JP2020013768A - ペースト状銀粒子組成物、金属製部材接合体の製造方法および多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の製造方法 - Google Patents
ペースト状銀粒子組成物、金属製部材接合体の製造方法および多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Description
例えば、特開2003−309352の従来技術の欄に、「この種の導電性接着剤としては、一般に、フレーク状銀粒子に、バインダとなる樹脂、溶剤、その他添加剤を混合してペースト状としたものが用いられている。そしてこの導電性接着剤を導体回路上に塗布し、その上に電子部品を搭載したのち、加熱などにより導電性接着剤を硬化させることによって実装が行われている。しかしながら、従来の導電性接着剤には、接続抵抗が比較的大きく、接続信頼性が低いという問題がある。これは、加熱硬化後の導電性接着剤中にバインダなどの添加剤が残留し、フレーク状銀粒子同士の接触が阻害されているためと考えられる。」と記載されている。
ところが、(A)球状の開放連通多孔体である銀粒子は無数の細孔が表面から内部まで連通しているので、(B)樹脂の配合量が微量ないし少量の場合は、細孔内に樹脂が浸透してしまい、銀粒子表面にとどまる量が少ないため、熱硬化性樹脂の配合により、接触している部材への接着性を飛躍的に向上する効果がないという問題がある。
ところが、(A)プレート状銀微粒子を必須成分にしているので、収納容器から熱硬化性樹脂組成物を連続的に吐出すると、吐出口手前にプレート状銀微粒子が次第に堆積して詰まりが発生するという問題がある。
しかしながら、この方法は、加熱焼結性金属粒子を含むペースト状金属粒子組成物を加熱して該焼結性金属粒子同士を焼結した後、液状の硬化性樹脂組成物を毛細管現象により含浸させるので、作業効率が低いという問題がある。
しかしながら、該熱硬化型バインダが導電性、熱伝導性の著しく低い有機樹脂であるため、該銀微粒子の粒径が大きく、かつ、該銀微粒子に対する該熱硬化型バインダの比率が高いと、該熱伝導性ペーストの銀粒子焼結物の導電性、熱伝導性が低いという問題がある。
しかしながら、用いる該熱硬化性樹脂組成物が液状の場合(例えば、液状のエポキシ樹脂と液状の硬化剤からなる液状の場合)は、硬化反応性が高いため、常温(例えば25℃)で長時間保管すると、該ペースト状金属粒子組成物中で該エポキシ樹脂と該硬化剤が反応して、経時的に粘度が増大しゲル化するという問題、経時的に該ペースト状金属粒子組成物の接着力が低下するという問題がある。そのために、高価な包摂型硬化剤を用いざるを得ないという問題がある。用いる該熱硬化性樹脂組成物が固形状や半固形状の場合、分散性不良のため、ペースト状金属粒子組成物が不均一になるという問題がある。
[1] (A)平均粒径が0.01μm以上10μm以下である球状、涙滴状または粒状の加熱焼結性銀粒子であって,該加熱焼結性銀粒子の表面を被覆する極性基を有する有機物の被覆量が0.05〜5.0質量%である加熱焼結性銀粒子と(B)揮発性分散媒と(C)融点が40〜300℃である熱硬化性樹脂粉末からなるペースト状物であり、100℃以上300℃以下での加熱により、該揮発性分散媒が揮散し、該加熱焼結性銀粒子(A)同士が焼結し、該熱硬化性樹脂粉末(C)が硬化して、多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物となることを特徴とする、ペースト状銀粒子組成物。
[2] 融点が40〜300℃である熱硬化性樹脂粉末(C)が、平均粒径0.1〜100μmであり、かつ、該焼結性銀粒子(A)100質量部に対し、0.01質量部以上5.0質量部未満であることを特徴とする、[1]に記載のペースト状銀粒子組成物。
[3] 熱硬化性樹脂粉末が、熱硬化性エポキシ樹脂粉末であることを特徴とする、[1]または[2]に記載のペースト状銀粒子組成物。
[4] 多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率が1×10−5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載のペースト状銀粒子組成物。
[6] 融点が40〜300℃である熱硬化性樹脂粉末(C)が、平均粒径0.1〜100μmであり、かつ、該焼結性銀粒子(A)100質量部に対し、0.01質量部以上5.0質量部未満であることを特徴とする、[5]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[7] 熱硬化性樹脂粉末が、熱硬化性エポキシ樹脂粉末であることを特徴とする、[5]または[6]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[8] 金属製部材の金属が銅、銀、金、白金、パラジウム、または、これら各金属の合金であることを特徴とする、[5]〜[7]のいずれかに記載の金属製部材接合体の製造方法。
[9] 多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率が1×10−5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、[5]〜[8]のいずれかに記載の金属製部材接合体の製造方法。
[10] 金属製部材が金属製個所を有する、リードフレーム、回路基板または電子部品であることを特徴とする、[5]〜[9]のいずれかに記載の金属製部材接合体の製造方法。
[12] 融点が40〜300℃である熱硬化性樹脂粉末(C)が、平均粒径0.1〜100μmであり、かつ、該焼結性銀粒子(A)100質量部に対し、0.01質量部以上5.0質量部未満であることを特徴とする、[11]に記載の多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の製造方法。
[13] 熱硬化性樹脂粉末が、熱硬化性エポキシ樹脂粉末であることを特徴とする、[11]または[12]に記載の多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の製造方法。;により達成される。
湿式還元法では、通常、硝酸銀水溶液とアンモニア水とを混合して反応させ銀アンミン錯体水溶液を得て、これとヒドロキノンと無水亜硫酸カリウムもしくはアンモニウムとゼラチンの水溶液を接触反応させて銀粉を還元析出させ、濾過し、残渣を水で洗浄し、加熱下乾燥させて調製する方法が例示される。あるいは、硝酸銀水溶液とアンモニア水とを混合して反応させ銀アンミン錯体水溶液を得て、これと有機還元剤(ヒドロキノン、アスコルビン酸、グルコース等)、特にはヒドロキノンの水溶液を接触反応させて銀粉を還元析出させ、濾過し、洗浄し、乾燥させて調製している。
濾過残渣はアンモニアとヒドロキノンと無水亜硫酸カリウムもしくはアンモニウムとゼラチンを含有しており、銀粒子表面にアンモニアとヒドロキノンと無水亜硫酸カリウムもしくはアンモニウムとゼラチンが付着しているため、通常、清浄な水で繰り返し洗浄している。あるいは、濾過残渣はアンモニアと有機還元剤、特にはヒドロキノンを含有しており、銀粒子表面にアンモニアと有機還元剤、特にはヒドロキノンが付着しているため、通常、清浄な水とメタノールで繰り返し洗浄して得ることができる。
なお、還元法で銀粒子を製造する工程において使用する還元剤等の有機物が、加熱焼結性銀粒子(A)中に微量残存する場合があるが、それらは極性基を有するので本発明における極性基を有する有機物に含まれる。
なお、本発明の目的・効果に反しない範囲において、フレーク(薄片)状・針状・角状・樹枝状・不規則形状・板状・極薄板状・六角板状・柱状・棒状・多孔状・繊維状・塊状・海綿状・けい角状・丸み状等の銀粒子を併用しても良く、また、銅、金、白金およびパラジウムからなる群から選択される金属粒子を併用してもよい。
また、アミノ基、イミノ基(=NH)、アンモニウム塩基、塩基性窒素原子を有する複素環基が例示されるが、アミノ基であることが好ましい。
炭素原子含有極性基の炭素原子数は好ましくは1〜54であり、より好ましくは1〜18である。
脂肪酸のエステルとして、アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル)、フェニルエステルが例示される。これらアルキルエステルのアルキル基は炭素原子数1〜6が好ましい。
また、塩基性官能基として、アミノ基、イミノ基(=NH)、アンモニウム塩基、塩基性窒素原子を有する複素環基が例示されるが、アミノ基、アンモニウム塩基(例えば、第3級アンモニウム塩基、第4級アンモニウム塩基)であることが好ましい。アミノ基は、第1級アミノ基(-NH2)、第2級アミノ基(-NHR)、第3級アミノ基(-NRR')のいずれでもよい。前記RとR'はアルキル基、フェニル基、アラルキル基などであり、炭素原子数は好ましくは1〜8である。
酸価とは、高分子分散剤固形分1gあたりの酸価を表し、JIS K 0070に準じ、電位差滴定法によって求めることができる。アミン価とは、高分子分散剤固形分1gあたりのアミン価を表し、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めたのち、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。
また、該揮発性分散媒(B)が非揮発性分散媒ではなく、揮発性分散媒を使用するのは、加熱により該加熱焼結性銀粒子(A)が焼結する際に分散媒が前もって揮散すると該加熱焼結性銀粒子(A)が焼結しやすく、その結果、導電性、熱伝導性、金属製部材への接着性が向上するからである。該揮発性分散媒(B)は、銀粒子表面を変質させず、その沸点は60℃以上であり、300℃以下であることが好ましい。沸点が60℃未満であるとペースト状銀粒子組成物を調製する作業中に該揮発性分散媒(B)が揮散しやすく、沸点が300℃より大であると、該加熱焼結性銀粒子(A)が焼結後も該揮発性分散媒(B)が残留しかねないからである。
また、該熱硬化性樹脂粉末(C)が、該多孔質の銀粒子焼結物の高温エージング試験において、銀の結晶成長を抑制して多孔質体中の空隙の増大を抑制する場合には、高温エージング試験後の該接合強度の低下を抑制する効果がある。
また、本発明のペースト状銀粒子組成物の加熱温度は100℃以上300℃以下であるから、その時の加熱温度において該熱硬化性樹脂粉末(C)は溶融することが好ましい。該熱硬化性樹脂粉末(C)が溶融してから硬化するまでの時間は限定されないが、本発明のペースト状銀粒子組成物の加熱が終了するまでに硬化することが好ましい。
平均粒径の調整は、所定の開口径を有する金網、あるいは、機械的な分級器等により容易におこなうことができる。金網の場合、例えば、300メッシュの金網を通過させることで略50μm以上の粗大粒子を除外でき、1000メッシュの金網を通過させることで略15μm以上の粗大粒子を除外できる。分級器は、ジェット式を含め多くの種類が市販されている。なお、該熱硬化性樹脂粉末(C)の形状は限定されない。破砕状、粒状、球状、不定形状が例示される。
これら熱硬化性樹脂粉末(C)は、通常、硬化剤を含むが、それ自体が熱硬化性である場合は、硬化剤を含まなくてもよい。
該熱硬化性樹脂粉末(C)は、該揮発性分散媒(B)への溶解性が低く、しかもそれ自身が加熱により溶融し、かつ、良好な接着性を有する点で、熱硬化性エポキシ樹脂粉末であることが好ましい。
このような融点を有する熱硬化性エポキシ樹脂粉末として、熱硬化性エポキシ樹脂粉体塗料が例示される。熱硬化性エポキシ樹脂粉体塗料は多数市販されており、液状の硬化性エポキシ樹脂組成物では困難な、常温(例えば25℃)における保存安定性が優れるという特徴がある。
該エポキシ樹脂は、通常、1分子中に少なくともエポキシ基を2個以上有する、多官能性エポキシ樹脂であり、エポキシ基はグリシジル基や2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル基の一部として含まれる。
該硬化剤は、アミン、イミダゾール、酸無水物等であり、該安定剤は、反応抑制剤、耐熱安定剤、酸化防止剤等であり、該無機フィラーは、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム等の微粉末であり、該顔料は、ベンガラ、酸化チタン等の着色剤である。なお、1官能性あるいは多官能性の反応性稀釈剤を含有してもよい。
この際、通常、常圧で加熱するが、圧力や超音波振動を加えつつ加熱してもよい。それにより、該加熱焼結性銀粒子(A)同士の焼結物の空隙を小さくでき、導電性、熱伝導性を向上することができる。
なお、熱硬化性樹脂粉末(C)の硬化物が透明の場合や、薄くまたは微細に分散している場合は、多孔質の銀粒子焼結物の細孔内に存在しても電子顕微鏡写真に写らないため空隙率の測定・算出が不可能である。
また、焼結前の加熱焼結性銀粒子(A)間の隙間が主に細孔になるので、各細孔の最長径は、通常、0.1〜5μm程度である。
実施例と比較例中の加熱焼結性銀粒子および熱硬化性樹脂粉末は、銀粒子メーカー品、樹脂粉末メーカー品である。なお、該熱硬化性樹脂粉末は、適宜メッシュ状の金網により分級して平均粒径を調整した。また、実施例2の、平均粒径が0.7μmである球状の銀粒子は、特願昭53−29716(特開昭54−121270)の実施例に準じて自ら作成したものであり、実施例3および実施例4中の、平均粒径が1.2μmである粒状の銀粒子は、自社出願である特願2012−201391(特開2014−55332)の実施例に準じて自ら作製したものである。
熱硬化性樹脂粉末(C)の比重および融点は、該樹脂粉末メーカーの測定値ないし製品資料記載の特性値である。参考例の熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物の硬化物の比重は、電子比重計(日本計器株式会社製EW−300SG)により測定した。
[熱硬化性樹脂粉末(C)が、粉末であることの確認]
目視で粉末状であることを観察して行った。
[熱硬化性樹脂粉末(C)の硬化物のガラス転移温度(Tg)]
熱硬化性樹脂粉末(C)のガラス転移温度は、該樹脂粉末メーカーの測定値ないし製品資料記載の特性値である。参考例の熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度は、以下の方法で測定した。熱機械分析装置(株式会社島津製作所製TMA−60)を用い、大気雰囲気で該硬化物を昇温速度10℃/分にて室温(約25℃)から400℃まで昇温して得た膨張曲線において、変曲点を示す温度をガラス転移温度とした。
示差熱熱重量同時測定装置(島津製作所株式会社製DTG−60AH型)を用い、大気雰囲気で加熱焼結性銀粒子を昇温速度10℃/分にて室温(約25℃)から500℃まで昇温して、加熱焼結性銀粒子の減量率を被覆剤量として算出した。
3mlシリンジ(EFD,Inc.社製)にペースト状銀粒子組成物を1ml充填し、25℃で3日間静置した。次いで、該シリンジの先端に、内径0.14mmであり長さが13mmの金属ニードル(武蔵エンジニアリング株式会社製)を取り付け、1秒間隔で圧力200kPaの加圧有りと加圧なしを繰り返して吐出し、全量吐出するまでに、該金属ニードル内で詰まりが発生するか否かを調べた。全量吐出しても詰まりが発生しなかった場合は、詰まりなし(ニードル吐出性良好)、保存安定性良好と判断した。全量吐出する前に詰まりが発生した場合は、詰まりあり(ニードル吐出性不良)、保存安定性不良と判断した。
ポリテトラフルオロエチレン樹脂板上に15mm角の開口部を有する厚さ1mmのステンレス製のマスクを置き、ペースト状銀粒子組成物を印刷塗布した。
得られた板状の試験体を自動精密切断装置(日本電子株式会社製、商品名アイソメット)により削り出し、得られた断面を走査型電子顕微鏡で撮影し、その画像を均質な印刷用紙に印刷して多孔質の銀粒子焼結物の固体部分と空間部分を切り分け、各々の質量を測定して空間部分の占める割合を空隙率として%で示した。
幅50mm×長さ50mm×厚さ2.0mmのガラス板上に、幅10mm×長さ10mmの開口部を有する2mm厚のメタルマスクを用いて、ペースト状銀粒子組成物を塗布し、実験室内の所定の温度の強制循環式オーブン内で所定の1時間加熱して板状の多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物とした。
ガラス板からはがした該銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物について、JIS K 7194に準じた方法により体積抵抗率(単位;Ω・cm)を測定した。
幅50mm×長さ50mm×厚さ2.0mmのガラス板上に、幅10mm×長さ10mmの開口部を有する2mm厚のメタルマスクを用いて、ペースト状銀粒子組成物を塗布し、実験室内の所定の温度の強制循環式オーブン内で所定の1時間加熱して板状の多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物とした。
ガラス板からはがした該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物について、レーザーフラッシュ法により熱伝導率(単位;W/m・K)を測定した。
幅25mm×長さ70mm×厚さ1.0mmの銀基板(銀純度99.99%)上に、10mmの間隔をおいて4つの幅2.5mm×長さ2.5mmの開口部を有する100μm厚のメタルマスクを用いてペースト状銀粒子組成物を塗布し、その上に幅2.5mm×長さ2.5mm×厚さ0.5mmの銀チップ(銀純度99.99%)を搭載後、実験室内の所定の温度の強制循環式オーブン内で1時間加熱して接合した。
なお、接合体の接着強さは、ペースト状銀粒子組成物の調製直後のものと、調製後25℃で3日間静置した後のものについて測定した。
25mm×25mm×厚さ1.0mmの銀メッキ銅基板(銀純度99.9%)上に、幅2.5mm×長さ2.5mmの開口部を有する100μm厚のメタルマスクを用いてペースト状銀粒子組成物を塗布し、その上に幅2.5mm×長さ2.5mm×厚さ0.5mmの銀チップ(銀純度99.99%)を搭載後、実験室内の所定の温度の強制循環式オーブン内で1時間加熱して接合した。
なお、接合体の接着強さは、ペースト状銀粒子組成物の調製直後のものと、調製後25℃で3日間静置した後のものについて測定した。
[熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物の調製]
遊星式ミキサー中で、三菱化学株式会社製多官能タイプエポキシ樹脂(商品名:jER152、粘度1.5Pa・s(52℃)、エポキシ当量177g)97部、硬化剤として三菱化学株式会社製の2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール3部を均一に混合することにより、25℃で液状の熱硬化性エポキシ樹脂組成物を調製した。このエポキシ樹脂組成物を200℃で1時間加熱して生成した硬化物の比重は1.12、ガラス転移温度は178℃である。
遊星式ミキサー内で、硝酸銀の湿式還元法で製造され,平均粒径が1.2μmであり,表面がオレイン酸で被覆された(オレイン酸量は0.5質量%である)粒状の加熱焼結性銀粒子100.0部、揮発性分散媒としてオクタンジオール(協和発酵ケミカル株式会社製)12.0部、および、融点が45℃である熱硬化性エポキシ樹脂粉末(ペルノックス株式会社製PCE−300、平均粒径18μm、硬化後の比重1.62、Tg90℃)1.0部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
ニードル吐出性と保存安定性は良好であり、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率は低く、熱伝導率は高かった。また、ペースト状銀粒子組成物の調製直後と調製後25℃で3日間静置した後に作成した接合体の接着強さは大きく、冷熱サイクル試験後の該接合体の接着強さも大きかった。なお、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物は、該加熱焼結性銀粒子の焼結物99.5部(比重10.53)と該熱硬化性エポキシ樹脂粉末の硬化物1.0部(比重1.62)からなり、その体積比が、93.9%:6.1%の複合物である。
以上の結果を表1にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、保存安定性が良好であり、ニードル吐出性が良好であり、多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の導電性、熱伝導性が高く、複数の銀製部材を極めて強固に接合して、しかも熱衝撃に対する耐久性が高いことがわかる。
遊星式ミキサー内で、硝酸銀の湿式還元法で製造され,平均粒径が0.7μmであり,表面がステアリン酸で被覆された(ステアリン酸量は1.0質量%である)球状の加熱焼結性銀粒子100.0部、揮発性分散媒としてオクタンジオール(協和発酵ケミカル株式会社製)16.0部、および、融点が50℃である熱硬化性エポキシ樹脂粉末(ペルノックス株式会社製PCE−60、平均粒径18μm、硬化後の比重1.65、Tgは100℃)1.5部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
ニードル吐出性と保存安定性は良好であり、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率は低く、熱伝導率は高かった。また、ペースト状銀粒子組成物の調製直後と調製後25℃で3日間静置した後に作成した接合体の接着強さは大きく、冷熱サイクル試験後の該接合体の接着強さも大きかった。なお、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物は、該加熱焼結性銀粒子の焼結物99.0部(比重10.53)と該熱硬化性エポキシ樹脂粉末の硬化物1.5部(比重1.65)からなり、その体積比が、91.2%:8.8%の複合物である。
以上の結果を表1にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、保存安定性が良好であり、ニードル吐出性が良好であり、多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の導電性、熱伝導性が高く、複数の銀製部材を極めて強固に接合して、しかも熱衝撃に対する耐久性が高いことがわかる。
遊星式ミキサー内で、硝酸銀の湿式還元法で製造され,平均粒径が1.2μmであり,表面がDISPERBYK−2020で被覆された(DISPERBYK−2020量は0.3質量%である)粒状の加熱焼結性銀粒子100.0部、揮発性分散媒としてα−ターピネオール(関東化学株式会社製)12.0部、および、融点が42℃である熱硬化性エポキシ樹脂粉末(ペルノックス株式会社製PCE−330、平均粒径18μm、硬化後の比重1.68、Tg94℃)0.8部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
ニードル吐出性と保存安定性は良好であり、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率は低く、熱伝導率は高かった。また、ペースト状銀粒子組成物の調製直後と調製後25℃で3日間静置した後に作成した接合体の接着強さは大きく、冷熱サイクル試験後の該接合体の接着強さも大きかった。なお、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物は、該加熱焼結性銀粒子の焼結物99.7部(比重10.53)と該熱硬化性エポキシ樹脂粉末の硬化物0.8部(比重1.68)からなり、その体積比が、95.2%:4.8%の複合物である。
以上の結果を表1にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、保存安定性が良好であり、ニードル吐出性が良好であり、多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の導電性、熱伝導性が高く、複数の銀製部材を極めて強固に接合して、しかも熱衝撃に対する耐久性が高いことがわかる。
遊星式ミキサー内で、硝酸銀の湿式還元法で製造され,平均粒径が1.2μmであり,表面が1,2−プロパンジアミンで被覆された(1,2−プロパンジアミン量は0.2質量%である)粒状の加熱焼結性銀粒子100.0部、揮発性分散媒としてα−ターピネオール(関東化学株式会社製)12.0部、および、融点が42℃である熱硬化性エポキシ樹脂粉末(ペルノックス株式会社製PCE−330、平均粒径9μm、硬化後の比重1.68、Tg94℃)0.8部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
ニードル吐出性と保存安定性は良好であり、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率は低く、熱伝導率は高かった。また、ペースト状銀粒子組成物の調製直後と調製後25℃で3日間静置した後に作成した接合体の接着強さは大きく、冷熱サイクル試験後の該接合体の接着強さも大きかった。なお、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物は、該加熱焼結性銀粒子の焼結物99.8部(比重10.53)と該熱硬化性エポキシ樹脂粉末の硬化物0.8部(比重1.68)からなり、その体積比が、95.2%:4.8%の複合物である。
以上の結果を表2にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、保存安定性が良好であり、ニードル吐出性が良好であり、多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の導電性、熱伝導性が高く、複数の銀製部材を極めて強固に接合して、しかも熱衝撃に対する耐久性が高いことがわかる。
遊星式ミキサー内で、硝酸銀の湿式還元法で製造され,平均粒径が1.2μmであり,表面がオレイン酸で被覆された(オレイン酸量は0.5質量%である)粒状の加熱焼結性銀粒子100.0部、揮発性分散媒としてオクタンジオール(協和発酵ケミカル株式会社製)12.0部、および、融点が45℃である熱硬化性エポキシ樹脂粉末(ペルノックス株式会社製PCE−300、平均粒径18μm、硬化後の比重1.62、Tg90℃)0.2部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
ニードル吐出性と保存安定性は良好であり、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率は低く、熱伝導率は高かった。また、ペースト状銀粒子組成物の調製直後と調製後25℃で3日間静置した後に作成した接合体の接着強さは大きく、冷熱サイクル試験後の該接合体の接着強さも大きかった。なお、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物は、該加熱焼結性銀粒子の焼結物99.5部(比重10.53)と該熱硬化性エポキシ樹脂粉末の硬化物0.2部(比重1.62)からなり、その体積比が、98.7%:1.3%の複合物である。
以上の結果を表2にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、保存安定性が良好であり、ニードル吐出性が良好であり、多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の導電性、熱伝導性が高く、複数の銀製部材を極めて強固に接合して、しかも熱衝撃に対する耐久性が高いことがわかる。
遊星式ミキサー内で、硝酸銀の湿式還元法で製造され,平均粒径が1.2μmであり,表面がオレイン酸で被覆された(オレイン酸量は0.5質量%である)粒状の加熱焼結性銀粒子100.0部、揮発性分散媒としてオクタンジオール(協和発酵ケミカル株式会社製)12.0部、および、融点が45℃である熱硬化性エポキシ樹脂粉末(ペルノックス株式会社製PCE−300、平均粒径18μm、硬化後の比重1.62、Tg90℃)2.5部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
ニードル吐出性と保存安定性は良好であり、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率は低く、熱伝導率は高かった。また、ペースト状銀粒子組成物の調製直後と調製後25℃で3日間静置した後に作成した接合体の接着強さは大きく、冷熱サイクル試験後の該接合体の接着強さも大きかった。なお、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物は、該加熱焼結性銀粒子の焼結物99.5部(比重10.53)と該熱硬化性エポキシ樹脂粉末の硬化物2.5部(比重1.62)からなり、その体積比が、86.0%:14.0%の複合物である。
以上の結果を表2にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、保存安定性が良好であり、ニードル吐出性が良好であり、多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の導電性、熱伝導性が高く、複数の銀製部材を極めて強固に接合して、しかも熱衝撃に対する耐久性が高いことがわかる
実施例1において、融点が45℃である熱硬化性エポキシ樹脂粉末(ペルノックス株式会社製PCE−300、平均粒径18μm、硬化後の比重1.62、Tg90℃)を配合しない以外は同様にしてペースト状銀粒子組成物を調製した。
ニードル吐出性と保存安定性は良好であり、多孔質銀粒子焼結物の体積抵抗率は低く、熱伝導率は高かったが、接合体の接着強さは小さく、冷熱サイクル試験後の該接合体の接着強さも小さかった。
以上の結果を表3にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、保存安定性が良好であり、ニードル吐出性が良好であり、多孔質銀粒子焼結物の導電性、熱伝導性は高いものの、複数の銀製部材を極めて強固に接合できず、しかも熱衝撃に対する耐久性が乏しいことがわかる。
実施例1において、融点が45℃である熱硬化性エポキシ樹脂粉末(ペルノックス株式会社製PCE−300、平均粒径18μm、硬化後の比重1.62、Tg90℃)1.0部の代わりに、参考例で調製した25℃で液状の熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物(硬化後の比重1.12)1.0部を用いた以外は同様にしてペースト状銀粒子組成物を調製した。
以上の結果を表3にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、ニードル吐出が不可能であり、保存安定性が不良であった。多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の導電性、熱伝導性は高いものの、ペースト状銀粒子組成物の調製後、経時的に接着強さが低下して複数の銀製部材を極めて強固に接合できず、しかも熱衝撃に対する耐久性が乏しいことがわかる。
実施例1において、融点が45℃である熱硬化性エポキシ樹脂粉末(ペルノックス株式会社製PCE−300、平均粒径18μm、硬化後のTgは90℃)1.0部の代わりに、参考例で調製した25℃で液状の熱硬化性液状エポキシ樹脂組成物(硬化後の比重1.12)5.5部を用いた以外は同様にしてペースト状銀粒子組成物を調製した。
ニードル吐出では詰まりが発生し、保存安定性が不良であった、ペースト状銀粒子組成物の調製直後の接合体の接着強さは大きく、調製後25℃で3日間静置した後に作成した接合体の接着強さも大きかったが、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率は高く、熱伝導率は低くかった。なお、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物は、該加熱焼結性銀粒子の焼結物99.5部(比重10.53)と該熱硬化性エポキシ樹脂組成物の硬化物5.5部(比重1.12)からなり、その体積比が、65.8%:34.2%の複合物である。
以上の結果を表3にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、ニードル吐出が不可能であり、保存安定性が不良であり、多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の接着強さは大きいものの、導電性、熱伝導性は低いことがわかる。
遊星式ミキサー内で、硝酸銀の湿式還元法で製造され,平均粒径が1.2μmであり,表面がオレイン酸で被覆された(オレイン酸量は0.5質量%である)粒状の加熱焼結性銀粒子100.0部、揮発性分散媒としてオクタンジオール(協和発酵ケミカル株式会社製)20.0部、および、融点が42℃である熱硬化性エポキシ樹脂粉末(ペルノックス株式会社製PCE−330、平均粒径110μm、硬化後の比重1.68、Tg94℃)5.5部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
ニードル吐出では詰まりが発生し、保存安定性が不良であった。また、ペースト状銀粒子組成物の調製直後の接合体の接着強さは大きく、調製後25℃で3日間静置した後に作成した接合体の接着強さも大きかったが、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率が高く、熱伝導率は低くかった。なお、該多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物は、該加熱焼結性銀粒子の焼結物99.5部(比重10.53)と該熱硬化性エポキシ樹脂粉末の硬化物5.5部(比重1.68)からなり、その体積比が、74.3%:25.7%の複合物である。
以上の結果を表4にまとめて示した。このペースト状銀粒子組成物は、ニードル吐出が不可能であり、保存安定性が不良であり、多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の接着強さは大きいものの、導電性、熱伝導性は低いことがわかる。
本発明の金属製部材接合体の製造方法による金属製部材接合体は、金属系基板や金属製個所を有する電子部品、電子装置、電気部品、電気装置などにおける金属製部材として有用である。
本発明の多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の製造方法による該複合物は、複数の金属製部材同士間の接合層として有用であり、回路基板上に形成される導電性の配線回路の形成に有用である。
1 銀基板
2 ペースト状銀粒子組成物(加熱焼結後は、多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物)
3 銀チップ
[2] 熱硬化性樹脂粉末が、熱硬化性エポキシ樹脂粉末であることを特徴とする、[1]に記載のペースト状銀粒子組成物。
[3] 多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率が1×10−5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、[1]または[2]に記載のペースト状銀粒子組成物。
[5] 熱硬化性樹脂粉末が、熱硬化性エポキシ樹脂粉末であることを特徴とする、[4]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[6] 金属製部材の金属が銅、銀、金、白金、パラジウム、または、これら各金属の合金であることを特徴とする、[4]または[5]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[7] 多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率が1×10−5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、[4]〜[6]のいずれかに記載の金属製部材接合体の製造方法。
[8] 金属製部材が金属製個所を有する、リードフレーム、回路基板または電子部品であることを特徴とする、[4]〜[7]のいずれかに記載の金属製部材接合体の製造方法。
[10] 熱硬化性樹脂粉末が、熱硬化性エポキシ樹脂粉末であることを特徴とする、[9]に記載の多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の製造方法。
[11] 多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率が1×10 −5 Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、[9]または[10]に記載の多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の製造方法。
[2] 多孔質の銀粒子焼結物とエポキシ樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率が1×10−5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、[1]に記載のペースト状銀粒子組成物。
[4] 金属製部材の金属が銅、銀、金、白金、パラジウム、または、これら各金属の合金であることを特徴とする、[3]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[5] 多孔質の銀粒子焼結物とエポキシ樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率が1×10−5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、 [3]または[4]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[6] 金属製部材が金属製個所を有する、リードフレーム、回路基板または電子部品であることを特徴とする、[3]〜[5]のいずれかに記載の金属製部材接合体の製造方法。
[8] 多孔質の銀粒子焼結物とエポキシ樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率が1×10−5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、[7]に記載の多孔質の銀粒子焼結物とエポキシ樹脂硬化物の複合物の製造方法。
Claims (13)
- (A)平均粒径が0.01μm以上10μm以下である球状、涙滴状または粒状の加熱焼結性銀粒子であって,該加熱焼結性銀粒子の表面を被覆する極性基を有する有機物の被覆量が0.05〜5.0質量%である加熱焼結性銀粒子と、(B)揮発性分散媒と、(C)融点が40〜300℃である熱硬化性樹脂粉末とからなるペースト状物であり、100℃以上300℃以下での加熱により、該揮発性分散媒が揮散し、該加熱焼結性銀粒子(A)同士が焼結し、該熱硬化性樹脂粉末(C)が硬化して、多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物となることを特徴とする、ペースト状銀粒子組成物。
- 融点が40〜300℃である熱硬化性樹脂粉末(C)が、平均粒径0.1〜100μmであり、かつ、該焼結性銀粒子(A)100質量部に対し、0.01質量部以上5.0質量部未満であることを特徴とする、請求項1に記載のペースト状銀粒子組成物。
- 熱硬化性樹脂粉末が、熱硬化性エポキシ樹脂粉末であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のペースト状銀粒子組成物。
- 多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率が1×10−5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のペースト状銀粒子組成物。
- (A)平均粒径が0.01μm以上10μm以下である球状,涙滴状または粒状の加熱焼結性銀粒子であって,該加熱焼結性銀粒子の表面を被覆する極性基を有する有機物の被覆量が0.05〜5.0質量%である加熱焼結性銀粒子と、(B)揮発性分散媒と、(C)融点が40〜300℃である熱硬化性樹脂粉末とからなるペースト状銀粒子組成物を、複数の金属製部材間に介在させ、100℃以上300℃以下で加熱して該揮発性分散媒を揮散させ、該加熱焼結性銀粒子(A)同士を焼結させ該熱硬化性樹脂粉末(C)を硬化させて多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物とすることにより、複数の金属製部材同士を接合させることを特徴とする、金属製部材接合体の製造方法。
- 融点が40〜300℃である熱硬化性樹脂粉末(C)が、平均粒径0.1〜100μmであり、かつ、該焼結性銀粒子(A)100質量部に対し、0.01質量部以上5.0質量部未満であることを特徴とする特徴とする、請求項5に記載の金属製部材接合体の製造方法。
- 熱硬化性樹脂粉末が、熱硬化性エポキシ樹脂粉末であることを特徴とする、請求項5または請求項6に記載の金属製部材接合体の製造方法。
- 金属製部材の金属が銅、銀、金、白金、パラジウム、または、これら各金属の合金であることを特徴とする、請求項5〜請求項7のいずれかに記載の金属製部材接合体の製造方法。
- 多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の体積抵抗率が1×10−5Ω・cm以下であり、かつ、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、請求項5〜請求項8のいずれか1項に記載の金属製部材接合体の製造方法。
- 金属製部材が金属製個所を有する、リードフレーム、回路基板または電子部品であることを特徴とする、請求項5〜請求項9のいずれか1項に記載の金属製部材接合体の製造方法。
- (A)平均粒径が0.01μm以上10μm以下である球状,涙滴状または粒状の加熱焼結性銀粒子であって,該加熱焼結性銀粒子の表面を被覆する極性基を有する有機物の被覆量が0.05〜5.0質量%である加熱焼結性銀粒子と、(B)揮発性分散媒と、(C)融点が40〜300℃である熱硬化性樹脂粉末とからなるペースト状銀粒子組成物を、100℃以上300℃以下で加熱して該揮発性分散媒を揮散させ、該加熱焼結性銀粒子(A)同士を焼結させ、該熱硬化性樹脂粉末(C)を硬化させて多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物とすることを特徴とする、多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の製造方法。
- 融点が40〜300℃である熱硬化性樹脂粉末(C)が、平均粒径0.1〜100μmであり、かつ、該焼結性銀粒子(A)100質量部に対し、0.01質量部以上5.0質量部未満であることを特徴とする、請求項11に記載の多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の製造方法。
- 熱硬化性樹脂粉末が、熱硬化性エポキシ樹脂粉末であることを特徴とする、請求項11または請求項12に記載の多孔質の銀粒子焼結物と樹脂硬化物の複合物の製造方法。
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