JP2021014703A - 鋼矢板の縦継構造 - Google Patents
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Abstract
Description
施工現場での打設中に鋼矢板を長さ方向に連結(縦継ぎ)する場合、一方の鋼矢板縁端部(長手方向(材軸方向)の端部)を工場で予め開先加工しておき、上下の鋼矢板の端面を突合せた状態で、開先部分を全断面溶接し連結する。但し継手部においては、複雑な形状となるため開先加工や溶接が困難であること、継手部内に溶着金属が溶け出し残置すると、隣接する鋼矢板の継手部どうしを嵌合して打設する際に打設抵抗となり支障となることから開先加工や溶接をせず、突合せたままの状態で面接触させている。
しかしながら、溶接技術が向上し、現場における施工管理および品質管理が充実してきたことから、適切な技能を有する溶接工が適切な溶接環境のもとで施工するとともに、非破壊検査や施工工程の記録化などにより品質管理を行うことで、工場溶接と同等の管理を行った場合、工場溶接と同レベルの耐力を確保できるようになってきた(例えば、港湾の施設の技術上の基準・同解説,平成30年5月,公益社団法人日本港湾協会,国土交通省港湾局監修,p.472参照。)。
前記鋼矢板本体どうしの少なくとも一部が全断面溶接によって接合され、前記継手部どうしは溶接されておらず、
前記鋼矢板どうしに、それらの縦継ラインを跨ぐようにして補強板が溶接され、
前記補強板は、以下の(1)〜(3)の条件を全て満たすことを特徴とする。
(1)前記補強板は、前記鋼矢板本体の幅方向中央部のウェブ以外の鋼矢板部位に取り付けられていること。
(2)前記縦継ラインにおける断面の前記補強板の合計断面積が、前記鋼矢板どうしが全断面溶接されていない、前記鋼矢板の断面欠損部の合計断面積以上であること。
(3)前記鋼矢板の鋼矢板断面の中立軸に対して、前記縦継ラインにおける断面の前記補強板の合計断面2次モーメントが、前記断面欠損部の合計断面2次モーメント以上であること。
ハット形鋼矢板は、鋼矢板本体とその幅方向の両側端部に形成された継手部とを備えたものであり、鋼矢板本体は、ウェブとその両側端部に形成されたフランジ部と、このフランジ部の外側の側端部に形成されたアーム部とを有している。したがって、「ウェブ以外の鋼矢板部位」とは、フランジ部、アーム部、または継手部のことを意味するが、補強板はアーム部に取り付けるのが好ましい。
また、鋼矢板の鋼矢板断面の中立軸に対して、縦継ラインにおける断面の補強板の合計断面2次モーメントが、鋼矢板の断面欠損部の合計断面2次モーメント以上であるので、鋼矢板の断面欠損を補い、鋼矢板としての曲げ剛性を確保できる。
さらに、補強板は、鋼矢板本体の幅方向中央部のウェブ以外の鋼矢板部位に取り付けられている。
したがって、継手部の断面積欠損を有する縦継構造において必要耐力を確保しつつ、コスト低減および作業性向上が可能な鋼矢板の縦継構造を提供できる。
前記補強板は前記アーム部のみに取り付けられていてもよい。
また、アーム部の片面のみに補強板を取り付けることで、溶接機の設置位置をアーム部の片側のみに設置しておけばよく、溶接の段取り作業を軽減できる。
さらに、中立軸から遠い側のアーム部の片面に補強板を取り付けることにより、補強箇所に必要な断面2次モーメントを効率的に確保しつつ、補強板の板厚低減により、曲げモーメントに対する補強板の縁端応力を低減できるため、補強板とアーム部との溶接個所のトータル溶接体積を縮小でき、溶接材料のコスト削減に繋がる。
このため、上述した構成とすることによって、つまり、補強板の、継手部側の板厚を、継手部と反対側の板厚より厚くすることによって、補強板への亀裂進展を抑制できる。
図1は実施形態に係る鋼矢板の縦継構造を示す斜視図である。
本実施形態では、上側の鋼矢板10と下側の鋼矢板10とが上下に接合されている。
鋼矢板10は、ハット形鋼矢板であり、鋼矢板本体11と、当該鋼矢板本体11の両側端縁に設けられた継手部12,12とを備えている。
なお、鋼矢板10はハット形鋼矢板に限ることはなく、例えばU形鋼矢板、Z形鋼矢板等であってもよい。
このような鋼矢板10は、図示は省略するが、左右に隣り合う鋼矢板10,10の継手部12,12どうしを嵌合させることによって、横方向に連結され、これによって、鋼製壁が左右(鋼矢板10の幅方向)に連続して形成されるようになっている。
本実施形態では、上下の鋼矢板本体11,11を板厚方向に亘って全断面溶接する。具体的には、図示は省略するが、打設中に鋼矢板10,10を長さ方向に連結(縦継ぎ)する際は、上下の鋼矢板本体11,11の上下に対向する端部のうち何れか一方、または打設前に鋼矢板10,10を横置きして長さ方向に連結(縦継ぎ)する際は、両方に開先部分を形成し、当該開先部分に溶接金属を流し込んで、当該開先部分を全断面溶接することによって、上下の鋼矢板本体11,11どうしを板厚方向に亘って溶接接合する。また、上下の鋼矢板10,10の上下に対向する継手部12,12どうしは溶接されておらず、単に突き合わされている。
このため、本実施形態では、前記断面欠損部を補うべく、補強板20,20が上下の鋼矢板本体11,11にその縦継ライン16を跨ぐようにして外周を隅肉溶接によって接合され、これによっても鋼矢板本体11,11が溶接によって接合されている。ここで、縦継ライン16とは、上下の鋼矢板10,10を互いに突き合わせた際に生じる接合線のことであり、上下の鋼矢板10の一方の面と他方の面とにそれぞれ生じる。
補強板20,20は、上下の鋼矢板本体11,11のアーム部15,15の一方の面に生じる縦継ライン16を跨ぐようにして配置してもよいし、他方の面に生じる縦継ライン16を跨ぐようにして配置してもよいし、さらに、両方の面に生じる縦継ライン16を跨ぐようにして配置してもよい。
(1)補強板20は、鋼矢板10の両側のアーム部15,15のみに取り付けられていること。
(2)縦継ライン16における断面の補強板20,20の合計断面積が、溶接されていない継手部12,12に相当する断面欠損部(鋼矢板10の断面欠損部)の合計断面積以上であること。
(3)鋼矢板10の鋼矢板断面の中立軸naに対する、縦継ライン16における断面の補強板20,20の合計断面2次モーメントが、溶接されていない継手部12,12に相当する断面欠損部(鋼矢板10の断面欠損部)の合計断面2次モーメント以上であること。
さらに、本実施形態では次の(4)の条件も満たしている。
(4)補強板20は、アーム部15,15の両面、または片面のみに取り付けられていること。
このような補強板20は、図1に示すように、長手方向を上下方向に向け、かつ補強板20の長手方向の中央部が縦継ライン16と一致するようにして、当該補強板20をアーム部15に配置したうえで、補強板20をアーム部15に隅肉溶接によって取り付ける。
前記(4)の条件のように、補強板20は、アーム部15,15の両面(図5参照)、または片面のみ(図3および図4参照)に取り付けられている。
ここでアーム部15の片面とは、鋼矢板断面の中立軸naから遠い側の面15aと近い側の面15bとのうちのいずれか一方の面のことをいい、両面とは面15aと面15bの双方の面のことをいう。
中立軸naは、鋼矢板10のウェブ13とアーム部15との間を通る、ウェブ13と平行な軸であって、鋼矢板10の断面1次モーメントが0となるような軸である。
ここで、継手部12の断面とは、図3(b)に示すように、継手部12の突起12aからアーム部15側に向けて断面曲線状または直線状に延びる線分12bと断面におけるアーム部15の縁線15cとの境界において中立軸naと直交する線Lより外側(図3(b)において左側)の領域における継手部12の断面のことを言う。
したがって、図3〜図5に示す、左右の継手部12,12の形状が同じ場合の鋼矢板の縦継構造では、それぞれ継手部12が2つあるので、継手部12,12の合計断面積は、1つの継手部12の断面2つ分の面積となる。
また、図7に示すように、補強板20を補強板幅方向に複数枚(例えば2枚)に分割して分割片20a,20aとするとともに、分割片20aの幅を補強板20の幅の半分に短くすることにより、分割箇所で補強板20の溶接長をより長く確保できるため、補強板20の長さを短くすることが可能となり、補強板全体の重量を縮小することも可能である。
なお、ハット形鋼矢板50Hは、有効幅900mm、有効高さ370mm、厚さ17mm、断面積212.7cm2、断面2次モーメント46.000cm4の鋼矢板である。
また、本発明に係る補強板のスペックを規定する際は、継手部で溶接しない断面欠損部の大きさや、鋼矢板・補強板・隅肉溶接の許容応力度は、従来仕様と同様の条件とする。表1に示す補強板の幅と長さの寸法は、製作容易性を考慮して、10mm単位で切り上げている。
表1から明らかなように、ハット形鋼矢板のアーム部に補強板を溶接によって取り付ける場合、中立軸から遠いアーム部の片面に補強板を取り付けた方が、中立軸から近いアーム部の片面に補強板を取り付けた場合より、補強板全体の重量、溶接長さ、溶接体積が小さいこと分かる。また、アーム部の両面に補強を取り付けた方が、アーム部の片面に補強板を取り付けた場合より、補強板全体の重量、溶接長さ、溶接体積が小さいこと分かる。
例えば、表1に示すように、アーム部の両面に補強板を取り付けた場合の補強板全体の板厚は、16mm+12mm=28mmであるのに対し、アーム部の一方の片面(中立軸から遠い面)に取り付けた補強板の板厚は19mm、アーム部の他方の片面(中立軸から近い面)に取り付けた補強板の板厚は22mmであり、アーム部の両面に補強板を取り付けた場合の方が補強板全体の板厚が厚いので、補強板への亀裂進展をより効果的に抑制することができる。
図8(a)に示す鋼矢板の縦継構造では、中立軸naから遠い側のアーム部15の片面15aに補強板20が溶接によって取り付けられ、この補強板20の表面に板材21が追加して溶接等によって取り付けられている。板材21の継手部12側を向く面は、補強板20の継手部12側を向く面と面一になっている。また、板材21の板幅は補強板20の板幅(bp)より小さく、板材21の長さは補強板20の長さ(lp)と等しくなっている。補強板20に板材21を加えることによって、補強板20への亀裂進展の起点となる箇所において、局所的に補強板の板厚を増すことができる。なお、補強板20と板材21とを一体的に形成してもよい。
また、補強板26の板幅および長さは、補強板20の板幅および長さと等しくなっている。
このようにして、補強板への亀裂進展の起点となる箇所において、局所的に補強板20,26の板厚を増加させることによって、補強板20,26への亀裂進展を抑制できる。
継手部12の嵌合性を確保し、かつ継手部12の溶接欠損部(断面欠損部)での上下の鋼矢板10,10間の開き発生を防止するために、鋼矢板10の幅方向の端部付近となる継手部12の底面に補助部材25取り付けることが効果的である。補助部材25としては、板材や棒状部材を用いる。補助部材25を継手部12に溶接する際に、過分な入熱を与えてしまうと継手部12が変形してしまうため、入熱量を制御して溶接を行うことが好ましい。
また、鋼矢板10の鋼矢板断面の中立軸naに対して、縦継ライン16における断面の補強板20,20の合計断面2次モーメントが、溶接されていない継手部12,12に相当する断面欠損部の合計断面2次モーメント以上であるので、継手部12,12の断面欠損を補い、鋼矢板10,10としての曲げ剛性を確保できる。
さらに、鋼矢板本体11の中立軸naに対する継手部12,12の溶接欠損部(断面欠損部)に相当する断面2次モーメントを有する補強板20,20を用いるため、縦継箇所の中立軸は鋼矢板本体11の中立軸naとほぼ同じ位置になり、鋼矢板10,10の縁端応力が圧縮または引張となる鋼矢板10,10に作用する両方向の曲げモーメントに対して、所定の耐力や剛性を確保する上で、鋼矢板全断面を効率的に活用できる。
さらに、補強板20は、鋼矢板10の両側のアーム部15のみに取り付けられている。
したがって、継手部12,12の断面積欠損を有する縦継箇所において必要耐力を確保しつつ、重量が大きく、コスト・作業性に悪影響を与え、縦継突合せ部の溶接管理の障害となる、ウェブ13の補強板20を不要とし、必要最低限の補強板20を有する鋼矢板の縦継構造を提供できる。
また、補強板20,26はアーム部15に取り付ける小型の板材のみとなるので、溶接作業が省力化される。さらに、現場での溶接個所や溶接量が減ることで、現場管理が容易となり、溶接品質を確保しやすくなる。
また、ウェブ13に補強板を取り付ける必要がないため、鋼矢板10に重防食塗布する必要がある場合に、重防食の塗布範囲との干渉を避けて、ウェブ13に容易に重防食塗布できる。
さらに、継手部12,12どうしに、それらの縦継ライン16を跨ぐようにして補助部材25が固定されているので、上述したような補強板20へ亀裂が進展する前に、縦継突合せ部の溶接両端部となるアーム部15の溶接止端部での亀裂発生を抑制できる。
また、図11は補強板の第2変形例を説明するためのもので、(a)は第2変形例の補強板28を取り付けた場合の鋼矢板の縦継構造の要部を示す斜視図、(b)同要部の断面図である。
また、補強板27および補強板28の双方とも、上述した(1)〜(4)の条件を全て満たすとともに、上下の鋼矢板本体11,11のアーム部15,15にその縦継ライン16を跨ぐようにして外周を隅肉溶接によって接合されている。
このように補強板27はその長手方向中央部つまり縦継ライン16上から鋼矢板10の長手方向に先細りするように板厚が漸減しているので、鋼矢板10を地盤に打設する際に補強板27が受ける地盤からの抵抗を上述した補強板20,26に比して低減できる。
このように補強板28はその長手方向中央部つまり縦継ライン16上から鋼矢板10の長手方向に先細りするように板厚が漸減しているので、鋼矢板10を地盤に打設する際に補強板28が受ける地盤からの抵抗を上述した補強板20,26に比して低減できる。
第3変形例の補強板30および第4変形例の補強板31は、菱形に形成された菱形補強板である。同じ脚長である一定量の溶接長を確保するためには、矩形とするより菱形とした方が補強板の鋼材重量を小さくすることができる。この第3変形例の補強板30および第4変形例の補強板31は上述した(1)〜(4)の条件を全て満たすとともに、上下の鋼矢板本体11,11のアーム部15,15にその縦継ライン16を跨ぐようにして外周を隅肉溶接によって接合されている。
また、補強板30の4周に沿う溶接長さをLとすると、この溶接長さLは、前記矩形の補強板20の4周に沿う溶接長さと同等かまたはそれ以上の長さ有しているが、補強板30の正面視における面積は、補強板20より小さくなっている。また、補強板30の板厚は補強板20の板厚とほぼ等しくなっている。
1枚の補強板31は、正面視において1枚の補強板30の1/4の面積を有し、かつ補強板30と相似形のものであり、さらに、補強板30と板厚がほぼ等しくなっている。
また、2枚の補強板31,31の縦継ライン16に沿う幅寸法の合計は、1枚の補強板30の縦継ライン16に沿う幅寸法と等しくなっている。
なお、2枚の補強板31,31は、それらの鈍角部を突き合わせるようにして隣接配置されているが、縦継ライン16の長手方向(鋼矢板10の幅方向)に所定間隔を隔てて配置されていてもよい。
また、第4変形例の2枚の補強板31,31は、1枚の補強板30と同じ長さの溶接長を確保できるとともに、正面視における面積を1枚の補強板30の1/2にすることができる。このため、補強板30によって縦継ぎされた鋼矢板10,10と同等の軸方向抵抗力および曲げ耐力を有するとともに、2枚の補強板31,31の重量を1枚の補強板30より小さくできるので、縦継ぎされた鋼矢板10,10の全体重量をさらに軽減できるという利点がある。
この第5変形例の補強板32は、菱形に形成された菱形補強板であり、上述した(1)〜(4)の条件を全て満たすとともに、上下の鋼矢板本体11,11のアーム部15,15にその縦継ライン16を跨ぐようにして外周を隅肉溶接によって接合されている。
また、3枚の補強板32,32,32はその板面の対向する鈍角どうしを結ぶ直線32a,32a,32aが前記縦継ライン16に一致するように配置されている。このような3枚の補強板32,32,32は、それらの鈍角部を突き合わせるようにして隣接配置したうえで、アーム部に隅肉溶接によって接合されている。なお、3枚の補強板32,32,32は、縦継ライン16の長手方向(鋼矢板10の幅方向)に所定間隔を隔てて配置されていてもよい。
また、1枚の補強板32は、1枚の補強板30の1/9の大きさを有し、かつ補強板30と相似形のものである。
さらに、3枚の補強板32,32,32の縦継ライン16に沿う幅寸法の合計は、補強板30の縦継ライン16に沿う幅寸法と等しくなっている。
第5変形例の3枚の補強板32,32,32は、1枚の補強板30と同じ長さの溶接長を確保できるとともに、正面視における面積を1枚の補強板30の1/3にすることができる。このため、補強板30または補強板31によって縦継ぎされた鋼矢板10,10と同等の軸方向抵抗力および曲げ耐力を有するとともに、3枚の補強板32,32,32の重量を1枚の補強板30より小さくできるので、縦継ぎされた鋼矢板10,10の全体重量をさらに軽減できるという利点がある。
第6変形例における補強板33、すなわち菱形補強板の鋭角部が滑らかな曲面によって形成されている補強板において、菱形形状の鋼矢板材軸方向両端部の鋭角部をなだらかな曲線状にした場合、縦継ラインに対する菱形外周傾き角度(θ)として下記式(1)を満足するようにすると、隅肉溶接部のせん断強度を確保しつつ、補強板の外周長を短くでき鋼重を削減できる。
図17に示すように、隅肉溶接部に対して任意の方向の引張荷重Pに対する分力は以下のようになる。
x方向分力:T=Psinθ
y方向分力:Ncosα=Pcosθ・cosα
z方向分力:Nsinα=Pcosθ・sinα
x方向応力:τT=(P/ae)sinθ
y方向応力:τN=(P/ae)cosθ・cosα
z方向応力:σN=(P/ae)cosθ・sinα
Rd=0.85σP・ad×d
ここで、Rd≧RCであれば、鋭角ラインを曲線部に置換しても、隅肉溶接部における引張荷重Pに対する抵抗力が縮小することなく、合計の溶接長を削減できる。鋭角ラインと曲線部の関係として、
2C・cosθ=dが成り立つことから、以下の式を満足させることが条件となる。
例えば、曲線部におけるのど厚を10mm、鋭角ラインにおけるのど厚を6mmとした場合、図18に示すように、菱形外周傾き角度として57°以下に抑えると、鋭角ラインから曲線部にしても全体引張力に対する抵抗力を確保できる。
この場合、穴33a,34aの縁に沿った溶接長に補強板33または補強板34の外周溶接長を加えた全体溶接長が、前記補強板30の外周溶接長以上とする。
このような第8〜第12変形例における補強板35〜39でも上述した(1)〜(4)の条件を全て満たすとともに、補強板35〜39がそれぞれ上下の鋼矢板本体11,11のアーム部15,15にその縦継ライン16を跨ぐようにして外周を隅肉溶接によって接合されている。
このように補強板38の内部に穴38a,38aを設けることで、補強板38の重量を削減している。この穴38a,38aは運搬時の把持部として利用できるほか、外周溶接だけでは溶接量が不足する場合に、穴38a,38aに沿って溶接を施すことで溶接量を確保し必要耐力を確保できる。
第11および第12変形例の補強板38,39、穴38a,38aや穴39a,39aを設ける位置としては、補強板38,39の縦継ライン16での引張強度を確保するために、縦継ライン16を挟んで両側に位置する穴38a,38a間や穴39a,39a間のせん断強度を確保すべく、縦継ライン16から穴,38a,39aの縁までの距離fを、補強板38,39の幅の0.87倍以上確保する。補強板38,39において、縦継ライン16を挟んで両側の穴38a,38a間や穴39a,39a間でせん断破壊面が2面形成されることを想定すると、当該せん断強度が、縦継ライン16の引張強度以上となるためには、以下の式を満足することが必要となる。
このようなU形鋼矢板40を縦継ぎする場合、鋼矢板本体41のフランジ部44に補強板20を取り付ける。補強板20はフランジ部44の先端部、つまり継手部42の近傍に取り付けるのが好ましい。また、補強板20はフランジ部44の外側を向く外側面、内側を向く内側面または外側面と内側面の双方に取り付ければよい。
また、このような補強板20に代えて、上述したような補強板26〜28,30〜39や、これらの補強板に板材21や補助部材25を付加して取り付けてもよい。
このようなZ形鋼矢板50を縦継ぎする場合、鋼矢板本体51のフランジ部54に補強板20を取り付ける。補強板20はフランジ部54の先端部、つまり継手部52の近傍に取り付けるのが好ましい。また、補強板20はフランジ部54のウェブ側を向く面、ウェブ側と逆側を向く面または双方の面に取り付ければよい。
また、このような補強板20に代えて、上述したような補強板26〜28,30〜39や、これらの補強板に板材21や補助部材25を付加して取り付けてもよい。
11,41,51 鋼矢板本体
12,42,52 継手部
13,43,53 ウェブ
14,44,54 フランジ
15 アーム部
16 縦継ライン
20,26,27,28,30〜39 補強板
21 板材
25 補助部材
na 中立軸
Claims (7)
- 鋼矢板本体および継手部を有する鋼矢板どうしを材軸方向に連結する鋼矢板の縦継構造であって、
前記鋼矢板本体どうしの少なくとも一部が全断面溶接によって接合され、前記継手部どうしは溶接されておらず、
前記鋼矢板どうしに、それらの縦継ラインを跨ぐようにして補強板が溶接され、
前記補強板は、以下の(1)〜(3)の条件を全て満たすことを特徴とする鋼矢板の縦継構造。
(1)前記補強板は、前記鋼矢板本体の幅方向中央部のウェブ以外の鋼矢板部位に取り付けられていること。
(2)前記縦継ラインにおける断面の前記補強板の合計断面積が、前記鋼矢板どうしが全断面溶接されていない、前記鋼矢板の断面欠損部の合計断面積以上であること。
(3)前記鋼矢板の鋼矢板断面の中立軸に対して、前記縦継ラインにおける断面の前記補強板の合計断面2次モーメントが、前記断面欠損部の合計断面2次モーメント以上であること。 - 前記鋼矢板が、ウェブ、当該ウェブの両側端部に形成された一対のフランジ部、および当該一対のフランジ部のそれぞれの外側の側端部に形成された一対のアーム部を有する前記鋼矢板本体と、前記一対のアーム部のそれぞれの外側の側端部に形成された一対の前記継手部とを備えたハット形鋼矢板であり、
前記補強板は前記アーム部のみに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の鋼矢板の縦継構造。 - 前記補強板は、前記アーム部の両面のうち、少なくとも、前記中立軸から遠い側の面に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の鋼矢板の縦継構造。
- 前記補強板は、前記アーム部の両面に取り付けられていることを特徴とする請求項3に記載の鋼矢板の縦継構造。
- 前記補強板の、前記継手部側の板厚が、前記継手部と反対側の板厚より厚いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鋼矢板の縦継構造。
- 前記補強板の板厚は、前記継手部に近づくに従って厚くなることを特徴とする請求項5に記載の鋼矢板の縦継構造。
- 前記継手部どうしに、それらの縦継ラインを跨ぐようにして補助部材が固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の鋼矢板の縦継構造。
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