JP2019031046A - 三次元造形装置及び三次元造形物の製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、三次元造形材として光重合性化合物とアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤とを含有する三次元造形材を用い、かつ、光照射部として400nm未満の波長の光のみを照射する三次元造形装置によって形成された三次元造形物は、経時的な黄変の発生が起こる場合がある。
光重合性化合物とアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤とを含有する三次元造形材を収容し、前記三次元造形材を吐出する吐出部と、
吐出された前記三次元造形材に400nm以上430nm以下の波長の可視光を照射する第1の可視光照射部と、
を備える三次元造形装置。
前記第1の可視光照射部により可視光が照射された前記三次元造形材に500nm以上の波長の可視光を照射する第2の可視光照射部をさらに備える請求項1に記載の三次元造形装置。
請求項3に係る発明は、
前記第1の可視光照射部は403nm以上428nm以下の波長の可視光を照射する光照射部であり、かつ、前記第2の可視光照射部は500nm以上580nm以下の波長の可視光を照射する光照射部である請求項2に記載の三次元造形装置。
吐出された前記三次元造形材に400nm未満の波長の紫外光を照射する紫外光照射部をさらに備える請求項1に記載の三次元造形装置。
請求項5に係る発明は、
前記第1の可視光照射部は403nm以上428nm以下の波長の可視光を照射する光照射部であり、かつ、前記紫外光照射部は360nm以上390nm以下の波長の紫外光を照射する光照射部である請求項4に記載の三次元造形装置。
請求項6に係る発明は、
前記第1の可視光照射部は、前記紫外光照射部によって紫外光が照射された前記三次元造形材に可視光を照射する光照射部である請求項4又は請求項5に記載の三次元造形装置。
前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドの少なくとも一種を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の三次元造形装置。
請求項8に係る発明は、
前記三次元造形材全体に対する前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は2質量%以上4質量%以下である請求項7に記載の三次元造形装置。
前記三次元造形材は無色透明又は白色である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の三次元造形装置。
光重合性化合物とアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤とを含有する三次元造形材を吐出する吐出工程と、
前記吐出工程で吐出された前記三次元造形材に400nm以上430nm以下の波長の可視光を照射する第1の可視光照射工程と、
を有する三次元造形物の製造方法。
前記第1の可視光照射工程で可視光が照射された前記三次元造形材に500nm以上の波長の可視光を照射する第2の可視光照射工程をさらに有する請求項10に記載の三次元造形物の製造方法。
請求項12に係る発明は、
前記第1の可視光照射工程で照射する可視光は403nm以上428nm以下の波長の可視光であり、かつ、前記第2の可視光照射工程で照射する可視光は500nm以上580nm以下の波長の可視光である請求項11に記載の三次元造形物の製造方法。
前記吐出工程で吐出された前記三次元造形材に400nm未満の波長の紫外光を照射する紫外光照射工程をさらに有する請求項10に記載の三次元造形物の製造方法。
請求項14に係る発明は、
前記第1の可視光照射工程は403nm以上428nm以下の波長の可視光を照射する工程であり、かつ、前記紫外光照射工程は360nm以上390nm以下の波長の紫外光を照射する工程である請求項13に記載の三次元造形物の製造方法。
請求項15に係る発明は、
前記第1の可視光照射工程は、前記紫外光照射工程により紫外光が照射された前記三次元造形材に可視光を照射する工程である請求項13又は請求項14に記載の三次元造形物の製造方法。
前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドの少なくとも一種を含む請求項10〜請求項15のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
請求項17に係る発明は、
前記三次元造形材全体に対する前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は2質量%以上4質量%以下である請求項16に記載の三次元造形物の製造方法。
前記三次元造形材は無色透明又は白色である請求項10〜請求項17のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
請求項8に係る発明によれば、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量が前記範囲内であっても、光重合性化合物とアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤とを含有する三次元造形材を収容し三次元造形材を吐出する吐出部と、吐出された三次元造形材に400nm未満の波長の光のみを照射する光照射部と、のみを備える三次元造形装置に比べ、経時的な黄変の発生が抑制された三次元造形物が得られる三次元造形装置が提供される。
第1実施形態に係る三次元造形装置の一例として、図1に示す三次元造形装置101について、図面を参照しつつ説明する。
図1に示す三次元造形装置101は、インクジェット方式の三次元造形装置であり、例えば、造形ユニット10と、造形台20と、を備えている。
また、三次元造形装置101は、装置に脱着されるように、三次元造形材30Aを収容する三次元造形材カートリッジ30と、サポート材32A(支持材)を収容するサポート材カートリッジ32と、を備えている。
なお、図1中、MDは三次元造形材30Aによって形成された三次元造形物を示し、SPはサポート材32Aによって形成されたサポート部を示す。
一方、造形台20は、不図示の駆動装置により昇降し、三次元造形材30Aおよびサポート材32Aが吐出されて三次元造形物が形成される造形領域を有する面を有している。
なお、三次元造形材吐出ヘッド12及びサポート材吐出ヘッド14は、各々、例えば、有効な吐出領域(三次元造形材及びサポート材を吐出するノズルの配置領域)が、造形台20上の造形領域幅(造形ユニット10の移動方向(主走査方向)と交差(例えば直交)する方向の長さ)以上とした長尺状のヘッドとしてもよい。
まず、不図示のコンピュータ等により、例えば、三次元造形材30Aにより造形する三次元造形物の三次元CAD(Computer Aided Design)データから、三次元造形用のデータとして、例えば、三次元造形物を形成するための二次元形状データ(スライスデータ)を生成する。このとき、サポート材32Aによりサポート部を形成するための二次元形状データ(スライスデータ)も生成する。サポート部を形成するための二次元形状データは、下方位置の造形物の幅より、上方位置の造形物の幅が大きく、いわゆるオーバーハングしている部分がある場合、このオーバーハング部分を下方より支持するようにサポート部が形成されるようになっている。
このようにして、三次元造形物の一部となる層と、必要に応じて、サポート部の一部となる層とからなる第1層LAY1を形成する(図2参照)。ここで、図2中、MD1は、第1層LAY1における三次元造形物の一部となる層を示し、SP1は、第1層LAY1におけるサポート部の一部となる層を示す。
なお、得られた三次元造形物は、研磨処理等の後処理を施してもよい。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は硬化時に黄色味が少ない光重合開始剤であるが、硬化させるために照射する光源の波長を例えば365nmの紫外光にした場合、可視光に比べて照射されるエネルギーが高いために副反応が起こりやすく黄色の成分がアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の変性から生じると考えられる。
これに対して、照射する光源の波長を400nm以上にした場合には、365nmの紫外光に比べてエネルギーが低く、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤が活性化し、活性化したアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤が分解し、消色して、モノマーやオリゴマーなどの樹脂成分と反応することで架橋化反応が進行する重合反応が主として起こるため、副反応である黄変が起こりにくいと考えられる。
しかしながら、例えば三次元造形物が厚みを有し(例えば厚みが4mm以上)、かつ、半透明(例えば厚み4mmにおける可視光の透過率が60%以上80%以下)である場合、後処理において照射する光が三次元造形物の内部にまで到達せず、内部における変色の解消が困難なことがある。
これに対して、第1実施形態の三次元造形装置101では、三次元造形材30Aの層に400nm以上430nm以下の波長の可視光を照射し、黄変を抑制させながら硬化させたものを積層することで三次元造形物を形成する。そのため、前記のように従来の三次元造形装置で製造した後に後処理を行う場合に比べて、内部まで黄変が抑制された三次元造形物が得られる。
なお、光照射装置16によって三次元造形材30Aに照射する光に紫外光を含ませないようにする方法としては、例えば、光照射装置16としてLED(発光ダイオード)を用いる方法のほか、紫外光を透過しないフィルターを用いる方法等が挙げられる。
次に、第2実施形態に係る三次元造形装置の一例として、図5に示す三次元造形装置102について説明する。
図5に示す三次元造形装置102は、光照射装置16(第1の可視光照射部)によって400nm以上430nm以下の波長の可視光が照射された三次元造形材30A及びサポート材32Aに、500nm以上の波長の可視光を照射する光照射装置18(第2の可視光照射部)を有する形態である。
つまり、図5に示す三次元造形装置102は、三次元造形材吐出ヘッド12と、サポート材吐出ヘッド14と、光照射装置16と、光照射装置18と、をこの順に有する造形ユニット11を備えていること以外は、第1実施形態の三次元造形装置101と同様である。
なお、図1に示す三次元造形装置101と同様の部材等については、図1と同じ符号を付し、説明を省略する。
次に、光照射装置16により、三次元造形材30A及び必要に応じて形成されたサポート材32Aの層へ光を照射して硬化することで、三次元造形物及び必要に応じて形成されるサポート部の一部となる層を形成する(第1の可視光照射工程)。その後、光照射装置18により、三次元造形物及び必要に応じて形成されるサポート部の一部となる層へ光を照射する(第2の可視光照射工程)。
光照射装置18によって三次元造形材30Aに照射する可視光の波長は、500nm以上であれば特に限定されないが、三次元造形物における経時的な黄変を抑制する観点から、500nm以上580nm以下が好ましく、505nm以上525nm以下がより好ましい。
光照射装置16によって三次元造形材30Aに照射する光、及び光照射装置18によって三次元造形材30Aに照射する光のいずれも、得られた三次元造形物における経時的な黄変を抑制する観点から、紫外光(400nm以下の光)を含まないことが好ましい。
次に、第3実施形態に係る三次元造形装置の一例として、図6に示す三次元造形装置103について説明する。
図6に示す三次元造形装置103は、吐出された三次元造形材30A及びサポート材32Aに400nm未満の波長の紫外光を照射する光照射装置19(紫外光照射部)を有する形態である。そして、三次元造形装置103では、光照射装置19によって400nm未満の波長の紫外光が照射された三次元造形材30A及びサポート材32Aに、光照射装置16(第1の可視光照射部)によって400nm以上430nm以下の波長の可視光を照射する。
つまり、図6に示す三次元造形装置103は、三次元造形材吐出ヘッド12と、サポート材吐出ヘッド14と、光照射装置19と、光照射装置16と、をこの順に有する造形ユニット13を備えていること以外は、第1実施形態の三次元造形装置101と同様である。
なお、図1に示す三次元造形装置101と同様の部材等については、図1と同じ符号を付し、説明を省略する。
次に、光照射装置19及び光照射装置16により、三次元造形材30A及び必要に応じて形成されたサポート材32Aの層へ光を照射して硬化することで、三次元造形物及び必要に応じて形成されるサポート部の一部となる層を形成する(紫外光照射工程及び第1の可視光照射工程)。
また、光照射装置19によって三次元造形材30Aに照射する紫外光の波長は、400nm未満であれば特に限定されないが、三次元造形材30Aの硬化の観点から、360nm以上395nm以下が好ましく、365nm以上395nm以下がより好ましい。
また、サポート材吐出ヘッド14を有さない形態でもよく、さらに第2実施形態の三次元造形装置102における光照射装置18を有する形態でもよい。すなわち、三次元造形材吐出ヘッド12と、サポート材吐出ヘッド14と、光照射装置19と、光照射装置16と、光照射装置18と、をこの順に有する造形ユニットを備え、光照射装置18により三次元造形物の一部となる層へ光を照射する(第2の可視光照射工程を有する)形態でもよい。
次に、第1実施形態の三次元造形装置101、第2実施形態の三次元造形装置102、及び第3実施形態の三次元造形装置103における三次元造形材カートリッジ30に収容された三次元造形材30Aについて説明する。また、必要に応じて用いられ、サポート材カートリッジ32に収容されたサポート材32Aについても説明する。以下、符号を省略する場合がある。
三次元造形材は、少なくとも光重合性化合物とアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤とを含有し、必要に応じてその他の成分を含有してもよい。以下、三次元造形材に含まれる各成分について説明する。
光重合性化合物は、光が照射されることによって重合する化合物であり、モノマー、オリゴマー、及びプレポリマーのいずれであってもよく、例えば光重合性基を有する化合物が挙げられる。
光重合性化合物は、光重合性基を有する化合物を1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
本実施形態では、光重合開始剤としてアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を用いているため、光重合性化合物としてラジカル重合性基を有する化合物を用いる。
光重合性化合物は、1分子中に、光重合性基を1つのみ有してもよく、2以上有してもよい。また、光重合性基を有する化合物は、ラジカル重合性基のほかにカチオン重合性基を有してもよい。
カチオン重合性基としては、エポキシ基、オキセタニル基、ビニル基等が挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの双方を意味し、(メタ)アクリルとは、アクリル及びメタクリルの双方を意味する。また、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル基およびメタクリロイル基の双方を意味する。
ラジカル重合性基及びカチオン重合性基を有する化合物としては、例えば、ラジカル重合性基として(メタ)アクリロイル基を有し、カチオン重合性基としてビニルエーテル基を有する化合物が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、ウレタン構造と2個以上の(メタ)アクリロイル基を一分子内に有する化合物である。ウレタン(メタ)アクリレートは、モノマーであってもよし、オリゴマーであってもよいが、オリゴマーであることがよい。
ウレタン(メタ)アクリレートの官能数((メタ)アクリロイル基の数)は、2以上20以下(好ましくは2以上15以下)がよい。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、鎖状飽和炭化水素イソシアネート、環状飽和炭化水素イソシアネート、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。これら中でも、ポリイソシアネート化合物は、近紫外領域に光吸収帯を持たない鎖状飽和炭化水素イソシアネート、近紫外領域に光吸収帯を持たない環状飽和炭化水素イソシアネートが好ましい。
鎖状飽和炭化水素イソシアネートとしては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
環状飽和炭化水素イソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート、水添トルエンジイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアネート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えば、ジオール、多価アルコール等が挙げられる。
ジオールとしては、例えば、アルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,3,5−トリメチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,2−ジメチロールシクロヘキサン、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサン等)等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、ヒドロキシル基を3個以上含有するアルキレン多価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、エリスリトール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、マンニトール等)が挙げられる。
ここで、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,8−デカンジオール、オクタデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ヘキサントリオール等が挙げられる。
アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
ここで、多価アルコールとしては、例えば、ポリエーテルポリオールの説明で例示した多価アルコールが挙げられる。
二塩基酸としては、例えば、カルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等)、カルボン酸の無水物等が挙げられる。
環状エステル化合物としては、例えば、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトン等が挙げられる。
ここで、アルキレンカーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート等が挙げられる。
ジアリールカーボネートとしては、例えば、ジフェニルカーボネート、4−メチルジフェニルカーボネート、4−エチルジフェニルカーボネート、4−プロピルジフェニルカーボネート、4,4’−ジメチルジフェニルカーボネート、2−トリル−4−トリルカーボネート、4,4’−ジエチルジフェニルカーボネート、4,4’−ジプロピルジフェニルカーボネート、フェニルトルイルカーボネート、ビスクロロフェニルカーボネート、フェニルクロロフェニルカーボネート、フェニルナフチルカーボネート、ジナフチルカーボネート等が挙げられる。
ジアルキルカーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネート、ジイソブチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート、ジ−n−アミルカーボネート、ジイソアミルカーボネート等が挙げられる。
水素基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。水素基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、グリシジル基含有化合物(例えばアルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等)と(メタ)アクリル酸との付加物も挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量としては、500以上5000以下が好ましく、1000以上3000以下がより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
ウレタン(メタ)アクリレート全体に対するポリエステル系ウレタン(メタ)アクリレート及びポリエーテル系ウレタン(メタ)アクリレートの含有量としては、例えば1質量%以上99質量%以下が挙げられ、2質量%以上98質量%以下が好ましい。配合量は、所望の三次元造形材の粘度に合わせて調整される。
ウレタン(メタ)アクリレートと他の光重合性化合物とを併用する場合、光重合性化合物全体に対するウレタン(メタ)アクリレートの含有量としては、例えば1質量%以上99質量%以下が挙げられ、2質量%以上98質量%以下が好ましい。配合量は、所望の三次元造形材の粘度に合わせて調整される。
他の光重合性化合物は、特に限定されないが、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート以外の他の(メタ)アクリレートが挙げられる。
他の(メタ)アクリレートとしては、例えば、単官能の(メタ)アクリレート、多官能の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドおよび
N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートと他の光重合性化合物とを併用する場合、他の光重合性化合物としては、(メタ)アクリロイル基及びビニルエーテル基を有する化合物(例えば、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート)が好ましい。
光重合性化合物の含有量(複数種の光重合性化合物を併用する場合は、前記複数種の光重合性化合物全体の含有量)としては、三次元造形材全体に対して、例えば70質量%以上96質量%以下が挙げられ、80質量%以上96質量%以下が好ましい。
光重合開始剤は、光照射によって、光重合性化合物の光重合反応を開始させる活性種(例えば、ラジカル、カチオン等)を発生する化合物であり、本実施形態では活性種としてラジカルを発生するアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を用いる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は、アシル基の炭素原子とホスフィンオキサイド基のリン原子とが直接結合した化合物であり、光を吸収することで上記炭素原子とリン原子との結合が解離してラジカルが発生する。
以下、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドを「TPO」ともいい、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドを「BAPO」ともいう。
TPO及びBAPOの少なくとも一種を含む三次元造形材を収容した従来の三次元造形装置を用いて製造された三次元造形物は、特に経時的な黄変が起こりやすい。しかし、前述の通り、上記三次元造形材を収容し吐出する吐出部と前記第1の可視光照射部とを備えた三次元造形装置であれば、経時的な黄変が抑制された三次元造形物が得られる。
特に、TPO及びBAPOの合計含有量が三次元造形材全体に対し3質量%以上である三次元造形材を収容した従来の三次元造形装置を用いて製造された三次元造形物は、経時的な黄変が起こりやすい。しかし、前述の通り、上記三次元造形材を収容し吐出する吐出部と前記第1の可視光照射部とを備えた三次元造形装置であれば、経時的な黄変が抑制された三次元造形物が得られる。
その他の光重合開始剤のうち、アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の光ラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−アルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。
また、その他の光重合開始剤のうち、光カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩(ジアリールヨードニウム塩等)、スルホニウム塩(トリアリールスルホニウム塩等)、鉄アレーン錯体、有機ポリハロゲン化合物等が挙げられる。
その他の光重合開始剤の含有量としては、例えば、三次元造形材全体に対し2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
−着色剤−
三次元造形材は、必要に応じて、その他の成分として着色剤を含んでもよいし、
なお、後述するように、三次元造形材としては、例えば、無色透明の三次元造形材、又は白色の三次元造形材が挙げられる。
三次元造形材が無色透明である場合、三次元造形材は、着色剤を含まないか、又は着色剤の含有量が三次元造形材全体に対し0.1質量%以下(より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下)であることが好ましい。
白色の着色剤としては、例えば、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化スズ、カオリン、タルク等の白色顔料が挙げられる。
三次元造形材が白色である場合における三次元造形材全体に対する白色の着色剤の含有量としては、例えば、0.01質量%以上50質量%以下が挙げられ、0.05質量%以上20質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
また、白色である三次元造形材は、白色以外の着色剤を含まないか、又は白色以外の着色剤の含有量が三次元造形材全体に対し0.1質量%以下(より好ましくは0.05質量%以下、さらに好ましくは0.01質量%以下)であることが好ましい。
白色以外の着色剤としては、例えば、黄色の着色剤、マゼンタ色の着色剤、シアン色の着色剤、黒色の着色剤等が挙げられる。白色以外の着色剤の具体的としては、例えば、アゾレーキ顔料等のアゾ顔料、アゾ染料、フタロシアニン顔料等の多環式顔料、ニトロ顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料などが挙げられる。
三次元造形材は、必要に応じて、重合禁止剤を含んでもよい。
重合禁止剤としては、例えば、フェノール系重合禁止剤(例えば、p−メトキシフェノール、クレゾール、t−ブチルカテコール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−ブチルフェノール)、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)等)、ヒンダードアミン、ヒドロキノンモノメチルエーテル(MEHQ)、ヒドロキノン等の周知の重合禁止剤が挙げられる。
重合禁止剤の含有量は、光重合性化合物100質量部に対し、例えば0.1質量部以上30質量部以下が好ましく、0.1質量部以上10質量部以下がより好ましい。
なお、重合禁止剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
三次元造形材は、必要に応じて、界面活性剤を含んでもよい。
界面活性剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤、アクリル系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の周知の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、三次元造形材全体に対して、0.05質量%以上15質量%以下が好ましく、0.1質量%以上10質量%以下がより好ましい。
なお、界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
三次元造形材は、必要に応じて、酸素捕捉剤を含んでもよい。
酸素捕捉剤としては、例えば、アミン系酸素捕捉剤、有機リン系酸素捕捉剤等が挙げられる。
アミン系酸素捕捉剤とは、アミノ基を有する酸素捕捉剤であり、例えば、4−(ジメチルアミノ)安息香酸エチル等が挙げられる。
有機リン系酸素捕捉剤とは、リン原子を有する酸素捕捉剤であり、例えば、トリフェニルホスフィン(TPP)、トリエチルホスファイト(TEP)等が挙げられる。
三次元造形材が酸素捕捉剤を含む場合、酸素捕捉剤の含有量は、光重合開始剤100質量部に対して3質量部以上50質量部以下が好ましく、5質量部以上25質量部以下がより好ましい。
なお、酸素捕捉剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
三次元造形材は、光増感剤を含んでもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトン、チオキサントン、などが挙げられる。
光増感剤を用いる場合、三次元造形材全体に対する光増感剤の含有量としては、例えば0.1質量%以上10質量%以下が挙げられ、三次元造形物の硬度制御の観点から0.2質量%以上5質量%以下が好ましく、0.3質量%以上3質量%以下がより好ましい。
三次元造形材が含んでもよい上記以外のその他の成分としては、例えば、溶剤、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、増粘剤、分散剤、重合促進剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)等の周知の添加剤が挙げられる。
三次元造形材は、無色透明又は白色であることが好ましく、無色透明又は白色で半透明であることがより好ましい。
無色透明又は白色の三次元造形材を収容した従来の三次元造形装置を用いて製造された三次元造形物は、特に経時的な黄変が視認されやすい。しかし、前述の通り、無色透明又は白色の三次元造形材を用いても、三次元造形材を収容し吐出する吐出部と前記第1の可視光照射部とを備えた三次元造形装置であれば、経時的な黄変自体が抑制された三次元造形物が得られる。
特に、白色で半透明の三次元造形材を収容した従来の三次元造形装置を用いて製造された三次元造形物は、経時的な黄変が視認しやすいことに加え、黄変が生じた後に後処理として430nm〜500nmの波長の光を照射しても三次元造形物の内部にまで光が到達しにくい。しかし、三次元造形材を収容し吐出する吐出部と前記第1の可視光照射部とを備えた三次元造形装置であれば、黄変を抑制させながら硬化させたものを積層することで三次元造形物を形成するため、経時的な黄変自体が抑制された三次元造形物が得られる。
なお、上記透過率は、分光光度計を用い、測定試料の光路長及び透過率を測定し、Beer−Lambert(ベール−ランバート)の法則に基づき光路長を補正することにより算出される。
また、「白色」とは、CIE1976L*a*b*表色系において、明度L*が65以上、色相a*が−4以上1以下、かつ、色相b*が−10以上7以下であることを意味する。上記明度L*、色相a*、及び色相b*は、エックスライト社製X−Rite939(アパーチャー径4mm)を用いて測定された値である。
また、三次元造形材が白色である場合、上記明度L*は70以上が好ましく、上記色相a*は−3以上0.8以下が好ましく、上記色相b*は−8以上5以下が好ましい。
ここで、粘度は、レオマット115(Contraves製)を測定装置として用いて、測定温度は55℃、せん断速度は1400s−1の条件で測定した値である。
ここで、表面張力は、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値である。
サポート材は、必要に応じて用いられ、特に制限はなく、公知のサポート材が用いられる。サポート材としては、例えば、400nm以上430nm以下の波長の可視光の照射により硬化し、かつ、硬化後における除去がしやすい材料が挙げられ、具体的には、例えば、上記三次元造形材に含まれる成分と、可塑剤と、を含む材料が挙げられる。
非放射線硬化型ポリマーとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ひまし油ポリオール、及びポリエステルポリオールが挙げられる。非放射線硬化型ポリマーは、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
非放射線硬化型ポリマーの重量平均分子量としては、200以上1000以下が好ましく、250以上850以下がより好ましい。
非放射線硬化型ポリマーの重量平均分子量は、ポリスチレンを標準物質としたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
可塑剤の含有量は、例えば、サポート材全体に対して、25質量%以上60質量%以下が好ましく、30質量%以上50質量%以下がより好ましく、35質量%以上50質量%以下がより好ましい。
また、サポート材の粘度は、30mPa・s以上50mPa・s以下の範囲が好ましく挙げられる。
(三次元造形材1の調製)
下記表1に記載の各成分を混合し、三次元造形材を調製した。
なお、表1中の数値は、該当する成分の含有量(質量部)を意味する。
・U−15HA:光重合性化合物(ウレタンアクリレートオリゴマー、重量平均分子量:2300)、新中村化学工業(株)製
・U−200PA:光重合性化合物(ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステル系ウレタンアクリレート、重量平均分子量:2700)、新中村化学工業(株)製
・UA−4200:光重合性化合物(ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエーテルウレタンアクリレート、重量平均分子量:1000)、新中村化学工業(株)製
・VEEA−AI:光重合性化合物(化合物名:2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート)(株)日本触媒製
・BAPO:アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤(製品名:Irgacure 819、化合物名:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド)、BASF社製
・KAYACURE EPA:酸素捕捉剤(化合物名:p−(ジメチルアミノ)安息香酸エチルエステル)、日本化薬社製
・TEGO Rad2011:シリコーン系界面活性剤、エボニック社製
・SF White 分散体:着色剤(酸化チタンのイソボルニルアクリレート分散体、顔料濃度:40質量%)、山陽色素社製
(三次元造形装置1の作製:実施例1)
三次元造形装置1として、図1に示す三次元造形装置101を製造した。
具体的には、三次元造形材吐出ヘッド12として富士フィルムダイマティックス社製 Polarisヘッド(型番:PQ512/85)を用い、光照射装置16としてウシオ電機社製発光ダイオード(型番:E110 II HD、波長:405nm、発光強度:7W/cm2)を用いた。
また、三次元造形材カートリッジ30に、三次元造形材30Aとして上記三次元造形材1を収容し、サポート材32Aは用いなかった。
なお、三次元造形装置101は、吐出ヘッド(三次元造形材吐出ヘッド12)と光源(光照射装置16)が共に往復運動する方式であり、一度の走査(スキャン)毎に厚み20μmの造形材層の積層と光照射による硬化処理を行い、形成を行う装置とした。また、三次元造形材30Aは、遮光条件下、保存タンクから送液ポンプによりサンゴバン社製Tygon 2375耐薬チューブを経由し、日本ポール製 プロファイル・スター A050フィルター(ろ過精度5μm)を通過させ、異物を除去した後に三次元造形材吐出ヘッドへ送液する仕組みとした。
三次元造形装置2として、図5に示す三次元造形装置102を製造した。光照射装置18としてシーシーエス社製発光ダイオード(型番:LDL2−266X30GR、波長:525nm、発光強度:67mW/cm2)を用いた以外は、三次元造形装置1と同様のものとした。
三次元造形装置3として、図6に示す三次元造形装置103を製造した。光照射装置19としてカンタムエレクトロニクス社製発光ダイオード(型番:UV−4H−365H−100/5C、波長:365nm、発光強度:2100mW/cm2)を用いた以外は、三次元造形装置1と同様のものとした。
三次元造形装置C1として、光照射装置16の代わりにカンタムエレクトロニクス社製発光ダイオード(型番:UV−4H−365H−100/5C、波長:365nm、発光強度:7W/cm2)を用いた以外は、三次元造形装置1と同様の三次元造形装置を製造した。
得られた三次元造形装置1〜3及びC1を用い、ぞれぞれ、三次元造形物1〜3及びC1を作製した。なお、得られた三次元造形物1〜3及びC1はいずれも、50mm×50mm×厚み20μmの層を200層積層し、合計厚みが4mmとなった三次元造形物である。
各三次元造形装置を用いて作製された三次元造形物(三次元造形物1〜3及びC1)に対し、サンテストCPS+(ATLAS(株)社製;光源:1500Wキセノン空冷ランプ、放射照度100klx、ブラックスタンダード温度42℃、ランプフィルタ:B(屋外直射光))により擬似太陽光を8時間照射し、経時的な黄変の有無及び度合いを目視で観察し、評価した。
その結果、三次元造形物C1においては黄変が確認されたのに対し、三次元造形物1〜3のいずれも黄変が確認されなかった。
12 三次元造形材吐出ヘッド
14 サポート材吐出ヘッド
16、18、19 光照射装置
20 造形台
30 三次元造形材カートリッジ
30A 三次元造形材
32 サポート材カートリッジ
32A サポート材
101、102、103 三次元造形装置
Claims (18)
- 光重合性化合物とアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤とを含有する三次元造形材を収容し、前記三次元造形材を吐出する吐出部と、
吐出された前記三次元造形材に400nm以上430nm以下の波長の可視光を照射する第1の可視光照射部と、
を備える三次元造形装置。 - 前記第1の可視光照射部により可視光が照射された前記三次元造形材に500nm以上の波長の可視光を照射する第2の可視光照射部をさらに備える請求項1に記載の三次元造形装置。
- 前記第1の可視光照射部は403nm以上428nm以下の波長の可視光を照射する光照射部であり、かつ、前記第2の可視光照射部は500nm以上580nm以下の波長の可視光を照射する光照射部である請求項2に記載の三次元造形装置。
- 吐出された前記三次元造形材に400nm未満の波長の紫外光を照射する紫外光照射部をさらに備える請求項1に記載の三次元造形装置。
- 前記第1の可視光照射部は403nm以上428nm以下の波長の可視光を照射する光照射部であり、かつ、前記紫外光照射部は360nm以上390nm以下の波長の紫外光を照射する光照射部である請求項4に記載の三次元造形装置。
- 前記第1の可視光照射部は、前記紫外光照射部によって紫外光が照射された前記三次元造形材に可視光を照射する光照射部である請求項4又は請求項5に記載の三次元造形装置。
- 前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドの少なくとも一種を含む請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の三次元造形装置。
- 前記三次元造形材全体に対する前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は2質量%以上4質量%以下である請求項7に記載の三次元造形装置。
- 前記三次元造形材は無色透明又は白色である請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の三次元造形装置。
- 光重合性化合物とアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤とを含有する三次元造形材を吐出する吐出工程と、
前記吐出工程で吐出された前記三次元造形材に400nm以上430nm以下の波長の可視光を照射する第1の可視光照射工程と、
を有する三次元造形物の製造方法。 - 前記第1の可視光照射工程で可視光が照射された前記三次元造形材に500nm以上の波長の可視光を照射する第2の可視光照射工程をさらに有する請求項10に記載の三次元造形物の製造方法。
- 前記第1の可視光照射工程で照射する可視光は403nm以上428nm以下の波長の可視光であり、かつ、前記第2の可視光照射工程で照射する可視光は500nm以上580nm以下の波長の可視光である請求項11に記載の三次元造形物の製造方法。
- 前記吐出工程で吐出された前記三次元造形材に400nm未満の波長の紫外光を照射する紫外光照射工程をさらに有する請求項10に記載の三次元造形物の製造方法。
- 前記第1の可視光照射工程は403nm以上428nm以下の波長の可視光を照射する工程であり、かつ、前記紫外光照射工程は360nm以上390nm以下の波長の紫外光を照射する工程である請求項13に記載の三次元造形物の製造方法。
- 前記第1の可視光照射工程は、前記紫外光照射工程により紫外光が照射された前記三次元造形材に可視光を照射する工程である請求項13又は請求項14に記載の三次元造形物の製造方法。
- 前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドの少なくとも一種を含む請求項10〜請求項15のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
- 前記三次元造形材全体に対する前記アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量は2質量%以上4質量%以下である請求項16に記載の三次元造形物の製造方法。
- 前記三次元造形材は無色透明又は白色である請求項10〜請求項17のいずれか1項に記載の三次元造形物の製造方法。
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