JP2020166288A - 光学部材の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
Description
所望のサイズの光学部材を得る方法として、光学フィルム及び粘着剤層を有する原反積層体をレーザや刃で切断することが知られている(特許文献1、2参照)。
まず、図1の(a)に示すように、光学フィルム50、及び、光学フィルム50の一方の面に設けられた粘着剤層80を有し、その端面Eに粉体fが付着した積層体100を準備する。なお、端面Eは積層体100の外側の端面に限定されない。例えば、図1の(b)に示すように、積層体100が積層方向に貫通するホールHを有する場合には、ホールHの内壁すなわち積層体100の内側の端面Eにも穴開け屑などの粉体fが付着していることがある。
光学フィルム50とは、可視光の少なくとも一部を透過させるフィルムである。
光学フィルム50の例は、偏光子、保護フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム、ウィンドウフィルム、タッチセンサであり、光学フィルム50は、これらのフィルムの単一種を複数有する積層構造を有しても良く、これらのフィルムの複数種を有する積層構造を有してもよい。
偏光子とは、直線偏光の透過率が面内の直交2方向において互いに異なるフィルムである。偏光子の材料としては、従来から偏光子の製造に使用されている公知の材料を用いることができ、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン/酢酸ビニル(EVA)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。なかでもポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。これらの樹脂フィルムを延伸処理した後、ヨウ素又は二色性染料による染色及びホウ酸処理を施すことによりフィルム状の偏光子(フィルム型偏光子)を得ることができる。
この方法で製造される液晶塗布光型偏光子は、前記フィルム型偏光子に比べて厚さを薄くすることができる。前記液晶塗布光型偏光子の厚さは、0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmである。
このようにして製造した前記液晶偏光子は基材から剥離してもよい。液晶塗布型偏光子を、基材から剥離する方法としては例えば、第2の基材を液晶塗布型偏光子の基材が積層していない面に貼り合わせてから、基材を剥離することで、液晶塗布型偏光子―第2の基材からなる積層体を得る方法を用いることで、液晶塗布型偏光子を第2の基材に転写することもできるし、第2の基材に転写することなく、前記基材に積層されたままとすることもできる。前記基材あるいは前記第2の基材が、保護フィルムや位相差板、ウィンドウフィルムの透明基材としての役割を担うことも好ましい。
保護フィルムは、偏光子等の他の光学フィルム、及び/又は、積層体100がその後貼り付けられる光学デバイス(液晶セルなど)の傷つき等の破損を防止する透明フィルムである。保護フィルムは、各種の透明樹脂フィルムであることができる。
トリアセチルセルロースを代表例とするセルロース系樹脂;
ポリプロピレン系樹脂を代表例とするポリオレフィン系樹脂;
ノルボルネン系樹脂を代表例とする環状オレフィン系樹脂;
ポリメチルメタクリレート系樹脂を代表例とするアクリル系樹脂;及び
ポリエチレンテレフタレート系樹脂を代表例とするポリエステル系樹脂である。これらの中でも、セルロース系樹脂が代表的である。
保護フィルムの厚さは、例えば、5〜90μmであることができる。
前記ラジカル重合性化合物とは、ラジカル重合性基を有する化合物である。前記ラジカル重合性基としては、ラジカル重合反応を生じ得る官能基であればよく、炭素‐炭素不飽和二重結合を含む基等が挙げられ、ビニル基、(メタ)アクリロイル基等が例示される。なお、前記ラジカル重合性化合物が、1分子中に2個以上のラジカル重合性基を有する場合、これらのラジカル重合性基はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。前記ラジカル重合性化合物が、1分子中に、2個以上のラジカル重合性基を有する場合、得られるハードコート層の硬度が向上する傾向がある。前記ラジカル重合性化合物としては、反応性の高さの点から、中でも(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましく、例えば、1分子中に2〜6個の(メタ)アクリロイル基を有する多官能アクリレートモノマーと称される化合物や、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートと称される分子内に数個の(メタ)アクリロイル基を有し、分子量が数百から数千のオリゴマーが挙げられる。(メタ)アクリロイル基を有する化合物の中でも、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエステル(メタ)アクリレートから選択された1種以上が好ましい。
前記カチオン重合性化合物とは、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルエーテル基等のカチオン重合性基を有する化合物である。前記カチオン重合性化合物の1分子中に有するカチオン重合性基の数は、得られるハードコート層の硬度を向上する観点から、2つ以上であることが好ましく、3つ以上であることがさらに好ましい。また、前記カチオン重合性化合物としては、エポキシ基及びオキセタニル基の少なくとも1種のカチオン重合性基を有する化合物が好ましい。エポキシ基やオキセタニル基の環状エーテル基は、重合反応に伴う収縮が小さいという利点がある。また、環状エーテル基のうちエポキシ基を有する化合物は多様な構造の化合物が、市場から容易に入手し易く、得られるハードコート層の耐久性に悪影響を与え難い。ハードコート組成物が、ラジカル重合性化合物及びカチオン重合性化合物を併用したものである場合、エポキシ基を有する化合物は、ラジカル重合性化合物との相溶性もコントロールし易いという利点がある。また、環状エーテル基のうちオキセタニル基は、エポキシ基と比較して重合度が高くなり易く、低毒性であり、得られるハードコート層のカチオン重合性化合物から得られるネットワーク形成速度を早め、ラジカル重合性化合物と混在する領域でも未反応のモノマーを膜中に残さずに独立したネットワークを形成する等の利点がある。
脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテル;
シクロヘキセン環、シクロペンテン環含有化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化する事によって得られる脂環族エポキシ樹脂;
脂肪族多価アルコール、又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル;
脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル;
グリシジル(メタ)アクリレートのホモポリマー、コポリマーなどの脂肪族エポキシ樹脂;
ビスフェノールA、ビスフェノールFや水添ビスフェノールA等のビスフェノール類、又はそれらのアルキレンオキサイド付加体、カプロラクトン付加体等の誘導体と、エピクロルヒドリンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル;
及びノボラックエポキシ樹脂等でありビスフェノール類から誘導されるグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
活性エネルギー線ラジカル重合開始剤としては、分子の分解でラジカルが生成されるType1型ラジカル重合開始剤と、3級アミンと共存して水素引き抜き型反応でラジカルを生成するType2型ラジカル重合開始剤があり、これらは、単独でまたは併用して使用することもできる。
カチオン重合開始剤は、活性エネルギー線照射及び加熱の少なくともいずれかによりカチオン重合を開始させる物質を放出することが可能であればよい。カチオン重合開始剤としては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、シクロペンタジエニル鉄(II)錯体等が使用できる。これらは、構造の違いによって活性エネルギー線照射または加熱のいずれかまたはいずれでもカチオン重合を開始することができる。
前記溶剤は、前記重合性化合物および重合開始剤を溶解または分散させることができるもので、本技術分野のハードコート組成物の溶剤として知られているものなら制限なく使用することができる。
前記添加剤は、無機粒子、レベリング剤、安定剤、界面活性剤、帯電防止剤、潤滑剤、防汚剤等である。
偏光子の保護フィルムは、偏光子に接着剤を介して貼り付けられることが好適である。この接着剤としては、
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液、水系二液型ウレタン系エマルジョン接着剤などを用いた水系接着剤;
重合性化合物及び光重合開始剤を含む硬化性組成物、光反応性樹脂を含む硬化性組成物、バインダー樹脂及び光反応性架橋剤を含む硬化性組成物等を用いた活性エネルギー線硬化型接着剤等
が挙げられる。
より薄い保護層を偏光子に直接積層する方法としては例えば、活性エネルギー線硬化性樹脂を含む塗膜を偏光子の表面に形成し、活性エネルギー線(UVなど)の照射により、塗膜を硬化すると、従来の保護フィルムよりも薄い保護フィルムを偏光子の表面に直接形成することができる。この活性エネルギー線硬化性樹脂としては、上述のハードコート組成物の1つとして例示した、活性エネルギー線を照射して架橋構造を形成する反応性材料を含むものを挙げることができる。
一方、積層体100がその後貼り付けられる光学デバイス(液晶セルなど)の傷つき等の破損を防止する透明な保護フィルムは、ウィンドウフィルムとも呼称される。ウィンドウフィルムは、例えば、光学フィルム50が複数のフィルムを有する積層構造を有する場合、複数のフィルムにおいて粘着剤層80が設けられる面と反対側の最外面に配置される。
ウィンドウフィルムとして使用可能な透明基材について説明する。
透明基材は、可視光線の透過率が70%以上、好ましくは80%以上である。前記透明基材は、透明性のある高分子フィルムなら、どのようなものでも使用可能である。具体的には、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ノルボルネンまたはシクロオレフィンを含む単量体の単位を有するシクロオレフィン系誘導体等のポリオレフィン類;
ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース、プロピオニルセルロース等の(変性)セルロース類;
メチルメタクリレート(共)重合体等のアクリル類;
スチレン(共)重合体等のポリスチレン類;
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体類、アクリロニトリル・スチレン共重合体類;
エチレン‐酢酸ビニル共重合体類;
ポリ塩化ビニル類、ポリ塩化ビニリデン類;
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等のポリエステル類;
ナイロン等のポリアミド類;
ポリイミド類、ポリアミドイミド類、ポリエーテルイミド類;
ポリエーテルサルフォン類、ポリサルフォン類;
ポリビニルアルコール類、ポリビニルアセタール類;
ポリウレタン類;
エポキシ樹脂類
等の高分子で形成されたフィルムであってもよく、これらの高分子はそれぞれ単独または2種以上混合して形成したフィルムであってもよい。また、このフィルムは、未延伸、1軸または2軸延伸フィルムを使用することもできる。好ましくは、例示した高分子の透明基材の中でも透明性及び耐熱性に優れたポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフィルムまたはポリイミドフィルム、ポリエステル系フィルム、オレフィン系フィルム、アクリルフィルム、セルロース系フィルムが好ましい。また、前記透明基材の中には、シリカ等の無機粒子や有機微粒子、ゴム粒子等を分散させることも好ましい。さらに、顔料や染料のような着色剤、蛍光増白剤、分散剤、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、酸化防止剤、滑剤、溶剤などの配合剤を含有させてもよい。前記透明基材の厚さは5〜200μm、好ましくは、20〜100μmである。
前記透明基材の少なくとも一面にハードコート層が設けたものをウィンドウフィルムとすることもできる。ハードコート層としては、上述の保護フィルムのハードコート層と同様のものを用いることができる。
位相差フィルムは、屈折率が面内の直交2方向において互いに異なる透明フィルムであり、透過する光に位相差を与えるものである。
位相差フィルムの材料の例は、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリサルフォン系樹脂フィルム、ポリエーテルサルフォン系樹脂フィルム、ポリアリレート系樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルムである。
これらの樹脂フィルムは、延伸することにより、所望の位相差を与えることができる。
また、市場から容易に入手できる位相差フィルムを用いることもできる。
輝度向上フィルムは、面内の第1方向に平行な偏光光を透過し、面内の第1方向に直交する第2方向に平行な偏光光を反射するフィルムである。本発明に用いる光学フィルムが、偏光子を有するものである場合には、第1方向を偏光子の透過軸と一致させることが好適である。
光学フィルム50が複数のフィルムを含む積層構造を有する場合、これらのフィルム間は接着剤を介して接着されていてもよい。接着剤は特に限定されないが、上述の水系接着剤や活性エネルギー線硬化型接着剤のいずれでもよい。
また、接着剤として粘着剤を用いることもできる。この粘着剤については、後に説明する。
接着剤の厚みは1〜200μmとすることができる。
光学フィルム50が複数のフィルムを含む積層構造を有する場合の光学フィルム50の全体の厚みは、10〜1200μmとすることができる。
前記のように、本発明に用いる積層体は、光学フィルムとその一方の面に設けられた粘着剤層を有するものである。この粘着剤層は粘着剤により形成されるものをいう。ここで、粘着剤について説明する。
粘着剤とは、感圧性接着剤であり、室温付近(例えば25℃)の温度域において柔らかい固体(粘弾性体)の状態を呈し、圧力により簡単に被着体に接着する性質を有する材料を言う。ここでいう粘着剤は、「C.A.Dahlquist,Adhesion:FundamentalandPractice”,McLaren & Sons,(1966),P.143」に定義されているとおり、一般的に、複素引張弾性率E*(1Hz)<107dyne/cm2を満たす性質を有する材料(典型的には、25℃において上記性質を有する材料)であり得る。ここに開示される技術における粘着剤は、粘着剤組成物の固形分(不揮発分)または粘着剤層の構成成分としても把握され得る。
光学フィルム50が複数のフィルムを含む積層構造を有する場合の光学フィルム50の全体の厚みは、10〜1200μmとすることができる。
粘着剤としては、前述のものを使用することができる。
積層体100は、粘着剤層80における光学フィルム50と接触する面とは反対側の面に、セパレータフィルム90を有することができる。
また、積層体100は、光学フィルム50において粘着剤層80が設けられる面と反対側の外面に配置されたプロテクトフィルム70を有することができる。
プロテクトフィルム70は、積層体100の加工中、又は、積層体100を光学デバイス(液晶セルなど)に貼り付ける際、あるいは、積層体100が貼り付けられた光学デバイスの搬送中等における、光学デバイス、及び/又は、光学フィルム50のキズつきを抑制する機能を有する。
図2の(a)の積層体100では、プロテクトフィルム70、保護フィルム2、偏光子3、保護フィルム2、及び、粘着剤層80、セパレータフィルム90が、この順に積層される。保護フィルム2、偏光子3、及び、保護フィルム2が、光学フィルム50を構成している。
本発明に用いる光学フィルム50は、折り曲げ等が可能なフレキシブル画像表示装置に用いられるフレキシブル画像表示装置用積層体でもよい。
このフレキシブル画像表示装置は、フレキシブル画像表示装置用積層体と、有機EL表示パネルとを有する画像表示装置が典型例である。この典型例では通常、有機EL表示パネルに対して視認側にフレキシブル画像表示装置用積層体が配置されており、フレキシブル画像表示装置は折り曲げ可能に構成されている。フレキシブル画像表示装置用積層体としては、ウィンドウフィルム、円偏光板、タッチセンサを含有していてもよく、それらの積層順は任意であるが、視認側からウィンドウフィルム、円偏光板及びタッチセンサの積層順またはウィンドウフィルム、タッチセンサ及び円偏光板の積層順に構成されていることが好ましい。タッチセンサの視認側に円偏光板が存在すると、タッチセンサのパターンが視認されにくくなり表示画像の視認性が良くなるので好ましい。それぞれの部材は接着剤、粘着剤等を用いて積層することができる。また、前記ウィンドウフィルム、円偏光板、タッチセンサのいずれかの層の少なくとも一面に形成された遮光パターンを具備することができる。
円偏光板は、直線偏光板に、位相差フィルムであるλ/4位相差板を積層することにより右若しくは左円偏光成分のみを透過させる機能を有する機能を有する機能フィルムである。表示装置に侵入してきた外光が、視認側に配置されている円偏光板を通過すると、右円偏光に変換されて有機ELパネル側に出射される。この右円偏光が、有機ELパネルの金属電極により反射される(反射光)と、この反射光は左円偏光となる。この左円偏光は円偏光板を透過することができないので、結果として、この反射光は表示装置の外に出射されることはない。このような機能により、表示装置の表示パネルにおいて視認されるのは、有機ELの発光成分のみになり、この発光成分のみを透過させることで反射光の影響を防止して画像を見やすくすることができる。
前記液晶組成物は、ネマチック、コレステリック、スメクチック等の液晶状態を示す性質を有する液晶性化合物を含む。前記液晶性化合物は重合性官能基を有している。前記液晶組成物には、複数種の液晶化合物を含んでいてもよく、複数種の液晶化合物を含む場合は、その中の少なくとも1種の液晶化合物は、重合性官能基を有するものである。前記液晶組成物はさらに開始剤、溶剤、分散剤、レベリング剤、安定剤、界面活性剤、架橋剤、シランカップリング剤等を含むことができる。前記液晶塗布型位相差板は、前記液晶偏光子の製造方法で説明したことと同様に、予め配向膜を形成した基材の配向膜上に液晶組成物を塗布・硬化することにより、配向膜上に液晶位相差層を形成することで製造することができる。液晶塗布型位相差板は、延伸型位相差板に比べて厚さを薄く形成することができる。前記液晶偏光層の厚さは0.5〜10μm、好ましくは1〜5μmである。前記液晶塗布型位相差板は基材から剥離して転写して積層することもできるし、前記基材をそのまま積層することもできる。前記基材が、保護フィルムや位相差板の透明基材としての役割を担うことも好ましい。
タッチセンサは入力手段として用いられる。タッチセンサとしては、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式等様々な様式が提案されており、いずれの方式でも構わない。これらの中でも静電容量方式が好ましい。
タッチセンサは、フレキシブルな特性を有する基板と;前記基板の活性領域に形成された感知パターンと;前記基板の非活性領域に形成され、前記感知パターンとパッド部を介して外部の駆動回路と接続するための各センシングラインを含むことができる。フレキシブルな特性を有する基板としては、前記ウィンドウフィルムの透明基板と同様の材料から形成された基板が使用できる。タッチセンサの基板は、その靱性が2,000MPa%以上のものが、タッチセンサのクラック抑制の面から好ましい。より好ましくは靱性が2,000MPa%〜30,000MPa%であってもよい。
前記光硬化性有機バインダーは、例えば、アクリレート系単量体、スチレン系単量体、カルボン酸系単量体などの各単量体の共重合体を含むことができる。前記光硬化性有機バインダーは、例えば、エポキシ基含有繰り返し単位、アクリレート繰り返し単位、カルボン酸繰り返し単位などの互いに異なる各繰り返し単位を含む共重合体であってもよい。
前記無機粒子は、例えば、ジルコニア粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子などを含むことができる。
前記光硬化組成物は、光重合開始剤、重合性モノマー、硬化補助剤などの各添加剤をさらに含むこともできる。
前記遮光パターンは、前記フレキシブル画像表示装置のベゼルまたはハウジングの少なくとも一部として適用することができる。遮光パターンによって前記フレキシブル画像表示装置の辺縁部に配置される配線が隠されて視認されにくくすることで、画像の視認性が向上する。前記遮光パターンは単層または複層の形態であってもよい。遮光パターンのカラーは特に制限されることはなく、黒色、白色、金属色などの多様なカラーであってもよい。遮光パターンは、カラーを具現するための顔料と、アクリル系樹脂、エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂等の高分子で形成することができる。これらの単独または2種類以上の混合物で使用することもできる。前記遮光パターンは、印刷、リソグラフィ、インクジェット等各種の方法にて形成することができる。遮光パターンの厚さは1μm〜100μmであってもよく、好ましくは2μm〜50μmである。また、遮光パターンの厚み方向に傾斜等の形状を付与していてもよい。
再び、図1の(a)及び(b)を参照して、本発明の製造方法について説明する。
光学フィルム50の端面Eに付着した粉体fは、積層体100の端面の加工によって端面に付着する。通常、積層体100の原反から、所望のサイズの積層体100を得るために積層体100の端面が加工される。加工の例は、切断、切削、研磨である。ここで、切削とは、穴開けを含む概念である。したがって、上述したように、積層体100の端面とは、図1の(a)に示すような積層体100の外側の端面Eだけでなく、積層体100のホール(開口部)Hの内壁を形成する内側の端面Eも含む。
続いて、積層体100の端面Eに、ドライアイス粒子を衝突させて、端面上の粉体fを端面から除去する。
端面E上におけるドライアイス粒子dの衝突部の走査の速度は、1〜100m/secとすることができる。
本実施形態によれば、積層体100の端面Eにドライアイス粒子dが吹きつけられるので、端面上から切断屑、切削屑、穴開け加工屑、研磨屑などの粉体が好適に除去される。これにより、後工程での粉体による汚染が低減されて好ましい。また、テープの貼り付け及び剥離などの方法に比べて、粉体の除去に掛かる時間も短くなる。
また、衝突させるドライアイス粒子の粒径を100〜1000μmとすると、粉体の除去率を高くしつつ、端面における粘着剤層の欠けを抑制できて好ましく、200〜700μmとするとより好ましい。
上述では、一つの積層体100に対してドライアイス粒子を衝突させているが、図4に示すように、複数の積層体100を厚み方向に積層した積層構造体120の端面Eにドライアイスを衝突させることも好適である。これによれば、積層体100の大量処理が可能となる。
積層体100の端面の一部の加工(切断、切削、及び研磨)が終了した後、積層体100の端面の他の部分の加工をしている間に、同時並行で、端面における加工が終了した部分に対してドライアイス粒子を吹き付けて粉体の除去をしてもよい。これにより、工程時間の短縮が可能となる。
ドライアイス粒子による積層体および積層構造体の端面の粉体の除去工程時の積層体及び積層構造体のまわりの雰囲気は、空気雰囲気であることができるが、必要に応じ窒素、炭酸ガス等の雰囲気でもよい。また、雰囲気の温度は、通常20〜30℃であり、20〜27℃が好ましい。雰囲気の相対湿度は、通常80%未満であり、30〜75%が好ましく、40〜70%がより好ましい。雰囲気の相対湿度が、80%以上となると、積層体や積層構造体の冷却により結露が生じ、積層体のうちの吸水性の高いフィルム(例えば偏光子)などが吸水して膨潤などし、積層体や積層構造体の外観や光学特性に不具合を生じることがある。
続いて、図5を参照して、上記の方法の実施に好適な光学部材の製造装置1000について説明する。
プロテクトフィルム(PET(ポリエチレンテレフタレート)製:53μm)/保護フィルム(TAC(トリアセチルセルロース)製:32μm)/偏光子(PVA(ヨウ素吸着ポリビニルアルコール):12μm)/保護フィルム(COP(環状オレフィン系樹脂)製:23μm)/粘着剤層(アクリル系粘着剤:20μm)/セパレータフィルム(PET:38μm)という層構成を有する原反積層体を得た。
保護フィルムと偏光子とは水系接着剤により接着した。積層体の厚みは178μmとなった。
原反積層体を、トムソン刃により、140×65mmのサイズの矩形の形状に打ち抜いて積層体を得た。
各実施例及び比較例に対して、以下の条件で積層体の端面の粉体の除去を行った。
ドライアイス粒子供給装置:炭酸ガス式ドライアイスブラスト
CO2圧力:5MPa(なお、CO2圧力とはオリフィスへの供給圧力である。)
空気圧力:0.5MPa
ノズル先端と端面との距離:約50mm
ノズルの走査速度:50mm/5秒
ノズルの中心位置及びノズル走査方向:ノズルは積層構造体の端面における厚み方向の中央に向かせ、ノズルを積層構造体の端面の厚みと直交する方向に走査した。
ドライアイス粒子の平均粒径:1〜100μm
雰囲気温度:24℃〜26℃、雰囲気の相対湿度:45%〜65%
ドライアイス粒子供給装置:炭酸ガス式ドライアイスブラスト
CO2圧力:7MPa
空気圧力:0.5MPa
ノズル先端と端面との距離:約50mm
ノズルの走査速度:50mm/5秒
ノズルの中心位置及びノズル走査方向:ノズルは積層構造体の端面における厚み方向の中央に向かせ、ノズルを積層構造体の端面の厚みと直交する方向に走査した。
ドライアイス粒子の平均粒径:200〜700μm以下
雰囲気温度:24℃〜26℃、雰囲気の相対湿度:45%〜65%
ドライアイス粒子供給装置:ペレット式ドライアイスブラスト
ペレット径:φ3mm
空気圧力:0.5MPa
ノズル先端と端面との距離:約50mm
ノズルの走査速度:50mm/5秒
ノズルの中心位置及びノズル走査方向:ノズルは積層構造体の端面における厚み方向の中央に向かせ、ノズルを積層構造体の端面の厚みと直交する方向に走査した。
ドライアイス粒子の平均粒径:1000μm以上
雰囲気温度:24℃〜26℃、雰囲気の相対湿度:45%〜65%
雰囲気温度を26℃とし、雰囲気の相対湿度を80〜90%とした以外は、実施例2と同じ条件で、積層体の端面の粉体の除去を行った。
なお、除去時にドライアイス粒子と接触することにより積層体が冷却され、積層体に結露が発生した。結露が発生した部分を確認すると、研磨屑や欠けの発生は無かったが、積層体の端部に膨潤が生じていた。
エタノールを含浸させたクリーンルーム用ワイパー(クラレクラフレックス製)で、積層構造体の端面をこすった。
OLFA製カッターナイフを積層構造体の端面に沿って移動させた。
粘着テープ(ニチバン社製セロテープ(登録商標))を積層構造体の端面に貼り付けた後、粘着テープを端面から剥離した。
液体二酸化炭素を供給しない以外は、実施例1と同様にして、空気流を積層構造体の端面に吹き付けた。
顕微鏡にて端面を観察し、端面の粉体残りの状態、及び、端面の粘着剤層の欠けの有無を調べた。
Claims (9)
- 光学フィルム、及び、前記光学フィルムの一方の面に設けられた粘着剤層を有し、その端面に粉体が付着している積層体を準備する、工程と、
前記積層体の前記端面にドライアイス粒子を衝突させて前記端面から前記粉体を除去する工程と、を含み、
前記積層体は、前記光学フィルム及び前記粘着剤層の厚み方向に貫通するホールを有し、
前記端面が、前記ホールの内壁である、光学部材の製造方法。 - 前記ドライアイス粒子の平均粒径は100〜1000μmである、請求項1記載の方法。
- 前記衝突させる工程では、前記積層体を複数積層した積層構造体の端面に前記ドライアイス粒子を衝突させる、請求項1又は2記載の方法。
- 前記端面の一部に前記ドライアイス粒子を衝突させると同時に、前記積層体の前記端面の他の部分に対して切断、切削、及び研磨からなる群から選択される少なくとも一つを行う、請求項1又は2記載の方法。
- 前記準備する工程で前記端面に対して切断、切削、及び研磨からなる群から選択される少なくとも一つを行い、前記端面の一部に前記ドライアイス粒子を衝突させる際に、前記端面に対して前記群から選択されるいずれも行わない、請求項1又は2記載の方法。
- 前記光学フィルムは、偏光子、保護フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム、ウィンドウフィルム、及び、タッチセンサからなる群から選択される少なくとも一つである、前記群から選択される少なくとも1種を2つ以上含む積層フィルムである、又は、前記群から選択される少なくとも2種を含む積層フィルムである、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
- 前記端面に前記ドライアイス粒子を衝突させる工程における雰囲気の相対湿度が30〜75%である、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
- 光学フィルム、及び、前記光学フィルムの一方の面に設けられた粘着剤層を有する積層体の端面を切断、切削、又は、研磨する端面加工部と、
前記積層体における前記端面加工部に加工された部分にドライアイス粒子を衝突させるドライアイス粒子供給部と、を備え、
前記積層体は、前記光学フィルム及び前記粘着剤層の厚み方向に貫通するホールを有し、
前記端面が、前記ホールの内壁である、光学部材の製造装置。 - 前記端面加工部と前記ドライアイス粒子供給部との間で、前記積層体を移動させる搬送部を更に備える、請求項8記載の光学部材の製造装置。
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