JP2019112631A - 防火防音パネル - Google Patents
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Abstract
Description
しかし前記ポリウレタンフォームは遮音性に優れるものの、燃えやすいという欠点がある。このため前記ポリウレタンフォームを燃えにくくする検討が行われている。
本発明の目的は、防音性、耐火性に優れる防火防音パネルを提供することにある。
[1]難燃剤を含むウレタン樹脂組成物を成形してなる耐火防音層と、外装材と、を積層してなる防火防音パネルであって、
前記難燃剤を含むウレタン樹脂組成物が、ウレタン樹脂を含み、
前記ウレタン樹脂に含まれるポリオール化合物の重量平均分子量が、1000〜20000の範囲であり、
前記難燃剤が、赤リンおよびリン酸塩含有難燃剤の少なくとも一方であり、
前記ウレタン樹脂100重量部に対して、前記赤リンおよびリン酸塩含有難燃剤の少なくとも一つが、0.1重量部〜60重量部の範囲であることを特徴とする、
防火防音パネルを提供するものである。
[2]前記難燃剤が、赤リンおよびリン酸塩含有難燃剤に加えて、リン酸エステル、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤およびアンチモン含有難燃剤よりなる群から選ばれる少なくとも一つを含む、上記[1]に記載の防火防音パネルを提供するものである。
[3]前記難燃剤に含まれるリン酸エステル、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤およびアンチモン含有難燃剤よりなる群から選ばれる少なくとも一つが、それぞれウレタン樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜60重量部の範囲である、上記[2]に記載の防火防音パネルを提供するものである。
[4]前記難燃剤を含むウレタン樹脂組成物が、前記ウレタン樹脂に含まれるイソシアネート基の三量化反応を促進する三量化触媒を含み、
前記三量化触媒が、前記ウレタン樹脂100重量部に対して、0.01重量部〜10重量部の範囲である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の防火防音パネルを提供するものである。
[5]前記難燃剤を含むウレタン樹脂組成物が、整泡剤および発泡剤の少なくとも一つを含む、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の防火防音パネルを提供するものである。
[6]前記耐火防音層が、対向する二枚の外装材の間に配置されている、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の防火防音パネルを提供するものである。
[7]前記耐火防音層に加えて、断熱層が付加されている、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の防火防音パネルを提供するものである。
[8]枠材が、前記対向する二枚の外装材の外周に設置されている、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の防火防音パネルを提供するものである。
[9]前記外装材が、有機材料、無機材料および金属材料からなる群より選ばれる少なくとも一つからなる、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の防火防音パネルを提供するものである。
前記防火防音パネルとしては、例えば、前記耐火防音層と、前記外装材とを一層ずつ積層した二層構造のもの、
前記外装材と、前記耐火断熱層と、前記外装材との三層を、外装材−耐火断熱層−外装材の順に積層した三層構造のもの、
前記外装材と外装材との間に、前記耐火防音層に加えて断熱層等を加えた四層構造以上のものなどを挙げることができる。
図1は第一の実施形態に係る防火防音パネルの模式断面図である。
図1に示されるように、第一の実施形態に係る防火防音パネル100は、二枚の外装材1,1との間に、耐火防音層10を積層して形成されている。
前記防火防音パネル100を形成する方法としては、例えば、次の方法が挙げられる。
まず型枠2の中に前記外装材1を設置する。続いて前記外装材1の上に難燃剤を含むウレタン樹脂組成物3を流し込む。次に二枚目の外装材1を前記難燃剤を含むウレタン樹脂組成物3の上に設置する。
前記難燃剤を含むウレタン樹脂組成物3が硬化した後、前記型枠2を取り外せば前記防火防音パネル100を得ることができる。
第二の実施形態に係る防火防音パネル110は、第一の実施形態に係る防火防音パネル100と比較して、枠材20を備えている点が異なる。
前記開口部30から、前記二枚の外装材1,1および枠材20により囲まれる空間40内に難燃剤を含むウレタン樹脂組成物3を流し込む。
前記難燃剤を含むウレタン樹脂組成物3が硬化した後、前記開口部に枠材20を設置することにより、前記防火防音パネル110を得ることができる。
第三の実施形態に係る防火防音パネル120は、第一の実施形態に係る防火防音パネル100および第一の実施形態に係る防火防音パネル110と比較して、断熱層50を備えている点が異なる。
本発明に係る防火防音パネルは、第一の実施形態に係る防火防音パネル100および第一の実施形態に係る防火防音パネル110に示される、前記二枚の外装材1,1 の間に耐火防音層10が積層されている三層構造のものに限定されず、図8に示されるように四層構造であってもよいし、必要に応じて五層以上の積層構造を採用することもできる。
本発明に使用する外装材としては、例えば、有機材料、無機材料、金属材料等の一種以上が挙げられる。
前記外装材は、板材に限定されず、例えばシート材、フィルム材のように薄いものであってもよい。
なお本発明に使用する板材は、一端を持って保持したときに保持している箇所で折れずに一定形状を保つものをいう。
また前記シート材は、一端を持って保持したときに保持している箇所で折れるものをいう。
前記シート材のうち、厚みが100μm未満のものをフィルムという。
前記合成樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。
前記紙としては、クラフト紙、段ボール紙等が挙げられる。
前記織布としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セルロース繊維等を使用して織り上げた布等が挙げられる。
前記不織布としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セルロース繊維等からなる湿式不織布、長繊維不織布等が挙げられる。
前記セメント系パネルとしては、例えば、硬質木片セメント板、無機繊維含有スレート板、軽量気泡コンクリート板、モルタル板、プレキャストコンクリート板等が挙げられる。
前記無機セラミック系パネルとしては、例えば、石膏ボード、けい酸カルシウム板、炭酸カルシウム板、ミネラルウール板、窯業系板等が挙げられる。
アルミクラフト、銅箔、金箔等の金属箔が挙げられる。
前記外装材は通常は厚みのある長方形の形状を有するが、目的、用途に応じて、その形状、厚みを適宜調整することができる。
前記断熱層に使用する素材としては、例えば、樹脂系断熱材、無機系断熱材等を挙げることができる。
ここで前記樹脂系断熱材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、アクリル、塩化ビニル、ポリビニルアルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、トリ酢酸セルロース等からなるものが挙げられる。自消性であって建築材として適合性がよいことからポリカーボネート、塩化ビニルが好適である。
また、無機系断熱材としては、例えば、前記セメント系パネル、無機セラミック系パネルの他、ロックウール、セラミックウール、グラスウール等の無機繊維を含むもの等を挙げることができる。
最初に、前記ウレタン樹脂組成物に使用するウレタン樹脂について説明する。
前記ウレタン樹脂としては、例えば、主剤としてのポリイソシアネート化合物、硬化剤としてのポリオール化合物等を含むものが挙げられる。
前記ウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
前記ポリイソシアネート化合物は一種もしくは二種以上を使用することができる。
前記ウレタン樹脂の主剤は、使い易いこと、入手し易いこと等の理由から、ジフェニルメタンジイソシアネートが好ましい。
この範囲は、1500〜15000の範囲であれば好ましく、2000〜10000の範囲であればより好ましい。
前記ポリオール化合物の重量平均分子量が1000〜20000の範囲の場合には、本発明に使用するウレタン樹脂組成物を硬化して得られるポリウレタンフォームが防音性に優れ、取り扱い易いものとなる。
なお、本発明に使用する前記ポリオール化合物の中に分子量が1000未満のものが含まれる場合でも、分子量が大きいものと組み合わせることにより、前記ポリオール化合物全体の重量平均分子量の値を1000〜20000の範囲に収めることが可能である。
前記ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオールなどの水酸基含有化合物と、ジエチレンカーボネート、ジプロピレンカーボネートなどとの脱アルコール反応により得られるポリオール等が挙げられる。
前記脂環族ポリオールとしては、例えば、シクロヘキサンジオール、メチルシクロヘキサンジオール、イソホロンジオール、ジシクロヘキシルメタンジオール、ジメチルジシクロヘキシルメタンジオール等が挙げられる。
前記脂肪族ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等が挙げられる。
前記ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合して得られる重合体、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを開環重合して得られる重合体、ヒドロキシカルボン酸と上記多価アルコール等との縮合物が挙げられる。
また前記多価アルコールとしては、具体的には、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
また前記ヒドロキシカルボン酸としては、具体的には、例えば、ひまし油、ひまし油とエチレングリコールの反応生成物等が挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、グリセリン及びトリメチロールプロパン等の三価アルコール、
ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン、ジペンタエリスリトール等、ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体等の四〜八価のアルコ―ル、
フェノール、フロログルシン、クレゾール、ピロガロ―ル、カテコール、ヒドロキノン、ビスフェノ―ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、1−ヒドロキシナフタレン、1,3,6,8−テトラヒドロキシナフタレン、アントロール、1,4,5,8−テトラヒドロキシアントラセン、1−ヒドロキシピレン等のフェノ―ル類、
ポリブタジエンポリオール、
ひまし油系ポリオール、
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの(共)重合体及びポリビニルアルコール等の多官能(例えば官能基数2〜100)ポリオール、フェノールとホルムアルデヒドとの縮合物(ノボラック)が挙げられる。
前記AOとしては、炭素数2〜6のAO、例えば、エチレンオキサイド(以下、EOと略す)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略す)、1,3−プロピレオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも性状や反応性の観点から、PO、EOおよび1,2-ブチレンオキサイドが好ましく、POおよびEOがより好ましい。
AOを二種以上使用する場合(例えば、POおよびEO)の付加方法としては、ブロック付加であってもランダム付加であってもよく、これらの併用であってもよい。
前記活性水素を2個以上有する低分子量活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類、
グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール類、
エチレンジアミン、ブチレンジアミン等のアミン類等が挙げられる。
前記ウレタン樹脂の主剤であるポリイソシアネート化合物と硬化剤であるポリオール化合物とを、ポリオール化合物および水の活性水素基(OH)とポリイソシアネート化合物中の活性イソシアネート基(NCO)の割合(NCO/OH)が当量比で、0.7〜10.0の範囲となるように通常混合する。この範囲は0.9〜8.0の範囲であることが好ましく、0.9〜7.0の範囲であることがより好ましく、0.9〜6.0の範囲であることが更に好ましく、0.9〜3.0の範囲であることが最も好ましい。
前記当量比が0.7以上ではウレタン樹脂の粘度が高くなりすぎることを防ぐことができ、10.0以下では良好な接着強度を保つことができる。
前記ウレタン硬化触媒としては、例えばアミノ化合物、錫化合物、アセチルアセトン金属塩等が挙げられる。
テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、トリフェニルアンモニウム塩等が挙げられる。
0.01重量部以上10重量部以下の場合には取り扱い易く反応の制御が容易となる。
0.01重量部以上の場合にイソシアネートの三量化が阻害される不具合が生じず、10重量部以下の場合にウレタン結合の形成が阻害される不具合を軽減することができる。
本発明に使用するウレタン樹脂組成物に含まれるウレタン樹脂の発泡を促進するために、本発明に使用するウレタン樹脂組成物に対して発泡剤を添加することができる。
前記発泡剤としては、例えば、水、
プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の低沸点の炭化水素、
ジクロロエタン、プロピルクロリド、イソプロピルクロリド、ブチルクロリド、イソブチルクロリド、ペンチルクロリド、イソペンチルクロリド等の塩素化脂肪族炭化水素化合物、
トリクロルモノフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン等のフッ素化合物、
CHF3、CH2F2、CH3F等のハイドロフルオロカーボン、
ジクロロモノフルオロエタン、(例えば、HCFC141b(1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)、HCFC22(クロロジフルオロメタン)、HCFC142b(1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン))、HFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)、HFC−365mfa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)等のハイドロクロロフルオロカーボン化合物、
ジイソプロピルエーテル等のエーテル化合物、あるいはこれらの化合物の混合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
前記整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレン整泡剤、オルガノポリシロキサン等のシリコーン整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。
前記化学反応により硬化するウレタン樹脂に対する整泡剤の使用量は、使用する前記化学反応により硬化するウレタン樹脂により適宜設定されるが、一例を示すとすれば、例えば、前記ウレタン樹脂100重量部に対して、0.01重量部〜5部であることが好ましく、0.1重量部〜4部であることがより好ましく、1重量部〜3部であることが更に好ましい。
本発明に使用する赤リンに限定はなく、市販品を適宜選択して使用することができる。
前記赤リンの範囲が0.1重量部以上の場合は、本発明に使用するウレタン樹脂組成物の自己消火性が保持され、また60重量部以下の場合には本発明に使用するウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
前記周期律表IA族〜IVB族の金属として、リチウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、鉄(II)、鉄(III)、アルミニウム等が挙げられる。
また前記脂肪族アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、ピペラジン等が挙げられる。
また前記芳香族アミンとして、ピリジン、トリアジン、メラミン、アンモニウム等が挙げられる。
なお、上記のリン酸塩含有難燃剤は、シランカップリング剤処理、メラミン樹脂で被覆する等の公知の耐水性向上処理を加えてもよく、メラミン、ペンタエリスリトール等の公知の発泡助剤を加えても良い。
リン酸一ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、亜リン酸一ナトリウム、亜リン酸二ナトリウム、次亜リン酸ナトリウム等のナトリウム塩、
リン酸一カリウム、リン酸二カリウム、リン酸三カリウム、亜リン酸一カリウム、亜リン酸二カリウム、次亜リン酸カリウム等のカリウム塩、
リン酸一リチウム、リン酸二リチウム、リン酸三リチウム、亜リン酸一リチウム、亜リン酸二リチウム、次亜リン酸リチウム等のリチウム塩、
リン酸二水素バリウム、リン酸水素バリウム、リン酸三バリウム、次亜リン酸バリウム等のバリウム塩、
リン酸一水素マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、リン酸三マグネシウム、次亜リン酸マグネシウム等のマグネシウム塩、
リン酸二水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸三カルシウム、次亜リン酸カルシウム等のカルシウム塩、
リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、次亜リン酸亜鉛等の亜鉛塩、
第一リン酸アルミニウム、第二リン酸アルミニウム、第三リン酸アルミニウム、亜リン酸アルミニウム、次亜リン酸アルミニウム等のアルミニウム塩等が挙げられる。
前記モノリン酸塩含有難燃剤の範囲が0.1重量部以上の場合は、本発明に使用するウレタン樹脂組成物の自己消火性が保持され、また60重量部以下の場合には本発明に使用するウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
市販の縮合リン酸エステルとしては、例えば、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(商品名CR−733S)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名CR−741)、芳香族縮合リン酸エステル(商品名CR747)、レゾルシノールポリフェニルホスフェート(ADEKA社製、商品名アデカスタブPFR)、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート(商品名FP−600、FP−700)等を挙げることができる。
前記リン酸エステルの範囲が0.1重量部以上の場合には本発明に使用するウレタン樹脂組成物からなる成形体が着火しにくくなり、200重量部以下の場合には本発明に使用するウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
前記芳香族臭素化化合物の具体例としては、例えば、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールA等のモノマー系有機臭素化合物、
臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマー、前記ポリカーボネートオリゴマーとビスフェノールAとの共重合物等の臭素化ポリカーボネート、
臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物、臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物等の臭素化エポキシ化合物、
ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、
臭素化ポリフェニレンエーテル、
臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌールおよび臭素化フェノールの縮合物、
臭素化(ポリスチレン)、ポリ(臭素化スチレン)、架橋臭素化ポリスチレン等の臭素化ポリスチレン、
架橋または非架橋臭素化ポリ(−メチルスチレン)等のハロゲン化された臭素化合物ポリマーが挙げられる。
本発明に使用するウレタン樹脂組成物の自己消火性を高める観点から、香族環に臭素原子が置換した臭素化芳香環含有芳香族化合物が好ましく、臭素化ポリスチレン、ヘキサブロモベンゼン等がより好ましく、ヘキサブロモベンゼンがさらに好ましい。
前記臭素含有難燃剤の範囲が0.1重量部以上の場合は、本発明に使用するウレタン樹脂組成物の自己消火性が保持され、また60重量部以下の場合には本発明に使用するウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
前記酸化ホウ素としては、例えば、三酸化二ホウ素、三酸化ホウ素、二酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四ホウ素等が挙げられる。
前記ホウ酸塩としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、周期表第4族、第12族、第13族の元素およびアンモニウムのホウ酸塩等が挙げられる。
具体的には、ホウ酸リチウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸セシウム等のホウ酸アルカリ金属塩、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸バリウム等のホウ酸アルカリ土類金属塩、ホウ酸ジルコニウム、ホウ酸亜鉛、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。
前記ホウ素含有難燃剤の範囲が0.1重量部以上の場合は、本発明に使用するウレタン樹脂組成物の自己消火性が保持され、また60重量部以下の場合には本発明に使用するウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
前記酸化アンチモンとしては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等が挙げられる。
前記アンチモン酸塩としては、例えば、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸カリウム等が挙げられる。
前記ピロアンチモン酸塩としては、例えば、ピロアンチモン酸ナトリウム、ピロアンチモン酸カリウム等が挙げられる。
前記アンチモン含有難燃剤の範囲が0.1重量部以上の場合は、本発明に使用するウレタン樹脂組成物の自己消火性が保持され、また60重量部以下の場合には本発明に使用するウレタン樹脂組成物の発泡が阻害されない。
前記無機充填材としては、特に限定はないが、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカリウム塩、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、無機系リン化合物、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ジルコニア繊維等が挙げられる。
そこで本発明に使用するウレタン樹脂組成物を使用する前は、前記ウレタン樹脂組成物を二以上に分割して、前記ウレタン樹脂組成物が反応して硬化することを防止しておく。そして本発明に使用するウレタン樹脂組成物を使用する際に、二以上に分割しておいた前記ウレタン樹脂組成物を一つにまとめることにより、本発明に使用するウレタン樹脂組成物が得られる。
なお前記ウレタン樹脂組成物を二以上に分割するときは、二以上に分割されたウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分単独は硬化が始まらず、前記ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分を混合した後に硬化反応が始まるようにそれぞれの成分を分割すればよい。
前記ウレタン樹脂組成物の製造方法に特に限定はないが、例えば、前記ウレタン樹脂組成物の各成分を混合する方法、前記ウレタン樹脂組成物を有機溶剤に懸濁させたり、加温して溶融させたりして塗料状とする方法、溶剤に分散してスラリーを調製する等の方法、また前記ウレタン樹脂組成物に含まれる反応硬化性樹脂成分に25℃の温度において固体である成分が含まれる場合には、前記ウレタン樹脂組成物を加熱下に溶融させる等の方法により前記ウレタン樹脂組成物を得ることができる。
さらに触媒を除く前記ウレタン樹脂組成物の成分と、触媒とを注入直前に同様に混練して得ることもできる。
前記ウレタン樹脂組成物のそれぞれの成分を混合すると反応が始まり時間の経過と共に粘度が上昇し、流動性を失う。
例えば、前記ウレタン樹脂組成物を、金型、枠材等の容器へ注入して硬化させることにより、前記ウレタン樹脂組成物からなる成形体を得ることができる。
前記ウレタン樹脂組成物からなる成形体を得る際には、熱を加えたり、圧力を加えたりすることができる。
前記ウレタン樹脂組成物からなる成形体の比重に特に限定はないが、0.02〜0.20の範囲であることが好ましく、0.03〜0.15の範囲であることがより好ましく、0.03〜0.10の範囲が更に好ましく、0.04〜0.08の範囲が最も好ましい。
かかる成形体は比重が小さいことから取り扱い易い。
前記気泡は前記ポリウレタンフォーム内で独立した気泡ではなく、気泡同士が互いにつながった連続気泡であることが好ましい。
前記ポリウレタンフォームは防音性に優れながら着火しにくいという特性を備えている。
(a)ポリオール化合物
ポリエーテルポリオール(三洋化成社製、製品名:サンニックス GP−3000、水酸基価:56mgKOH/g、官能基数:3[一分子当たり])
(b)触媒
B−1:トリエチレンジアミン(東ソー社製、製品名:TEDA−L33)
B−2:オクチル酸第1スズ(日東化成社製、製品名:ネオスタンU−28)
B−3:ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル 70%ジプロピレングリコール溶液(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、製品名:NIAX CATALYST A−1)
B−4:3量化触媒(東ソー社製、製品名:TOYOCAT−TR20)
(c)発泡剤
水(純水)
HFC−365mfa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、セントラル硝子社製)
HFC−245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、日本ソルベイ社製)
混合比率 HFC−365mfa:HFC−245fa = 7:3(以下、「HFC」と記載)
(d)整泡剤
C−1:シリコーン系整泡剤(東レダウコーニング社製、製品名:SH192)
C−2:シリコーン系整泡剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製
製品名:NIAX CATALYST L−580)
D−1:TDI(日本ポリウレタン工業社製、製品名:コロネートT−80)イソシアネート含有率 48.2 %
D−2:MDI(日本ポリウレタン工業社製、製品名:ミリオネートMR−200)
粘度:167mPa・s、イソシアネート含有率 30.5〜32.0%
E−1:トリス(β−クロロプロピル)ホスフェ−ト(大八化学社製、製品名:TMCPP)
E−2:赤リン(燐化学工業社製、製品名:ノーバエクセル140)
E−3:リン酸二水素アンモニウム(関東化学社製、製品コード:01309−01)
E−4:ヘキサブロモベンゼン(マナック社製、製品名HBB−B)
撹拌後の(A)成分および(C)成分に対して整泡剤および発泡剤を加え、スリーワンモーターを用いて25℃、1200rpmの条件で約10秒間撹拌し、発泡体を作製した。
得られたウレタン樹脂組成物は時間の経過と共に流動性を失い、ウレタン樹脂組成物の硬化物を得た。前記硬化物を下記の基準により評価し、結果を表1に示した。
また参考例1に使用したポリイソシアネートのインデックス(イソシアネート基のモル数をイソシアネート反応性活性水素基の合計モル数で割った値に100を掛けた値)を表1に記載した。以下の参考例の場合も同様である。
硬化したウレタン樹脂組成物から125mm×13mm×10mmとなるように試験体を切出し、UL規格のUL94に準拠して燃焼試験を行った。各試験体を5本ずつ燃焼させ、その平均燃焼時間から燃焼性能を判断した。
V−0に相当する場合を◎とし、V−1に相当する場合を○とし、V−2に相当する場合を△とし、V−2よりも性能に劣る場合を×とし、結果を表1に示した。
またこの着火性試験の前後の重量の変化を百分率(%)により評価した。結果を表1に示す。
実施例1に係る防火防音パネル200に使用する耐火防音層は、先に説明した参考例1〜10のいずれの難燃剤を含むウレタン樹脂組成物を使用しても得ることができる。
得られる防火防音パネル200は、防音性と耐火性に優れる。
結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
結果を表1に示す。
実施例1の場合と比較して、難燃剤を使用しなかった他は、実施例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
比較例1の場合と比較して、ポリオール化合物を54.2重量部から62.5重量部に増量したこと、ポリイソシアネートD−2に代えて、ポリイソシアネートD−1を37.5重量部使用した他は、比較例1の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
比較例2の場合と比較して、難燃剤E−1を7.0重量部、E−2を6.0重量部、E−3を3.0重量部およびE−4を3.0重量部使用した他は、比較例2の場合と全く同様に実験を行った。
結果を表1に示す。
2 型枠
3 ウレタン樹脂組成物
20 枠材
30 開口部
40 空間
50 断熱層
100,110 防火防音パネル
Claims (9)
- 難燃剤を含むウレタン樹脂組成物を成形してなる耐火防音層と、外装材と、を積層してなる防火防音パネルであって、
前記難燃剤を含むウレタン樹脂組成物が、ウレタン樹脂を含み、
前記ウレタン樹脂に含まれるポリオール化合物の重量平均分子量が、1000〜20000の範囲であり、
前記難燃剤が、赤リンおよびリン酸塩含有難燃剤の少なくとも一方であり、
前記ウレタン樹脂100重量部に対して、前記赤リンおよびリン酸塩含有難燃剤の少なくとも一つが、0.1重量部〜60重量部の範囲であることを特徴とする、
防火防音パネル。 - 前記難燃剤が、赤リンおよびリン酸塩含有難燃剤に加えて、リン酸エステル、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤およびアンチモン含有難燃剤よりなる群から選ばれる少なくとも一つを含む、請求項1に記載の防火防音パネル。
- 前記難燃剤に含まれるリン酸エステル、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤およびアンチモン含有難燃剤よりなる群から選ばれる少なくとも一つが、それぞれウレタン樹脂100重量部に対して、0.1重量部〜60重量部の範囲である、請求項2に記載の防火防音パネル。
- 前記難燃剤を含むウレタン樹脂組成物が、前記ウレタン樹脂に含まれるイソシアネート基の三量化反応を促進する三量化触媒を含み、
前記三量化触媒が、前記ウレタン樹脂100重量部に対して、0.01重量部〜10重量部の範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載の防火防音パネル。 - 前記難燃剤を含むウレタン樹脂組成物が、整泡剤および発泡剤の少なくとも一つを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の防火防音パネル。
- 前記耐火防音層が、対向する二枚の外装材の間に配置されている、請求項1〜5のいずれかに記載の防火防音パネル。
- 前記耐火防音層に加えて、断熱層が付加されている、請求項1〜6のいずれかに記載の防火防音パネル。
- 枠材が、前記対向する二枚の外装材の外周に設置されている、請求項1〜7のいずれかに記載の防火防音パネル。
- 前記外装材が、有機材料、無機材料および金属材料からなる群より選ばれる少なくとも一つからなる、請求項1〜8のいずれかに記載の防火防音パネル。
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