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JP2019108422A - 共重合体組成物およびその用途 - Google Patents

共重合体組成物およびその用途 Download PDF

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JP2019108422A JP2017240518A JP2017240518A JP2019108422A JP 2019108422 A JP2019108422 A JP 2019108422A JP 2017240518 A JP2017240518 A JP 2017240518A JP 2017240518 A JP2017240518 A JP 2017240518A JP 2019108422 A JP2019108422 A JP 2019108422A
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啓介 宍戸
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Mikio Hosoya
三樹男 細谷
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Kotaro Ichino
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Abstract

【課題】本発明は、更に体積固有抵抗率が高く、且つ、モジュラスおよび強度に優れる成形体を得るに好適な共重合体組成物を開発することを目的とする。【解決手段】本発明は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)100質量部、および不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)11〜29質量部を含有することを特徴とする共重合体組成物に係る。【選択図】なし

Description

本発明は、ホース用に好適なエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物、当該組成物からなるホースに関する。
自動車、産業機械、建設機械、モーターバイク、農業機械等にはエンジンを冷却するためのラジエーターホース、ラジエーターオーバーフロー用ドレインホース、室内暖房用ヒーターホース、エアコンドレインホース、ワイパー送水ホース、ルーフドレインホース、プロラクトホース等の各種ホースが装着されている。これらのホースは耐オゾン性、耐候性、耐熱性の良いエチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)が使用されている。
例えば、特開平9−25374号公報(特許文献1)には、エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムをゴム成分とする加硫ゴムであって、その30%圧縮時の体積電気抵抗率が105 Ω・cm以上である加硫ゴムを最外層に用いたラジエーターホースが提案されている。
当該特許文献1の実施例5には、無加圧時の体積電気抵抗率が9.2×109Ω・cmの加硫ゴムを得たことが記載されているが、未加硫物の押出加工性は×と評価されている。そして、未加硫物の押出加工性が○と評価されている加硫ゴムの無加圧時の体積電気抵抗率は、最大で3.5×107Ω・cmであることが記載されている。
一方、自動車のハイブリッド化の進展に伴う電装化により、より体積抵抗率が高いラジエーターホース等の水系ホースへの要求が高まっている。
特開平9−25374号公報
本発明は、更に体積固有抵抗率が高く、且つ、モジュラスおよび強度に優れる成形体を得るに好適な共重合体組成物を開発することを目的とする。
本発明は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)100質量部、および不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)11〜29質量部を含有することを特徴とする共重合体組成物に係る。
本発明の共重合体組成物は、モジュラスおよび強度に優れ、且つ体積固有抵抗が大幅に向上した成形体を得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の共重合体組成物は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)、および不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)を含有する。
《エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)》
本発明の共重合体組成物を構成するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)〔以下、「共重合体(A)」と略称する場合がある。〕はエチレンと、炭素数3〜20のα−オレフィンと、非共役ポリエンとをランダム共重合して得られるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体である。
上記α−オレフィンは通常、炭素数3〜20のα−オレフィンであり、中でもプロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数3〜10のα−オレフィンが好ましく、特にプロピレン、1−ブテンが好ましく用いられる。
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の具体例としては、エチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体、エチレン・1−ブテン・非共役ポリエン共重合体が好ましく用いられる。
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)は、エチレンとα−オレフィンとのモル比(エチレン/α−オレフィン)が通常、40/60〜90/10、好ましくは50/50〜80/20、特に好ましくは55/45〜70/30の範囲にあるものが望ましい。
前記非共役ポリエンとしては、環状または鎖状の非共役ポリエンが用いられる。環状非共役ポリエンとしては、たとえば5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、メチルテトラヒドロインデンなどがあげられる。また鎖状の非共役ポリエンとしては、たとえば1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、8−メチル−4−エチリデン−1,7−ノナジエン、4−エチリデン−1,7−ウンデカジエンなどがあげられる。これらの非共役ポリエンは、単独または2種以上混合して用いられ、その共重合量は、ヨウ素価表示で1〜40、好ましくは2〜35、より好ましくは3〜30であることが望ましい。
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、通常、135℃デカヒドロナフタレン中で測定した極限粘度〔η〕が0.8〜4dl/g、好ましくは1〜3.5dl/g、より好ましくは1.1〜3dl/gの範囲にある。
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、不飽和カルボン酸またはその誘導体、例えば酸無水物などがグラフト共重合した変性物であってもよい。
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)としては、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体が最も好ましい。
本発明に係わるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。上記のような特性を有するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、「ポリマー製造プロセス((株)工業調査会発行、P.309〜330)」などに記載されているような公知の方法により調製することができる。
《不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)》
本発明の共重合体組成物を構成する不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)〔以下、「変性エチレン系共重合体(B)」と略称する場合がある。〕は、エチレン・α−オレフィン共重合体を不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性することにより得られる共重合体である。
前記変性エチレン系共重合体(B)の密度は、好ましくは860kg/m3以上880kg/m3未満、より好ましくは860〜875kg/m3、さらに好ましくは865〜875kg/m3である。変性エチレン系共重合体(B)の密度が前記範囲であると、本発明の組成物は柔軟性と物性のバランスに優れる。
前記変性エチレン系共重合体(B)は、示差走査熱量分析(DSC)によって測定された融点が20℃以上60℃未満であるか、または示差走査熱量分析(DSC)により融点を示すピークが観察されないことが好ましい。変性エチレン系共重合体(B)がこの条件を満たすと、混練成形時の共重合体(A)への分散性に優れる。示差走査熱量分析(DSC)により融点を示すピークが観察される場合、融点は、より好ましくは30℃以上60℃未満、さらに好ましくは40℃以上60℃未満である。
前記変性エチレン系共重合体(B)におけるグラフト率は、グラフト変性前のエチレン・α−オレフィン共重合体100質量部に対する、グラフトされた不飽和カルボン酸またはその誘導体の量として、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.1〜5重量%である。グラフト率が前記範囲内にあると、本発明の共重合体組成物は良好な機械的性質が得られる。
前記変性エチレン系共重合体(B)の製造に供されるエチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンから導かれる単位と、炭素数3以上、好ましくは炭素数3〜20のα−オレフィンから導かれる単位とを含む共重合体であり、ランダム共重合体でも、ブロック共重合体でもよい。
α−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセンおよび12−エチル−1−テトラデセンなどが挙げられる。なかでも、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンが好ましく、特にプロピレンが好ましい。これらα−オレフィンは、単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
エチレン・α−オレフィン共重合体におけるエチレンから導かれる構造単位の含有量は、エチレン・α−オレフィン共重合体に含まれる全構造単位に対し、通常、50.0モル%以上100モル%未満、好ましくは80.0〜99.5モル%、さらに好ましくは90.0〜99.0モル%である。
エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、これをグラフト変性して得られるグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の密度が前記範囲内になるような密度であることが好ましく、具体的には850〜880kg/m3、より好ましくは855〜875kg/m3である。
エチレン・α−オレフィン共重合体の融点は、これをグラフト変性して得られるグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)の融点が前記条件を満たすような融点であることが好ましく、具体的には、示差走査熱量分析(DSC)によって測定された融点が20〜70℃であるか、または示差走査熱量分析(DSC)により融点を示すピークが観察されないことであり、より好ましく、示差走査熱量分析(DSC)によって測定された融点が30〜60℃であるか、または示差走査熱量分析(DSC)により融点を示すピークが観察されないことである。
エチレン・α−オレフィン共重合体のメルトフローレート(MFR;ASTM D 1238,190℃、2.16kg荷重)は、好ましくは0.1〜100g/10分、より好ましくは0.2〜50g/10分、さらに好ましくは0.3〜20g/10分である。
密度、エチレン含有量およびMFRが前記のような範囲にある変性エチレン系共重合体(B)を用いると、得られる共重合体組成物の加工性とゴム弾性とのバランスが良好になる。
前記エチレン・α−オレフィン共重合体のグラフト変性に用いられる不飽和カルボン酸またはその誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2,3−ジカルボン酸(ナジック酸、商標)、メチル−エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン-2,3−ジカルボン酸(メチルナジック酸、商標)等の不飽和カルボン酸;これらの不飽和カルボン酸の無水物;不飽和カルボン酸ハライド、不飽和カルボン酸アミド、不飽和カルボン酸イミドおよび不飽和カルボン酸のエステル等の誘導体などが挙げられる。より具体的には、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、グリシジルマレエートおよびメタクリル酸メチルなどを挙げることができる。これらの中では、アクリル酸、マレイン酸、ナジック酸、無水マレイン酸、無水ナジック酸、メタクリル酸メチルが好ましい。不飽和カルボン酸またはその誘導体は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
前記変性エチレン系共重合体(B)は、ポリオレフィンの従来公知のグラフト変性方法、たとえば押出機等を使用して、無溶媒で、エチレン・α−オレフィン共重合体をグラフトモノマー、すなわち不飽和カルボン酸またはその誘導体によりグラフト変性させることにより製造することができる。いずれのグラフト変性方法の場合にも、グラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開始剤の存在下にグラフト反応を行うことが好ましい。
ラジカル開始剤は、エチレン・α−オレフィン共重合体100質量部に対して、好ましくは0.001〜1質量部、より好ましくは0.01〜0.5質量部の割合で使用される。
ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステル、アゾ化合物などを使用することができる。より具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル-2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン;tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレートおよびtert−ブチルペルジエチルアセテート;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどが挙げられる。
これらのうちでは、ジクミルペルオキシド、ジtert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルペルオキシドが好ましい。
ラジカル開始剤を使用したグラフト反応、あるいはラジカル開始剤を使用せずに行うグラフト反応の反応温度は、通常120〜350℃の範囲内に設定される。
<共重合体組成物>
本発明の共重合体組成物は、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)100質量部、および上記変性エチレン系共重合体(B)11〜29質量部、好ましくは15〜25質量部を含む組成物である。
変性エチレン系共重合体(B)の含有量が上記範囲にあると、共重合体(A)と変性エチレン系共重合体(B)とが相溶した組成物を容易に得ることができ、モジュラスおよび強度に優れ、且つ体積固有抵抗が大幅に向上した成形体を得ることができる。
本発明の共重合体組成物は、上記共重合体(A)および上記変性エチレン系共重合体に加え、所望の目的に応じて他の成分を本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。他の成分としては、例えば、フィラー、架橋助剤、加硫促進剤、加硫助剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、活性剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤、増粘剤、発泡剤および発泡助剤から選ばれる少なくとも1種を含有してもよい。また。それぞれの添加剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〈フィラー〉
本発明の共重合体組成物を構成するフィラーは、ゴム組成物に配合される公知のゴム補強剤であり、通常、カーボンブラック、無機補強剤と呼称されている無機物である。
本発明に係わるフィラーとしては、具体的には、旭#55G、旭#60G(以上、旭カーボン(株)製)、シースト(SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MT等)のカーボンブラック(東海カーボン(株)製)、これらカーボンブラックをシランカップリング剤等で表面処理したのもの、および、シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー等が挙げられる。
これらフィラーは、単独でも、二種以上の混合物であってもよい。
本発明に係わるフィラーとしては、好ましくは、カーボンブラック、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレー等が用いられる。
本発明の共重合体組成物がフィラーを含む場合は、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)100質量部に対し、通常、100〜300質量部、好ましくは、100〜250質量部の範囲で配合すればよい。
〈架橋剤、架橋助剤、加硫促進剤および加硫助剤〉
架橋剤としては、有機過酸化物、フェノール樹脂、硫黄系化合物、ヒドロシリコーン系化合物、アミノ樹脂、キノンまたはその誘導体、アミン系化合物、アゾ系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物等の、ゴムを架橋する際に一般に使用される架橋剤が挙げられる。これらのうちでは、有機過酸化物、硫黄系化合物(以下「加硫剤」ともいう)が好適である。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルペルオキシド(DCP)、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、ert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシドが挙げられる。
架橋剤として、有機過酸化物を用いる場合、共重合体組成物中のその配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)および必要に応じて配合される架橋が必要な他のポリマー(架橋性ゴム等)の合計100質量部に対して、一般に0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部である、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。有機過酸化物の配合量が上記範囲内であると、得られる成形体表面へのブルームなく、共重合体組成物が優れた架橋特性を示すので好適である。
架橋剤として、有機過酸化物を用いる場合、架橋助剤を併用することが好ましい。架橋助剤としては、例えば、イオウ;p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系架橋助剤;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系架橋助剤;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系架橋助剤;マレイミド系架橋助剤;ジビニルベンゼン;酸化亜鉛(例えば、ZnO#1・酸化亜鉛2種(JIS規格(K−1410))、ハクスイテック(株)製)、酸化マグネシウム、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業(株)製)などの酸化亜鉛)、活性亜鉛華等の金属酸化物が挙げられる。
架橋助剤を用いる場合、共重合体組成物中の架橋助剤の配合量は、有機過酸化物1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.5〜7モル、より好ましくは1〜6モルである。
硫黄系化合物(加硫剤)としては、例えば、硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレンが挙げられる。
架橋剤として硫黄系化合物を用いる場合、共重合体組成物中のその配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)および必要に応じて配合される架橋が必要な他のポリマー(架橋性ゴム等)の合計100質量部に対して、通常は0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜7.0質量部、さらに好ましくは0.7〜5.0質量部である。硫黄系化合物の配合量が上記範囲内であると、得られる成形体の表面へのブルームがなく、共重合体組成物が優れた架橋特性を示す。
架橋剤として硫黄系化合物を用いる場合、加硫促進剤を併用することが好ましい。
加硫促進剤としては、例えば、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N'−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール(例えば、サンセラーM(商品名;三新化学工業社製))、2−(4−モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール(例えば、ノクセラーMDB−P(商品名;大内新興化学工業社製))、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾールおよびジベンゾチアジルジスルフィド(例えば、サンセラーDM(商品名;三新化学工業社製))などのチアゾール系加硫促進剤;ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジンおよびジオルソトリルグアニジンなどのグアニジン系加硫促進剤;アセトアルデヒド・アニリン縮合物およびブチルアルデヒド・アニリン縮合物などのアルデヒドアミン系加硫促進剤;2−メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系加硫促進剤;テトラメチルチウラムモノスルフィド(例えば、サンセラーTS(商品名;三新化学工業社製))、テトラメチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTT(商品名;三新化学工業社製))、テトラエチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTET(商品名;三新化学工業社製))、テトラブチルチウラムジスルフィド(例えば、サンセラーTBT(商品名;三新化学工業社製))およびジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(例えば、サンセラーTRA(商品名;三新化学工業社製))などのチウラム系加硫促進剤;ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(例えば、サンセラーPZ、サンセラーBZおよびサンセラーEZ(商品名;三新化学工業社製))およびジエチルジチオカルバミン酸テルルなどのジチオ酸塩系加硫促進剤;エチレンチオ尿素(例えば、サンセラーBUR(商品名;三新化学工業社製)、サンセラー22−C(商品名;三新化学工業社製))、N,N'−ジエチルチオ尿素およびN,N'−ジブチルチオ尿素などのチオウレア系加硫促進剤;ジブチルキサトゲン酸亜鉛などのザンテート系加硫促進剤が挙げられる。
加硫促進剤を用いる場合、共重合体組成物中のこれらの加硫促進剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)および必要に応じて配合される架橋が必要な他のポリマー(架橋性ゴム等)の合計100質量部に対して、一般に0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。加硫促進剤の配合量が上記範囲内であると、得られる成形体の表面へのブルームなく、共重合体組成物が優れた架橋特性を示す。架橋剤として硫黄系化合物を用いる場合、加硫助剤を併用することができる。
加硫助剤としては、例えば、酸化亜鉛(例えば、ZnO#1・酸化亜鉛2種、ハクスイテック(株)製)、酸化マグネシウム、亜鉛華(例えば、「META−Z102」(商品名;井上石灰工業(株)製)などの酸化亜鉛)が挙げられる。
加硫助剤を用いる場合、共重合体組成物中の加硫助剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)および必要に応じて配合される架橋が必要な他のポリマー(架橋性ゴム等)の合計100質量部に対して、通常1〜20質量部である。
〈軟化剤〉
軟化剤としては、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;コールタール等のコールタール系軟化剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;蜜ロウ、カルナウバロウ等のロウ類;ナフテン酸、パイン油、ロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等のエステル系軟化剤;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、炭化水素系合成潤滑油、トール油、サブ(ファクチス)が挙げられ、これらのうちでは、石油系軟化剤が好ましく、プロセスオイルが特に好ましい。
共重合体組成物が軟化剤を含有する場合には、軟化剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)および必要に応じて配合される他のポリマー(エラストマー、架橋性ゴム等)成分の合計100質量部に対して、一般に2〜100質量部、好ましくは10〜100質量部である。
〈老化防止剤(安定剤)〉
本発明の共重合体組成物に、老化防止剤(安定剤)を配合することにより、これから形成されるシールパッキンの寿命を長くすることができる。このような老化防止剤として、従来公知の老化防止剤、例えば、アミン系老化防止剤、フェノール系老化防止剤、イオウ系老化防止剤などがある。
老化防止剤としては、例えば、フェニルブチルアミン、N,N−ジ−2−ナフチル−p―フェニレンジアミン等の芳香族第2アミン系老化防止剤;ジブチルヒドロキシトルエン、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン等のフェノール系老化防止剤;ビス[2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル]スルフィド等のチオエーテル系老化防止剤;ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等のジチオカルバミン酸塩系老化防止剤;2−メルカプトベンゾイルイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等のイオウ系老化防止剤等がある。
共重合体組成物が老化防止剤を含有する場合には、老化防止剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)および必要に応じて配合される他のポリマー(エラストマー、架橋性ゴム等)の合計100質量部に対して、通常は0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜7.0質量部である。老化防止剤の配合量が上記範囲内であると、得られる成形体の表面のブルームがなく、さらに加硫阻害の発生を抑制することができる。
〈加工助剤〉
加工助剤としては、一般に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛またはエステル類等が挙げられる。これらのうち、ステアリン酸が好ましい。
共重合体組成物が加工助剤を含有する場合は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)および必要に応じて配合される他のポリマー(エラストマー、架橋性ゴム等)の合計100質量部に対して、通常1〜3質量部の量で適宜配合することができる。加工助剤の配合量が前記範囲内であると、混練加工性、押出加工性、射出成形性等の加工性に優れるので好適である。
前記加工助剤は、1種単独であってもよく、2種以上であってもよい。
〈活性剤〉
活性剤としては、例えば、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエラノールアミン等のアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、レシチン、トリアリルートメリレート、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸の亜鉛化合物等の活性剤;過酸化亜鉛調整物;クタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物が挙げられる。
共重合体組成物が活性剤を含有する場合には、活性剤の配合量は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)および必要に応じて配合される他のポリマー(エラストマー、架橋性ゴム等)の合計100質量部に対して、通常は0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部である。
〈発泡剤および発泡助剤〉
本発明の共重合体組成物を用いて形成された成形体は、非発泡体であってもよいし、発泡体であってもよい。成形体が発泡体である場合には共重合体組成物には発泡剤が含まれていることが好ましい。
発泡剤としては、市販の発泡剤のいずれもが好適に使用される。このような発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等の無機系発泡剤;N,N'−ジニトロソテレフタルアミド、N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレート等のアゾ化合物;ベンゼンスルフォニルヒドラジド、トルエンスルフォニルヒドラジド、p,p'−オキシビス(ベンゼンスルフォニルヒドラジド)ジフェニルスルフォン−3,3'−ジスルフォニルヒドラジド等のスルフォニルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4'−ジフェニルジスルホニルアジド、パラトルエンマルホニルアジド等のアジド化合物が挙げられる。中でも、アゾ化合物、スルフォニルヒドラジド化合物、アジド化合物が好ましく用いられる。
共重合体組成物が、発泡剤を含有する場合には、発泡剤の配合量は、共重合体組成物から製造される成形体に要求される性能により適宜選択されるが、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)および必要に応じて配合される他のポリマー(エラストマー、架橋性ゴム等)の合計100質量部に対して、通常0.5〜30質量部、好ましくは1〜20質量部の割合で用いられる。
また、必要に応じて発泡剤とともに発泡助剤を併用しても差し支えない。発泡助剤の添加は、発泡剤の分解温度の調節、気泡の均一化などに効果がある。発泡助剤としては、具体的には、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、シュウ酸などの有機酸、尿素およびその誘導体などが挙げられる。
共重合体組成物が、発泡助剤を含有する場合には、発泡助剤の配合量は、発泡剤100質量部に対して、通常1〜100質量部、好ましくは2〜80質量部の割合で用いられる。
本発明に係わる共重合体組成物の製造方法としては、たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー(密閉式混合機)類により、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)および変性エチレン系共重合体(B)必要に応じて、フィラー、軟化剤、加工助剤、架橋助剤などを、80〜170℃の温度で2〜20分間混練する。次いで、得られたブレンド物に、架橋剤、軟化剤、架橋助剤加硫促進剤等の添加剤をオープンロールのようなロール類、あるいはニーダーを使用して、必要に応じて加硫促進剤、架橋助剤を追加混合し、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。
また、インターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴム(A)、変性エチレン系共重合体(B)などとともに架橋剤などを同時に混練してもよい。
<成形体>
本発明の共重合体組成物は、種々公知の成形加工方法、具体的には、例えば、押出成形、プレス成形、射出成形、カレンダー成形、中空成形等の各種の成形加工方法により、成形体とすることができる。さらに、上記成形加工方法で得られたシートなど成形体を熱成形などで二次加工、あるいは、他の材料と積層して成形体とすることができる。
本発明の共重合体組成物は、上記種々公知の成形加工方法で得られる成形体に加工して用い得るが、特に、ホース用組成物として好ましい。
《ホース》
本発明のホースは、上記本発明の共重合体組成物から形成された層を有する。本発明のホースは、上記本発明の共重合体組成物から形成された層のみからなる1層のホースであってもよく、2層以上の層を有するホースであってもよい。2層以上のホースとする場合は、例えば天然ゴムからなる層、布帛層、熱可塑性樹脂層および熱硬化性樹脂層から選ばれる層を1層または2層以上の層を有してもよい。
本発明の共重合体組成物からホースを製造する方法としては、例えば、共重合体組成物を、所望のホース形状に成形加工し、この成形と同時または成形加工後に、前記組成物を架橋処理する方法が挙げられる。
具体的には、例えば、(I)架橋剤を含む本発明の共重合体組成物を用い、所望形状に成形し加熱処理して架橋する方法、(II)本発明の共重合体組成物を、所望形状に成形し、電子線を照射して架橋する方法が挙げられる。
上記成形加工する際には、押出成形機、カレンダーロール、プレス成形機、射出成形機、トランスファー成形機等を用いて、本発明の共重合体組成物を、中空部を有するホース形状に成形する。
上記(I)の方法では、成形加工と同時または成形加工後に、その成形体を、例えば50〜200℃で1〜120分間加熱する。この加熱により、架橋処理を行い、または架橋処理とともに発泡処理を行う。架橋槽としては、例えば、スチーム加硫缶、熱空気加硫槽、ガラスビーズ流動床、溶融塩加硫槽、マイクロ波槽が挙げられる。これらの架橋槽は、1種単独で、または2種以上を組み合せて使用することができる。
上記(II)の方法では、成形と同時または成形後に、その成形体に対して、0.1〜10MeVのエネルギーを有する電子線を、吸収線量が通常0.5〜35Mrad、好ましくは0.5〜20Mradになるように照射する。
さらに、上記のようにして得られたホースの中空部にマンドレルを挿入して加熱する賦形処理を行ってもよい。賦形処理の後、ホースを冷却する。賦形処理では、架橋後のホースにマンドレルを挿入した後、最終賦形を行っているので、マンドレルの挿入時に表面傷や端部の潰れを防止することができ、不良品の発生を低下させて、複雑な形状のホースであっても、効率よくホースを製造することができる。
本発明のホースは、自動車用、モーターバイク用、工業機械用、建設機械用、農業機械用等に用いられるホースとして、好適に利用することができる。具体的には、エンジンを冷却するためのラジエーターホース、ラジエーターオーバーフロー用ドレインホース、室内暖房用ヒーターホース、エアコンドレインホース、ワイパー送水ホース、ルーフドレインホース、プロラクトホース等の自動車水系ホースとして、好適に利用することができる。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
また、実施例および比較例で用いた重合体並びに共重合体組成物などの物性は、下記方法で測定した。
《エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)》
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)として、下記製造方法で得られたエチレン/プロピレンのモル比が57.7/42.3、エチリデンノルボルネン(ENB)5.0重量%(ヨウ素価10.5)、のエチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン共重合体〔非共役ポリエン共重合体(a)〕を用いた。
〈エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(a1)の製造〉
攪拌翼を備えた容積300Lの重合器を用いて連続的に、エチレン、プロピレン、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)および5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)を用いた四元共重合反応を95℃にて行った。
重合溶媒としてヘキサン(最終濃度:84.9質量%)を用いて、エチレン濃度を3.6質量%、プロピレン濃度を9.6質量%、ENB濃度を1.9質量%およびVNB濃度を0.036質量%として原料を連続供給した。
重合圧力を1.6MPa(ゲージ圧)に保ちながら、主触媒として下記式(iii)で表される構造を有するメタロセン系触媒である(t−ブチルアミド)−ジメチル(η5−2−メチル−s−インダセン−1−イル)シランチタニウム(II)1,3−ペンタジエンを0.00045mmol/Lとなるよう連続的に供給した。また、共触媒として(C65)3CB(C65)4を0.0023mmol/L、有機アルミニウム化合物としてトリイソブチルアルミニウム(TIBA)を0.23mmol/Lとなるように、それぞれ連続的に供給した。
このようにして、エチレン、プロピレン、ENBおよびVNBからなる共重合体ゴムを16.8質量%含む重合反応液が得られた。重合器下部から抜き出した重合反応液中に少量のメタノールを添加して重合反応を停止させ、スチームストリッピング処理にてエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(a1)を溶媒から分離した後、80℃で一昼夜減圧乾燥した。
Figure 2019108422
〔エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(a1)の組成〕
日本電子製 ECX400P型核磁気共鳴装置を用いて、測定温度120℃、測定溶媒としてODCB−d4を使用し、積算回数を512回として、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(a1)の1Hのスペクトルを測定し組成を求めた。
〔ヨウ素価〕
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(a1)のヨウ素価は、滴定法により求めた値である。具体的には、以下の方法で行った。
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(a1)0.5gを四塩化炭素60mlに溶解し、少量のウィス試薬および20%ヨウ化カリウム溶液を加え、0.1mol/Lチオ硫酸ナトリウム溶液で適定した。終点付近では澱粉指示薬を加え、よく攪拌しながら薄紫色が消えるところまで適定し、試料100gに対する消費されるハロゲンの量としてヨウ素のg数を算出した。
〔極限粘度[η]〕
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(a1)の極限粘度[η]は、デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。
具体的には、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(a1)約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
極限粘度[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
《変性エチレン系共重合体(B)》
変性エチレン系共重合体(B)として、無水マレイン酸変性エチレン・1−ブテン共重合体〔変性エチレン系共重合体(b1)〕:タフマー(登録商標)MH−7020(Mitsui Elastomers Singapore Pte Ltd社製):密度:0.873g/cm3、MFR(190℃、2.16kg):0.7g/10minを用いた。
《エチレン系重合体》
エチレン系重合体として、密度0.870g/cm3、MFR(190℃、2.16kg)1.2g/10min、融点55℃のエチレン系共重合体〔タフマー(登録商標)DF−710(Mitsui Elastomers Singapore Pte Ltd社製)〕〔エチレン系重合体(d1)〕およびMFR1.3g/10min、密度0.920g/cm3、融点111℃の低密度ポリエチレン〔商品名:DND2450(株式会社NUC製)〕〔エチレン系重合体(d2)〕を用いた。
<共重合体組成物の物性の評価>
(1)ムーニー粘度(ML(1+4)100℃)およびムーニー粘度(ML(1+4)125℃)
100℃および125℃におけるムーニー粘度(ML(1+4)125℃)は、JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、100℃および125℃の条件下で測定した。
<加硫物の物性>
(1)硬さ試験(デュロ−A硬度)
JIS K 6253に従い、シートの硬度(タイプAデュロメータ、HA)の測定は、平滑な表面をもっている2mmの未架橋の共重合体組成物を加硫した架橋体シート6枚を用いて、平らな部分を積み重ねて厚み約12mmとして行った。ただし、試験片に異物の混入したもの、気泡のあるもの、およびキズのあるものは用いなかった。また、試験片の測定面の寸法は、押針先端が試験片の端から12mm以上離れた位置で測定できる大きさとした。
(2)引張試験
実施例および比較例で得た架橋体シートを打抜いてJIS K 6251(2001年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製した。この試験片を用いて同JIS K 6251に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、100%モジュラス(M1000)、引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)を測定した。
<電気特性(体積抵抗率)>
日本ゴム協会標準規格(SRIS)2304(1971)に準拠して体積抵抗率試験を行ない、架橋体の体積固有抵抗率を測定した。
<圧縮永久歪>
圧縮永久歪(CS)測定用試験片は、厚さ12.7mm、直径29mmの直円柱形の試験片を、170℃で20分間加硫して得た。得られた試験片をJIS K6262(1997)に従って、70℃で22時間処理後および72時間処理後の圧縮永久歪を測定した。
[実施例1]
MIXTRON BB MIXER(神戸製鋼所社製、BB−4型、容積2.95L、ローター4WH)を用いて、上記非共役ポリエン共重合体(a1)100質量部、上記変性エチレン系共重合体(b1)21質量部、フィラー(C)としてカーボンブラック(FEF)(商品名:旭#60G、旭カーボン(株)製)15質量部およびカーボンブラック(SRF)(商品名:旭#50G、旭カーボン(株)製)55質量部並びに重質炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンSB、白石カルシウム(株)製)90質量部に加え、活性亜鉛華(商品名:META−Z 102(メタZ102)、井上石灰工業(株)製)3質量部、ステアリン酸1質量部、ポリエチレングリコール(商品名:PEG#4000、ライオン(株)製)1質量部、酸化カルシウム(商品名:ベスタ18、井上石灰工業(株)製)6質量部、軟化剤としてパラフィン系プロセスオイル(ダイアナプロセスPW−380、出光興産(株)製)51質量部、および滑剤として商品名:エマスター430W、理研ビタミン(株)製3質量部とを混練し、共重合体組成物のシート(未架橋物)を製造した。混練条件は、ローター回転数50rpm、フローティングウェイト圧力3kg/cm2、混練時間5分間で行い、混練排出温度は145℃であった。
次に、第二段階として、第一段階で得られた共重合体組成物が温度40℃となったことを確認した後、8インチロールを用いて前記共重合体組成物に、加硫促進剤として三新化学工業(株)製「サンセラーDM」0.5質量部、三新化学工業(株)製「サンセラーBZ」1質量部、三新化学工業(株)製「サンセラーTBT」0.5質量部および三新化学工業(株)製「サンセラー22」1質量部、ならびに加硫剤としてイオウを1質量部混練した。混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール:50℃/50℃、ロール回転数を前ロール/後ロール:18rpm/15rpm、ロール間隙を2mmとして、混練時間8分間で分出した。
次に、この配合物からプレス成形機を用いて170℃で15分間加硫を行って、架橋体である厚み2mmのシートを調製した。また。圧縮永久歪測定用の架橋体は、170℃で20分間加硫して調製した。
得られた共重合体組成物および架橋体の物性を上記記載の方法で測定した。
結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1で用いた共重合体組成物に替えて、上記変性エチレン系共重合体(b1)を配合しない組成物を用いる以外は、実施例1と同様にして、共重合体組成物のシート(未架橋物)および架橋体を得た。
得られた共重合体組成物および架橋体の物性を上記記載の方法で測定した。
結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1で用いた変性エチレン系共重合体(b1)に替えて、エチレン系重合体(d1)を用いる以外は、実施例1と同様にして、共重合体組成物のシート(未架橋物)および架橋体を得た。
得られた共重合体組成物および架橋体の物性を上記記載の方法で測定した。
結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1で用いた変性エチレン系共重合体(b1)に替えて、エチレン系重合体(d2)を用いる以外は、実施例1と同様にして、共重合体組成物のシート(未架橋物)および架橋体を得た。
得られた共重合体組成物および架橋体の物性を上記記載の方法で測定した。
結果を表1に示す。
Figure 2019108422

Claims (6)

  1. エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)100質量部、および不飽和カルボン酸またはその誘導体がグラフトされたグラフト変性エチレン・α−オレフィン共重合体(B)11〜29質量部を含有することを特徴とする共重合体組成物。
  2. 上記不飽和カルボン酸またはその誘導体が、無水マレイン酸であることを特徴とする、請求項1に記載の共重合体組成物。
  3. 共重合体組成物が、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)100質量部に対し、さらに架橋剤(C)を0.1質量部以上10質量部以下の量を含有していることを特徴とする、請求項1または2に記載の共重合体組成物。
  4. 共重合体組成物が、自動車水系ホース用共重合体組成物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の共重合体組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の共重合体組成物の架橋体。
  6. 請求項5に記載の架橋体を含む自動車水系ホース。
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