JP2020149187A - 車両制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】駐車中に地震が発生した場合に車両の損傷を抑制することができる車両制御装置を提供する。
【解決手段】車両1の駐車中に地震センサによってP波が検出された場合(ST3:Yes)、及び/又は、地震速報受信部によって緊急地震速報が受信された場合(ST4:Yes)、制御装置20は外界センサ30によって検出された障害物が車両1に接触する可能性があるか否かを判定する(ST6)。接触する可能性があると判定した場合(ST6;Yes)、制御装置20は障害物との接触可能性が低い退避位置を設定し(ST9、ST10)、車両1を駐車位置から退避位置へ移動させる退避モードにて車両制御を実行する(ST13)。
【選択図】図3
【解決手段】車両1の駐車中に地震センサによってP波が検出された場合(ST3:Yes)、及び/又は、地震速報受信部によって緊急地震速報が受信された場合(ST4:Yes)、制御装置20は外界センサ30によって検出された障害物が車両1に接触する可能性があるか否かを判定する(ST6)。接触する可能性があると判定した場合(ST6;Yes)、制御装置20は障害物との接触可能性が低い退避位置を設定し(ST9、ST10)、車両1を駐車位置から退避位置へ移動させる退避モードにて車両制御を実行する(ST13)。
【選択図】図3
Description
本開示は、地震を予測したときに車両を駐車位置から退避位置に移動させる車両制御システムに関する。
地震が発生したときに、車両により適切な走行を行わせるための走行制御装置が公知である(特許文献1)。この走行制御装置は、地震速報を受信する地震速報受信手段と、車両の走行計画を生成する走行計画生成手段と、地震速報に基づいて車両の周囲の道路、橋梁及び建築物等の構造物の倒壊危険性を予測する周囲構造物倒壊予測手段とを備える。車両の走行中に地震が発生した場合、走行計画生成手段は、周囲構造物倒壊予測手段が予測した倒壊危険性がある構造物が存在するエリアを、地震の揺れが到達する時刻までに脱出することが可能な走行計画を生成する。
しかしながら、従来の走行制御装置は、車両の走行中に地震が発生した場合に、倒壊危険性がある構造物が存在するエリアを脱出するような走行を車両に行わせるだけであり、駐車中に地震が発生した場合にはそのようなエリアから車両を脱出させることができない。また、地震によって構造物が倒壊しなくても、地震の揺れによって車両の周囲の障害物が移動したり大きく揺れたりすることで車両に接触し、車両が傷つく虞もある。
本発明は、このような背景に鑑み、駐車中に地震が発生した場合に車両の損傷を抑制することができる車両制御装置を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明のある実施形態は、車両制御システム(10)であって、車両(1)の操舵装置(11)及び走行用モータ(3)を駆動することによって前記車両の操舵及び加減速を含む自動運転を行うための車両制御を実行可能な制御装置(20)と、前記車両の周囲の障害物を含む外界の状態を検出する外界センサ(30)と、地震のP波を検出可能な地震センサ(23)及び/又は地震のP波に基づく緊急地震速報を受信可能な地震速報受信部(27)とを有し、前記車両の駐車中に前記地震センサによってP波が検出された場合(ST3:Yes)、及び/又は、前記地震速報受信部によって前記緊急地震速報が受信された場合(ST4:Yes)、前記制御装置が、前記外界センサによって検出された前記障害物が前記車両に接触する可能性があるか否かを判定し(ST6)、接触する可能性があると判定した場合(ST6:Yes)、前記障害物との接触可能性が低い退避位置を設定し(ST9、ST10)、前記車両を駐車位置から前記退避位置へ移動させる退避モードにて前記車両制御を実行する(ST13)。
この構成によれば、P波が検出され、及び/又は、緊急地震速報が受信され(すなわち、S波の地震動の到達が予測され)、障害物が車両に接触する可能性がある場合には、車両が駐車位置から障害物との接触可能性が低い退避位置へ移動する。そのため、P波に比べて揺れが大きいS波の地震動が到達したときに車両が障害物と接触する可能性を低減させることができる。
上記構成において、前記制御装置(20)が、前記駐車位置が退避可能な場所であるか否かを判定し(ST5)、前記駐車位置が退避不能な場所である場合(ST5:No)は前記退避モードでの前記車両制御(ST13)を禁止するとよい。
駐車位置には、車両の前方や後方等の退避方向に障害物がなく、退避が可能な場所と、車両の退避方向に障害物がないとしても、立体駐車場のように退避のために車両を移動させるべきでない場所(退避不能な場所)とがある。この構成によれば、駐車位置が退避可能な場所である場合にのみ、車両が駐車位置から退避位置へ移動するため、退避によって事故等が発生することを抑制することができる。
上記構成において、前記制御装置(20)が、前記操舵装置(11)及び前記走行用モータ(3)に電力を供給するバッテリー(35)の蓄電状態を認識し、前記バッテリーの前記蓄電状態が所定値未満である場合(ST7:No)は前記退避モードでの前記車両制御(ST13)を禁止するとよい。
この構成によれば、退避モードでの車両制御の実行によって車両が退避位置へ移動することにより、バッテリーの蓄電状態が低下し、その後の運転に支障を来たすことが防止できる。
上記構成において、前記バッテリー(35)に対する外部充電を可能にするための前記車両(1)に設けられたケーブル接続部(36)と、前記ケーブル接続部への充電ケーブル(38)の接続を検出する接続センサ(39)を更に備え、前記制御装置(20)が、前記接続センサによって前記充電ケーブルの接続が検出されている場合(ST8:Yes)、前記充電ケーブルが届き得ると推測される充電可能領域を設定し、前記退避位置を前記充電可能領域内に設定する(ST10)とよい。
この構成によれば、充電ケーブルが接続されている状態で車両が退避位置へ移動しても、充電ケーブルに引っ張られてケーブル接続部が破損することや充電設備が損傷することを抑制することができる。
上記構成において、前記制御装置(20)が、前記外界センサ(30)の検出結果に基づいて前記車両(1)を駐車可能な駐車領域を設定し(ST20、ST22)、前記車両を前記駐車領域へ移動させる自動駐車モードにて前記車両制御(ST23)を実行し、前記退避モードでの前記車両制御(ST13)の実行後に前記自動駐車モードでの前記車両制御を実行する(ST23)とよい。
この構成によれば、車両が退避位置へ移動したことによって他の車両の通行が妨げられることが防止できる。
上記構成において、前記制御装置(20)が、前記退避モードでの前記車両制御(ST13)の実行後、前記P波の検出及び/又は前記緊急地震速報の受信から、S波の地震動が収まると推測される所定時間が経過したとき(ST18:Yes)に前記自動駐車モードでの前記車両制御(ST23)を実行するとよい。
この構成によれば、S波の地震動が収まっていると推測されるときに車両が駐車領域へ移動するため、移動の際に地震動の影響によって車両が障害物に接触することを抑制することができる。
上記構成において、地震のS波を検出可能な前記地震センサ(23)を備え、前記制御装置(20)が、前記地震センサの検出信号に基づいて地震が収まったことを判定したとき(ST17:Yes)に前記自動駐車モードでの前記車両制御(ST23)を実行するとよい。
この構成によれば、S波の地震動が収まったことが判定された後に車両が駐車領域へ移動するため、移動の際に地震動の影響によって車両が障害物に接触することを抑制することができる。
上記構成において、前記制御装置(20)が、前記退避モードでの前記車両制御(ST13)の実行後、前記退避モードでの前記車両制御の実行前の前記駐車位置を前記自動駐車モードの前記駐車領域に設定する(ST22)とよい。
この構成によれば、一旦退避位置へ移動した車両が元の駐車位置へ戻るため、その後に駐車位置に戻ってきた運転者が元の駐車位置に車両がないことで不安を覚えることを防止することができる。
上記構成において、前記制御装置(20)が、前記駐車位置へアクセスするための通路に設けられたシャッタを無線通信によって開閉可能に構成されており、前記退避モードにて前記車両制御(ST13)を実行する前に前記シャッタを開く(ST12)とよい。
この構成によれば、シャッタがある駐車位置に車両が駐車していても、S波の地震動の到達が予測されるときに、シャッタの外側の障害物との接触可能性が低い退避位置へ車両を移動させることができる。
上記構成において、前記制御装置(20)が、前記退避モードでの前記車両制御(ST13)の実行後に実行した前記自動駐車モードでの前記車両制御の実行(ST23)の後に前記シャッタを閉じる(ST27)とよい。
この構成によれば、シャッタが開いた状態が続くことで、シャッタの内側に置いてある物品が盗難される虞を低減させることができる。
上記構成において、外部と通信可能な通信装置(25)を更に有し、前記制御装置(20)が、前記退避モードでの前記車両制御(ST13)の実行後、前記車両(1)の駐車の状態及び前記車両の周囲の状態の少なくとも一方を含む状態情報を前記通信装置から外部へ送信する(ST15、ST28)とよい。
この構成によれば、車両が駐車位置から退避位置へ移動したことや駐車の状態、車両の周囲の状態等を、車両の運転者や所有等の外部へ無線通信によって即座に通報することができる。
このように本発明によれば、駐車中に地震が発生した場合に車両の損傷を抑制できる車両制御装置を提供することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る車両制御システム10の実施形態について説明する。
図1は実施形態に係る車両制御システム10が搭載される車両1の概略構成図である。図示されるように、車両1は、車両1の骨格をなす車体2にサスペンション装置を介して支持された左右の前輪4A及び左右の後輪4Bを有する4輪自動車である。
車両1は、車輪4(4A、4B)を駆動する走行用モータ3を搭載する電気自動車である。走行用モータ3は、図示例では左右の後輪4Bのそれぞれに設けられている。他の実施形態では、1つの走行用モータ3が左右の後輪4B及び/又は左右の前輪4Aを駆動するように設けられてもよく、4つの走行用モータ3が車輪4のそれぞれに設けられてもよい。
また、車両1は図1に想像線で示されるようにパワープラント5を搭載するハイブリッド自動車であってもよい。パワープラント5は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であってよく、車両1の走行を補助する。すなわち、この場合であっても車両1は走行用モータ3の駆動のみによって走行可能である。車両1は、後輪駆動車や前輪駆動車、四輪駆動車であってもよい。
車両1は前輪4Aを操舵する操舵装置11を有している。操舵装置11は、ステアリングコラムに回動可能に支持されたステアリングシャフト12と、ステアリングシャフト12の一端に設けられたステアリングホイール13とを備えている。ステアリングシャフト12の他端にはピニオンが設けられており、ピニオンには左右に延びるラック軸14のラックギヤが噛み合っている。ラック軸14は左右両端においてタイロッドを介して前輪4Aを支持する左右のナックルに連結されている。ステアリングホイール13が回転すると、ラック軸14が左右に移動してナックルが回動し、左右の前輪4Aが転舵する。
ステアリングシャフト12には、操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ15及び、操舵トルクに応じたアシストトルクを付与するアシストモータ16が設けられている。すなわち、操舵装置11は電動パワーステアリングを構成している。他の実施形態では、操舵装置11が反力モータと転舵モータとを備え、ステアリングホイール13と前輪4Aとが機械的に切り離されたステアバイワイヤを構成していてもよい。
車両1は4つの車輪4を制動するためのブレーキ装置17を備えている。ブレーキ装置17は、車輪4のそれぞれに設けられた油圧駆動式の制動力発生装置18(例えば、ブレーキキャリパ)と、制動力発生装置18に対する油圧を供給する電動シリンダ19とを備えている。
車両1には、走行用モータ3や操舵装置11のアシストモータ16、ブレーキ装置17の電動シリンダ19等の駆動を制御し、車両1の操舵及び加減速を含む自動運転を行うための車両制御を実行可能な制御装置20が設けられている。制御装置20は、CPUやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成された電子制御ユニット(ECU)である。制御装置20はCPUでプログラムに沿った演算処理を実行することで、各種の車両制御を実行する。制御装置20は1つのハードウェアとして構成されていてもよく、複数のハードウェアからなるユニットとして構成されていてもよい。また、制御装置20の各機能部の少なくとも一部は、LSIやASIC、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよく、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせによって実現されてもよい。
車両1には、前輪舵角センサ21や車速センサ22、加速度センサ23、ヨーレートセンサ24等の各種センサが設けられている。前輪舵角センサ21は、左右の前輪4Aの転舵角に応じた信号を制御装置20に出力する。制御装置20は、前輪舵角センサ21からの信号に基づいて前輪4Aの転舵角である前輪舵角を取得する。車速センサ22は、各前輪4A及び後輪4Bに設けられ、前輪4A及び後輪4Bの回転に応じて発生するパルス信号を制御装置20に出力する。制御装置20は、各車速センサ22からの信号に基づいて、各前輪4A及び後輪4Bの車輪速を取得すると共に、各車輪速を平均することによって車速を取得する。加速度センサ23は、車体2の上下加速度、横加速度及び前後加速度に応じた信号を制御装置20に出力する。制御装置20は、加速度センサ23からの信号に基づいて車体2の上下加速度、横加速度及び前後加速度を取得する。ヨーレートセンサ24は、例えばジャイロセンサであってよく、車体2の鉛直軸回りの回転角速度に応じた信号を制御装置20に出力する。制御装置20は、ヨーレートセンサ24からの信号に基づいて車体2のヨーレートを取得する。
また車両1には、通信装置25、ナビゲーション装置26が搭載されている。通信装置25は制御装置20及びナビゲーション装置26と車外に位置する周辺車両やサーバとの間の通信を媒介する。また、通信装置25は緊急地震速報を受信可能な地震速報受信部27(図2参照)を備えている。制御装置20は通信装置25を介して周辺車両との間で無線通信を行うことができる。また、制御装置20は通信装置25を介して、交通規制情報の提供を行うサーバと通信を行うことができる。更に、制御装置20は通信装置25を介して、車両1の外部に存在する人が所持する携帯端末や車両1の管理委託会社の端末等の外部端末と通信することができる。また、制御装置20は通信装置25を介して車両1からの緊急通報を受け付ける緊急通報センタとの通信することができる。
ナビゲーション装置26は車両1の現在位置を取得し、目的地への経路案内等を行う装置であり、GPS受信部28(図2参照)、及び地図記憶部29(図2参照)を有する。GPS受信部28は人工衛星(測位衛星)から受信した信号に基づいて車両1の位置(緯度や経度)を特定する。地図記憶部29は、フラッシュメモリやハードディスク等の公知の記憶装置によって構成され、地図情報を記憶している。他の実施形態では、GPS受信部28は通信装置25の一部として構成されていてもよい。また、地図記憶部29は制御装置20の一部として構成されてもよく、通信装置25を介して通信可能なサーバ装置の一部として構成されてもよい。
地図情報は、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別や、道路の車線数、各車線の中央位置等の道路情報の他、住所情報(住所・郵便番号)、建物、駐車場といった施設の種別を含む施設情報、電話番号情報等を含んでいる。
更に車両1には、外界の状態を検出する外界センサ30が設けられている。外界センサ30は、車両1の周辺からの電磁波や光を捉えて、車外の物体等を検出するセンサであり、ソナー31、車外カメラ32(32A、32B)、レーダ33(33A、33B)及びライダ34を含んでいる。外界センサ30は検出結果を制御装置20に出力する。
ソナー31は、ソナー31はいわゆる超音波センサであり、超音波を車両1の周囲に発射し、その反射波を捉えることにより物体の位置(距離及び方向)を検出する。複数のソナー31が車両1の後部及び前部にそれぞれ設けられている。本実施形態では、ソナー31はリアバンパの左右に2対、フロントバンパの左右に2対、車両1の左右側面における前端及び後端にそれぞれ1対ずつ、合計6対設けられている。リアバンパに設けられたソナー31は主に車両1の後方にある物体の位置を検出し、フロントバンパに設けられたソナー31は主に車両1の前方にある物体の位置を検出する。車両1の左右側面における前端に設けられたソナー31はそれぞれ車両前端の左右外方にある物体の位置を検出し、車両1の左右側面における後端に設けられたソナー31はそれぞれ車両後端の左右外方にある物体の位置を検出する。
車外カメラ32は車両1の周囲に存在する物体(例えば、周辺車両や歩行者)や、ガードレール、縁石、壁、路面に描かれた道路標示等を含む車両1の周囲を撮像する装置である。車外カメラ32は、例えば、CCDやCMOS等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラであってよい。車外カメラ32は車両1の前方を撮像する前方カメラ32Aと後方を撮像する後方カメラ32Bとを少なくとも含んでいる。車外カメラ32は、例えばステレオカメラであってもよい。
レーダ33はミリ波等の電波を車両1の周囲に発射し、その反射波を捉えることにより、物体の位置(距離及び方向)を検出する。レーダ33は車両1の任意の箇所に少なくとも1つ取り付けられている。レーダ33は、少なくとも車両1の前方に向けて電波を照射する前方レーダ33A、車両1の後方に向けて電波を照射する後方レーダ33Bを含むことが好ましく、車両1の側方に向けて電波を照射する左右一対の側方レーダを含むことが更に好ましい。
ライダ34は赤外線等の光を車両1の周囲に照射し、その反射光を捉えることにより、物体の位置(距離及び方向)を検出する。ライダ34は車両1の任意の箇所に少なくとも1つ設けられている。本実施形態では、ライダ34は、前方の物体を検出するために前方に向けて1つ、車体2の前部及び後部の左右の各隅部に4、合計で5つ設けられている。
車両1には更にバッテリー35及びバッテリー35に対する外部充電用のケーブル接続部36が搭載されている。バッテリー35は、走行用モータ3や操舵装置11、ブレーキ装置17、制御装置20等に電力を供給する。ケーブル接続部36は、車体2の適所に設けられており、充電ステーション37(図11参照)に設けられた充電ケーブル38(図11参照)の接続部を接続可能に構成されている。ケーブル接続部36は図示例では車体2の後部に設けられている。ケーブル接続部36には充電ケーブル38の接続を検出する接続センサ39が設けられている。接続センサ39は、充電ケーブル38がケーブル接続部36に接続されたことを示す信号を制御装置20に出力する。
充電ケーブル38がケーブル接続部36に接続された状態で、充電ステーション37にて充電操作が行われると、ケーブル接続部36からバッテリー35へ電流が流れ、バッテリー35が充電される。ケーブル接続部36とバッテリー35との間の電気回路には電流センサ40が設けられている。電流センサ40は充電電流に応じた信号を制御装置20に出力する。制御装置20は、バッテリー35の蓄電状態(以下、SOCという)を認識しており、電流センサ40からの信号に基づいて充電電力を算出し、認識しているバッテリー35のSOCを適宜更新する。また、制御装置20は、バッテリー35から車両1の各種装置に電力が供給されると、供給された算出し、認識しているバッテリー35のSOCを適宜更新する。
図2は、図1に示される制御装置20の機能ブロック図である。制御装置20は、駐車状態において車両1を制御し、車両1を所定の位置に移動させる自動駐車を実行する。このような制御を行うため、制御装置20は自動運転制御部41、地震判定部42、状態管理部43、シャッタ制御部44、蓄電状態認識部45及び記憶部46を有する。
自動運転制御部41は、外界認識部51、自車位置認識部52、行動計画部53及び走行制御部54を含む。
外界認識部51は、外界センサ30の検出結果に基づいて、車両1の周辺に存在する例えば、駐車車両や壁などの障害物を認識し、障害物に関する位置や大きさ等の情報を取得する。また、外界認識部51は車外カメラ32によって取得した画像をパターンマッチング等の公知の画像解析手法に基づいて解析し、障害物の有無及びその大きさを取得する。更に、外界認識部51はソナー31からの信号を用いて障害物までの距離を算出し、障害物の位置を取得するとよい。
自車位置認識部52は、ナビゲーション装置26のGPS受信部28からの信号に基づいて、車両1の位置を検出する。また、自車位置認識部52はGPS受信部28からの信号に加えて、車両センサから車速やヨーレートを取得し、いわゆる慣性航法を用いて車両1の位置及び姿勢を特定する。自車位置認識部52は、車両1が駐車された位置が道路上(駐車区域や路肩)であるか、平面駐車場であるか、立体駐車場であるかといった種別を特定し、更に地震を予測したときに別の場所に退避可能な駐車位置であるか否かを特定する。
外界認識部51は、外界センサ30の検出結果、より具体的には車外カメラ32によって撮像された画像をパターンマッチング等の公知の画像解析手法に基づいて解析し、例えば、駐車場等の路面に描かれた白線の位置を取得することができる。
行動計画部53は、経路に沿って車両1を走行させるための行動計画を順次作成する。より具体的には、行動計画部53はまず車両1が障害物と接触することなく、経路決定部により決定された経路を走行するためのイベントを決定する。イベントには、地震を予測したときに車両1を安全な退避位置へ移動させる退避イベント、退避イベントの後に車両1を駐車領域に駐車させる自動駐車イベントが含まれる。行動計画部53は、更に決定したイベントに基づいて、車両1が将来走行すべき目標軌道を生成する。目標軌道は、車両1が各時刻において到達すべき地点である軌道点を順に並べたものである。
走行制御部54は、行動計画部53によって生成された目標軌道を車両1が通過するように、走行用モータ3、ブレーキ装置17、及び操舵装置11を制御する。
地震判定部42は、地震速報受信部27によって緊急地震速報が受信されたことや、加速度センサ23の検出信号を解析して地震のP波による振動が発生したことを判定し、これらに基づいて地震のS波の到達を予測する。すなわち、加速度センサ23は地震のP波を検出可能な地震センサとして機能する。地震判定部42は、緊急地震速報の受信とP波による振動発生の検出とのいずれか一方が発生したとき又は両方が発生したときに、その後により大きな揺れの地震が発生することを予測する。
地震判定部42は、緊急地震速報の受信から、S波の到達及びS波による振動が収まるのに十分な時間として設定された所定時間が経過したときに地震の終了を判定する。また、加速度センサ23の検出信号を解析して地震のS波の振動の発生及び収束を判定し、S波の振動が収まったときに地震の終了を判定する。すなわち、加速度センサ23は地震のS波を検出可能な地震センサとして機能する。
状態管理部43は、自車位置認識部52による自車位置の判定結果、車両1の電源状態、蓄電状態認識部45によるバッテリー35の蓄放電状態の少なくとも1つに基づいて、車両1の駐車状態、退避可能な位置に駐車しているか否かを判定する。また状態管理部43は、駐車中に地震が予測されたときに退避イベント及びそれに続く自動駐車イベントを行動計画部53に実行させるか否かを決定し、行動計画部53を制御する。更に状態管理部43は、退避イベントを行動計画部53に実行させた場合、退避イベントの終了後に、車両1が退避位置へ移動した状態であることを示す状態情報を、通信装置25を介して外部へ送信する。状態管理部43は、自動駐車イベントを行動計画部53に実行させた場合にも、自動駐車イベントの終了後に、車両1が退避位置から駐車位置へ移動した状態であることを示す状態情報を、通信装置25を介して外部へ送信するとよい。これらの状態情報には、車両1が停止している位置の情報と、外界センサ30によって検出される車両1の周囲の状態の情報とが含まれるとよい。状態管理部43はこれらの状態情報を、車両1の外部に存在する人が所持する携帯端末や車両1の管理委託会社の端末等の外部端末へ送信する。
シャッタ制御部44は、駐車位置へアクセスするためにシャッタを開閉する必要がある車庫のシャッタ管理装置に対し、無線通信によってシャッタを開放するための開放信号及びシャッタを閉鎖するための閉鎖信号を出力する。シャッタ管理装置は、例えば、車両1が頻繁に駐車される自宅車庫や勤務先の契約車庫等に設けられた装置であり、車両1の制御装置20はシャッタの開閉指令を許可する端末としてシャッタ管理装置に予め登録されている。
蓄電状態認識部45は、バッテリー35のSOCを常時認識し、電流センサ40からの信号に基づいてバッテリー35のSOCを適宜更新する。
記憶部46はROMやRAM等によって構成され、自動運転制御部41、状態管理部43、シャッタ制御部44及び蓄電状態認識部45の処理に要する情報が記憶される。
制御装置20は車両1が駐車された後、状態管理部43によって車両1の駐車状態を管理する。制御装置20は状態管理部43による退避イベントの実行指令があったときに、自動運転制御部41による退避モードでの自動運転を実行する。制御装置20は状態管理部43による自動駐車イベントの実行指令があったときに、自動運転制御部41による自動駐車モードでの自動運転を実行する。これらの自動運転は、車室内に乗員が居ないときに実行される。以下では、退避モードでの自動運転及び自動駐車モードでの自動運転を含む、制御装置20が車両1の駐車中に行う駐車中処理について図3及び図4のフローチャートを参照して説明を行う。
図3に示すように、制御装置20は、車両1が駐車されると最初に駐車位置の状況を確認する(ST1)。この処理では、制御装置20は駐車場の種類や状況を確認する。続いて制御装置20は駐車場におけるシャッタの有無を確認する(ST2)。この処理では、制御装置20は、駐車場が車両1を登録している駐車場であるか否か、その駐車場がシャッタを備えるか否かの情報に基づいてシャッタの有無を確認する。これらの処理は車両1が駐車された直後に行われ、記憶される。
続いて制御装置20はP波を検出したか否かの判定(ST3)、地震速報を受信したか否かの判定(ST4)を行う。制御装置20は、P波を検出するか(ST3:Yes)、地震速報を受信すると(ST4:Yes)、ステップST5へ処理を進める。P波を検出せず(ST3:No)、且つ、地震速報を受信しない(ST4:No)場合、制御装置20はステップST3及びステップST4の処理を繰り返す。ステップST3にてP波を検出したとの判定及び、ステップST4にて地震速報を受信したとの判定は、その後に揺れが大きなS波の地震動が到達すること、すなわち大きな地震の発生を予測したことを意味する。
制御装置20は、ステップST5にて、自車位置認識部52の特定結果に基づいて、車両1の駐車位置が退避可能な駐車位置であるか否かを判定する。ステップST5の処理では、例えば、駐車場が立体駐車場である場合、駆動不能なシャッタがあって車両1が切り返し走行を行えない場合等にNoと判定される。制御装置20は、ステップST6にて、外界センサ30の検出結果に基づいて、周辺物が車両1に接触する可能性があるか否かを判定する。ステップST6の処理では、例えば、車両1の近傍に地震動によって揺れる虞がある他車両がある場合、車両1の周囲に転倒する虞がある棚等の構造物がある場合等にYesと判定される。制御装置20は、ステップST7にて、蓄電状態認識部45が認識するSOCに基づいて、バッテリー35のSOCが所定値以上であるか否かを判定する。ステップST7の処理では、例えば、バッテリー35のSOCが5%未満の場合にNoと判定される。ステップST5〜ステップST7の判定の全てがYesの場合、制御装置20はステップST8へ処理を進め、これらの判定のいずれか1つがNoの場合、制御装置20は何ら処理を行わずに駐車中処理を終了する(図4参照)。すなわち、制御装置20はステップST13の退避モードでの車両制御やステップST23の自動駐車モードでの車両制御を実施しない(禁止する)。
制御装置20は、ステップST8にて、接続センサ39の検出信号に基づいて、充電ケーブル38がケーブル接続部36に接続されているか否かを判定する。充電ケーブル38がケーブル接続部36に接続されていない場合(ST8:No)、制御装置20は外界センサ30の検出結果に基づいて、障害物との接触可能性が最も低く、車両1の被害の可能性が低い車両1の周辺の場所を退避位置に設定する(ST9)。一方、充電ケーブル38がケーブル接続部36に接続されている場合(ST8:Yes)、制御装置20は充電ケーブル38が届くと予想される充電可能領域を設定し、充電可能領域内で車両1の被害の可能性が低いと推定される場所を退避位置に設定する(ST10)。
続いて制御装置20は、ステップST2にて確認したシャッタの有無及び、ステップST9又はステップST10にて設定した退避位置に基づいて、駐車位置から退避位置へ移動する経路上に無線操作が可能なシャッタがあるか否かを判定する(ST11)。経路上に無線操作可能なシャッタがある場合(ST11:Yes)、制御装置20はシャッタ制御部44によってシャッタを開放するための開放信号を無線送信する(ST12)。
ステップST12の後、或いは、経路上にシャッタがない場合(ST11:No)、制御装置20は、車両1を駐車位置から退避位置へ移動させるべく、退避モードでの車両制御を開始する(ST13)。制御装置20は、車両1が退避位置へ到達したときに車両1を停止させ、退避モードでの車両制御を終了する。
制御装置20は、ステップST14にて退避モードでの車両制御が終了したか否かを判定し、退避モードでの車両制御が終了すると(ST14:Yes)、車両1が退避位置に移動したことを示す状態情報を外部へ送信する(ST15)。
図4に示すように、続いて制御装置20は、加速度センサ23の検出信号に基づいて、地震のS波を検出したか否かを判定する(ST16)。地震のS波を検出した場合(ST16:Yes)、制御装置20は地震のS波の揺れが終了したか否かを判定し、判定結果がYesになるまでこの処理を続ける。地震のS波を検出しない場合(ST16:No)、制御装置20はステップST3又はステップST4での地震予測から、S波の到達及びS波による振動が収まるのに十分な時間として設定された所定時間が経過したか否かを判定する(ST18)。所定時間が経過しない場合(ST18:No)、制御装置20はステップST16以降の処理を繰り返す。所定時間が経過すると(ST18:Yes)、又は地震のS波の揺れの終了を判定すると(ST17:Yes)、制御装置20はステップST19へ処理を進める。
制御装置20はステップST19にて、外界センサ30の検出結果に基づいて、元の(退避モードでの車両制御前の)駐車位置へ移動するのに支障があるか否かを判定する。元の駐車位置に障害物が散乱している場合や、元の駐車位置における被害可能性が退避位置おける被害可能性よりも高い場合は、支障があると判定される。元の駐車位置へ移動するのに支障がない場合(ST19:No)、制御装置20は元の駐車位置を、自動駐車モードでの車両制御の実行によって車両1を移動させるべき駐車領域に設定し(ST20)、ステップST23へ処理を進める。元の駐車位置へ移動するのに支障がある場合(ST19:Yes)、制御装置20は外界センサ30の検出結果に基づいて、車両1の周囲における駐車可能な場所を検索し、駐車可能な新たな場所があるか否かを判定する(ST21)。車両1の周囲に駐車可能な新たな場所がある場合(ST21:Yes)、制御装置20は元の駐車位置以外の場所を駐車領域に設定し(ST22)、ステップST23へ処理を進める。車両1の周囲に駐車可能な新たな場所がない場合(ST21:No)、制御装置20はステップST25へ処理を進める。
ステップST24では、制御装置20は車両1を現在位置から駐車領域へ移動させるべく、自動駐車モードでの車両制御を開始する(ST23)。制御装置20は、車両1が駐車領域へ到達したときに車両1を停止させ、自動駐車モードでの車両制御を終了する。ステップST23の後、制御装置20は駐車モードでの車両制御が終了したか否かを判定する(ST24)。駐車モードでの車両制御が終了すると(ST24:Yes)、ステップST25へ処理を進める。
ステップST25では、制御装置20は退避モードでの車両制御の実行前(ST13前)にシャッタ開放信号の送信によってシャッタを開けたか否かを判定する(ST25)。シャッタを開けていた場合(ST25:Yes)、制御装置20は外界センサ30の検出結果に基づいて、シャッタを閉じるのに支障があるか否かを判定する(ST26)。シャッタを閉じるのに支障がない場合(ST26:No)、制御装置20はシャッタ制御部44によってシャッタを閉鎖するための閉鎖信号を無線送信し(ST27)、ステップST28へ処理を進める。シャッタを閉じるのに支障がある場合(ST26:Yes)、制御装置20は直接ステップST28へ処理を進める。
その後、制御装置20は、車両1が自動駐車モードでの車両制御の実行によって元の駐車位置又は新たな駐車領域に移動したこと、或いは、自動駐車モードでの車両制御を実行せずに退避位置に留まっていることを示す状態情報を外部へ送信する(ST28)。以上の処理により、制御装置20は駐車中処理を終了する。
上記の駐車中処理において、例えば、ステップST5〜ステップST7の判定のいずれか1つがNoの場合、何らの処理も行われない。そのため、図5に示すように、車両1は(A)の地震予測前の駐車位置から、(B)の地震予測後に移動することはなく、(C)の地震終了後にも移動することはない。
図6(A)に示すように、車両1の近傍(駐車区画線を越えた近く)に他車両がある場合、ステップST6の判定がYesになり、ステップST13にて退避モードでの車両制御が実行されることにより、車両1は図6(B)に示す退避位置へ移動する。地震終了後には、ステップST19の判定がYesになり、ステップST22にて元の駐車位置の隣の駐車場所が駐車領域に設定されてステップST23にて駐車モードでの車両制御が実行されることにより、車両1は図6(C)に示す新たな駐車領域へ移動する。
図7(A)に示すように、車両1の周囲に転倒する虞がある棚等の構造物があり(ST6:Yes)、無線操作をすることができないシャッタが車両1の退避方向にある場合、ステップST9にて棚から離れた位置に退避位置が設定され、車両1が図7(B)に示す退避位置へ移動する(ST13)。地震終了後には、ステップST19の判定がYesになり、ステップST19の判定がNoになるため、車両1は図7(C)に示すように退避位置に留まる。
図8(A)に示すように、車両1の周囲に転倒する虞がある棚等の構造物があり(ST6:Yes)、且つ無線操作可能なシャッタが車両1の退避方向にある(ST11:Yes)場合、ステップST12にてシャッタが開放駆動された後に、車両1が図8(B)に示す退避位置へ移動する(ST13)。地震終了後には、図8(C)に示すように、車両1が元の駐車位置へ移動(ST23)した後、ステップST27にてシャッタが閉鎖駆動される。
一方、図9に示すように、同様の駐車条件であっても、車両1が図9(B)に示す退避位置へ移動(ST23)した後に、図9(C)に示すように元の駐車位置に棚から落ちた物等の障害物が散乱している場合もある。この場合は、ステップST19の判定がYesになり、且つステップST21の判定がNoになるため、車両1は退避位置に留まる。また、ステップST26の判定がYesになった場合は、シャッタは開いたままになる。元の駐車位置に障害物が散乱していても、ステップST26にてシャッタを閉じるのに支障がないと判定され(No)、シャッタが閉じられてもよい。
図10(A)に示すように、車両1の周囲に転倒する虞がある棚等の構造物がなく(ST6:No)、且つ無線操作不能なシャッタが車両1の退避方向にある(ST11:No)場合であって、車両1が壁等の障害物の近傍に駐車している場合がある。このような場合、ステップST6の判定がYesになり、ステップST9にて壁から離れた位置が退避位置に設定される。図10(B)の例では、車庫の中央が最も被害可能性が低い退避位置に設定され、車両1がこの退避位置に移動する(ST13)。シャッタが開放駆動された後に、車両1が図8(B)に示す退避位置へ移動する(ST13)。地震終了後には、ステップST19の判定がYesになり、ステップST19の判定がNoになるため、車両1は図7(C)に示すように退避位置に留まる。
図11(A)に示すように、充電ステーション37がある駐車位置に車両1が駐車され、充電のために充電ケーブル38が車両1に接続されており(ST8:Yes)、且つ、車両1の近傍に他車両がある(ST6:Yes)ことがある。この場合、充電可能領域内の場所が退避位置に設定される(ST10)。これにより、車両1は図11(B)に示す充電可能領域内の退避位置に移動する。地震終了後には、ステップST19の判定がYesになり、ステップST22にて元の駐車位置に隣接する充電可能領域内の場所が駐車領域に設定され、車両1は図6(C)に示す新たな駐車領域へ移動する(ST23)。
このように構成された車両制御システム10によれば、以下のような効果が奏される。
車両1の駐車中に地震センサによってP波が検出された場合(ST3:Yes)、及び/又は、地震速報受信部27によって緊急地震速報が受信された場合(ST4:Yes)、制御装置20は外界センサ30によって検出された障害物が車両1に接触する可能性があるか否かを判定する(ST6)。接触する可能性があると判定した場合(ST6;Yes)、制御装置20は障害物との接触可能性が低い退避位置を設定し(ST9、ST10)、車両1を駐車位置から退避位置へ移動させる退避モードにて車両制御を実行する(ST13)。そのため、例えば図6(B)に示すように、P波に比べて揺れが大きいS波の地震動が到達したときに車両1が障害物と接触する可能性が低減する。
駐車位置には、車両1の前方や後方等の退避方向に障害物がなく前方への退避が可能な場所と、車両1の退避方向に障害物がないとしても、立体駐車場のように退避のために車両1を移動させるべきでない場所(退避不能な場所)とがある。本実施形態では、制御装置20が、駐車位置が退避可能な場所であるか否かを判定し(ST5)、駐車位置が退避不能な場所である場合(ST5:No)は退避モードでの車両制御を禁止する(図3、図4中の「A」)。したがって、駐車位置が退避可能な場所である場合にのみ、車両1が駐車位置から退避位置へ移動し(ST13)、退避によって事故等が発生することが抑制される。
制御装置20は、バッテリー35のSOC(蓄電状態)が所定値未満である場合(ST7:No)は退避モードでの車両制御を禁止する(図3、図4中の「A」)。したがって、退避モードでの車両制御の実行(ST13)によって車両1が退避位置へ移動することにより、バッテリー35の蓄電状態が低下してその後の運転に支障を来たすことが防止される。
制御装置20は、接続センサ39によって充電ケーブル38の接続が検出されている場合(ST8:Yes)、充電ケーブル38が届き得ると推測される充電可能領域を設定し、退避位置を充電可能領域内に設定する(ST10)。したがって、図11(B)に示すように、充電ケーブル38が接続されている状態で車両1が退避位置へ移動しても、充電ケーブル38に引っ張られてケーブル接続部36が破損することや充電設備が損傷することが抑制される。
制御装置20は、外界センサ30の検出結果に基づいて車両1を駐車可能な駐車領域を設定し(ST20、ST22)、退避モードでの車両制御の実行(ST13)後に自動駐車モードでの車両制御を実行する(ST23)。したがって、例えば図6(C)に示すように、車両1が退避位置へ移動したことによって他の車両1の通行が妨げられることが防止できる。
制御装置20は、受信退避モードでの車両制御の実行(ST13)後、P波の検出及び/又は緊急地震速報の受信から、S波の地震動が収まると推測される所定時間が経過したとき(ST18:Yes)に自動駐車モードでの車両制御を実行する(ST23)。したがって、S波の地震動が収まっていると推測されるときに車両1が駐車領域へ移動するため、移動の際に地震動の影響によって車両1が障害物に接触することが抑制される。
制御装置20は、地震センサの検出信号に基づいて地震が収まったことを判定したとき(ST17:Yes)に自動駐車モードでの車両制御を実行する(ST23)。したがって、S波の地震動が収まったことが判定された後に車両1が駐車領域へ移動するため、移動の際に地震動の影響によって車両1が障害物に接触することが抑制される。
制御装置20は、退避モードでの車両制御の実行(ST13)後、退避モードでの車両制御の実行前の駐車位置を自動駐車モードの駐車領域に設定する(ST22)。したがって、一旦退避位置へ移動した車両1が元の駐車位置へ戻るため、その後に駐車位置に戻ってきた運転者が元の駐車位置に車両1がないことで不安を覚えることが防止される。
制御装置20は、駐車位置へアクセスするための通路に設けられたシャッタを無線通信によって開閉可能に構成されており、退避モードにて車両制御を実行する(ST13)前にシャッタを開く(ST12)。したがって、図8に示すように、シャッタがある駐車位置に車両1が駐車していても、S波の地震動の到達が予測されるときに、シャッタの外側の障害物との接触可能性が低い退避位置への車両1の移動が可能になる。
制御装置20は、退避モードでの車両制御の実行(ST13)後に実行した自動駐車モードでの車両制御の実行(ST23)の後にシャッタを閉じる(ST27)。したがって、シャッタが開いた状態が続くことで、シャッタの内側に置いてある物品が盗難される虞が低減する。
制御装置20は、退避モードでの車両制御の実行(ST13)後、車両1の駐車の状態及び車両1の周囲の状態の少なくとも一方を含む状態情報を通信装置25から外部へ送信する(ST15、ST28)。したがって、車両1が駐車位置から退避位置へ移動したことや駐車の状態、車両1の周囲の状態等が、車両1の運転者や所有等の外部へ無線通信によって即座に通報される。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、図3に示されるように、制御装置20はP波を検出するか(ステップST3:Yes)、地震速報を受信すると(ステップST4:Yes)、ステップST5へ処理を進めるが、P波を検出し且つ地震速報を受信した場合にステップST5へ処理を進めてもよい。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、角度など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
1 車両
2 車体
3 走行用モータ
10 車両制御システム
11 操舵装置
17 ブレーキ装置
20 制御装置
23 加速度センサ(地震センサ)
25 通信装置
27 地震速報受信部
30 外界センサ
35 バッテリー
36 ケーブル接続部
38 充電ケーブル
39 接続センサ
40 電流センサ
41 自動運転制御部
42 地震判定部
43 状態管理部
44 シャッタ制御部
45 蓄電状態認識部
51 外界認識部
52 自車位置認識部
53 行動計画部
54 走行制御部
2 車体
3 走行用モータ
10 車両制御システム
11 操舵装置
17 ブレーキ装置
20 制御装置
23 加速度センサ(地震センサ)
25 通信装置
27 地震速報受信部
30 外界センサ
35 バッテリー
36 ケーブル接続部
38 充電ケーブル
39 接続センサ
40 電流センサ
41 自動運転制御部
42 地震判定部
43 状態管理部
44 シャッタ制御部
45 蓄電状態認識部
51 外界認識部
52 自車位置認識部
53 行動計画部
54 走行制御部
Claims (11)
- 車両制御システムであって、
車両の操舵装置及び走行用モータを駆動することによって前記車両の操舵及び加減速を含む自動運転を行うための車両制御を実行可能な制御装置と、
前記車両の周囲の障害物を含む外界の状態を検出する外界センサと、
地震のP波を検出可能な地震センサ及び/又は地震のP波に基づく緊急地震速報を受信可能な地震速報受信部とを有し、
前記車両の駐車中に前記地震センサによってP波が検出された場合、及び/又は、前記地震速報受信部によって前記緊急地震速報が受信された場合、前記制御装置が、前記外界センサによって検出された前記障害物が前記車両に接触する可能性があるか否かを判定し、接触する可能性があると判定した場合、前記障害物との接触可能性が低い退避位置を設定し、前記車両を駐車位置から前記退避位置へ移動させる退避モードにて前記車両制御を実行することを特徴とする車両制御システム。 - 前記制御装置が、前記駐車位置が退避可能な場所であるか否かを判定し、前記駐車位置が退避不能な場所である場合は前記退避モードでの前記車両制御を禁止することを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
- 前記制御装置が、前記操舵装置及び前記走行用モータに電力を供給するバッテリーの蓄電状態を認識し、前記バッテリーの前記蓄電状態が所定値未満である場合は前記退避モードでの前記車両制御を禁止することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両制御システム。
- 前記バッテリーに対する外部充電を可能にするために前記車両に設けられたケーブル接続部と、前記ケーブル接続部への充電ケーブルの接続を検出する接続センサとを更に備え、
前記制御装置が、前記接続センサによって前記充電ケーブルの接続が検出されている場合、前記充電ケーブルが届き得ると推測される充電可能領域を設定し、前記退避位置を前記充電可能領域内に設定することを特徴とする請求項3に記載の車両制御システム。 - 前記制御装置が、前記外界センサの検出結果に基づいて前記車両を駐車可能な駐車領域を設定し、前記車両を前記駐車領域へ移動させる自動駐車モードにて前記車両制御を実行し、前記退避モードでの前記車両制御の実行後に前記自動駐車モードでの前記車両制御を実行することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の車両制御システム。
- 前記制御装置が、前記退避モードでの前記車両制御の実行後、前記P波の検出及び/又は前記緊急地震速報の受信から所定時間が経過したときに前記自動駐車モードでの前記車両制御を実行することを特徴とする請求項5に記載の車両制御システム。
- 地震のS波を検出可能な前記地震センサを備え、
前記制御装置が、前記地震センサの検出信号に基づいて地震が収まったことを判定したときに前記自動駐車モードでの前記車両制御を実行することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の車両制御システム。 - 前記制御装置が、前記退避モードでの前記車両制御の実行後、前記退避モードでの前記車両制御の実行前の前記駐車位置を前記自動駐車モードの前記駐車領域に設定することを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれかに記載の車両制御システム。
- 前記制御装置が、前記駐車位置へアクセスするための通路に設けられたシャッタを無線通信によって開閉可能に構成されており、前記退避モードにて前記車両制御を実行する前に前記シャッタを開くことを特徴とする請求項5〜請求項8のいずれかに記載の車両制御システム。
- 前記制御装置が、前記退避モードでの前記車両制御の実行後に実行した前記自動駐車モードでの前記車両制御の実行の後に前記シャッタを閉じることを特徴とする請求項9に記載の車両制御システム。
- 外部と通信可能な通信装置を更に有し、
前記制御装置が、前記退避モードでの前記車両制御の実行後、前記車両の駐車の状態及び前記車両の周囲の状態の少なくとも一方を含む状態情報を前記通信装置から外部へ送信することを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の車両制御システム。
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