JP2020188640A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】HFO1123を含む作動媒体を用いた冷凍サイクル装置の信頼性を高める。【解決手段】1,1,2−トリフルオロエチレンを含む作動媒体を封入した冷凍サイクル装置において、圧縮機は電動機部162と圧縮機構部163と潤滑油とを密閉容器161内に含み、前記電動機部は固定子167と固定子巻線170とを有し、前記固定子巻線のコイルエンド170aを樹脂材で被覆した構成としている。これにより、コイルエンド170aへの作用媒体の浸入を防ぐことができ、電動機部162が異常に発熱して固定子巻線170のコイルエンド170aでレイヤーショートが生じても、コイルエンド170aに作用媒体が介在しないため不均化反応の発生を防止することができる。よって、1,1,2−トリフルオロエチレンを含む作動媒体を封入した冷凍サイクル装置の信頼性を向上させることができる。【選択図】図2
Description
本発明は、HFO1123を含む作動媒体を用いる冷凍サイクル装置に関する。
一般に、冷凍サイクル装置は、圧縮機、必要に応じて四方弁、放熱器(または凝縮器)、キャピラリーチューブや膨張弁等の膨張手段、蒸発器、等を配管接続して冷凍サイクルを構成し、その内部に冷凍サイクル用作動媒体(冷媒または熱媒体)を循環させることにより、冷却または加熱作用を行っている。
これらの冷凍サイクル装置における冷凍サイクル用作動媒体(以下、単に作動媒体と称す)としては、フロン類(フロン類はR○○またはR○○○と記すことが、米国ASHRAE34規格により規定されている。以下、R○○またはR○○○と示す)と呼ばれるメタンまたはエタンから誘導されたハロゲン化炭化水素が知られている。
上記のような冷凍サイクル装置用作動媒体としては、R410Aが多く用いられているが、R410A冷媒の地球温暖化係数(GWP)は2090と大きく、地球温暖化防止の観点から問題がある。
そこで、地球温暖化防止の観点からは、GWPの小さな冷媒として、例えば、HFO1123(1,1,2−トリフルオロエチレン)や、HFO1132(1,2−ジフルオロエチレン)が提案されている(例えば特許文献1または特許文献2)。
しかしながら、上記HFO1123(1,1,2−トリフルオロエチレン)や、HFO1132(1,2−ジフルオロエチレン)は、R410Aなどの従来の冷媒に比べて安定性が低く、ラジカルを生成した場合、不均化反応により別の化合物に変化する恐れがある。
不均化反応は大きな熱放出を伴うため、圧縮機や冷凍サイクル装置の信頼性を低下させる恐れがある。このため、HFO1123やHFO1132を圧縮機や冷凍サイクル装置に用いる場合には、この不均化反応を抑制する必要がある。
このような不均化反応は、過度に高温高圧となった雰囲気下、特に圧縮機内にて高温高圧となり、高エネルギが付加されると、これが起点となって発生する。
例えば、一例を挙げると、正常な運転条件下ではない状態、すなわち、凝縮器側の送風ファン停止、冷凍サイクル回路の閉塞等によって、吐出圧力(冷凍サイクルの高圧側)が過度に上昇し、これに伴い温度も過度に上昇する。
このような状態下で圧縮機のロック異常が生じ、このロック異常下においても、圧縮機への電力供給を続けられると、圧縮機の電動機へ電力が過剰に供給され、電動機が異常に発熱する。その結果、電動機の固定子を構成する固定子巻線の絶縁が溶融破壊されて導線同士でレイヤーショートと呼ばれる現象を引き起こし、これが高エネルギ源となって不均化反応を誘起することになる。
そして、一旦、不均化反応が発生すると、連鎖反応により瞬間的に且つ部分的(圧縮機内部)に高い圧力上昇が生じ、圧縮機や冷凍サイクル装置の信頼性を低下させる恐れがある。よって、不均化反応を抑制することが重要である。
本発明は、このような点に鑑みてなしたもので、HFO1123を含む作動媒体を用いた冷凍サイクル装置の信頼性を向上させることを目的としたものである。
本発明は、上記目的を達成するため、圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と、蒸発器とを接続して構成した冷凍サイクル回路に1,1,2−トリフルオロエチレンを含む作動媒体を封入した冷凍サイクル装置において、前記圧縮機は電動機部と圧縮機構部と潤滑油とを密閉容器内に含み、前記電動機部は固定子と固定子巻線とを有し、前記固定子巻線のコイルエンドは樹脂材で被覆した構成としている。
上記構成により、コイルエンドへの作用媒体の浸入を防ぐことができ、電動機部が異常に発熱して固定子巻線のコイルエンドでレイヤーショートが生じても、レイヤーショートが発生した部位に作用媒体が存在することがないため、レイヤーショートによる高エネルギー源が作用媒体と接触せず、不均化反応の発生を防止することができる。
本発明は、上記構成により、HFO1123を含む作動媒体を用いた信頼性の高い冷凍サイクル装置を提供することができる。
第1の発明は、圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と、蒸発器とを接続して構成した冷凍サイクル回路に1,1,2−トリフルオロエチレンを含む作動媒体を封入した冷凍サイクル装置であって、前記圧縮機は電動機部と圧縮機構部と潤滑油とを密閉容器内に含み、前記電動機部は固定子と固定子巻線とを有し、前記固定子巻線のコイルエンドは樹脂材で被覆した構成としている。
これにより、コイルエンドへの作用媒体の浸入を防ぐことができ、電動機部が異常に発熱して固定子巻線のコイルエンドでレイヤーショートが生じても、レイヤーショートが発生した部位に作用媒体が存在することがないため、レイヤーショートによる高エネルギー源が作用媒体と接触せず、不均化反応の発生を防止することができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記樹脂材は、熱収縮フィルムであり、前記コイルエンドを被覆する構成としている。
これにより、コイルエンドへの作用媒体の浸入を防ぐことができ、電動機部が異常に発熱して固定子巻線のコイルエンドでレイヤーショートが生じても、レイヤーショートが発生した部位に作用媒体が存在することがないため、レイヤーショートによる高エネルギー源が作用媒体と接触せず、不均化反応の発生を防止することができる。
また、熱収縮フィルムでコイルエンドを被覆した構成であり、廉価な部材で不均化反応の発生を防止する効果を得ることができる。
第3の発明は、第1の発明において、前記樹脂材は、ディッピング樹脂であり、コイルエンドに樹脂をディッピング加工している。
コイルエンドへの作用媒体の浸入を防ぐことができ、電動機部が異常に発熱して固定子巻線のコイルエンドでレイヤーショートが生じても、レイヤーショートが発生した部位に作用媒体が存在することがないため、レイヤーショートによる高エネルギー源が作用媒体と接触せず、不均化反応の発生を防止することができる。
また、ディッピング樹脂は、コイルエンドをディッピング加工した樹脂の被覆であり、その被覆を介して排熱作用を働かせて圧縮機の性能を確保しつつ、不均化反応の発生を防止できる。すなわち、圧縮機性能の確保と不均化反応の発生防止の両立を図り、信頼性を大きく向上させることができる。
第4の発明は、第1または3の発明において、前記樹脂材は、樹脂を主成分とするワニスであり、前記コイルエンドに前記ワニスを含浸している。
コイルエンドへの作用媒体の浸入を防ぐことができ、電動機部が異常に発熱して固定子巻線のコイルエンドでレイヤーショートが生じても、レイヤーショートが発生した部位に作用媒体が存在することがないため、レイヤーショートによる高エネルギー源が作用媒体と接触せず、不均化反応の発生を防止することができる。
また、ワニスの含浸によりコイルエンドを被覆した構成であり、簡易な工法で不均化反応の発生をより確実に防止することができる。
第5の発明は、第1〜4の発明において、前記樹脂材は、絶縁樹脂であることを特徴とした構成である。
これにより、絶縁部材で被覆されている固定子巻線の絶縁性能を高め、レイヤーショートの発生そのものを抑制する効果が高まり、不均化反応の発生を防止して、信頼性を大きく向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の概略構成図、図2は同冷凍サイクル装置に用いた圧縮機の縦断面図である。
図1は本発明の実施の形態1に係る冷凍サイクル装置の概略構成図、図2は同冷凍サイクル装置に用いた圧縮機の縦断面図である。
本実施の形態の冷凍サイクル装置10は、本発明を空気調和機に適用した場合を示し、図1に示すように、室内機11、室外機12、並びにこれらを接続する配管13を備えており、室内機11は蒸発器或いは凝縮器として使用される熱交換器14を備え、室外機12は凝縮器或いは蒸発器として使用される熱交換器15、圧縮機16、減圧装置17、及び制御器18を備えている。
室内機11の熱交換器14と室外機12の熱交換器15とは、配管13で環状に接続され、これにより冷凍サイクルが形成されている。
具体的には、室内機11の熱交換器14、圧縮機16、室外機12の熱交換器15、減圧装置17の順で配管13により環状に接続されている。また、熱交換器14、圧縮機16、および熱交換器15を接続する配管13には、冷暖房切換用の四方弁19が設けられている。なお、室内機11は、図示しない送風ファン、温度センサ、操作部等を備えており、室外機12は、図示しない送風機、アキュームレータ等を備えている。さらに、配管13には、図示しない各種弁装置(四方弁19も含む)、ストレーナ等が設けられている。
室内機11が備える熱交換器14は、送風ファンにより室内機11の内部に吸い込まれた室内空気と、熱交換器14の内部を流れる作動媒体との間で熱交換を行う。室内機11は、暖房時には熱交換により暖められた空気を室内に送風し、冷房時には熱交換により冷却された空気を室内に送風する。室外機12が備える熱交換器15は、送風機により室外機12の内部に吸い込まれた外気と熱交換器15の内部を流れる作動媒体との間で熱交換を行う。
図2は上記冷凍サイクル回路に用いられる圧縮機16を示し、この圧縮機16は、本実施の形態では密閉型のロータリ式圧縮機によって構成されており、密閉容器161の内部に、電動機部162と圧縮機構部163が収納され、内部は高温高圧の作動媒体と潤滑油で満たされ、底部は潤滑油を溜める貯油部164となっている。
電動機部(モータ)162は、所謂ブラシレス・モータであり、圧縮機構部163のクランクシャフト165に固定された回転子166と、回転子166の周囲に設けられた固定子167とを備えている。
回転子166は、回転子鉄心に永久磁石を装着一体化して構成されている。また、固定子167は、固定子鉄心に絶縁紙を介して固定子巻線170を分散巻し構成されている。なお、固定子巻線170は集中巻きにして構成してもよい。
上記固定子巻線170は絶縁部材によって被覆されており、その絶縁は、エナメル或いはエナメルと、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、アラミドポリマー、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等々の二重被覆からなっている。
また、固定子巻線170からはリード線171が引き出されており、リード線171の他端は給電ターミナル172に接続されている。給電ターミナル172は、3つの端子を備え、それぞれの端子は、インバータ式の制御器18(図1参照)に接続されている。
制御器18は、外部電源20(図1参照)から電源供給を受けてスイッチング素子により、回転子166に回転磁界が発生するよう固定子巻線170に電流を流している。
圧縮機構部163は、圧縮室173を形成するシリンダ174と、シリンダ174内の圧縮室173に配置したローリングピストン175を有している。ローリングピストン175は、前記クランクシャフト165の回転によりベーン(図示せず)に当接しながら圧縮室内で回転運動し、吸入管179から作動媒体を吸引して圧縮する。
圧縮した作動媒体は、吐出マフラー176から密閉容器161内の容器内空間177に吐出され、吐出管178から圧縮機構部163の外へと吐出される。
なお、この圧縮機構部163はシリンダ174を上下二段有するものとしているが、これはシリンダ174が一段だけのものであってもよいものである。
また、この圧縮機16は、上記圧縮室173での液圧縮を防止するため、吸入管179にはアキュームレータ180が設けられている。アキュームレータ180は、作動媒体を気液分離し、冷媒ガスだけを吸入管179に導く。
次に上記冷凍サイクル回路内に封入した作動媒体について説明する。
本冷凍サイクル回路に封入した作動媒体は、冷媒成分として、少なくとも1,1,2−トリフルオロエチレン(HFO1123)を含有している。1,1,2−トリフルオロエチレンは、次に示す式(1)の構造を有しており、エチレンの1位の炭素原子(C)に結合する2つの水素原子(H)がフッ素(F)に置換されているとともに、2位の炭素原子に結合する2つの水素原子のうち一方がフッ素に置換されている構造を有している。
1,1,2−トリフルオロエチレンは、炭素−炭素二重結合を含む。大気中のオゾンは、光化学反応によってヒドロキシルラジカル(OHラジカル)を生成するが、このヒドロキシルラジカルにより二重結合が分解されやすい。そのため、1,1,2−トリフルオロエチレンは、オゾン層破壊および地球温度化への影響が少ないものとなっている。
しかしながら、1,1,2−トリフルオロエチレンは、この良好な分解性により既述した如く高温高圧条件下でレイヤーショート等の高エネルギが付加されると急激な不均化反応を引き起こす。この不均化反応は、1,1,2−トリフルオロエチレンの分子が分解する自己分解反応が発生するとともに、この自己分解反応に続いて、分解により生じた炭素が重合して煤となる重合反応等が発生する。高温高圧状態においてレイヤーショート等により活性ラジカルが発生すると、この活性ラジカルと1,1,2−トリフルオロエチレンとが反応して前述した不均化反応が発生する。この不均化反応は発熱を伴うことから、この発熱により活性ラジカルが発生し、さらに、この活性ラジカルにより不均化反応が誘発される。このように、活性ラジカルの発生と不均化反応の発生とが連鎖することで、不均化反応が急激に進行する。
そこで、本発明では、図3または図4に示すように、不均化反応の発生源となるレイヤーショートが発生する固定子巻線170のコイルエンド170aを樹脂材181で被覆した構成としている。
ここで、図3は固定子の斜視図、図4は固定子の要部断面の拡大斜視図である。
図3または4において、固定子巻線170のコイルエンド170aは、熱収縮フィルム182を用いて被覆した構成で、コイルエンド170aの巻線全体を包み込む状態で覆ってある。
次に上記のように構成した冷凍サイクル装置10の作用効果について以下説明する。
まず、冷凍サイクル装置の基本的な動作を簡単に説明しておく。冷房運転または除湿運転では、室外機12の圧縮機16は作動媒体を圧縮して吐出し、圧縮された作動媒体は四方弁19を介して室外機12の熱交換器15に送出される。熱交換器15は外気と作動媒体とを熱交換するので、作動媒体は凝縮して液化する。液化した作動媒体は減圧装置17により減圧され、室内機11の熱交換器14に送出される。熱交換器14では、室内空気との熱交換により作動媒体が蒸発してガス化した作動媒体となる。この作動媒体は、四方弁19を介して室外機12の圧縮機16に戻る。圧縮機16は作動媒体を圧縮して四方弁19を介して再び熱交換器15に吐出する。
また、暖房運転では、室外機12の圧縮機16は作動媒体を圧縮して吐出し、これにより作動媒体は四方弁19を介して室内機11の熱交換器14に送出される。熱交換器14では、室内空気との熱交換により作動媒体が凝縮して液化する。液化した作動媒体は、減圧装置17により減圧されて気液二相媒体となり、室外機12の熱交換器15に送出される。熱交換器15は外気と気液二相媒体とを熱交換するので、気液二相媒体は蒸発してガス化した作動媒体となり、圧縮機16に戻る。圧縮機16はガス化した作動媒体を圧縮して四方弁19を介して再び室内機11の熱交換器14に吐出する。
ここで、上記運転中、例えば、凝縮器側の送風ファン停止、冷凍サイクル回路の閉塞等が生じると、作動媒体の吐出圧力(冷凍サイクルの高圧側)が過度に上昇する。これに伴い圧縮機16内の温度が大きく上昇し、ついには固定子巻線170の絶縁が破壊されてコイルエンド170aでレイヤーショートが発生する。
しかし、本発明の実施の形態では、熱収縮フィルム182でコイルエンド170aを被覆した構成であり、熱収縮フィルム182の内部への作用媒体の浸入を防ぐことができ、これにより電動機部162が異常に発熱して固定子巻線170のコイルエンド170aでレイヤーショートが生じても、コイルエンド170a上のレイヤーショートが発生した部位に作用媒体が存在することがないため、レイヤーショートによる高エネルギー源が作用媒体と接触せず、不均化反応の発生を防止することができる。また、熱収縮フィルム182でコイルエンド170aを被覆した構成であり、廉価な部材で不均化反応の発生を防止する効果を得ることができる。
(実施の形態2)
図5は固定子の要部斜視図である。
図5は固定子の要部斜視図である。
本発明の実施の形態は、図5に示すように、コイルエンド170aを液状の絶縁樹脂の中に浸漬してコーティングする工法で、ディッピング樹脂183をコイルエンド170aに被覆した構成としたものである。
本発明の実施の形態では、実施の形態1と同様に、コイルエンドへの作用媒体の浸入を防ぐことができ、電動機部が異常に発熱して固定子巻線のコイルエンドでレイヤーショートが生じても、レイヤーショートが発生した部位に作用媒体が存在することがないため、レイヤーショートによる高エネルギー源が作用媒体と接触せず、不均化反応の発生を防止することができる。
特に本実施の形態では、コイルエンド170aをディッピング樹脂183で被覆したものであり、その被覆は熱伝達率が高いものであるので、これを介してコイルの発生する熱に対する排熱作用を働かせて圧縮機の性能を確保しつつ、不均化反応の発生を防止できる。すなわち、圧縮機性能の確保と不均化反応の発生防止の両立を図り、信頼性を大きく向上させることができる。
なお、上記以外の構成及び作用効果は実施の形態1と同様であり、説明は省略する。
(実施の形態3)
図6は固定子の要部断面の拡大斜視図である。
図6は固定子の要部断面の拡大斜視図である。
本発明の実施の形態は、図6に示すように、樹脂材として、絶縁ワニス184をコイルエンド170aに滴下含浸または、刷毛などで塗布し、その後、乾燥して固着し、コイルエンド170aを被覆した構成としたものである。
本発明の形態では、実施の形態1と同様に、コイルエンドへの作用媒体の浸入を防ぐことができ、電動機部が異常に発熱して固定子巻線のコイルエンドでレイヤーショートが生じても、レイヤーショートが発生した部位に作用媒体が存在することがないため、レイヤーショートによる高エネルギー源が作用媒体と接触せず、不均化反応の発生を防止することができる。
特に本実施の形態では、コイルエンド170aを樹脂を主成分とするワニスで含浸したものであり、コイルエンド170aを被覆した構成であり、簡易な工法で不均化反応の発生をより確実に防止することができる。
なお、上記以外の構成及び作用効果は実施の形態1と同様であり、説明は省略する。
また、コイルエンドを被覆する樹脂材181は、絶縁樹脂、例えばポリイミド樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エラストマー等で形成することで、絶縁部材で被覆されている固定子巻線の絶縁性能を高め、レイヤーショートの発生そのものを抑制する効果が高まり、不均化反応の発生を防止して、信頼性を大きく向上させることができる。
以上のように、本実施の形態の冷凍サイクル装置は不均化反応の発生を防止できる。
なお、本発明について冷凍サイクル装置を空気調和機とした場合を例にして説明したが、これは圧縮機、凝縮器、膨張手段、および蒸発器等の構成要素が配管にて接続された冷凍サイクル装置であれば具体的な適用例は特に限定されず、例えば、冷蔵庫(家庭用、業務用)、除湿器、ショーケース、製氷機、ヒートポンプ式給湯機、ヒートポンプ式洗濯乾燥機、自動販売機等であってもよいものである。
また、本実施の形態では、圧縮機として、ロータリ式圧縮機を例にして説明したが、これは他の圧縮形式、例えば、スクロール式、レシプロ式などの容積式圧縮機、もしくは、遠心式圧縮機等、いずれの圧縮機であってもよいものである。
上述したように本発明は、HFO1123を含む作動媒体を用いた冷凍サイクル装置の信頼性を向上させることができる。したがって、住居及び業務用の各エアコン、カーエアコン、給湯器、冷凍冷蔵庫、ショーケース、除湿機等の用途に幅広く適用することができる。
10 冷凍サイクル装置
11 室内機
12 室外機
13 配管
14 熱交換器
15 熱交換器
16 圧縮機
17 減圧装置
18 制御器
19 四方弁
20 外部電源
161 密閉容器
161a 胴シェル
162 電動機部
163 圧縮機構部
164 貯油部
165 クランクシャフト
166 回転子
167 固定子
167a 端面
170 固定子巻線
170a コイルエンド
171 リード線
172 給電ターミナル
173 圧縮室
174 シリンダ
176 吐出マフラー
177 容器内空間
178 吐出管
179 吸入管
180 アキュームレータ
181 樹脂材
182 熱収縮フィルム
183 ディッピング樹脂
184 絶縁ワニス
11 室内機
12 室外機
13 配管
14 熱交換器
15 熱交換器
16 圧縮機
17 減圧装置
18 制御器
19 四方弁
20 外部電源
161 密閉容器
161a 胴シェル
162 電動機部
163 圧縮機構部
164 貯油部
165 クランクシャフト
166 回転子
167 固定子
167a 端面
170 固定子巻線
170a コイルエンド
171 リード線
172 給電ターミナル
173 圧縮室
174 シリンダ
176 吐出マフラー
177 容器内空間
178 吐出管
179 吸入管
180 アキュームレータ
181 樹脂材
182 熱収縮フィルム
183 ディッピング樹脂
184 絶縁ワニス
Claims (5)
- 圧縮機と、凝縮器と、膨張手段と、蒸発器とを接続して構成した冷凍サイクル回路に1,1,2−トリフルオロエチレンを含む作動媒体を封入した冷凍サイクル装置であって、前記圧縮機は電動機部と圧縮機構部と潤滑油とを密閉容器内に含み、前記電動機部は固定子と固定子巻線とを有し、前記固定子巻線のコイルエンドを樹脂材で被覆したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
- 前記樹脂材は、熱収縮フィルムであり、前記コイルエンドを被覆する構成としたことを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル装置。
- 前記樹脂材は、ディッピング樹脂であり、前記コイルエンドに樹脂をディッピング加工したことを特徴とする請求項1記載の冷凍サイクル装置。
- 前記樹脂材は、樹脂を主成分とするワニスであり、前記コイルエンドにワニスを含浸したことを特徴とする請求項1または3のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
- 前記樹脂材は、耐熱性の絶縁樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷凍サイクル装置。
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