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JP2020529421A - がんの処置のためのPD−1アンタゴニストおよびベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの組み合わせ - Google Patents

がんの処置のためのPD−1アンタゴニストおよびベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの組み合わせ Download PDF

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Abstract

少なくとも1つのプログラム死1受容体(Programmed Death 1 receptor、PD−1)アンタゴニストと、インターフェロン遺伝子の刺激因子(Stimulator of Interferon Genes、STING)経路を活性化する少なくとも1つのベンゾ[b]チオフェン化合物とを含む治療的組み合わせが本明細書中に開示される。また、がんの処置のためのかかる治療的組み合わせの使用も開示される。【選択図】図1

Description

本開示は、がんを処置するために有用な治療的化合物の組み合わせに関する。詳細には、本開示は、少なくとも1つのプログラム死1タンパク質(Programmed Death 1 protein、PD−1)アンタゴニストと、STING(Stimulator of Interferon Genes、インターフェロン遺伝子の刺激因子)アゴニストとして有用であり、STING経路を活性化する少なくとも1つのベンゾ[b]チオフェン化合物とを含む組み合わせ治療に関する。
電子的に提出される配列表の参照
本出願の配列表は、ファイル名が「24492WOPCT−SEQLIST−29JUNE2018」、作成日が2018年6月29日でサイズが21KBであるASCII形式の配列表として、EFS−Web経由で電子的に提出される。EFS−Web経由で提出される本配列表は明細書の一部であり、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。
細胞傷害性Tリンパ球関連抗原4(CLTA−4)経路およびPD−1経路は、免疫応答の重要な負の制御因子である。活性化されたT細胞はCTLA−4をアップレギュレートし、これが抗原提示細胞上に結合して、T細胞刺激、IL−2遺伝子発現およびT細胞増殖を阻害する。これらの抗腫瘍効果は、結腸癌、転移性前立腺がんおよび転移性黒色腫のマウスモデルにおいて観察されている。PD−1は活性T細胞に結合し、T細胞活性化を抑制する。PD−1アンタゴニストは、同様に抗腫瘍効果が実証されている。PD−1は、ナイーブT細胞、B細胞およびナチュラルキラー(NK)T細胞上に中程度に発現しており、リンパ球、単球および骨髄系細胞上のT/B細胞受容体シグナル伝達によりアップレギュレートされる。
PD−1に対する2つの公知のリガンド、PD−L1(B7−H1)およびPD−L2(B7−DC)は、様々な組織中に生じるヒトのがんにおいて発現している。例えば、卵巣がん、腎臓がん、結腸直腸がん、膵臓がんおよび肝臓がんの、ならびに黒色腫の大規模サンプルセットにおいて、PD−L1発現は、その後の処置にかかわらず、予後不良および全体的な患者生存率の低減と相関することが示された。同様に、腫瘍浸潤リンパ球上でのPD−1発現は、乳がんおよび黒色腫中の機能障害T細胞を特徴付けること、および腎臓がん患者における予後不良と相関することが見出された。それゆえに、PD−L1を発現する腫瘍細胞は、PD−1を発現するT細胞と相互作用することでT細胞活性化を弱めて免疫サーベイランスを回避し、これにより腫瘍に対する免疫応答障害に寄与することが提唱されている。
PD−1とそのリガンドであるPD−L1およびPD−L2のうちの1つまたは両方との間の相互作用を阻害するいくつかのモノクローナル抗体は、がんを処置するために臨床開発中である。かかる抗体の効力は、他の承認されたまたは実験的ながん治療、例えば、放射線照射、外科手術、化学療法剤、標的化治療、腫瘍において調節不全(disregulated)である他のシグナル伝達経路を阻害する剤および他の免疫増強剤と組み合わせて投与されると、増強され得ることが提唱されている。Morrissey et al.,Clinical and Translational Science 9(2):89−104(2016)を参照されたい。
がんのためのおよび他の細胞増殖障害のための別の潜在的な免疫療法は、細胞または組織損傷に関連したある種の危険シグナルへの免疫系の応答に関連している。自然免疫系は抗原特異性を持たないが、種々のエフェクターメカニズム、例えば損傷関連分子パターン(DAMP)または病原体関連分子パターン(PAMP)、例えばオプソニン作用、ファゴサイトーシス、補体系の活性化、および可溶性生理活性分子、および、例えばサイトカインまたはケモカインなどの産生に関連したものに応答する。これらは全て、それにより自然免疫系がその応答を媒介するメカニズムである。このようにして、自然免疫系は宿主への幅広い範囲の脅威に対して広範な保護を提供することが可能である。
遊離のサイトゾルDNAおよびRNAは、これらPAMPおよびDAMPに含まれる。近年、サイトゾルDNAに対する主要なセンサーはcGAS(環状GMP−AMPシンターゼ)であることが実証された。サイトゾルDNAを認識すると、cGASは、ER膜貫通アダプタータンパク質STINGに強く結合する非定型のセカンドメッセンジャーである環状ジヌクレオチド2’−3’ cGAMPの生成を触媒する。cGAMPに結合したSTINGにより構造変化が起き、これは核周辺区画に転位して、決定的な転写因子IRF−3およびNF−κBの活性化を誘導する。これは、強いI型インターフェロン誘導ならびにIL−6、TNF−αおよびIFN−γのような炎症促進性サイトカインの産生を導く。
免疫系の様々な細胞に対するI型インターフェロンおよび炎症促進性サイトカインの重要性は、非常に十分に確立されている。とりわけ、これらの分子は、樹状細胞およびマクロファージの、抗原を取り込み、プロセシングし、T細胞に提示および交差提示する能力を増大させることにより、T細胞活性化を強く増強する。これらの抗原提示細胞のT細胞刺激能は、CD80またはCD86のような決定的な共刺激分子のアップレギュレーションにより増加する。最終的に、I型インターフェロンはそれらの同族受容体と速やかに会合して、適応免疫細胞活性化に顕著に寄与することができるインターフェロン応答性遺伝子の活性化を引き起こすことができる。
治療的観点から、インターフェロン、および、インターフェロン産生を誘導することができる化合物は、ヒトのがんの処置において潜在的な用途を持つ。かかる分子は、複数の活性経路を有する抗がん剤として潜在的に有用である。インターフェロンはヒト腫瘍細胞の増殖を直接阻害することができ、様々な認可された化学療法剤と相乗的であり得る。I型インターフェロンは、適応免疫細胞および自然免疫細胞の両方の活性化を誘導することにより抗腫瘍免疫応答を顕著に増強することができる。最終的に、腫瘍の浸潤性は、インターフェロンにより、組織リモデリングに関連する酵素の発現を調節することによって阻害され得る。
抗ウイルス剤および抗がん剤としてのI型インターフェロンおよびI型インターフェロン誘導性化合物の可能性の観点で、強力なI型インターフェロン産生を誘導することができる新たな剤へのニーズがなおある。cGAS−STINGサイトゾルDNAセンサー経路が顕著なI型インターフェロン誘導能を持つことを実証するデータが増え続けていることと合わせて、STING活性化剤は、今日の抗腫瘍治療展望において急速に重要な位置を占めてきている。
Morrissey et al.,Clinical and Translational Science 9(2):89−104(2016)
本開示の実施形態は、少なくとも1つのPD−1アンタゴニストおよび少なくとも1つのベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを含む組み合わせ治療または治療的組み合わせを包含する。
別の実施形態は、少なくとも1つのPD−1アンタゴニストおよび少なくとも1つのベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを含む組み合わせ治療を投与することを含む、その必要がある対象において細胞増殖障害を処置する方法を包含する。
本発明の他の実施形態、態様および特徴は、後に続く記載、実施例および添付の特許請求の範囲中にさらに記載されているか、それらから明らかである。
本明細書中に開示される組み合わせにおいて用いられ得るペンブロリズマブの軽鎖可変領域および重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。 ペンブロリズマブの軽鎖アミノ酸配列を示す。 ペンブロリズマブの重鎖アミノ酸配列を示す。 ペンブロリズマブの軽鎖可変領域のCDR1、CDR2およびCDR3(CDRL1、CDRL2およびCDRL3)のアミノ酸配列ならびに重鎖可変領域のCDR1、CDR2およびCDR3(CDRH1、CDRH2およびCDRH3)のアミノ酸配列を示す。 本明細書中に開示される組み合わせにおいて用いられ得るニボルマブの軽鎖可変領域および重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。 ニボルマブの軽鎖アミノ酸配列を示す。 ニボルマブの重鎖アミノ酸配列を示す。 ニボルマブの軽鎖可変領域のCDR1、CDR2およびCDR3(CDRL1、CDRL2およびCDRL3)のアミノ酸配列ならびに重鎖可変領域のCDR1、CDR2およびCDR3(CDRH1、CDRH2およびCDRH3)のアミノ酸配列を示す。 ヒトPD−L1分子のアミノ酸配列(アミノ酸19−290)を示す。
略語
Figure 2020529421
Figure 2020529421
追加の略語は、本開示の全体を通じて定義され得る。
定義
ある種の技術用語および科学用語が下に具体的に定義される。本書類中のどこかで具体的に定義されないかぎり、本明細書中で用いられる全ての他の技術用語および科学用語は、本開示が関係する技術分野の当業者により一般に理解される意味を持つ。
「約」は、数値的に定義されるパラメーター(例えばPD−1アンタゴニストまたはベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの用量、または本明細書中に記載される組み合わせ治療での処置時間の長さ)を修飾するために用いられるとき、パラメーターがそのパラメーターについて述べられた数値を10%下回ってまたは上回って変動し得ることを意味し;適切な場合、述べられたパラメーターは、最も近い整数に丸められる。例えば、約5mg/kgの用量は、4.5mg/kgから5.5mg/kgの間で変動し得る。
添付の特許請求の範囲を包含する本明細書中で用いられる時、「a」、「an」および「the」のような言葉の単数形は、その内容が明らかに他を指示しないかぎりそれらの対応する複数形の言及を包含する。
化合物「の投与」および「を投与すること」という用語は、本明細書中に記載される化合物または薬学的に許容されるその塩、および前述のものの組成物を対象に提供することを包含するように理解されるものである。
本明細書中で用いられる時、用語「抗体」とは、所望の生物学的または結合活性を呈する任意の形態の免疫グロブリン分子をいう。それゆえに、これは最も広い意味で用いられ、具体的には、限定されるものではないが、モノクローナル抗体(完全長のモノクローナル抗体を包含する)、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば二重特異性抗体)、ヒト化抗体、完全ヒト抗体、キメラ抗体およびラクダ化シングルドメイン抗体に及ぶ。「親抗体」は、意図される使用のための抗体の改変に先立って、例えばヒト治療薬としての使用のための抗体のヒト化に先立って、免疫系の抗原への曝露により得られる抗体である。本明細書中で用いられる時、用語「抗体」は、インタクトなポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体だけでなく、特に指定されないかぎり、特異的結合についてインタクトな抗体と競合する任意のその抗原結合性部分、抗原結合性部分を含む融合タンパク質、および抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の改変された形態を包含する。
本明細書中で用いられる時、特に指示されないかぎり、「抗体断片」または「抗原結合性断片」とは、抗原に特異的に結合する能力を保持した抗体の断片、例えば1以上のCDR領域を保持した断片をいう。PD−1またはPD−L1に「特異的に結合する」抗体は、(適切な場合)他のタンパク質と比較してPD−1またはPD−L1への優先的な結合を呈する抗体であるが、この特異性は、絶対的な結合特異性を必要としない。抗体は、その結合が試料中の標的タンパク質の存在を、例えば偽陽性のような望まれない結果を生じることなく決定するならば、その意図された標的に「特異的」であると考えられる。抗体またはその結合断片は、非標的タンパク質とのアフィニティーよりも少なくとも2倍強い、好ましくは少なくとも10倍強い、より好ましくは少なくとも20倍強い、および最も好ましくは少なくとも100倍強いアフィニティーを有して、標的タンパク質に結合する。
抗原結合性部分としては、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、Fv、ドメイン抗体(dAb、例えばサメ抗体およびラクダ科抗体)、相補性決定領域(CDR)を包含する断片、一本鎖可変領域断片抗体(scFv)、マキシボディ(maxibody)、ミニボディ(minibody)、イントラボディ(intrabody)、ダイアボディ(diabody)、トリアボディ(triabody)、テトラボディ(tetrabody)、v−NARおよびbis−scFv、ならびにPD−1またはPD−L1への特異的抗原結合を付与するのに十分な免疫グロブリン部分を少なくとも含有するポリペプチドを含む。抗体は、任意のクラスの抗体、例えばIgG、IgAまたはIgM(またはそのサブクラス)を包含し、抗体は何かしら特定のクラスである必要はない。その重鎖の定常領域の抗体アミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンは異なるクラスに割り当てることができる。免疫グロブリンには5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMがあり、これらのうちのいくつかはさらにサブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2に分けられ得る。異なるクラスの免疫グロブリンに対応する重鎖定常領域は、それぞれアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマおよびミューと呼ばれる。異なるクラスの免疫グロブリンのサブユニット構造および3次元配置は周知である。
本明細書中で用いられる時、用語「少なくとも1つ」のアイテムまたは「1以上」のアイテムは、各々、リストから選択される単一のアイテムを、同様にリストから選択される2またはそれより多いアイテムの混合物を包含する。
本明細書中で用いられる時、用語「免疫応答」は、特異的免疫応答、非特異的免疫応答、特異的および非特異的の両方の応答、自然応答、一次免疫応答、適応免疫、二次免疫応答、メモリー免疫応答、免疫細胞活性化、免疫細胞増殖、免疫細胞分化およびサイトカイン発現のうちのいずれか1以上に関する。
用語「薬学的に許容される担体」とは、治療剤の送達のための製剤における使用に適した任意の不活性物質という。担体は、付着防止剤、バインダー、コーティング、崩壊剤、賦形剤または希釈剤、保存剤(例えば抗酸化剤、抗菌剤または抗真菌剤)、甘味料、吸収遅延剤、湿潤剤、乳化剤、バッファーなどであり得る。好適な薬学的に許容される担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、ブドウ糖、植物油(例えばオリーブ油)、生理食塩水、バッファー、緩衝生理食塩水、ならびに等張化剤、例えば糖、多価アルコール、ソルビトールおよび塩化ナトリウムを含む。
本明細書中で用いられる用語「対象」(あるいは「患者」)とは、処置、観察または実験の対象であった哺乳動物をいう。哺乳動物は、雄であっても雌であってもよい。哺乳動物は、ヒト、ウシ(例えば雌ウシ)、ブタ(porcine)(例えばブタ(pig))、ヒツジ(ovine)(例えばヒツジ(sheep))、ヤギ属(例えばヤギ)、ウマ(equine)(例えばウマ(horse))、イヌ(例えばイエイヌ)、ネコ(例えばイエネコ)、ウサギ目(ウサギ)、齧歯類(例えばラットまたはマウス)、プロキオン・ロートル(Procyon lotor)(例えばアライグマ)よりなる群から選択される1以上であり得る。特定の実施形態において、対象はヒトである。
本明細書中で用いられる用語「その必要がある対象」とは、本明細書中に定義される細胞増殖障害、例えばがん、であると診断されたまたはそれを持つ疑いのある対象をいう。
本明細書中で用いられる時、用語「処置」および「処置すること」は、本明細書中に記載される疾患または障害の進行の緩徐化、中断、阻止、制御または停止があり得る全てのプロセスをいう。この用語は、あらゆる疾患または障害の症候の完全な除去を必ずしも示さない。
本明細書中で用いられる「可変領域」または「V領域」または「V鎖」は、異なる抗体間で配列が可変であるIgG鎖のセグメントを意味する。抗体の「可変領域」とは、抗体軽鎖の可変領域または抗体重鎖の可変領域の、いずれか単独または組み合わせをいう。典型的に、重鎖および軽鎖両方の可変領域は、比較的保存されたフレームワーク領域(FR)内に位置する相補性決定領域(CDR)とも呼ばれる3つの高頻度可変領域を含む。CDRは通常フレームワーク領域と並んでおり、特異的なエピトープへの結合を可能にする。一般的に、N末端からC末端までに、軽鎖および重鎖両方の可変ドメインは、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3およびFR4を含む。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、一般に、Sequences of Proteins of Immunological Interest,Kabat,et al.;National Institutes of Health,Bethesda,Md.;5th ed.;NIH Publ.No.91−3242(1991);Kabat(1978) Adv.Prot.Chem.32:1−75;Kabat,et al.,(1977) J.Biol.Chem.252:6609−6616;Chothia,et al.,(1987) J.Mol.Biol.196:901−917またはChothia,et al.,(1989) Nature 342:878−883の定義に従う。
「キメラ抗体」とは、重鎖および/または軽鎖のある部分は特定の種(例えばヒト)に由来する配列を含有するかまたは特定の抗体クラスもしくはサブクラスに属するが、鎖(類)の残部は別の種(例えばマウス)に由来するかまたは別の抗体クラスもしくはサブクラスに属する抗体をいい、並びに、それらが所望の生物学的活性を呈するかぎり、かかる抗体の断片をもいう。
「ヒト抗体」とは、ヒト免疫グロブリンタンパク質配列を含む抗体またはその誘導体をいう。ヒト抗体は、マウス、マウス細胞またはマウス細胞に由来するハイブリドーマ中で産生された場合はマウスの糖鎖を含有し得る。同様に、「マウス抗体」または「ラット抗体」とは、それぞれマウスまたはラットの免疫グロブリン配列のみを含む抗体またはその誘導体をいう。
「ヒト化抗体」とは、非ヒト(例えばマウス)抗体並びにヒト抗体からの配列を含有する形態の抗体をいう。かかる抗体は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小限の配列を含有する。一般的に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、ここで非ヒト免疫グロブリンのそれに相当する高頻度可変ループの全てまたは実質的に全て、およびFR領域の全てまたは実質的に全ては、ヒト免疫グロブリン配列のそれである。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域(Fc)の部分を、典型的にヒト免疫グロブリンのそれを少なくとも含んでもよい。接頭辞「hum」、「hu」または「h」は、ヒト化抗体を親の齧歯類抗体から区別することが必要なときに抗体クローン名称に加えられ得る。齧歯類抗体のヒト化形態は、一般に、親の齧歯類抗体のCDR配列と同じCDR配列を含むが、アフィニティーを向上させるため、ヒト化抗体の安定性を向上させるため、または他の理由のためにある種のアミノ酸置換が包含され得る。
「生物療法剤」は、腫瘍維持および/もしくは増殖を支持するまたは抗腫瘍免疫応答を抑制する任意の生物学的経路におけるリガンド/受容体シグナル伝達を遮断する生物学的分子、例えば抗体または融合タンパク質を意味する。
「化学療法剤」とは、がん細胞の死を引き起こす、またはがん細胞の増殖、分裂、修復および/もしくは機能を妨げることができる化学的または生物学的物質をいう。化学療法剤の例としては、WO2006/129163およびUS20060153808中に開示されるものを含み、これらの開示は参照により本明細書中に組み込まれる。化学療法剤の分類としては、限定されるものではないが:アルキル化剤、代謝拮抗剤、キナーゼ阻害剤、紡錘体毒、植物アルカロイド、細胞傷害性(cytoxic)/抗腫瘍性抗生物質、トポイソメラーゼ(topisomerase)阻害剤、光増感剤、抗エストロゲン剤および選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、抗プロゲステロン剤、エストロゲン受容体下方制御剤(ERD)、エストロゲン受容体アンタゴニスト、黄体形成ホルモン(leutinizing hormone)放出ホルモンアゴニスト、抗アンドロゲン剤、アロマターゼ阻害剤、EGFR阻害剤、VEGF阻害剤および異常な細胞増殖または腫瘍増殖にかかわる遺伝子の発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。本開示の処置方法において有用な化学療法剤としては、細胞増殖抑制剤および/または細胞傷害剤を含む。
本開示により提供される治療剤および組成物は、任意の好適な経腸投与経路または非経口投与経路を通じて投与することができる。投与の用語「経腸経路」とは、消化管の任意の部分を通じた投与をいう。経腸経路の例としては、経口、粘膜、頬側および直腸経路、または胃内経路を含む。投与の「非経口経路」とは、経腸経路以外の投与経路をいう。投与の非経口経路の例としては、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、腫瘍内、膀胱内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、経気管、関節内、被膜下、クモ膜下、髄腔内、硬膜外および胸骨内、皮下または局所投与を含む。本開示の治療剤および組成物は、任意の好適な方法、例えば経口摂取、経鼻胃管、胃瘻管、注射、注入、埋め込み型注入ポンプおよび浸透圧ポンプによる方法を用いて投与することができる。投与の好適な経路および方法は、多数の因子、例えば用いられる具体的な抗体、所望の吸収速度、用いられる具体的な製剤または剤形、処置される障害のタイプまたは重症度、具体的な作用部位および患者の症状に応じて変動し得て、当業者はこれを容易に選択することができる。
薬剤の投与との関係で本明細書中で用いられる用語「同時投与」とは、個々の薬剤が対象内に同時に存在するような薬剤の投与をいう。(同一または代替の経路を通じた)薬剤の併用投与に加えて、同時投与は、異なる時点での(同一または代替の経路を通じた)薬剤の投与を包含し得る。
本明細書中で用いられる「Chothia」は、Al−Lazikani et al.,JMB 273:927−948(1997)中に記載される抗体ナンバリングシステムを意味する。
「保存的改変バリアント」または「保存的置換」とは、タンパク質の生物学的活性または他の所望の性質、例えば抗原アフィニティーおよび/または特異性などを変えることなくしばしば変化させることができるような、タンパク質中のアミノ酸の、類似した特性(例えば、電荷、側鎖サイズ、疎水性/親水性、骨格構造および剛性)を持つ他のアミノ酸との置換をいう。当業者は、一般的にポリペプチドの非必須領域における単一のアミノ酸置換は生物学的活性を実質的に変えないことを認識する(例えば、Watson et al.(1987) Molecular Biology of the Gene,The Benjamin/Cummings Pub.Co.,p.224(4th Ed.)を参照されたい)。加えて、構造的または機能的に類似したアミノ酸の置換は、生物学的活性を破壊する可能性が低い。例示的な保存的置換は、下の表1中に記載される。
表1.例示的な保存的アミノ酸置換
Figure 2020529421
本明細書および特許請求の範囲の全体を通じて用いられる「から本質的になる(consists essentially of)」、および、「から本質的になる(consist essentially of)」または「から本質的になること(consisting essentially of)」のようなバリエーションは、任意の列挙された要素または要素の群を含めること、および列挙された要素と類似したまたは異なる、定められた投薬レジメン、方法または組成物の基本的なまたは新規の性質を実質的に変化させない他の要素を含めてもよいことを指し示す。
「診断用の抗PD−Lモノクローナル抗体」は、ある種の哺乳動物細胞の表面上に発現する成熟形態の指定されたPD−L(PD−L1またはPDL2)に特異的に結合するmAbを意味する。成熟PD−Lは、リーダーペプチドとも呼ばれる前分泌リーダー配列を欠いている。用語「PD−L」および「成熟PD−L」は本明細書中で交換可能に用いられ、特に指示されないかぎりまたは文脈から容易に明らかでないかぎり、同じ分子を意味すると理解されるものである。
本明細書中で用いられる時、診断用の抗ヒトPD−L1 mAbまたは抗hPD−L1 mAbとは、成熟ヒトPD−L1に特異的に結合するモノクローナル抗体をいう。成熟ヒトPD−L1分子は、配列番号21に記載のアミノ酸19〜290よりなる。
FFPE腫瘍組織切片におけるPD−L1発現のIHC検出のための診断用mAbとして有用な診断用の抗ヒトPD−L1 mAbの具体例は、20C3抗体および22C3抗体であり、これらはPCT国際特許出願公開No.WO2014/100079中に記載されている。FFPE組織切片におけるPD−L1発現のIHC検出のために有用であると報告されている別の抗ヒトPD−L1 mAb(Chen,B.J. et al.,Clin Cancer Res 19:3462−3473(2013))は、Sino Biological,Inc.(Beijing,P.R.China;カタログ番号10084−R015)から公に入手可能であるウサギ抗ヒトPD−L1 mAbである。
「相同性」とは、最適に並べられたときの2つのポリペプチド配列間の配列類似性をいう。2つの比較される配列の両方における位置が同じアミノ酸モノマーサブユニットにより占められているとき、例えば2つの異なるAbの軽鎖CDRにおける位置がアラニンにより占められているならば、2つのAbはその位置において相同である。相同性のパーセントは、2つの配列が共有する相同的位置の数を比較される位置の総数で除算したものの100倍である。例えば、配列が最適に並べられたときに2つの配列中の10個の位置のうちの8個がマッチしているなら、2つの配列は80%相同である。一般に、比較は、2つの配列が最大パーセント相同性を与えるように並べられたときに行われる。例えば、比較はBLASTアルゴリズムにより実施することができ、ここで、このアルゴリズムのパラメーターは、それぞれの参照配列の全長にわたって、それぞれの配列間の最大マッチを与えるように選択される。
次の参考文献は、配列解析のためにしばしば用いられるBLASTアルゴリズムに関する:BLAST ALGORITHMS:Altschul,S.F.,et al.,(1990) J.Mol.Biol. 215:403−410;Gish,W.,et al.,(1993) Nature Genet. 3:266−272;Madden,T.L.,et al.,(1996) Meth.Enzymol. 266:131−141;Altschul,S.F.,et al.,(1997) Nucleic Acids Res. 25:3389−3402;Zhang,J.,et al.,(1997) Genome Res. 7:649−656;Wootton,J.C.,et al.,(1993) Comput.Chem. 17:149−163;Hancock,J.M. et al.,(1994) Comput.Appl.Biosci. 10:67−70;ALIGNMENT SCORING SYSTEMS:Dayhoff,M.O.,et al.,“A model of evolutionary change in proteins.” in Atlas of Protein Sequence and Structure,(1978) vol.5,suppl.3. M.O.Dayhoff(ed.),pp.345−352,Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,DC;Schwartz,R.M.,et al.,“Matrices for detecting distant relationships.” in Atlas of Protein Sequence and Structure,(1978) vol.5,suppl.3.”M.O.Dayhoff(ed.),pp.353−358,Natl.Biomed.Res.Found.,Washington,DC;Altschul,S.F.,(1991) J.Mol.Biol. 219:555−565;States,D.J.,et al.,(1991) Methods 3:66−70;Henikoff,S.,et al.,(1992) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:10915−10919;Altschul,S.F.,et al.,(1993) J.Mol.Evol. 36:290−300;ALIGNMENT STATISTICS:Karlin,S.,et al.,(1990) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264−2268;Karlin,S.,et al.,(1993) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5877;Dembo,A.,et al.,(1994) Ann.Prob. 22:2022−2039;およびAltschul,S.F.“Evaluating the statistical significance of multiple distinct local alignments.” in Theoretical and Computational Methods in Genome Research(S.Suhai,ed.),(1997) pp.1−14,Plenum,New York。
抗体またはその断片を参照して用いられる用語「単離された」とは精製状態をいい、かかる文脈において、命名された分子が他の生物学的分子、例えば核酸、タンパク質、脂質、炭水化物または他の物質、例えば細胞デブリおよび増殖培地を実質的に含まないことを意味する。一般に、用語「単離された」は、本明細書中に記載される結合性化合物の実験的または治療的な使用を実質的に妨げる量で存在しないかぎり、かかる物質の完全な不存在、または、水、バッファーもしくは塩の不存在を指すことは意図されない。
本明細書中で用いられる「Kabat」は、Elvin A.Kabat((1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed. Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,Md.)により開発された免疫グロブリンのアラインメントおよびナンバリングシステムを意味する。
本明細書中で用いられる「モノクローナル抗体」または「mAb」または「Mab」とは、実質的に均一な抗体の集団をいい、すなわちその集団を構成する抗体分子のアミノ酸配列は、少量存在し得る潜在的な自然発生変異以外は同一である。対照的に、従来の(ポリクローナル)抗体調製物は、典型的に、それらの可変ドメイン、とりわけそれらのCDRの中に異なるアミノ酸配列を持つ数多くの異なる抗体を包含し、これらはしばしば異なるエピトープに対して特異的である。修飾語「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体集団から得られるものとしての抗体の特性を指し示し、何かしらの特定の方法による抗体産生を必要とするものと解釈されるものではない。例えば、本開示に従って用いられることになるモノクローナル抗体は、Kohler et al.(1975) Nature 256:495により最初に記載されたハイブリドーマ法により作製され得て、または組換えDNA法により作製され得る(例えば米国特許No.4,816,567を参照されたい)。「モノクローナル抗体」はまた、ファージ抗体ライブラリーから、例えばClackson et al.(1991) Nature 352:624−628およびMarks et al.(1991) J.Mol.Biol. 222:581−597中に記載される技術を用いて単離され得る。Presta(2005) J.Allergy Clin.Immunol. 116:731も参照されたい。
本明細書中で用いられる「RECIST 1.1応答評価基準」は、必要に応じて応答が測定される状況に基づいて、標的病変または非標的病変についてEisenhauer,E.A. et al.,Eur.J.Cancer 45:228−247(2009)中に規定される定義を意味する。
「持続性応答」は、本明細書中に記載される処置の休止後の持続性治療効果を意味する。いくつかの実施形態において、持続性応答は、持続期間が処置の持続期間と少なくとも同じ、または処置の持続期間より少なくとも1.5、2.0、2.5もしくは3倍長い。
「組織切片」とは、組織の単一の部分または片、例えば正常組織または腫瘍の試料から切り出した組織の薄切片をいう。
本明細書中で用いられる細胞増殖障害を「処置する」または「処置すること」は、PD−1アンタゴニストとベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストとの組み合わせ治療を、がんのような細胞増殖障害を持つ、またはがんのような細胞増殖障害と診断された対象に、少なくとも1つの肯定的な治療効果、例えばがん細胞数の低減、腫瘍サイズの低減、末梢器官へのがん細胞の浸潤速度の低減、または腫瘍転移もしくは腫瘍増殖の速度の低減を達成するために投与することを意味する。かかる「処置」は、本明細書中に記載される細胞増殖障害の進行の緩徐化、中断、阻止、制御または停止をもたらし得るが、細胞増殖障害または細胞増殖障害の症候の完全な除去を必ずしも指し示すものではない。がんにおける肯定的な治療効果は、多数の方法で測定することができる(W.A.Weber,J.Nucl.Med. 50:1S−10S(2009)を参照されたい)。例えば、腫瘍増殖抑制に関して、NCI標準によると、T/C≦42%が抗腫瘍活性の最小レベルである。T/C<10%は、高い抗腫瘍活性レベルと考えられ、ここでT/C(%)=処置された腫瘍体積の中央値/対照の腫瘍体積の中央値×100である。いくつかの実施形態において、本開示の組み合わせ治療により達成される処置は、PR、CR、OR、PFS、DFSおよびOSのいずれかである。PFSは、「腫瘍無増悪期間(Time to Tumor Progression)」とも呼ばれ、がんが成長しない処置中および処置後の期間を指し示し、患者がCRまたはPRを経験した時間、並びに患者がSDを経験した時間を包含する。DFSとは、患者が疾患のないままである処置中および処置後の期間をいう。OSとは、ナイーブまたは未処置の個体または患者と比較した平均余命の延長をいう。いくつかの実施形態において、本開示の組み合わせ治療への応答は、RECIST1.1応答判断基準を用いて評価されるPR、CR、PFS、DFSまたはORのいずれかである。がん患者を処置するのに有効な本開示の組み合わせ治療についての処置レジメンは、患者の病態、年齢および体重、ならびに対象において抗がん応答を引き起こす治療の能力のような因子によって変動し得る。本開示の態様のうちのいずれかについての実施形態は、すべての対象における肯定的な治療効果の達成に有効でないかもしれないが、当該技術分野で知られている任意の統計的検定、例えばStudentのt検定、chi検定、MannおよびWhitneyによるU検定、Kruskal−Wallis検定(H−検定)、Jonckheere−Terpstra検定ならびにWilcoxon検定により決定される統計的に有意な数の対象においては、そうであろう。
本明細書中で用いられる時、用語「組み合わせ治療」および「治療的組み合わせ」とは、少なくとも1つのPD−1アンタゴニストおよび少なくとも1つのベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト、および任意選択で付加的な治療剤の各々が、重複した期間にわたって協調して患者に投与される処置をいう。少なくとも1つのPD−1アンタゴニストでの処置(「抗PD−1処置」)の期間は、患者がPD−1アンタゴニストでの処置を受ける期間;すなわち、PD−1アンタゴニストの最初の投薬から処置サイクルの最終日までの期間である。同様に、少なくとも1つのベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストでの処置(「ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト処置」)の期間は、患者がCDN STINGアゴニストでの処置を受ける期間;すなわち、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの最初の投薬から処置サイクルの最終日までの期間である。本明細書中に記載される治療的組み合わせにおいて、抗PD−1処置は、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト処置と少なくとも1日重複する。ある実施形態において、抗PD−1処置とベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト処置とは同じ期間にわたる。実施形態において、抗PD−1処置は、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト処置の前に始められる。実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト処置は、抗PD−1処置の前に始められる。実施形態において、抗PD−1処置は、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト処置の終了の前に終了する。実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト処置は、抗PD−1処置の終了の前に終了する。
用語「処置レジメン」、「投薬プロトコール」および「投薬レジメン」は、本開示の組み合わせ治療における各治療剤の用量および投与のタイミングを指すために交換可能に用いられる。
がんと診断されたまたはがんを持つ疑いのある対象に適用される「腫瘍」とは、任意のサイズの悪性または潜在的に悪性の新生物または組織塊をいい、原発性腫瘍および続発性新生物を包含する。固形腫瘍は、通常は嚢胞または液体の領域を含有しない組織の異常成長物または塊である。異なるタイプの固形腫瘍が、それらを形成する細胞のタイプによって命名されている。固形腫瘍の例は、肉腫、癌腫およびリンパ腫である。白血病(血液のがん)は、一般に固形腫瘍を形成しない(National Cancer Institute,Dictionary of Cancer Terms)。
「進行性固形悪性腫瘍(Advanced solid tumor malignancy)」および「進行性固形腫瘍(Advanced solid tumor)」は、治癒的切除が可能でない腫瘍を指すために交換可能に用いられる。進行性固形腫瘍としては、限定されるものではないが、骨、脳、乳房、肝臓、肺、リンパ節、膵臓、前立腺および軟組織(肉腫)における転移性腫瘍を含む。
「腫瘍量(tumor burden)」は、「腫瘍量(tumor load)」とも呼ばれ、全身に分布した腫瘍物質の総量をいう。腫瘍量とは、リンパ節および骨髄(bone narrow)を包含する全身のがん細胞の総数または腫瘍(類)の全体サイズをいう。腫瘍量は、当該技術分野で知られている種々の方法により、例えば、対象から摘出した時に腫瘍(類)の寸法を例としてキャリパーを用いて測定することにより、または体内にある間にイメージング技術、例えば超音波、骨スキャン、コンピュータ断層撮影(CT)または磁気共鳴画像(MRI)スキャンを用いることによって決定することができる。
用語「腫瘍サイズ」とは、腫瘍の長さおよび幅として測定することができる腫瘍の全体サイズをいう。腫瘍サイズは、当該技術分野で知られている種々の方法により、例えば、対象から摘出した時に腫瘍(類)の寸法を、例えばキャリパーを用いて測定することにより、または体内にある間にイメージング技術、例えば骨スキャン、超音波、CTまたはMRIスキャンを用いることによって決定され得る。
実施形態が「含むこと」という言語を使用して本明細書中に記載される場合はいつも、「からなること」および/または「から本質的になること」という用語で記載されその他の点で類似の実施形態も提供されることが理解される。
用語「アルキル」とは、特定された範囲内での数の炭素原子を持つ一価の直鎖または分岐鎖の飽和脂肪族炭化水素ラジカルをいう。それゆえに、例えば「C1−6アルキル」(または「C−Cアルキル」)とは、ヘキシルアルキルおよびペンチルアルキル異性体のいずれか、並びに、n−、iso−、sec−およびtert−ブチル、n−およびiso−プロピル、エチルおよびメチルをいう。別の例として、「C1−4アルキル」とは、n−、iso−、sec−およびtert−ブチル、n−およびイソプロピル、エチルならびにメチルをいう。
本明細書中で用いられる時、用語「アルキレン」とは、特定された範囲内での数の炭素原子を持つ二価の直鎖飽和脂肪族炭化水素ラジカルをいう。
本明細書中で用いられる時、用語「アルケニル」とは、特定された範囲内での数の炭素原子を持ち、1以上の二重結合を包含する一価の直鎖または分岐鎖の不飽和脂肪族炭化水素ラジカルをいう。
本明細書中で用いられる時、用語「アルケニレン」とは、特定された範囲内での数の炭素原子を持ち、1以上の二重結合を包含する二価の直鎖不飽和脂肪族炭化水素ラジカルをいう。
本明細書中で用いられる時、用語「アルキニル」とは、特定された範囲内での数の炭素原子を持ち、1以上の三重結合を包含する一価の直鎖または分岐鎖の不飽和脂肪族炭化水素ラジカルをいう。
本明細書中で用いられる時、用語「アルキニレン」は、特定された範囲内での数の炭素原子を持ち、1以上の三重結合を包含する二価の直鎖不飽和脂肪族炭化水素ラジカルをいう。
用語「ハロゲン」(または「ハロ」)とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素をいう(あるいはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードまたはF、Cl、BrおよびIと呼ばれる)。
用語「ハロアルキル」とは、水素原子のうちの1以上がハロゲンで置き換えられている、上に定義されるアルキル基をいう。それゆえに、例えば「C1−6ハロアルキル」(または「C−Cハロアルキル」)とは、1以上のハロゲン置換基を有する、CからCの直鎖または分岐鎖の、上に定義されるアルキル基をいう。用語「フルオロアルキル」は、ハロゲン置換基がフルオロに限定される以外は類似の意味を持つ。好適なフルオロアルキルとしては、(CH0−4CFのシリーズ(すなわちトリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3,3,3−トリフルオロ−n−プロピルなど)を含む。
本明細書中で用いられる時、用語「ハロアルケニル」とは、水素原子のうちの1以上がハロゲンで置き換えられている、上に定義されるアルケニル基をいう。
本明細書中で用いられる時、用語「ハロアルキニル」とは、水素原子のうちの1以上がハロゲンで置き換えられている、上に定義されるアルキニル基をいう。
本明細書中で用いられる時、本明細書中で用いられる用語「アルコキシ」は、単独でまたは組み合わせで、オキシに連結する原子と連結したアルキル基を包含する。用語「アルコキシ」はアルキルエーテル基も包含し、ここで用語「アルキル」は上に定義され、「エーテル」は、それらの間に酸素原子を有する2つのアルキル基を意味する。好適なアルコキシ基の例としては、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、メトキシメタン(「ジメチルエーテル」とも呼ばれる)およびメトキシエタン(「エチルメチルエーテル」とも呼ばれる)を含む。
本明細書中で用いられる時、用語「シクロアルキル」とは、特定された数の炭素原子を持つ1つの環を含有する飽和炭化水素をいう。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む。
本明細書中で用いられる時、本明細書中で用いられる用語「複素環」、「ヘテロシクリル」または「複素環式」は、飽和または不飽和の、炭素原子ならびにN、OおよびSよりなる群から選択される1から2個のヘテロ原子からなる安定な3員から6員の単環式を表す。複素環式環は、安定構造の生成をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子において結合され得る。この用語は、ヘテロアリール部分を包含する。かかる複素環の構成部分の例としては、限定されるものではないが、アゼピニル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾキサゾリル、クロマニル、シンノリニル、ジヒドロベンゾフリル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾチオピラニル、ジヒドロベンゾチオピラニルスルホン、1,3−ジオキソラニル、フリル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、イソクロマニル、イソインドリニル、イソキノリニル、イソチアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、モルフォリニル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペルジニル(2−oxopiperdinyl)、2−オキソピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、ピリジル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、キノキサリニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアモルフォリニル、チアモルフォリニルスルホキシド、チアゾリル、チアゾリニル、チエノフリル、チエノチエニル、トリアゾリルおよびチエニルを含む。
本明細書中で用いられる時、用語「縮合環」とは、直鎖もしくは分岐鎖のアルカン中の離れた原子上の置換基により形成される環状基、または別の環中の離れた原子上の置換基により形成される環状基をいう。
本明細書中で用いられる時、用語「スピロ環」または「スピロ環式環」とは、単一の原子上の置換基により形成されるペンダント環状基をいう。
明確に反するように述べられないかぎり、本明細書中で引用される全ての範囲は包含的であって;すなわち、範囲は、範囲の上限および下限の値、並びに間にある全ての値を包含する。例えば、本明細書中に記載される温度範囲、パーセンテージ、当量の範囲などは、範囲の上限および下限、ならびにその間にある連続した任意の値を包含する。本明細書中で提供される数値および用語「約」の使用は、±1%、±2%、±3%、±4%、±5%、±10%、±15%および±20%の変動ならびにそれらの数値的等価物を包含し得る。全ての範囲は、必ずしも明示的に記載されていなくとも、全ての包含される部分範囲をも包含することが意図される。例えば、3から7日の範囲は、3、4、5、6および7日を包含することが意図される。加えて、本明細書中で用いられる用語「または」は、適切な場合には組み合わされ得る選択肢を示し;すなわち、用語「または」は、各々の挙げられた選択肢を別々に、並びに、それらの組み合わせとして包含する。
本開示の態様または実施形態が選択肢のマーカッシュグループまたは他のグループ分けの用語で記載される場合、本開示は、全体としてであるがグループの各メンバーが個々に挙げられたグループ全体およびメイングループのうちの全ての可能な下位グループだけでなく、グループメンバーのうちの1以上を欠いたメイングループをも包含する。本開示はまた、特許請求の範囲中のグループメンバーのいずれかの1以上を明示的に除外することも想定する。
特に定義されないかぎり、本明細書中で用いられる全ての技術用語および科学用語は、本開示に関係する当業者が通例的に理解するものと同じ意味を持つ。対立する場合、本明細書が定義を含めて支配する。本明細書および特許請求の範囲の全体を通じて、語「含む(comprise)」、または、「含む(comprises)」または「含むこと」のようなバリエーションは、述べられる整数または整数のグループの包含を意味し、任意の他の整数または整数のグループの除外を意味しないものと理解される。文脈により特に必要とされないかぎり、単数形の用語は複数形を包含し、複数形の用語はその単数形を包含する。用語「例として」または「例えば」に続く任意の例(類)は、網羅的または限定的であるとは意味されない。
例示的な方法および材料は本明細書中に記載されるが、本明細書中に記載されるものと類似または同等である方法および材料もまた本開示の実施または試験において用いることができる。材料、方法および実施例は、説明的にすぎず、限定的であることを意図しない。
本開示は、本明細書中に定義される細胞増殖障害を処置する方法に関し、この方法は、その必要がある対象に(a)PD−1アンタゴニスト;および(b)ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを含む組み合わせ治療を投与することを含む。
本開示は、細胞増殖障害を処置する方法に関し、この方法は、その必要がある対象に(a)PD−1アンタゴニスト;および(b)ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを含む組み合わせ治療を投与することを含み;ここで細胞増殖障害は、固形腫瘍およびリンパ腫よりなる群から選択される。
PD−1アンタゴニスト
「PD−1アンタゴニスト」または「PD−1経路アンタゴニスト」は、がん細胞上に発現したPD−L1が免疫細胞(T細胞、B細胞またはNKT細胞)上に発現したPD−1に結合することを遮断する、好ましくはがん細胞上に発現したPD−L2が免疫細胞に発現したPD−1に結合することをも遮断する任意の化合物または生物学的分子を意味する。PD−1およびそのリガンドの別名または同義語としては:PD−1についてPDCD1、PD1、CD279およびSLEB2;PD−L1についてPDCD1L1、PDL1、B7H1、B7−4、CD274およびB7−H;ならびにPD−L2についてPDCD1L2、PDL2、B7−DC、BtdcおよびCD273を含む。ヒトの個体を処置する本開示の処置方法、医薬および使用のいずれにおいても、PD−1アンタゴニストはヒトPD−L1のヒトPD−1への結合を遮断し、好ましくはヒトPD−L1およびPD−L2の両方のヒトPD−1への結合を遮断する。ヒトPD−1のアミノ酸配列は、NCBI Locus No.:NP_005009中に見出すことができる。ヒトPD−L1およびPD−L2のアミノ酸配列は、それぞれNCBI Locus No.:NP_054862およびNP_079515中、ならびに配列番号21中に見出すことができる。
本開示の処置方法、医薬および使用のいずれかにおいて有用なPD−1アンタゴニストとしては、PD−1またはPD−L1に特異的に結合する、好ましくはヒトPD−1またはヒトPD−L1に特異的に結合するmAbまたはその抗原結合性断片を含む。mAbはヒト抗体、ヒト化抗体またはキメラ抗体であり得て、ヒト定常領域を包含し得る。いくつかの実施形態において、ヒト定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4の定常領域よりなる群から選択され、具体的な実施形態において、ヒト定常領域はIgG1またはIgG4の定常領域である。いくつかの実施形態において、抗原結合性断片はFab、Fab’−SH、F(ab’)、scFvおよびFv断片よりなる群から選択される。
ヒトPD−1に結合し、本開示の治療方法、医薬および使用において有用であり得るmAbの例は、米国特許No.US7488802、US7521051、US8008449、US8354509およびUS8168757、PCT国際特許出願公開No.WO2004/004771、WO2004/072286およびWO2004/056875、ならびに米国特許出願公開No.US20110271358中に記載されている。
ヒトPD−L1に結合し、本開示の治療方法、医薬および使用において有用であり得るmAbの例は、PCT国際特許出願No.WO2013/019906およびWO2010/077634ならびに米国特許No.US8383796中に記載されている。本開示の処置方法、医薬および使用においてPD−1アンタゴニストとして有用な特異的抗ヒトPD−L1 mAbとしては、MPDL3280A、BMS−936559、MEDI4736、MSB0010718C、ならびにWO2013/019906のそれぞれ配列番号24および配列番号21の重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗体を含む。特定の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、WO2013/019906の重鎖CDRおよび軽鎖CDRを含む可変領域を持つ抗原結合性断片である。
本開示の処置方法、医薬および使用のいずれかにおいて有用な他のPD−1アンタゴニストとしては、PD−1またはPD−L1に特異的に結合し、好ましくはヒトPD−1またはヒトPD−L1に特異的に結合する免疫接着分子、例えば免疫グロブリン分子の定常領域、例えばFc領域などと融合したPD−L1またはPD−L2の細胞外またはPD−1結合部分を含有する融合タンパク質を含む。PD−1に特異的に結合する免疫接着分子の例は、PCT国際特許出願公開No.WO2010/027827およびWO2011/066342中に記載されている。本開示の処置方法、医薬および使用においてPD−1アンタゴニストとして有用な特異的融合タンパク質としては、PD−L2−FC融合タンパク質でありヒトPD−1に結合するAMP−224(B7−DCIgとしても知られる)を含む。
実施形態において、PD−1アンタゴニストは、例えば低分子薬剤、酵素、リポソーム、ポリエチレングリコール(PEG)とコンジュゲートを形成することができる。
本開示の処置方法、医薬および使用のいくつかの実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ヒトPD−1に特異的に結合し、かつ(a)配列番号8のCDRH1、配列番号9のCDRH2および配列番号10のCDRH3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)配列番号5のCDRL1、配列番号6のCDRL2および配列番号7のCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片である。具体的な実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ヒトPD−1に特異的に結合し、かつ(a)配列番号2を含む重鎖可変領域、および(b)配列番号1を含む軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片である。具体的な実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ヒトPD−1に特異的に結合し、かつ(a)配列番号4を含む重鎖、および(b)配列番号3を含む軽鎖を含むモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片である。
本開示の処置方法、医薬および使用のいくつかの実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ヒトPD−1に特異的に結合し、かつ(a)配列番号18のCDRH1、配列番号19のCDRH2および配列番号20のCDRH3を含む重鎖可変領域、ならびに(b)配列番号15のCDRL1、配列番号16のCDRL2および配列番号17のCDRL3を含む軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片である。具体的な実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ヒトPD−1に特異的に結合し、かつ(a)配列番号12を含む重鎖可変領域、および(b)配列番号11を含む軽鎖可変領域を含むモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片である。具体的な実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ヒトPD−1に特異的に結合し、かつ(a)配列番号14を含む重鎖、および(b)配列番号13を含む軽鎖を含むモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片である。
本開示の処置方法、医薬および使用のいくつかの実施形態において、PD−1アンタゴニストは、抗PD−1モノクローナル抗体である。これらの実施形態の態様において、PD−1アンタゴニストは、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブおよびAMP−224よりなる群から選択される。具体的な態様において、PD−1アンタゴニストは、ニボルマブおよびペンブロリズマブから選択される。より具体的な態様において、PD−1アンタゴニストはニボルマブである。さらなる具体的な態様において、PD−1アンタゴニストはペンブロリズマブである。
本開示は、本明細書中に記載されるヒトPD−1に特異的に結合するモノクローナル抗体またはその抗原結合性断片であるPD−1アンタゴニストに関する。実施形態において、PD−1アンタゴニストは、17個までの保存的アミノ酸置換をフレームワーク領域中(すなわちCDRの外側)に持つことを除いて参照配列と同一であるバリアントの重鎖可変領域配列および/またはバリアントの軽鎖可変領域配列を含み得て、好ましくは10個未満、9個未満、8個未満、7個未満、6個未満または5個未満の保存的アミノ酸置換をフレームワーク領域中に持つ。
下の表2は、本開示の処置方法、医薬および使用における使用のための例示的な抗PD−1 mAbのアミノ酸配列の表を提供し、配列は図1〜9中に示される。
表2.配列表中の配列の説明
Figure 2020529421
本明細書中で用いられる「PD−L1」の発現または「PD−L2」の発現は、細胞表面上の指定されたPD−Lタンパク質または細胞もしくは組織内での指定されたPD−L mRNAの何かしら検出可能なレベルの発現を意味する。PD−Lタンパク質の発現は、診断用PD−L抗体を使用して、腫瘍組織切片のIHCアッセイにおいてまたはフローサイトメトリーにより検出され得る。あるいは、腫瘍細胞によるPD−Lタンパク質の発現は、PETイメージングにより、所望のPD−Lターゲット、例えばPD−L1またはPD−L2に特異的に結合する結合剤(例えば抗体断片、アフィボディ(affibody)など)を用いて検出され得る。PD−L mRNAの発現を検出して測定するための技術には、RT−PCRおよびリアルタイム定量的RT−PCRを含む。
腫瘍組織切片のIHCアッセイにおいてPD−L1タンパク質発現を定量するためのいくつかのアプローチが記載されている。例えば、Thompson,R.H.,et al.,PNAS 101(49);17174−17179(2004);Thompson,R.H.et al.,Cancer Res. 66:3381−3385(2006);Gadiot,J.,et al.,Cancer 117:2192−2201(2011);Taube,J.M.et al.,Sci Transl Med 4,127ra37(2012);およびToplian,S.L.et al.,New Eng.J Med. 366(26):2443−2454(2012)を参照されたい。
1つのアプローチは、PD−L1発現が陽性または陰性であるというシンプルな二値エンドポイントを使用するものであり、陽性の結果は、細胞表面膜染色の組織学的なエビデンスを呈する腫瘍細胞のパーセンテージの面から規定される。腫瘍組織切片は、全腫瘍細胞のうち少なくとも1%、好ましくは5%でPD−L1が発現すると、陽性としてカウントされる。
別のアプローチにおいて、腫瘍組織切片中のPD−L1発現は、腫瘍細胞中で、並びに主にリンパ球を含む浸潤免疫細胞中で定量される。膜染色を呈する腫瘍細胞および浸潤免疫細胞のパーセンテージは、<5%、5から9%、次いで10%ずつ増やして最大100%として別々に定量される。腫瘍細胞の場合、PD−L1発現は、スコアが<5%スコアであるならば陰性、スコアが≧5%であるならば陽性としてカウントされる。免疫浸潤物におけるPD−L1発現は、補正炎症スコア(AIS)と呼ばれる半定量的測定値として報告され、これは、膜染色細胞のパーセントに浸潤物の強度を乗算することにより決定され、無(0)、軽度(スコア1、リンパ球ほとんどなし)、中度(スコア2、リンパ組織球性凝集物による腫瘍の限局性浸潤)または重度(スコア3、びまん性浸潤)として段階付けされる。腫瘍組織切片は、AISが≧5であれば、免疫浸潤物によるPD−L1発現について陽性としてカウントされる。
PD−L1 mRNAの発現レベルは、定量的RT−PCRにおいて頻繁に用いられる、ユビキチンCのような1以上の参照遺伝子のmRNA発現レベルと比較され得る。
いくつかの実施形態において、腫瘍内の悪性細胞および/または浸潤性免疫細胞によるPD−L1の発現レベル(タンパク質および/またはmRNA)は、適切な対照によるPD−L1の発現レベル(タンパク質および/またはmRNA)との比較に基づいて「過剰発現」または「上昇」と決定される。例えば、対照のPD−L1タンパク質またはmRNAの発現レベルは、同タイプの非悪性細胞中でまたは対応する正常組織からの切片中で定量されるレベルであるとされ得る。いくつかの実施形態において、腫瘍試料中のPD−L1タンパク質(および/またはPD−L1 mRNA)が対照におけるものよりも少なくとも10%、20%または30%多いならば、腫瘍試料中のPD−L1発現は上昇したと決定される。
ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト
本明細書中で用いられる時、「ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト」は、STING経路を活性化する任意のベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト化合物、とりわけ2016年10月4日に出願された米国仮特許出願No.62/404,062中に開示されるベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストSTINGアゴニストを意味し、この文献はその全体が本明細書中に組み込まれる。ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストSTINGアゴニスト、とりわけ式(I)、(Ia)および(Ib)の化合物は、本開示の治療的組み合わせにおいて用いられ得る。
実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、式(Ia):
Figure 2020529421
のベンゾ[b]チオフェン化合物または薬学的に許容されるその塩から選択され、ここでRは、H、ハロゲン、OR、N(R、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、N(Rにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;Rは、ハロゲン、CN、OR、N(R、COOR、C(O)N(R、SO、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、ORにより置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、ORにより置換されたC−Cアルキニル、C−CシクロアルキルならびにO、S、NおよびN(R)よりなる群から選択される1から2個の環員を包含する3員から6員の複素環式環よりなる群から選択され;Rは、ハロゲン、CN、OR、N(R、COOR、C(O)N(R、SO、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、ORにより置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、ORにより置換されたC−Cアルキニル、C−CシクロアルキルならびにO、S、NおよびN(R)よりなる群から選択される1から2個の環員を包含する3員から6員の複素環式環よりなる群から選択され;Rは、H、ハロゲン、OR、N(R、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、N(Rにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;Rは、H、ハロゲン、OR、N(R、CN、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rから選択され;各Rは、独立して、H、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;XはC(O)であり;Xは(C(R(1−3)であり;各Rは、独立して、H、ハロゲン、C−Cアルキル、CN、OR、N(R、C−Cハロアルキル、C−Cシクロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、およびN(Rにより置換されたC−Cアルキルよりなる群から選択され;2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員の縮合環を形成してもよく;2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員のスピロ環を形成してもよく;Xは、COOR、C(O)SR、C(S)OR、SOおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;そして、各Rは、独立して、H、COORおよびSOよりなる群から選択され;ここでX−X−XがX−CHR−XまたはX−CHRCH−Xであるとき、RおよびRのうちの少なくとも1つは、ハロゲン、OR、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群からは選択されない。
この実施形態の態様において、Rは、H、ハロゲン、OR、N(R、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、N(Rにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択される。この態様の例において、Rは、H、F、Cl、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択される。この態様の特定の例において、Rは、HおよびFよりなる群から選択される。この態様において、他の全ての基は、上の一般式(Ia)中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Rは、ハロゲン、CN、OR、N(R、COOR、C(O)N(R、SO、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、ORにより置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、ORにより置換されたC−Cアルキニル、C−CシクロアルキルならびにO、S、NおよびN(R)よりなる群から選択される1から2個の環員を包含する3員から6員の複素環式環よりなる群から選択される。この態様の例において、Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、OC−Cアルキル、C−CアルケニルおよびN(Rよりなる群から選択される。この態様の特定の例において、Rは、Br、Cl、CH、CHCH、CH=CH、OCHおよびN(Rよりなる群から選択される。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ia)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Rは、ハロゲン、CN、OR、N(R、COOR、C(O)N(R、SO、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、ORにより置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、ORにより置換されたC−Cアルキニル、C−CシクロアルキルならびにO、S、NおよびN(R)よりなる群から選択される1から2個の環員を包含する3員から6員の複素環式環よりなる群から選択される。この態様の例において、Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、OC−Cアルキル、C−CアルケニルおよびN(Rよりなる群から選択される。この態様の特定の例において、Rは、Br、Cl、CH、CHCH、CH=CH、OCHおよびN(Rよりなる群から選択される。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ia)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Rは、H、ハロゲン、OR、N(R、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、N(Rにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択される。この態様の例において、Rは、H、F、Cl、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択される。この態様の特定の例において、Rは、HおよびFよりなる群から選択される。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ia)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Rは、H、ハロゲン、OR、N(R、CN、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択される。この態様の例において、Rは、H、F、Cl、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択される。この態様の特定の例において、RはHである。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ia)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、各Rは、独立して、H、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択される。この態様の例において、各Rは、独立して、H、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択される。この態様の特定の例において、各Rは、独立して、HおよびCHよりなる群から選択される。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ia)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Xは、COOR、C(O)SR、C(S)OR、SOおよびC(O)N(Rよりなる群から選択される。この態様の例において、Xは、COOR、SOおよびC(O)N(Rよりなる群から選択される。この態様の特定の例において、XはCOORである。この態様のなおより特定の例において、XはCOOHである。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ia)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、各Rは、独立して、H、COORおよびSOよりなる群から選択される。この態様の例において、各Rは、独立してHである。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ia)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Xは(C(R(1−3)であり、ここで各Rは、独立して、H、ハロゲン、C−Cアルキル、CN、OR、N(R、C−Cハロアルキル、C−Cシクロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、およびN(Rにより置換されたC−Cアルキルよりなる群から選択され;2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員の縮合環を形成してもよく;2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員のスピロ環を形成してもよい。この態様の第一の例において、XはCHCHRであり、ここで、RはH、C−Cアルキル、OHにより置換されたC−Cアルキル、OC−Cアルキルにより置換されたC−Cアルキル、およびC−Cシクロアルキルよりなる群から選択される。この第一の例の特定の事例において、XはCHCHRであり、ここでRは、H、CH、CHOH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、CHOCHおよびシクロプロピルよりなる群から選択される。この態様の第二の例において、XはCHRCHRであり、ここでRは、H、C−Cアルキル、OHにより置換されたC−Cアルキル、OC−Cアルキルにより置換されたC−Cアルキル、およびC−Cシクロアルキルよりなる群から選択され、そして、2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員の縮合環を形成してもよい。この第二の例の特定の事例において、XはCHRCHRであり、ここで、Rは、HおよびC−Cアルキルよりなる群から選択され、そして、2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員の縮合環を形成してもよい。この態様の第三の例において、XはCHC(Rであり、ここで、Rは、H、C−Cアルキル、OHにより置換されたC−Cアルキル、OC−Cアルキルにより置換されたC−Cアルキル、およびC−Cシクロアルキルよりなる群から選択され、ここで、2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員のスピロ環を形成してもよい。この第三の例の特定の事例において、XはCHC(Rであり、ここで、Rは、HおよびC−Cアルキルよりなる群から選択され、そして、2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員のスピロ環を形成してもよい。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ia)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Rは、H、F、Cl、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、OC−Cアルキル、C−CアルケニルおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、OC−Cアルキル、C−CアルケニルおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、H、F、Cl、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;Rは、H、F、Cl、OR、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;各Rは、独立して、H、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;X−X−Xは、C(O)−CHCHR−COOR、C(O)−CHCHR−SOおよびC(O)−CHCHR−C(O)N(Rよりなる群から選択され;そして、各Rは、H、C−Cアルキル、OHにより置換されたC−Cアルキル、OC−Cアルキルにより置換されたC−Cアルキル、およびC−Cシクロアルキルよりなる群から選択される。この態様の例において、Rは、HおよびFよりなる群から選択され;Rは、Br、Cl、CH、CHCH、CH=CH、OCHおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、Br、Cl、CH、CHCH、CH=CH、OCHおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、HおよびFよりなる群から選択され;RはHであり;各Rは、独立して、HおよびCHよりなる群から選択され;X−X−Xは、C(O)−CHCHR−COOHであり;そして、Rは、H、CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、CHOCHおよびシクロプロピルよりなる群から選択される。この態様において、他の全ての基は、上の一般式(Ia)中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Rは、H、F、Cl、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、OC−Cアルキル、C−CアルケニルおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、OC−Cアルキル、C−CアルケニルおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、H、F、Cl、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;Rは、H、F、Cl、OR、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;各Rは、独立して、H、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;X−X−Xは、C(O)−CHRCHR−COOR、C(O)−CHRCHR−SOおよびC(O)−CHRCHR−C(O)N(Rよりなる群から選択され;そして、各Rは、H、C−Cアルキル、OHにより置換されたC−Cアルキル、OC−Cアルキルにより置換されたC−Cアルキル、およびC−Cシクロアルキルよりなる群から選択され、ここで、2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員の縮合環を形成してもよい。この態様の例において、Rは、HおよびFよりなる群から選択され;Rは、Br、Cl、CH、CHCH、CH=CH、OCHおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、Br、Cl、CH、CHCH、CH=CH、OCHおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、HおよびFよりなる群から選択され;RはHであり;各Rは、独立して、HおよびCHよりなる群から選択され;X−X−Xは、C(O)−CHRCHR−COOHであり;そして、各Rは、HおよびC−Cアルキルよりなる群から選択され、ここで、2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員の縮合環を形成してもよい。この態様において、他の全ての基は、上の一般式(Ia)中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Rは、H、F、Cl、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、OC−Cアルキル、C−CアルケニルおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、OC−Cアルキル、C−CアルケニルおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、H、F、Cl、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;Rは、H、F、Cl、OR、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;各Rは、独立して、H、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;X−X−Xは、C(O)−CHC(R−COOR、C(O)−CHC(R−SOおよびC(O)−CHC(R−C(O)N(Rよりなる群から選択され;そして、各Rは、H、C−Cアルキル、OHにより置換されたC−Cアルキル、OC−Cアルキルにより置換されたC−Cアルキル、およびC−Cシクロアルキルよりなる群から選択され、ここで、2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員のスピロ環を形成してもよい。この態様の例において、Rは、HおよびFよりなる群から選択され;Rは、Br、Cl、CH、CHCH、CH=CH、OCHおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、Br、Cl、CH、CHCH、CH=CH、OCHおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、HおよびFよりなる群から選択され;RはHであり;各Rは、独立して、HおよびCHよりなる群から選択され;X−X−Xは、C(O)−CHC(R−COOHであり;そして、各Rは、HおよびC−Cアルキルよりなる群から選択され、ここで、2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員のスピロ環を形成してもよい。この態様において、他の全ての基は、上の一般式(Ia)中で提供されるとおりである。
この実施形態の付加的な態様は、(a)上記の一般式(Ia)もしくは態様に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩;および(b)薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物に関する。
この実施形態の付加的な態様は、治療的有効量の上記の一般式(Ia)もしくは態様に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を対象に投与することを含む、対象において免疫応答を誘導する方法に関する。
この実施形態の付加的な態様は、治療的有効量の上記組成物を対象に投与することを含む、対象において免疫応答を誘導する方法に関する。
この実施形態の付加的な態様は、治療的有効量の上記の一般式(Ia)もしくは態様に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を対象に投与することを含む、対象においてSTING依存的I型インターフェロン産生を誘導する方法に関する。
この実施形態の付加的な態様は、治療的有効量の上記組成物を対象に投与することを含む、対象においてSTING依存的I型インターフェロン産生を誘導する方法に関する。
この実施形態の付加的な態様は、治療的有効量の上記の一般式(Ia)もしくは態様に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を対象に投与することを含む、対象においてSTING依存的サイトカイン産生を誘導する方法に関する。
この実施形態の付加的な態様は、治療的有効量の上記組成物を対象に投与することを含む、対象においてSTING依存的サイトカイン産生を誘導する方法に関する。
本明細書中に記載される各実施形態において、一般式(Ia)、ならびにその様々な態様および例の可変基R、R、R、R、R、R、R、R、X、XおよびXは、各々、互いに独立して選択され、ただし、R、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つはHではない。
第二の実施形態は、一般式(Ib):
Figure 2020529421
の化合物または薬学的に許容されるその塩に関し、ここでRは、H、ハロゲン、OR、N(R、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、N(Rにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;Rは、ハロゲン、CN、OR、N(R、COOR、C(O)N(R、SO、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、ORにより置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、ORにより置換されたC−Cアルキニル、C−CシクロアルキルならびにO、S、NおよびN(R)よりなる群から選択される1から2個の環員を包含する3員から6員の複素環式環よりなる群から選択され;Rは、ハロゲン、CN、OR、N(R、COOR、C(O)N(R、SO、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、ORにより置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、ORにより置換されたC−Cアルキニル、C−CシクロアルキルならびにO、S、NおよびN(R)よりなる群から選択される1から2個の環員を包含する3員から6員の複素環式環よりなる群から選択され;Rは、H、ハロゲン、OR、N(R、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、N(Rにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;Rは、H、ハロゲン、OR、N(R、CN、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rから選択され;各Rは、独立して、H、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;XはC(O)であり;XはCHCHRであり;各Rは、独立して、ハロゲン、C−Cアルキル、CN、OR、N(R、C−Cハロアルキル、C−Cシクロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、およびN(Rにより置換されたC−Cアルキルよりなる群から選択され;Xは、COOR、C(O)SR、C(S)OR、SOおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;そして、各Rは、独立して、H、COORおよびSOよりなる群から選択され;ここで、X−X−Xは、X−CHCHR−Xである。
この実施形態の態様において、Rは、H、ハロゲン、OR、N(R、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、N(Rにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択される。この態様の例において、Rは、H、F、Cl、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択される。この態様の特定の例において、Rは、HおよびFよりなる群から選択される。この態様において、他の全ての基は、上の一般式(Ib)中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Rは、ハロゲン、CN、OR、N(R、COOR、C(O)N(R、SO、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、ORにより置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、ORにより置換されたC−Cアルキニル、C−CシクロアルキルならびにO、S、NおよびN(R)よりなる群から選択される1から2個の環員を包含する3員から6員の複素環式環よりなる群から選択される。この態様の例において、Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、OC−Cアルキル、C−CアルケニルおよびN(Rよりなる群から選択される。この態様の特定の例において、Rは、Br、Cl、CH、CHCH、CH=CH、OCHおよびN(Rよりなる群から選択される。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ib)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Rは、ハロゲン、CN、OR、N(R、COOR、C(O)N(R、SO、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、ORにより置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、ORにより置換されたC−Cアルキニル、C−CシクロアルキルならびにO、S、NおよびN(R)よりなる群から選択される1から2個の環員を包含する3員から6員の複素環式環よりなる群から選択される。この態様の例において、Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、OC−Cアルキル、C−CアルケニルおよびN(Rよりなる群から選択される。この態様の特定の例において、Rは、Br、Cl、CH、CHCH、CH=CH、OCHおよびN(Rよりなる群から選択される。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ib)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Rは、H、ハロゲン、OR、N(R、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、N(Rにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択される。この態様の例において、Rは、H、F、Cl、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択される。この態様の特定の例において、Rは、HおよびFよりなる群から選択される。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ib)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Rは、H、ハロゲン、OR、N(R、CN、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択される。この態様の例において、Rは、H、F、Cl、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択される。この態様の特定の例において、RはHである。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ib)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、各Rは、独立して、H、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択される。この態様の例において、各Rは、独立して、H、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択される。この態様の特定の例において、各Rは、独立して、HおよびCHよりなる群から選択される。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ib)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Xは、COOR、C(O)SR、C(S)OR、SOおよびC(O)N(Rよりなる群から選択される。この態様の例において、Xは、COOR、SOおよびC(O)N(Rよりなる群から選択される。この態様の特定の例において、XはCOORである。この態様のなおより特定の例において、XはCOOHである。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ib)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、各Rは、独立して、H、COORおよびSOよりなる群から選択される。この態様の例において、各Rは、独立してHである。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ib)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、XはCHCHRであり、ここで、各Rは、独立して、ハロゲン、C−Cアルキル、CN、OR、N(R、C−Cハロアルキル、C−Cシクロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、およびN(Rにより置換されたC−Cアルキルよりなる群から選択される。この態様の例において、Rは、C−Cアルキル、OHにより置換されたC−Cアルキル、OC−Cアルキルにより置換されたC−Cアルキル、およびC−Cシクロアルキルよりなる群から選択される。特定の例において、Rは、CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、CHOCHおよびシクロプロピルよりなる群から選択される。この態様において、他の全ての基は、上記の一般式(Ib)または態様中で提供されるとおりである。
この実施形態の態様において、Rは、H、F、Cl、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、OC−Cアルキル、C−CアルケニルおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、OC−Cアルキル、C−CアルケニルおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、H、F、Cl、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;Rは、H、F、Cl、OR、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;各Rは、独立して、H、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;X−X−Xは、C(O)−CHCHR−COOR、C(O)−CHCHR−SOおよびC(O)−CHCHR−C(O)N(Rよりなる群から選択され;Rは、C−Cアルキル、OHにより置換されたC−Cアルキル、OC−Cアルキルにより置換されたC−Cアルキル、およびC−Cシクロアルキルよりなる群から選択される。この態様の例において、Rは、HおよびFよりなる群から選択され;Rは、Br、Cl、CH、CHCH、CH=CH、OCHおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、Br、Cl、CH、CHCH、CH=CH、OCHおよびN(Rよりなる群から選択され;Rは、HおよびFよりなる群から選択され;RはHであり;各Rは、独立して、HおよびCHよりなる群から選択され;X−X−Xは、C(O)−CHCHR−COOHであり;そして、Rは、CH、CHCH、CHCHCH、CH(CH、CHOCHおよびシクロプロピルよりなる群から選択される。この態様において、他の全ての基は、上の一般式(Ib)中で提供されるとおりである。
この実施形態の付加的な態様は、(a)上記の一般式(Ib)もしくは態様に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩;および(b)薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物に関する。
この実施形態の付加的な態様は、治療的有効量の上記の一般式(Ib)もしくは態様に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を対象に投与することを含む、対象において免疫応答を誘導する方法に関する。
この実施形態の付加的な態様は、治療的有効量の上記組成物を対象に投与することを含む、対象において免疫応答を誘導する方法に関する。
この実施形態の付加的な態様は、治療的有効量の上記の一般式(Ib)もしくは態様に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を対象に投与することを含む、対象においてSTING依存的I型インターフェロン産生を誘導する方法に関する。
この実施形態の付加的な態様は、治療的有効量の上記組成物を対象に投与することを含む、対象においてSTING依存的I型インターフェロン産生を誘導する方法に関する。
この実施形態の付加的な態様は、治療的有効量の上記の一般式(Ib)もしくは態様に記載の化合物または薬学的に許容されるその塩を対象に投与することを含む、対象においてSTING依存的サイトカイン産生を誘導する方法に関する。
この実施形態の付加的な態様は、治療的有効量の上記組成物を対象に投与することを含む、対象においてSTING依存的サイトカイン産生を誘導する方法に関する。
本明細書中に記載される各実施形態において、一般式(Ib)、ならびにその様々な態様および例の可変基R、R、R、R、R、R、R、R、X、XおよびXは、各々、互いに独立して選択され、ただし、R、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つはHではない。
この開示の付加的な実施形態は、一般式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩の使用に関する。一般式(I)の化合物は、免疫応答を誘導するため、STING依存的なI型インターフェロン産生を誘導するため、および/または細胞増殖障害を処置するための剤として有用であり得る。これらの実施形態において、式(I)の化合物は、
Figure 2020529421

または薬学的に許容されるその塩であり、ここでRは、H、ハロゲン、OR、N(R、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、N(Rにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;Rは、H、ハロゲン、CN、OR、N(R、COOR、C(O)N(R、SO、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、ORにより置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、ORにより置換されたC−Cアルキニル、C−CシクロアルキルならびにO、S、NおよびN(R)よりなる群から選択される1から2個の環員を包含する3員から6員の複素環式環よりなる群から選択され;Rは、H、ハロゲン、CN、OR、N(R、COOR、C(O)N(R、SO、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、ORにより置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、ORにより置換されたC−Cアルキニル、C−CシクロアルキルならびにO、S、NおよびN(R)よりなる群から選択される1から2個の環員を包含する3員から6員の複素環式環よりなる群から選択され;Rは、H、ハロゲン、OR、N(R、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、N(Rにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;Rは、H、ハロゲン、OR、N(R、CN、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rから選択され;各Rは、独立して、H、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;XはC(O)であり;Xは(C(R(1−3)であり;各Rは、独立して、H、ハロゲン、C−Cアルキル、CN、OR、N(R、C−Cハロアルキル、C−Cシクロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、およびN(Rにより置換されたC−Cアルキルよりなる群から選択され;2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員の縮合環を形成してもよく;2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員のスピロ環を形成してもよく;Xは、COOR、C(O)SR、C(S)OR、SOおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;そして、各Rは、独立して、H、COORおよびSOよりなる群から選択される。
付加的な実施形態は、治療的有効量の上の一般式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩を対象に投与することを含む、対象において免疫応答を誘導する方法に関する。
付加的な実施形態は、治療的有効量の一般式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩を含む組成物を対象に投与することを含む、対象において免疫応答を誘導する方法に関する。
付加的な実施形態は、治療的有効量の上の一般式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩を対象に投与することを含む、対象においてSTING依存的I型インターフェロン産生を誘導する方法に関する。
付加的な実施形態は、治療的有効量の、一般式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩を含む組成物を対象に投与することを含む、対象においてSTING依存的I型インターフェロン産生を誘導する方法に関する。
付加的な実施形態は、治療的有効量の上の一般式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩を対象に投与することを含む、対象においてSTING依存的サイトカイン産生を誘導する方法に関する。
付加的な実施形態は、治療的有効量の、一般式(I)の化合物または薬学的に許容されるその塩を含む組成物を対象に投与することを含む、対象においてSTING依存的サイトカイン産生を誘導する方法に関する。
本明細書中に記載される各実施形態において、一般式(I)、ならびにその様々な態様および例の可変基R、R、R、R、R、R、R、R、X、XおよびXは、各々、互いに独立して選択され、ただし、R、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの少なくとも1つはHではない。
付加的な実施形態は、
Figure 2020529421
Figure 2020529421
よりなる群から選択される化合物ならびに薬学的に許容されるその塩に関する。この実施形態の態様において、化合物は、
Figure 2020529421
Figure 2020529421
Figure 2020529421
ならびに薬学的に許容されるその塩よりなる群から選択される。

上で指し示されるように、本発明の化合物は、薬学的に許容される塩の形で使用することができる。当業者は、本発明の化合物が塩を形成し得る例を認識する。かかる化合物の例は、可能な塩への言及により本明細書中に記載される。かかる言及は、説明のためのみのものである。薬学的に許容される塩は、患者を処置するための化合物と共に用いることができる。一方、非医薬的な塩は、中間体化合物の調製において有用であり得る。
用語「薬学的に許容される塩」とは、親化合物と同様の有効性を有し、かつ生物学的にまたはその他の点で望ましくないものではない(例えば、そのレシピエントに対して毒性でもなくその他の点で有害なものでもない)塩(両性イオンのような分子内塩を包含する)をいう。それゆえに、本発明のある実施形態は、本発明の化合物の薬学的に許容される塩を提供する。本明細書中で使用される用語「塩(類)」は、無機酸および/または有機酸との間で形成される酸性塩、並びに、無機塩基および/または有機塩基との間で形成される塩基性塩のいずれをも意味する。本発明の化合物の塩は、当業者に知られている方法により、例えば、本発明の化合物をある量、例えば当量のような酸または塩基と、溶媒、例えば塩がその中で沈殿する溶媒中で反応させることによって、または水性溶媒中で反応させその後に凍結乾燥することによって形成され得る。
例示的な酸付加塩としては、アセテート、アスコルベート、ベンゾエート、ベンゼンスルホネート、ビスルフェート、ボレート、ブチレート、シトレート、カンホレート、カンファースルホネート、フマレート、ヒドロクロリド、ヒドロブロミド、ヒドロヨージド、ラクテート、マレエート、メタンスルホネート(「メシレート」)、ナフタレンスルホネート、ナイトレート、オキサレート、ホスフェート、プロピオネート、サリチレート、スクシネート、スルフェート、タータレート(tartarate)、チオシアネート、トルエンスルホネート(トシレートとしても知られる)などを含む。好適な塩としては、例えば化合物の溶液を薬学的に許容される酸、例えば塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸または安息香酸のような溶液と共に混合することにより形成され得る酸付加塩を含む。加えて、塩基性の医薬化合物からの薬学的に有用な塩の形成に適していると一般に考えられる酸は、例えば、P.Stahl et al,Camille G.(eds.),Handbook of Pharmaceutical Salts. Properties,Selection,and Use. (2002) Zurich:Wiley−VCH;S.Berge et al,Journal of Pharmaceutical Sciences(1977) 66(1) 1−19;P.Gould, International J. of Pharmaceutics(1986) 33 201−217;Anderson et al,The Practice of Medicinal Chemistry(1996),Academic Press,New York;およびThe Orange Book(Food&Drug Administration,Washington,D.C.、そのウェブサイト上)により論じられている。これらの開示は、参照により本明細書中に組み込まれる。
例示的な塩基性塩としては、アンモニウム塩、アルカリ金属塩、例えばナトリウム、リチウムおよびカリウム塩、アルカリ土類金属塩、例えばカルシウムおよびマグネシウム塩、有機塩基(例えば、有機アミン)との塩、例えばジシクロヘキシルアミン、t−ブチルアミン、コリンとの塩、およびアミノ酸との塩、例えばアルギニン、リジンとの塩を含む。塩基性窒素含有基は、例えば低級アルキルハライド(例えばメチル、エチルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、ジアルキルスルフェート(例えばジメチル、ジエチルおよびジブチルの硫酸塩)、長鎖ハライド(例えばデシル、ラウリルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物)、アラルキルハライド(例えばベンジルおよびフェネチルの臭化物)などの剤を使用して四級化されてもよい。酸部分を有する化合物は、好適な薬学的に許容される塩と混合することで、例えばアルカリ金属塩(例えばナトリウムまたはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウムまたはマグネシウム塩)、および好適な有機リガンドと形成される塩、例えば四級アンモニウム塩を提供することができる。また、酸(−COOH)またはアルコール基が存在する場合、薬学的に許容されるエステルを使用することで化合物の溶解または加水分解特性を改変することができる。
全てのかかる酸性塩および塩基性塩は、本発明の範囲内にある薬学的に許容される塩であることが意図され、全ての酸性塩および塩基性塩は、本発明の目的のためには対応する化合物の遊離形態と同等であると考えられる。
加えて、本発明の化合物が塩基性部分、例えば限定されるものではないが脂肪族の第一級、第二級、第三級または環状アミン、芳香族またはヘテロアリールのアミン、ピリジンまたはイミダゾールと、酸性部分、例えば限定されるものではないがテトラゾールまたはカルボン酸とを両方含有する場合、両性イオン(「分子内塩」)が形成され得るものであり、これは本明細書中で用いられる用語「塩(類)」の中に包含される。本発明のある種の化合物は、同一化合物内にアニオン性中心とカチオン性中心の両方を持ち、正味の中性電荷を持つ両性イオン形態で存在し得ることが理解される。かかる両性イオンは本発明内に包含される。
化合物を調製する方法
一般式(Ia)の化合物、一般式(Ib)の化合物、一般式(I)の化合物および前述のものの薬学的に許容されるその塩を調製するためのいくつかの方法が、次のスキームおよび実施例中に記載される。出発物質および中間体は、商業的供給者から購入されるか、公知の手法より作られるか、またはそうでなければ説明される。いくつかの場合において、反応スキームのステップを行う順番は、反応を容易にするためまたは望まれない反応生成物を回避するために変わり得る。
次の方法およびスキームにおいて、LGは脱離基を表し、これはハライドまたはトリフレート基であり得る。可変基R、R、R、R、R、RおよびXは、上で提供されるものと同じ意味を持つ。
方法1
ベンゾ[b]チオフェン 2−カルボン酸は、典型的に、オルト−ハロベンズアルデヒドから調製される。順序は、塩基性条件下でのアルファ−チオ酢酸エステルでの処理から始まる。次いで、得られた化合物中のエステルを塩基性条件下でカルボン酸へと切断することで、所望の置換ベンゾ[b]チオフェン 2−カルボン酸1Cが提供された。
スキーム1
Figure 2020529421
方法2
一般式(Ia)の化合物、一般式(Ib)の化合物、一般式(I)の化合物および前述のものの薬学的に許容されるその塩の調製のための1つの方法が、スキーム2中に詳述される。順序は、1,3−ジカルボニル基、例えばベータ−ケトエステルで2位を置換されたベンゾ[b]チオフェンから始まる。これを塩基性条件下でアルファ−ハロエステルと反応させることで、2位でのアルキル鎖の置換を付与した。次いで、両エステルを酸性または塩基性のいずれかの条件を用いて加水分解し;さらに塩基性条件に曝露すると、出発物質中のエステルに対応するカルボン酸が脱カルボキシル化を受けることで、所望のベンゾ[b]チオフェンケト酸2Cが与えられた。
スキーム2
Figure 2020529421
方法3
一般式(Ia)の化合物、一般式(Ib)の化合物、一般式(I)の化合物および前述のものの薬学的に許容されるその塩の調製のための別の方法が、スキーム3中に詳述される。順序は、2位の置換がないベンゾ[b]チオフェンから始まる。これをtert−ブチルリチウムで、その後に環状酸無水物で処理することで、所望の4−ケトカルボン酸生成物3Bが与えられた。
スキーム3
Figure 2020529421
方法4
一般式(Ia)の化合物、一般式(Ib)の化合物、一般式(I)の化合物および前述のものの薬学的に許容されるその塩の調製のための別の方法が、スキーム4中に詳述される。順序は、カルボン酸で2位を置換されたベンゾ[b]チオフェンから始まる。これをオキサリルクロリド/ジクロロメタン条件で処理した。得られた酸塩化物を、典型的にはエステルを含有するアルキル亜鉛試薬と反応させ、ここで、銅またはパラジウムのような遷移金属を用いてカップリングを媒介した。次いで、このエステルを塩基性または酸性条件下で切断することで、所望のベンゾ[b]チオフェン ガンマ−ケト酸4Dが提供された。
スキーム4
Figure 2020529421
方法5
一般式(Ia)の化合物、一般式(Ib)の化合物、一般式(I)の化合物および前述のものの薬学的に許容されるその塩の調製のための別の方法が、スキーム5中に詳述される。順序は、ガンマ−ケトエステルで2位を置換されたベンゾ[b]チオフェンから始まり、このベンゾ[b]チオフェンはハライドまたはトリフレートを有する。これを水性塩基性条件下で、ボロン酸エステル、ボロン酸またはトリフルオロボレート塩およびパラジウム触媒で処理した。次いで、得られた化合物中のエステルを塩基性条件下でカルボン酸へと切断することで所望の置換ベンゾ[b]チオフェン5Cが提供された。次のスキームはR置換基の導入を描写するが、適切に配置されたLGを有する関連する基質を使用する場合、この同じ一般的方法の対は同様にある種のR置換基をもたらす。
スキーム5
Figure 2020529421
投与
本開示は、その必要がある対象に、(a)PD−1アンタゴニスト;および(b)ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを含む組み合わせ治療を投与することを含む、細胞増殖障害を処置する方法に関する。
PD−1アンタゴニストは、連続注入により、または例えば、毎日、週に1〜7回、毎週、隔週、毎月、隔月、3ヶ月毎、半年毎、毎年などで投与される投薬により提供され得る。投薬は、例えば、静脈内、皮下、局所、経口、経鼻、直腸内、筋肉内、脳内、脊髄内または吸入により提供され得る。処置間隔についての総用量は、一般に少なくとも0.05μg/kg体重、より一般に少なくとも0.2μg/kg、0.5μg/kg、1μg/kg、10μg/kg、100μg/kg、0.25mg/kg、1.0mg/kg、2.0mg/kg、5.0mg/ml、10mg/kg、25mg/kg、50mg/kgまたはそれより多い(例えば、Yang,et al.(2003) New Engl.J.Med. 349:427−434;Herold,et al.(2002) New Engl.J.Med. 346:1692−1698;Liu,et al.(1999) J.Neurol.Neurosurg.Psych. 67:451−456;Portielji,et al.(20003) Cancer Immunol.Immunother. 52:133−144を参照されたい)。投薬はまた、予め決定された目標の対象血清中PD−1アンタゴニスト濃度、例えば0.1、0.3、1、3、10、30、100、300μg/mLまたはそれより多い濃度を達成するように提供され得る。実施形態において、PD−1アンタゴニストは、21日毎に1回の200mg用量として投与される。他の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、皮下または静脈内に、毎週、隔週、「4週毎」、毎月、隔月または3ヶ月毎を基にして、10、20、50、80、100、200、500、1000または2500mg/対象で投与される。
ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストおよび薬学的に許容される担体または添加剤(類)は、典型的に、所望の投与経路による対象への投与に適合させた剤形に製剤化される。例えば、剤形としては、(1)経口投与に適合させたもの、例えば錠剤、カプセル剤、カプレット剤、丸剤、トローチ剤、散剤、シロップ剤、エリキシル剤、懸濁剤、溶液剤、エマルション剤、サッシェ剤およびカシェ剤;ならびに(2)非経口投与に適合させたもの、例えば滅菌溶液剤、懸濁剤および再構成のための散剤を含む。好適な薬学的に許容される担体または添加剤は、選ばれる特定の剤形に応じて変わる。加えて、好適な薬学的に許容される担体または添加剤は、それらが組成物中で作用し得る特定の機能により選ばれ得る。実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、全身使用、すなわち対象の身体全体にわたったベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの分布を可能にする剤形に製剤化され得て;かかる全身投与の例としては、経口投与および静脈内投与を含む。付加的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、標的化または分離された使用を、すなわち、処置されることになる対象の身体の部分のみへのベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの投与を可能にする剤形に製剤化され得て;かかる標的化投与の例としては、腫瘍内投与を含む。
ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、1から30日毎に1回投与される。実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3から28日毎に1回投与される。特定の実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3、7、14、21または28日毎に1回投与される。かかる方法の実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、2から36ヶ月間投与される。具体的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、最大で3ヶ月間投与される。かかる方法の付加的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3、7、14、21または28日毎に1回、2から36ヶ月間投与される。さらなる実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3、7、14、21または28日毎に1回、最大で3ヶ月間投与される。具体的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3、7、14、21または28日毎に1回、最大で3ヶ月間投与され、その後に、投薬の時間間隔を少なくとも2倍増加させた期間が少なくとも2ヶ月続く。より具体的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3、7、14、21または28日毎に1回、最大で3ヶ月間投与され、その後に、投薬の時間間隔を少なくとも3倍増加させた期間が少なくとも2ヶ月続く。例えば、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストが7日毎に1回、最大で3ヶ月間投与されたならば、その後に、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストが14または21日毎に1回、最大で2年間投与される期間が続き得る。
いくつかの実施形態において、組み合わせ治療における治療剤(PD−1アンタゴニストおよびベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト)のうちの少なくとも1つは、剤が同じ症状を処置するための単剤治療として用いられるときに典型的に使用されるものと同じ投薬レジメン(用量、頻度、および処置の持続期間)を用いて投与される。他の実施形態において、患者が受ける組み合わせ治療における治療剤のうちの少なくとも1つの総量は、剤が単剤治療として用いられるときよりも少なく、例えば、少ない用量、低頻度の投薬、および/またはより短い処置期間である。
本発明の組み合わせ治療は、腫瘍を摘出するための外科手術の前または後に用いられ得て、放射線照射処置の前、最中または後に用いられ得る。
いくつかの実施形態において、本発明の組み合わせ治療は、以前に生物療法剤または化学療法剤で処置されていない、すなわち、処置未経験の患者に投与される。他の実施形態において、組み合わせ治療は、生物療法剤または化学療法剤での先に行われた治療の後に持続性応答を達成することに失敗した、すなわち処置を経験した患者に投与される。
それゆえに、本開示は、その必要がある対象に(a)PD−1アンタゴニスト;および(b)ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを含む組み合わせ治療を投与することを含む、細胞増殖障害を処置する方法であって;ここで、PD−1アンタゴニストが21日毎に1回投与され;そして、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストが1から30日毎に1回、3から90日間投与され、次いで、任意に1から30日毎に1回、最大で1050日間投与されてもよい、前記方法に関する。実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、少なくとも3回投与される。
具体的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3から30日毎に1回、9から90日間投与され、次いで3から30日毎に1回、最大で1050日間投与されてもよい。具体的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3から21日毎に1回、9から63日間投与され、次いで、任意に3から21日毎に1回、最大で735日間投与されてもよい。さらなる具体的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、7から21日毎に1回、21から63日間投与され、次いで、任意に7から21日毎に1回、最大で735日間投与されてもよい。いっそうさらなる実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、7から10日毎に1回、21から30日間投与され、次いで、任意に21日毎に1回、最大で735日間投与されてもよい。いっそうさらなる実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、7日毎に1回、21日間投与され、次いで、任意に21日毎に1回、最大で735日間投与されてもよい。付加的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、21日毎に1回、63日間投与され、次いで21日毎に1回、最大で735日間投与されてもよい。前述のものの具体的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、少なくとも3回投与される。
いくつかの実施形態において、その間にベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストが投与されない1以上の任意の「休薬」期間が、処置期間の中に包含され得る。具体的な実施形態において、任意の休薬期間は、3から30日間、7から21日間または7から14日間であり得る。休薬期間の後、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの投薬は、上記のように再開され得る。
細胞増殖障害
本明細書中に開示される組み合わせ治療は、限定されるものではないが細胞増殖障害を含む疾患または障害の処置において潜在的に有用である。細胞増殖障害としては、限定されるものではないが、がん、良性乳頭腫症、妊娠性絨毛性疾患および良性新生物性疾患、例えば皮膚乳頭腫(イボ)および生殖器乳頭腫を含む。用語「がん」、「がん性の」または「悪性」とは、典型的に未制御の細胞増殖を特徴とする哺乳動物における生理的状態をいう、または記載する。PD−L1またはPD−L2が関係する種々のがんは、悪性であっても良性であっても、および原発性であっても続発性であっても、本開示により提供される方法で処置または予防され得る。本開示によって処置され得るとりわけ好ましいがんとしては、試験組織試料中でのPD−L1およびPD−L2のうちの1つまたは両方の発現上昇を特徴とするものを含む。
具体的な実施形態において、処置されることになる疾患または障害は、細胞増殖障害である。ある実施形態において、細胞増殖障害は、がんである。特定の実施形態において、がんは、脳および脊椎のがん、頭頸部のがん、白血病および血液のがん、皮膚がん、生殖器系のがん、消化器系のがん、肝臓および胆管のがん、腎臓および膀胱のがん、骨がん、肺がん、悪性中皮腫、肉腫、リンパ腫、腺がん、甲状腺がん、心臓腫瘍、胚細胞腫瘍、悪性神経内分泌(カルチノイド)腫瘍、正中線管がん(midline tract cancer)、ならびに原発不明のがん(すなわち、転移したがんは見つかっているが、元のがんの部位が不明であるがん)から選択される。特定の実施形態において、がんは、成人患者中に存在し;付加的な実施形態において、がんは、小児患者中に存在する。特定の実施形態において、がんは、AIDS関連である。
具体的な実施形態において、がんは、脳および脊椎のがんから選択される。特定の実施形態において、脳および脊椎のがんは、退形成性星状細胞腫、神経膠芽腫、星状細胞腫および感覚神経芽腫(estheosioneuroblastoma)(臭芽腫(olfactory blastoma)としても知られる)よりなる群から選択される。特定の実施形態において、脳がんは、星状細胞性腫瘍(例えば、毛様細胞性星状細胞腫、上衣下巨細胞性星状細胞腫、びまん性星状細胞腫、多形性黄色星状膠細胞腫、退形成性星状細胞腫、星状細胞腫、巨細胞性神経膠芽腫、神経膠芽腫、続発性神経膠芽腫、原発性成人神経膠芽腫および原発性小児神経膠芽腫)、乏突起膠細胞性腫瘍(例えば、乏突起膠細胞腫および退形成性乏突起膠細胞腫)、乏突起星細胞性腫瘍(例えば、乏突起星細胞腫および退形成性乏突起星細胞腫)、上衣腫(例えば、粘液乳頭状上衣腫および退形成性上衣腫);髄芽腫、原始神経外胚葉性腫瘍、シュワン腫、髄膜腫、非定型髄膜腫、退形成性髄膜腫、脳下垂体腺腫、脳幹神経膠腫、小脳星状細胞腫、大脳性星状細胞腫(cerebral astorcytoma)/悪性神経膠腫、視路および視床下部の神経膠腫、ならびに原発性中枢神経系リンパ腫よりなる群から選択される。これらの実施形態の具体的な例において、脳がんは、神経膠腫、多形神経膠芽腫、傍神経節腫およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍(sPNET)よりなる群から選択される。
具体的な実施形態において、がんは、頭頸部のがんから選択され、これらとしては、再発性または転移性の頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)、鼻咽頭がん、鼻腔および副鼻腔のがん、下咽頭がん、口腔がん(例えば、扁平上皮癌、リンパ腫および肉腫)、口唇がん、中咽頭がん、唾液腺腫瘍、喉頭のがん(例えば、喉頭扁平上皮癌、横紋筋肉腫)、ならびに眼のがんおよび眼球がんを含む。特定の実施形態において、眼球がんは、眼球内黒色腫および網膜芽細胞腫よりなる群から選択される。
具体的な実施形態において、がんは、白血病および血液のがんから選択される。特定の実施形態において、がんは、骨髄増殖性新生物、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性骨髄性白血病(CML)、骨髄増殖性新生物(MPN)、post−MPN AML、post−MDS AML、del(5q)を伴う高リスクMDSまたはAML、急性転化期慢性骨髄性白血病、血管免疫芽細胞性リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病、ランゲルハンス細胞組織球症(Langerans cell histiocytosis)、ヘアリー細胞白血病、ならびに形質細胞腫および多発性骨髄腫を包含する形質細胞性腫瘍よりなる群から選択される。本明細書中で参照される白血病は、急性または慢性であり得る。
具体的な実施形態において、がんは、皮膚がんから選択される。特定の実施形態において、皮膚がんは、黒色腫、扁平細胞がんおよび基底細胞がんよりなる群から選択される。具体的な実施形態において、皮膚がんは、切除できないまたは転移性の黒色腫である。
具体的な実施形態において、がんは、生殖器系のがんから選択される。特定の実施形態において、がんは、乳がん、子宮頸がん、膣がん、卵巣がん、子宮内膜がん、前立腺がん、陰茎がんおよび精巣がんよりなる群から選択される。これらの実施形態の具体的な例において、がんは、腺管癌および葉状腫瘍腫瘍よりなる群から選択される乳がんである。これらの実施形態の具体的な例において、乳がんは、男性の乳がんまたは女性の乳がんであり得る。これらの実施形態のより具体的な例において、乳がんは、トリプルネガティブの乳がんである。これらの実施形態の具体的な例において、がんは、扁平上皮癌および腺癌よりなる群から選択される子宮頸がんである。これらの実施形態の具体的な例において、がんは、上皮がんよりなる群から選択される卵巣がんである。
具体的な実施形態において、がんは、消化器系のがんから選択される。特定の実施形態において、がんは、食道がん、胃がん(gastric cancer)(胃がん(stomach cancer)としても知られる)、消化管カルチノイド腫瘍、膵臓がん、胆嚢がん、結腸直腸がんおよび肛門がんよりなる群から選択される。これらの実施形態の例において、がんは、食道扁平上皮癌、食道腺癌、胃腺癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、胃リンパ腫、消化管リンパ腫、膵臓の固形偽乳頭腫瘍、膵芽腫、島細胞腫瘍、腺房細胞癌および管状腺癌を包含する膵臓癌、胆嚢腺癌、結腸直腸腺癌および肛門扁平上皮癌よりなる群から選択される。
具体的な実施形態において、がんは、肝臓および胆管のがんから選択される。特定の実施形態において、がんは、肝臓がん(肝細胞癌としても知られる)である。特定の実施形態において、がんは、胆管がん(胆管細胞癌としても知られる)であり;これらの実施形態の例において、胆管がんは、肝内胆管細胞癌および肝外胆管細胞癌よりなる群から選択される。
具体的な実施形態において、がんは、腎臓および膀胱のがんから選択される。特定の実施形態において、がんは、腎臓細胞がん、ウィルムス腫瘍および移行上皮がんよりなる群から選択される腎臓がんである。特定の実施形態において、がんは、尿路上皮癌(移行上皮癌)、扁平上皮癌および腺癌よりなる群から選択される膀胱がんである。
具体的な実施形態において、がんは、骨がんから選択される。特定の実施形態において、骨がんは、骨肉腫、骨の悪性線維性組織球腫、ユーイング肉腫、脊索腫(脊椎に沿った骨のがん)よりなる群から選択される。
具体的な実施形態において、がんは、肺がんから選択される。特定の実施形態において、肺がんは、非小細胞がん、小細胞がん、気管支腫瘍および胸膜肺芽腫よりなる群から選択される。
具体的な実施形態において、がんは、悪性中皮腫から選択される。特定の実施形態において、がんは、上皮中皮腫および肉腫様がんよりなる群から選択される。
具体的な実施形態において、がんは、肉腫から選択される。特定の実施形態において、肉腫は、中心性軟骨肉腫(central chondrosarcoma)、中心性および骨膜の軟骨腫(central and periosteal chondroma)、線維肉腫、腱鞘の明細胞肉腫およびカポジ肉腫よりなる群から選択される。
具体的な実施形態において、がんは、リンパ腫から選択される。特定の実施形態において、がんは、ホジキンリンパ腫(例えば、リード−スタンバーグ細胞)、非ホジキンリンパ腫(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、原発性中枢神経系リンパ腫)、皮膚性T細胞リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫よりなる群から選択される。
具体的な実施形態において、がんは、腺がんから選択される。特定の実施形態において、がんは、副腎皮質がん(副腎皮質癌(adrenocortical carcinoma)または副腎皮質癌(adrenal cortical carcinoma)としても知られる)、褐色細胞腫、傍神経節腫、脳下垂体腫瘍、胸腺腫および胸腺癌よりなる群から選択される。
具体的な実施形態において、がんは、甲状腺がんから選択される。特定の実施形態において、甲状腺がんは、甲状腺髄様癌、甲状腺乳頭癌および濾胞性甲状腺癌よりなる群から選択される。
具体的な実施形態において、がんは、胚細胞腫瘍から選択される。特定の実施形態において、がんは、悪性頭蓋外胚細胞腫瘍および悪性性腺外胚細胞腫瘍よりなる群から選択される。これらの実施形態の具体的な例において、悪性性腺外胚細胞腫瘍は、非精上皮腫および精上皮腫よりなる群から選択される。
具体的な実施形態において、がんは、心臓腫瘍から選択される。特定の実施形態において、心臓腫瘍は、悪性奇形腫、リンパ腫、横紋筋肉腫(rhabdomyosacroma)、血管肉腫、軟骨肉腫、小児性線維肉腫および滑膜肉腫よりなる群から選択される。
具体的な実施形態において、細胞増殖障害は、良性乳頭腫症、良性新生物性疾患および妊娠性絨毛性疾患から選択される。特定の実施形態において、良性新生物性疾患は、皮膚乳頭腫(イボ)および生殖器乳頭腫から選択される。特定の実施形態において、妊娠性絨毛性疾患は、胞状奇胎および妊娠性絨毛性新生物(例えば、侵入奇胎、絨毛癌、胎盤付着部絨毛性腫瘍および類上皮絨毛性腫瘍)よりなる群から選択される。
実施形態において、細胞増殖障害は、転移したがん、例えば結腸直腸がんからの肝臓転移である。
実施形態において、細胞増殖障害は、固形腫瘍およびリンパ腫よりなる群から選択される。特定の実施形態において、細胞増殖障害は、進行性または転移性の固形腫瘍およびリンパ腫よりなる群から選択される。より特定の実施形態において、細胞増殖障害は、悪性黒色腫、頭頸部扁平細胞癌(head and neck squamous cell carcminoma)、乳房腺癌およびリンパ腫よりなる群から選択される。かかる実施形態の態様において、リンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(mucosa−associated lymphoid tissue、malt)の節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、原発性浸出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、退形成性大細胞リンパ腫(原発性皮膚型)、退形成性大細胞リンパ腫(全身型)、末梢性T細胞リンパ腫、血管免疫芽細胞性T細胞リンパ腫、成人T細胞リンパ腫/白血病、節外性鼻型NK/T細胞リンパ腫、腸管症関連T細胞リンパ腫、ガンマ/デルタ肝脾T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、菌状息肉腫およびホジキンリンパ腫よりなる群から選択される。
特定の実施形態において、細胞増殖障害は、ステージIIIのがんまたはステージIVのがんとして分類される。これらの実施形態の例において、がんは、外科的に切除可能ではない。
方法、使用および薬剤
治療的組み合わせとして提供される製品は、同じ医薬組成物中にPD−1アンタゴニストおよびベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを一緒に含む組成物を包含し、またはPD−1アンタゴニストを含む組成物およびベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを含む組成物を別々の形態で、例えばキットの形態で、もしくは同時期のもしくは別々の投薬スケジュールでの別々の投与を可能にするように設計された任意の形態で包含し得る。
組み合わせ治療はまた、1以上の付加的な治療剤を含み得る。付加的な治療剤は、例えば、化学療法剤、生物療法剤(限定されるものではないが、VEGF、VEGFR、EGFR、Her2/neu、他の増殖因子受容体、CD20、CD40、CD−40L、CTLA−4、OX−40、4−1BBおよびICOSに対する抗体といったもの)、免疫原性剤(例えば、弱毒化がん細胞、腫瘍抗原、抗原提示細胞、例えば腫瘍由来抗原または核酸でパルスされた樹状細胞など、免疫刺激性サイトカイン(例えば、IL−2、IFNα2、GM−CSF)、および免疫刺激性サイトカイン、例えば限定されるものではないがGM−CSFをコードする遺伝子でトランスフェクトされた細胞)であり得る。1以上の付加的な活性薬剤は、PD−1アンタゴニストと共に、またはベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストと共に共投与され得る。付加的な活性薬剤(類)は、PD−1アンタゴニストおよびベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストから選択される1もしくは複数の共投与剤を伴う単一の剤形で投与され得て、または付加的な活性薬剤(類)はPD−1アンタゴニストおよび/もしくはベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを含有する剤形と別の剤形(類)で投与され得る。
本明細書中に開示される治療組み合わせは、1以上の他の活性薬剤と組み合わせて用いられ得て、この活性薬剤としては、限定されるものではないが、特定の疾患または症状(例えば細胞増殖障害)の予防、処置、制御、寛解またはリスクの低減において用いられる他の抗がん剤を含む。1つの実施形態において、本明細書中に開示される化合物は、本明細書中に開示される化合物が有用な特定の疾患または症状の予防、処置、制御 寛解またはリスクの低減における使用のための1以上の他の抗がん剤と組み合わされる。かかる他の活性薬剤は、通例的に用いられる経路および量で、本開示の化合物と同時期にまたは逐次的に投与され得る。
付加的な活性薬剤(類)は、STINGアゴニスト、抗ウイルス化合物、抗原、アジュバント、抗がん剤、CTLA−4、LAG−3およびPD−1経路のアンタゴニスト、脂質、リポソーム、ペプチド、細胞傷害剤、化学療法剤、免疫調節性細胞株、チェックポイント阻害剤、血管内皮増殖因子(VEGF)受容体阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、スムーズン阻害剤(smoothen inhibitor)、アルキル化剤、抗腫瘍抗生物質、代謝拮抗剤、レチノイド、および限定されるものではないが抗がんワクチンを包含する免疫調節剤よりなる群から選択される1以上の剤であり得る。上の付加的な治療剤の記載は重複し得ることが理解される。また、処置の組み合わせは最適化に供せられることも理解され、PD−1アンタゴニストおよび/またはベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストならびに1以上の付加的な活性薬剤の使用のための最良の組み合わせは個々の患者のニーズに基づいて決定されることが理解される。
本明細書中に開示される治療的組み合わせが1以上の他の活性薬剤と同時期に用いられるとき、PD−1アンタゴニストおよび/またはベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、1以上の他の治療剤(類)と同時的に、またはその前もしくは後に投与され得る。PD−1アンタゴニストおよび/またはベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストのいずれかは、同じもしくは異なる投与経路により別々に、または他の剤(類)と同じ医薬組成物中で一緒に投与され得る。
ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストに対するPD−1アンタゴニストの重量比は、変動し得るものであり、各剤の治療的有効用量に依存する。一般に、各々の治療的有効用量が用いられる。少なくとも1つのPD−1アンタゴニスト、少なくとも1つのベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストおよび他の活性薬剤を包含する組み合わせは、一般に、治療的有効用量の各活性薬剤を包含する。かかる組み合わせにおいて、本明細書中で開示されるPD−1アンタゴニストおよび/またはベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストと他の活性薬剤とは、別々にまたは合わせて投与され得る。加えて、1つの要素の投与は、他の剤(類)の投与の前、同時的または逐次的であり得る。
1つの実施形態において、本開示は、治療における同時、別々または逐次的な使用のための組み合わせ調合剤としての、PD−1アンタゴニストおよび/またはベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストならびに少なくとも1つの他の活性薬剤を提供する。1つの実施形態において、治療は、がんのような細胞増殖障害の処置である。
1つの実施形態において、本開示は、2またはそれより多い別々の医薬組成物を含むキットであって、医薬組成物のうちの少なくとも1つはPD−1アンタゴニストを含有し、別の1つはベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを含有する、前記キットを提供する。1つの実施形態において、キットは、前記組成物を別々に保持する手段、例えば容器、分かれたボトルまたは分かれたホイル小包を含む。本開示のキットは、異なる剤形、たとえば経口および非経口の剤形の投与のために、別々の組成物の異なる投薬間隔での投与のために、または別々の組成物の互いに対する用量設定のために用いられ得る。服薬順守を助けるため、本開示のキットは、典型的に、投与のための説明書を含む。
本開示はまた、細胞増殖障害を処置するためのベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの使用であって、患者が先に(例えば24時間以内に)PD−1アンタゴニストで処置されている、前記使用も提供する。本開示はまた、細胞増殖障害を処置するためのPD−1アンタゴニストの使用であって、患者が先に(例えば24時間以内に)ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストで処置されている、前記使用も提供する。
本明細書中に開示される組み合わせ治療と組み合わせて用いられ得る抗ウイルス化合物としては、B型肝炎ウイルス(HBV)阻害剤、C型肝炎ウイルス(HCV)プロテアーゼ阻害剤、HCVポリメラーゼ阻害剤、HCV NS4A阻害剤、HCV NS5A阻害剤、HCV NS5b阻害剤およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)阻害剤を含む。
本明細書中に開示される組み合わせ治療と組み合わせて用いられ得る抗原およびアジュバントとしては、B7共刺激分子、インターロイキン−2、インターフェロン−γ、GM−CSF、CTLA−4アンタゴニスト、OX−40/0X−40リガンド、CD40/CD40リガンド、サルグラモスチム、レバミソール、ワクシニアウイルス、カルメット・ゲラン桿菌(BCG)、リポソーム、ミョウバン、フロイント完全または不完全アジュバント、無毒化エンドトキシン、ミネラルオイル、界面活性物質、例えばリポレシチン(lipolecithin)、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチドおよび油または炭化水素のエマルションを含む。アジュバント、例えば水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウムは、免疫応答を引き起こす、増強するまたは延長するワクチンの能力を向上させるために加えることができる。付加的な物質、例えばサイトカイン、ケモカインおよびCpGのような細菌の核酸配列、toll様受容体(TLR)9アゴニスト、同様にリポタンパク質、リポ多糖(LPS)、モノホスホリルリピドA、リポテイコ酸、イミキモド、レシキモド、および加えてレチノイン酸誘導性遺伝子I(RIG−I)アゴニスト、例えばpoly I:Cのような付加的なTLR2、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9アゴニストもまた、別々にまたは組み合わせて用いられる、潜在的なアジュバントである。
本明細書中に開示される組み合わせ治療と組み合わせて用いられ得る細胞傷害剤の例としては、限定されるものではないが、三酸化ヒ素(商品名TRISENOX(登録商標)の下で販売されている)、アスパラギナーゼ(L−アスパラギナーゼおよびエルウィニア(Erwinia)L−アスパラギナーゼとしても知られ、商品名ELSPAR(登録商標)およびKIDROLASE(登録商標)の下で販売されている)を含む。
本明細書中に開示される組み合わせ治療と組み合わせて用いられ得る化学療法剤としては、酢酸アビラテロン、アルトレタミン、無水ビンブラスチン、オーリスタチン、ベキサロテン、ビカルタミド、BMS 184476、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、ブレオマイシン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−1−Lプロリン−t−ブチルアミド、カケクチン、セマドチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、3’,4’−ジデヒドロ−4’デオキシ−8’−ノルビン−カロイコブラスチン、ドセタキソール、ドセタキセル、シクロホスファミド、カルボプラチン、カルムスチン、シスプラチン、クリプトフィシン、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン(DTIC)、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デシタビン ドラスタチン、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、エトポシド、5−フルオロウラシル、フィナステリド、フルタミド、ヒドロキシウレアおよびヒドロキシウレアおよびタキサン類、イホスファミド、リアロゾール、ロニダミン、ロムスチン(CCNU)、MDV3100、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード)、メルファラン、イセチオン酸ミボブリン、リゾキシン、セルテネフ(sertenef)、ストレプトゾシン、マイトマイシン、メトトレキセート、タキサン類、ニルタミド、ニボルマブ、オナプリストン、パクリタキセル、ペンブロリズマブ、プレドニムスチン、プロカルバジン、RPR109881、リン酸ストラムスチン(stramustine phosphate)、タモキシフェン、タソネルミン、タキソール、トレチノイン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンスルフェートおよびビンフルニン、ならびに薬学的に許容されるそれらの塩を含む。
血管内皮増殖因子(VEGF)受容体阻害剤の例としては、限定されるものではないが、ベバシズマブ(Genentech/Rocheにより商標AVASTINの下で販売されている)、アキシチニブ(PCT国際特許公開No.WO01/002369中に記載されている)、ブリバニブアラニネート((S)−((R)−1−(4−(4−フルオロ−2−メチル−1H−インドール−5−イルオキシ)−5−メチルピロロ[2,1−f][1,2,4]トリアジン−6−イルオキシ)プロパン−2−イル)2−アミノプロパノエート、BMS−582664としても知られる)、モテサニブ(N−(2,3−ジヒドロ−3,3−ジメチル−1H−インドール−6−イル)−2−[(4−ピリジニルメチル)アミノ]−3−ピリジンカルボキサミド。PCT国際特許公開No.WO02/068470中に記載されている)、パシレオチド(SO 230としても知られ、PCT国際特許公開No.WO02/010192中に記載されている)およびソラフェニブ(商品名NEXAVARの下で販売されている)を含む。
トポイソメラーゼII阻害剤の例としては、限定されるものではないが、エトポシド(VP−16およびリン酸エトポシドとしても知られ、商品名TOPOSAR、VEPESIDおよびETOPOPHOSの下で販売されている)およびテニポシド(VM−26としても知られ、商品名VUMONの下で販売されている)を含む。
アルキル化剤の例としては、限定されるものではないが、5−アザシチジン(商品名VIDAZAの下で販売されている)、デシタビン(DECOGENの商品名の下で販売されている)、テモゾロミド(商品名TEMODARおよびTEMODALの下で販売されている)、ダクチノマイシン(アクチノマイシン−Dとしても知られ、商品名COSMEGENの下で販売されている)、メルファラン(L−PAM、L−サルコリシンおよびフェニルアラニンマスタードとしても知られ、商品名ALKERANの下で販売されている)、アルトレタミン(ヘキサメチルメラミン(HMM)としても知られ、商品名HEXALENの下で販売されている)、カルムスチン(商品名BCNUの下で販売されている)、ベンダムスチン(商品名TREANDAの下で販売されている)、ブスルファン(商品名BUSULFEX(登録商標)およびMYLERAN(登録商標)の下で販売されている)、カルボプラチン(商品名PARAPLATIN(登録商標)の下で販売されている)、ロムスチン(CCNUとしても知られ、商品名CEENU(登録商標)の下で販売されている)、シスプラチン(CDDPとしても知られ、商品名PLATINOL(登録商標)およびPLATINOL(登録商標)−AQの下で販売されている)、クロラムブシル(商品名LEUKERAN(登録商標)の下で販売されている)、シクロホスファミド(商品名CYTOXAN(登録商標)およびNEOSAR(登録商標)の下で販売されている)、ダカルバジン(DTIC、DICおよびイミダゾールカルボキサミドとしても知られ、商品名DTIC−DOME(登録商標)の下で販売されている)、アルトレタミン(ヘキサメチルメラミン(HMM)としても知られ、商品名HEXALEN(登録商標)の下で販売されている)、イホスファミド(商品名IFEX(登録商標)の下で販売されている)、プロカルバジン(商品名MATULANE(登録商標)の下で販売されている)、メクロレタミン(ナイトロジェンマスタード、ムスチンおよびメクロロエタミン塩酸塩(mechloroethamine hydrochloride)としても知られ、商品名MUSTARGEN(登録商標)の下で販売されている)、ストレプトゾシン(商品名ZANOSAR(登録商標)の下で販売されている)、チオテパ(チオホスホアミド、TESPAおよびTSPAとしても知られ、商品名THIOPLEX(登録商標)下で販売されている)、ならびに薬学的に許容されるそれらの塩を含む。
抗腫瘍抗生物質の例としては、限定されるものではないが、ドキソルビシン(商品名ADRIAMYCIN(登録商標)およびRUBEX(登録商標)の下で販売されている)、ブレオマイシン(商品名LENOXANE(登録商標)の下で販売されている)、ダウノルビシン(ダウオルビシン塩酸塩(dauorubicin hydrochloride)、ダウノマイシンおよびルビドマイシン塩酸塩としても知られ、商品名CERUBIDINE(登録商標)の下で販売されている)、ダウノルビシンリポソーム(daunorubicin liposomal)(クエン酸ダウノルビシンリポソーム、商品名DAUNOXOME(登録商標)の下で販売されている)、ミトキサントロン(DHADとしても知られ、商品名NOVANTRONE(登録商標)の下で販売されている)、エピルビシン(商品名ELLENCE(商標)の下で販売されている)、イダルビシン(商品名IDAMYCIN(登録商標)、IDAMYCIN PFS(登録商標)の下で販売されている)およびマイトマイシンC(商品名MUTAMYCIN(登録商標)の下で販売されている)を含む。
代謝拮抗剤の例としては、限定されるものではないが、クラリビン(claribine)(2−クロロデオキシアデノシン、商品名LEUSTATIN(登録商標)の下で販売されている)、5−フルオロウラシル(商品名ADRUCIL(登録商標)の下で販売されている)、6−チオグアニン(商品名PURINETHOL(登録商標)の下で販売されている)、ペメトレキセド(商品名ALIMTA(登録商標)の下で販売されている)、シタラビン(アラビノシルシトシン(Ara−C)としても知られ、商品名CYTOSAR−U(登録商標)の下で販売されている)、シタラビンリポソーム(cytarabine liposomal)(リポソームAra−Cとしても知られ、商品名DEPOCYT(商標)の下で販売されている)、デシタビン(商品名DACOGEN(登録商標)の下で販売されている)、ヒドロキシウレア(商品名HYDREA(登録商標)、DROXIA(商標)およびMYLOCEL(商標)の下で販売されている)、フルダラビン(商品名FLUDARA(登録商標)の下で販売されている)、フロクスウリジン(商品名FUDR(登録商標)の下で販売されている)、クラドリビン(2−クロロデオキシアデノシン(2−CdA)としても知られ、商品名LEUSTATIN(商標)の下で販売されている)、メトトレキセート(アメトプテリン、メトトレキセートナトリウム(MTX)としても知られ、商品名RHEUMATREX(登録商標)およびTREXALL(商標)の下で販売されている)およびペントスタチン(商品名NIPENT(登録商標)の下で販売されている)を含む。
レチノイドの例としては、限定されるものではないが、アリトレチノイン(商品名PANRETIN(登録商標)の下で販売されている)、トレチノイン(全トランス型レチノイン酸、ATRAとしても知られる、商品名VESANOID(登録商標)の下で販売されている)、イソトレチノイン(13−c/s−レチノイン酸、商品名ACCUTANE(登録商標)、AMNESTEEM(登録商標)、CLARAVIS(登録商標)、CLARUS(登録商標)、DECUTAN(登録商標)、ISOTANE(登録商標)、IZOTECH(登録商標)、ORATANE(登録商標)、ISOTRET(登録商標)およびSOTRET(登録商標)の下で販売されている)およびベキサロテン(商品名TARGRETIN(登録商標)の下で販売されている)を含む。
付加的な実施形態
本開示はさらに、その必要がある対象に(a)PD−1アンタゴニスト;および(b)ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを含む組み合わせ治療を投与することを含む、細胞増殖障害を処置する方法であって、ここで、PD−1アンタゴニストが21日毎に1回投与され、そしてベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストが1から30日毎に1回投与される、前記方法に関する。実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3から28日毎に1回投与される。特定の実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3、7、14、21または28日毎に1回投与される。
かかる方法の実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、2から36ヶ月間投与される。具体的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、最大で3ヶ月間投与される。
かかる方法の付加的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3、7、14、21または28日毎に1回、2から36ヶ月間投与される。さらなる実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3、7、14、21または28日毎に1回、最大で3ヶ月間投与される。具体的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3、7、14、21または28日毎に1回、最大で3ヶ月間投与され、その後に、投薬の時間間隔を少なくとも2倍増加させた期間が少なくとも2ヶ月続く。より具体的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3、7、14、21または28日毎に1回、最大で3ヶ月間投与され、その後に、投薬の時間間隔を少なくとも3倍増加させた期間が少なくとも2ヶ月続く。例えば、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストが7日毎に1回、最大で3ヶ月間投与されたならば、その後に、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストが14または21日毎に1回、最大で2年間投与される期間が続き得る。
本開示はさらに、その必要がある対象に(a)PD−1アンタゴニスト;およびベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを含む組み合わせ治療を投与することを含む、細胞増殖障害を処置する方法であって、ここで、PD−1アンタゴニストが21日毎に1回投与され、そして、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストが1から30日毎に1回、3から90日間投与され、次いで、任意に1から30日毎に1回、最大で1050日間投与されてもよい、前記方法に関する。実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、少なくとも3回投与される。
具体的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3から30日毎に1回、9から90日間投与され、次いで3から30日毎に1回、最大で1050日間投与されてもよい。具体的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3から21日毎に1回、9から63日間投与され、次いで、任意に3から21日毎に1回、最大で735日間投与されてもよい。さらなる具体的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、7から21日毎に1回、21から63日間投与され、次いで、任意に7から21日毎に1回、最大で735日間投与されてもよい。いっそうさらなる実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、7から10日毎に1回、21から30日間投与され、次いで、任意に21日毎に1回、最大で735日間投与されてもよい。いっそうさらなる実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、7日毎に1回、21日間投与され、次いで、任意に21日毎に1回、最大で735日間投与されてもよい。付加的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、21日毎に1回、63日間投与され、次いで、任意に21日毎に1回、最大で735日間投与されてもよい。前述のものの具体的な実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、少なくとも3回投与される。
加えて、本開示は、その必要がある対象に(a)PD−1アンタゴニスト;およびベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを含む組み合わせ治療を投与することを含む、細胞増殖障害を処置する方法であって、ここで、細胞増殖障害ががんである、前記方法に関する。具体的な実施形態において、がんは、1以上の固形腫瘍またはリンパ腫として生じる。さらなる具体的な実施形態において、がんは、進行性または転移性の固形腫瘍およびリンパ腫よりなる群から選択される。いっそうさらなる具体的な実施形態において、がんは、悪性黒色腫、頭頸部扁平細胞癌、乳房腺癌およびリンパ腫よりなる群から選択される。付加的な実施形態において、リンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(mucosa−associated lymphoid tissue、malt)の節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、原発性浸出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、退形成性大細胞リンパ腫(原発性皮膚型)、退形成性大細胞リンパ腫(全身型)、末梢性T細胞リンパ腫、血管免疫芽細胞性T細胞リンパ腫、成人T細胞リンパ腫/白血病、節外性鼻型NK/T細胞リンパ腫、腸管症関連T細胞リンパ腫、ガンマ/デルタ肝脾T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、菌状息肉腫およびホジキンリンパ腫よりなる群から選択される。特定の実施形態において、細胞増殖障害は、転移したがん、例えば結腸直腸がんからの肝臓転移である。付加的な実施形態において、細胞増殖障害は、ステージIIIのがんまたはステージIVのがんとして分類されるがんである。これらの実施形態の例において、がんは、外科的に切除可能ではない。
本明細書中に開示される方法の実施形態において、PD−1アンタゴニストは抗PD−1モノクローナル抗体である。これらの実施形態の特定の態様において、PD−1アンタゴニストは、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブおよびAMP−224よりなる群から選択される。これらの実施形態の具体的な態様において、PD−1アンタゴニストは、ニボルマブおよびペンブロリズマブから選択される。より具体的な態様において、PD−1アンタゴニストはニボルマブである。さらなる具体的な態様において、PD−1アンタゴニストはペンブロリズマブである。
本明細書中に開示される方法の実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、式(Ia):
Figure 2020529421
の化合物または薬学的に許容されるその塩から選択され、ここでRは、H、ハロゲン、OR、N(R、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、N(Rにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;Rは、ハロゲン、CN、OR、N(R、COOR、C(O)N(R、SO、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、ORにより置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、ORにより置換されたC−Cアルキニル、C−CシクロアルキルならびにO、S、NおよびN(R)よりなる群から選択される1から2個の環員を包含する3員から6員の複素環式環よりなる群から選択され;Rは、ハロゲン、CN、OR、N(R、COOR、C(O)N(R、SO、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、ORにより置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、ORにより置換されたC−Cアルキニル、C−CシクロアルキルならびにO、S、NおよびN(R)よりなる群から選択される1から2個の環員を包含する3員から6員の複素環式環よりなる群から選択され;Rは、H、ハロゲン、OR、N(R、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、N(Rにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;Rは、H、ハロゲン、OR、N(R、CN、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rから選択され;各Rは、独立して、H、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;XはC(O)であり;Xは(C(R(1−3)であり;各Rは、独立して、H、ハロゲン、C−Cアルキル、CN、OR、N(R、C−Cハロアルキル、C−Cシクロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、およびN(Rにより置換されたC−Cアルキルよりなる群から選択され;2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員の縮合環を形成してもよく;2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員のスピロ環を形成してもよく;Xは、COOR、C(O)SR、C(S)OR、SOおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;そして、各Rは、独立して、H、COORおよびSOよりなる群から選択され;ここで、X−X−XがX−CHR−XまたはX−CHRCH−Xであるとき、RおよびRのうちの少なくとも1つはハロゲン、OR、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択されない。
これらの実施形態の例において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは:
Figure 2020529421
Figure 2020529421
ならびに薬学的に許容されるその塩よりなる群から選択される。
本明細書中に開示される方法の実施形態において、PD−1アンタゴニストは静脈内注入により投与され、そして、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、経口的に、静脈内注入による、腫瘍内注射によるまたは皮下注射によるものである。
本明細書中に開示される方法の実施形態において、PD−1アンタゴニストは、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの投与の前に投与される。本明細書中に開示される方法の代替的実施形態において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、PD−1アンタゴニストの投与の前に投与される。
本明細書中に開示される方法の実施形態において、PD−1アンタゴニストは200mgの用量で投与され;そして、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは10μgから3000μgの用量で投与される。かかる実施形態の態様において、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、10μgから270μgの用量で投与される。
本開示の付加的な実施形態は、上に記載される医薬組成物、組み合わせ、使用および方法を包含し、ここで、各実施形態は、かかる組み合わせが実施形態の記載と矛盾しない範囲で、1以上の他の実施形態と組み合わされ得ることが理解される。さらに、上に提供される実施形態は、実施形態の組み合わせから生じるような実施形態を包含する全ての実施形態を包含すると理解されることが理解される。
一般的方法
分子生物学における標準的方法は、Sambrook,Fritsch and Maniatis(1982&1989 2nd Edition,2001 3rd Edition) Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;Sambrook and Russell(2001) Molecular Cloning,3rd ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;Wu(1993) Recombinant DNA,Vol.217,Academic Press,San Diego,CA)に記載されている。標準的な方法はまた、Ausbel,et al.(2001) Current Protocols in Molecular Biology,Vols.1−4,John Wiley and Sons,Inc.New York,NY中にも出ており、これは細菌細胞およびDNA突然変異誘発(Vol.1)、哺乳動物細胞および酵母におけるクローニング(Vol.2)、複合糖質およびタンパク質の発現(Vol.3)およびバイオインフォマティクス(Vol.4)を記載している。
免疫沈降、クロマトグラフィー、電気泳動、遠心分離および結晶化を包含するタンパク質精製方法は、記載されている(Coligan,et al.(2000) Current Protocols in Protein Science,Vol.1,John Wiley and Sons,Inc.,New York)。化学分析、化学修飾、翻訳後修飾および融合タンパク質の生産、タンパク質のグリコシル化は、記載されている(例えば、Coligan,et al.(2000) Current Protocols in Protein Science,Vol.2,John Wiley and Sons,Inc.,New York;Ausubel,et al.(2001) Current Protocols in Molecular Biology,Vol.3,John Wiley and Sons,Inc.,NY,NY,pp.16.0.5−16.22.17;Sigma−Aldrich,Co.(2001) Products for Life Science Research,St.Louis,MO;pp.45−89;Amersham Pharmacia Biotech(2001) BioDirectory,Piscataway,N.J.,pp.384−391を参照されたい)。ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の生産、精製および断片化は、記載されている(Coligan,et al.(2001) Current Protocols in Immunology,Vol.1,John Wiley and Sons,Inc.,New York;Harlow and Lane(1999) Using Antibodies,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY;上のHarlow and Lane)。リガンド/受容体相互作用の性質決定のための標準的技術は、利用可能である(例えば、Coligan,et al.(2001) Current Protocols in Immunology,Vol.4,John Wiley,Inc.,New Yorkを参照されたい)。
モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体およびヒト化抗体は、調製することができる(例えば、Sheperd and Dean(eds.) (2000) Monoclonal Antibodies,Oxford Univ.Press,New York,NY;Kontermann and Dubel(eds.) (2001) Antibody Engineering,Springer−Verlag,New York;Harlow and Lane(1988) Antibodies A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,NY,pp.139−243;Carpenter,et al.(2000) J.Immunol. 165:6205;He,et al.(1998) J.Immunol. 160:1029;Tang et al.(1999) J.Biol.Chem. 274:27371−27378;Baca et al.(1997) J.Biol.Chem. 272:10678−10684;Chothia et al.(1989) Nature 342:877−883;Foote and Winter(1992) J.Mol.Biol. 224:487−499;U.S.Pat.No.6,329,511を参照されたい)。
ヒト化への代替法は、ファージ上にディスプレイされたヒト抗体ライブラリーまたはトランスジェニックマウスにおけるヒト抗体ライブラリーを用いることである(Vaughan et al.(1996) Nature Biotechnol. 14:309−314;Barbas(1995) Nature Medicine 1:837−839;Mendez et al.(1997) Nature Genetics 15:146−156;Hoogenboom and Chames(2000) Immunol.Today 21:371−377;Barbas et al.(2001) Phage Display:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,New York;Kay et al.(1996) Phage Display of Peptides and Proteins:A Laboratory Manual,Academic Press,San Diego,CA;de Bruin et al.(1999) Nature Biotechnol. 17:397−399)。
抗原の精製は、抗体作製に必要ではない。動物に目的抗原を有する細胞を免疫することができる。脾臓細胞を次いで免疫動物から単離し、脾臓細胞をミエローマ細胞株と融合することでハイブリドーマを生産することができる(例えば、Meyaard et al.(1997) Immunity 7:283−290;Wright et al.(2000) Immunity 13:233−242;上のPreston et al.;Kaithamana et al.(1999) J.Immunol. 163:5157−5164を参照されたい)。
蛍光活性化細胞分取(FACS)を包含するフローサイトメトリー法は、利用可能である(例えば、Owens,et al.(1994) Flow Cytometry Principles for Clinical Laboratory Practice,John Wiley and Sons,Hoboken,NJ;Givan (2001) Flow Cytometry,2nd ed.;Wiley−Liss,Hoboken,NJ;Shapiro(2003) Practical Flow Cytometry,John Wiley and Sons,Hoboken,NJを参照されたい)。例えば、診断薬としての使用のための、核酸プライマーおよびプローブを包含する核酸、ポリペプチドならびに抗体の修飾に適した蛍光試薬は、利用可能である(Molecular Probesy(2003) Catalogue,Molecular Probes,Inc.,Eugene,OR;Sigma−Aldrich(2003) Catalogue,St.Louis,MO)。
免疫系の組織学の標準的方法は、記載されている(例えば、Muller−Harmelink(ed.) (1986) Human Thymus:Histopathology and Pathology,Springer Verlag,New York,NY;Hiatt,et al.(2000) Color Atlas of Histology,Lippincott,Williams,and Wilkins,Phila,PA;Louis,et al.(2002) Basic Histology:Text and Atlas,McGraw−Hill,New York,NYを参照されたい)。
例えば、抗原性断片、リーダー配列、タンパク質フォールディング、機能的ドメイン、グリコシル化部位および配列アラインメントを決定するためのソフトウェアパッケージおよびデータベースは、利用可能である(例えば、GenBank,Vector NTI(登録商標) Suite(Informax,Inc.,Bethesda,MD);GCG Wisconsin Package(Accelrys,Inc.,San Diego,CA);DeCypher(登録商標)(TimeLogic Corp.,Crystal Bay,Nevada);Menne,et al.(2000) Bioinformatics 16:741−742;Menne,et al.(2000) Bioinformatics Applications Note 16:741−742;Wren,et al.(2002) Comput.Methods Programs Biomed. 68:177−181;von Heijne(1983) Eur.J.Biochem. 133:17−21;von Heijne(1986) Nucleic Acids Res. 14:4683−4690を参照されたい)。
本開示のベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、2016年10月4日に出願された米国仮特許出願No.62/404,062中に開示される方法に従って調製され得る。
進行性MC38マウス同系腫瘍モデル
相乗的腫瘍モデルは、特定の分子、経路または細胞型を標的とする剤の抗腫瘍効力(efficiacy)を評価するための、およびヒト腫瘍において類似した特定の分子、経路または細胞型を標的とすることが好都合な臨床転帰につながるという機序的な理論的根拠を提供するための適切なモデルであると認識されている。マウス同系MC38腫瘍モデルは、C57BL/6バックグラウンドにおける腫瘍の発癌誘発により確立されたマウス結腸腺癌細胞株である。この細胞株は免疫原性であると考えられ、免疫調節に反応する。これは、一般に、腫瘍増殖および処置への応答を評価するために皮下(SC)注射される。具体的には、100μLの無血清ダルベッコ変法イーグル培地中の1×10 MC38結腸腺癌細胞のSC用量を各動物の右下側腹内に接種する。腫瘍の進行は、Vernierキャリパーを用いて腫瘍体積を測定することによりモニターする。T.H.Corbett et al.,Tumor Induction Relationships in Development of Transplantable Cancers of the Colon in Mice for Chemotherapy Assays,with a Note on Carcinogen Structure,35(9) Cancer Res. 2434−2439(September 1,1975)を参照されたい。
抗マウスPD−1抗体
下の実施例において、抗マウスPD1抗体と組み合わせた選択されたベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの抗腫瘍効果が、マウス同系腫瘍モデルにおいて評価される。マウス同系腫瘍を組み合わせで処置すると、抗腫瘍活性(腫瘍増殖阻害、腫瘍退縮)が観察される。マウスおよびヒトのいずれの腫瘍浸潤T細胞も高レベルのPD−1を発現しており、これは「疲弊表現型(exhausted phenotype)と呼ばれるものに関連している(Y.Jiang et al.,”T−cell exhaustion in the tumor microenvironment”,Cell Death and Disease 2015,6,e1792を参照されたい)。抗マウスPD−1抗体での処置後のマウス同系腫瘍モデルにおける抗腫瘍効力の誘導は、抗ヒトPD−1抗体でのがん患者の処置が抗腫瘍効力を誘導するという機序的な理論的根拠を提供する(S.Hu−Lieskovan et al.,”Improved antitumor activity of immunotherapy with BRAF and MEK inhibitors in BRAF(V600E) melanoma”,Sci.Transl.Med. 2015 Mar 18;7(279):279ra41;C.D.Pham et al.,”Differential immune microenvironments and response to immune checkpoint blockade among molecular subtypes of murine medulloblastoma”,Clin.Cancer Res. 2016 Feb 1;22(3):582−595;S.Budhu et al.,”The importance of animal models in tumor immunity and immunotherapy”,Curr.Opin.Genet.Dev. 2014,24,46−51を参照されたい)。用いられ得る好適な抗マウスPD−1抗体としては、muDX400(Merck)、InVivoMAbおよびInVivoPlusMAb 抗マウスPD−1クローンJ43(BioXCellからカタログ番号BE0033−2として市販されている)、InVivoMAb 抗マウスPD−1クローン29F.1A12(BioXCellからカタログ番号BE0273として市販されている)、ならびにInVivoMAbおよびInVivoPlusMAb 抗マウスPD−1クローンRMP1−14(BioXCellからカタログ番号BE0146として市販されている)を含む。
実施例1:進行性MC38マウス同系腫瘍モデルにおける抗PD−1抗体と組み合わせたベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの抗腫瘍効力
進行性MC38マウス同系腫瘍モデルにおいてベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストおよび抗マウスPD−1抗体muDX400の組み合わせの抗腫瘍効力を評価するため、8〜12週齢の雌性C57Bl/6マウスのコホートに1×10 MC38細胞を移植する。腫瘍サイズの中央値が約350mmに達したとき、動物を、1群あたりマウス10匹である6つの処置群へとランダム化する。
処置群A:PBSおよびmIgG1(5mg/kg)
処置群B:PBSおよび抗PD−1抗体muDX400(5mg/kg)
処置群C:ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト(5μg)およびmIgG1(5mg/kg)
処置群D:ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト(5μg)および抗PD−1抗体muDX400(5mg/kg)。
ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを3から7日毎に最大30日間、腫瘍内投与する。抗体は、5日毎に5用量を腹腔内投与する。試験期間は投薬レジメンの開始後30日とする。
処置群Aの動物の腫瘍は、急速に進行すると予想される。残りの群は、腫瘍退縮およびいくつかのCRが観察される。抗PD−1 muDX400処置と組み合わせたベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト(処置群D)は、単剤処置群よりも優れた効力を実証すると予想される。
前述の実験が本明細書中に記載される選択された組み合わせを使用して実施されたとき、組み合わせ処置(処置群D)は、処置群Aと比較して顕著な抗腫瘍効力をもたらした。
実施例2:進行性/転移性の固形腫瘍またはリンパ腫を有する患者の処置において抗PD−1抗体と組み合わせたベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストを評価する臨床試験
フェーズIの臨床試験は、進行性または転移性の固形腫瘍またはリンパ腫に対する、静脈内注入でのペンブロリズマブ投与および腫瘍内注射での上記ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト投与からなる組み合わせ治療の効果を部分的に評価するために実施される。本試験は、進行性/転移性の固形腫瘍またはリンパ腫を有する被験者における、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの単剤治療およびペンブロリズマブと組み合わせたベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの非ランダム化2アームマルチサイトオープンラベル試験である。ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、腫瘍内(IT)に投与される。
試験責任医師が医学的に安全でないとみなさない限り、全ての被験者は、スクリーニングの際、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト投与前の、注射を受けることになる腫瘍検体および遠位からの検体を提供することを求められ、同様にサイクル3の15日目にも求められる。注射部位および非注射部位の両方において受け入れられる病変を有する被験者は、注射された病変および注射されなかった病変の両方について、サイクル6の15日目に追加の腫瘍生検を受けることがある。被験者は、サイクル1の1日目の初回用量投与後、24時間の観察期間を経験する。試験内の各サイクルは、21日サイクルである。最初の3サイクルにおける投薬は週1回(Q1W)であり、サイクル4以降における投薬は3週間毎に1回(Q3W)である。
用量漸増は、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストについて、単剤治療としておよびペンブロリズマブとの組み合わせ治療として、出現する安全性および耐容性データに基づいて進める。各用量レベルについて、次に試験される用量レベルを規定するために、安全性および耐容性データの評価がなされる。両処置アームは、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト単独(アーム1)またはペンブロリズマブと組み合わせたベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト(アーム2)の最大耐用量(MTD)または最大投与用量(MAD)を同定するため、加速漸増デザイン(ATD)から始まり、その後に改変された毒性確率間隔(modified toxity probability interval、mTPI)法が続く。試験は、単一の患者コホートにおける10μg用量のベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストから始めて(アーム1、パートA)、以下の3つの判断基準のうちの少なくとも1つを満たす用量までのATDで進める:1)270μgのコホートが完了する、2)いずれかの用量レベルにおけるグレード2≧の非疾患関連毒性、または3)ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの最初のサイクル中の任意の時点における与えられた被験者についての血中の全身性TNF−αのベースライン値を3倍≧上回る上昇。上のトリガー判断基準のうちの少なくとも1つに達することによりADTフェーズが完了したら、試験の単剤治療アーム(アーム1)は、mTPIデザインを用いた用量漸増および確認フェーズ(パートB)に進む。加えて、組み合わせ治療アームであるアーム2(パートC)は、アーム1内で2つの用量レベルが用量制限毒性(DLT)評価により認可されたら開始する。
ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト単剤治療より下位の少なくとも2つの用量レベルである用量から始めて、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストのペンブロリズマブとの組み合わせ治療(アーム2、パートC)を、単一の患者コホートにおいて開始する。アーム2のパートCである、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストのペンブロリズマブとの組み合わせアームにおいて、用量漸増は、以下の3つの判断基準のうちの少なくとも1つを満たす用量レベルまでのATDで進める:1)270μgの組み合わせコホートが完了する、2)いずれかの組み合わせ用量レベルにおけるグレード2≧の非疾患関連毒性、または3)ペンブロリズマブと組み合わせたベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの最初のサイクル中の任意の時点における与えられた被験者についての血中の全身性TNF−αのベースライン値を3倍≧上回る上昇。アーム2は次いで、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストおよびペンブロリズマブの組み合わせのMTD/MADを決定するため、mTPI(アーム2、パートD)に進む。
ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの被験者内用量を次の用量レベルまで増量することは、パートAおよびBを包含するアーム1においてのみ認められる。被験者内用量漸増は、被験者がグレード2≧の毒性を示すことなく3サイクルの処置を受けた後に試験に残るという条件で、および用量漸増が次の用量レベルを超えて進んだという条件で、試験責任医師の裁量で行われる。被験者内用量漸増は、アーム2(パートCおよびD)においては認められない。
アーム1(パートAおよび(b)ならびにアーム2(パートCおよびD)の両方におけるベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの用量漸増の際、各用量レベルにおける最初の2例の被験者各々の間で、少なくとも7日間の観察が行われる。コホートあたり被験者3例までのATDへの過剰登録は、最初の2例の被験者が少なくとも7日の間をあけてベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト処置を受けるという条件で認められる。MTD/MADを決定するためのベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの用量漸増は、DLT率を30%とすることを狙って、mTPIデザインにより導かれる。ペンブロリズマブと組み合わせて用いられるベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの用量は、単剤治療のベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト用量より下位の少なくとも2つの用量レベルであり、単剤治療のためのMTDを超えない。単剤治療アームのためのMTDが確立したら、組み合わせにおけるベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストの用量はその用量までの漸増を続け得る。例えば、単剤治療(アーム1、パートA)についてのMTDが90μgであれば、組み合わせ治療(アーム2、パートC)のための初発用量は、単剤治療においてDLTが生じなければ、90μgまでの最大用量漸増を伴う10μgであり得る。単剤治療(アーム1、パートA)についてのMTDが≦30μgであれば、組み合わせ治療のための初発用量は、10μgとなる。単剤治療(アーム1、パートA)において、270μgの用量レベルを完了すれば、組み合わせ治療(アーム2、パートC)における初発用量は、90μgとなる。
200mgの固定用量の静脈内ペンブロリズマブが、アーム2において3週毎に投与される。アーム1およびアーム2の両方において、mTPIの際、各用量レベルにおいて最低3例の被験者が必要とされる。mTPIフェーズの被験者は、コホートあたり3から6例までであり、DLTの発生に基づいて用量レベルあたり14例までの被験者が登録され得る。したがって、mTPIの際、用量制限毒性(DLT)の発生に応じて、用量レベルあたり14例までの被験者が登録され得る。被験者は、割り付けられた処置を処置開始から35サイクル(約2年)まで継続し得る。処置は、次のもののうちの1つが起こるまで継続し得る:疾患の進行、許容できない有害事象(類)、さらなる処置の投与を妨げる併発病、被験者を退かせるという試験責任医師の決定、被験者の同意の撤回、被験者の妊娠、試験処置または手順要件の不遵守、または処置の中止を必要とする管理上の理由。
ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストでの単剤治療(アーム1)に対する臨床的またはX線検査での評価により先に進む被験者は、被験者がクロスオーバー適格性判断基準を満たすという条件で、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストおよびペンブロリズマブの組み合わせアーム(アーム2)へとクロスオーバーし得る。アーム1からアーム2にクロスオーバーする被験者は、アーム2内での35サイクルまでの処置に適格である。クロスオーバーする被験者は、アーム2の開始時にアーム2に入る。
アーム1への処置割り当ては、双方向音声応答システム/統合ウェブ応答システム(IVRS/IWRS)を通じた非ランダム割り付けにより達成される。両処置アームが登録のためにオープンであるとき、IVRS/IWRSは、アーム1から始めてアーム1とアーム2との間で交互に被験者の割り付けを行う。ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストおよびペンブロリズマブの組み合わせ治療(アーム2)におけるMTD/MADの確立は、アーム2中の被験者の少なくとも半数が前にベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストに暴露されていない(すなわち非クロスオーバー被験者である)ことを必要とする。ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト未経験の新たな被験者(非クロスオーバー被験者)は、優先してアーム2に登録される。
試験の用量漸増および確認パートに登録される最終的な被験者の数は、経験的な安全性データ(とりわけどの用量でmTPIデザインが開始し、どの用量で予備的に推奨されるフェーズ2用量が特定されるかについてのDLTの観察)に依存する。例えば、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト単剤治療を10μgから開始し、最大用量まで継続するシナリオにおいては、パートAおよびパートBにわたるサンプルサイズは被験者約40例となり得る。ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストのペンブロリズマブとの組み合わせ治療の場合、アーム2を200mgのペンブロリズマブを伴う10μgのベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストから開始し、最大用量まで継続するシナリオにおいては、パートCおよびパートDにわたるサンプルサイズは被験者約40例となり得る。このシナリオにおいて、パートA〜Dにわたる総サンプルサイズは、被験者約80例となる。管理上の解析が将来の試験計画を可能にするために試験依頼者の裁量で実施され得て、用量漸増および確認の決定ができるようにデータは継続的に調べられる。
試験は、臨床試験実施基準(Good Clinical Practice)に準拠して実施される。
有害事象(AE)は、National Cancer Institute(NCI) Common Terminology Criteria for Adverse Events(CTCAE) v4中に概説される基準に従って評価される。
上で論じたおよび他の様々な特徴および機能またはそれらの代替は、他の多くの異なるシステムまたは用途へと望ましく組み合わされ得ることが理解される。また、その中の様々な現時点で予期または予想されない代替、改変、バリエーションまたは改良が後に当業者によりなされ得て、これもまた次の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (13)

  1. その必要がある対象に
    a)PD−1アンタゴニスト;および
    b)ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニスト
    を含む組み合わせ治療を投与することを含む、細胞増殖障害を処置する方法であって;
    PD−1アンタゴニストは、21日毎に1回投与され;および
    ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、3から28日毎に1回投与され;そして
    ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストは、式(Ia):
    Figure 2020529421

    の化合物または薬学的に許容されるその塩から選択され、ここで
    は、H、ハロゲン、OR、N(R、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、N(Rにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;
    は、ハロゲン、CN、OR、N(R、COOR、C(O)N(R、SO、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、ORにより置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、ORにより置換されたC−Cアルキニル、C−CシクロアルキルならびにO、S、NおよびN(R)よりなる群から選択される1から2個の環員を包含する3員から6員の複素環式環よりなる群から選択され;
    は、ハロゲン、CN、OR、N(R、COOR、C(O)N(R、SO、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルケニル、ORにより置換されたC−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−Cハロアルキニル、ORにより置換されたC−Cアルキニル、C−CシクロアルキルならびにO、S、NおよびN(R)よりなる群から選択される1から2個の環員を包含する3員から6員の複素環式環よりなる群から選択され;
    は、H、ハロゲン、OR、N(R、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、N(Rにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;
    は、H、ハロゲン、OR、N(R、CN、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、COORおよびC(O)N(Rから選択され;
    各Rは、独立して、H、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群から選択され;XはC(O)であり;Xは(C(R(1−3)であり;
    各Rは、独立して、H、ハロゲン、C−Cアルキル、CN、OR、N(R、C−Cハロアルキル、C−Cシクロアルキル、ORにより置換されたC−Cアルキル、およびN(Rにより置換されたC−Cアルキルよりなる群から選択され;
    2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員の縮合環を形成してもよく;
    2個のRは、それらが結合している原子と一緒になって3員から6員のスピロ環を形成してもよく;
    は、COOR、C(O)SR、C(S)OR、SOおよびC(O)N(Rよりなる群から選択され;そして
    各Rは、独立して、H、COORおよびSOよりなる群から選択され;
    ここで、X−X−XがX−CHR−XまたはX−CHRCH−Xであるとき、RおよびRのうちの少なくとも1つは、ハロゲン、OR、C−CアルキルおよびC−Cハロアルキルよりなる群からは選択されない、前記方法。
  2. 細胞増殖障害が、がんである、請求項1に記載の方法。
  3. がんが、1以上の固形腫瘍またはリンパ腫として生じる、請求項2に記載の方法。
  4. がんが、進行性または転移性の固形腫瘍およびリンパ腫よりなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  5. がんが、悪性黒色腫、頭頸部扁平上皮癌、乳房腺癌およびリンパ腫よりなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  6. リンパ腫が、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫、粘膜関連リンパ組織(mucosa−associated lymphoid tissue、malt)の節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、原発性浸出液リンパ腫、バーキットリンパ腫、退形成性大細胞リンパ腫(原発性皮膚型)、退形成性大細胞リンパ腫(全身型)、末梢性T細胞リンパ腫、血管免疫芽細胞性T細胞リンパ腫、成人T細胞リンパ腫、節外性鼻型NK/T細胞リンパ腫、腸管症関連T細胞リンパ腫、ガンマ/デルタ肝脾T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、菌状息肉腫およびホジキンリンパ腫よりなる群から選択される、請求項3から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 細胞増殖障害が、転移したがんである、請求項2に記載の方法。
  8. PD−1アンタゴニストが、抗PD−1モノクローナル抗体である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. PD−1アンタゴニストが、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブおよびAMP−224よりなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. PD−1アンタゴニストが、ニボルマブである、請求項9に記載の方法。
  11. PD−1アンタゴニストが、ペンブロリズマブである、請求項9に記載の方法。
  12. ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストが:
    Figure 2020529421

    または薬学的に許容されるその塩よりなる群から選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. PD−1アンタゴニストが静脈内注入により投与され、そして、ベンゾ[b]チオフェンSTINGアゴニストが、経口的に、静脈内注入により、腫瘍内注射によりまたは皮下注射により投与される、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
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