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JP7215958B2 - ブロック共重合体及び組成物、並びにそれらを用いた発光素子 - Google Patents

ブロック共重合体及び組成物、並びにそれらを用いた発光素子 Download PDF

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JP7215958B2
JP7215958B2 JP2019082909A JP2019082909A JP7215958B2 JP 7215958 B2 JP7215958 B2 JP 7215958B2 JP 2019082909 A JP2019082909 A JP 2019082909A JP 2019082909 A JP2019082909 A JP 2019082909A JP 7215958 B2 JP7215958 B2 JP 7215958B2
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Description

本発明は、ブロック共重合体及び組成物、並びにそれらを用いた発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子は、ディスプレイ、照明等の用途に好適に使用することが可能である。発光素子の発光層に用いられる材料として、例えば、特開2013-131995号公報(特許文献1)には、トリアジン骨格を有する構成単位及び燐光発光性構成単位を含む高分子化合物、並びに、トリアジン骨格を有する構成単位を含む高分子化合物及び燐光発光性化合物を含有する組成物が記載されている。
特開2013-131995号公報
しかし、前記高分子化合物又は組成物を用いて製造した発光素子の輝度寿命は、必ずしも十分ではない。
そこで、本発明の目的は、輝度寿命に優れる発光素子の製造に有用なブロック共重合体又は組成物を提供することにある。
本発明は、以下に示すブロック共重合体、組成物及び発光素子を提供する。
[1] 末端基と、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基に結合しないブロックと、を含み、
前記末端基、前記末端基に結合するブロック及び前記末端基に結合しないブロックからなる群より選ばれる少なくとも1つが、燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基を含み、
前記末端基に結合しないブロックが、下記式(X)で表される構成単位及び下記式(Z)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも2種の構成単位を含み、
前記末端基に結合しないブロック中の前記式(X)で表される構成単位の合計個数及び前記式(Z)で表される構成単位の合計個数をそれぞれX及びZとし、前記末端基に結合するブロック中の前記式(X)で表される構成単位の合計個数及び前記式(Z)で表される構成単位の合計個数をそれぞれXII及びZIIとするとき、下記式(i)~(iii)の少なくとも1つを満たす、ブロック共重合体。
>XII (i)
>ZII (ii)
+Z>XII+ZII (iii)
Figure 0007215958000001

[式中、
X1及びaX2は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表す。
ArX1及びArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。ArX4が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
X1、RX2及びRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX2が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。RX3が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。]
Figure 0007215958000002

[式中、Arは、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[2] 前記末端基に結合するブロックが、下記式(Y)で表される構成単位を含む、[1]に記載のブロック共重合体。
Figure 0007215958000003

[式中、ArY1は、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。]
[3] 前記燐光発光性化合物が、下記式(1)で表される燐光発光性化合物である、[1]又は[2]に記載のブロック共重合体。
Figure 0007215958000004

[式中、
Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子又は白金原子を表す。
は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表す。但し、Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n+nは2である。
及びEは、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。但し、E及びEの少なくとも一方は炭素原子である。Eが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。Eが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
環Lは、置換基を有していてもよい芳香族複素環を表す。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Lが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
環Lは、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Lが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
環Lが有していてもよい置換基と環Lが有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
-G-Aは、アニオン性の2座配位子を表す。A及びAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、又は、A及びAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A-G-Aが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。]
[4] 前記燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基が、下記式(1B)で表される末端基、下記式(2B)で表される構成単位、下記式(3B)で表される構成単位又は下記式(4B)で表される構成単位として、前記末端基、前記末端基に結合するブロック及び前記末端基に結合しないブロックからなる群より選ばれる少なくとも1つに含まれる、[3]に記載のブロック共重合体。
Figure 0007215958000005

[式中、
1Bは、前記式(1)で表される燐光発光性化合物から1個の水素原子を取り除いた基を表す。
は、酸素原子、硫黄原子、-N(R)-、-C(R-、-C(R)=C(R)-、-C≡C-、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは、同一であってもよく異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。Lが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
c1は0以上10以下の整数を表す。]
Figure 0007215958000006

[式中、
1Bは前記と同じ意味を表す。
及びLは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、-N(R)-、-C(R-、-C(R)=C(R)-、-C≡C-、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R及びRは、前記と同じ意味を表す。Lが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。Lが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
d1及びne1は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表す。複数存在するnd1は、同一であってもよく異なっていてもよい。
Ar1Mは、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Figure 0007215958000007

[式中、
及びnd1は、前記と同じ意味を表す。
2Bは、前記式(1)で表される燐光発光性化合物から2個の水素原子を取り除いた基を表す。]
Figure 0007215958000008

[式中、
及びnd1は、前記と同じ意味を表す。
3Bは、前記式(1)で表される燐光発光性化合物から3個の水素原子を取り除いた基を表す。]
[5] 前記式(1)で表される燐光発光性化合物が、下記式(1-A)で表される燐光発光性化合物である、[3]又は[4]に記載のブロック共重合体。
Figure 0007215958000009

[式中、
M、n、n、E及びA-G-Aは、前記と同じ意味を表す。
環L1Aは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアゾール環又はジアゾール環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環L1Aが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
21A、E22A、E23A及びE24Aは、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。E21A、E22A、E23A及びE24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。E21Aが窒素原子の場合、R21Aは存在しない。E22Aが窒素原子の場合、R22Aは存在しない。E23Aが窒素原子の場合、R23Aは存在しない。E24Aが窒素原子の場合、R24Aは存在しない。
21A、R22A、R23A及びR24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R21A、R22A、R23A及びR24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。R21AとR22A、R22AとR23A、R23AとR24A、及び、環L1Aが有していてもよい置換基とR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環L2Aは、ベンゼン環、ピリジン環又はジアザベンゼン環を表す。]
[6] 前記式(Z)で表される構成単位が、下記式(Z’)で表される構成単位である、[1]~[5]のいずれかに記載のブロック共重合体。
Figure 0007215958000010

[式中、ArZ’は、環構成原子として二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の前記2価の含窒素複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[7] 前記末端基に結合するブロックが、前記式(X)で表される構成単位及び前記式(Z)で表される構成単位を含まない、[1]~[6]のいずれかに記載のブロック共重合体。
[8] 前記末端基と、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基に結合しないブロックと、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基と、をこの順に含む、[1]~[7]のいずれかに記載のブロック共重合体。
[9] [1]~[8]のいずれかに記載のブロック共重合体と、
正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
を含有する、組成物。
[10] 末端基と、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基に結合しないブロックと、を含むブロック共重合体、及び、燐光発光性化合物を含有し、
前記末端基に結合しないブロックが、下記式(X)で表される構成単位及び下記式(Z)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも2種の構成単位を含み、
前記末端基に結合しないブロック中の前記式(X)で表される構成単位の合計個数及び前記式(Z)で表される構成単位の合計個数をそれぞれXVI及びZVIとし、前記末端基に結合するブロック中の前記式(X)で表される構成単位の合計個数及び前記式(Z)で表される構成単位の合計個数をそれぞれXVII及びZVIIとするとき、下記式(iv)~(vi)の少なくとも1つを満たす、組成物。
VI>XVII (iv)
VI>ZVII (v)
VI+ZVI>XVII+ZVII (vi)
Figure 0007215958000011

[式中、
X1及びaX2は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表す。
ArX1及びArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。ArX4が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
X1、RX2及びRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX2が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。RX3が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。]
Figure 0007215958000012

[式中、Arは、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[11] 前記燐光発光性化合物が、下記式(1)で表される燐光発光性化合物である、[10]に記載の組成物。
Figure 0007215958000013

[式中、
Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子又は白金原子を表す。
は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表す。但し、Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n+nは2である。
及びEは、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。但し、E及びEの少なくとも一方は炭素原子である。Eが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。Eが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
環Lは、置換基を有していてもよい芳香族複素環を表す。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Lが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
環Lは、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Lが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
環Lが有していてもよい置換基と環Lが有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
-G-Aは、アニオン性の2座配位子を表す。A及びAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、又は、A及びAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A-G-Aが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。]
[12] 前記式(1)で表される燐光発光性化合物が、下記式(1-A)で表される燐光発光性化合物である、[11]に記載の組成物。
Figure 0007215958000014

[式中、
M、n、n、E及びA-G-Aは、前記と同じ意味を表す。
環L1Aは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアゾール環又はジアゾール環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環L1Aが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
21A、E22A、E23A及びE24Aは、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。E21A、E22A、E23A及びE24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。E21Aが窒素原子の場合、R21Aは存在しない。E22Aが窒素原子の場合、R22Aは存在しない。E23Aが窒素原子の場合、R23Aは存在しない。E24Aが窒素原子の場合、R24Aは存在しない。
21A、R22A、R23A及びR24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R21A、R22A、R23A及びR24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。R21AとR22A、R22AとR23A、R23AとR24A、及び、環L1Aが有していてもよい置換基とR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環L2Aは、ベンゼン環、ピリジン環又はジアザベンゼン環を表す。]
[13] 前記ブロック共重合体が、前記末端基と、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基に結合しないブロックと、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基と、をこの順に含む、[10]~[12]のいずれかに記載の組成物。
[14] 末端基と、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基に結合しないブロックと、を含み、
前記末端基に結合しないブロックが、下記式(X)で表される構成単位及び下記式(Z’)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも2種の構成単位を含み、
前記末端基に結合しないブロック中の前記式(X)で表される構成単位の合計個数及び前記式(Z’)で表される構成単位の合計個数をそれぞれXXI及びZXIとし、前記末端基に結合するブロック中の前記式(X)で表される構成単位の合計個数及び前記式(Z’)で表される構成単位の合計個数をそれぞれXXII及びZXIIとするとき、下記式(vii)~(ix)の少なくとも1つを満たす、ブロック共重合体。
XI>XXII (vii)
XI>ZXII (viii)
XI+ZXI>XXII+ZXII (ix)
Figure 0007215958000015

[式中、
X1及びaX2は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表す。
ArX1及びArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。ArX4が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
X1、RX2及びRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX2が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。RX3が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。]
Figure 0007215958000016

[式中、ArZ’は、環構成原子として二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の前記2価の含窒素複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[15] 前記末端基と、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基に結合しないブロックと、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基と、をこの順に含む、[14]に記載のブロック共重合体。
[16] [1]~[8]、[14]及び[15]のいずれかに記載のブロック共重合体、又は、[10]~[13]のいずれかに記載の組成物を含有する発光素子。
本発明によれば、輝度寿命が優れる発光素子の製造に有用なブロック共重合体又は組成物を提供することができる。また、本発明によれば、このブロック共重合体又は組成物を含有する発光素子を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
本明細書において共通して用いられる用語について、必要に応じて具体例を挙げて説明すると、特記しない限り以下のとおりである。
「Me」はメチル基、「Et」はエチル基、「i-Pr」はイソプロピル基、「t-Bu」はtert-ブチル基を表す。
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
金属錯体及び燐光発光性化合物を表す式中、金属との結合を表す実線は、共有結合又は配位結合を意味する。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×10以上1×10以下である重合体を意味する。
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×10以下である化合物を意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物の分子鎖に1個以上存在する単位を意味する。なお、高分子化合物の分子鎖に2個以上存在する構成単位を、特に「繰り返し単位」と言う。
「ブロック」とは、ブロック共重合体である高分子化合物の分子鎖を構成するブロックを指しており、1種又は2種以上の構成単位から構成される分子鎖部分(ブロック)である。
「ブロック共重合体」とは、2種以上のブロックを含む高分子化合物を意味する。ブロック共重合体において、互いに隣接するブロックは構成が異なっていることが好ましい。
「互いに隣接するブロックは構成が異なっている」とは、例えば、互いに隣接するブロックに含まれる構成単位は同一であるが、その組成及び/又は連鎖分布が異なること、並びに、互いに隣接するブロックのうち、一方に含まれる少なくとも1種の構成単位と、他方に含まれる少なくとも1種の構成単位とが異なることが挙げられる。互いに隣接するブロックは、例えば、一方のブロック(以下、「1つ目のブロック」ともいう。)を重合により形成した後、1つ目のブロック存在下、他方のブロックを重合により形成するとともに1つ目のブロックに結合させる方法、及び、互いに隣接するブロックをそれぞれ独立に形成した後、これらのブロックを結合させる方法により、製造することができる。
「架橋性基」とは、加熱、紫外線照射、近紫外線照射、可視光照射、赤外線照射、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基である。架橋性基は、高分子化合物の架橋性が優れるので、好ましくは、炭素-炭素二重結合、炭素-炭素三重結合、オキシラン、オキセタン、アジリジン、アゼチジン、アジド、ベンゾシクロブテン及びナフトシクロブテンからなる群より選ばれる少なくとも1種の構造を架橋性部位として含む。
上記構造を含む架橋性基としては、下記のA群、すなわち、式(XL-1)~式(XL-19)で表される架橋性基が挙げられる。
(A群)
Figure 0007215958000017

[式中、
XLは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
XLは、0以上5以下の整数を表す。複数存在するnXLは、同一であってもよく異なっていてもよい。
波線は、該波線を有する基が、複数存在する幾何異性体のいずれか1種であるか、又は複数の幾何異性体を含むことを表す。
*1は、結合位置を表す。
A群中の架橋性基は置換基を有していてもよく、該置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
「アルキル基」は、直鎖状及び分岐状のいずれでもよい。直鎖状アルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1以上50以下であり、好ましくは1以上20以下である。分岐状アルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3以上50以下であり、好ましくは3以上20以下である。アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-プロピルヘプチル基、デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-ヘキシルデシル基、ドデシル基、及び、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基(例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-ヘキシルフェニル)プロピル基、6-エチルオキシヘキシル基)が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3以上50以下であり、好ましくは4以上20以下である。シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6以上60以下であり、好ましくは6以上20以下であり、より好ましくは6以上10以下である。アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-フェニルフェニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖状及び分岐状のいずれでもよい。直鎖状アルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1以上40以下であり、好ましくは1以上10以下である。分岐状アルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3以上40以下であり、好ましくは3以上10以下である。アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3以上40以下であり、好ましくは4以上10以下である。シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6以上60以下であり、好ましくは6以上20以下である。アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」としては、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、及び、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物が挙げられる。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2以上60以下であり、好ましくは4以上20以下である。1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が好ましい。置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基が挙げられる。置換アミノ基としては、より具体的には、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖状及び分岐状のいずれでもよい。直鎖状アルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2以上30以下であり、好ましくは3以上20以下である。分岐状アルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3以上30以下であり、好ましくは4以上20以下である。
「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3以上30以下であり、好ましくは4以上20以下である。
アルケニル基及びシクロアルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、7-オクテニル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アルキニル基」は、直鎖状及び分岐状のいずれでもよい。直鎖状アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2以上20以下であり、好ましくは3以上20以下である。分岐状アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4以上30以下であり、好ましくは4以上20以下である。
「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4以上30以下であり、好ましくは4以上20以下である。
アルキニル基及びシクロアルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、5-ヘキシニル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6以上60以下であり、好ましくは6以上30以下であり、より好ましくは6以上18以下である。アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、ジベンゾシクロへプタンジイル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、下記の式(A-1)~式(A-23)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基であってもよい。
Figure 0007215958000018
Figure 0007215958000019
Figure 0007215958000020
Figure 0007215958000021
Figure 0007215958000022

[式中、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数存在するR及びRはそれぞれ、同一であってもよく異なっていてもよく、R同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよい。]
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2以上60以下であり、好ましくは3以上20以下であり、より好ましくは4以上15以下である。2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、下記の式(AA-1)~式(AA-34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基であってもよい。
Figure 0007215958000023
Figure 0007215958000024
Figure 0007215958000025
Figure 0007215958000026
Figure 0007215958000027
Figure 0007215958000028
Figure 0007215958000029

[式中、R及びRは、前記と同じ意味を表す。]
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基又はシクロアルキニル基を表す。置換基は架橋性基であってもよい。
<式(X)で表される構成単位>
式(X)で表される構成単位は、発光素子の輝度寿命向上及び電荷輸送性向上(とりわけ正孔輸送性向上)に有利な構成単位である。
上記式(X)におけるaX1は、本発明に係るブロック共重合体(以下、単に「ブロック共重合体」ともいう。)又は本発明に係る組成物を含有する発光素子(以下、単に「発光素子」ともいう。)の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0以上5以下の整数であり、より好ましくは0以上2以下の整数であり、さらに好ましくは0又は1であり、特に好ましくは1である。
X2は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0以上5以下の整数であり、より好ましくは0以上2以下の整数であり、さらに好ましくは0である。
X1、RX2及びRX3は、好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
X1、RX2及びRX3におけるアリール基は、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ナフタセン環、フルオレン環、ピレン環、ペリレン環又はクリセン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、より好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環又はフルオレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、さらに好ましくは、フェニル基又はフルオレニル基であり、特に好ましくはフェニル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
X1、RX2及びRX3における1価の複素環基は、好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環又はジヒドロアクリジン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、より好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1、ArX2、ArX3及びArX4におけるアリーレン基は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ピレンジイル基、フルオレンジイル基又はジベンゾシクロへプタンジイル基であり、より好ましくは、フェニレン基、ナフタレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基又はフルオレンジイル基であり、さらに好ましくは、フェニレン基又はフルオレンジイル基であり、とりわけ好ましくは、フェニレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1、ArX2、ArX3及びArX4における2価の複素環基は、好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環又はジヒドロアクリジン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、より好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3におけるアリーレン基は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、式(A-1)~式(A-9)又は式(A-19)~式(A-21)で表される基であり、より好ましくは、式(A-1)~式(A-3)、式(A-8)又は式(A-9)で表される基であり、さらに好ましくは式(A-1)~式(A-3)で表される基であり、特に好ましくは式(A-1)で表される基である。
ArX1及びArX3における2価の複素環基は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、式(AA-1)~式(AA-15)又は式(AA-18)~式(AA-22)で表される基であり、より好ましくは、式(AA-1)~式(AA-6)又は式(AA-10)~式(AA-15)で表される基で表される基である。
ArX1及びArX3は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX2及びArX4におけるアリーレン基は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、式(A-1)~式(A-14)又は式(A-19)~式(A-23)で表される基であり、より好ましくは、式(A-1)~式(A-10)又は式(A-19)~式(A-21)で表される基であり、さらに好ましくは、式(A-1)~式(A-3)、式(A-6)~式(A-9)又は式(A-19)~式(A-21)で表される基であり、特に好ましくは、式(A-1)~式(A-3)、式(A-8)又は式(A-9)で表される基であり、とりわけ好ましくは、式(A-1)で表される基である。
ArX2及びArX4における2価の複素環基の好ましい例及びその理由は、ArX1及びArX3における2価の複素環基の好ましい例及びその理由と同様である。
ArX2及びArX4において、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基及び2価の複素環基の好ましい例は、それぞれ、ArX2及びArX4におけるアリーレン基及び2価の複素環基についての好ましい例と同様である。
ArX2及びArX4における少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
Figure 0007215958000030

[式中、RXXは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
XXは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基は、好ましくは、フッ素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、さらに好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、特に好ましくはアルキル基であり、これらの基はさらに置換基を有していてもよい。
ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例は、それぞれ、RX1、RX2及びRX3におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例と同様である。
ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基における置換アミノ基において、アミノ基が有する置換基としては、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、アリール基がより好ましく、これらの基はさらに置換基を有していてもよい。アミノ基が有する置換基におけるアリール基の例及び好ましい例は、RX1、RX2及びRX3におけるアリール基の例及び好ましい例と同様である。アミノ基が有する置換基における1価の複素環基の例及び好ましい例は、RX1、RX2及びRX3における1価の複素環基の例及び好ましい例と同様である。
ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基は、好ましくは、フッ素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、さらに好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基はさらに置換基を有していてもよいが、更に置換基を有さないことが好ましい。
ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例は、それぞれ、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例と同様である。
式(X)で表される構成単位は、好ましくは、下記の式(X-1)~(X-7)で表される構成単位であり、より好ましくは、式(X-1)~(X-6)で表される構成単位である。
Figure 0007215958000031
Figure 0007215958000032
Figure 0007215958000033
Figure 0007215958000034

[式中、Rx4及びRx5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基、シアノ基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRx4は、同一であってもよく異なっていてもよい。複数存在するRx5は、同一であってもよく異なっていてもよく、Rx5同士(好ましくは隣接するRx5同士)は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
x4及びRx5は、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、さらに好ましくは水素原子又はアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
x4及びRx5におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例は、それぞれ、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例と同様である。
x4及びRx5で表される基が有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
式(X)で表される構成単位としては、例えば、下記の式(X1-1)~(X1-19)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0007215958000035
Figure 0007215958000036
Figure 0007215958000037
Figure 0007215958000038
Figure 0007215958000039
Figure 0007215958000040
Figure 0007215958000041
Figure 0007215958000042
<式(Z)で表される構成単位>
Arにおける2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2以上60以下であり、好ましくは2以上30以下であり、より好ましくは3以上15以下である。
Arにおける2価の複素環基のヘテロ原子の数は、置換基のヘテロ原子数を含めないで、通常1以上30以下であり、好ましくは1以上10以下であり、より好ましくは1以上5以下であり、さらに好ましくは1以上3以下である。
Arにおける2価の複素環基は、環構成原子として、ホウ素原子、窒素原子、酸素原子、ケイ素原子、リン原子、硫黄原子及びセレン原子からなる群より選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を含む複素環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であることが好ましく、環構成原子として、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群より選ばれる少なくとも1種のヘテロ原子を含む複素環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であることがより好ましく、環構成原子として、窒素原子を含む複素環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基(以下、「2価の含窒素複素環基」ともいう。)であることがさらに好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
Arにおける2価の複素環基に関して、2価の含窒素複素環基以外の2価の複素環基としては、例えば、ボロール環、フラン環、シロール環、ホスホール環、チオフェン環、セレノフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾボロール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾシロール環、ジベンゾホスホール環、ジベンゾチオフェン環又はジベンゾセレノフェン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基が挙げられ、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、より好ましくは、式(AA-12)~式(AA-15)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Arにおける2価の複素環基に関して、2価の含窒素複素環基は、発光素子の輝度寿命向上及び電荷輸送性向上(とりわけ正孔輸送性向上)に有利であることから、環構成原子として二重結合を有さない窒素原子を含み、且つ、環構成原子として二重結合を有する窒素原子を含まない、2価の含窒素複素環基(以下、「二重結合を有さない窒素原子を含む2価の含窒素複素環基」ともいう。)であることが好ましく、この基は置換基を有していてもよい。また、Arにおける2価の複素環基に関して、2価の含窒素複素環基は、発光素子の輝度寿命向上及び電荷輸送性向上(とりわけ電子輸送性向上)に有利であることから、環構成原子として二重結合を有する窒素原子を含む、2価の含窒素複素環基(以下、「二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基」ともいう。)であることが好ましく、この基は置換基を有していてもよい。
「二重結合を有さない窒素原子」とは、窒素原子と、その窒素原子と結合するすべての原子との間に単結合のみを有する窒素原子を意味する。
「環構成原子として二重結合を有さない窒素原子を含む」とは、-N(-R)-〔式中、Rは水素原子又は置換基を表す。〕又は下記式で表される基を環内に含むことを意味する。
Figure 0007215958000043
二重結合を有さない窒素原子を含む2価の含窒素複素環基としては、例えば、ピロール環、インドール環、イソインドール環、カルバゾール環、ジヒドロアクリジン環、5,10-ジヒドロフェナジン環、アクリドン環、キナクリドン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、インドロカルバゾール環又はインデノカルバゾール環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基が挙げられ、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、カルバゾール環、ジヒドロアクリジン環、5,10-ジヒドロフェナジン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、インドロカルバゾール環又はインデノカルバゾール環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、より好ましくは、カルバゾール環、ジヒドロアクリジン環、5,10-ジヒドロフェナジン環、フェノキサジン環又はフェノチアジン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、さらに好ましくは、カルバゾール環、フェノキサジン環又はフェノチアジン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、特に好ましくはフェノキサジン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
二重結合を有さない窒素原子を含む2価の含窒素複素環基は、発光素子の輝度寿命向上及び電荷輸送性向上(とりわけ正孔輸送性向上)に有利であることから、好ましくは、式(AA-10)、式(AA-11)、式(AA-18)~式(AA-22)、式(AA-33)又は式(AA-34)で表される基であり、より好ましくは、式(AA-10)、式(AA-11)、式(AA-18)~式(AA-21)で表される基であり、さらに好ましくは、式(AA-18)又は式(AA-19)で表される基である。
「二重結合を有する窒素原子」とは、窒素原子と、その窒素原子と結合する原子との間に二重結合を有する窒素原子を意味する。
「環構成原子として二重結合を有する窒素原子を含む」とは、-N=で表される基を環内に含むことを意味する。
二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基としては、ジアゾール環、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、ベンゾジアゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、トリアザアントラセン環、アザフェナントレン環、ジアザフェナントレン環又はトリアザフェナントレン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子2個を除いた基が挙げられ、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、アザフェナントレン環又はジアザフェナントレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、より好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環又はジアザナフタレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、さらに好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環又はトリアジン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、特に好ましくは、トリアジン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基は、発光素子の輝度寿命向上及び電荷輸送性向上(とりわけ電子輸送性向上)に有利であることから、好ましくは、式(AA-1)~式(AA-9)で表される基であり、より好ましくは、式(AA-1)~式(AA-4)で表される基であり、さらに好ましくは、式(AA-4)で表される基である。
Arにおいて、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基の例及び好ましい例は、ArX1及びArX3で表されるアリーレン基の例及び好ましい例と同様である。
Arにおいて、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、2価の複素環基の例及び好ましい例は、Arで表される2価の複素環基の例及び好ましい例と同様である。
Arにおける少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の例としては、例えば、ArX2及びArX4における少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の例が挙げられる。
Arで表される基が有していてもよい置換基は、好ましくは、フッ素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、さらに好ましくは、アルキル基又はアリール基であり、これらの基はさらに置換基を有していてもよい。
Arで表される基が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例は、それぞれ、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例と同様である。
Arで表される基が有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
式(Z)で表される構成単位は、発光素子の輝度寿命向上及び電荷輸送性向上(とりわけ電子輸送性向上)に有利であることから、好ましくは、下記の式(Z-1)~式(Z-4)で表される構成単位であり、より好ましくは、下記の式(Z-1)又は式(Z-3)で表される構成単位であり、さらに好ましくは、下記の式(Z-1)で表される構成単位である。また、式(Z)で表される構成単位は、発光素子の輝度寿命向上及び電荷輸送性向上(とりわけ正孔輸送性向上)に有利であることから、好ましくは、下記の式(Z-5)~式(Z-7)で表される構成単位であり、より好ましくは、下記の式(Z-5)で表される構成単位である。
Figure 0007215958000044
Figure 0007215958000045

[式中、RY1及びRY3は、それぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一であってもよく異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y1は、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、さらに好ましくは、水素原子又はアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y3は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、さらに好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1及びRY3で表される基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例は、それぞれ、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例と同様である。
Y1及びRY3が有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
式(Z-1)で表される構成単位は、下記の式(Z-1’)で表される構成単位であることが好ましい。また、式(Z-3)で表される構成単位は、下記の式(Z-3’)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0007215958000046

[式中、RY1及びRY3は前記と同じ意味を表す。]
Figure 0007215958000047

[式中、RY1は前記を同じ意味を表す。RY4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y4は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、さらに好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y4で表される基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例は、それぞれ、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例と同様である。
Y4が有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
式(Z)で表される構成単位としては、例えば、下記の式(Z-201)~式(Z-215)で表される2価の複素環基からなる構成単位、下記の式(Z-301)~式(Z-310)で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基からなる構成単位が挙げられる。
Figure 0007215958000048
Figure 0007215958000049
Figure 0007215958000050
Figure 0007215958000051
Figure 0007215958000052
Figure 0007215958000053

[式中、
は、-O-で表される基又は-S-で表される基を表す。Zが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
は、-CH=で表される基又は-N=で表される基を表す。Zが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。]
は、好ましくは-O-で表される基である。Zは、好ましくは-N=で表される基である。
<式(Z’)で表される構成単位>
式(Z)で表される構成単位は、発光素子の輝度寿命向上及び電荷輸送性向上(とりわけ電子輸送性向上)に有利であることから、上記式(Z’)で表される構成単位であることが好ましい。
ArZ’で表される、二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基の例及び好ましい例は、Arで表される、二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基の例及び好ましい例と同様である。
ArZ’で表される、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の、二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基の例及び好ましい例は、Arで表される、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基の例及び好ましい例と同様である。
ArZ’で表される、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の、二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基とが直接結合した2価の基における、二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基の例及び好ましい例は、ArZ’で表される、二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基の例及び好ましい例と同様である。
ArZ’で表される、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の、二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基とが直接結合した2価の基の例としては、例えば、ArX2及びArX4で表される、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の例のうち、2価の複素環基が二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基である例が挙げられる。
ArZ’で表される基が有してもよい置換基は、さらに置換基を有していてもよい。ArZ’で表される基が有してもよい置換基の例及び好ましい例は、Arで表される基が有してもよい置換基の例及び好ましい範囲と同様であり、ArZ’で表される基が有してもよい置換基がさらに有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、Arで表される基が有してもよい置換基がさらに有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
式(Z’)で表される構成単位は、発光素子の輝度寿命向上及び電荷輸送性向上(とりわけ電子輸送性向上)に有利であることから、好ましくは、式(Z-1)~式(Z-4)で表される構成単位であり、より好ましくは、式(Z-1)又は式(Z-3)で表される構成単位であり、さらに好ましくは、下記の式(Z-1)で表される構成単位である。
式(Z’)で表される構成単位としては、例えば、式(Z-211)~式(Z-214)で表される二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基からなる構成単位、及び、式(Z-301)~式(Z-309)で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基とが直接結合した2価の基からなる構成単位が挙げられる。
<燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基>
本発明に係るブロック共重合体に含まれる燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基は、通常、燐光発光性化合物から1個以上10個以下の水素原子を取り除いた基であり、本発明に係るブロック共重合体の製造容易性の観点から、好ましくは、燐光発光性化合物から1個以上5個以下の水素原子を取り除いた基であり、より好ましくは、1個以上3個以下の水素原子を取り除いた基である。
〔燐光発光性化合物〕
燐光発光性化合物は、通常、室温(25℃)で燐光発光性を示す化合物を意味するが、好ましくは、室温で三重項励起状態からの発光を示す金属錯体である。この三重項励起状態からの発光を示す金属錯体は、中心金属原子及び配位子を有する。
中心金属原子としては、例えば、原子番号40以上の原子で、錯体にスピン-軌道相互作用があり、一重項状態と三重項状態との間の項間交差を起こし得る金属原子が挙げられる。金属原子としては、例えば、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子及び白金原子が挙げられ、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくはイリジウム原子又は白金原子である。
配位子としては、例えば、中心金属原子との間に、配位結合及び共有結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を形成する、中性若しくはアニオン性の単座配位子、又は、中性若しくはアニオン性の多座配位子が挙げられる。中心金属原子と配位子との間の結合としては、例えば、金属-窒素結合、金属-炭素結合、金属-酸素結合、金属-リン結合、金属-硫黄結合及び金属-ハロゲン結合が挙げられる。多座配位子とは、通常、2座以上6座以下の配位子を意味する。
〔式(1)で表される燐光発光性化合物〕
燐光発光性化合物は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、上記式(1)で表される燐光発光性化合物であることが好ましい。
Mは、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、イリジウム原子又は白金原子であることが好ましく、イリジウム原子であることがより好ましい。
Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、nは2又は3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、nは2であることが好ましい。
(環L及び環L
環Lに含まれるE及び環Lに含まれるEは、炭素原子であることが好ましい。
環Lで表される芳香族複素環の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2以上60以下であり、好ましくは3以上30以下であり、より好ましくは4以上15以下である。環Lは、5員の芳香族複素環又は6員の芳香族複素環であることが好ましく、2つ以上4つ以下の窒素原子を構成原子として有する5員の芳香族複素環又は1つ以上4つ以下の窒素原子を構成原子として有する6員の芳香族複素環であることがより好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。但し、環Lが6員の芳香族複素環である場合、Eは炭素原子であることが好ましい。
環Lとしては、例えば、ジアゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環及びジアザナフタレン環が挙げられ、好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアゾール環又はジアゾール環であり、より好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、アザナフタレン環又はジアザナフタレン環であり、さらに好ましくは、ピリジン環、キノリン環又はイソキノリン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
環Lで表される芳香族炭化水素環の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6~60であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
環Lで表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、フルオレン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環及びこれらの環が2個以上5個以下縮合した環が挙げられ、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環又はジヒドロフェナントレン環であり、より好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環又はジヒドロフェナントレン環であり、さらに好ましくはベンゼン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
環Lで表される芳香族複素環の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2~60であり、好ましくは3~30であり、より好ましくは4~15である。
環Lで表される芳香族複素環としては、ピロール環、ジアゾール環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環及びこれらの環に芳香環が1個以上5個以下縮合した環が挙げられ、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、カルバゾール環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環であり、より好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環であり、さらに好ましくは、ピリジン環又はジアザベンゼン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。環Lが6員の芳香族複素環である場合、Eは炭素原子であることが好ましい。
環Lは、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環、ジヒドロフェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環であり、より好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環又はジアザベンゼン環であり、さらに好ましくはベンゼン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
環L及び環Lが有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、さらに好ましくは、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、特に好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、これらの基はさらに置換基を有していてもよい。
発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、式(1)で表される燐光発光性化合物において、環L及び環Lのうち、少なくとも1つは置換基を有することが好ましい。
環L及び環Lが有していてもよい置換基におけるアリール基としては、好ましくは、フェニル基、ナフチル基、フェントレニル基、ジヒドロフェントレニル基又はフルオレニル基であり、より好ましくは、フェニル基又はフルオレニル基であり、さらに好ましくはフェニル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
環L及び環Lが有していてもよい置換基における1価の複素環基としては、好ましくは、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、フェノキサジニル基又はフェノチアジニル基であり、より好ましくは、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基又はカルバゾリル基であり、さらに好ましくは、ピリジル基、ピリミジニル基又はトリアジニル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
環L及び環Lが有していてもよい置換基における置換アミノ基において、アミノ基が有する置換基としては、好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基はさらに置換基を有していてもよい。アミノ基が有する置換基におけるアリール基の例及び好ましい例は、環L及び環Lが有していてもよい置換基におけるアリール基の例及び好ましい例と同様である。アミノ基が有する置換基における1価の複素環基の例及び好ましい例は、環L及び環Lが有していてもよい置換基における1価の複素環基の例及び好ましい例と同様である。
環L及び環Lが有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基はさらに置換基を有していてもよい。
環L及び環Lが有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例は、それぞれ、環L及び環Lが有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例と同様である。
環L及び環Lが有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、式(D-A)、式(D-B)又は式(D-C)で表される基であり、より好ましくは式(D-A)又は式(D-B)で表される基であり、さらに好ましくは式(D-A)で表される基である。
Figure 0007215958000054

[式中、
DA1、mDA2及びmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2及びArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2及びArDA3が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
DAは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するTDAは、同一であってもよく異なっていてもよい。]
Figure 0007215958000055

[式中、
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6及びmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するGDAは、同一であってもよく異なっていてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6及びArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6及びArDA7が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
DAは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するTDAは、同一であってもよく異なっていてもよい。]
Figure 0007215958000056

[式中、
DA1は、0以上の整数を表す。
ArDA1は、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
DAは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6及びmDA7は、通常10以下の整数であり、好ましくは5以下の整数であり、より好ましくは2以下の整数であり、さらに好ましくは0又は1である。mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6及びmDA7は、同一の整数であることが好ましく、mDA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6及びmDA7は、同一の整数であることがより好ましい。
DAは、好ましくは芳香族炭化水素基又は複素環基であり、より好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環又はカルバゾール環から環を構成する炭素原子又は窒素原子に直接結合する水素原子3個を除いてなる基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
DAが有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基であり、さらに好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基であり、特に好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
DAが有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例は、それぞれ、環L及び環Lが有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例と同様である。
DAが有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基はさらに置換基を有していてもよいが、更に置換基を有さないことが好ましい。
DAが有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例は、それぞれ、環L及び環Lが有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例と同様である。
DAは、好ましくは、下記の式(GDA-11)~式(GDA-15)で表される基であり、より好ましくは、下記の式(GDA-11)~式(GDA-14)で表される基であり、さらに好ましくは、下記の式(GDA-11)又は式(GDA-14)で表される基である。
Figure 0007215958000057

[式中、
*は、式(D-A)におけるArDA1、式(D-B)におけるArDA1、式(D-B)におけるArDA2、又は、式(D-B)におけるArDA3との結合を表す。
**は、式(D-A)におけるArDA2、式(D-B)におけるArDA2、式(D-B)におけるArDA4、又は、式(D-B)におけるArDA6との結合を表す。
***は、式(D-A)におけるArDA3、式(D-B)におけるArDA3、式(D-B)におけるArDA5、又は、式(D-B)におけるArDA7との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基はさらに置換基を有していてもよい。RDAが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。]
DAは、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
DAにおけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例は、それぞれ、環L及び環Lが有していてもよい置換基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例と同様である。
DAが有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、GDAが有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6及びArDA7は、好ましくは、フェニレン基、フルオレンジイル基又はカルバゾールジイル基であり、より好ましくは、下記の式(ArDA-1)~式(ArDA-5)で表される基であり、さらに好ましくは、下記の式(ArDA-1)~式(ArDA-3)で表される基であり、特に好ましくは下記の式(ArDA-2)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0007215958000058

[式中、
DAは、前記と同じ意味を表す。
DBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RDBが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。]
DBは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、さらに好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
DBにおけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例は、それぞれ、環L及び環Lが有していてもよい置換基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例と同様である。
DBが有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、GDAが有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6及びArDA7が有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、GDAが有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
DAにおけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例は、それぞれ、環L及び環Lが有していてもよい置換基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例と同様である。
DAが有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、GDAが有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
DAは、好ましくは、下記の式(TDA-1)~式(TDA-3)で表される基であり、より好ましくは下記の式(TDA-1)で表される基である。
Figure 0007215958000059

[式中、RDA及びRDBは、前記と同じ意味を表す。]
式(D-A)で表される基は、好ましくは、下記の式(D-A1)~式(D-A5)で表される基であり、より好ましくは、下記の式(D-A1)又は式(D-A3)~式(D-A5)で表される基であり、さらに好ましくは、下記の式(D-A1)、式(D-A3)又は式(D-A5)で表される基である。
Figure 0007215958000060

[式中、
p1、Rp2、Rp3及びRp4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Rp1、Rp2及びRp4が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
np1は、0以上5以下の整数を表し、np2は0以上3以下の整数を表し、np3は0又は1を表し、np4は0以上4以下の整数を表す。複数存在するnp1は、同一であってもよく異なっていてもよい。]
式(D-B)で表される基は、好ましくは、下記の式(D-B1)~式(D-B3)で表される基であり、より好ましくは、下記の式(D-B1)で表される基である。
Figure 0007215958000061

[式中、
p1、Rp2及びRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Rp1及びRp2が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
np1は0以上5以下の整数を表し、np2は0以上3以下の整数を表し、np3は0又は1を表す。np1及びnp2が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
式(D-C)で表される基は、好ましくは、下記の式(D-C1)~式(D-C4)で表される基であり、より好ましくは、下記の式(D-C1)~式(D-C3)で表される基であり、さらに好ましくは、下記の式(D-C1)又は式(D-C2)で表される基であり、特に好ましくは式(D-C1)で表される基である。
Figure 0007215958000062

[式中、
p4、Rp5及びRp6は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Rp4、Rp5及びRp6が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
np4は0以上4以下の整数を表し、np5は0以上5以下の整数を表し、np6は0以上5以下の整数を表す。]
np1は、好ましくは0以上2以下の整数であり、より好ましくは1である。np2は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。np3は好ましくは0である。np4は、好ましくは0以上2以下の整数であり、より好ましくは0である。np5は、好ましくは0以上3以下の整数であり、より好ましくは0又は1である。np6は、好ましくは0以上2以下の整数であり、より好ましくは0又は1である。
p1、Rp2、Rp3、Rp4、Rp5及びRp6におけるアルキル基又はシクロアルキル基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシル基又はtert-オクチル基である。
p1、Rp2、Rp3、Rp4、Rp5及びRp6におけるアルコキシ基又はシクロアルコキシ基としては、好ましくは、メトキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基又はシクロへキシルオキシ基である。
p1、Rp2、Rp3、Rp4、Rp5及びRp6は、好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいシクロアルキル基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基であり、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基又はtert-オクチル基である。
環Lが有していてもよい置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していないことが好ましい。環Lが有していてもよい置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していないことが好ましい。環Lが有していてもよい置換基と、環Lが有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していないことが好ましい。
(アニオン性の2座配位子)
式(1)におけるA-G-Aで表されるアニオン性の2座配位子としては、例えば、下記式で表される配位子が挙げられる。但し、A-G-Aで表されるアニオン性の2座配位子は、添え字nでその数を定義されている配位子とは異なる。
Figure 0007215958000063

[式中、*は、Mと結合する部位を表す。]
〔式(1-A)で表される燐光発光性化合物〕
式(1)で表される燐光発光性化合物は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、上記式(1-A)で表される燐光発光性化合物であることが好ましい。
環L1Aは、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、アザナフタレン環又はジアザナフタレン環であり、より好ましくは、ピリジン環、キノリン環又はイソキノリン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
環L1Aが有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、環L及び環Lが有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
環L1Aが有していてもよい置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していないことが好ましい。
環L2Aがピリジン環である場合、E21Aが窒素原子であるピリジン環、E22Aが窒素原子であるピリジン環、又は、E23Aが窒素原子であるピリジン環が好ましく、E22Aが窒素原子であるピリジン環がより好ましい。
環L2Aがジアザベンゼン環である場合、E21A及びE23Aが窒素原子であるピリミジン環、又は、E22A及びE24Aが窒素原子であるピリミジン環が好ましく、E22A及びE24Aが窒素原子であるピリミジン環がより好ましい。
環L2Aは、ベンゼン環であることが好ましい。
21A、E22A、E23A及びE24Aは、炭素原子であることが好ましい。
21A、R22A、R23A及びR24Aは、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、水素原子、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、さらに好ましくは、水素原子又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
21A、R23A及びR24Aは、特に好ましくは、水素原子である。
式(1-A)で表される燐光発光性化合物において、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、環L1Aの少なくとも1つが置換基を有するか、或いは、R21A、R22A、R23A及びR24Aの少なくとも1つがアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子であることが好ましい。
21A、R22A、R23A及びR24Aにおけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例は、それぞれ、環L及び環Lが有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例と同様である。
21A、R22A、R23A及びR24Aが有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、環L及び環Lが有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
21AとR22A、R22AとR23A、R23AとR24A、及び、環L1Aが有していてもよい置換基とR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していないことが好ましい。
〔式(1-A1)~式(1-A4)、式(1-B1)~式(1-B5)で表される燐光発光性化合物〕
式(1-A)で表される燐光発光性化合物は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、下記の式(1-A1)~式(1-A4)又は式(1-B1)~式(1-B5)で表される燐光発光性化合物であり、より好ましくは、下記の式(1-B1)~式(1-B5)で表される燐光発光性化合物であり、さらに好ましくは、下記の式(1-B1)~式(1-B3)で表される燐光発光性化合物である。
Figure 0007215958000064
Figure 0007215958000065

[式中、M、n、n、R21A、R22A、R23A、R24A及びA-G-Aは、前記と同じ意味を表す。
11A、R12A及びR13Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11A、R12A及びR13Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
式(1-A1)中、R11AとR21Aとは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1-A2)中、R12AとR13Aとは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1-A3)及び式(1-A4)中、R11AとR12A、R12AとR13A、及び、R11AとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
式(1-A1)及び式(1-A3)中、R11Aは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、さらに好ましくは、アリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(1-A3)中、R12Aは、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、さらに好ましくは、水素原子であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(1-A2)及び式(1-A4)中、R12Aは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、さらに好ましくは、アリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(1-A4)中、R11Aは、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、さらに好ましくは、水素原子であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(1-A1)~式(1-A4)中、R13Aは、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、さらに好ましくは、水素原子であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
11A、R12A及びR13Aにおけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例は、それぞれ、環L及び環Lが有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例と同様である。
11A、R12A及びR13Aが有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、環L及び環Lが有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
式(1-A1)~式(1-A4)中、R11AとR12A、R12AとR13A、及び、R11AとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成しないことが好ましい。
Figure 0007215958000066

[式中、
M、n、n、R21A、R22A、R23A、R24A及びA-G-Aは、前記と同じ意味を表す。
11及びn21は、それぞれ独立に、1又は2を表す。但し、Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n11+n21は3であり、Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n11+n21は2である。
11B、R12B、R13B、R14B、R15B、R16B、R17B及びR18Bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11B、R12B、R13B、R14B、R15B、R16B、R17B及びR18Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
式(1-B1)中、R11BとR12B、R12BとR13B、R13BとR14B、及び、R11BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1-B2)中、R13BとR14B、R13BとR15B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、及び、R18BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1-B3)中、R11BとR12B、R12BとR13B、R13BとR14B、R11BとR21A、R13BとR15B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、及び、R18BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1-B4)中、R11BとR18B、R14BとR15B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、及び、R11BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1-B5)中、R11BとR12B、R12BとR18B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、及び、R11BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
11B、R12B、R13B、R14B、R15B、R16B、R17B及びR18Bは、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
11B、R14B、R15B、R16B、R17B及びR18Bは、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、水素原子又はアルキル基であり、より好ましくは水素原子であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
12Bは、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、水素原子、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは水素原子であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
13Bは、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、水素原子、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、水素原子又は1価の複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
11B、R12B、R13B、R14B、R15B、R16B、R17B及びR18Bにおけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例は、それぞれ、環L及び環Lが有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例と同様である。
11B、R12B、R13B、R14B、R15B、R16B、R17B及びR18Bが有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、環L及び環Lが有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
式(1-B1)~式(1-B5)中、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、R11B、R12B、R13B、R14B、R11B、R12B、R13B、R14B、R15B、R16B、R17B、R18B、R21A、R22A、R23A及びR24Aの少なくとも1つは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子であることが好ましく、R12B、R13B、R22A及びR23Aの少なくとも1つは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子であることがより好ましく、R13B及びR22Aの少なくとも1つはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることがさらに好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(1-B1)~式(1-B5)中、R11BとR12B、R12BとR13B、R13BとR14B、R11BとR21A、R13BとR15B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、R18BとR21A、R11BとR18B、R14BとR15B、及び、R12BとR18Bは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していないことが好ましい。
〔燐光発光性化合物の具体例〕
燐光発光性化合物としては、例えば、下記式で表される燐光発光性化合物が挙げられる。
Figure 0007215958000067
Figure 0007215958000068
Figure 0007215958000069
Figure 0007215958000070
Figure 0007215958000071
燐光発光性化合物は、Aldrich、Luminescence Technology Corp.、American Dye Source等から入手可能である。
また、「Journal of the American Chemical Society,Vol.107,1431-1432(1985)」、「Journal of the American Chemical Society,Vol.106,6647-6653(1984)」、特表2004-530254号公報、特開2008-179617号公報、特開2011-105701号公報、特表2007-504272号公報、国際公開第2006/121811号、特開2013-147450号公報、特開2014-224101号公報等の文献に記載の公知の方法により製造することも可能である。
〔式(1B)で表される基・式(2B)~(4B)で表される構成単位〕
燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基が後述の末端基として、本発明に係るブロック共重合体に含まれる場合、燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、燐光発光性化合物から1個の水素原子を取り除いた基であり、より好ましくは、上記式(1B)で表される基である。
燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基が、燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基を含む構成単位(以下、「構成単位(E)」ともいう。)として、本発明に係るブロック共重合体に含まれる場合、構成単位(E)は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは上記式(2B)~(4B)で表される構成単位であり、より好ましくは、上記式(2B)で表される構成単位、又は上記式(3B)で表される構成単位であり、さらに好ましくは上記式(3B)で表される構成単位である。
c1、nd1及びne1は、好ましくは0以上5以下の整数であり、より好ましくは0以上2以下の整数であり、さらに好ましくは0又は1であり、特に好ましくは0である。
、L及びLは、-C(R-、アリーレン基又は2価の複素環基であることが好ましく、アリーレン基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
、L又はLで表されるアリーレン基の例及び好ましい例は、後述のArY1で表されるアリーレン基の例及び好ましい例と同様であるが、発光素子の輝度寿命向上に有利であり、且つ、本発明に係るブロック共重体の合成が容易になるので、好ましくは、式(A-1)又は(A-2)で表される基である。
、L又はLで表される2価の複素環基の例及び好ましい例は、Arで表される2価の複素環基の例及び好ましい例と同様である。
は、アリール基又は1価の複素環基であることが好ましく、アリール基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基がより好ましく、水素原子又はアルキル基がさらに好ましく、水素原子であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
及びRにおけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例は、それぞれ、RX1~RX3におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例と同様である。
Ar1Mは、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、カルバゾール環、フェノキサジン環又はフェノチアジン環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子3個を除いた基であることが好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環又はジヒドロフェナントレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子3個を除いた基であることがより好ましく、ベンゼン環又はフルオレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子3個を除いた基であることがさらに好ましく、ベンゼン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子3個を除いた基であることが特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
、L、L、R、R及びAr1Mが有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
1Bとしては、例えば、上記式(1)で表される燐光発光性化合物において、nでその数が表される配位子から1個の水素原子を取り除いた基、及び、nでその数が表される配位子の1つから1個の水素原子を取り除いた基(但し、この場合、nは1又は2である)が挙げられ、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、nでその数が表される配位子から1個の水素原子を取り除いた基であり、より好ましくは、環Lから1個の水素原子を取り除いた基である。
2Bとしては、例えば、上記式(1)で表される燐光発光性化合物において、nでその数が表される配位子の1つから2個の水素原子を取り除いた基、nでその数が表される配位子の1つから2個の水素原子を取り除いた基(但し、この場合、nは1又は2である)、nでその数が表される配位子の2つから、それぞれ、1個の水素原子を取り除いた基(但し、この場合、nは2又は3である)、nでその数が表される配位子の2つから、それぞれ、1個の水素原子を取り除いた基(但し、この場合、nは2である)、並びに、nでその数が表される配位子の1つ及びnでその数が表される配位子の1つから、それぞれ、1個の水素原子を取り除いた基(但し、この場合、nは1又は2である)が挙げられ、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、nでその数が表される配位子の1つから2個の水素原子を取り除いた基、又は、nでその数が表される配位子の2つから、それぞれ、1個の水素原子を取り除いた基であり、より好ましくは、nでその数が表される配位子の2つから、それぞれ、1個の水素原子を取り除いた基であり、さらに好ましくは、2つの環Lから、それぞれ、1個の水素原子を取り除いた基である。
3Bとしては、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、上記式(1)で表される燐光発光性化合物において、nでその数が表される配位子の3つから、それぞれ、1個の水素原子を取り除いた基(但し、この場合、nは3である)、nでその数が表される配位子の2つ及びnでその数が表される配位子の1つから、それぞれ、1個の水素原子を取り除いた基(但し、この場合、nは2であり、nは1である)、又は、nでその数が表される配位子の1つ及びnでその数が表される配位子の2つから、それぞれ、1個の水素原子を取り除いた基(但し、この場合、nは2である)であることが好ましく、nでその数が表される配位子の3つから、それぞれ、1個の水素原子を取り除いた基であることがより好ましく、3つの環Lから、それぞれ、1個の水素原子を取り除いた基であることがさらに好ましい。
燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基としては、例えば、下記の式(1B-1)、式(1G-1)~(1G-4)及び式(3G-3)で表される末端基、並びに、下記の式(1B-2)~(1B-11)、式(2G-1)~(2G-3)、式(3G-1)、式(3G-2)、式(3G-4)~(3G-8)及び式(4G-1)~(4G-6)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0007215958000072
Figure 0007215958000073
Figure 0007215958000074
Figure 0007215958000075
Figure 0007215958000076
Figure 0007215958000077
Figure 0007215958000078
Figure 0007215958000079

[式中、
は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Deは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
におけるアルキル基又はシクロアルキル基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、シクロヘキシル基又はtert-オクチル基である。Rにおけるアルコキシ基又はシクロアルコキシ基としては、好ましくは、メトキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基又はシクロへキシルオキシ基である。
は、好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいシクロアルキル基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基であり、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基又はtert-オクチル基である。
Deにおけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例は、それぞれ、環L及び環Lが有していてもよい置換基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例と同様である。
Deは、好ましくは、上記式(D-A1)~(D-A3)又は式(D-B1)~(D-B3)で表される基であり、より好ましくは、上記式(D-A1)~(D-A3)で表される基である。
<式(Y)で表される構成単位>
ArY1で表される基は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ピレンジイル基、フルオレンジイル基又はジベンゾシクロへプタンジイル基であり、より好ましくは、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基又はフルオレンジイル基であり、さらに好ましくは、フェニレン基、アントラセンジイル基又はフルオレンジイル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される基は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは、式(A-1)~式(A-14)又は式(A-19)~式(A-23)で表される基であり、より好ましくは、式(A-1)~式(A-9)、式(A-11)、式(A-12)又は式(A-19)~式(A-21)で表される基であり、さらに好ましくは、式(A-1)~(A-3)、式(A-8)、式(A-9)、式(A-11)又は式(A-12)で表される基であり、特に好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-9)又は式(A-11)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される基が有していてもよい置換基は、好ましくは、フッ素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、さらに好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、特に好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、とりわけ好ましくはアルキル基又はアリール基であり、これらの基はさらに置換基を有していてもよい。
ArY1で表される基が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例は、それぞれ、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例と同様である。
ArY1で表される基が有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基がさらに有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
発光素子の輝度寿命向上の観点から、式(Y)で表される構成単位は、好ましくは、下記の式(Y-1)~(Y-4)で表される構成単位であり、より好ましくは式(Y-1)、式(Y-2)又は式(Y-4)で表される構成単位であり、さらに好ましくは、式(Y-1)又は式(Y-2)で表される構成単位である。
Figure 0007215958000080

[式中、
Y1は前記と同じ意味を表す。
Y1は、-C(RY2-、-C(RY2)=C(RY2)-又は-C(RY2-C(RY2-で表される基を表す。RY2は、水素原子、フッ素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一であってもよく異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよい。]
Y2は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y2で表される基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例は、それぞれ、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例と同様である。
Y2が有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
Y1において、-C(RY2-で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは、両方がアルキル基若しくはシクロアルキル基、両方がアリール基、両方が1価の複素環基、又は、一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基若しくは1価の複素環基であり、より好ましくは両方がアルキル基若しくはシクロアルキル基、両方がアリール基、又は、一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、さらに好ましくは、一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
2個存在するRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、-C(RY2-で表される基は、好ましくは、下記の式(Y-A1)~(Y-A5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-A4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0007215958000081
Y1において、-C(RY2)=C(RY2)-で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは、両方がアルキル基若しくはシクロアルキル基、又は、一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、-C(RY2-C(RY2-で表される基中の4個のRY2は、好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいシクロアルキル基である。
複数あるRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子と共に環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、-C(RY2-C(RY2-で表される基は、好ましくは、下記の式(Y-B1)~(Y-B5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-B3)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 0007215958000082

[式中、RY2は前記と同じ意味を表す。]
Y1は、好ましくは-C(RY2-で表される基である。
式(Y-1)で表される構成単位は、好ましくは下記の式(Y-1’)で表される構成単位である。式(Y-2)で表される構成単位は、好ましくは下記の式(Y-2’)で表される構成単位である。式(Y-3)で表される構成単位は、好ましくは下記の式(Y-3’)で表される構成単位である。式(Y-4)で表される構成単位は、好ましくは下記の式(Y-4’)で表される構成単位である。
Figure 0007215958000083

[式中、
Y1及びXY1は前記と同じ意味を表す。
Y11は、フッ素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又は置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY11は、同一であってもよく異なっていてもよい。]
Y11は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、さらに好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y11で表される基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例は、それぞれ、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい例と同様である。
Y11が有していてもよい置換基の例及び好ましい例は、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有していてもよい置換基の例及び好ましい例と同様である。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、下記の式(Y-11)~(Y-49)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0007215958000084
Figure 0007215958000085
Figure 0007215958000086
Figure 0007215958000087
Figure 0007215958000088
Figure 0007215958000089
Figure 0007215958000090
Figure 0007215958000091
Figure 0007215958000092
Figure 0007215958000093
Figure 0007215958000094
<ブロック共重合体>
本発明の第1実施形態に係るブロック共重合体は、末端基と、前記末端基に結合するブロック(以下、「末端ブロック」ともいう。)と、前記末端基に結合しないブロック(以下、「非末端ブロック」ともいう。)と、を含み、前記末端基、末端ブロック及び非末端ブロックからなる群より選ばれる少なくとも1つが、燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基を含む、ブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(Pa)」ともいう。)である。すなわち、ブロック共重合体(Pa)は、末端基、末端ブロック及び非末端ブロックをこの順に含むブロック共重合体である。
ブロック共重合体(Pa)において、燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基は、ブロック共重合体(Pa)に末端基として含まれること、又は、末端ブロック及び非末端ブロックからなる群より選ばれる少なくとも1つに構成単位(E)として含まれることが好ましく、末端ブロック及び非末端ブロックからなる群より選ばれる少なくとも1つに構成単位(E)として含まれることがより好ましく、末端ブロックに構成単位(E)として含まれることがさらに好ましい。
本発明の第2実施形態に係るブロック共重合体は、末端基と、前記末端基に結合するブロック(末端ブロック)と、前記末端基に結合しないブロック(非末端ブロック)と、を含むブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(Pb)」ともいう。)である。すなわち、ブロック共重合体(Pb)は、末端基、末端ブロック及び非末端ブロックをこの順に含むブロック共重合体である。
ブロック共重合体(Pb)は、ブロック共重合体(Pa)とは異なり、末端基、末端ブロック及び非末端ブロックに、燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基を含まない。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)は、好ましくは、末端基と、末端ブロックと、非末端ブロックと、末端ブロックと、末端基と、をこの順に含む。このブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、上記2つの末端基は、同一であってもよく異なっていてもよいが、ブロック共重合体の製造容易性の観点から、同一であることが好ましい。また、このブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、上記2つの末端ブロックは、同一であってもよく異なっていてもよいが、ブロック共重合体の製造容易性の観点から、同一であることが好ましい。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)は、末端基、末端ブロック及び非末端ブロック以外の構成単位を含んでいてもよいが、ブロック共重合体の製造容易性の観点から、ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)は、末端基、末端ブロック及び非末端ブロックのみからなることが好ましい。
末端基、末端ブロック及び非末端ブロック以外の構成単位としては、例えば、接合単位及び分岐単位が挙げられる。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、例えば2×10以上5×10以下であり、好ましくは3×10以上1×10以下であり、より好ましくは4×10以上5×10以下であり、さらに好ましくは5×10以上2×10以下である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、例えば3×10以上1×10以下であり、好ましくは5×10以上5×10以下であり、より好ましくは1×10以上1×10以下であり、さらに好ましくは2×10以上5×10以下である。
〔末端基〕
「末端基」とは、ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)の末端に配置されるとともに、末端ブロックに直接結合する基である。この末端基は、好ましくは、ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)に末端基を導入する際に用いる試剤(末端封止剤)における該試剤導入後の残基としての原子団である。
発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、末端基は、好ましくは、ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)のすべての末端に配置される。末端基が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよいが、ブロック共重合体の製造容易性の観点から、同一であることが好ましい。
発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、ブロック共重合体(Pa)における末端基は、好ましくはアリール基、1価の複素環基、架橋性基又は燐光発光性化合物から1個の水素原子を取り除いた基であり、より好ましくは、アリール基、1価の複素環基又は式(1B)で表される末端基であり、さらに好ましくはアリール基である。
発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、ブロック共重合体(Pb)における末端基は、好ましくはアリール基、1価の複素環基又は架橋性基であり、より好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、さらに好ましくはアリール基である。
末端基において、アリール基及び1価の複素環基は置換基を有していてもよいが、好ましくは置換基を有しない。
末端基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例は、それぞれ、RX1~RX3におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例と同様である。
末端基におけるアリール基及び1価の複素環基が有していてもよい置換基は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は架橋性基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、さらに好ましくはアルキル基であり、これらの基はさらに置換基を有していてもよいが、さらに置換基を有さないことが特に好ましい。
末端基におけるアリール基及び1価の複素環基が有していてもよい置換基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例は、それぞれ、ArX1~ArX4及びRX1~RX3で表される基が有してもよい置換基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例と同様である。
〔非末端ブロック〕
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、非末端ブロックは、末端基に直接結合しないブロックであって、2種以上の構成単位からなるブロックである。非末端ブロックに含まれる構成単位は、通常、2種以上10種以下であり、ブロック共重合体の製造容易性の観点及び発光素子の輝度寿命向上の観点から、好ましくは2種以上8種以下であり、より好ましくは3種以上6種以下であり、更に好ましくは4種又は5種である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、非末端ブロックは1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)に含まれる非末端ブロックは、通常、1種以上10種以下であり、ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)の製造容易性の観点から、好ましくは1種以上5種以下であり、より好ましくは1種以上3種以下であり、さらに好ましくは1種又は2種であり、特に好ましくは1種である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、非末端ブロックの種類が異なる場合としては、例えば、ブロックを構成する構成単位の種類が異なる場合、並びに、各構成単位の含有率及び連鎖分布が異なる場合が挙げられる。非末端ブロックが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
非末端ブロックの少なくとも1つは、ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)の製造において、末端ブロックを形成する前に形成されるブロックであることが好ましい。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、非末端ブロックは、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも2種の構成単位を含み、好ましくは、式(X)で表される構成単位及び式(Z’)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも2種の構成単位を含む。非末端ブロックにおいて、式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位は、それぞれ、2種のみ含まれていてもよいし、3種以上含まれていてもよいし、1種以上の式(X)で表される構成単位及び1種以上の式(Z)で表される構成単位が含まれていてもよい。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、非末端ブロックは、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、式(X)で表される構成単位を少なくとも2種含むこと、式(Z)で表される構成単位を少なくとも2種含むこと、又は、式(X)で表される構成単位を少なくとも1種と式(Z)で表される構成単位を少なくとも1種とを含むことが好ましく、式(Z)で表される構成単位を少なくとも2種含むこと、又は、式(X)で表される構成単位を少なくとも1種と式(Z)で表される構成単位を少なくとも1種とを含むことがより好ましく、式(Z)で表される構成単位を少なくとも2種含むことがさらに好ましい。
すなわち、非末端ブロックは、好ましくは、少なくとも式(Z)で表される構成単位を含む。
ブロック共重合体(Pa)において、非末端ブロックは、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、式(Y)で表される構成単位及び燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基からなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに含むことが好ましく、式(Y)で表される構成単位及び構成単位(E)からなる群より選ばれる少なくとも1種をさらに含むことがより好ましく、式(Y)で表される構成単位をさらに含むことがさらに好ましく、式(Y)で表される構成単位のみをさらに含むことが特に好ましい。ブロック共重合体(Pa)における非末端ブロックにおいて、式(Y)で表される構成単位及び燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基は、それぞれ、1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
ブロック共重合体(Pb)において、非末端ブロックは、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、式(Y)で表される構成単位をさらに含むことが好ましく、式(Y)で表される構成単位のみをさらに含むことがより好ましい。ブロック共重合体(Pb)における非末端ブロックにおいて、式(Y)で表される構成単位は、1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、末端ブロックに含まれる構成単位のうちの少なくとも1種が非末端ブロックに含まれないこと、及び/又は、非末端ブロックに含まれる構成単位のうちの少なくとも1種が末端ブロックに含まれないことが好ましく、末端ブロックに含まれる構成単位のうちの少なくとも1種が非末端ブロックに含まれないこと、及び、非末端ブロックに含まれる構成単位のうちの少なくとも1種が末端ブロックに含まれないことがより好ましい。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)に含まれる非末端ブロックのポリスチレン換算の数平均分子量は、例えば1×10以上1×10以下であり、好ましくは2×10以上5×10以下であり、より好ましくは3×10以上1×10以下であり、さらに好ましくは5×10以上5×10以下である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)に含まれる非末端ブロックのポリスチレン換算の重量平均分子量は、例えば2×10以上2×10以下であり、好ましくは3×10以上1×10以下であり、より好ましくは5×10以上5×10以下であり、さらに好ましくは1×10以上2×10以下である。
〔末端ブロック〕
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、末端ブロックは、末端基に直接結合するブロックであって、1種以上の構成単位からなるブロックである。末端ブロックに含まれる構成単位は、通常、1種以上10種以下であり、ブロック共重合体の製造容易性の観点及び発光素子の輝度寿命向上の観点から、好ましくは1種以上8種以下であり、より好ましくは2種以上6種以下であり、さらに好ましくは2種以上4種以下である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、末端ブロックは1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)に含まれる末端ブロックは、通常、1種以上10種以下であり、ブロック共重合体の製造容易性の観点から、好ましくは1種以上5種以下であり、より好ましくは1種以上3種以下であり、さらに好ましくは1種である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、末端ブロックの種類が異なる場合の例としては、非末端ブロックの種類が異なる場合の例と同様である。末端ブロックが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよいが、ブロック共重合体の製造容易性の観点から、同一であることが好ましい。
末端ブロックは、ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)の製造において、末端基を形成する前(好ましくは末端封止剤と反応させる前)に形成されるブロックであることが好ましい。
ブロック共重合体(Pa)において、末端ブロックは、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、式(X)で表される構成単位、式(Y)で表される構成単位、式(Z)で表される構成単位及び燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、式(Y)で表される構成単位及び構成単位(E)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、式(Y)で表される構成単位を含むことがさらに好ましく、式(Y)で表される構成単位及び構成単位(E)を含むことが特に好ましく、式(Y)で表される構成単位及び構成単位(E)のみを含むことがとりわけ好ましい。ブロック共重合体(Pa)における末端ブロックにおいて、式(X)で表される構成単位、式(Y)で表される構成単位、式(Z)で表される構成単位及び燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基は、それぞれ、1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
ブロック共重合体(Pb)において、末端ブロックは、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、式(X)で表される構成単位、式(Y)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、式(Y)で表される構成単位を含むことがより好ましく、式(Y)で表される構成単位のみを含むことがさらに好ましい。ブロック共重合体(Pb)における末端ブロックにおいて、式(X)で表される構成単位、式(Y)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位は、それぞれ、1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、末端ブロックは、ブロック共重合体の製造容易性及び発光素子の輝度寿命向上の観点から、式(X)で表される構成単位を含まないこと又は式(Z)で表される構成単位を含まないことが好ましく、式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位を含まないことがより好ましい。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、末端ブロック及び非末端ブロックは、それぞれ独立に、単独重合体、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体及びグラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、共重合体であることが好ましい。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)は、ブロック共重合体の製造容易性の観点及び発光素子の輝度寿命向上の観点から、式(X)で表される構成単位、式(Y)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位からなる群より選ばれる2種以上15種以下の構成単位を含むブロック共重合体であることが好ましく、3種以上12種以下の構成単位を含むブロック共重合体であることがより好ましく、4種以上8種以下の構成単位を含むブロック共重合体であることがさらに好ましい。
ブロック共重合体(Pa)において、ブロック共重合体(Pa)に含まれる燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基は、通常、1種以上10種以下であり、ブロック共重合体の製造容易性の観点及び発光素子の輝度寿命向上の観点から、好ましくは1種以上5種以下であり、より好ましくは1種以上3種以下であり、さらに好ましくは1種又は2種であり、特に好ましくは1種である。
ブロック共重合体(Pa)において、ブロック共重合体(Pa)に含まれる構成単位(E)は、通常、1種以上10種以下であり、ブロック共重合体の製造容易性の観点及び発光素子の輝度寿命向上の観点から、好ましくは1種以上5種以下であり、より好ましくは1種以上3種以下であり、さらに好ましくは1種又は2種であり、特に好ましくは1種である。
ブロック共重合体(Pa)において、式(X)で表される構成単位、式(Z)で表される構成単位、式(Y)で表される構成単位、燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基及び構成単位(E)は、それぞれ、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
ブロック共重合体(Pb)において、式(X)で表される構成単位、式(Z)で表される構成単位及び式(Y)で表される構成単位は、それぞれ、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)は、発光素子の輝度寿命向上の観点から、式(Y)で表される構成単位をさらに含むことが好ましい。すなわち、ブロック共重合体(Pa)は、式(Y)で表される構成単位と、式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位からなる群より選ばれる2種以上の構成単位と、燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基とを含むブロック共重合体であることが好ましく、式(Y)で表される構成単位と、式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位からなる群より選ばれる2種以上の構成単位と、構成単位(E)とを含むブロック共重合体であることがより好ましい。また、ブロック共重合体(Pb)は、式(Y)で表される構成単位と、式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位からなる群より選ばれる2種以上の構成単位とを含むブロック共重合体であることが好ましい。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)に含まれる構成単位の種類の合計は、ブロック共重合体の製造容易性の観点及び発光素子の輝度寿命向上の観点から、好ましくは2種以上20種以下であり、より好ましくは3種以上15種以下であり、さらに好ましくは3種以上12種以下であり、特に好ましくは4種以上8種以下である。
〔構成単位の合計個数〕
本明細書において、ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)等の高分子化合物に含まれる各構成単位の合計個数は、高分子化合物の分子量1000あたりの構成単位の平均数を意味する。高分子化合物に含まれる各構成単位の合計個数は、例えば、以下の方法で求めることができる。
高分子化合物を構成する各構成単位について、末端基を除く全構成単位の総モルに対するその構成単位のモル比とその構成単位の分子量とを乗じた値の総和をDとし、各構成単位について求めたモル比の総和をEとすると、高分子化合物に含まれる各構成単位の合計個数は、(E×1000)/Dとなる。
高分子化合物を構成する各構成単位の分子量は、例えば、ChemDraw(ヒューリンクス社製)のMolecular Weightの値を用いて、算出することができる。
各構成単位の合計個数の具体的な算出方法を、実施例P5で合成したブロック共重合体P5を例に挙げて詳細に説明する。
ブロック共重合体P5は、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M3から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位と、化合物M11から誘導される構成単位とが36:15:5:7.5のモル比で含有されている非末端ブロック、及び、化合物M12から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位と、燐光発光性化合物ME-2から誘導される構成単位とが14:20.5:2のモル比で含有されている末端ブロックを含む。
化合物M9から誘導される構成単位の分子量は484.73、化合物M3から誘導される構成単位の分子量は475.68、化合物M10から誘導される構成単位の分子量は484.73、化合物M11から誘導される構成単位の分子量は578.84、化合物M12から誘導される構成単位の分子量は388.64、化合物ME-2から誘導される構成単位の分子量は1730.30である。
化合物M11から誘導される構成単位は式(X)で表される構成単位であり、化合物M3から誘導される構成単位は式(Z)で表される構成単位であり(式(Z’)で表される構成単位でもある)、化合物ME-2から誘導される構成単位は構成単位(E)であり、化合物M9、M10及びM12から誘導される構成単位は、式(Y)で表される構成単位である。
は、以下のとおり求められる。
=(0.36×484.73)+(0.15×475.68)+(0.05×484.73)+(0.075×578.84)+(0.14×388.64)+(0.205×484.73)+(0.02×1730.30)=501.890
ブロック共重合体P5において、各構成単位のEは、以下のとおり求められる。
(非末端ブロックにおける式(Y)で表される構成単位のE)=0.36+0.05=0.410
(非末端ブロックにおける式(X)で表される構成単位のE)=0.075
(非末端ブロックにおける式(Z)で表される構成単位のE)=0.150
(非末端ブロックにおける式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位のE)=0.075+0.15=0.225
(非末端ブロックにおける式(Z’)で表される構成単位のE)=0.150
(非末端ブロックにおける式(X)で表される構成単位及び式(Z’)で表される構成単位のE)=0.075+0.15=0.225
(非末端ブロックにおける構成単位(E)のE)=0
(末端ブロックにおける式(Y)で表される構成単位のE)=0.14+0.205=0.345
(末端ブロックにおける式(X)で表される構成単位のE)=0
(末端ブロックにおける式(Z)で表される構成単位のE)=0
(末端ブロックにおける式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位のE)=0
(末端ブロックにおける式(Z’)で表される構成単位のE)=0
(末端ブロックにおける式(X)で表される構成単位及び式(Z’)で表される構成単位のE)=0
(末端ブロックにおける構成単位(E)のE)=0.020
(ブロック共重合体における式(Y)で表される構成単位のE)=0.36+0.05+0.14+0.205=0.755
(ブロック共重合体における式(X)で表される構成単位のE)=0.075
(ブロック共重合体における式(Z)で表される構成単位のE)=0.150
(ブロック共重合体における式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位のE)=0.075+0.15=0.225
(ブロック共重合体における式(Z’)で表される構成単位のE)=0.150
(ブロック共重合体における式(X)で表される構成単位及び式(Z’)で表される構成単位のE)=0.075+0.15=0.225
(ブロック共重合体における構成単位(E)のE)=0.020
ブロック共重合体P5において、各構成単位の合計個数は、以下のとおり求められる。
(非末端ブロックにおける式(Y)で表される構成単位の合計個数)=(0.41×1000)/501.890=0.817
(非末端ブロックにおける式(X)で表される構成単位の合計個数)=(0.075×1000)/501.890=0.149
(非末端ブロックにおける式(Z)で表される構成単位の合計個数)=(0.15×1000)/501.890=0.299
(非末端ブロックにおける式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位の合計個数)=(0.225×1000)/501.890=0.448
(非末端ブロックにおける式(Z’)で表される構成単位の合計個数)=(0.15×1000)/501.890=0.299
(非末端ブロックにおける式(X)で表される構成単位及び式(Z’)で表される構成単位の合計個数)=(0.225×1000)/501.890=0.448
(非末端ブロックにおける構成単位(E)の合計個数)=(0×1000)/501.890=0
(末端ブロックにおける式(Y)で表される構成単位の合計個数)=(0.345×1000)/501.890=0.687
(末端ブロックにおける式(X)で表される構成単位の合計個数)=(0×1000)/501.890=0
(末端ブロックにおける式(Z)で表される構成単位の合計個数)=(0×1000)/501.890=0
(末端ブロックにおける式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位の合計個数)=(0×1000)/501.890=0
(末端ブロックにおける式(Z’)で表される構成単位の合計個数)=(0×1000)/501.890=0
(末端ブロックにおける式(X)で表される構成単位及び式(Z’)で表される構成単位の合計個数)=(0×1000)/501.890=0
(末端ブロックにおける構成単位(E)の合計個数)=(0.02×1000)/501.890=0.040
(ブロック共重合体における式(Y)で表される構成単位の合計個数)=(0.755×1000)/501.890=1.504
(ブロック共重合体における式(X)で表される構成単位の合計個数)=(0.075×1000)/501.890=0.149
(ブロック共重合体における式(Z)で表される構成単位の合計個数)=(0.15×1000)/501.890=0.299
(ブロック共重合体における式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位の合計個数)=(0.225×1000)/501.890=0.448
(ブロック共重合体における式(Z’)で表される構成単位の合計個数)=(0.15×1000)/501.890=0.299
(ブロック共重合体における式(X)で表される構成単位及び式(Z’)で表される構成単位の合計個数)=(0.225×1000)/501.890=0.448
(ブロック共重合体における構成単位(E)の合計個数)=(0.02×1000)/501.890=0.040
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、非末端ブロックに含まれる式(Y)で表される構成単位の合計個数は、通常0以上50以下である。ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、式(Y)で表される構成単位が非末端ブロックに含まれる場合、非末端ブロックに含まれる式(Y)で表される構成単位の合計個数は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.001以上20以下であり、より好ましくは0.01以上10以下であり、さらに好ましくは0.05以上5以下であり、特に好ましくは0.1以上3以下であり、とりわけ好ましくは0.2以上2以下である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、非末端ブロックに含まれる式(X)で表される構成単位の合計個数は、通常0以上50以下である。ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、式(X)で表される構成単位が非末端ブロックに含まれる場合、非末端ブロックに含まれる式(X)で表される構成単位の合計個数は、通常0.001以上50以下であり、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.005以上10以下であり、より好ましくは0.01以上5以下であり、さらに好ましくは0.02以上1以下であり、特に好ましくは0.05以上0.5以下であり、とりわけ好ましくは0.05以上0.3以下である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、非末端ブロックに含まれる式(Z)で表される構成単位の合計個数は、通常0以上50以下である。ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、式(Z)で表される構成単位が非末端ブロックに含まれる場合、非末端ブロックに含まれる式(Z)で表される構成単位の合計個数は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.001以上10以下であり、より好ましくは0.01以上5以下であり、さらに好ましくは0.02以上1以下であり、特に好ましくは0.02以上0.5以下であり、0.05以上0.5以下であってもよい。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、非末端ブロックに含まれる式(Z’)で表される構成単位の合計個数は、通常0以上50以下である。ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、式(Z’)で表される構成単位が非末端ブロックに含まれる場合、非末端ブロックに含まれる式(Z’)で表される構成単位の合計個数は、通常0.001以上50以下であり、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.005以上10以下であり、より好ましくは0.01以上5以下であり、さらに好ましくは0.05以上1以下であり、特に好ましくは0.1以上0.5以下である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、非末端ブロックに含まれる式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位の合計個数は、通常0.001以上50以下であり、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.005以上10以下であり、より好ましくは0.01以上5以下であり、さらに好ましくは0.05以上2以下であり、特に好ましくは0.1以上1以下であり、とりわけ好ましくは0.1以上0.5以下である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、式(Z’)で表される構成単位が非末端ブロックに含まれる場合、非末端ブロックに含まれる式(X)で表される構成単位及び式(Z’)で表される構成単位の合計個数は、通常0.001以上50以下であり、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.005以上10以下であり、より好ましくは0.01以上5以下であり、さらに好ましくは0.05以上2以下であり、特に好ましくは0.05以上1以下であり、とりわけ好ましくは0.05以上0.5以下であり、0.1以上1以下であってもよく、0.1以上0.5以下であってもよい。
ブロック共重合体(Pa)において、非末端ブロックに含まれる構成単位(E)の合計個数は、通常0以上20以下であり、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0以上5以下であり、より好ましくは0以上1以下であり、さらに好ましくは0以上0.5以下であり、特に好ましくは0以上0.1以下であり、とりわけ好ましくは0である。
ブロック共重合体(Pb)において、非末端ブロックに含まれる構成単位(E)の合計個数は、0である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、末端ブロックに含まれる式(Y)で表される構成単位の合計個数は、通常0以上50以下である。ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、式(Y)で表される構成単位が末端ブロックに含まれる場合、末端ブロックに含まれる式(Y)で表される構成単位の合計個数は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.001以上20以下であり、より好ましくは0.01以上10以下であり、さらに好ましくは0.05以上5以下であり、特に好ましくは0.1以上3以下であり、とりわけ好ましくは0.3以上2以下である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、末端ブロックに含まれる式(X)で表される構成単位の合計個数は、通常0以上10以下であり、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0以上5以下であり、より好ましくは0以上1以下であり、さらに好ましくは0以上0.1以下であり、特に好ましくは0以上0.05以下であり、とりわけ好ましくは0以上0.01以下であり、とりわけより好ましくは0である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、末端ブロックに含まれる式(Z)で表される構成単位の合計個数、及び、末端ブロックに含まれる式(Z’)で表される構成単位の合計個数は、それぞれ、通常0以上10以下であり、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0以上5以下であり、より好ましくは0以上1以下であり、さらに好ましくは0以上0.1以下であり、特に好ましくは0以上0.05以下であり、とりわけ好ましくは0以上0.01以下であり、とりわけより好ましくは0である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、末端ブロックに含まれる式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位の合計個数、並びに、末端ブロックに含まれる式(X)で表される構成単位及び式(Z’)で表される構成単位の合計個数は、それぞれ、通常0以上10以下であり、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0以上5以下であり、より好ましくは0以上1以下であり、さらに好ましくは0以上0.1以下であり、特に好ましくは0以上0.05以下であり、とりわけ好ましくは0以上0.01以下であり、とりわけより好ましくは0である。
ブロック共重合体(Pa)において、末端ブロックに含まれる構成単位(E)の合計個数は、通常0以上50以下である。ブロック共重合体(Pa)において、構成単位(E)が末端ブロックに含まれる場合、末端ブロックに含まれる構成単位(E)の合計個数は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.001以上10以下であり、より好ましくは0.005以上5以下であり、さらに好ましくは0.01以上1以下であり、特に好ましくは0.02以上0.5以下である。
ブロック共重合体(Pb)において、末端ブロックに含まれる構成単位(E)の合計個数は、0である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、ブロック共重合体に含まれる式(Y)で表される構成単位の合計個数は、通常0以上50以下である。ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、ブロック共重合体に式(Y)で表される構成単位が含まれる場合、ブロック共重合体に含まれる式(Y)で表される構成単位の合計個数は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.001以上20以下であり、より好ましくは0.01以上10以下であり、さらに好ましくは0.1以上10以下であり、特に好ましくは0.5以上7以下であり、とりわけ好ましくは1以上5以下である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、ブロック共重合体に含まれる式(X)で表される構成単位の合計個数は、通常0以上50以下である。ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、ブロック共重合体に式(X)で表される構成単位が含まれる場合、ブロック共重合体に含まれる式(X)で表される構成単位の合計個数は、通常0.001以上50以下であり、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.005以上10以下であり、より好ましくは0.01以上5以下であり、さらに好ましくは0.02以上1以下であり、特に好ましくは0.05以上0.5以下であり、とりわけ好ましくは0.05以上0.3以下である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、ブロック共重合体に含まれる式(Z)で表される構成単位の合計個数は、通常0以上50以下である。ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、ブロック共重合体に式(Z)で表される構成単位が含まれる場合、ブロック共重合体に含まれる式(Z)で表される構成単位の合計個数は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.001以上10以下であり、より好ましくは0.01以上5以下であり、さらに好ましくは0.02以上1以下であり、特に好ましくは0.02以上0.5以下であり、0.05以上0.5以下であってもよい。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、ブロック共重合体に含まれる式(Z’)で表される構成単位の合計個数は、通常0以上50以下である。ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、ブロック共重合体に式(Z’)で表される構成単位が含まれる場合、ブロック共重合体に含まれる式(Z’)で表される構成単位の合計個数は、通常0.001以上50以下であり、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.005以上10以下であり、より好ましくは0.01以上5以下であり、さらに好ましくは0.05以上1以下であり、特に好ましくは0.1以上0.5以下である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、ブロック共重合体に含まれる式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位の合計個数は、通常0.001以上50以下であり、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.005以上10以下であり、より好ましくは0.01以上5以下であり、さらに好ましくは0.05以上2以下であり、特に好ましくは0.1以上1以下であり、とりわけ好ましくは0.1以上0.5以下である。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)において、式(Z’)で表される構成単位がブロック共重合体に含まれる場合、ブロック共重合体に含まれる式(X)で表される構成単位及び式(Z’)で表される構成単位の合計個数は、通常0.001以上50以下であり、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.005以上10以下であり、より好ましくは0.01以上5以下であり、さらに好ましくは0.05以上2以下であり、特に好ましくは0.05以上1以下であり、とりわけ好ましくは0.05以上0.5以下であり、0.1以上1以下であってもよく、0.1以上0.5以下であってもよい。
ブロック共重合体(Pa)に構成単位(E)が含まれる場合、ブロック共重合体(Pa)に含まれる構成単位(E)の合計個数は、通常0.001以上50以下であり、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.002以上10以下であり、より好ましくは0.005以上5以下であり、さらに好ましくは0.01以上1以下であり、特に好ましくは0.02以上0.5以下である。
ブロック共重合体(Pb)において、ブロック共重合体に含まれる構成単位(E)の合計個数は、0である。
ブロック共重合体(Pa)は、式(i)~(iii)の少なくとも1つを満たすことにより、輝度寿命に優れる発光素子を得ることができる。ブロック共重合体(Pa)は、発光素子の輝度寿命向上の観点から、式(i)~(iii)の少なくとも2つを満たすことが好ましい。
また、発光素子の輝度寿命向上の観点から、ブロック共重合体(Pa)は、式(ii)又は式(iii)を満たすことが好ましく、式(ii)を満たすことがより好ましく、式(i)及び式(ii)、又は、式(ii)及び式(iii)を満たすことがさらに好ましく、式(ii)及び式(iii)を満たすことが特に好ましい。
ブロック共重合体(Pb)は、式(iv)~(vi)の少なくとも1つを満たすことにより、輝度寿命に優れる発光素子を得ることができる。ブロック共重合体(Pb)は、発光素子の輝度寿命向上の観点から、式(iv)~(vi)の少なくとも2つを満たすことが好ましい。
発光素子の輝度寿命向上の観点から、ブロック共重合体(Pb)は、式(v)又は式(vi)を満たすことが好ましく、式(v)を満たすことがより好ましく、式(iv)及び式(v)、又は、式(v)及び式(vi)を満たすことがさらに好ましく、式(v)及び式(vi)を満たすことが特に好ましい。
ブロック共重合体(Pb)は、発光素子の輝度寿命向上の観点から、好ましくは、その非末端ブロックが式(X)で表される構成単位及び式(Z’)で表される構成単位からなる群から選ばれる少なくとも2種の構成単位を含むブロック共重合体(以下、「ブロック共重合体(Pb’)」ともいう。)である。ブロック共重合体(Pb’)は、上記式(vii)~(ix)の少なくとも1つを満たすことにより、輝度寿命に優れる発光素子を得ることができる。ブロック共重合体(Pb’)は、発光素子の輝度寿命向上の観点から、式(vii)~(ix)の少なくとも2つを満たすことが好ましい。
ブロック共重合体(Pb’)は、式(viii)又は式(ix)を満たすことが好ましく、式(viii)を満たすことがより好ましく、式(vii)及び式(viii)、又は、式(viii)及び式(ix)を満たすことがさらに好ましく、式(viii)及び式(ix)を満たすことが特に好ましい。
<ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)の製造方法>
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)は、下記の工程を含む方法によって好適に製造することができる。
〔a〕非末端ブロックを形成する2種以上の化合物(モノマー)を重合させて非末端ブロックを形成する工程、
〔b〕非末端ブロックの存在下に、末端ブロックを形成する1種又は2種以上の化合物(モノマー)を重合させて、非末端ブロックに末端ブロックを結合させる工程、及び
〔c〕末端基を導入するための試剤(末端封止剤)を末端ブロックと反応させて、末端ブロックに末端基を導入する工程。
本明細書において、ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)の製造に使用される化合物を総称して、「原料モノマー」ということがある。
上記の各工程において、原料モノマー、すなわち、非末端ブロックを形成する化合物、末端ブロックを形成する化合物及び末端封止剤は、それぞれ、上記<ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)>の項の記載に照らして、各ブロックが所望の構成単位を含み、末端基が所望の基で構成されるように選択することができる。
ブロック共重合体(Pa)の製造方法の一実施形態において、
上記工程〔a〕は、下記の式(M-1)で表される化合物の1種以上と、下記の式(M-3)で表される化合物及び下記の式(M-4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも2種とを重合させて非末端ブロックを形成する工程であり、
上記工程〔b〕は、非末端ブロックの存在下に、下記の式(M-1)で表される化合物の1種以上と、下記の式(ME-2)で表される化合物、式(ME-3)で表される化合物及び式(ME-4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種とを重合させて、非末端ブロックに末端ブロックを結合させる工程であり、
上記工程〔c〕は、下記の式(M-2)で表される化合物及び式(ME-1)で表される化合物(末端封止剤)からなる群より選ばれる少なくとも1種を末端ブロックと反応させて、末端ブロックに末端基を導入する工程である。
ブロック共重合体(Pb)の製造方法の一実施形態において、
上記工程〔a〕は、下記の式(M-1)で表される化合物の1種以上と、下記の式(M-3)で表される化合物及び下記の式(M-4)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも2種とを重合させて非末端ブロックを形成する工程であり、
上記工程〔b〕は、非末端ブロックの存在下に、下記の式(M-1)で表される化合物の1種以上を重合させて、非末端ブロックに末端ブロックを結合させる工程であり、
上記工程〔c〕は、下記の式(M-2)で表される化合物で表される化合物(末端封止剤)を末端ブロックと反応させて、末端ブロックに末端基を導入する工程である。
Figure 0007215958000095
Figure 0007215958000096

[式中、
X1、aX2、nc1、nd1、ne1、Ar1M、ArX1~ArX4、ArY1、Ar、L、L、L、M1B~M3B及びRX1~RX3は、前記と同じ意味を表す。
Arは、アリール基、1価の複素環基又は架橋性基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
C1~ZC15は反応性基であり、それぞれ独立に、B群及びC群からなる群より選ばれる基を表す。]
式(M-1)で表される化合物は、式(Y)で表される構成単位を形成できる化合物である。
式(M-2)で表される化合物は、末端基を形成できる化合物である。
式(M-3)で表される化合物は、式(Z)で表される構成単位を形成できる化合物である。
式(M-4)で表される化合物は、式(X)で表される構成単位を形成できる化合物である。
式(ME-1)で表される化合物は、式(1)で表される燐光発光性化合物から1個の水素原子を取り除いた基である末端基を形成できる化合物である。
式(ME-2)~式(ME-4)で表される化合物は、構成単位(E)を形成できる化合物である。
Arは、ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)の安定性の観点から、好ましくはアリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。また、ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)の架橋性を高めることができるので、Arは、架橋性基であることが好ましい。
Arにおけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例は、末端基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい例と同様である。
B群及びC群はそれぞれ次のとおりである。
(B群)
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、-O-S(=O)C1(式中、RC1は、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。)で表される基。
(C群)
-B(ORC2(式中、RC2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC2は同一であってもよく異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合する酸素原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基;
-BFQ’(式中、Q’は、Li、Na、K、Rb又はCsを表す。)で表される基;
-MgY’(式中、Y’は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される基;
-ZnY’’(式中、Y’’は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表される基;及び、
-Sn(RC3(式中、RC3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRC3は同一であってもよく異なっていてもよく、互いに連結して、それぞれが結合するスズ原子とともに環構造を形成していてもよい。)で表される基。
-B(ORC2で表される基としては、-B(OH)のほか、下記式で表される基が例示される。
Figure 0007215958000097
各ブロックを形成するための原料モノマーは、前記式(M-1)、式(M-3)、式(M-4)及び式(ME-2)~式(ME-4)で表される化合物がそうであるように、B群又はC群から選ばれる反応性基を2個有することができる。各ブロックを形成するためのそれぞれの原料モノマーが有する2個の反応性基は、原料モノマーの製造が容易であるので、いずれもB群から選ばれるか、又はいずれもC群から選ばれることが好ましい。
例えば、B群から選ばれる基を有する化合物とC群から選ばれる基を有する化合物とは、公知のカップリング反応により、B群から選ばれる基に結合する炭素原子とC群から選ばれる基に結合する炭素原子との間に結合が生じる。そのため、B群から選ばれる基を2個有する化合物と、C群から選ばれる基を2個有する化合物とを公知のカップリング反応に供すれば、縮合重合により、これらの化合物の縮合重合体を得ることができる。
上記縮合重合によって、非末端ブロックの形成、及び非末端ブロックへの末端ブロックの結合(末端ブロックの形成)を行うことができる。
一例として上記一実施形態に係る製造方法を挙げれば、例えば、ZC4~ZC7及びZC9~ZC15がB群から選ばれる基である場合、ZC1及びZC2としてC群から選ばれる基を選択すれば、縮合重合によって非末端ブロックの形成、及び非末端ブロックへの末端ブロックの結合(末端ブロックの形成)を行うことができる。ZC4~ZC7及びZC9~ZC15がC群から選ばれる基である場合、ZC1及びZC2としてB群から選ばれる基を選択すれば、縮合重合によって非末端ブロックの形成、及び非末端ブロックへの末端ブロックの結合(末端ブロックの形成)を行うことができる。
また、上記一実施形態に係る製造方法において、式(M-1)、式(M-3)、式(M-4)又は式(ME-2)~式(ME-4)で表される化合物を2種以上用いる一実施形態について、式(M-1)で表される化合物の2種以上を用いた場合を例に説明する。式(M-1)で表される化合物の2種以上を用いて、非末端ブロック又は末端ブロックの形成を行う場合、式(M-1)で表される化合物の少なくとも2種のうち、いずれか1種以上の化合物のZC1及びZC2をC群から選択し、他のいずれか1種以上の化合物のZC1及びZC2をB群から選択すれば、縮合重合によって非末端ブロックの形成又は末端ブロックの形成を行うことができる。
末端ブロックへの末端基の導入も同様の反応を利用して行うことができる。すなわち、末端ブロックの末端がB群から選ばれる基である場合、ZC3及びZC8としてC群から選ばれる基を選択すれば、カップリング反応により末端基を導入することができる。末端ブロックの末端がC群から選ばれる基である場合、ZC3及びZC8としてB群から選ばれる基を選択すれば、カップリング反応により末端基を導入することができる。
B群から選ばれる基を2個有する化合物及びC群から選ばれる基を2個有する化合物を原料モノマーとして非末端ブロック及び末端ブロックのそれぞれを形成する上記縮合重合によってブロック共重合体を製造する場合、非末端ブロックを形成する工程(上記工程〔a〕)及び末端ブロックを形成する工程(上記工程〔b〕)のそれぞれにおいて、原料モノマーの使用量比を適切に制御することが好ましい。
すなわち、工程〔a〕において、B群から選ばれる基を2個有する化合物及びC群から選ばれる基を2個有する化合物のいずれか一方を、モル基準で過剰に使用することが好ましい。これにより、末端にB群から選ばれる基を有するか、又はC群から選ばれる基を有する非末端ブロックを確実に製造することができる。過剰に使用する化合物がB群から選ばれる基を2個有する化合物である場合には、末端にB群から選ばれる基を有する非末端ブロックが製造され、過剰に使用する化合物がC群から選ばれる基を2個有する化合物である場合には、末端にC群から選ばれる基を有する非末端ブロックが製造される。
続く工程〔b〕では、B群から選ばれる基を2個有する化合物及びC群から選ばれる基を2個有する化合物のうち、工程〔a〕において過剰に使用しなかった方の化合物を、モル基準で過剰に使用することが好ましい。これにより、非末端ブロックに結合し、末端にC群から選ばれる基を有するか、又はB群から選ばれる基を有する末端ブロックを確実に製造することができる。過剰に使用する化合物がB群から選ばれる基を2個有する化合物である場合には、末端にB群から選ばれる基を有する末端ブロックが製造され、過剰に使用する化合物がC群から選ばれる基を2個有する化合物である場合には、末端にC群から選ばれる基を有する末端ブロックが製造される。
工程〔b〕において、末端にB群から選ばれる基を有する末端ブロックが製造される場合には、工程〔c〕においてC群から選ばれる基を有する末端封止剤を使用する。工程〔b〕において、末端にC群から選ばれる基を有する末端ブロックが製造される場合には、工程〔c〕においてB群から選ばれる基を有する末端封止剤を使用する。
ブロック共重合体の製造における原料モノマーの使用量比の制御を、実施例P5で合成したブロック共重合体P5を例に挙げて詳細に説明する。
実施例P5において、非末端ブロックの形成には混合物P5aが用いられ、この混合物は、C群から選ばれる基を2個有する化合物である化合物M9と、B群から選ばれる基を2個有する化合物である化合物M3と、B群から選ばれる基を2個有する化合物である化合物M10と、B群から選ばれる基を2個有する化合物である化合物M11とを36:15:5:7.5のモル比で含む。このように混合物P5aは、C群から選ばれる基を2個有する化合物がモル基準で過剰となるように使用量比が制御されている。したがって、形成される非末端ブロックは、末端にC群から選ばれる基を有する。
また、末端ブロックの形成には混合物P5bが用いられ、この混合物は、C群から選ばれる基を2個有する化合物である化合物M12と、B群から選ばれる基を2個有する化合物である化合物M10と、B群から選ばれる基を2個有する化合物である燐光発光性化合物ME-2とを14:20.5:2のモル比で含む。このように混合物P5bは、B群から選ばれる基を2個有する化合物がモル基準で過剰となるように使用量比が制御されている。これにより、末端にC群から選ばれる基を有する非末端ブロックに結合するとともに、末端にB群から選ばれる基を有する末端ブロックが形成される。
実施例P5において使用されている末端封止剤であるフェニルボロン酸は、C群から選ばれる基を1個有する化合物である。したがって、フェニルボロン酸は、末端にB群から選ばれる基を有する末端ブロックに結合してブロック共重合体の末端を封止するとともに、末端基であるフェニル基が形成される。
上記縮合重合(カップリング反応)は、通常、触媒、塩基及び溶媒の存在下で行われるが、必要に応じて、相間移動触媒をさらに共存させて行ってもよい。
触媒としては、例えば、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウム等のパラジウム錯体、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、[1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン)ニッケル(II)ジクロリド、ビス(1,4-シクロオクタジエン)ニッケル(0)等のニッケル錯体等の遷移金属錯体;これらの遷移金属錯体が、さらにトリフェニルホスフィン、トリ(o-トリル)ホスフィン、トリ(tert-ブチル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、ビピリジル等の配位子を有する錯体が挙げられる。触媒は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
触媒の使用量は、原料モノマーのモル数の合計に対する遷移金属の量として、通常、0.00001モル当量以上3モル当量以下である。
塩基及び相間移動触媒としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、リン酸三カリウム等の無機塩基;フッ化テトラブチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム等の有機塩基;塩化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム等の相間移動触媒が挙げられる。塩基及び相間移動触媒は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
塩基及び相間移動触媒の使用量は、それぞれ、原料モノマーの合計モル数に対して、通常0.001モル当量以上100モル当量以下である。
溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジメトキシエタン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド等の有機溶媒、水が挙げられる。溶媒は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
溶媒の使用量は、通常、原料モノマーの合計100質量部に対して、10質量部以上100000質量部以下である。
縮合重合の反応温度は、通常-100℃以上200℃以下である。縮合重合の反応時間は、通常1時間以上である。
縮合重合反応(カップリング反応)の後処理は、公知の方法、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過した後、乾燥させる方法等を単独、又は組み合わせて行うことができる。
ブロック共重合体(Pa)及びブロック共重合体(Pb)の純度が低い場合、例えば、晶析、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製することができる。
<組成物>
[第1の組成物]
本発明に係る組成物は、上記本発明に係るブロック共重合体(Pa)と、ブロック共重合体(Pa)以外のその他の成分とを含む組成物(以下、「第1の組成物」ともいう。)である。その他の成分は、好ましくは、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分である。第1の組成物において、発光材料は、ブロック共重合体(Pa)とは異なる。
第1の組成物において、ブロック共重合体(Pa)は、1種のみ含まれていてもよいし2種以上含まれていてもよい。
〔インク〕
ブロック共重合体(Pa)と溶媒とを含有する組成物(以下、「第1のインク」ともいう。)は、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ-コート法及びノズルコート法等の湿式法(以下、単に「湿式法」ともいう。)を用いた発光素子の作製に好適である。
第1のインクにおいて、ブロック共重合体(Pa)及び溶媒は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
第1のインクは、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料及び酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分をさらに含むことができる。
第1のインクの粘度は、湿式法の種類に応じて調整することができるが、好ましくは25℃において1mPa・s以上20mPa・sで以下ある。
第1のインクに含まれる溶媒は、好ましくは、インク中の固形分を溶解又は均一に分散できる溶媒である。この溶媒としては、例えば、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、4-メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n-ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-へプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。
第1のインクにおいて、溶媒の含有量は、ブロック共重合体(Pa)100質量部に対して、通常1000質量部以上100000質量部以下である。
〔正孔輸送材料〕
第1の組成物において、正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、好ましくは架橋性基を有する高分子化合物である。高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体;側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレン及びその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン及びトリニトロフルオレノン等の電子受容性部位が結合された化合物でもよい。
第1の組成物において、正孔輸送材料の含有量は、ブロック共重合体(Pa)100質量部に対して、通常1質量部以上400質量部以下である。
正孔輸送材料は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
〔電子輸送材料〕
第1の組成物において、電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋性基を有していてもよい。低分子化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレン及びジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、及び、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
第1の組成物において、電子輸送材料の含有量は、ブロック共重合体(Pa)100質量部に対して、通常1質量部以上400質量部以下である。
電子輸送材料は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
〔正孔注入材料及び電子注入材料〕
第1の組成物において、正孔注入材料及び電子注入材料は、それぞれ、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料及び電子注入材料は、架橋性基を有していてもよい。低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン及びポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
第1の組成物において、正孔注入材料及び電子注入材料の含有量は、それぞれ、ブロック共重合体(Pa)100質量部に対して、通常1質量部以上400質量部以下である。
正孔注入材料及び電子注入材料は、それぞれ、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
〔イオンドープ〕
正孔注入材料又は電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは1×10-5S/cm以上1×10S/cm以下である。
導電性高分子の電気伝導度を上記範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。
アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。
カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
ドープするイオンは、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
〔発光材料〕
第1の組成物において、発光材料(ブロック共重合体(Pa)とは異なる。)は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋性基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、蛍光発光性化合物及び燐光発光性化合物が挙げられ、好ましくは燐光発光性化合物である。燐光発光性化合物の例及び好ましい例は、上述のとおりである。蛍光発光性化合物としては、例えば、ナフタレン及びその誘導体、アントラセン及びその誘導体、並びにペリレン及びその誘導体が挙げられる。なお、第1の組成物は、ブロック共重合体(Pa)に燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基を含むため、燐光発光性化合物をさらに含まなくとも、輝度寿命に優れる発光素子を得ることができる。
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、式(X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
第1の組成物が燐光発光性化合物を含む場合、ブロック共重合体(Pa)の有する最低励起三重項状態(T)は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、燐光発光性化合物の有するTと同等のエネルギー準位、又は、それより高いエネルギー準位であることが好ましい。
第1の組成物が燐光発光性化合物を含む場合、ブロック共重合体(Pa)は、発光素子を湿式法で作製できるので、燐光発光性化合物を溶解することが可能な溶媒に対して溶解性を示すものであることが好ましい。
第1の組成物において、発光材料の含有量は、ブロック共重合体(Pa)と発光材料との合計を100質量部とした場合、通常0.01~99質量部であり、好ましくは0.1~90質量部であり、より好ましくは1~70質量部であり、さらに好ましくは5~50質量部であり、特に好ましくは20~40質量部である。
発光材料は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
〔酸化防止剤〕
第1の組成物において、酸化防止剤は、組成物に含まれる溶媒に可溶であり、発光及び電荷輸送を阻害しない化合物であることが好ましく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
第1の組成物において、酸化防止剤の含有量は、ブロック共重合体(Pa)100質量部に対して、通常0.001質量部以上10質量部以下である。
酸化防止剤は、1種のみを用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
[第2の組成物]
本発明に係る組成物は、ブロック共重合体(Pb)と燐光発光性化合物とを含む組成物(以下、「第2の組成物」ともいう。)である。燐光発光性化合物の例及び好ましい例は、上述のとおりである。
第2の組成物によれば、輝度寿命に優れる発光素子を得ることができる。
第2の組成物において、ブロック共重合体(Pb)及び燐光発光性化合物は、それぞれ、1種のみ含まれていてもよいし、2種以上含まれていてもよい。
第2の組成物において、燐光発光性化合物の含有量は、ブロック共重合体(Pb)と燐光発光性化合物との合計を100質量部とした場合、通常0.01~99質量部であり、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、好ましくは0.1~80質量部であり、より好ましくは1~60質量部であり、さらに好ましくは5~40質量部である。
ブロック共重合体(Pb)の有する最低励起三重項状態(T)は、発光素子の輝度寿命向上に有利であることから、燐光発光性化合物の有するTと同等のエネルギー準位、又は、それより高いエネルギー準位であることが好ましい。
ブロック共重合体(Pb)は、発光素子を湿式法で作製できるので、燐光発光性化合物を溶解することが可能な溶媒に対して溶解性を示すものであることが好ましい。
第2の組成物は、ブロック共重合体(Pb)及び燐光発光性化合物以外のその他の成分を含んでいてもよい。その他の成分は、好ましくは、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分である。第2の組成物において、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料及び発光材料は、ブロック共重合体(Pb)とは異なる。また、第2の組成物において、発光材料は、燐光発光性化合物とは異なる。
ブロック共重合体(Pb)と燐光発光性化合物と溶媒とを含有する組成物(以下、「第2のインク」ともいう。)は、第1のインクの項で説明した湿式法に好適に使用することができる。第2のインクの粘度の好ましい範囲は、第1のインクの粘度の好ましい範囲と同じである。第2のインクに含有される溶媒の例及び好ましい例は、第1のインクに含有される溶媒の例及び好ましい例と同様である。
第2のインクにおいて、溶媒の含有量は、ブロック共重合体(Pb)と燐光発光性化合物との合計を100質量部とした場合、通常1000質量部以上100000質量部以下である。
第2の組成物に含有され得る正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料及び酸化防止剤の例及び好ましい例は、第1の組成物に含有され得る正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料及び酸化防止剤の例及び好ましい例と同様である。
第2の組成物に含有され得る発光材料としては、例えば、第1の組成物に含有され得る発光材料の項で説明した蛍光発光性化合物及び高分子化合物、並びに、ブロック共重合体(Pa)が挙げられ、これらの例及び好ましい例は、上述のとおりである。
第2の組成物において、正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料及び発光材料の含有量は、それぞれ、ブロック共重合体(Pb)と燐光発光性化合物との合計を100質量部とした場合、通常1~400質量部であり、好ましくは5~150質量部である。
第2の組成物に含有され得る酸化防止剤の例及び好ましい例は、第1の組成物に含有され得る酸化防止剤の例及び好ましい例と同様である。第2の組成物において、酸化防止剤の含有量は、ブロック共重合体(Pb)と燐光発光性化合物との合計を100質量部とした場合、通常0.001~10質量部である。
<膜>
膜は、本発明に係るブロック共重合体(すなわち、ブロック共重合体(Pa)、ブロック共重合体(Pb)及びブロック共重合体(Pb’)から選ばれる少なくとも1種であり、以下、同様である。)又は組成物(すなわち、第1の組成物及び第2の組成物から選ばれる少なくとも1種であり、以下、同様である。)を含有する。
上記膜は、発光素子が備える膜(層)として好適に適用することができ、とりわけ発光素子が備える発光層として好適である。
上記膜は、上述のインクを、例えば、湿式法により塗工し、必要に応じて乾燥させることによって形成することができる。
上記膜の厚みは、通常1nm以上10μm以下である。
<発光素子>
本発明に係る発光素子は、本発明に係るブロック共重合体又は組成物を含有する発光素子である。
本発明に係る一実施形態において発光素子は、陽極及び陰極からなる電極と、該電極間に配置される本発明に係るブロック共重合体又は組成物を含有する層(膜)とを有する。
〔発光素子の層構成〕
本発明に係るブロック共重合体又は組成物を含有する層は、通常、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層及び電子注入層からなる群より選ばれる少なくとも1種の層であり、好ましくは発光層である。
発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層及び電子注入層は、それぞれ、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を含有する。これらの層は、それぞれ、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を、上述した溶媒に溶解させてインクを調製し、上述した膜の作製と同じ方法を用いて形成することができる。
発光素子は、陽極と陰極との間に発光層を有する。本発明に係る発光素子は、正孔注入性及び正孔輸送性の観点からは、陽極と発光層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層の少なくとも1層を有することが好ましく、電子注入性及び電子輸送性の観点からは、陰極と発光層との間に、電子注入層及び電子輸送層の少なくとも1層を有することが好ましい。
正孔輸送層、電子輸送層、発光層、正孔注入層及び電子注入層の材料としては、本発明に係るブロック共重合体又は組成物のほか、それぞれ、上述した正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、正孔注入材料及び電子注入材料が挙げられる。
正孔輸送層の材料、電子輸送層の材料及び発光層の材料は、発光素子の作製において、それぞれ、正孔輸送層、電子輸送層及び発光層に隣接する層の形成時に使用される溶媒に溶解する場合、該溶媒に該材料が溶解することを回避するために、該材料が架橋性基を有することが好ましく、とりわけ正孔輸送層の材料は、架橋性基を有することが好ましい。架橋性基を有する材料を用いて各層を形成した後、該架橋性基を架橋させることにより、該層を不溶化させることができる。
本発明に係る発光素子において、発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
積層する層の順番、数及び厚みは、発光素子の発光効率及び素子寿命を勘案して調整することができる。
〔基板/電極〕
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であることが好ましく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板であることが好ましい。不透明な基板を用いる場合には、基板から最も遠くにある電極が透明又は半透明であることが好ましい。
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅である。
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;該金属群から選ばれる2種以上の合金;該金属群から選ばれる1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン及び錫からなる群より選ばれる1種以上との合金;並びに、グラファイト及びグラファイト層間化合物が挙げられる。
合金としては、例えば、マグネシウム-銀合金、マグネシウム-インジウム合金、マグネシウム-アルミニウム合金、インジウム-銀合金、リチウム-アルミニウム合金、リチウム-マグネシウム合金、リチウム-インジウム合金、カルシウム-アルミニウム合金が挙げられる。
陽極及び陰極は、それぞれ、2層以上の積層構造としてもよい。
〔用途〕
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と面状の陰極とを、それらが重なり合うように配置する。
パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極もしくは陰極、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。
上記いずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。
ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極及び陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。
発光色が異なる複数種の高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。
ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。
面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、又は、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源及び曲面状の表示装置としても使用できる。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、高分子化合物及びその中間体のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及びポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、移動相にテトラヒドロフランを用い、下記のサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)により求めた。
測定する高分子化合物又はその中間体を約0.05質量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、1.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED-B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV-VIS検出器(東ソー製、商品名:UV-8320GPC)を用いた。
本実施例において、高分子化合物中の構成単位の分子量は、ChemDraw Pro 13.0(ヒューリンクス社製)のMolecular Weightの値を用いて、算出した。
<合成例M1~M22:化合物M1~M22の合成及び入手>
化合物M1、M3、M4及びM6は特開2010-189630号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M2及びM13は国際公開第2002/045184号に記載の方法に従って合成した。
化合物M5は特開2012-036388号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M7は特開2015-063482号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M8は国際公開第2002/092723号に記載の方法に準じて合成した。
化合物M9は国際公開第2012/086671号に記載の方法に従って合成した。
化合物M10は特開2012-144722号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M11は特開2004-143419号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M12及びM19は、市販品を用いた。
化合物M14は特開2003-226744号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M15は国際公開第2011/049241号に記載の方法に従って合成した。
化合物M16及びM17は、特開2011-174062号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M18は特開2010-031259号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M20は国際公開第2004/060970号に記載の方法に準じて合成した。
化合物M21は国際公開第2005/049546号に記載の方法に従って合成した。
化合物M22は国際公開第2016/047536号に記載の方法に従って合成した。
Figure 0007215958000098
Figure 0007215958000099
Figure 0007215958000100
Figure 0007215958000101
Figure 0007215958000102
Figure 0007215958000103
<合成例ME1、ME2:燐光発光性化合物ME-1及びME-2の合成>
燐光発光性化合物ME-1は、国際公開第2013/021180号に記載の方法に従って合成した。
燐光発光性化合物ME-2は、特開2011-105701号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 0007215958000104
<合成例MC1~MC5:燐光発光性化合物MC-1~MC-5の合成及び入手>
燐光発光性化合物MC-1は、国際公開第2009/131255号に記載の方法に従って合成した。
燐光発光性化合物MC-2は、特開2011-105701号公報に記載の方法に従って合成した。
燐光発光性化合物MC-3は、特開2008-179617号公報に記載の方法に従って合成した。
燐光発光性化合物MC-4は、国際公開第2006/062226号に記載の方法に準じて合成した。
燐光発光性化合物MC-5は、Luminescence Technology Corp.より購入した。
Figure 0007215958000105
Figure 0007215958000106
<実施例P1:ブロック共重合体P1の合成>
(1)非末端ブロックの形成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記の表1に示す混合物P1a〔化合物M1(2.06g)、化合物M2(1.35g)、化合物M3(0.633g)及び化合物M5(1.14g)〕並びにトルエン(35mL)を加え、80℃に加熱した。そこへ、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(3.49mg)及び20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(35g)を加えた後、還流下で2.5時間攪拌することにより、非末端ブロックを形成した。
反応液中に存在する高分子化合物(非末端ブロック)のMnは8.5×10であり、Mwは2.1×10であった。
(2)末端ブロックの形成
上記(1)で得られた反応液に、下記の表1に示す混合物P1b〔化合物M1(0.941g)、化合物M4(0.460g)及び化合物M2(4.04g)〕、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(40g)並びにトルエン(33mL)を加え、80℃に加熱した。そこへ、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.52mg)を加えた後、還流下で4.5時間攪拌することにより、非末端ブロックに末端ブロックを結合させ、末端ブロックを形成した。
(3)末端基の形成
上記(2)で得られた反応液に、末端封止剤であるフェニルボロン酸(0.482g)を加えた後、還流下で16時間攪拌することにより、末端ブロックに末端基を導入し、末端基を形成した。
(4)後処理
上記(3)で得られた反応液を室温まで冷却し、水層を除去した後、10質量%塩酸で1回、3質量%アンモニア水溶液で1回、イオン交換水で1回洗浄した。得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したアルミナカラム及びシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。精製液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、ブロック共重合体P1(4.8g)を得た。
ブロック共重合体P1のMnは8.7×10であり、Mwは3.0×10であった。
Figure 0007215958000107
ブロック共重合体P1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M1から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位と、化合物M3から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位とを25:10:5:5のモル比で含む非末端ブロックを有し、化合物M1から誘導される構成単位と、化合物M4から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位とを15:10:30のモル比で含む末端ブロックを有し、末端基としてフェニル基を有するブロック共重合体である。
ブロック共重合体P1は、末端基と、末端ブロックと、非末端ブロックと、末端ブロックと、末端基と、をこの順に含む。ブロック共重合体P1は、上記式(v)及び(vi)を満たすとともに、上記式(viii)及び(ix)を満たす。
<実施例P2:ブロック共重合体P2の合成>
(1)非末端ブロックの形成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記の表2に示す混合物P2a〔化合物M6(0.230g)、化合物M7(1.00g)、化合物M3(0.766g)及び化合物M5(1.38g)〕、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.87mg)及びトルエン(125mL)を加え、80℃に加熱した。そこへ、10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(63g)を加えた後、80℃で3.5時間攪拌することにより、非末端ブロックを形成した。
反応液中に存在する高分子化合物(非末端ブロック)のMnは8.9×10であり、Mwは1.8×10であった。
(2)末端ブロックの形成
上記(1)で得られた反応液に、下記の表2に示す混合物P2b〔化合物M6(1.87g)、化合物M7(1.31g)及び化合物M8(6.09g)〕、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(2.7mg)及びトルエン(52mL)を加え、80℃で4.5時間攪拌することにより、末端ブロックを形成するとともに、非末端ブロックに末端ブロックを結合させ、末端ブロックを形成した。
(3)末端基の形成
上記(2)で得られた反応液に、末端封止剤であるフェニルボロン酸(0.732g)を加えた後、80℃で16時間攪拌することにより、末端ブロックに末端基を導入し、末端ブロックを形成した。
(4)後処理
上記(3)で得られた反応液を室温まで冷却し、水層を除去した後、10質量%塩酸で2回、3質量%アンモニア水溶液で2回、イオン交換水で2回洗浄した。得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したアルミナカラム及びシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。精製液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、ブロック共重合体P2(6.3g)を得た。
ブロック共重合体P2のMnは5.6×10であり、Mwは1.3×10であった。
Figure 0007215958000108
ブロック共重合体P2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物M7から誘導される構成単位と、化合物M3から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位とを2.3:11.7:6:6のモル比で含む非末端ブロックを有し、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物M7から誘導される構成単位と、化合物M8から誘導される構成単位とを20.7:15.3:38のモル比で含む末端ブロックを有し、末端基としてフェニル基を有するブロック共重合体である。
ブロック共重合体P2は、末端基と、末端ブロックと、非末端ブロックと、末端ブロックと、末端基と、をこの順に含む。ブロック共重合体P2は、上記式(v)及び(vi)を満たすとともに、上記式(viii)及び(ix)を満たす。
<実施例P3:ブロック共重合体P3の合成>
(1)非末端ブロックの形成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記の表3に示す混合物P3a〔化合物M6(0.0480g)、化合物M7(0.209g)、化合物M3(0.160g)及び化合物M5(0.287g)〕並びにトルエン(34mL)を加え、80℃に加熱した。そこへ、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.17mg)及び10質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(17g)を加えた後、還流下で3時間攪拌することにより、非末端ブロックを形成した。
反応液中に存在する高分子化合物(非末端ブロック)のMnは8.6×10であり、Mwは1.7×10であった。
(2)末端ブロックの形成
上記(1)で得られた反応液に、下記の表3に示す混合物P3b〔化合物M6(0.477g)、化合物M7(0.370g)、化合物M8(1.12g)及び燐光発光性化合物ME-1(0.692g)〕並びにトルエン(14mL)を加え、80℃に加熱した。そこへ、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.72mg)を加えた後、還流下で9時間攪拌することにより、非末端ブロックに末端ブロックを結合させ、末端ブロックを形成した。
(3)末端基の形成
上記(2)で得られた反応液に、末端封止剤であるフェニルボロン酸(0.18g)を加えた後、還流下で22時間攪拌することにより、末端ブロックに末端基を導入し、末端基を形成した。
(4)後処理
上記(3)で得られた反応液を室温まで冷却し、水層を除去した後、10質量%塩酸で1回、3質量%アンモニア水溶液で1回、イオン交換水で1回洗浄した。得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したアルミナカラム及びシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。精製液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、ブロック共重合体P3(1.8g)を得た。
ブロック共重合体P3のMnは4.0×10であり、Mwは8.8×10であった。
Figure 0007215958000109
ブロック共重合体P3は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物M7から誘導される構成単位と、化合物M3から誘導される構成単位と、化合物M5から誘導される構成単位とを1.92:9.75:5:5のモル比で含む非末端ブロックを有し、化合物M6から誘導される構成単位と、化合物M7から誘導される構成単位と、化合物M8から誘導される構成単位と、燐光発光性化合物ME-1から誘導される構成単位とを21.08:17.25:28:12のモル比で含む末端ブロックを有し、末端基としてフェニル基を有するブロック共重合体である。
ブロック共重合体P3は、末端基と、末端ブロックと、非末端ブロックと、末端ブロックと、末端基と、をこの順に含む。ブロック共重合体P3は、上記式(ii)及び(iii)を満たす。
<実施例P4:ブロック共重合体P4の合成>
(1)非末端ブロックの形成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記の表4に示す混合物P4a〔化合物M9(0.931g)、化合物M3(0.335g)、化合物M10(0.113g)及び化合物M11(0.194g)〕並びにトルエン(30mL)を加え、80℃に加熱した。そこへ、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.85mg)及び10質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(19g)を加えた後、還流下で3時間攪拌することにより、非末端ブロックを形成した。
反応液中に存在する高分子化合物(非末端ブロック)のMnは6.4×10であり、Mwは1.2×10であった。
(2)末端ブロックの形成
上記(1)で得られた反応液に、下記の表4に示す混合物P4b〔化合物M12(0.282g)及び化合物M10(0.510g)〕並びにトルエン(10mL)を加え、80℃に加熱した。そこへ、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.69mg)を加えた後、還流下で4時間攪拌することにより、非末端ブロックに末端ブロックを結合させ、末端ブロックを形成した。
(3)末端基の形成
上記(2)で得られた反応液に、末端封止剤であるフェニルボロン酸(85.4mg)及びビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(1.54mg)を加えた後、還流下で16時間攪拌することにより、末端ブロックに末端基を導入し、末端基を形成した。
(4)後処理
上記(3)で得られた反応液を室温まで冷却し、水層を除去した後、10質量%塩酸で1回、3質量%アンモニア水溶液で1回、イオン交換水で1回洗浄した。得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したアルミナカラム及びシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。精製液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、ブロック共重合体P4(0.78g)を得た。
ブロック共重合体P4のMnは4.7×10であり、Mwは1.2×10であった。
Figure 0007215958000110
ブロック共重合体P4は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M3から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位と、化合物M11から誘導される構成単位とを36:15:5:7.5のモル比で含む非末端ブロックを有し、化合物M12から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位とを14:22.5のモル比で含む末端ブロックを有し、末端基としてフェニル基を有するブロック共重合体である。
ブロック共重合体P4は、末端基と、末端ブロックと、非末端ブロックと、末端ブロックと、末端基と、をこの順に含む。ブロック共重合体P4は、上記式(iv)、(v)及び(vi)を満たすとともに、上記式(vii)、(viii)及び(ix)を満たす。
<実施例P5:ブロック共重合体P5の合成>
(1)非末端ブロックの形成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記の表5に示す混合物P5a〔化合物M9(1.06g)、化合物M3(0.383g)、化合物M10(0.129g)及び化合物M11(0.222g)〕並びにトルエン(35mL)を加え、80℃に加熱した。そこへ、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.97mg)及び10質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(23g)を加えた後、還流下で3時間攪拌することにより、非末端ブロックを形成した。
反応液中に存在する高分子化合物(非末端ブロック)のMnは6.3×10であり、Mwは1.2×10であった。
(2)末端ブロックの形成
上記(1)で得られた反応液に、下記の表5に示す混合物P5b〔化合物M12(0.322g)、化合物M10(0.531g)及び燐光発光性化合物ME-2(0.151g)〕並びにトルエン(12mL)を加え、80℃に加熱した。そこへ、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.79mg)を加えた後、還流下で4時間攪拌することにより、非末端ブロックに末端ブロックを結合させ、末端ブロックを形成した。
(3)末端基の形成
上記(2)で得られた反応液に、末端封止剤であるフェニルボロン酸(97.5mg)及びビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(1.76mg)を加えた後、還流下で16時間攪拌することにより、末端ブロックに末端基を導入し、末端基を形成した。
(4)後処理
上記(3)で得られた反応液を室温まで冷却し、水層を除去した後、10質量%塩酸で1回、3質量%アンモニア水溶液で1回、イオン交換水で1回洗浄した。得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したアルミナカラム及びシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。精製液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、ブロック共重合体P5(0.98g)を得た。
ブロック共重合体P5のMnは5.5×10であり、Mwは1.5×10であった。
Figure 0007215958000111
ブロック共重合体P5は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M3から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位と、化合物M11から誘導される構成単位とを36:15:5:7.5のモル比で含む非末端ブロックを有し、化合物M12から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位と、燐光発光性化合物ME-2から誘導される構成単位とを14:20.5:2のモル比で含む末端ブロックを有し、末端基としてフェニル基を有するブロック共重合体である。
ブロック共重合体P5は、末端基と、末端ブロックと、非末端ブロックと、末端ブロックと、末端基と、をこの順に含む。ブロック共重合体P5は、上記式(i)、(ii)及び(iii)を満たす。
<合成例P6:ブロック共重合体P6の合成>
(1)非末端ブロックの形成
ブロック共重合体P6は、下記の表6に示す混合物P6a(化合物M16、化合物M2、化合物M10、化合物M11及び化合物M18)、並びに、混合物P6b(化合物M17及び化合物M19)を用いて、国際公開第2012/086670号に記載の方法に従って合成した。
ブロック共重合体P6の合成において、非末端ブロックのMnは4.0×10であり、Mwは1.4×10であった。
ブロック共重合体P6のMnは9.7×10であり、Mwは3.2×10であった。
Figure 0007215958000112
ブロック共重合体P6は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M16から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位と、化合物M11から誘導される構成単位と、化合物M18から誘導される構成単位とを40:10:22:3:5のモル比で含む非末端ブロックを有し、化合物M17から誘導される構成単位と、化合物M19から誘導される構成単位とを10:10のモル比で含む末端ブロックを有し、末端基としてフェニル基を有するブロック共重合体である。
ブロック共重合体P6は、末端基と、末端ブロックと、非末端ブロックと、末端ブロックと、末端基と、をこの順に含む。ブロック共重合体P6は、上記式(iv)、(v)及び(vi)を満たす。
<合成例P7:ブロック共重合体P7の合成>
(1)非末端ブロックの形成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記の表7に示す混合物P7a〔化合物M9(6.76g)、化合物M10(4.30g)、化合物M11(0.751g)及び化合物M20(0.120g)〕並びにトルエン(180mL)を加え、80℃に加熱した。そこへ、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(12.8mg)及び20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(32.3g)を加えた後、還流下で3時間攪拌することにより、非末端ブロックを形成した。
反応液中に存在する高分子化合物(非末端ブロック)のMnは1.2×10であり、
Mwは2.3×10であった。
(2)末端ブロックの形成
上記(1)で得られた反応液に、下記の表7に示す混合物P7b〔化合物M12(2.20g)及び化合物M10(3.06g)〕並びにトルエン(40mL)を加え、80℃に加熱した。そこへ、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(5.0mg)及び20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(12.5g)を加えた後、還流下で4時間攪拌することにより、非末端ブロックに末端ブロックを結合させ、末端ブロックを形成した。
(3)末端基の形成
上記(2)で得られた反応液に、末端封止剤であるフェニルボロン酸(0.155g)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(8.9mg)を加えた後、還流下で15時間攪拌することにより、末端ブロックに末端基を導入し、末端基を形成した。
(4)後処理
上記(3)で得られた反応液を室温まで冷却した後、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却し、水層を除去した後、得られた有機層を、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄した。その後、得られた有機層をメタノールに滴下し、攪拌したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したアルミナカラム及びシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。精製液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、ブロック共重合体P7(9.3g)を得た。
ブロック共重合体P7のMnは7.9×10であり、Mwは1.8×10であった。
Figure 0007215958000113
ブロック共重合体P7は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位と、化合物M11から誘導される構成単位と、化合物M20から誘導される構成単位とを36:31:4:1のモル比で含む非末端ブロックを有し、化合物M12から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位とを14:14のモル比で含む末端ブロックを有し、末端基としてフェニル基を有するブロック共重合体である。
ブロック共重合体P7は、末端基と、末端ブロックと、非末端ブロックと、末端ブロックと、末端基と、をこの順に含む。ブロック共重合体P7は、上記式(iv)、(v)及び(vi)を満たす。
<比較例CP1:高分子化合物CP1の合成>
高分子化合物CP1は、下記の表8に示す混合物CP1a(化合物M1、化合物M2及び化合物M3)、並びに、混合物CP1b(化合物M1、化合物M4及び化合物M2)を用いて、特開2013-131995号公報に記載の方法に従って合成した。
高分子化合物CP1のMnは9.0×10であり、Mwは2.5×10であった。
Figure 0007215958000114
高分子化合物CP1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M1から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位と、化合物M3から誘導される構成単位とを25:10:10のモル比で含む非末端ブロックを有し、化合物M1から誘導される構成単位と、化合物M4から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位とを15:10:30のモル比で含む末端ブロックを有し、末端基としてフェニル基を有するブロック共重合体である。
高分子化合物CP1は、末端基と、末端ブロックと、非末端ブロックと、末端ブロックと、末端基と、をこの順に含む。高分子化合物CP1は、上記式(v)及び(vi)を満たす。但し、高分子化合物CP1において非末端ブロックは、式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位から選ばれる構成単位を1種のみ含む。
<比較例CP2:高分子化合物CP2の合成>
高分子化合物CP2は、下記の表9に示す混合物CP2a(化合物M9、化合物M3及び化合物M10)、並びに、混合物CP2b(化合物M9、化合物M12、化合物M10、化合物M11及び燐光発光性化合物ME-2)を用いて、特開2013-131995号公報に記載の方法に従って合成した。
高分子化合物CP2のMnは9.1×10であり、Mwは3.1×10であった。
Figure 0007215958000115
高分子化合物CP2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M3から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位とを15:15:5のモル比で含む非末端ブロックを有し、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M12から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位と、化合物M11から誘導される構成単位と、燐光発光性化合物ME-2から誘導される構成単位とを21:14:20.5:7.5:2のモル比で含む末端ブロックを有し、末端基としてフェニル基を有するブロック共重合体である。
高分子化合物CP2は、末端基と、末端ブロックと、非末端ブロックと、末端ブロックと、末端基と、をこの順に含む。高分子化合物CP2は、少なくとも上記式(ii)を満たす。但し、高分子化合物CP2において非末端ブロックは、式(X)で表される構成単位及び式(Z)で表される構成単位から選ばれる構成単位を1種のみ含む。
<比較例CP3:高分子化合物CP3の合成>
高分子化合物CP3は、下記の表10に示す混合物CP3(化合物M16、化合物M17、化合物M10、化合物M11、化合物M18及び化合物M19)を用いて、国際公開第2012/086670号に記載の方法に従って合成した。
高分子化合物CP3のMnは7.7×10であり、Mwは2.3×10であった。
Figure 0007215958000116
高分子化合物CP3は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M16から誘導される構成単位と、化合物M17から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位と、化合物M11から誘導される構成単位と、化合物M18から誘導される構成単位と、化合物M19から誘導される構成単位とを40:10:32:3:5:10のモル比で含むランダム共重合体(末端ブロック及び非末端ブロックを有さない共重合体)であり、末端基としてフェニル基を有する。
<比較例CP4:高分子化合物CP4の合成>
(1)非末端ブロックの形成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記の表11に示す混合物CP4a〔化合物M9(6.76g)及び化合物M10(5.12g)〕並びにトルエン(180mL)を加え、80℃に加熱した。そこへ、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(12.8mg)及び20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(32.3g)を加えた後、還流下で3時間攪拌することにより、非末端ブロックを形成した。
反応液中に存在する高分子化合物(非末端ブロック)のMnは1.3×10であり、Mwは2.5×10であった。
(2)末端ブロックの形成
上記(1)で得られた反応液に、下記の表11に示す混合物CP4b〔化合物M12(2.20g)、化合物M10(2.24g)、化合物M11(0.751g)及び化合物M20(0.120g)〕並びにトルエン(40mL)を加え、80℃に加熱した。そこへ、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(5.0mg)及び20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(12.5g)を加えた後、還流下で4時間攪拌することにより、非末端ブロックに末端ブロックを結合させ、末端ブロックを形成した。
(3)末端基の形成
上記(2)で得られた反応液に、末端封止剤であるフェニルボロン酸(0.155g)及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(8.9mg)を加えた後、還流下で15時間攪拌することにより、末端ブロックに末端基を導入し、末端基を形成した。
(4)後処理
上記(3)で得られた反応液を室温まで冷却した後、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却し、水層を除去した後、得られた有機層を、水で2回、3重量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄した。その後、得られた有機層をメタノールに滴下し、攪拌したところ、沈澱が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したアルミナカラム及びシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。精製液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物CP4(10.0g)を得た。
高分子化合物CP4のMnは8.1×10であり、Mwは2.1×10であった。
Figure 0007215958000117
高分子化合物CP4は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M9から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位とを36:36のモル比で含む非末端ブロックを有し、化合物M12から誘導される構成単位と、化合物M10から誘導される構成単位と、化合物M11から誘導される構成単位と、化合物M20から誘導される構成単位とを14:9:4:1のモル比で含む末端ブロックを有し、末端基としてフェニル基を有するブロック共重合体である。
高分子化合物CP4は、末端基と、末端ブロックと、非末端ブロックと、末端ブロックと、末端基と、をこの順に含む。高分子化合物CP4は、上記式(iv)、(v)及び(vi)を満たさない。
<合成例HTL-1:高分子化合物HTL-1の合成>
高分子化合物HTL-1は、化合物M13、化合物M2、化合物M14及び化合物M15を用いて、特開2013-131995号公報に記載の方法に従って合成した。
高分子化合物HTL-1のMnは7.8×10であり、Mwは2.6×10であった。
高分子化合物HTL-1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M13から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位と、化合物M14から誘導される構成単位と、化合物M15から誘導される構成単位とを50:12.5:30:7.5のモル比で含むランダム共重合体(末端ブロック及び非末端ブロックを有さない共重合体)であり、末端基としてフェニル基を有する。
<合成例HTL-2:高分子化合物HTL-2の合成>
(1)非末端ブロックの形成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、下記の表12に示す混合物HTL-2a〔化合物M17(2.08g)及び化合物M21(1.75g)〕、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.17mg)及びトルエン(35mL)を加え、80℃に加熱した。そこへ、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(23.4g)を加えた後、100℃で2.5時間攪拌することにより、非末端ブロックを形成した。
反応液中に存在する高分子化合物(非末端ブロック)のMnは7.4×10であり、Mwは1.7×10であった。
(2)末端ブロックの形成
上記(1)で得られた反応液に、下記の表12に示す混合物HTL-2b〔化合物M17(1.35g)、化合物M15(0.328g)及び化合物M21(1.05g)〕、ビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.17mg)、20質量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(26.6g)、及びトルエン(40mL)を加え、100℃で4.5時間攪拌することにより、非末端ブロックに末端ブロックを結合させ、末端ブロックを形成した。
(3)末端基の形成
上記(2)で得られた反応液に、末端封止剤であるM22(352mg)及びビス(トリス-o-メトキシフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.16mg)を加えた後、100℃に加熱し、還流下で16時間攪拌することにより、末端ブロックに末端基を導入し、末端基を形成した。
(4)後処理
上記(3)で得られた反応液を室温まで冷却し、水層を除去した後、10質量%塩酸で1回、3質量%アンモニア水溶液で1回、イオン交換水で1回洗浄した。得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈澱が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、固体を得た。この固体をトルエンに溶解させ、予めトルエンを通液したアルミナカラム及びシリカゲルカラムに順番に通すことにより精製した。精製液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じたので、沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物HTL-2(4.47g)を得た。
高分子化合物HTL-2のMnは3.3×10であり、Mwは1.6×10であった。
Figure 0007215958000118
高分子化合物HTL-2は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M17から誘導される構成単位と、化合物M21から誘導される構成単位とを30:25のモル比で含む非末端ブロックを有し、化合物M17から誘導される構成単位と、化合物M15から誘導される構成単位と、化合物M21から誘導される構成単位とを20:10:15のモル比で含む末端ブロックを有し、末端基として、化合物M22から誘導される架橋性基を有するブロック共重合体である。
ブロック共重合体P1~P7及びCP4における各構成単位の合計個数の算出結果を以下に示す。
Figure 0007215958000119
<比較例CD1:発光素子CD1の作製と評価>
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、正孔注入材料であるAQ-1200(Plectronics社製)をスピンコート法により65nmの厚みで成膜した。大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物HTL-1を0.7質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚みで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
キシレンに、高分子化合物CP1及び燐光発光性化合物MC-1(高分子化合物CP1/燐光発光性化合物MC-1=70質量%/30質量%)を2.5質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により80nmの厚みで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、180℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(陰極の形成)
発光層を形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子CD1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子CD1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。初期輝度1000cd/mで定電流駆動させ、輝度が初期輝度の90%となるまでの時間(以下、「LT90」ともいう。)を測定した。結果を表14に示す。
<実施例D1:発光素子D1の作製と評価>
比較例CD1の(発光層の形成)における、「高分子化合物CP1」に代えて、「ブロック共重合体P1」を用いた(ブロック共重合体P1/燐光発光性化合物MC-1=70質量%/30質量%)以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D1を作製した。発光素子D1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。初期輝度1000cd/mで定電流駆動させ、LT90を測定した。結果を表14に示す。
<実施例D2:発光素子D2の作製と評価>
比較例CD1の(発光層の形成)において、「キシレンに、高分子化合物CP1及び燐光発光性化合物MC-1(高分子化合物CP1/燐光発光性化合物MC-1=70質量%/30質量%)を2.5質量%の濃度で溶解させた」代わりに、「キシレンに、ブロック共重合体P2及び燐光発光性化合物MC-1(ブロック共重合体P2/燐光発光性化合物MC-1=70質量%/30質量%)を2.3質量%の濃度で溶解させた」以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D2を作製した。発光素子D2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。初期輝度1000cd/mで定電流駆動させ、LT90を測定した。結果を表14に示す。
<実施例D3:発光素子D3の作製と評価>
比較例CD1の(発光層の形成)において、「キシレンに、高分子化合物CP1及び燐光発光性化合物MC-1(高分子化合物CP1/燐光発光性化合物MC-1=70質量%/30質量%)を2.5質量%の濃度で溶解させた」代わりに、「キシレンに、ブロック共重合体P3を2.2質量%の濃度で溶解させた」以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D3を作製した。発光素子D3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。初期輝度1000cd/mで定電流駆動させ、LT90を測定した。結果を表14に示す。
<実施例D4:発光素子D4の作製と評価>
比較例CD1の(発光層の形成)における、「高分子化合物CP1」に代えて、「ブロック共重合体P3」を用いた以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D4を作製した。発光素子D4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。初期輝度1000cd/mで定電流駆動させ、LT90を測定した。結果を表14に示す。
Figure 0007215958000120
<比較例CD2:発光素子CD2の作製と評価>
比較例CD1の(発光層の形成)において、「キシレンに、高分子化合物CP1及び燐光発光性化合物MC-1(高分子化合物CP1/燐光発光性化合物MC-1=70質量%/30質量%)を2.5質量%の濃度で溶解させた」代わりに、「キシレンに、高分子化合物CP2を1.6質量%の濃度で溶解させた」以外は比較例CD1と同様にして、発光素子CD2を作製した。発光素子CD2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。初期輝度1000cd/mで定電流駆動させ、輝度が初期輝度の95%となるまでの時間(以下、「LT95」ともいう。)を測定した。結果を表15に示す。
<実施例D5:発光素子D5の作製と評価>
比較例CD1の(発光層の形成)において、「キシレンに、高分子化合物CP1及び燐光発光性化合物MC-1(高分子化合物CP1/燐光発光性化合物MC-1=70質量%/30質量%)を2.5質量%の濃度で溶解させた」代わりに、「キシレンに、ブロック共重合体P4及び燐光発光性化合物MC-2(ブロック共重合体P4/燐光発光性化合物MC-2=92.5質量%/7.5質量%)を2.0質量%の濃度で溶解させた」以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D5を作製した。発光素子D5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。初期輝度1000cd/mで定電流駆動させ、LT95を測定した。結果を表15に示す。
<実施例D6:発光素子D6の作製と評価>
比較例CD1の(発光層の形成)において、「キシレンに、高分子化合物CP1及び燐光発光性化合物MC-1(高分子化合物CP1/燐光発光性化合物MC-1=70質量%/30質量%)を2.5質量%の濃度で溶解させた」代わりに、「キシレンに、ブロック共重合体P5を1.9質量%の濃度で溶解させた」以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D6を作製した。発光素子D6に電圧を印加することによりEL発光が観測された。初期輝度1000cd/mで定電流駆動させ、LT95を測定した。結果を表15に示す。
Figure 0007215958000121
<比較例CD3:発光素子CD3の作製と評価>
比較例CD1の(発光層の形成)において、「キシレンに、高分子化合物CP1及び燐光発光性化合物MC-1(高分子化合物CP1/燐光発光性化合物MC-1=70質量%/30質量%)を2.5質量%の濃度で溶解させた」代わりに、「キシレンに、高分子化合物CP3及び燐光発光性化合物MC-3(高分子化合物CP3/燐光発光性化合物MC-3=92.5質量%/7.5質量%)を1.9質量%の濃度で溶解させた」以外は比較例CD1と同様にして、発光素子CD3を作製した。発光素子CD3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。初期輝度1000cd/mで定電流駆動させ、LT95を測定した。結果を表16に示す。
<実施例D7:発光素子D7の作製と評価>
比較例CD1の(発光層の形成)において、「キシレンに、高分子化合物CP1及び燐光発光性化合物MC-1(高分子化合物CP1/燐光発光性化合物MC-1=70質量%/30質量%)を2.5質量%の濃度で溶解させた」代わりに、「キシレンに、ブロック共重合体P6及び燐光発光性化合物MC-3(ブロック共重合体P6/燐光発光性化合物MC-3=92.5質量%/7.5質量%)を1.9質量%の濃度で溶解させた」以外は比較例CD1と同様にして、発光素子D7を作製した。発光素子D7に電圧を印加することによりEL発光が観測された。初期輝度1000cd/mで定電流駆動させ、LT95を測定した。結果を表16に示す。
Figure 0007215958000122
<実施例D8:発光素子D8の作製と評価>
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、正孔注入材料であるAQ-1200(Plectronics社製)をスピンコート法により50nmの厚みで成膜した。大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(正孔輸送層の形成)
キシレンに、高分子化合物HTL-2を0.7質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚みで成膜し、素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより正孔輸送層を形成した。
(発光層の形成)
キシレンに、ブロック共重合体P7及び燐光発光性化合物MC-4(ブロック共重合体P7/燐光発光性化合物MC-4=92.5質量%/7.5質量%)を2.0質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔輸送層の上にスピンコート法により60nmの厚みで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、150℃、10分間加熱させることにより発光層を形成した。
(陰極の形成)
発光層を形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D8を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D8に電圧を印加することによりEL発光が観測された。初期輝度3000cd/mで定電流駆動させ、輝度が初期輝度の98%となるまでの時間(以下、「LT98」ともいう。)を測定した。
<比較例CD4:発光素子CD4の作製と評価>
実施例D8の(発光層の形成)における、「ブロック共重合体P7」に代えて、「高分子化合物CP4」を用いた以外は実施例D8と同様にして、発光素子CD4を作製した。発光素子CD4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。初期輝度3000cd/mで定電流駆動させ、LT98を測定した。
実施例D8及び比較例CD4の結果を表17に示す。発光素子CD4のLT98を1.00としたときの発光素子D8のLT98の相対値を示す。
Figure 0007215958000123
<実施例D9:発光素子D9の作製と評価>
実施例D8の(発光層の形成)における、「ブロック共重合体P7及び燐光発光性化合物MC-4(ブロック共重合体P7/燐光発光性化合物MC-4=92.5質量%/7.5質量%)」に代えて、「ブロック共重合体P7及び燐光発光性化合物MC-5(ブロック共重合体P7/燐光発光性化合物MC-5=92.5質量%/7.5質量%)」を用いた以外は実施例D8と同様にして、発光素子D9を作製した。発光素子D9に電圧を印加することによりEL発光が観測された。初期輝度3000cd/mで定電流駆動させ、LT98を測定した。
<比較例CD5:発光素子CD5の作製と評価>
実施例D9の(発光層の形成)における、「ブロック共重合体P7」に代えて、「高分子化合物CP4」を用いた以外は実施例D9と同様にして、発光素子CD5を作製した。発光素子CD5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。初期輝度3000cd/mで定電流駆動させ、LT98を測定した。
実施例D9及び比較例CD5の結果を表18に示す。発光素子CD5のLT98を1.00としたときの発光素子D9のLT98の相対値を示す。
Figure 0007215958000124

Claims (16)

  1. 末端基と、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基に結合しないブロックと、を含み、
    前記末端基、前記末端基に結合するブロック及び前記末端基に結合しないブロックからなる群より選ばれる少なくとも1つが、燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基を含み、
    前記末端基に結合しないブロックが、下記式(X)で表される構成単位及び下記式(Z)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも2種の構成単位を含み、
    前記末端基に結合しないブロック中の前記式(X)で表される構成単位の合計個数及び前記式(Z)で表される構成単位の合計個数をそれぞれX及びZとし、前記末端基に結合するブロック中の前記式(X)で表される構成単位の合計個数及び前記式(Z)で表される構成単位の合計個数をそれぞれXII及びZIIとするとき、下記式(i)~(iii)の少なくとも1つを満たす、ブロック共重合体。
    >XII (i)
    >ZII (ii)
    +Z>XII+ZII (iii)
    Figure 0007215958000125

    [式中、
    X1及びaX2は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表す。
    ArX1及びArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    ArX2及びArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。ArX4が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
    X1、RX2及びRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX2が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。RX3が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。]
    Figure 0007215958000126

    [式中、Arは、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  2. 前記末端基に結合するブロックが、下記式(Y)で表される構成単位を含む、請求項1に記載のブロック共重合体。
    Figure 0007215958000127

    [式中、ArY1は、置換基を有していてもよいアリーレン基を表す。]
  3. 前記燐光発光性化合物が、下記式(1)で表される燐光発光性化合物である、請求項1又は2に記載のブロック共重合体。
    Figure 0007215958000128

    [式中、
    Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子又は白金原子を表す。
    は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表す。但し、Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n+nは2である。
    及びEは、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。但し、E及びEの少なくとも一方は炭素原子である。Eが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。Eが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
    環Lは、置換基を有していてもよい芳香族複素環を表す。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Lが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
    環Lは、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Lが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
    環Lが有していてもよい置換基と環Lが有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    -G-Aは、アニオン性の2座配位子を表す。A及びAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、又は、A及びAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A-G-Aが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。]
  4. 前記燐光発光性化合物から1個以上の水素原子を取り除いた基が、下記式(1B)で表される末端基、下記式(2B)で表される構成単位、下記式(3B)で表される構成単位又は下記式(4B)で表される構成単位として、前記末端基、前記末端基に結合するブロック及び前記末端基に結合しないブロックからなる群より選ばれる少なくとも1つに含まれる、請求項3に記載のブロック共重合体。
    Figure 0007215958000129

    [式中、
    1Bは、前記式(1)で表される燐光発光性化合物から1個の水素原子を取り除いた基を表す。
    は、酸素原子、硫黄原子、-N(R)-、-C(R-、-C(R)=C(R)-、-C≡C-、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Rは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRは、同一であってもよく異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。Lが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
    c1は0以上10以下の整数を表す。]
    Figure 0007215958000130

    [式中、
    1Bは前記と同じ意味を表す。
    及びLは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、-N(R)-、-C(R-、-C(R)=C(R)-、-C≡C-、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R及びRは、前記と同じ意味を表す。Lが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。Lが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
    d1及びne1は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表す。複数存在するnd1は、同一であってもよく異なっていてもよい。
    Ar1Mは、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
    Figure 0007215958000131

    [式中、
    及びnd1は、前記と同じ意味を表す。
    2Bは、前記式(1)で表される燐光発光性化合物から2個の水素原子を取り除いた基を表す。]
    Figure 0007215958000132

    [式中、
    及びnd1は、前記と同じ意味を表す。
    3Bは、前記式(1)で表される燐光発光性化合物から3個の水素原子を取り除いた基を表す。]
  5. 前記式(1)で表される燐光発光性化合物が、下記式(1-A)で表される燐光発光性化合物である、請求項3又は4に記載のブロック共重合体。
    Figure 0007215958000133

    [式中、
    M、n、n、E及びA-G-Aは、前記と同じ意味を表す。
    環L1Aは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアゾール環又はジアゾール環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環L1Aが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
    21A、E22A、E23A及びE24Aは、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。E21A、E22A、E23A及びE24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。E21Aが窒素原子の場合、R21Aは存在しない。E22Aが窒素原子の場合、R22Aは存在しない。E23Aが窒素原子の場合、R23Aは存在しない。E24Aが窒素原子の場合、R24Aは存在しない。
    21A、R22A、R23A及びR24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R21A、R22A、R23A及びR24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。R21AとR22A、R22AとR23A、R23AとR24A、及び、環L1Aが有していてもよい置換基とR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    環L2Aは、ベンゼン環、ピリジン環又はジアザベンゼン環を表す。]
  6. 前記式(Z)で表される構成単位が、下記式(Z’)で表される構成単位である、請求項1~5のいずれか一項に記載のブロック共重合体。
    Figure 0007215958000134

    [式中、ArZ’は、環構成原子として二重結合を有する窒素原子を含む2価の含窒素複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の前記2価の含窒素複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  7. 前記末端基に結合するブロックが、前記式(X)で表される構成単位及び前記式(Z)で表される構成単位を含まない、請求項1~6のいずれか一項に記載のブロック共重合体。
  8. 前記末端基と、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基に結合しないブロックと、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基と、をこの順に含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のブロック共重合体。
  9. 請求項1~8のいずれか一項に記載のブロック共重合体と、
    正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤及び溶媒からなる群より選ばれる少なくとも1種と、
    を含有する、組成物。
  10. 末端基と、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基に結合しないブロックと、を含むブロック共重合体、及び、燐光発光性化合物を含有し、
    前記末端基に結合しないブロックが、下記式(X)で表される構成単位及び下記式(Z)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも2種の構成単位を含み、
    前記末端基に結合しないブロック中の前記式(X)で表される構成単位の合計個数及び前記式(Z)で表される構成単位の合計個数をそれぞれXVI及びZVIとし、前記末端基に結合するブロック中の前記式(X)で表される構成単位の合計個数及び前記式(Z)で表される構成単位の合計個数をそれぞれXVII及びZVIIとするとき、下記式(iv)~(vi)の少なくとも1つを満たす、組成物。
    VI>XVII (iv)
    VI>ZVII (v)
    VI+ZVI>XVII+ZVII (vi)
    Figure 0007215958000135

    [式中、
    X1及びaX2は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表す。
    ArX1及びArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    ArX2及びArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。ArX4が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
    X1、RX2及びRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX2が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。RX3が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。]
    Figure 0007215958000136

    [式中、Arは、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  11. 前記燐光発光性化合物が、下記式(1)で表される燐光発光性化合物である、請求項10に記載の組成物。
    Figure 0007215958000137

    [式中、
    Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子又は白金原子を表す。
    は1以上の整数を表し、nは0以上の整数を表す。但し、Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n+nは3であり、Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n+nは2である。
    及びEは、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。但し、E及びEの少なくとも一方は炭素原子である。Eが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。Eが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
    環Lは、置換基を有していてもよい芳香族複素環を表す。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Lが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
    環Lは、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。前記置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環Lが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
    環Lが有していてもよい置換基と環Lが有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    -G-Aは、アニオン性の2座配位子を表す。A及びAは、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。Gは、単結合、又は、A及びAとともに2座配位子を構成する原子団を表す。A-G-Aが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。]
  12. 前記式(1)で表される燐光発光性化合物が、下記式(1-A)で表される燐光発光性化合物である、請求項11に記載の組成物。
    Figure 0007215958000138

    [式中、
    M、n、n、E及びA-G-Aは、前記と同じ意味を表す。
    環L1Aは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアゾール環又はジアゾール環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環L1Aが複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
    21A、E22A、E23A及びE24Aは、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。E21A、E22A、E23A及びE24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。E21Aが窒素原子の場合、R21Aは存在しない。E22Aが窒素原子の場合、R22Aは存在しない。E23Aが窒素原子の場合、R23Aは存在しない。E24Aが窒素原子の場合、R24Aは存在しない。
    21A、R22A、R23A及びR24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R21A、R22A、R23A及びR24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。R21AとR22A、R22AとR23A、R23AとR24A、及び、環L1Aが有していてもよい置換基とR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    環L2Aは、ベンゼン環、ピリジン環又はジアザベンゼン環を表す。]
  13. 前記ブロック共重合体が、前記末端基と、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基に結合しないブロックと、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基と、をこの順に含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. 末端基と、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基に結合しないブロックと、を含み、
    前記末端基に結合しないブロックが、下記式(X)で表される構成単位及び下記式(Z’)で表される構成単位からなる群より選ばれる少なくとも2種の構成単位を含み、
    前記末端基に結合しないブロック中の前記式(X)で表される構成単位の合計個数及び前記式(Z’)で表される構成単位の合計個数をそれぞれXXI及びZXIとし、前記末端基に結合するブロック中の前記式(X)で表される構成単位の合計個数及び前記式(Z’)で表される構成単位の合計個数をそれぞれXXII及びZXIIとするとき、下記式(vii)~(ix)の少なくとも1つを満たす、ブロック共重合体。
    XI>XXII (vii)
    XI>ZXII (viii)
    XI+ZXI>XXII+ZXII (ix)
    Figure 0007215958000139

    [式中、
    X1及びaX2は、それぞれ独立に、0以上10以下の整数を表す。
    ArX1及びArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    ArX2及びArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。ArX4が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。
    X1、RX2及びRX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX2が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。RX3が複数存在する場合、それらは同一であってもよく異なっていてもよい。]
    Figure 0007215958000140

    [式中、ArZ’は、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、アザフェナントレン環若しくはジアザフェナントレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、アザフェナントレン環若しくはジアザフェナントレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた基の少なくとも1種とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  15. 前記末端基と、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基に結合しないブロックと、前記末端基に結合するブロックと、前記末端基と、をこの順に含む、請求項14に記載のブロック共重合体。
  16. 請求項1~8、14及び15のいずれか一項に記載のブロック共重合体、又は、請求項10~13のいずれか一項に記載の組成物を含有する発光素子。
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