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JP2019086062A - ガスケットおよび密封構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】注入装置から試料を容器に注入した後、注入装置を持ち上げる時に、容器と注入装置のいずれか一方から離れやすく、他方に付着しやすいガスケットを提供する。【解決手段】ガスケットは、液体状の試料を収容するための複数の収容空間を有する容器と、容器に試料を注入する注入口を有する注入装置との間に配置され、注入装置と容器との間の隙間を封止する。ガスケットは、エラストマー製の平板状であって、容器に接触させられる下面と、注入装置に接触させられる上面と、試料を注入口から容器に導入するために形成された複数の貫通孔とを備える。下面と上面のいずれか一方における貫通孔の周囲には、貫通孔よりも小さいサイズを有し、網目状に配置された複数の凹部が形成され、複数の凹部は格子状の隔壁で囲まれている。下面と上面の他方は平坦に形成されている。【選択図】図7

Description

本発明は、容器と容器に液体状の試料を注入する注入装置との間の隙間を封止するガスケットおよびこのガスケットを備える密封構造に関する。
生体から得られた試料を分析する装置として、例えば、特許文献1および特許文献2に記載された装置が知られている。これらの装置においては、ピペットを用いてリガンド溶液およびアナライト溶液を容器内に注入し、容器内のリガンドとアナライトの反応を測定する。
特開2006−322850号公報 特開2008−82803号公報
液体状の試料を収容するための容器と、容器に試料を注入する注入口を有する注入装置との間にエラストマー製の平板状のガスケットを配置することが考えられる。ガスケットには、注入口から容器へ試料を導入するための貫通孔が形成されることになる。ガスケットは、容器と注入装置との間で圧縮され、試料が外部に漏れないように、容器と注入装置との間の隙間を封止することになる。
このようなガスケットは、注入装置から試料を容器に注入した後、注入装置を持ち上げると、容器の上にそのまま静止していることが望ましい場合がある。逆に、注入装置から試料を容器に注入した後、注入装置を持ち上げると、ガスケットが容器から離れて注入装置とともに持ち上がるのが望ましい場合もある。
そこで、本発明は、注入装置から試料を容器に注入した後、注入装置を持ち上げる時に、容器と注入装置のいずれか一方から離れやすく、他方に付着しやすいガスケットおよびこのガスケットを備える密封構造を提供する。
本発明のある態様に係るガスケットは、液体状の試料を収容するための複数の収容空間を有する容器と、前記容器に前記試料を注入する注入口を有する注入装置との間に配置され、前記注入装置と前記容器との間の隙間を封止するエラストマー製の平板状のガスケットであって、前記容器に接触させられる下面と、前記注入装置に接触させられる上面と、前記試料を前記注入口から前記容器に導入するために形成された複数の貫通孔と、前記下面と前記上面のいずれか一方における前記貫通孔の周囲に形成され、前記貫通孔よりも小さいサイズを有し、網目状に配置された複数の凹部とを備え、前記複数の凹部は格子状の隔壁で囲まれており、前記下面と前記上面の他方は平坦に形成されている。
この態様によれば、注入装置から試料を容器に注入した後、注入装置を持ち上げる時に、下面と上面のうち凹部が形成された面は、容器と注入装置のいずれか一方から離れやすく、平坦に形成された面は、エラストマーの粘着性により容器と注入装置の他方に付着しやすい。したがって、容器と注入装置のうち所望の側にガスケットを付着させることが可能である。複数の凹部は網目状に配置されており、格子状の隔壁で囲まれているため、凹部に試料が入ったとしても、隔壁の外側に試料が広がりにくい。したがって、試料が本来収容されるべき容器の収容空間とは異なる収容空間に浸入するおそれが低減される。
前記複数の凹部は、前記貫通孔の周囲に形成されるが、前記下面と前記上面のいずれか一方の全体に形成されていると好ましい。この場合には、凹部を貫通孔の位置に合わせて形成する必要がなく、ガスケットの製造が容易となりうる。
ある実施形態では、前記複数の凹部は前記上面に形成され、前記下面は平坦に形成されていると好ましい。この場合には、注入装置から試料を容器に注入した後、注入装置を持ち上げる時に、凹部が形成された上面は、注入装置から離れやすく、平坦に形成された下面は、エラストマーの粘着性により容器に付着しやすい。したがって、注入装置を持ち上げる時に、ガスケットの下面と容器との間に隙間が発生しにくく、試料がガスケットの下面を伝って、本来収容されるべき容器の収容空間とは異なる収容空間に浸入するおそれが低減される。
前記注入装置が、先端に前記注入口が形成されたピペットである場合、前記複数の凹部の各々は、前記ピペットの前記先端の厚さよりも小さいサイズを有し、前記ピペットの先端は、前記貫通孔の各々の周囲において前記隔壁に連続的に接触するのが好ましい。ここで、「サイズ」とは、凹部の輪郭の最も大きい長さ(例えば、凹部が正方形であればその対角線の長さ、凹部が円形であればその直径)を意味する。この場合には、ピペットの先端は、各貫通孔の全周にわたって連続的に(途切れることなく)隔壁に接触して圧縮する。したがって、ピペットの先端とガスケットとの間に隙間が発生しにくく、隔壁の外側に試料が広がりにくい。
前記注入装置が、複数の注入口が形成された注入ヘッドを備える場合、前記複数の凹部の各々は、前記複数の注入口の間隔よりも小さいサイズを有し、前記注入ヘッドは、前記貫通孔の各々の周囲において前記隔壁に連続的に接触するのが好ましい。この場合には、注入ヘッドは、各貫通孔の全周にわたって連続的に(途切れることなく)隔壁に接触して圧縮する。したがって、注入ヘッドとガスケットとの間に隙間が発生しにくく、隔壁の外側に試料が広がりにくい。
他の実施形態では、前記複数の凹部は前記下面に形成され、前記上面は平坦に形成されていると好ましい。この場合には、注入装置から試料を容器に注入した後、注入装置を持ち上げる時に、凹部が形成された下面は、容器から離れやすく、平坦に形成された上面は、エラストマーの粘着性により注入装置に付着しやすい。したがって、注入装置を持ち上げる時に、ガスケットが注入装置とともに持ち上げられやすい。これにより、同じ注入装置と同じガスケットを用いて、他の容器に試料を注入するのが容易である。
前記注入装置が、複数の注入口が形成された注入ヘッドを備える場合、前記複数の凹部の各々は、前記複数の収容空間の入口の間隔よりも小さいサイズを有し、前記容器は、前記貫通孔の各々の周囲において前記隔壁に連続的に接触するのが好ましい。この場合には、容器は、各貫通孔の全周にわたって連続的に(途切れることなく)隔壁に接触して圧縮する。したがって、容器とガスケットとの間に隙間が発生しにくく、隔壁の外側に試料が広がりにくい。
本発明のある態様に係る密封構造は、上記のガスケットと、前記試料を収容するための前記容器と、前記容器に前記試料を注入する前記注入口を有する前記注入装置とを備える。
本発明の第1の実施形態に係るガスケットの使用状態を示す概略断面図である。 図1のガスケットを示す平面図である。 図1の後の工程における好ましい状態のガスケットの概略断面図である。 図1の後の工程における好ましくない状態のガスケットの概略断面図である。 図1のガスケットの拡大断面図である。 図1のガスケットに形成された凹部を示す斜視図である。 図1のガスケットの使用状態を示す拡大断面図である。 比較例のガスケットに形成された凸部を示す斜視図である。 図6の凹部の詳細を示す平面図である。 図6の凹部の寸法を示す図である。 第1の実施形態の変形例に係るガスケットを示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係るガスケットに形成された凹部の詳細を示す平面図である。 図12の凹部の寸法を示す図である。 変形例に係るガスケットに形成された凹部の詳細を示す平面図である。 他の変形例に係るガスケットに形成された凹部の詳細を示す平面図である。 他の変形例に係るガスケットに形成された凹部の詳細を示す平面図である。 他の変形例に係るガスケットに形成された凹部の詳細を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係るガスケットの使用状態を示す概略断面図である。 図18のガスケットを示す平面図である。 図19の後の工程における好ましい状態のガスケットの概略断面図である。 図19の後の工程における好ましくない状態のガスケットの概略断面図である。 図18のガスケットの拡大断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るガスケットの使用状態を示す概略断面図である。 図23の後の工程における好ましい状態のガスケットの概略断面図である。 図23のガスケットの拡大断面図である。
以下、添付の図面を参照しながら本発明に係る複数の実施の形態を説明する。図面において縮尺は、必ずしも実施形態の製品を正確に表してはおらず、一部の寸法を誇張して表現している場合もある。
第1の実施形態
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るガスケット1は、液体状の試料2を収容するための容器4と、容器4に試料2を注入するピペット(注入装置)6の先端との間に配置され、ピペット6と容器4によって圧縮され、ピペット6の先端と容器4との間の隙間を封止する。
試料2は、生体から得られた体液などの検体であってもよいし、生体から得られた細胞もしくは生体を含む液体であってもよいし、細胞もしくは生体を培養するための培養液であってもよい。あるいは、試料2は、化学的に製造または精製された液体であってもよい。
ピペット6は、例えばガラスまたは樹脂により形成されている。ピペット6の先端(下端)には、容器4に試料を注入する注入口6aが形成されている。図示しないが、ピペット6の上部には、液体を吸引するために圧縮される弾性体から形成されたキャップが取り付けられていてもよい。
容器4は、例えば樹脂により形成されており、試料2を収容する収容空間である複数のセル5を有する。これらのセル5は、それぞれ異なる種類の試料2を収容してもよいし、同じ種類の試料2を収容してもよい。また、1つのセル5に1種類の試料2を注入した後に、他の種類の試料2を注入し、異なる種類の試料2を同じセル5内で混合してもよい。図示のセル5は互いに独立しているが、複数のセル5が連通していてもよい。
ガスケット1は、エラストマーから形成されたほぼ平らな板であり、容器4の上面に接触させられる下面10と、ピペット6の先端に接触させられる上面11とを有する。図2に示すように、ガスケット1は、試料2をピペット6の注入口6aから容器4に導入するために形成された複数の貫通孔12を有する。また、ガスケット1には、ガスケット1を位置決めするための貫通孔14が形成されている。但し、貫通孔14は不可欠ではない。
ガスケット1の使用状態において、ガスケット1が容器4の上面に載せられ、この時、ガスケット1の複数の貫通孔12は、容器4の複数のセル5の位置に合致する位置にそれぞれ配置される。そして、ピペット6の先端の注入口6aがいずれか1つの貫通孔12にほぼ同心になるように、ピペット6の先端がガスケット1に対して配置される。この時、ガスケット1は、ピペット6の先端面と容器4の上面の間で圧縮される。次に、ピペット6から注入口6aおよび当該貫通孔12を通じて、当該貫通孔12に重なったセル5に試料2が導入される。ガスケット1の各貫通孔12の直径は、ピペット6の注入口6aの直径よりも小さい。
ピペット6からセル5に試料2が注入された後、図3に示すように、ピペット6が持ち上げられる。この実施形態では、ピペット6が持ち上げられる時、図示のように、容器4の上にガスケット1が残されることが望ましい。この後、容器4の上からガスケット1が取り除かれ、容器4のセル5内の試料2が、例えば化学反応実験または培養実験に使用される。
異なる種類の試料2を同じセル5内で混合する場合には、好ましくは別のピペット6によって、試料2がセル5に注入され、すべての種類の試料2が容器4に導入された後、容器4の上からガスケット1が取り除かれる。
ピペット6が持ち上げられる時、図4に示すように、エラストマー製のガスケット1がピペット6に付着して容器4から持ち上げられてしまうのは望ましくない。ガスケット1の下面10と容器4の上面との間に隙間が短時間でもできてしまうと、貫通孔12に残存した試料2がその隙間に回り込み、試料2を本来導入すべきではないセル5に導入してしまうおそれがあるためである。
この実施形態においては、ピペット6から試料2を容器4に注入した後、ピペット6を持ち上げてもガスケット1が容器4の上にそのまま静止するように、以下のように工夫されている。図5は、ガスケット1の拡大断面図である。図5に示すように、ガスケット1の下面10は平坦に形成されている。一方、ガスケット1の上面11における各貫通孔12の周囲には、各貫通孔12の直径よりも小さいサイズを有する複数の凹部16が形成されている。
これらの凹部16は、図6に示すように、網目状に配置されており、各凹部16は格子状の隔壁18によって囲まれている。但し、貫通孔12に隣接する凹部16aだけは、完全には隔壁18に囲まれておらず、一部が隔壁18に囲まれている。隔壁18の上面は、ガスケット1の上面11の凹部16が設けられていない領域と面一である。
図7に示すように、ガスケット1の使用状態において、ガスケット1の隔壁18はピペット6の先端面により圧縮される。ピペット6の先端面は、ガスケット1の隔壁18のみに接触するため、上面11が凹部16のない平坦面である場合に比べて、ピペット6の先端面とガスケット1の接触面積を減少させることができる。したがって、ガスケット1はエラストマーで形成されているが、ピペット6の先端面と上面11との付着力は弱く、上面11はピペット6から離れやすい。
他方、容器4の上面に接触するガスケット1の下面10は平坦に形成されているため、エラストマーの粘着性により容器4と下面10の付着力は強い。したがって、図3に示すように、ピペット6を持ち上げる時、ガスケット1が容器4の上にそのまま静止しやすくなり、ガスケット1がピペット6に付着して容器4から持ち上げられることが低減する。
複数の凹部16は網目状に配置されており、格子状の隔壁18で囲まれているため、凹部16に試料2が入ったとしても、隔壁18の外側に試料2が広がりにくい。したがって、試料2が本来収容されるべき容器4のセル5とは異なるセル5に浸入するおそれが低減される。
図8は比較例のガスケットの上面11を示す斜視図である。この比較例では、ガスケットの上面11に複数の凸部20が形成されている。これらの凸部20は網目状に配置されており、凸部20の間には凹溝22が形成されている。
この比較例のガスケットの使用状態において、凸部20はピペット6の先端面により圧縮される。ピペット6の先端面は、ガスケット1の凸部20のみに接触するため、上面11が平坦面である場合に比べて、ピペット6の先端面とガスケット1の接触面積を減少させることができ、上面11はピペット6から離れやすい。
しかしながら、この比較例では、凸部20の間の凹溝22に試料2が入ってしまうと、凹溝22が試料2の流路となってしまい、凸部20が形成された領域よりも外側に試料2が広がりやすい。したがって、試料2が本来収容されるべき容器4のセル5とは異なるセル5に浸入するおそれがある。
これに対して、実施形態のように、凹部16が格子状の隔壁18で囲まれている場合には、このようなおそれを低減することが可能である。
凹部16を形成するには、例えば、内部表面に網目状の突起を設けた金型を準備し、プレス加工または射出成形によってガスケット1を製造すればよい。この場合、金型の突起がガスケット1の凹部16に対応する。金型に突起を形成するには、例えば機械加工で金型の内部表面を削って、網目状の突起を残せばよい。あるいは、エッチングで金型の内部表面を部分的に溶解し、網目状の突起を残してもよい。
ガスケット1は、1つのガスケット1に対応する内部空間を持つ金型を用いて、プレス加工または射出成形によって成形してもよい。あるいは、金型を用いて、プレス加工または射出成形によって、凹部16を有する大面積のシートを形成し、このシートから打ち抜き加工によって、複数のガスケット1を成形してもよい。貫通孔12は、金型によって形成してもよいし、プレス加工または射出成形の後に、例えば打ち抜き加工で形成してもよい。
この実施形態では、各貫通孔12の周囲のみ、すなわちピペット6の先端面が接触する可能性がある領域にのみ形成されている。図2において、二点鎖線の円で囲った領域24は、この実施形態で凹部16が形成される領域である。特に、機械加工によって凹部16に対応する突起を金型に形成する場合には、限られた領域24のみに凹部16を形成することが、経済的観点から好ましいことがある。
但し、凹部16は、ガスケット1の上面11の全体に形成してもよい。この場合には、凹部16を貫通孔12の位置に合わせて形成する必要がなく、ガスケット1の製造が容易となりうる。より詳しくは、凹部16に対応する突起を金型の内部表面の全体に形成すればよいので、突起を限られた位置に形成するよりも、金型の製造が容易となりうる。特に、シートから打ち抜き加工によって、複数のガスケット1を成形する場合には、凹部16を上面11の全体に形成することが好ましい。
この実施形態において、各凹部16は、図9および図10に示す菱形の輪郭を有する。これらの凹部16の一辺の長さS(図10参照)は、好ましくは200μm〜10mm、さらに好ましくは500μm〜5mmである。菱形の小さい方の内角の角度α(図10参照)は、好ましくは30〜80°、さらに好ましくは50〜70°である。隔壁18の幅W(図10参照)は、好ましくは、100μm〜1mmである。
各凹部16の菱形の長い方の対角線の長さL(図10参照)は、ピペット6の先端の厚さt(図9参照)よりも十分に小さいことが望ましい。図9において、D1は、ピペット6の先端の外径の例であり、D2はピペット6の先端の注入口6aの内径の例である。外径D1は、通常、2〜5mmであり、内径D2は、通常、1〜3mmである。ピペット6の先端の厚さtは、通常、0.5〜2mmである。菱形の長い方の対角線の長さLをピペット6の先端の厚さtよりも十分に小さく設定することにより、図9に示すように、ピペット6の先端面は、各貫通孔12の周囲において隔壁18に連続的に接触する。この場合には、ピペット6の先端面は、貫通孔12の全周にわたって連続的に(途切れることなく)隔壁18に接触して圧縮する。したがって、ピペット6の先端面とガスケット1との間に隙間が発生しにくく、隔壁18の外側に試料が広がりにくい。このため、試料2が本来収容されるべき容器4のセル5とは異なるセル5に浸入するおそれが低減される。凹部16の一辺の長さSおよび菱形の小さい方の内角の角度αは、菱形の長い方の対角線の長さLがピペット6の先端の厚さtよりも十分に小さくなるように設定されている。
隔壁18の幅Wは、異なるサイズのピペット6が使用されても、通常のピペット6の先端面が、貫通孔12の周囲の複数の凹部16に対面して、貫通孔12の周囲の隔壁18に連続的に接触するように設定されている。このような観点からは、対角線の長さLおよび隔壁18の幅Wは小さいことが好ましい。
また、隔壁18の幅Wが小さいほど、同じ押し付け力に対して、ピペット6の先端面と隔壁18の接触面圧が大きくなるので、液体状の試料2がピペット6の先端面の範囲から漏れ出にくい。
一方、凹部16の一辺の長さSおよび隔壁18の幅Wは、凹部16および隔壁18を低い費用で容易に形成することができるように、小さくなり過ぎないように設定されている。上記のように、凹部16は金型で成形されるので、凹部に対応する突起を金型に低い費用で容易に形成することができるのが好ましい。このような観点から、一辺の長さSおよび隔壁18の幅Wの下限が設定されている。
凹部16の深さd(図5参照)、すなわち隔壁18の高さは、好ましくは10μm〜1mm、さらに好ましくは50〜200μmである。凹部16の深さdが大きいほど、同じ押し付け力で、圧縮量が大きくなるので、液体状の試料2がピペット6の先端面の範囲から漏れ出にくい。しかし、凹部16の深さdが小さいほど、凹部16および隔壁18を低い費用で容易に形成することができる。
また、凹部16の好ましい深さは、ガスケット1の硬度によって変化する。ピペット6の先端面が隔壁18に押し付けられた時に、隔壁18が圧縮されて、ガスケット1とピペット6の先端面との隙間がなくなり、液体状の試料2がピペット6の先端面の範囲から漏れ出ないようにすることが好ましい。ガスケット1の硬度が高い場合には、ピペット6の押し付け力に対する圧縮量が小さいが、ピペット6の先端面と隔壁18の接触面圧が高くなりやすいので、凹部16の深さdが小さいことが好ましい。他方、ガスケット1の硬度が低く、押し付け力に対する圧縮量が大きい場合には、より強い力でピペット6を隔壁18に押し付けて隔壁18を深く圧縮することにより、ピペット6の先端面と隔壁18の接触面圧を高くすることができるので、凹部16の深さdが大きいことが好ましい。
ガスケット1の材料の例としては、シリコーンゴム、FKM(フッ素ゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、NBR(ニトリルゴム)などが含まれる。ガスケット1の好ましい硬度は、ショアA硬度で10〜80である。
図11は、第1の実施形態の変形例に係るガスケット1を示す平面図である。図11において、図1と共通する構成要素を示すために、同一の符号が使用され、それらの説明は省略する。ガスケット1の輪郭は、図2および図11に示すものに限定されず、様々な輪郭のガスケット1を使用することができる。
第1の実施形態に関する実験結果
図2に示す輪郭を有する、この実施形態に係るガスケット1をVMQ(シリコーンゴム)により製造した。ガスケット1の厚さは3mmであり、硬度はショアA硬度で40であった。このガスケット1において、上面11の凹部16の深さdは200μm、一辺の長さSは2mm、菱形の小さい方の内角の角度αは60°、隔壁18の幅Wは160μmであった。凹部16は、貫通孔12の周囲の領域24に形成した。
このガスケット1については、ピペット6による試料2の注入後、ピペット6が持ち上げられた時、図3に示すように、ガスケット1はピペット6に付着して持ち上がらず、容器4の上にガスケット1が残された。
図11に示す輪郭を有する、この実施形態の変形例に係るガスケット1をFKMにより製造した。ガスケット1の厚さは3mmであり、硬度はショアA硬度で50であった。このガスケット1において、上面11の凹部16の深さdは80μm、一辺の長さSは3mm、菱形の小さい方の内角の角度αは60°、隔壁18の幅Wは160μmであった。凹部16は、貫通孔12の周囲の領域24に形成した。
このガスケット1については、ピペット6による試料2の注入後、ピペット6が持ち上げられた時、図3に示すように、ガスケット1はピペット6に付着して持ち上がらず、容器4の上にガスケット1が残された。
比較例として、両面が平坦なガスケットをVMQにより製造した。ガスケットの厚さは3mmであり、硬度はショアA硬度で40であった。
この比較例のガスケットについては、ピペット6による試料2の注入後、ピペット6が持ち上げられた時、50%の確率で、図3に示すように、ガスケットはピペット6に付着して持ち上がらず、容器4の上にガスケットが残された。しかし、50%の割合で、図4に示すように、ガスケットはピペット6に付着して、容器4から持ち上がってしまった。
さらに比較例として、図8に示すように、上面11に輪郭が円形の凸部20を形成し、下面10を平坦に形成したガスケットをFKMにより製造した。ガスケットの厚さは3mmであり、硬度はショアA硬度で50であった。このガスケットにおいて、上面11の凸部20の高さは80μmであった。
この比較例のガスケットについては、ピペット6による試料2の注入後、ピペット6が持ち上げられた時、図3に示すように、ガスケットはピペット6に付着して持ち上がらず、容器4の上にガスケットが残された。しかしながら、この比較例では、ピペット6による試料2の注入時に、凸部20を十分に圧縮することができず、ピペット6の先端面と上面11との間に隙間が生じ、凹溝22が試料2の流路となってしまい、凸部20が形成された領域よりも外側に試料2が広がってしまうことがあった。
以上説明したように、この実施形態においては、ピペット6から試料2を容器4に注入した後、ピペット6を持ち上げる時に、凹部16が形成された上面11は、ピペット6から離れやすく、平坦に形成された下面10は、容器4に付着しやすい。したがって、ピペット6を持ち上げる時に、ガスケット1の下面10と容器4との間に隙間が発生しにくく、試料2がガスケット1の下面10を伝って、本来収容されるべき容器4のセル5とは異なるセル5に浸入するおそれが低減される。
また、この実施形態においては、複数の凹部16は網目状に配置されており、格子状の隔壁18で囲まれているため、凹部16に試料2が入ったとしても、隔壁18の外側に試料2が広がりにくい。したがって、試料2が本来収容されるべき容器4のセル5とは異なるセル5に浸入するおそれが低減される。
また、この実施形態においては、複数の凹部16の各々は、ピペット6の先端の厚さtよりも小さい長さLを有し、ピペット6の先端面は、各貫通孔12の周囲において隔壁18に連続的に接触する。このため、ピペット6の先端面は、貫通孔12の全周にわたって連続的に(途切れることなく)隔壁18に接触して圧縮する。したがって、ピペット6の先端面とガスケット6との間に隙間が発生しにくく、隔壁18の外側に試料2が広がりにくい。
第2の実施形態
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図12は、本発明の第2の実施形態に係るガスケットに形成された凹部16の詳細を示し、図13はこれらの凹部16の寸法を示す。第2の実施形態においては、ガスケット1の上面11に形成された凹部16の形状が正方形である。他の特徴は、第1の実施形態と同じであり、詳細には説明しない。
この実施形態に係るガスケット1も第1の実施形態と同様に使用される。したがって、ピペット6からセル5に試料2が注入された後にピペット6が持ち上げられる時、図3に示すように、容器4の上にガスケット1が残されることが望ましい。ピペット6が持ち上げられる時、図4に示すように、エラストマー製のガスケット1がピペット6に付着して容器4から持ち上げられてしまうのは望ましくない。
ガスケット1の製造方法は、第1の実施形態の製造方法と同じでよい。
この実施形態において、正方形の各凹部16の一辺の長さS(図13参照)は、好ましくは200μm〜10mm、さらに好ましくは500μm〜5mmである。隔壁18の幅W(図13参照)は、好ましくは、100μm〜1mmである。
各凹部16の対角線の長さL(図13参照)は、ピペット6の先端の厚さt(図12参照)よりも十分に小さいことが望ましい。対角線の長さLをピペット6の先端の厚さtよりも十分に小さく設定することにより、図12に示すように、ピペット6の先端面は、各貫通孔12の周囲において隔壁18に連続的に接触する。この場合には、ピペット6の先端面は、貫通孔12の全周にわたって連続的に(途切れることなく)隔壁18に接触して圧縮する。したがって、ピペット6の先端面とガスケット1との間に隙間が発生しにくく、隔壁18の外側に試料が広がりにくい。このため、試料2が本来収容されるべき容器4のセル5とは異なるセル5に浸入するおそれが低減される。各凹部16の一辺の長さSは、対角線の長さLがピペット6の先端の厚さtよりも十分に小さくなるように設定されている。
隔壁18の幅Wは、異なるサイズのピペット6が使用されても、通常のピペット6の先端面が、貫通孔12の周囲の複数の凹部16に対面して、貫通孔12の周囲の隔壁18に連続的に接触するように設定されている。このような観点からは、対角線の長さLおよび隔壁18の幅Wは小さいことが好ましい。
また、隔壁18の幅Wが小さいほど、同じ押し付け力に対して、ピペット6の先端面と隔壁18の接触圧力が大きくなるので、液体状の試料2がピペット6の先端面の範囲から漏れ出にくい。
一方、凹部16の一辺の長さSおよび隔壁18の幅Wは、凹部16および隔壁18を低い費用で容易に形成することができるように、小さくなり過ぎないように設定されている。上記のように、凹部16は金型で成形されるので、凹部に対応する突起を金型に低い費用で容易に形成することができるのが好ましい。このような観点から、一辺の長さSおよび隔壁18の幅Wの下限が設定されている。
凹部16の深さd(図5参照)、すなわち隔壁18の高さは、好ましくは10μm〜1mm、さらに好ましくは50〜200μmである。凹部16の深さdが大きいほど、同じ押し付け力に対して、ピペット6の押し付けによる隔壁18の圧縮量が大きいので、液体状の試料2がピペット6の先端面の範囲から漏れ出にくい。しかし、凹部16の深さdが小さいほど、凹部16および隔壁18を低い費用で容易に形成することができる。
また、凹部16の好ましい深さは、第1の実施形態と同様に、ガスケット1の硬度によって変化する。
ガスケット1の材料の例としては、第1の実施形態と同様であり、ガスケット1の好ましい硬度は、ショアA硬度で10〜80である。
ガスケット1は、図2に示す輪郭を有していてもよいし、図11に示す輪郭を有していてもよいし、さらに他の輪郭を有していてもよい。
第2の実施形態に関する実験結果
図1に示す輪郭を有する、この実施形態に係るガスケット1をVMQにより製造した。ガスケット1の厚さは3mmであり、硬度はショアA硬度で40であった。このガスケット1において、上面11の凹部16の深さdは200μm、一辺の長さSは2mm、隔壁18の幅Wは250μmであった。凹部16は、貫通孔12の周囲の領域24に形成した。
このガスケット1については、ピペット6による試料2の注入後、ピペット6が持ち上げられた時、図3に示すように、ガスケット1はピペット6に付着して持ち上がらず、容器4の上にガスケット1が残された。
図11に示す輪郭を有する、この実施形態の変形例に係るガスケット1をFKMにより製造した。ガスケット1の厚さは3mmであり、硬度はショアA硬度で50であった。このガスケット1において、上面11の凹部16の深さdは80μm、一辺の長さSは3mm、隔壁18の幅Wは250μmであった。凹部16は、貫通孔12の周囲の領域24に形成した。
このガスケット1については、ピペット6による試料2の注入後、ピペット6が持ち上げられた時、図3に示すように、ガスケット1はピペット6に付着して持ち上がらず、容器4の上にガスケット1が残された。
比較例として、両面が平坦なガスケットをVMQにより製造した。ガスケットの厚さは3mmであり、硬度はショアA硬度で40であった。
この比較例のガスケットについては、ピペット6による試料2の注入後、ピペット6が持ち上げられた時、50%の確率で、図3に示すように、ガスケットはピペット6に付着して持ち上がらず、容器4の上にガスケットが残された。しかし、50%の割合で、図4に示すように、ガスケットはピペット6に付着して、容器4から持ち上がってしまった。
さらに比較例として、図8に示すように、上面11に輪郭が円形の凸部20を形成し、下面10を平坦に形成したガスケットをFKMにより製造した。ガスケットの厚さは3mmであり、硬度はショアA硬度で50であった。このガスケットにおいて、上面11の凸部20の高さは80μmであった。
この比較例のガスケットについては、ピペット6による試料2の注入後、ピペット6が持ち上げられた時、図3に示すように、ガスケットはピペット6に付着して持ち上がらず、容器4の上にガスケットが残された。しかしながら、この比較例では、ピペット6による試料2の注入時に、凸部20を十分に圧縮することができず、ピペット6の先端面と上面11との間に隙間が生じ、凹溝22が試料2の流路となってしまい、凸部20が形成された領域よりも外側に試料2が広がってしまうことがあった。
以上説明したように、この実施形態においては、第1の実施形態と同様の効果を達成することができる。
第1の実施形態では凹部16の輪郭は菱形であり、第2の実施形態では凹部16の輪郭は正方形である。しかし、凹部16の輪郭はこれらに限定されず、他の形状であってもよい。例えば、図14および図15に示すように、凹部16の輪郭は円形でもよい。図16に示すように、凹部16の輪郭は楕円形でもよい。図17に示すように、凹部16の輪郭は六角形でもよい。図示しないが、凹部16の輪郭は、正方形以外の矩形でもよいし、三角形でもよい。
いずれにせよ、凹部16のサイズは、ピペット6の先端の厚さtよりも小さく、ピペット6の先端は、各貫通孔12の周囲において隔壁18に連続的に接触するのが好ましい。ここで、「サイズ」とは、凹部16の輪郭の最も大きい長さ(例えば、凹部が円形であればその直径、凹部が楕円形であればその長軸の長さ、凹部が六角形であればその中心を通る対角線の長さ)を意味する。この場合には、ピペット6の先端は、貫通孔12の全周にわたって連続的に(途切れることなく)隔壁18に接触して圧縮する。したがって、ピペット6の先端とガスケット1との間に隙間が発生しにくく、隔壁18の外側に試料2が広がりにくい。
第3の実施形態
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図18に示すように、本発明の第3の実施形態に係るガスケット30は、液体状の試料2を収容するための容器32と、容器32に試料2を注入する注入装置34の注入ヘッド35との間に配置され、注入ヘッド35と容器32によって圧縮され、注入ヘッド35と容器32との間の隙間を封止する。
試料2は、生体から得られた体液などの検体であってもよいし、生体から得られた細胞もしくは生体を含む液体であってもよいし、細胞もしくは生体を培養するための培養液であってもよい。あるいは、試料2は、化学的に製造または精製された液体であってもよい。
注入装置34は、例えばガラス、樹脂または金属により形成された注入ヘッド35と、注入ヘッド35に取り付けられた複数のチューブコネクタ36と、これらのチューブコネクタ36にそれぞれ液密に接続された複数のチューブ37とを有する。注入ヘッド35は、複数のチューブ37にそれぞれ連通する複数の貫通孔38を有する。これらの貫通孔38は、下方に向けて広がる形状を有しており、各貫通孔38の下端は、容器32に試料を注入する注入口38aである。
容器32は、例えば樹脂により形成されており、試料2を収容する収容空間である複数のセル33を有する。これらのセル33は、それぞれ異なる種類の試料2を収容してもよいし、同じ種類の試料2を収容してもよい。また、1つのセル33に1種類の試料2を注入した後に、他の種類の試料2を注入し、異なる種類の試料2を同じセル33内で混合してもよい。図示のセル33は互いに独立しているが、複数のセル33が連通していてもよい。
注入装置34は、すべてのセル33に同時に試料2を注入することができる。また、注入装置34は、1つまたは複数のセル33に試料2を注入してもよい。
ガスケット30は、エラストマーから形成されたほぼ平らな板であり、容器32の上面に接触させられる下面40と、注入装置34の注入ヘッド35の下面に接触させられる上面41とを有する。図19に示すように、ガスケット30は、試料2を注入装置34の注入口38aから容器32に導入するために形成された複数の貫通孔42を有する。また、ガスケット30には、ガスケット30を位置決めするための貫通孔44が形成されている。但し、貫通孔44は不可欠ではない。
ガスケット30は矩形の輪郭を有するが、ガスケット30の輪郭は図示の形状に限定されない。また、貫通孔42の配置も図示の配置に限定されない。
ガスケット30の使用状態において、ガスケット30が容器32の上面に載せられ、この時、ガスケット30の複数の貫通孔42は、容器32の複数のセル33の位置に合致する位置にそれぞれ配置される。そして、注入装置34の複数の注入口38aが、それぞれ複数の貫通孔42にほぼ同心になるように、注入装置34がガスケット30に対して配置される。この時、ガスケット30は、注入装置34の注入ヘッド35の下面と容器32の上面の間で圧縮される。次に、注入装置34から注入口38aおよび貫通孔42を通じて、貫通孔42に重なったセル33に試料2が導入される。ガスケット30の貫通孔42の直径は、注入装置34の注入口38aの直径とほぼ同じであり、またセル33の直径とほぼ同じである。
注入装置34からセル33に試料2が注入された後、図20に示すように、注入装置34が持ち上げられる。この実施形態では、注入装置34が持ち上げられる時、図示のように、容器32の上にガスケット30が残されることが望ましい。この後、容器32の上からガスケット30が取り除かれ、容器32のセル33内の試料2が、例えば化学反応実験または培養実験に使用される。
異なる種類の試料2を同じセル33内で混合する場合には、好ましくは別の注入装置34によって、試料2がセル33に注入され、すべての種類の試料2が容器32に導入された後、容器32の上からガスケット30が取り除かれる。
注入装置34が持ち上げられる時、図21に示すように、エラストマー製のガスケット30が注入装置34に付着して容器32から持ち上げられてしまうのは望ましくない。ガスケット30の下面40と容器32の上面との間に隙間が短時間でもできてしまうと、貫通孔42に残存した試料2がその隙間に回り込み、試料2を本来導入すべきではないセル33に導入してしまうおそれがあるためである。
この実施形態においては、注入装置34から試料2を容器32に注入した後、注入装置34を持ち上げてもガスケット30が容器32の上にそのまま静止するように、以下のように工夫されている。図22は、ガスケット30の拡大断面図である。図22に示すように、ガスケット30の下面40は平坦に形成されている。一方、ガスケット30の上面41には、各貫通孔42の直径よりも小さいサイズを有する複数の凹部46が形成されている。
これらの凹部46は、網目状に配置されており、各凹部46は格子状の隔壁48によって囲まれている。但し、貫通孔42に隣接する凹部46aだけは、完全には隔壁48に囲まれておらず、一部が隔壁48に囲まれている。これらは、図6に示す第1の実施形態の凹部16,16aと隔壁18と同様である。
ガスケット30の使用状態において、ガスケット30の隔壁48は注入装置34の注入ヘッド35の下面により圧縮される。注入装置34の注入ヘッド35の下面は、ガスケット30の隔壁48のみに接触するため、上面41が凹部46のない平坦面である場合に比べて、注入装置34の注入ヘッド35の下面とガスケット30の接触面積を減少させることができる。したがって、ガスケット30はエラストマーで形成されているが、注入装置34の注入ヘッド35の下面とガスケット30の上面41との付着力は弱く、上面41は注入装置34から離れやすい。
他方、容器32の上面に接触するガスケット30の下面40は平坦に形成されているため、エラストマーの粘着性により容器32と下面40の付着力は強い。したがって、図20に示すように、注入装置34を持ち上げる時、ガスケット30が容器32の上にそのまま静止しやすくなり、ガスケット30が注入装置34に付着して容器32から持ち上げられることが低減する。
複数の凹部46は網目状に配置されており、格子状の隔壁48で囲まれているため、凹部46に試料2が入ったとしても、隔壁48の外側に試料2が広がりにくい。したがって、試料2が本来収容されるべき容器32のセル33とは異なるセル33に浸入するおそれが低減される。これは、第1の実施形態に関して図8に示した、凸部20を有する比較例と対照的である。
ガスケット30の製造方法は、第1の実施形態のガスケット1の製造方法と同じでよい。
この実施形態では、凹部46は、ガスケット30の上面41の全体に形成されている。この場合には、凹部46を貫通孔42の位置に合わせて形成する必要がなく、ガスケット30の製造が容易となりうる。特に、シートから打ち抜き加工によって、複数のガスケット30を成形する場合には、凹部46を上面41の全体に形成することが好ましい。
但し、各貫通孔42の周囲の限られた領域のみに凹部46を形成してもよい。特に、機械加工によって凹部46に対応する突起を金型に形成する場合には、限られた領域のみに凹部46を形成することが、経済的観点から好ましいことがある。
この実施形態において、各凹部46は、例えば、図9および図10に示す凹部16と同じく、菱形の輪郭を有する。これらの凹部46の一辺の長さS(図10参照)は、好ましくは200μm〜10mm、さらに好ましくは500μm〜5mmである。菱形の小さい方の内角の角度α(図10参照)は、好ましくは30〜80°、さらに好ましくは50〜70°である。隔壁48の幅W(図10参照)は、好ましくは、100μm〜1mmである。
各凹部46は、図12および図13に示す凹部16と同じく、正方形の輪郭を有してもよい。各凹部46の一辺の長さS(図13参照)は、好ましくは200μm〜10mm、さらに好ましくは500μm〜5mmである。隔壁48の幅W(図13参照)は、好ましくは、100μm〜1mmである。
各凹部46の菱形の長い方の対角線の長さL(図10参照)または正方形の対角線の長さ(図13参照)は、注入ヘッド35の注入口38aの間隔In(図20参照)よりも十分に小さいことが望ましい。長さLを注入口38aの間隔Inよりも十分に小さく設定することにより、注入ヘッド35の下面は、各貫通孔42の周囲において隔壁48に連続的に接触する。この場合には、注入ヘッド35の下面は、各貫通孔42の全周にわたって連続的に(途切れることなく)隔壁48に接触して圧縮する。したがって、注入ヘッド35の下面とガスケット30との間に隙間が発生しにくく、隔壁48の外側に試料が広がりにくい。このため、試料2が本来収容されるべき容器32のセル33とは異なるセル33に浸入するおそれが低減される。凹部46が菱形の場合、凹部46の一辺の長さSおよび菱形の小さい方の内角の角度αは、菱形の長い方の対角線の長さLが注入口38aの間隔Inよりも十分に小さくなるように設定されている。凹部46が正方形の場合、凹部46の一辺の長さSは、対角線の長さLが注入口38aの間隔Inよりも十分に小さくなるように設定されている。
隔壁48の幅Wは、注入ヘッド35の下面が、各貫通孔42の周囲の複数の凹部46に対面して、各貫通孔42の周囲を囲む隔壁48に連続的に接触するように設定されている。このような観点からは、対角線の長さLおよび隔壁48の幅Wは小さいことが好ましい。
また、隔壁48の幅Wが小さいほど、同じ押し付け力に対して、注入ヘッド35の下面と隔壁48の接触面圧が大きくなるので、液体状の試料2が凹部46から漏れ出にくい。
一方、凹部46の一辺の長さSおよび隔壁48の幅Wは、凹部46および隔壁48を低い費用で容易に形成することができるように、小さくなり過ぎないように設定されている。上記のように、凹部46は金型で成形されるので、凹部に対応する突起を金型に低い費用で容易に形成することができるのが好ましい。このような観点から、一辺の長さSおよび隔壁48の幅Wの下限が設定されている。
凹部46の深さd(図22参照)、すなわち隔壁48の高さは、好ましくは10μm〜1mm、さらに好ましくは50〜200μmである。凹部46の深さdが大きいほど、同じ押し付け力に対して、注入ヘッド35の押し付けによる隔壁48の圧縮量が大きいので、液体状の試料2が凹部46から漏れ出にくい。しかし、凹部46の深さdが小さいほど、凹部46および隔壁48を低い費用で容易に形成することができる。
また、凹部46の好ましい深さは、第1の実施形態と同様に、ガスケット30の硬度によって変化する。
ガスケット30の材料の例としては、第1の実施形態のガスケット1と同様であり、ガスケット30の好ましい硬度は、ショアA硬度で10〜80である。
第3の実施形態に関する実験結果
図19に示す輪郭を有する、この実施形態に係るガスケット30をVMQにより製造した。ガスケット30の厚さは1mmであり、硬度はショアA硬度で10であった。このガスケット30において、上面41の全体に図9および図10に示す菱形の複数の凹部46を形成した。
このガスケット30については、注入装置34による試料2の注入後、注入装置34が持ち上げられた時、図3に示すように、ガスケット30は注入装置34の注入ヘッド35に付着して持ち上がらず、容器32の上にガスケット30が残された。また、注入ヘッド35の下面と容器32の上面との間を隙間なくガスケット30で封止するために、後述する比較例に比べて、注入ヘッド35をガスケット30に押し付ける力が小さかった。
この実施形態に係る類似のガスケット30をVMQにより製造した。ガスケット30の厚さは1mmであり、硬度はショアA硬度で20であった。このガスケット30において、上面41の全体に図9および図10に示す正方形の複数の凹部46を形成した。
このガスケット30についても、注入装置34による試料2の注入後、注入装置34が持ち上げられた時、図3に示すように、ガスケット30は注入装置34の注入ヘッド35に付着して持ち上がらず、容器32の上にガスケット30が残された。また、注入ヘッド35の下面と容器32の上面との間を隙間なくガスケット30で封止するために、後述する比較例に比べて、注入ヘッド35をガスケット30に押し付ける力が小さかった。
比較例として、両面が平坦なガスケットをVMQにより製造した。ガスケットの厚さは1mmであり、硬度はショアA硬度で10であった。
この比較例のガスケットについては、注入装置34による試料2の注入後、注入装置34が持ち上げられた時、ある程度の確率で、図21に示すように、ガスケットは注入装置34に付着して、容器32から持ち上がることがあった。また、注入ヘッド35の下面と容器32の上面との間を隙間なくガスケット30で封止するために、上述の2つの実施形態に係るガスケット30に比べて、注入ヘッド35をガスケット30に押し付ける力が大きかった。
以上説明したように、この実施形態においては、注入装置34から試料2を容器32に注入した後、注入装置34を持ち上げる時に、凹部46が形成された上面41は、注入装置34の注入ヘッド35から離れやすく、平坦に形成された下面40は、容器32に付着しやすい。したがって、注入装置34を持ち上げる時に、ガスケット30の下面40と容器32との間に隙間が発生しにくく、試料2がガスケット30の下面40を伝って、本来収容されるべき容器32のセル33とは異なるセル33に浸入するおそれが低減される。
また、この実施形態においては、複数の凹部46は網目状に配置されており、格子状の隔壁48で囲まれているため、凹部46に試料2が入ったとしても、隔壁48の外側に試料2が広がりにくい。したがって、試料2が本来収容されるべき容器32のセル33とは異なるセル33に浸入するおそれが低減される。
また、この実施形態においては、上面41に複数の凹部46が形成されているため、両面が平坦な場合に比べて、上面41と注入ヘッド35との接触面積を小さくすることができ、小さい押し付け力であっても上面41と注入ヘッド35との間の接触面圧を高く確保することができる。したがって、注入ヘッド35の下面と容器32の上面との間を隙間なくガスケット30で封止するために、注入ヘッド35をガスケット30に押し付ける力が小さくてよいため、注入ヘッド35および容器32の寿命を伸ばすことができる。
また、この実施形態においては、複数の凹部46の各々は、注入口38aの間隔Inよりも小さい長さLを有し、注入ヘッド35の下面は、各貫通孔42の周囲において隔壁48に連続的に接触する。このため、注入ヘッド35の下面は、貫通孔42の全周にわたって連続的に(途切れることなく)隔壁48に接触して圧縮する。したがって、注入ヘッド35の下面とガスケット6との間に隙間が発生しにくく、隔壁48の外側に試料2が広がりにくい。
この実施形態では凹部46の輪郭は菱形または正方形である。しかし、凹部46の輪郭はこれらに限定されず、他の形状であってもよい。例えば、図14〜図17に示す凹部16と同様に、凹部46の輪郭は円形でも、楕円形でも、六角形でもよい。図示しないが、凹部46の輪郭は、正方形以外の矩形でもよいし、三角形でもよい。いずれにせよ、凹部46のサイズは、注入口38aの間隔Inよりも小さく、注入ヘッド35の下面は、各貫通孔42の周囲において複数の凹部16に対面するのが好ましい。
第4の実施形態
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図23に示すように、本発明の第4の実施形態に係るガスケット30は、液体状の試料2を収容するための容器32と、容器32に試料2を注入する注入装置34の注入ヘッド35との間に配置され、注入ヘッド35と容器32によって圧縮され、注入ヘッド35と容器32との間の隙間を封止する。
図23以降の図面において、第3実施形態と共通する構成要素を示すため、同一の符号が使用され、それらの構成要素については詳細には説明しない。
注入装置34の注入ヘッド35に形成された貫通孔38は、円筒状であり、各貫通孔38の下端は、容器32に試料を注入する注入口38aである。
ガスケット30の貫通孔42の直径は、注入装置34の貫通孔38の直径とほぼ同じであり、セル33の直径よりも大きい。各セル33の上端は、容器32の試料2の入口33aである。この実施形態では、入口33aの直径は、セル33の他の部分の直径と同じであるが、セル33の他の部分の直径と異なっていてもよい。
注入装置34からセル33に試料2が注入された後、図24に示すように、注入装置34が持ち上げられる。この実施形態では、第3の実施形態とは逆に、注入装置34が持ち上げられる時、図示のように、エラストマー製のガスケット30が注入装置34に付着して容器32から持ち上げられるのが望ましい。これにより、同じ注入装置34と同じガスケット30を用いて、他の容器32に試料2を注入するのが容易である。
このため、この実施形態においては、以下のように工夫されている。図25は、この実施形態のガスケット30の拡大断面図である。図25に示すように、ガスケット30の上面41は平坦に形成されている。一方、ガスケット30の下面40には、各貫通孔42の直径よりも小さいサイズを有する複数の凹部46が形成されている。
これらの凹部46は、網目状に配置されており、各凹部46は格子状の隔壁48によって囲まれている。但し、貫通孔42に隣接する凹部46aだけは、完全には隔壁48に囲まれておらず、一部が隔壁48に囲まれている。これらは、図6に示す第1の実施形態の凹部16,16aと隔壁18と同様である。
ガスケット30の使用状態において、ガスケット30の隔壁48は注入装置34の注入ヘッド35の下面と容器32の上面の間で圧縮される。容器32の上面は、ガスケット30の下面40の隔壁48のみに接触するため、下面40が凹部46のない平坦面である場合に比べて、容器32の上面とガスケット30の接触面積を減少させることができる。したがって、ガスケット30はエラストマーで形成されているが、容器32の上面とガスケット30の下面40との付着力は弱く、下面40は容器32から離れやすい。
他方、注入装置34の注入ヘッド35の下面に接触するガスケット30の上面41は平坦に形成されているため、エラストマーの粘着性により注入ヘッド35と上面41の付着力は強い。したがって、図24に示すように、注入装置34を持ち上げる時、ガスケット30が容器32から離れて、注入ヘッド35とともに持ち上げられやすくなる。
複数の凹部46は網目状に配置されており、格子状の隔壁48で囲まれているため、例えば、試料2がセル33から跳ね返って凹部46に入ったとしても、隔壁48の外側に試料2が広がりにくい。したがって、試料2が本来収容されるべき容器32のセル33とは異なるセル33に浸入するおそれが低減される。
ガスケット30の製造方法は、第1の実施形態のガスケット1の製造方法と同じでよい。
この実施形態では、凹部46は、ガスケット30の下面40の全体に形成されている。この場合には、凹部46を貫通孔42の位置に合わせて形成する必要がなく、ガスケット30の製造が容易となりうる。特に、シートから打ち抜き加工によって、複数のガスケット30を成形する場合には、凹部46を下面40の全体に形成することが好ましい。
但し、下面40のうち容器32の上面が接触する可能性がある各セル33の入口33aの周囲の限られた領域のみに凹部46を形成してもよい。特に、機械加工によって凹部46に対応する突起を金型に形成する場合には、限られた領域のみに凹部46を形成することが、経済的観点から好ましいことがある。
この実施形態において、各凹部46は、例えば、図9および図10に示す凹部16と同じく、菱形の輪郭を有してもよいし、図12および図13に示す凹部16と同じく、正方形の輪郭を有してもよい。あるいは、例えば、図14〜図17に示す凹部16と同様に、凹部46の輪郭は円形でも、楕円形でも、六角形でもよい。図示しないが、凹部46の輪郭は、正方形以外の矩形でもよいし、三角形でもよい。
各凹部46のサイズは、複数のセル33の入口33aの間隔In2(図23参照)よりも十分に小さいことが望ましい。各凹部46のサイズを入口33aの間隔In2よりも十分に小さく設定することにより、容器32の上面は、各貫通孔42の周囲(とりわけ各入口33aの周囲)において隔壁48に連続的に接触する。この場合には、容器32の上面は、各貫通孔42の全周(とりわけ各入口33aの全周)にわたって連続的に(途切れることなく)隔壁48に接触して圧縮する。したがって、容器32の上面とガスケット30との間に隙間が発生しにくく、隔壁48の外側に試料が広がりにくい。このため、試料2が本来収容されるべき容器32のセル33とは異なるセル33に浸入するおそれが低減される。
各凹部46のサイズおよび隔壁48の幅は、第3の実施形態と類似の観点から設定される。また、各凹部46の深さd(図25参照)、すなわち隔壁48の高さも、第3の実施形態と類似の観点から設定される。
ガスケット30の材料の例としては、第1の実施形態のガスケット1と同様であり、ガスケット30の好ましい硬度は、ショアA硬度で10〜80である。
この実施形態においては、注入装置34から試料2を容器32に注入した後、注入装置34を持ち上げる時に、凹部46が形成された下面40は、容器32から離れやすく、平坦に形成された上面41は、注入装置34の注入ヘッド35に付着しやすい。したがって、注入装置34を持ち上げる時に、ガスケット30が容器34から離れて注入ヘッド34とともに持ち上げられやすい。これにより、同じ注入装置34と同じガスケット30を用いて、他の容器32に試料2を注入するのが容易である。
また、この実施形態においては、複数の凹部46は網目状に配置されており、格子状の隔壁48で囲まれているため、例えば、試料2がセル33から跳ね返って凹部46に入ったとしても、隔壁48の外側に試料2が広がりにくい。したがって、試料2が本来収容されるべき容器32のセル33とは異なるセル33に浸入するおそれが低減される。
また、この実施形態においては、下面40に複数の凹部46が形成されているため、両面が平坦な場合に比べて、下面40と容器32との接触面積を小さくすることができ、小さい押し付け力であっても下面40と容器32との間の接触面圧を高く確保することができる。したがって、注入ヘッド35の下面と容器32の上面との間を隙間なくガスケット30で封止するために、注入ヘッド35をガスケット30に押し付ける力が小さくてよいため、注入ヘッド35および容器32の寿命を伸ばすことができる。
また、この実施形態においては、複数の凹部46の各々は、容器32のセル33の入口33aの間隔In2よりも小さいサイズを有し、容器32の上面は、各貫通孔42の周囲において隔壁48に連続的に接触する。このため、容器32の上面は、貫通孔42の全周にわたって連続的に(途切れることなく)隔壁48に接触して圧縮する。したがって、容器32の上面とガスケット6との間に隙間が発生しにくく、隔壁48の外側に試料2が広がりにくい。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記の説明は本発明を限定するものではなく、本発明の技術的範囲において、構成要素の削除、追加、置換を含む様々な変形例が考えられる。
1,30 ガスケット
2,32 試料
4 容器
6 ピペット(注入装置)
6a 注入口
10,40 下面
11,41 上面
5,33 セル(収容空間)
12,42 貫通孔
16,46 凹部
16a,46a 凹部
18,48 隔壁
33a 入口
34 注入装置
35 注入ヘッド
38a 注入口

Claims (8)

  1. 液体状の試料を収容するための複数の収容空間を有する容器と、前記容器に前記試料を注入する注入口を有する注入装置との間に配置され、前記注入装置と前記容器との間の隙間を封止するエラストマー製の平板状のガスケットであって、
    前記容器に接触させられる下面と、
    前記注入装置に接触させられる上面と、
    前記試料を前記注入口から前記容器に導入するために形成された複数の貫通孔と、
    前記下面と前記上面のいずれか一方における前記貫通孔の周囲に形成され、前記貫通孔よりも小さいサイズを有し、網目状に配置された複数の凹部と
    を備え、前記複数の凹部は格子状の隔壁で囲まれており、
    前記下面と前記上面の他方は平坦に形成されている、
    ことを特徴とするガスケット。
  2. 前記複数の凹部は、前記下面と前記上面のいずれか一方の全体に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のガスケット。
  3. 前記複数の凹部は前記上面に形成され、
    前記下面は平坦に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のガスケット。
  4. 前記注入装置は、先端に前記注入口が形成されたピペットであって、
    前記複数の凹部の各々は、前記ピペットの前記先端の厚さよりも小さいサイズを有し、
    前記ピペットの先端は、前記貫通孔の各々の周囲において前記隔壁に連続的に接触する
    ことを特徴とする請求項3に記載のガスケット。
  5. 前記注入装置は、複数の注入口が形成された注入ヘッドを備え、
    前記複数の凹部の各々は、前記複数の注入口の間隔よりも小さいサイズを有し、
    前記注入ヘッドは、前記貫通孔の各々の周囲において前記隔壁に連続的に接触する
    ことを特徴とする請求項3に記載のガスケット。
  6. 前記複数の凹部は前記下面に形成され、
    前記上面は平坦に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のガスケット。
  7. 前記注入装置は、複数の注入口が形成された注入ヘッドを備え、
    前記複数の凹部の各々は、前記複数の収容空間の入口の間隔よりも小さいサイズを有し、
    前記容器は、前記貫通孔の各々の周囲において前記隔壁に連続的に接触する
    ことを特徴とする請求項6に記載のガスケット。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のガスケットと、
    前記試料を収容するための前記容器と、
    前記容器に前記試料を注入する前記注入口を有する前記注入装置と
    を備えることを特徴とする密封構造。
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