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JP2019537025A - 駆動系とテストスタンドによるテストランの間に負荷設定機械を制御する方法 - Google Patents

駆動系とテストスタンドによるテストランの間に負荷設定機械を制御する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、駆動系テストスタンド1でテストランを実施する方法に関する。
このシミュレーションモデル20で計算された、前後方向の力Fxiにより引き起こされる回転モーメントMFxiが、追加的に制御ユニット9iに引き渡されて、制御ユニット9iで、その回転モーメントから、補正回転モーメントMKiが、前後方向の力Fxiにより引き起こされる回転モーメントMFxi及び負荷設定機械8iの慣性モーメントJとシミュレーションされる車両車輪19の慣性モーメントJRiの間の偏差の関数として計算されることと、
制御ユニット9iが、回転数コントローラ17iを用いて、目標回転数nBi,setから回転モーメントMREiを計算することと、
負荷設定機械8iにより設定すべき回転モーメントMBi,sollが、補正回転モーメントMKiと回転数コントローラ17iにより計算された回転モーメントMREiの合計として計算されて、負荷設定機械8iにより設定される

Description

本発明は、駆動系テストスタンドにおいてテストランを実施する方法であって、この駆動系テストスタンドには、少なくとも一つのハーフシャフトを備えた駆動系が配置され、このハーフシャフトが負荷設定機械と接続され、このハーフシャフトの回転数が制御ユニットで制御され、シミュレーションモデルにおいて、このシミュレーションモデルでシミュレーションされる車両車輪のタイヤの前後方向の力と負荷設定機械の設定すべき目標回転数が計算され、この制御ユニットの目標回転数が回転数制御の目標値として負荷設定機械に引き渡される方法に関する。同様に、本発明は、それに対応する駆動系テストスタンドに関する。
駆動系を開発するためには、開発過程の間に、その駆動系を度々テストしなければならない、即ち、駆動系の反応を検査するために、テストランに基づき所定の負荷を与えなければならない。そして、テスト結果により、駆動系を更に発展又は改善するために、相応のステップをセットすることができる。駆動系を検査するために、様々な周知のアプローチが存在する。
駆動系は、例えば、実際の車両に組み込むことができ、その車両を用いて、実際の道路又はテスト用地でテスト走行を実施することができる。テスト走行の間に、車両又は駆動系において測定を行ない、テスト走行後に、評価することができる。その措置は、当然に非常に負担がかかる。更に、テストドライバーがテスト走行を複数回正確に同じように実行することができないので、テスト走行は殆ど再現できない。確かに、テスト用地では、テスト走行を再現可能にするために、走行ロボットとシフトロボット(変速機が有る場合)を使用することができるが、それは、明らかに負担を一層上昇させる。従って、そのようなテスト走行は、むしろ不利であり、今日では、総じて駆動系又は車両の非常に後期の開発段階でのみ採用されている。しかし、頻繁な変更とテストが必要である早期の開発段階では、それは殆ど適さない。
道路上での実際のテスト走行に代わって、ローラー式テストスタンドを用いることもでき、そのローラー式テストスタンドでは、車両がテストスタンドのローラー上に配置される。しかし、そのようなローラー式テストスタンドでは、ローラーの大きな慣性のために、(回転数や回転モーメントなどの制御変数を速く又は一時的に変更するとの意味での)動特性のテストは殆ど不可能である。従って、ローラー式テストスタンドも駆動系のテストに適さないか、或いは非常に限定的にしか適さない、少なくとも動特性の大きいテストには適さない。
この問題を取り除くために、既に駆動系テストスタンドも知られており、そこでは、駆動系に負荷を加えるために規定された回転モーメント又は回転数を駆動系に加えて、それにより駆動系による車両の実際の走行をシミュレーションする負荷設定機械(例えば、電気モーター)が、少なくとも駆動系の駆動されるハーフシャフトに配置されている。その場合、負荷設定機械を介して設定すべき回転数/回転モーメントは、シミュレーションモデルで計算される。その場合、シミュレーションモデルは、多くの場合、一つの車両モデル、一つ(又は複数の)車輪モデル、一つの道路モデル、一つのドライバーモデル及びそれ以外のモデルを有し、それらが、協力して動作して、一緒になって車両の動きをシミュレーションする。
特許文献1は、例えば、車両の動きをシミュレーションするシミュレーションモデルを有する駆動系テストスタンドを記載している。テストランの制御のために、回転モーメントに関する目標値を計算する車両モデルと組み合わせて、タイヤモデルを使用している。そのために、ハーフシャフトの回転数が測定されて、シミュレーションモデルに提供される。回転モーメントに関して計算された目標値が、その実現のために直に負荷設定機械に提供される。そのため、負荷設定機械は、開いた制御回路(オープンループ)により回転モーメントを制御される。そのアプローチの欠点は、実際に近いテストランのためには、慣性モーメントが、標準的に駆動系に配置されている本当の車輪の慣性モーメントと出来る限り正確に一致しなければならないことである。車輪の慣性モーメントは通常小さいので、負荷設定機械に対する高い要件となる。従って、それは、一般的にコスト及び動作の安全性に関して周知の欠点を有する同期式電気機械として実現されなければならない。更に、負荷設定機械のインバーターにおける回転モーメントの負担のかかる調整が必要である。
更に、オープンループ式制御は、当然閉じた制御回路(クローズドループ)の場合のような制御誤差を補正する手法を持たず、ノイズ抑制手段も提供しない。そのため、個々の負荷設定機械のそれ自体では回避できない、製造又は動作に起因する偏差も、早くも駆動系テストスタンドの制御に対して直接的な(否定的な)影響を及ぼす。
そのような駆動系テストスタンドが、全輪駆動系に関する特許文献2からも明らかである。その場合、駆動系テストスタンドにおけるハーフシャフトの回転数及び回転モーメントが測定されて、シミュレーションモデルで、それらから、ハーフシャフトにおける回転数制御式負荷設定機械のための目標回転数が計算されている。しかし、タイヤモデルの代わりに、(タイヤのシミュレーションも含む)車輪モデルが用いられているので、シミュレーションモデルに関して、幾らかの別のアプローチが選択されている。そこでは、異なるモデルの協力した動作も詳しく記載されている。動特性テストに関しては、特に、タイヤのスリップを考慮することが重要であり、そのために、タイヤモデルが必要である。特許文献2は、そのことも記載している。
特許文献3も、車両モデルと車両モデルを有する駆動系テストスタンド及びそのテストスタンドにおける負荷設定機械の回転数制御とを提示している。
特許文献2及び3の欠点は、回転数制御が遅延と減衰を引き起こし、それにより、ハーフシャフトにおいて支配的な回転数がシミュレーションモデルでシミュレーションされた回転数に対して常に時間的に遅れることである。そのため、駆動系テストスタンドにおける駆動系の実際の状態が、所望のシミュレーションされた状態と一致せず、それが、駆動系のテストに悪い影響を及ぼしている。駆動系のテスト時に常に期待される動的な状態変更を可能にするために、回転数コントローラは、制御の安定性に不利な作用を及ぼす大きな増幅率を持たなければならない。最悪の場合、回転数制御が不安定になる可能性が有り、それは、駆動系テストスタンドを損傷するか、それどころか破壊する可能が有るが、少なくともテストランを中断させる。従って、要件を満たすように、コントローラを最適化しなければならず、それは、負担のかかるコントローラ設計又はコントローラ調整を必要とする。
この問題を取り除くために、非特許文献1では、タイヤモデルを含む車輪モデルをシミュレーションに適合させることが提案されている。しかし、それは、シミュレーション環境への介入と車輪モデルの置換又は適合を必要とする。しかし、通常は車輪及びタイヤに関する周知の標準モデルが使用されているので、そのような介入は、多くの場合、駆動系テストスタンドの運営者によって望まれておらず、従って、不可能である。多くの場合、シミュレーションモデルを含むシミュレーション環境は、テストスタンドで使用される前の早期の開発段階で既に存在して、変更されずにテストスタンドで使用されるべきである。テストスタンドは、目標回転数を出力して、駆動系テストスタンドで測定された変数をシミュレーションモデルに引き渡すためのインタフェースだけを提供する。従って、多くの場合、如何なる車輪モデルをシミュレーション環境で使用するのかさえ分からず、そのため、実際には多くの場合車輪モデルの変更も殆ど不可能である。
欧州特許公開第1037030号明細書 ドイツ特許第3801647号明細書 オーストリア特許第508031号明細書
Bauer, R., "Neues Regelkonzept fuer die dynamische Antriebsstrangpruefung", 17. Steirisches Seminar ueber Regelungstechnik und Prozessautomatisierung vom 5.−8.9.2011, Tagungsband S.104−116 Pacejky H. B., et al., "Tyre Modelling for Use in Vehicle Dynamics Studies", International Congress and Exposition, Detroit, Feb. 23−27, 1987, SAE Technical Paper 870421
以上のことから、本発明の課題は、従来技術の問題を取り除くことである。
この課題は、シミュレーションモデルで計算された、前後方向の力により引き起こされる回転モーメントが、追加的に制御ユニットに引き渡されて、制御ユニットで、その回転モーメントから、補正回転モーメントが、前後方向の力により引き起こされる回転モーメント及び負荷設定機械の慣性モーメントとシミュレーションされる車両車輪の慣性モーメントの間の偏差の関数として計算され、制御ユニットが、回転数コントローラを用いて、目標回転数から回転モーメントを計算し、負荷設定機械により設定すべき回転モーメントが、補正回転モーメントと回転数コントローラにより計算された回転モーメントの合計として計算されて、負荷設定機械により設定されることによって解決される。この補正回転モーメントによって、慣性モーメントが異なるにも関わらず、負荷設定機械が、駆動系テストスタンドでシミュレーションされる車両車輪を良好にエミュレーションすることを実現できる。この場合、この補正回転モーメントは、制御変数として機能し、回転数コントローラは、それを用いて、駆動系テストスタンドで起こるかもしれない偏差だけを補正すればよい。同様に、それにより、回転数コントローラ、例えば、増幅率に対する要件を低減することができると同時に、それにより、回転数コントローラの(制御変数の変更速度との意味での)動特性及び速度を改善することができる。同様に、それにより、回転数コントローラの安定性を向上することができる。
有利には、シミュレーションモデルは、タイヤモデルを含む車輪モデルと車両モデルとを有する。それによって、標準モデルを使用することができ、それは、シミュレーションを容易にする。
偏差として、負荷設定機械の慣性モーメントとシミュレーションされる車両車輪の慣性モーメントとの商又はシミュレーションされる車両車輪の慣性モーメントと負荷設定機械の慣性モーメントとの差を使用した場合に、この補正回転モーメントを簡単に計算することができる。
以下において、本発明の有利な実施形態を例示して、模式的に図示し、本発明を制限するものではない図1〜6を参照して本発明を詳しく説明する。
駆動系をテスト対象とする駆動系テストスタンドの実施例の模式図 シミュレーションモデルの有利なモデル構造の模式図 タイヤ座標系の例の模式図 駆動系テストスタンドにおける負荷設定機械の従来の回転数制御の模式図 駆動系テストスタンドにおける負荷設定機械の本発明による回転数制御の模式図 車両車輪における動特性状態変数の模式図 負荷設定機械における動特性状態変数の模式図
図1には、駆動系2のための駆動系テストスタンド1が模式的に図示されている。この駆動系2及び駆動系テストスタンド1のそれ以外の構成部品を移送、配置、保管及び固定するための所要の周知のテストスタンド構造は、見易さの理由から図示されていない。この駆動系2は、図示された実施例では、クラッチ4を介して駆動シャフトを用いて変速機5と接続された駆動機器3、例えば、燃焼エンジン、電気モーター又はそれらの組み合わせを有する。この変速機5は、差動装置6と接続され、その差動装置を介して、更に、駆動系2の二つのハーフシャフト7a,7bが駆動される。駆動系2の駆動されるハーフシャフト7a,7bには、負荷設定機械8a,8b、例えば、電気モーターが配置されている。これらの負荷設定機械8a,8bは、回転モーメントを伝達できるように、周知の手法で配置されて、ハーフシャフト7a,7bと回転ずれしない形で接続されている。例えば、負荷設定機械8a,8bは、ハーフシャフト7a,7bの車輪フランジにフランジ接続されている。当然のことながら、この駆動系2は、同じ手法で全輪駆動系としても実現することができる。この場合、駆動される全てのハーフシャフトに負荷設定機械を同様に配置することができる。同様に、例えば、電気駆動式車軸(それ以外の駆動車軸との組み合わせも)などの駆動系2のそれ以外の駆動方式及び実現形態や、車輪ハブモーターの使用も考えられる。全く同様に、如何なる数の車軸又は如何なる数の駆動車軸が存在するのか、並びに如何なる数の車輪が一つの車軸に配置されているのかは関係ない。
この駆動系2は、駆動系2、特に、一つの駆動機構3、場合によっては、複数の駆動機構の構成部品を制御するために、例えば、エンジン制御ユニットECUや変速機制御ユニットTCUなどの制御ユニットを備えることもできる。
駆動系2の具体的な実施形態は、本発明にとって重要ではない。少なくとも一つの負荷設定機械8a,8bを少なくとも一つのハーフシャフト7a,7bと接続できることだけが決定的に重要である。それは、有利には、駆動されるハーフシャフト7a,7bであるが、駆動されないハーフシャフトであるとすることもできる。駆動されないハーフシャフトの配置構成は、例えば、ハーフシャフトにおけるブレーキ又は制動挙動もシミュレーションしたい場合に意味を成すことができる。
更に、テストスタンド1には、テストスタンド1で実行するテストランを制御するテストスタンド自動化ユニット10が配備されている。このテストスタンド自動化ユニット10は、例えば、所要のソフトウェアを備えたコンピュータとして、或いは協力して動作するコンピュータの集合体として実現される。このテストスタンド自動化ユニット10は、特に、負荷設定機械8a,8bを制御するが、駆動系2の構成部品、特に、駆動機構3又は変速機5も制御する。それは、例えば、テストスタンド自動化ユニット10からエンジン制御ユニットECUに走行ペダル位置を伝送することによって、制御ユニットECU,TCUを介して行なうこともできる。テストスタンド自動化ユニット10と駆動系2又は駆動系テストスタンド1の構成部品との間の接続は、図1に表示されている通り、データバス11、例えば、従来の車両バスを介して行なうこともできる。しかし、駆動系2の構成部品の制御形式は、本発明にとって重要ではない。
テストスタンド自動化ユニット10には、仮想的な走行区間に沿った仮想的な(即ち、シミュレーションされる)テスト環境によって、駆動系2を備えた仮想的な(即ち、シミュレーションされる)車両の動きをシミュレーションするシミュレーションモデル20が、シミュレーションハードウェア及び/又はシミュレーションソフトウェアの形で実装されている。この仮想的なテスト環境によって、少なくとも仮想的な走行区間(カーブ、勾配、道路の傾斜、路面)が決定される。そのために、走行区間を事前に定義することができる。多くの場合、実際の車両を用いて、実際の区間を走行し、その際、或るパラメータ(例えば、カーブ、勾配、道路の傾斜、路面(タイヤグリップ)、車両速度等)を測定する。そして、そのような実際の走行から、仮想的な走行区間を作成することができる。同様に、実際の走行から、走行プロファイルを、即ち、例えば、車両速度、走行区間の所定の位置でのシフト操作又は或る位置での速度変化を取得することができる。この走行プロファイルは、仮想的なテスト環境において、仮想的なドライバーにより実現され、それに関して、異なる走行プロファイルを、例えば、所望の速度変化を異なる形態で実現する、或いはカーブを異なる形態で走行する保守的又は攻撃的なドライバーを例として定義することもできる。しかし、使用者が、例えば、好適なエディタにおいて、全く自由に走行区間及び/又は走行プロファイルを定義することもできる。しかし、インタフェース(例えば、ハンドル、アクセルペダル、クラッチ、ブレーキペダル)がテストスタンドで提供されて、それを介して、本当の使用者が仮想的なテスト環境において仮想的な車両を制御する、例えば、操舵し、ガソリンを与え、制動し、シフトなどを行なうテストランの間に、テストスタンドにおいて初めて、走行プロファイルを少なくとも部分的に作成することもできる。しかし、例えば、交通標識、走行区間に沿った交通、走行路上の水溜まり又はアイスバーンなどの事象によって、この走行区間を補完することもできる。
しかし、仮想的な車両のシミュレーションによるテストランが具体的にどのように見えるのかは、本発明にとって重要ではない。この場合、仮想的な車両の動き、特に、空間内における静特性、動特性、即ち、速度及び加速度、並びにタイヤが動きた時の車両のタイヤと走行路の相互作用がシミュレーションされることだけが重要である。この場合、シミュレーションモデル20は、シミュレーションの所与の時間ステップで、例えば、10kHzの周波数で、駆動機構3に関する目標値、例えば、駆動機構3により設定される目標回転数nA,set、目標回転モーメントMA,set、目標電流又は目標電圧を提供する。同様に、駆動系2の別の構成部品に関する目標値、例えば、変速機5に関するシフト命令を算出して送ることができる。それと同時に、シミュレーションモデル20は、シミュレーションの所与の時間ステップで、使用する負荷設定機械8a,8bに関する目標値、有利には、目標回転数nBa,set,nBb,setを提供する。このようにして、駆動系2は、シミュレーションされる車両がシミュレーションされるテスト区間に沿って走行した時に経験する状態とほぼ同じ状態を駆動系テストスタンド1において「体験」する。
これらの負荷設定機械8a,8bは、周知の手法により、それぞれ対応する制御ユニット9a,9bにより制御される。そのために、制御ユニット9a,9bは、対応する負荷設定機械8a,8bに関する目標値、本発明では、目標回転数nBa,set,nBb,setを受信して、実装されたコントローラ、例えば、周知のPIコントローラ又はPIDコントローラを用いて負荷設定機械を制御する。しかし、個々の負荷設定機械8a,8bの目標値は、当然同じである必要はない。
目標値を計算するとともに、制御ユニット9a,9bにより負荷設定機械8a,8bを制御するためにも、図1に表示されている通り、駆動系テストスタンド1において、駆動系2の実際の値も測定され、例えば、回転数測定ユニット15a,15bによる負荷設定機械8a,8bの実際の回転数nBa,ist,nBb,istの測定及び/又は回転モーメント測定ユニット16a,16bによるハーフシャフト7a,7bの実際の回転モーメントMRa,ist,MRb,istの測定も行なわれる。これらの変数を直接測定する代わりに、オブザーバーを用いて、駆動系2の別の測定変数から、これらの変数を計算することもできる。同様に、駆動系2のモデルから、これらの変数を計算することもできる。同様に、例えば、負荷設定機械8a,8bのシャフトモーメントMBa,MBbなどの別の変数を測定、計算又は推定することもできる。
仮想的な車両の動きのシミュレーションを実現するためには、図2に図示されている通り、シミュレーションモデル20において、少なくとも、走行区間に沿った車両の動きをシミュレーションする車両モデル22と、タイヤモデルを統合した車輪モデル21とが必要である。この場合、タイヤモデル23を含む車輪モデル21が、車輪/タイヤと周囲環境、即ち、具体的には、テスト区間の道路との相互作用をシミュレーションする。この場合、タイヤモデル23では、通常タイヤ11から道路への力の伝達がシミュレーションされ、車輪モデル21は、車両車輪の慣性と力伝達の力/モーメントを含む動特性をシミュレーションする。
そのために、図3に図示されている通り、タイヤ11と関連付けられた座標系を使用することができる。この場合、一般的に湾曲した走行路12上におけるの車両車輪19のタイヤ11が模式的に図示されている。このタイヤ11は、車輪接触点Pにおいて走行路12上に立っており(図3は、車輪接触点Pにおける湾曲した走行路12との接平面13を図示している)、このタイヤ11は、車輪中心点Cにおいて回転軸yの周りを回転する。この場合、タイヤ11は、一点Pで走行路12上に立っているのではなく、一般的にラッチLと呼ばれるタイヤ接触面上に立っている。x軸は、タイヤ11の軌道に一致する。y軸は、車輪接触点Pを通る回転軸yの平行線であり、z軸は、車輪接触点Pと車輪中心点Cを通る接続直線である。そのため、車輪接触点Pは、湾曲した走行路12と車輪中心点Cの間の間隔を最小化する点である。それによって、選択された座標系に基づく垂直方向の力F、軌道の方向における前後方向の力F及び左右方向の力F、転がり抵抗モーメントM,ドリルモーメントM及びピッチングモーメントMがタイヤ11に生じる。これらの力とモーメントは、纏めて「タイヤの力レンチ」とも呼ばれる。走行路に対して固定された座標系で見た車両の車輪接触点Pの速度は、V(P)により表示されている。軌道上へのV(P)の射影は、車両の前後方向の速度と呼ばれて、vxにより略語表記されている。同様に、y方向における車両の左右方向の速度が得られる。
そして、車輪モデル21は、例えば、次の形の運動方程式として実装することができる。
ここで、変数は以下の通りであり、
:シミュレーションされる車両車輪の質量慣性モーメント
:(回転数などのアナログ変数としても測定できる)回転角度αの回転加速度
:転がり抵抗モーメント
:前後方向の力
r:車両車輪の半径
:例えば、駆動機構3から駆動系2に加えられる、ハーフシャフトに作用する回転モーメント
:制動モーメント(任意選択の変数)
aux:例えば、摩擦モーメント、空気抵抗モーメント等の追加モーメント(任意)。
これらの回転モーメントは、代数学的変数として、場合によっては、正負符号を付与される。負荷設定機械8a,8bとハーフシャフト7a,7bの間の機械的な接続は、通常少なくとも十分に硬いと看做され、その結果、回転角度αは、大抵負荷設定機械8a,8bの測定された実際の回転数nBa,ist,nBb,istから導き出すことができる。制動モーメントM及び駆動モーメントMの変数は、測定されるか、テストランから判明するか、駆動系テストスタンド1で測定された別の変数から計算されるか、或いはオブザーバーで推定される。如何なる場合でも、車輪モデル21は、シミュレーションされる車両車輪19のタイヤ11の変数として、タイヤ11により生み出される前後方向の力Fに由来する回転モーメントMFxを考慮し、有利には、追加のタイヤ変数として、転がり抵抗モーメントMも考慮する。
この場合、少なくとも前後方向の力Fは、車輪モデル21のタイヤモデル23で計算されるが、標準的には、更に、少なくとも転がり抵抗モーメントMyも、多くの場合、操縦される車輪を回転させて戻そうとする左右方向の力Fy及びドリルモーメントMも計算される。仮想的な車両の実際に作用する静特性及び動特性(位置、速度、加速度)に基づくが、例えば、能動的な回転モーメント分布などの実装された駆動方式の結果としても、車両の個々の車輪に作用するタイヤ力及びタイヤモーメントは当然同じである必要はならない。
所要のタイヤ力及び/又はタイヤモーメントを計算するために、任意の周知のタイヤモデル23を使用することができる。周知のタイヤモデルは、例えば、パチェイカモデル、タマタイヤモデル、Fタイヤモデル、デルフトタイヤモデル又はMF−SWIFTモデルである。多くの場合、例えば、非特許文献2に記載されているパチェイカモデルが使用される。これらのタイヤモデルは、十分に知られており、従って、詳しく説明しない。基本的に、タイヤモデルは、少なくともタイヤに作用する前記のタイヤ力及び/又はタイヤモーメントの中の幾つかを計算する。しかし、如何なるタイヤモデルを使用するのかは、本発明にとって重要ではない。同様に、例えば、前後方向の力F及び左右方向の力Fと前後方向のスリップ及び左右方向のスリップとの間の周知の関係を介して、車輪モデル21又はタイヤモデル23において、タイヤ11の前後方向のスリップ及び/又は左右方向のスリップを考慮することができる。この関係は、例えば、特許文献1に記載されている通り、例えば、グラフ又は特性要因図の形で保存することができる。
例えば、特許文献2又は3に記載されている通り、駆動系テストスタンド1における負荷設定機械8iの従来から周知の制御が図4に図示されている。以下において、シミュレーションされるi番目の車両車輪に関するシミュレーションとしての負荷設定機械8iに関する記述だけを行なうが、その記述は、駆動系テストスタンド1で用いられるそれ以外の負荷設定機械にも同様に有効である。車両モデル22では、例えば、駆動される車両車輪に対する前後方向の力Fxiと、例えば、車両の質量、走行路の勾配、走行路の傾斜、i番目の車輪のドリフト角、実際に作用するスリップ、空気抵抗、車両のピッチング運動及びローリング運動、走行路の状態などのそれ以外の既知の、或いはパラメータ化された幾何学的又は運動学的な影響変数とから、車両の状態変数、特に、車両の前後方向の速度vxが計算され、大抵はヨーレイトも計算される。車両モデル22では、シミュレーションされる車両の実際に作用する静特性(重力)と動特性(空間内の位置、速度、加速度)から、車両車輪に対するタイヤ接触力として、実際の垂直方向の力Fziも計算される。例えば、車輪モデル21のタイヤモデル23において、その力から、道路とタイヤの間の粘着値と共に、車輪における前後方向の力Fを計算することができる。i番目の車両車輪の車輪モデル21i又はそこに統合されたタイヤモデル23iにおいて、場合によっては、i番目の車両車輪の転がり抵抗モーメントMyiも計算される。そのために、ハーフシャフト7iにおける実際の回転モーメントMRi,istも決定(測定、推定)されて、車輪モデル21iに提供される。少なくともシミュレーションされる車両の前後方向の速度v、垂直方向の力Fz、場合によっては、i番目の車両車輪の実際の回転数nBi,ist、それに対応するハーフシャフト7iの実際の回転モーメントMRi,istから、場合によっては、ロールモーメントMyi及びそれ以外の回転モーメントと共に、前後方向の力Fxiが計算されて、その力は、更に、車両モデル22に提供される。そのため、例えば、走行区間とタイヤ11の間の実際の粘着値又はドリフト角などの所要のパラメータも当然提供される。同様に、特に、現実に近いテストランや、動特性の大きいテストランに関する前後方向の力Fxiを計算する場合に、スリップを考慮することもできる。車輪モデル21において、シミュレーションの実際の時間ステップで計算された前後方向の速度vから、負荷設定機械8iによってハーフシャフト7iに対して設定すべき目標回転数nBi,setが計算されて、制御の目標値として、回転数コントローラ17iを実装された、それに対応する制御ユニット9iに引き渡される。この回転数コントローラ17iは、その目標値から、実装されたコントローラに基づき、制御モーメントMREiを計算して、設定すべき回転モーメントMBi,sollとして負荷設定機械8iに引き渡す。この負荷設定機械8iに対する制御変数は、周知の手法により、負荷設定機械8iのパワーエレクトロニクス機器(例えば、インバーター)でモーター電流に換算される。この回転数コントローラ17iは、例えば、ハーフシャフト7iの実際の(例えば、測定された)回転数nBi,istと目標回転数nBi,setの間の偏差としての制御誤差を補正する従来のフィードバックコントローラとして実現されている。
ここで、図5を参照して、負荷設定機械8iの本発明による回転数制御を説明する。図4により説明した通りの従来の制御と異なり、本発明では、負荷設定機械8iの回転数制御は、慣性モーメント補正により補完される。この慣性モーメント補正によって、負荷設定機械8iの既知の慣性モーメントJBiとシミュレーションされる仮想的な車両車輪の既知の慣性モーメントJRiの間の偏差が考慮される。言い換えると、それによって、駆動系テストスタンド1において、シミュレーションと現実の間の偏差が考慮されて、その影響が軽減されている。
そのために、車輪モデル21iは、テストスタンド自動化ユニット10のインタフェース30において、従来技術などでの目標回転数nBi,set以外に、更に、前後方向の力Fxiにより引き起こされる回転モーメントMFxiも制御ユニット9iに引き渡す。
それと同様に、当然前後方向の力Fxiも、場合によっては、車両車輪の半径rと共に引き渡すことができる。従って、これは、本発明の意味において、「回転モーメントMFxiの引き渡し」であるとも理解される。テストランを実行するためには、何れにせよ車輪モデル21iにおいて、この回転モーメントMFxiを計算しなければならないので、車輪モデル21iを適合させる必要はない。シミュレーションモデル20と制御ユニット9iの間で追加の変数を引き渡すこと、例えば、テストスタンド自動化ユニット10において回転モーメントMFxiを引き渡すための追加のインタフェースだけが規定され、それは容易に実装できる。
制御ユニット9iでは、回転モーメントMFxi及び負荷設定機械の慣性モーメントJBiとシミュレーションされる車両車輪の慣性モーメントJRiの間の偏差AJiから、即ち、MKi=f(MFxi,AJi)となる補正回転モーメントMKiを計算する補正ユニット18iが配備されている。この計算された補正回転モーメントMKiは、有利には、制御の時間ステップ毎に新たに計算される。この補正回転モーメントMKiは、制御ユニット9iの回転数コントローラ17i(例えば、従来のPIコントローラ又はPIDコントローラ)に実装されたコントローラ規則に基づき計算された回転モーメントMREiに加算される。そして、この合計回転モーメントは、設定すべき回転モーメントMBi,sollとして負荷設定機械8iに与えられる。
i番目の車両車輪19iに関する偏差AJiを算出するために、以下の通り進めることができ、ここで、図6を参照する。角速度ωRiで回転する、慣性モーメントJRiを有する車両車輪19iには、前後方向の力Fxiにより引き起こされる回転モーメントMFxiと、ハーフシャフト7iに作用する回転モーメントMRiとが作用する(図6a)。これに関する角運動量の法則を記述すると、次の式
が得られる。角速度ωBiで回転する、負荷設定機械8iのシャフトには、負荷回転モーメントMBiが作用するとともに(図1)、負荷設定機械8iは、回転モーメントMDiを発生させる(図6b)。これに関する角運動量の法則を記述すると、次の式
が得られる。ここで、負荷設定機械8iは、駆動系テストスタンド1において、車両車輪19iを出来る限り良好にエミュレーションすべきである。従って、ハーフシャフト7iと負荷設定機械8iのシャフトにおける回転加速度が同じである、即ち、次の式の通りであることを要求でき、
そのことから、両方の角運動量の法則により、次の式を直接導き出すことができる。
駆動系2との負荷設定機械8iの機械的な連結の機械的な剛性が(少なくとも十分に)大きいと仮定すると、簡単化のために、ハーフシャフト7iに作用する回転モーメントMRiが負荷設定機械8iの回転モーメントMBiと等しいとすることができ、それは、次の式を生み出す。
従って、駆動系テストスタンド1において、両方の回転モーメントの中の一つだけを算出すればよい。そのため、この偏差AJiは、負荷設定機械8iの慣性モーメントJBiとシミュレーションされる車両車輪19iの慣性モーメントJRiとの商として表される。それに代わって、MBi=MRiであることも要求でき、そのことから、両方の角運動量の法則により、次の式を直接導き出すことができる。
駆動系2との負荷設定機械8iの機械的な連結の機械的な剛性が(少なくとも十分に)大きいと仮定すると、簡単化のために、ハーフシャフト7iにおける回転数nRi(又はωRi)が負荷設定機械8iの回転数nBi(又はωBi)と等しいとすることができ、それは、次の式を生み出す。
従って、駆動系テストスタンド1において、両方の回転数の中の一つだけを算出すればよい。そのため、この偏差AJiは、シミュレーションされる車両車輪19iの慣性モーメントJRiと負荷設定機械8iの慣性モーメントJBiとの差として表される。これらの慣性モーメントJBi,JRiが等しい場合、この式は、MDi=MFxiに減縮される。回転モーメントMBi及び/又はMRi、或いは回転数nBi及び/又はnRiは、又もや測定、計算又は推定することができ、従って、慣性モーメントの補正のために、既知であることを前提にすることができる。
従って、負荷設定機械8iが、異なる慣性モーメントJRi,JBiにも関わらず車両車輪19iを良好にエミュレーションするためには、負荷設定機械8iは、回転モーメントMDiを生み出さなければならない。従って、補正回転モーメントMKiがこの回転モーメントMDiと等しいとされる。従って、補正回転モーメントMKiを制御変数と看做すこともでき、そして、回転数コントローラ17iは、起こるかもしれない偏差だけを補正すればよい。そのため、同様に回転数コントローラ17i、例えば、増幅率に対する要件を低減することができると同時に、それにより、回転数コントローラ17iの(制御変数の変化速度との意味での)動特性と速度を改善することができる。同様に、それにより回転数コントローラ17iの安定性を向上することができる。
上記の車両車輪19iに関する角運動量の法則では、更に別のタイヤ変数、特に、転がり抵抗モーメントMyiも当然考慮することができる。これは、シミュレーションモデル20と制御ユニット9の間の別のインタフェースを必要とする。
駆動系2を駆動系テストスタンド1に如何に配置するのかは、本発明にとって重要ではない。実際の車両全体を駆動系テストスタンド1に配置したり、少なくとも駆動される車両車輪だけを負荷設定機械8iにより置き換えることもできる。同様に、車両車輪を備えた実際の車両を駆動系テストスタンド1のローラーに配置することができる。負荷設定機械8iは、そのローラーを駆動して、それにより駆動系2に直接的に作用するか、或いは負荷設定機械8iが、それによって間接的にハーフシャフトと接続される。複数のローラーを、例えば、駆動される車両車輪毎又は車軸毎に一つのローラーを配備することもできる。しかし、そのようなローラー式テストスタンドでは、通常動特性の大きなテストランを実施することはできない。

Claims (7)

  1. 駆動系テストスタンド(1)でテストランを実施する方法であって、
    この駆動系テストスタンドには、少なくとも一つのハーフシャフト(7i)を備えた駆動系(2)が配置され、このハーフシャフト(7i)は、負荷設定機械(8i)と接続されて、このハーフシャフト(7i)の回転数が制御ユニット(9i)で制御され、
    シミュレーションモデル(20)において、このシミュレーションモデル(20)でシミュレーションされる車両車輪(19)のタイヤ(11)の前後方向の力(Fxi)と負荷設定機械(8i)の設定すべき目標回転数(nBi,set)が計算されて、この目標回転数(nBi,set)が、負荷設定機械(8i)の回転数制御の目標値として制御ユニット(9i)に引き渡される、
    方法において、
    このシミュレーションモデル(20)で計算された、前後方向の力(Fxi)により引き起こされる回転モーメント(MFxi)が、追加的に制御ユニット(9i)に引き渡されて、制御ユニット(9i)で、その回転モーメントから、補正回転モーメント(MKi)が、前後方向の力(Fxi)により引き起こされる回転モーメント(MFxi)及び負荷設定機械(8i)の慣性モーメント(JBi)とシミュレーションされる車両車輪(19)の慣性モーメント(JRi)の間の偏差の関数として計算されることと、
    制御ユニット(9i)が、回転数コントローラ(17i)を用いて、目標回転数(nBi,set)から回転モーメント(MREi)を計算することと、
    負荷設定機械(8i)により設定すべき回転モーメント(MBi,soll)が、補正回転モーメント(MKi)と回転数コントローラ(17i)により計算された回転モーメント(MREi)の合計として計算されて、負荷設定機械(8i)により設定されることと、
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記のシミュレーションモデル(20)が、タイヤモデル(23)を含む車輪モデル(21i)と車両モデル(22)とを有し、この車両モデル(22)が、シミュレーションされる車両の前後方向の速度(v)と車両車輪(19)の垂直方向の力(Fzi)を計算して、車両モデル(22)に引き渡し、車輪モデル(21i)が、タイヤモデル(23i)を用いて、前後方向の力(Fxi)を計算して、車両モデル(22)に引き渡すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 負荷設定機械(8i)の慣性モーメント(JBi)とシミュレーションされる車両車輪(19)の慣性モーメント(JRi)との商が偏差(AJi)として使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記の補正回転モーメント(MKi)が、ハーフシャフト(7i)に作用する回転モーメント(MRi)と負荷設定機械(8i)のシャフトでの回転モーメント(MBi)を用いて、次の関係式
    又は
    から計算されることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載の方法。
  5. シミュレーションされる車両車輪(19)の慣性モーメント(JRi)と負荷設定機械(8i)の慣性モーメント(JBi)との差が偏差(AJi)として使用されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  6. 前記の補正回転モーメント(MKi)が、ハーフシャフト(7i)に作用する回転加速度(
    )と負荷設定機械(8i)のシャフトに作用する回転モーメント(
    )を用いて、次の関係式
    又は
    から計算されることを特徴とする請求項1、2又は5に記載の方法。
  7. 車両の駆動系(2)を検査対象とする駆動系テストスタンドであって、
    この駆動系(2)が駆動系テストスタンド(1)でテストランを受けさせられ、
    この駆動系(2)の少なくとも一つのハーフシャフト(7i)が負荷設定機械(8i)と接続されており、テストランの規定に基づき、このハーフシャフト(7i)の回転数を制御するための制御ユニット(9i)が配備され、
    この駆動系テストスタンド(1)には、車両の車両車輪(19)をシミュレーションするためのシミュレーションモデル(20)が実装されており、このシミュレーションモデルが、車両車輪(19)のタイヤ(11)の前後方向の力(Fxi)と負荷設定機械(8i)の目標回転数(nBi,set)を計算する、
    駆動系テストスタンドにおいて、
    この制御ユニット(9i)には、前後方向の力(Fxi)により引き起こされる回転モーメント(MFxi)及び負荷設定機械(8i)の慣性モーメント(JBi)とシミュレーションされる車両車輪(19)の慣性モーメント(JRi)の間の偏差から、補正回転モーメント(MKi)を計算する補正ユニット(18i)が配備されていることと、
    この制御ユニット(9i)には、目標回転数(nBi,set)から回転モーメント(MREi)を計算する回転数コントローラ(17i)が実装されていることと、
    この負荷設定機械(8i)が、補正回転モーメント(MKi)と回転数コントローラ(17i)により計算された回転モーメント(MREi)の合計を駆動系テストスタンド(1)において設定することと、
    を特徴とする駆動系テストスタンド。
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