図を簡潔かつ明瞭にするため、図面に示した要素は必ずしも正しい縮尺で描かれていないことを理解されたい。例えば、明瞭さのため、いくつかの要素の寸法が別の要素よりも誇張されていることがある。さらに、適切と考えられる場合、複数の図面において対応する要素または類似する要素を同じ参照数字によって表してある。
以下の詳細な説明においては、本発明を完全に理解できるようにする目的で、膨大な具体的な細部を記載してある。しかしながら、これらの具体的な細部なしでも本発明を実施できることが、当業者には理解されるであろう。さらには、本発明が曖昧になることがないように、周知の方法、手順、およびコンポーネントについては、詳細には説明していない。
出願人は、サードパーティアプリケーションが一般にウェブサイト構築システムに統合される現在の方法と、統合されたサードパーティアプリケーションとウェブサイト構築システムとが対話する現在の方法には、多くの制限が存在することを認識した。
このような制限としては、サードパーティアプリケーションの表示が、含有ウェブページの内側の1つの長方形領域(この領域はiframeに含まれる)に制限されることが挙げられる。さらなる制限として、サードパーティアプリケーションのウィンドウのサイズおよび位置と、サードパーティアプリケーションの実際の表示ウィンドウの外側である視覚要素(例えば、サードパーティアプリケーションのウィンドウの周囲の専用の表示フレーム)を、サードパーティアプリケーションが制御する能力が挙げられる。
サードパーティアプリケーションは、自身の表示スタイル(配色、フォント、文字サイズなど)を有しうる。これらのスタイルは、いくつかの含有ウェブページには適合するが、別の含有ウェブページでは視覚的に問題があったり調和しないことがある。
別の制限は、含有サイトの観点からのサードパーティアプリケーションの表示に柔軟性がないことである。(例えば、画面サイズの異なるプラットフォームにデプロイするため、あるいは動的レイアウトイベントに起因して)サイトを視覚的に修正しなければならない場合、サードパーティアプリケーションに割り当てられているウィンドウのサイズを変更するように含有ウェブページに要求されることがある。このような場合、サードパーティアプリケーションの表示が途中で切り取られ、サードパーティアプリケーションにおけるさまざまなサブ領域に達するためにはスクロールバーを介してスクロールすることが要求される。図6を参照し、この図は、含有ウェブページ[a]をリサイズしたときに起こりうる状況の例を示している。オンラインショップのサードパーティアプリケーション[b]に割り当てられる領域が減少し、「購入」ボタン[c]を、ショッピングカート[d]の内容と一緒に表示させることができないため、購入を完了するためには何回かのスクロール操作が要求され、実際に購入が完了される可能性が大幅に減少する。
サードパーティアプリケーションは含有ウェブページ内の別のコンポーネントと対話することができず、複雑な機能を達成するためにはこのような対話が必要となりうることを理解されたい。特に、サードパーティアプリケーションは、含有ウェブページ内のコンポーネントのタイプおよびコンテンツに従って異なる動作を実行することはできない。この1つの例は、オンライン料理教室をストリーミングするウェブサイトである。利用者は、動画を観ているバックグラウンドにおいて、画面の別の領域に、最新のニュースおよび天気情報(例えばCNNからのライブストリームなど)を配信するための専用の小さい画面領域を表示させたいことがある。利用者は、自分が住む地域の天気予報が始まったときに、学習セッションを自動的に一時停止させることを望むことがある。
さらには、特に、複数のサードパーティアプリケーションが異なるベンダーによって提供されている場合、これらのサードパーティアプリケーションが互いに協力するための明確かつ標準的な方法は存在しない。したがって、デザイナーには、異なるベンダーからの複数のサードパーティアプリケーションを組み合わせる明確な方法がない。この1つの例は、サードパーティの発注システムのモジュールと、出荷システムの異なるモジュールとを実行する電子商取引のウェブサイトの場合である。出荷スケジュールなどに従って商品を発注することが望ましいことがある。
出願人は、ウェブサイト構築システムと、その中に含まれるサードパーティアプリケーションインスタンスとの間と、同じ含有ページ内に実装することのできる複数の異なるサードパーティアプリケーションインスタンスの間の、構造化された双方向通信チャネルを使用することによって、この統合を達成できることを認識した。これらのチャネルは、レイアウト、スタイル、および追加の情報に関する情報を転送することもできる。
以下の説明は、iframeインクルージョン法に焦点を当てており、この方法は、最近のブラウザに内蔵されたり統合されたりしており、専用の統合コードを作成する必要がないため、好ましい方法であることを理解されたい。さらに、iframeインクルージョン法では、ブラウザによってサポートされるカプセル化およびサンドボックス機能が提供されるほか、悪意のあるサードパーティアプリケーションによって採用されうるクロスサイトスクリプティング攻撃などのハッキング技術に対する本質的な保護も提供される。
次に、図7Aおよび図7Bを参照し、これらの図は、本発明の実施形態による、ウェブサイト構築システムと1つまたは複数のサードパーティアプリケーションとを統合するシステム100を示している。図7Aは、デザイン段階におけるシステム100を示しており、図7Bは、実行時におけるシステム100を示している。図7Aにおいて理解できるように、システム100は、クライアント10と、ウェブサイト構築システム(WBS)サーバ20にインストールされているウェブサイト構築システム30と、1つまたは複数のサードパーティアプリケーションサーバ50にインストールされている1つまたは複数のサードパーティアプリケーション40とを備えている。ウェブサイト構築システム30は、WBSコーディネータ21と、アプリケーションリポジトリ22と、WBS側TPAプロパティシート23と、サードパーティアプリケーション(TPA)コーディネータ24と、AppStore 25(サーチャー26を含むことができる)とを備えている。クライアント10は、ページコンポーザ12と、TPAプロパティシート23のクライアント側表示とを備えている。いくつかの実施形態においては、クライアント10は、AppStore 25のクライアント側表示をさらに備えていることができる。ページコンポーザ12は、後からさらに詳しく説明するリンカ13を備えている。サードパーティサーバ50は、サードパーティアプリケーション40と、外部TPAコーディネータ51と、TPAデータベース52とを備えており、TPAデータベース52は、サードパーティアプリケーション40のコンポーネントやテンプレートなどを使用できるように格納している。なお、システム100は、サードパーティアプリケーション40の複数のベンダーに属する複数のサードパーティサーバ50を含むことができる。
TPAプロパティシート23は、サードパーティアプリケーション40のインスタンスの属性が指定されるときに呼び出すことができることを理解されたい。さらには、呼び出されたとき、TPAプロパティシート23は、クライアント10においてはTPAプロパティシート23のクライアント側表示として表示されることを理解されたい。さらには、オフラインの実施形態は、インストールされているクライアントソフトウェアの一部として自身のプロパティシートを有することができ、したがって、アプリケーションTPAプロパティシート23やリポジトリは存在しないことを理解されたい。
クライアント10の前に座っているデザイナーまたはエンドユーザ5は、ページコンポーザ12を使用してウェブサイトページおよび対話(インタラクション)(ページ間対話およびページ内対話)を作成することで、自身のウェブサイト(または他のオンラインアプリケーション)を作成することができることを理解されたい。デザイナー5は、アプリケーションリポジトリ22に格納されている、ウェブサイト構築システム30の一部であるコンポーネントやテンプレートなどを、WBSコーディネータ21を介して選択することができる。さらに、デザイナー5は、サードパーティアプリケーション40からのサードパーティアプリケーション40インスタンスを埋め込む含有ウェブページ203を作成することができ、サードパーティアプリケーション40は、あらかじめ購入することができ、そのテンプレートやコンポーネントなどをアプリケーションリポジトリ22に格納しておくことができる。代替実施形態においては、購入したテンプレートやコンポーネントなどは、TPAデータベース52に格納しておき、外部TPAコーディネータ51を介してアクセスすることができる。さらに別の実施形態においては、サードパーティアプリケーション40のテンプレートやコンポーネントなどを、必要に応じてAppStore 25を介して購入することができる。プロパティシート23は、デザイナー5によって指定することができ、後からさらに詳しく説明するように、購入したサードパーティアプリケーション40のインスタンスに関する情報(許可、インストールガイド、支払いなど)を保持することができる。さらに、デザイナー5は、リンカ23を使用して、含まれる複数のサードパーティアプリケーション40の間の通信チャネル(必要な場合)を手操作で指定することができる。さらに、デザイナー5は、リンカ23を使用することで、構築している含有ウェブページと、そこに含まれるサードパーティアプリケーション40のインスタンスとの間の固有の通信接続および規則を指定できることを理解されたい(上述したように動画やCNNニュースレポートが同時に表示されるなど)。リンカ23によって作成されたリンクは、ウェブサイトが存続している限り修正できることを理解されたい。
デザイナー5は、サードパーティアプリケーション40のベンダーまたは外部業者によって運営されている外部のAppStoreなど、AppStore 25の外部のチャネルを通じて、サードパーティアプリケーション40を取得することができることを理解されたい。このような場合、ウェブサイト構築システム30は、デザイナー5によってウェブサイト構築システム30を通じて作成されたウェブサイトにそのサードパーティアプリケーション40を最初にインストールするときに、サードパーティアプリケーション40およびその構成データ(configuration data)を登録することができる。
必要な場合にリンカ23が通信チャネルを確立できるようにするためには、サードパーティアプリケーション40は、(自身が通信しようとする)含有ウェブページ203内のコンポーネント(別のサードパーティアプリケーション40のインスタンスを含む)を正しく認識および識別できる必要があることを理解されたい。関連付けられるテンプレートに基づくコンポーネント(後からさらに詳しく説明する)の場合、この識別は、サードパーティアプリケーション40のベンダーによってあらかじめ実行される。関連付けられるテンプレート内のコンポーネントには、固有の参照IDを与えることができ、サードパーティアプリケーション40は、これらのコンポーネントと通信するときに、これらのIDを使用することができる。
さらに、(後からさらに詳しく説明する)マルチパートサードパーティアプリケーション40(すなわち複数のiframeにわたり分散する1つのサードパーティアプリケーション40)の場合、複数のパートは、互いに通信する方法を自動的に認識することができることを理解されたい。
関連付けられるテンプレートに含まれていない、含有ウェブサイトページのコンポーネント(後からさらに詳しく説明する)については、サードパーティアプリケーション40は、自身が機能するために存在しているべき要求される(必須またはオプションの)含有ウェブページ203のコンポーネントのリストを含むことができる。このリストは、プロパティシート23の中に格納することができ、一意のIDと、説明と、コンポーネントの詳細(例えば、テキストコンポーネントでなければならない、ブログの応答(talkback)ラベルとして使用される)とを含むことができる。このリストは、AppStore 25へのサードパーティアプリケーション40のエントリに列挙することができ、デザイナー5は、サードパーティアプリケーション40の要件を満たす含有ウェブページ203の中のコンポーネント(フィールド)を、リンカ23を使用して指定することができる。ウェブサイト構築システム30は、サードパーティアプリケーション40のインスタンスが作成されたときに、含有ウェブページ203の不足しているコンポーネントを動的に作成することができ、デザイナー5は、後からこれらのコンポーネントを移動する、リサイズする、および完全に指定することができることを理解されたい。
これに代えて、ウェブサイト構築システム30は、含有ウェブページ203のコンポーネントモデル全体または一部を、含有ウェブページ203に含まれるサードパーティアプリケーション40に公開することができる。この場合のコンポーネントモデルは、含有ウェブページ203のコンポーネントモデルであり、ドキュメントオブジェクトモデル(DOM)ではないことを理解されたい。含有ウェブページ203のドキュメントオブジェクトモデル(DOM)は、コンポーネントモデルよりもずっと複雑かつ詳細なモデルであることがあり、なぜなら実際の含有ウェブページ203には、ウェブサイト構築システム30のインフラストラクチャの一部である、または含有ウェブページ203のコンポーネントをサポートする、膨大なHTML要素(非表示要素および可視要素の両方)が含まれうるためである。したがって、コンポーネントモデルはずっと単純である。
次に、図8を参照し、図8は、複数のHTMLコンストラクト(一部を囲むdivタグ[b]、内部divタグ[c]、フレーム「ミニウィジェット」[d1]..[d5]など)を使用してテキストコンポーネント[a]を実装する方法を示している。含有ウェブページ203のDOMモデル[e]は、これらのサブ要素それぞれに対する個別のDOMツリーノードを含むことができる。コンポーネントモデル[f]はずっと単純にすることができ、1つのコンポーネントノード[g]のみを含む。
システム100は、選択的なコンポーネントの公開をサポートすることもでき、デザイナー5は、どのコンポーネントをサードパーティアプリケーション40に公開するべきかをリンカ23を介して指定することができ、これらのコンポーネント(場合によってはこれらのコンポーネントに通じる「含有経路(containment path)」を含む)のみを、サードパーティアプリケーション40から可視である単純化されたコンポーネントモデルに含めることができることを理解されたい。この指定は、含まれているコンポーネントを、それらのタイプや、ウェブサイト構築システム30の他の属性に従って、明示的にマークすることによって実行することができる。これにより、サードパーティアプリケーション40は、含有ウェブページ203のコンポーネントモデルをたどって、要求されるコンポーネントを特定することができる。
さらに、含有ウェブページ203とサードパーティアプリケーション40のインスタンスとの間のリンク(例えばブロードキャストリンク)を自動的に作成することもでき、ブロードキャストリンクでは、サードパーティアプリケーション40は、実行時に通信を送って特定のイベントを記録することができることを理解されたい。この通信は、オプションまたは必須とすることができる(すなわちサードパーティアプリケーション40は、このようなメッセージを受信するためにリンクされている対応するサードパーティアプリケーション40が存在しない限り、機能しない、またはインストールしない)。例えば、サードパーティアプリケーション40は、自身が実行する動作・機能に関する情報パケットをブロードキャストすることができ、インストールされているロギングのサードパーティアプリケーション40は、これらの情報パケットを受信することができる。
このようにして設定が完了した新たに作成されたページは、後からさらに詳しく説明するように、実行時に呼び出すことができるように、(WBSコーディネータ21を介して)アプリケーションリポジトリ22に格納しておくことができる。
次に、図7Bを参照する。この実施形態においては、要素は、クライアント10の要素を除いて、図7Aにおける要素と同じである。実行時、クライアント10は、含有ウェブページ203を表示するためのビューア201を備えている。ビューア201は、それぞれがサードパーティアプリケーション40の異なるインスタンス(1つまたは複数のサードパーティアプリケーション40から派生するインスタンス)を表示させるための複数のビューポート202を備えていることができることを理解されたい。さらに、クライアント10は通信ハブ205を備えており、通信ハブ205は、通信を促進するものであり、含有ウェブページ203と、含有ウェブページ203がホストしているサードパーティアプリケーション40との間のバックチャネルと、ホストされている複数のサードパーティアプリケーション40の間で要求される通信とを、関連する含有ウェブページ203に接続することなく、提供する。ハブ205の機能については、後からさらに詳しく説明する。
ハブ205はクライアント10に実装することができ、なぜなら、含有ウェブページ203とサードパーティアプリケーション40のインクルージョンの両方が、可視のウェブサイトの対話部分であり、これらの通信を、クライアントとサーバの間の往復によって遅延させるべきではないためであることを理解されたい。代替実施形態においては、サードパーティアプリケーションサーバ50が大量のデータを交換する必要があり、これらのデータをクライアント10を経由させないことが好ましい場合、ハブ205を、ウェブサイト構築システムのサーバ20に実装することができる。
通信ハブ205は、ウェブサイト構築システム30と1つまたは複数のサードパーティアプリケーション40との間の通信と、複数のサードパーティアプリケーション40の間の通信のさまざまな組合せをサポートすることができることを理解されたい。例えば、ハブ205によって、サードパーティアプリケーション40が、メインサイト内の別のページに切り替えるようにウェブサイト構築システム30に要求することが可能になる。さらに、通信ハブ205によって、サードパーティアプリケーション40が、自身のウィンドウをリサイズする(場合によっては含有ページのレイアウトに影響しうる)ように要求することが可能になる。このリサイズは、後からさらに詳しく説明する動的レイアウト処理を通じて行うことができる。あるいは、(例えば)表示の変更に対応するためにはサードパーティアプリケーション40が別のバージョンに切り替えることが要求される場合、含有ウェブページ203は、この切り替えを要求することができる。この双方向通信は、サードパーティアプリケーション40のコンポーネントと、サードパーティアプリケーション40に関連するウェブサイト構築システム30の(追加の情報を表示する)コンポーネントとの間と、上述したようにマルチパートサードパーティアプリケーション40の要素とモジュール式サードパーティアプリケーションとの間に、確立することもできることを理解されたい。
さらに、システム100は、オンラインおよびオフラインのウェブサイト構築システム30の両方を使用して実装することもでき、また、システム100は、ホスティング方法(例えば、クライアント側要素、ウェブサイト構築システム30のベンダーのサーバ、サードパーティアプリケーション40のベンダーのサーバ、他のフォースパーティのサーバなど)の任意の組合せを使用できることを理解されたい。上述したオフラインの実施形態の場合であっても、サーバはシステム100を実装することが要求されうることを理解されたい。
さらに、システム100は、大きな組織におけるプライベートサイトホスティングシステムなど、(ウェブサイト構築システムのベンダーによって運営されていない)別のサーバセット上でホストすることもできる。
さらに、システム100は、上述したサードパーティアプリケーション40からのインスタンスのインクルージョンオプションのすべてをサポートすることができる。しかしながら、システム100は、これらのオプションのサブセットのみをサポートすることもでき、あるいは、サードパーティアプリケーション40のインスタンスのインクルージョンオプションに制限を課すことができる。
さらに、システム100は、マルチパートサードパーティアプリケーション40を実装することもできる。マルチパートサードパーティアプリケーション40は、それぞれが個別のiframeを使用して処理される複数の表示領域を含むことができる。これらの領域は、後からさらに詳しく説明するように、通信ハブ205を通じて(必要に応じて)協力することもできる。
次に、図9を参照し、この図は、マルチパートサードパーティアプリケーション40の例を示している。図示したように、AppStore[b]から取得されたブログのサードパーティアプリケーション[a]が、含有ウェブページ203[c]に配置されている。ブログのサードパーティアプリケーション[a]は、3つの領域、すなわち、ブログエントリ領域[d]と、タグクラウド領域[e]と、ニュース更新領域[f]とを含む。マルチパートサードパーティアプリケーションは、自身の複数の領域をさまざまな方法で使用することができ、例えば、(上のブログの例におけるように)1つのアプリケーションの同時に存在する複数の部分として、あるいは、1つのアプリケーションのオプションとして存在する複数の部分(つねに表示される複数の領域と、要求されるときにのみ表示されるオプションの複数の領域とを含む)として、使用することができることを理解されたい。オプションの領域の表示は、サードパーティアプリケーション40によって、または(サードパーティアプリケーションを含めるときにそれをどのように構成するかを決定する)デザイナー5によって、制御することができる。さらに、表示は、構成領域や追加ダイアログ領域などのサポート機能領域として制御することもできる。代替として、(例えば、サードパーティアプリケーションのスモールバージョンおよびラージバージョンを有する、またはサードパーティアプリケーションのポートレートバージョンおよびランドスケープバージョンを有する)マルチバージョンのサードパーティアプリケーションの表示についても同様である。
上述した機能は、サードパーティアプリケーション40の要素の表示にiframeを使用して実装することができ、したがって、iframeベースのアーキテクチャのカプセル化およびセキュリティの利点が得られることを理解されたい。
さらに、マルチパートサードパーティアプリケーション40を実装するには、(それぞれのiframeの内側の)サードパーティアプリケーション40が、さまざまなiframeの表示(例えば、iframeの可視性、サイズ、位置)を制御できることが要求される。さらに、後からさらに詳しく説明するように、通信ハブ205によって、この表示を可能にできることを理解されたい。
さらに、マルチパートサードパーティアプリケーション40が(視覚的に)複数の要素および領域からなるときでも、(例えばAppStore 25における)購入、インストール、設定などの点において、このアプリケーション40は依然として1つのサードパーティアプリケーション40とみなされることを理解されたい。
既存のシステムにおいては、サードパーティアプリケーション40それぞれが個別のエンティティとみなされ、(同じベンダーからの、または提携しているベンダーからの)2つのサードパーティアプリケーション40の間の協力関係は、ケースバイケースでシステムごとに開発しなければならない。システム100は、個別に購入およびインストールすることのできる協力する複数のサブモジュールからなるモジュール式サードパーティアプリケーション40をサポートすることもできることを理解されたい。
次に、図10を参照し、この図は、販売管理のモジュール式サードパーティアプリケーション[a]が、サブモジュールとして、顧客管理(CRM)モジュール[b]と、リードマネージメントモジュール[c]と、電子商取引モジュール[d]とを、どのように含むことができるかを示している。この1つのサードパーティアプリケーションのベンダーは、必要なサードパーティアプリケーションモジュールすべてを提供することができる。これに代えて、サードパーティアプリケーションのベンダーは、サードパーティアプリケーション40のモジュール(および機能)のサブセットを提供することができ、デザイナーは、補足的なサードパーティアプリケーションモジュールを、同じかまたは別のサードパーティアプリケーションベンダーから購入してインストールすることができる。マルチパートサードパーティアプリケーションは、1つのベンダーからの1つのサードパーティアプリケーションとして取得およびインストールされるのに対して(マルチパートサードパーティアプリケーションは複数の画面領域を占有するにすぎない)、モジュール式サードパーティアプリケーションは、個別に取得およびインストールすることのできる複数のモジュールを含み、場合によっては複数のサードパーティアプリケーションベンダーからのモジュールを含むことを理解されたい。複数のベンダーからの複数のサードパーティアプリケーションモジュールを統合できるようにするためには、サードパーティアプリケーションモジュールそれぞれが、自身が必要とするインタフェース/機能と、自身が提供するインタフェース/機能のリストを提供しなければならない。リストの提供は、例えば、ドットで区切られた階層的な名前表記法に基づくインタフェース名のリスト(例えば、My_CRM_TPA.NewClient.GetInfo)と、インタフェースパラメータの指定を使用することによって、行うことができる。
サードパーティアプリケーション40のモジュールは、必須として要求されるインタフェース(すなわちそれがないとモジュールが機能しないインタフェース)、またはオプションとして要求されるインタフェース(すなわちそれがなくてもモジュールは機能するが提供される機能が制限されたり変化するインタフェース)を指定することができる。したがって、各インタフェースに提供されるパラメータは、一意のインタフェース名、インタフェースの説明(デザイナー5が(例えば)不足しているインタフェースによって扱われる機能を認識できるようにデザイナー5に示される)、必須/オプションのステータス、インタフェースパラメータのリストおよびタイプである。サードパーティアプリケーションモジュールそれぞれは、依然として個別のiframe(またはiframeのセット)に属すことを理解されたい。インタフェースの動作は、後からさらに詳しく説明する通信チャネルに基づく。
サードパーティアプリケーション40のモジュールは、ウェブサイトのデザイン段階においてアセンブルすることができることを理解されたい。ウェブサイト構築システム30は、サードパーティアプリケーション40の追加モジュールが追加されるため、インタフェース参照(interface references)を解決することができ、この場合、サードパーティアプリケーション40の新しいモジュールが既存の必要なインタフェースを解決するが、場合によっては新しい(解決されていない)必要なインタフェースを追加する。
さらに、デザイナー5は、必須(およびオプションの)インタフェースが依然として解決していない間に、完成したウェブサイトを編集して実行することができることを理解されたい。しかしながら、デザイナー5は、必須のインタフェースすべてが解決されるまでは、作成したウェブサイトを公開することはできず、解決していない必須のインタフェースを依然として有するサードパーティアプリケーションモジュールをハブ205が起動することを要求する機能を試みると、メッセージが表示される。
さらに、AppStore 25は、要求されるサードパーティアプリケーションモジュールのインタフェースを解決するサードパーティアプリケーションモジュールを特定することを試みるサーチャー26を備えていることができることを理解されたい。サーチャー26は、特定のサードパーティアプリケーションモジュールまたはすべてのサードパーティアプリケーションモジュールを、解決されていないインタフェースに基づいて検索することができる。さらに、サーチャー26は、現時点で解決していないインタフェース、またはすでに解決したインタフェースに基づいて検索することができ、さらには、必須のインタフェース、オプションのインタフェース、または両方のタイプのインタフェースに基づいて検索することができる。さらに、サーチャー26を、特定のサードパーティアプリケーションの解決していないインタフェースを解決することと、特定のサードパーティアプリケーションベンダーを検索することに限定することができることを理解されたい。サーチャー26は、第1のレベルの検索(すなわち現時点で解決されていないインタフェースを満たすモジュール)、または複数レベルの検索(すなわち反復検索を実行し、前の検索によって見つかったサードパーティアプリケーションモジュールを考慮するときに加わる解決していないインタフェースを満たすモジュールも探す)のいずれかを実行することができる。
システム100は、インタフェースの説明を使用して、いくつかの不足しているインタフェースを提供することの重要性に関する情報をデザイナー5に提供することができる。ハブ205は、依然として通信する必要のある非互換性のサードパーティアプリケーションの間のインタフェース変換を提供することができる。この変換は、ウェブサイト構築システム30の供給元または外部業者によって追加されるアダプタモジュールによって行うことができ、アダプタモジュールは、要求される指定のインタフェースを別のフォーマットに適合させる。
さらに、システム100をオンラインアプリケーション編集システムに適用することができ、オンラインアプリケーション編集システムは、インターネット(または任意の別のネットワーク接続)と、ブラウザではないクライアント側ソフトウェアを使用して、作成されたオンラインアプリケーションを表示させる。このようなシステムでは、通常のウェブインフラストラクチャによって使用される特定の技術(例えば、IP通信、HTTP、HTMLなど)を使用する必要がない。
この技術分野において公知である標準的なクロスドメイン通信方法を使用して、クロスドメイン通信を容易にすることができることを理解されたい。クロスドメイン通信方法としては以下が挙げられる。
HTML5 PostMessage: HTML5の標準的な機能であり、この機能を使用することで、安全なクロスドメインメッセージングを提供することができる。HTML5 Windows.Postmessageを使用すると、たとえ異なるドメインに属していても、ウィンドウ、iframe、およびメインHTMLドキュメントの間で安全にメッセージを送ることができる。PostMessageでは、送信側iframeがメッセージの送信先のドメインを指定するためのツールと、受信側iframeがメッセージの送信元のドメインを確認するためのツールが提供される。
メッセージのURLフラグメント識別子: この方法では、URLフラグメント識別子を使用して、1つのエンドポイントから別のエンドポイントにメッセージデータを送る。データをプレーンテキストに符号化し、ターゲットのエンドポイントドメインにおけるサービス、またはターゲットのエンドポイントiframeの内側の非表示iframeを呼び出すために使用されるURLに、(フラグメント識別子として)加える。フラグメント識別子を、ターゲットのサービスまたはiframeにおけるコードによって復号化する。
専用の通信ウェブサービス: ウェブサイト構築システム30は、ウェブサイト構築システムのサーバ20上でホストされる専用ウェブを提供する。さまざまな通信エンドポイントがこのサーバに接続し、メッセージを送る、あるいは待機中のメッセージがないかチェックする。この方法は、pre−HTML5 Cometセットオブテクノロジ、HTML5ベースのWebSocket、または任意の他のキューイング、ポーリング、サーバプッシュ、または類似する手法など、この技術分野において公知の方法によって行うことができる。
HTML5のローカルストレージ: HTML5では、構造化されたローカルストレージ機能が提供され、この機能を使用することで、キューに入っているメッセージを格納することができる。しかしながら、ローカルストレージにアクセスできるのは、格納しているiframeと同じドメインに属するウェブコンテンツのみである。この技術分野において開発された解決策としては、Meebo XAuth製品(現在はGoogle社が所有)によって使用されている基礎技術などが挙げられ、この技術では、小型のサーバが、要求される中間iframeを作成するためのサポートを提供し、これにより、ドメインに固有なローカルストレージに、外部ドメインに属するiframeからアクセスすることができる。
HTML5ローカルファイルアクセスAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース): 上述したローカルストレージを使用する方法に似ており、HTML5のファイルアクセスAPI(File API、FileWriter API、FileReader API)を通じてアクセスされるユーザエージェントのローカルストレージ上のローカルファイルを使用して、クロスiframe通信チャネル(cross-iframe communication channel)を構築することができる。ただし、HTML5のファイルシステムアクセスAPIによって作成されるサンドボックス化されたローカルファイルシステムは、依然としてオリジン内からのみアクセス可能であり(origin-private)、したがって、同一オリジンという制限を克服するために中間iframe/サーバコンポーネントが要求される。
専用のブラウザプラグイン: クロスiframeメッセージキューを管理するための、専用のブラウザ(または他のユーザエージェント)プラグインを作成することができる。このようなプラグインは、(すべてのレベルにおける)ウェブサイト構築システム30のユーザがインストールしなくてはならないが、すべてのiframeと、ウェブサイト構築システム30のメインページに、必要なサービスを提供する。
通信ハブ205は、上述した転送方法のいずれかを使用するiframe間通信すべてにおいてブローカーとして機能することができることを理解されたい。さらに、ハブ205は、含有ウェブページ203の構造と、サードパーティアプリケーション40のベンダーによって提供されてプロパティシート23に格納されているサードパーティアプリケーション40の詳細情報を、完全に認識することができることを理解されたい。さらに、サードパーティアプリケーション40は、複数の異なるアプリケーションに含まれているときと、(上述したように)同じアプリケーション内に含められる複数の異なるインスタンスにおいて、異なるパラメータを有することができる。このようなパラメータとしては、(後からさらに詳しく説明する)スマートアドレッシング(smart addressing)に使用することのできる一意のインスタンス名が挙げられる。さらに、ハブ205は、プロパティシート23に格納されていない、サードパーティアプリケーション40の追加の詳細情報を認識することもできることを理解されたい。
さらに、ハブ205は、スマートアドレッシングおよびスマート識別を容易にする、通信元を確認する、通信ポリシーを適用する、サードパーティアプリケーション40の非互換性の問題を解決する、さらにはサードパーティアプリケーション40からコンポーネントにリダイレクトすることができることを理解されたい。さらに、ハブ205は、後からさらに詳しく説明するように、含有ウェブページ203に行われた変更に基づいて、サードパーティアプリケーション40におけるレイアウトの動的な更新を可能にすることができる。
次に、図11A、図11B、および図11Cを参照する。図11Aおよび図11Bは、ハブ205の異なる実施形態を示しており、図11Cは、ハブ205のさまざまな要素の機能を示している。
ハブ205は、スマート識別子/アドレッサ310、発信元確認器320、通信ポリシーエンフォーサ330、プロトコル変換器340、リダイレクタ350、動的レイアウト更新器360、構成マネージャ370、一般更新器380、およびホストされているAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)のラッパー390を備えていることができる。これらの要素の機能については、後から詳しく説明する。すべての機能を、すべてのクロスドメイン通信チャネル(例えば、サードパーティアプリケーション40からウェブサイト構築システム30へのチャネル、サードパーティアプリケーション40から別のサードパーティアプリケーション40へのチャネル)に適用することができることを理解されたい。
次に、図11Aを参照し、この図は、中間iframe[a]を通じてのハブ205の一般的な実施形態を示しており、中間iframeは、内部通信API(アプリケーションプログラミングインタフェース)を使用してウェブサイト構築システム30と通信する。このようにすることで、(例えば)TPA(サードパーティアプリケーション)[d](通信APIモジュール[f]を使用する)からTPA[e](通信APIモジュール[g]を使用する)に送られるメッセージ[c]を、アプリケーションに固有な情報を適用する方法において、分析、確認、または修正することができる。
次に、図11Bを参照し、この図は代替実施形態を示しており、この実施形態では、中間iframeを使用せずに、(サードパーティアプリケーション[c]に埋め込まれている)通信APIモジュール[a]と、(サードパーティアプリケーション[d]に埋め込まれている)通信APIモジュール[b]の一方または両方において、クロスドメイン通信を使用する。モジュール[a]およびモジュール[b]は、通信メッセージ[f]を扱うとき、ウェブサイト構築システム30と直接対話してアプリケーションに固有な情報を受信し、この情報を使用する。(図11Aに示した実施形態と比較したときの)この実施形態の欠点として、ウェブサイト構築システム30のレベルの相当な量の情報が、サードパーティアプリケーションに含まれているモジュールの内側で処理されることがあり、これらの情報が、悪意のあるサードパーティアプリケーションによってアクセスされる(場合によっては修正される)ことがある。
上述したように、上に説明したすべてのクロス通信方法においては、iframeのアドレッシングは、iframeのオリジン(ソースドメイン、ソースプロトコル、ソースポートなど)に基づき、すなわち、(受信側を指定するための)メッセージを送るときと、(受信側に提供される送信側の名前としての)メッセージを受信するときに、サードパーティアプリケーション40のダイレクトアドレッシングを使用する。さらに、メッセージを送るためには、送信側は、(JavaScriptのdocument.getElementById(”...”).contentWindowコールまたは任意の他のメソッドを使用して)ターゲットのiframeウィンドウを指定することが要求される。したがって、既存のシステムにおいては、サードパーティアプリケーション40それぞれが、自身が通信する先の別のサードパーティアプリケーション40の具体的な詳細情報すべて(ドメイン、プロトコル、ポート、iframe IDを含む)を含んでいなければならない。
このタイプのダイレクトアドレッシングは、システム100の環境において扱いにくいことがあることを理解されたい。たとえデザイナー5が、提携していない複数のサードパーティアプリケーション40ベンダーからの複数のサードパーティアプリケーション40を統合しても、サードパーティアプリケーション40ベンダーによって供給されるサードパーティアプリケーション40が、最初は特定のドメインにおいてホストされるが、後から別のドメインまたはサブドメインに移動することがある。サードパーティアプリケーション40ベンダーは、特定のサードパーティアプリケーションと通信するために使用されるプロトコルまたはポートを変更することがある。デザイナー5には、サードパーティアプリケーション40を含む含有ウェブページ203のデザインを修正することが要求されうる。これらのすべては、運営中であり膨大な利用者によってアクセスされるウェブサイトにおいて使用されているサードパーティアプリケーション40において起こりうる。さらに、1つの含有ウェブページ203が、異なる機能を果たすことのできる、1つのサードパーティアプリケーション40の複数のインスタンスを含むことがある。例えば、製品サポートのウェブサイト内の1つのページに、チャットのためのサードパーティアプリケーション40の2つのインスタンス(1つは利用者同士のチャットおよびフォーラムのためのインスタンス、もう1つは、連絡可能なときにベンダーのサポート担当者に相談するために使用されるインスタンス)が含まれることがある。
アドレッサ/識別子310は、含有ウェブページ203の構造と、(サードパーティアプリケーション40のベンダーによってウェブサイト構築システム30に提供される)サードパーティアプリケーション40の詳細情報とを完全に認識していることができることを理解されたい。アドレッサ/識別子310は、送信元サードパーティアプリケーション40または送信先サードパーティアプリケーション40のアドレッシングを、(AppStore 25に登録されている)サードパーティアプリケーション40の一意の名前と、含有ウェブページ203におけるサードパーティアプリケーション40の各インスタンスに加えられ、したがって同じサードパーティアプリケーション40の複数のインスタンスのアドレッシングを可能にする、サードパーティアプリケーション40のインスタンスの記述ID(descriptive ID)と、要求されるサードパーティアプリケーションのタイプ/クラスの一般識別子(generic identifier)(例:「含有ウェブページ203におけるイベントロギングのサードパーティアプリケーション40のインスタンスにメッセージ<x>を送りたい」)、のうちのいずれかを使用して、互いに提供することができる。このような識別子は、サードパーティアプリケーション40によってサポートされるべき特定のサービスを記述することもできる。さらに、アドレッサ/識別子310は、バージョンの指示情報を使用することができる(例:「会計パッケージ<y>がバージョン<z>である場合のみ、会計パッケージ<y>のインスタンスにトランザクション<x>を送りたい」)。
実行時、サードパーティアプリケーション40は、ハブ205と通信するのみであり、したがって、ハブ205の直接アドレスを認識しているのみでよく、他のサードパーティアプリケーション40のアドレスは認識している必要がないことを理解されたい。この1つの直接アドレスを、ウェブサイト構築システム30によってサードパーティアプリケーション40の提供業者に提供される通信APIラッパーによってカプセル化することができる(図11Aに示した通信モジュールfおよびg、図11Bに示した通信モジュールaおよびbなど)。呼出し側のサードパーティアプリケーション40は、アプリケーションが認識している自身の(上述した)記述アドレスを提供することができ、アドレッサ/識別子310は、これらのアドレスを、サードパーティアプリケーション40の直接アドレスに変換してルーティングを実行することができる。このようにすることで、サードパーティアプリケーション40は、自身が通信しうるすべてのサードパーティアプリケーション40の絶対アドレスのテーブルを維持する必要がない。
メッセージの発信元の確認は重要であり、確認を行わないと、受信側のサードパーティアプリケーション40が、敵意のあるサードパーティアプリケーション40からのメッセージを受信しうることを理解されたい。すべての通信はハブ205を介して行われるため、発信元確認器320は、サードパーティアプリケーションからの入力メッセージすべての信頼性をチェックすることができる。さらに、発信元確認器320は、メッセージに追加することのできる追加情報を提供することができ、この追加情報を使用して追加の確認を行うことができる。AppStore 25に含まれておりシステム100によって使用されるすべてのサードパーティアプリケーション40それぞれは、ウェブサイト構築システム30に登録されるため、ハブ205は、メッセージに含まれている発信元の一意のIDがメッセージの発信元(ドメイン、ポートなど)に合致するかを、ウェブサイト構築システム30によって確認することができることを理解されたい。
サードパーティアプリケーション40は、外部情報や含有ウェブページ203の情報などに依存しうる一般的な通信ポリシーを定義することができる。通信ポリシーエンフォーサ330は、仕様に準拠しない通信を扱う必要がないように、該当する通信ポリシーが適用されるようにすることができる。例えば、機密情報を扱うウェブサイトにおいては、サードパーティアプリケーションに、それらのプロファイル内の機密レベルフィールドを付与することができる。機密レベルXを扱うことが許可されている、バックエンドのイベントロギングデータベースを提供するサードパーティアプリケーション40は、Xより高い機密レベルを有するイベントを受け入れてロギングしないというポリシーを定義することができる。このような状況において、通信ポリシーエンフォーサ330は、必要な事前フィルタリングを実行して、機密レベルの高いメッセージが、低い機密レベルしか扱うことのできないアプリケーションに到達することさえも防止することができる。
さらには、デザイナー5は、協力することは可能であるがプロトコル互換性の問題のために実際には協力することのない2つ(またはそれ以上)のサードパーティアプリケーションを、作成した同じウェブサイトに含めることを望むことがあることを理解されたい。ここで図12を参照し、例えばこの図に示したように、オンラインショップのサードパーティアプリケーション[a]は、(異なるベンダーから提供されている)サードパーティアプリケーション[b]などの調達・出荷のサードパーティアプリケーションに、購入注文メッセージを送信する機能を有することがある。しかしながら、サードパーティアプリケーション[a]によって提供される情報に、サードパーティアプリケーション[b]において必要ないくつかのフィールドが含まれていないことがある。このような状況は、一般には、関与するサードパーティアプリケーションのベンダーによって解決されるべきであるが、場合によってはこのような解決を行うことができない(例えば、2つのサードパーティアプリケーションの一方が何らかの理由で現時点で更新されていない)。プロトコル変換器340は、[a]から[b]への関連するメッセージを、(例えば必要な追加のフィールドを提供することによって)変換することができる。このような変換は、プロトコル変換器340によって実行することができる、または、アプリケーションが埋め込まれているウェブサイトおよび含有ウェブページ203との対話を伴うことがある(例えば追加情報が必要である場合)。
さらには、サードパーティアプリケーション40は、別のサードパーティアプリケーション40にメッセージを送信する、またはこのようなサードパーティアプリケーション40からメッセージを受信することが要求される機能を有することがあることを理解されたい(例えば、上述したオンラインショップ/調達のサードパーティアプリケーション40のペア)。しかしながら、場合によってはソリューションの一部が存在しないことがあり、上の例においては、対応する、または適切な調達のサードパーティアプリケーション40が存在しないことがある。このような場合、リダイレクタ350を使用することによって、デザイナー5は、特定のメッセージを含有ウェブページ203のコンポーネントにルーティングする、または含有ウェブページ203のコンポーネントからの特定のメッセージをルーティングするようにと、匹敵する機能を、含有ウェブページ203のコンポーネントと、コンポーネントが提供することのできる機能とによって解決するように指定することができる。これにより、専用のサードパーティアプリケーション40を構築する必要なしに、完全なウェブサイトを構築することができる。したがって、トランザクションをデータベースにロギングすることのできるウェブサイト構築システム30のコンポーネントにトランザクションを送信することができ、このデータベースを後から(別のプログラムによって)使用して、オフラインでの調達および出荷を実行することができる。
サードパーティアプリケーション40は、同じコードベースを使用するが異なる機能が有効になる、異なる能力を有する複数の構成を提供することができる。例えば、サードパーティアプリケーション40は、無料バージョンを通じて基本的な機能を提供し、購入するプレミアムバージョン、複数の有料バージョン、またはサードパーティアプリケーション40の購入する追加機能を通じて、追加の機能を提供することができる。
システム100は、ユーザごとの(実際にはデザイナーごとの)サードパーティアプリケーション40の購入状況を管理する、ウェブサイト構築システム30をベースとする機能を含むことができることを理解されたい。さらに、すべてのデザイナーを、ウェブサイト構築システム30の登録ユーザとすることができ、したがって、ウェブサイト構築システム30は、各デザイナー5のサードパーティアプリケーション40の購入状況のデータベースを管理することができることを理解されたい。この情報は、デザイン段階においてはTPAコーディネータ24によって、実行時には構成マネージャ370によって、プロパティシート23に格納することができる。例えば、サードパーティアプリケーション40は、ウェブサイト構築システム30のクライアント側要素にバージョン問い合わせメッセージを送ることができる。ウェブサイト構築システム30のクライアント側要素は、リポジトリ22、またはローカルにキャッシュされているリポジトリのコピーに照会して、サードパーティアプリケーション40が提供するべき能力に関する情報を含む応答メッセージをサードパーティアプリケーション40に返す。
代替実装においては、ウェブサイト構築システム30は、サードパーティアプリケーション40の必要な構成情報(暗号化されたiframeパラメータなど)を、事前の問い合わせメッセージを必要とすることなしに、代替チャネルを介してサードパーティアプリケーション40に提供することができる。
上述したように、サードパーティアプリケーション40は、含有ウェブページ203の特定のコンポーネントと直接通信することができる。サードパーティアプリケーション40は、通信先のコンポーネントを、さまざまな方法で識別することができ、すなわち、(後からさらに詳しく説明するように)関連付けられるテンプレートに基づいてコンポーネントを直接的に識別する、またはデザイナー5によって含有ウェブページ203の特定のコンポーネントに明示的に指定されるアクセスIDを通じて識別する、または含有ウェブページ203によってサードパーティアプリケーション40に提供される(場合によっては選択的な)コンポーネントモデルをたどることによって識別する。
実行時、更新器380は、含有ウェブページ203のコンポーネントとサードパーティアプリケーション40との間のメッセージおよび応答を実装することができることを理解されたい。例えば、サードパーティアプリケーション40は、含有ウェブページ203のコンポーネントの視覚・表示属性(コンポーネントの位置、サイズ、色、透明度など)を変更・修正する、または問い合わせることができる。さらに、更新器380によって、サードパーティアプリケーション40は、含有ウェブページ203のコンポーネントのコンテンツを読み取るまたは書き込むことを可能になり、さらには、サードパーティアプリケーション40が、メディア機能(例えば、指定のオーディオセグメントまたはビデオセグメントをメディアプレイヤーコンポーネントに渡す、あるいは指定の期間にわたり再生を一時停止するようにメディアプレイヤーコンポーネントに要求する)を実行するコンポーネントに指示することが可能になる。
さらに、更新器380によって、ウェブサイト構築システム30のコンポーネントが、サードパーティアプリケーション40に許可するアクセスのタイプを指定することが容易になり、この場合、最近のオペレーティングシステムにおいてファイルを保護するためにアクセス許可ビットやアクセス制御リスト(ACL)が機能するのと類似する方法による。このような許可は、すべてのサードパーティアプリケーション40、特定のベンダーからのサードパーティアプリケーション40、または特定のサードパーティアプリケーション40に適用されるように、各コンポーネントに対して定義することができる。例えば、サードパーティアプリケーション40が、含有ウェブページ203の中の、サードパーティアプリケーション40の外側のテキストフィールドにアクセスできるようにすることができる。ブログのサードパーティアプリケーション40の場合、このテキストフィールドを使用してブログエントリを編集することができ、ブログのサードパーティアプリケーション40の領域自体の内側に提供することのできる画面領域よりも広い画面領域が提供される。マルチページコンテナの内側の特定のミニページに埋め込まれているサードパーティアプリケーション40の場合、ウェブサイト構築システム30は、サードパーティアプリケーション40からのアクセスを、その特定のミニページ内のコンポーネントのみに制限することができることを理解されたい。
さらに、更新器380によって、サードパーティアプリケーション40がサイト全体の要素に影響を与えることが可能になることを理解されたい。例えば、サイト内の現在のページ、サードパーティアプリケーション40を含むコンテナ内の現在のミニページ、ページ履歴などの属性を取得して設定する処理が挙げられる。さらに、更新器380は、このような要求をフィルタリングまたは制限することができる。
さらに、更新器380によって、ウェブサイト構築システム30がサードパーティアプリケーション40のスタイルおよび表示を変更・修正することが可能になる。更新器380は、ウェブサイト構築システム30がフォーマッティングおよびスタイルのガイドラインをサードパーティアプリケーション40に提供するときに使用する呼出しを実施することができる。ガイドラインは、色および配色、フォント、文字サイズ、透明度、アニメーションおよび特殊効果(例:ぼかし)などのプロパティを含むことができる。配色としては、特に、一般的配色(例えば以下のx色を使用する)や、ハイレベル配色(例えば、テキストに色xを使用し、フレームに色yを使用する)が挙げられる。
複雑なスタイル情報を表現するための1つの好ましい方法は、カスケードスタイルシート(CSS)を使用することであり、カスケードスタイルシートは、フォントやサイズ、色などの複数のスタイルディレクティブの組合せを表現することができることを理解されたい。更新器380は、このようなCSSベースのメッセージをサードパーティアプリケーション40に送ることができる。スタイルシートは、本質的に汎用とする、または、サードパーティアプリケーション40によって定義される固有のスタイル名を含むことができ、したがってウェブサイト構築システム30は、より適切なガイドラインをサードパーティアプリケーション40に提供することができる(例えば、スタイルシートは、特定のサードパーティアプリケーション40の要素を参照して、これらのガイドラインを提供することができる)。
これにより、サードパーティアプリケーション40は、これらのガイドラインを使用して、含有ウェブページ203に良好に適合した自身の外観/操作感(ルックアンドフィール)を生み出すことができる。このことは、同じサイト内の複数の含有ウェブページ203に含まれる、または複数の含有ウェブページ203から可視である(上述したマルチポートインクルージョン)サードパーティアプリケーション40にとって、特に重要である。複数の含有ウェブページが、異なる配色や基本デザインを採用することができる。サードパーティアプリケーション40は、これらのスタイルメッセージを通じて提供される情報を使用して、自身の表示色およびスタイルを、含有ページそれぞれに良好に合うように適合させ、含有ウェブページと比較して調和しない配色が表示されたり外観/操作感が生じることを回避することができる。
動的レイアウト更新器360は、動的レイアウトイベントの結果としての表示の変更を処理するときに、ウェブサイト構築システム30とサードパーティアプリケーション40、あるいはサードパーティアプリケーション40と補助的なサードパーティアプリケーションが、協力することを可能にすることを理解されたい。ウェブサイト構築システム30は、ページ内のコンポーネントのいくつかを変更するイベント発生時に、ページデザインを維持する目的で、そのページ内のコンポーネントのサイズおよび位置を変更することができる。これらの動的レイアウトイベントとしては、例えば、異なるサイズを有する画面上でウェブサイトを閲覧する、ポートレートモードとランドスケープモードの間で表示装置を回転させる、いくつかのコンポーネントのサイズや位置を変更する、特定のコンポーネントのコンテンツを変更する(結果としてコンポーネントのサイズ変更が要求される)、が挙げられる。さらに、動的レイアウトイベントとしては、(例えばデータフィード(data feed)からの情報を表示するコンポーネントにおける)サーバベースのコンテンツの更新、あるいは同じウェブサイトの別の同時ユーザによるコンテンツの変更による、コンポーネントの更新が挙げられる。さらに、動的レイアウトイベントは、デザイン環境のみならず実行時環境においても起こりうることを理解されたい。特に、コンポーネントおよびサードパーティアプリケーション40によっては、デザイナーによってのみならず、実行時に(すなわちエンドユーザによって)コンポーネントのコンテンツやサイズ/位置を変更することができる。
さらに、動的レイアウトイベントは、サードパーティアプリケーション40によっても発生しうることを理解されたい。例えば、オンラインショップのサードパーティアプリケーション40では、利用者が製品カタログの表示から(異なるサイズを有する)ショッピングカートの表示に移動するときに、サイズの変更が要求されることがある。別の例として、製品カタログのサードパーティアプリケーション40は、製品を強調表示するためのオプションを含むことがあり、このオプションに起因して、サードパーティアプリケーション40は、より多くのコンテンツを含むより大きなカタログページを表示する。さらなる例としては、追加領域の表示を開始または停止させることができるマルチ領域のサードパーティアプリケーション40が挙げられる。
ここで前出の図6を参照する。既存のシステムでは、このような状況は、たとえ扱うにしても、一般には、サードパーティアプリケーションの表示を途中で切り取り、表示にスクロールバーを追加する、または図6に示したようにページの他のコンポーネントを隠すポップアップウィンドウとして単に表示をリサイズすることによって処理する。動的レイアウト更新器360は、協力的な動的レイアウトを実装することができ、この場合、ウェブサイト構築システム30とサードパーティアプリケーション40とが協力して動的レイアウトを実行し、含有ウェブページ203の基本的なデザインを維持する。動的レイアウトの機能は、特許文献1(出願日:2013年2月20日、本発明の共通の譲受人に譲渡されている)にさらに記載されている。しかしながら、たとえ協力的な動的レイアウトをサポートするシステムにおいても、含有ウェブページ203における動的レイアウトメカニズムは、サードパーティアプリケーション40の内部レイアウトを完全には制御しない。さらには、ウェブサイト構築システム30のウィジェットは、(特定の範囲内で)任意のサイズにリサイズできるように設計されることがあるが、サードパーティアプリケーション40が任意のリサイズをサポートしないことがある。サードパーティアプリケーション40は、例えば、異なるサイズを有する複数の表示設定(例:より多くの、またはより少ない詳細情報を表示する)、サードパーティアプリケーション40の内部要素のいくつかをリサイズする機能、サードパーティアプリケーション40のテキスト要素のいくつかを複数のフォントサイズを使用して表示する機能、の任意の組合せを提供することがある。
さらに、サードパーティアプリケーション40は、提供される可能な表示サイズの数が限られていることがあり、可能なサイズの範囲全体を有することがある。したがって、含有ウェブページ203からサードパーティアプリケーション40へのリサイズ要求は、サードパーティアプリケーション40が最も近い可能なサイズに切り替えることによって、またはサードパーティアプリケーション40の可能なサイズのリストを提供する(これによりウェブサイト構築システム30は使用する適切なサイズを選択することができる)ことによって、解決することができる。
動的レイアウト更新器360は、[含有ウェブページ203からサードパーティアプリケーション40への]協力的な動的レイアウトを、次のシーケンスを使用して実装することができる。
例えば、含有ウェブページ203に埋め込まれているサードパーティアプリケーション40を、特定の所望のサイズ(例:X1*Y1ピクセル)にリサイズすることが必要となることがある。動的レイアウト更新器360は、サードパーティアプリケーション40が自身のコンテンツを特定の所望のサイズ(例:X1*Y1ピクセル)にリサイズするように要求するメッセージを、サードパーティアプリケーション40に送ることができる。サードパーティアプリケーション40は、代替の表示設定、内部でのリサイズ処理、内部での動的レイアウト処理、または任意の他の手段を使用することによって、指定のサイズに調整することができる。さらには、含有ウェブページ203が、サードパーティアプリケーション40を含む外部iframeウィンドウを新しいサイズ(X1*Y1)にリサイズできることを理解されたい。
さらに、サードパーティアプリケーション40は、可能なサイズの限られたセットにリサイズ処理できるのみでありうることを理解されたい(例えば特定のユーザインタフェース構成)。したがって、動的レイアウト更新器360は、サードパーティアプリケーション40が可能なサイズのセットを提供することができる次の代替アルゴリズムを使用することができる。
含有ウェブページ203がリサイズされ、動的レイアウト更新器360は、サードパーティアプリケーション40が自身のコンテンツを特定の所望のサイズ(X1*Y1)にリサイズするように要求するメッセージを、サードパーティアプリケーション40に送る。サードパーティアプリケーション40は、最も近い可能なサイズ(例:X2*Y2ピクセル)を求め、代替の表示設定、内部でのリサイズ処理、内部での動的レイアウト処理、または任意の他の手段を使用することによって、そのサイズにリサイズする。次いで、更新器380は、リサイズ処理を確認する応答メッセージを含有ウェブページ203に送り、実際の新しいサイズ(X2*Y2)を提供することができる。含有ウェブページ203は、サードパーティアプリケーション40を含む外部iframeウィンドウを実際の新しいサイズ(X2*Y2)にリサイズすることができる。含有ウェブページ203は、実際の新しいサイズ(X2*Y2)に基づいて動的レイアウト処理を続行することができる。
特に、含有ウェブページ203内に複数のサードパーティアプリケーション40(またはマルチ領域サードパーティアプリケーション40)が存在する場合、別の実施形態も適用可能であることを理解されたい。この実施形態においては、含有ウェブページ203は、埋め込まれているサードパーティアプリケーション40が複数のサードパーティアプリケーション40の複数のオプションを考慮して外観/操作感を最適化することを試みることができるように、埋め込まれているサードパーティアプリケーション40に問い合わせて表示サイズのリストを取得することができる。この実施形態は、サードパーティアプリケーション40が複数の領域にわたり表示される場合にも関連する。
含有ウェブページ203は、動的レイアウト処理を実行して、1つまたは複数のサードパーティアプリケーション40(TPA[1]〜TPA[n])が含有ウェブページ203に埋め込まれており次のアルゴリズムを使用してリサイズするべきであることを認識する。
iについて1からnまでループする。
各TPA[i]について、以下を求める。
最小サイズXmin[i]*Ymin[i]、
最大サイズXmax[i]*Ymax[i]、
最適サイズXopt[i]*Yopt[i]、
動的レイアウト更新器360は、上記の最小/最大/最適サイズを列挙するメッセージをTPA[i]に送り、サードパーティアプリケーション40の可能なサイズに関する情報を要求することができる。
サードパーティアプリケーション40は、自身が採用することのできる可能なサイズオプションのセット(Xposs[i][j]*Yposs[i][j])を動的更新器360に提供することができる。
含有ウェブページ203は、上記のようにして集めたXposs[][]/Yposs[][]情報に基づき、(例えば)サードパーティアプリケーションの可能なサイズの組合せすべての完全な評価、線形計画法、または動的レイアウトアルゴリズムによって使用される任意の他の手法を使用することによって、動的レイアウト計算の解を計算することができる。
すべてのTPAについて結果をXfinal[i]/Yfinal[i]に格納する。
iについて1からnまでループする。
含有ウェブページ203が、Xfinal[i]/Yfinal[i]を含むリサイズメッセージをTPA[i]に送る。
含有ウェブページ203が、TPA[i]を含む外部iframeウィンドウをXfinal[i]/Yfinal[i]にリサイズする。
含有ウェブページ203が、実際の新しいサイズに基づいて動的レイアウト処理を続行する。
動的レイアウト処理では、一般に、サードパーティアプリケーション40を単にリサイズするだけではなく、サードパーティアプリケーション40を移動させることが要求されうることを理解されたい。しかしながら、サードパーティアプリケーション40は、含有ウェブページ203の内側の自身のフレームの正確な位置に対して不変であるべきである。
上述したように、サードパーティアプリケーション40は、その表示ウィンドウのサイズを変更する必要もときおり生じうる。iframeを表示するウィンドウのサイズは、ホスティングページ(すなわち含有ウェブページ203)によって管理されるため、サードパーティアプリケーション40のウィンドウサイズの変更は含有ウェブページ203によって実行されなければならず、この場合、サードパーティアプリケーション40はウィンドウサイズを変更するように含有ウェブページ203に(動的レイアウト更新器360を介して)要求する。
さらに、サードパーティアプリケーション40は、含有ウェブページ203の内側の自身の位置を変更するように(動的レイアウト更新器360を介して)要求することもできることを理解されたい。この場合には、(サイズ変更のときのように)内部的にサードパーティアプリケーション40が影響されることはないが、含有ウェブページ203内の表示の変更が要求される。動的レイアウト更新器360は、この要求と動的レイアウトとを統合することができる。含有ウェブページ203は、動的レイアウト更新器360を起動して、サードパーティアプリケーション40のウィンドウサイズ(および場合によってはウィンドウの位置)を変更し、サイズおよび位置の変更の確認をサードパーティアプリケーション40に送ることができる。
ハブ205は、サードパーティアプリケーション40のクラスに固有な追加のメッセージ、またはサードパーティアプリケーション40に固有な追加のメッセージとして、ウェブサイト構築システム30自体、または特定の含有ウェブページ203、または補助的なサードパーティアプリケーション40がサードパーティアプリケーション40に影響を与えることのできる追加のメッセージ、を実装することもできることを理解されたい。例えば、ブログのサードパーティアプリケーション40は、新しいブログエントリ、または現在のブログエントリへの新しい応答を投稿することのできる入力メッセージを定義することがある。このようなメッセージは、(例えば、サードパーティアプリケーションの領域の外側の大きな編集フィールドからブログエントリを投稿するための方法として)含有ウェブページ203によって使用することができる。さらに、このようなメッセージは、上位レベルのアプリケーション間のリンクに使用することもでき、これにより例えば、サポートのサードパーティアプリケーションがブログのサードパーティアプリケーションにブログエントリを投稿することができる。
サードパーティアプリケーション40では、自身のサイト内でサードパーティアプリケーション40を使用しているデザイナーがサードパーティアプリケーション40の内部で使用する、または下流で使用するための幅広い複雑なサービスがしばしば要求されることを理解されたい。このようなサービスとしては、ユーザ管理や請求・出荷管理が挙げられる。ウェブサイト構築システム30のベンダーは、(例えば技術的な問題またはビジネス上の理由で)ウェブサイト構築システムの一部としてこのようなサービスを提供できないことがある。さらには、これらのサービスは、単独でサードパーティアプリケーション40として「パッケージ化」するのに適していないことがある。さらに、サードパーティアプリケーション40のベンダーは、サードパーティアプリケーション40を使用するデザイナーに複数のそのようなサービス(例:サードパーティの複数の請求API)を提供して、デザイナー5が適切なサービスを選択して使用できるようにするオプションを必要とすることがある。
例えば、ウェブサイト構築システム30において、PaypalTMによってホストされるAPIを提供することができ、このAPIをサードパーティアプリケーション40によって直接使用する、またはこのAPIを使用するデザイナー5にサードパーティアプリケーション40によって提供することができる。さらに、サードパーティアプリケーション40は、自身のオプションのセット(すなわち特定の請求タイプ、例えば一回単位請求、自動継続請求、レベニューシェア(revenue sharing)を使用する)を提供し、ホストされているPaypalのAPIを呼び出すことによってこれらのオプションを実装することもできる。
したがって、ウェブサイト構築システム30を使用しているデザイナー5は、前払請求(advanced billing)を使用する固有のサービス(楽曲を販売するオンラインショップなど)を開発することができる。デザイナー5は、ホストされている請求APIを、直接的に使用する、または追加の抽象レベル(または抽象層)を提供するサードパーティアプリケーション40を通じて使用することによって、請求APIの提供者との特定の清算協定や取引合意(merchant agreement)を交渉する必要性を回避することができる。この意味で、ウェブサイト構築システム30は、ホストされているAPIのベンダーの代理店となりうる。
ホストされているAPIのラッパー390は、システムの複数の異なる部分(例えば、ウェブサイト構築システム30、ホストされているAPIコード、含まれているサードパーティアプリケーション40)の間のこの通信を容易にすることができる。APIのラッパー層と、実際のAPIの実装は、ウェブサイト構築システム30自体または別のサードパーティアプリケーション40に属することができることを理解されたい。サードパーティアプリケーション40のベンダー(またはデザイナー5)は、実際の下層のAPIの実装方法を認識することなく、ホストされているAPIのラッパー390を通じて、ホストされているAPIを使用することができる。
本発明の補足的な代替実施形態においては、出願人は、ウェブサイト構築システムの追加のテンプレートおよびコンポーネントが、AppStore 25のレベルにおけるサードパーティアプリケーションと、関連するサードパーティアプリケーションのインスタンスとに関連付けられる統合モデルを使用することによって、ウェブサイト構築システム30と1つまたは複数のサードパーティアプリケーション40との間のスマートな統合を達成できることをさらに認識した。サードパーティアプリケーション40は、これらのコンポーネント(および関連付けられていないコンポーネント)と通信して、データおよび制御メッセージを交換することもできる。上述したように、含有ウェブページ203内のサードパーティアプリケーション領域40は、メインサイトがホストされているドメインとは異なる個別のドメイン(サードパーティアプリケーションのベンダーのドメインまたはそれ以外)においてコンテンツがホストされる個別のiframeである。したがって、複数の異なるiframe間の通信には、ブラウザの「同一オリジンポリシー」が適用され、上述した手法を使用することが要求される。
既存のシステムでは、サードパーティアプリケーション40を、含有ウェブページ203に含まれるがそれ以外の点では含有ウェブページ203自体の外観/操作感には影響しない、一体的な柔軟性の低いオブジェクトとして実装する。サードパーティアプリケーション40のインスタンスは、(一般には長方形の)領域内に配置され、その動作・機能のすべてをこの領域内で実行する。
さらに、出願人は、サードパーティアプリケーション40に関連付けられる、ウェブサイト構築システム30の(オプションの)追加のテンプレート(本発明の実施形態によると、関連付けられるテンプレートと称する)を有することによって、この概念を拡張できることを認識した。この関連付けは、サードパーティアプリケーション40の開発時または公開時に実行することができ、(AppStore 25からの)サードパーティアプリケーション40の選択/購入プロセスおよびサードパーティアプリケーション40のインスタンス作成の一部として、デザイナー5に提示することができることを理解されたい。サードパーティアプリケーション(TPA)コーディネータ24は、サードパーティアプリケーション40に関連付けられるテンプレートを、(AppStore 25によって管理される、またはサードパーティアプリケーション40のベンダーによって提供されるアプリケーションリポジトリの一部として)取得して、上述したように、後から使用できるようにテンプレートをリポジトリ22に格納することができる。
システム100は、複数の関連付けられるテンプレートを有するサードパーティアプリケーション40の公開をサポートすることができ、これによりデザイナー5は、必要に応じて最適なテンプレートを選択することができることを理解されたい。
含有ウェブページ203の中にサードパーティアプリケーション40のインスタンスを作成するとき、関連付けられるテンプレート内のコンポーネントを、含有ウェブページ203とマージすることができ、含有ウェブページ203の中の他のコンポーネントと一緒に表示することができることを理解されたい。
次に、図13を参照し、この図は、本発明の実施形態による、関連付けられるテンプレートの使用例を示している。図示したように、サードパーティアプリケーション[a]は、コンポーネント[d]および[e]を含む関連付けられるテンプレート[c]とともに、AppStore[b]の中に配置されている。サードパーティアプリケーション[a]が含有ウェブページ203[f]に含まれているとき、サードパーティアプリケーション[a]を、ページ[f]の内側の指定された領域[g]に表示することができ、コンポーネント[d]および[e]のインスタンス[d’]および[e’]を、前から存在するコンポーネント[h]および[i]とともにページ[f]に表示することができることを理解されたい。
システム100は、関連付けられるテンプレートコンポーネントのインスタンス(例えば上記の[d’]および[e’])を含有ウェブページ203[f]の中に配置する複数の方法をサポートすることができることを理解されたい。配置方法としては、絶対的な配置(すなわち、関連付けられるテンプレート[c]に指定されている、元のコンポーネント[d]および[e]のサイズおよび位置を使用する)、ターゲットを基準とする配置(すなわち、含有ウェブページ203[f]に従って新しいインスタンス[d’]および[e’]のサイズおよび位置を調整する)、サードパーティアプリケーション40を基準とする配置(すなわち、含有ウェブページ203[f]の内側のサードパーティアプリケーションのインスタンス[g]に指定されるサイズおよび位置を基準として、新しいインスタンス[d’]および[e’]のサイズおよび位置を調整する)、が挙げられる。採用する配置方法は、関連付けられるテンプレート[c]とともに含まれている設定に基づいて決定することができ、デザイナー5は、必要であれば別の配置方法を使用することができる。
さらに、デザイナー5は、テンプレート[c]から継承される、[f]の中のコンポーネント[d]および[e]のインスタンスを修正することができることを理解されたい。変更は、[f](および場合によっては、ページ間継承(inter-page inheritance)をサポートするウェブサイト構築システム30の中から継承するページ)の中での[d]および[e]の使用に適用されるのみであり、AppStore[b]内のサードパーティアプリケーション[a]に関連付けられる「元の」テンプレート[c]には影響しない。
上記の[d]および[e]のインスタンスへの変更としては、特に、フィールドのインスタンスに特定のコンテンツ(テキスト、画像など)を割り当てることや、通常の属性を変更することが挙げられることを理解されたい。さらに、図14を参照し、サードパーティアプリケーション40がミニページの内側に含まれる場合、図14に示したように、関連付けられるテンプレートは、サードパーティアプリケーション40が含まれている特定のミニページに適用されることを理解されたい。図示したように、サードパーティアプリケーション40はミニページ[x]に含まれており、したがってコンポーネント[d]および[e]は[x]に追加されるが、同じマルチページコンテナ[g]のさらなるミニページ[y]および[z]には追加されない。
さらに、セクションタイプのミニページの場合、関連付けられるテンプレート(存在時)は、サードパーティアプリケーション40を含むために作成された仮想の(かつ空の)含有ウェブページ203に適用されることを理解されたい。
代替実施形態においては、あらかじめ作成される関連付けられるテンプレートを、含有ウェブページ203に「並列」である新たに作成されるページまたはミニページに適用することができる。この新たに作成されるページまたはミニページをテンプレートによって初期化し、それを必要に応じて修正することができる。
さらに、ウェブサイト構築システム30では、マルチポートインクルージョンも可能になり、この場合、サードパーティアプリケーション40の同じインスタンスがメインサイトの複数のページから可視であり、これらのページに「属する」。マルチポートインクルージョンは、メインサイト内の特定のサードパーティアプリケーション40の複数のインクルージョン(サードパーティアプリケーション40の複数のインスタンスを作成する)とは異なる。したがって、サードパーティアプリケーション40のコンテンツ(インスタンスに固有である)が、同じマルチポートサードパーティアプリケーション40の複数の表示の間で共有される。
このようなマルチポートインクルージョンにおいては、関連付けられるテンプレートを、サードパーティアプリケーション40のインスタンスが追加されるページおよびミニページのそれぞれに個別に適用することができる。
上述したように、システム100は、含有ウェブページ203の中のサードパーティアプリケーション40とコンポーネントとの間の双方向通信リンクを提供することができる。このようなコンポーネントとしては、サードパーティアプリケーションからの関連付けられるテンプレートをマージする結果としての、含有ウェブページ203のコンポーネントと、このような関連付けられるテンプレートに関連しないコンポーネントとが含まれることを理解されたい。
したがって、サードパーティアプリケーション40のベンダーは、一般に、ベンダーによって提供されるサードパーティアプリケーション40に関連付けられる複数のテンプレートを作成することができることを理解されたい。これらのテンプレートとしては、実際に配布されている(すなわちその時点で配布されているサードパーティアプリケーションバージョンに関連付けられる)テンプレートに加えて、テストテンプレート、開発テンプレート、およびその他のテンプレートが挙げられる。
上述したように、サードパーティアプリケーション40は、AppStore 25を通じて配布することができ、さらには、ウェブサイト構築システム30のベンダーには関連しない、またはベンダーによって管理されない代替経路を通じて配布することもできる。しかしながら、サードパーティアプリケーション40とともに配布される関連付けられるテンプレートは、アプリケーションリポジトリ22に強く関連して結合されていることがあり、なぜなら関連付けられるテンプレートは、ウェブサイト構築システム30によって管理されるコンポーネント、ベーステンプレート、および他の要素を使用して構築されるためである。
さらには、このような個別に配布される関連付けられるテンプレートの基礎をなす、ウェブサイト構築システム30の要素を、修正または削除しなければならないことがある(これにより場合によっては関連付けられるテンプレートが「壊れる」)。この問題を解決するため、システム100は、これらの関連付けられるテンプレートを、アプリケーションリポジトリ22の内側の(場合によってはサードパーティアプリケーション40のベンダーごとの)個別の領域に実装することができる。ウェブサイト構築システム30は、これらのテンプレートを、ウェブサイト構築システム30の他のテンプレートと同様に管理することができる。
さらに、サードパーティアプリケーション40のベンダーに、作成される各テンプレートの一意のID(開発ID)を提供することができ、サードパーティアプリケーション40のベンダーは、サードパーティアプリケーション40の開発およびテストプロセス時にこのIDを使用することができることを理解されたい。サードパーティアプリケーション40が公開/配布される時点で、サードパーティアプリケーション40のベンダーには、代わりの一意のID(公開ID)を適用および受信することが要求されることがあり、ベンダーは、公開されるサードパーティアプリケーション40においてそのIDを参照することができる。公開IDが提供されると、テンプレートの個別のロックされたコピーが作成される。このコピーは、サードパーティアプリケーション40によって参照され、サードパーティアプリケーション40のインスタンスを作成するときに使用されるコピーである。このようにすることで、サードパーティアプリケーション40のベンダーは、(デザイナーによって含められている)「生の」サードパーティアプリケーション40に関連付けられるテンプレートを誤って修正することができなくなり、参照整合性が維持される。さらには、システム100は、このようなロックされたテンプレートと、基礎をなすコンポーネントおよびベーステンプレートとの間の関係を、相互参照させることができる。この相互参照を使用することで、例えば、このようなロックされたテンプレートに含まれている、ウェブサイト構築システム30のコンポーネントやベーステンプレートが修正されようとする(そしてこのような修正によってテンプレートまたはサードパーティアプリケーション40が何らかの形で壊れうる)場合に、ウェブサイト構築システム30のスタッフに警告することができる。
したがって、システム100は、サードパーティアプリケーション40と、含有ウェブページ203の中のコンポーネントと、ウェブサイト構築システム30との間の双方向通信チャネルを提供することができる。含有ウェブページ203のコンポーネントは、サードパーティアプリケーションに関連付けられる(1つまたは複数の)テンプレートをベースとする、またはウェブサイト構築システム30の別のテンプレートをベースとする、またはテンプレートには無関係とすることができる。
上述したように、通信ハブ205は、通信を促進することができ、含有ウェブページとサードパーティアプリケーション40との間のバックチャネルを提供することができる。出願人は、含有ウェブページとサードパーティアプリケーション40との間で双方向に送られるデータは、これらをいったん集めて処理し、統合した後に有用であることをさらに認識した。
例えば、ウェブサイトのオーナーは、自身のサイトあたりの利用者数やメンバーシップを管理する必要があり、これらは関連するウェブサイト構築システム30の登録利用者をベースとする値とは異なる。ウェブサイトの利用者は、登録する、または登録しない(匿名)ことができ、ウェブサイトは、異なるレベルの利用者に異なるレベルの機能を提供することができる。さらには、利用者は(たとえ匿名利用者であっても)、インスタントメッセンジャーソフトウェアを起動してサイトのオーナーに連絡するときや、サイトでのアクティビティの一部としてソーシャルネットワークに接続するときに、個人情報や連絡先情報(例えばコンタクトフォームにおけるデータ)をしばしば提供する。これらの情報は、作成されたサイトに直接的に入力される、または、サイト内に埋め込まれているサードパーティアプリケーションとのインタラクションの一部として利用可能になることを理解されたい。
さらに、これらの情報は、組織化されておらず、互いに関連しておらず、場合によっては矛盾を含み、多くの場合には保存されないことを理解されたい。例えば、ある1人の利用者が、自分のプライベートな電子メールアドレスを、(サイトによって直接管理されている)コンタクトフォームに入力し、同じセッションにおいて、仕事用の電子メールアドレスを、(サードパーティアプリケーション40によって管理されている)別のサブスクリプションフォームに入力することがある。
さらには、これらの「流動的な」情報には、その情報の使用に関する異なる許可が含まれることがある。例えば、サブスクリプションフォームに自分の電子メールアドレスを入力した利用者は、自分が加入した電子メールベースのサブスクリプションおよび場合によっては関連する電子メールニュースレターを受信することを予期する。これに対して、登録IDとして電子メールアドレスを開示した利用者は、自分のアカウントの取扱いやセキュリティ警告などに関する電子メールを除いて、自分の登録アドレス宛の電子メールを受け取ることを望まないことがある。
次に図15を参照し、この図は、ウェブサイト構築システム30と1つまたは複数の埋め込まれたサードパーティアプリケーション40との間で交換されるさまざまなメッセージからのデータを調整および収集するシステム200を示している。システム200は、クライアント220にインストールされているクライアントハブ210と、サーバ260にインストールされているサーバハブ230、コンタクトコーディネータ240、アクティビティコーディネータ250、コンタクトデータベース245、およびアクティビティストリームデータベース255とを備えている。ハブ210およびハブ230は、ハブ205に関連して上述したように、ウェブサイト構築システム30と、サーバ270にインストールされている複数のサードパーティアプリケーションとの間の通信と、複数の異なるサードパーティアプリケーション40間の通信とを促進できることを理解されたい。コンタクトデータベース245およびアクティビティストリームデータベース255は、後からさらに詳しく説明するように、コンタクト情報およびアクティビティ情報と、メッセージストリームから抽出される情報とを保持することができる。
次に図16Aおよび図16Bを参照し、図16Aは、クライアントハブ210の要素を示しており、図16Bは、サーバハブ230の要素と、コンタクトコーディネータ240の要素と、アクティビティコーディネータ250の要素とを示している。クライアントハブ210は、ルータ211と、変換器/適合器212と、プライバシーポリシーエンフォーサ213とを備えている。サーバハブ230は、ルータ/追跡器231と、変換器/適合器232と、プライバシーポリシーエンフォーサ233と、プライベートデータプロキシ234と、検証器/署名器235とを備えている。コンタクトコーディネータ240は、データ抽出器241と、コンタクトハンドラ242と、データマージャ243と、データ/許可ハンドラ244とを備えている。アクティビティコーディネータ250は、ストリーム作成器251と、ストリームマージャ252と、ログ作成器253とを備えている。これらの要素の機能については、後からさらに詳しく説明する。
次に図16Cおよび図16Dを参照し、図16Cは、ストリームマージャ252の要素を示しており、図16Dは、データマージャ243の要素を示している。ストリームマージャ252は、アクティビティ−ストリームマージャ261と、ストリーム−ストリームマージャ262とを備えている。ストリーム−ストリームマージャ262は、水平ストリームマージャ263と、垂直ストリームマージャ264をさらに備えている。データマージャ243は、コンタクト識別器272と、結合器273と、矛盾解消器274と、リスト値作成器275と、垂直コンタクトマージャ276と、水平コンタクトマージャ277とを備えている。水平コンタクトマージャ277は、仮想水平マージャ278をさらに備えている。垂直コンタクトマージャ276は、仮想垂直マージャ279をさらに備えている。これらの要素の機能については、後からさらに詳しく説明する。
システム200は、システム200と複数のサードパーティアプリケーションとの間のメッセージパッシングを可能にする一方で、さまざまな機能、すなわち、アクティビティメッセージをストリームによって組織化する、アクティビティメッセージの履歴を格納する、マルチレベルでのアクティビティメッセージのメッセージパッシング、アクティビティメッセージ用にサイドチャネル(side channel)を使用する、アクティビティメッセージを変換およびコンテンツを適合化する、アクティビティメッセージを検証およびアクティビティメッセージに署名する、リスナークエリ(listener query)を使用してアクティビティメッセージを動的にルーティングする、などの機能を提供することを理解されたい。これらの機能については後から詳しく説明する。
さらに、システム200は、利用者に関連する情報を抽出してそれらをマージする(複数のソースからの情報およびシステム200の中にすでに存在する情報を結合する)ことができる。マージは、異なる種類の、場合によっては互いに矛盾する情報を調整するマージ規則を通じて行うことができる。結合された情報は、コンタクトデータベース245に格納することができる。この情報には、後からさらに詳しく説明するように、集められた情報の許可される用途(allowed use)を制御する使用許可フィールドをさらに含めることができる。
本発明の代替実施形態においては、クライアントハブ210およびサーバハブ230のいずれかを単独で使用して、サーバ270にインストールされている複数のサードパーティアプリケーション40と通信することができる。クライアントハブ210のみが使用される状況では、コンタクトコーディネータ240と、アクティビティコーディネータ250と、データベース245,255とを、関連するクライアントにローカルにインストールできることを理解されたい。
さらには、システム200は、さらなるコンポーネントとして、サードパーティアプリケーション40が、利用者自身によって設定される使用制限を実施しながら、利用者に連絡するアクティビティ(例えばニュースレターの大量送信)を管理することを可能にするコンポーネントを備えることができることを理解されたい。このようなコンポーネントは、利用者のプライベートデータをサードパーティアプリケーション40から隔離することもできる(したがってサードパーティアプリケーション40は、利用者のプライベートデータに実際にアクセスすることなくそれぞれの動作を実行することができる)。このような機能は、例えば、後からさらに詳しく説明するようにプライベートデータプロキシ234を使用して実施することができる。
さらに、コンタクトデータベース245は、各サイトに固有とすることができることを理解されたい。しかしながら、ウェブサイト構築システム30では、(同じサイトオーナーによって所有される)ウェブサイトの集合を含むメタサイト/メタプロジェクトレベルを定義することができ、コンタクトが単一サイトレベルではなくメタサイトレベルで格納、処理、およびマージされることを指定することができる。サイトのそれ以外の要素(含まれているサードパーティアプリケーション40など)も、サイトレベルではなくメタサイトレベルで定義することができる。メタサイトをサポートする以外は、一般にシステム200は、異なるサイトの間または異なるサイトオーナーの間でコンタクトを共有することはなく(ただし後から説明する状況を除く)、コンタクト情報を統合することもない(したがって、あるエンドユーザによって1つのサイトに提供されたデータは別のサイトに漏れない)。
上述したように、システム200は、ウェブサイト構築システム30と1つまたは複数のサードパーティアプリケーション40との間の複数のインタラクションをサポートすることができる。このようなインタラクションは、買物をする、アイテムをショッピングカートに追加する、連絡先情報を入力するなど、事前に定義されるアクティビティとすることができる。あるサードパーティアプリケーション40が、自身がサポートするアクティビティを指定することができ、他のサードパーティアプリケーション40が、特定のアクティビティを「リスン」して、受け取ったアクティビティおよびそれに関連付けられる情報に基づいて動作することができる。特定のサードパーティアプリケーション40においてリスンされるアクティビティのリストは、明示的に1つまたは複数のアクティビティに設定する、または後からさらに詳しく説明するように、アクティビティリスニングクエリによって決定することができることを理解されたい。
各アクティビティは、メッセージと考えることができ、各メッセージはアクティビティデータ構造体を含むことができることを理解されたい。アクティビティデータ構造体は、事前に定義されるデータ型であるが、互いの間の継承を通じて定義する、あるいは(フィールドを追加することによってアクティビティデータ構造体を拡張するオプションを有する)サードパーティアプリケーション40を通じて定義することもできる。アクティビティデータ構造体は、システムに固有とする、あるいは、標準化されているデータ構造に基づく、または標準化されているデータ構造を含むことができる。アクティビティデータ構造体は、何らかの方法(XML、JSONデータ、またはバイナリオブジェクト符号化方式を使用するなど)で符号化することもできる。
さらに、アクティビティデータ構造体は、サードパーティアプリケーション40によって提供される「説明」フィールドを含むことができる。これは、サードパーティアプリケーション40によって定義される、アクティビティの説明である(ウェブサイト構築システム30に認識されている説明よりも詳細にすることができる)。例えば、VOIP通信のサードパーティアプリケーション40は、「Call to John Smith at 999-555-1234 - 01:15(ジョンスミス(999−555−1234)に電話(01:15))」というアクティビティ説明テキストを提供することができる。
さらに、アクティビティデータ構造体は、コールバックリンク、例えば「さらなる情報」(アクティビティデータ構造体に戻る)を含むことができる。コールバックリンクは、追加の重要な情報を提供する目的に使用することができ、例えば、電子商取引のアクティビティデータ構造体の場合には、注文の完全な追跡情報や注文履歴などであり、チャットのアクティビティデータ構造体の場合には、完全なチャットログであり、電話のアクティビティデータ構造体の場合には、通話記録である。したがって、一例としての完全なアクティビティデータ構造体は、以下のフィールド、すなわち、作成時刻、アクティビティの種類、アクティビティの発生元(サードパーティアプリケーション40/コンポーネントのID)、アクティビティストリームID、アクティビティの種類に固有な情報(アクティビティの種類に依存する)、作成サイトID、サイトメンバーデータベースID、アクティビティが行われたサイトページのID/URL、サードパーティアプリケーション40によって提供されるアクティビティの説明、サードパーティアプリケーション40によって使用されるさらなる情報リンクおよび取得された利用者の詳細情報など、を含むことができる。
アクティビティコーディネータ250は、ロギング要素と考えることができ、ハブ230から渡されるメッセージからデータを受け取る。ストリーム作成器251は、初期ストリーム(ログまたはチェーン状の構造と考えることができる)を作成することができ、ストリームマージャ252は、この初期ストリームに、それ以降に入ってくるアクティビティを加えることができ、このとき各ストリームはコンタクトに固有である。ストリーム作成器251は、異なるメッセージに含まれる個別のアクティビティごとに新しいストリームを作成しなくてよいことを理解されたい。さらには、ストリームに含まれる複数のアクティビティは、正しい順序でないことがある(例えばアクティビティの報告において、あるサードパーティアプリケーション40が遅れることがある)ことを理解されたい。ストリームマージャ252は、動作時、複数のストリームが同じ1人のコンタクトに属している場合にそれらのストリームをマージすることができ、ログ作成器253は、それ以前に作成されたすべてのアクティビティストリームのアクティビティストリームデータベース255に、ログファイルを保存することができる。
図16Cに関連して上述したように、ストリームマージャ252は、アクティビティ−ストリームマージャ261と、ストリーム−ストリームマージャ262とを備えている。アクティビティ−ストリームマージャ261は、アクティビティを、識別されたコンタクトに関連付けられるストリームに関連付けることができ、ストリーム−ストリームマージャ262は、2つの個別のストリームを1つのストリームに変換することができる。水平ストリームマージャ263は、共通のプライマリIDが検出されたことにより、互いに関連していない2つのストリームをマージすることができ、垂直ストリームマージャ264は、匿名のコンタクトに対して作成されたストリームと、登録された利用者に関連付けられるストリームとが、ログイン時または登録時に結びつけられたときに、これら2つのストリームをマージすることができる。ストリームマージャ252は、必要時に、アクティビティストリームデータベース255の中の以前に作成されたストリームにアクセスできることを理解されたい。
例えば、匿名利用者がサイト内でコンタクトフォームに入力する。ストリーム作成器251は、(ID「anon1」を有する)新しいアクティビティストリームを作成し、コンタクトハンドラ242は、(後からさらに詳しく説明するようにID「anon1」を有する)新しいコンタクトを作成する。次いで、この同じ利用者が、サイトのオーナーとチャットする。ストリームマージャ252は、このアクティビティを「anon1」アクティビティストリームにマージし、(後からさらに詳しく説明するように)コンタクト「anon1」が更新される。次に、この利用者は、別のブラウザを使用して、スケジュールフォーム(schedule form)に入力する。最初の利用者との相互関係がないため、ストリーム作成器251は、ID「anon2」を有する新しいアクティビティストリームを作成し、コンタクトハンドラ242は、ID「anon2」を有する新しいコンタクトを作成する。
次に、この利用者は、このサイトから買物をする。ストリームマージャ252は、この新しいアクティビティを「anon2」アクティビティストリームにマージし、コンタクト「anon2」を(例えば「顧客」タグを使用して)更新する。
この利用者は、さらに別のブラウザを使用して、このサイトに登録する。登録されると、すべての利用者は、サイトのメンバーシップハンドラからID「利用者x」を受け取る。この時点で、ストリーム作成器251は、(ID「利用者x」を有する)新しいアクティビティストリームを作成し、コンタクトハンドラ242は、(同じID「利用者x」を有する)新しいコンタクトを作成する。
その後、この利用者は別のブラウザから再びサイトにアクセスし、サイトのオーナーとチャットする。このウェブサイトではクッキーが使用されないため、ストリーム作成器251は、さらに別の新しいストリームID「anon3」を作成し、コンタクトハンドラ242は、新しいコンタクト「anon3」を作成する。
次に、この利用者はこのウェブサイトにログインする。この時点で、ID「anon3」およびID「利用者x」を有するコンタクトが存在する。データマージャ243は、コンタクト「anon3」を「利用者x」にマージすることができ、したがって、「利用者x」のストリームにおけるログインアクティビティと、コンタクト「利用者x」のログインアクティビティの両方が、アクティビティストリーム「利用者x」および「anon3」を指している。ストリームマージャ252は、このセッションにおいて利用者によって実行された追加の動作を、「利用者x」のアクティビティストリームにマージすることができる。ログ作成器253は、これらのストリームからのすべてのアクティビティデータをロギングし、ログのコピーをアクティビティデータベース255に保存することができる。
次に図17を参照し、サイトのオーナーは、図17に示した、ウェブサイト構築システム30によって提供される関連するユーザインタフェースを通じて、特定のコンタクトのアクティビティストリームの履歴にアクセスできることを理解されたい。1人のコンタクト「Dani Bronstein」について、ウェブサイトの利用履歴に容易にアクセスすることができる。さらに、ウェブサイト構築システム30またはサードパーティアプリケーション40は、ログ情報にアクセスするためのAPIを提供することもできることを理解されたい。アクティビティのログは、最適化、ユーザインタフェースの改良、広告のターゲティングなどの目的に使用できることを理解されたい。
さらには、これと並行して、コンタクトコーディネータ240は、アクティビティストリーム(メッセージ)によって提供されるデータから情報を集めて、対象の利用者のコンタクトプロファイル(contact profile)を構築できることを理解されたい。データ抽出器241は、アクティビティメッセージおよびアクティビティストリームからデータを抽出することができ、データマージャ243は、関連するデータを特定のコンタクトにマージすることができ、このコンタクトの詳細情報は、コンタクトデータベース245に格納することができ、コンタクトデータベース245からアクセスすることができる。コンタクトハンドラ242は、新しいコンタクトを作成することができ、またサイト利用者の識別情報(匿名利用者など)を処理することができ、データ/許可ハンドラ244は、関連するデータのプライバシー保護および許可を処理することができる。データマージャ243は、上述したように、水平コンタクトマージャ277と、垂直コンタクトマージャ276とを備えている。水平コンタクトマージャ277は、共通のプライマリIDが検出されたことにより、互いに関連しない2人のコンタクトをマージすることができ、垂直コンタクトマージャ276は、匿名のコンタクトと、登録された利用者に関連付けられるコンタクトとが、ログイン時または登録時に結びつけられたときに、前記匿名のコンタクトを、登録された利用者に関連付けられる前記コンタクトにマージすることができる。水平コンタクトマージャ277は仮想水平マージャ278をさらに備えていることができ、この仮想水平マージャ278は、2人のコンタクトを個別のコンタクトとして維持するが、これら2人のコンタクトが同じコンタクトを表していることが示されるようにこれらを互いにリンクする(実際のコンタクト情報をマージする、またはマージしない)。垂直コンタクトマージャ276は仮想垂直マージャ279をさらに備えていることができ、この仮想垂直マージャ279は、匿名のコンタクトと、登録された利用者に関連付けられるコンタクトとを個別のコンタクトとして維持するが、これら2人のコンタクトが同じコンタクトを表していることが示されるようにこれらを互いにリンクする(実際のコンタクト情報をマージする、またはマージしない)。さらに、データマージャ243は、(一般にはデータ抽出器241から抽出された)コンタクト情報を、既存のコンタクトにマージすることができる。コンタクト識別器272は、クッキーを使用して利用者の識別情報を追跡することができ、マージするべきコンタクトを、後らからさらに詳しく説明するようにして認識できることを理解されたい。
再び図15、図16A、および図16Bを参照し、メッセージパッシングは、クライアント220もしくはサーバ260またはその両方において実行することができる。サードパーティアプリケーション40は、一般には、クライアント側要素およびサーバ側要素を有する、または少なくとも、サードパーティアプリケーション40のプロバイダのサーバ270とのサーバ側接続を有することを理解されたい。ハブ210は、クライアント220とサードパーティアプリケーション40との間のメッセージを処理することができ、ハブ230は、サーバ260とサードパーティアプリケーション40との間のメッセージを処理することができる。ハブ210によって受信されたデータは、処理した後、後からさらに説明するさらなる処理のためにハブ230に転送できることを理解されたい。
次に図18を参照し、この図は、異なるプラットフォームの間でのメッセージパッシングのシナリオを示している。利用者のクライアントマシンXを、サーバY上のウェブサイト構築システム30に接続することができる。ウェブサイト構築システム30は、ウェブサイト構築システム30のクライアントコンポーネントA’と、ウェブサイト構築システム30のサーバコンポーネントAとを使用して実装することができる。作成されたサイトが表示されるとき、サイトはクライアント側要素(データ/コード)B’とサーバ側要素Bとを含むことができる。作成されたサイトは、さらに3つのサードパーティアプリケーション40(TPA1、TPA2、およびETPA3)を含むことができる。
TPA1は、クライアント側コンポーネントD’と、TPA1のベンダーのサーバHに接続されているサーバ側コンポーネントDとによって実装することができる。TPA2は、クライアント側コンポーネントE’と、TPA2のベンダーのサーバIに接続されているサーバ側コンポーネントEによって実装することができる。しかしながら、ETPA3は、サーバ側コンポーネントGによって実装されているサーバ側のみのサードパーティアプリケーション40とすることができ、サーバ側コンポーネントGはウェブサイト構築システム30のサードパーティアプリケーション40サポートバックエンドFに接続されている。これら2つのコンポーネントは、サードパーティアプリケーション40のベンダーのサーバJと通信することができる。
TPA1およびTPA2は、クライアント上で(コンポーネントD’とコンポーネントE’との間で)、もしくはサーバ上で(コンポーネントDとコンポーネントEとの間で)、またはクライアントおよびサーバの両方において、メッセージを交換できることを理解されたい。しかしながら、ETPA3との通信は、サーバ上でのみ行わなければならない。さらには、いずれか一方の方法を使用することにはメリットとデメリットがあることを理解されたい。クライアント側でのアクティビティメッセージの送信は、よりインタラクティブとすることができ、利用者の応答がより高速となる。サーバ側でのアクティビティメッセージの送信は、堅牢性および信頼性を高めることができ(例えば利用者はプロセスの途中でブラウザのウィンドウを閉じることができない)、メッセージが正しい順序で受信されるようにされ、さらには、バックエンドにインストールされているバックエンドサードパーティアプリケーション40またはアプリケーションダッシュボードにアクティビティメッセージを送ることができる。これらのバックエンドサードパーティアプリケーション40は、クライアント側には表示されないことを理解されたい。
複数のサードパーティアプリケーション40を使用するケースとして、例えば、ある利用者がサードパーティアプリケーションAにおいて商品をショッピングカートに追加する(アクティビティのタイプは「カートの変更」)。するとサードパーティアプリケーションAは、商品が追加されたことに関するアクティビティメッセージをウェブサイト構築システム30に送る。ウェブサイト構築システム30は、「カートの変更」に登録されているすべてのサードパーティアプリケーション40に、このアクティビティを転送する。サードパーティアプリケーションBは登録されているため、このアクティビティを受信する。サードパーティアプリケーションBは、「さらに商品Xも購入すると割引が適用されます」あるいは「このサイトをシェアすると割引が適用されます」などのメッセージを利用者に表示することができる。
別の例としては、ある利用者がサードパーティアプリケーションAにおいて(例えばフェイスブックを介して)何かに対して「いいね!ボタンを押す」。するとサードパーティアプリケーションAは、アクティビティのタイプ「フェイスブックのいいね!」に関するアクティビティメッセージをウェブサイト構築システム30に送る。ウェブサイト構築システム30は、「いいね!ボタンを押す」アクティビティに登録されているすべてのサードパーティアプリケーション40に、このアクティビティを転送する。サードパーティアプリケーションBは登録されているため、このアクティビティを受信する。サードパーティアプリケーションBは、リエンゲージメント(re-engagement)ウィジェットを利用者に示し、「このサイトがお気に入りなら、サイトのオーナーに連絡してみませんか?」あるいは「割引クーポンをご希望ですか?」などのメッセージを表示することができる。
上述したように、すべての通信はハブ210およびハブ230を介して行うことができる。
ルータ211は、クライアント側メッセージをウェブサイトと任意のサードパーティアプリケーション40との間でルーティングすることができる。さらに、ルータ211は、後からさらに詳しく説明するように、さらなる処理のためハブ210とハブ230との間でメッセージをルーティングすることができる。
ルータ/追跡器231は、ウェブサイトと任意のサードパーティアプリケーション40との間でメッセージをルーティングすることができ、さらにメッセージを追跡することができる。さらに、サードパーティアプリケーション40は、クライアントおよびサーバの両方においてメッセージをリスンすることができることを理解されたい。さらには、サードパーティアプリケーション40は、自身がリスンする1つまたは複数のアクティビティを明示的に指定することができる(例えば、「ショッピングカート: アイテムを追加する」アクティビティすべてをリスンする)ことを理解されたい。さらに、サードパーティアプリケーション40は、自身がリスンするアクティビティのクラスを指定することができる(例えば、フェイスブックに関連するすべてのアクティビティをリスンする)。さらには、サードパーティアプリケーションは、アクティビティをそのサードパーティアプリケーションに送るべきか否かを判定する目的に使用されるワイルドカード表現(アクティビティ名に適用される)を使用することができる。
さらに、サードパーティアプリケーション40は、アクティビティリスナークエリを使用できることを理解されたい。このようなクエリは、サードパーティアプリケーション自体から通常では利用できない情報を含む、追加のシステム情報を参照し、例えば、利用者の属性(例:登録利用者のみ、ヨーロッパの利用者のみ)、ウェブサイトの属性または構造(例:特定のページテンプレートから作成されたページ上の特定のアクティビティのみをリスンする)、利用者履歴(例:利用者が過去にXを超える買い物を行った場合にのみカート清算アクティビティをリスンする)などである。このようなクエリは、サードパーティアプリケーション40によって指定することができるが、デザイナーによって編集可能とすることもできる。
したがって、ルータ/追跡器231は、サードパーティアプリケーション40によってリスンされているメッセージを追跡することもできる。このようなアクティビティリスナークエリのアーキテクチャは、(サードパーティアプリケーション40の内側のAPI呼出しによって実行されるのではなく)アクティビティのルーティングレベルにおいて実装するのが最良であり、なぜならこれによりウェブサイトのデザイナーは、サードパーティアプリケーション40が高度にプログラム可能およびカスタマイズ可能である必要なしに、調整およびカスタマイズを実行できるためであることを理解されたい。さらに、ルータ/追跡器231は、利用者のプライバシーを保護するうえでも役立ち、なぜならウェブサイトのデザイナーは、(ルーティングの決定に必要な)追加の情報を、関与するサードパーティアプリケーション40に提供する必要がないためである。さらに、ルータ/追跡器231は、サードパーティアプリケーション40との不要な通信の実行(しばしば別のサーバによってホストされる)を抑制することができる。
ウェブサイトを訪問する、ウェブサイトに登録する、ウェブサイトに情報を提供するのは、利用者(ウェブサイト訪問者)であることを理解されたい。利用者は、自身がアクセスしているウェブサイトが、ウェブサイト構築システム30、コンポーネント、作成されたウェブサイト、およびサードパーティアプリケーション40の組合せを使用して構築されていることを実際には認識していないことがある。したがって、利用者のプライバシーに関する責任は、最終的にはウェブサイトのオーナーにある(さらにオーナーは、自身のウェブサイトに含まれているサードパーティアプリケーション40によって行われるアクティビティに関する責任も負う)。
さらには、サードパーティアプリケーション40(およびウェブサイト構築システム30の他のコンポーネント)は、ウェブサイト構築システム30によって定義されるプライバシー規則に基づき、ウェブサイト構築システム30によって提供されるAPIを通じて、利用者プロファイル情報にアクセスできることを理解されたい。さらには、含有側サイトおよびそこに含まれるサードパーティアプリケーション40は、コンタクト情報を使用して(電子メールまたはその他の手段を介して)利用者と通信することができる。
プライバシーに関連する3つの大きな問題が存在しうることを理解されたい。最初の問題は、ウェブサイトおよびウェブサイト構築システム30と、サードパーティアプリケーション40のプロバイダとの間の相互関係である。ウェブサイト(およびウェブサイト構築システム30)は、利用者データの使用に関してサードパーティアプリケーション40を完全に信頼することができず、例えば、サードパーティアプリケーション40が(サイトによって提供される利用者の電子メールアドレスを使用して)大量に電子メールを送信しないこと、メール配信リストから削除するように要求した利用者にスパムメールを送信しないこと、あるいは利用者の個人情報を他の第三者に譲渡しないことに関してである。しかしながら、この問題は以下の方法で解決することができる。
ウェブサイト構築システム30のベンダーは、サードパーティアプリケーション40のプロバイダをウェブサイト構築システム30のアプリケーションマーケット(application market)に加えるときに、サードパーティアプリケーション40のプロバイダに、利用規約(ToU)同意書に署名するように要求することができる。このような同意書には、サードパーティアプリケーション40(およびサードパーティアプリケーション40のプロバイダ)が利用者の情報を不正に使用したり、第三者に開示したりしてはならないことを記載することができる。これにより、ウェブサイト構築システム30のベンダーは、サードパーティアプリケーション40のプロバイダが情報を不正に使用した場合に、そのプロバイダに罰則を適用することができる(例えば、サードパーティアプリケーション40を無効にする、ウェブサイト構築システム30のアプリケーションマーケットからサードパーティアプリケーション40を削除する)。プライバシーポリシーエンフォーサ213,233およびプライベートデータプロキシ234は、後からさらに詳しく説明するように、サードパーティアプリケーション40に対してプライバシーポリシーを実施することができる。
プライバシーに関連する2番目の問題は、ウェブサイトおよびウェブサイト構築システム30と利用者(サイトの訪問者)との間の相互関係である。ウェブサイトは、利用者の個人データがどのように使用されるかに関する明確な認識を利用者に提示し、利用者からの同意を受け、利用者が同意した条項を遵守しなければならない。ウェブサイト構築システム30は、利用者に属する個人情報の許可される用途を定義した利用規約文書を利用者に提示するように、公開されているすべてのサイトに要求し、この場合、利用者はその文書に電子署名するように要求される。サイトは、これらの条項および許可される用途を遵守しなければならない。さらに、ウェブサイト構築システム30は、自身が提供するウェブサイトテンプレートそれぞれにサンプルの利用規約ページを含めることができる。プライバシーポリシーエンフォーサ213,233は、利用規約文書の利用規約が確実に守られるようにすることができる。さらに、プライバシーポリシーエンフォーサ213,233は、関連するデータを削除または再編成することによって、許可された情報のみがサードパーティアプリケーションに提供されるようにすることができる。
プライバシーに関連する3番目の問題は、配信停止要求をサポートすることである。サイトは、任意のマーケティング電子メールを配信停止するオプションを利用者に提供しなければならない。これは、後からさらに詳しく説明されているデータ/許可ハンドラ244によって処理することができる。
データ/許可ハンドラ244は、後からさらに詳しく説明するように、異なる利用者によって設定される異なる利用者許可を扱うこともできる。
ウェブサイト構築システム30(およびその中に構築されたウェブサイト)では、プライベートデータプロキシ234によって、すべてまたは一部のプライベートデータを、ウェブサイト構築システム30によって管理される安全なリポジトリの中に保持することができ、プライベートデータプロキシ234は、サードパーティアプリケーションに(プライベートデータの代わりに)代替の一意のIDを提供することができ、サードパーティアプリケーションは、このIDを使用して、隠されているプライベートデータを取得することができる。例えば、電子メールアドレスを代替の「電子メールアドレスID」に置き換えてサードパーティアプリケーション40に提供され、したがってサードパーティアプリケーション40は、実際の電子メールアドレスにはアクセスすることができない。
さらに、プライベートデータプロキシ234は、さまざまな通信方法(例えば電子メール、ソーシャルネットワークのメッセージング)のための一連のインタフェースを提供することができ、サードパーティアプリケーション40は、これらのインタフェースを使用して利用者に連絡する、あるいはメッセージを送ることができ、このときサードパーティアプリケーション40はその利用者に関連付けられるプライベートデータに実際にアクセスすることはない。このようなプライベートデータとしては、それを用いて利用者に連絡することのできるあらゆる詳細な識別情報(例えば、名前、住所、電子メールアドレス、電話番号(SMS/MMSを含む)、統一された通信ID(スカイプなど)、ソーシャルネットワークID)が挙げられる。
したがって、プライベートデータプロキシ234は、利用者許可フィールドの制限を実施する、利用者の配信停止要求を実施する、および、利用者へのメッセージの送信を抑制する(例えば特定のサイトにおいて動作する特定のサードパーティアプリケーション40に対して1日あたり100通までの電子メールを許可する)ことができる。プライベートデータプロキシ234は、プロキシパラメータと、サードパーティアプリケーションに公開するプライベートデータおよび公開しないプライベートデータを(サードパーティアプリケーション40ごとに)定義することができ、これらの設定はフィールド単位で行うことができる。
プライベートデータプロキシ234は、ウェブサイト構築システム30のサーバ上でホストされるサードパーティアプリケーション40に、元のプライベートデータに形が似ている代替の一意のIDを提供する(例えば、利用者の元のプライベートな電子メールアドレスの代わりに代替のダミー電子メールアドレスを提供する)ことができ、その情報を使用するコールを「捕捉」し、(この例では)その電子メールを正しいアドレスに転送する。この機能は、許可された特権を超えているサードパーティアプリケーション40を検出する目的にも使用することができる。
ウェブサイトのオーナーが、特定のサードパーティアプリケーション40に提供される情報を制限する、または修正することを望むことがあることを理解されたい。その理由として、例えば、一般的なセキュリティ上の懸念、利用者のデータの任意の要素に関する特定のプライバシーコミットメント、特定の業界またはアプリケーションに固有な規制要件が挙げられる。プライバシーポリシーエンフォーサ213,233は、ウェブサイトのオーナーによって行われるこのような変更を実施し、現在の設定を上書きすることができる。
一例として、医療情報を扱うウェブサイトでは、利用者の一般的な地理的分布を解析するサードパーティアプリケーション40にコンタクト情報を渡すときに、コンタクト情報のうち詳細な個人情報の一部にアクセスできないようにすることを望むことがある。別の例として、あるサードパーティアプリケーション40において、特定の種類のコンタクト情報を扱うときに問題が発生することがある。そのサードパーティアプリケーション40を(バグが判明しているが)そのまま使用したいと考えるウェブサイトオーナーは、分かっている問題を引き起こすコンタクトを除外する、あるいは問題が発生しないようにデータを修正することを望むことがある。
変換器/適合器212,232は、メッセージを変換およびコンテンツを適合化するための事前に指定される規則を適用することができる。このような規則それぞれには、規則が適用されるサードパーティアプリケーション40、規則が適用されるメッセージを選択するフィルタリング基準、変換規則(例えば(特定のサードパーティアプリケーション40に関連する)特定のメッセージを破棄する)、アクティビティデータ構造体の中の特定の1つまたは複数のフィールドに適用される変換などの条件を含めることができる。
このようにすることで、ハブ210,230は、サイトのオーナーによって作成される仕様に従って、異なるサードパーティアプリケーション40にアクティビティデータ構造体の異なるバージョンを提供する(またはまったく提供しない)ことができる。
さらに、関連するウェブサイト構築システム30は、障害、および侵入の試み(サードパーティアプリケーション40のメッセージのペイロードデータを改ざんすることを目的とする中間者攻撃など)に対してシステムを強化するため、メッセージの検証および署名をサポートすることができる。したがって、ウェブサイト構築システム30に登録されているサードパーティアプリケーション40それぞれは、2組の秘密鍵/公開鍵を持つことができ、1組は、サードパーティアプリケーション40からウェブサイト構築システム30に送られたメッセージを復号する目的に使用され(入力鍵)、1組は、ウェブサイト構築システム30からサードパーティアプリケーション40に送られるメッセージを符号化する目的に使用される(出力鍵)。
例えば、サードパーティアプリケーションAがウェブサイト構築システム30にメッセージを送る。このメッセージは、サイトにおけるサードパーティアプリケーションID(サードパーティアプリケーションの外部ID(サードパーティアプリケーションスコープを有する))を使用して送られ、メッセージはサードパーティアプリケーションによって署名される。ウェブサイト構築システム30はこのメッセージを受信する。検証器/署名器235は、サードパーティアプリケーションAの入力鍵を使用して署名を検証する。この検証に合格しない場合、検証器/署名器235はその入力メッセージを無効と報告し、そのメッセージはそれ以上送信されない。
検証器/署名器235は、メッセージに関連付けられる外部IDを内部サイトIDを使用して変換することができる。検証器/署名器235は、どのサードパーティアプリケーション40がそのメッセージを受信するべきかを確認することができる。
例えば、検証器/署名器235は、サードパーティアプリケーションB1〜Bnそれぞれについて、サードパーティアプリケーションBの外部IDを認識することができる。次いで、検証器/署名器235は、サードパーティアプリケーションBへのメッセージを作成し、上述した適用可能なフィルタリングおよび変換規則を適用するように変換器/適合器212,232に命令する。次いで、検証器/署名器235は、サードパーティアプリケーションBの出力鍵を使用してメッセージに署名し、そのメッセージをルータ/追跡器231(またはルータ211)を介してサードパーティアプリケーションBに送る。サードパーティアプリケーションBは、そのメッセージを受信し、署名を検証する。検証に合格しない場合、そのメッセージは無効と報告され、それ以上処理されない。検証器/署名器235は、秘密の検証データが信頼できないクライアントに送られることがないように、クライアント側の処理を実行せずにサーバ側の処理のみを実行することを理解されたい。
上述したように、システム200は、ウェブサイト構築システム30とサードパーティアプリケーション40との間の複数のタイプの通信を採用することができる。このような通信としては、例えば、制御上の通信(例:ウェブサイト構築システム30がサードパーティアプリケーション40にシャットダウンするように命令する)や、機能上の通信(例:ショッピングカートのサードパーティアプリケーション40が合計購入金額をウェブサイト構築システム30を通じて課金のサードパーティアプリケーション40に送る(したがって本出願において説明した例においては支払いまたはアクティビティの通信が修正される)、が挙げられる。これらの異なるタイプの通信は、(例えば、送られるメッセージの量、優先度、堅牢性、応答時間に関する)異なるプロファイルおよび要件を有することを理解されたい。
特に、システム200では、極めて頻繁なアクティビティ報告が行われることがある(例えば、サードパーティアプリケーション40のグラフィカルユーザインタフェース(GUI)のイベントが、サードパーティアプリケーション40のアクティビティとして報告される場合)。このような膨大なアクティビティ報告によって、より重要なメッセージを扱うシステムの部分が圧迫されることがある。したがって、システム200は、各クラスのメッセージが個別のチャネルを介して送られるように、(例えば、異なるポートや複数の同時セッションを使用して)複数の通信チャネルを実装することができる。このようにすることで、アクティビティ報告にはサイドチャネルが使用され、命令の通信および機能上の通信と並行して行われ、後者の通信を妨げない。
上述したように、システム200は、コンタクトコーディネータ240およびアクティビティコーディネータ250を介してコンタクト情報を作成およびその質を高める目的と、特定のコンタクトに関連付けられるアクティビティイベントを照合する目的で、アクティビティ情報を集めることができる。コンタクトコーディネータ240およびアクティビティコーディネータ250は、ハブ210およびハブ230を通じてルーティングされる各アクティビティメッセージごとに、情報を処理することができる。ストリーム作成器251は、アクティビティメッセージから、コンタクトに固有なデータストリームを作成することができ、コンタクトコーディネータ240の複数の要素は、データを抽出して処理した後、それをコンタクトデータベース245に格納することができる。
したがって、各アクティビティストリームに対して、それぞれに関連付けられるコンタクトを構築することができ、構築されたコンタクトを、それぞれのデータストリームの下で実行されるアクティビティから抽出されるデータを使用して徐々に質を高めることができる。コンタクトコーディネータ240は、互いに関連するコンタクト(同じ人を記述するものと判明した複数のコンタクトレコード)の存在を認識することもできることを理解されたい。コンタクト識別器272は、プライマリIDフィールド(電子メールアドレス、電話番号、ソーシャルセキュリティ番号、フェイスブックIDなど)のマッチングによって、このようなレコードを認識することができる。いくつかのプライマリIDフィールドは複数値フィールドである(例えば1人の人が、その人を識別する複数の電子メールアドレスを持つことができる)のに対して、いくつかのプライマリIDフィールドは厳密に単一値のフィールド(例えばソーシャルセキュリティ番号)であることを理解されたい。
したがって、データマージャ243は、新しいアクティビティから抽出されたコンタクトのフィールドを、現在の構築されているコンタクトにマージすることができ、匿名利用者がウェブサイトを使用している間にその匿名利用者に対して構築されたコンタクトを、匿名利用者がログイン動作を実行して識別された利用者になった時点で、すでに定義されて保存されているコンタクトにマージすることができる(これを「垂直マージ」と称することがある)。さらに、水平コンタクトマージャ277は、2人の異なるコンタクト(構築されたコンタクトまたは格納されているコンタクト)が、同じ利用者を表す互いに関連するコンタクトであることを検出したときに、これら2人のコンタクトの「水平」マージを実行することができる。上述したように、このようなマージは、実際にマージする(すなわち2人の個別のコンタクトを1人のコンタクトに変換する)、または1人のコンタクトを別のコンタクトにマージする、または仮想マージを通じて実行する(すなわち2人のコンタクトを個別のコンタクトとして維持するが、これらが同じ利用者を表していることが示されるように互いにリンクし、このとき実際のコンタクト情報およびアクティビティストリームをマージする、またはマージしない)ことによることができる。さらに、仮想マージの場合でも、仮想的にマージされてリンクされた複数のコンタクトにさらなる追加情報を追加できることを理解されたい。
したがって、データ抽出器241は、関連するアクティビティデータ構造体からコンタクトタイプの情報を抽出することができ、データマージャ243は、このコンタクトタイプの情報を、アクティビティストリームに関連付けられる(匿名または識別された)コンタクトに統合することができる。コンタクトタイプの情報IにプライマリIDフィールドが含まれている場合、データマージャ243は、互いに関連するコンタクトがないかをプライマリIDフィールドの値に基づいてチェックし、見つかった場合、これらのコンタクトをマージする。さらに、データマージャ243は、アクティビティによって、サイト内の利用者の識別情報が確立されるかをチェックすることができ(例えばサイトログインアクティビティ)、確立される場合、匿名のコンタクトを、その利用者に対して格納されている既存のコンタクトレコードとマージし、そのコンタクトを以降は識別されたコンタクトにする。
コンタクト識別器272は、サイト利用者を識別するための複数の方法を実施できることを理解されたい。例えば、(サイトにログインしていない)1人の匿名利用者によるセッションをクッキーを使用して追跡する、登録されている利用者の場合にサイトログインを使用する、アカウントがソーシャルネットワークに関連付けられるサイト利用者の場合にソーシャルログインを使用する、プライマリIDフィールド(電子メールアドレスや電話番号など)のマッチングを行って2つの利用者プロファイルが同じ利用者を記述していることを識別することによる。
さらには、詳細情報がコンタクトデータベース245に格納されているサイト利用者は、サイトに登録していない匿名利用者、登録されている利用者、および潜在的利用者(サイトに正式にはまだ登録されていないが、外部ソースからインポートされたレコードを有する)に分類できることを理解されたい。
関連するウェブサイトは、セッションが変わっても持続される永続的クッキーをインストールすることができるため、同じブラウザを使用して同じコンピュータ上で実行される複数の匿名セッションから、同じコンタクトレコードへの情報を取得し続けることができる。したがって、匿名利用者であっても、相当な量のコンテキスト情報およびコンタクト情報を有することができる。
登録される利用者は、その特定のサイトにおいて一意であるIDを提供しなければならない。複数のタイプのIDを使用することができ、例えば、個々のサイトに固有なID(例:利用者名)、外部識別子(電子メールアドレス、電話番号、ソーシャルセキュリティ番号など)、あるいは別のシステムによって提供された外部識別子(ソーシャルネットワークID、Google ID、OpenIDのIDなど)である。
ソーシャルネットワークへのログインを通じての利用者登録では、サイトは、ソーシャルネットワークにおいて利用可能な個人情報を使用して、同じ利用者のサイトプロファイルに入力することができる。さらに、データ抽出器241は、ソーシャルネットワークのプロファイルに再アクセスして、その個人情報の変更があれば検出して、サイト利用者のプロファイルを更新することができる。
登録された利用者は、一般的には、自身の識別情報を確立するためシステムにログインしなければならないが、システムは、「このシステムに接続したままにする」オプションを提供することができる。このようなログイン手順は、明示的とする(利用者がログインダイアログを呼び出す)、または暗黙的とする(例えばブログに書き込みを追加するときに、何らかの識別情報を提供するように利用者に要求する)、または外部ログインに基づく(システムは、別のシステムに関連付けられるログイン手順(ソーシャルネットワークへのログインやOpenIDログインなど)を呼び出す)ことができる。さらに、物理的デバイス(例えばシステムに直接または無線インタフェースを介して接続されるセキュリティトークン)を通じて、またはバイオメトリック情報の使用(利用者のバイオメトリックパラメータ(例:指紋、虹彩スキャン)および利用者挙動検出(タイピングパターン検出など)の両方を含む)を通じて、または上に詳述した方法の任意の組合せを通じて、ログイン手順を修正することもできる。
さらに、ソーシャルログイン手順と通常のログインとの間で双方向に情報をやりとりできることを理解されたい。例えば、ソーシャルIDがサイトメンバーIDに関連付けられ、したがってソーシャルログインすることは暗黙的にサイトにログインすることであり、あるいは、サイトメンバーIDを1つまたは複数のソーシャルネットワークIDに関連付けることができ、したがってサイトにログインすると、1つまたは複数のソーシャルネットワークにおいて利用者が識別される。
利用者が明示的なログアウトを実行するとき、コンタクトハンドラ242は、新しい匿名利用者のクッキーを生成し、したがって新しい匿名セッション(または一連のセッション)を開くことができ、このセッションのアクティビティはその新しい匿名のコンタクトの下で保存される。さらなるログイン時に、この新しい匿名のコンタクトを、そのログイン時に識別されるコンタクトとマージすることができる。
次に図19を参照し、この図は、匿名利用者のログイン/ログアウトプロセスを示している。利用者は、システムの利用を匿名で開始することができる。利用者がサードパーティアプリケーションでの最初のアクティビティact1を実行すると、コンタクトハンドラ242がコンタクトを作成し、ストリーム作成器251がアクティビティストリームanon1を自動的に作成する。ストリームマージャ252は、act1からの情報および次のアクティビティact2およびact3からの情報を、利用者anon1にマージする。
同じ利用者が利用者Xとしてログインを実行した時点で、データマージャ243は、anon1のコンタクト(およびアクティビティストリームから取得される他の関連するコンタクトデータ)を、利用者Xのコンタクト情報にマージする。さらに、ストリームマージャ252は、さらなるアクティビティact4およびact5から抽出される情報を1つのストリームにマージし、次いでデータ抽出器241が利用者Xのコンタクト情報を抽出することを理解されたい。利用者Xがログアウトを実行すると、コンタクトハンドラ242は、新しいクッキーを作成し、それ以降のアクティビティを利用者Xから切り離す。したがって、新しいアクティビティact6が実行されると、コンタクトハンドラ242は新しい匿名のコンタクトanon2を作成し、データ抽出器241は、そのコンタクトの抽出されたコンタクト詳細情報(およびアクティビティ)を、新たに作成された匿名のコンタクトanon2の下で保存する。
(シナリオAのように)利用者anon2が2回目のログインを利用者Yとして実行する場合、データマージャ243は、(act6およびact7によって更新された)利用者anon2のコンタクト情報を、さらなるアクティビティと一緒に、識別された利用者Yのコンタクト詳細情報にマージする。
(シナリオBのように)利用者anon2が2回目のログインを利用者Xとして実行する場合、データマージャ243は、(act6およびact7によって更新された)利用者anon2のコンタクト情報を、さらなるアクティビティと一緒に、(すでに更新されてact1〜act5が反映された)利用者Xのコンタクト詳細情報にマージする。
アクティビティに関連付けられるアクティビティデータ構造体は、コンタクト詳細情報を含むこともできることを理解されたい。データ抽出器241は、この情報を抽出してデータマージャ243に転送することができ、データマージャ243は、この情報を、コンタクトデータベース245の中の既存のコンタクト情報と統合し、既存のコンタクト情報の質を高めることができる。さらには、データ抽出器241は、特定のアクティビティメッセージ、ストリーム全体、別のコンタクト、または外部ソース(後からさらに詳しく説明する、IPから地理情報への住所変換サービスなど)から、詳細情報を抽出できることを理解されたい。上述したように、コンタクトデータベース245の中のコンタクトは、登録またはサインアッププロセスの一部として利用者が明示的に提供するコンタクト詳細情報、またはウェブサイトに(ソーシャルログイン/登録機能を介して)サインアップするときに利用者が使用するソーシャルネットワーキングアカウントから抽出されるコンタクト詳細情報、または利用者が自身の利用者プロファイルを更新するときに提供するコンタクト詳細情報を含むこともできる。さらに、データ抽出器241は、外部ソースからコンタクト情報を取得することもできる(例えば利用者が米国郵便番号のみを指定するとき、サイトはこの情報を使用して、郵便番号復号(zip code decoding)の外部ウェブサービスから完全な住所情報を取得する)。
上述したように、コンタクト識別器272は、2人のコンタクトを、プライマリIDフィールド(利用者名、電子メールアドレス、電話番号など)に基づいて、互いに関連しているものと認識することができる。コンタクトA(新規)とコンタクトB(既存)が互いに関連していることが判明すると、データマージャ243がAをBにマージすることができる(Bがマスター)。この処理は、例えば以下のようなフィールドマージ規則を使用して行う。
B1=BまたはA(例えば「B||A」): Bをとり、Bがヌルまたは空である場合、Aをとる。
B1=数学関数(A,B): プライベートデータの重要なケースは以下である。
B1=A+B: 例えば、訪問回数、合計購入額
B1=min(A,B): 例えば、サイトへの登録日
B1=max(A,B): 例えば、最後のアクティビティの日付
B1=list−unite(B,A): リストBの最後にリストAを連結し、Aの要素のうちBの要素と重複する要素を削除する(すなわちB1=B&(A−B))。データマージャ243は、リストの要素間の重複を、以下の規則に従って判定することができる。
通常の値(すなわちスカラー)からなるリストの場合、通常の値の比較を使用する。
構造体からなるリストの場合、構造体の特定のサブフィールドを比較キーとして使用する。例えば、複数の住所をサポートするウェブサイト構築システム30における住所のタイプ(自宅、会社、配送先など)。
正規化数の比較。(例えば)後述する電話番号の処理を参照。
構造体Aが構造体Bのさらに詳細なバージョンである場合、AをBに結合する(後からさらに詳しく説明する)。
より高い確実性スコア(certainty score): 値に確実性スコアを付加することができる(例えば、利用者によって直接提供された情報と、利用者に関して推測された情報とに、異なる確実性スコアを付加する)。データマージャ243は、より高い確実性スコアを有する値を選択することができる。
いくつかのフィールドタイプは、正規化されたフォーマットを有することを理解されたい。例えば、電話番号を、正規化された米国形式(例:(999)555−1234)または国際形式(例:+1−999−555−1234)に正規化することができる。データマージャ243は、例えばコンタクトのプライマリキー(電話番号など)を比較するときや、マージされたリストにおける重複をチェックするときに、比較できるようにフィールド値を正規化されたフォーマットに変換することができる。
データマージャ243は、同じ基本構造を有する2つの構造化された値(例えば、複数のサブフィールド(国、州、郵便番号、ストリート、番地など)からなる住所値)を比較することができる。構造体Xの中の空ではないフィールドそれぞれの値が、構造体Yの中の同じフィールドの値と等しい(すなわち、Yは、Xの空ではないフィールドの値すべてと、場合によってはいくつかのさらなるフィールドの値とを含む)場合、構造体Yは、構造体Xの詳細バージョンである。したがってデータマージャ243は、AがBの詳細バージョンであり、かつAがBと同一ではない場合、AをBに結合することができる。
データ抽出器241は、アクティビティの発生元であるIPアドレスから、コンタクトの住所を推測できることを理解されたい。この機能は、アクティビティの発生元がブラウザセッションであり、かつ利用者の住所が取得されていない場合にのみ使用される。したがって、データ抽出器241は、IPアドレスの地理情報に従って州/国情報を抽出することができる。この場合、住所は、「推定された地理IPアドレス」とマークされる。このようなマーキングが必要であるのは、IPマッピングに基づく(場合によっては不正確な)住所が住所フィールドにすでに含まれているが故に、後からの住所のマージ処理と衝突し、これにより後からの詳細な(ただし基本的に異なる)住所をコンタクトデータベース245に保存することが妨げられないようにするためである。
データマージャ243は、マージされたリストにおけるタグの衝突を処理することもできる。リストをマージする場合、2つのエンティティ(1つはコンタクトAから、他方はコンタクトBから)が存在し、これらのエンティティは異なるが同じタグを有するという状況が起こりうることを理解されたい。このシナリオにおいては、データマージャ243は、同じタグを有する両方のエンティティをリストに含める。
したがって、[{タグ:”自宅”,電子メール:”a@b.com”}]+[{タグ:”自宅”,電子メール:”c@d.com”}]という結合を行うと、[{タグ:”自宅”,電子メール:”a@b.com”},{タグ:”自宅”,電子メール:”c@d.com”}]が作成される。この方法は、マージされるフィールドが、「一意でないリストタグを許可」としてマークされている場合に使用する。
さらに、データマージャ243は、コンタクト情報の結合を試みるとき、言語解析法、構文解析法、または他のテキスト解析法と、外部データソースまたは外部サービスの参照・利用を用いることができる。例えば利用者が、2つのアクティビティレコードに、自宅の住所のうちストリート名を2つの異なる様式で入力し、番地、市、および郵便番号は同じものを入力することがある。結合器273は、2つのエントリを比較するときにテキスト解析(例えばsoundexアルゴリズム)を適用することができ、さらに、ストリート名の2つのバージョンを、与えられた市および郵便番号に対する、外部ソースによるストリート名と比較することができる。このような場合、結合器273は、両方の住所が標準的なストリート名に似ており(ただし場合によっては同じではない)、かつ他のすべての住所データフィールドが正しい値を有する場合、その標準的なストリート名を選択することができる。
さらに、データマージャ243は、ログイン/セッション情報に従ってコンタクト情報をマージすることができる。利用者は、ログインまたは登録を実行せずにサイトを利用してセッションを開始し、そのセッションの一部としていくつかのアクティビティを実行し、後から登録またはログインすることがあり、したがってそのセッションは、新たに作成される利用者プロファイルまたは登録された利用者の既存のプロファイル(コンタクト情報を含む)に関連付けられる。
利用者が(匿名として)セッションを開始すると、コンタクト識別器272が、そのセッションの間、(クッキー、セッションIDなどを使用して)利用者を追跡することができ、コンタクトハンドラ242が、匿名セッション中に利用者によって実行されたアクティビティに基づいて、その特定の匿名利用者に対して、構築されたコンタクトを作成することができる。さらに、ルータ/追跡器231が、同じコンピュータからの複数のセッションにわたり、その匿名利用者の追跡を続けることができる。この追跡は、(セッションクッキーではなく)永続的クッキーを使用することによって行うことができる。
利用者が登録すると、データマージャ243は、構築されたコンタクトの情報を使用して、利用者プロファイルに最初の入力を行うことができる。利用者がログインする場合、データマージャ243は、構築されたコンタクトの情報を、既存の利用者プロファイルに最初に結合することができる。構築されたコンタクトの情報は、利用者のサイトIDに従ってマージされ、なぜならデータマージャ243は、サイトID以外には、マージするために使用するプライマリID(電子メールアドレスなど)を、構築されたコンタクトの情報の中に保持していないためであることを理解されたい。さらに、このようなマージでは、集められた情報において矛盾が生じうることを理解されたい。匿名の構築されたコンタクトを既存のプロファイルデータにマージするときには、回避できない矛盾が発生することがある。例えば、ある匿名利用者が、(何らかのサードパーティアプリケーション40によって表示される)データフォームに、John Smithという名前で入力し、その後、(同じかまたは別のブラウザセッションを使用して)Jane Doeという名前でアカウントにログインするとする。この場合、(例えば)後からのログインは、同じコンピュータを使用する実際に別の人によって行われたログインであるか、または、最初の利用者が自分のプライバシーを守るためコンタクトフォームにおいて偽名を使用した可能性がある。データマージャ243が、複数の匿名の構築されたコンタクトをマージするときにも、同じことがあてはまる。
矛盾解消器274は、一般には矛盾を自動的に処理することができ、なぜならほとんどのフィールド(電子メールアドレスや電話番号などのプライマリIDフィールドを含む)は、複数の値を含むことのできるリストフィールドであるためである。このことは、同じ下層サイト(underlying site)が複数回利用される場合にのみ適用することができる。(例えば複数の値をリスト値にマージすることによって)解消することのできない矛盾については、サイトのオーナーまたはエンドユーザによって手動で対処する(どの値を使用するかを決定することができる)、または別の手法を使用して対処することができるように、フラグを付しておくことができる。
したがって、構築されたコンタクト情報が、1人の人を反映するのではなく、同じコンピュータを介して同じサイトにアクセスする一連の利用者を反映することがありうる。
上述したように、データマージャ243は、複数のコンタクトが作成または修正されるとき、一般にプライマリIDフィールド(電子メールアドレスや電話番号など)に従ってコンタクトをマージする。
入力される情報は、1つまたは複数の値を有する1つまたは複数のプライマリIDフィールドを有するコンタクトレコード(入力されたコンタクトC)である(例えば、2つの電子メールアドレスおよび3つの電話番号を有するコンタクトレコード)。利用者は、(例えば)自宅/会社/携帯電話の各番号と、自宅/仕事用の電子メールアドレスを持つことがあり、利用者はこれらのいずれかをコンタクトフォームの中で入れ替えて使用することがあるため、複数のプライマリIDフィールドが要求されうる。
データマージャ243は、プライマリID値を正規化し、正規化されたプライマリID値のいずれかを含むコンタクトレコードを検索するクエリ(例えば、「(電話=P1 OR 電話=P2)」あるいは「(電子メール=E1 OR 電子メール=E2)」)を作成することができる。さらに、データマージャ243は、クエリの対象を、特定のサイトのコンタクトデータベース245に制限することができる。さらに、データマージャ243は、コンタクトデータベース245に対してクエリを実行し、一致したコンタクトのリストL(入力されたコンタクトCを含む)を取得することができる。
入力されたコンタクトが(特定のサイトの)登録されたサイトメンバーである場合、データマージャ243は、リストLからコンタクトCを削除し、リストLの中の残りのコンタクトすべてをコンタクトCにマージすることができる。次いで、データマージャ243は、更新されたコンタクトCをコンタクトデータベース245に再び保存し、リストLの中の残りのコンタクトすべてをコンタクトデータベース245から削除することができる。これに代えて、データマージャ243は、上述したように仮想マージを実行することができ、すなわち、すべてのコンタクト情報を結合し(すなわち、利用可能なすべての情報が含まれるようにすべてのコンタクトレコードを更新する)、(「重複する」コンタクトレコードを削除する代わりに)一致したコンタクトレコードを、同じ人に属するものとマークする。このような処理が必要となるのは、例えば、サードパーティアプリケーション40によって、コンタクトレコードに固有な内部IDが格納または使用されており、したがってコンタクトレコードを削除するとこれらのサードパーティアプリケーション40が正しく動作しない場合である。同じ処理(すなわちコンタクトを削除するのではなくコンタクトを互いに関連するものとマークする)は、後からさらに詳しく説明する別の場合にも適用することができる。
入力されたコンタクトが、登録されたサイトメンバー「ではない」場合、データマージャ243は、リストLに含まれるサイトメンバーコンタクトの数をチェックすることができる。サイトメンバーが0である場合、データマージャ243はリストLからコンタクトCを削除し、リストLの中の残りのコンタクトすべてをコンタクトCにマージすることができる。次いでデータマージャ243は、更新されたコンタクトCをコンタクトデータベース245に再び保存し、リストLの中の残りのコンタクトすべてをコンタクトデータベース245から削除することができる。
1人のサイトメンバー(コンタクトD)が存在する場合、データマージャ243は、リストLからコンタクトDを削除し、リストLの中の残りのコンタクトすべて(コンタクトCを含む)をコンタクトDにマージすることができる。次いでデータマージャ243は、更新されたコンタクトDをコンタクトデータベース245に再び保存し、リストLの中の残りのコンタクトすべてをコンタクトデータベース245から削除することができる。
2人以上のサイトメンバーコンタクト(D,D1,D2,...)が存在する場合、データマージャ243は、見つかったサイトメンバーコンタクト(D,D1,D2,...)からコンタクトDを選択し、リストLからコンタクトDを削除することができる。次いでデータマージャ243は、リストLの中のコンタクトのうちサイトメンバーではないコンタクトを含むサブリストLLを、リストLから作成することができる。次いでデータマージャ243は、リストLLの中の残りのコンタクトすべてをコンタクトDにマージすることができる。次いでデータマージャ243は、更新されたコンタクトDをコンタクトデータベース245に再び保存し、リストLLの中の残りのコンタクトすべてをコンタクトデータベース245から削除することができる。
ログイン時のマージに関して上述したように、データに矛盾が発生することがある。しかしながら、リスト値作成器275が、(複数の値を有する)リスト値フィールドを作成することができ、さらにコンタクト間の明確な優先順位を定義することができるため、ほとんどの場合にこの問題は発生しない。
例えば、データマージャ243が以下のコンタクトをマージする。
コンタクト1=[電話1,電子メール1];
コンタクト2=[電話1,電子メール2];
コンタクト3=[電話2,電子メール2];
データマージャ243は、次のように結合されたコンタクトを生成することができる。
結合されたコンタクト=[電話=[電話1,電話2],電子メール=[電子メール1,電子メール2]].
コンタクトデータベース245には、複数のソースからの、使用に関する異なるレベルの許可を有するコンタクト情報が含まれることがあることを理解されたい。以下の説明では電子メールを例にとるが、以下の説明および手法は、利用者に連絡するために使用される前述した任意のタイプの情報(電話番号、FAX番号、スカイプID、インスタントメッセージングID、ソーシャルネットワークIDなど)にもあてはまる。
例えば、サイトに電子メールアドレスが提供された経路によって、その電子メールアドレスの使用に関する許可が異なることがある。電子メールアドレスのいくつかの可能な取得経路は、登録ID、コンタクトフォーム、ニュースレターのサインアップ、配信停止要求である。さらに、電子メールアドレスは、利用者によって電子署名される「許可される用途の同意」の点で異なることがある。
一般に、ウェブサイト構築システム30は、与えられた電子メールの許可される用途に関する情報を有することを理解されたい。しかしながら、ウェブサイトのオーナーが、それとは異なる情報、個別の情報、または追加の情報を有することができる。例えば、サイト内の異なるサインアップフォームの性質に起因する、または追加の使用許可情報を含む異なるソースからのコンタクトが、ウェブサイトによってシステム内にインポートされる場合である。
データ/許可ハンドラ244は、この情報の管理に関してウェブサイトのオーナーを支援する目的で、サイト内で使用されるサードパーティアプリケーション40に対して、正しい使用ポリシーを実施することができる。
したがって、関連するコンタクトのコンタクトレコードに、2つの情報フィールドを含めることができる。最初のフィールドは、利用者のアクティビティからウェブサイトによって計算されて導かれる許可または提案される許可を含むウェブサイト許可フィールドである。コンタクトフォームは、機能上の電子メールを暗黙的に指定するのみであるのに対して、サブスクリプションフォームは、反復性の電子メールを暗黙的に指定する。2番目のフィールドは、ウェブサイト許可フィールドの値に基づくサイトオーナー許可フィールドである。サイトのオーナーは、ウェブサイトの推奨許可を変更することができ、自身が望むように設定することができるが、ウェブサイト許可フィールドによって定義されている許可の範囲を超える使用に関して責任を負う。
ウェブサイト許可フィールドの値は、利用者の意図に関するウェブサイトの最良の認識を表すことを理解されたい。サイトオーナー許可フィールドの値は、ウェブサイトによって割り当てられてサードパーティアプリケーション40およびシステムの他の部分によって(例えばニュースレター配信を提供するサードパーティアプリケーション40によって)使用される値である。
データ/許可ハンドラ244は、これらの許可フィールドを使用して、複数の方法で許可を定義することができる。例えば、データ/許可ハンドラ244は、(電子メールアドレスおよびその他のコンタクトIDに対して)以下のコードのいずれかまたはその組合せ、およびこれらのバリエーションを実装することができる。
不明: 電子メールアドレスは不明なソースから抽出され、電子メールを送る目的に使用することはできない。
電子メールID: 登録する目的に提供された電子メールアドレス。登録に関連する内容(登録の確認、パスワードを忘れた場合、セキュリティ違反が疑われることの通知など)を除いて、電子メールを送る目的に使用することはできない。
機能上の電子メール: 特定の機能のために提供され、ワンタイム電子メールを許可する。例えば、購入確認の電子メールや、特定のコンタクトフォームに対して提供される電子メール。
反復性の電子メール: 特定のウェブサイトが複数回の定期的なサブスクリプションおよび広告を送ることを許可する。この場合には明示的なサブスクリプション/承認が要求される。
共有可能な電子メール: ウェブサイトおよびそのパートナー(サードパーティアプリケーション40、他の第三者(4th parties))が複数回の定期的なサブスクリプションおよび広告を送ることを許可する。この場合には明示的なサブスクリプション/承認が要求され、許可される共有に関する詳細な情報を含めることができる。
オプトアウト: 利用者が明示的に配信停止を行った。その利用者には電子メールを送ることができない(場合によってはオプトアウトの通知を除く)。
データ/許可ハンドラ244は、代替方法、例えば許可ビットマスク(UNIX(登録商標)システムおよびLinux(登録商標)システムで使用されるものに似ている)やACL(アクセス制御リスト)メカニズムを使用できることを理解されたい。さらに、データ/許可ハンドラ244は、コンタクト情報の個別の部分(例えば、電子メールアドレス、インスタントメッセンジャーのアドレス、ソーシャルネットワークIDなど)を対象とする個別の許可フィールドを実装することができる。
代表的な使用のシナリオとして、コンタクトデータベース245には、コンタクトフォームから集められた第1のセットの電子メールアドレスと、サブスクリプション要求からの第2のセットの電子メールアドレスとが含まれる。ウェブサイトは、ニュースレター配信のサードパーティアプリケーション40を呼び出すことができ、このとき、第2の利用者セットに属する利用者(サブスクリプション要求を送った利用者)「のみ」にサードパーティアプリケーション40が電子メールを送ることを認識している。
このようなシステムの利点として、利用者に誤ってスパムメールが送信されることや個人情報が不正に使用されることに関して、ウェブサイトおよびウェブサイトオーナーの両方に対して(技術的および法律的な両面において)良好な保護が得られることと、上述したようにプライベートデータプロキシ234と組み合わせてシステムが使用されるときにプライバシーポリシーを実際に実施する機能が挙げられる。さらに、配信停止要求がさらに厳密に実施されるようにすることができる。
したがって、利用者に対して、関連するウェブサイト構築システム30と任意の関連するサードパーティアプリケーション40との間のアクティビティのストリームを生成することができる。これらのストリームは、アクティビティストリームと称することがある。各アクティビティストリームは、1人のコンタクトに関する情報源として使用することができる。さらに、異なるアクティビティストリームの発生源が同じであると判定される場合、個々のストリームのアクティビティデータ構造体をマージしてコンタクトを形成することができる。例えば、1人の利用者が、2つのデバイス(モバイルデバイスとパソコンなど)を通じて匿名としてアクティビティを行うことがある。このような利用者によって、2つの匿名ストリームが生成され、これらの匿名ストリームの下でメッセージが格納される。これらのストリームが同じ利用者に関連付けられるものと認識された時点で、これらのストリームをマージすることができる。
本明細書に記載されているプロセスおよび表示は、本質的に特定のコンピュータまたは他の装置に関連するものではない。さまざまな汎用システムを、本明細書における教示内容によるプログラムと組み合わせて使用することができ、あるいは、所望の方法を実行するための専用装置を構築することが好都合でありうる。さまざまなこれらのシステムの所望の構造は、上記の説明から明らかであろう。さらに、本発明の実施形態は、特定のプログラミング言語に関連して説明していない。本明細書に記載されている本発明の教示内容を実施する目的に、さまざまなプログラミング言語を使用することができることを理解されたい。
特に明記していない限り、ここまでの説明から明らかであるように、本明細書全体を通じて、「処理する」、「計算する」、「求める」などの用語を使用した説明部分は、コンピュータ、コンピューティングシステム、または同様の電子コンピューティング装置(物理量として表されるデータ、例えばコンピューティングシステムのレジスタやメモリ内の電子量を、コンピューティングシステムのメモリ、レジスタ、または他のそのような情報記憶装置、送信装置、表示装置内の物理量として同様に表される別のデータに操作したり変換したりする装置)の動作や処理を意味することを理解されたい。
本発明の実施形態は、本明細書に記載されている動作・操作を実行する装置を含むことができる。この装置は、所望の目的のために専用に構築することができる、または、この装置は、コンピュータに格納されるコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータ、を備えていることができる。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体、例えば、以下に限定されないが、任意のタイプのディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、光磁気ディスクなど)、読み取り専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD−ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)、磁気カードまたは光カード、フラッシュメモリ、または電子的命令を格納するのに適しておりコンピュータシステムバスに結合することのできる任意の他のタイプの媒体、に格納することができる。
ここまで本発明の特定の特徴を図示および説明してきたが、この技術分野における通常の技能を有する者には、数多くの修正、置き換え、変更、および等価物が明らかであろう。したがって、添付の請求項は、本発明の実質的な概念に含まれるそのような修正および変更すべてを包含するように意図されていることを理解されたい。
[関連出願]
本出願は、米国仮特許出願第61/911,485号(出願日:2013年12月4日)の優先権を主張し、この仮特許出願はその全体が参照によって本出願に組み込まれている。