JP2019187186A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、スイッチング素子を有するインバータと、インバータの出力を昇圧する昇圧トランスと、昇圧トランスの外側に設けられ漏洩磁束を遮蔽する遮蔽部に取り付けられた温度サーモを備え、温度サーモが昇圧トランスの異常加熱を検出するとスイッチング素子の動作を停止させる手法も知られている(特許文献2参照)。
一方、トランスのコアにおける鉄損を下げようとエアギャップを広げて磁束密度を下げた場合、トランスの大型化・コスト増に繋がる。
以下、本願の実施の形態1における電力変換装置を図1から図4に基づいて説明する。
図1は実施の形態1による電力変換装置のDC―DC回路の一例を示す回路構成図である。
図1に示す電力変換装置は、複数の半導体スイッチング素子1a〜1dで構成されるインバータ回路1の後段にトランス2を備え、トランス2の二次巻線側にブリッジダイオード3a〜3dをフルブリッジ構成にした整流回路3を備えている。整流回路3は高電圧の負荷装置4に接続される。半導体スイッチング素子1a〜1dは、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)又はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の自己消弧型半導体、ダイヤモンド系を用いた半導体スイッチング素子でもよい。
半導体スイッチング素子1a〜1dには温度センサ61が設けられ、トランス2のコア及び巻線部には温度センサ62が設けられ、ブリッジダイオード3a〜3dには温度センサ63が設けられている。各温度センサ61、62、63により計測された素子温度などの情報はスイッチング制御部5に伝達され、スイッチング制御部5内の温度判定部51により、予め設定された閾値以上か否か判定される。スイッチング制御部5は、例えばマイコンで構成される。
Wh=α・Bmβ・fγ ・・(4)
この時、αは最大磁束密度Bmの係数、βは最大磁束密度Bmの指数、γは周波数fの指数を示す。
Bm=(V・T・duty)/(S/n) ・・(5)
トランス2のコア材には例えば、結晶軟磁性材料またはフェライト性材料を用いる。
まず、ステップS101で、半導体スイッチング素子1a〜1dの温度、トランス2のコア温度および巻線温度、ブリッジダイオード3a〜3dの温度を、それぞれ温度センサ61、62、63で測定して検出する。次に、ステップS102にて、トランス2のコアに接続された温度センサ62により測定された温度情報がスイッチング制御部5内の温度判定部51に伝わり、トランス2のコア温度が第一閾値以上か否かを判定し、半導体スイッチング素子1a〜1dの周波数を変化させる状況であるかを判定する。
半導体スイッチング素子1a〜1d、トランス2のコアおよび巻線部、ブリッジダイオード3a〜3dにそれぞれ接続される温度センサ61、62、63は、例えばサーミスタを用いる。サーミスタは極僅かな温度変化に対しても電気抵抗の変化量が大きいため、正確に温度を観測でき、時間変化に対する温度変化量の分解能が高く、温度変化に対して制御開始時期を早期化できることから、素子の温度上昇に早急に対応できる。
半導体スイッチング素子1a〜1dの駆動周波数は、PWM制御を用いて、デューティ比固定のままオン期間を短縮することで上昇させる。図4において、基本周波数で半導体スイッチング素子1a〜1dを駆動させた場合の周期をT_reg、オン期間をtx_regとし、駆動周波数を上昇させた際の周期をT_up、オン期間をtx_upとした時、駆動周波数を変更する前後のデューティ比に関して、下式(6)の関係が成立する。
次に実施の形態2の電力変換装置について説明する。実施の形態2は、トランス2の巻線温度、半導体スイッチング素子1a〜1dの温度、ブリッジダイオード3a〜3dの温度の検出を、いずれか1つまたは全部を省略したものである。
即ち、実施の形態2の電力変換装置は、図3に示すフローチャートにおいて、ステップS103のトランス2の巻線温度の判定、ステップS104の半導体スイッチング素子1a〜1dの温度の判定、ステップS105のブリッジダイオード3a〜3dの温度の判定の、いずれか1つまたは全部を省略する。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
2:トランス、3:整流回路、3a、3b、3c、3d:ブリッジダイオード、
4:負荷装置、5:スイッチング制御部、
10a、10b、10c、10d:ドライバIC、
51:温度判定部(半導体スイッチング素子温度判定部、コア温度判定部、巻線温度判定部、ダイオード温度判定部)、
61:温度センサ(半導体スイッチング素子温度測定部)、
62:温度センサ(コア温度測定部、巻線温度測定部)、
63:温度センサ(ダイオード温度測定部)。
Claims (10)
- 複数の半導体スイッチング素子を有したインバータ回路と、前記インバータ回路により出力された電圧を昇圧または降圧するトランスと、前記トランスの後段に設けられた整流回路と、前記半導体スイッチング素子を制御するスイッチング制御部と、前記トランスのコア温度を測定するコア温度測定部と、前記コア温度測定部により測定された前記コア温度が所定の第一閾値以上か否かを判定するコア温度判定部とを備え、前記コア温度判定部が前記コア温度を前記第一閾値以上と判定した場合、前記スイッチング制御部は前記半導体スイッチング素子の駆動周波数を上昇させることを特徴とする電力変換装置。
- 前記電力変換装置は、前記トランスの巻線温度を測定する巻線温度測定部と、前記巻線温度測定部により測定された前記巻線温度が所定の第二閾値以上か否かを判定する巻線温度判定部とを備え、前記巻線温度判定部が前記巻線温度を前記第二閾値以上と判定した場合、前記スイッチング制御部は前記半導体スイッチング素子のスイッチング動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
- 前記電力変換装置は、前記半導体スイッチング素子の温度を測定する半導体スイッチング素子温度測定部と、前記半導体スイッチング素子温度測定部により測定された前記半導体スイッチング素子の温度が所定の第三閾値以上か否かを判定する半導体スイッチング素子温度判定部とを備え、前記半導体スイッチング素子温度判定部が前記半導体スイッチング素子の温度を前記第三閾値以上と判定した場合、前記スイッチング制御部は前記半導体スイッチング素子のスイッチング動作を停止させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力変換装置。
- 前記電力変換装置は、前記整流回路を構成するダイオードの温度を測定するダイオード温度測定部と、前記ダイオード温度測定部により測定された前記ダイオードの温度が所定の第四閾値以上か否かを判定するダイオード温度判定部とを備え、前記ダイオード温度判定部が前記ダイオードの温度を前記第四閾値以上であると判定した場合、前記スイッチング制御部は前記半導体スイッチング素子のスイッチング動作を停止させることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
- 前記コア温度測定部または前記巻線温度測定部は、サーミスタであることを特徴とする請求項2に記載の電力変換装置。
- 前記半導体スイッチング素子温度測定部は、サーミスタであることを特徴とする請求項3に記載の電力変換装置。
- 前記ダイオード温度測定部は、サーミスタであることを特徴とする請求項4に記載の電力変換装置。
- 前記スイッチング制御部は、PWM制御によりデューティ比固定のままオン期間を短縮することで周波数を上昇させることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
- 前記スイッチング制御部は、前記半導体スイッチング素子のスイッチング周波数を上昇させた場合において、前記コア温度が前記第一閾値よりも小さい値の第五閾値以下であると前記コア温度判定部が判定した場合、前記半導体スイッチング素子のスイッチング周波数を上昇する前の周波数で動作させることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電力変換装置。
- 前記半導体スイッチング素子がワイドバンドギャップ半導体であることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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