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JP2020039455A - 電気掃除機 - Google Patents

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JP2020039455A
JP2020039455A JP2018167482A JP2018167482A JP2020039455A JP 2020039455 A JP2020039455 A JP 2020039455A JP 2018167482 A JP2018167482 A JP 2018167482A JP 2018167482 A JP2018167482 A JP 2018167482A JP 2020039455 A JP2020039455 A JP 2020039455A
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Hiroyuki Nakamura
浩之 中村
遼 山谷
Ryo Yamatani
遼 山谷
伊藤 則和
Norikazu Ito
則和 伊藤
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Abstract

【課題】多種類の運転モードの表示および確認性に優れた電気掃除機を提供する。【解決手段】複数種の掃除モードを選択して実行可能で、選択された掃除モードの種類を表示可能で、表示は、複数の文字列のうち一部を表示又は点灯する運転モード表示部と、記号又は数を表示又は点灯する記号/数表示部とを利用して行われる電気掃除機。【選択図】図16

Description

本発明は、電気掃除機に関する。
特許文献1は、使用者がクイック清掃やディープ清掃、スポット清掃、エッジおよびコーナーの清掃の発生頻度を1つまたは複数調整することで使用者の注目度に合わせて自動で清掃を行う自立型電気掃除機を開示している。
特表2016−515311号公報
特許文献1に示す電気掃除機では、どのようなパラメータの調整結果の下で清掃を行っているかを電気掃除機本体が表示しておらず、使用者が事前に記憶しておくか、移動デバイス300の画面を確認することになり、不便である。しかし、パラメータの調整が細かく行える電気掃除機や、プリセットされたモードを多種類実行可能な電気掃除機については、これらそれぞれを区別して表示するハードウエアを細やかに設けると、却って煩雑な表示となってしまう虞がある。
上記事情に鑑みてなされた本発明は、
複数種の掃除モードを選択して実行可能で、
選択された掃除モードの種類を表示可能で、
前記表示は、複数の文字列のうち一部を表示又は点灯する運転モード表示部と、記号又は数を表示又は点灯する記号/数表示部とを利用して行われる電気掃除機である。
本発明の実施形態に係る自律走行型掃除機を左前方から見た斜視図。 自律走行型掃除機の下面図。 図1のA−A断面図。 自律走行型掃除機のケースを外した内部構成を示す斜視図。 掃除時の自律走行型掃除機の走行軌跡の例。 その場回転の詳細動作を示す図。 その場回転における右車輪の速度変化を示す図。 旋回動作を示す図。 旋回の詳細動作を示す図。 旋回における右車輪の速度変化を示す図。 掃除時の自律走行型掃除機の走行軌跡。 壁ぎわ走行の詳細を示す図。 旋回における左車輪の速度変化を示す図。 自動運転モードと念入り運転モードの走行イメージ。 おこのみモードの例としての壁ぎわ走行重視モード、反射走行重視モード、脚周り走行重視モードの走行イメージ。 自律走行型掃除機の7セグメントとその周囲の拡大図
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る自律走行型掃除機を左前方から見た斜視図である。なお、自律走行型掃除機Sが進行する向きのうち、サイドブラシ7を設けた側を前方、鉛直上向きを上方、駆動輪2、3が対向する方向であって駆動輪2側を左方、駆動輪3側を右方とする。すなわち図1等に示すように前後、上下、左右方向を定義する。
図2は、自律走行型掃除機の下面図である。
自律走行型掃除機Sは、所定の掃除領域(例えば、部屋の床面Y)を自律的に移動しながら自動的に掃除する電気機器である。
自律走行型掃除機Sは、外郭を成すケース1(1u、1s)と、下部の一対の駆動輪2、3(図2参照)および補助輪4とを備えている。また、自律走行型掃除機Sは、下部に回転ブラシ5、ガイドブラシ6およびサイドブラシ7を備え、周囲に障害物検知手段としての前方用測距センサ8(図2、図3、図4参照)を備えている。
駆動輪2、3は、駆動輪2、3自体が回転することで自律走行型掃除機Sを前進、後退、旋回させるための車輪である。駆動輪2、3は、直径上左右両側に配置され、それぞれ走行モータおよび減速機で構成される車輪ユニット20、30により回転駆動される。補助輪4は、従動輪であり自由回転するキャスタである。駆動輪2、3は、自律走行型掃除機Sの前後方向の中央側、左右方向の外側に設けられており、補助輪4は前後方向の前方側、左右方向の中央側に設けられている。
サイドブラシ7は、自律走行型掃除機Sの前方側、左右方向の外側に設けられており、図1の矢印α1のように、自律走行型掃除機Sの前方外側の領域を、左右方向外側から内側に向かう方向に掃引するよう回転して、床面上の塵埃を中央の回転ブラシ5(図2参照)側に集める。2つのガイドブラシ6は、それぞれ駆動輪2、3に対して左右方向内側に設けられており、サイドブラシ7で集められた塵埃を回転ブラシ5の幅内から外側に逃げないようにガイドする固定ブラシである。
回転ブラシ5は、自律走行型掃除機Sの駆動輪2、3に対して後方に設けられている。回転ブラシ5の左右側端部の左右方向位置は、それぞれ駆動輪2、3より内側、又はガイドブラシ6より内側にできる。
(自律走行型掃除機Sの動作概要)
自律走行型掃除機Sは、駆動輪2、3と補助輪4(図2参照)とにより自律的に移動され、前進、後進、左右旋回、超信地旋回等が可能である。そして、自律走行型掃除機Sは、サイドブラシ7、ガイドブラシ6で集塵して回転ブラシ5の周りに付着した塵埃を、吸口14を介して、吸引ファン11の吸込み力により、集塵ケース12入口の吸込み口12iから集塵ケース12内に吸込み、出口の集塵フィルタ13により集塵ケース12内に滞留させる。
集塵ケース12内に塵埃が溜まると、適宜、利用者により集塵ケース12が本体部Shより取り出され、集塵フィルタ13が取り外され、塵埃が廃棄される。
バンパ1bは、壁等の障害物に衝突した際に外部から作用する力に応じて前後方向に移動可能に設置されている。バンパ1bは、左右一対のバンパばね(図示省略)によって外向きに付勢されている。
バンパ1bを介して障害物と衝突した際の作用力がバンパばねに作用すると、バンパばねは平面視で内側に倒れ込むように変形し、バンパ1bを外向きに付勢しつつバンパ1bの後退を許容する。バンパ1bが障害物から離れて前記した作用力がなくなると、バンパばねの付勢力によってバンパ1bは元の位置に復帰する。ちなみに、バンパ1bの後退(つまり、障害物との接触)は、後記するバンパセンサ15によって検知され、その検知結果が制御装置10に入力される。
(集塵ケース12)
図3に示す集塵ケース12は、床面Yから、吸込部1s4に形成される吸口14を介して吸いこまれた塵埃を回収する容器である。集塵ケース12は、回転ブラシ5と略同じ左右方向寸法を有している。
(障害物検知手段8、15、16)
障害物検知手段として図4に示すバンパセンサ15と、前方用測距センサ8と、床面用測距センサ16を設けている。前記バンパセンサ15は、バンパ1b(図1参照)が障害物と接触したことをバンパ1bの後退で検知するセンサ、例えばフォトカプラである。バンパ1bに障害物が接触した場合、バンパ1bの後退でセンサ光が遮られる。この変化に応じた検知信号が制御装置10に出力される。
前方用測距センサ8は、赤外線を用いて障害物までの距離を計測する測距センサで、バンパ1bの表面から5〜15mmの内側に設置させている。なお、バンパ1bの測距センサ8の近傍は、赤外線を透過させる樹脂又はガラスで形成されている。
前方用測距センサ8は、障害物からの赤外線の反射光を感知するもので、反射光の強度により距離を計測するものである。反射光の強度が強い場合は近く、弱い場合は遠いと判断する。つまり、障害物からの距離は0,1の2値で判定されるものではなく、障害物からの距離を複数の段階で(アナログ的に)判定できる測距センサである。
このような前方用測距センサ8を、本体正面8a、左側面8b、右側面8c、正面と左側面の間の左正面8d、正面と右側面の間の右正面8eの計5個設けている。本実施例では5個とも“距離”を複数の段階で計測できる測距センサとしているが、少なくとも左側面8b、右側面8cのどちらか一方のみが、“距離”を複数の段階で計測できる測距センサでも構わない。
なお、前方用測距センサ8として可視光、紫外線、レーザーを用いてもよい。また、赤外線の強度を計測するタイプの測距センサではなく、反射光の受光位置を感知することで距離を計測するタイプでも、反射光が戻ってくる時間から距離計測するタイプでもよい。
図2に示す床面用測距センサ16は、床面までの距離を計測する赤外線を用いた測距センサであり、下ケース1sの下面前後左右4か所(16a、16b、16c、16d)に設置されている。床面用測距センサ16によって階段等の大きな段差を検知することで、自律走行型掃除機Sの落下を防止できる。例えば、床面用測距センサ16によって前方に30mm程度以上の段差が検知された場合、制御装置10(図3参照)は駆動輪2,3を制御して本体部Shを後退させ、自律走行型掃除機Sの進行方向を転換させる。
(制御装置10)
図3に示す制御装置10は、例えばマイコン(Microcomputer)と周辺回路とが基板に実装され、構成される。マイコンは、ROM(Read Only Memory)に記憶された制御プログラムを読み出してRAM(Random Access Memory)に展開し、CPU(Central Processing Unit)が実行することで各種処理が実現される。周辺回路は、A/D・D/A変換器、各種モータの駆動回路、センサ回路、充電池9の充電回路等を有している。
制御装置10は、利用者による操作ボタンbuの操作、及び、各種障害物検知手段(センサ8、15、16)から入力される信号に応じて演算処理を実行し、各種モータ、吸引ファン11等と信号を入出力する。
(各モードの自律走行型掃除機S側での表示)
図15はおこのみモードの例としての壁ぎわ走行重視モード、反射走行重視モード、脚周り走行重視モードの走行イメージである。図16は実施形態の自律走行型掃除機Sの7セグメントとその周囲の拡大図である。図1等に示すように、自律走行型掃除機Sは、上ケース1u側に操作ボタン23、運転モード表示部の一例としての状態表示LED21、記号/数表示部の一例としての7セグメント表示器20を備えている。操作ボタン23を操作することにより、運転の開始及び停止やモードの切り替えを行うことができる。操作ボタン23を長押して本体の設定変更モードに移行することで音声通知の音量、電動送風機の吸引力、段差センサの閾値及び塵埃の吸引量に応じた走行制御実行不実行の閾値の変更を行うことができる。
運転モード表示部21は操作ボタン23の例えば近傍に設置され、例えば本実施形態のモードの種類を示す「自動」、「念入り」、「マナー」、「おこのみ」、「スポット」、「ホーム」等の文字列の表示が可能な領域を有している。文字列の点灯・消灯、点灯の色等で本体の状態を使用者に伝える。
自律走行型掃除機Sが実行中の運転モードは、運転モード表示部21と記号/数表示部20の組合せで使用者に伝えられる。自律走行型掃除機Sの運転モードとしては、運転モード表示部21で表現される、自動モード、念入りモード、マナーモードの他に、複数種類の「おこのみ」モードが含まれている。おこのみモードとしては図15等で後述するように、部屋の中央側を走行しやすい「反射走行重視」、壁際走行制御に入る確率を上げた「壁際走行重視」、机の脚等の細い障害物の周囲を旋回する確率を上げた「脚周り走行重視」等の使用者の好みに合わせた複数種を選択できる。おこのみモードの一部又は全部は、自律走行型掃除機Sの初期プログラムではなく、別途有線通信又は無線通信を利用して追加されるプログラムに含められることができる。
おこのみモードとしては、自律走行型掃除機Sの初期プログラムの中に含まれているものが0又は1つ以上存在するとともに、広域ネットワーク等を用いてサーバから後日ダウンロード可能なものが0又は1つ以上存在する。
このように、本実施形態の自律走行型掃除機Sは、「おこのみモード」として括られた複数種のモードを実行可能である。これらの実行は、状態表示LED21に設けられた、おこのみモードのいずれかを実行中であることを示す「おこのみ」点灯部の点灯を行うとともに、例えば0〜9の数字を区別して表示可能な記号/数表示部20による表示の組合せで表現される。
すなわち、自動モードや念入りモードのように、それぞれ唯1つのモードが対応するものは、状態表示LED21の対応するLEDを点灯させることのみで選択中の運転モードを表現可能である。一方、複数種のモードが存在するおこのみモードでは、運転モード表示部21の「おこのみ」を点灯させるとともに7セグメント表示部20に数字を表示して、「おこのみモード1」「おこのみモード2」...というように表示する。例えば本実施形態では、「おこのみモード1」に「壁際走行重視モード」を、「おこのみモード2」に「反射走行重視モード」を、「おこのみモード3」に「脚周り走行樹脂モード」をそれぞれ予め対応付けておき、各モードの実行中に、対応する運転モード表示部21と7セグメント表示部20とを表示させればよい。
7セグメント表示部20に表示させるべき数字と各おこのみモードの種類とは、操作ボタン23を通じた操作や、自律走行型掃除機Sと通信可能な携帯端末(不図示)を通じた操作によって設定や変更可能に構成することができる。また、現在、いずれの数字にいずれのお好みモードの種類が対応付けられているかは、例えば携帯端末を通じて確認することができる。
これにより、運転モード表示部21の種類をあまり増加させることなく7セグメント表示部20を利用して多数の掃除モードを区別して表現できる。7セグメント表示部20は1つでもよいし2つ以上でもよい。
なお、例えば操作ボタン23の操作を通じて、各おこのみモードの説明を、自律走行型掃除機Sのスピーカ25から使用者に音声案内させるようにしてもよい。おこのみモードの数字とそのおこのみモードに対応する説明を音声案内にて実行することにより、掃除モードの追加アップデートとその内容の説明を容易に行うことができる。説明される音声データは、初期プログラムに格納されているおこのみモードについては、例えば初期プログラムとともに自律走行型掃除機Sに格納させておくことができるし、アップデートによって新たに格納されたおこのみモードについては、アップデートによって自律走行型掃除機Sに格納させるようにすることができる。運転モードのアップデート方法は無線通信を介したものに限らず、有線通信やメモリを用いたデータ移動等でもよい。
例えば、スピーカ25は、ユーザの操作を通じて「おこのみモード2」である「反射走行重視モード」の説明を求められた場合は、「おこのみモード2。反射走行重視モード。壁や障害物を検知すると、そこから離れるような動きを行いやすいモードです。」等と音声案内できる。この音声案内は、説明を求められた運転モードである「おこのみモード」と、その数字「2」、「おこのみモード2」として現在対応付けられているモードである「反射走行重視モード」、「反射走行重視モードの説明文」を読み上げるようにされている。
次に、走行制御について図5を用いて説明する。図5は掃除時の走行軌跡を示す。
図5のSは自律走行型掃除機であり、部屋50内を走行している。部屋50は壁51で囲まれており、その左下側に机があり、図5には机の脚55を記載している。部屋50内の点線52は走行軌跡を示している。
反射走行は、前方測距用センサ8もしくはバンパセンサ15により障害物を検出したら進行方向を変える走行である。自律走行型掃除機Sは図中P1より出発し、障害物となる部屋50の壁51bに近づくと(P2)、左回りにその場で回転(超信地旋回)することで進行方向を変え、壁51bで反射しているかのような走行軌跡を示す。
その後も壁51に近づいては進行方向を変える動作(その場回転の角度はランダムに変更)を繰り返し、机の脚55aに近づく(P3)。机の脚55aのように細い(小さい)障害物と判断したら、その障害物のごく近い所を回り込むように本体を旋回させ、その障害物の先をさらに掃除する。
その後、壁51cに近づき、進行方向を変え、壁51aに近づき、さらに進行方向を変え、机の脚55cに近づく(P4)。机の脚55cのように細い(小さい)障害物と判断したら、その障害物のごく近い所を一周以上旋回するように本体を移動させる。
上記では机の脚55aに近づいた場合と55cに近づいた場合とで旋回距離(角度)が異なっているが、本実施例ではランダム的に変化させているが、細い障害物の検出頻度を基準に旋回距離を変化させても良い。細い障害物がたくさんある状況、たとえば食卓の下など複数の椅子がある場合、椅子の脚まわりのごみをしっかり掃除するためにも旋回距離を長くして、しつこく掃除させるほうが望ましい。
このように、自律走行型掃除機Sは直進以外にも、その場で回転したり、障害物近傍を旋回したりしている。
その場で回転する時の詳細な動作を図6に示す。図6は自律走行型掃除機Sを簡略化して示しており、本体Shと右の駆動輪2、左の駆動輪3のみを示し、P11は本体Shの前方(先頭)を示している。また、図中の破線は本体Shがその場で回転した後の車輪位置を示し、P12は移動後の本体の先頭の位置を示している。図6は反時計回りにその場で回転する場合を示しており、右の車輪2を前方向に、左の車輪3を後ろ方向に略同じ角速度で回転させる。この回転時の車輪の角速度を直進時の車輪の角速度より速くすることで、本体の回転速度を高め、短時間で回転させる。
具体的には図7に車輪(右側)の角速度の変化を示す。直進時の移動速度は300mm/sであり、左右の車輪2、3はともに前向きに約510deg/s(L1)で回転している(車輪直径68mm)が、回転時では右の車輪2は前向きに約630deg/s(L2)、左の車輪3は後ろ向きに約630deg/sで回転させる。直進時の角度速度に対して、回転時の車輪の角速度は約1.2倍となっている。
また、本体Shの動きとして本体先頭P11の移動速度も直進時に比べて速く移動しており、回転時には約550mm/sとなる。
このように回転時の車輪速度を直進時の車輪の角速度と略同等、もしくはより速くすることにより、時間を短縮することができる。もし、その場回転時における車輪の角速度を直進時における車輪の角速度より減速した場合、たとえば35%減速した場合、本体を150度回転させるのに要する時間は約1.2秒であるが、本実施例のように車輪の角速度を速めた場合は約0.6秒となり、約0.6秒の時間を短縮できる。自律走行型掃除機Sによる1回の掃除運転中の反射回数は約200回あり、走行距離を約36m長くすることができる。
なお、図7に示すように直進時およびその場回転時の角速度は床面の状態等により、一定ではなく、時間とともに直進時はL1a〜L1b、その場回転時はL2a〜L2bの範囲で上下しており、その場回転時の角速度L2bは少なくともL1aより高くする。
次に、旋回中の車輪の角速度に関して、図8、9を用いて説明する。図8は旋回動作の例として、本体幅より狭い障害物61の周りを回り込む動作を示す。
まず、本体は障害物61に近接もしくは接触し(図8の実線Sh1)、障害物61が本体Sh1の左右どちらかにあるか測距センサ8および/もしくはバンパセンサ15で確認する。図8では本体Sh1の左側にあり、その場合は時計回りにその場回転を行う(矢印A)。このとき、測距センサ8を監視しながら、障害物61が本体の略側面に位置するまでその場回転させる。その後、本体外周より外側の点を回転中心として反時計回りに旋回する(矢印B)。
図9は旋回時の自律走行型掃除機Sを簡略化して示しており、本体Shと右の駆動輪2、左の駆動輪3のみを示し、P21は本体Shの前方(先頭)を示している。また、図中の破線は旋回した後の本体および車輪位置を示し、P22は移動後の本体Shの先頭の位置を示している。反時計回りの旋回時において、左右の車輪は前方向に回転させているが、右の車輪2のほうが、左の車輪3より速い角速度で回転させる。
本体の側面に設けた測距センサ8により障害物までの距離を把握し、旋回時の回転半径(旋回半径)Rを決め、その旋回半径に基づいて左右車輪の角速度を制御しながら旋回させる。このとき障害物61と本体Sh外郭の隙間が約5mm程度となるように、旋回半径Rを設定する。
この旋回半径Rに基づいて旋回する時、旋回方向とは逆側の車輪(図9では右車輪2)の角速度を、直進時における右車輪の角速度より速くすることにより、旋回に要する時間を短縮させる。
具体的には旋回時の本体先頭の移動速度を、直進時の本体先頭の移動速度と略同等、もしくはより速い速度にする。直進時の本体先頭の移動速度300mm/sに対して、旋回時の本体先頭の移動速度は320mm/sとした。回転中心Oから旋回方向とは逆側の車輪(右車輪2)までの距離は、回転中心Oから本体先頭P21までの距離とほぼ同じもしくは若干短く、右車輪2の移動速度も約320mm/sである。
図10に右側の車輪2の角速度の変化を示す。旋回時の右車輪2の角速度は約540deg/s(L4)で回転し(車輪直径68mm)、直進時の車輪の角速度約510deg/s(L1)より速い。
特許文献1図10Bのように直進時の移動速度(約310mm/s)に対して、旋回時の移動速度を減速(約150mm/s)した場合に比べて、大幅に時間を短縮できることがわかる。
なお、図10に示すように直進時および旋回時の角速度は床面の状態等により、一定ではなく、時間とともに直進時はL1a〜L1b、旋回時はL4a〜L4bの範囲で上下しており、旋回時の角速度L4bはすくなともL1aより高くする。
ただし、本実施例のように、その場回転時および旋回時における本体Shの移動速度を速めた状態で障害物に接触すると、障害物に大きな衝撃を与えてしまう恐れがある。そこで、本体Shの前面から側面にかけて設けた測距センサ8を用いて、本体Sh近傍の障害物を検知することが望ましい。その場回転および旋回中に障害物に本体が近づいたら停止もしくは減速させ、障害物に接触しない、もしくは接触時の衝撃を弱めるようにすることができる。
また、本実施例における旋回動作として、左右の車輪が前方向に回転する場合を記載したが、片側の車輪を停止した旋回、片側をゆっくりと逆向きに回転させた旋回においても同様である。
なお、旋回時の動作として、本体の側面に設けた測距センサ8により障害物までの距離を把握せずに、所定の回転半径で旋回してもよい。また、旋回時の動作として、本体の側面に設けた測距センサにより障害物までの距離を時々刻々と把握しながら、その都度、旋回半径を変化させながら旋回してもよい。
反射走行を複数回行った後に、図11のように壁51に沿って移動する壁ぎわ走行を行う。図12にその詳細な動作を示す。
壁ぎわ走行は本体側面に設けた測距センサ8を用いて壁51から約10mm離れた状態を保つように走行する。この壁ぎわ走行の時の本体Shの移動速度は、第一の実施例の反射走行中の直進時の速度と略同等、もしくはより速くする。
壁ぎわ走行の理想は図12の破線Cのように壁51と平行に直進することであるが、実際には図中実矢印線Dのように壁51に近づいたり、壁51から離れたりし、蛇行している。これは測距センサ8により壁51までの距離を計測し、壁51に近づいたら遠ざけるように、壁51から離れたら近づくように走行制御をしているためである。壁51に近づけたり、壁51から遠ざけたりするときには左右の車輪2、3の角速度を異ならせている。本体Shの左側の壁51に対して、本体Shを近づける場合には、右側の車輪2の角速度を左側の車輪3の角速度より速くする。また、本体Shを壁51から遠ざける場合には左側の車輪3の角速度を右側の車輪2の角速度より速くする。
図13に左側の車輪3の角速度の変化を示す。第一の実施例と同様に、300mm/sで本体Shが直進している場合、左右の車輪2、3はともに前向きに約510deg/s(L1)で回転している。壁51近傍まで移動したら左右の車輪2,3の回転を停止させ、その後、その場回転して壁51と本体進行方向を略平行に向ける。その状態から壁ぎわ走行に移行する。
壁ぎわ走行中、本体Shが壁51に対して目標値である約10mm離れた状態のときは左右の車輪2、3はともに前向きに約510deg/s(図13のV1)で回転させる。壁から10mmより少し近い場合(壁から5mm以上10mm未満の場合)は、右側の車輪2の角速度を495deg/s、左側の車輪3の角速度を525deg/s(図13のV2)で回転させ、旋回半径約1500mmで緩やかに壁51から遠ざける。このときの本体Shの先頭の移動速度は約300mm/sとなり、直進時とほぼ同じ速度となる。
また、10mmより離れている場合は右側の車輪2の角速度を525deg/s、左側の車輪3の角速度を495deg/s(図13のV3)で回転させ、旋回半径約1500mmで緩やかに壁51に近づける。この場合も本体Shの先頭の移動速度は約300mm/sとなり、直進時とほぼ同じ速度となる。
また、壁51により近い場合(壁から5mm未満の場合)は、右側の車輪2の角速度を440deg/s、左側の車輪3の角速度を580deg/s(図13のV4)で回転させ、旋回半径約300mmで急速に壁51から遠ざける。このときの本体Shの先頭の移動速度は約330mm/sとなり、直進時より速い速度となる。
このように、壁からの距離を一定に保つように制御する壁ぎわ走行の旋回時における少なくとも一方の車輪の角速度を直進時より高くすることで、壁ぎわ走行においても、直進時と同様な速い速度で移動させることができる。これにより、直進時よりも速度を落とさずに走行することができ、走行距離が短くなることを防ぎ、未通過な領域の面積を少なくすることができる。
なお、測距センサ8を用いて、上記のように壁51と本体Shの距離に応じて動作(旋回半径)を変更させることで高速で壁ぎわを走行しても壁に接触することを防ぐことができる。
また、本実施例の自律走行型掃除機は略円形で示したが、略円形でなくてもよい。
以上のように、その場回転、旋回、壁ぎわ走行時の少なくともどちらか一方の車輪の角速度を、直進時の車輪の角速度とほぼ同等もしくはより高くすることで、走行距離を長くすることができ、広い面積を掃除することができ、未通過な領域の面積を少なくすることができる。
<<モード選択>>
自律走行型掃除機Sは、制御装置10によってそれぞれのモータの駆動速度や清掃時間を制御しており、使用者が運転モードを選択することによりモータの駆動速度や清掃時間を選択できる。
例えば、自動運転モードでは電動送風機11は「標準」「強」を床面の状態(メインブラシ5の抵抗によって検知)や吸込口12iに設けられたごみセンサによって検知したごみの量によって切り替えを行い、駆動輪2,3は「速い」速度で回転する。清掃時間はセンサによって検知した清掃する空間の広さとごみセンサで検知したごみの残量によって約30分から約60分を自動で判断し運転する。また、複数の走行パターンを組み合わせることによって素早い動きで運転時間が短く、広い範囲に高い清掃能力を発揮できる。
念入り運転モードでは、電動送風機11と駆動輪2、3は自動運転モードと同じで、運転時間が約70分固定である。これによって部屋の広さ等に依存せず、広い範囲により高い清掃能力を発揮できる。
図14は自動運転モードと念入り運転モードの走行イメージを示す。
スポット運転モードでは、電動送風機11は強よりも回転数の高い「ターボ」固定、駆動輪2、3は「遅い」速度で回転する。清掃時間は約1分で限られた空間を清掃する。これによって任意の狭い範囲をさらに高い吸引力で清掃することができる。
反射走行重視モードでは、電動送風機11、駆動輪2、3、清掃時間は自動運転モードと同じで、最大運転時間での清掃カバー率の差を10%以下として、反射走行から壁ぎわ走行に移行する確率と机の脚のような細い障害物を検知した場合にその周囲を回り込む確率を半分以下とし、障害物を検知した場合に高確率で反射して使用者が塵埃を認識しやすい広い範囲に高い清掃能力を発揮できる。
壁ぎわ重視走行モードでは、電動送風機11、駆動輪2、3、清掃時間は自動運転モードと同じで、最大運転時間での清掃カバー率の差を10%以下として、反射走行から壁ぎわ走行に移行する確率を2倍以上とし、机の脚のような細い障害物を検知した場合にその周囲を回り込む確率を半分以下とし、塵埃が集積しやすい壁ぎわを重視して清掃することで、広い範囲に塵埃の残存量を抑えて高い清掃能力を発揮できる。
脚周り走行重視モードでは、電動送風機11、駆動輪2、3、清掃時間は自動運転モードと同じで、最大運転時間での清掃カバー率の差を10%以下として、反射走行から壁ぎわ走行に移行する確率半分以下とし、机の脚のような細い障害物を検知した場合にその周囲を回り込む確率を2倍以上とし、家具の周囲を重視して清掃することで机や椅子の脚などの帆沿い障害物が多い部屋であってもその間を清掃することで、未通過範囲を抑えて高い清掃能力を発揮できる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想を変更しない範囲において適宜変更することができる。例えば、無線LANまたはBluetooth(登録商標)などでスマートフォンを用いた走行モードの変更や、吸口ブラシ5や回転ブラシ7を設けない構成としても良い。
2、3 駆動輪
5 回転ブラシ
8 前方用測距センサ(障害物検知手段)
9 充電池
11 吸引ファン
12 集塵ケース
14 吸口
15 バンパセンサ(障害物検知手段)
16 床面用測距センサ(障害物検知手段)
20 記号/数表示部(7セグメント表示器)
21 運転モード表示部(状態表示LED)
23 操作ボタン
25 スピーカ
S 自律走行型掃除機
Sh 本体部(非回転部、車体)

Claims (5)

  1. 複数種の掃除モードを選択して実行可能で、
    選択された掃除モードの種類を表示可能で、
    前記表示は、複数の文字列のうち一部を表示又は点灯する運転モード表示部と、記号又は数を表示又は点灯する記号/数表示部とを利用して行われる電気掃除機。
  2. 前記運転モード表示部は、文字状に光源の光が透過することで文字列を表示する状態表示LEDであり、
    前記記号/数表示部は、0から9何れかの数を表示可能な7セグメント表示器であることを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
  3. 前記掃除モードの新たなモードを初期プログラムに追加して又は置換して記憶可能であり、
    該新たなモードへの前記記号又は数の対応付けが、当該電気掃除機の操作ボタンを通じた操作又は当該電気掃除機と通信可能な携帯端末を通じた操作で可能なことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気掃除機。
  4. 前記記号/数表示部で表示可能な記号又は数に対応付けられた前記運転モードの説明を音声で出力可能なスピーカを有することを特徴とする請求項1乃至3何れか一項に記載の電気掃除機。
  5. 前記運転モード表示部及び前記記号/数表示部によって表現される文字列及び記号/数を指定する操作が行われることで、前記スピーカによる説明が行われ、
    該説明は、
    前記文字列及び記号/数に対応付けられた運転モードの名称と、
    該運転モードの説明文と、を含むことを特徴とする請求項4に記載の電気掃除機。
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