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JP2019146304A - モータ駆動装置およびこのモータ駆動装置を備えた電気自動車 - Google Patents

モータ駆動装置およびこのモータ駆動装置を備えた電気自動車 Download PDF

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JP2019146304A JP2018026140A JP2018026140A JP2019146304A JP 2019146304 A JP2019146304 A JP 2019146304A JP 2018026140 A JP2018026140 A JP 2018026140A JP 2018026140 A JP2018026140 A JP 2018026140A JP 2019146304 A JP2019146304 A JP 2019146304A
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明良 西川
Akiyoshi Nishikawa
明良 西川
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Abstract

【課題】制御系の冗長化を図ると共に、耐ノイズ性能を高め、制御性能の向上に活用することができるモータ駆動装置およびこのモータ駆動装置を備えた電気自動車を提供する。【解決手段】このモータ駆動装置6は、電流駆動回路8と、モータ4に流れる電流を検出する電流センサSと、トルク指令および電流センサSで検出された電流に基づいて電流駆動回路8に電流の駆動信号を与える制御装置9とを備える。電流センサSとして、電流の大きさと向きを検出可能な二個の対となる電流センサを、互いに対向する向きに、且つ、三相におけるいずれか二相にそれぞれ備える。制御装置9は、対の電流センサを備える二相における各相につき、対となる電流センサでそれぞれ検出された電流の差分をとって、対となる電流センサの出力に重畳された同相ノイズを相殺し、得られた電流値をそれぞれ用いて電流制御を行う差動演算手段16を有する。【選択図】図3

Description

この発明は、モータ駆動装置およびこのモータ駆動装置を備えた電気自動車に関し、モータ駆動装置内部に備えられた電流センサの異常に備えるべく冗長化しつつ、制御性能を向上させる技術に関する。
現在、多くの電気自動車で駆動源として用いられている三相交流モータは、モータ角度に応じて最適な電流を流すことでその性能を発揮できる。そのため、三相の動力線に取り付けた電流センサにより電流量を検出し、電流フィードバック制御を行うことが多い。
三相交流モータの三相の動力線に流れる電流は、合計すると零になるという原理に基づいて、二相に電流センサを取り付け、残り一相は計算によって求めるという手法が用いられることが多い。そのメリットは、部品点数の削減による小型軽量化とコスト低減と、制御の簡易化のためである。制御の簡易化とは、三相電流の実測に基づいて計算を行った場合、電流センサの誤差またはノイズによって、必ずしも三相の電流の合計が零になるとは限らず、電流の目標値を求めるためのベクトル制御演算のモデル式を、誤差が含まれることを前提に扱う必要があるが、二相の電流値より残り一相の電流値を求める方法であれば、ベクトル制御演算のモデル式をそのまま適応できる点である。
ここでノイズとは、電流制御を行う際のスイッチングノイズに起因して電流センサの出力にノイズが重畳するものを主に指している。このように電流センサの出力にノイズが重畳すると、例えば、制御装置が不所望に電流制御を行って、望ましくないトルク変動を誘発し、振動や騒音として観測されるため、この影響を減らすことは恒常的な課題となっている。
特開平6−253585号公報 特開2014−72973号公報 特開2006−352949号公報
しかし二相にのみ電流センサを取り付けて制御した場合のデメリットとして、どちらか片方の電流センサに異常が発生すると、出力される異常な電流値を基に電流制御を行って、異常な大電流を流してモータまたはモータ駆動装置を過熱させる、または車両に意図しないトルクを発生させたりする可能性があり、自動車の安全性能の向上、および異常発生時にも性能を維持するという観点から、異常の診断方法または改善策が提案されてきた。
特許文献1では、先の三相の電流量の合計が零になるという原理を用い、三相全てに電流センサを取り付けて電流を検出して、得られた電流量の合計が零にならないとき(零からの差が規定値を超えるとき)に、いずれかの電流センサが異常であることを検出する構成を提案している。この方法では、電流センサの異常状態の発生を検出できても、どの電流センサが異常であるか検出できない。
この点に着目し、特許文献2では、三相全てに電流センサを取り付け、得られた電流値から、どの電流センサが異常であるかを特定することが可能な処理を採用した構成を提案している。
特許文献3では、異常を検出するという目的は共通しているが、異常検出のために制御に必要な二相分の電流センサに加えて、もう一相の電流センサを備えることは、スペースおよびコストの面から不利であるとの観点から、異常を検出するための特定のパターンの電流を流して電流センサの異常を検出する手法が提案されている。
いずれにおいても、電流センサの異常検出の重要性の認識は一致している。特許文献2においては、異常な電流センサを特定し、一相異常時にも残る正常な電流センサで走行性能の低下を防ぐことを重視している。特許文献3では、通常時は不要で、異常検出時のみに使用する一相分の電流センサを削減することで、スペース削減とコスト低減を目的として提案されている。
いずれにおいても、電流センサにつき、必要最低限の個数を超えて設置したものは、異常検出用および異常時の機能代替用としてのみ利用されており、異常検出および異常時の機能代替以外の用途にも用いて制御性能の向上に寄与させる余地があった。
この発明の目的は、制御系の冗長化を図ると共に、耐ノイズ性能を高め、制御性能の向上に活用することができるモータ駆動装置およびこのモータ駆動装置を備えた電気自動車を提供することである。
この発明のモータ駆動装置は、電気自動車の走行用駆動源となる三相交流モータ4を駆動するモータ駆動装置6であって、電流駆動回路8と、前記三相交流モータ4に流れる電流を検出する電流センサSと、与えられるトルク指令および前記電流センサSで検出された電流に基づいて前記電流駆動回路8に電流の駆動信号を与える制御装置9と、を備え、
前記電流センサSとして、電流の大きさと向きを検出可能な二個の対となる電流センサを、互いに対向する向きに、且つ、三相におけるいずれか二相にそれぞれ備え、
前記制御装置9は、前記対の電流センサを備える前記二相における各相につき、前記対となる電流センサでそれぞれ検出された電流の差分をとって、前記対となる電流センサの出力に重畳された同相ノイズを相殺し、得られた電流値をそれぞれ用いて電流制御を行う差動演算手段16を有する。
この構成によると、制御装置9は、トルク指令および電流センサSで検出された電流に基づいて電流駆動回路8に電流の駆動信号を与える。例えば、全ての電流センサが正常である場合、差動演算手段16が受け取った電流値のうち、二相に取り付けられた対となる電流センサの出力を採用する。差動演算手段16は、例えば、互いに対向する電流センサの二つの出力の差分をとり、必要に応じて倍率が一倍となるようにゲインを掛けて、電流制御に使用する電流値とする。
ところでノイズの無い理想状態であれば、対となる電流センサの出力の差分をとっても、差分をとらずに一つの電流センサの出力を使用しても差異はない。しかし、対向して取り付けられた電流センサのそれぞれの出力に同相ノイズが重畳されている場合がある。この同相ノイズの原因は、例えば電流制御を行う際のスイッチングノイズである。
そこで、差動演算手段16は、対となる電流センサでそれぞれ検出された電流の差分をとって、前記対となる電流センサの出力に重畳された同相ノイズを相殺し、得られた電流値をそれぞれ用いて電流制御を行う。これにより、いわゆる作動増幅回路と同様の効果が期待され、同相ノイズの除去が望める。したがって、不所望な電流制御を防止することで、望ましくないトルク変動を抑制することができ、制御性能の向上が望める。
前記制御装置9は、前記対となる電流センサの出力を取り込み、得られた電流値が予め定めた条件式を満たすかを判定し、前記電流センサの異常を検出する異常検出手段14を有するものであってもよい。前記「得られた電流値が予め定めた条件式を満たすかを判定」とは、例えば、得られた電流値の和を閾値と比較すること等である。
前記閾値は、設計等によって任意に定める閾値であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な閾値を求めて定められる。
この場合、対向して取り付けられた対となる電流センサが共に正常であれば、得られる電流値の絶対値は一致するが、いずれか一方の電流センサに異常があった場合には結果に差異が生じることを根拠に電流センサの異常を検出し得る。
前記異常検出手段14は、前記対となる電流センサの出力を加算して得られた電流値と閾値の差異が生じているとき、前記対となる電流センサのいずれか一方の電流センサが異常であると診断してもよい。
前記閾値は、設計等によって任意に定める閾値であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な閾値を求めて定められる。
この場合、対向して取り付けられた電流センサの出力を加算したとき、対となる電流センサが共に正常であれば加算した結果は略零もしくは定数となることを根拠に電流センサの異常を診断することができる。
前記制御装置9は、前記異常検出手段14により前記対となる電流センサのいずれか一方の電流センサが異常と診断されたとき、電流センサを備えた相にのみ異常個所診断電流として電流を流すように、前記電流駆動回路8を動作させ、前記異常個所診断電流を前記電流センサで検出することで、異常である電流センサを特定する異常個所診断手段15を有するものであってもよい。このように異常である電流センサを特定することで、制御装置9は、異常と診断されていない残りの電流センサを用いて電流制御を行うことが可能となる。したがって、制御性能の向上を図ることができる。
前記電流センサSは、前記二相に備えた前記対の電流センサと、前記三相の残りの一相に流れる電流を検出する電流センサとを有し、
前記制御装置9は、前記三相にそれぞれ備えた前記電流センサの出力を、各相から一つずつの出力の和を取って、和が零とならずに閾値を超えるとき、いずれかの電流センサに異常が生じていると判断し、前記和を取る組み合わせを変えることで、異常である電流センサを特定する異常個所診断手段15を有するものであってもよい。
前記閾値は、設計等によって任意に定める閾値であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な閾値を求めて定められる。
このように異常である電流センサを特定することで、制御装置9は、異常と診断されていない残りの電流センサを用いて電流制御を行うことが可能となる。したがって、制御性能の向上を図ることができる。
前記制御装置9は、前記異常個所診断手段15により異常である電流センサが特定されたとき、前記異常である電流センサの出力電流値は使用せず残りの電流センサの出力電流値を用いて電流制御を行ってもよい。この場合、いずれかの電流センサに異常が発生しても制御性能の向上を図れ、冗長性を確保することができる。
この発明の電気自動車は、この発明における前述のいずれかに記載のモータ駆動装置6を備えたものである。この場合、この発明のモータ駆動装置6につき前述した各効果が得られる。また電気自動車のドライバビリティの向上を図れる。
この発明のモータ駆動装置は、電気自動車の走行用駆動源となる三相交流モータを駆動するモータ駆動装置であって、電流駆動回路と、前記三相交流モータに流れる電流を検出する電流センサと、与えられるトルク指令および前記電流センサで検出された電流に基づいて前記電流駆動回路に電流の駆動信号を与える制御装置と、を備え、前記電流センサとして、電流の大きさと向きを検出可能な二個の対となる電流センサを、互いに対向する向きに、且つ、三相におけるいずれか二相にそれぞれ備え、前記制御装置は、前記対の電流センサを備える前記二相における各相につき、前記対となる電流センサでそれぞれ検出された電流の差分をとって、前記対となる電流センサの出力に重畳された同相ノイズを相殺し、得られた電流値をそれぞれ用いて電流制御を行う差動演算手段を有する。このため、制御系の冗長化を図ると共に、耐ノイズ性能を高め、制御性能の向上に活用することができる。
この発明の実施形態に係るモータ駆動装置を備えた電気自動車を平面図で示す概念構成のブロック図である。 同モータ駆動装置の概略構成を示すブロック図である。 同モータ駆動装置の制御装置の構成を示すブロック図である。 同モータ駆動装置の対向する二つの電流センサの出力を示す図である。 同制御装置の差動演算による同相ノイズの除去を説明する図である。 同制御装置内の各手段の実行順序を示すフローチャートである。 この発明の他の実施形態に係るモータ駆動装置の制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明のさらに他の実施形態に係るモータ駆動装置を備えた電気自動車を平面図で示す概念構成のブロック図である。
この発明の第1の実施形態に係るモータ駆動装置を図1ないし図6と共に説明する。
<この電気自動車の概念構成について>
図1は、この実施形態に係るモータ駆動装置を備えた電気自動車を平面図で示す概念構成のブロック図である。この電気自動車は、車体1の左右の後輪となる車輪2が駆動輪とされ、左右の前輪となる車輪3が従動輪とされた四輪の自動車である。前輪となる車輪3は操舵輪とされている。
この例の電気自動車は、左右の車輪2,2が走行用駆動源となる一台の三相交流モータ(単に、「モータ」と称す)4により駆動される一モータオンボードタイプである。モータ4は、例えば、ロータのコア部に永久磁石が内蔵された埋込磁石型同期モータである。このモータ4は、ハウジングに固定したステータと、回転出力軸に取り付けたロータとの間にラジアルギャップを設けたモータである。モータ4に図示外の減速機を介して車輪2,2が駆動される。各車輪2,3には、ブレーキが設けられている。また左右の前輪となる操舵輪である車輪3,3は、図示しない転舵機構を介して転舵可能であり、ハンドル等の操舵手段5により操舵される。
<モータ駆動装置の概略構成>
図2に示すように、モータ駆動装置6は、例えば、車両を統括する上位の制御装置7からトルク指令を受け取ってモータ4を駆動する。このモータ駆動装置6は、電流駆動回路8と、モータ4に流れる電流を検出する電流センサSと、与えられるトルク指令および電流センサSで検出された電流に基づいて電流駆動回路8に電流の駆動信号を与える制御装置9とを備える。制御装置9と電流駆動回路8とでインバータ装置が構成される。
<使用する電流センサSについて>
電流センサSとして、電流の向きが相反する方向に電流をそれぞれ検出する二個の対となる電流センサを、互いに対向する向きに、且つ、三相におけるいずれか二相(この例ではU相,V相)にそれぞれ備え、残りの一相(この例ではW相)に流れる電流を検出する一つの電流センサを備える。電流センサSにより得られた出力電流値は、制御装置9に入力される。
各相に取り付けた電流センサSとして、例えば、クランプ式の電流センサが用いられる。クランプ式の電流センサの形式は問わないが、ここで説明する電流センサは片電源で、電流0A時に予め定められたオフセット電圧を示し、正負電流が流れた際には、それに従った信号を出力するものとする。なお、クランプ式以外の電流センサでも、それぞれが独立していて、電流の方向が判別でき、片方の電流センサの異常の影響が残る片方の電流センサに影響を与えない形式であれば採用できる。
制御装置9は、例えば、演算のためのCPUと周辺部品が実装された制御基板である。制御装置9には、後述する各手段がプログラムとしてCPUのメモリ内に格納されており、処理フローに基づき前記各手段が実施される。また、制御装置9は、各処理後に決定した電流駆動回路駆動信号を電流駆動回路8へ出力する。この電流駆動回路8からの出力電流は三相交流の伝送線10を通じてモータ4に出力される。なお、実際の構成においては、モータ4を制御するための角度センサ等が取り付けられている場合が多いが、本実施形態の説明においては省略する。
図2および図3に示すように、電流駆動回路8は、直流電源11の電力をモータ4の駆動に用いる三相の交流電力に変換する複数のスイッチング素子12と、これらスイッチング素子12を駆動するゲートドライブ回路Gdとを有する。各スイッチング素子12として、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor、略称:IGBT)、または電界効果トランジスタ(Field effect transistor、略称:FET)等が適用される。
<このモータ駆動装置6の制御装置9の構成>
制御装置9は、電流駆動回路8を制御する電流制御手段13と、異常検出手段14と、異常個所診断手段15と、差動演算手段16とを有する。その他、外部と通信するための外部通信手段等の公知の手段は適宜実施されているものとする。
図1および図3に示すように、上位の制御装置7は、アクセル操作部17の出力するアクセル開度の信号(加速指令)と、ブレーキ操作部18の出力する減速指令とから、あるいは加速指令と減速指令と操舵手段5の出力する旋回指令とから、モータ4に与える加速・減速指令をトルク指令として生成し、制御装置9へ出力する。
電流制御手段13は、一般的にはベクトル制御にあたる部分であり、上位の制御装置7から与えられるトルク指令を三相それぞれの電流目標値に変換する。電流センサSで検出される三相の電流は電流制御手段13に与えられる。
<各手段内の詳細な処理手順>
以下で例示する電流センサSは、電圧出力タイプの電流センサSとし、図4に示すように、0A時にあるオフセット値(電圧)Cを示し、電流センサの正方向に電流が流れるとこの電流センサの出力がオフセット値Cより大きい方向に変化し、電流センサの負方向に電流が流れるとこの電流センサの出力がオフセット値Cより小さい方向に変化するものとする。
<異常検出手段の具体的動作>
図3および図4に示すように、異常検出手段14は、対となる電流センサの出力を取り込み、得られた電流値を閾値と比較し、前記電流センサの異常を検出する。
ある相に対向して取り付けられた一対の電流センサに、ある電流を流した場合、それぞれの電流センサの出力は、絶対値は同じで、電流の向きは相反する方向を示す。よって、ノイズまたは誤差の影響がないとすると、一対の電流センサの出力の和としては、検出された電流値が相殺されて、結果はオフセット値の二倍となるはずである。
実際には、電流センサの誤差およびノイズによって、この数値から差が生じるが、電流センサの誤差の保証値およびノイズレベルを参考にして許容できる差の閾値S1を定めておく。この閾値を超えて差異が大きくなった場合には、電流センサが何らかの理由により正しい値を出力していないと予想されるため異常と診断する。すなわち異常検出手段14は、対となる電流センサの出力を加算して得られた電流値と閾値の差異が大きく生じているとき、前記対となる電流センサのいずれか一方の電流センサが異常であると診断する。なお、スパイクノイズ等により瞬間的にこの閾値を超える可能性があるため、対となる電流センサの出力を加算して得られた電流値が閾値を超えて一定時間(例えば、100ms間)差異大の状態が続いたら異常と診断する等してもよい。
ここでは、U相につき、対向する二つの電流センサとして電流センサU1,U2が取り付けられ、V相につき、対向する二つの電流センサとして電流センサV1,V2が取り付けられている。W相には、電流センサU1,V1と同じ向きに一つの電流センサW1が取り付けられているものとする。この場合に、異常検出手段14は、以下の条件式を満たすかどうかの判定を行う。以下、電流センサU1,U2,V1,V2から得られる値(電圧)は、それぞれU1,U2,V1,V2として以下に示す。
|U1+U2−2C|<S1 …(式1)
|V1+V2−2C|<S1 …(式2)
このとき、各式の判定結果が、式1:真、式2:偽であったとする。よってU相の電流センサU1,U2の出力の差異は許容できる範囲であり異常は認められない。また式2の左辺の演算結果が異常と判定する閾値であるS1を超えており、V相の電流センサV1,V2の出力は、得られた結果の絶対値が大きく異なっているか、予め定められたオフセット値Cを大きく逸脱していることが予想され、異常と診断される。オフセット値の逸脱は、電流センサに供給されるべき電源から電力が供給されない状態となったとき、出力がゼロとなる等が考えられる。
以上の処理を行うことで、一相につき一対ずつ対向して取り付けられた電流センサについて、その相の電流センサのうちいずれかが異常となっているか否かを診断可能である。結果を表1に示す。表1において丸印は正常、×印は異常を表す。
Figure 2019146304
<異常個所診断手段15の具体的動作>
ここまでで、異常検出手段14の診断によって、U相に取り付けられた対となる電流センサU1,U2は共に正常で、V相に取り付けられた対となる電流センサV1,V2のうち、どちらかが異常であると診断されている。またW相の電流センサW1は異常か否か未判定である。
異常検出手段14では、その相で異常である電流センサがあるかどうかは診断できても、その相の対となる電流センサのうち、どちらの電流センサが異常であるかは判別できない。そこで、異常個所診断手段15では、これを判別するための処理を行う。
異常個所診断手段15は、以下に示すように、UVW相の電流センサの出力の和を取り、結果が略零になるかどうかを判定する。実際には、電流センサの誤差およびノイズによって「零」から差が生じるが、電流センサの誤差の保証値およびノイズレベルを参考にして許容できる差の閾値S2を定めておく。よって、異常個所診断手段15は、以下の条件式を満たすかどうかの判定を行う。以下、電流センサU1,U2,V1,V2,W1から得られる値(電圧)は、それぞれU1,U2,V1,V2,W1として以下に示す。
|U1+V1+W1−3C|<S2 …(式3)
|U2+V2+(−1)×W1−C|<S2 …(式4)
ここで、式4でW1を−1倍しているのは、電流センサU2と電流センサV2に対して電流センサW1は電流方向について逆向きに取り付けられているためであり、W1を−1倍することで、電流センサU2および電流センサV2の電流方向と一致させている。また、−1×W1を加算していることからオフセット値も相殺されており、式4となる。
以上の条件式において、式3:真、式4:偽とすると、式4の左辺の演算結果は異常と判定する閾値S2を超えており、電流センサU2,V2,W1のいずれかが異常であると診断できる。先の異常検出手段14の演算の式2より、V相のいずれかの電流センサが異常であると診断されているため、異常な電流センサは電流センサV2であると判別できる。
以上の処理と異常検出手段14の処理結果を組み合わせることで、どの電流センサが異常であるかを特定することができる。異常診断を行った結果を、各電流センサの状態を格納する変数に記録して、以降の演算で使用するかどうかの判断基準とする。
以上の内容をまとめると、表2となる。表2において丸印は正常、×印は異常を表す。
Figure 2019146304
<差動演算手段16の具体的動作>
<<電流センサ正常時の動作>>
先に、電流センサに異常がない場合の動作を示す。
電流センサU1と電流センサU2により得られた値(電圧)は、オフセット値Cを含んだ値である。ここで、それぞれのセンサ出力とU相に流れる電流IUは以下の関係となる。
(U1−U2)/2=IU
V相についても同様の処理を行うことで、V相に流れる電流IVを求めることができる。以上より、差動演算手段16の処理の後段にある電流制御で、制御に必要な電流値を求めることができる。
<<電流センサ異常時の動作>>
次に、電流センサに異常がある場合の動作を示す。
異常個所診断手段15から受け渡された、どの電流センサが異常であるかという情報から、例えば、一つでも電流センサに異常が発生している場合は、差動演算を行わないとしてもよい。
具体的には、電流センサU1に異常が発生していない(有効)時にはENU1=1、同様に電流センサU2が有効時にはENU2=1、電流センサU1,U2の異常時にはそれぞれENU1=0、ENU2=0とする変数を用意し、異常個所診断手段15から異常検出手段14に値を更新させてもよい。また、得られたENU1とENU2と、それぞれの電流センサの出力U1,U2と共に、以下のように演算してもよい。
IU=(U1×ENU1−U2×ENU2)/(ENU1+ENU2)
ただし、ENU1=ENU2=0の場合は演算を行わず、モータ4の駆動を停止する。
同様にV相、もしくは構成によってはW相においても同様の演算を行う。
<差動演算による同相ノイズの除去について>
この差動演算手段16は、対の電流センサを備える二相(この例ではU相,V相)につき、前記対となる電流センサでそれぞれ検出された電流の差分をとって、前記対となる電流センサの出力に重畳された同相ノイズを相殺し、得られた電流値をそれぞれ用いて電流制御を行う。
ノイズの無い理想状態であれば、対となる電流センサでそれぞれ検出された電流の差分をとっても、差分をとらずに一つの電流センサの出力を使用しても差異はない。しかし、対向して取り付けられた電流センサのそれぞれの出力に同相ノイズが重畳されている場合は、対となる二つの電流センサから得られた結果の差分をとることで作動増幅回路と同様の効果が期待され、同相ノイズの除去が望める。
ここで、U相に取り付けられた電流センサU1と電流センサU2の出力である、U1とU2に、図5で示したような同相ノイズが重畳しているとする。ここで、二つの信号の差分をとったU1−U2も併せて図5に示す。同図5に示す通り、U1とU2に観測されたスパイク状の同相ノイズはU1−U2では見られない。以上のように差動演算手段16において差動演算を行うことで同相ノイズの除去が可能である。この同相ノイズの原因は、例えば、電流制御を行う際のスイッチングノイズである。生じたノイズが電流センサの電源に重畳されることで、電流センサの出力にもノイズが重畳される、またはスイッチングノイズが直接に電流センサの出力信号に重畳される場合がある。
<電流制御手段13の具体的動作>
図2および図3に示すように、電流制御手段13では、ベクトル制御に代表される電流制御を実施している。この例では、電流制御手段13は、差動演算手段16の出力であるU相とV相の電流を基に電流制御を行う。電流制御手段13は、演算された電流目標値より検出された電流が小さければさらに電流目標値を大きくし、演算された電流目標値より検出された電流が大きければさらに電流目標値を小さくすることによって、モータ電流をフィードバック制御する。電流制御手段13は、フィードバック制御により指令電圧を算出し、この指令電圧をパルス幅変調信号にして、ゲートドライブ回路Gdにオンオフ指令を与える。電流を変える場合は、PWM動作でパルス幅を変更することにより実現される。
<制御装置内の各手段の実行順序について>
図6は、この制御装置内の各手段の実行順序を示すフローチャートである。以後、図2および図3も適宜参照しつつ説明する。
本処理開始後、制御装置9は、全ての電流センサが出力した電流値を読み込む(ステップS1)。読み込んだ電流値は異常検出手段14に受け渡される(ステップS2)。
異常検出手段14は、前述のように、受け取った電流値から、いずれかの電流センサに異常が発生して異常な信号を出力しているか否かの判定を行って、結果を出力する(ステップS3)。
全ての電流センサが正常であり、異常が無いとき(ステップS3:no)、制御装置9に読み込まれた電流値は、そのまま差動演算手段16に受け渡される。全ての電流センサが正常であるとすると、差動演算手段16が受け取った電流値のうち、二相(この例ではU相,V相)に取り付けられた二対の電流センサの出力を採用する。差動演算手段16は、対向して取り付けられた電流センサの二つの出力の差分をとり、必要に応じて結果が倍率1倍となるようにゲインを掛けて、電流制御に使用する電流値とする(ステップS4)。
差動演算手段16の演算により得られた電流制御に使用する電流値は、電流制御手段13に受け渡される。電流制御手段13は、三相の電流値(もしくは二相の電流値の測定値と、そこから求められた一相の電流値)を基に演算を行い、三相それぞれの電流目標値を算出する(ステップS5)。一般には、電流駆動回路8はPWM制御されており、電流制御手段13はPWMのデューティー比を演算により求めて出力する。
制御装置9は、電流制御手段13が定めたPWMのデューティー比を基に、電流駆動回路駆動信号を電流駆動回路8へ出力する(ステップS6)。前記電流駆動回路駆動信号は一般にはPWMのパルス信号である。その後本処理を終了する。
電流センサに異常があると異常検出手段14が診断した場合(ステップS3:yes)、ステップS7に移行する。例えば、一対の対向する電流センサの出力の間の差異が閾値より大きく、異常であると異常検出手段14により診断されたとする。電流センサの異常と診断されたとき、三相のうちいずれの相の電流センサが異常であるかは判明している。しかし、対向して取り付けられた一対の電流センサのうち、どちらの電流センサが異常であるかは不明である。
そこで、異常検出手段14により異常である電流センサのある相が判明した状態で、異常個所診断手段15は、その相のうちどちらの電流センサが異常であるかを判定する(ステップS7)。異常個所診断手段15は、この結果判明した、いずれの電流センサが異常であるかを示す異常情報(換言すれば、どの電流センサの出力が採用できないかを表す情報)を更新し、この更新した異常情報を差動演算手段16へ受け渡す(ステップS8)。その後ステップS4に移行する。以降の処理では、異常と診断された電流センサにより得られた電流値は使用しないようにして、駆動のための電流制御を行う。これにより、いずれかの電流センサに異常が発生しても制御性能の向上を図れ、冗長性を確保し得る。
以上が電流制御に関わる制御フローの一周期であり、計算周期あたり一回処理される。
<作用効果について>
対向して取り付けられた電流センサのそれぞれの出力に同相ノイズが重畳されている場合がある。この同相ノイズの原因は、例えば電流制御を行う際のスイッチングノイズである。
そこで、差動演算手段16は、対となる電流センサでそれぞれ検出された電流の差分をとって、前記対となる電流センサの出力に重畳された同相ノイズを相殺し、得られた電流値をそれぞれ用いて電流制御を行う。これにより、いわゆる作動増幅回路と同様の効果が期待され、同相ノイズの除去が望める。したがって、同相ノイズに起因する不所望な電流制限を行うことが防止でき、制御性能の向上を図ることができる。また異常と診断された電流センサにより得られた電流値は使用しないようにして、駆動のための電流制御を行うため、いずれかの電流センサに異常が発生しても制御性能の向上を図れ、冗長性を確保し得る。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施の形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
<W相の異常を都度調査する手順を追加した例>
先に示した異常検出手段14と異常個所診断手段15の処理では、電流センサを一つだけ取り付けた相(表1の例ではW相の電流センサW1)については、異常個所診断手段15の診断のうち、式3か式4が成り立つことで、異常ではないことが判定される。
しかし、図6に示した手順通りに処理を行うと、電流センサW1が異常であることを検出できず、仮に電流センサW1が異常な状態で電流センサV2に異常が発生した場合に、異常個所診断手段15による診断を実施する際に必要な電流センサW1の出力が正常ではなく、異常個所診断手段15を正常に完了できない。
そこで、異常検出手段14は、対となった電流センサの全てが正常であると診断後に、以下の条件を満たすかどうか都度調査することで、電流センサW1に異常がないか予め調査してもよい。
|U1+V1+W1−3C|<S2 …(式5)
この結果、電流センサW1に異常がないか常に監視することができる。電流センサW1から得られたW1が正常か異常かという診断結果により、最初に電流センサW1だけが異常であると診断されれば、異常個所診断手段15を実施せずに、電流制御を停止して車両を停止させるという対処がとれ、U相かV相の電流センサのうちいずれか一つが異常である際に電流センサW1は直前まで正常であったと診断されれば、電流センサW1の結果を信頼するという対処がとれる。
<電流センサのオフセットを変数にする例>
ここまで、電流センサのオフセットとして定数Cを使用してきたが、使用する電流センサによってはオフセットに機差または温度により変化する、その差が制御性能の悪化の原因となるため、制御中でのオフセットの実測値を随時更新する方法が考えられる。そこで、先の異常検出手段14および異常個所診断手段15で用いるオフセットは、定数ではなく、実測によって更新される数値を用いてもよい。
<例示した以外の構成>
ここまで、二相に二個ずつ、一相に一つの計五個の電流センサを使用する構成を示した。しかし、三相それぞれの相に、対となる二つずつの計六個の電流センサを使用し、全ての相について異常検出手段14により異常がないかを診断し、異常と診断されて異常個所診断手段15により異常個所が特定された際も、例えば一個の電流センサの異常の場合は、残る五個の電流センサで、ここまでで示した手順に従って演算を行って、より冗長度を高めてもよい。なお、二相に二つずつだけ電流センサを取り付け残りの一相に電流センサを取り付けない場合は、異常個所診断手段15にて提案する三相の和が零になる関係を用いた異常個所の判定方法を用いることができない。
図7に示すように、電流センサとして、電流の向きが相反する方向に電流をそれぞれ検出する二個の対となる電流センサを、互いに対向する向きに、且つ、三相におけるいずれか二相(この例ではU相,V相)にそれぞれ備え、残りの一相(この例ではW相)に電流センサを取り付けない構成にしてもよい。
ここでは、U相につき、対向する二つの電流センサとして電流センサU1,U2が取り付けられ、V相につき、対向する二つの電流センサとして電流センサV1,V2が取り付けられているものとする。この場合に、異常検出手段14(図3)は、以下の条件式を満たすかどうかの判定を行う。以下、電流センサU1,U2,V1,V2から得られる値(電圧)は、それぞれU1,U2,V1,V2として以下に示す。
|U1+U2−2C|<S1 …(式6)
|V1+V2−2C|<S1 …(式7)
このとき、各式の判定結果が、式6:真、式7:偽であったとする。よってU相の電流センサの出力の差異は許容できる範囲であり異常は認められない。また式7の左辺の演算結果が異常と判定する閾値であるS1を超えており、V相の電流センサの出力は、得られた結果の絶対値が大きく異なっているか、予め定められたオフセット値Cを大きく逸脱していることが予想され、異常と診断される。オフセット値の逸脱は、電流センサに供給されるべき電源から電力が供給されない状態となったとき、出力がゼロとなる等が考えられる。
以上の処理を行うことで、一相につき一対ずつ対向して取り付けられた電流センサについて、その相の電流センサのうちいずれかが異常となっているか否かを診断可能である。結果を表3に示す。表3において丸印は正常、×印は異常を表す。
Figure 2019146304
<異常個所診断手段の具体的動作>
ここまでで、異常検出手段14(図3)の診断によって、U相に取り付けられた対となる電流センサは共に正常で、V相に取り付けられた対となる電流センサのうち、どちらかが異常であると診断されている。
異常検出手段14(図3)では、その相で異常である電流センサがあるかどうかは診断できても、その相の対となる電流センサのうち、どちらの電流センサが異常であるかは判別できない。そこで、異常個所診断手段15(図3)では、これを判別するための処理を行う。
異常個所診断手段15(図3)は、以下に示すように、電流センサを取り付けた相(この例ではU相とV相)にのみ異常個所診断電流として電流が流れるように、電流駆動回路8を動作させ、前記異常個所診断電流を電流センサで検出することで、異常である電流センサを特定する。
U相とV相にのみ電流を流すには、U相のスイッチング素子12(図3)のハイ側と、V相のスイッチング素子12(図3)のロー側、W相のスイッチング素子12(図3)は共にオフとすることで実現する。このとき、三相交流電流の和は零になり、W相の電流が零であることから、以下の関係となる。
(U相電流)+(V相電流)+(W相電流)=0 …(式8)
ここでW相電流=0より、
(U相電流)=−(V相電流) …(式9)
よって、理想的にはU1−V1=0、U2−V2=0であるが、実際には、電流センサの誤差またはノイズによって「零」から差が生じるため、電流センサの誤差の保証値およびノイズレベルを参考にして許容できる差の閾値S2を定めておく。よって、異常個所診断手段15(図3)は、以下の条件式を満たすかどうかの判定を行う。
|U1−V1|<S2 …(式10)
|U2−V2|<S2 …(式11)
以上の条件式において、式10:真、式11:偽とすると、電流センサU2もしくは電流センサV2が異常であることがわかる。ここで、異常検出手段14(図3)よりV相の電流センサに異常があることがわかっているので、電流センサV2が異常と判別できる。
以上の処理と異常検出手段14(図3)の処理結果を組み合わせることで、どの電流センサが異常であるかを特定することができる。異常診断を行った結果を、各電流センサの状態を格納する変数に記録して、以降の演算で使用するかどうかの判断基準とする。
以上の内容をまとめると、表4となる。表4において丸印は正常、×印は異常を表す。
Figure 2019146304
その他第1の実施形態と同様の構成を有し、第1の実施形態と同様の作用効果を奏する。また図7の構成によれば、第1の実施形態よりも電流センサの個数を低減することでコスト低減を図れる。
いずれかの実施形態に係るモータ駆動装置を備えた電気自動車としては、前述の一モータオンボードタイプに限定されるものではない。例えば、図8(a)に示すように、車体1に二台のモータ4,4および各モータ4に対応する減速機を設け、これらモータ4,4により左右の車輪3,3を駆動する二モータオンボードタイプの電気自動車に、モータ駆動装置6,6を備えてもよい。図8(b)に示すように、左右の各車輪2,2が、それぞれインホイールモータ駆動装置IWMを構成するモータ4により駆動されるインホイールモータタイプの電気自動車に、モータ駆動装置6,6を備えてもよい。図8(a),(b)において、モータ4で駆動する左右の車輪は前後輪3,2のいずれであっても良い。また、4輪駆動としても良い。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
4…三相交流モータ
6…モータ駆動装置
8…電流駆動回路
9…制御装置
14…異常検出手段
15…異常個所診断手段
16…差動演算手段
S…電流センサ

Claims (7)

  1. 電気自動車の走行用駆動源となる三相交流モータを駆動するモータ駆動装置であって、電流駆動回路と、前記三相交流モータに流れる電流を検出する電流センサと、与えられるトルク指令および前記電流センサで検出された電流に基づいて前記電流駆動回路に電流の駆動信号を与える制御装置と、を備え、
    前記電流センサとして、電流の大きさと向きを検出可能な二個の対となる電流センサを、互いに対向する向きに、且つ、三相におけるいずれか二相にそれぞれ備え、
    前記制御装置は、前記対の電流センサを備える前記二相における各相につき、前記対となる電流センサでそれぞれ検出された電流の差分をとって、前記対となる電流センサの出力に重畳された同相ノイズを相殺し、得られた電流値をそれぞれ用いて電流制御を行う差動演算手段を有するモータ駆動装置。
  2. 請求項1に記載のモータ駆動装置において、前記制御装置は、前記対となる電流センサの出力を取り込み、得られた電流値が予め定めた条件式を満たすかを判定し、前記電流センサの異常を検出する異常検出手段を有するモータ駆動装置。
  3. 請求項2に記載のモータ駆動装置において、前記異常検出手段は、前記対となる電流センサの出力を加算して得られた電流値と閾値の差異が生じているとき、前記対となる電流センサのいずれか一方の電流センサが異常であると診断するモータ駆動装置。
  4. 請求項3に記載のモータ駆動装置において、前記制御装置は、前記異常検出手段により前記対となる電流センサのいずれか一方の電流センサが異常と診断されたとき、電流センサを備えた相にのみ異常個所診断電流として電流を流すように、前記電流駆動回路を動作させ、前記異常個所診断電流を前記電流センサで検出することで、異常である電流センサを特定する異常個所診断手段を有するモータ駆動装置。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のモータ駆動装置において、前記電流センサは、前記二相に備えた前記対の電流センサと、前記三相の残りの一相に流れる電流を検出する電流センサとを有し、
    前記制御装置は、前記三相にそれぞれ備えた前記電流センサの出力を、各相から一つずつの出力の和を取って、和が零とならずに閾値を超えるとき、いずれかの電流センサに異常が生じていると判断し、前記和を取る組み合わせを変えることで、異常である電流センサを特定する異常個所診断手段を有するモータ駆動装置。
  6. 請求項4または請求項5のモータ駆動装置において、前記制御装置は、前記異常個所診断手段により異常である電流センサが特定されたとき、前記異常である電流センサの出力電流値は使用せず残りの電流センサの出力電流値を用いて電流制御を行うモータ駆動装置。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載のモータ駆動装置を備えた電気自動車。
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