1の概略構成を示す断面図である。
図1に示されるように、電池1は、発電要素10と、外装体100とを備える。電池1では、発電要素10が、可撓性を有する外装体100で封止されている。外装体100は、可撓性を有する底面部110と、可撓性を有する上面部120と、固形部材130と、を備える。固形部材130は、底面部110の第一面111に固定されている。固形部材130は、封止部140の近傍に配置されており、発電要素10の位置決め及び位置ずれ抑制に利用される。
以下ではまず、固形部材130の機能について説明する。固形部材130は、発電要素10の外装体100への封止工程で主にその機能を発揮する。封止工程は、減圧チャンバーを用いた減圧空間下で行われる。詳細については図2Aから図2Dを用いて後述するが、以下に簡単に封止工程を説明する。
封止工程ではまず、減圧チャンバー内に、固形部材130が固定された底面部110を配置する。さらに、底面部110上のうち、固形部材130の一面に発電要素10の側面が接するように発電要素10を配置する。これにより、発電要素10の配置位置が固形部材130によって決定される。すなわち、発電要素10の位置決めが行われる。
発電要素10を固形部材130とともに封入するために、上面部120を、発電要素10を覆うように配置する。この状態で減圧チャンバー内の圧力を減圧し、底面部110の端部と上面部120の端部とを貼り合わせる。これにより、底面部110及び上面部120を囲むように、封止部140が形成される。
貼り合わせた後、常圧に戻すと、雰囲気の気圧により、底面部110と上面部120とが発電要素10に沿って被覆される状態となる。常圧に戻す際に、常圧まで圧力が上昇する際の雰囲気の気流と、この気流による外装体100の変形又は移動により発電要素10は外力を受ける。固形部材130が設けられていない状態では、これらの外力により発電要素10が移動し、位置ずれを起こすことがある。本実施の形態に係る電池1では、固形部材130に発電要素10が接している。このため、発電要素10にこれらの外力が加わっても発電要素10の移動が規制されて、発電要素10の位置ずれが抑制される。
また、接着剤を用いた接着部を有しないために、接着剤中の揮発性物質による発電要素10の性能低下、発電要素10の変形による破損、及び、発電要素10の変形による接着部からの剥離などが生じない。また、固形部材130を利用することで、位置決めを簡単に行うことができるので、位置決めの煩雑さが解消される。
本実施の形態において、固形部材130の配置位置は、封止部140の近傍の端部であるが、これに限定されない。固形部材130は、底面部110のその他の位置に配置されてもよく、発電要素10が外装体100への封入前に固形部材130に接する位置にあれば、同様に実施可能である。
[2.構成]
次に、本実施の形態に係る電池1の具体的な構成について説明する。図1に示されるように、本実施の形態に係る電池1は、正極層、負極層及び固体電解質層を含む積層体からなる発電要素10と、発電要素10を収容する外装体100とを備える。電池1は、例えば、全固体電池である。
[2−1.発電要素]
まず、発電要素10の具体的な構成について説明する。
発電要素10は、少なくとも1つの電池セルを含む。電池セルは、正極層、電解質層及び負極層がこの順で積層されている構造を有する。図1に示される例では、発電要素10は、1つのみの電池セルを含んでいる。発電要素10は、第一電極層20と、第二電極層30と、固体電解質層40とを含む。第一電極層20は、第一集電体21と、第一活物質層22とを含む。第一活物質層22は、第一集電体21と固体電解質層40との間に位置している。第二電極層30は、第二集電体31と、第二活物質層32とを含む。第二活物質層32は、第二集電体31と固体電解質層40との間に位置している。
以下では、第一電極層20が正極層であり、第二電極層30が負極層である例を説明する。すなわち、第一集電体21は、正極集電体であり、第一活物質層22は、正極活物質層である。第二集電体31は、負極集電体であり、第二活物質層32は、負極活物質層である。つまり、本実施の形態では、電池セルは、正極集電体、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層及び負極集電体がこの順で積層されている構造を有している。
なお、第一電極層20が負極層であり、第二電極層30が正極層であってもよい。つまり、第一集電体21は、負極集電体であり、第一活物質層22は、負極活物質を含んでもよい。第二集電体31は、正極集電体であり、第二活物質層32は、正極活物質を含んでもよい。
第一集電体21、第一活物質層22、固体電解質層40、第二活物質層32及び第二集電体31はそれぞれ、平面視形状が長方形である。第一集電体21、第一活物質層22、固体電解質層40、第二活物質層32及び第二集電体31の平面視形状は、特に制限されず、正方形であってもよく、円形、楕円形又は多角形などの矩形以外の形状であってもよい。
また、本実施の形態では、第一集電体21、第一活物質層22、固体電解質層40、第二活物質層32及び第二集電体31は、互いに同じ大きさであり、平面視で各々の輪郭が一致しているが、これに限らない。例えば、第一活物質層22は、第二活物質層32よりも小さくてもよい。第一活物質層22及び第二活物質層32は、固体電解質層40よりも小さくてもよい。
第一集電体21及び第二集電体31の材料としては、公知の導電性を有する材料が用いられうる。第一集電体21及び第二集電体31には、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、白金若しくは金、又は、これらの2種以上の合金などからなる箔状体、板状体又は網目状体などが用いられる。
正極活物質層である第一活物質層22は、少なくとも正極活物質を含む。第一活物質層22は、必要に応じて、固体電解質、導電助剤及び結着剤(すなわち、バインダー)のうち少なくとも1つを含んでもよい。
正極活物質としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン又はマグネシウムイオンを吸蔵及び放出(挿入及び脱離、又は、溶解及び析出)できる公知の材料が用いられうる。正極活物質としては、リチウムイオンを離脱及び挿入することができる材料の場合、例えば、コバルト酸リチウム複合酸化物(LCO)、ニッケル酸リチウム複合酸化物(LNO)、マンガン酸リチウム複合酸化物(LMO)、リチウム−マンガン−ニッケル複合酸化物(LMNO)、リチウム−マンガン−コバルト複合酸化物(LMCO)、リチウム−ニッケル−コバルト複合酸化物(LNCO)又はリチウム−ニッケル−マンガン−コバルト複合酸化物(LNMCO)などが用いられる。
固体電解質としては、リチウムイオン伝導体、ナトリウムイオン伝導体又はマグネシウムイオン伝導体など公知の材料が用いられうる。固体電解質としては、無機固体電解質及び高分子固体電解質(ゲル状固体電解質を含む)のいずれもが用いられうる。無機固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質又は酸化物固体電解質などが用いられる。
硫化物固体電解質としては、リチウムイオンを伝導できる材料の場合、例えば、硫化リチウム(LiS)及び五硫化二リン(P)からなる合成物が用いられる。また、硫化物固体電解質としては、LiS−SiS、LiS−B又はLiS−GeSなどの硫化物が用いられてもよい。あるいは、硫化物固体電解質としては、上記硫化物に、添加剤としてLiN、LiCl、LiBr、LiPO及びLiSiOのうち少なくとも1種が添加された硫化物が用いられてもよい。
酸化物固体電解質としては、リチウムイオンを伝導できる材料の場合、例えば、LiLaZr12(LLZ)、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO(LATP)又は(La,Li)TiO(LLTO)などが用いられる。
導電助剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト又はカーボンファイバーなどの導電性材料が用いられる。また、結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデンなどの結着用バインダーなどが用いられる。
負極活物質層である第二活物質層32は、少なくとも負極活物質を含む。第二活物質層32は、必要に応じて、正極活物質層と同様に、固体電解質、導電助剤及び結着剤のうち少なくとも1つを含んでもよい。
負極活物質としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン又はマグネシウムイオンを吸蔵及び放出(挿入及び脱離、又は、溶解及び析出)できる公知の材料が用いられうる。負極活物質としては、リチウムイオンを離脱及び挿入することができる材料の場合、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維若しくは樹脂焼成炭素などの炭素材料、金属リチウム、リチウム合金又はリチウムと遷移金属元素との酸化物などが用いられる。
固体電解質層40は、少なくとも固体電解質を含む。固体電解質層40は、必要に応じて、結着剤を含んでいてもよい。固体電解質層40は、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を含んでいてもよい。固体電解質層40に含まれる固体電解質及び結着剤としては、上記の固体電解質及び結着剤が用いられうる。
なお、発電要素10は、積層された複数の電池セルを備えてもよい。複数の電池セルは、電池として機能すればどのように積層されてもよく、例えば、電気的に直列接続又は並列接続となるように積層されている。発電要素10に含まれる電池セルの数は、2つでもよく、3つ以上でもよく、特に限定されない。
複数の電池セルは、隣接する電池セルが、正極集電体又は負極集電体を共有する構造であってもよい。つまり、1つの電池セルに含まれる正極層又は負極層は、集電体を含まなくてもよく、隣接する電池セルの集電体上に設けられた正極活物質層又は負極活物質層を含んでもよい。複数の電池セルにおいて、各層の側面が封止用樹脂などで構成される封止部材で被覆されていてもよい。
[2−2.外装体]
次に、外装体100の具体的な構成について説明する。
外装体100は、発電要素10を収容する、可撓性を有する外装体である。外装体100は、発電要素10の表面を覆い、発電要素10を水分及び空気などから保護するために設けられている。図1に示されるように、外装体100は、底面部110と、上面部120と、固形部材130と、底面部110と上面部120とが貼り合わされた部分である封止部140とを有する。
なお、例えば、減圧下で発電要素10を被覆して収容した後に、外装体100の外部空間が大気圧まで圧力が上昇することで、外装体100は、発電要素10に密着する。このため、図1に示されている例では、外装体100と発電要素10の側面12aなどとの間に隙間が存在しているが、実際には、隙間は、存在しないとみなせる程度に十分に小さい。
底面部110及び上面部120はそれぞれ、例えば、ラミネートフィルムである。ラミネートフィルムは、ポリエチレン系樹脂又はポリプロピレン系樹脂などの樹脂層とアルミニウムなどの金属層との積層構造を有するフィルムであり、公知のラミネートフィルムが用いられうる。ラミネートフィルムは、例えば、樹脂層、金属層及び樹脂層がこの順に積層された3層構造を有する。ラミネートフィルムの層数は、3層に限らず、仕様目的に応じた層数のラミネートフィルムが用いられうる。
本実施の形態では、底面部110は、発電要素10の主面11に接するフィルム状の第一部材の一例である。主面11は、具体的には、発電要素10の第一集電体21の主面であって、第一活物質層22が設けられた面とは反対側の面である。底面部110の第一面111と発電要素10の主面11とが面で接触している。
封止部140は、底面部110及び上面部120の各々の端部が貼り合わされた部分である。本実施の形態では、底面部110及び上面部120の各々を構成する2枚のラミネートフィルムの外周端部同士が密着されて封止されることにより、封止部140が形成される。封止部140は、例えば、平面視において、発電要素10を囲む環状に設けられている。
なお、外装体100は、1枚のラミネートフィルムが折り曲げられて形成されていてもよい。つまり、1枚のラミネートフィルムの一部が底面部110であり、他の一部が上面部120であってもよい。
外装体100は、1枚以上のラミネートフィルムで構成されることにより、柔軟性が高く、かつ、空気及び水分に対するバリア性に優れた外装体となる。
固形部材130は、底面部110に固定されている。具体的には、固形部材130は、底面部110の、発電要素10側の第一面111に固定されている。なお、固形部材130は、上面部120に固定されていてもよい。
本実施の形態では、固形部材130は、発電要素10の少なくとも1つの側面に直接、接している。したがって、固形部材130の材質としては、絶縁性の材料を用いる。また、外装体100内への発電要素10の封止時に大気圧へ戻す際に、発電要素10への外力が発生するため、固形部材130は、例えば、この外力による発電要素10の移動を規制できる程度に充分な硬さ、強度、弾性を持つ材質からなる。固形部材130は、例えば、剛体である。固形部材130は、硬い程、発電要素10の移動の抑制効果が高い。一方で、固形部材130が硬すぎる場合には、発電要素10に強い力がかかり、発電要素10の破損が発生する恐れがある。このため、固形部材130は、弾性体であってもよい。
固形部材130の形状は、発電要素10の側面12aに沿って接することができる形状である。例えば、固形部材130の形状は、側面12aに沿った直方体などである。本実施の形態では、固形部材130の一面と発電要素10の側面12aとが面で接触している。
固形部材130の平面視における配置例、及び、形状の変形例などは、図10Aから図10Cを用いて後で説明する。
固形部材130は、例えば、絶縁性の樹脂材料を用いて形成されている。底面部110又は上面部120を構成するラミネートフィルム上に、樹脂材料を塗布し、硬化させることによって固形部材130が形成される。あるいは、固形部材130は、接着剤でラミネートフィルムに固定されてもよい。固形部材130の接着に用いられる接着剤は、発電要素10の封止工程では既に硬化されているので、揮発性物質による発電要素10への特性劣化の影響が十分に抑制されている。固形部材130は、底面部110又は上面部120に対して、発電要素10の移動を規制できる程度に充分な密着性及び接着強度などを有する。
[3.製造方法]
次に、本実施の形態に係る電池1の製造方法について図2Aから図2Dを用いて説明する。図2Aから図2Dは、本実施の形態に係る電池1の製造方法の一工程を示す断面図である。なお、以下で説明する電池1の製造方法は一例であり、電池1の製造方法は、以下の例に限らない。
まず、発電要素10を準備する。発電要素10は、1つ以上の電池セルを含んでいる。電池セルは、集電体上に正極活物質、固体電解質及び負極活物質を塗布などによって積層するなどの公知の方法によって作製することができる。複数の電池セルを、直列接続、又は、並列接続になるように積層することで、複数の電池セルを含む発電要素10を形成してもよい。
次に、図2Aに示されるように、例えば、樹脂層、アルミニウム層及び樹脂層がこの順で積層された3層構造のラミネートフィルムを底面部110として減圧チャンバー内に準備する。底面部110の第一面111には、固形部材130が固定されている。なお、減圧チャンバー内で、底面部110に固形部材130を形成及び固定してもよい。
次に、図2Bに示されるように、固形部材130が形成された底面部110の第一面111上に発電要素10を配置する。このとき、図2Cに示されるように、発電要素10の側面12aが固形部材130に接触するように位置決めを行う。例えば、発電要素10を底面部110の第一面111上に配置した後、スライドさせて固形部材130に側面12aを接触させてもよい。あるいは、発電要素10を第一面111上に配置する時に、側面12aを固形部材130に接触させてもよい。
次に、図2Dに示されるように、ラミネートフィルムを上面部120として、発電要素10の上面に配置する。つまり、2枚のラミネートフィルムによって発電要素10を挟み込んで覆う。
次に、上面部120及び底面部110である2枚のラミネートフィルムの各々の端部を、一部を除いて熱圧着により接着することで、封止部140を形成する。これにより、2枚のラミネートフィルムを袋状のラミネートフィルムに成形する。減圧チャンバー内において、発電要素10が収容された袋状ラミネートフィルムの外部空間を減圧し、減圧した状態で、圧着していない部分を熱圧着することにより、発電要素10がラミネートフィルムで封止される。
封止後に、減圧チャンバー内を大気圧まで圧力を上昇させることにより、気流又は大気圧などの外力を受け、外装体100が発電要素10に密着する。これにより、図1に示される電池1が製造される。圧力上昇時の外力による発電要素10の位置ずれを固形部材130によって抑制するこができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2に係る電池について説明する。
実施の形態2に係る電池では、固形部材が芯材と樹脂層とを含む点が実施の形態1と主として異なる。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
図3は、実施の形態2に係る電池2の概略構成を示す断面図である。図3に示されるように、電池2は、実施の形態1に係る電池1と比較して、外装体100の代わりに外装体200を備える。外装体200は、固形部材130の代わりに固形部材230を備える。
固形部材230は、芯材231と、樹脂層232とを含んでいる。
芯材231は、底面部110とは異なる材料を含んでいる。芯材231は、例えば、実施の形態1に係る固形部材130と同様に、絶縁性の樹脂材料を用いて形成されている。あるいは、芯材231は、金属材料を用いて形成されていてもよい。
樹脂層232は、芯材231を覆う樹脂層である。発電要素10の側面12aは、樹脂層232に接触している。このため、芯材231が金属材料を用いて形成されている場合であっても、芯材231と発電要素10との電気的な絶縁を確保することができる。
例えば、樹脂層232は、底面部110に含まれる樹脂層と同じ材料を用いて形成されている。具体的には、樹脂層232は、ラミネートフィルムに含まれる3層構造のうち、第一面111側の樹脂層と同じ樹脂材料を用いて形成されている。あるいは、樹脂層232は、底面部110と同様に、樹脂層と金属層と樹脂層との3層構造を有してもよい。樹脂層232は、樹脂層と金属層との2層構造を有してもよい。この場合、樹脂層232の、発電要素10に接する面は、樹脂層である。
以上のように、本実施の形態に係る電池2によれば、芯材231と発電要素10とが直接接触するのを避けることができる。例えば、芯材231として発電要素10よりも硬い部材を利用した場合に、発電要素10と芯材231とが直接接触することによる発電要素10の破損を防ぐことができる。また、芯材231として金属材料などを利用することができるので、材料の選択の自由度を高めることができる。
なお、電池2の製造方法は、実施の形態1に係る電池1の製造方法と同様である。固形部材230の形成方法のみ相違する。例えば、実施の形態1に係る固形部材130と同様に芯材231をラミネートフィルムに配置した後、樹脂材料で芯材231を覆う。樹脂材料を硬化させることによって、樹脂層232に覆われた芯材231を含む固形部材230が形成される。
樹脂層232は、芯材231の全体を覆っていなくてもよい。つまり、芯材231の一部は、樹脂層232に覆われずに外装体200内で露出していてもよい。例えば、樹脂層232は、芯材231と発電要素10との間にのみ設けられていてもよい。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3に係る電池について説明する。
実施の形態3に係る電池では、固形部材が発電要素に直接接していない点が実施の形態1と主として異なる。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
図4は、実施の形態3に係る電池3の概略構成を示す断面図である。図4に示されるように、電池3は、実施の形態1に係る電池1と比較して、外装体100の代わりに外装体300を備える。
外装体300では、固形部材130が、底面部110の第二面112に設けられている。第二面112は、第一面111とは反対側の面である。つまり、外装体300では、固形部材130が底面部110の外側に接して設けられている。このため、固形部材130と発電要素10とは、底面部110を介して接している。
以上のように、本実施の形態に係る電池3によれば、固形部材130と発電要素10とが直接接触するのを避けることができる。例えば、固形部材130として発電要素10よりも硬い部材を利用した場合に、発電要素10と固形部材130とが直接接触することによる発電要素10の破損を防ぐことができる。また、固形部材130として金属材料などを利用することができるので、材料の選択の自由度を高めることができる。なお、本実施の形態では、固形部材130は、実施の形態2に係る固形部材230と同様に、芯材と、当該芯材を覆う樹脂層とを含んでもよい。
なお、電池3の製造方法は、実施の形態1に係る電池1の製造方法と同様である。固形部材130が設けられた第二面112が、発電要素10の設置面である第一面111とは反対側になっている点のみが相違する。
また、電池3は、固形部材130を備えていなくてもよい。例えば、固形部材130は、電池3の製造装置に固定されており、製造装置の一部であってもよい。つまり、固形部材130は、電池3の製造時の発電要素10の位置決めを行う治具の一部であってもよい。以下では、固形部材130が治具の一部として機能する場合の製造方法について、図5Aから図5Dを用いて説明する。
図5Aから図5Dは、本実施の形態の変形例に係る電池の製造方法の一工程を示す断面図である。具体的には、図5Aから図5Dは、固形部材130を備えない電池3の製造方法を示している。
まず、発電要素10を準備する。発電要素10の準備は、実施の形態1と同じである。
次に、図5Aに示されるように、減圧チャンバー内におけるラミネートフィルムの設置面350に固形部材130を固定する。固形部材130と設置面350とは、同じ材料を用いて一体的に形成されていてもよい。
次に、図5Bに示されるように、固形部材130及び設置面350を覆うように、ラミネートフィルムである底面部110を配置する。図5Bでは、固形部材130と底面部110の第二面112との間には空間が形成されているが、これに限らない。固形部材130と底面部110の第二面112とは密着していてもよい。なお、固形部材130と底面部110の第二面112とは接着されていない。
次に、図5Cに示されるように、発電要素10を底面部110の第一面111上に配置する。このとき、図5Dに示されるように、発電要素10の側面12aが底面部110を介して固形部材130に接触するように位置決めを行う。例えば、発電要素10を底面部110の第一面111上に配置した後、スライドさせて固形部材130に底面部110を介して側面12aを接触させてもよい。あるいは、発電要素10を第一面111上に配置する時に、底面部110を介して側面12aを固形部材130に間接的に接触させてもよい。
以降の処理は、実施の形態1と同じである。本変形例では、固形部材130と底面部110とは接着されておらず、固定されていない。したがって、電池3を減圧チャンバーから取り出す際に、固形部材130は設置面350に残ったままであり、製造された電池3は固形部材130を備えない。この場合であっても、固形部材130は、発電要素10の配置の際、及び、減圧状態からの圧力上昇時における発電要素10の移動を規制することができる。つまり、固形部材130によって発電要素10の位置ずれを抑制することができ、信頼性の高い電池3を実現することができる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4に係る電池について説明する。
実施の形態4では、電池が複数の固形部材を備える点が実施の形態1と主として異なる。以下では、実施の形態1との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
図6は、実施の形態4に係る電池4の概略構成を示す断面図である。図6に示されるように、電池4は、実施の形態1に係る電池1と比較して、外装体100の代わりに外装体400を備える。外装体400は、固形部材130に加えて、さらに固形部材430を備える。
固形部材430は、実施の形態1に係る固形部材130と同様であり、配置位置のみが異なっている。固形部材130及び430は、形状、大きさ及び材料などが互いに同じであるが、異なっていてもよい。
2つの固形部材130及び430はそれぞれ、発電要素10の異なる側面に接している。具体的には、固形部材130は、発電要素10の側面12aに接している。固形部材430は、発電要素10の側面12bに接している。なお、側面12aは第一側面の一例であり、側面12bは、第一側面とは反対側の第二側面の一例である。
2つの固形部材130及び430の平面視における配置例、及び、形状の変形例などは、図11Aから図11Cを用いて後で説明する。
以上のように、本実施の形態に係る電池4では、2つの固形部材130及び430によって発電要素10が挟まれている。これにより、発電要素10の位置ずれがより生じにくく、信頼性の高い電池4を実現することができる。
なお、電池4は、3つ以上の固形部材を備えてもよい。3つの固形部材は、例えば、電池4の互いに異なる側面に設けられている。
また、電池4の製造方法は、実施の形態1に係る電池1の製造方法と同様である。少なくとも2つの固形部材130及び430を形成する点のみ相違する。
(実施の形態5)
次に、実施の形態5に係る電池について説明する。
実施の形態5に係る電池では、複数の固形部材が発電要素に直接接していない点が実施の形態4と主として異なる。以下では、実施の形態4との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
図7は、実施の形態5に係る電池5の概略構成を示す断面図である。図7に示されるように、電池5は、実施の形態4に係る電池4と比較して、外装体400の代わりに外装体500を備える。外装体500では、固形部材130及び430がそれぞれ、底面部110の第二面112に設けられている。つまり、外装体500では、固形部材130及び430がそれぞれ、底面部110の外側に接して設けられている。このため、固形部材130及び430と発電要素10とは、底面部110を介して接している。
以上のように、本実施の形態に係る電池5では、2つの固形部材130及び430によって発電要素10が挟まれている。これにより、発電要素10の位置ずれがより生じにくく、信頼性の高い電池4を実現することができる。
なお、固形部材130及び430のいずれか一方は、実施の形態4と同様に、底面部110の第一面111に設けられていてもよい。つまり、固形部材130と固形部材430とは、底面部110の互いに異なる面に設けられていてもよい。
また、電池5の製造方法は、実施の形態1に係る電池1の製造方法と同様である。固形部材130が設けられた第二面112が、発電要素10の設置面である第一面111とは反対側になっている点のみが相違する。あるいは、電池5の製造方法は、実施の形態3の変形例に係る電池3の製造方法と同様であってもよい。つまり、2つの固形部材130及び430はそれぞれ、設置面350に設けられていてもよい。つまり、電池5は、2つの固形部材130及び430を備えていなくてもよい。
(実施の形態6)
次に、実施の形態6に係る電池について説明する。
実施の形態6では、電池が、複数の固形部材を連結する連結部材を備える点が実施の形態4と主として異なる。以下では、実施の形態4との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
図8は、実施の形態6に係る電池6の概略構成を示す断面図である。図8に示されるように、電池6は、実施の形態4に係る電池4と比較して、外装体400の代わりに外装体600を備える。外装体600は、外装体400の構成に加えて、連結部材640を備える。
連結部材640は、2つの固形部材130及び430を連結する。具体的には、連結部材640は、発電要素10の主面11に平行な平板である。連結部材640の一方向における両端部に、固形部材130及び430が設けられている。
2つの固形部材130及び430は、連結部材640に固定されている。当該固定には、接着剤が用いられてもよい。発電要素10の配置を行う前に予め接着剤を硬化させておくことにより、接着剤に含まれる揮発性材料による発電要素10の劣化を抑制することができる。
連結部材640は、発電要素10の主面11と底面部110の第一面111とに接している。つまり、発電要素10は、固形部材130と固形部材430との間に挟まれ、かつ、連結部材640上に載置されている。
以上のように、本実施の形態に係る電池6によれば、2つの固形部材130及び430の位置関係を連結部材640によって固定することができる。このため、発電要素10の位置決めの精度を更に高めることができる。
なお、電池6は、3つ以上の固形部材を備えてもよい。3つの固形部材が1つの連結部材640に連結されていてもよい。
また、2つの固形部材130及び430並びに連結部材640は、実施の形態2と同様に、樹脂層によって一体的に覆われていてもよい。あるいは、2つの固形部材130及び430並びに連結部材640は、それぞれが個別に樹脂層によって覆われていてもよい。
また、電池6の製造方法は、実施の形態4に係る電池4の製造方法と同様である。ラミネートフィルムには、少なくとも2つの固形部材130が固定された連結部材640を固定する点のみ相違する。
(実施の形態7)
次に、実施の形態7に係る電池について説明する。
実施の形態7係る電池では、固形部材と連結部材とが一体的に形成されている点が実施の形態6と主として異なる。以下では、実施の形態6との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
図9は、実施の形態7に係る電池7の概略構成を示す断面図である。図9に示されるように、電池7は、実施の形態6に係る電池6と比較して、外装体600の代わりに外装体700を備える。外装体700は、2つの固形部材130及び430並びに連結部材640の代わりに、2つの固形部材730及び731並びに連結部材740を備える。
2つの固形部材730及び731と連結部材740とは、同一の材料を用いて一体的に形成されている。例えば、樹脂材料又は金属材料を用いた一体成型によって、2つの固形部材730及び731と連結部材740とを含む一体的な構造物が形成される。
以上のように、本実施の形態に係る電池7によれば、2つの固形部材730及び731と連結部材740とが一体的な構造物として形成されているので、当該構造物を底面部110に固定すればよい。このように、2つの固形部材730及び731と連結部材740との固定を容易に行うことができる。
また、電池7の製造方法は、実施の形態6に係る電池6の製造方法と同様である。ラミネートフィルムには、少なくとも2つの固形部材730及び731と連結部材740とが一体化された構造物を固定する点のみ相違する。
(変形例)
続いて、上述した各実施の形態における変形例について説明する。以下では、固形部材130などの配置例について主に説明する。
[固形部材が1つの場合]
まず、電池が備える固形部材が1つの場合について説明する。具体的には、実施の形態1から3に係る電池1、2及び3の変形例について、図10Aから図10Cを用いて説明する。図10Aから図10Cは、各変形例に係る電池の概略構成を示す上面図である。上面図は、発電要素10の第二集電体31を正面から見た図に相当する。
各図に示されるように、発電要素10の平面視形状は、矩形である。具体的には、発電要素10は、扁平な直方体形状を有する。発電要素10の側面12a及び12bは、平面視における短辺側の側面であり、互いに平行である。発電要素10の側面12c及び12dは、平面視における長辺側の側面であり、互いに平行である。
電池1、2及び3では、図10Aに示されるように、固形部材130又は230は、発電要素10の短辺側の側面12aに接するように配置されていてもよい。
あるいは、図10Bに示されるように、固形部材130又は230は、発電要素10の長辺側の側面12cに接するように配置されていてもよい。
また、図10Cに示されるように、固形部材130又は230は、発電要素10の角に位置していてもよい。つまり、固形部材130又は230は、発電要素10の直交する2つの側面12a及び12dに接していてもよい。固形部材130又は230は、平面視形状がL字状である。
[固形部材が2つの場合]
次に、電池が備える固形部材が2つの場合について説明する。具体的には、実施の形態4及び5に係る電池4及び5の変形例について、図11Aから図11Cを用いて説明する。図11Aから図11Cは、各変形例に係る電池の概略構成を示す上面図である。上面図は、発電要素10の第二集電体31を正面から見た図に相当する。
電池4及び5では、図11Aに示されるように、固形部材130及び430は、発電要素10の短辺側の側面12a及び12bの各々に接するように配置されていてもよい。つまり、固形部材130及び430は、発電要素10の長手方向の両端から挟むように配置されていてもよい。
あるいは、図11Bに示されるように、固形部材130及び430は、発電要素10の長辺側の側面12c及び12dの各々に接するように配置されていてもよい。つまり、固形部材130及び430は、発電要素10の短手方向の両端から挟むように配置されていてもよい。
また、図11Cに示されるように、固形部材130及び430は、発電要素10の対角上に位置していてもよい。具体的には、固形部材130は、側面12a及び12dに接している。固形部材430は、側面12b及び12cに接している。これにより、発電要素10の面内での移動をほぼ確実に規制することができる。
なお、固形部材130及び430は、短辺側の側面12a又は12bと長辺側の側面12c又は12dとに配置されていてもよい。また、3つ以上の固形部材が発電要素10の各辺に沿った側面に接触するように配置されていてもよい。あるいは、2つ以上の固形部材が発電要素10の一辺に沿った側面に接触するように配置されていてもよい。
[連結部材]
次に、外装体が連結部材を含む場合について説明する。具体的には、実施の形態6及び7に係る電池6及び7の変形例について、図12A及び図12Bを用いて説明する。図12A及び図12Bは、各変形例に係る電池の概略構成を示す上面図である。
電池6では、図12Aに示されるように、2つの固形部材130及び430を連結する連結部材640は、発電要素10の主面11の一部のみを覆っていてもよい。なお、図12Aでは、図11Cと同様に、固形部材130及び430が発電要素10の角に位置している例を示しているが、図11A及び図11Bの場合においても同様である。
あるいは、図12Bに示されるように、複数の固形部材と連結部材とが一体化されて、発電要素10の形状に合わせて囲い込むように形成されていてもよい。つまり、複数の固形部材は、発電要素10の側面全体、具体的には、側面12a、12b、12c及び12dを覆っており、1つの環状の固形部材830として形成されていてもよい。また、連結部材は、発電要素10の主面11の全体を覆っていてもよい。
なお、発電要素10の平面視形状は、矩形でなくてもよく、多角形であってもよい。固形部材130、230又は430は、多角形の角(頂点)に設けられていてもよい。あるいは、発電要素10の平面視形状は、円形などの曲線を有する形状であってもよい。例えば、発電要素10の側面12aが湾曲している場合、固形部材130、230又は430は、側面12aの形状に沿った湾曲面を有してもよい。
(他の実施の形態)
以上、1つ又は複数の態様に係る電池及びその製造方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
また、上記の各実施の形態は、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示に係る電池は、例えば、車載電池、又は、各種の電子機器に含まれる電池などに利用することができる。
1、2、3、4、5、6、7 電池
10 発電要素
11 主面
12a、12b、12c、12d 側面
20 第一電極層
21 第一集電体
22 第一活物質層
30 第二電極層
31 第二集電体
32 第二活物質層
40 固体電解質層
100、200、300、400、500、600、700 外装体
110 底面部
111 第一面
112 第二面
120 上面部
130、230、430、730、731、830 固形部材
140 封止部
231 芯材
232 樹脂層
350 設置面
640、740 連結部材

Claims (13)

  1. 正極層、負極層、及び、前記正極層と前記負極層との間に位置する電解質層を含む発電要素と、
    前記発電要素を収容する可撓性を有する外装体と、
    を備え、
    前記外装体は、
    前記発電要素の主面に接しているフィルム状の第一部材と、
    前記発電要素の少なくとも1つの側面に、直接、又は、前記第一部材を介して接している、前記第一部材に固定された第二部材と、を備える、
    電池。
  2. 前記第二部材は、前記第一部材の、前記発電要素側の第一面に固定されており、前記発電要素の側面に直接接している、
    請求項1に記載の電池。
  3. 前記第二部材は、
    前記第一部材とは異なる材料を含む芯材と、
    前記芯材を覆う樹脂層とを含み、
    前記樹脂層は、前記発電要素の側面に直接接している、
    請求項2に記載の電池。
  4. 前記第二部材は、前記第一部材の、前記発電要素側とは反対側の第二面に固定されており、前記発電要素の側面に前記第一部材を介して接している、
    請求項1に記載の電池。
  5. 前記外装体は、前記第二部材を複数備える、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の電池。
  6. 前記外装体は、少なくとも2つの前記第二部材を連結する連結部材をさらに備える、
    請求項5に記載の電池。
  7. 前記連結部材と、前記連結部材によって連結された少なくとも2つの前記第二部材とは、同一の材料を用いて一体的に形成されている、
    請求項6に記載の電池。
  8. 前記発電要素の平面視形状は、矩形であり、
    前記発電要素は、第一側面と、当該第一側面の反対側の第二側面とを含み、
    複数の前記第二部材の1つは、前記第一側面に接しており、
    複数の前記第二部材の他の1つは、前記第二側面に接している、
    請求項5から7のいずれか一項に記載の電池。
  9. 前記発電要素の平面視形状は、矩形であり、
    前記第二部材は、平面視における前記発電要素の角に位置している、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の電池。
  10. 前記電解質層は、リチウムイオン伝導性を有する固体電解質を含む固体電解質層である、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の電池。
  11. 正極層、負極層、及び、前記正極層と前記負極層との間に位置する電解質層を含む発電要素を、可撓性を有する外装体の内部に収容する工程と、
    前記外装体を、内部に収容した前記発電要素に密着させる工程と、を含み、
    前記収容する工程では、前記外装体が備えるフィルム状の第一部材に対する前記発電要素の位置決めを行う、
    電池の製造方法。
  12. 前記収容する工程では、第二部材を覆うように前記第一部材を配置し、配置した前記第一部材を介して前記発電要素の側面を前記第二部材に接触させることで、前記位置決めを行う、
    請求項11に記載の電池の製造方法。
  13. 前記収容する工程では、前記第一部材に固定された第二部材に前記発電要素の側面を接触させることで、前記位置決めを行う、
    請求項11に記載の電池の製造方法。
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