図1は、実施形態にかかるチェックアウトシステム101の全体を示す模式図である。図1に示すように、チェックアウトシステム101は、チェッカ(店員)であるオペレータOが操作する商品データ登録装置102と、顧客Cが自ら操作することで決済処理を実行する会計装置103と、を備えている。商品データ登録装置102は、横長テーブル状の作業台104の上に設置されている。各商品データ登録装置102と各会計装置103とは、例えばLAN(Local Area Network)等のネットワークNTで互いに電気的に接続されている。
会計装置103は、1台の商品データ登録装置102に対して2台が専用として、商品データ登録装置102に並べて設けられている。図1の例では、一つの商品データ登録装置1の商品データ登録装置102に会計装置1と会計装置2の会計装置103が併設されている。この商品データ登録装置1の商品データ登録装置102が、会計装置1と会計装置2の会計装置103を支配下に置いている。
また、他の商品データ登録装置2の商品データ登録装置102に会計装置3と会計装置4の会計装置103が接続されている。この商品データ登録装置2の商品データ登録装置102が、会計装置3と会計装置4の会計装置103を支配下に置いている。各会計装置103は、作業台104に隣接して直線的に設置される。したがって、本実施形態においては、複数の作業台104の間に顧客Cが通る通路が形成される。
また、各会計装置は、釣銭機105を内蔵している。釣銭機105は、紙幣および硬貨の金銭を金種毎に所定枚数収納可能であり、会計装置103で決済処理が行われると、投入された顧客から手渡された預かり金を収納し、また、顧客Cへの釣銭を払出す。
また、ネットワークNTには、決済処理を含む通常の商品販売処理を実行する商品販売データ処理装置であるPOS(Point of Sales)端末106が接続されている。そして各POS端末106には、釣銭機105が接続されている。図1の例では、2台のPOS端末106と2台の釣銭機105がネットワークNTに接続されている。
まず、商品データ登録装置102について説明する。図2は、商品データ登録装置102の外観を示す斜視図である。図2に示すように、作業台104の上面に設置された商品データ登録装置102は、読取窓112を有する縦型のスキャナ111をベースに構成されている。スキャナ111は、読取窓112の奥側に撮像部(不図示)を配置している。
また、商品データ登録装置102は、スキャナ111の上部にタッチパネル113付き表示器114および操作部115を備えている。表示器114にはスキャナ111の撮像部で撮像された商品の商品名および価格等が表示される。タッチパネル113および操作部115は、商品データの入力を補助するためのものである。
オペレータO側から見て商品データ登録装置102の左側には、プリンタ116が設けられている。プリンタ116は、後述する識別データや一取引分の合計金額等の取引データが印字されたレシートを発行する。
加えて、オペレータO側から見て商品データ登録装置102の左側には、顧客C向けの客側表示器117が設けられている。
商品データ登録装置102では、PLUファイルF1(図4参照)を参照し、撮像部により撮像された画像に含まれる商品を、商品に添付されたバーコードやQRコード(登録商標)等のコード情報の読み取り、又は一般物体認識により特定する。
なお、画像中に含まれる物体を認識する一般物体認識(generic object recognition)については、下記の文献において認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成26年1月6日検索],インターネット<URL:http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf>
次いで、商品データ登録装置102は、特定した商品の確認や、個数などの入力を受け付ける画面を表示器114に表示する。そして、商品データ登録装置102は、確認の入力が受け付けられた商品の商品コード、入力された個数などの情報に基づき、商品コードに対応する商品の商品分類、商品名、単価等の売上登録に係る情報を商品情報をPLUファイルF1から読み出して、後述する商品情報記憶部F22(図5を参照)に記憶する当該商品の販売処理を行う。
次に、会計装置103について説明する。図3は、会計装置103の外観を示す斜視図である。本実施形態の会計装置103は、アイドル時には、顧客Cによって商品販売処理および会計が可能なセルフPOS(Point Of Sales)端末としても機能することができる構成となっている。
会計装置103は、情報処理装置2(図4参照)と、釣銭機105(図4参照)と、定置スキャナ5と、表示操作パネル6と、ハンドスキャナ7と、カードリーダライタ8と、レシートプリンタ9と、第一の筐体10と、第二の筐体11とを備えている。第一の筐体10は、情報処理装置2および釣銭機105を内蔵する箱で、床に置かれている。第二の筐体11は、定置スキャナ5およびレシートプリンタ9の外殻であり、第一の筐体10の上面10aに載せられている。
定置スキャナ5は、第一の筐体10の上部に設けられた撮像窓5aと、第一の筐体10に内蔵された撮像部(不図示)とを有している。撮像部は、撮像窓5aの前にかざされた例えばバーコードなどのコードシンボル像を撮像し、撮像したコードシンボル像をデコードする。そして、撮像部は、デコードしたコード情報を情報処理装置2に出力する。また、一般物体認識を行なう場合には、撮像部は、撮像窓5aの前にかざされた商品を撮像した商品画像を情報処理装置2に出力する。
ハンドスキャナ7は、第一の筐体10の前面10bの上部に配されている。第一の筐体10の前面10bの右上部には、ハンドスキャナ7の先端部71を引っ掛け状態で保持する保持部10cが設けられている。
表示操作パネル6は、表示器61と、タッチパネル62とを備え、第二の筐体11に載せられている。表示器61は、情報処理装置2の制御に従って画像を表示する。タッチパネル62は、表示器61の表面に設けられており、オペレータOが触れた位置に基づく情報を情報処理装置2に出力する。
カードリーダライタ8は、第二の筐体11の横に配されて、第一の筐体10の上面10aに配されている。カードリーダライタ8は、ポイントカードやクレジットカード等の磁気カード(情報記録媒体)に対して情報を読み書きする。
釣銭機105は、貨幣投入口41と、紙幣出金口42と、硬貨出金部43とを備えている。硬貨出金部43は、払出口431および受皿432を備えている。釣銭機105は、貨幣投入口41に投入された顧客Cから受け取った紙幣および硬貨を受け入れて分別して収納する。そして、釣銭機105は、情報処理装置2の要求に応じて、釣銭を払出口431から払い出す。払い出された釣銭は、受皿432が受け止める。
レシートプリンタ9は、第二の筐体11に内蔵された印刷部(不図示)と、第二の筐体11の前面11aに設けられたレシート発行口91とを有している。レシートプリンタ9は、情報処理装置2の制御に従い、印刷部によって印刷したレシートをレシート発行口91から発行する。
情報処理装置2は、第一の筐体10に内蔵されており、会計装置103が備える各部(釣銭機105、定置スキャナ5、表示操作パネル6、ハンドスキャナ7、カードリーダライタ8、およびレシートプリンタ9)を統括的に制御する。情報処理装置2は、定置スキャナ5ないしハンドスキャナ7からコード情報や商品画像を取得する。また、情報処理装置2は、表示操作パネル6の表示器61に表示させる情報を出力し、タッチパネル62からオペレータOが行った操作の情報を取得する。さらに、情報処理装置2は、釣銭機105への入金を把握し、釣銭機105に出金の指示を行う。
また、会計装置103は、第一の筐体10の一側方に籠置き台21を備えている。籠置き台21は、顧客Cが決済処理を行う際に、籠の置き場とする物置台である。
さらに、会計装置103は、第一の筐体10の上面10aに会計装置103の現在の状態を表示する報知部としての表示ポール22を立設している。表示ポール22は、先端部に青色と赤色に選択的に発光する発光部22aを有する。
次に、商品データ登録装置102および会計装置103のハードウェア構成について説明する。図4は、商品データ登録装置102および会計装置103のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4に示すように、商品データ登録装置102は、CPU(Central Processing Unit)と、記憶媒体であるROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)(いずれも不図示)等から構成されるコンピュータ構成の制御部150を備えている。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶するものであり、商品の販売記録を示す販売データや、表示器114に表示する各種の画面表示データを記憶するものである。
制御部150は、I/O(Input/Output)機器制御部139およびバス138を介して、スキャナ111、タッチパネル113、表示器114、キーボード等の操作部115、プリンタ116、客側表示器117、HDD(Hard Disk Drive)136等のI/O機器を制御し、商品データ登録装置102のシステム全体を制御するものである。
操作部115は、一取引の終了を宣言するための小計キー1151、取引データの転送先を指定する転送先キーB4とB5、会計装置103に対して釣銭機105が収納する金銭の在高の問合せを行うための在高キーB11を備えている。
記憶手段であるHDD136には、制御部150のCPUが実行可能なプログラム137やPLUファイルF1が格納される。PLUファイルF1は、各商品にユニークに割り当てられた商品コードと、その商品の名称、価格、商品分類等の商品に関する情報とを対応付けて格納するファイルである。また、PLUファイルF1は、商品を一般物体認識により特定する場合には、商品画像から読み取られる色合いや表面の凹凸状況等の特徴量も格納する。またHDD136は、図5で後述する情報記憶部F2を記憶している。
なお、商品データ登録装置102の制御部150のCPUを動作させるプログラム137は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、商品データ登録装置102の制御部150のCPUを動作させるプログラム137を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、商品データ登録装置102の制御部150のCPUを動作させるプログラム137をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
制御部150は、通信I/F140を介して、ネットワークNTで接続されたストアサーバ(不図示)や会計装置103と相互に通信を行うことができる。
ストアサーバは、店舗内に設置された1台または複数台の商品データ登録装置102で行われる商品販売登録処理、会計装置103で行われる決済処理等の管理を全般的に行う。
一方、図4に示すように、会計装置103は、CPUと、記憶媒体であるROMおよびRAM(いずれも不図示)等から構成されるコンピュータ構成の制御部50を情報処理装置2に備えている。ROMは、CPUが実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAMは、CPUが各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶するものであり、商品の販売記録を示す販売データや、表示器61に表示する各種の画面表示データを記憶するものである。
制御部50は、I/O機器制御部39およびバス38を介して、タッチパネル62、表示器61、定置スキャナ5、ハンドスキャナ7、カードリーダライタ8、レシートプリンタ9、釣銭機105、表示ポール22、HDD36等のI/O機器を制御し、会計装置103のシステム全体を制御するものである。
カードリーダライタ8は、カード挿入口から挿入された客のポイントカードやクレジットカードの情報を読み込むものである。レシートプリンタ9は、決済処理後にレシートを印刷して、これをレシート発行口91から発行するものである。釣銭機105は、貨幣投入口41に投入された紙幣および硬貨を処理するものである。また、釣銭機105は、要求に応じて、釣銭を払出口431から払い出すものである。
記憶手段であるHDD36には、制御部50が実行可能なプログラム37やPLUファイルF1が格納される。また、HDD36は、図6で後述する、釣銭機105から収集した金種別の在高を記憶する在高情報記憶部F11を備えている。
なお、会計装置103の制御部50のCPUを動作させるプログラム37は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、会計装置103の制御部50のCPUを動作させるプログラム37を、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、会計装置103の制御部50のCPUを動作させるプログラム37をインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
制御部50は、通信I/F40を介してLAN等のネットワークNTで接続されたストアサーバ(不図示)や商品データ登録装置102と相互に通信を行うことができる。
次に、図5を用いて、HDD136に記憶された情報記憶部F2について説明する。図5において、情報記憶部F2は、商品情報記憶部F22、金券情報記憶部F23、金券集計記憶部F25、在高情報記憶部F26を備えている。
商品情報記憶部F22は、スキャナ111で読取られて入力された商品コードにもとづいて、PLUファイルF1から読み出した商品情報(商品名、価格等)を記憶する。商品情報記憶部F22は、入力されたすべての商品コードに対応する商品情報を記憶する。
金券情報記憶部F23は、スキャナ111で読取られて入力された金券の金券額を含む金券情報を記憶する。金券情報記憶部F23は、複数の金券が使用されたことで複数の金券情報が入力された場合は、入力されたすべての金券情報を記憶する。
金券集計記憶部F25は、一定期間(例えば1年)の間に、顧客が使用したすべての金券の金券情報を記憶している。この金券情報記憶部F23に記憶された金券情報を分析することで、使用された金券の種類の傾向や金券額等、顧客による金券の使用状況を管理することができる。金券情報の分析は、商品データ登録装置102で行ってもよいが、図示しない上位サーバに送信して、当該サーバで一括的に分析を行うことが望ましい。
また、在高情報記憶部F26は、在高キーB11の操作による釣銭機105の在高の問合せに対する会計装置103からの応答(釣銭機105に収納されている在高情報(釣銭機105に収納された金種別の貨幣の枚数)と金種別の収納可能枚数)を記憶する。
次に、商品データ登録装置102の制御部150のCPUがプログラム137を実行することで実現される制御部150の機能構成、および会計装置103の制御部50のCPUがプログラム37を実行することで実現される制御部50の機能構成について、図6〜図14を参照して説明する。
図6は、商品データ登録装置102の機能構成を示す機能ブロック図である。図6に示すように、商品データ登録装置102の制御部150は、HDD136が格納するプログラム137を実行することにより、問合せ手段151、在高表示手段152、一覧表示手段153、選択手段154、情報受信手段155、危険度表示手段156を備えている。
問合せ手段151は、会計装置103に対して、釣銭機105が保有する金銭の在高情報の問合せを行う機能を有している。
在高表示手段152は、問合せに対する在高情報を受信した場合、当該受信した釣銭機105の在高情報を表示器114に表示する機能を有している。
一覧表示手段153は、接続された少なくとも一以上の会計装置103を表示器114に一覧表示する。
選択手段154は、一覧表示された会計装置103から一または複数の会計装置103を選択する機能を有している。
情報受信手段155は、会計装置103から、釣銭機105が保有する金銭の量に問題があることを示す情報を受信する機能を有している。
危険度表示手段156は、受信した情報に基づく危険度を示す釣銭機インジケータを表示器114に表示する機能を有している。
次に、商品データ登録装置102の制御について説明する。図7は、商品データ登録装置102で行われる商品販売登録処理の流れを示すフローチャートである。
図7において、商品データ登録装置102の制御部150は、スキャナ111によって商品を特定する特定情報である商品コードが読み取られたか否かを判断する(ステップS11)。読み取られたと判断した場合は(ステップS11のYes)、制御部150は、読み取った商品コードに基づいて商品販売処理を実行する(ステップS12)。具体的には、制御部150は、読み取られた商品コードに基づいて、PLUファイルF1から販売データである商品情報(商品名称、価格等)を読出して情報記憶部F2の商品情報記憶部F22に記憶する。そして制御部150は、読み出した商品情報を、販売画面P1として表示器114に表示する。
ここで、図9は販売画面P1の一例を示す正面図である。図9に示すように、商品データ登録装置102の制御部150は、販売処理を行っている間に表示器114を制御し、表示器114の表示領域114a内に、販売画面P1を表示する。販売画面P1は、販売商品ウィンドウW5と、販売済ウィンドウW4およびウィンドウW6を有している。
販売商品ウィンドウW5には、商品特定処理によって特定された商品の商品情報に含まれる商品名、商品単価及び個別商品点数などが表示される。これらの商品名、商品単価及び個別商品点数は、ステップS11とステップS12の処理によって表示が更新される。加えて、販売商品ウィンドウW5には、合計金額および合計商品点数も表示される。合計金額及び合計商品点数も、ステップS11とステップS12の処理によって表示が更新される。
販売済ウィンドウW4には、販売商品ウィンドウW5に表示された履歴が表示される。すなわち、ステップS11とステップS12の処理が新たに実行された場合には、販売商品ウィンドウW5に表示されていた商品名、商品単価及び個別商品点数などは、販売済ウィンドウW4に追加的に表示される。
ウィンドウW6には、会計装置103に対して、釣銭機105が収納している金銭の在高を問合せる在高キーB11と小計キー1151が表示される。また、ウィンドウW6には、管理下にある会計装置103に接続されている釣銭機105が収納している金銭の在高が後述する危険状態となったときに、危険状態の釣銭機105を表示するインジケータB14が表示される。
一方、スキャナ111によって商品コードが読み取られていないと判断した場合は(ステップS11のNo)、制御部150は、小計キー1151が操作されたか否かを判断する(ステップS21)。操作されたと判断した場合は(ステップS21のYes)、制御部150は、商品情報記憶部F22に記憶された商品情報に基づいて、合計金額を計算して、当該取引の支払方法の選択画面を含む転送先選択画面P2を表示する(ステップS22)。
ここで、図10は転送先選択画面P2の一例を示す正面図である。図10に示すように、商品データ登録装置102の制御部150は、表示器114を制御し、表示器114内に、予め、支払い額表示ウィンドウW3と、この支払い額表示ウィンドウW3よりも小さい第1転送先ウィンドウW1および第2転送先ウィンドウW2とを定義した転送先選択画面P2を表示する。支払い額表示ウィンドウW3は左端に寄せて設けられ、表示器114の幅の半分以上を占め、表示器114内の上方及び下方のそれぞれに隣接させる高さを有している。二つの第1転送先ウィンドウW1および第2転送先ウィンドウW2は、表示器114の右端辺と支払い額表示ウィンドウW3の右端辺との間に、上下に隣接させて設けられている。
支払い額表示ウィンドウW3には、締め操作の入力があった時点における合計金額及び合計商品点数が表示される。また、支払い額表示ウィンドウW3には、支払方法を選択するための支払方法選択キーB1が設けられている。
一方、第1転送先ウィンドウW1および第2転送先ウィンドウW2には、転送先の候補となる各会計装置103について、現時点において転送可能な状態であるか転送不可能な状態であるかを示す転送可否情報が各会計装置103の識別番号が付加されて表示されるとともに、転送を宣言するための転送先キーB4、B5が設けられている。ここで、転送先キーB4は、商品情報や合計金額情報を会計装置1に送信するための宣言キーである。また、転送先キーB5は、商品情報や合計金額情報を会計装置2に送信するための宣言キーである。決済処理を実行している最中である場合には転送不可能な状態であるとの表示になるが、転送を宣言するための転送先キーB4、B5の操作は可能となっている。これは、決済処理は短時間で終了するので、直ぐに転送可能な状態になるためである。
例えば金券で支払う場合は、支払方法選択キーB1を操作し、その後にいずれかの転送先キーを操作する。現金で支払う場合は支払方法選択キーB1を操作することなく、いずれかの転送先キーを操作する。
なお、転送先となる会計装置103の選択方法としては、転送先キーB4、B5の操作に限るものではない。例えば、操作部115上に設けられた置数キーおよび送信キーの組合せ操作によって、転送先となる会計装置103を選択するようにしても良い。具体的には、第1転送先ウィンドウW1に対応付けられる会計装置103については、置数キーの「1」と送信キーとの組合せ操作によっても選択できるようにする。
例えば、転送先選択画面P2に表示されていない会計装置3や会計装置4等の会計装置103に取引データを送信する場合、置数キーで会計装置を特定して、その後に送信キーを操作することで当該会計装置に取引データを送信することができる。このように操作部115上に設けられた置数キーおよび送信キーの組合せ操作によって、転送先となる会計装置103の識別番号を任意に指定することができるようにすることで、予め指定された会計装置103以外へも取引データを転送することを可能としている。
また、ウィンドウW6には、取消キーB6、在高キーB11、小計キー1151およびインジケータB14が表示される。
図7の説明に戻る。次に制御部150は、転送先キーB4または転送先キーB5を含むいずれかの転送先キーが操作されたか否かを判断する(ステップS27)。操作されたと判断した場合は(ステップS27のYes)、制御部150は、操作によって指定された会計装置103に取引データを転送する(ステップS28)。このとき、商品データ登録装置102のプリンタ116から、取引データを特定する情報が印字された保留レシートは発行されない。
また、ステップS21において、小計キー1151が操作されていないと判断した場合は(ステップS21のNo)、制御部150(情報受信手段155)は、会計装置103から、図14のステップS116の処理に基づくインジケータ情報を受信したか否かを判断する(ステップS71)。インジケータ情報を受信したと判断した場合は(ステップS71のYes)、制御部150(危険度表示手段156)は、インジケータの表示処理を実行する(ステップS72)。具体的には、会計装置103から受信したインジケータ情報B14を表示器114のウィンドウW6の左端部に表示する。
このインジケータ情報B14は、釣銭機105の在高の危険度に基づいて、インジケータ全体が黄色か赤色で表示される。実施形態では、釣銭機105に収納されているいずれかの金銭の量(枚数)が、収納可能量に対して満杯状態あるいは空状態を示す、実施形態では、硬貨の場合999枚が収納可能量であり、紙幣の場合200枚が収納可能量である。この収納可能量の貨幣が収納されている場合は、危険度が高い状態を示す危険度1とする。また、貨幣の収納量が0枚である場合も危険度1である。
一方、収納可能量に対して満杯になりつつある状態あるいは空になりつつある状態(実施形態では、硬貨の収納枚数が900枚を越えるか50枚を下回る場合。また、紙幣の収納枚数が150枚を越えるか20枚を下回る場合)を示す、危険度1よりは危険度が低い、危険度2とする。そして制御部150は、危険度1の場合は赤色でインジケータ情報B14を表示する。一方、危険度2の場合は、制御部150は、黄色でインジケータ情報B14を表示する。
また、ステップS71において、インジケータ情報を受信していないと判断した場合は(ステップS71のNo)、制御部150は、在高キーB11が操作されたか否かを判断する(ステップS81)。操作されたと判断した場合は(ステップS81のYes)、制御部150は、在高表示処理を実行する(ステップS82)。また、操作されていないと判断した場合は(ステップS81のNo)、制御部150は、ステップS11に戻って待機する。
図8を用いて、ステップS82の在高表示処理を詳細に説明する。図8において、制御部150は、在高キーB11が操作されると、制御部150(一覧表示手段153)は、図11に示すような会計装置103のリスト、または図12に示すような会計装置103およびPOS端末106のリストを表示器114に表示する(ステップS131)。
図11は、商品データ登録装置102の管理下にある会計装置103のみのリストを表示する。図11では、2台の商品データ登録装置102の管理下にある会計装置1〜会計装置4までの会計装置103が表示されている。オペレータOは、表示された会計装置1〜会計装置4のキーB16から、所望の一の会計装置103のキーB16を選択して操作する。
また、図12は、商品データ登録装置102の管理下にある会計装置103に加え、ネットワークNTに接続されたPOS端末106もリストとして表示したものである。図12の例では、会計装置103に加え、POS端末1とPOS端末2の2台のPOS端末106が表示されている。オペレータOは、表示された会計装置1〜会計装置4のキーB16およびPOS端末1〜POS端末2のキーB17から、所望の会計装置103またはPOS端末106のキーを選択してタッチする。なお、ネットワークNTに接続されていても、釣銭機105が接続されていないPOS端末106は、リストには表示されない。
次に制御部150(選択手段154)は、オペレータOによって、キーB16またはキー17のいずれか一のキーが操作されたか否かを判断する(ステップS132)。操作されるまで待機し(ステップS132のNo)、いずれかのキーが操作されたと判断した場合は(ステップS132のYes)、制御部150(問合せ手段151)は、操作された会計装置103またはPOS端末106に対し、当該会計装置103またはPOS端末106に接続されている釣銭機105に収納されている金銭の在高情報を問合せる(ステップS133)。
そして制御部150は、問合せた会計装置103またはPOS端末106からの応答である在高情報を受信したか否かを判断する(ステップS134)。受信するまで待機し(ステップS134のNo)、受信したと判断した場合は(ステップS134のYes)、制御部150は、受信した在高情報と危険度1であるか危険度2であることを示す危険度情報を在高情報記憶部F26に記憶する(ステップS135)。危険度1または危険度2の危険度情報は、会計装置103が発生し(図14を参照)、ステップS133の在高情報の問合せに対する応答として、会計装置103から商品データ登録装置102に送信する。
次に制御部150は、在高情報記憶部F26に記憶した在高情報に基づいて、当該在高情報に基づき、危険度2の危険度情報が含まれているか否かを判断する(ステップS136)。危険度2の危険度情報が含まれていると判断した場合(ステップS136のYes)、制御部150(在高表示手段152)は、在高情報記憶部F26に記憶された在高情報のうち、危険度2と判断した金種の在高情報について黄色の背景を付して表示する(ステップS137)。
また、制御部150は、ステップS137の処理を実行した後、または危険度2ではないと判断した場合は(ステップS136のNo)、制御部150は、在高情報記憶部F26に記憶した在高情報に基づき、危険度1の危険度情報が含まれているか否かを判断する(ステップS138)。危険度1の危険度情報が含まれていると判断した場合(ステップS138のYes)、制御部150(在高表示手段152)は、在高情報記憶部F26に記憶された在高情報のうち、危険度1と判断した金種の情報について赤色の背景を付して表示する(ステップS139)。
次に制御部150は、ステップS139の処理を実行した後、または危険度1ではないと判断した場合は(ステップS138のNo)、制御部150(在高表示手段152)は、残りの金種情報について白色の背景を付して表示する(ステップS140)。そして制御部150は処理を終了する。
ステップS136、ステップS138の判断結果に基づいて、ステップS137、ステップS139およびステップS140で表示された表示画面を図13に例示する。図13において、表示器114には、ステップS134で受信した在高情報の釣銭機105の在高W7が表示される。
在高W7のうち、W71は、ステップS140で白色に表示された貨幣を示す。例えば1円硬貨、10円硬貨、100円硬貨の収納量(枚数)が100枚であり、危険度1でも危険度2でもないため、白色で表示される。
また、W72は、ステップS138で危険度1であると判断され、ステップS139で赤色に表示された貨幣を示す。5円硬貨は週の枚数が999枚と満杯に収納されており、500円硬貨は、0枚(空状態)である。5円硬貨の場合、すぐに回収しなければならないことを示すメッセージM1である「即回収」が表示される。また、500円硬貨の場合、すぐに補充をしなければならないことを示すメッセージM3である「即補充」が表示される。
また、W73は、ステップS136で危険度2であると判断され、ステップS137で黄色に表示された貨幣を示す。50円硬貨の場合、そろそろ回収しなければならないことを示すメッセージM2である「回収」が表示される。また、1000円札の場合、そろそろ補充をしなければならないことを示すメッセージM4である「補充」が表示される。
続いて、顧客Cが自ら操作することで決済処理を実行する会計装置103の動作について説明する。図14は、会計装置103で行われる決済処理の流れを示すフローチャートである。
図14に示すように、会計装置103の制御部50は、商品データ登録装置102から取引データを受信したと判断すると(ステップS101のYes)、受信した取引データをRAMのワークエリアに記憶する(ステップS102)。
次いで、会計装置103の制御部50は、受信した取引データに含まれる一取引分の合計金額(又は、小計割引や小計値引の実行後の残額)を表示操作パネル6の表示器61に表示する(ステップS103)。
その後、会計装置103の制御部50は、釣銭機105の貨幣投入口41から顧客が投入した貨幣を受け付けたか否かを判断する(ステップS104)。
会計装置103の制御部50は、釣銭機105の貨幣投入口41から表示器61に表示された合計金額(又は、小計割引や小計値引の実行後の残額)以上の金額の貨幣投入がなされたと判断したら(ステップS104のYes)、投入金額から合計金額(又は、小計割引や小計値引の実行後の残額)を減算した差額を釣銭金額として、紙幣出金口42および硬貨出金部43から払出す(ステップS105)。
そして、会計装置103の制御部50は、レシートプリンタ9を制御して、受信した取引データと投入金額(預り金額)と釣銭金額とを印刷したレシートをレシート発行口91から発行し(ステップS106)、決済処理を終了する。
一方、商品データ登録装置102から取引データを受信していないと判断した場合は(ステップS101のNo)、制御部50は、所定時刻であるか否かを判断する(ステップS111)。会計装置103は、予め定められた所定時刻(例えば毎時0分15分、30分、45分)になると、釣銭機105に収納されている金銭の在高情報を金種別に収集する。
所定時刻であると判断した場合は(ステップS111のYes)、制御部50は、釣銭機105にアクセスして釣銭機105から在高情報を収集し、在高情報記憶部F11に記憶する(ステップS112)。そして制御部50は、収集した在高情報を分析する(ステップS113)。この分析は、前述の危険度1または危険度2の状態の金種があるかを行う。そして制御部50は、分析結果を在高情報記憶部F11に記憶する(ステップS114)。
実施形態では、会計装置103は、硬貨の枚数が900枚を超えるか50枚未満で、紙幣の枚数が150枚を超えるか20枚未満の金種がある場合、当該金種に対して危険度2であると判断し、危険度2の危険度情報を発生する。また、会計装置103は、硬貨の枚数が999枚に達したか0枚で、また紙幣の枚数が200枚に達したか0枚の金種がある場合、当該金種に対して危険度1であると判断し、危険度1の危険度情報を発生する。
次に制御部50は、分析した結果として在高は適正であるか否か、すなわち危険度1または危険度2の金種がないか否かを判断する(ステップS115)。在高が適正ではない、すなわち危険度1または危険度2の金種があると判断した場合は(ステップS115のNo)、制御部50は、商品データ登録装置102に向けて、当該釣銭機105に危険度が存在することを示すインジケータ情報を、在高が適正ではないこと、すなわち危険度1であるか危険度2であることを示す危険度情報を付して送信する(ステップS116)。また、在高が適正であると判断した場合は(ステップS115のYes)、制御部50は処理を終了する。
なお、実施形態では、会計装置103が、在高情報と収納可能枚数とに基づき危険度1であるか危険度2であるかを判断したが、会計装置103は、在高情報を商品データ登録装置102に送信し、商品データ登録装置102が、在高情報と収納可能枚数とに基づき危険度1であるか危険度2であるかを判断を行うようにしてもよい。
また、制御部50は、ステップS111において、所定時刻ではないと判断した場合は(ステップS111のNo)、制御部50は、商品データ登録装置102からの、ステップS133の処理に伴う問合せであるか否かを判断する(ステップS121)。商品データ登録装置102からの問合せであると判断した場合は(ステップS121のYes)、制御部50は、在高情報記憶部F11に記憶されている在高情報と、金種毎に危険度があるのかないのかの情報、危険度がある場合、危険度1であるのか危険度2であるのかの情報を、商品データ登録装置102に送信する(ステップS122)。そして制御部50は、処理を終了する。一方、商品データ登録装置102からの問合せではないと判断した場合は(ステップS121のNo)、制御部50は、ステップS101に戻って待機する。
なお、本実施形態の商品データ登録装置102においては、従来のように、ストアサーバなどに取引データを一時的に保留し、一時的に保留した取引データを識別する識別データ等が印字された保留レシートを発行することも可能である。この場合、タッチパネル113付き表示器114または操作部115に保留キーを設けておき、商品データ登録装置102の制御部150は、当該保留キーが操作された場合に、取引データの保留を実行する。顧客Cは、商品データ登録装置102において一時的に保留した取引データを識別する識別データ等が印字された保留レシートを受け取る。そして、顧客Cは、保留レシートに印字された識別データを会計装置103において入力させることでストアサーバなどから保留されている取引データを呼び出し、決済処理を行う。
このような実施形態によれば、商品データ登録装置102からの問合せに基づいて、釣銭機105の在高を確認することができる。
また、実施形態によれば、表示された選択画面から一の釣銭機105を選択することで、所望の釣銭機105の在高を確認することができる。
また、実施形態によれば、2段階の危険度に応じて、異なる色で在高を表示することができる。なお、危険度の段階は2段階(危険度1と危険度2)に限定されるものではなく、危険の状態によって変更可能である。
また、実施形態によれば、支配下にある会計装置103に内臓される釣銭機105の危険な状態を、インジケータB14として表示することで、釣銭機105が収納する金銭が正常状態ではないことを確認することができる。
また、実施形態によれば、支配下にないPOS端末106と接続された釣銭機105が収納する金銭の危険度を把握することができる。
なお、1台の商品データ登録装置102において取引データの転送先として選択できる会計装置103の台数を2台としたが、これに限るものではなく、転送先として選択できる会計装置103及び台数を任意に設定可能である。
また、実施形態では、キーB16またはキー17のいずれか一のキーを操作して会計装置103から釣銭機105の在高情報を入力しているが、キーB16またはキー17の複数のキーを操作して、操作したすべてのキーに対応する会計装置103から、釣銭機105の在高情報を入力するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。