JP6624620B1 - ペースト状銀粒子組成物、金属製部材接合体の製造方法および金属製部材接合体 - Google Patents
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Abstract
Description
「[1] (A)平均粒径が0.3μm以上10μm以下であり、アスペクト比(平均粒径/平均厚さ)が5以上100以下である、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子、(B)平均粒径が0.005μm以上0.5μm未満であり、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性銀微粒子、(C)平均粒径が0.5μm以上10μm以下であり、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性球状銀粒子、および、(D)揮発性分散媒からなり、前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)と前記加熱焼結性銀微粒子(B)と前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の合計質量に対する前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)の質量比率が1〜30%であり、前記加熱焼結性銀微粒子(B)の質量比率が5〜40%であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の質量比率が30〜90%であることを特徴とする、ペースト状銀粒子組成物。
[2] 前記加熱焼結性銀微粒子(B)が非晶質または多結晶であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)が非晶質または多結晶であることを特徴とする、[1]に記載のペースト状銀粒子組成物。
[2−1] 前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)が粉末状であり、 前記加熱焼結性銀微粒子(B)が粉末状であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)が粉末状であることを特徴とする、[1]または[2]に記載のペースト状銀粒子組成物。
[3] 前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)と前記加熱焼結性銀微粒子(B)と前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の混合物を焼結せしめて生成した銀焼結物の体積抵抗率が1×10−5Ω・cm以下であり、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、[1]、[2]または[2−1]に記載のペースト状銀粒子組成物。
[5] 前記の耐酸化性金属製部材の金属が、銀、金、白金、パラジウム、または、これら
各金属の合金から選択され、前記不活性ガスが窒素ガスであることを特徴とする、[4]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[6] 前記加熱焼結性銀微粒子(B)が非晶質または多結晶であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)が非晶質または多結晶であることを特徴とする、[4]または[5]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[6−1] 前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)が粉末状であり、前記加熱焼結性銀微粒子(B)が粉末状であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)が粉末状であることを特徴とする、[5]または[6]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[7] (A)平均粒径が0.3μm以上10μm以下であり、アスペクト比(平均粒径/平均厚さ)が5以上100以下である、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子、(B)平均粒径が0.005μm以上0.5μm未満であり、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性銀微粒子、(C)平均粒径が0.5μm以上10μm以下であり、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性球状銀粒子、および、(D)揮発性分散媒とからなり、前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)と前記加熱焼結性銀微粒子(B)と前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の合計質量に対する前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)の質量比率が1〜30%であり、前記加熱焼結性銀微粒子(B)の質量比率が5〜40%であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の質量比率が30〜90%であるペースト状銀粒子組成物を、耐酸化性金属製部材と耐酸化性のない金属製部材間または耐酸化性のない銅系部材同士間に介在させ、酸素ガス濃度が2体積%以下の低酸素濃度不活性ガス中で、70℃以上300℃以下で加熱することにより、揮発性分散媒(D)を揮散させ、前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)と前記加熱焼結性銀微粒子(B)と前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の混合物を焼結せしめて、前記耐酸化性金属製部材と前記耐酸化性のない金属製部材または前記耐酸化性のない銅系部材同士を接合させることを特徴とする、金属製部材接合体の製造方法。
[8] 前記耐酸化性金属製部材の金属が、銀、金、白金、パラジウム、または、これら各金属の合金から選択され、前記酸化されやすい金属製部材の金属が、銅または銅合金から選択され、前記不活性ガスが窒素ガスであることを特徴とする、 [7]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[9] 前記加熱焼結性銀微粒子(B)が非晶質または多結晶であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)が非晶質または多結晶であることを特徴とする、 [7]または[8]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[9-1] 前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)が粉末状であり、前記加熱焼結性銀微粒子(B)が粉末状であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)が粉末状であることを特徴とする、[7]、[8]または[9]に記載の金属製部材接合体の製造方法。
[11] 前記加熱焼結性銀微粒子(B)が非晶質または多結晶であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)が非晶質または多結晶であることを特徴とする、[10]に記載の金属製部材接合体。
[11−1] 前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)が粉末状であり、前記加熱焼結性銀微粒子(B)が粉末状であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)が粉末状であることを特徴とする、[10]に記載の金属製部材接合体。
[12] 金属製部材が金属系基板および金属部分を有する電子部品であることを特徴とする、[10]または[11]に記載の金属製部材接合体。
本発明のペースト状銀粒子組成物を、複数の耐酸化性金属製部材間に介在させ大気雰囲気中もしくは空気中または低酸素濃度の不活性ガス中で、または、耐酸化性金属製部材と耐酸化性のない金属製部材間に介在させ低酸素濃度の不活性ガス中で、70℃以上300℃以下で加熱すると、揮発性分散媒が揮散し、銀粒子同士が焼結して前記金属製部材同士が強固に接合し、耐熱衝撃性に優れた金属製部材接合体を製造することができる。
本発明の金属製部材接合体は、複数の金属製部材同士が導電性および熱伝導性が優れた銀焼結物により強固に接合しており、耐熱衝撃性に優れている。
(A)平均粒径が0.3μm以上10μm以下であり、アスペクト比(平均粒径/平均厚さ)が5以上100以下である、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子、(B)平均粒径が0.005μm以上0.5μm未満であり、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性銀微粒子、(C)平均粒径が0.5μm以上10μm以下であり、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性球状銀粒子、および、(D)揮発性分散媒とからなり、前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)と前記加熱焼結性銀微粒子(B)と前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の合計質量に対する前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)の質量比率が1〜30%であり、前記加熱焼結性銀微粒子(B)の質量比率が5〜40%であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の質量比率が30〜90%であることを特徴とする。
前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)は、その平均粒径が10μmを越えると、加熱焼結性が低下するため平均粒子径は小さい方が好ましい。このため10μm以下であることが必要であり、好ましくは7μm以下である。しかし、平均粒径が0.3μm未満であると、平板状であることの特徴が発揮できなくなるため、平均粒径は0.3μm以上であることが必要であり、好ましくは0.5μm以上である。
もっとも、ボールミル等で粒状銀粒子を粉砕・圧延することにより製造され、市販されている通常のフレーク状銀粒子の形状とは異なるものである。
平均粒径が0.005μm未満であると、銀微粒子が凝集して分散性が低下しやすいことがあるため、好ましくは0.010μm以上である。また平均粒径が0.5μmを超えると、本発明のペースト状銀粒子組成物による金属製部材接合体の接合強度が低下するため0.5μm未満であることが必要であり、好ましくは0.25μm以下であり、より好ましくは0.12μm以下である。前記加熱焼結性銀微粒子(B)の形状は限定されないが、球状、粒状または涙滴状であることが好ましい。球状、粒状または涙滴状の形状についてはJIS Z 2500、ISO/DIS 3252等の公的規格に記載された客観的な分類により確認できる。
また、前記加熱焼結性銀微粒子(B)を構成する加熱焼結性銀微粒子は非晶質または多結晶であるが、多結晶であることが好ましく、非晶質部分と多結晶部分が混在しても良い。
凝集しにくさの点で、好ましくは0.7μm以上である。また平均粒径が10μmを越えると、加熱焼結性が低下するので、好ましくは5μm以下である。
球状の形状についてはJIS Z 2500、ISO/DIS 3252等に記載された分類により客観的に確認できるが、本発明において球状の球は、半円をその直径を軸として回転させることによって得られる回転体の一種であり、球状は、拡大した場合、見た目が球で、同一球において部分的に直径が±30%以下、好ましくは±10%以下で滑らかに変化する球や楕円球であることが好ましい。形状は電子顕微鏡写真の映像により計測した粒子の平均値をもって判定するが、その際、粒子が2個以上連結した状態のものは、計測に用いない。なお、粒子の表面に微小な凹凸があっても良いが、球状以外の板状、フレーク状、角状、針状、棒状などを実質的に含まないことが好ましい。
そのような極性基を有する有機物としては、(a)脂肪酸またはそのアルカリ金属塩若しくはエステル、(b)酸性官能基および/または塩基性官能基を有する高分子分散剤、(c)含窒素有機化合物が例示される。
なお、還元法で銀粒子を製造する工程において使用する還元剤等の極性基を有する有機物が、銀粒子(A)中に微量残存する場合があるが、本発明における極性基を有する有機物に含まれる。また、本発明における極性基を有する有機物は、銀粒子表面に会合、結合または吸着しているため、水や溶剤で洗浄しても容易に除去されない。極性基を有する有機物は、加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子、加熱焼結性銀微粒子および加熱焼結性球状銀粒子を被覆できれば、常温で固体、半固体、液体のいずれでもよい。
また、アミノ基、イミノ基(=NH)、アンモニウム塩基、塩基性窒素原子を有する複素環基が例示されるが、アミノ基であることが好ましい。
炭素原子含有極性基の炭素原子数は好ましくは1〜54であり、より好ましくは1〜18である。
脂肪酸のエステルとして、アルキルエステル(例えば、メチルエステル、エチルエステル)、フェニルエステルが例示される。これらアルキルエステルのアルキル基は炭素原子数1〜6が好ましい。
また、塩基性官能基として、アミノ基、イミノ基(=NH)、アンモニウム塩基、塩基性窒素原子を有する複素環基が例示されるが、アミノ基、アンモニウム塩基(例えば、第3級アンモニウム塩基、第4級アンモニウム塩基)であることが好ましい。アミノ基は、第1級アミノ基(-NH2)、第2級アミノ基(-NHR)、第3級アミノ基(-NRR')のいずれでもよい。RとR'はアルキル基、フェニル基、アラルキル基などであり、炭素原子数は好ましくは1〜8である。
酸価とは、高分子分散剤固形分1gあたりの酸価を表し、JIS K 0070に準じ、電位差滴定法によって求めることができる。アミン価とは、高分子分散剤固形分1gあたりのアミン価を表し、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めたのち、水酸化カリウムの当量に換算した値をいう。
前記加熱焼結性銀微粒子(B)の表面を被覆している,極性基を有する有機物の量は0.2〜10質量%が好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。少なすぎると、加熱焼結性銀微粒子(B)が凝集しやすくなって保存安定性が低下し、ひいては加熱焼結時の接合強度が不均一になり、多すぎると前記加熱焼結性銀微粒子(B)の加熱焼結性が低下するからである。
本発明のペースト状銀粒子組成物および金属製部材接合体の製造方法においては、前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)、前記加熱焼結性銀微粒子(B)および前記加熱焼結性球状銀粒子(C)を上記比率で併用することにより、複数の金属製部材同士が強固に接合し、耐熱衝撃性に優れた金属製部材接合体を製造することができる。特には金属製部材が銅製であり、酸素ガス濃度が2体積%以下の低酸素濃度不活性ガス中での加熱による接合であっても、70℃以上、300℃以下、特には250℃以下の低温度の加熱で優れた接合強度を有する。
また、揮発性分散媒(D)が非揮発性分散媒ではなく、揮発性分散媒を使用するのは、加熱により、前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)、前記加熱焼結性銀微粒子(B)および前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の混合物が焼結する際に分散媒が前もって揮散すると、これら加熱焼結性銀粒子・加熱焼結性銀微粒子同士が焼結しやすく、その結果、導電性、熱伝導性、金属製部材への接着性が向上するからである。
揮発性分散媒(D)は、これら銀粒子・銀微粒子表面を変質させず、その沸点は70℃以上であり、300℃以下であることが好ましい。沸点が70℃未満であるとペースト状銀粒子組成物を調製する作業中に揮発性分散媒(D)が揮散しやすく、沸点が300℃より高いと、加熱時に揮散し難くてペースト状銀粒子組成物の加熱焼結を阻害するからである。
このようにして得られた焼結物は、数多くの微細な空孔や連続した空孔、すなわち、細孔を有しており、多孔質である。その空間の割合を示す空孔率は、固体状銀の断面における面積比で40%以下であることが好ましい。また空孔率の下限値は限定されないが、面積比で2%以上であり、加圧して焼結した場合は0%もあり得る。
空孔率の測定は通常の測定方法が利用できる。焼結体の断面を電子顕微鏡で写真撮影し、画像解析ソフトにより、写真における銀部分と空間部分の面積比率を求める方法、電子顕微鏡により撮影した写真を均質な紙等に印刷し、銀部分と空間部分をはさみ等で切り分けて各々の質量を測定し、その質量比率を面積比率とする方法が例示される。
体積抵抗率はJIS K 7194に規定されている方法より測定ができる。熱伝導率は通常の方法で測定でき、例えば、レーザーフラッシュ法、熱抵抗測定法が例示される。
金属製部材の材質としては、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、スズ、アルミニウム、および、これら各金属の合金が例示される。これらのうちでは導電性、接合信頼性の点で、銅、銀、金、白金、パラジウムまたはこれら各金属の合金が好ましい。金属製部材は金属でメッキされたものであってもよく、その母材は限定されない。金属製部材としては、全体または一部が金属で形成されたリードフレーム、プリント基板、半導体チップ、放熱板が例示される。
なお、この製造方法は、耐酸化性のない銅系部材間同士の接合に適用することも可能である。
不活性ガスとして窒素ガスとアルゴンガスが例示される。
酸素ガスを実質的に含まず水素ガスを含む還元性ガスであっても良い。
金属製部材が耐酸化性の銀、金、白金、パラジウム、または、これら各金属の合金からなる場合は、大気または空気が好ましい。空気は通常の空気でもよく、また、水分を低減した乾燥空気であってもよい。また、空気に酸素ガスまたはオゾンを加えた高酸素濃度の雰囲気であっても良く、大気もしくは空気と窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスとの混合ガスであっても良い。その場合の酸素ガス濃度は、10体積%以上であることが好ましい。
なお、酸素ガス濃度は酸素濃度計で容易に測定でき、そのような酸素濃度計は多数市販されている。
本発明のペースト状銀粒子組成物を加熱する際に、金属製部材の片側または両側から圧力を加えることにより、容易に空孔を減らすことができ、この場合、空孔率を2%以下にすることができ、さらには0%にすることもできる。
試験体は低温と高温に交互に曝されることによりその温度差に相当する熱衝撃を受ける。低温側の温度は通常−20℃から−55℃の範囲であり、高温側の温度は通常100℃から150℃の範囲である。試験体はそれぞれの温度に通常10分間から60分間、暴露される。
金属製部材接合体における、前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)、前記加熱焼結性銀微粒子(B)および前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の混合物が融着して生成した焼結物は多孔質固体状銀であり、優れた導電性と熱伝導性を有する。導電性は体積抵抗率で示され、1×10−5Ω・cm以下であることが好ましく、熱伝導率は100W/m・K以上であることが好ましい。
市販品の加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)が単結晶であることは、後方散乱電子回折像分析により確認されている。
メジアン径(D50)と平均厚さ(T)において、D50/Tをアスペクト比とした。
示差熱熱重量同時測定装置(島津製作所株式会社製DTG−60AH型)を用い、空気雰囲気中で各加熱焼結性銀粒子または加熱焼結性銀微粒子を昇温速度10℃/分にて室温(約25℃)から500℃まで昇温して、各加熱焼結性銀粒子または加熱焼結性銀微粒子の減量率を、極性基を有する有機物の被覆剤量として算出した。
ポリテトラフルオロエチレン樹脂板上に15mm角の開口部を有する厚さ1mmのステンレス製のマスクを置き、ペースト状銀粒子組成物を印刷塗布した。
これを、実験室に設置した強制循環式オーブン内で、200℃(実施例8では280℃)で1時間加熱して取り出し、ペースト状銀粒子組成物中の加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子、加熱焼結性銀微粒子および加熱焼結性球状銀粒子の混合物を焼結した。
得られた板状の多孔質銀粒子焼結物をポリテトラフルオロエチレン樹脂板からはずして空隙率測定用試験体とした。
得られた板状の試験体を自動精密切断装置(日本電子株式会社製、商品名アイソメット)により削り出し、得られた断面を走査型電子顕微鏡で撮影し、その画像を均質な印刷用紙に印刷して多孔質銀粒子焼結物の固体部分と空間部分を切り分け、各々の質量を測定して空間部分の占める割合を空隙率として%で示した。
幅50mm×長さ50mm×厚さ2.0mmのガラス板上に、幅10mm×長さ10mmの開口部を有する2mm厚のメタルマスクを用いて、ペースト状銀粒子組成物を塗布し、実験室に設置した強制循環式オーブン内で、200℃(実施例8では280℃)で1時間加熱して板状の銀粒子焼結物とした。
ガラス板からはがした板状の銀粒子焼結物について、JIS K 7194に準じた方法により体積抵抗率(単位;Ω・cm)を測定した。
幅50mm×長さ50mm×厚さ2.0mmのガラス板上に、幅10mm×長さ10mmの開口部を有する2mm厚のメタルマスクを用いて、ペースト状銀粒子組成物を塗布し、実験室に設置した強制循環式オーブン内で、200℃(実施例8では280℃)で1時間加熱して板状の銀粒子焼結物とした。
ガラス板からはがした板状の多孔質銀粒子焼結物について、レーザーフラッシュ法により熱伝導率(単位;W/m・K)を測定した。
幅25mm×長さ70mm、厚さ1.0mmの銅基板(銅純度99.99%)上に、10mmの間隔をおいて4つの開口部(2.5mm×2.5mm)を有する100μm厚のメタルマスクを用いて、ペースト状銀粒子組成物を印刷塗布し、その上にサイズが2.5mm×2.5mm×0.5mmの表面が金メッキされたシリコンチップ(金純度99.9%以上)を載せ、これを実験室に設置した強制循環式オーブン中で、200℃(実施例8では280℃)で1時間加熱して銅基板と金メッキシリコンチップを接合した。実施例6においては、幅25mm×長さ70mm、厚さ1.0mmの銅基板(銅純度99.99%)の代わりに、幅25mm×長さ70mm、厚さ1.0mmの銀メッキ基板(銀純度99.9%)を使用した。
金属製部材の接合強度測定用試験体を冷熱衝撃試験機に入れて、−55℃で30分間放置と+150℃で30分間放置を1サイクルとする冷熱衝撃を300サイクルおこなった。かくして得られた冷熱サイクルにかけた接合強度測定用試験体を接着強さ試験機の試験体取付け具にセットし、金メッキシリコンチップの側面を接着強さ試験機の押圧棒により押厚速度23mm/分で押圧し、接合部がせん断破壊したときの荷重をもって接着強さ(単位;MPa)とした。4個の平均値をせん断接着強さとした。
ミキサー中で、平均粒径が1.0μmであり、平均厚さが0.1μmである、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(アスペクト比10、オレイン酸量0.3質量%)10質量部、平均粒径が0.02μmであり、ヘキサン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀微粒子(ヘキサン酸量2.5質量%)20質量部、平均粒径が1.0μmであり、ステアリン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(ステアリン酸量0.3質量%)35質量部、平均粒径が3.0μmであり、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(オレイン酸量0.2質量%)35質量部、および、沸点が244℃であるオクタンジオール(関東化学株式会社製)8質量部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合し、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得るのに有用なことがわかる。
ミキサー中で、平均粒径が0.5μmであり、平均厚さが0.08μmである、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(アスペクト比6、オレイン酸量0.5質量%)5質量部、平均粒径が0.08μmであり、オクタン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀微粒子(オクタン酸量1.5質量%)10質量部、平均粒径が1.0μmであり、ステアリン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(ステアリン酸量0.3質量%)42.5質量部、平均粒径が3.0μmであり、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(オレイン酸量0.2質量%)42.5質量部、および、沸点が244℃であるオクタンジオール(関東化学株式会社製)7質量部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合し、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得るのに有用なことがわかる。
ミキサー中で、平均粒径が5.0μmであり、平均厚さが0.12μmである、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(アスペクト比42、オレイン酸量0.2質量%)20質量部、平均粒径が0.02μmであり、ヘキサン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀微粒子(ヘキサン酸量2.5質量%)30質量部、平均粒径が1.0μmであり、ステアリン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(ステアリン酸量0.3質量%)25質量部、平均粒径が3.0μmであり、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(オレイン酸量0.2質量%)25質量部、および、沸点が219℃であるα−ターピネオール(関東化学株式会社製)8質量部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合し、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得るのに有用なことがわかる。
ミキサー中で、平均粒径が1.0μmであり、平均厚さが0.1μmである、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(アスペクト比10、オレイン酸量0.3質量%)10質量部、平均粒径が0.02μmであり、高分子分散剤であるDISPERBYK−2020(ビックケミー・ジャパン株式会社販売品)で表面被覆された加熱焼結性粒状多結晶の銀微粒子(DISPERBYK−2020量2.2質量%)20質量部、平均粒径が1.0μmであり、ステアリン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(ステアリン酸量0.3質量%)35質量部、平均粒径が3.0μmであり、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(オレイン酸量0.2質量%)35質量部、および、沸点が244℃であるオクタンジオール(関東化学株式会社製)8質量部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合し、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得るのに有用なことがわかる。
ミキサー中で、平均粒径が1.0μmであり、平均厚さが0.1μmである、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(アスペクト比10、オレイン酸量0.3質量%)10質量部、平均粒径が0.09μmであり、ブチルアミンで表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀微粒子(ブチルアミン量0.8質量%)20質量部、平均粒径が1.0μmであり、ステアリン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(ステアリン酸量0.3質量%)35質量部、平均粒径が3.0μmであり、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(オレイン酸量0.2質量%)35質量部、および、沸点が244℃であるオクタンジオール(関東化学株式会社製)8質量部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合し、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得るのに有用なことがわかる。
ミキサー中で、平均粒径が1.0μmであり、平均厚さが0.1μmである、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(アスペクト比10、オレイン酸量0.3質量%)10質量部、平均粒径が0.02μmであり、ヘキサン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀微粒子(ヘキサン酸量2.5質量%)20質量部、平均粒径が1.0μmであり、ステアリン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(ステアリン酸量0.3質量%)35質量部、平均粒径が3.0μmであり、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(オレイン酸量0.2質量%)35質量部、および、沸点が244℃であるオクタンジオール(関東化学株式会社製)8質量部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
ミキサー中で、平均粒径が0.02μmであり、ヘキサン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀微粒子(ヘキサン酸量2.5質量%)20質量部、平均粒径が1.0μmであり、ステアリン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(ステアリン酸量0.3質量%)40質量部、平均粒径が3.0μmであり、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(オレイン酸量0.2質量%)40質量部、および、沸点が244℃であるオクタンジオール(関東化学株式会社製)8質量部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合できず、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得ることができないことがわかる。
ミキサー中で、平均粒径が1.0μmであり、平均厚さが0.1μmである、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(アスペクト比10、オレイン酸量0.3質量%)10質量部、平均粒径が1.0μmであり、ステアリン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(ステアリン酸量0.3質量%)45質量部、平均粒径が3.0μmであり、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(オレイン酸量0.2質量%)45質量部、および、沸点が244℃であるオクタンジオール(関東化学株式会社製)6質量部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合できず、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得ることができないことがわかる。
ミキサー中で、平均粒径が1.0μmであり、平均厚さが0.1μmである、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(アスペクト比10、オレイン酸量0.3質量%)33質量部、平均粒径が0.02μmであり、ヘキサン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀微粒子(ヘキサン酸量2.5質量%)67質量部、および、沸点が244℃であるオクタンジオール(関東化学株式会社製)12質量部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合できず、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得ることができないことがわかる。
ミキサー中で、平均粒径が1.0μmであり、平均厚さが0.1μmである、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(アスペクト比10、オレイン酸量0.3質量%)10質量部、平均粒径が0.02μmであり、ヘキサン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀微粒子(ヘキサン酸量2.5質量%)20質量部、平均粒径が7.0μmであり、ドデカン酸で表面被覆された加熱焼結性フレーク状多結晶の銀粒子(ドデカン酸量0.4質量%)70質量部、および、沸点が244℃であるオクタンジオール(関東化学株式会社製)7質量部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合できず、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得ることができないことがわかる。
ミキサー中で、平均粒径が1.0μmであり、平均厚さが0.1μmである、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(アスペクト比10、オレイン酸量0.3質量%)60質量部、平均粒径が0.02μmであり、ヘキサン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀微粒子(ヘキサン酸量2.5質量%)10質量部、平均粒径が1.0μmであり、ステアリン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(ステアリン酸量0.3質量%)15質量部、平均粒径が3.0μmであり、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(オレイン酸量0.2質量%)15質量部、および、沸点が244℃であるオクタンジオール(関東化学株式会社製)8質量部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合できず、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得ることができないことがわかる。
ミキサー中で、平均粒径が1.0μmであり、平均厚さが0.1μmである、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(アスペクト比10、オレイン酸量0.3質量%)10質量部、平均粒径が0.02μmであり、ヘキサン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀微粒子(ヘキサン酸量2.5質量%)60質量部、平均粒径が1.0μmであり、ステアリン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(ステアリン酸量0.3質量%)15質量部、平均粒径が3.0μmであり、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(オレイン酸量0.2質量%)15質量部、および、沸点が244℃であるオクタンジオール(関東化学株式会社製)10質量部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合できず、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得ることができないことがわかる。
ミキサー中で、平均粒径が1.0μmであり、平均厚さが0.1μmである、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(アスペクト比10、オレイン酸量0.3質量%)1質量部、平均粒径が0.02μmであり、ヘキサン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀微粒子(ヘキサン酸量2.5質量%)5質量部、平均粒径が1.0μmであり、ステアリン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(ステアリン酸量0.3質量%)47質量部、平均粒径が3.0μmであり、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(オレイン酸量0.2質量%)47質量部、および、沸点が244℃であるオクタンジオール(関東化学株式会社製)8質量部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合できず、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得ることができないことがわかる。
ミキサー中で、平均粒径が7.0μmであり、平均厚さが0.1μmである、ドデカン酸で表面被覆された加熱焼結性フレーク状多結晶の銀粒子(アスペクト比70、ドデカン酸量0.4質量%)10質量部、平均粒径が0.02μmであり、ヘキサン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀微粒子(ヘキサン酸量2.5質量%)20質量部、平均粒径が1.0μmであり、ステアリン酸で表面被覆された加熱焼結性球状銀粒子(ステアリン酸量0.3質量%)35質量部、平均粒径が3.0μmであり、オレイン酸で表面被覆された加熱焼結性球状多結晶の銀粒子(オレイン酸量0.2質量%)35質量部、および、沸点が244℃であるオクタンジオール(関東化学株式会社製)7質量部を均一に混合してペースト状銀粒子組成物を調製した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合できず、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得ることができないことがわかる。
実施例1において、酸素ガス濃度が0.5体積%である低酸素濃度窒素ガスの代わりに、空気(酸素ガス濃度21体積%)を用いた以外は同様にして、ペースト状銀粒子組成物の空気中での加熱焼結物の空隙率、体積抵抗率および熱伝導率を測定し、ペースト状銀粒子組成物の空気中での加熱焼結物により接合された金属製部材接合体のせん断接着強さ、および、金属製部材接合体を冷熱サイクルにかけた後のせん断接着強さを測定し、結果を表5にまとめて示した。
以上の結果により、この接合方法が金属製部材同士金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合できず、耐熱衝撃性に優れる金属製部材金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得ることができないことがわかる。
実施例1において、酸素ガス濃度が0.5体積%である低酸素濃度窒素ガスの代わりに、酸素ガス濃度が4体積%の酸素ガス含有窒素ガスを用いた以外は同様にして、ペースト状銀粒子組成物の酸素ガス濃度が4体積%での加熱焼結物の空隙率、体積抵抗率および熱伝導率を測定し、ペースト状銀粒子組成物の酸素ガス濃度が4体積%での加熱焼結物により接合された金属製部材接合体のせん断接着強さ、および、金属製部材接合体を冷熱サイクルにかけた後のせん断接着強さを測定し、結果を表6にまとめて示した。
以上の結果により、この接合方法が金属製部材同士金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合できず、耐熱衝撃性に優れる金属製部材金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得ることができないことがわかる。
実施例1において、酸素ガス濃度が0.5体積%である低酸素濃度窒素ガスの代わりに、酸素ガス濃度が2.5体積%の酸素ガス含有窒素ガスを用いた以外は同様にして、ペースト状銀粒子組成物の酸素ガス濃度が2.5体積%での加熱焼結物の空隙率、体積抵抗率および熱伝導率を測定し、ペースト状銀粒子組成物の酸素ガス濃度が2.5体積%での加熱焼結物により接合された金属製部材接合体のせん断接着強さ、および、金属製部材接合体を冷熱サイクルにかけた後のせん断接着強さを測定し、結果を表6にまとめて示した。
以上の結果により、この接合方法が金属製部材同士金メッキシリコンチップと銅基板を強固に接合できず、耐熱衝撃性に優れる金属製部材金メッキシリコンチップと銅基板の接合体を得ることができないことがわかる。
実施例1において、酸素ガス濃度が0.5体積%である低酸素濃度窒素ガスの代わりに、酸素ガス濃度が1.5体積%の低酸素濃度窒素ガスを用いた以外は同様にして、ペースト状銀粒子組成物の酸素ガス濃度が1.5体積%での加熱焼結物の空隙率、体積抵抗率および熱伝導率を測定し、ペースト状銀粒子組成物の酸素ガス濃度が1.5体積%での加熱焼結物により接合された金属製部材接合体のせん断接着強さ、および、金属製部材接合体を冷熱サイクルにかけた後のせん断接着強さを測定し、結果を表7にまとめて示した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銀基板を強固に接合し、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銀基板の接合体を得るのに有用なことがわかる。
実施例1において、実験室に設置した強制循環式オーブン内で、200℃で1時間加熱して板状の銀粒子焼結物を得た代わりに、実験室に設置した強制循環式オーブン内で、280℃で1時間加熱して板状の銀粒子焼結物得た以外は同様にして、ペースト状銀粒子組成物の酸素ガス濃度が0.5体積%である低酸素濃度窒素ガス中での加熱焼結物の空隙率、体積抵抗率および熱伝導率を測定し、ペースト状銀粒子組成物の酸素ガス濃度が0.5体積%である低酸素濃度窒素ガス中での加熱焼結物により接合された金属製部材接合体のせん断接着強さ、および、金属製部材接合体を冷熱サイクルにかけた後のせん断接着強さを測定し、結果を表7にまとめて示した。
以上の結果により、この接合方法が金メッキシリコンチップと銀基板を強固に接合し、耐熱衝撃性に優れる金メッキシリコンチップと銀基板の接合体を得るのに有用なことがわかる。
本発明の金属製部材接合体の製造方法は、コンデンサ、抵抗、ダイオード、メモリ、演算素子(CPU)等のチップ部品の基板への接合体、放熱用部材の接合体などの製造に有用である。
本発明の金属製部材接合体は、電子部品、電子装置、電気部品、電気装置などに有用である。
1 銅基板または銀基板
2 ペースト状銀粒子組成物(加熱焼結後は多孔質銀焼結物)
3 表面が金メッキされたシリコンチップ
Claims (13)
- (A)平均粒径が0.3μm以上10μm以下であり、アスペクト比(平均粒径/平均厚さ)が5以上100以下である、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子、(B)平均粒径が0.005μm以上0.5μm未満であり、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性銀微粒子、(C)平均粒径が0.5μm以上10μm以下であり、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性球状銀粒子、および、(D)揮発性分散媒とからなり、前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)と前記加熱焼結性銀微粒子(B)と前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の合計質量に対する前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)の質量比率が1〜30%であり、前記加熱焼結性銀微粒子(B)の質量比率が5〜40%であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の質量比率が30〜90%であることを特徴とする、ペースト状銀粒子組成物。
- 前記加熱焼結性銀微粒子(B)が非晶質または多結晶であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)が非晶質または多結晶であることを特徴とする、請求項1に記載のペースト状銀粒子組成物。
- 前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)と前記加熱焼結性銀微粒子(B)と前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の混合物を焼結せしめて生成した銀焼結物の体積抵抗率が1×10−5Ω・cm以下であり、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のペースト状銀粒子組成物。
- (A)平均粒径が0.3μm以上10μm以下であり、アスペクト比(平均粒径/平均厚さ)が5以上100以下である、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子、(B)平均粒径が0.005μm以上0.5μm未満であり、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性銀微粒子、(C)平均粒径が0.5μm以上10μm以下であり、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性球状銀粒子、および、(D)揮発性分散媒とからなり、前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)と前記加熱焼結性銀微粒子(B)と前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の合計質量に対する前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)の質量比率が1〜30%であり、前記加熱焼結性銀微粒子(B)の質量比率が5〜40%であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の質量比率が30〜90%であるペースト状銀粒子組成物を、複数の耐酸化性金属製部材間に介在させ、大気雰囲気中もしくは空気中、または酸素ガス濃度が2体積%以下の低酸素濃度不活性ガス中で、70℃以上300℃以下で加熱することにより、揮発性分散媒(D)を揮散させ、前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)と前記加熱焼結性銀微粒子(B)と前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の混合物を焼結せしめて前記耐酸化性金属製部材同士を接合させることを特徴とする、金属製部材接合体の製造方法。
- 前記耐酸化性金属製部材の金属が、銀、金、白金、パラジウム、または、これら各金属の合金から選択され、前記不活性ガスが窒素ガスであることを特徴とする、請求項4に記載の金属製部材接合体の製造方法。
- 前記加熱焼結性銀微粒子(B)が非晶質または多結晶であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)が非晶質または多結晶であることを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の金属製部材接合体の製造方法。
- (A)平均粒径が0.3μm以上10μm以下であり、アスペクト比(平均粒径/平均厚さ)が5以上100以下である、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子、(B)平均粒径が0.005μm以上0.5μm未満であり、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性銀微粒子、(C)平均粒径が0.5μm以上10μm以下であり、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性球状銀粒子、および、(D)揮発性分散媒からなり、前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)と前記加熱焼結性銀微粒子(B)と前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の合計質量に対する前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)の質量比率が1〜30%であり、前記加熱焼結性銀微粒子(B)の質量比率が5〜40%であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の質量比率が30〜90%であるペースト状銀粒子組成物を、耐酸化性金属製部材と耐酸化性のない金属製部材間または耐酸化性のない銅系部材同士間に介在させ、酸素ガス濃度が2体積%以下の低酸素濃度不活性ガス中で、70℃以上300℃以下で加熱することにより、揮発性分散媒(D)を揮散させ、前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)と前記加熱焼結性銀微粒子(B)と前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の混合物を焼結せしめて、前記耐酸化性金属製部材と前記耐酸化性のない金属製部材または耐酸化性のない銅系部材同士を接合させることを特徴とする、金属製部材接合体の製造方法。
- 前記耐酸化性金属製部材の金属が、銀、金、白金、パラジウム、または、これら各金属の合金から選択され、前記耐酸化性のない金属製部材の金属が、銅または銅合金から選択され、前記不活性ガスが窒素ガスであることを特徴とする、請求項7に記載の金属製部材接合体の製造方法。
- 前記加熱焼結性銀微粒子(B)が非晶質または多結晶であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)が非晶質または多結晶であることを特徴とする、請求項7または請求項8に記載の金属製部材接合体の製造方法。
- 複数の金属製部材が、(A)平均粒径が0.3μm以上10μm以下であり、アスペクト比(平均粒径/平均厚さ)が5以上100以下である、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子、(B)平均粒径が0.005μm以上0.5μm未満であり、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性銀微粒子、および(C)平均粒径が0.5μm以上10μm以下であり、極性基を有する有機物で被覆された加熱焼結性球状銀粒子の混合物であって、前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)と前記加熱焼結性銀微粒子(B)と前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の合計質量に対する前記加熱焼結性多角形平板状単結晶の銀粒子(A)の質量比率が1〜30%であり、前記加熱焼結性銀微粒子(B)の質量比率が5〜40%であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)の質量比率が30〜90%である加熱焼結物により接合され、該加熱焼結物の体積抵抗率が1×10−5Ω・cm以下であり、熱伝導率が100W/m・K以上であることを特徴とする、金属製部材接合体。
- 前記加熱焼結性銀微粒子(B)が非晶質または多結晶であり、前記加熱焼結性球状銀粒子(C)が非晶質または多結晶であることを特徴とする、請求項10に記載の金属製部材接合体。
- 金属製部材が金属系基板および金属部分を有する電子部品であることを特徴とする、請求項10に記載の金属製部材接合体。
- 金属系基板が金属製リードフレームまたは金属部分を有する回路基板であり、金属部分を有する電子部品がコンデンサおよび抵抗から選択されるチップ部品、または、ダイオード、トランジスタ、メモリ、ICおよびCPUから選択される半導体チップであることを特徴とする、請求項12に記載の金属製部材接合体。
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