JP2019086871A - 自律走行型電気掃除機及び電気掃除機システム - Google Patents
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Abstract
【課題】使用者の好みに応じた走行が可能な自律走行型掃除機を提供する。【解決手段】電動送風機と、車輪と、を備え、反射走行、壁際走行、及び脚周り走行を含む運転を行う自動運転モードを実行可能な自律走行型電気掃除機であって、反射走行重視モードと、壁際走行重視モードと、高い脚周り走行重視モードと、のうち、1つ、2つ、又は3つを選択して実行可能であり、自動運転モード、反射走行重視モード、壁際走行重視モード、及び脚周り走行重視モードの使用者による選択指令を受付可能。【選択図】図15
Description
本発明は、自律走行型電気掃除機並びにこれとこれを操作するソフトウエアを含む電気掃除機システムに関する。
特許文献1は、壁などの障害物を検知すると反射する走行と机の脚などの細い障害物のごく近い周囲を回り込む脚周り走行、壁に沿って掃除を行う壁際走行を自動で選択して自律的に走行するモードを備えた自律型電気掃除機を開示している。
特許文献2は、使用者がクイック清掃やディープ清掃、スポット清掃、エッジおよびコーナーの清掃の発生頻度を1つまたは複数調整することで使用者の注目度に合わせて自動で清掃を行う自律型電気掃除機を示している。
特許文献1に示すような電気掃除機では、自律的な走行のパターンが使用者の意図と異なる虞がある。特許文献2に示す電気掃除機では使用者が設定を行うパラメータが多く、或るパラメータを調整すると他のパラメータが変動するなど、使用者が意図する設定に調節することが難しい。さらに、使用者のパラメータ設定によっては、極端な走行制御となって未到達範囲が広くなり清掃カバー率が低下する虞がある。
上記事情に鑑みてなされた本発明は、電動送風機と、車輪と、を備え、反射走行、壁際走行、及び脚周り走行を含む運転を行う自動運転モードを実行可能な自律走行型電気掃除機であって、前記反射走行の実行時間の割合が前記自動運転モードに比して高い反射走行重視モードと、前記壁際走行の実行時間の割合が前記自動運転モードに比して高い壁際走行重視モードと、前記脚周り走行の実行時間の割合が前記自動運転モードに比して高い脚周り走行重視モードと、のうち、1つ、2つ、又は3つを選択して実行可能であり、前記自動運転モード、前記反射走行重視モード、前記壁際走行重視モード、及び前記脚周り走行重視モードの使用者による選択指令を受付可能なことを特徴とする。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
<<実施形態1>>
図1は、本発明の実施形態に係る自律走行型掃除機を左前方から見た斜視図である。図2は、自律走行型掃除機の下面図である。
なお、自律走行型掃除機Sが進行する向きのうち、サイドブラシ7を設けた側を前方、鉛直上向きを上方、駆動輪2、3が対向する方向であって駆動輪2側を左方、駆動輪3側を右方とする。すなわち図1等に示すように前後、上下、左右方向を定義する。
図1は、本発明の実施形態に係る自律走行型掃除機を左前方から見た斜視図である。図2は、自律走行型掃除機の下面図である。
なお、自律走行型掃除機Sが進行する向きのうち、サイドブラシ7を設けた側を前方、鉛直上向きを上方、駆動輪2、3が対向する方向であって駆動輪2側を左方、駆動輪3側を右方とする。すなわち図1等に示すように前後、上下、左右方向を定義する。
自律走行型掃除機Sは、所定の掃除領域(例えば、部屋の床面Y)を自律的に移動しながら自動的に掃除する電気機器である。自律走行型掃除機Sは、外郭を成すケース1(1u、1s)と、下部の一対の駆動輪2、3(図2参照)および補助輪4とを備えている。また、自律走行型掃除機Sは、下部に回転ブラシ5、ガイドブラシ6およびサイドブラシ7を備え、周囲に障害物検知手段としての前方用測距センサ8(図2、図3、図4参照)を備えている。
駆動輪2、3は、駆動輪2、3自体が回転することで自律走行型掃除機Sを前進、後退、旋回させるための車輪である。駆動輪2、3は、直径上左右両側に配置され、それぞれ走行モータおよび減速機で構成される車輪ユニット20、30により回転駆動される。補助輪4は、従動輪であり自由回転するキャスタである。駆動輪2、3は、自律走行型掃除機Sの前後方向の中央側、左右方向の外側に設けられており、補助輪4は前後方向の前方側、左右方向の中央側に設けられている。
サイドブラシ7は、自律走行型掃除機Sの前方側、左右方向の外側に設けられており、図1の矢印α1のように、自律走行型掃除機Sの前方外側の領域を、左右方向外側から内側に向かう方向に掃引するよう回転して、床面上の塵埃を中央の回転ブラシ5(図2参照)側に集める。2つのガイドブラシ6は、それぞれ駆動輪2、3に対して左右方向内側に設けられており、サイドブラシ7で集められた塵埃を回転ブラシ5の幅内から外側に逃げないようにガイドする固定ブラシである。
回転ブラシ5は、自律走行型掃除機Sの駆動輪2、3に対して後方に設けられている。回転ブラシ5の左右側端部の左右方向位置は、それぞれ駆動輪2、3より内側、又はガイドブラシ6より内側にできる。
例えば、本実施例に示す自律走行型掃除機Sは、本体横幅及び縦長さは約250mm、本体高さは約90mmである。
図3は、図1のA−A断面図である。図4は、自律走行型掃除機のケースを外した内部構成を示す斜視図である。なお、図4は、集塵ケース12を外した状態を示す。
充電池9は、例えば、充電することで再利用可能な二次電池であり、電池収容部1s6に収容されている。充電池9は自律走行型掃除機Sの左右端部に亘って配置されている。充電池9からの電力は、各種障害物検知手段(8、15、16)、制御装置10、駆動輪2,3や各種ブラシ(5、7)のモータ、及び吸引ファン11等に供給される。自律走行型掃除機Sは、制御装置10により統括的に制御される。
(吸引ファン11)
吸引ファン11による空気の流路には、吸口14(図3参照)から下流側に向かって順に、集塵ケース12、集塵フィルタ13、吸引ファン11、及び、排気口1S5(図2参照)が設けられている。吸引ファン11(図3参照)を駆動することで集塵ケース12内の空気を排気口1S5から外部に排出して負圧を発生させ、床面Yから吸口14を介して塵埃を集塵ケース12内に吸い込む。吸口14付近には、床面上の塵埃を掻き込む回転ブラシ5(図3参照)が設けられている。
吸引ファン11による空気の流路には、吸口14(図3参照)から下流側に向かって順に、集塵ケース12、集塵フィルタ13、吸引ファン11、及び、排気口1S5(図2参照)が設けられている。吸引ファン11(図3参照)を駆動することで集塵ケース12内の空気を排気口1S5から外部に排出して負圧を発生させ、床面Yから吸口14を介して塵埃を集塵ケース12内に吸い込む。吸口14付近には、床面上の塵埃を掻き込む回転ブラシ5(図3参照)が設けられている。
吸引ファン11、及び、回転ブラシモータ5m(図4参照)が駆動すると、回転ブラシ5(図3参照)によって床面等の塵埃が掻き込まれる。掻き込まれた塵埃は、吸口14、吸込み口12iを介して集塵ケース12内に導かれる。集塵フィルタ13で塵埃が取り除かれた空気は、排気口1S5(図2参照)を通して排出される。
自律走行型掃除機Sは、駆動輪2、3と補助輪4(図2参照)とにより自律的に移動され、前進、後進、左右旋回、超信地旋回等が可能である。
(ケース1)
ケース1は、外郭を成し、車輪ユニット20、30、回転ブラシモータ5m、吸引ファン11、集塵ケース12、制御装置10等を収容する筐体である。ケース1は、上壁を成す上ケース1uと、底壁(及び一部の側壁)を成す下ケース1Sと、ケース1の前下部に設置されるバンパ1bとを備えている。
ケース1は、外郭を成し、車輪ユニット20、30、回転ブラシモータ5m、吸引ファン11、集塵ケース12、制御装置10等を収容する筐体である。ケース1は、上壁を成す上ケース1uと、底壁(及び一部の側壁)を成す下ケース1Sと、ケース1の前下部に設置されるバンパ1bとを備えている。
バンパ1b(図1、図2参照)は、壁等の障害物に衝突した際に外部から作用する力に応じて前後方向に移動可能に設置されている。バンパ1bは、左右一対のバンパばね(図示省略)によって外向きに付勢されている。バンパ1bの後退(つまり、障害物との接触)は、バンパセンサ15(図4参照)によって検知され、その検知結果が制御装置10に入力される。
(集塵ケース12)
図3に示す集塵ケース12は、床面Yから、吸込部1S4に形成される吸口14を介して吸いこまれた塵埃を回収する容器である。集塵ケース12は、回転ブラシ5と略同じ左右方向寸法を有している。
図3に示す集塵ケース12は、床面Yから、吸込部1S4に形成される吸口14を介して吸いこまれた塵埃を回収する容器である。集塵ケース12は、回転ブラシ5と略同じ左右方向寸法を有している。
集塵ケース12は、回収した塵埃を収容する本体と、回収した塵埃を取出し可能とする蓋と、本体上部の折り畳み可能な取っ手とを備える。集塵ケース12の本体は、下面が吸込部1S4の上部の形状に対応する形状であり、吸口14に対向して略同じ開口形状の吸込み口12iを備えている。蓋は、吸引ファン11の吸引口に対向し、前記した集塵フィルタ13を備えている。
(障害物検知手段8、15、16)
障害物検知手段として図4に示すバンパセンサ15と、前方用測距センサ8と、床面用測距センサ16を設けている。前記バンパセンサ15は、バンパ1b(図1参照)が障害物と接触したことをバンパ1bの後退で検知するセンサ、例えばフォトカプラである。バンパ1bに障害物が接触した場合、バンパ1bの後退でセンサ光が遮られる。この変化に応じた検知信号が制御装置10に出力される。
障害物検知手段として図4に示すバンパセンサ15と、前方用測距センサ8と、床面用測距センサ16を設けている。前記バンパセンサ15は、バンパ1b(図1参照)が障害物と接触したことをバンパ1bの後退で検知するセンサ、例えばフォトカプラである。バンパ1bに障害物が接触した場合、バンパ1bの後退でセンサ光が遮られる。この変化に応じた検知信号が制御装置10に出力される。
前方用測距センサ8は、赤外線を用いて障害物までの距離を計測する測距センサで、バンパ1bの表面から5〜15mmの内側に設置させている。前方用測距センサ8は、障害物からの赤外線の反射光を感知するもので、反射光の強度により距離を計測するものである。反射光の強度が強い場合は近く、弱い場合は遠いと判断する。つまり、障害物からの距離は0,1の2値で判定されるものではなく、障害物からの距離を複数の段階で(アナログ的に)判定できる測距センサである。
このような前方用測距センサ8を、本体正面8a、左側面8b、右側面8c、正面と左側面の間の左正面8d、正面と右側面の間の右正面8eの計5個設けている。本実施例では5個とも“距離”を複数の段階で計測できる測距センサとしているが、少なくとも左側面8b、右側面8cのどちらか一方のみが、“距離”を複数の段階で計測できる測距センサでも構わない。
(制御装置10)
図3に示す制御装置10は、例えばマイコン(Microcomputer)と周辺回路とが基板に実装され、構成される。マイコンは、ROM(Read Only Memory)に記憶された制御プログラムを読み出してRAM(Random Access MemoRy)に展開し、CPU(Central Processing Unit)が実行することで各種処理が実現される。周辺回路は、A/D・D/A変換器、各種モータの駆動回路、センサ回路、充電池9の充電回路等を有している。
図3に示す制御装置10は、例えばマイコン(Microcomputer)と周辺回路とが基板に実装され、構成される。マイコンは、ROM(Read Only Memory)に記憶された制御プログラムを読み出してRAM(Random Access MemoRy)に展開し、CPU(Central Processing Unit)が実行することで各種処理が実現される。周辺回路は、A/D・D/A変換器、各種モータの駆動回路、センサ回路、充電池9の充電回路等を有している。
制御装置10は、利用者による操作ボタンbuの操作、及び、各種障害物検知手段(センサ8、15、16)から入力される信号に応じて演算処理を実行し、各種モータ、吸引ファン11等と信号を入出力する。
(走行制御)
図5は反射走行時の走行軌跡の一例を示す。自律走行型掃除機Sは、部屋50内を走行する。部屋50は壁51で囲まれており、その左下側に机の脚55が位置している。部屋50内の破線52は走行軌跡を示している。
図5は反射走行時の走行軌跡の一例を示す。自律走行型掃除機Sは、部屋50内を走行する。部屋50は壁51で囲まれており、その左下側に机の脚55が位置している。部屋50内の破線52は走行軌跡を示している。
(反射走行)
反射走行は、前方測距用センサ8又はバンパセンサ15により障害物を検出したら進行方向を変え、変更後の進行方向に前進しようとする走行である。自律走行型掃除機Sは図中P1より出発し、障害物となる部屋50の壁51bに近づくと(P2)、左回りにその場で回転(超信地旋回)することで進行方向を変え、前進する。このように、壁51bで反射しているかのような走行軌跡を示す。
反射走行は、前方測距用センサ8又はバンパセンサ15により障害物を検出したら進行方向を変え、変更後の進行方向に前進しようとする走行である。自律走行型掃除機Sは図中P1より出発し、障害物となる部屋50の壁51bに近づくと(P2)、左回りにその場で回転(超信地旋回)することで進行方向を変え、前進する。このように、壁51bで反射しているかのような走行軌跡を示す。
その後も壁51に近づいては進行方向を変える動作(その場回転の角度はランダムに変更)を繰り返し、机の脚55aに近づく(P3)。
(脚周り走行を含む走行)
机の脚55aのように細い(小さい)障害物と判断したら、その障害物のごく近い所を回り込むように旋回し、その障害物の先をさらに掃除する脚周り走行を行うことができる。その旋回角は特に制限されないが、180°以上である場合が含まれると好ましい。
机の脚55aのように細い(小さい)障害物と判断したら、その障害物のごく近い所を回り込むように旋回し、その障害物の先をさらに掃除する脚周り走行を行うことができる。その旋回角は特に制限されないが、180°以上である場合が含まれると好ましい。
脚周り走行の後、自律走行型掃除機Sは反射走行を再開する。壁51cに近づき、進行方向を変え、壁51aに近づき、さらに進行方向を変え、机の脚55cに近づく(P4)。机の脚55cのように細い(小さい)障害物と判断したら、その障害物のごく近い所を一周以上旋回するように本体を移動させる。
机の脚55aに近づいた場合と55cに近づいた場合とで旋回距離(角度)が異なっている。ランダム的に変化させることもできるが、細い障害物の検出頻度を基準に旋回距離を変化させても良い。細い障害物がたくさんある状況、たとえば食卓の下など複数の椅子がある場合、椅子の脚まわりのごみをしっかり掃除するためにも旋回距離を長くするほうが望ましい。このように、自律走行型掃除機Sは直進以外にも、その場で回転(超信地旋回)したり、障害物近傍を旋回したりしている。
(超信地旋回)
図6は自律走行型掃除機Sを簡略化して示しており、本体Shと右の駆動輪2、左の駆動輪3、本体Shの前端P11を示している。また、図中の破線は本体Shがその場で回転した後の車輪位置を示し、移動後の本体の前端P12が示されている。図6は反時計回りの超信地旋回を示しており、右の車輪2を前進方向に、左の車輪3を後進方向に略同じ角速度で回転させる。この回転時の車輪の角速度を直進時の車輪の角速度より速くすることで、本体の回転速度を高め、短時間で回転させる。
図6は自律走行型掃除機Sを簡略化して示しており、本体Shと右の駆動輪2、左の駆動輪3、本体Shの前端P11を示している。また、図中の破線は本体Shがその場で回転した後の車輪位置を示し、移動後の本体の前端P12が示されている。図6は反時計回りの超信地旋回を示しており、右の車輪2を前進方向に、左の車輪3を後進方向に略同じ角速度で回転させる。この回転時の車輪の角速度を直進時の車輪の角速度より速くすることで、本体の回転速度を高め、短時間で回転させる。
図7に具体的な車輪(右側)の角速度の変化を示す。直進時の移動速度は300mm/sであり、左右の車輪2、3はともに前向きに約510deg/s(L1)で回転している(車輪直径68mm)が、回転時では右の車輪2は前向きに約630deg/s(L2)、左の車輪3は後ろ向きに約630deg/sで回転させる。直進時の角度速度に対して、回転時の車輪の角速度は約1.2倍となっている。また、本体Shの動きとして本体先頭P11の移動速度も直進時に比べて速く移動しており、回転時には約550mm/sとなる。
このように回転時の車輪速度を直進時の車輪の角速度と略同等、又はより速くすることにより、時間を短縮することができる。もし、その場回転時における車輪の角速度を直進時における車輪の角速度より減速した場合、たとえば35%減速した場合、本体を150度回転させるのに要する時間は約1.2秒であるが、本実施形態のように車輪の角速度を速めた場合は約0.6秒となり、約0.6秒の時間を短縮できる。自律走行型掃除機Sによる1回の掃除運転中の反射回数は約200回あり、走行距離を約36m長くすることができる。
なお、図7に示すように直進時およびその場回転時の角速度は床面の状態等により、一定ではなく、時間とともに直進時はL1a〜L1b、その場回転時はL2a〜L2bの範囲で上下しており、その場回転時の角速度L2bは少なくともL1aより高くする。
なお、図7に示すように直進時およびその場回転時の角速度は床面の状態等により、一定ではなく、時間とともに直進時はL1a〜L1b、その場回転時はL2a〜L2bの範囲で上下しており、その場回転時の角速度L2bは少なくともL1aより高くする。
次に、旋回中の車輪の角速度に関して、図8、9を用いて説明する。図8は旋回動作の例として、本体幅より狭い障害物61の周りを回り込む脚周り走行を示す。
まず、本体は障害物61に近接もしくは接触し(図8の実線Sh1)、障害物61が本体Sh1の左右どちらかにあるか測距センサ8および/またはバンパセンサ15で確認する。図8では本体Sh1の左側にあり、その場合は時計回りにその場回転を行う(矢印A)。このとき、測距センサ8を監視しながら、障害物61が本体の略側面に位置するまでその場回転させる。その後、本体外周より外側の点を回転中心として反時計回りに旋回する(矢印B)。
まず、本体は障害物61に近接もしくは接触し(図8の実線Sh1)、障害物61が本体Sh1の左右どちらかにあるか測距センサ8および/またはバンパセンサ15で確認する。図8では本体Sh1の左側にあり、その場合は時計回りにその場回転を行う(矢印A)。このとき、測距センサ8を監視しながら、障害物61が本体の略側面に位置するまでその場回転させる。その後、本体外周より外側の点を回転中心として反時計回りに旋回する(矢印B)。
図9は脚周り走行時の自律走行型掃除機Sを簡略化して示しており、本体Shと右の駆動輪2、左の駆動輪3、本体Shの前端P21を示している。また、図中の破線は旋回した後の本体および車輪位置を示し、P22は移動後の本体Shの先頭の位置を示している。反時計回りの旋回時において、左右の車輪は前方向に回転させているが、右の車輪2のほうが、左の車輪3より速い角速度で回転させる。
本体の側面に設けた測距センサ8により障害物までの距離を把握し、旋回時の回転半径(旋回半径)Rを決め、その旋回半径に基づいて左右車輪の角速度を制御しながら旋回させる。このとき障害物61と本体Sh外郭の隙間が約5mm程度となるように、旋回半径Rを設定する。
この旋回半径Rに基づいて旋回する時、旋回方向とは逆側の車輪(図9では右車輪2)の角速度を、直進時における右車輪の角速度より速くすることにより、旋回に要する時間を短縮させる。具体的には旋回時の本体前端の移動速度を、直進時の本体先頭の移動速度と略同等、またはより速い速度にする。直進時の本体先頭の移動速度300mm/Sに対して、旋回時の本体先頭の移動速度は320mm/sとした。回転中心Oから旋回方向とは逆側の車輪(右車輪2)までの距離は、回転中心Oから本体前端P21までの距離とほぼ同じもしくは若干短く、右車輪2の移動速度も約320mm/sである。
図10に右側の車輪2の角速度の変化を示す。旋回時の右車輪2の角速度は約540deg/s(L4)で回転し(車輪直径68mm)、直進時の車輪の角速度約510deg/s(L1)より速い。なお、図10に示すように直進時および旋回時の角速度は床面の状態等により、一定ではなく、時間とともに直進時はL1a〜L1b、旋回時はL4a〜L4bの範囲で上下しており、旋回時の角速度L4bはすくなくともL1aより高くする。
ただし、本実施形態のように、その場回転時および旋回時における本体Shの移動速度を速めた状態で障害物に接触すると、障害物に大きな衝撃を与えてしまう恐れがある。そこで、本体Shの前面から側面にかけて設けた測距センサ8を用いて、本体Sh近傍の障害物を検知することが望ましい。その場回転および旋回中に障害物に本体が近づいたら停止または減速させ、障害物に接触しない、または接触時の衝撃を弱めるようにすることができる。
また、本実施形態における旋回動作として、左右の車輪が前方向に回転する場合を記載したが、片側の車輪を停止した旋回、片側をゆっくりと逆向きに回転させた旋回においても同様である。
なお、旋回時の動作として、本体の側面に設けた測距センサ8により障害物までの距離を把握せずに、所定の回転半径で旋回してもよい。また、旋回時の動作として、本体の側面に設けた測距センサにより障害物までの距離を時々刻々と把握しながら、その都度、旋回半径を変化させながら旋回してもよい。
なお、旋回時の動作として、本体の側面に設けた測距センサ8により障害物までの距離を把握せずに、所定の回転半径で旋回してもよい。また、旋回時の動作として、本体の側面に設けた測距センサにより障害物までの距離を時々刻々と把握しながら、その都度、旋回半径を変化させながら旋回してもよい。
本実施形態で示した反射走行を複数回行った後に、図11のように壁51に沿って移動する壁際走行を行う。図12にその詳細な動作を示す。
(壁際走行)
壁際走行は本体側面に設けた測距センサ8を用いて壁51から約10mm離れた状態を保つように走行する。この壁際走行の時の本体Shの移動速度は、反射走行中の直進時の速度と略同等、またはより速くする。
壁際走行は本体側面に設けた測距センサ8を用いて壁51から約10mm離れた状態を保つように走行する。この壁際走行の時の本体Shの移動速度は、反射走行中の直進時の速度と略同等、またはより速くする。
壁際走行の理想は図12の破線Cのように壁51と平行に直進することであるが、実際には図中実矢印線Dのように壁51に近づいたり、壁51から離れたりし、蛇行している。これは測距センサ8により壁51までの距離を計測し、壁51に近づいたら遠ざけるように、壁51から離れたら近づくように走行制御をしているためである。壁51に近づけたり、壁51から遠ざけたりするときには左右の車輪2、3の角速度を異ならせている。本体Shの左側の壁51に対して、本体Shを近づける場合には、右側の車輪2の角速度を左側の車輪3の角速度より速くする。また、本体Shを壁51から遠ざける場合には左側の車輪3の角速度を右側の車輪2の角速度より速くする。
図13に左側の車輪3の角速度の変化を示す。第一の実施例と同様に、300mm/sで本体Shが直進している場合、左右の車輪2、3はともに前向きに約510deg/s(L1)で回転している。壁51近傍まで移動したら左右の車輪2,3の回転を停止させ、その後、その場回転して壁51と本体進行方向を略平行に向ける。その状態から壁際走行に移行する。
図13に左側の車輪3の角速度の変化を示す。第一の実施例と同様に、300mm/sで本体Shが直進している場合、左右の車輪2、3はともに前向きに約510deg/s(L1)で回転している。壁51近傍まで移動したら左右の車輪2,3の回転を停止させ、その後、その場回転して壁51と本体進行方向を略平行に向ける。その状態から壁際走行に移行する。
壁際走行中、本体Shが壁51に対して目標値である約10mm離れた状態のときは左右の車輪2、3はともに前向きに約510deg/s(図13のV1)で回転させる。壁から10mmより少し近い場合(壁から5mm以上10mm未満の場合)は、右側の車輪2の角速度を495deg/s、左側の車輪3の角速度を525deg/s(図13のV2)で回転させ、旋回半径約1500mmで緩やかに壁51から遠ざける。このときの本体Shの先頭の移動速度は約300mm/Sとなり、直進時とほぼ同じ速度となる。
また、10mmより離れている場合は右側の車輪2の角速度を525deg/s、左側の車輪3の角速度を495deg/S(図13のV3)で回転させ、旋回半径約1500mmで緩やかに壁51に近づける。この場合も本体Shの先頭の移動速度は約300mm/sとなり、直進時とほぼ同じ速度となる。
また、壁51により近い場合(壁から5mm未満の場合)は、右側の車輪2の角速度を440deg/s、左側の車輪3の角速度を580deg/s(図13のV4)で回転させ、旋回半径約300mmで急速に壁51から遠ざける。このときの本体Shの先頭の移動速度は約330mm/sとなり、直進時より速い速度となる。
このように、壁からの距離を一定に保つように制御する壁際走行の旋回時における少なくとも一方の車輪の角速度を直進時より高くすることで、壁際走行においても、直進時と同様な速い速度で移動させることができる。これにより、直進時よりも速度を落とさずに走行することができ、走行距離が短くなることを防ぎ、未通過な領域の面積を少なくすることができる。
なお、測距センサ8を用いて、上記のように壁51と本体Shの距離に応じて動作(旋回半径)を変更させることで高速で壁際を走行しても壁に接触することを防ぐことができる。
また、本実施形態の自律走行型掃除機は略円形で示したが、略円形でなくてもよい。
なお、測距センサ8を用いて、上記のように壁51と本体Shの距離に応じて動作(旋回半径)を変更させることで高速で壁際を走行しても壁に接触することを防ぐことができる。
また、本実施形態の自律走行型掃除機は略円形で示したが、略円形でなくてもよい。
以上のように、その場回転、旋回、壁際走行時の少なくともどちらか一方の車輪の角速度を、直進時の車輪の角速度とほぼ同等もしくはより高くすることで、走行距離を長くすることができ、広い面積を掃除することができ、未通過な領域の面積を少なくすることができる。
<モード選択>
自律走行型掃除機Sは、制御装置10によってそれぞれのモータの駆動速度や清掃時間を制御しており、使用者が運転モードを選択することによりモータの駆動速度や清掃時間を選択できる。
例えば、自動運転モードでは電動送風機11は「標準」「強」を床面の状態(メインブラシ5の抵抗によって検知)や吸込口12iに設けられたごみセンサによって検知したごみの量によって切り替えを行い、駆動輪2,3は「速い」速度で回転する。清掃時間はセンサによって検知した清掃する空間の広さとごみセンサで検知したごみの残量によって約30分から約60分を自動で判断し運転する。また、複数の走行パターン(反射走行、壁際走行、脚周り走行)を組み合わせることによって素早い動きで運転時間が短く、広い範囲に高い清掃能力を発揮できる。
自律走行型掃除機Sは、制御装置10によってそれぞれのモータの駆動速度や清掃時間を制御しており、使用者が運転モードを選択することによりモータの駆動速度や清掃時間を選択できる。
例えば、自動運転モードでは電動送風機11は「標準」「強」を床面の状態(メインブラシ5の抵抗によって検知)や吸込口12iに設けられたごみセンサによって検知したごみの量によって切り替えを行い、駆動輪2,3は「速い」速度で回転する。清掃時間はセンサによって検知した清掃する空間の広さとごみセンサで検知したごみの残量によって約30分から約60分を自動で判断し運転する。また、複数の走行パターン(反射走行、壁際走行、脚周り走行)を組み合わせることによって素早い動きで運転時間が短く、広い範囲に高い清掃能力を発揮できる。
念入り運転モードでは、電動送風機11と駆動輪2、3は自動運転モードと同じで、運転時間が約70分固定である。これによって部屋の広さ等に依存せず、広い範囲により高い清掃能力を発揮できる。
図14は自動運転モードと念入り運転モードの走行イメージを示す。
スポット運転モードでは、電動送風機11は強よりも回転数の高い「ターボ」固定、駆動輪2、3は「遅い」速度で回転する。清掃時間は約1分で限られた空間を清掃する。これによって任意の狭い範囲をさらに高い吸引力で清掃することができる。
スポット運転モードでは、電動送風機11は強よりも回転数の高い「ターボ」固定、駆動輪2、3は「遅い」速度で回転する。清掃時間は約1分で限られた空間を清掃する。これによって任意の狭い範囲をさらに高い吸引力で清掃することができる。
反射走行重視モードでは、電動送風機11、駆動輪2、3、清掃時間は自動運転モードと同じで、最大運転時間での清掃カバー率の差を10%以下として、反射走行から壁際走行又は脚周り走行に移行する確率を半分以下としている。これにより障害物を検知した場合に高確率で反射して使用者が塵埃を認識しやすい広い範囲に高い清掃能力を発揮できる。すなわち、自動運転モードに比して反射走行の実行時間の割合が高い。
壁際重視走行モードでは、電動送風機11、駆動輪2、3、清掃時間は自動運転モードと同じで、最大運転時間での清掃カバー率の差を10%以下として、反射走行から壁際走行に移行する確率を2倍以上とし、反射走行から脚周り走行に移行する確率を半分以下としている。これにより塵埃が集積しやすい壁際を重視して清掃することで、広い範囲に塵埃の残存量を抑えて高い清掃能力を発揮できる。すなわち、自動運転モードに比して壁際走行の実行時間の割合が高く脚周り走行の実行時間の割合が低い。
脚周り走行重視モードでは、電動送風機11、駆動輪2、3、清掃時間は自動運転モードと同じで、最大運転時間での清掃カバー率の差を10%以下として、反射走行から壁際走行に移行する確率を半分以下とし、反射走行から脚周り走行に移行する確率を2倍以上としている。これにより家具の周囲を重視して清掃することで机や椅子の脚などの細い障害物が多い部屋であってもその間を清掃することで、未通過範囲を抑えて高い清掃能力を発揮できる。すなわち、自動運転モードに比して壁際走行の実行時間の割合が低く脚回り走行の実行時間の割合が高い。
図15は反射走行重視モード、反射走行重視モード、脚周り走行重視モードの走行イメージを示す。各運転モードの実行時間は、互いに異なっていても良いが、各走行パターンの実行時間を各運転モードの実行時間で除した値(各走行パターンの実行時間割合)は、上記のようになるよう各走行パターンへの遷移確率が設定されている。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の思想を変更しない範囲において適宜変更することができる。例えば、無線LANまたはBluetooth(登録商標)などで携帯端末(スマートフォンやタブレット)を用いた走行モードの変更や、吸口ブラシ5や回転ブラシ7を設けない構成としても良い。例えば、携帯端末にインストールされたアプリケーションやサーバにアクセスして操作可能なソフトウエアを介して、各運転モードの実行指令を自律走行型電気掃除機Sに伝達することができる。この場合、携帯端末には、図15に例示するような反射走行重視アイコン、壁際走行重視アイコン、及び脚周り走行重視アイコンといった各運転モードのアイコン又は文章(自動運転モードのアイコン又は文章を含むことができる)が表示され、ユーザはこれらアイコン又は文章の何れかを選択することで各運転モードを簡便に指定できる。各運転モードにおける各走行パターンの実行時間の割合はユーザによるカスタマイズを受付け不能にし、プリセットされたものにすると、ユーザの設定の手間を排除することができて好ましい。
2、3 駆動輪
5 回転ブラシ
8 前方用測距センサ(障害物検知手段)
9 充電池
11 吸引ファン
12 集塵ケース
14 吸口
15 バンパセンサ(障害物検知手段)
16 床面用測距センサ(障害物検知手段)
S 自律走行型掃除機
Sh 本体部(非回転部、車体)
5 回転ブラシ
8 前方用測距センサ(障害物検知手段)
9 充電池
11 吸引ファン
12 集塵ケース
14 吸口
15 バンパセンサ(障害物検知手段)
16 床面用測距センサ(障害物検知手段)
S 自律走行型掃除機
Sh 本体部(非回転部、車体)
Claims (3)
- 電動送風機と、車輪と、を備え、
反射走行、壁際走行、及び脚周り走行を含む運転を行う自動運転モードを実行可能な自律走行型電気掃除機であって、
前記反射走行の実行時間の割合が前記自動運転モードに比して高い反射走行重視モードと、
前記壁際走行の実行時間の割合が前記自動運転モードに比して高い壁際走行重視モードと、
前記脚周り走行の実行時間の割合が前記自動運転モードに比して高い脚周り走行重視モードと、のうち、1つ、2つ、又は3つを選択して実行可能であり、
前記自動運転モード、前記反射走行重視モード、前記壁際走行重視モード、及び前記脚周り走行重視モードの使用者による選択指令を受付可能なことを特徴とする自律走行型電気掃除機。 - 前記自動運転モード、前記反射走行重視モード、前記壁際走行重視モード、及び前記脚周り走行重視モードにおける前記反射走行、前記壁際走行、及び前記脚周り走行それぞれの各モード実行時間に対する割合は、プリセットされている特徴とする請求項1に記載の自律走行型電気掃除機。
- 請求項1又は2に記載の自律走行型電気掃除機と、
前記自律走行型電気掃除機に指令を伝達可能な携帯端末を介して操作されるアプリケーションソフトウエアと、を有する電気掃除機システムであって、
前記アプリケーションソフトウエアは、前記携帯端末に前記自動モードに加え、前記反射走行重視モード、前記壁際走行重視モード、前記脚周り走行重視モードのうち、1つ、2つ、又は3つを選択する際に使用されるアイコン又は文章を出力させることを特徴とする電気掃除機システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017212424A JP2019086871A (ja) | 2017-11-02 | 2017-11-02 | 自律走行型電気掃除機及び電気掃除機システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017212424A JP2019086871A (ja) | 2017-11-02 | 2017-11-02 | 自律走行型電気掃除機及び電気掃除機システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019086871A true JP2019086871A (ja) | 2019-06-06 |
Family
ID=66763080
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017212424A Pending JP2019086871A (ja) | 2017-11-02 | 2017-11-02 | 自律走行型電気掃除機及び電気掃除機システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019086871A (ja) |
-
2017
- 2017-11-02 JP JP2017212424A patent/JP2019086871A/ja active Pending
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