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JP2019159125A - 光輝性有彩色トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

光輝性有彩色トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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JP2019159125A
JP2019159125A JP2018045949A JP2018045949A JP2019159125A JP 2019159125 A JP2019159125 A JP 2019159125A JP 2018045949 A JP2018045949 A JP 2018045949A JP 2018045949 A JP2018045949 A JP 2018045949A JP 2019159125 A JP2019159125 A JP 2019159125A
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賢 高橋
聡美 原
Satomi Hara
聡美 原
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

【課題】目的とする色を呈し且つ光輝性に優れた画像が得られる光輝性有彩色トナーを提供する。【解決手段】光輝性顔料を含有する光輝性トナー粒子と、有彩色顔料を含有し光輝性顔料を含有しない非光輝性有彩色トナー粒子と、を含む光輝性有彩色トナー。【選択図】なし

Description

本発明は、光輝性有彩色トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
電子写真方式の画像形成は、一般的に、イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの4色のトナーを用いて色を再現する。また、金属光沢を有する画像の形成に、光輝性トナーが用いられている。
特許文献1には、光輝性顔料を含む光輝性トナーと、着色剤を含む少なくとも一種の有色トナーと、を有するトナーセットが開示されている。
特許文献2には、光輝性顔料を少なくとも含む第一の光輝性トナーと、光輝性顔料を少なくとも含み、第一の光輝性トナーとは異なる色を呈する第二の光輝性トナーと、を少なくとも有するトナーセットが開示されている。
特開2014−134636号公報 特開2014−021300号公報
本開示は、光輝性トナーと非光輝性有彩色トナーとのセット又は異なる色を呈する複数の光輝性トナーのセットに比べて、目的とする色を呈し且つ光輝性に優れた画像が得られる光輝性有彩色トナーを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段には、下記の態様が含まれる。
[1]
光輝性顔料を含有する光輝性トナー粒子と、
有彩色顔料を含有し光輝性顔料を含有しない非光輝性有彩色トナー粒子と、
を含む光輝性有彩色トナー。
[2]
前記光輝性トナー粒子が扁平状であり、前記光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度が0.90以上0.95以下である、[1]に記載の光輝性有彩色トナー。
[3]
前記光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度が0.91以上0.94以下である[2]に記載の光輝性有彩色トナー。
[4]
前記光輝性トナー粒子がさらに有彩色顔料を含有する、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
[5]
前記非光輝性有彩色トナー粒子として、互いに異なる色を呈する前記非光輝性有彩色トナー粒子を複数種類含む、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
[6]
前記非光輝性有彩色トナー粒子として、イエロートナー粒子、マゼンタトナー粒子及びシアントナー粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
[7]
チャージスペクトログラフ法により得られた前記光輝性トナー粒子の帯電分布の最大ピーク位置をP1とし、最大ピークの半値全幅をW1とし、
チャージスペクトログラフ法により得られた前記非光輝性有彩色トナー粒子の帯電分布の最大ピーク位置をP2とし、最大ピークの半値全幅をW2としたとき、
|P1−P2|が3mm以下であり、且つ、|W1−W2|が3mm以下である、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
[8]
前記非光輝性有彩色トナー粒子が、コア粒子と前記コア粒子を被覆する被覆層とを有し、前記被覆層の平均厚が0.15μm以上0.25μm以下である、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
[9]
前記光輝性トナー粒子が扁平状であり、前記光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度をC1とし、扁平面における平均円相当径をD1(μm)とし、
前記非光輝性有彩色トナー粒子の平均円形度をC2とし、平均円相当径をD2(μm)としたとき、下記の式1を満たす、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
式1:−0.02<(0.0084×D1+C1)−(0.0084×D2+C2)<+0.02
[10]
さらに、無彩色顔料を含有し光輝性顔料を含有しない非光輝性無彩色トナー粒子を含む、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
[11]
チャージスペクトログラフ法により得られた前記光輝性トナー粒子の帯電分布の最大ピーク位置をP1とし、最大ピークの半値全幅をW1とし、
チャージスペクトログラフ法により得られた前記非光輝性有彩色トナー粒子及び前記非光輝性無彩色トナー粒子の全体の帯電分布の最大ピーク位置をP2とし、最大ピークの半値全幅をW2としたとき、
|P1−P2|が3mm以下であり、且つ、|W1−W2|が3mm以下である、[10]に記載の光輝性有彩色トナー。
[12]
前記非光輝性有彩色トナー粒子及び前記非光輝性無彩色トナー粒子が、コア粒子と前記コア粒子を被覆する被覆層とを有し、前記被覆層の平均厚が0.15μm以上0.25μm以下である、[10]又は[11]に記載の光輝性有彩色トナー。
[13]
前記光輝性トナー粒子が扁平状であり、前記光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度をC1とし、扁平面における平均円相当径をD1(μm)とし、
前記非光輝性有彩色トナー粒子及び前記非光輝性無彩色トナー粒子の全体の平均円形度をC2とし、平均円相当径をD2(μm)としたとき、下記の式1を満たす、[10]〜[12]のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
式1:−0.02<(0.0084×D1+C1)−(0.0084×D2+C2)<+0.02
[14]
全体の流動度が20sec/50g以上40sec/50g以下である、[1]〜[13]のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
[15]
全体の流動度が25sec/50g以上35sec/50g以下である、[14]に記載の光輝性有彩色トナー。
[16]
前記光輝性トナー粒子が、前記光輝性有彩色トナーに含まれるトナー粒子全体の60個数%以上98個数%以下を占める、[1]〜[15]のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
[17]
前記光輝性トナー粒子が、前記光輝性有彩色トナーに含まれるトナー粒子全体の75個数%以上95個数%以下を占める、[16]に記載の光輝性有彩色トナー。
[18]
[1]〜[17]のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナーを含む静電荷像現像剤。
[19]
[1]〜[17]のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナーを収容し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
[20]
[18]に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
[21]
像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
[18]に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置。
[22]
像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
[18]に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法。
[1]、[4]〜[6]又は[10]に係る発明によれば、光輝性トナーと非光輝性有彩色トナーとのセット又は異なる色を呈する複数の光輝性トナーのセットに比べて、目的とする色を呈し且つ光輝性に優れた画像が得られる光輝性有彩色トナーが提供される。
[2]又は[3]に係る発明によれば、光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度が0.90未満である場合に比べて、目的とする色を呈し且つ光輝性に優れた画像が得られる光輝性有彩色トナーが提供される。
[7]又は[11]に係る発明によれば、前記P1と前記P2との差が3mm超、又は、前記W1と前記W2との差が3mm超である場合に比べて、目的とする色を呈し且つ光輝性に優れた画像が得られる光輝性有彩色トナーが提供される。
[8]又は[12]に係る発明によれば、前記被覆層の平均厚が0.15μm未満である場合に比べて、目的とする色を呈し且つ光輝性に優れた画像が得られる光輝性有彩色トナーが提供される。
[9]又は[13]に係る発明によれば、式1を満たさない場合に比べて、目的とする色を呈し且つ光輝性に優れた画像が得られる光輝性有彩色トナーが提供される。
[14]又は[15]に係る発明によれば、流動度が40sec/50gを超える場合に比べて、目的とする色を呈し且つ光輝性に優れた画像が得られる光輝性有彩色トナーが提供される。
[16]又は[17]に係る発明によれば、光輝性トナー粒子が60個数%未満である場合に比べて、光輝性に優れた画像が得られる光輝性有彩色トナーが提供される。
[18]に係る発明によれば、光輝性現像剤と非光輝性有彩色現像剤とのセット又は異なる色を呈する複数の光輝性現像剤のセットに比べて、目的とする色を呈し且つ光輝性に優れた画像が得られる静電荷像現像剤が提供される。
[19]に係る発明によれば、光輝性トナーと非光輝性有彩色トナーとのセット又は異なる色を呈する複数の光輝性トナーのセットを収容したトナーカートリッジセットに比べて、目的とする色を呈し且つ光輝性に優れた画像が得られるトナーカートリッジが提供される。
[20]に係る発明によれば、光輝性現像剤と非光輝性有彩色現像剤とのセット又は異なる色を呈する複数の光輝性現像剤のセットを収容したプロセスカートリッジに比べて、目的とする色を呈し且つ光輝性に優れた画像が得られるプロセスカートリッジが提供される。
[21]又は[22]に係る発明によれば、光輝性現像剤と非光輝性有彩色現像剤とのセット又は異なる色を呈する複数の光輝性現像剤のセットを用いる場合に比べて、目的とする色を呈し且つ光輝性に優れた画像が得られる画像形成装置又は画像形成方法が提供される。
光輝性トナーと非光輝性有彩色トナーとのセットを用いた場合における、画像の形成、転写及び定着の流れの一例を模式的に示した図である。 異なる色を呈する2種類の光輝性トナーのセットを用いた場合における、画像の形成、転写及び定着の流れの一例を模式的に示した図である。 光輝性トナー粒子と非光輝性有彩色トナー粒子とを含むトナーを用いた場合における、画像の形成、転写及び定着の流れの一例を模式的に示した図である。 チャージスペクトログラフ法の装置を模式的に示した図である。 乾式粒子複合化装置による樹脂の付着を行う前後における光輝性トナー粒子の扁平面の断面を模式的に示した図である。 本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下に、発明の実施形態を説明する。これらの説明及び実施例は実施形態を例示するものであり、発明の範囲を制限するものではない。
本開示において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本開示において、「静電荷像現像剤」を単に「現像剤」ともいう。
<光輝性有彩色トナー>
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、少なくとも、光輝性顔料を含有する光輝性トナー粒子と、有彩色顔料を含有し光輝性顔料を含有しない非光輝性有彩色トナー粒子とを含み、少なくとも光輝性トナー粒子と非光輝性有彩色トナー粒子とが混じり合ったトナーである。本実施形態において「有彩色」とは、色相、明度及び彩度をあわせ持つ色であり、無彩色以外の色である。
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、目的とする光輝性有彩色を再現するように、光輝性トナー粒子と非光輝性有彩色トナー粒子とを組み合せる。
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーによれば、光輝性トナーと非光輝性有彩色トナーとのセット又は異なる色を呈する複数の光輝性トナーのセットに比べて、目的とする色を呈し且つ光輝性に優れた画像が得られる。本効果が奏される推定機構を、図1A〜図1Cを参照しながら説明する。
光輝性トナーと非光輝性有彩色トナーとのセット及び異なる色を呈する複数の光輝性トナーのセット(以下、「トナーセット」と総称する。)は、目的とする色を作るために、中間転写体上又は記録媒体上に、複数種類のトナーを積層する。中間転写体上に複数種類のトナーを積層したのち記録媒体に転写する際に、トナー層の積層順が全体的に同じままで転写されずに部分的に入れ替わることがあり、その場合、定着画像に色ムラが発生する。また、中間転写体又は記録媒体いずれに積層する場合でも、トナー層の積層順によって定着画像の色が異なることがある。これらの事象は、目的とする色が淡い色である場合に顕著である。
トナーセットのうち光輝性トナーと非光輝性有彩色トナーとのセットは、中間転写体から記録媒体に転写する際に、トナー層の積層順が部分的に入れ替わったり乱れたりすることによって、定着画像中における光輝性顔料の配列が乱れたものとなり、定着画像の光輝性(特に、フロップ感)が不十分になることがある。図1Aは、本トナーセットを用いて画像を形成した場合を示しており、左から順に、中間転写体上のトナー粒子、記録媒体上のトナー粒子、定着画像を示す。図1A中、符号40は光輝性トナー粒子を示し、符号40Gは光輝性顔料を示し、符号60は非光輝性有彩色トナー粒子を示す。
トナーセットのうち異なる色を呈する複数の光輝性トナーのセットは、定着画像中において光輝性顔料が複数層となり、光が層間で反射して減衰することにより、定着画像の明るさが不十分になることがある。図1Bは、本トナーセットを用いて画像を形成した場合を示しており、左から順に、中間転写体上のトナー粒子、記録媒体上のトナー粒子、定着画像を示す。図1B中、符号40及び50は光輝性トナー粒子を示し、符号40G及び50Gは光輝性顔料を示す。光輝性トナー粒子40と光輝性トナー粒子50とは互いに異なる色を呈する。
これに対して、本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、目的とする色を呈するように光輝性トナー粒子と非光輝性有彩色トナー粒子とを混合した一トナーであるので、目的とする色を作るために、中間転写体上又は記録媒体上に、複数種類のトナーを積層する必要がない。
したがって、本実施形態に係る光輝性有彩色トナーによれば、転写に起因する定着画像の色ムラが抑制され、積層順の違いに起因する色差がない。
また、本実施形態に係る光輝性有彩色トナーによれば、トナーセットを使用する場合に比較してトナー載り量が少なくて済むので定着画像は薄くなり、定着画像中において光輝性顔料が配列しやすく且つ光輝性顔料が複数層となりにくい。その結果、本実施形態に係る光輝性有彩色トナーによれば、定着画像の光輝性(フロップ感や明るさ)が良好である。
図1Cは、本実施形態に係る光輝性有彩色トナーを用いて画像を形成した場合を示しており、左から順に、中間転写体上のトナー粒子、記録媒体上のトナー粒子、定着画像を示す。図1C中、符号40は光輝性トナー粒子を示し、符号40Gは光輝性顔料を示し、符号60は非光輝性有彩色トナー粒子を示す。
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、光輝性トナー粒子として、互いに異なる色を呈する光輝性トナー粒子を複数種含んでいてもよい。本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、非光輝性有彩色トナー粒子として、互いに異なる色を呈する非光輝性有彩色トナー粒子を複数種含んでいてもよい。本実施形態において「色が異なる」とは、色相、明度及び彩度の少なくとも1つが異なることを意味する。
本実施形態の一形態例は、例えば、光輝性トナー粒子として、銀色トナー粒子及び金色トナー粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。
本実施形態の一形態例は、例えば、非光輝性有彩色トナー粒子として、イエロートナー粒子、マゼンタトナー粒子及びシアントナー粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。
本実施形態の一形態例は、目的とする光輝性有彩色を再現するように、銀色トナー粒子及び金色トナー粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種と、イエロートナー粒子、マゼンタトナー粒子及びシアントナー粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種とを組み合せた光輝性有彩色トナーである。本形態例によれば、目的とする光輝性有彩色を呈する光輝性有彩色トナー粒子を製造することに比べて簡便に目的とする光輝性有彩色を再現することができる。
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、色味の調整のために、無彩色顔料を含有し光輝性顔料を含有しない非光輝性無彩色トナー粒子をさらに含み、少なくとも光輝性トナー粒子と非光輝性有彩色トナー粒子と非光輝性無彩色トナー粒子とが混じり合ったトナーでもよい。「無彩色」とは、色相、明度及び彩度のうち明度のみによって記述される色であり、白色、灰色及び黒色である。本実施形態において、「無彩色トナー粒子」の範疇には「透明トナー粒子」が含まれない。
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、色味の調整のために、色を有しない透明トナー粒子をさらに含み、少なくとも光輝性トナー粒子と有彩色トナー粒子と透明トナー粒子とが混じり合ったトナーでもよい。
本実施形態において、有彩色と無彩色とをあわせて有色といい、非光輝性有彩色トナー粒子と非光輝性無彩色トナー粒子とをあわせて非光輝性有色トナー粒子という。
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、画像の光輝性を担保する観点から、光輝性トナー粒子が、該トナーに含まれるトナー粒子全体の60個数%以上を占めることが好ましく、75個数%以上を占めることがより好ましい。
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーに含まれる光輝性トナー粒子の含有量の上限は、目的とする色に応じて設定されればよく一概に決まるものではないが、トナー粒子全体の98個数%以下が好ましく、95個数%以下がより好ましい。
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーに含まれるトナー粒子は、外添剤が外添されたトナー粒子であることが好ましい。
[光輝性有彩色トナーの帯電特性]
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、
チャージスペクトログラフ法により得られた光輝性トナー粒子の帯電分布の最大ピーク位置をP1とし、最大ピークの半値全幅をW1とし、
チャージスペクトログラフ法により得られた非光輝性有彩色トナー粒子の帯電分布の最大ピーク位置をP2とし、最大ピークの半値全幅をW2としたとき、
P1とP2との差が3mm以下であり、且つ、W1とW2との差が3mm以下であることが好ましい。
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーが非光輝性無彩色トナー粒子をも含む場合、
チャージスペクトログラフ法により得られた光輝性トナー粒子の帯電分布の最大ピーク位置をP1とし、最大ピークの半値全幅をW1とし、
チャージスペクトログラフ法により得られた非光輝性有彩色トナー粒子及び非光輝性無彩色トナー粒子の全体の帯電分布の最大ピーク位置をP2とし、最大ピークの半値全幅をW2としたとき、
P1と前記P2との差が3mm以下であり、且つ、W1とW2との差が3mm以下であることが好ましい。
P1とP2との差及びW1とW2との差が上記範囲であることにより、本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、目的とする色を呈する画像をより形成しやすくなる。その機構は、次のように推測される。
P1とP2との差及びW1とW2との差が上記範囲であると、光輝性有彩色トナーに含まれる光輝性トナー粒子と非光輝性有色トナー粒子とが、互いに帯電特性の類似したものとなる。そのため、光輝性トナー粒子の転写効率と非光輝性有色トナー粒子の転写効率との差が生じにくくなる。それにより、色ムラの発生が抑えられて、目的とする色を呈する画像が形成されるものと推測される。
以下、チャージスペクトログラフ法について説明する。
図2に示すように、チャージスペクトログラフ法では、長さlの円筒形容器内に、鉛直方向の速度vの空気層流と、この流れと垂直方向の電界Eとを形成する。この上端部中央から帯電した光輝性有彩色トナーを投入すると、光輝性有彩色トナーに含まれるトナー粒子は空気層流により下端部まで移動する間に電界Eの方向に移動する。円筒形容器の底面にフィルタを敷設しておき、フィルタ上に捕集された光輝性トナー粒子及び非光輝性有色トナー粒子それぞれについて、中心点0から電界Eの方向への分布を顕微鏡で測定する。
中心点0からの距離dは、トナー粒子の半径rと電荷量qとに依存する因子である。各トナー粒子において、距離dと、トナー粒子の半径rと、トナー粒子の電荷量qとの関係は下記式によって表される。
式:q/r=(6×π×η×d×v)/(l×E)
式中、ηは空気の粘性率である。ここで、光輝性トナー粒子の半径rは、光輝性トナー粒子が扁平状である場合、扁平面における円相当径の半分に相当する。
具体的なチャージスペクトログラフ法の測定条件は、以下の通りである。
円筒形容器の長さlは18cmであり、円筒形容器の上部アパーチャー径Aは0.7mmであり、円筒形容器の直径は6cmである。電界Eは100V/cmである。空気流の速度vは内圧を350mmHgに設定することで一定とする。
「帯電した光輝性有彩色トナー」は、光輝性有彩色トナー8部とキャリア100部とをターブラシェイカーミキサー(101回転/分)に入れ5分間攪拌することで得る。キャリアとしては、下記により製造されたものを用いる。
・フェライト粒子(平均粒径50μm) :100部
・トルエン : 14部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比15/85): 3部
・カーボンブラック :0.2部
フェライト粒子を除く上記材料をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、攪拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリアを得る。
前述のとおり、中心点0からの距離dは、トナー粒子の半径rと電荷量qとに依存する因子であるので、距離dの分布を帯電分布とみなす。具体的には、以下のようにして距離dの分布を調べ、最大ピーク位置及び半値全幅を求める。
レーザ顕微鏡(株式会社キーエンス製:VK8500)による観察において、フィルタ表面を50mm×10mmの領域(面積500mm)に区画化し、各領域内の光輝性トナー粒子及び非光輝性有色トナー粒子それぞれの個数を数える。中心点0から各領域の中心までの距離を横軸、各領域内に存在するトナー粒子の個数を縦軸にして、光輝性トナー粒子及び非光輝性有色トナー粒子それぞれについてヒストグラムを描く。光輝性トナー粒子のヒストグラムにおいて、個数がピークとなる距離をP1(単位:mm)とし、該ピークの半値全幅をW1(単位:mm)とする。非光輝性有色トナー粒子のヒストグラムにおいて、個数がピークとなる距離をP2(単位:mm)とし、該ピークの半値全幅をW2(単位:mm)とする。
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーが非光輝性無彩色トナー粒子をも含む場合、非光輝性有彩色トナー粒子と非光輝性無彩色トナー粒子とを区別することなく非光輝性有色トナー粒子全体について距離dの分布を測定する。光輝性有彩色トナーに非光輝性無彩色トナー粒子が含まれていない場合は、P2は、非光輝性有彩色トナー粒子の帯電分布の最大ピーク位置であり、W2は、非光輝性有彩色トナー粒子の最大ピークの半値全幅である。
P1とP2との差、即ち、|P1−P2|は、3mm以下が好ましく、2mm以下がより好ましく、1mm以下が更に好ましい。
W1とW2との差、即ち、|W1−W2|は、3mm以下が好ましく、2mm以下がより好ましく、1mm以下が更に好ましい。
P1に対するP2の比、即ち、P2/P1は、0.62以上1.6以下が好ましく、0.75以上1.25以下がより好ましく、0.85以上1.15以下が更に好ましい。
P1とP2との差及びW1とW2との差を前記範囲とする方法は特に限定されず、例えば、各トナー粒子に含まれる光輝性顔料以外の顔料として互いに帯電特性の類似した顔料を用いる方法、各トナー粒子表面における組成のばらつきを抑える方法、これらの方法の組み合わせ等が挙げられる。各トナー粒子表面における組成のばらつきを抑える方法としては、例えば、各トナー粒子表面に樹脂の被覆層を設ける方法が挙げられる。光輝性トナー粒子表面に樹脂の被覆層を設ける方法としては、乾式粒子複合化装置を用いて光輝性トナー母粒子に樹脂粒子を機械的に衝突させ樹脂により表面を被覆する方法が挙げられる。
[光輝性有彩色トナーの流動度]
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、該トナー全体の流動度が20sec/50g以上40sec/50g以下であることが好ましく、25sec/50g以上35sec/50g以下であることがより好ましく、25sec/50g以上30sec/50g以下であることが更に好ましい。
光輝性有彩色トナーの流動度が前記範囲であると、光輝性有彩色トナーが流動しやすいことで帯電分布のばらつきが抑制され、光輝性トナー粒子の転写効率と非光輝性有色トナー粒子の転写効率との差が生じにくくなる。それにより、色ムラが抑制されており目的とする色を呈する画像が形成されるものと推測される。
光輝性有彩色トナーの流動度は、温度25℃/相対湿度50%の環境で、JIS−Z2502:2000に従って測定される。
光輝性有彩色トナーの流動度を前記範囲とする方法は特に限定されず、例えば、光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度を後述する範囲とする方法が挙げられる。
[光輝性トナー粒子の特性]
本実施形態においては、光輝性トナー粒子が扁平状であることが好ましい。光輝性トナー粒子が扁平状であることにより、定着画像内において扁平状の光輝性顔料が配向しやすくなる。
扁平状である光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度は、0.90以上0.95以下が好ましく、0.91以上0.94以下がより好ましく、0.92以上0.93以下が更に好ましい。
本実施形態において、扁平状である光輝性トナー粒子の「扁平面」とは、水平な面に光輝性トナー粒子を置いたときに、鉛直方向に向いた面を指す。扁平状である光輝性トナー粒子は、通常、水平な面に置いて鉛直方向から観察したときに、光輝性トナー粒子の投影面積が最大又は最大に近い値になる。
光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度が上記範囲であることにより、本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、目的とする色を呈する画像をより形成しやすくなる。その機構は、次のように推測される。
一般的に、光輝性顔料は扁平でいびつな形状をしていることにより、光輝性顔料を含んだ光輝性トナー粒子も、扁平でいびつな形状となりやすく、光輝性トナー粒子ごとに形状や帯電特性が異なったものとなりやすい。そして、光輝性トナー粒子ごとに形状や帯電特性がばらつくと、光輝性トナー粒子ごとの転写効率にばらつきが発生し、定着画像に色ムラが発生することになる。
これに対して、光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度が前記範囲であると、扁平面の形状が真円に近く、光輝性トナー粒子ごとの形状や帯電特性のばらつきが抑制され、光輝性トナー粒子ごとの転写効率の差が抑制される。それにより、色ムラの発生が抑えられて、目的とする色を呈する画像が形成されるものと推測される。
光輝性トナー粒子の扁平面における平均円相当径は、8μm以下30μm以下が好ましく、8μm以下20μm以下がより好ましく、10μm以下20μm以下が更に好ましい。
光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度及び平均円相当径の測定方法は、以下の通りである。
光輝性有彩色トナーを、界面活性剤(例えば、テイカパワー、テイカ社)を含む水溶液に分散させて分散液を得る。得られた分散液をスライドガラスに滴下し、1時間放置する。その後、光学顕微鏡にて鉛直方向から観察及び撮像し、画像解析ソフト(例えば、ビジョンソフトウェア、コグネックス社)により、光輝性顔料を含有するトナー粒子像の円形度及び円相当径を測定する。光輝性顔料を含有することは、トナー粒子像の中央部の大部分を、光を透過しない領域(したがって黒く見える領域)が占めていることにより判別できる。ここで、円形度=4π×(トナー粒子像の面積)÷(トナー粒子像の周囲長)であり、円相当径=2√(トナー粒子像の面積÷π)である。光輝性トナー粒子500個についてトナー粒子像の円形度及び円相当径を求め、500個の値を平均して平均円形度及び平均円相当径を算出する。
光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度を前記範囲とする方法は特に限定されず、例えば、従来の光輝性トナー粒子(光輝性トナー母粒子という場合がある。)に樹脂を付着させる方法が挙げられる。光輝性トナー母粒子に樹脂を付着させる方法としては、例えば、乾式粒子複合化装置(例えば、ホソカワミクロン社製ノビルタ)を用いて光輝性トナー母粒子に樹脂粒子を機械的に衝突させる方法が挙げられる。
[非光輝性有彩色トナー粒子の特性]
非光輝性有彩色トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と有彩色顔料と離型剤等のその他添加剤とを含む芯部と、結着樹脂を含む被覆層とで構成されていることが好ましい。
非光輝性有彩色トナー粒子は、コア粒子と被覆層とを有するコア・シェル構造のトナー粒子であり、被覆層の平均厚さが0.15μm以上0.25μm以下であることが好ましい。このことにより、本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、目的とする色を呈する画像をより形成しやすくなる。その機構は、次のように推測される。
一般的に、トナー粒子の表面に顔料が露出していると、トナー粒子ごとに帯電特性が異なったものとなりやすい。そして、トナー粒子ごとに帯電特性がばらつくと、トナー粒子ごとの転写効率にばらつきが発生し、定着画像に色ムラが発生することになる。
これに対して、非光輝性有彩色トナー粒子がコア・シェル構造であると、顔料が露出しにくく、非光輝性有彩色トナー粒子ごとの帯電特性のばらつきが抑制され、非光輝性有彩色トナー粒子ごとの転写効率の差が抑制される。それにより、色ムラの発生が抑えられて、目的とする色を呈する画像が形成されるものと推測される。
非光輝性有彩色トナー粒子における被覆層の平均厚さが0.15μm以上であると、上記の効果が得られやすく、被覆層の平均厚さが0.25μm以下であると、定着画像の発色がよりよくなる。これらの観点から、被覆層の平均厚さは、0.18μm以上0.22μm以下が更に好ましい。
非光輝性有彩色トナー粒子の平均円形度は、0.94以上1.00以下が好ましく、0.95以上0.98以下がより好ましい。
非光輝性有彩色トナー粒子の平均円相当径は、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
[非光輝性無彩色トナー粒子の特性]
非光輝性無彩色トナー粒子は、単層構造のトナー粒子であってもよいし、芯部(コア粒子)と芯部を被覆する被覆層(シェル層)とで構成された所謂コア・シェル構造のトナー粒子であってもよい。コア・シェル構造のトナー粒子は、例えば、結着樹脂と無彩色顔料と離型剤等のその他添加剤とを含む芯部と、結着樹脂を含む被覆層とで構成されていることが好ましい。
非光輝性無彩色トナー粒子は、コア粒子と被覆層とを有するコア・シェル構造のトナー粒子であり、被覆層の平均厚さが0.15μm以上0.25μm以下であることが好ましい。このことにより、本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、目的とする色を呈する画像をより形成しやすくなる。その機構は、前述した非光輝性有彩色トナー粒子についての機構と同様である。被覆層の平均厚さは、0.18μm以上0.22μm以下が更に好ましい。
非光輝性無彩色トナー粒子の平均円形度は、0.94以上1.00以下が好ましく、0.95以上0.98以下がより好ましい。
非光輝性無彩色トナー粒子の平均円相当径は、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
非光輝性有彩色トナー粒子と非光輝性無彩色トナー粒子の特性は、以下の方法で測定する。本実施形態に係る光輝性有彩色トナーに非光輝性有彩色トナー粒子と非光輝性無彩色トナー粒子とが両方含まれている場合は、両者を区別することなく測定する。以下の説明において、非光輝性有彩色トナー粒子と非光輝性無彩色トナー粒子とに共通する事項については、「非光輝性有色トナー粒子」と総称して説明する。本実施形態に係る光輝性有彩色トナーに非光輝性無彩色トナー粒子が含まれていない場合は、以下の方法で測定される特性は、非光輝性有彩色トナー粒子の特性となる。
非光輝性有色トナー粒子の被覆層の平均厚さは、以下のようにして測定する。
光輝性有彩色トナーをエポキシ樹脂に混合して包埋し、エポキシ樹脂を固化する。得られた固化物を、ウルトラミクロトーム装置(例えば、Leica社製UltracutUCT)により切断し、厚さ80nm以上130nm以下の薄片試料を作製する。そして、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(FE−SEM。例えば、日立ハイテクノロジーズ社製S−4800)にて、薄片試料のSEM画像を得る。SEM画像中のトナー粒子から、光輝性顔料を含有せず光輝性顔料以外の顔料を含有するトナー粒子を任意に500個選び、トナー粒子ごとに、トナー粒子外縁に最も近い位置に存在する顔料外縁からトナー粒子外縁までの最短距離を測定し、500個の値を平均する。
非光輝性有色トナー粒子の平均円形度及び平均円相当径は、上記SEM画像中のトナー粒子から、光輝性顔料を含有せず光輝性顔料以外の顔料を含有するトナー粒子を任意に500個選び、トナー粒子ごとの円形度及び円相当径を求めて、500個の値を平均した値である。ここで、円形度=4π×(トナー粒子像の面積)÷(トナー粒子像の周囲長)であり、円相当径=2√(トナー粒子像の面積÷π)である。
非光輝性有彩色トナー粒子と非光輝性無彩色トナー粒子とを合わせた非光輝性有色トナー粒子全体の平均円形度は、0.94以上1.00以下が好ましく、0.95以上0.98以下がより好ましい。
非光輝性有彩色トナー粒子と非光輝性無彩色トナー粒子とを合わせた非光輝性有色トナー粒子全体の平均円相当径は、2μm以上10μm以下が好ましく、4μm以上8μm以下がより好ましい。
[光輝性有彩色トナーを構成するトナー粒子の形状特性]
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、
光輝性トナー粒子が扁平状であり、光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度をC1とし、扁平面における平均円相当径をD1(μm)とし、
非光輝性有彩色トナー粒子の平均円形度をC2とし、平均円相当径をD2(μm)としたとき、下記の式1を満たすことが好ましい。
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーが非光輝性無彩色トナー粒子をも含む場合、
光輝性トナー粒子が扁平状であり、光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度をC1とし、扁平面における平均円相当径をD1(μm)とし、
非光輝性有彩色トナー粒子及び非光輝性無彩色トナー粒子の全体の平均円形度をC2とし、平均円相当径をD2(μm)としたとき、下記の式1を満たすことが好ましい。
式1:−0.02<(0.0084×D1+C1)−(0.0084×D2+C2)<+0.02
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、上記式1を満たすことにより、目的とする色を呈し且つ光輝性により優れた画像が得られる。その機構は、次のように推測される。
{(0.0084×D1+C1)−(0.0084×D2+C2)}は、光輝性トナー粒子と非光輝性有色トナー粒子との表面積の差を示す指標である。
{(0.0084×D1+C1)−(0.0084×D2+C2)}が−0.02を超えて+0.02未満であることにより、光輝性トナー粒子と非光輝性有色トナー粒子との表面積の差が小さくなり、|P1−P2|及び|W1−W2|をより好ましい範囲に制御することが可能となり、目的とする色を呈する画像をより形成しやすくなる。この観点から、上記式は、−0.01を超えて+0.01未満がより好ましく、−0.005を超えて+0.005未満が更に好ましい。
[トナー粒子の成分]
トナー粒子を構成する成分を説明する。光輝性トナー粒子と非光輝性有彩色トナー粒子と非光輝性無彩色トナー粒子とに共通する事項については、「トナー粒子」と総称して説明する。
−結着樹脂−
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂が好適である。
ポリエステル樹脂としては、例えば、公知の非晶性ポリエステル樹脂が挙げられる。ポリエステル樹脂は、非晶性ポリエステル樹脂と共に、結晶性ポリエステル樹脂を併用してもよい。但し、結晶性ポリエステル樹脂は、全結着樹脂に対して、含有量が2質量%以上40質量%以下(好ましくは2質量%以上20質量%以下)の範囲で用いることがよい。
樹脂の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指し、具体的には、昇温速度10(℃/min)で測定した際の吸熱ピークの半値幅が10℃以内であることを指す。
樹脂の「非晶性」とは、半値幅が10℃を超えること、階段状の吸熱量変化を示すこと、又は明確な吸熱ピークが認められないことを指す。
・非晶性ポリエステル樹脂
非晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合体が挙げられる。非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成品を使用してもよい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、脂環式ジカルボン酸(例えばシクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。これらの中でも、多価カルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸が好ましい。
多価カルボン酸としては、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステル等が挙げられる。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等)、脂環式ジオール(例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等)、芳香族ジオール(例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等)が挙げられる。これらの中でも、多価アルコールとしては、芳香族ジオール、脂環式ジオールが好ましく、芳香族ジオールがより好ましい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上の多価アルコールを併用してもよい。3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、50℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上65℃以下がより好ましい。ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000以上1000000以下が好ましく、7000以上500000以下より好ましい。非晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上100000以下が好ましい。非晶性ポリエステル樹脂の分子量分布Mw/Mnは、1.5以上100以下が好ましく、2以上60以下がより好ましい。
重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定する。GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー製GPC・HLC−8120GPCを用い、東ソー製カラム・TSKgel SuperHM−M(15cm)を使用し、THF溶媒で行う。重量平均分子量及び数平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
非晶性ポリエステル樹脂は、公知の製造方法により得られる。具体的には、例えば、重合温度を180℃以上230℃以下とし、必要に応じて反応系内を減圧し、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる方法により得られる。原料の単量体が、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。この場合、重縮合反応は溶解補助剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の低い単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の低い単量体とその単量体と重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と重縮合させるとよい。
・結晶性ポリエステル樹脂
結晶性ポリエステル樹脂としては、例えば、多価カルボン酸と多価アルコールとの重縮合体が挙げられる。結晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成品を使用してもよい。
結晶性ポリエステル樹脂としては、結晶構造を容易に形成するため、芳香環を有する重合性単量体よりも直鎖状脂肪族の重合性単量体を用いた重縮合体が好ましい。
多価カルボン酸としては、例えば、脂肪族ジカルボン酸(例えばシュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸等の二塩基酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、ジカルボン酸と共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のカルボン酸を併用してもよい。3価のカルボン酸としては、例えば、芳香族カルボン酸(例えば1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等)、これらの無水物、又はこれらの低級(例えば炭素数1以上5以下)アルキルエステルが挙げられる。
多価カルボン酸としては、ジカルボン酸と共に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、エチレン性二重結合を持つジカルボン酸を併用してもよい。
多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールとしては、例えば、脂肪族ジオール(例えば主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオール)が挙げられる。脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらの中でも、脂肪族ジオールとしては、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
多価アルコールとしては、ジオールと共に、架橋構造又は分岐構造をとる3価以上のアルコールを併用してもよい。3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコールは、脂肪族ジオールの含有量を80モル%以上とすることがよく、好ましくは90モル%以上である。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、50℃以上100℃以下が好ましく、55℃以上90℃以下がより好ましく、60℃以上85℃以下がさらに好ましい。
融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下が好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂は、例えば、非晶性ポリエステルと同様に、公知の製造方法により得られる。
結着樹脂の含有量は、トナー粒子全体に対して、40質量%以上95質量%以下が好ましく、50質量%以上90質量%以下がより好ましく、60質量%以上85質量%以下が更に好ましい。
−光輝性顔料−
光輝性顔料とは、光輝性を呈する顔料である。光輝性顔料としては、例えば、アルミニウム、黄銅、青銅、ニッケル、ステンレス、亜鉛等の金属の粉末;酸化チタン、黄色酸化鉄等を被覆した雲母;アルミノケイ酸塩、塩基性炭酸塩、硫酸バリウム、酸化チタン、オキシ塩化ビスマス等の薄片状結晶又は板状結晶;薄片状ガラス粉、金属蒸着された薄片状ガラス粉;グアニン結晶;などが挙げられる。
光輝性顔料としては、鏡面反射強度の観点から、金属粉末が好ましく、鏡面反射強度がより高い観点から、扁平な形状の金属粉末がより好ましく、扁平状の粉末を得やすい観点から、アルミニウムが好ましい。すなわち、光輝性顔料としては、扁平状のアルミニウム粉末が好ましい。金属粉末の表面は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等で被覆されていてもよい。
光輝性顔料の形状は一般的には扁平状(鱗片状)である。光輝性顔料の長軸方向の平均長さと厚さ方向の平均長さとの比(長軸方向の平均長さ/厚さ方向の平均長さ)は、5以上200以下が好ましく、10以上100以下がより好ましく、30以上70以下が更に好ましい。光輝性顔料の長軸方向の平均長さは、1μm以上20μm以下が好ましく、3μm以上10μm以下がより好ましい。
光輝性トナー粒子における光輝性顔料の含有量は、光輝性トナー粒子全体に対して、例えば、1質量%以上50質量%以下であり、5質量%以上50質量%以下であり、10質量%以上30質量%以下である。
−有彩色顔料−
非光輝性有彩色トナー粒子は、有彩色顔料を含む。光輝性トナー粒子は、色味の調整のために、有彩色顔料を含んでいてもよい。
有彩色顔料としては、公知のあらゆる顔料を用いてよい。例えば、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、ピグメントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアントカーミン3B、ブリリアントカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ピグメントレッド、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオキサレート等が挙げられる。
有彩色顔料は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
非光輝性有彩色トナー粒子における有彩色顔料の含有量は、非光輝性有彩色トナー粒子全体に対して、例えば、1質量%以上50質量%以下であり、5質量%以上50質量%以下であり、10質量%以上30質量%以下である。
光輝性トナー粒子に有彩色顔料が含まれる場合、有彩色顔料の含有量は、光輝性トナー粒子全体に対して、例えば、1質量%以上30質量%以下であり、3質量%以上15質量%以下である。
−無彩色顔料−
非光輝性無彩色トナー粒子は、無彩色顔料を含む。光輝性トナー粒子及び非光輝性有彩色トナー粒子は、色味の調整のために、無彩色顔料を含んでいてもよい。
無彩色顔料としては、例えば、カーボンブラック等の黒色顔料;酸化チタン(TiO)、二酸化ケイ素(SiO)、アルミナ(Al)等の白色顔料;が挙げられる。
非光輝性無彩色トナー粒子における無彩色顔料の含有量は、非光輝性無彩色トナー粒子全体に対して、例えば、1質量%以上50質量%以下であり、5質量%以上50質量%以下であり、10質量%以上30質量%以下である。
光輝性トナー粒子に無彩色顔料が含まれる場合、無彩色顔料の含有量は、光輝性トナー粒子全体に対して、例えば、1質量%以上30質量%以下であり、3質量%以上15質量%以下である。非光輝性有彩色トナー粒子に無彩色顔料が含まれる場合、無彩色顔料の含有量は、非光輝性有彩色トナー粒子全体に対して、例えば、1質量%以上30質量%以下であり、3質量%以上15質量%以下である。
−その他の着色剤−
トナー粒子は、色味の調整のために、染料を含んでいてもよい。染料としては、公知のあらゆる染料を用いてよい。例えば、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系等の染料が挙げられる。
−離型剤−
離型剤としては、例えば、炭化水素系ワックス;カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス;モンタンワックス等の合成又は鉱物・石油系ワックス;脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックス;などが挙げられる。離型剤は、これに限定されるものではない。
離型剤の融解温度は、50℃以上110℃以下が好ましく、60℃以上100℃以下がより好ましい。
融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線から、JIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」の融解温度の求め方に記載の「融解ピーク温度」により求める。
離型剤の含有量は、トナー粒子全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
−その他の添加剤−
その他の添加剤としては、例えば、磁性体、帯電制御剤、無機粉体等の公知の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、内添剤としてトナー粒子に含まれる。
−外添剤−
外添剤としては、例えば、無機粒子が挙げられる。該無機粒子として、SiO、TiO、Al、CuO、ZnO、SnO、CeO、Fe、MgO、BaO、CaO、KO、NaO、ZrO、CaO・SiO、KO・(TiO)n、Al・2SiO、CaCO、MgCO、BaSO、MgSO等の粒子が挙げられる。
外添剤としての無機粒子の表面は、疎水化処理が施されていることがよい。疎水化処理は、例えば疎水化処理剤に無機粒子を浸漬する等して行う。疎水化処理剤は特に制限されないが、例えば、シラン系カップリング剤、シリコーンオイル、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
疎水化処理剤の量は、通常、無機粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下である。
外添剤としては、樹脂粒子(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、クリーニング活剤(例えば、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子)等も挙げられる。
外添剤の外添量は、トナー粒子100質量部に対して、1質量部以上5質量部以下が好ましく、1質量部以上2質量部以下がより好ましい。
[トナーの製造方法]
本実施形態に係る光輝性有彩色トナーは、少なくとも光輝性トナー粒子と非光輝性有彩色トナー粒子とを混合することにより製造され、さらに非光輝性無彩色トナー粒子を混合してもよい。トナー粒子どうしの混合は、例えば、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行われ、段階を分けて混合してもよい。
以下に、光輝性トナー粒子、非光輝性有彩色トナー粒子及び非光輝性無彩色トナーの製造方法を説明する。光輝性トナー粒子と非光輝性有彩色トナー粒子と非光輝性無彩色トナーとに共通する事項については、「トナー粒子」と総称して説明する。以下の説明においては、光輝性顔料と有彩色顔料と無彩色顔料とを「着色剤」と総称する。
トナー粒子は、乾式製法(例えば、混練粉砕法等)、湿式製法(例えば、凝集合一法、懸濁重合法、溶解懸濁法等)のいずれにより製造してもよい。これらの製法に特に制限はなく、公知の製法が採用される。これらの中でも、凝集合一法により、トナー粒子を得ることがよい。
具体的には、例えば、トナー粒子を凝集合一法により製造する場合、
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液を準備する工程(樹脂粒子分散液準備工程)と、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液を準備する工程(着色剤粒子分散液準備工程)と、樹脂粒子分散液と着色剤粒子分散液とを混合した分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集させ、凝集粒子を形成する工程(凝集粒子形成工程)と、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を加熱し、凝集粒子を融合・合一して、トナー粒子を形成する工程(融合・合一工程)と、を経て、トナー粒子を製造する。
以下、凝集合一法の各工程の詳細について説明する。以下の説明では、離型剤をも含むトナー粒子を得る方法について説明するが、離型剤は必要に応じて用いられるものである。無論、離型剤以外のその他添加剤を用いてもよい。
−樹脂粒子分散液準備工程−
結着樹脂となる樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と共に、着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液、離型剤粒子が分散された離型剤粒子分散液を準備する。
樹脂粒子分散液は、例えば、樹脂粒子を界面活性剤により分散媒中に分散させることにより調製する。
樹脂粒子分散液に用いる分散媒としては、例えば水系媒体が挙げられる。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤;などが挙げられる。これらの中でも特に、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。非イオン系界面活性剤は、アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用してもよい。
界面活性剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂粒子を分散媒に分散する方法としては、例えば、回転せん断型ホモジナイザー、メディアを有するボールミル、サンドミル又はダイノミル等を用いた一般的な分散方法が挙げられる。樹脂粒子の種類によっては、転相乳化法によって分散媒に樹脂粒子を分散させてもよい。転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて中和したのち、水(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの転相を行い、樹脂を水系媒体中に粒子状に分散する方法である。
樹脂粒子分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒径は、例えば0.01μm以上1μm以下が好ましく、0.08μm以上0.8μm以下がより好ましく、0.1μm以上0.6μm以下が更に好ましい。
樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(例えば、堀場製作所製、LA−700)の測定によって得られた粒度分布を用い、分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積について小粒径側から累積分布を描き、全粒子に対して体積50%となる粒径を体積平均粒径D50vとする。他の分散液中の粒子の体積平均粒径も同様に測定される。
樹脂粒子分散液に含まれる樹脂粒子の含有量は、5質量%以上50質量%以下が好ましく、10質量%以上40質量%以下がより好ましい。
樹脂粒子分散液と同様にして、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液も調製される。つまり、樹脂粒子分散液における粒子の体積平均粒径、分散媒、分散方法、及び粒子の含有量に関しては、着色剤粒子分散液中に分散する着色剤粒子、及び離型剤粒子分散液中に分散する離型剤粒子についても同様である。
−凝集粒子形成工程−
次に、樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合する。そして、混合分散液中で、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ目的とするトナー粒子の径に近い径を持つ、樹脂粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子を形成する。
具体的には、例えば、混合分散液に凝集剤を添加すると共に、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後、樹脂粒子のガラス転移温度に近い温度(具体的には、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度−30℃以上且つガラス転移温度−10℃以下)に加熱し、混合分散液に分散された粒子を凝集させて、凝集粒子を形成する。
凝集粒子形成工程においては、例えば、混合分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温(例えば25℃)で凝集剤を添加し、混合分散液のpHを酸性(例えばpH2以上5以下)に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、加熱を行ってもよい。
凝集剤としては、例えば、混合分散液に含まれる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩、2価以上の金属錯体が挙げられる。凝集剤として金属錯体を用いた場合には、凝集剤の使用量が低減され、帯電特性が向上する。
凝集剤と共に、該凝集剤の金属イオンと錯体又は類似の結合を形成する添加剤を用いてもよい。この添加剤としては、キレート剤が好適に用いられる。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩;ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体;などが挙げられる。
キレート剤としては、水溶性のキレート剤を用いてもよい。キレート剤としては、例えば、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等のオキシカルボン酸;イミノ二酢酸(IDA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等のアミノカルボン酸;などが挙げられる。
キレート剤の添加量は、例えば、樹脂粒子100質量部に対して0.01質量部以上5.0質量部以下が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
−融合・合一工程−
次に、凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を、例えば、樹脂粒子のガラス転移温度以上(例えば、樹脂粒子のガラス転移温度より10℃から30℃高い温度以上)に加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
以上の工程を経て、トナー粒子が得られる。
凝集粒子が分散された凝集粒子分散液を得た後、当該凝集粒子分散液と、樹脂粒子が分散された樹脂粒子分散液と、をさらに混合し、凝集粒子の表面にさらに樹脂粒子を付着するように凝集して、第2凝集粒子を形成する工程と、第2凝集粒子が分散された第2凝集粒子分散液に対して加熱をし、第2凝集粒子を融合・合一して、コア・シェル構造のトナー粒子を形成する工程と、を経て、トナー粒子を製造してもよい。
融合・合一工程の終了後、溶液中に形成されたトナー粒子に、公知の洗浄工程、固液分離工程、及び乾燥工程を施して、乾燥した状態のトナー粒子を得る。洗浄工程は、帯電性の観点から、イオン交換水による置換洗浄を充分に施すことがよい。固液分離工程は、生産性の観点から、吸引濾過、加圧濾過等を施すことがよい。乾燥工程は、生産性の観点から、凍結乾燥、気流乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等を施すことがよい。
そして、乾燥状態のトナー粒子に、外添剤を添加し、混合する。混合は、例えば、Vブレンダー、ヘンシェルミキサー、レーディゲミキサー等によって行うことがよい。さらに、必要に応じて、振動篩分機、風力篩分機等を使って粗大粒子を取り除いてもよい。
光輝性トナー粒子は、外添剤を外添する前に、表面に樹脂を機械的に付着させてもよい。具体的には、例えば、乾式粒子複合化装置(例えば、ホソカワミクロン社製ノビルタ)を用いて、光輝性トナー粒子の表面に樹脂粒子を機械的に衝突させることにより樹脂を付着させる。ここで使用する樹脂粒子は、前記樹脂粒子分散液から濾別した樹脂粒子を充分に洗浄し乾燥させた樹脂粒子が好ましい。
図3に、乾式粒子複合化装置を用いて樹脂の付着を行う前後における、光輝性トナー粒子の扁平面の断面の変化を模式的に示す。図3中、符号180は光輝性トナー母粒子を示し、符号80は、光輝性トナー母粒子180に樹脂が付着した後の光輝性トナー粒子を示す。図3中、符号80Gは光輝性顔料を示し、符号80B及び180Bは樹脂を示す。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係る光輝性有彩色トナーを少なくとも含むものである。本実施形態に係る静電荷像現像剤は、本実施形態に係る光輝性有彩色トナーのみを含む一成分現像剤であってもよいし、当該トナーとキャリアとを混合した二成分現像剤であってもよい。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが挙げられる。キャリアとしては、例えば、磁性粉からなる芯材の表面に樹脂を被覆した被覆キャリア;マトリックス樹脂中に磁性粉が分散して配合された磁性粉分散型キャリア;多孔質の磁性粉に樹脂を含浸させた樹脂含浸型キャリア;等が挙げられる。磁性粉分散型キャリア及び樹脂含浸型キャリアは、当該キャリアの構成粒子を芯材とし、この表面に樹脂を被覆したキャリアであってもよい。
磁性粉としては、例えば、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属;フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物;などが挙げられる。
被覆用の樹脂及びマトリックス樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、オルガノシロキサン結合を含んで構成されるストレートシリコーン樹脂又はその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。被覆用の樹脂及びマトリックス樹脂には、導電性粒子等の添加剤を含ませてもよい。導電性粒子としては、金、銀、銅等の金属;カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等の粒子が挙げられる。
芯材の表面を樹脂で被覆するには、被覆用の樹脂、及び各種添加剤(必要に応じて使用する)を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法等が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する樹脂の種類や、塗布適性等を勘案して選択すればよい。具体的な樹脂被覆方法としては、芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法;被覆層形成用溶液を芯材表面に噴霧するスプレー法;芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法;ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、その後に溶剤を除去するニーダーコーター法;等が挙げられる。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比(質量比)は、トナー:キャリア=1:100乃至30:100が好ましく、3:100乃至20:100がより好ましい。
<画像形成装置、画像形成方法>
本実施形態に係る画像形成装置及び画像形成方法について説明する。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面を帯電する帯電手段と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、を備える。そして、静電荷像現像剤として、本実施形態に係る静電荷像現像剤が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置では、像保持体の表面を帯電する帯電工程と、帯電した像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態に係る静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を有する画像形成方法(本実施形態に係る画像形成方法)が実施される。
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体の表面に形成されたトナー画像を直接記録媒体に転写する直接転写方式の装置;像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写し、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する中間転写方式の装置;トナー画像の転写後、帯電前の像保持体の表面をクリーニングするクリーニング手段を備えた装置;トナー画像の転写後、帯電前に像保持体の表面に除電光を照射して除電する除電手段を備える装置;等の公知の画像形成装置が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置が中間転写方式の装置の場合、転写手段は、例えば、表面にトナー画像が転写される中間転写体と、像保持体の表面に形成されたトナー画像を中間転写体の表面に一次転写する一次転写手段と、中間転写体の表面に転写されたトナー画像を記録媒体の表面に二次転写する二次転写手段と、を有する構成が適用される。
本実施形態に係る画像形成装置において、例えば、現像手段を含む部分が、画像形成装置に着脱するカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。プロセスカートリッジとしては、例えば、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、現像手段を備えるプロセスカートリッジが好適に用いられる。
本実施形態に係る画像形成装置は、光輝性有彩色トナー像を形成する画像形成ユニットと、光輝性有彩色とは異なる色のトナー像を形成する画像形成ユニットの少なくとも1つとを並列配置させたタンデム方式の画像形成装置であってもよく、光輝性有彩色トナー像を形成する画像形成ユニットのみを備えた画像形成装置であってもよい。
以下、本実施形態に係る画像形成装置の一例を説明するが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図であり、5連タンデム方式且つ中間転写方式の画像形成装置を示す図である。
図4に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づく、光輝性有彩色(G)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第5の画像形成ユニット10G、10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する場合がある)10G、10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。これらユニット10G、10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置に着脱するプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10G、10Y、10M、10C、10Kの下方には、各ユニットを通して中間転写ベルト(中間転写体の一例)20が延設されている。中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20の内面に接する、駆動ロール22、支持ロール23、及び対向ロール24に巻きつけて設けられ、第1のユニット10Gから第5のユニット10Kに向う方向に走行するようになっている。中間転写ベルト20の像保持面側には、駆動ロール22と対向して中間転写体クリーニング装置21が備えられている。
各ユニット10G、10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段の一例)4G、4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8G、8Y、8M、8C、8Kに収められた光輝性有彩色、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーの供給がなされる。
第1乃至第5のユニット10G、10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成及び動作を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設された光輝性有彩色の画像を形成する第1のユニット10Gについて代表して説明する。
第1のユニット10Gは、像保持体として作用する感光体1Gを有している。感光体1Gの周囲には、感光体1Gの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ロール(帯電手段の一例)2G、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線によって露光して静電荷像を形成する露光装置(静電荷像形成手段の一例)3G、静電荷像にトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段の一例)4G、現像したトナー画像を中間転写ベルト20上に転写する一次転写ロール(一次転写手段の一例)5G、及び一次転写後に感光体1Gの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)6Gが順に配置されている。
一次転写ロール5Gは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Gに対向した位置に設けられている。各ユニットの一次転写ロール5G、5Y、5M、5C、5Kには、一次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各一次転写ロールに印加する転写バイアスの値を変える。
以下、第1のユニット10Gにおいて光輝性有彩色の画像を形成する動作について説明する。
まず、動作に先立って、帯電ロール2Gによって感光体1Gの表面が−600V乃至−800Vの電位に帯電される。
感光体1Gは、導電性(例えば20℃における体積抵抗率1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂の抵抗)であるが、レーザ光線が照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Gの表面に、図示しない制御部から送られてくる光輝性有彩色用の画像データに従って、露光装置3Gからレーザ光線を照射する。それにより、光輝性有彩色の画像パターンの静電荷像が感光体1Gの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Gの表面に形成される像であり、露光装置3Gからのレーザ光線によって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Gの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線が照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
感光体1G上に形成された静電荷像は、感光体1Gの走行に従って予め定められた現像位置まで回転する。そして、この現像位置で、感光体1G上の静電荷像が、現像装置4Gによってトナー画像として現像され可視化される。
現像装置4G内には、例えば、少なくとも光輝性有彩色トナーとキャリアとを含む静電荷像現像剤が収容されている。光輝性有彩色トナーは、現像装置4Gの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1G上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体の一例)上に保持されている。そして、感光体1Gの表面が現像装置4Gを通過していくことにより、感光体1G表面上の除電された潜像部に光輝性有彩色トナーが静電的に付着し、潜像が光輝性有彩色トナーによって現像される。光輝性有彩色のトナー画像が形成された感光体1Gは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1G上に現像されたトナー画像が予め定められた一次転写位置へ搬送される。
感光体1G上の光輝性有彩色トナー画像が一次転写位置へ搬送されると、一次転写ロール5Gに一次転写バイアスが印加され、感光体1Gから一次転写ロール5Gに向う静電気力がトナー画像に作用し、感光体1G上のトナー画像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、第1のユニット10Gでは制御部(図示せず)によって例えば+10μAに制御されている。
一方、感光体1G上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Gで除去されて回収される。
第2ユニット10Y以降の一次転写ロール5Y、5M、5C、5Kに印加される一次転写バイアスも、第1のユニットに準じて制御されている。
こうして、第1のユニット10Gにて光輝性有彩色のトナー画像が転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第5のユニット10Y、10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー画像が重ねられて多重転写される。
第1乃至第5のユニットを通して5色のトナー画像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と、中間転写ベルトの内面に接する対向ロール24と、中間転写ベルト20の像保持面側に配置された二次転写ロール(二次転写手段の一例)26とから構成された二次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体の一例)Pが供給機構を介して二次転写ロール26と中間転写ベルト20とが接触した隙間に予め定められたタイミングで給紙され、二次転写バイアスが対向ロール24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー画像に作用し、中間転写ベルト20上のトナー画像が記録紙P上に転写される。この際の二次転写バイアスは二次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段の一例)28における一対の定着ロールの圧接部(ニップ部)へと送り込まれ、トナー画像が記録紙P上へ定着され、定着画像が形成される。
トナー画像を転写する記録紙Pとしては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンター等に使用される普通紙が挙げられる。記録媒体としては、記録紙P以外にも、OHPシート等も挙げられる。
定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録紙Pの表面も平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等が好適に使用される。
カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
本実施形態に係るプロセスカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、本実施形態に係る静電荷像現像剤を収容し、静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
本実施形態に係るプロセスカートリッジは、現像手段と、必要に応じて、例えば、像保持体、帯電手段、静電荷像形成手段、及び転写手段等のその他手段から選択される少なくとも一つと、を備える構成であってもよい。
以下、本実施形態に係るプロセスカートリッジの一例を示すが、これに限定されるわけではない。以下の説明においては、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図5は、本実施形態に係るプロセスカートリッジを示す概略構成図である。
図5に示すプロセスカートリッジ200は、例えば、取り付けレール116及び露光のための開口部118が備えられた筐体117により、感光体107(像保持体の一例)と、感光体107の周囲に備えられた帯電ロール108(帯電手段の一例)、現像装置111(現像手段の一例)、及び感光体クリーニング装置113(クリーニング手段の一例)を一体的に組み合わせて保持して構成し、カートリッジ化されている。
図5中、109は露光装置(静電荷像形成手段の一例)、112は転写装置(転写手段の一例)、115は定着装置(定着手段の一例)、300は記録紙(記録媒体の一例)を示している。
次に、本実施形態に係るトナーカートリッジについて説明する。
本実施形態に係るトナーカートリッジは、本実施形態に係る光輝性有彩色トナーを収容し、画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。トナーカートリッジは、画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するための補給用のトナーを収容するものである。
図4に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8G、8Y、8M、8C、8Kが着脱される構成を有する画像形成装置であり、現像装置4G、4Y、4M、4C、4Kは、各々の色に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収容されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジが交換される。本実施形態に係るトナーカートリッジの一例が、トナーカートリッジ8Gであり、本実施形態に係る光輝性有彩色トナーが収容されている。トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kにはそれぞれ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナーが収容されている。
以下、実施例により発明の実施形態を詳細に説明するが、発明の実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
<イエロートナー粒子(1)の作製>
[ポリエステル樹脂粒子分散液(1)の調製]
・テレフタル酸 :30モル部
・フマル酸 :70モル部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物 : 5モル部
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:95モル部
攪拌装置、窒素導入管、温度センサ及び精留塔を備えたフラスコに、上記の材料を仕込み、1時間かけて温度を220℃まで上げ、上記材料100部に対してチタンテトラエトキシド1部を投入した。生成する水を留去しながら30分間かけて230℃まで温度を上げ、該温度で1時間脱水縮合反応を継続した後、反応物を冷却した。こうして、重量平均分子量18,000、酸価15mgKOH/g、ガラス転移温度60℃のポリエステル樹脂(1)を合成した。
温度調節手段及び窒素置換手段を備えた容器に、酢酸エチル40部及び2−ブタノール25部を投入し、混合溶剤とした後、ポリエステル樹脂(1)100部を徐々に投入し溶解させ、そこに10%アンモニア水溶液(樹脂の酸価に対してモル比で3倍量相当量)を入れて30分間攪拌した。次いで、容器内を乾燥窒素で置換し、温度を40℃に保持して、混合液を攪拌しながらイオン交換水400部を2部/分の速度で滴下し、乳化を行った。滴下終了後、乳化液を室温(20℃乃至25℃)に戻し、攪拌しつつ乾燥窒素により48時間バブリングを行うことにより、酢酸エチル及び2−ブタノールを1,000ppm以下まで低減させ、体積平均粒径200nmの樹脂粒子が分散した樹脂粒子分散液を得た。該樹脂粒子分散液にイオン交換水を加え、固形分量を20%に調整して、ポリエステル樹脂粒子分散液(1)とした。
[離型剤粒子分散液(1)の調製]
・パラフィンワックス(日本精蝋社製HNP−9) :100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK): 1部
・イオン交換水 :350部
上記の材料を混合して100℃に加熱し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で分散処理し、体積平均粒径200nmの離型剤粒子が分散された、固形分量20%の離型剤粒子分散液(1)を得た。
[着色剤粒子分散液(Y1)の調製]
・C.I.ピグメントイエロー74 : 70部
(クラリアント社製HansaYellow5GX01)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK): 1部
・イオン交換水 :200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20%となるようにイオン交換水を加え、体積平均粒径190nmの着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液(Y1)を得た。
[イエロートナー粒子の調製]
・ポリエステル樹脂粒子分散液(1) :430部
・離型剤粒子分散液(1) : 50部
・着色剤粒子分散液(Y1) : 50部
・アニオン性界面活性剤(TaycaPower): 2部
上記の材料を丸型ステンレス製フラスコに入れ、0.1Nの硝酸を添加してpHを3.5に調整した後、ポリ塩化アルミニウム濃度が10%の硝酸溶液30部を添加した。次いで、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて30℃において分散した後、加熱用オイルバス中で45℃まで加熱し30分間保持した。次いで、ポリエステル樹脂粒子分散液(1)210部を緩やかに追加し1時間保持し、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8.5に調整した後、攪拌を継続しながら85℃まで加熱し、5時間保持した。次いで、20℃/分の速度で20℃まで冷却し、濾過し、イオン交換水で充分に洗浄し、乾燥させることにより、非光輝性のイエロートナー粒子を得た。
[外添剤の外添]
イエロートナー粒子100部と、疎水性シリカ(日本アエロジル社製RY50)0.7部とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、外添剤が外添されたイエロートナー粒子(1)を得た。
<イエロートナー粒子(2)〜(3)の作製>
イエロートナー粒子(1)の作製において、初期に投入するポリエステル樹脂粒子分散液(1)の量と、追添加するポリエステル樹脂粒子分散液(1)の量とを、表1に示すとおりに変更した以外は同様にして、外添剤が外添されたイエロートナー粒子(2)〜(3)を得た。
<マゼンタトナー粒子(1)の作製>
・C.I.ピグメントレッド122(DIC社製) : 70部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK): 1部
・イオン交換水 :200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20%となるようにイオン交換水を加え、体積平均粒径190nmの着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液(M1)を得た。
イエロートナー粒子(1)の作製において着色剤粒子分散液(Y1)を着色剤粒子分散液(M1)に変更した以外は同様にして、外添剤が外添されたマゼンタトナー粒子(1)を得た。
<マゼンタトナー粒子(2)〜(3)の作製>
マゼンタトナー粒子(1)の作製において、初期に投入するポリエステル樹脂粒子分散液(1)の量と、追添加するポリエステル樹脂粒子分散液(1)の量とを、表2に示すとおりに変更した以外は同様にして、外添剤が外添されたマゼンタトナー粒子(2)〜(3)を得た。
<シアントナー粒子(1)の作製>
・C.I.ピグメントブルー15:3(大日精化工業製) : 70部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK): 1部
・イオン交換水 :200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20%となるようにイオン交換水を加え、体積平均粒径190nmの着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液(C1)を得た。
イエロートナー粒子(1)の作製において着色剤粒子分散液(Y1)を着色剤粒子分散液(C1)に変更した以外は同様にして、外添剤が外添されたシアントナー粒子(1)を得た。
<シアントナー粒子(2)〜(3)の作製>
シアントナー粒子(1)の作製において、初期に投入するポリエステル樹脂粒子分散液(1)の量と、追添加するポリエステル樹脂粒子分散液(1)の量とを、表3に示すとおりに変更した以外は同様にして、外添剤が外添されたシアントナー粒子(2)〜(3)を得た。
<黒トナー粒子(1)の作製>
・ブラック顔料(Regal33、キャボット社) : 70部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK): 1部
・イオン交換水 :200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20%となるようにイオン交換水を加え、体積平均粒径190nmの着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液(K1)を得た。
イエロートナー粒子(1)の作製において着色剤粒子分散液(Y1)を着色剤粒子分散液(K1)に変更した以外は同様にして、外添剤が外添された黒トナー粒子(1)を得た。
<黒トナー粒子(2)〜(3)の作製>
黒トナー粒子(1)の作製において、初期に投入するポリエステル樹脂粒子分散液(1)の量と、追添加するポリエステル樹脂粒子分散液(1)の量とを、表4に示すとおりに変更した以外は同様にして、外添剤が外添された黒トナー粒子(2)〜(3)を得た。
<銀色トナー粒子(1)の作製>
[光輝性顔料分散液(1)の調製]
・アルミニウム顔料(東洋アルミニウム社製2173EA):100部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンR) :1.5部
・イオン交換水 :900部
アルミニウム顔料のペーストから溶剤を除去した後、上記の材料を混合し、乳化分散機キャビトロン(太平洋機工社製CR1010)を用いて1時間分散して、光輝性顔料(アルミニウム顔料)を分散させてなる固形分量10%の光輝性顔料分散液(1)を得た。
[銀色トナー母粒子の調製]
・ポリエステル樹脂粒子分散液(1) :450部
・離型剤粒子分散液(1) : 50部
・光輝性顔料分散液(1) : 22部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.4部
上記の材料を円筒形のステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)により回転速度4000rpmでせん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転速度を5000rpmにして15分間分散して混合し、原料分散液を調製した。
次いで、層流を形成するための2枚パドルの攪拌翼を用いた攪拌装置及び温度計を備えた重合釜に凝集粒子分散液を移し、回転速度を550rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、54℃にて凝集粒子の成長を促進させた。この際、0.3Nの硝酸及び1Nの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2以上3.5以下の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。
次いで、ポリエステル樹脂粒子分散液(1)50部を追添加し、前記凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着させた。56℃に昇温し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIで粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。
次いで、pHを8.0に上げた後、0.01℃/分の速度で80℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が合一したのを確認した後、80℃で保持したままpHを6.0まで下げ、2.5時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。
次いで、20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥して銀色トナー母粒子を得た。
[銀色トナー母粒子のポリエステル樹脂による被覆]
ポリエステル樹脂粒子分散液(1)を濾過し、イオン交換水を用いて透析及び限外濾過を行うことで樹脂粒子の洗浄を行った。洗浄後の樹脂粒子をスプレードライし、体積平均粒径162nmのポリエステル樹脂粒子を得た。
ノビルタNOB−300(ホソカワミクロン製)に、銀色トナー母粒子100部とポリエステル樹脂粒子130部とを仕込み、装置内温度を65℃に保ちつつ、回転速度2000rpmで10分間攪拌することで銀色トナー母粒子の表面にポリエステル樹脂を付着させ、銀色トナー粒子を得た。
[外添剤の外添]
銀色トナー粒子100部と、疎水性シリカ(日本アエロジル社製RY50)1.5部とをサンプルミルを用いて回転速度10000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分し、外添剤が外添された銀色トナー粒子(1)を得た。
<銀色トナー粒子(2)〜(4)の作製>
銀色トナー粒子(1)の作製において、初期に投入するポリエステル樹脂粒子分散液(1)の量、2枚パドルの攪拌翼の回転速度、及びノビルタNOB−300(ホソカワミクロン製)に仕込むポリエステル樹脂粒子の量を表5に示すとおりに変更した以外は同様にして、外添剤が外添された銀色トナー粒子(2)〜(4)を得た。
<金色トナー粒子(1)の作製>
[着色剤粒子分散液(R1)の調製]
・C.I.ピグメントレッド238(山陽色素社製) : 70部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製ネオゲンRK): 1部
・イオン交換水 :200部
上記の材料を混合し、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した。分散液中の固形分量が20%となるようにイオン交換水を加え、体積平均粒径190nmの着色剤粒子が分散された着色剤粒子分散液(R1)を得た。
[金色トナー母粒子の調製]
・ポリエステル樹脂粒子分散液(1) :412部
・離型剤粒子分散液(1) : 50部
・光輝性顔料分散液(1) : 22部
・着色剤粒子分散液(Y1) : 37部
・着色剤粒子分散液(R1) : 3部
・ノニオン性界面活性剤(IGEPAL CA897):1.4部
上記の材料を円筒形のステンレス容器に入れ、ホモジナイザー(IKA社製ウルトラタラックスT50)により回転速度4000rpmでせん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、凝集剤としてポリ塩化アルミニウムの10%硝酸水溶液1.75部を徐々に滴下して、ホモジナイザーの回転速度を5000rpmにして15分間分散して混合し、原料分散液を調製した。
次いで、層流を形成するための2枚パドルの攪拌翼を用いた攪拌装置及び温度計を備えた重合釜に凝集粒子分散液を移し、回転速度を550rpmにしてマントルヒーターにて加熱し始め、54℃にて凝集粒子の成長を促進させた。この際、0.3Nの硝酸及び1Nの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.2以上3.5以下の範囲に制御した。上記pH範囲で2時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。
次いで、ポリエステル樹脂粒子分散液(1)100部を追添加し、前記凝集粒子の表面に樹脂粒子を付着させた。56℃に昇温し、光学顕微鏡及びマルチサイザーIIで粒子の大きさ及び形態を確認しながら凝集粒子を整えた。
次いで、pHを8.0に上げた後、0.01℃/分の速度で80℃まで昇温させた。光学顕微鏡で凝集粒子が合一したのを確認した後、80℃で保持したままpHを6.0まで下げ、2.5時間後に加熱を止め、1.0℃/分の降温速度で冷却した。
次いで、20μmメッシュで篩分し、水洗を繰り返した後、真空乾燥機で乾燥して金色トナー母粒子を得た。
[金色トナー母粒子のポリエステル樹脂による被覆]
前述のポリエステル樹脂粒子を用意し、ノビルタNOB−300(ホソカワミクロン製)に、金色トナー母粒子100部とポリエステル樹脂粒子130部とを仕込み、装置内温度を65℃に保ちつつ、回転速度2000rpmで10分間攪拌することで金色トナー母粒子の表面にポリエステル樹脂を付着させ、金色トナー粒子を得た。
[外添剤の外添]
金色トナー粒子100部と、疎水性シリカ(日本アエロジル社製RY50)1.5部とをサンプルミルを用いて回転速度10000rpmで30秒間混合した。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分し、外添剤が外添された金色トナー粒子(1)を得た。
<金色トナー粒子(2)〜(4)の作製>
金色トナー粒子(1)の作製において、初期に投入するポリエステル樹脂粒子分散液(1)の量、2枚パドルの攪拌翼の回転速度、及びノビルタNOB−300(ホソカワミクロン製)に仕込むポリエステル樹脂粒子の量を表6に示すとおりに変更した以外は同様にして、外添剤が外添された金色トナー粒子(2)〜(4)を得た。
<光輝性イエロートナー粒子(1)の作製>
金色トナー粒子(1)の作製において着色剤粒子分散液(Y1)を40部に変更し、着色剤粒子分散液(R1)を使用しなかった以外は同様にして、外添剤が外添された光輝性イエロートナー粒子(1)を得た。
<光輝性マゼンタトナー粒子(1)の作製>
金色トナー粒子(1)の作製において着色剤粒子分散液(Y1)及び着色剤粒子分散液(R1)を使用せず、着色剤粒子分散液(M1)を40部使用した以外は同様にして、外添剤が外添された光輝性マゼンタトナー粒子(1)を得た。
<光輝性シアントナー粒子(1)の作製>
金色トナー粒子(1)の作製において着色剤粒子分散液(Y1)及び着色剤粒子分散液(R1)を使用せず、着色剤粒子分散液(C1)を40部使用した以外は同様にして、外添剤が外添された光輝性シアントナー粒子(1)を得た。
<実施例1>
[キャリアの調製]
・フェライト粒子(平均粒径50μm) :100部
・トルエン : 14部
・スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比15/85): 3部
・カーボンブラック :0.2部
フェライト粒子を除く上記材料をサンドミルにて分散して分散液を調製し、この分散液をフェライト粒子とともに真空脱気型ニーダに入れ、攪拌しながら減圧し乾燥させることによりキャリアを得た。
[光輝性有彩色トナーの調製]
金色トナー粒子(1)とマゼンタトナー粒子(1)とをVブレンダーに入れ、20分間攪拌し、光輝性有彩色トナーを得た。両者の混合量は、金色トナー粒子(1)がトナー粒子全体の60個数%となる量とした。
[光輝性有彩色現像剤の調製]
キャリア100部と光輝性有彩色トナー5部とをVブレンダーに入れ、20分間攪拌した。その後、目開き212μmの篩で篩分して光輝性有彩色現像剤を得た。
<実施例2〜5>
光輝性トナー粒子及び非光輝性有色トナー粒子の種類及び量を表7に示すとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、光輝性有彩色トナー及び光輝性有彩色現像剤を得た。
<比較例1>
[金色現像剤の調製]
キャリア100部と金色トナー粒子(1)5部とをVブレンダーに入れ、20分間攪拌した。その後、目開き212μmの篩で篩分して金色現像剤を得た。
[マゼンタ現像剤の調製]
キャリア100部とマゼンタトナー粒子(1)5部とをVブレンダーに入れ、20分間攪拌した。その後、目開き212μmの篩で篩分してマゼンタ現像剤を得た。
上記で得た金色現像剤とマゼンタ現像剤とをトナーセットとした。
<比較例2〜5>
光輝性トナー粒子及び非光輝性有色トナー粒子の種類を表7に示すとおりに変更した以外は比較例1と同様にして、トナーセットを得た。
<比較例6>
[金色現像剤の調製]
キャリア100部と金色トナー粒子(1)5部とをVブレンダーに入れ、20分間攪拌した。その後、目開き212μmの篩で篩分して金色現像剤を得た。
[光輝性マゼンタ現像剤の調製]
キャリア100部と光輝性マゼンタトナー粒子(1)5部とをVブレンダーに入れ、20分間攪拌した。その後、目開き212μmの篩で篩分して光輝性マゼンタ現像剤を得た。
上記で得た金色現像剤と光輝性マゼンタ現像剤とをトナーセットとした。
<比較例7〜10>
光輝性トナー粒子、光輝性有彩色トナー粒子及び非光輝性無彩色トナー粒子の種類を表7に示すとおりに変更した以外は比較例6と同様にして、トナーセットを得た。
<画像評価>
以下の作業、画像形成、及び測定は、温度23℃/相対湿度60%の環境下で行った。
評価用画像を形成する画像形成装置として、中間転写方式の富士ゼロックス社製DocuCentre Color 400を用意し、その現像器に各現像剤を入れた。画像形成の際、定着温度は190℃、定着圧力は4.0kg/cmとした。記録媒体は、光沢度が40%のコート紙(富士ゼロックス社製OSコート紙W)を使用した。なお、上記光沢度は、JIS K 5600−4−7(JIS Z 8741)の60°で測定して得られる光沢度を意味し、BYK−Gardner社製の型式4430 micro−TRI−glossで測定した。
実施例1〜5については、大きさ3.0cm×3.0cm、トナー載り量4.0g/mのベタ画像(100%濃度の画像)を形成した。
比較例1〜5については、大きさ3.0cm×3.0cmのベタ画像を形成した。その際、比較対象となる実施例のベタ画像を再現するように出力調整を行った。現像順は、中間転写体上において下から金色トナー粒子又は銀色トナー粒子、非光輝性有彩色トナー粒子、黒トナー粒子の順に積層される順とした。
比較例6〜10については、大きさ3.0cm×3.0cmのベタ画像を形成した。その際、比較対象となる実施例のベタ画像を再現するように出力調整を行った。現像順は、中間転写体上において下から金色トナー粒子又は銀色トナー粒子、光輝性有彩色トナー粒子、黒トナー粒子の順に積層される順とした。
JIS K 5600−4−3:1999「塗料一般試験方法−第4部:塗膜の視覚特性−第3節:色の目視比較」に準じた色観察用照明(自然昼光照明)下で画像を観察し、色ムラ、フロップ感、明るさを下記のとおり分類した。
[色ムラ]
A:色ムラがまったく感じられない。
B:色ムラがわずかに感じられる。
C:色ムラが感じられるが、許容範囲である。
D:色ムラが感じられ、違和感がある。
E:色ムラが強く感じられる。
[フロップ感]
A:フロップ感が強く感じられる。
B:フロップ感が感じられる。
C:フロップ感が感じられるが、物足りない。
D:フロップ感がわずかに感じられる。
E:フロップ感がまったく感じられない。
[明るさ]
A:明るい輝きが強く感じられる。
B:明るい輝きが感じられる。
C:明るい輝きが感じられるが、物足りない。
D:明るい輝きがわずかに感じられる。
E:明るい輝きがまったく感じられない。
表7に、実施例1〜5及び比較例1〜10について、既述の測定方法により測定した各特性と、画像評価の結果とを示す。
<実施例6〜30>
光輝性トナー粒子及び非光輝性有色トナー粒子の種類及び量を表8に示すとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、光輝性有彩色トナー及び光輝性有彩色現像剤を得た。これら実施例の光輝性有彩色現像剤について、前述の画像評価と同じ方法で色ムラ、フロップ感、明るさを評価した。
表8に、実施例1〜30について、既述の測定方法により測定した各特性と、画像評価の結果とを示す。
1G、1Y、1M、1C、1K 感光体(像保持体の一例)
2G、2Y、2M、2C、2K 帯電ロール(帯電手段の一例)
3G、3Y、3M、3C、3K 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
4G、4Y、4M、4C、4K 現像装置(現像手段の一例)
5G、5Y、5M、5C、5K 一次転写ロール(一次転写手段の一例)
6G、6Y、6M、6C、6K 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
8G、8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10G、10Y、10M、10C、10K 画像形成ユニット
20 中間転写ベルト(中間転写体の一例)
21 中間転写体クリーニング装置
22 駆動ロール
23 支持ロール
24 対向ロール
26 二次転写ロール(二次転写手段の一例)
28 定着装置(定着手段の一例)
P 記録紙(記録媒体の一例)
107 感光体(像保持体の一例)
108 帯電ロール(帯電手段の一例)
109 露光装置(静電荷像形成手段の一例)
111 現像装置(現像手段の一例)
112 転写装置(転写手段の一例)
113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段の一例)
115 定着装置(定着手段の一例)
116 取り付けレール
117 筐体
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
300 記録紙(記録媒体の一例)

Claims (22)

  1. 光輝性顔料を含有する光輝性トナー粒子と、
    有彩色顔料を含有し光輝性顔料を含有しない非光輝性有彩色トナー粒子と、
    を含む光輝性有彩色トナー。
  2. 前記光輝性トナー粒子が扁平状であり、前記光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度が0.90以上0.95以下である、請求項1に記載の光輝性有彩色トナー。
  3. 前記光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度が0.91以上0.94以下である、請求項2に記載の光輝性有彩色トナー。
  4. 前記光輝性トナー粒子がさらに有彩色顔料を含有する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
  5. 前記非光輝性有彩色トナー粒子として、互いに異なる色を呈する前記非光輝性有彩色トナー粒子を複数種類含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
  6. 前記非光輝性有彩色トナー粒子として、イエロートナー粒子、マゼンタトナー粒子及びシアントナー粒子からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
  7. チャージスペクトログラフ法により得られた前記光輝性トナー粒子の帯電分布の最大ピーク位置をP1とし、最大ピークの半値全幅をW1とし、
    チャージスペクトログラフ法により得られた前記非光輝性有彩色トナー粒子の帯電分布の最大ピーク位置をP2とし、最大ピークの半値全幅をW2としたとき、
    |P1−P2|が3mm以下であり、且つ、|W1−W2|が3mm以下である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
  8. 前記非光輝性有彩色トナー粒子が、コア粒子と前記コア粒子を被覆する被覆層とを有し、前記被覆層の平均厚が0.15μm以上0.25μm以下である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
  9. 前記光輝性トナー粒子が扁平状であり、前記光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度をC1とし、扁平面における平均円相当径をD1(μm)とし、
    前記非光輝性有彩色トナー粒子の平均円形度をC2とし、平均円相当径をD2(μm)としたとき、下記の式1を満たす、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
    式1:−0.02<(0.0084×D1+C1)−(0.0084×D2+C2)<+0.02
  10. さらに、無彩色顔料を含有し光輝性顔料を含有しない非光輝性無彩色トナー粒子を含む、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
  11. チャージスペクトログラフ法により得られた前記光輝性トナー粒子の帯電分布の最大ピーク位置をP1とし、最大ピークの半値全幅をW1とし、
    チャージスペクトログラフ法により得られた前記非光輝性有彩色トナー粒子及び前記非光輝性無彩色トナー粒子の全体の帯電分布の最大ピーク位置をP2とし、最大ピークの半値全幅をW2としたとき、
    |P1−P2|が3mm以下であり、且つ、|W1−W2|が3mm以下である、請求項10に記載の光輝性有彩色トナー。
  12. 前記非光輝性有彩色トナー粒子及び前記非光輝性無彩色トナー粒子が、コア粒子と前記コア粒子を被覆する被覆層とを有し、前記被覆層の平均厚が0.15μm以上0.25μm以下である、請求項10又は請求項11に記載の光輝性有彩色トナー。
  13. 前記光輝性トナー粒子が扁平状であり、前記光輝性トナー粒子の扁平面における平均円形度をC1とし、扁平面における平均円相当径をD1(μm)とし、
    前記非光輝性有彩色トナー粒子及び前記非光輝性無彩色トナー粒子の全体の平均円形度をC2とし、平均円相当径をD2(μm)としたとき、下記の式1を満たす、請求項10〜請求項12のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
    式1:−0.02<(0.0084×D1+C1)−(0.0084×D2+C2)<+0.02
  14. 全体の流動度が20sec/50g以上40sec/50g以下である、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
  15. 全体の流動度が25sec/50g以上35sec/50g以下である、請求項14に記載の光輝性有彩色トナー。
  16. 前記光輝性トナー粒子が、前記光輝性有彩色トナーに含まれるトナー粒子全体の60個数%以上98個数%以下を占める、請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナー。
  17. 前記光輝性トナー粒子が、前記光輝性有彩色トナーに含まれるトナー粒子全体の75個数%以上95個数%以下を占める、請求項16に記載の光輝性有彩色トナー。
  18. 請求項1〜請求項17のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナーを含む静電荷像現像剤。
  19. 請求項1〜請求項17のいずれか1項に記載の光輝性有彩色トナーを収容し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  20. 請求項18に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  21. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項18に記載の静電荷像現像剤を収容し、前記静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像手段と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  22. 像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項18に記載の静電荷像現像剤により、前記像保持体の表面に形成された静電荷像をトナー画像として現像する現像工程と、
    前記像保持体の表面に形成されたトナー画像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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